JP5024939B2 - 貨幣状物およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、板面に複数の部材からなる模様が構成されている貨幣状物と、その製造方法に関する。
貨幣や遊戯用コインなどとして現在使用されている貨幣状物には、バイメタル構造(2種類の金属を配置した構造)として、例えば、2002年に欧州連合より発行された1ユーロ貨幣や、2ユーロ貨幣のように、外周部分と中央部分とで互いに異なる金属材料が用いられた構造のものが知られている。
また、特許文献1に示すように、2種類以上の金属層が積層された構造を有する貨幣状物が知られている。図9は、そのような貨幣状物の構造例を示す図であって、外枠部210の中央に挿入部220がはめ込まれている。挿入部220は、積層構造となっており、互いに色の異なる2枚の板状部材221と222とが板厚方向に積層されている。
図9のような構造によって、貨幣状物の板面の模様は、表裏面のどちらを見ても、外縁部(外枠部)と中央部(挿入部)とによる2色の模様となっている。
このような異種金属を用いた構造を有する貨幣状物のおもて面に、例えば色の異なる金属材料などをさらに加えて、より複雑なモザイク状の模様を形成することができれば、より高い美観を有する貨幣状物となり、記念硬貨などとしての利用価値が高まると考えられる。
しかしながら、色の異なる金属材料を用いて、貨幣状物の一方の板面(おもて面)やその裏面に複雑な模様を形成しようとすると、板面に、さらに異なる金属材料からなる部材を埋め込む(または、はめ込む)必要があり、貨幣状物の製造工程が複雑となる。そのため、異なる材料(特に色の異なる材料)を用いた複雑な模様を、貨幣状物の板面に、安価にかつ安定して付与することは困難であった。例えば、貨幣状物の板面に小さい凹部を複数形成し、そこへ板面とは異なる色の材料からなる小片を嵌め込んで複雑な模様を形成した場合、該小片が脱落するおそれがあり、安定した品質であるとは言い難い。
特開2004−220114号公報
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、色の異なる材料からなる多色模様を板面に有する構成であっても、容易に製造することのできる貨幣状物の構造、および、それの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、先ず、板状の外枠部の板面に貫通孔を設け、該貫通孔内に挿入部をはめ込むことによって2色の模様を得、更に、外枠部および挿入部のいずれかまたは両方を、第一部材と第二部材という少なくとも2つの部材が組み合わされた構造とし、第一部材および第二部材の少なくとも一部が、互いに相手の部材の背面側に達するような構造とすることで、板面に3色以上の材料が配置された模様を有する貨幣状物であっても、より簡単に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)板面に貫通孔が設けられた板状の外枠部と、該貫通孔内にはめ込まれ保持された挿入部とを有する貨幣状物であって、
挿入部は、少なくとも第一部材と第二部材とが組み合わされてなり、
挿入部全体のうちの一部において、第一部材と第二部材とは、外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第一部材は外枠部の第一の板面側にあり、第二部材は外枠部の第二の板面側にあり、
挿入部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第二部材は、第一部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、
貨幣状物。
(2)挿入部が第一部材と第二部材とからなる、上記(1)記載の貨幣状物。
(3)挿入部の側面が、外枠部の貫通孔の内面と全面的に接触している、上記(1)または(2)記載の貨幣状物。
(4)第一部材と第二部材と外枠部とが互いに異なる材料からなる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の貨幣状物。
(5)少なくとも第一部材と第二部材とが、互いに色の異なる材料からなる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貨幣状物。
(6)第一部材と第二部材とが同一の形状である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の貨幣状物。
(7)挿入部全体のうちの残部において、第一部材は、互いに離れた2以上の部位において、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第二部材は、互いに離れた2以上の部位において、第一部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の貨幣状物。
(8)当該貨幣状物の少なくとも一方の板面に、さらに極印が形成されている、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の貨幣状物。
(9)板面に貫通孔が設けられた板状の外枠部と、該貫通孔内にはめ込まれて保持された挿入部とを有する貨幣状物であって、
外枠部は、少なくとも第一部材と第二部材とが組み合わされてなり、
外枠部全体のうちの一部において、第一部材と第二部材とは該外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第一部材は外枠部の第一の板面側にあり、第二部材は外枠部の第二の板面側にあり、かつ、この部分に、第一部材と第二部材とを貫通する貫通孔が設けられており、
外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面を越えて外枠部の第二の板面に露出しており、第二部材は、第一部材の側面を越えて外枠部の第一の板面に露出している、
貨幣状物。
(10)外枠部が第一部材と第二部材とからなる、上記(9)記載の貨幣状物。
(11)外枠部全体の中央部分において、第一部材と第二部材とが該外枠部の板厚方向に互いに重なり合っている、上記(9)または(10)記載の貨幣状物。
(12)少なくとも第一部材と第二部材とが、互いに色の異なる材料からなる、上記(9)〜(11)のいずれかに記載の貨幣状物。
(13)第一部材と第二部材とが同一の形状である、上記(9)〜(12)のいずれかに記載の貨幣状物。
(14)外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、互いに離れた2以上の部位において、第二部材の側面を越えて外枠部の第二の板面に露出しており、第二部材は、互いに離れた2以上の部位において、第一部材の側面を越えて外枠部の第一の板面に露出している、上記(9)〜(13)のいずれかに記載の貨幣状物。
(15)さらに、挿入部が、少なくとも第三部材と第四部材とが組み合わされたものであり、
挿入部全体のうちの一部において、第三部材と第四部材とは、外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第三部材は外枠部の第一の板面側にあり、第四部材は外枠部の第二の板面側にあり、
挿入部全体のうちの残部において、第三部材は、第四部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第四部材は、第三部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、
上記(9)〜(14)のいずれかに記載の貨幣状物。
(16)挿入部全体のうちの残部において、第三部材は、互いに離れた2以上の部位において、第四部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第四部材は、互いに離れた2以上の部位において、第三部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、上記(15)記載の貨幣状物。
(17)当該貨幣状物の少なくとも一方の板面に、さらに極印が形成されている、上記(9)〜(16)のいずれかに記載の貨幣状物。
(18)上記(2)記載の貨幣状物を製造するための方法であって、
前記貨幣状物を構成する、外枠部、第一部材、第二部材のそれぞれの加圧前のブランクである、外枠部ブランク、第一部材ブランク、第二部材ブランクを用意する工程と、
第一部材ブランクと第二部材ブランクとを組合わせた挿入部ブランクを、外枠部ブランクの貫通孔に挿入して仮組み状物とする組立て工程と、
前記仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧することによって、外枠部ブランクおよび/または挿入部ブランクを塑性変形させ、外枠部の貫通孔内に挿入部が保持された前記貨幣状物の構造を得る加圧工程とを、
有することを特徴とする、前記貨幣状物の製造方法。
(19)加圧工程において、仮組み状物を鍛造型内に収容し、該仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧しながら、該仮組み状物の少なくとも一方の板面に鍛造によって極印を形成し、貨幣状物とする、上記(18)記載の製造方法。
(20)上記(10)記載の貨幣状物を製造するための方法であって、
前記貨幣状物を構成する、第一部材、第二部材、挿入部のそれぞれの加圧前のブランクである、第一部材ブランク、第二部材ブランク、挿入部ブランクを用意する工程と、
挿入部ブランクを、第一部材ブランクと第二部材ブランクとを組合わせた外枠部ブランクの貫通孔に挿入して仮組み状物とする組立て工程と、
前記仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧することによって、外枠部ブランクおよび/または挿入部ブランクを塑性変形させ、外枠部の貫通孔内に挿入部が保持された前記貨幣状物の構造を得る加圧工程とを、
有することを特徴とする、前記貨幣状物の製造方法。
(21)加圧工程において、仮組み状物を鍛造型内に収容し、該仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧しながら、該仮組み状物の少なくとも一方の板面に鍛造によって極印を形成し、貨幣状物とする、上記(20)記載の製造方法。
本発明の貨幣状物(当該貨幣状物)の構造によれば、ベースとなる板状物の板面に異なる材料を必要な数だけはめこんで模様を形成する構造と比べて、より少ない部品点数による簡単な構造でありながら、表裏の板面に互いに異なる3色以上の異種材料からなる美観を有する模様を形成することが可能となり、かつ、そのはめ合い構造はより強固となる。
特に、そのうちの1色以上の材料からなる部分が、板面の複数箇所に分散するような複雑な模様の場合であっても、本発明によれば簡単に製造でき、簡略化の作用効果はより顕著となる。
上記(1)の構成は、当該貨幣状物の第一の態様であって、挿入部を構成する第一部材および第二部材の少なくとも一部が、他方の部材と該貫通孔の内面との間に入り込んで他方の板面にも露出している。
また、上記(9)の構成は、当該貨幣状物の第二の態様であって、外枠部を構成する第一部材および第二部材の少なくとも一部が、他方の部材の側面を越えて他方の板面にも露出している。
当該貨幣状物は、このような部材同士が互いに抱き合って相手側に露出する構造をとっているために、簡単な構造で、第一部材および第二部材の両方が、おもて面および裏面の両面にそれぞれ露出して模様を形成しているのみならず、従来にはなかった強い強度で合体し貨幣状物を構成している点が重要である。
即ち、第一部材と第二部材とを組み合わせた状態で外枠部にはめ込むことにより、貫通孔の内面の総面積が同じであるにもかかわらず、挿入部全体にわたる単純な2層構造の場合と比較して、第一部材と第二部材とがより強固な力で結合するとともに、外枠部は、より強固な力(以下、保持力と呼んで説明する)にて貫通孔内の挿入部を保持することが可能となる。これによって、単に外観が美しいだけでなく、挿入部が貫通孔内から脱落することをも抑制することが可能となっている。
さらに、上記(7)、(14)、(16)の構成では、図1(c)に示すように、第一部材が1つの部品でありながら、一方の板面(裏面)内において、該第一部材が複数の領域に分かれて互いに離れた位置に分散した複雑な模様となっている。また、図1(a)に示すように、他方の面(おもて面)では、第二部材が1つの部品でありながらも、複数の領域に分かれて互いに離れた位置に分散した複雑な模様となっている。
即ち、3つの部品(外枠部、第一部材、第二部材)を用いながらも、その板面の模様は、単なる3色模様・3分割模様ではなく、図1(a)、(c)のように、第一部材や第二部材が、複数の領域に分散した複雑な模様となっている。
このような、部材が複数の領域に分散した複雑な模様を、貨幣状物の板面で見た者にとっては、板面に分散した部材が、その裏面で互いにつながった1つの部材であることを想像することは困難である。即ち、本発明の貨幣状物は、単純な構造でありながら、複雑な模様を板面に有するものとなり得るのである。
上記(5)、(12)の構成によれば、互いに色の異なる第一部材・第二部材のそれぞれが貨幣状物のおもて面および裏面に露出することになるので、貨幣状物のおもて面および裏面に視覚的に優れた模様を形成することができる。
また、上記(6)、(13)の構成とすることで、結果として、貨幣状物のおもて面に露出している第一部材の領域形状と、裏面に露出している第二部材の領域形状とが、同一の形状となり、おもて面に露出している第二部材の形状と、裏面に露出している第一部材の形状とが、同一の形状となる。従って、例えば、第一部材と第二部材とで色が異なっている場合には、おもて面と裏面とで色の反転した模様を形成することができる。
先ず、当該貨幣状物の第一の態様(上記(1)の態様)について説明する。
図1は、該態様の好ましい一例を示す模式図である(板面の極印等、細部の描写は省略している)。本例では、説明のために挿入部が第一部材と第二部材とからなるものとしているが、このような態様に限定されず、該挿入部を多数の部材で構成してもよい。
図2では、外枠部、第一部材、第二部材を単品状態で示している。この図は、完成品を分解した図として見てもよく、また、後述の組立て加圧前の素部品(ブランク)を示す図として見てもよい。また、図3〜5では、図1の組合わせ構造をよりわかりやすく説明するために、挿入部の外形を単純な形状としたものを例示している。
以下の説明でいう「おもて面」、「裏面」、「表裏」などは、板面を簡単に区別するだけの便宜上の呼称である。「おもて面」というひらがな表記は、材料の外面(界面)である「表面」と区別するためである。
図1〜5に示すように、当該貨幣状物は、板面に貫通孔1hが設けられた板状の外枠部1と、該貫通孔1h内にはめ込まれた挿入部2とを有する。挿入部2は、少なくとも第一部材21と第二部材22とが組み合わされて形成されている。
挿入部2全体のうちの一部(図1(b)、図3(b)において、Xで示す中央部分)では、第一部材21および第二部材22は、外枠部1の板厚方向に互いに重なり合っている。この部分では、第一部材21は、外枠部1の第一の板面(おもて面)1aの側にあり、第二部材は、第二の板面(裏面)1bの側にある。
一方、挿入部2全体のうちの残部(図1(b)、図3(b)においてY、Zで示す部分)では、第一部材21は、第二部材22の側面と貫通孔1hの内面との間に入り込んで外枠部の裏面1bに露出しており、かつ、第二部材22は、第一部材21の側面と貫通孔1haの内面との間に入り込んで外枠部のおもて面1aの側に露出している。
即ち、第一部材21、第二部材22は積層構造を形成しながら、当該貨幣状物のどちらの板面(1a、1b)にも、外枠部1、第一部材21、第二部材22が露出しており、これらが3つ以上の領域からなる模様を構成している。
言い換えれば、本発明の貨幣状物は、第一部材21と第二部材22とが組み合わされて形成されている板状の挿入部2と、該挿入部2の外周側面を取り囲んで形成されている外枠部1とを備えている。上記挿入部2はさらに、板厚方向に第一部材21が貫通している部分Y(板厚方向の全てにわたって第一部材のみからなる部分)と、板厚方向に第二部材22が貫通している部分Z(板厚方向の全てにわたって第二部材のみからなる部分)と、板厚方向に第一部材21と第二部材22とが積層された積層構造部Xとから構成されている。
第一部材21および第二部材22は、当該貨幣状物の少なくとも一部においておもて面1aから裏面1bまでそれぞれ板厚方向に貫通しているとともに、それ以外の部分においては、互いに積層構造をなしている。
当該貨幣状物の構造によれば、図9に示す従来構造のような、挿入部が単純な2層構造となっている場合と比べて、第一部材と第二部材との互いの接触面積を大きくすることができる。これによって、外枠部と、貫通孔内にはめ込まれている挿入部との結合力(保持力)をより高めることができる。
挿入部全体のうちの上記残部では、第一部材(第二部材も同様)が他方の第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込む部位は、1箇所以上であればよい。
図1〜5の第一部材21のように、互いに離れた2以上の部位において、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の裏面に露出している構造の方が、板面を見たときに複雑な模様となり、また、両部材の構造上のバランスもよく、より好ましいものとなる。
図1の例では互いに離れた6箇所において、図3〜5の例では互いに離れた2箇所において、第一部材が、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んでいる(第二部材も第一部材に対して同様である)。
このような相互に抱き合うことが可能な第一部材と第二部材の形状を、図2、図4を用いて言い換えれば、次のようになる。即ち、第一部材21は、薄肉部(凹部)21aと凸部21bとを有しており、第二部材22は、薄肉部(凹部)22aと凸部22bとを有している。両部材は、互いに組合せられて挿入部を形成し、そのとき、それぞれの凹部は互いに合わせられ薄肉部同士が板厚方向に積層されて積層構造を形成し、それぞれの凸部は互いに相手の部材の側面を越えて、貨幣状物のおもて面1aおよび裏面1bに露出している。
第一部材と第二部材が、互いに相手の部材の側面と貫通孔内壁面との間に入り込みながらこれらの面に全面的に接触し、それによって、挿入部の側面が貫通孔の内面と全面的に接触する態様とすることによって、挿入部と外枠部との嵌合をより強固なものにすることができる。
このとき、挿入部における第一部材と第二部材との隙間と、外枠部の貫通孔の内面とが接触する構成となり、貨幣状物を製造する際の圧接工程時に、外枠部を構成する金属材料が、第一部材と第二部材との合わせ目の隙間に入り込んで、3つの部材の結合強度が向上し、結果として外枠部と挿入部との間に作用する保持力の向上に寄与する。
本発明は必ずしも上記のような構成に限定されることはなく、挿入部が、外枠部の貫通孔の内面と部分的に接触していてもよい。つまり、挿入部の外周形状と、外枠部の貫通孔の開口形状とは完全に一致していなくてもよい。
図1〜5に示した挿入部の外周形状、外枠部の貫通孔の開口形状は、説明のための一例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、多角形、円形、異形、不定形など、自由にデザインしてよい。
図1〜5の例では、第一部材と第二部材とが同一の形状となっており、上記したとおり、第一部材と第二部材とを同一の型を用いて製造することができる。
また、この態様では、図1(a)、(c)に示すように、おもて面1aと裏面1bとで挿入部の部分について色が反転しただけの互いに合同の模様となる。このような両面対象的な模様からは、それを見る者には、それが単なる3つの部品だけで構成されていることを即座に理解することは困難であり、好ましい態様である。
図1の例では、第一部材21および第二部材22は、六角星型形状(中心から板面の半径方向に正六方の放射状をなして突き出した部分(突き出し部)を有する星型の形状)をなしている。換言すると、正六角形の各辺を内側に窪ませてなる星型の形状である。両部材の突き出し部には、それぞれ凸部21b、22bが形成されている。
図1(a)に示すように、貨幣状物のおもて面では、第一部材21の隣り合った突き出し部同士の間に、第二部材22の凸部が露出し同一面内に表れて模様に参加している。一方、図1(b)に示すように、貨幣状物の裏面では、第二部材22の隣り合った突き出し部同士の間に、第一部材21の凸部が露出し同一面内に表れて模様に参加している。
上記のように、第一部材と第二部材とを共に正n角の星型形状とすれば、より美観を有する(n×2)角の星型形状模様を貨幣状物の表裏の面に形成することができる。
図1のような六角星型形状のみならず、三角〜八角程度の正多角形を基本とした星型の形状は、両者を2つ組合わせる作業がスムーズであり、互いに相手の裏面側に露出する箇所が3〜8箇所であり適度に細かく、両者をブランクとして見た場合には変形が少ないので、好ましい態様である。なかでも、図1のように、正六角形を基本とした星型の形状は、両者を組合わせると正十二角形の星型となって、細か過ぎることもなく、適度に複雑なイメージを与え、好ましい模様となる。
各部品を組合わせて板面に描かれる模様は、絵、文字、記号、規則的なまたは不規則な配置パターンなど限定はされない。
次に、当該貨幣状物の第二の態様(上記(9)の態様)について説明する。
図6は、本態様の構成の一例を示しており、図7では、図6の組合わせ構造をよりわかりやすく説明するために、挿入部の外形を単純な形状とし、第一部材、第二部材、挿入部を単品状態で示している。図7(a)は、完成品を分解した分解組立て図として見てもよく、またブランクの組立て手順を示す図として見てもよい。
本態様は、図6、7に示すように、板面に貫通孔100hが設けられた板状の外枠部100と、該貫通孔100hの内部にはめ込まれて保持された挿入部120とを有する。この構造においては、本態様は、第一態様と同様である。しかし、本態様では、挿入部120が単一部材であり、外枠部100が少なくとも第一部材101と第二部材102とが組み合わされてなる構造となっており、この点において、第一の態様とは構成が逆である。
図6、図7に示すように、外枠部100全体のうちの一部(図6(b)では中央部X)において、第一部材101と第二部材102とは該外枠部の板厚方向に互いに重なり合っている。第一部材は、外枠部のおもて面100aの側にあり、第二部材は裏面100bの側にあり、かつ、中央部に、第一部材と第二部材とを貫通する貫通孔100hが設けられている。
また、外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面を越えて裏面に露出し、裏面の模様に参加しており、第二部材は、第一部材の側面を越えておもて面に露出し、おもて面の模様に参加している。
図6、図7の例では、外枠部は第一部材と第二部材とからなるが、3以上の部材を組合せたものであってもよい。
また、図6、図7の例のように、第一部材と第二部材とが中央部で積層構造を形成し、その部分に貫通孔が設けられた態様は、各部材の組み合わせのバランス、配置バランスがよく、構造全体としての機械的強度も高くすることが可能である。
外枠部のうちの上記残部において、第一部材(第二部材)が、第二部材(第一部材)の側面を越えて反対側の面に露出する部位は、一箇所だけであってもよいが、第一態様の場合と同様、図6、図7のように、互いに離れた2以上の部位で露出している構造の方が、複雑な模様となり、また、両部材のバランスもよく、構造上、より好ましいものとなる。
また、第一部材と第二部材とを同一の形状とすれば、同一の型を用いて製造することができる点も、第一態様の場合と同様である。
第二態様では、外枠部を構成する第一部材(第二部材)が、他方の部材の側面を越えて反対側の面に露出する。
ここでいう他方の部材の側面とは、図6、7の例では、他方の部材の外周側面であるが、外枠部の貫通孔の内壁面であってもよい。即ち、外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出し、かつ、第二部材は、第一部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出する態様である。
第二の態様における挿入部には、第一の態様の挿入部の構造を適用してもよい。これが、上記(15)の態様である。
図8は、その態様の構造を示す模式図であって、外枠部100は、第一部材101と第二部材102とが組み合わされたものであり、挿入部120は、第三部材121と第四部材122とが組み合わされたものである。
外枠部、挿入部のそれぞれの構造や形状による作用効果は、第一、第二の態様の説明で述べたとおりであって、それぞれ、2つの部材のみからなるものだけではなく、複数の部材が組み合わせられたものであってもよい。
上記した第一、第二の態様における外枠部、挿入部、およびこれらのいずれかを構成する第一部材、第二部材など、これに、上記(15)の態様における第三部材、第四部材等をさらに加えた各構成部品を指して、以下、単に「各部品」とも呼ぶ。
各部品は、より美しい模様を構成する点からは、全てが互いに異なる材料、特に互いに異なる色の材料とすることが好ましい。しかしながら、本発明は必ずしもこれに限定されることはなく、各部品のうちの任意の組のものが、同一の材料、同様の色の材料で形成されていてもよい。
本発明による貨幣状物の種々の態様において、各部品を構成する材料としては、一般の貨幣状物の製造に利用されるものであれば、特に限定されることなく、従来公知の種々の材料を用いることができる。
各部品の材料に限定はないが、好ましいものとして、金属、セラミックス、樹脂、ゴム、およびこれらの混合物などが例示される。これらの材料の中でも、美観性、機械的強度、硬度、耐食性、加工性の点で優れているという理由で、銅または銅合金が好ましい材料として挙げられる。銅合金の組成としては、銅−ニッケル、銅−亜鉛−ニッケル、銅−亜鉛、銅−亜鉛−すず、銅−アルミ−ニッケル、銅−アルミ−亜鉛−すずなどが好ましいものとして挙げられる。
例えば、図1〜5に示す第一態様では、外枠部に白銅(Ni25%−Cu75%)、第一部材に青銅(Sn1%−Zn4%−Cu95%)、第二部材に黄銅(Zn40%−Cu60%)を用いるなどの組み合わせ例が挙げられ、第二態様にも適用可能である。
また、各部品を、それぞれ色の異なる材料で形成する場合、明確な固有の色を有する材料としては、青銅、白銅、黄銅、丹銅、ニッケル黄銅、金、銀などが挙げられる。
本発明では、互いに同じ種類の合金であっても、合金の成分含有比率が異なれば「互いに異なる材料」である。例えば、Zn−Cu合金の場合では、第一態様で説明すると、第一部材に(Zn5重量%−Cu95重量%の合金)を用い、第二部材に(Zn40重量%−Cu60重量%の合金)を用い、外枠部に(Zn15重量%−Cu85重量%の合金)を用いるという組合せ例が挙げられる。
本発明による貨幣状物の種々の態様において、各部品の材料を、全て同一材料とすることは、配色の点では目立たないものとなるが、これらの領域の境界線は明らかに模様を描いている。また、同じ銀色であっても、アルミニウムとニッケルとでは光沢や質感が異なり、鏡面加工や、ナシ地加工など、さらなる表面処理を加えれば、色は同じ銀色であっても、互いの表面の質感の差異をより際立たせることも可能である。
本発明でいう「貨幣状物」とは、貨幣のみならず、メダル、勲章、ペンダントトップなどの種々の板状の装飾品をも意味する。ここでいうメダルとは、例えば、遊戯用メダルのように、特定施設で利用されるよう意図されたものをいうが、該メダルがその特定施設において金銭的な価値を持つかどうかは問わない。また、本実施の形態では、本発明の貨幣状物の一例として略円形の板状物を挙げ説明している。しかしながら、本発明の貨幣状物は、板状物であればその外形は特に限定されることはなく、例えば、方形、楕円形、多角形など、貨幣、メダル、装飾品などとして一般に使用される形状を採用してよい。
当該貨幣状物の大きさは、特に限定はされないが、例えば、外径20mm〜100mm程度、厚さ1.5mm〜20mm程度のものが挙げられる。貨幣やメダルとして一般的な好ましい態様のものは、外径25mm〜40mm程度、厚さ1.5mm〜3mm程度である。
第一態様の貨幣状物の製造方法を、特に、挿入部が2つの部材からなるものを例として説明する。
先ず、外枠部ブランク、第一部材ブランク、第二部材ブランクを用意する。
ブランク(blank)とは、外枠部、第一部材、第二部材の、それぞれの加圧前の段階のプレーンな中間素材である。例えば、貨幣やメダルの製造分野においては、極印形成前の段階の単なる円板状素材は、「ブランク(またはコイニング用ブランク)」または「円形(えんぎょう)」などと呼ばれている。
各ブランクは、基本的には、プレス抜きされた状態のものであるが、種々の表面処理を施された加圧を残すだけの仕上がり状態とされたものであってもよい。
それぞれのブランクは、例えば、外枠部ブランクが既に貫通孔を有しているなど、基本的な外形や構造の点では、加圧後の外枠部、第一部材、第二部材とほぼ同様である。ただし、組み立てた状態での板厚方向の加圧を受けていないので、挿入部は外枠部の貫通孔内に強い力では保持されず、互いに隙間無く1枚の貨幣状物として合体するには至らない。
次に、図5に示すように、組立て工程において、第一部材ブランク21と第二部材ブランク22とを組合わせて挿入部ブランク2とし、これを、外枠部ブランク1の貫通孔に挿入して仮組み状物とする。この場合、予め挿入部ブランクを組立てておいてもよいし、第一部材ブランクと第二部材ブランクとを貫通孔内に挿入しながら貫通孔内で挿入部として組合わせてもよく、最終的に3者が組立てられた状態とするための順番は適宜選択してよい。
さらに、加圧工程において、プレス装置を用いて、前記仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧する。これによって、外枠部ブランクおよび/または挿入部ブランクは塑性変形し、外枠部と貫通孔内の挿入部との間には強い保持力が作用し、また、第一部材と第二部材とは、積層構造部分においては圧接され、残る部分においては互いに強い残留応力を残して抱き合い、当該貨幣状物が得られる。
図2(a)、(b)の例では、第一部材ブランク21、第二部材ブランク22は、星型形状をなしており、上記したとおり、正六方の放射状をなす突き出し部を有する。各突き出し部には、それぞれ凸部21b、22bが形成されている。
組み立て工程では、第一部材21の薄肉部21aの片面((図2(a)でハッチングを付した凹部底面))と、第二部材22の薄肉部22aの片面(図2(b)でハッチングを付した凹部底面)とを互いに合わせて、薄肉部同士が板厚方向に積層された構造となるように組み合わせ、挿入部を構成する。それぞれの凸部21b、22bは、相手の部材の側面(放射状をなして突き出した部分同士の間にある窪んだ部分)を越えて、相手の部材の背面と略同じ面まで達している。
組合わせられた挿入部の外形は、外枠部の貫通孔の開口形状と略同一形状となっている。そして、挿入部を該貫通孔内にはめ込んで板状物を形成した後、該板状物を板厚方向に加圧することによって貨幣状物が製造される。
第一部材ブランク、第二部材ブランクの薄肉部のそれぞれの厚さは、加圧後の第一部材および第二部材のそれぞれの薄肉部の厚さ(両者の和が貨幣状物の厚さである)よりも厚くしておくことが好ましい。第一部材ブランク、第二部材ブランクの薄肉部のそれぞれの厚さの具体的な数値は、特に限定はされないが、貨幣やメダルなど、通常の貨幣状物を製造する場合には、それぞれ1.0mm以上が好ましく、加圧や極印加工による材料の流動(厚さの減少)を考慮すると1.5mm以上がより好ましい厚さである。
加圧工程においては、加圧と同時に極印を施してもよい。即ち、仮組み状物を鍛造型内に収容し、該仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧しながら、該仮組み状物の少なくとも一方の板面に鍛造によって極印を形成してもよい。
極印を施すことによって、板面の多色の模様と極印とがあいまって、さらに複雑な模様となり、片面ずつ板面を見ただけでは3つの部品によってそのような複雑な模様が構成されていることを理解することはさらに困難となる。
第二態様の貨幣状物の製造方法は、組み立てるべき外枠部と挿入部との構造が逆になっていること以外は、上記第一態様の製造方法と同様である。
また、上記(15)の態様の貨幣状物の製造方法は、第二態様の貨幣状物の製造方法において、さらに、挿入部ブランクのための(第三部材ブランク、第四部材ブランク)を用意すること、および、外枠部と挿入部とが全て組合せ構造になっていること以外は、上記第一、第二態様の貨幣状物の製造方法と同様である。
実施例
本実施例では、当該貨幣状物のうち、図1に示す第一態様のものを実際に作製し、保持力の測定を行った。
青銅からなる第一部材ブランクと、黄銅からなる第二部材ブランクとを、互いに組み合わせて挿入部ブランクとし、これを外枠部の貫通孔内にはめ込んで1枚の板状物を形成した後、該板状物を外形を規定した鍛造型内に配置し、板厚方向に加圧することによって製造した。
比較例
保持力を比較するために、図9に示す貨幣状物(挿入部が単純な2層構造のもの)を作製し、本実施例品と同様に保持力の測定を行った。
当該比較例による貨幣状物(比較例品)は、2種類の金属層からなる積層体が外枠部の中央にはめ込まれた従来の貨幣状物の一例である。該比較例品は、図9に示すように、青銅からなる第一部材221と黄銅からなる第二部材222とを積層し、白銅からなる外枠部210の中央の貫通孔に挿入した後、加圧することによって製造した。
図9に示すように、貨幣状物のおもて面には、第一部材と外枠部のみが露出し、裏面には、第二部材と外枠部のみが露出している。
(保持力の測定)
実施例品および比較例品をそれぞれ10枚ずつ作製し、それぞれについて保持力の測定を行った。
保持力の測定は、抗圧試験機(CCH−3000−KNA、島津製作所)を用いて行った。該抗圧試験機は、材料を加圧することにより、その機械的性質を調査するために用いられる試験機であって、材料に最大300トンの荷重をかけることができる。
抗圧試験機のテーブルに試料を載せるための治具台(硬度248Hv)を配置した。治具台には、外枠部から外れた挿入部が下に落ち込むよう、中央に受穴が設けられている。この治具台上に各貨幣状物を置き、上方から押圧用のノックアウトピン(硬度261Hv)を介して該貨幣状物を押圧し、保持力を測定した。ノックアウトピンは、挿入部を略全面的に押すことができるように、その端面形状は挿入部の外形に適合している。
保持力の判定は、実施例品、比較例品の各試料の板面に押圧力をかけたとき、挿入部を構成する第一部材、第二部材の少なくとも一方が外枠部から外れたときの押圧力(KN)を保持力として測定した。
その測定結果を表1に示す。
Figure 0005024939
表1に示すように、本発明による貨幣状物は、従来構造の貨幣状物と比べて、外枠部と挿入部との間の保持力が平均で約1.5倍に向上していることが確認された。
上述したように、本発明によれば、ベースとなる板状物のおもて面および裏面に異なる材料をそれぞれはめこんで模様を形成する方法と比較して、簡単な方法で板状物の表裏の面に異種材料からなる美観を有する模様を形成することができる。
したがって、本発明は、例えば、複雑な模様を有する貨幣および記念硬貨、おもて面および裏面が互いに反転した模様を有する貨幣および記念硬貨などのような美観効果を有する貨幣状物を製造する場合に、好適に利用できる。
本発明の貨幣状物の構造の一例を示す模式図である。図1(a)は、当該貨幣状物の一方の板面(おもて面)1aを見た場合の図である。図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(c)は、この貨幣状物の裏面1bを見た場合の図である。ハッチングは、断面を表すためにではなく、領域をわかり易く区別するために適宜施している。他の図も同様である。 図1に示す貨幣状物を構成する各部材の形状を示す平面図であり、図2(a)は第一部材、図2(b)は第二部材、図2(c)は外枠部をそれぞれ示している。 図1の貨幣状物の構造をわかりやすく説明するために、外形が単純な挿入部の例を示す模式図である。図1と同様に、図3(a)は、おもて面の図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B断面図であり、図3(c)は、裏面の図である。 図3に示す貨幣状物を構成する各部材の形状を示す斜視図である。図4(a)は第一部材、図4(b)は第二部材、図4(c)は外枠部をそれぞれ示している。 図4に示した第一部材と第二部材とが組み合わされて形成された挿入部が、外枠部の貫通孔にはめ込まれる様子を示す斜視図である。 本発明の貨幣状物の構造の他の例を示す模式図である。図1と同様に、図6(a)は、おもて面の図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C断面図であり、図6(c)は、裏面の図である。 図6に示す貨幣状物を構成する各部材の形状と、それらか組み合わされて貨幣状物となった状態を示す斜視図である。 本発明の貨幣状物の構造の他の例を示す模式図である。図8(a)は、おもて面の図であり、図8(b)は、図8(a)のC−C断面図である。裏面の図は省略している。 本実施例において比較のために用いた従来の貨幣状物の構造を示す模式図である。図9(a)は、該従来の貨幣状物のおもて面を示す図である。図9(b)は、図9(a)に示す貨幣状物のD−D断面図である。図9(c)は、この貨幣状物の裏面を示す図である。
符号の説明
1 外枠部
1a おもて面
1b 裏面
1h 貫通孔
2 挿入部
21 第一部材
22 第二部材

Claims (21)

  1. 板面に貫通孔が設けられた板状の外枠部と、該貫通孔内にはめ込まれ保持された挿入部とを有する貨幣状物であって、
    挿入部は、少なくとも第一部材と第二部材とが組み合わされてなり、
    挿入部全体のうちの一部において、第一部材と第二部材とは、外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第一部材は外枠部の第一の板面側にあり、第二部材は外枠部の第二の板面側にあり、
    挿入部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第二部材は、第一部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、
    貨幣状物。
  2. 挿入部が第一部材と第二部材とからなる、請求項1記載の貨幣状物。
  3. 挿入部の側面が、外枠部の貫通孔の内面と全面的に接触している、請求項1または2記載の貨幣状物。
  4. 第一部材と第二部材と外枠部とが互いに異なる材料からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の貨幣状物。
  5. 少なくとも第一部材と第二部材とが、互いに色の異なる材料からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の貨幣状物。
  6. 第一部材と第二部材とが同一の形状である、請求項1〜5のいずれかに記載の貨幣状物。
  7. 挿入部全体のうちの残部において、第一部材は、互いに離れた2以上の部位において、第二部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第二部材は、互いに離れた2以上の部位において、第一部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、請求項1〜6のいずれかに記載の貨幣状物。
  8. 当該貨幣状物の少なくとも一方の板面に、さらに極印が形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の貨幣状物。
  9. 板面に貫通孔が設けられた板状の外枠部と、該貫通孔内にはめ込まれて保持された挿入部とを有する貨幣状物であって、
    外枠部は、少なくとも第一部材と第二部材とが組み合わされてなり、
    外枠部全体のうちの一部において、第一部材と第二部材とは該外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第一部材は外枠部の第一の板面側にあり、第二部材は外枠部の第二の板面側にあり、かつ、第一部材と第二部材とを貫通する貫通孔が設けられており、
    外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、第二部材の側面を越えて外枠部の第二の板面に露出しており、第二部材は、第一部材の側面を越えて外枠部の第一の板面に露出している、
    貨幣状物。
  10. 外枠部が第一部材と第二部材とからなる、請求項9記載の貨幣状物。
  11. 外枠部全体の中央部分において、第一部材と第二部材とが該外枠部の板厚方向に互いに重なり合っている、請求項9または10記載の貨幣状物。
  12. 少なくとも第一部材と第二部材とが、互いに色の異なる材料からなる、請求項9〜11のいずれかに記載の貨幣状物。
  13. 第一部材と第二部材とが同一の形状である、請求項9〜12のいずれかに記載の貨幣状物。
  14. 外枠部全体のうちの残部において、第一部材は、互いに離れた2以上の部位において、第二部材の側面を越えて外枠部の第二の板面に露出しており、第二部材は、互いに離れた2以上の部位において、第一部材の側面を越えて外枠部の第一の板面に露出している、請求項9〜13のいずれかに記載の貨幣状物。
  15. さらに、挿入部が、少なくとも第三部材と第四部材とが組み合わされたものであり、
    挿入部全体のうちの一部において、第三部材と第四部材とは、外枠部の板厚方向に互いに重なり合っており、第三部材は外枠部の第一の板面側にあり、第四部材は外枠部の第二の板面側にあり、
    挿入部全体のうちの残部において、第三部材は、第四部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第四部材は、第三部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、
    請求項9〜14のいずれかに記載の貨幣状物。
  16. 挿入部全体のうちの残部において、第三部材は、互いに離れた2以上の部位において、第四部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第二の板面に露出しており、かつ、第四部材は、互いに離れた2以上の部位において、第三部材の側面と貫通孔の内面との間に入り込んで外枠部の第一の板面に露出している、請求項15記載の貨幣状物。
  17. 当該貨幣状物の少なくとも一方の板面に、さらに極印が形成されている、請求項9〜16のいずれかに記載の貨幣状物。
  18. 請求項2記載の貨幣状物を製造するための方法であって、
    前記貨幣状物を構成する、外枠部、第一部材、第二部材のそれぞれの加圧前のブランクである、外枠部ブランク、第一部材ブランク、第二部材ブランクを用意する工程と、
    第一部材ブランクと第二部材ブランクとを組合わせた挿入部ブランクを、外枠部ブランクの貫通孔に挿入して仮組み状物とする組立て工程と、
    前記仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧することによって、外枠部ブランクおよび/または挿入部ブランクを塑性変形させ、外枠部の貫通孔内に挿入部が保持された前記貨幣状物の構造を得る加圧工程とを、
    有することを特徴とする、前記貨幣状物の製造方法。
  19. 加圧工程において、仮組み状物を鍛造型内に収容し、該仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧しながら、該仮組み状物の少なくとも一方の板面に鍛造によって極印を形成し、貨幣状物とする、請求項18記載の製造方法。
  20. 請求項10記載の貨幣状物を製造するための方法であって、
    前記貨幣状物を構成する、第一部材、第二部材、挿入部のそれぞれの加圧前のブランクである、第一部材ブランク、第二部材ブランク、挿入部ブランクを用意する工程と、
    挿入部ブランクを、第一部材ブランクと第二部材ブランクとを組合わせた外枠部ブランクの貫通孔に挿入して仮組み状物とする組立て工程と、
    前記仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧することによって、外枠部ブランクおよび/または挿入部ブランクを塑性変形させ、外枠部の貫通孔内に挿入部が保持された前記貨幣状物の構造を得る加圧工程とを、
    有することを特徴とする、前記貨幣状物の製造方法。
  21. 加圧工程において、仮組み状物を鍛造型内に収容し、該仮組み状物を少なくとも板厚方向に加圧しながら、該仮組み状物の少なくとも一方の板面に鍛造によって極印を形成し、貨幣状物とする、請求項20記載の製造方法。
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