JP5022983B2 - 施錠解錠システム - Google Patents
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しかし、このような施錠解錠システムに対して、鍵が簡単な形状をしていた場合には、施錠解錠を可能とする側面凹凸形状を有する鍵以外に何らかの工具を用いて、故意に、鍵穴内部の施錠解錠装置の施錠解錠部分を回転させて施錠解錠が勝手に行われてしまうという問題がある。そのため、鍵や鍵穴に施される任意の側面凹凸形状パターンをより複雑化する事でこのような事を防ぐ事が行われている。また、最近では機械的な鍵を用いずに、ドアなどに数字などを入力するタッチパネルを設け、暗証番号を入力する事で施錠解錠を行ったり、生体認識として指紋や手の平の静脈パターン、虹彩などを用いるなどの手法が行われている。
また、特許文献2に記載されているように、鍵穴に電子キーを挿入し、電子キーから所定の波長領域の光を発光させ、それをセンサで検出して、解錠装置に対してCPUが施錠または解錠を制御するシステムが提案されている。
さらに、特許文献3に記載されているように、電子キーを握る人物の指紋を検出することによってその人物の特徴点を抽出し、内蔵する対応表に基づき暗号鍵を作成する。その暗号鍵によって生成された解錠用の信号を鍵穴側に送信し、鍵穴側で内蔵する対応表に基にした多数の復号用の鍵を全て試すことによって、生成された暗号を復号することが提案されている。
また、特許文献2記載のものでは、鍵側から光を発光するために、鍵に対して鍵穴側から電源を供給する必要があり、鍵や鍵穴の電源授受用端子が汚染されることによって電源端子間の接触不良などによる電源供給不足となった場合には施錠、解錠ができなくなってしまう問題を招き安い。さらに、鍵穴側が停電などによって電源が遮断された場合には、このシステムが作動しなくなり施錠、解錠ができないという欠点もある。
また、特許文献3記載のものでは、生体認証を用いるので、予め登録された鍵の所持者しか使用することができず、ある程度の利便性を持たせる事が必要な場合、例えば、施錠解錠を許可された人に代わって代理の人に施錠、解錠を行ってもらう場合には拒否されてしまうという欠点がある。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、利用者の要求するセキュリティレベルを満足しつつ利便性の高い施錠解錠システムを提供することを目的とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵パターンは、前記クロミック分子を含有する複数のパターン部を有する鍵パターンで構成されていることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵パターンは、前記クロミック分子を含有する複数のパターン部と前記クロミック分子を含有しないダミーパターン部を有する鍵パターンで構成されていることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵パターンのパターン部とダミーパターン部は、ドットパターンであることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項2又は3記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵パターンは、1次元コードで構成されていることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項2又は3記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵パターンは、2次元コードで構成されていることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵は、平板状体であり、当該平板状体の表面に、前記鍵パターンが形成されていることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の施錠解錠システムにおいて、前記鍵は、側面凹凸形状を有する第2の鍵パターンを備えることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項9記載の施錠解錠システムにおいて、前記クロミック分子は、前記フォトクロミック分子で構成され、前記鍵は、前記パターン部を被覆する遮光カバーを有し、当該鍵を前記鍵穴に挿入する際に、前記遮光カバーによる前記パターン部の被覆を除去することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、鍵穴に鍵を挿入することによって施錠装置又は解錠装置を作動させる施錠解錠システムにおいて、前記鍵穴はクロミック分子を含有する鍵穴パターンを有し、前記鍵は、前記鍵穴パターンの前記クロミック分子の特性変化を与える特性変化付与部材を有しており、前記鍵穴は、前記鍵が当該鍵穴に挿入されたときに、前記クロミック分子が前記鍵の特性変化付与部材によって特性変化が生じた前記鍵穴パターンを検出する検出手段とを備え、当該検出手段によって前記鍵穴パターンを検出したときに、施錠装置又は解錠装置を作動させて施錠又は解錠を行うことを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項11記載の施錠解錠システムにおいて、前記クロミック分子は、光の照射によって色又は磁性が変化するフォトクロミック分子、加熱することによって色が変化するサーモクロミック分子、電圧の印加により色が変化するエレクトロクロミック分子及び圧力を印加することによって色が変化するピエゾクロミック分子から選択されるクロミック分子であることを特徴とする。
また、本発明によれば、鍵穴はクロミック分子を含有する鍵穴パターンを有し、鍵は、前記鍵穴パターンの前記クロミック分子の特性変化を与える特性変化付与部材を有しており、前記鍵穴は、前記鍵が当該鍵穴に挿入されたときに、前記クロミック分子が前記鍵の特性変化付与部材によって特性変化が生じた前記鍵穴パターンを検出する検出手段とを備え、当該検出手段によって前記鍵穴パターンを検出したときに、施錠装置又は解錠装置を作動させて施錠又は解錠を行うことによって、利用者の要求するセキュリティレベルを満足しつつ利便性の高い施錠解錠システムを提供することができる。
図1は、本発明による第1実施形態に係る施錠解錠システムに使用される鍵の概略構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は図1(a)のA−A線上で切断した断面図、(c)は鍵上に形成される鍵パターンを示す平面図である。図2は、図1で示す鍵を収容して施錠解錠装置を作動させる鍵穴の概略構成を示す図で、(a)は鍵穴内に鍵を挿入した状態の一部を切り欠いた平面図、(b)は図2(a)のB−B線上で切断した断面図である。図3は、第1実施形態の施錠解錠システムで使用される施錠解錠手段のブロック図である。
この第1実施形態に係る鍵1は、図1(a)、(b)で示すように、平板状の金属基板1bに複数の透孔1cを形成し、この透孔1c内に、アゾベンゼン化合物からなるフォトクロミック分子を含む充填材1dが充填されて、その表面に、図1(c)に示すような複数の充填材1dが所定間隔で配置されたパターン部2aからなる鍵パターンを有する鍵パターン部2が形成されている。そして、この充填材1dを隠蔽して保持する保護シート1eが基板1bの表裏面に固着されている。このようなフォトクロミック分子を含有する充填材1dは、後述するように、紫外線が照射された際に無色から橙色に変色し、可視光が照射されると橙色から無色に可逆的に特性が変化する。本発明においては、この特性の変化を鍵の施錠解錠システムに利用してセキュリティを向上させている。
この受光素子5bによる充填材1dの配置位置に伴う鍵パターンの解読は、例えば、図3に示す施錠解錠手段6を利用して行うことができる。受光素子5bによって検知された充填材1dの配置位置を図3に示すような計測手段であるCPU7で計測し、予め記憶手段8に記憶されているパターン部2aの充填材1dの配置位置とを比較し、これらのパターンが一致したときに、施錠解錠装置9を作動させて、ドア等のロックやロック解除を行うようになっている。従って、受光素子5bによって検出された充填材1dの配置位置パターン(パターン部2a)と記憶手段8に記憶されているパターンとが相違する場合には、施錠解錠装置9が作動せず、ドア等のロックやロック解除を行うことができないようになっている。
上記実施形態においては、充填材1dに含有されるクロミック分子としては、紫外線を照射することによって透明体から橙色に変色するフォトクロミック分子を使用したが、本発明においては、このクロミック分子として、(1)光の照射によって色や磁性が変化するフォトクロミック分子、(2)加熱することによって色が変化するサーモクロミック分子、(3)電圧の印加により色が変化するエレクトロクロミック分子、(4)圧力を印加することによって色が変化するピエゾクロミック分子を好適に使用することができる。
(1)フォトクロミック分子
フォトクロミック分子は、所定の波長の光を照射することによって、クロミック分子が変色する特性変化を生じるものである。フォトクロミック分子の例としてアゾベンゼン化合物を用いて説明する。図4は、アゾベンゼン化合物に、紫外線と可視光を照射した場合における色の変化を示すものである。初期状態を図4の左側とすると、初期状態では無色の状態である。これに対して紫外線を照射すると分子の構造がシス体に変化し橙色に着色する。その後に可視光を照射すると可逆的にトランス体に構造変化をして無色に戻る。本発明においては、この特性変化を利用して、鍵穴4の内部に、前述のように、特性変化付与手段としての紫外線を照射する紫外線発光素子5aを内蔵させ、この紫外線を鍵1のパターン部2aに照射してアゾベンゼン化合物を橙色に変色させ、この橙色の変色光を受光素子5bで受光して検出し、鍵パターンを認識することで施錠解錠を可能、不可能にする事ができる。
また、アゾベンゼン化合物は、図5に示すように、紫外線と可視光を照射した場合における磁性の変化を発生する特性変化を示すものである。初期状態を図5の左側とすると、初期状態では強磁性体の状態である。これに対して紫外線を照射すると分子の構造がシス体に変化し常磁性体に変化する。その後に可視光を照射するとトランス体に構造変化をして強磁性体に戻る。本発明においては、この特性変化を利用して、鍵穴4の内部に、特性変化付与手段としての紫外線を照射する紫外線発光素子5aを内蔵させ、この紫外線を鍵1のパターン部2aに照射してアゾベンゼン化合物が強磁性体から常磁性体に特性を変化させ、この特性の変化に基づく磁界の変化を検出することによって鍵パターンを検出、認識することで施錠解錠を可能、不可能にする事ができる。
サーモクロミック分子は、特性変化として所定の温度を一様に印加することによってクロミック分子が変色するものである。図6で示すサーモクロミック分子の例としてN,N−ジエチルエチレンジアミン錯体を用いた場合について説明する。通常の室温では図6の左側に示すように平面構造で赤紫色をしている。これに対して温度を43℃以上にすると分子構造が四面体構造に変化し、それに伴い配位子場の変化が起こる事で濃紫色に色変化する。その後に温度を再び43℃未満に温度を低下させると可逆的に平面構造となり赤紫色に戻る。本発明においては、この特性変化を利用して、鍵穴4の内部に、特性変化付与手段としての加熱手段を内蔵させ、この加熱手段によるサーモクロミック分子の加熱によって色の変化を発生させ、この色の変化を検出して鍵パターンを検出、認識することで施錠解錠を可能、不可能にする事ができる。
(3)エレクトロクロミック分子
エレクトロクロミック分子は、特性変化として所定の電圧を一様に印加することによってクロミック分子が変色するものである。エレクトロクロミック分子の例として図7に示す化合物の構造を用いて説明する。初期状態を図7左側とすると、この化合物は初期状態では無色の状態である。これに対して所定の電圧を印加する事により二電子酸化が起こり、図7の右側に示すような構造へと変化して深青色のジカチオンへと変化する。ここで再び逆電圧を印加する事で図7の左側に示す構造へと戻り無色に戻る。本発明においては、この特性変化を利用して、鍵穴4の内部に、特性変化付与手段としての所定の電圧を印加する電源手段を内蔵させ、この電源手段から電圧を鍵1のパターン部2aに印加してジカチオンに変化させ変色させる。この変色を光センサで検出することによって鍵パターンを検出、認識することで施錠解錠を可能、不可能にする事ができる。
ピエゾクロミック分子は、特性変化として所定の圧力を一様に印加することによってクロミック分子が変色するものである。ピエゾクロミック分子の例として図8に示す化合物の構造を用いて説明する。初期状態を図8左側とすると、この化合物は初期状態では黄色の状態である。これに対して圧力を印加する事により結合開裂によりラジカル種が発生し、図8の右側に示すような構造へと変化して赤紫色へと変色する。ここで圧力を開放して放置すると再び図8の左側に示す構造へと戻り黄色に戻る。本発明においては、この特性変化を利用して、鍵穴4の内部に、特性変化付与手段としての鍵1のパターン部2aを加圧する加圧手段を内蔵させ、鍵1のパターン部2aを加圧して黄色から赤紫に変色させる。このように変色されたパターン部2aの鍵パターンを光センサによって検出することで施錠解錠を可能、不可能にする事ができる。
以上のように、クロミック分子によるパターン形成方法よっては、限りなく無限に近いパターンを形成する事ができ、またパターンの種類も限定される事がないため、従来のシステムに比較して格段にセキュリティレベルを上げる事が可能になる。
単純なパターン部2aの構成としては、前述の図1に示すように円形のドットパタ−ンや長方形パターンなどの様々な形を用いることができる。また、この場合に、鍵基板1bに形成された透孔1c内にクロミック分子を含有する充填材1dを充填する場合に限らず、図9(a)、(b)で示すように、パターン部2aとしてクロミック分子を含有する塗料で、基板1bの表面にパターン部2aとなるドットパターンの塗膜2bを所定の鍵パターンとして印刷したものであっても良い。このようなクロミック分子を含有する塗料によって所望の鍵パターンを形成する場合には、より簡単、確実に形成することが可能となるので好適である。
さらに、クロミック分子の特性変化を付与する特性変化付与手段としては、各クロミック分子の変化に必要な特性変化を付与可能な構成であれば良く、フォトクロミック分子であれば必要な波長の光を出す発光機構、サーモクロミック分子には、例えばニクロム線やIH(誘導加熱)などによって熱を作り出す発熱機構、エレクトロクロミック分子には、必要な電圧を印加可能となるように電極を持つ電圧印加機構、ピエゾクロミック分子は、鍵穴全体を加圧したり、必要部分を加圧可能であり、ここでは図示しない駆動部を含む加圧機構などが具体的な構成として考えられる。
この第2実施形態においては、図12(a)、(c)に示すような鍵1の鍵パターン2として3個2列の6個のドット状のパターン部2aからなり、その内3個のドットパターンがクロミック分子を含有するパターン部2a1で残りの3個がクロミック分子を含有しないダミーパターン部2a2で構成されている。一方、図12(b)に示すように、鍵1を受容する鍵穴4の穴部4bの前方には、紫外線を発光する紫外線発光素子51a、52aと紫外線が照射されてクロミック分子によって橙色に変色して橙色の反射光を検出する受光素子51b、52bとをそれぞれ備えた光検出手段51、52が鍵1の挿入方向に対して直交する方向に2個取り付けられている。
従って、鍵1が鍵穴4に挿入されると、紫外線発光素子51a、52aがそれぞれ発光して鍵1の2列のドット状のパターン部2aを照射すると、クロミック分子を含有するドットパターン部2a1では、橙色の反射光によって受光素子5bがこのドットパターン部2a1を検出し、ダミーパターン部2a2では、ダミーパターンが検出されず、鍵1の鍵パターン部2を検出するようになっている。それ故、受光素子51a、52aで検出されたクロミック分子を含有するドットパターンの配列と予め記憶されている鍵1の鍵パターン部2とが一致するか否かで正常な鍵か否かを判定することが可能となる。
このような判定に基づいて、真正な鍵と判定した場合には、施錠解錠装置を作動させて、施錠、解錠を行う。反対に、真正でない鍵(不正鍵)と判定した場合には、施錠解錠装置が作動せず、施錠解錠することができないようになっている。このような、ダミーパターンを使用することによって、多くのパターンを形成することが可能となり、しかも、可視光下での不使用状態では、ダミーパターン部2a2と、クロミック分子を含有する真正なパターン部2a1との判別をつきにくくすることが可能となり、よりセキュリティの向上を図ることができる。特に、クロミック分子として、可視光下では、無色になるアゾベンゼン化合物を使用したときには、より効果的である。
この第3実施形態における鍵1は、図13(a)、(b)で示すように、前述の第1実施形態における鍵1に、パターン部2aを被覆する可撓性で、遮光性のプラスチックシート材からなるカバー10で先端10aが移動自在に取り付けられている。前述の第1実施形態において使用されるアゾベンゼン化合物からなるフォトクロミック分子を含有する充填材1dは、直射日光に曝されることによって、本来無色であるはずの充填材1dが日光の紫外線によって着色し、充填材の配置位置が判明してしまう恐れがある。本実施形態においては、このような事故を防止するために、充填材1dが配置されている上部を遮光性カバー10で被覆して、充填材1dの変色を防止するようにしている。このようなカバー10は、鍵1に着脱自在に取り付け、使用時にカバー10を取りはずすようにしても良い。あるいは、可撓性のシート材で構成し、図13(c)に示すように、鍵1を鍵穴4に挿入する際に、カバー10の先端10aが鍵穴4の開口4aの周囲に当接して、カバー10の先端10aの穴部4b内への侵入を阻止するようにして蛇腹状に伸縮するようにしても良い。そして、鍵1を鍵穴4から引き抜いた際に、蛇腹状に伸縮したカバー10の先端10aを引き伸ばしてパターン部2aまで移動するようにすれば、カバー10の取り外しに伴う紛失を予防することができる。
この第4実施形態に係る鍵1においては、図14(a)、(b)に示すように、基板1b上にアゾベンゼン化合物を含有する塗膜1hが表面全面に塗布形成されて磁化されている。そして、予め、この塗膜1hに、ドット状の紫外線遮蔽部材21で被覆してドット状パターン部21aを形成して鍵パターンを有する鍵1を作製する。一方、鍵穴4の穴部4bの上方には、図示しない特性変化付与手段である紫外線発光素子が取り付けられており、鍵穴4の穴部4b内に挿入された鍵1の鍵パターン部2の全面を紫外線で照射可能となっている。また、鍵穴4の穴部の上方には、磁界の変化を検出する磁気ヘッド22が鍵の挿入方向に移動自在に取り付けられており、鍵1のパターン部21aの強磁性体上に記録された磁界を読み取るようになっている。
また、この鍵1では、紫外線照射によって特性変化を生じるので、ドット状のパターン部21aや他の部分が太陽光等の可視光に曝されることによって、磁気特性が変質してしまう恐れがある。そのため、本実施形態においては、図14(a)、(b)に示すように、ドット状のパターン部21aを被覆して可視光を遮蔽する可撓性の不透明なカバー11が取り付けられている。この不透明なカバー10によって、ドット状のパターン部21aや他の部分での変質を抑制することが可能となる。
この第5実施形態において、図15(a)に示すように、鍵1は、鍵1の平面部1iに前述の第2実施形態で示すクロミック分子を含有するパターン部2aを有する第1の鍵パターン部23と、鍵1の側面部1jに所望形状の凹凸パターンからなる第2の鍵パターン部24を備えている。一方、鍵穴4にも鍵1の第1の鍵パターン部23を検出する前述の第2実施形態で使用された紫外線発光素子51a、52aと受光素子51b、52bを有する検知センサ5を備えた第1検出部25と、鍵の第2の鍵パターン部24に対応して凹凸形状の規制壁4cを有して鍵の第2のパターン部24と規制壁4c上の凹凸形状が一致する時に、鍵1を回動可能とする第2検出部26を備えている。従って、鍵1を鍵穴4の穴部4b内に挿入することによって、第1検出部25と第2検出部26の両方で、鍵1の真偽を判定可能とするので、よりセキュリティの高いものとすることができる。しかも、第2の鍵パターン部24によって、従来の鍵と同様に、手による機械的操作によって、施錠、解錠するので、使用者の使い勝手が良く利便性にも冨むという利点もある。
この第6実施形態に係る施錠解錠システムにおいては、上記実施形態とは、鍵1に特性変化付与手段としての例えば、紫外線発光素子30を所定鍵パターン30aとなるように配設、内蔵させ、鍵穴4の穴部4b内に、前記鍵1の所定鍵パターン30aに対応するクロミック分子を含有するパターン部31aを有する鍵穴パターン31を有する鍵穴パターン部材32を配設する。そして、この鍵穴パターン部材32の上方に鍵1の紫外線発光素子30から発光される紫外線照射によって変色したパターン部31aを検出する受光素子(不図示)が備えられている。従って、鍵1を鍵穴4の穴部4b内に挿入して、鍵1の紫外線発光素子30から鍵穴4の鍵穴パターン31に向かって紫外線を照射することによって、鍵穴4の鍵穴パターン31を適切に検出して、鍵1の真偽を適切に判定することが可能となる。
以上のように、本発明においては、光、圧力、電圧、温度等の外部環境を変更することによって、特性が変化するクロミック分子を含有するパターン部を利用して、種々の任意のパターンを多数形成することが可能となるので、利用者の要求するセキュリティの高くしかも利便性の良い施錠解錠システムを提供することが可能となる。
Claims (12)
- 鍵穴に鍵を挿入することによって施錠装置又は解錠装置を作動させる施錠解錠システムにおいて、
前記鍵は、少なくともクロミック分子を含有するパターン部を有する鍵パターンを有し、
前記鍵穴は、前記鍵に対して前記クロミック分子の特性変化を与える特性変化付与手段と、当該特性変化付与手段によって特性変化が生じた前記鍵パターンを検出する検出手段とを備え、当該検出手段によって前記鍵パターンを検出したときに、施錠装置又は解錠装置を作動させて施錠又は解錠を行うことを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項1記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵パターンは、前記クロミック分子を含有する複数のパターン部を有する鍵パターンで構成されていることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項2記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵パターンは、前記クロミック分子を含有する複数のパターン部と前記クロミック分子を含有しないダミーパターン部を有する鍵パターンで構成されていることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項3記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵パターンのパターン部とダミーパターン部は、ドットパターンであることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項2又は3記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵パターンは、1次元コードで構成されていることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項2又は3記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵パターンは、2次元コードで構成されていることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項1乃至6のいずれか1項記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵は、平板状体であり、当該平板状体の表面に、前記鍵パターンが形成されていることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項1乃至7のいずれか1項記載の施錠解錠システムにおいて、
前記鍵は、側面凹凸形状を有する第2の鍵パターンを備えることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項1乃至8のいずれか1項記載の施錠解錠システムにおいて、
前記クロミック分子は、光の照射によって色又は磁性が変化するフォトクロミック分子、加熱することによって色が変化するサーモクロミック分子、電圧の印加により色が変化するエレクトロクロミック分子及び圧力を印加することによって色が変化するピエゾクロミック分子から選択されるクロミック分子であることを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項9記載の施錠解錠システムにおいて、
前記クロミック分子は、前記フォトクロミック分子で構成され、
前記鍵は、前記パターン部を被覆する遮光カバーを有し、当該鍵を前記鍵穴に挿入する際に、前記遮光カバーによる前記パターン部の被覆を除去することを特徴とする施錠解錠システム。 - 鍵穴に鍵を挿入することによって施錠装置又は解錠装置を作動させる施錠解錠システムにおいて、
前記鍵穴はクロミック分子を含有する鍵穴パターンを有し、
前記鍵は、前記鍵穴パターンの前記クロミック分子の特性変化を与える特性変化付与部材を有しており、
前記鍵穴は、前記鍵が当該鍵穴に挿入されたときに、前記クロミック分子が前記鍵の特性変化付与部材によって特性変化が生じた前記鍵穴パターンを検出する検出手段とを備え、当該検出手段によって前記鍵穴パターンを検出したときに、施錠装置又は解錠装置を作動させて施錠又は解錠を行うことを特徴とする施錠解錠システム。 - 請求項11記載の施錠解錠システムにおいて、
前記クロミック分子は、光の照射によって色又は磁性が変化するフォトクロミック分子、加熱することによって色が変化するサーモクロミック分子、電圧の印加により色が変化するエレクトロクロミック分子及び圧力を印加することによって色が変化するピエゾクロミック分子から選択されるクロミック分子であることを特徴とする施錠解錠システム。
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