JP5024027B2 - 通信品質監視装置、通信品質監視システム、通信品質監視方法及びそのプログラム - Google Patents

通信品質監視装置、通信品質監視システム、通信品質監視方法及びそのプログラム Download PDF

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本発明は、ネットワークにおける通信品質監視装置等に係り、特にP2Pネットワークなど高位レイヤのプロトコルを中継ノードで終端し中継する高位レイヤネットワークにおけるボトルネックを検出するための通信品質監視装置、通信品質監視システム、通信品質監視方法及びそのプログラムに関する。
従来、ネットワークにおける実効的な伝送帯域幅であるスループットや遅延等の品質の劣化箇所を検出するための方法は、各中継ノード間の夫々の区間のスループットや遅延などの通信品質指標を計測するものであった。
ところで、P2P(Peer to Peer)ネットワークやオーバーレイネットワークなど、ネットワーク内に、インターネットの第3レイヤ〔IP(Internet Protocol )レイヤ〕より高位のレイヤプロトコル〔例えば、転送制御プロトコルであるTCP(Transmission Control Protocol )など〕を終端処理し中継する中継ノードを有している高位レイヤネットワークでは、通常はエンドホスト(端末)でのみ終端処理される高位レイヤプロトコルを処理する中継ノードをネットワーク内に有することにより、エンドエンド間の伝送品質を向上できるというメリットがある。
しかし、高位レイヤのプロトコルを中継ノード装置〔プロキシ(Proxy )とも呼ばれる〕で終端し中継するため、それぞれの中継ノード装置がレート制御(フロー制御)を行い実効伝送速度を可変にする。このため、他区間における品質劣化の影響が伝播することになり、僅か時間の内に各区間の通信レートが等しくなってしまい、いずれの区間が品質劣化の原因となったかを特定することは困難であった。
従来、各区間ネットワークの転送制御プロトコルであるTCPの通信性能の状況を知るための手法には、以下のような方法が知られている。
即ち、各区間ネットワークの転送制御プロトコル(TCP)の通信性能の状況を知るための第1の方法は、送信端末と受信端末のプロトコルの動作を分析することによって、ネットワークと端末とのいずれの側にボトルネックが存在しているかを判定する方法である。送信端末から送出されるパケットに記されているシーケンス番号と、受信端末からの確認応答パケットに記されている広告ウィンドウサイズから、受信端末が受信可能であると広告した広告シーケンス番号を計算し、この広告シーケンス番号とシーケンス番号とを比較することで、広告ウィンドウがスループットを制限する原因になっているかを判定する。例えば、広告ウィンドウがスループットを制限していれば、ボトルネックが端末側に存在すると推定される(特許文献1)。
又、各区間ネットワークの転送制御プロトコル(TCP)の通信性能の状況を知るための第の方法は、送信端末と受信端末との間に挿入された計測装置にてTCPのトラヒックを観察し、計測装置にて計測されたネットワークの遅延、パケットロス率などからTCPの理論スループットを算出し、これと実際のスループットを比較して、実際のスループットが理論スループットよりも低いスループットであった場合に、性能が低下していると判定する方法である(特許文献2)。
ここで、上述した第1の方法を高位レイヤネットワークに適用した場合、パケットの送り先の隣接中継ノードにおいて品質劣化が発生した場合には、受信側から送信側に許可される広告ウィンドウが縮退することの影響がパケット転送方向とは逆方向に伝播してしまい、正しく品質劣化した箇所を特定することが困難になる。また、広告ウィンドウが縮退することだけを利用しているため、品質劣化が検知されるためには、広告ウィンドウ・サイズよりも大きな送信データサイズが必要であり、利用できる状況が限られるという不都合があった。
又、上述した第2の方法を高位レイヤネットワークに適用した場合、送信端末がデータの送信を停止したことによりスループットが低下した場合と、ネットワーク又は受信端末が性能低下要因となりスループットが低下する場合を区別することができないという問題点が生じる。また,理論スループットと実際に得られる最大スループットは、必ずしも一致するとは限らず、通常、理論スループットには大きな誤差が含まれることが知られている。特に、小さなデータサイズのデータ転送では、誤差が大きくなる。このため、通信品質が劣化していることを正しく特定することができないという不都合があった。
このように高位レイヤネットワークにおいては、既存の技術では、あるネットワーク区間において品質劣化が発生した場合、その品質劣化によって他区間の計測結果が影響を受けてしまい、どの区間のスループットが低下したのか正しく区別することができないという問題点を抱えていた。また、転送データ量が少ない場合や転送データが間欠的に発生するような場合に、品質劣化を正しく検出できないという不都合も存在していた。
(発明の目的)
本発明は、上記問題に鑑み、レート制御機構を有する高位レイヤネットワークにあって通信におけるボトルネック区間を高精度に検知し得る通信品質監視装置、通信品質監視システム、通信品質監視方法及びそのプログラムを提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る通信品質監視装置は、送信端末と受信端末を接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えてなる高位レイヤネットワークを対象として、通信品質計測を実施し品質劣化ネットワーク区間を特定するものであって、前記送信端末及び前記中継ノード装置における前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集する品質情報収集手段と、収集された前記各送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のあるネットワーク区間につながっている中継ノード装置を特定すると共に、その特定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置の前記送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態に基づいて品質劣化の影響の伝播の有無を検出しその影響を除去して品質劣化ネットワーク区間を判定する劣化区間判定手段とを具備することを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る通信品質監視システムは、送信端末と受信端末とを接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えて成る高位レイヤネットワークを対象として、前記送信端末、前記中継ノード装置及び前記中継ノード装置等からの情報を受信し前記高位レイヤネットワークにおける通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置を備えて成り、前記送信端末及び前記中継ノード装置は、特定のタイミングにおいて前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集しそれを品質情報として前記通信品質監視装置に送信する品質情報送出手段を備え、前記通信品質監視装置は、前記品質情報送出手段からの品質情報を収集する品質情報収集手段と、収集された前記送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のある中継ノード装置等を特定すると共に、その特定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置の前記送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態に基づいて品質劣化の影響の伝播の有無を検出しその影響を除去して品質劣化ネットワーク区間を判定する劣化区間判定手段と、
を具備することを特徴とする。
さらに、上記課題を解決するため、本発明に係る通信品質監視方法は、送信端末と受信端末とを接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えて成る高位レイヤネットワークを対象として、前記送信端末、前記中継ノード装置及び前記中継ノード装置等からの情報を受信し前記高位レイヤネットワークにおける品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置を備えて成る通信品質監視システムにあって、特定のタイミングにおいて送信された前記送信端末及び前記中継ノード装置の前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルで使用する送信バッファに関する情報を受信する品質情報収集工程と、前記送信された送信バッファに関する情報に基づいてボトルネック候補を判定するボトルネック候補判定工程と、前記ボトルネック候補と判定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における前記送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補に伝播していることを検出すると、そのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外工程とを備えたことを特徴とする。
更に又、上記課題を解決するため、本発明に係る品質監視用プログラムは、送信端末と受信端末を接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えてなる高位レイヤネットワークを対象として、通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置にあって、前記送信端末及び前記中継ノード装置における前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集する品質情報収集機能、前記送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のあるネットワーク区間につながっている中継ノード装置であるボトルネック候補を判定するボトルネック候補判定機能、ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態を判別し、品質劣化の影響が伝播していることを検出すると、ボトルネック候補から除外し品質劣化ネットワーク区間を特定する伝播影響除外機能をコンピュータに実現させるよう構成したことを特徴とする。
本発明は上述したように構成されているので、これによると、高位レイヤネットワークにあって、転送先のネットワークや中継ノード装置の輻輳状態が他のネットワークに伝播する影響をも考慮に入れて、いずれのネットワーク区間が通信のボトルネックになっているかを高精度に検出することをできるという従来にない優れた通損品質監視装置、通信品質監視システム、通信品質監視方法及びそのプログラムを提供する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、本第1実施形態に係る高位レイヤネットワーク用品質監視システム1のブロック構成図を示す。この図1において、本品質監視システム1は、送信端末20と受信端末30、これら端末を接続する複数のネットワーク(ネットワーク区間)10、11、12と中継ノード装置40,50で構成される高位レイヤネットワーク5、及びこれら端末20,30と中継ノード装置40,50から送られる品質レポートに基づいて品質劣化を計測し輻輳を生じているネットワークを判定するSLA監視装置(通信品質監視装置)70とを備えて構成されている。
この通信品質監視システム1では、監視対象である高位レイヤネットワーク5を構成する何れのネットワーク区間で品質劣化(輻輳)が生じているかを判定するため、図2の点線で示すように、中継ノード装置等からは自身の送信バッファ状況等を示す情報(品質レポート)をSLA監視装置70に送り、SLA監視装置70では、それらの情報に基づいて、輻輳伝播の影響を除去した精度の良い輻輳箇所の判定を行う。
以下、これを更に詳述する。
上述した送信端末20と受信端末30は、ここでは例えばTCP上のHTTP(Hyper
Text Transfer Protocol)プロトコルを使用するHTTPサーバとクライアントなど各種の高位レイヤにおけるサービスを利用する情報処理装置である。
図2に示すように、高位レイヤネットワーク5を構成するネットワーク10,11,12は、それぞれ、LAN,WAN又はインターネットなどのIP(Internet Protocol )パケットを伝送するIPネットワークで構成されている。この図2では、送信端末20から受信端末30に至る経路上に、ネットワークが3つと中継ノード装置が2台接続されているケースが示されているが、任意の台数の中継ノード装置及びネットワークを配置した構成であってよい。
又、高位レイヤネットワーク5をもう一つの構成要素である中継ノード装置40,50は、ソックスサーバ(Socksサーバ)やTCPプロキシ(Proxy)など、TCPコネクションを終端してパケットを受信し、更に送信側のTCPコネクションへとパケットを送信してデータを中継する機能を有すると共に、自身の送信バッファの状況及び通信プロトコルTCPの状態等の情報を品質レポートとしてSLA監視装置(通信品質監視装置)70へ報告する品質情報送出手段をも備えている。
本第1実施形態における高位レイヤネットワーク5では、高位レイヤとして第4層のトランスポートプロトコルであるTCPを採用している。そして、図2に示すように、ネットワーク10を介して送信端末20と中継ノード装置40間のTCPコネクション60、ネットワーク11を介して中継ノード装置40と中継ノード装置50間のTCPコネクション61及びネットワーク12を介して中継ノード装置50と受信端末30間のTCPコネクション62が張られている。
又、図2に示すように、送信端末20から送信されるパケットは、TCPコネクション60,61,62を利用して誤り制御や後述するレート制御を受けながら中継ノード装置40,50を介して、受信端末30へ転送される。
ここで、本第1実施形態の説明では、簡単のため、それぞれのTCPコネクションは、同一のシーケンス番号を利用するものとする。つまり、送信端末が例えばシーケンス番号1000で送信したデータ1は,受信端末に至るまでシーケンス番号1000を保持しつつ転送されるとする。
SLA監視装置(SLA:Service Level Agreement )70は、図1に示すように、端末20,30と中継ノード装置40,50からの品質レポートを受け取る品質情報収集手段70Aと、その品質レポートの情報に基づいて、高位レイヤネットワーク5の品質劣化を計測し輻輳を生じているネットワークを判定する劣化区間判定手段70Bとを備えて構成されている。
ここで、上記図1に示すようなネットワーク構成に関する情報は予め内部の記憶部に保持されており、それぞれの端末、中継ノード装置からの品質レポートに基づいてどのネットワークが劣化したかの判定が行なわれる。この構成と動作は後ほど詳しく説明するが、例えば、送信端末20と中継ノード装置40からの送信側TCPがボトルネックと判定された場合は、ネットワーク11がボトルネック区間であると判定する。
これにより、本品質監視システム1は、当該ネットワークより先で起きている品質劣化(輻輳状態)の影響をも考慮し、それらを除外して、ボトルネックになっているネットワーク区間を正確に検出することを可能にしている。
続いて、本品質監視システム1の中心であるSLA監視装置70及び中継ノード装置40の構成と動作を図1乃至図4に基づいて更に詳しく説明する。
先ず、中継ノード装置40の構成と動作について説明する。
中継ノード装置40は、図3に示すように、ネットワーク10から受信したパケットをTCP/IPプロトコルによる受信処理を行なう受信側TCP処理部41と、受信側TCP処理部41から受け取ったデータを送信側TCP処理部43へと渡すデータ中継処理部42と、TCP/IPプロトコルによる送信処理を行いパケットをネットワークへと送信する送信側TCP処理部43と、各処理部でのパケットの処理に一時記憶として必要な受信バッファ44、バッファ45及び送信バッファ46を備えて構成されている。
更に、特定のフラグを備えるパケットを処理する毎にそれを検知し、その時の自己の送信バッファ46の状況を収集し、後述するプロトコルTCPの状態を示している広告ウィンドウサイズ等と共に品質レポートとしてSLA監視装置(通信品質監視装置)70に送信する品質レポート送信部(品質情報送出手段)47を備えている。
このように構成された中継ノード装置40は、ネットワーク10から受信されたパケットが、受信側TCP処理部41においてTCP/IPプロトコルによる受信処理を実行され、受信されたデータはデータ中継処理部42に渡される。この受信側TCP処理部41からのデータは、データ中継処理部42で中継処理されて、送信側TCP処理部43へと渡される。送信側TCP処理部43では、TCP/IPプロトコルによる送信処理を行なわれ、パケットとしてネットワークへと送信される。
一方、品質レポート送信部(品質情報送出手段)47では、特定のフラグを備えるパケットを処理する毎にそれを検知し、その時の自己の送信バッファ46に関する情報を収集し、後述する広告ウィンドウサイズ等と共に品質レポートとしてSLA監視装置(通信品質監視装置)70に送信する。この品質レポートに基づいて、SLA監視装置70では輻輳の生じているネットワークを特定することが可能になる。
ここで、この品質レポートの収集及び送出のタイミングは、上述の特定のフラグを備えるパケットの代わりに、特定のシーケンス番号毎に、又は定期的な時刻に自己の送信バッファ46の状況を収集し知らせるようにしてもよい。
次に、中継ノード装置40及び本通信品質監視システム1の動作に重要な役割を果たしている転送プロトコル(TCP/IP)と、中継ノード装置における送受信バッファの動作とを詳述する。
上記TCP/IPプロトコルは、通常は通信する場合に通信相手(ここでは中継ノード装置40)との間でセッションを確立し、そのセッションを通じて通信相手とパケットの送受信を行う。セッションは、通信相手のIPアドレスとポート番号の組により一意に識別され、このセッションを通じてパケットを受信した受信側は,必ず送信元に対して確認応答パケット(以下、「ACKパケット」と呼ぶ)を返す。
このとき、送信パケットに対するACKパケットが受信できるまで、次のパケットの送信を待つと転送効率は悪くなるので、ACKパケットを受け取らなくても連続して送信できる輻輳ウィンドウ方式がとられている。
尚、ACKパケットのヘッダには、どの送信パケットに対するACKパケットであるかを識別するためのACK番号や、受信側がどれだけのデータの受け入れる用意をしているかを示す広告ウィンドウサイズなどが含まれている。このため、例えばパケットの送信先の中継ノードが輻輳状態になると、この広告ウィンドウサイズを小さくして(縮退)、パケット送信元に転送レートを下げるよう指示するので、結果的に輻輳の影響がパケット転送方向と逆方向に伝播することになる。
又、上述の輻輳ウィンドウのサイズは、ACKパケットの受信とパケットロスの検知に応じて計算される値であり、TCPでは輻輳ウィンドウと広告ウィンドウのうち小さい方のウィンドウサイズを送信可能データサイズとして採用しており、既に受信しているACK番号にこの送信可能データサイズを足したシーケンス番号までをまとめて送信することができる。これにより、送信の速度を制御しており、レート制御機構と呼ばれている。
図4は、このような転送プロトコル(TCP)によるパケット転送における送受信バッファの待ち行列(キュー)の様子を示している。この図4の左側が送信バッファであり、右側が受信バッファである。
左側の送信バッファにおける送信キューは、ACK待ち行列(キュー)と送信待ち行列(キュー)の2種類の行列から構成されている。ACK待ちキューは、既に送信は終わっているが受信側TCPからACKパケットを未だ受け取っていないため再送に備えて待機しているパケットの行列であり、送信待ちキューは、アプリケーションレイヤから渡されたデータを乗せた送信待ちのパケットの行列である。
ACKパケットが返信されてくると、そこに記載されたシーケンス番号を参照して、それに対応するACK待ちパケットをACK待ちキューから削除するように動作するので、ACK待ちキュー長は小さくなる。
また、未送信パケットが送信されるときには、輻輳ウィンドウサイズから決まるシーケンス番号までまとめて送信されるので、送信待ちキュー長はそれだけ減少するが、それらは送信後はACK待ち状態になるのでACK待ちキュー長はその分だけ増加し、送信動作によっては送信キュー長は変わらない。
なお、この図4では、受信側TCPからACKパケットを受け取ったときのシーケンス番号をN_Acked 、送信は終了しているがACKパケットが未受信でそれを待っているACK待ち状態の送信パケットの内の最大のシーケンス番号をN_UnAcked 、未送信パケットの最大のシーケンス番号をN_UnSendとして図示されている。
次に、図4に基づいてTCP(転送制御プロトコル)の受信バッファ44における待ち行列(受信キュー)の様子を説明する。
受信バッファ44は、中継ノード装置40及び受信端末装置30に存在する。受信キューは、アプリ受信待ち行列(キュー)とTCP受信待ち行列(キュー)の2種類の行列から構成される。アプリ受信待ちキューは、正常受信を送信側に知らせるACKパケットを送出済みで、且つTCPより高位のアプリケーション層のプログラムの受信を待つパケットである。
又、TCP受信待ちキューは、受信は終わっているが未だACKパケットを返送していない状態のパケットの行列である。
ここで、アプリケーション層とは、中継ノード装置40の場合は、データ中継処理部42で行なわれる中継処理機能に該当し、受信端末装置30の場合には、受信パケットからデータを抽出し利用する文字通りのアプリケーションである。
上述した受信側のバッファがまとめて受信できる容量を示した広告ウィンドウサイズは、受信バッファサイズからアプリ受信待ちキュー長を除いた大きさで、アプリケーション層の処理速度が落ちるとアプリ受信待ちキュー長が増加し、広告ウィンドウサイズが減少する。広告ウィンドウサイズが減少すると、送信側の輻輳ウィンドウサイズもそれに制約され転送速度が低下することになる。
なお、この図4では、ACKパケットの返信終了済みのシーケンス番号をNR_Acked
、受信は終了しているがACKパケットが未送信でそれを待っているTCP受信待ちパケットの内の最大のシーケンス番号をNR_Recved、広告ウィンドウサイズに対応する受信可能な最大のシーケンス番号は広告ウィンドウ番号AW、として図示されている。
ここで、送信側TCPと受信側TCPとの間にあるネットワークが何らかの原因で輻輳に陥った場合には、送信されたパケットが受信側で正常受信が出来ず再送を要求する否定確認応答(NACKパケット)が返送されたり、送信先(受信側TCP)からのACKパケットの返信に遅延が生じたり消失したりする。そのため、送信側TCPにおいて送信待ち時間が増加し、あるいはACK待ちパケットの再送が優先されるなどして、結局、送信待ちパケットの送信は滞ってしまい送信待ちキューひいては送信キュー長は増加していくことになる。
そこで、本品質監視システム1では、ネットワークの輻輳を計測監視するため、送信端末20及び中継ノード装置40,50のそれぞれの送信側TCPにおいて、送信側TCPコネクションの状態を監視し、少なくとも送信バッファの送信キュー長の情報と受信側TCPからの情報(ACKパケットに記された最新の広告ウィンドウ番号AW)を含む品質レポートをSLA監視装置70に報告するよう構成されている。
なお、ここでは、送信バッファ46に関する情報として、送信キュー長の情報だけでなく、他の実施形態(後述する第2の実施形態)にも使えるように、未送信パケットの最大シーケンス番号N_UnSend、ACKパケット待ち状態の送信パケットのシーケンス番号N_UnAcked 及びACKパケットを受け取った送信パケットのシーケンス番号N_Acked の各情報を、品質レポートとして送信する構成としている。
又、中継ノード装置40,50及び送信端末20の送信バッファの監視と報告を実施するタイミングは、ここではパケットヘッダにプッシュフラグと呼ばれる特定のフラグが立った場合としている。プッシュフラグは、送信端末のアプリケーションレイヤが1つのデータ書き込みを行った場合に、そのデータを分割して送信パケットに順次載せて送る際の最後のパケットに付加される。つまり、アプリケーションからの一まとまりのデータ書き込みが行なわれる毎のタイミングで、SLA監視装置への報告が行われることになる。
これにより、品質レポートの送信タイミング(送信頻度)をデータ量に応じて可変にすることができ、データ転送量が少ない場合や、バーストデータのような間歇的なデータ転送であっても、輻輳となっているネットワーク区間を精度良く検出することができる。
ここで、上述したプッシュフラグの代わりに、何らかのフラグが立った場合、或いはある定められたシーケンス番号毎の間隔で、又は設定時間毎のタイミングで、前述したSLA監視装置70に報告するようにしてもよい。
(SLA監視装置70について)
次に、前述したSLA監視装置70について更に詳述する。
前述したように、SLA監視装置70は、品質情報収集手段70Aと劣化区間判定手段70Bとから構成される(図1参照)。
この内、品質情報収集手段70Aは、端末装置20,30及び各中継ノード装置40,50から報告される品質レポートを受信する品質レポート収集部71と、その品質レポートを記憶しておく品質レポート記憶部75とを備え構成されている。
又、劣化区間判定手段70Bは、その品質レポートに基づいて送信キュー長NSQ=N_UnSend−N_Acked がある設定値を超える中継ノード装置等をボトルネック候補と決定するボトルネック候補決定部72と、それを記憶するボトルネック候補記憶部76と、そのボトルネック候補から一定の要件を満たすものを削除するRWIN伝播影響判定部73と、そのボトルネック候補の中からさらにこれとコネクションを張る次段の状態に基づいて削除するNextHop 品質劣化確認部74と、ネットワーク構成に関する情報を保持しているネットワーク構成記憶部77とを備えて構成されている。
品質レポート収集部71は、品質情報収集手段70Aの要部を成しと、端末装置20,30及び各中継ノード装置40,50から報告される品質レポートを受信し、これを品質レポート記憶部75に記録する。
ボトルネック候補決定部72は、品質レポート記憶部75に記録された品質レポートを参照し、送信キュー長NSQ=N_UnSend−N_Acked が定められた設定値よりも大きくなっていた端末又は中継ノード装置に関する情報を、ボトルネック候補記憶部76に転載する機能を備えている。
RWIN伝播影響判定部(第1の伝播影響除去部)73は、ボトルネック候補記憶部76に記憶されている端末又は中継ノード装置に関する情報に基づいて、そのTCPコネクションの受信側が発する広告ウインドウ番号AWとACK待ち送信パケットのシーケンス番号N_UnAcked が等しいものについては、中継ノード装置等に関する情報をボトルネック候補記憶部76から削除する。
これは、ACK待ち送信パケットのシーケンス番号N_UnAcked は、ボトルネックが無くても当然、確認済みのシーケンス番号N_Acked より広告ウインドウ・サイズAW分は大きくなるからである。
NextHop 品質劣化確認部(第2の伝播影響除去部)74は、ボトルネック候補記憶部76に記憶されているそれぞれの端末20,30又は中継ノード装置40,50に関する情報に基づいて、それぞれのコネクションを張っている次段の端末20,30又は中継ノード装置40,50に関する情報を品質レポート記憶部75から参照し、それらの端末30又は中継ノード装置40,50の送信キュー長が定められた設定値よりも大きいか否かの判定処理を行ない、大きかった場合には、ボトルネック候補記憶部76から先に参照したボトルネック候補を削除する。
このような状況は、次段の中継ノード装置40,50のさらに先に問題があり、その手前側のネットワークがボトルネックとは必ずしも判定できないからである。
そして、NextHop 品質劣化確認部74は、ボトルネック候補記憶部76に記憶されているそれぞれの端末20,30もしくは中継ノード装置40,50について一通り上記の判定処理を実施した後、ボトルネック候補記憶部76に残された端末装置30もしくは中継ノード装置40,50がTCPコネクションの次ホップ(NextHop )へといたる際に通過するネットワークを、ネットワーク構成記憶部77を参照して特定し、この特定されたネットワークをボトルネック区間として出力する。
(SLA監視装置70の動作フロー)
続いて、上述したSLA監視装置70による品質劣化(輻輳)の判定処理動作について説明する。
図5にSLA監視装置70による品質劣化の判定処理動作のフローチャートを示す。
なお、この判定処理動作のフローチャートに入る前に、図示していないが、実際上は端末装置20,30及び各中継ノード装置40,50から報告される品質レポートを受信し記憶する手順、即ち品質レポート収集工程(品質情報収集工程)が存在している。
この図5のステップS100において、SLA監視装置70は、端末装置20,30や中継ノード装置40,50のTCPの送信バッファ46における送信キュー長NSQ=N_UnSend−N_Acked が設定値よりも大きくなっている送信側TCPがあると、それとコネクションを張る受信側TCPに至るまでに経由するネットワークが通信性能を阻害するボトルネックになっている可能性があると判定して、該当する送信側TCPを有する中継ノード装置等をボトルネック候補集合としてボトルネック候補記憶部76に格納する(ボトルネック候補判別工程)。
なお、送信キュー長NSQ=N_UnSend−N_Acked が大きくなったとする判定には、過去のスループット(実効的な伝送帯域幅)とRTT(Round Trip Time :エンド間でパケットが往復するのに必要な時間)の履歴から、TCPにおいて高いスループットを得るために必要なバッファ量である帯域遅延積(BDP:Bandwidth Delay Product )を、スループットとRTTの積から計算し、これと送信キュー長とを比較して、送信キュー長がこの帯域遅延積に比べてある程度大きい場合( 例えば2倍から10倍程度) に送信側TCPがボトルネックになったと判定することも可能である。
次に、図5のステップS110において、SLA監視装置70は、ボトルネック候補記憶部76に格納されたボトルネック候補集合のうち、データ送信が受信側TCPからの広告ウインドウ番号AWによって制限されているものをボトルネック候補から除外する。
具体的には、SLA監視放置は、広告ウィンドウ番号AWとACKパケット待ち状態の送信パケットのシーケンス番号N_UnAcked を比較し、広告ウィンドウ番号AWとACKパケット待ち状態の送信パケットのシーケンス番号NUAが等しければ、広告ウィンドウ番号AWによって通信が制限されているものとして、ボトルネック候補から該当する送信側TCPを除外する(第1のボトルネック候補除外工程)。
これは、広告ウィンドウ番号AWが縮退することの影響による中継ノード装置40,50の送信レート減少を、その中継ノード装置40,50がコネクションを張っているネットワークの品質低下と判定しないためである。これにより、受信側中継ノード装置50及び更にその先にあるネットワークの輻輳の送信側への影響を考慮して正確に品質劣化のネットワークを特定できる。
次に、図5のステップS120において、SLA監視装置70は、ボトルネック候補記憶部76に格納されたボトルネック候補集合の中継ノード装置の内、次ホップ中継ノード装置となる隣接中継ノード装置50が、ボトルネック候補集合に入っているかを検索する。もし、次ホップ中継ノード装置50がボトルネック候補集合となっている場合には、元の中継ノード装置40をボトルネック候補集合から除外する(第2のボトルネック候補除外工程)。
何故なら、このような場合には、次ホップ中継ノード装置NextHop の方が通信性能が低いことを意味しており、元のボトルネック候補であった中継ノード装置40と、この次ホップ中継ノード装置50の間のネットワークがボトルネックになっている可能性は低いためである。
これにより、高位レイヤネットワークのあるネットワーク区間での品質劣化が原因となって、実際には、品質劣化が生じていないネットワーク区間に隣接する中継ノード装置40,50の受信キュー、送信キューまでがあふれてしまい、この影響が次々に伝播することで、品質劣化箇所がわからなくなってしまうという不都合を排除することができる。
即ち、問題になっている中継ノード装置の更に先にある次ホップ中継ノード装置又はその先のネットワークの輻輳状況をも考慮した判断によって、正確なボトルネックの特定を行なうことを可能にしている。
他方、ボトルネック候補集合に入っている中継ノード装置の次ホップ中継ノード装置がボトルネック候補集合に入っていなかった場合には、SLA監視装置70は、元の中継ノード装置の送信側TCP−Aの通信は、データが経由するネットワーク区間の品質劣化により制限されていると判定してそのまま元の中継ノード装置をボトルネック候補集合に残す。
次に、図5のステップS130においては、上述の動作の結果、ボトルネック候補集合に残された中継ノード装置の送信側TCPに隣接するネットワーク区間が最もTCPの性能が発揮されないボトルネック区間であるとして判定される。
なお、ここでは、ボトルネック候補集合から、先ず受信側に起因するレート制限(品質劣化)によって送信レートが低下していたボトルネック候補を除外し(第1 のボトルネック候補除外工程)、ついで、受信先の次のネットワークに起因する品質劣化の影響の送信側への影響を除外した(第2のボトルネック候補除外工程)が、この順序は何ら本質的なものではなく逆にしてもよいし、又、同時に実行してもよい。
ここで、上述したように、品質情報収集工程、ボトルネック候補判別工程及びボトルネック候補除外工程(少なくとも第1又は第2のボトルネック候補除外工程を含む)が順次有効に機能し、これにより、高位レイヤネットワークにおける通信品質監視方法が構成されている。
即ち、高位レイヤネットワークにおける品質劣化区間(ボトルネック)を特定する通信品質監視方法は、特定のタイミングにおいて送信された送信端末20及び中継ノード装置40,50の通信プロトコルの状態及びプロトコルで使用する送信バッファに関する情報を受信する品質情報収集工程と、送信された送信バッファに関する情報に基づいてボトルネック候補を判別するボトルネック候補判別工程と、ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態(広告ウィンドウサイズ)に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補に伝播していることを検出すると、そのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外工程とを備えている。
また、上述した通信品質監視方法において、ボトルネック候補除外工程は、ボトルネック候補である中継ノード装置40に隣接している次ホップ中継ノード装置50の送信バッファに滞留している送信キュー長が設定値より小さい場合であって、かつ、次ホップ中継ノード装置50からの広告バッファサイズがボトルネック候補の中継ノード装置のデータ送信の妨げとなっていないと判定した場合に、ボトルネック候補の中継ノード装置40から隣接する次ホップ中継ノード装置50にいたるネットワーク区間が品質劣化(ボトルネック)であると判定してもよい。
これらの通信品質監視方法によって、品質劣化の影響が伝播するという高位レイヤネットワークの特性に適合して、品質劣化の伝播の影響を考慮した正確な品質劣化区間の特定が可能になる。
ここで、本通信品質監視装置70にあって、品質情報収集手段70A、劣化区間判定手段70B、或いはボトルネック候補決定部72及び伝播影響判定部(第1の伝播影響除外部及び第2の伝播影響除外部)73の各手段及び各部の実行機能の内容をプログラム化しコンピュータで実現するよう構成し、これを品質監視用プログラムとしてもよい。
即ち、高位レイヤネットワークにおける品質劣化区間(ボトルネック)を特定する品質監視用プログラムは、送信端末20及び中継ノード装置40,50における通信プロトコルの状態及びプロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集する品質情報収集機能、送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のあるネットワーク区間につながっている中継ノード装置40,50であるボトルネック候補を判定するボトルネック候補判定機能、ボトルネック候補と判定された中継ノード装置40,50に隣接する次ホップ中継ノード装置における送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態を判別し品質劣化の影響が伝播していることを検出するとボトルネック候補から除外し品質劣化ネットワーク区間を特定する伝播影響除外機能、をコンピュータに実現させるよう構成したものである。
また、上述の伝播影響除外機能を、ボトルネック候補の中継ノード装置に隣接した次ホップ中継ノード装置の送信バッファに滞留している送信データサイズ(送信キュー長)が設定値より大きいときは、ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第1の伝播影響除外機能と、次ホップ中継ノード装置からの広告ウィンドウサイズが前記ボトルネック候補の中継ノード装置のデータ送信の妨げとなっていることを判定したときは、ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第2の伝播影響除外機能とで構成し、これらをコンピュータに実現させるようにしてもよい。
これら品質監視用プログラムによって、品質劣化の影響が伝播するという高位レイヤネットワークの特性に適合して、品質劣化の伝播の影響を考慮した正確な品質劣化区間の特定が可能になる。
以上のように、本第1の実施形態によれば、高位レイヤネットワークのあるネットワーク区間での品質劣化が原因となって、実際には品質劣化をおこしていないネットワーク区間に隣接する中継ノード装置の受信キュー、送信キューまでがあふれてしまって、この影響が次々に伝播することで品質劣化箇所がわからなくなってしまうという不都合を有効に排除することができ、これにより、精度よくネットワークの品質劣化箇所を特定することが可能になる。
また、本実施形態における通信品質監視方法では、それぞれの端末と中継ノードにおいて収集した情報を集め、いずれのネットワーク区間で得られる通信性能が最も低いのかを判定するが、この際、プロトコルの動作のうち、送信側のバッファの挙動(送信待ちのデータサイズ,送信済みで受信確認応答待ちのデータサイズ)と、受信側の挙動(広告ウィンドウ,送信バッファ告知メカニズム)をあわせて考慮することで、どのネットワーク区間でスループットが制限されているかを正確に判定することができる。
さらに、本実施形態における通信品質監視方法では、1つのバーストデータに対するデータ転送について、データの最後となるセグメントを載せるパケットにフラグを付加し、このフラグを検知した際の送信バッファの状況を各端末・中継ノード装置において計測することができ、小さなサイズのデータ転送であっても、ボトルネック箇所を検出することができる。
なお、本実施形態の説明では、通信プロトコルは便宜上TCPとして説明したが、本発明に係る通信品質監視装置、システム、方法等は、TCPプロトコルの輻輳ウィンドウ及び広告ウィンドウによるレート制御に相当する制御機構を有する他のプロトコルを終端する端末や中継ノード装置を備えた高位レイヤネットワークに適用可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図6乃至図7に基づいて説明する。
この第2の実施形態において、高位レイヤネットワークにおける通信品質監視システム2は、第1実施形態のSLA監視装置70(図1参照)がSLA監視装置80に替わっている点を除き、基本的に同じである。ただし、本第2の実施形態に係るSLA監視装置80は、品質劣化(輻輳)が発生しているネットワーク区間のみならず、品質劣化(輻輳)の予兆が示されたネットワーク区間をも判定するという特徴を備えている。
すなわち、本第2の実施形態に係る通信品質監視システム2は、高位レイヤネットワークを対象として、送信端末、中継ノード装置及び中継ノード装置等からの情報を受信し前記高位レイヤネットワークにおける通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置80を備えて成り、送信端末20及び中継ノード装置40,50は、特定のタイミングにおいて通信プロトコルの状態及び通信プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集しそれを品質情報として通信品質監視装置80に送信する品質情報送出手段(図示せず)を備え、通信品質監視装置80は、品質情報送出手段からの品質情報を収集する品質情報収集手段80Aと、その品質情報収集手段80Aで収集された中継ノード装置40,50の送信バッファに関する情報中の送信バッファにおけ確認応答待ちキュー長と送信待ちキュー長に関する情報に基づいて、その2つのキュー長の大小関係から輻輳の予兆を示すネットワーク区間を判定する劣化区間判定手段80Aを備えて構成されている。
これにより、2つの量の関係から、いずれのネットワーク区間が通信のボトルネック候補又は輻輳の予兆になっているかを検出することが可能になり、よりきめの細かい品質劣化の計測が可能になる。
本実施形態におけるSLA監視装置(通信品質監視装置)80のブロック構成図を図6に示す。
本ブロック構成図において特徴的な点は、ボトルネック候補決定部82が、ボトルネック候補のみならず、ボトルネックには至っていないがその予兆を示しているボトルネック予兆をも判定する機能を有すること、及び、そのボトルネック予兆判定結果を格納するボトルネック予兆記憶部88が併設されていることである。そして、NextHop 品質劣化判定部84は、計測結果の出力として、次の4つを出力するよう構成されている。
1.品質劣化の予兆が示されたネットワーク区間
2.品質劣化の予兆の原因となっているネットワーク区間
3.品質劣化が発生しているネットワーク区間
4.品質劣化の原因となっているネットワーク区間。
このため,本実施形態では、第1の実施形態において計測・監視の対象としていた送信キュー長NSQ=(N_UnSend−N_Acked )に加え、送信待ちキュー長( N_UnSend−N_UnAcked)及びACK待ちキュー長( N_Uncked−N_Acked)を考慮している。すなわち、仮に、ACK待ちキュー長が大きい( 例えば,帯域遅延積の2倍になった、もしくは設定値よりも大きい) 場合であっても、送信待ちキュー長が小さい( 例えば,帯域遅延積よりも小さい、もしくは設定値よりも小さい) ときは、送信能力が現時点で直接害されているわけではないので、通信におけるボトルネックとはせず、ネットワークにおける輻輳の予兆と判定する。
図7は、これら送信待ちキューとACK待ちキューの大小の組み合わせで、どのように判定されるか示している。送信待ちキュー長が大きい場合は、ACK待ちキュー長の大小に関わらずボトルネック候補とし、送信待ちキュー長が小きい場合は、ACK待ちキュー長が大きい場合に輻輳の予兆とし、どちらも小さい場合は品質良好と判定する。第1の実施形態では、この輻輳の予兆の場合も、送信キュー長(=送信待ちキュー長+ACK待ちキュー長)は大きいので、ボトルネック候補としていたのに比べ、本実施形態ではボトルネック候補をよりきめ細かく分類していることになる。
そして、本実施形態におけるSLA監視装置80は、各端末と各中継ノード装置からの品質レポートを受信し(品質情報収集工程)、次の手順により「品質劣化が発生しているネットワーク区間」と「品質劣化の予兆が示されたネットワーク区間」を判定する。
最初のステップにおいては、SLA監視装置80は、各中継ノード装置等からの品質レポートを参照し、送信待ちキュー長NSQ=( N_UnSend−N_UnAcked),ACK待ちキュー長( N_Uncked−N_Acked)の大小判定の組み合わせに従い(図7参照)、ボトルネック候補であると決定された中継ノード装置等の情報をボトルネック候補記憶部86に格納し、輻輳の予兆であると判定された中継ノード装置等の情報をボトルネック予兆記憶記憶部88に格納する(ボトルネック候補判定工程)。この工程によって、ボトルネック候補と共に輻輳の予兆の候補も判定される。
次のステップにおいては、第1の実施形態と同様に、RWIN伝播影響判定部83とNextHop 品質劣化判定部84が、品質劣化の原因となっているネットワーク区間を判定する(ボトルネック候補除外工程)。すなわち、RWIN伝播影響判定部83においては、ボトルネック候補記憶部86に記憶されている中継ノード装置等に関する情報に基づいて、TCPの受信側が発する広告ウインドウ・サイズAWとACK待ちパケットのシーケンス番号N_UnAcked が等しいものについては、情報をボトルネック候補記憶部86から削除する。これは、ACK待ち送信パケットのシーケンス番号N_UnAcked は、ボトルネックが無くても当然、確認済みのシーケンス番号Nより広告ウインドウ番号AW分は大きくなるからであり、これによりパケットの送り先の中継ノード装置やその先のネットワークの輻輳の伝播の影響を防いでいる。
NextHop 品質劣化判定部84はネットワーク構成記憶部87を参照しつつボトルネック候補記憶部86に格納された中継ノード装置等の情報に基づき、TCPコネクションを張っている次段の端末又は中継ノード装置に関する情報を品質レポート記憶部85から参照し、それらの中継ノード装置等の送信キュー長が定められた設定値よりも大きいか否かの判定処理を行ない、大きかった場合には、ボトルネック候補記憶部86から当該ボトルネック候補を削除する。なぜなら、このような状況は、次ホップの中継ノード装置の先のネットワーク等に問題があり、その手前側のネットワークがボトルネックとは判定できないからである。
そして、このような場合、次段の中継ノード装置のさらに先にあるネットワークを、「品質劣化(輻輳)の原因となっているネットワーク区間」と判定する。
同様に、NextHop 品質劣化確認部84は、ボトルネック予兆記憶部88に記憶されているそれぞれの中継ノード装置等に関する情報に基づいて、TCPコネクションを張っている次ホップの中継ノード装置等に関する情報を品質レポート記憶部85から参照し、それらの中継ノード装置等の送信キュー長が定められた設定値よりも大きいか否かの判定処理を行ない、大きかった場合には、ボトルネック予兆記憶部86から当該ボトルネック予兆の中継ノード装置等に関する情報を削除する。
そして、このような場合、次ホップの中継ノード装置のさらに先にあるネットワークを「品質劣化(輻輳)の予兆の原因となっているネットワーク区間」と判定する。
ここで、上述した品質情報収集工程、ボトルネック候補判定工程及びボトルネック候補除外工程により通信品質監視方法が構成される。
即ち、高位レイヤネットワークにおける品質劣化区間(ボトルネック)を特定する通信品質監視方法は、特定のタイミングにおいて送信された送信端末20及び中継ノード装置40,50の通信プロトコルの状態及びプロトコルで使用する送信バッファに関する情報を受信する品質情報収集工程と、その品質情報収集工程で収集された中継ノード装置の記送信バッファに関する情報を参照し、既にネットワーク区間に送信済みであるが受信端末からの確認応答が到着していない確認応答待ちキュー長と未だネットワーク区間に送信されていない送信待ちキュー長との2つのキュー長の関係からボトルネック候補及び輻輳の予兆候補を判定するボトルネック候補判定工程と、ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態(広告ウィンドウサイズ)に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補に伝播していることを検出するとそのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外工程とを備えている。
さらに、前記ボトルネック候補判別工程は、中継ノード装置の送信バッファに関する情報を参照し、既にネットワークに送信済みであるが受信端末からの確認応答が到着していないACK待ちキュー長について、帯域遅延積の履歴と比較し前記ACK待ちキュー長が大きい場合に、輻輳の予兆であると判定してもよい。
これらの通信品質監視方法によって、輻輳にまで至っていない輻輳の予兆を検知することができ、また、品質劣化の影響が伝播するという高位レイヤネットワークの特性に適合して、品質劣化の伝播の影響を考慮した正確な品質劣化区間の特定が可能になる。
また、ここで、本実施形態に係る品質監視用プログラムとして、前述の第1 の実施形態に係る品質監視用プログラムにおけるボトルネック候補判定機能を、品質情報収集手段で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報中の確認応答待ちキュー長と送信待ちキュー長に関する情報に基づいて、その2つのキュー長の大小関係からボトルネック候補及び輻輳の予兆を示すネットワーク区間を判別するボトルネック候補判定機能に置き換え、これらをコンピュータに実現させてもよい。
さらに、本実施形態に係る品質監視用プログラムとして、このボトルネック候補判定機能を、品質情報収集手段で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報中の確認応答待ちキュー長について、帯域遅延積の履歴と比較し確認応答待ちキュー長が設定値より大きい場合に、輻輳の予兆を示す状態があると判定するよう、コンピュータに実現させてもよい。
これら品質監視用プログラムによって、輻輳にまで至っていない輻輳の予兆を検知することができ、また、品質劣化の影響が伝播するという高位レイヤネットワークの特性に適合して、品質劣化の伝播の影響を考慮した正確な品質劣化区間の特定が可能になる。
以上のように、第2の実施形態によれば、輻輳にまで至っていない輻輳の予兆を検知することができ、さらに、その原因となったネットワーク区間を判定するなどきめの細かい品質計測が可能になり、これによって、円滑なネットワーク管理運用が実現できるという効果を奏する。
さらに、本発明による通信品質監視方法では、品質レポートの収集送信タイミングをデータ量に応じて可変にすることによって、データ転送量が少ない場合や、バーストデータのような間歇的なデータ転送であっても、輻輳及び輻輳の予兆となるネットワーク区間を精度良く検出することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るSLA監視装置(通信品質監視装置)のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る高位レイヤネットワークにおける通信品質監視システムのブロック構成図である。 図2で示した中継ノード装置のブロック構成図である。 TCPにおける送信バッファにおける送信キューと受信バッファにおける受信キューの状況の説明図である。 図1で示した第1の実施形態に係るSLA監視装置の動作フローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るSLA監視装置のブロック構成図である。 図6に示すSLA監視装置における、送信待ちキュー長とACK待ちキュー長の大小に基づく判定結果を示す図である。
符号の説明
1,2 通信品質監視システム
5 高位レイヤネットワーク
10,11,12 ネットワーク
20 送信端末
30 受信端末
40,50 中継ノード装置
41 受信側TCP処理部
42 データ中継処理部
43 送信側TCP処理部
44 受信場バッファ
45 中継バッファ
46 送信バッファ
47 品質レポート送信部(品質情報送出手段)
70,80 SLA監視装置(通信品質監視装置)
70A,80A 品質情報収集手段
70B,80B 劣化区間判定手段
71,81 品質レポート収集部
72,82 ボトルネック候補決定部
73,83 RWIN伝播影響判定部
74,84 NextHop 品質劣化判定部
75,85 品質レポート記憶部
76,86 ボトルネック候補記憶部
77,87 ネットワーク構成記憶部
88 ボトルネック予兆記憶部

Claims (22)

  1. 送信端末と受信端末を接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えてなる高位レイヤネットワークを対象として、通信品質計測を実施し品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置であって、
    前記送信端末及び前記中継ノード装置における前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集する品質情報収集手段と、
    収集された前記各送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のあるネットワーク区間につながっている中継ノード装置を特定すると共に、その特定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置の前記送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態に基づいて品質劣化の影響の伝播の有無を検出しその影響を除去して品質劣化ネットワーク区間を判定する劣化区間判定手段と、
    を具備することを特徴とする通信品質監視装置。
  2. 前記請求項1に記載の通信品質監視装置において、
    前記劣化区間判定手段は、
    前記品質情報収集手段によって収集された前記各中継ノード装置の前記各送信バッファに関する情報に基づいて、前記送信バッファに滞留している送信データサイズ(送信キュー長)が設定値より大きいときは、この中継ノード装置をボトルネック候補と判定するボトルネック候補判定部と、
    前記ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における前記送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補の中継ノード装置に伝播していることを検出すると、当該中継ノード装置をそのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外部と、
    を備えたことを特徴とする通信品質監視装置。
  3. 前記請求項2に記載の通信品質監視装置において、
    前記ボトルネック候補除外部は、
    前記ボトルネック候補の中継ノード装置に隣接した次ホップ中継ノード装置からの広告ウィンドウサイズが前記ボトルネック候補の中継ノード装置のデータ送信の妨げとなっていることを判定したときは、前記ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第1の伝播影響除外部と、
    前記次ホップ中継ノード装置の送信バッファに滞留している送信データサイズ(送信キュー長)が前記設定値より大きいときは、前記ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第2の伝播影響除外部と、
    を備えたことを特徴とする通信品質監視装置。
  4. 前記請求項2又は3に記載の通信品質監視装置において、
    前記ボトルネック候補判定部は、前記品質情報収集手段で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報を参照し、既にネットワーク区間に送信済みであるが受信端末からの確認応答が到着していない確認応答待ちキュー長と未だネットワーク区間に送信されていない送信待ちキュー長に関する情報とに基づいて、前記2つのキュー長の大小関係から輻輳の予兆を示すネットワーク区間を判定し特定することを特徴とする通信品質監視装置。
  5. 前記請求項2又は3に記載の通信品質監視装置において、
    前記ボトルネック候補判定部は、前記品質情報収集手段で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報中の確認応答待ちキュー長について、帯域遅延積の履歴と比較し確認応答待ちキュー長が送信待ちキュー長との関係で予め設定される設定値より大きい場合に、輻輳の予兆を示す状態があると判定することを特徴とする通信品質監視装置。
  6. 前記請求項1乃至3の何れか1つに記載の通信品質監視装置において、
    前記通信プロトコルは、TCP又はTCPの輻輳ウィンドウと広告ウィンドウに相当するレート制御機構を有しているプロトコルであることを特徴とする通信品質監視装置。
  7. 送信端末と受信端末とを接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えて成る高位レイヤネットワークを対象として、前記送信端末、前記中継ノード装置及び前記中継ノード装置等からの情報を受信し前記高位レイヤネットワークにおける通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置を備えて成る通信品質監視システムであって、
    前記送信端末及び前記中継ノード装置は、特定のタイミングにおいて前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集しそれを品質情報として前記通信品質監視装置に送信する品質情報送出手段を備え、
    前記通信品質監視装置は、前記品質情報送出手段からの品質情報を収集する品質情報収集手段と、収集された前記送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のある中継ノード装置等を特定すると共に、その特定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置の前記送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態に基づいて品質劣化の影響の伝播の有無を検出しその影響を除去して品質劣化ネットワーク区間を判定する劣化区間判定手段と、
    を具備することを特徴とする通信品質監視システム。
  8. 前記請求項7に記載の通信品質監視システムにおいて、
    前記劣化区間判定手段は、
    前記品質情報収集手段によって収集された前記各中継ノード装置の前記各送信バッファに関する情報に基づいて、前記送信バッファに滞留している送信データサイズ(送信キュー長)が設定値より大きいときは、この中継ノード装置をボトルネック候補と判定するボトルネック候補判定部と、
    前記ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における前記送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補の中継ノード装置に伝播していることを検出すると、当該中継ノード装置をそのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外部と、
    を備えたことを特徴とする通信品質監視システム。
  9. 前記請求項8に記載の通信品質監視システムにおいて、
    前記ボトルネック候補判定部は、前記品質情報収集手段で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報中の前記送信バッファにおける確認応答待ちキュー長と送信待ちキュー長に関する情報に基づいて、前記2つのキュー長の大小関係から輻輳の予兆を示すネットワーク区間を判定することを特徴とする通信品質監視システム。
  10. 前記請求項7、8又は9に記載の通信品質監視システムにおいて、
    前記特定のタイミングとは、特定のフラグを有するパケットを処理したタイミングであることを特徴とする通信品質監視システム。
  11. 前記請求項10に記載の通信品質監視システムにおいて、
    前記特定のフラグは、アプリケーションからの送信データの最後のセグメントを転送するパケットに付されるプッシュフラグであることを特徴とする通信品質監視システム。
  12. 前記請求項7乃至11の何れか1つの請求項に記載の通信品質監視システムにおいて、
    前記通信プロトコルは、TCP又はTCPの輻輳ウィンドウと広告ウィンドウに相当するレート制御機構を有しているプロトコルであることを特徴とする通信品質監視システム。
  13. 送信端末と受信端末とを接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えて成る高位レイヤネットワークを対象として、前記送信端末、前記中継ノード装置及び前記中継ノード装置からの情報を受信し前記高位レイヤネットワークにおける通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置を備えて成る通信品質監視システムにあって、
    特定のタイミングにおいて送信された前記送信端末及び前記中継ノード装置の前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルで使用する送信バッファに関する情報を受信する品質情報収集工程と、
    前記送信された送信バッファに関する情報に基づいてボトルネック候補を判定するボトルネック候補判定工程と、
    前記ボトルネック候補と判別された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における前記送信バッファに関する情報及び通信プロトコルの状態に基づいて、その品質劣化の影響がボトルネック候補の中継ノード装置に伝播していることを検出すると、当該中継ノード装置をそのボトルネック候補から除外するボトルネック候補除外工程と、
    を備えたことを特徴とする通信品質監視方法。
  14. 前記請求項13に記載の通信品質監視方法において、
    前記ボトルネック候補判定工程は、前記中継ノード装置の送信バッファに滞留している送信キュー長が設定値より大きい場合に、前記中継ノード装置をボトルネック候補と判定し、
    前記ボトルネック候補除外工程は、前記ボトルネック候補である中継ノード装置に隣接している次ホップ中継ノード装置の送信バッファに滞留している送信キュー長が設定値より小さい場合であって、かつ、前記次ホップ中継ノード装置からの広告バッファサイズが前記ボトルネック候補の中継ノード装置のデータ送信の妨げとなっていないと判定した場合に、前記ボトルネック候補の中継ノード装置から隣接する前記次ホップ中継ノード装置にいたるネットワーク区間が品質劣化であると判定することを特徴とする通信品質監視方法。
  15. 前記請求項13又は14に記載の通信品質監視方法において、
    前記ボトルネック候補判定工程は、
    前記品質情報収集工程で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報を参照し、既にネットワーク区間に送信済みであるが受信端末からの確認応答が到着していない確認応答待ちキュー長と、未だネットワーク区間に送信されていない送信待ちキュー長との2つのキュー長の関係からボトルネック候補及び輻輳の予兆候補を判定することを特徴とする通信品質監視方法。
  16. 前記請求項13又は14に記載の通信品質監視方法において、
    前記ボトルネック候補判別工程は、
    前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報を参照し、既にネットワークに送信済みであるが受信端末からの確認応答が到着していないACK待ちキュー長について、帯域遅延積の履歴と比較し前記ACK待ちキュー長が大きい場合に、輻輳の予兆であると判定することを特徴とする通信品質監視方法。
  17. 前記請求項13乃至16の何れか1つの請求項に記載の通信品質監視方法において、
    前記特定のタイミングとは、特定のフラグを有するパケットを処理したタイミングであることを特徴とする通信品質監視方法。
  18. 前記請求項13乃至17の何れか1つの請求項に記載の通信品質監視方法において、
    前記通信プロトコルは、TCP又はTCPの輻輳ウィンドウと広告ウィンドウに相当するレート制御機構を有しているプロトコルであることを特徴とする通信品質監視方法。
  19. 送信端末と受信端末を接続する複数のネットワーク区間及びこのネットワーク区間を通信プロトコルでコネクションを張り終端すると共にデータを転送する中継ノード装置を備えてなる高位レイヤネットワークを対象として、通信品質計測を実施して品質劣化ネットワーク区間を特定する通信品質監視装置にあって、
    前記送信端末及び前記中継ノード装置における前記通信プロトコルの状態及び前記プロトコルが利用する送信バッファに関する情報を収集する品質情報収集機能、
    前記送信バッファに関する情報に基づいて、品質劣化を起こしている可能性のあるネットワーク区間につながっている中継ノード装置であるボトルネック候補を判定するボトルネック候補判定機能、
    ボトルネック候補と判定された中継ノード装置に隣接する次ホップ中継ノード装置における送信バッファの状況及び通信プロトコルの状態を判別し、品質劣化の影響がボトルネック候補の中継ノード装置に伝播していることを検出すると、当該中継ノード装置をボトルネック候補から除外し品質劣化ネットワーク区間を特定する伝播影響除外機能、
    をコンピュータに実現させるよう構成したことを特徴とする品質監視用プログラム。
  20. 前記請求項19に記載の品質監視用プログラムにおいて、
    前記伝播影響除外機能を、
    前記ボトルネック候補の中継ノード装置に隣接した次ホップ中継ノード装置の送信バッファに滞留している送信データサイズ(送信キュー長)が前記設定値より大きいときは、前記ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第1の伝播影響除外機能と、
    前記次ホップ中継ノード装置からの広告ウィンドウサイズが前記ボトルネック候補の中継ノード装置のデータ送信の妨げとなっていることを判定したときは、前記ボトルネック候補の中継ノード装置をボトルネック候補から除外する第2の伝播影響除外機能とを含む構成とし、これらを前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とした品質監視用プログラム。
  21. 前記請求項19又は20に記載の品質監視用プログラムにおいて、
    前記ボトルネック候補判定機能を、前記品質情報収集機能で収集された前記中継ノード装置の前記送信バッファに関する情報中の確認応答待ちキュー長と送信待ちキュー長に関する情報に基づいて前記2つのキュー長の大小関係からボトルネック候補及び輻輳の予兆を示すネットワーク区間を判別する機能を含む構成とし、これを前記コンピュータに実現させたことを特徴とする品質監視用プログラム。
  22. 前記請求項19乃至20の何れか1つの請求項に記載の品質監視用プログラムにおいて、
    前記通信プロトコルは、TCP又はTCPの輻輳ウィンドウと広告ウィンドウに相当するレート制御機構を有しているプロトコルであることを特徴とする品質監視用プログラム。
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