JP5026991B2 - 線虫耐性又は抵抗性植物の生長を改善する方法 - Google Patents

線虫耐性又は抵抗性植物の生長を改善する方法 Download PDF

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Description

線虫耐性又は抵抗性植物の生長特性を向上させるために、その植物繁殖材料を殺線虫特性を有する農薬で処理する方法、及びそのように処理した材料、に関する。
線虫は、直接的な食害により、ウイルスを感染させることにより、そして細菌及び真菌の感染を容易にすることにより、作物に損害を与える。線虫によって引き起こされる作物への損害は、しばしば曖昧であり、そして干ばつ、栄養障害又は疾患と混同され易い。典型的な症候は、しおれ、枝葉の黄変及び不均一な生長又は生長不良である。
線虫を防除し、それによって植物を保護する方法には、(1)殺線虫剤(例えばアルジカルブ)及び燻蒸剤(例えば臭化メチル)の使用、(2)土壌の蒸気処理の使用、(3)
輪作の使用(これは特定の作物に特異的な線虫に対して有効であるが、異なる宿主を持つ線虫はこの方法では防除することができない)、及び(4)常用の繁殖及び組換えDNA技術によって発育した線虫抵抗性又は耐性作物(遺伝子組換え植物)の使用、が含まれる。
線虫抵抗性又は耐性を有する繁殖材料を蒔くか、植える前にそれを殺線虫剤で処理することで、例えば、畝間(in−furrow)に適用される殺線虫剤と比較して予測できないほど良好な植物生長特性が提供されることが今回明らかとなった。
従って、第一の観点において、本発明は、線虫耐性又は抵抗性の植物の収量及び/又は強勢などの生長特性を向上させる方法であって、当該植物の植物繁殖材料を、種蒔き又は栽植前に殺線虫特性を有する農薬で処理することを含んで成る、方法、を提供する。
第二の観点において、本発明は、種蒔き又は栽植前に殺線虫剤で処理した線虫耐性又は抵抗性植物の繁殖材料、を提供する。
本発明は、農業的に重要な植物に特に適しており、ここで、当該植物は、商業規模で収穫又は栽培される植物を指す。
このような農業用の植物(又は作物)の例には、限定しないが、ワタ(cotton)、トウモロコシ、穀類(例えば、コムギ、オオムギ、ライムギ、及びコメ)、野菜(例えば結実野菜、例えばトマト、鱗茎菜、葉菜、アブラナ及び根菜)、クローバー、マメ科植物(例えばマメ、ダイズ、エンドウマメ及びアルファルファ)、とうきび、砂糖ダイコン、タバコ、ナタネ(キャノーラ)、ヒマワリ、及びソルガムが含まれる。
用語「植物繁殖材料」は、植物における生殖力があるあらゆる部分、例えば種子を意味しており、これはその後の生長力のある植物材料、例えば挿し木及び塊茎(例えば、ジャガイモ)の複製に使用することができる。例えば、種子(厳密な意味でのもの)、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物の一部を挙げることもできる。発芽後又は土壌から出芽後に移植されうる、発芽した植物及び若い植物も挙げることができる。これらの若い植物は、浸漬による全体的又は部分的な処理によって移植前に保護することができる。
線虫抵抗性又は耐性のある植物は、他の既知の感染しやすい品種と比較した場合に、線虫の摂食、生殖がより低レベルなものとなり、そして/あるいは収量の増幅率の増大を示すことができる。従って、線虫抵抗性又は耐性のある植物は、死滅したり、深刻な損傷又は作物の損失に苦しむことなく線虫の攻撃についての効果を維持することができる。概して、かかる植物は、この効果の維持を提供する一定の品質(例えば遺伝子)を有する。
本発明に適した植物繁殖材料は、線虫抵抗性又は耐性を有することが知られている1又は複数の遺伝子又は対立遺伝子、あるいは線虫抵抗性又は耐性を有することが知られていない1又は複数の遺伝子又は対立遺伝子であって、それにも関わらず、その植物が、他の既知の感染しやすい品種と比較した場合に、線虫の摂食、生殖がより低レベルなものとなり、そして/あるいは収量の増幅率の増大を示すもの、を植物のゲノムに組み込むことで、線虫抵抗性又は耐性を有するように操作されているものである。線虫に対する当該植物からの立証済みの反応は、線虫の特定の属、種又はレース(他のものが含まれない(not another)に対するものであってもよく、あるいは同一か又は異なるレベルの抵抗性で多数の線虫のレース、種又は属に対するものであってもよい。
綿実の例には、Stoneville Pedigreedの品種ST5599BRが含まれ、これは、根こぶ線虫に対する抵抗性についての単一の劣性遺伝子を有するLA877(Louisiana由来の綿実品種)の形質転換から誘導される。ワタにおける根こぶ線虫に対しての完全な抵抗性には2つの遺伝子が必要とされるが、一方の遺伝子(すなわち、ST5599BR)が存在する場合、植物は根こぶ線虫に対してより低レベルの抵抗性/耐性を有する。綿実品種NemXは、根こぶ線虫(Meloidogyne incognita)型に対する遺伝子関連の部分的抵抗性の別の例である。
トマト種子の例はMi遺伝子抵抗性種子である。特定のトマト品種に見られるMi遺伝子は、根こぶ線虫に対する抵抗性を賦与し、これはトマト植物におけるMi遺伝子座に由来する。Marina, Lycopersicon lycopersicumは、根こぶ線虫に対する抵抗性を賦与するMi遺伝子を有するトマトの種子品種の一例である。
ダイズシストセンチュウ(SCN)に対しての抵抗性が組み込まれているダイズ種子の例がある。SCNに対する抵抗性をコードしている複数の既知の遺伝子座が存在しており、そして特定のダイズ遺伝子型が特定のSCNレースに対し異なる反応性を有する。SCNに対する抵抗性対立遺伝子の遺伝子座又は特定の遺伝子の組み込みにより、植物は一部のダイズシストセンチュウから保護される。しばしば、対立遺伝子は、特定のレースの根こぶ線虫からダイズの生殖質を保護し、(別の品種由来の)他の線虫からはダイズの生殖質を保護しない。ダイズシストセンチュウに対してレース特異的抵抗性を有するダイズの品種の例は、Northrup King S26-V6, S29-J6 (レース3に対する有効性及びレース14に対する中程度の有効性)Garst 1212RR/N, 1812RR/N (レース3に対する有効性及びレース14に対する有効性) Pioneer 91 M90及び92M92, (レース1及び3に対する有効性)及びPioneer 93B67, 93M50, 9492, 95B53, 97B52, 92M70 (レース5及び14に対する有効性)及びFowlerのダイズ品種(レース2,3及び5に対する有効性)である。多数の品種のダイズシストセンチュウが同定されているが、典型的に、これらのうちのごく僅かなものがSCN抵抗性の開発に広く使用されている(レース1,2,3,4,5及び14)。
レースは、所定の植物種に感染する病原菌(例えば線虫)の種及び/又は群の中で、遺伝的に且つしばしば地理的に異なる交配群として同定される。多数の線虫種が存在しており、これには宿主特異性(host specification)に起因するレース表記を有するものや(M. incognita レース3は、ワタに対して病原性があるが、落花生に対してはなく、そしてM. arenaria レース1は落花生に対して病原性があるが、ワタに対してはない)、宿主の品種に起因する品種表示を有するものがある(Heterodera glycinesレース1は、ダイズ品種Pioneer 92M70を攻撃するが、ダイズ品種Pioneer 92M92に対しては攻撃しない)。
ある態様において、殺線虫剤での種子の処理は、綿実品種に対して行われ、例えばUSDA-ARS及びテネシー大学のAgricultural Experiment Stationによって開発されたStoneville Pedigreed綿実品種ST5599BR及びFowlerダイズ[Glycine max (L) Merr.] (Reg. no. CV- 421 , Pl 613195) 品種である。
別の観点において、本発明はまた、線虫の攻撃から線虫抵抗性又は耐性植物又はその繁殖材料を保護する方法に関する。
本発明は、線虫による植物への損害を防ぎ、その結果、かかる線虫の良好な防除を通じて生育特性を向上させるものと考えられる。
植物の生育する特性(又は生育特性)の向上は、多数の異なる様式で顕在化することがあるが、最終的にはそれは植物のより良い生産物をもたらす。それは、例えば、当該植物の収量及び/又は強勢あるいは当該植物から収穫した生産物の品質を向上させることで顕在化することがある。
本明細書で使用する場合、植物の「収量の向上」なる用語は、当該植物の生産物の収量が、対象の方法を適用しないことを除き同一の条件下で生産される植物の同一の生産物の収量よりも、測定可能な量増大することに関連している。好ましくは、収量は少なくとも約0.5%増大し、より好ましくは、当該増大は少なくとも約1%であり、より更に好ましくは2%、そしてまた更に好ましくは約4%、あるいはそれ以上である。収量は、幾つかの基準で、植物の生産物の重量又は容積による量で表現することができる。この基準は、時間、栽培面積、生産される植物の重量、使用する原材料の量等の観点で表現することができる。
本明細書で使用する場合、植物の「強勢の向上」は、強勢の格付け、又はスタンド(単位面積当たりの植物の数)、又は植物の高さ、植物キャノピー、又は実際の外観(例えばより緑色の葉の色)、又は根の格付け、又は出芽、又はタンパク質含量、又は分げつの増大、又はより大きな葉身、又は枯れた根出葉がより少ないこと、又はより力強いひこばえ(tiller)、必要とされる肥料がより少ないこと、又は必要とされる種子がより少ないこと、又はひこばえがより生産性があること、又は開花期がより早いこと、又は穀類の成熟度が早いこと、又は植物バース(plant verse)(倒伏)がより低いこと、又はシュート生長の増大、又はより早期の発芽、あるいはこれらの因子の任意の組み合わせ、あるいは当業者によく知られているこれ以外の任意な利点に関連しており、これは、対象の方法を適用しないことを除き同一の条件下で生産される植物の同一の因子よりも測定可能又は認識可能な量による。
本発明が植物の「収量及び/又は強勢を向上する」ことができると言われる場合、本発明の方法は、植物の、上述の収量、又は強勢、あるいは植物の収量及び強勢の両方の増大をもたらす。
本発明に特有の利点は、殺線虫剤で処理した植物繁殖材料、例えば種子であって、線虫抵抗性/耐性が備わっているものが、植物の生育特性の驚くべき向上を示すだけでなく、高温で線虫から保護されることである。
害虫である線虫の例には、ネコブセンチュウ(Meloidogyne)種(例えば、メロイドギネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)及びメロイドギネ・ジャバニカ(Meloidogyne javanica))、ヘテロデラ(Heterodera)種(例えば、ヘテロデラ・グリシネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・シャクチイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・アベナエ(Heterodera avenae)及びヘテロデラ・トリホリイ(Heterodera trifolii))、グロボデラ(Globodera)種(例えば、グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis))、ラドホルス(Radopholus)種(例えば、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis))、ロチレンクス(Rotylenchus)種、プラチレンクス(Pratylenchus)種(例えば、プラチレンクス・ネグレクツス(Pratylenchus neglectus)及びプラチレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans))、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)種、ヘリオコチレンクス(Helicotylenchus)種、ホプロアイムス(Hoploaimus)種、パラトリコドルス(Paratrichodorus)種、ロンギドルス(Longidorus)種、ナコブス(Nacobbus)種、スバングイナ(Subanguina)種、ベロンライムス(Belonlaimus)種、クリコネメラ(Criconemella)種、クリコネモイデス(Clriconemoides)種、ジチレンクス(Ditylenchus)種、ドリコドルス(Dolichodorus)種、ヘミクリコネモイデス(Hemicriconemoides)種、ヘミシクリオホラ(Hemicycliophora)種、ヒルスマニエラ(Hirshmaniella)種、ハイプソペリネ(Hypsoperine)種、マクロポスソニア(Macroposthonia)種、プンクトデラ(Punctodera)種、キニスルシウス(Quinisulcius)種、スクテロネマ(Scutellonema)種、キシフィネマ(Xiphinema)種、及びチレンコリンクス(Tylenchorhynchus)種が含まれる。
1種類の農薬が複数の防除領域における活性を有することがあり、例えば、農薬は、殺菌、殺虫及び殺線虫活性を有することがある。具体的には、アルジカルブは、殺虫、ダニ駆除及び殺線虫活性について知られており、一方、メタムは殺虫、除草、殺菌及び殺線虫活性について知られており、そしてチアベンダゾール及びカプタンは殺線虫及び殺菌活性を提供しうる。従って、殺線虫剤、好ましくは植物繁殖材料処理用殺線虫剤は、本発明において、線虫からの許容可能な防除を示す農薬、例えば未処理(殺線虫剤不使用)のチェックと比較した場合に例えば10〜50、好ましくは20〜45、より好ましくは30〜40%の線虫防除の向上を示す殺虫剤である。
植物繁殖材料を処理するための本発明での使用に適した殺線虫剤の例は、アバメクチン、カーバメート系殺線虫剤(例えば、アルジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、オキサミル、アルドキシカルブ、エトプロップ、ベノミル、アラニカルブ)、有機リン系殺線虫剤(例えば、ヘナミフォス、フェナミフォス、フェンスルホチオン、テルブフォス、フォスチアゼート、ジメトエート、ホスフォカルブ、ジクロフェンチオン、イサミドフォス、フォスチエタン、イサゾフォスエトプロフォス、カズサホス、テルブフォス、クロルピリフォス、ジクロフェンチオン、ヘテロフォス、イサミドフォス、メカルフォン、フォレート、チオナジン、トリアゾフォス、ジアミダフォス、フォスチエタン、フォスファミドン)、及び特定の殺菌剤、例えばカプタン及びチアベンダゾールである。アバメクチン、アルジカルブ又はオキサミルが本発明では好ましい殺線虫剤である。
本発明で定義される植物繁殖材料は、殺線虫剤に加えて、1又は複数の他の農薬、例えば殺菌剤及び殺虫剤(insecticide)で処理してもよい。
活性成分(殺線虫剤)、及び、任意に1又は複数の他の農薬をまいたり、それらを種子に付着させることも、前記繁殖材料、例えば種子の処理の間、望まれることである。当該処理は、植物繁殖材料、例えば種子上の活性成分を含む製剤の薄膜(本来のサイズ及び/又は形状は認識可能)から、厚膜(例えば、異なる材料(例えば担体、例えば粘土;異なる製剤、例えば他の活性成分の製剤;ポリマー;及び着色剤)による多数の層)(種子の本来の形状及び/又はサイズはもはや認識できない)に及ぶことがある。
従って、第二の観点において、殺線虫剤は、繁殖材料、例えば種子に付着される。
本発明の方法は、あらゆる生理学的状態の種子に適用することができると考えられるが、種子は、処理工程の間なんら損害を受けない、十分に耐久性がある状態にあるのが好ましい。典型的に、種子は、畑から収穫された種子;植物から取り出された種子;及び任意の穂軸、茎、外側の殻、及び周辺の果肉(pulp)又は他の種子以外の植物材料から分離された種子である。当該種子は、好ましくは、前記処理が種子に全く損傷をもたらさない程度に更に生理学的に安定であろう。前記処理は、種子の採集と播種の間又は播種工程の間のいずれの時期にでも種子に適用することができる(種子向きの適用)。
種子の処理は、蒔かれていない種子に行われ、そして用語「蒔かれていない種子」とは、種子の採集と種子の播種との間の任意な時期における、植物の発芽及び生長のために地中にある種子を含むことを意味する。
蒔かれていない種子に対する処理は、農薬が土壌に適用される慣行のものを含むことを意味するものではなく、栽植工程の間に種子を標的とするあらゆる適用で慣行されているものを含むことを意味する。
好ましくは、前記処理は種子の播種の前に行われ、その結果播種された種子は予め処理されている。
農薬(例えば殺線虫剤、殺菌剤、殺虫剤(insecticide))は、製剤の形態にあり、これは、常用の処理技術及び機械、例えば流動床技術、ローラーミル法、rosostaticのseed treater、及びドラム塗工機、を用いて種子に適用することができる。他の方法、例えば噴流層も有用な場合がある。種子は、コーティング前にプレサイジングされることがある。コーティング後、種子は典型的に乾燥され、そしてサイジングのためにサイジング機に移される。かかる手順は当業界で知られている。
市販品は好ましくは濃縮物として製剤化されるが(例えば、プレミックス組成物(又は濃縮物、製剤化された化合物(又は製品))、エンドユーザーは通常は希釈製剤、任意に1又は複数の他の農薬プレミックスを含むもの(タンクミックス組成物(又はレディ・トゥ・アプライ、スプレイ・ブロス(spray broth)、又はスラリー))を含むもの、を繁殖材料の処理に使用するが、適切に製剤化されたプレミックス組成物を使用することもできる。
殺線虫剤を含む農薬の処理のための製剤は、様々な形態、例えば懸濁液、乳濁液、溶液又は粉剤を採ることができ、任意にポリマー担体又はステッカーが用いられる。
製剤(プレミックス又はタンクミックス)は、更に、殺線虫剤及び、任意に他の農薬であって、特定の粒径にあるもの、少なくとも1つの助剤(アジュバントとしても知られているもの)であって、製剤技術で常用されているもの、例えば増量剤、例えば溶媒(例えば水)又は固体担体、又は表面活性化合物(界面活性剤)、を製剤の形態で本発明において含んで成る。
種子処理用プレミックス製剤の型の例は:
WS:種子処理用スラリーのための水和剤
LS:種子処理用の溶液
ES:種子処理用の乳濁液
FS:種子処理用の懸濁濃縮液
WG:顆粒水和剤、及び
CS:水性カプセル懸濁液
タンクミックス組成物に適した製剤の型の例は、溶液、希釈した乳濁液、懸濁液、又はそれらの混合物、及び粉剤、である。
タンクミックス組成物は、通常、溶媒(例えば水)で、異なる農薬、及び任意に追加の助剤を含む1又は複数のプレミックス組成物を希釈することで調製される。概して、水性のタンクミックスが好ましい。
通常、種子処理に利用するためのタンクミックス製剤は、0.25〜80%、特に1〜75%、の農薬、及び99.75〜20%、特に99〜25%の固体又は液体の助剤(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、タンクミックス製剤ベースで、0〜40%、特に0.5〜30%の量の界面活性剤であってもよい。
典型的に、種子処理に利用するためのプレミックス製剤は、0.5〜99.9%、特に1〜95%、の農薬、及び99.5〜0.1%、特に99〜5%の固体又は液体の助剤(例えば、溶媒、例えば水を含む)を含んで成り、ここで、当該助剤は、プレミックス製剤ベースで、0〜50%、特に0.5〜40%の量の界面活性剤であってもよい。好ましい種子処理用プレミックス製剤は、水性懸濁濃縮液である。
以下の実施例は、適当な製剤を例示する役割を果たす。
製剤例
水和剤 a) b) c)
活性成分混合物 25% 50% 75%
リグノスルホン酸ナトリウム 5% 5% -
ラウリル硫酸ナトリウム 3% - 5%
ジイソブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム - 6% 10%
フェノオールポリグリコールエーテル - 2% -
(7-8モルのエチレンオキシド)
高分散ケイ酸 5% 10% 10%
カオリン 62% 27% -
活性成分はアジュバントと充分に混合され、混合物は適当なミルで充分に粉砕され、それにより、水和剤が得られ、これは水で希釈することで任意な所望の濃度の懸濁液を生成することができる。
粉剤 a) b) c)
活性成分 5% 6% 4%
タルカム 95% - -
カオリン - 94% -
無機充填剤 - - 96%
レディー・トゥー・ユースの粉剤は、活性成分を担体と混合し、そして混合物を適当なミルで粉砕することにより得られる。このような粉末は種子のドライドレッシングに使用することができる。
懸濁濃縮液 a) b)
活性成分 5% 30%
プロピレングリコール 10% 10%
トリスチリルフェノールエトキシラート 5% 6%
リグノスルホン酸ナトリウム - 10%
カルボキシメチルセルロース - 1%
シリコン油(75%乳濁液/水の形態) 1% 1%
顔料 5% 5%
水 74% 37%
細かく粉砕された活性成分はアジュバントと充分混合され、それにより懸濁濃縮液が生成され、これから任意の所望な濃度の懸濁液が水で希釈することにより得られうる。あるいは、活性成分と助剤(水を含む)の懸濁液は、安定な製剤を得るためにビーズミルを用い、そして適切な処理特性により湿式粉砕される。
1つの態様において、殺線虫剤アバメクチンは、濃縮懸濁液、例えば水性懸濁液の形態にある。
本発明の殺線虫剤は、好ましくは、種子当たり0.01〜2、好ましくは0.05〜1、特に0.1〜0.8mgの活性成分で種子を処理する。具体的な比率は、種子と殺線虫剤によって異なるが、一例として、アバメクチンは綿実に対し0.1〜0.2mg ai/種子、トマト種子に対し0.3〜0.6mg ai/種子、そしてダイズ種子に対し0.1〜0.2mg ai/種子で処理される。
本発明の処理された植物繁殖材料は、常用の植物繁殖材料と同様の方法で処理することができる。
処理された種子は、それ以外の農薬で処理した種子と同様に保存され、取り扱われ、蒔かれ、そして耕されることがある。
種子処理用殺線虫剤、例えばアバメクチンの作用は、農業に使用される他の種子処理用殺線虫剤化合物(上文で言及した例)を使用することで、有意に向上することがあり、そして所定の環境に適合することができる。
更に、植物の生育特性は、繁殖材料に対する処理に1又は複数の他の農薬を組み込むことで向上することができ、これにより、他のペスト、例えば疾患及び昆虫の防除を提供することができる。
殺線虫剤と組み合わせて、プレミックス、タンクミックス中又は繁殖材料(例えば種子)上で使用されうる他の農薬の適当な例には、トリアゾール誘導体、ストロビルリン、カルバメート(チオカルバメートを含む)、ベンズイミダゾール(チアベンダゾール)、N−トリハロメチルチオ化合物(カプタン)、置換ベンゼン、カルボキサミド、フェニルアミド及びフェニルピロール、並びにそれらの混合物;並びにネオニコチノイド、カルバメート及びピレスロイドを含む。
具体例は、アセフェート(2)、アセタミピリド(4)、アルファ−シペルメトリン(202)、アジンホス−メチル(45)、ビフェントリン(76)、カルバリル(115)、カルボキシン(120)、カルボフラン(118)、カルボスルファン(119)、クロルピリホス(145)、クロチアニジン(165)、シロマジン(209)、デルタメトリン(223)、ジメトエート(262)、エマメクチンベンゾエート(291)、エンドスルファン(294)、フィプロニル(354)、フラチオカルブ(412)、ガンマ−HCH(430)、イミダクロプリド(458)、イソフェンホス、メチオカルブ(530)、オメトエート(594)、テフルトリン(769)、チアメトキサム(792)、チアクロピリド(791)、チオジカルブ(799)、アゾキシストロビン(47)、ピラクロストロビン(690)、ベノミル(62)、ベナラキシル(56)、ビテルタノール(84)、カプタン(114)、カルベンダジム(116)、カルボキシン(120)、クロロタロニル(142)、銅塩(例えば硫酸銅(172)、亜酸化銅(181)、ボルドー液(87)、水酸化銅(169)、硫酸塩(三塩基性)(173)、オキシ塩化銅(171)及びオクタン酸銅(170))、シモキサニル(200)、シプロコナゾール(207)、シプロジニル(208)、ジフェノコナゾール(247)、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(267)、エチリモール、ファモキサドン(322)、フェノキサニル(338)、フルオキサストロビン、フェンアミドン(325)、フェンヘキサアミド(334)、フェンピクロニル(341)、フルアジナム(363)、フルキンコナゾール(385)、フルトラニル(396)、フォセチル−アルミニウム(407)、フベリダゾール(409)、グアザチン(422)、ヘキサコナゾール(435)、ヒメキサゾール(447)、イマザリル(449)、イプロジオン(470)、マンコゼブ(496)、マンネブ(497)、メタラキシル(516)、メタラキシル−M(517)、メトコナゾール(525)、ミクロブタニル(564)、ヌアリモール(587)、シルチオファム(729)、オキサジキシル(601)、オキシン銅(605)、オキソリン酸(606)、ペンシクロン(620)、プロクロラズ(659)、プロシミドン(660)、ピリメタニル(705)、プロピコナゾール(675)、ピラクロストロビン(690)、ピロキロン(710)、キントゼン(716)、テブコナゾール(761)、テトラコナゾール(778)、チアベンダゾール(790)、チオファネート−メチル(802)、チラム(804)、トリアジメノール(815)、トリアゾキシド(821)、トリチコナゾール(842)、トリフロキシストロビン(832)、ピコキシストロビンン(647)、イプコナゾール(468)、及びオルト−シクロプロピル−カルボキサニリド誘導体であり、これらには、限定しないが、式
Figure 0005026991
(ここで、Rxはトリフルオロメチル又はジフルオロメチルであり、そして
Ryは水素又はメチルである)
の化合物、立体異性体、及び立体異性体混合物、あるいは当該化合物の互変異性体が含まれる。
特に好ましいのは、ラセミ化合物の中身が、式IIの化合物(ここで、Rxはジフルオロメチルであり、そしてRyは水素である)、及び式IIIの化合物(ここで、Rxはジフルオロメチルであり、そしてRyは水素である)のラセミ混合物が重量当たり65〜99%であることを表す化合物である。
1つの態様において、1又は複数のエマメクチンベンゾエート(291)、メタラキシル−M(517)、フィプロニル(354)、チアメトキサム(792)、ジフェノコナゾール(247)、アゾキシストロビン(47)、フルジオキソニル、シルチオファム(729)、テフルトリン(769)、イミダクロプリド(458)、チアクロピリド(791)、クロチアニジン(165)、チアベンダゾール(790)及びミクロブタニル(564)が好ましい。
特に好ましい混合パートナーは、メタラキシル(516)、メタラキシル−M(517)、チアメトキサム(792)、ジフェノコナゾール(247)、フルジオキソニル、アゾキシストロビン(47)、シルチオファム(729)、テフルトリン(769)、イミダクロプリド(458)、クロチアニジン(165)、ミクロブタニル及びチアベンダゾール(790)である。
本発明の態様において、種子処理用殺線虫剤の作用は、農業で使用される他の殺線虫化合物の使用により、例えば他の殺線虫剤を、その栽植の前に又はその生育の間に植物繁殖材料の播種又は栽植の部位に適用することで、有意に向上することができ、そして所定の環境に適合することができる。
かかる殺線虫剤の例は、4つの異なる群に分けられる:1)栽植の際に畝間に適用される殺線虫剤(例えば、Temik 15Gの形態のアルジカルブは、ワタにおいて、栽植の時期に畝間に1エーカー(4047m2)当たり5〜7lbs(2.7〜3.2kg)の割合で適用することができる);2)植物の出芽後に側方施肥適用される殺線虫剤(例えば、重度に線虫進入なされている領域に対し、Temik 15Gをワタの発育の第二〜第八本葉期の間に適用することができる);3)葉に適用される殺線虫剤(例えば、Vydate(オキサミル)の形態のオキサミルは、線虫から植物を保護するために、植物の出芽後に葉面散布として適用することができる);及び4)土壌燻蒸(例えば、臭化メチル及びTelone(1,3−ジクロロプロペン)を使用して重度に線虫が進入した土壌を燻すことができる)。
以下の実施例は、例示のために示すものであり、本発明を限定するためのものではない。
実施例1
綿実を生育させて以下の異なる殺線虫剤処理を比較する。
1)土壌処理−種子に対しての殺菌剤及び殺虫剤:種子処理(a)。しかし、その後にアルジカルブを(栽植時に)360g ai/エーカーの割合で(Temik 15Gの製品5lbsと同程度)畝間に適用、及び2)種子処理−種子に対しての殺菌剤及び殺虫剤とアバメクチンとの組み合わせ:種子処理(b)。
種子処理(a):種子処理製剤は、3.32%メフェノキサム(CAS番号70630−17−0)、1.11%フルジオキソニル(CAS番号131341−86−1)及び6.64%アゾキシストロビン(CAS番号131860−33−8)を含む殺菌剤濃縮物、並びに47.6%チアメトキサムを含む殺虫剤濃縮物、を担体としての水に希釈することで調製される。この製剤の希釈液は、1〜2分間周囲温度でほぼ1kgの既知の根こぶ線虫耐性綿実に対し、Hege seed treater(Hege)中で、それぞれ個々の種子当たり0.37mg活性成分(殺菌剤と殺虫剤の組み合わせによる種子処理)の割合で用いて適用される。処理された種子は、風乾され、そして出荷され、そして栽植前に周囲温度で保存される(ほぼ2週間)。
種子処理(b):上記製剤の(種子処理(a)の)殺虫剤と殺菌剤を、46.3%アバメクチンを含むアバメクチン濃縮物と一緒に担体としての水と混合する。チアメトキサム、メフェノキサム、フルジオキソニル、アゾキシストロビン及びアバメクチンを種子当たり合計0.52mgの活性成分の割合で適用する。当該殺菌剤及び殺虫剤は、(a)で示した割合で適用され、そしてアバメクチンは種子当たり0.15mgの活性成分の割合で適用される。この製剤の希釈液は、1〜2分間、周囲温度で、(a)で使用した約1kgの綿実に対し、Hege seed treaterにおいて適用される。処理した種子は、風乾され、そして出荷され、そして栽植前に周囲温度で保存される(ほぼ2週間)。
根こぶ線虫耐性を有する綿実を使用して処理(1)と(2)を比較する。綿実は、種子処理(a)及び(b)に記載の製剤で処理され、そしてその後、当該種子は、無作為化された完全なブロックレイアウトにおける4列(36インチの列の間隔)で50フィートの規模の小区画において蒔かれる(1フィート当たり4つの種子)。その実験的な領域内の畑土壌は、栽植前に根こぶ線虫による汚染/侵入がなされている。結果を図1に示す。
Figure 0005026991
*こぶ(gall)の格付けは、1〜6の等級を利用し、ここで、1はこぶなし、2は植物当たり1〜2個のこぶ、3は植物当たり3〜10個のこぶ、4は植物当たり11〜30個のこぶ、5は31〜100個のこぶ、そして6は植物当たり100個超のこぶである。
当該データは、播種前に殺線虫剤で処理(処理(2))した線虫耐性の種子に由来する作物の収率が、栽植時(すなわち、播種後)に殺線虫剤処理(処理(1))を受けた相当の種子よりも良好であること(17.4%の収率の増大)を示している。また、種子処理用殺線虫剤(処理2)を用いた線虫抵抗性品種上では、種子処理用殺線虫剤を使用しない処理(処理1)と比較して、より少ない数のこぶが観察された(17.2%減少)。
実施例2
ダイズ種子を生育させて、ダイズシストセンチュウ(SCN)の特定のレースに対して抵抗性がある種子と、SCNに対して抵抗性のない種子との間で殺線虫剤による種子の処理を比較した。
双方の組の種子を後述する処理(c)及び(d)で処理する。
種子処理(c):種子処理製剤は、1.07%メフェノキサム(CAS番号70630−17−0)及び0.73%フルジオキソニル(CAS番号131341−86−1)を含む殺菌剤濃縮物を担体としての水に希釈することで調製される。この製剤の希釈液は、1〜2分間周囲温度でほぼ1kgの種子に対し、Hege seed treater(Hege)中で、100kgの種子当たり6.5g aiの割合で用いて適用される(殺菌剤の組み合わせ)。処理された種子は、風乾され、そして出荷され、そして栽植前に周囲温度で保存される(ほぼ2週間)。
種子処理(d):上記製剤の(種子処理(c)の)殺菌剤を、46.3%アバメクチンを含むアバメクチン濃縮物と一緒に担体としての水と混合する。メフェノキサム及びフルジオキソニル及びアバメクチンは、当該殺菌剤の場合100kgの種子当たり合計6.5g ai、そしてアバメクチンの場合種子当たり0.10mg aiの合計の割合で適用される。この製剤の希釈液は、1〜2分間、周囲温度で、約1kgの種子に対し、Hege seed treaterにおいて適用される。処理した種子は、風乾され、そして出荷され、そして栽植前に保存される(ほぼ2週間)。
当該種子は、無作為化された完全なブロックレイアウトにおける4列(36インチの列の間隔)で50フィートの規模の小区画において蒔かれる(1フィート当たり4つの種子)。その実験的な領域内の畑土壌は、栽植前にダイズシストセンチュウによる汚染/侵入がなされている。結果を図2に示す。
Figure 0005026991
*根域におけるダイズシストの数
表2のデータは、種子処理用殺線虫剤で処理(処理(d))した抵抗性のある種子が、最大の収量をもたらすことを示す。この収量の向上は、SCNの繁殖により生じた症候がゼロである場合であっても生じた。このデータは、植物から収量に要求される必要なエネルギーを奪ってしまう線虫の初期の導入を、種子処理用殺線虫剤が軽減することを示している。処理c(殺菌剤のみ)において、SCN抵抗性を有するダイズ種子が、シストの形成の繁殖が成功するのを制限したものの、おそらく、初期の感染工程は制限しなかった。種子処理剤としての殺線虫剤の導入は、感染前に根域の外側にいるSCNを死滅させた。更に、そして驚いたことに、線虫抵抗性の種子に対する殺線虫剤による種子の処理(処理(d))は、殺線虫剤無しのものと比較して(すなわち、殺菌剤による種子処理(c)のみ)、収量の向上をもたらし、一方、感染しやすい種子に対する殺線虫剤による種子処理は、殺菌剤のみによる種子処理(c)と比較した場合、収量の低下をもたらす。

Claims (8)

  1. 線虫耐性又は抵抗性植物の生長特性を向上させる方法であって、その植物繁殖材料を殺線虫特性を有する農薬で処理することを含んで成る方法。
  2. 前記材料が更に1又は複数の追加の農薬で処理される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記農薬が殺菌剤、殺虫剤及び殺線虫剤から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記農薬がエマメクチンベンゾエート(291)、メタラキシル−M(517)、フィプロニル(354)、チアメトキサム(792)、ジフェノコナゾール(247)、アゾキシストロビン(47)、フルジオキソニル、シルチオファム(729)、テフルトリン(769)、イミダクロプリド(458)、チアクロピリド(791)、クロチアニジン(165)、チアベンダゾール(790)及びミクロブタニル(564)のうちの1又は複数である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 殺線虫特性を有する農薬が、アバメクチン、アルジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、オキサミル、アルドキシカルブ、エトプロップ、ベノミル、アラニカルブ、ヘナミフォス、フェナミフォス、フェンスルホチオン、テルブフォス、フォスチアゼート、ジメトエート、ホスフォカルブ、ジクロフェンチオン、イサミドフォス、フォスチエタン、イサゾフォス、エトプロフォス、カズサホス、テルブフォス、クロルピリフォス、ジクロフェンチオン、ヘテロフォス、イサミドフォス、メカルフォン、フォレート、チオナジン、トリアゾフォス、ジアミダフォス、フォスチエタン、フォスファミドン、カプタン及びチアベンダゾールから選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記植物がワタ、トウモロコシ、穀類、野菜、クローバー、マメ科植物、とうきび、砂糖ダイコン、タバコ、ナタネ、ヒマワリ、及びソルガムから選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記繁殖材料が種子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 殺線虫特性を有する農薬によって処理された線虫耐性又は抵抗性の植物繁殖材料。
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