JP5024467B2 - 映像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像表示装置、特に、TV受像機や観察者の眼前に配置されて使用されるヘッドマウンテッドディスプレイ(以下、HNDと記す)等の映像表示装置に関する。
特許文献1には、光源の光をルーバーで開口制限することにより、フレア光やゴースト光を遮断して画質の劣化を防止するようにした映像表示装置が開示されている。また、特許文献2には、光学瞳を3mm以下に制限して鮮明な映像を観察できるようにした映像表示装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の映像表示装置においては、単に開口を制限するのみなので、光源の光はルーバーで遮断されて損失となってしまい、効率が悪いという問題点を有していた。
一方、特許文献2に記載の映像表示装置では、光学瞳を小さくしたので観察者は光学瞳を探すのが難しく、観察者の瞳との僅かなずれで観察できなくなるという問題点を有していた。また、この装置を頭部装着型映像表示装置として利用する場合には、光学瞳を大きく移動できるような調節手段を必要とするので、装置が大型化してしまうという問題点も残されていた。
特開平9−65245号公報 特開2002−296536号公報
そこで、本発明の目的は、色収差の小さい高画質の映像を表示できる映像表示装置を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明に係る映像表示装置は、映像を表示する表示手段と、該表示手段により表示された映像を虚像として観察者の瞳に導く接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、前記接眼光学系は反射型ホログラム素子を含み、前記接眼光学系により観察者の瞳に導かれる表示手段の映像光束は、前記反射型ホログラム素子の光軸入射面において、該入射面に平行な方向の開口数が該入射面に垂直な方向の開口数より小さく、前記表示手段は空間光変調素子と該空間光変調素子を照明する複数の光源を備え、前記複数の光源は前記接眼光学系に対する光軸の入射面に垂直な方向に配列されており、前記複数の光源はそれぞれ異なる波長域の光を放射し、最も長い波長の光を放射する光源は光軸中心側に配置され、他の光源は放射する光の波長域が長波長域から短波長域の順に光軸中心から離れる側に配置されていること、を特徴とする。ここで、光軸とは、映像中心と光学瞳中心とを光学的に結ぶ線を意味する。
本発明に係る映像表示装置においては、反射型ホログラム素子の光軸入射面において該入射面に平行な方向の開口数を該入射面に垂直な方向の開口数より小さくしたため、回折により発生する色収差が小さくなり、解像度の高い高画質の映像を表示できる。
本発明によれば、色収差の小さい高画質の映像を表示できる。
本発明の第1実施形態である映像表示装置であって、(A)はy方向の平面上での光路を示し、(B)はx方向の平面上での光路を示している。 前記第1実施形態の要部を示す平面図である。 前記第1実施形態での光学瞳における光強度分布断面を示すグラフである。 本発明の第2実施形態である映像表示装置であって、y方向の平面上での光路を示している。 前記第2実施形態である映像表示装置であって、x方向の平面上での光路を示している。 本発明の第3実施形態である映像表示装置であって、y方向の平面上での光路を示している。 前記第3実施形態である映像表示装置であって、x方向の平面上での光路を示している。 前記第3実施形態での光学瞳における光強度分布断面を示すグラフである。 本発明の第4実施形態である映像表示装置であって、x方向の平面上での光路を示している。 前記第4実施形態での光学瞳における光強度分布断面を示すグラフである。 前記第3実施形態を適用した頭部装着型のシースルー映像表示装置の第1例を示す斜視図である。 前記第3実施形態を適用した頭部装着型のシースルー映像表示装置の第2例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態での、LEDの分光強度分布を示すグラフである。 ホログラム素子の、波長と回折効率との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る映像表示装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態、図1〜図3参照)
図1に、本発明の第1実施形態である映像表示装置の概略構成を示す。図1(A)はy方向の平面上での光路を示し、図1(B)はx方向の平面上での光路を示す。
この映像表示装置は、表示手段1と接眼レンズ2とで構成されている。表示手段1は、透過型の液晶表示デバイス(以下、LCDと記す)11と、拡散光を放射する面光源であるバックライト12と、光を一方向に集光する光学素子13とで構成されている。
バックライト12から放射された光は光学素子13でy方向に集光され、LCD11を画像データに基づいて駆動することにより変調され、映像を表示する。接眼レンズ2は表示手段1の映像光を虚像として光学瞳9に導く。観察者は光学瞳9の光を自身の瞳に入射させて映像を観察することになる。
光を一方向に集光する光学素子13は、例えば、3M社製のBEFを使用することができ、ここでは、バックライト12から放射された光をy方向に集光し、x方向には殆ど影響を及ぼさないように配置されている。即ち、図2に示すように、バックライト12の1点から放射された光は光学素子13によってy方向に集光されてLCD11を照射する。
従って、所定の角度で拡散するバックライト12からの光は、x方向とy方向とで光強度の分布が異なる。即ち、y方向には集光するので明るく、x方向には大きな光学瞳9となるので観察者は映像を観察しやすくなる。
ここで、映像中心光束の光学瞳9中心におけるx方向とy方向との光強度分布断面を図3に示す。図3において、横軸は光学瞳面内での位置座標、縦軸は光強度を示している。また、x方向での光強度分布Wxとy方向での光強度分布Wyとを重ねて示している。x方向での光強度分布WxはXの範囲で0.8以上の強度であり、y方向での光強度分布WyはYの範囲で0.8以上の強度である。本第1実施形態において、Xは12mmとし、Yは4mmとした。
なお、人の目では、通常、2倍程度の強度差がある場合に明るさの変化が分かるため、0.8〜1.0の強度差は明るさむらとして許容できる範囲内である。
(第2実施形態、図4、図5参照)
図4及び図5に本発明の第2実施形態である映像表示装置の概略構成を示す。図4はy方向の平面上での光路を示し、図5はx方向の平面上での展開した光路を示す。
この映像表示装置は、表示手段100と反射型のホログラム素子103とで構成されている。表示手段100は、透過型のLCD111と、発光ダイオード(以下、LEDと記す)112と、光を一方向に集光するシリンダレンズ113と、光を一方向に拡散する一方向拡散板114とで構成されている。
LED112から放射された光は、一方向拡散板114を透過した後、シリンダレンズ113でy方向に集光され、LCD111を画像データに基づいて駆動することにより変調され、映像を表示する。
ホログラム素子103は、体積位相型であって、透明基板102上に支持されている。表示手段100からの映像光はホログラム素子103によって回折され、虚像として光学瞳109に導かれる。観察者は光学瞳109の光を自身の瞳に入射させて映像を観察することになる。
一方向拡散板114はLED112から放射された光をx方向に拡散し、y方向には殆ど拡散しない。シリンダレンズ113は、LED112から放射されて一方向拡散板114を透過した光をy方向に集光し、x方向には殆ど影響を及ぼさない。従って、所定の角度で拡散するLED112からの光は、x方向とy方向とで光強度の分布が異なる。即ち、y方向には集光するので明るく、x方向には大きな光学瞳109となるので観察者は映像を観察しやすくなる。
ところで、LED112と光学瞳109とはy方向でほぼ共役な関係になるように配置されている。従って、y方向において、光学瞳109はLED112の発光面の大きさ0.3mmが光学系の像倍率である8倍に拡大され、さらに、一方向拡散板114による0.5°の拡散と、LCD111による1°の拡散によって少し大きくなる。光学瞳109の大きさはY=3mmとして設定している。
また、LED112はレンズ付きであり、90°の小さな放射角に設定しているので、光学瞳109に利用されない無駄な光が少なく、効率よく明るい映像が観察できる。
さらに、LED112は発光ピーク波長が550nmのものを用いており、ホログラム素子103は回折効率ピーク及び半値で550nm±10nmの波長の光を回折するように作製されている。ホログラム素子は特定入射角の特定波長の光のみを回折するので、外界光Aには殆ど影響せず、外界光Aを透過させる。そのため、観察者は通常どおりの外界を見ることができる。
次に、一方向拡散板114の機能について図5を参照して説明する。一方向拡散板114はLED112の0.3mmの発光面から放射された光をx方向に40°拡散する。シリンダレンズ113はx方向には殆ど影響を及ぼさない。また、拡散板114はLED112側の面を光学的に平坦な面とし、シリンダレンズ113側の面を凹凸による拡散面としている。
つまり、LED112からの発散光が平坦面で屈折されて僅かに集光された状態で拡散されるので、集光状態が少し保存される。従って、拡散板114は凸レンズの機能を若干有し、光学瞳109に必要な方向の光として若干屈折する。本第2実施形態では、光学瞳109のy方向の大きさYは3mmとしている。光学瞳109のx方向の大きさXは10mmとしている。
人の瞳の大きさはほぼ3mmであり、本第2実施形態では、光学瞳109のx方向の大きさを10mmとすることで映像が観察しやすくなり、かつ、y方向の大きさを人の瞳とほぼ同じ3mmに集光するようにしたので、無駄なく明るい映像を観察可能である。
また、ホログラム素子103上において光軸Pの入射面に平行な方向(y方向)の光学瞳109を小さくし、光軸Pの入射面に垂直な方向(x方向)の光学瞳109を大きくしている。換言すれば、ホログラム素子103の光軸Pの入射面において、光軸Pの入射面に平行な方向の開口数NAy(図4参照)を小さくし、光軸Pの入射面に垂直な方向の開口数NAx(図5参照)を大きくしたため、色分散の影響を受けにくく、回折により発生する色収差が小さくなり、色むらが少なく解像度の高い高画質の映像を観察できる。
ところで、本明細書において、光軸Pとは、映像中心と光学瞳中心とを光学的に結ぶ線であると定義する。
ここで、ホログラム素子における入射角と波長及び色分散との関係について説明する。ホログラム素子の縞に入射角θで入射する光Raと、光Raに対し角度ずれΔθをもつ光Rbとを考える。ただし、θは0ではない。光Rbが光Raの入射面に平行な面内で入射する場合、光Rbの入射角はθ±Δθとなり(符号は、光Rbの角度ずれの方向によって異なる)、角度ずれがそのまま光Raと光Rbとの入射角の差異となる。一方、光Rbが光Raの入射面に垂直な面内で入射する場合、光Raの入射面に平行な面内で入射する場合よりも入射角θとのずれは小さい。
ホログラム素子は、入射角度によって回折波長が変化する、角度選択性を持つ素子であり、色分散も有する。したがって、光Raに対する回折縞を持つホログラム素子では、光Raの入射面に平行な方向に入射角度がずれるよりも、光Raの入射面に垂直な方向にずれる方が角度選択性が低く、かつ、色分散の影響も小さい。
図4に示したホログラム素子103において、光軸Pの入射面に平行な方向(y方向)は角度選択性が高く、光軸Pの入射面に垂直な方向(x方向)には角度選択性が低い。従って、光軸Pの入射面に平行な方向に開口数を小さくすることで、ホログラム素子103に入射する光の角度の差異を小さくすることができ、ホログラム素子103の波長変化及び色分散によって生じる色むらを小さくすることができる。また、光軸Pの入射面に垂直な方向に開口数を大きくしても、ホログラム素子103へ入射する光に入射角の差異は小さいので、ホログラム素子の色分散の影響が少なく色むらは悪化しない。なお、光軸Pの入射面上にない光、例えば、LCD111の四隅から出力される光に対しては、入射面が光軸Pの入射面と異なるが、前述のように光軸Pの入射面に垂直な方向の光に対しては波長変化及び色分散の影響は少ないため、色むらの発生はほとんどない。
(第3実施形態、図6〜図8参照)
図6及び図7に本発明の第3実施形態である映像表示装置の概略構成を示す。図6はy方向の平面上での光路を示し、図7はx方向の平面上での展開した光路を示す。
この映像表示装置は、表示手段200とプリズム202,203と反射型のホログラム素子204とで構成されている。表示手段200は、透過型のLCD211と、LED212と、集光レンズ213と、光を一方向に拡散する一方向拡散板214とで構成されている。
LED212から放射された光は、一方向拡散板214を透過した後、集光レンズ213でx方向及びy方向に集光され、LCD211を照明する。LCD211は画像データに基づいて駆動されることにより照明光を変調し、映像を表示する。
ホログラム素子204は、体積位相型であって、プリズム202,203の界面に支持されている。表示手段200からの映像光はプリズム202に入射してその内部で3回全反射した後、ホログラム素子204によって回折され、虚像として光学瞳209に導かれる。観察者は光学瞳209の光を自身の瞳に入射させて映像を観察することになる。また、プリズム203は、プリズム202のくさび形状での屈折をキャンセルしている。プリズム202,203、ホログラム素子204は外界光Aを歪みなく透過させ、観察者は外界光AとLCD211に表示された映像を同時に観察できる。
一方向拡散板214はLED212から放射された光をx方向に拡散し、y方向には殆ど拡散しない。集光レンズ213は、LED212から放射されて一方向拡散板214を透過した光をx方向及びy方向に集光する。従って、所定の角度で拡散するLED212からの光は、x方向とy方向とで光強度の分布が異なる。即ち、y方向には集光するので明るく、x方向には大きな光学瞳209となるので観察者は映像を観察しやすくなる。
ところで、LED212と光学瞳209とはy方向でほぼ共役な関係になるように配置されている。従って、y方向において、光学瞳209はLED212の発光面の大きさ0.3mmが光学系の像倍率である3倍に拡大され、さらに、一方向拡散板214による0.5°の拡散と、LCD211による1°の拡散によって少し大きくなる。光学瞳209の大きさはY=2mmとして設定している。
また、図7に示すように、LED212には、発光ピーク波長を図13に示す635nm、520nm、465nmのLED212R,LED212G,LED212BのRGB一体型のものを用いている。ホログラム素子204は、図14に示すように回折効率ピーク及び半値で635±10nm、520±10nm、465nm±10nmの波長の光を回折するように作製されている。本実施例ではLEDのピーク波長とホログラム素子のピーク波長を一致させて明るい映像としたが、暗くても良い。あるいはある程度の明るさを確保できる場合は必ずしも一致させる必要はない。
ホログラム素子は特定入射角の特定波長の光のみを回折するので、外界光Aには殆ど影響せず、外界光Aをプリズム202,203及びホログラム素子204を透過させる。そのため、観察者は通常どおりの外界を見ることができる。
本第3実施形態では、映像光をプリズム202内で反射させて観察者の瞳に導く構成としたので、プリズム202,203を通常の眼鏡レンズと同程度に薄く(例えば、3mm程度)することができ、小型軽量となる。
次に、一方向拡散板214の機能及びLED212R,212G,212Bの配置について図7を参照して説明する。一方向拡散板214はx方向に配置されたLED212R,212G,212Bの各発光面から放射された光をx方向に20°拡散する。また、拡散板214はLED212側の面を光学的に平坦な面とし、集光レンズ213側の面を凹凸による拡散面としている。
つまり、LED212からの発散光が平坦面で屈折されて僅かに集光された状態で拡散されるので、集光状態が少し保存される。従って、拡散板214は凸レンズの機能を若干有し、光学瞳209に必要な方向の光として若干屈折する。本第3実施形態では、光学瞳209のy方向の大きさYは2mmとしている。光学瞳209のx方向の大きさXは6mmとしている。
前述の如く、人の瞳の大きさはほぼ3mmであり、本第3実施形態では、光学瞳209のx方向の大きさを6mmとすることで映像が観察しやすくなり、かつ、y方向の大きさを人の瞳より小さい2mmに集光するようにしたので、無駄なく明るい映像を観察可能である。
また、各LED212R,212G,212Bの発光面をx方向に配置しているため、集光して小さな光学瞳でありながらRGB各色のy方向での光学瞳位置を一致させることができ、さらにx方向は拡散が大きいので光学瞳209上での各色の強度差が小さくなり、光学瞳の色むらを少なくすることができる。
さらに、ホログラム素子204上において光軸Pの入射面に平行な方向(y方向)の光学瞳209を小さくし、光軸Pの入射面に垂直な方向(x方向)の光学瞳209を大きくしている。換言すれば、ホログラム素子204の光軸Pの入射面において、光軸Pの入射面に平行な方向の開口数NAy(図6参照)を小さくし、光軸Pの入射面に垂直な方向の開口数NAx(図7参照)を大きくしたため、色分散の影響を受けにくく、回折により発生する色収差が小さくなり、色むらが少なく解像度の高い高画質の映像を観察できる。その理由は、前記第2実施形態で図5を参照して説明したとおりである。
ここで、本第3実施形態における映像中心光束の光学瞳209中心におけるx方向とy方向との光強度分布断面を図8に示す。図8において、横軸は光学瞳面内での位置座標、縦軸は光強度を示している。また、x方向での光強度分布Wxとy方向での光強度分布Ry,Gy,Byとを重ねて示している。x方向は色分散の影響が小さいので各色の光強度分布Wxは殆ど一様で、Xの範囲で0.8以上の強度である。y方向は色分散の影響が大きいので各色で僅かにずれているが、光学瞳209の大きさを人の瞳より小さい2mmとしたので、瞳内に強度の高い光が入射し、色むらを感じにくい。x方向の大きさX2は6mm、y方向の大きさY2は2mmである。
(第4実施形態、図9、図10参照)
図9に本発明の第4実施形態である映像表示装置の概略構成を示す。図9はx方向の平面上での展開した光路を示し、y方向の平面上での光路は第3実施形態である図6と同様である。
即ち、本第4実施形態は、光源として2個のLED212−1,212−2を設けたものであり、他の構成は前記第3実施形態と同じである。従って、図9において図6と共通する部品には同じ符号を付し、その説明は省略する。
各LED212−1,212−2は、発光ピーク波長が635nmのLED212R1,212R2を光軸Pの中心側に配置し、発光ピーク波長520nmのLED212G1,212G2及び発光ピーク波長465nmの212B1,212B2を光軸Pの中心から離れる側に配置している。複数のLEDをx方向に配置しているため、集光して小さな光学瞳でありながら同一波長およびRGB各色のy方向の光学瞳位置を一致させることができ明るく、y方向の光学瞳の色むらを少なくすることができる。
一方、ホログラム素子204は、465nm±10nm、520nm±10nm、635nm±10nmの波長の映像光を回折するように作製している。各色でホログラムの半値幅はほぼ同じなので、波長の長い光ほど角度選択性が大きい。従って、LEDの各色の波長幅が同じ場合には、ホログラム素子204により回折されてできる光学瞳209の大きさが、波長が長いほど小さい。
ところで、LED212−1,212−2と光学瞳209とはy方向でほぼ共役な関係になるように配置されている。LED212−1,212−2は垂直方向の強度が強く、周囲ほど強度が弱い。従って、x方向では一方向拡散板214により拡散されるのでLED212−1,212−2と光学瞳209は共役な関係にはないが、光学瞳209の最も強度の強い位置はLED212−1,212−2の共役な位置にほぼ同じである。
つまり、光学瞳が小さい波長の瞳中心を光学瞳209の中心側に、光学瞳が大きい波長の瞳中心を光学瞳209の外側に配置しているので、光学瞳209内での各色の強度差を小さくすることができ、色むらの小さい映像を観察できる。この点は図10を参照して以下に説明する。
また、LED212−1,212−2はRGBの発光面を拡散が大きいx方向に並べているので、光学瞳209上での各色の強度差が小さくなり、さらに、色むらを小さくできる。
本第4実施形態における映像中心光束の光学瞳209中心におけるx方向の光強度分布断面を図10に示す。図10において、横軸は光学瞳面内での位置座標、縦軸は光強度を示している。また、光強度分布B1,B2はLED212B1,212B2に対応し、光強度分布R1,R2はLED212R1,212R2に対応し、光強度分布G1,G2はLED212G1,212G2に対応している。
光学瞳209は波長が長いほど小さいので光学瞳面での位置により強度差が大きい。一方、波長が短いほど強度差が位置により小さい。また、波長の長い光を放射するLEDほど光軸中心側に配置しているので強度が高い位置が光学瞳209の中心に近く、短い波長ほど周囲に強度の高い位置がある。従って、各色の強度差が小さくなっている。
(頭部装着型映像表示装置の第1例、図11参照)
図11に頭部装着型のシースルー映像表示装置3を示す。この映像表示装置3は、前記第3実施形態を適用したもので、それゆえ、図11では図6と同じ部材に同じ符号が付されている。
映像表示装置3は、概略、表示手段200、プリズム202,203,205、テンプル5R,5L、ブリッジ6、鼻当て7R,7Lにて構成されており、眼鏡と同様にして人の頭部に装着可能である。
プリズム202,203,205は、眼前に配置されて外光が透過することにより外界を透視することができると共に、一方のプリズム202,203には前記表示手段200によって虚像として表示された映像を外界像と重ねて観察することができる。表示手段200は映像信号出力部及び電源とケーブル206によって接続されている。
(頭部装着型映像表示装置の第2例、図12参照)
図12に頭部装着型のシースルー映像表示装置4を示す。この映像表示装置4は、前記映像表示装置3と基本的に同じ構造を備え、異なるのは、プリズム202,203が矯正眼鏡レンズを兼用している点と、表示手段200を両眼に備えている点である。図12において、図11と同じ部材は同じ符号を付し、かつ、左右の部材にはそれぞれL,Rを付して区別している。
(他の実施形態)
なお、本発明に係る映像表示装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
以上のように、本発明は、映像表示装置に有用であり、特に、色収差の小さい高画質の映像を表示できる点で優れている。
1,100,200…表示手段
2…接眼レンズ
11,111,211…LCD
9、109,209…光学瞳
12,112,212…LED
103,204…ホログラム素子
3,4…シースルー映像表示装置

Claims (2)

  1. 映像を表示する表示手段と、該表示手段により表示された映像を虚像として観察者の瞳に導く接眼光学系とを備えた映像表示装置であって、
    前記接眼光学系は反射型ホログラム素子を含み、
    前記接眼光学系により観察者の瞳に導かれる表示手段の映像光束は、前記反射型ホログラム素子の光軸入射面において、該入射面に平行な方向の開口数が該入射面に垂直な方向の開口数より小さく、
    前記表示手段は空間光変調素子と該空間光変調素子を照明する複数の光源を備え、
    前記複数の光源は前記接眼光学系に対する光軸の入射面に垂直な方向に配列されており、
    前記複数の光源はそれぞれ異なる波長域の光を放射し、最も長い波長の光を放射する光源は光軸中心側に配置され、他の光源は放射する光の波長域が長波長域から短波長域の順に光軸中心から離れる側に配置されていること、
    を特徴とする映像表示装置。
  2. 前記光源は赤色光、緑色光、青色光を放射する光源がそれぞれ一対ずつ配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
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