JP5023807B2 - コンクリートの断熱温度上昇量の推定方法、コンクリートの断熱温度上昇量の推定システム、コンピュータプログラム、記録媒体 - Google Patents

コンクリートの断熱温度上昇量の推定方法、コンクリートの断熱温度上昇量の推定システム、コンピュータプログラム、記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、逆解析手法を用いた数値解析によりコンクリートの断熱温度上昇量を推定する方法、システム、コンピュータにこの方法を実行させるためのプログラム、及びこのプログラムが記録された記録媒体に関する。
鉄筋コンクリート造などのコンクリートからなる構造物は、施工時に構造物を構成するコンクリートがセメント水和に起因して発熱し、内部に熱応力が作用することにより、ひび割れが発生することがある。このようにひび割れが発生してしまうと、耐久性及び止水性の低下を引き起こす。このため、コンクリート構造物の水和熱に起因する熱応力を数値解析により算出し、ひび割れを予測することが行われている。
ここで、このような温度応力解析を精度よく行うためには、コンクリートの断熱温度上昇量を適切に設定する必要がある。コンクリートの断熱温度上昇量を求める方法として、例えば、特許文献1に記載されているような断熱温度上昇試験装置を用いて、コンクリート試験体の設置される槽内の温度を制御することにより、コンクリート試験体を断熱状態を模した状態として断熱温度上昇量を測定する方法や、マスコンクリートを作成し、このマスコンクリートの中心付近を断熱状態とみなすことにより断熱温度上昇量を測定する方法が用いられている。
特開2006―118996号公報
しかしながら、上記のような断熱温度上昇試験装置は、ヒータ及び冷蔵機により槽内の温度を制御しているため、制御に起因する誤差が時間とともに累積され、測定精度が低下してしまう虞がある。また、装置自体が非常に高価であり、試験にコストがかかるという問題もある。
また、マスコンクリートを作成する方法では、正確に断熱状態を再現するためには、マスコンクリートを大容量にしなければならず、試験が大掛かりになるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高価な装置を必要とせず、小さな試験体を用いた実験から精度よくコンクリートの断熱温度上昇量を推定する方法を提供することである。
本発明のコンクリートの断熱温度上昇量の推定方法は、前記コンクリートを用いて作成した試験体の一以上の測定点における材齢と温度との関係を測定する温度履歴測定工程と、前記試験体の断熱温度上昇量を仮定し、前記試験体をモデル化した解析モデルを用いた数値解析により、前記解析モデルの前記測定点にあたる位置におけるある材齢での温度を求め、この温度が前記測定した前記材齢と温度との関係に合致する場合の前記仮定した断熱温度上昇量を前記コンクリートの断熱温度上昇量とする断熱温度上昇量推定工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、上記の方法において、前記温度履歴測定工程では、前記試験体を断熱材により囲繞した状態で前記材齢と温度との関係を測定し、前記断熱温度上昇量推定工程では、前記試験体及び前記断熱材をモデル化した解析モデルを用いて数値解析を行ってもよい。
また、前記断熱温度上昇量推定工程では、前記試験体の解析モデルを作成するモデル化ステップと、前記解析モデルの材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期条件設定ステップと、を行い、さらに、i=1、・・・、N−1の順序で、各iについて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定する増分量検討ステップと、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出する断熱温度上昇量算出ステップと、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する数値解析ステップと、を行うことにより、前記コンクリートの断熱温度上昇量を算出してもよい。
また、前記増分量検討ステップは、材齢timeから材齢timei+1までの間の仮の断熱温度上昇量の増分量ΔQ´(time)(以下、仮の増分量という)を複数通り設定する増分量仮定ステップと、前記設定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対して、前記仮の増分量ΔQ´(time)及び材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき、材齢timei+1での前記解析モデルの温度分布を数値解析により算出する試行解析ステップと、前記設定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する、材齢timei+1での前記算出した温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点の温度との残差を算出することにより、前記仮の増分量ΔQ´(time)と残差との関係を求める残差算出ステップと、前記求めた仮の増分量ΔQ´(time)と残差との関係に基づき、増分量ΔQ(time)を決定する増分量決定ステップと、からなるものであってもよい。
また、前記増分量決定ステップでは、前記仮定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する残差の二乗和を算出し、前記夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する前記算出した残差の二乗和の関係を曲線関数により近似し、前記近似した曲線関数において残差の二乗和が最小となる仮の増分量ΔQ´(time)を増分量ΔQ(time)としてもよい。
また、前記所定の数値解析手法として、時間領域における非定常熱伝導解析手法を用いてもよい。
また、本発明のコンクリートの断熱温度上昇の推定システムは、前記コンクリートを用いて作成した試験体の一点以上の測定点において測定された所定の時間内の温度変化に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、前記試験体の解析モデルを作成するモデル化手段と、前記解析モデルの材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期状態設定手段と、i=1、・・・、Nの順序で、各iについて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定し、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出し、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する断熱温度上昇量推定手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明のコンピュータプログラムは、コンクリートの断熱温度上昇量を推定するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、コンクリートを用いて作成した試験体の少なくとも一点以上の測定点において測定された所定の時間内の温度変化に関する情報の入力を受け付けるステップと、予め作成された前記試験体をモデル化した解析モデルについて、材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期条件設定ステップと、を実行させ、さらに、i=1、・・・、N−1の順序で、各iについて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定する増分量検討ステップと、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出する断熱温度上昇量算出ステップと、前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する数値解析ステップと、を実行させることにより、材齢time(i=1、・・・、N)での断熱温度上昇量を算出させることを特徴とする。
また、本発明は、上記のコンピュータプログラムが記録された記録媒体を含むものとする。
本発明によれば、試験体を用いた測定により得られた温度履歴に基づき、逆解析により断熱温度上昇量を推定するため、熱の出入りを考慮しながら断熱温度上昇量を推定することができる。このため、試験体を断熱状態とするための高価な装置を必要とせず、また、小さな試験体を用いた場合であっても、精度良くコンクリートの断熱温度上昇量を推定することができる。
以下、本発明のコンクリートの断熱温度上昇量の推定方法の一実施形態を図面を参照しながら、詳細に説明する。
本実施形態のコンクリートの断熱温度上昇量の推定方法は、断熱温度上昇量の推定の対象となるコンクリートを用いて試験体を作成し、この試験体の水和熱による温度上昇の履歴(以下、温度履歴という)を測定する工程と、試験体をモデル化した解析モデルを用いて解析を行い、測定した温度履歴に合致するような断熱温度上昇量を求める工程とを行うことにより、コンクリートの断熱温度上昇量を推定するものである。なお、断熱温度上昇量は、試験体の発熱量をコンクリートの熱容量により除したものである。
まず、試験体の温度履歴を測定する工程について説明する。図1は、試験体10の温度履歴を測定する様子を示す図である。同図に示すように、断熱温度上昇量の推定の対象となるコンクリートを用いて、例えば円柱状の試験体10を作成し、この試験体10を発泡スチロールなどの断熱材20により囲繞する。そして、試験体10及び断熱材20内に設定された複数の測定点30に温度センサを設置しておき、各測定点30における所定の時間までの温度履歴を測定する。測定点30は、例えば、図1に示すように、試験体10の高さ方向中央となる断面(図中破線で示す面)上に、試験体10の中心から水平方向に外周に向かって等間隔に設定すればよい。なお、上記のように、試験体を断熱材20の内部に埋設することにより、周囲への放熱量を減らすことができ、試験体における温度変化が大きくなるため、より精度良く断熱温度上昇量を推定することができる。
図2は、このようにして測定された試験体10及び断熱材20内の測定点における温度履歴の一例を示すグラフである。図中、実線は試験体10の中心の測定点30における温度履歴を、破線は断熱材20の試験体10との境界面から10mmの測定点30における温度履歴を示す。同図に示すように、各測定点30における温度は、コンクリートの発熱により材齢1日程度でピークとなり、その後、外部に放熱されることにより次第に低下する。
次に、上記の試験体10及び断熱材20を数値解析モデルにモデル化し、そのモデルを用いて解析を行い、測定した温度履歴に合致するような断熱温度上昇量を推定する工程を説明する。なお、以下に説明するステップ100〜122における工程は、コンピュータが記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより行われる。
図3は、コンピュータを用いて断熱温度上昇量の推定を行う流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ100において、上記の温度履歴を測定した試験体10及びその周囲の断熱材20を、温度分布の解析に用いる数値解析手法に適合した数値解析モデルにモデル化する。また、試験体10と断熱材20との間の熱伝導率や、断熱材20からの放熱量などの境界条件を設定する。
次に、ステップ102において、数値解析モデルにおける試験体及び断熱材の温度分布などの初期条件(すなわち、後述する材齢timeにおける温度分布)を設定する。なお、本実施形態では、試験体の作成直後は、試験体内部で温度の偏りが発生していないとして、試験体内部の温度分布を一様に設定する。
また、ステップ104において、上記の測定により得られた各測定点における温度履歴の入力を受け付ける。
次に、ステップ106〜122において数値解析モデルを用いた解析を行い、同じ材齢における数値解析モデルと試験体との温度差である残差と、断熱温度上昇量との関係を求め、この関係に基づき、断熱温度上昇量の推定を行う。
なお、以下の処理において、変数iは材齢timeのインデックス変数であり、初期値としてi=1に設定されている。そして、time(i=1、・・・、N)は、所定の時間幅で設定した数値解析モデルの材齢を表す。
まず、ステップ106において、time〜timei+1の断熱温度上昇量の増分量ΔQ´(time)(以下、仮の増分量という)を複数通り仮定する。なお、上記のように、断熱温度上昇量は試験体の発熱量を、その熱容量により除したものであるため、断熱温度上昇量を設定する場合には、計算上は、数値解析モデルにおける単位時間あたりの発熱量を設定すればよい。
次に、ステップ108において、ステップ106において仮定した夫々の場合について、timeにおける温度分布及び仮の増分量ΔQ´(time)に基づき、timei+1における温度分布を数値解析に基づき求める。なお、このような数値解析の手法としては、FEMなどにより時間領域で非定常熱伝導解析を行う手法(詳しくは、例えば、川原 睦人著、「有限要素法流体解析」株式会社日科技連出版、1985年3月8日第1版発行などを参照)を用いればよい。
次に、ステップ110において、timei+1における各測定点における残差の二乗和J(timei+1)を算出する。
ここで、式(1)におけるT(x)は、実験における測定点xの材齢timei+1における測定値を示し、T(x)は、ステップ108において数値解析により算出した温度分布における測定点xの材齢timei+1での温度を示す。
次に、ステップ112において、上記のステップ110において得られた仮の増分量ΔQ´(time)の各値に対する残差の二乗和J(timei+1)の値から、仮の増分量ΔQ´(time)と残差の二乗和J(timei+1)との関係を、例えば、多次関数や、曲線関数などにより曲線近似し、この関係を表す近似式を求める。
次に、ステップ114において、上記求めた近似式における残差の二乗和J(timei+1)が最小となる仮の増分量ΔQ´(time)の値を求める。このように残差の二乗和J(timei+1)が最小となるということは、試験体10の測定点30において測定した材齢timei+1に相当する材齢における試験体の温度分布を、数値解析によってより正確に再現できているということを意味している。そこで、残差の二乗和J(timei+1)が最小となる仮の増分量ΔQ´(time)の値を、time〜timei+1の断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)とする。
次に、ステップ116において、timei+1の断熱温度上昇量を式(2)に基づき算出する。
Q(timei+1)=Q(time)+ΔQ(time) …(2)
次に、ステップ118において、iが予め設定された最終ステップである(すなわち、i=N−1である)場合には、処理を中止する。また、iが予め設定された最終ステップではない(すなわち、i<N−1である)場合には、ステップ120において、上記算出したQ(timei+1)及びtimeにおける温度分布に基づきtimei+1における温度分布を上記のステップ108と同様の解析手法を用いて算出し、ステップ122において、i=i+1として、ステップ106〜118を繰り返す。
以上の工程により、コンクリートの断熱温度上昇量を推定することができる。
図4は、本実施形態の推定方法により推定した断熱温度上昇量と、別途、断熱温度上昇試験装置を用いた実験により得られた断熱温度上昇量とを比較して示すグラフである。同図に示すように、本実施形態の方法により得られた断熱温度上昇カーブは、断試験装置を用いた実験により得られた断熱温度上昇カーブと略一致している。このことから、本実施形態の方法によれば、試験装置を用いた場合と略同等の精度で断熱温度上昇量を推定できることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、逆解析により断熱温度上昇量を推定するため、試験体を断熱状態とする必要がなくなり、試験体を断熱状態とするための高価な装置を必要とせず、また、小さな試験体を用いた場合であっても、精度良くコンクリートの断熱温度上昇量を推定することができる。
なお、本実施形態では、試験体10の複数の測定点30における温度履歴を測定し、測定した温度履歴と数値解析の結果との残差の二乗和に基づき、断熱温度上昇量の増分を推定するものとしたが、少なくとも試験体の一箇所の温度履歴を測定すれば、断熱温度上昇量を推定することは可能である。ただし、温度履歴を測定する測定点30を増やすことで、より正確に断熱温度上昇量の増分を推定できる。特に測定点30を複数設ける場合には、本実施形態のように断熱材20内にも測定点30を設けることにより、異なる物性を有する断熱材20の影響を含めて評価することができるため、推定精度を向上することができる。
また、本実施形態では、ステップ110において、式(1)により残差二乗和を算出しているがこれに限らず、例えば、以下の式(3)に示すように、残差の二乗に測定点ごとに異なる重み係数ρをかけたものを加えて残差二乗和を算出してもよい。これにより、例えば、試験体の中心に近いほど、重み係数が大きくなるように設定することで、試験体の中心に近い測定点の測定結果の断熱温度上昇量の増分の推定における影響を大きくすることができ、より精度良く断熱温度上昇量を推定することができる。
また、実験により得られた温度の計測値と、数値解析により得られた温度の解析値との差を、必ずしも、このように残差二乗和に基づき評価する必要はなく、例えば、残差の絶対値の和などを用いて評価してもよい。また、必ずしも、曲線近似する必要もなく、得られた関係において残差二乗和が最小となる場合の仮の増分を断熱温度上昇量の増分としてもよい。
また、本実施形態では、試験体10を発泡スチロールからなる断熱材20内に埋設する構成としたが、断熱材20としては、発泡スチロール以外の断熱性を有する材料を用いてもよい。さらに、試験体10を埋設する断熱材20を省略することも可能である。ただし、上記のように試験体10を断熱材20に埋設したほうが、試験体10からの熱の出入りを削減し、断熱状態により近い状態で実験を行うことができるため、より精度良く断熱温度上昇量を推定することができる。
試験体の温度履歴を測定する様子を示す図である。 試験体及び断熱材内の測定点における温度履歴の一例を示すグラフである。 コンピュータを用いて断熱温度上昇量の推定を行う流れを示すフローチャートである。 本実施形態の推定方法により推定した断熱温度上昇量と、断熱温度上昇試験装置を用いた実験により得られた断熱温度上昇量とを比較して示すグラフである。
符号の説明
10 試験体
20 断熱材
30 測定点

Claims (9)

  1. コンクリートの断熱温度上昇量を推定する方法であって、
    前記コンクリートを用いて作成した試験体の一以上の測定点における材齢と温度との関係を測定する温度履歴測定工程と、
    前記試験体の断熱温度上昇量を仮定し、前記試験体をモデル化した解析モデルを用いた数値解析により、前記解析モデルの前記測定点にあたる位置におけるある材齢での温度を求め、この温度が前記測定した前記材齢と温度との関係に合致する場合の前記仮定した断熱温度上昇量を前記コンクリートの断熱温度上昇量とする断熱温度上昇量推定工程と、
    を備えることを特徴とするコンクリートの断熱温度上昇量の推定方法。
  2. 前記温度履歴測定工程では、
    前記試験体を断熱材により囲繞した状態で前記材齢と温度との関係を測定し、
    前記断熱温度上昇量推定工程では、
    前記試験体及び前記断熱材をモデル化した解析モデルを用いて数値解析を行うことを特徴とする請求項1記載の断熱温度上昇量の推定方法。
  3. 前記断熱温度上昇量推定工程では、
    前記試験体の解析モデルを作成するモデル化ステップと、
    前記解析モデルの材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期条件設定ステップと、を行い、
    さらに、i=1、・・・、N−1の順序で、各iについて、
    前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定する増分量検討ステップと、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出する断熱温度上昇量算出ステップと、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する数値解析ステップと、
    を行うことにより、前記コンクリートの断熱温度上昇量を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の断熱温度上昇量の推定方法。
  4. 前記増分量検討ステップは、
    材齢timeから材齢timei+1までの間の仮の断熱温度上昇量の増分量ΔQ´(time)(以下、仮の増分量という)を複数通り設定する増分量仮定ステップと、
    前記設定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対して、前記仮の増分量ΔQ´(time)及び材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき、材齢timei+1での前記解析モデルの温度分布を数値解析により算出する試行解析ステップと、
    前記設定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する、材齢timei+1での前記算出した温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点の温度との残差を算出することにより、前記仮の増分量ΔQ´(time)と残差との関係を求める残差算出ステップと、
    前記求めた仮の増分量ΔQ´(time)と残差との関係に基づき、増分量ΔQ(time)を決定する増分量決定ステップと、
    からなることを特徴とする請求項3記載の断熱温度上昇量の推定方法。
  5. 前記増分量決定ステップでは、
    前記仮定した夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する残差の二乗和を算出し、前記夫々の仮の増分量ΔQ´(time)に対する前記算出した残差の二乗和の関係を曲線関数により近似し、前記近似した曲線関数において残差の二乗和が最小となる仮の増分量ΔQ´(time)を増分量ΔQ(time)とすることを特徴とする請求項4記載の断熱温度上昇量の推定方法。
  6. 前記所定の数値解析手法として、時間領域における非定常熱伝導解析手法を用いることを特徴とする請求項3から5何れかに記載の断熱温度上昇量の推定方法。
  7. コンクリートの断熱温度上昇量を推定するためのシステムであって、
    前記コンクリートを用いて作成した試験体の一点以上の測定点において測定された所定の時間内の温度変化に関する情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
    前記試験体の解析モデルを作成するモデル化手段と、
    前記解析モデルの材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期状態設定手段と、
    i=1、・・・、Nの順序で、各iについて、
    前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定し、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出し、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する断熱温度上昇量推定手段と、を備えることを特徴とするシステム。
  8. コンクリートの断熱温度上昇量を推定するためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    コンクリートを用いて作成した試験体の少なくとも一点以上の測定点において測定された所定の時間内の温度変化に関する情報の入力を受け付けるステップと、
    予め作成された前記試験体をモデル化した解析モデルについて、材齢をtime(i=1、・・・、N)として、前記温度履歴測定工程における前記試験体の材齢time1での温度に基づき、材齢time1における温度分布を設定する初期条件設定ステップと、を実行させ、
    さらに、i=1、・・・、N−1の順序で、各iについて、
    前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び前記材齢timeでの解析モデルの温度分布に基づき材齢timei+1での解析モデルの温度分布を算出し、前記算出した材齢timei+1での解析モデルの温度分布における前記測定点に相当する位置の温度と、前記温度履歴測定工程において測定した材齢timei+1での前記試験体の対応する測定点における温度との残差に基づいて、前記断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)を決定する増分量検討ステップと、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)に基づき、材齢timei+1における断熱温度上昇量を算出する断熱温度上昇量算出ステップと、
    前記決定した断熱温度上昇量の増分量ΔQ(time)及び材齢timeにおける前記解析モデルの温度分布に基づき、数値解析により材齢timei+1における前記解析モデルの温度分布を算出する数値解析ステップと、
    を実行させることにより、材齢time(i=1、・・・、N)での断熱温度上昇量を算出させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. 請求項8記載のコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
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