JP5022590B2 - 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム - Google Patents

情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5022590B2
JP5022590B2 JP2005317348A JP2005317348A JP5022590B2 JP 5022590 B2 JP5022590 B2 JP 5022590B2 JP 2005317348 A JP2005317348 A JP 2005317348A JP 2005317348 A JP2005317348 A JP 2005317348A JP 5022590 B2 JP5022590 B2 JP 5022590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
failure
component
unit
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005317348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007122639A (ja
Inventor
伸久 竹澤
克彦 中原
雄二 植之原
正行 高山
裕明 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Digital Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Solutions Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Solutions Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2005317348A priority Critical patent/JP5022590B2/ja
Publication of JP2007122639A publication Critical patent/JP2007122639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5022590B2 publication Critical patent/JP5022590B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラムに関する。
オンライン取引システム等のコンピュータネットワークで構成される情報システムの運用段階又は情報システムの設計段階において、情報システムの信頼性評価が行われる。この信頼性評価では、システムの稼働率の評価が行われる。このシステムの稼働率の評価においては、フォルトツリー分析がよく用いられる(例えば、非特許文献1、特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、原子力発電プラントなどのシステムの稼働率の評価では、プラントの安全性を確保することを目的にして、以下のことが行われる。システムの評価を行う評価者は、トラブルの事象を想定し、これに至る確率を算出する。そして、評価者は、該当のトラブルの発生確率がほとんど起こり得ないことを定量的に解析する。その時に利用される主な解析手法がフォルトツリー分析と呼ばれる手法である。このフォルトツリー分析は、信頼性工学及びその関連分野において活用されているものであり、情報システムにおいても用いられる(例えば、非特許文献1参照)。
フォルトツリー分析で稼働率を評価する手法は、以下の通りである。評価者は、まずシステムにおいて想定される頂上事象を選定する。その後、評価者は、その頂上事象に至る1次要因を探り、頂上事象と1次要因との間の論理的関係(AND、OR)を導く。評価者は、上記論理的関係を、ツリー構造に表現する。
このツリー構造においては、頂上事象が記載され、この頂上事象の下には、論理記号が記載され、この論理記号の下には、一次要因が記載される。同様に、その個々の一次要因の下には、論理記号が記載され、この論理記号の下には、二次要因が記載され、三次要因及び四次要因についても同様の記載が繰り返される。このようにツリー構造においては、実験等から、トラブルの発生確率を推定できるレベルまで細分化が行われる。
頂上事象は、ブール代数を用いることにより、ツリー構造の最下層の事象(基本事象)の組み合わせで発生することが示される。この組み合わせ(即ち、論理的な関係を示すツリー構造)により、頂上事象に対応する不稼働率(=1−稼働率)を導き出すことが可能になるので、頂上事象に対応する稼働率を導き出すことが可能となる。
例えば、通常の情報システムの信頼性評価としては、工場システムの設備構成からフォルトツリーを生成し、設備を構成する各機器類の故障率などに基づいて、工場システムの信頼性の度合い(システムの稼働率など)を算出する信頼性解析がある。
この信頼性解析によれば、生産量、設備の構成などに基づいて、変更可能な要素をパラメータとして変更させた場合におけるフォルトツリーを生成するとともに、工場システムの信頼性の度合い(システムの稼働率)が算出される。そして、算出された信頼性の度合いが比較され、最も信頼性の度合いが高い(システム稼働率の高い)設備構成が抽出され、この抽出された設備構成に基づいて、工場システムの稼働が行われたり、工場システムの補修計画が選択されたりする(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これにより、システムの稼働率の基準値を十分満たすように、工場システムの設計を行うことや、システム稼働率が高い状態で工場システムを運用しながら補修を行うことが可能となる。
特開平9−234652号公報 特開平9−237102号公報 北川 賢司著 「最新設計審査技術」テクノシステム 1987年12月4日(第2版)
しかしながら、上述の通常の信頼性評価では、以下のような問題がある。即ち、情報システムでは、業務処理件数が時間的に平均して一定ではなく、業務処理件数が時間変動し、業務処理件数が集中する業務集中時間帯と業務処理件数が閑散となる業務閑散時間帯が存在する。例えば、株式のオンライン取引システムでは、図19に示すように、業務集中時間帯(9:00〜9:30頃、12:30〜12:40頃、14:50〜15:00頃)と業務閑散時間帯(9:00以前、11:00〜12:30頃、15:00以降)とでは、業務処理件数に大きな違いがある。
このような場合、業務集中時間帯では、システムに負荷がかかるので故障発生確率が高くなり、逆に業務閑散時間帯では、システムに負荷がかからないので故障発生確率が低くなる。このため、業務集中時間帯には、情報システムを構成する複数の構成要素(ハードウェアもしくはハードウェアの動作に関連するソフトウェア)が多重に故障し易くなるので、システムを冗長系にしていても、システム全体の故障が発生し易くなる。
さらに、構成要素の修復時間が業務集中時間帯の間隔よりも長くなり、業務集中時間帯をまたぐようになると、複数の構成要素が相次いで多重に故障し易くなる傾向が強くなり、システム全体の故障がより発生し易くなる。例えば、構成要素の修復時間をゼロから増加させていった場合、構成要素の修復時間が業務集中時間帯の間隔を越えると、急にシステム全体の故障が発生し易くなってシステム稼働率が低下する。
このような構成要素の修復時間が業務集中時間帯の間隔の近傍で変化したときのシステム稼働率の急激な変化を評価できるようにするためには、システムの業務処理件数の時間変動による構成要素の故障発生確率の変動を考慮して、情報システムの信頼性評価を行う必要がある。ところが、通常の情報システムの信頼性評価では、業務処理件数が時間的に平均して一定とみなし、システム稼働率を評価しているため、上述の構成要素の修復時間が業務集中時間帯の間隔の近傍で変化したときのシステム稼働率の急激な変化を評価することはできない。
このため、例えば、最もシステム稼働率が高くなるような情報システムの設計を行ったつもりでも、実際に情報システムを運用させたときのシステム稼働率が基準値を下回ってしまうことがある。また、情報システムの運用段階で、上述の信頼性評価に基づいてシステム稼働率を高くするように情報システムを変更したつもりでも、システム稼働率が基準値を下回ってしまうことがある。この結果、情報システムの設計のやり直しが多くなり、情報システムの設計者の負担が非常に大きくなるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、システム稼働率を良好にするとともに、情報システムの設計を行う設計者の負担の軽減を可能にする情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラムを提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、情報システムの信頼性評価システムにおいて、機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報が入力される情報入力部と、前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析部と、前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成部と、前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析部と、前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出部と、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定部と、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出部と、同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定部と、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定部と、を備えることである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、情報システムの信頼性評価方法において、機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報を入力する情報入力を行い、前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析を行い、前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析を行い、前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成を行い、前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出を行い、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定を行い、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出を行い、同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定を行い、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定を行い、抽出された前記基本事象に対応する新たな前記故障分析情報が再設定された場合、前記稼働率算出以降の処理を行い、新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報が再設定された場合、前記故障情報分析以降の処理を行うことである。
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、情報システムの信頼性評価プログラムにおいて、機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報を入力する情報入力を行い、前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析を行い、前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析を行い、前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成を行い、前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出を行い、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定を行い、算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出を行い、同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定を行い、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定を行い、抽出された前記基本事象に対応する新たな前記故障分析情報が再設定された場合、前記稼働率算出以降の処理を行い、新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報が再設定された場合、前記故障情報分析以降の処理を行う機能をコンピュータに実行させることである。
本発明によれば、システム稼働率を良好にするとともに、情報システムの設計を行う設計者の負担の軽減を可能にする情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(情報システムの信頼性評価システム)
本実施形態に係る情報システムは、複数の機器(例えば、サーバなど)を備えている。各機器には、機器の機能を実行させるためのソフトウェアと、機器を構成するハードウェアとが内蔵されている。本実施形態の情報システムの信頼性評価システムは、このような情報システムのシステム稼働率の評価及びコスト評価を行うシステムである。
図1は、本実施形態に係る情報システムの信頼性評価システム(以下、信頼性評価システムという)のブロック構成を示す図である。
本実施形態に係る信頼性評価システムは、システム管理データベース2とユーザ端末3との間で、情報をやり取りするシステム評価部1を備えている。
システム評価部1は、システム管理データベース2との間で、情報システムの信頼性評価に必要な情報などを含む各種の情報のやり取りを行う。システム管理データベース2には、情報システムの信頼性評価に必要な情報などを含む各種の情報が格納されている。
このシステム評価部1は、情報システムの信頼性評価に必要な情報をシステム管理データベース2から抽出して入力する情報抽出・入力部11と、入力された情報に基づいて、所定の処理・演算を行う情報処理・演算部12と、上記所定の処理・演算が行われた結果をユーザ端末3に出力する情報出力部13とを有する。
システム評価部1には、ユーザ端末3が接続されている。ユーザ端末3は、システム評価部1に各種の指示情報(例えば、所定の情報システムの信頼性評価を行うことを指示する情報)などの各種の情報を出力したり、各種の情報を表示したりする装置である。
情報抽出・入力部11は、機器(例えば、サーバ)を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、上記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと上記機器を構成するハードウェアとの各々を示す構成要素(後述のソフトウェア構成要素及びハードウェア構成要素)の故障モードに対応する故障に関する故障情報(例えば、後述の信頼性関連情報22に含まれる故障情報)と、上記機器と上記構成要素とを用いた情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報(例えば、後述のシステム機能構成情報21、及びシステム基準情報24に含まれるシステム構成)と、情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値(例えば、後述のシステム基準情報24に含まれるシステム稼働率の基準値)と、情報システムの業務処理に関する業務処理情報(例えば、後述の業務処理関連情報23に含まれる情報システムの業務処理件数の時間変動データ)とを少なくとも含む情報が入力される情報入力部である。
また、情報抽出・入力部11には、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素のために必要なコストを示す設備費と、情報システムのために必要なコストの許容範囲を示すコスト許容値と、情報システムが単位期間停止したことによる営業上の損害額を示す営業損害額(例えば、システム停止損害額)と、情報システムの運用期間とが入力される。
図2は、情報抽出・入力部11に入力される情報を示す図である。
入力される情報とは、システム機能構成情報21、信頼性関連情報22、業務処理関連情報23、システム基準情報24及びコスト関連情報25である。これらの情報は、情報システムに対応付けられている。
システム機能構成情報21には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素情報が含まれる。この構成要素情報には、ハードウェアの構成要素(以下、ハードウェア構成要素という)及びソフトウェアの構成要素(以下、ソフトウェア構成要素という)が含まれる。ハードウェア構成要素とは、情報システムを構成する機器(例えば、サーバ)を構成するもの(例えば、部品や回路など)である。ソフトウェア構成要素とは、情報システムを構成する機器の機能を実行させるためのもの(例えば、各機能を実行させるための命令や手順などをプログラムコードなどにより記述されたもの)である。
情報システムを構成する機器としては、例えば、WEBブラウザを用いてユーザにコンテンツを提供するためのWEBサーバ群に属するWEBサーバ1、WEBサーバ2・・・などがある。言い換えると、WEBサーバ群は、情報システムを構成する各WEBサーバ1、2・・・の集合を示すものである。この場合、WEBサーバ1に対応するソフトウェア構成要素としては、例えば、WEBサーバ1の機能を実行させるためのWEBサーバ1ソフトウェアがある。WEBサーバ1に対応するハードウェア構成要素としては、例えば、WEBサーバ1を構成するハードディスク、CPU及びメモリなどがある。
また、システム機能構成情報21には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の機能別分類が含まれる。ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の機能別分類には、ハードウェア構成要素の機能別分類と、ソフトウェア構成要素の機能別分類とが含まれる。ハードウェア構成要素の機能別分類とは、各ハードウェア構成要素が機器の機能に従って分類された情報を示すものである。ソフトウェア構成要素の機能別分類とは、各ソフトウェア構成要素が機器の機能に従って分類された情報を示すものである。
例えば、ソフトウェア構成要素の機能別分類においては、WEBサーバ1の機能には、WEBプログラム1、WEBプログラム2・・・が対応付けられるように分類され、APサーバ1の機能には、APプログラム1、APプログラム2・・・が対応付けられるように分類されている。APサーバとは、ユーザからの要求を受け付け、データベースなどを用いた業務システムの処理を実行するためのAPサーバ群に属するサーバのことである。言い換えると、APサーバ群は、情報システムを構成する各APサーバ1、2・・・の集合を示すものである。
さらに、システム機能構成情報21には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の繋がりが含まれる。ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素間の繋がりには、ハードウェア構成要素間の繋がり、ソフトウェア構成要素間の繋がり、及びハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との間の繋がりが含まれる。ハードウェア構成要素間の繋がりとは、例えば、各機器におけるハードウェア構成要素同士の電気的な接続関係である。また、ソフトウェア構成要素間の繋がりとは、例えば、各機器におけるソフトウェア構成要素の機能を示す機能ブロック同士の関係を示すフローチャートなどである。また、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との間の繋がりとは、例えば、各機器におけるソフトウェア構成要素の機能ごとに、上記ソフトウェア構成要素の機能に関係するハードウェア構成要素が対応付けられている情報のことである。
加えて、システム機能構成情報21には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の処理内容(ハードウェア構成要素の処理内容やソフトウェア構成要素の処理内容)が含まれる。
信頼性関連情報22には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の故障モードの故障間隔(ハードウェア構成要素の故障モードの故障間隔及びソフトウェア構成要素の故障モードの故障間隔)、ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の故障モードの修復時間(ハードウェア構成要素の故障モードの修復時間及びソフトウェア構成要素の故障モードの修復時間)等の故障情報が含まれる。例えば、ハードウェア構成要素の故障モードの故障間隔としては、APサーバ1のハードディスクのディスク不良(故障モード)の故障間隔τxがあり、ソフトウェア構成要素の故障モードの故障間隔としては、APサーバ1のAPソフトウェアのOSの障害(故障モード)の故障間隔τyがある。
業務処理関連情報23には、情報システムの業務処理件数の時間変動データが含まれる。この時間変動データとは、情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動を示すデータのことである。例えば、情報システムが株式のオンライン取引システムである場合には、そのデータは時間間隔当たりの取引処理件数の時間変動データとなる。
システム基準情報24には、情報システムのシステム構成が含まれる。このシステム構成とは、情報システムに含まれる各機器間の繋がりを示すものである。また、システム基準情報24には、情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値(以下、システム稼働率基準値という)、情報システムの運用期間、及び情報システムのために費やされるコストとして許される範囲を示すコスト許容値が含まれる。
コスト関連情報25には、情報システムに含まれるハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の設備費(ハードウェア構成要素のために必要なコストを示す設備費やソフトウェア構成要素のために必要なコストを示す設備費)が含まれている。また、コスト関連情報25には、単位期間(例えば、1日間など)情報システムが停止したことによる営業上の損害額(実測値あるいは予測値でもよい)を示す営業損害額、例えばシステム停止損害額が含まれる。設備費とは、ハードウェア構成要素やソフトウェア構成要素の原料費や、上記構成要素を情報システムに組み込むために必要な費用など、構成要素のためにかかる費用のことである。
情報抽出・入力部11により入力された情報は、情報処理・演算部12に送られる。
図3は、情報処理・演算部12の詳細な構成を示す図である。
情報処理・演算部12は、フィールドデータ分析部31、フォルトツリー作成部32、フォルトツリー−ロジック変換部33、業務処理件数データ分析部34、稼働率算出部35、システム稼働率判定部36、重要度分析部37、変更可能性判定部38、システム構成再設定部39、故障情報再設定部40、コスト算出部41、コスト判定部42及びコスト情報再設定部43を有する。
<フィールドデータ分析部>
フィールドデータ分析部31は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードに対応する故障に関する故障情報を故障モードごとに分析することにより、分析結果として故障分析情報を取得する故障情報分析部である。
例えば、フィールドデータ分析部31は、情報抽出・入力部11により入力された情報のうち、故障モードに対応する故障に関する故障情報を、情報システムに含まれる各機器(例えば、APサーバ1、APサーバ2など)が処理機能別に分類された機器の集合を示す機器群(例えば、APサーバ群、WEBサーバ群など)及び故障モードごとに分類し、その分類結果に基づいて上述の分析を行う。具体的な説明は以下の通りである。
例えば、各故障モード(例えば、APサーバ1のハードディスクのディスク不良)の障害情報(故障に関する情報)として、上記構成要素(例えば、APサーバ1のハードディスク)の使用開始日時、故障(例えば、ディスク不良)発生日時、故障間隔、故障復旧日時、及び修復時間がある。フィールドデータ分析部31は、入力された各種の情報のうち、故障モードに対応する故障に関する故障情報(例えば、APサーバ1のハードディスクのディスク不良に対応する使用開始日時、故障発生日時、故障間隔、故障復旧日時、及び修復時間)を、機器群及び故障モード(例えば、APサーバ群やディスク不良など)に対応付けることにより分類する。このようにして、フィールドデータ分析部31は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードに対応する障害情報が機器群及び故障モードに対応付けられて分類された分類テーブルを生成する。
ここで、図4は、ハードウェア構成要素の故障モードに対応する障害情報が機器群及び故障モードに対応付けられて分類された分類テーブル(以下、ハードウェア分類テーブルという)を示す図である。機器群と機器と構成要素と故障モード(例えば、ディスク不良など)ごとに、障害情報が対応付けられている。また、図5は、ソフトウェア構成要素の故障モードに対応する障害情報が機器群及び故障モードに対応付けられて分類された分類テーブル(以下、ソフトウェア分類テーブルという)を示す図である。機器群と機器と構成要素と故障モード(例えば、OSの障害、アプリケーションの障害、ミドルウェアの障害、及びユーザの入力ミスなど)ごとに、障害情報が対応付けられている。なお、DBサーバとは、情報システムに含まれるデータベースを管理するDBサーバ群に属するサーバのことである。言い換えると、DBサーバ群は、情報システムを構成する各DBサーバ1、2・・・の集合を示すものである。
フィールドデータ分析部31は、上述の図4に示すハードウェア分類テーブル(又は図5に示すソフトウェア分類テーブル)を用いて、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードごとに、故障モードの故障確率を算出する。例えば、フィールドデータ分析部31は、情報抽出・入力部11に入力されたハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの故障間隔(上述のハードウェア分類テーブル(又はソフトウェア分類テーブル)に記録された各故障モードの故障間隔)と、故障間隔に対する故障確率の分布を示すワイブル分布とに基づいて、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの故障確率を算出する。具体的な説明は以下の通りである。
例えば、フィールドデータ分析部31は、ハードウェア分類テーブルに記録されたAPサーバ1のハードディスクのディスク不良(又は、ソフトウェア分類テーブルに記録されたAPサーバ1のソフトウェアのOS障害)に対応する故障間隔τ、τ、τ、・・・を、ワイブル分布式にあてはめることにより、ワイブル分布式を用いた故障確率を算出する。例えば、故障間隔τに関する故障確率の分布関数F(τ)は、以下の数1式で示される。
Figure 0005022590
ここで、βは形状パラメータ、θは尺度パラメータである。
フィールドデータ分析部31は、数1式で示される分布に、上述の故障間隔τ、τ、τ、・・・をあてはめることにより、βとθを決定(推定)することができる。これにより、フィールドデータ分析部31は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードの故障確率の分布関数F(τ)を算出することができる。
なお、故障のパターンは、故障率が時間経過に従って減少する初期故障パターン、故障率が時間経過に関わらず一定である偶発故障パターン、及び故障率が時間経過に従って増大する老朽故障パターンのいずれかに分類される。ここで、β<1の場合には、初期故障パターンに対応し、β=1の場合には、偶発故障パターンに対応し、β>1の場合には、老朽故障パターンに対応している。このため、上述のようにして算出された故障確率は、全ての故障パターンのうち、いずれかの故障パターンに対応するものである。
また、フィールドデータ分析部31は、上述の図4に示すハードウェア分類テーブル(又は図5に示すソフトウェア分類テーブル)を用いて、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードごとに、故障モードの修復時間の平均値である平均修復時間を算出する。
なお、フィールドデータ分析部31は、使用開始日時及び故障発生日時から、故障間隔を算出し、算出した故障間隔を用いて、故障確率を算出するようにしてもよい。また、フィールドデータ分析部31は、故障発生日時及び故障復旧日時から、修復時間を算出し、算出した修復時間を用いて、平均修復時間を算出するようにしてもよい。フィールドデータ分析部31により分析結果として得られた故障分析情報は、稼働率算出部35に送られる。
<フォルトツリー作成部>
フォルトツリー作成部32は、情報抽出・入力部11からのシステム構成情報(例えば、システム機能構成情報21、及びシステム基準情報24に含まれるシステム構成)に基づいて、情報システムの故障モードを示す頂上事象から、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すフォルトツリーを作成するダイヤグラム作成部である。
このフォルトツリーにおいては、情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない事象を頂上事象とし、要因をそれ以上求めることができないハードウェア構成要素の故障モード及びソフトウェア構成要素の故障モードを基本事象とした場合に、頂上事象から基本事象への階層的な論理関係が示されている。即ち、フォルトツリーにおいては、事象と要因との関係として展開された各事象が論理記号(例えば、OR記号やAND記号など)で結合されている。
具体的には、フォルトツリー作成部32は、以下のようにして、フォルトツリーを作成する。情報抽出・入力部11により入力されたハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素情報、ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の機能別分類、ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の繋がり、ハードウェアとソフトウェアとを含む構成要素の処理内容、及びシステム構成がフォルトツリー作成部32に入力される。フォルトツリー作成部32は、入力された情報に基づいてフォルトツリーを作成する。
なお、ハードウェア構成要素の機能別分類、ハードウェア構成要素間の繋がり、ハードウェア構成要素の処理内容、及びシステム構成に基づいて、フォルトツリーを作成することは、よく知られた技術である。本実施形態の場合も、この良く知られた技術と同様にして、フォルトツリーの作成が行われるので、フォルトツリーの作成の詳細な説明は、ここでは省略する。
図6〜図12は、フォルトツリー作成部32により作成されたフォルトツリーの一例を示す図である。
この一例では、評価対象の情報システムは、上述したWebサーバ群、APサーバ群、DBサーバ群から構成されるものとする。各サーバ群は、2つのサーバにより構成されるものとする。各サーバは、複数のハードウェア構成要素(ハードディスク、CPU、メモリなど)で構成されているものとする。また、各サーバの機能を実行させるためのソフトウェア構成要素は、Webサーバ1ソフトウェア、Webサーバ2ソフトウェア、APサーバ1ソフトウェア、・・・としている。ソフトウェア構成要素の故障モードとしては、OSの故障、アプリケーションの故障、ミドルウェアの故障、及びユーザの入力ミスとしている。
なお、図6〜図12では、各サーバのハードウェアの故障事象(例えば、Webサーバ1ハードウェアの機能喪失、Webサーバ2ハードウェアの機能喪失など)より下位の故障事象(例えば、Webサーバ1のハードディスクのディスク不良など)がないが、各サーバのハードウェアの故障事象より下位にも、故障事象がAND記号又はOR記号により、論理的に接続されている場合もある。
図6においては、頂上事象(情報システム全体の故障を示す事象、例えば、システムの機能喪失など)と第1階層の事象(頂上事象より階層的に1つ下の事象、例えば、WEBサーバ群の機能喪失など)とが、AND記号やOR記号などの論理記号により接続されている。また、図6においては、第1階層の事象と、第2階層の事象(頂上事象より階層的に2つ下の事象、例えば、WEBサーバ1の機能喪失など)とが上記論理記号により接続されている。また、図6においては、第2階層の事象と、第3階層の事象(頂上事象より階層的に3つ下の事象、例えば、WEBサーバ1ハードウェアの機能喪失、WEBサーバ1ソフトウェアの機能喪失など)とが上記論理記号により接続されている。
ここで、第3階層の事象のうち、各サーバのハードウェアの故障事象(例えば、WEBサーバ1ハードウェアの機能喪失など)は、ハードウェアの故障に関する基本事象となっている。また、第3階層の事象のうち、各サーバのソフトウェアの故障事象(例えば、WEBサーバ1ソフトウェアの機能喪失など)には、さらに、図7〜図12に示すように、第4階層の事象(例えば、WEBサーバ1ソフトウェアのOSの故障、アプリケーションの故障、ミドルウェアの故障、ユーザの入力ミスなど)が論理記号により接続されている。ここで、図7〜図12に示された第4階層の事象は、ソフトウェアの故障に関する基本事象となっている。
このようなフォルトツリーにおいては、頂上事象から基本事象への階層的な論理関係が示される際に、各事象(各階層の事象、基本事象)には、ハードウェアに関する故障事象だけでなく、ソフトウェアに関する故障事象が存在している。作成されたフォルトツリーは、フォルトツリー−ロジック変換部33に送られる。
<フォルトツリー−ロジック変換部>
フォルトツリー−ロジック変換部33は、ブール代数を用いてフォルトツリーのデータを後述の所定の関係式に変換する。具体的な説明は以下の通りである。
図6〜図12において、所定の事象(例えば、WEBサーバ1ソフトウェアの機能喪失)と、複数の下位の事象(WEBサーバ1ソフトウェアのOSの故障、アプリケーションの故障、ミドルウェアの故障、WEBサーバ1ソフトウェアに関するユーザの入力ミス)とがOR記号で接続されている場合、上記複数の下位の事象のうちいずれかが発生する(例えば、OSの故障)と、上記所定の事象も発生する。このため、所定の事象とこの所定の事象の下位の事象とがOR記号で接続されているとき、所定の事象に対応するブール変数をYとして、所定の事象が発生するときにY=1、所定の事象が発生しないときにY=0と定義し、上記所定の事象の下位の事象に対応するブール変数をYjとして、所定の事象の下位の事象が発生するときにYj=1、所定の事象が発生しないときにYj=0と定義した場合、ブール代数を用いて、所定の事象のブール変数Yは、以下の数2式によって算出される。
Figure 0005022590
ここで、Nは下位の事象の総数である。
また、図6〜図12において、所定の事象(例えば、WEBサーバ群の機能喪失)と、複数の下位の事象(WEBサーバ1の機能喪失、WEBサーバ2の機能喪失)とがAND記号で接続されている場合、上記複数の下位の事象の全てが発生する(例えば、WEBサーバ1の機能喪失、WEBサーバ2の機能喪失)と、上記所定の事象が発生する。このため、所定の事象と、複数の下位の事象とがAND記号で接続されているとき、所定の事象に対応するブール変数をYとして、所定の事象が発生するときにY=1、所定の事象が発生しないときにY=0と定義し、上記所定の事象の下位の事象に対応するブール変数をYjとして、所定の事象の下位の事象が発生するときにYj=1、所定の事象が発生しないときにYj=0と定義した場合、ブール代数を用いて、所定の事象のブール変数Yは、以下の数3式によって算出される。
Figure 0005022590
ここで、Nは下位の事象の総数である。
フォルトツリー−ロジック変換部33では、図6〜図12のフォルトツリー、数2式及び数3式を用いて、フォルトツリーのデータを、頂上事象のブール変数をYに関する所定の関係式に変換する。この所定の関係式においては、頂上事象に対応するブール変数Yは、例えば、Yj(Yjは、基本事象のブール変数、j=1〜N、Nは基本事象の数)を用いた所定の式で表される。上記所定の関係式は、稼働率算出部35に送られる。
<業務処理件数データ分析部>
業務処理件数データ分析部34は、業務処理関連情報23として、情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データに関する情報を分析することにより、分析結果として業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析部である。
例えば、業務処理件数データ分析部34は、情報抽出・入力部11により入力された情報のうち、情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データに関する情報に基づいて、上述の分析を行う。具体的な説明は以下の通りである。
情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データとしては、例えば、時刻とその時刻における時間間隔当たりの業務処理件数がある。業務処理件数データ分析部34は、そのデータに基づいて、図13に示すような時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動を示すテーブル(以下、業務処理件数の時間変動テーブルという)を生成する。
業務処理件数データ分析部34は、上述の図13に示す業務処理件数の時間変動テーブルを用いて、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子を算出する。ここで、重み因子は、各時刻の時間間隔当たりの業務処理件数を時間間隔当たりの業務処理件数の平均値で割った数値で定義されたものである。
例えば、業務処理件数データ分析部34は、業務処理件数の時間変動テーブルに記録された各時刻の単位時間当たりの業務処理件数を合計して平均をとることにより、時間間隔当たりの業務処理件数の平均値を算出する。そして、業務処理件数データ分析部34は、その平均値で各時刻の時間間隔当たりの業務処理件数を割ることにより、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子を算出する。
上述の図13に示す業務処理件数の時間変動テーブルを用いた場合には、図14に示すようなハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔の故障発生確率にかかる重み因子の時間変動を示すテーブル(以下、故障発生確率にかける重み因子の時間変動テーブルという)が得られる。業務処理件数データ分析部34により分析結果として得られた業務処理分析情報は、稼働率算出部35に送られる。
<稼働率算出部>
稼働率算出部35は、フィールドデータ分析部31による分析結果(算出された各故障モードの故障確率、平均修復時間)及び業務処理件数データ分析部34による分析結果(算出されたハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子)に基づいて、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードに対応する不稼働率を算出する不稼働率算出機能と、フィールドデータ分析部31による分析結果(算出された各故障モードの故障確率、平均修復時間)及び業務処理件数データ分析部34による分析結果(算出されたハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子)と、フォルトツリーから得られる基本事象の状態を表すブール変数Yj(例えば、ディスク不良によるハードディスクの状態を表すブール変数Yj)と頂上事象の状態を表すブール変数Yに関する所定の関係式とに基づいて、頂上事象に対応する稼働率をシステム稼働率として算出するシステム稼働率算出機能とを有する。具体的な説明は以下の通りである。
稼働率算出部35は、まず、フォルトツリーに含まれる各基本事象に対応する稼働率を、モンテカルロシミュレーションを用いた評価によって算出する。基本事象に対応する稼働率は、例えば、1−(基本事象に対応する不稼働率)により算出される。なお、フィールドデータ分析部31は、算出した各故障モードの故障確率F(t)を稼働率算出部35に出力している。故障確率F(t)は、各故障モードが修復された時間0から時間tまでの間に故障が発生する確率を示すものである。また、故障率p(t)は、各故障モードが修復された時間0から時間tまでの間に正常状態であり、時間tにおいて単位時間当たりに故障が発生する確率(p(t)=(dF(t)/dt)/(1−F(t)))としている。
なお、業務処理件数データ分析部34は、故障モードの時間tから時間t+dtの間の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子w(t)を稼働率算出部35に出力している。これらから、各故障モードが修復された時間0から時間tまでの間に正常状態であり、時間tから時間t+dtの間に故障状態になる時間間隔当たりの故障発生確率をw(t)p(t)dtと定義し直す。ここで、故障モードの時間tから時間t+dtの間の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子w(t)を1とすると、通常の業務処理件数が時間的に平均して一定とみなした評価になる。稼働率算出部35は、各基本事象に対応する稼働率を以下のようにして算出する。
「各基本事象に対応する稼働率の算出」
(1)稼働率算出部35は、シミュレーション評価開始時刻(以下、評価開始時刻)をt=0とし、シミュレーション評価終了時刻(以下、評価終了時刻)をtとした場合に、評価開始時刻tでは、基本事象に対応する故障が発生せず、基本事象に対応するハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素は正常状態であると認識する。即ち、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障が発生する確率F(t)、及び故障率p(t)は、ともに0と認識する。稼働率算出部35は、評価開始時刻から評価終了時刻までの間に、基本事象に対応する構成要素が稼働している時間を示す基本事象に対応する累積稼働時間は0と認識する。
(2)稼働率算出部35は、シミュレーション評価時刻(以下、評価時刻)tから評価時刻t+dt(=t)までの間に、基本事象に対応する故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率(基本事象に対応するハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素が故障する確率)をw(t)p(t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt≧rの場合には、ハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素(以下、単に構成要素という)が基本事象に対応する故障状態に遷移したと認識する。
稼働率算出部35は、上述の遷移したと認識したときから、基本事象に対応する故障が修復し、構成要素が正常状態に戻るまでの時間を、基本事象に対応する累積稼働時間に加算せず、基本事象に対応する故障時間0にdtを加算する。基本事象に対応する故障時間とは、基本事象に対応する構成要素が故障している時間を示すものであり、いったん、構成要素が正常状態に戻ると、0にクリアされる。
稼働率算出部35は、上述の基本事象に対応する故障が発生する確率と、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
(3)次に、稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dt(=t)までの間における基本事象に対応する構成要素の状態遷移について評価する。評価時刻tで基本事象に対応する構成要素が正常状態である場合には、稼働率算出部35は、上と同様の処理を行う。具体的な説明は以下の通りである。
上述と同様にして、稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dtまでの間では、基本事象に対応する構成要素の故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(t)p(t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が故障状態に遷移したと認識する。
稼働率算出部35は、上述の遷移したと認識したときから、基本事象に対応する故障が修復し、構成要素が正常状態に戻るまでの時間を、基本事象に対応する累積稼働時間に加算せず、基本事象に対応する故障時間にdtを加算する。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
さらに、稼働率算出部35は、評価時刻をt(=t+dt)、t(=t+dt)、・・・、t(=tn−1+dt)、・・・と、dtずつ増加させて、上述の(3)の処理を繰り返す。
なお、稼働率算出部35は、上述の処理と並行して、基本事象に対応する故障時間と、基本事象に対応する故障モードの平均修復時間とを比較し、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達したか否かを判定する。
稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達した場合、基本事象に対応する構成要素は正常状態に戻ったと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間を0にリセットし、故障率及び故障確率も0にリセットする。そして、故障率等がリセットされた時刻をtとした場合、稼働率算出部35は、(4)の処理を行う。
(4)稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dt(=tm+1)までの間に、基本事象に対応する故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(t)p(t−t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t−t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が基本事象に対応する故障状態に遷移したと認識する。
稼働率算出部35は、上述の遷移したと認識したときから、基本事象に対応する故障が修復し、構成要素が正常状態に戻るまでの時間を、基本事象に対応する累積稼働時間に加算せず、基本事象に対応する故障時間0にdtを加算する。基本事象に対応する故障時間とは、基本事象に対応する構成要素が故障している時間を示すものであり、いったん、構成要素が正常状態に戻ると、0にクリアされる。
稼働率算出部35は、上述の基本事象に対応する故障が発生する確率と、0から1の範囲で発生した乱数rを比較し、w(t)p(t−t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
次に、稼働率算出部35は、評価時刻tm+1から評価時刻tm+1+dt(=tm+2)までの間における基本事象に対応する構成要素の状態遷移について評価する。評価時刻tm+1で基本事象に対応する構成要素が正常状態である場合には、稼働率算出部35は、上述と同様の処理を行う。具体的な説明は以下の通りである。
上述と同様にして、稼働率算出部35は、評価時刻tm+1から評価時刻tm+1+dtまでの間では、基本事象に対応する構成要素の故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、確率w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が故障状態に遷移したと認識する。
稼働率算出部35は、上述の遷移したと認識したときから、基本事象に対応する故障が修復し、構成要素が正常状態に戻るまでの時間を、基本事象に対応する累積稼働時間に加算せず、基本事象に対応する故障時間にdtを加算する。
稼働率算出部35は、上述の確率w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
さらに、稼働率算出部35は、評価時刻をtm+3(=tm+2+dt)、tm+4(=tm+3+dt)、・・・、t(=tn−1+dt)、・・・と、dtずつ増加させて、上述の処理を繰り返す。
なお、稼働率算出部35は、上述の処理と並行して、基本事象に対応する故障時間と、基本事象に対応する故障モードの平均修復時間とを比較し、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達したか否かを判定する。
稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達した場合、基本事象に対応する構成要素は正常状態に戻ったと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間を0にリセットし、故障率及び故障確率も0にリセットする。そして、故障率等がリセットされた時刻をtとした場合、稼働率算出部35は、上述の(4)の処理でtをtで置き換えた処理を行う。
(5)稼働率算出部35は、上述の(2)、(3)及び(4)の処理を、評価時刻がtとなるまで繰り返す。なお、平均修復時間の代わりに、稼働率算出部35に予め設定された各故障モードの修復時間が用いられても良い。
評価時刻がtに達した場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間を評価時間(t−t)で割った値を、基本事象に対応する稼働率qとして算出する。そして、稼働率算出部35は、同様にして、フォルトツリーに含まれる全ての基本事象について、上述のシミュレーション評価を行い、基本事象に対応する稼働率q、q、・・・、qを算出する。
なお、上述の説明は、モンテカルロ法を用いて、基本事象に対応する構成要素が正常状態又は故障状態間で遷移する時間的な挙動をシミュレーションすることにより、基本事象に対応する稼働率を算出する手順を示したものである。上記の一連の手順から得られる状態遷移挙動(モンテカルロシミュレーションの分野ではこれをヒストリーと呼ぶ)は、確率的に予想されるあらゆるヒストリーの一つである。従って、この一つのヒストリーから算出される稼働率の値は、稼働率の統計的なばらつきの中の1点である。
このため、稼働率の統計的な平均値を評価するためには、稼働率算出部35は、上記の一連の手順において、異なる乱数の発生を多数回繰り返して行い、多数のヒストリーを得た上で、稼働率の統計的な平均値を算出する必要がある。稼働率の統計的な平均値は、ヒストリー数を増すに従って特定の値に収束していく。上述の稼働率の算出のためのシミュレーション評価においては、予め評価すべき稼働率の評価誤差幅が設定され、上記手順の繰り返しが、稼働率の統計的な平均値の収束幅(変動幅)が上記評価誤差幅以下になるまで、行われるのが好ましい。
なお、上述の各基本事象に対応する稼働率の算出において、故障モードの時間tから時間t+dtの間の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子w(t)を1とすると、通常の業務処理件数が時間的に平均して一定とみなした稼働率の算出を行うことができる。
稼働率算出部35は、フォルトツリーの頂上事象に対応するシステム稼働率を、モンテカルロシミュレーションを用いた評価によって算出する。稼働率算出部35は、システム稼働率を以下のようにして算出する。
「システム稼働率の算出」
(1)稼働率算出部35は、評価開始時刻をt=0とし、評価終了時刻をtとした場合に、評価開始時刻tでは、基本事象に対応する故障が発生せず、基本事象に対応するハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素は正常状態であると認識する。即ち、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障が発生する確率F(t)、故障率p(t)は、ともに0と認識する。評価開始時刻から評価終了時刻までの間に、頂上事象に対応するシステムが稼働している時間を示す頂上事象に対応する累積稼働時間を0と認識する。
(2)稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dt(=t)までの間に、基本事象に対応する故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率(基本事象に対応するハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素が故障する確率)をw(t)p(t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素(ハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素)が基本事象に対応する故障状態に遷移したと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間0にdtを加算する。基本事象に対応する故障時間とは、基本事象に対応する構成要素が故障している時間を示すものであり、いったん、構成要素が正常状態に戻ると、0にクリアされる。
稼働率算出部35は、上述の基本事象に対応する故障が発生する確率と、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。
稼働率算出部35は、上述の評価をすべての基本事象に対して行い、評価時刻tから評価時刻t+dt(=t)までの間に、すべての基本事象が故障状態にあるか、正常状態にあるかを認識する。フォルトツリーから、ツリー構造の最下層の各基本事象の状態を表すブール変数の組み合わせによって、頂上事象の状態を表すブール変数が故障状態にあるか正常状態にあるかの論理的な関係を示す所定の関係式が得られる。稼働率算出部35は、この所定の関係式に各基本事象の状態を表すブール変数を代入することによって、頂上事象が故障状態にあるか正常状態にあるかを認識する。
稼働率算出部35は、頂上事象が故障状態に遷移したと認識したときから、頂上事象が正常状態に戻るまでの時間を、頂上事象に対応する累積稼働時間に加算しない。また、稼働率算出部35は、頂上事象が正常状態のままであると認識した場合、頂上事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
(3)次に、稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dt(=t)までの間における基本事象に対応する構成要素の状態遷移について評価する。評価時刻tで基本事象に対応する構成要素が正常状態である場合には、稼働率算出部35は、上と同様の処理を行う。具体的な説明は以下の通りである。
上述と同様にして、稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dtまでの間では、基本事象に対応する構成要素の故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(t)p(t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が故障状態に遷移したと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間にdtを加算する。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。
稼働率算出部35は、上述の評価をすべての基本事象に対して行い、評価時刻tから評価時刻t+dt(=t)までの間に、すべての基本事象が故障状態にあるか、正常状態にあるかを認識する。フォルトツリーから、ツリー構造の最下層の各基本事象の状態を表すブール変数の組み合わせによって、頂上事象の状態を表すブール変数が故障状態にあるか正常状態にあるかの論理的な関係を示す所定の関係式が得られる。稼働率算出部35は、この所定の関係式に各基本事象の状態を表すブール変数を代入することによって、頂上事象が故障状態にあるか正常状態にあるかを認識する。
稼働率算出部35は、頂上事象が故障状態に遷移したと認識したときから、頂上事象が正常状態に戻るまでの時間を、頂上事象に対応する累積稼働時間に加算せず、頂上事象が正常状態のままであると認識した場合、頂上事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
さらに、稼働率算出部35は、評価時刻をt(=t+dt)、t(=t+dt)、・・・、t(=tn−1+dt)、・・・と、dtずつ増加させて、上述の(3)の処理を繰り返す。
なお、稼働率算出部35は、上述の処理と並行して、基本事象に対応する故障時間と、基本事象に対応する故障モードの平均修復時間とを比較し、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達したか否かを判定する。
稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達した場合、基本事象に対応する構成要素は正常状態に戻ったと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間を0にリセットし、故障率及び故障確率も0にリセットする。そして、故障率等がリセットされた時刻をtとした場合、稼働率算出部35は、(4)の処理を行う。
(4)稼働率算出部35は、評価時刻tから評価時刻t+dt(=tm+1)までの間に、基本事象に対応する故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(t)p(t−t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、上述の確率w(t)p(t−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t−t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が基本事象に対応する故障状態に遷移したと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間0にdtを加算する。基本事象に対応する故障時間とは、基本事象に対応する構成要素が故障している時間を示すものであり、いったん、構成要素が正常状態に戻ると、0にクリアされる。
稼働率算出部35は、上述の基本事象に対応する故障が発生する確率と、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(t)p(t−t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。
稼働率算出部35は、上述の評価をすべての基本事象に対して行い、評価時刻tから評価時刻t+dt(=tm+1)までの間に、すべての基本事象が故障状態にあるか、正常状態にあるかを認識する。フォルトツリーから、ツリー構造の最下層の各基本事象の状態を表すブール変数の組み合わせによって、頂上事象の状態を表すブール変数が故障状態にあるか正常状態にあるかの論理的な関係を示す所定の関係式が得られる。稼働率算出部35は、この所定の関係式に各基本事象の状態を表すブール変数を代入することによって、頂上事象が故障状態にあるか正常状態にあるかを認識する。
稼働率算出部35は、頂上事象が故障状態に遷移したと認識したときから、頂上事象が正常状態に戻るまでの時間を、頂上事象に対応する累積稼働時間に加算せず、頂上事象が正常状態のままであると認識した場合、頂上事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
次に、稼働率算出部35は、評価時刻tm+1から評価時刻tm+1+dt(=tm+2)までの間における基本事象に対応する構成要素の状態遷移について評価する。評価時刻tm+1で基本事象に対応する構成要素が正常状態である場合には、稼働率算出部35は、上述と同様の処理を行う。具体的な説明は以下の通りである。
上述と同様にして、稼働率算出部35は、評価時刻tm+1から評価時刻tm+1+dtまでの間では、基本事象に対応する構成要素の故障が発生する時間間隔当たりの故障発生確率をw(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtとする。
稼働率算出部35は、確率w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dt≧rの場合には、構成要素が故障状態に遷移したと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間にdtを加算する。
稼働率算出部35は、上述の確率w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dtと、0から1の範囲で発生した乱数rとを比較し、w(tm+1)p(tm+1−t+dt/2)dt<rの場合には、構成要素が正常状態のままであると認識する。
稼働率算出部35は、上述の評価をすべての基本事象に対して行い、評価時刻tm+1から評価時刻tm+1+dt(=tm+2)までの間に、すべての基本事象が故障状態にあるか、正常状態にあるかを認識する。フォルトツリーから、ツリー構造の最下層の各基本事象の状態を表すブール変数の組み合わせによって、頂上事象の状態を表すブール変数が故障状態にあるか正常状態にあるかの論理的な関係を示す所定の関係式が得られる。稼働率算出部35は、この所定の関係式に各基本事象の状態を表すブール変数を代入することによって、頂上事象が故障状態にあるか正常状態にあるかを認識する。
稼働率算出部35は、頂上事象が故障状態に遷移したと認識したときから、頂上事象が正常状態に戻るまでの時間を、頂上事象に対応する累積稼働時間に加算せず、頂上事象が正常状態のままであると認識した場合、頂上事象に対応する累積稼働時間に時間dtを加算する。
さらに、稼働率算出部35は、評価時刻をtm+3(=tm+2+dt)、tm+4(=tm+3+dt)、・・・、t(=tn−1+dt)、・・・と、dtずつ増加させて、上述の処理を繰り返す。
なお、稼働率算出部35は、上述の処理と並行して、基本事象に対応する故障時間と、基本事象に対応する故障モードの平均修復時間とを比較し、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達したか否かを判定する。
稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間が上記平均修復時間に到達した場合、基本事象に対応する構成要素は正常状態に戻ったと認識する。この場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する故障時間を0にリセットし、故障率及び故障確率も0にリセットする。そして、故障率等がリセットされた時刻をtとした場合、稼働率算出部35は、上述の(4)の処理でtをtで置き換えた処理を行う。
(5)稼働率算出部35は、上述の(2)、(3)及び(4)の処理を、評価時刻がtとなるまで繰り返す。なお、平均修復時間の代わりに、稼働率算出部35に予め設定された各故障モードの修復時間が用いられてもよい。
評価時刻がtに達した場合、稼働率算出部35は、基本事象に対応する累積稼働時間を評価時間(t−t)で割った値を、頂上事象に対応する稼働率であるシステム稼働率qとして算出する。算出されたシステム稼働率qは、システム稼働率判定部36に送られる。
なお、上述の説明は、モンテカルロ法を用いて、頂上事象に対応するシステムが正常状態又は故障状態間で遷移する時間的な挙動をシミュレーションすることにより、頂上事象に対応する稼働率であるシステム稼働率を算出する手順を示したものである。上記の一連の手順から得られる状態遷移挙動(モンテカルロシミュレーションの分野ではこれをヒストリーと呼ぶ)は、確率的に予想されるあらゆるヒストリーの一つである。従って、この一つのヒストリーから算出される稼働率の値は、稼働率の統計的なばらつきの中の1点である。
このため、稼働率の統計的な平均値を評価するためには、稼働率算出部35は、上記の一連の手順において、異なる乱数の発生を多数回繰り返して行い、多数のヒストリーを得た上で、稼働率の統計的な平均値を算出する必要がある。稼働率の統計的な平均値は、ヒストリー数を増すに従って特定の値に収束していく。上述の稼働率の算出のためのシミュレーション評価においては、予め評価すべき稼働率の評価誤差幅が設定され、上記手順の繰り返しが、稼働率の統計的な平均値の収束幅(変動幅)が上記評価誤差幅以下になるまで、行われるのが好ましい。
なお、上述のシステム稼働率の算出において、故障モードの時間tから時間t+dtの間の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子w(t)を1とすると、通常の業務処理件数が時間的に平均して一定とみなしたシステム稼働率の算出を行うことができる。
<システム稼働率判定部>
システム稼働率判定部36は、稼働率算出部35により算出されたシステム稼働率が、情報抽出・入力部11からのシステム稼働率基準値以上であるか否かを判定する稼働率判定部である。システム稼働率判定部36は、算出したシステム稼働率がシステム稼働率基準値より小さい場合には、その旨を示す情報を重要度分析部37に出力する。また、システム稼働率判定部36は、算出したシステム稼働率がシステム稼働率基準値以上の場合には、その旨を示す情報をコスト算出部41に出力する。
<重要度分析部>
重要度分析部37は、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達していないと判定された場合、基本事象に対応する不稼働率(=1−基本事象に対する稼働率)と頂上事象に対応するシステム不稼働率(=1−システム稼働率)との関係に基づいて、システム稼働率の上昇に関係する基本事象を抽出する基本事象抽出部である。具体的な説明は以下の通りである。
重要度分析部37は、入力された上記その旨を示す情報に基づいて、稼働率算出部35により算出されたシステム不稼働率(=1−システム稼働率)に対して、各基本事象(ハードウェア構成要素の故障モード、ソフトウェア構成要素の故障モード)がどの程度影響を与えるかを解析する。例えば、重要度分析部37は、各基本事象の不稼働率(=1−稼働率)の頂上事象のシステム不稼働率(=1−システム稼働率)に対する寄与度(割合)を算出する。そして、重要度分析部37は、算出された寄与度に基づいて、システム不稼働率の減少、即ち、システム稼働率の上昇(改善)に重要な基本事象を抽出し、上記基本事象に対応する構成要素を抽出する。
さらに、重要度分析部37は、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する基本事象(例えば、APサーバ2のAPサーバ2ソフトウェアにおけるOSの障害など)を抽出する。そして、重要度分析部37は、上記基本事象に対応する構成要素(例えば、APサーバ2ソフトウェア)を抽出する。重要度分析部37により抽出された情報は、変更可能性判定部38に送られる。
<変更可能性判定部>
変更可能性判定部38は、重要度分析部37で抽出された基本事象及び構成要素に基づいて、上記基本事象に対応する稼働率の上昇(基本事象に対応する不稼働率の低下)が可能であるか否かを判定する。具体的な説明は以下の通りである。
システム管理データベース2には、各構成要素の故障モードに対応する故障確率の一覧データ(以下、故障確率一覧データという)が格納されている。また、システム管理データベース2には、各構成要素の故障モードに対応する平均修復時間の一覧データ(以下、平均修復時間一覧データという)が格納されている。故障確率一覧データに、所定の構成要素の故障モードに対応する故障確率が記録されている場合には、上記故障確率で機動する構成要素が存在するとする。また、平均修復時間一覧データに、所定の構成要素の故障モードに対応する平均修復時間が記録されている場合には、上記平均修復時間で故障が復旧することが可能であるとする。
変更可能性判定部38は、情報抽出・入力部11を介して送られてきた上記故障確率一覧データを参照して、抽出された基本事象に対応する故障確率(例えば、APサーバ1ソフトウェアX1のOSの障害に対応する故障確率A1)と、故障確率一覧データに記録されている、上記基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する故障確率(例えば、APサーバ1ソフトウェアX2のOSの障害に対応する故障確率B1、APサーバ1ソフトウェアX3のOSの障害に対応する故障確率C1、・・・)とを比較する。なお、APサーバ1ソフトウェアX1、X2,X3は、機能は同じであるが、例えば、製造元が異なっている(機能を実現する性能などが異なる)。
変更可能性判定部38は、故障確率一覧データに含まれる上記基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する故障確率のうち、上記基本事象に対応する現在の故障確率より小さいものがあるか否かを判定する。変更可能性判定部38は、上記基本事象に対応する現在の故障確率より小さいものがある場合には、上記基本事象に対応する稼働率の上昇(上記基本事象に対応する不稼働率の低下)が可能であると判定し、故障情報再設定部40に、稼働率の上昇(不稼働率の低下)に関係する上記基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する故障確率を出力する。一方、変更可能性判定部38は、上記基本事象に対応する現在の故障確率より小さいものがない場合には、以下の処理を行う。
変更可能性判定部38は、情報抽出・入力部11を介して送られてきた上記平均修復時間一覧データを参照して、抽出された基本事象に相当する故障モードの現在の平均修復時間と、一覧データに記録されており上記基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する平均修復時間とを比較し、一覧データに含まれる上記基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する平均修復時間のうち、上記基本事象に相当する故障モードの現在の平均修復時間より小さいものがあるか否かを判定する。
変更可能性判定部38は、小さいものがある場合には、上記基本事象に対応する稼働率の上昇( 上記基本事象に対応する不稼働率の低下)が可能であると判定し、故障情報再設定部40に、稼働率の上昇(不稼働率の低下)に関係する上記基本事象に相当する故障モードの平均修復時間を出力する。
一方、変更可能性判定部38は、故障確率一覧データのなかに、上記基本事象に対応する現在の故障確率より小さいものがなく、平均修復時間一覧データのなかに、上記基本事象に対応する故障モードの現在の平均修復時間より小さいものがない場合には、抽出された基本事象に対応する不稼働率の低下が可能でないことを示す情報をシステム構成再設定部39に出力する。
<システム構成再設定部>
システム構成再設定部39は、抽出された基本事象に対応する不稼働率の低下が可能でないと変更可能性判定部38によって判定された場合に、新たなシステム構成情報及び新たな故障モードに対応する故障に関する故障情報を情報抽出・入力部11に再設定する。このシステム構成再設定部39は、第1再設定部の一部を構成する。具体的な説明は以下の通りである。
システム構成再設定部39は、システムの評価者により入力された新たなシステム構成、新たなシステム機能構成情報21、新たな信頼性関連情報22、新たなシステム基準情報24、及び新たなコスト関連情報25を情報抽出・入力部11に再設定する。その後、上述したように、フィールドデータ分析部31による処理以降の処理が行われる。
<故障情報再設定部>
故障情報再設定部40は、抽出された基本事象に対応する不稼働率の低下が可能であると判定された場合に、抽出された基本事象に対応する故障モードの新たな故障確率又は新たな平均修復時間を稼働率算出部35に再設定する。この故障情報再設定部40は、第1再設定部の一部を構成する。具体的な説明は以下の通りである。
故障情報再設定部40は、基本事象に相当する構成要素の故障モードに対応する故障確率が変更可能性判定部38から入力された場合、上記故障確率を稼働率算出部35に再設定する。この場合、稼働率算出部35は、各基本事象に対応する故障確率を保持しており、故障情報再設定部40により上記基本事象に対応する故障確率が再設定された場合に、再設定された基本事象に対応する故障確率と、上記基本事象以外の基本事象の故障確率とに基づいて、システム稼働率の算出を行う。その後、上述したようなシステム稼働率の算出が行われた後の処理が再度行われる。
また、故障情報再設定部40は、基本事象に相当する故障モードに対応する平均修復時間が変更可能性判定部38から入力された場合、上記平均修復時間を、稼働率算出部35に再設定する。この場合、稼働率算出部35は、各基本事象に対応する平均修復時間を保持しており、故障情報再設定部40により上記基本事象に対応する平均修復時間が再設定された場合、再設定された基本事象に対応する平均修復時間と、上記基本事象以外の基本事象の平均修復時間とに基づいて、システム稼働率の算出を行う。その後、上述したようなシステム稼働率の算出が行われた後の処理が再度行われる。
<コスト算出部>
コスト算出部41は、システム稼働率判定部36により、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達していると判定された場合、情報システムに含まれる構成要素の設備費の総和を算出するとともに、稼働率算出部35により算出されたシステム稼働率と、システム停止損害額と、情報システムの運用期間とに基づいて、営業損害額期待値を算出し、上記総和と営業損害額期待値との和をコストとして算出する。具体的な説明は以下の通りである。
コスト算出部41は、情報抽出・入力部11から送られたコスト関連情報25とシステム稼働率基準値とに基づいて、以下の処理を行う。コスト算出部41は、まず、コスト関連情報25に含まれる各構成要素の設備費の総和を算出する。次に、コスト算出部41は、算出されたシステム稼働率と、システム停止損害額と、運用期間とに基づいて、情報システムを所定期間運用させる場合にシステム停止による営業上の損害額の期待値を示す営業損害額期待値を算出する。コスト算出部41は、算出したコストをコスト判定部42に出力する。営業損害額期待値は、例えば、以下の数4式で表される。
〔数4〕
営業損害額期待値=(1−算出されたシステム稼働率)×システム停止損害額×運用期間
<コスト判定部>
コスト判定部42は、算出されたコストと、情報抽出・入力部11から送られたコスト許容値とを比較し、コストがコスト許容値より小さい場合には、システム稼働率基準値及びコスト許容値を満たすシステム構成などの情報を情報出力部13に出力する。これにより、情報出力部13から出力されたシステム構成などの情報は、ユーザ端末3により表示される。コスト判定部42は、コストがコスト許容値より大きい場合には、その旨を示す情報をコスト情報再設定部43に出力する。
<コスト情報再設定部>
コスト情報再設定部43は、計算されたコストがコスト許容値を超えていると判定された場合には、新たなコスト許容値、新たなシステム稼働率基準値、新たなシステム構成情報(例えば、新たなシステム機能構成情報21、システム基準情報24のうち新たなシステム構成、新たなコスト関連情報25)、及び新たな故障モードに対応する故障に関する故障情報(例えば、新たな信頼性関連情報22)のうち、いずれか1以上の情報を情報抽出・入力部11に再設定する第2再設定部である。具体的な説明は以下の通りである。
コスト情報再設定部43は、例えば、情報出力部13に、新たなコスト許容値、システム稼働率基準値、及び新たなシステムに関する情報のうち、いずれかの情報を入力するように指示する情報を出力させる。ユーザがユーザ端末3により、いずれかの情報を入力すると、コスト情報再設定部43に出力される。
コスト情報再設定部43は、新たなコスト許容値が入力された場合には、新たなコスト許容値を情報抽出・入力部11に再設定する。これにより、新たなコスト許容値は、コスト判定部42に送られ、新たなコスト許容値に基づいて、コスト判定部42による処理が再度行われる。
コスト情報再設定部43は、新たなシステム稼働率基準値が入力された場合には、上記新たなシステム稼働率基準値を情報抽出・入力部11に再設定する。これにより、新たなシステム稼働率基準値は、システム稼働率判定部36に送られ、新たなシステム稼働率基準値に基づいて、システム稼働率判定部36による処理以降の処理が行われる。
コスト情報再設定部43は、新たなシステムに関する情報が入力された場合には、この情報を情報抽出・入力部11に再設定する。そして、上述したように、フィールドデータ分析部31による処理以降の処理が行われる。
(信頼性評価方法)
次に、上述した構成を有する信頼性評価システムを用いた信頼性評価方法を以下に説明する。この信頼性評価は情報システムの運用中に行われる。なお、信頼性評価方法の説明において、上述の信頼性評価システムにおける説明と同じ説明は省略する。
まず、情報システムの信頼性の評価を行う評価者は、定期的に、ユーザ端末3を用いて、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードの故障間隔、修復時間の実測値を入力すると共に、情報システムの業務処理件数の時間変動の実測値を入力する。
情報処理・演算部12は、故障モードの故障間隔及び修復時間の実測値を信頼性関連情報22としてシステム管理データベース2に格納する。また、情報処理・演算部12は、情報システムの業務処理件数の時間変動の実測値を業務処理関連情報23としてシステム管理データベース2に格納する。
上述の処理と並行して、以下の信頼性評価が行われる。
図15は、上述した構成を有する信頼性評価システムを用いた信頼性評価方法を説明するためのフローチャート図である。
図15に示すように、ステップS10では、評価者が、ユーザ端末3を用いて、情報システムの信頼性評価の指示を入力する。この際、情報システムを特定する情報も入力される。
ステップS11では、情報抽出・入力部11が、情報システムの信頼性評価の指示に基づいて、システム管理データベース2から、上記情報システムを特定する情報に対応する業務処理関連情報23を抽出する。これにより、業務処理関連情報23が情報抽出・入力部11に入力される。
ステップS12では、業務処理件数データ分析部34が、入力された情報に基づいて、情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データに関する情報の分析結果として、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子を算出する。なお、業務処理件数データ分析部34は、情報抽出・入力部11から入力された情報を保持するとともに、算出した各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかかる重み因子を保持する。
ステップS15では、情報抽出・入力部11が、情報システムの信頼性評価の指示に基づいて、システム管理データベース2から、上記情報システムを特定する情報に対応するシステム機能構成情報21、信頼性関連情報22、システム基準情報24及びコスト関連情報25を抽出する。これにより、システム機能構成情報21などの情報が情報抽出・入力部11に入力される。
ステップS20では、フィールドデータ分析部31が、入力された情報に基づいて、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素における故障モードの障害情報の分析結果として、故障モードの故障確率及び平均修復時間を算出する。なお、フィールドデータ分析部31は、情報抽出・入力部11から入力された情報を保持するとともに、算出した故障確率及び平均修復時間を保持する。
ステップS25では、フォルトツリー作成部32が、システム機能構成情報21、及びシステム基準情報24に含まれるシステム構成に基づいて、上述したフォルトツリーを作成する。
ステップS30では、フォルトツリー−ロジック変換部33が、作成されたフォルトツリー、数2式及び数3式を用いて、フォルトツリーのデータを、頂上事象の状態を表すブール変数Yに関する所定の関係式に変換する。
ステップS35では、稼働率算出部35が、フィールドデータ分析部31により算出された各故障モードの故障確率、平均修復時間、及び業務処理件数データ分析部34により算出されたハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子に基づいて、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の故障モードに対応する不稼働率(1−稼働率)を算出する。そして、稼働率算出部35は、基本事象の状態を表すブール変数Yjと、頂上事象の状態を表すブール変数Yに関する所定の関係式とに基づいて、頂上事象に対応するシステム稼働率を算出する。ここで、稼働率算出部35は、算出した各基本事象に対応する不稼働率及びシステム稼働率、各基本事象に対応する故障確率及び平均修復時間を保持する。
ステップS40では、システム稼働率判定部36が、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値以上であるか否かを判定する。算出したシステム稼働率がシステム稼働率基準値より小さいと判定された場合には、ステップS45の処理が行なわれ、算出したシステム稼働率がシステム稼働率基準値以上と判定された場合には、ステップS70の処理が行われる。
ステップS45では、重要度分析部37が、システム稼働率の上昇に関係する基本事象を抽出し、この基本事象に対応する構成要素も抽出する。
ステップS50では、変更可能性判定部38が、抽出された基本事象及び構成要素に基づいて、上記基本事象に対応する稼働率の上昇(基本事象に対応する不稼働率の低下)が可能であるか否かを判定する。上記稼働率の上昇が可能であると判定された場合には、ステップS55の処理が行われ、上記稼働率の上昇が可能でないと判定された場合には、ステップS60の処理が行われる。
ステップS55では、故障情報再設定部40が、抽出された基本事象に対応する新たな故障確率又は新たな平均修復時間を稼働率算出部35に再設定する。抽出された基本事象に対応する新たな故障確率を稼働率算出部35に再設定された場合には、稼働率算出部35は、保持している各基本事象に対応する故障確率のうち、抽出された基本事象に対応する故障確率を、新たな故障確率に書き換える。そして、稼働率算出部35は、抽出された基本事象に対応する新たな故障確率と、抽出された基本事象以外の基本事象の故障確率(保持していた情報)とに基づいて、再度ステップS35におけるシステム稼働率の算出処理を行う。その後、ステップS40以降の処理が行われる。
抽出された基本事象に対応する新たな平均修復時間を稼働率算出部35に再設定された場合には、稼働率算出部35は、保持している各基本事象に対応する平均修復時間のうち、抽出された基本事象に対応する平均修復時間を新たな平均修復時間に書き換える。そして、稼働率算出部35は、抽出された基本事象に対応する新たな平均修復時間と、抽出された基本事象以外の基本事象の平均修復時間(保持していた情報)とに基づいて、再度ステップS35におけるシステム稼働率の算出処理を行う。その後、ステップS40以降の処理が行われる。
ステップS60では、システム構成再設定部39が、評価者により入力された新たなシステム構成、新たなシステム機能構成情報21、新たな信頼性関連情報22、新たなシステム基準情報24及び新たなコスト関連情報25を情報抽出・入力部11に再設定する。具体的には、システム構成再設定部39は、ユーザ端末3に、新たなシステム構成等の情報を入力するように指示する情報を表示させる。評価者が、ユーザ端末3を用いて、新たなシステム構成等の情報を入力すると、システム構成再設定部39に出力される。
新たなシステム構成等の情報が情報抽出・入力部11に再設定された場合、情報抽出・入力部11は、再設定された情報(新たなシステム構成、新たなシステム機能構成情報21、新たな信頼性関連情報22、新たなシステム基準情報24及び新たなコスト関連情報25)をフィールドデータ分析部31に出力する。そして、ステップS20以降の処理が再度行われる。
ステップS70では、コスト算出部41が、上述したコストを算出する。図17はコスト算出部41による算出処理の詳細なフローチャート図である。図17に示すように、ステップS71では、コスト算出部41は、コスト関連情報25に含まれる各構成要素の設備費の総和を算出する。ステップS72では、コスト算出部41は、営業損害額期待値を算出する。ステップS73では、コスト算出部41は、各構成要素の設備費の総和と、営業損害額期待値との和をコストとして算出する。
ステップS75では、コスト判定部42が、算出されたコストがコスト許容値を超えているか否かを判定し、算出されたコストがコスト許容値を超えていない場合には、ステップS90の処理が行われ、算出されたコストがコスト許容値を超えている場合には、ステップS80の処理が行われる。
ステップS80では、コスト情報再設定部43が、評価者により入力された新たなコスト許容値、システム稼働率基準値、新たなシステムに関する情報(新たなシステム構成及び新たなシステム機能構成情報21、新たな信頼性関連情報22、新たなシステム基準情報24及び新たなコスト関連情報25のうち、いずれかの情報を情報抽出・入力部11に再設定する。
新たなコスト許容範囲が情報抽出・入力部11に再設定された場合には、情報抽出・入力部11は、新たなコスト許容範囲をコスト判定部42に出力する。コスト判定部42は、算出されたコストと、新たなコスト許容範囲とを用いた判定処理を再度行う。
新たなシステム稼働率基準値が情報抽出・入力部11に再設定された場合には、情報抽出・入力部11は、上記新たなシステム稼働率基準値をシステム稼働率判定部36に出力する。システム稼働率判定部36は、算出されたシステム稼働率と、上記新たなシステム稼働率基準値とを用いた判定処理を再度行う。その後、ステップS45以降の処理又はステップS70以降の処理が行われる。
新たなシステムに関する情報が入力された場合には、この情報は、情報抽出・入力部11に再設定される。そして、上述したように、再設定された情報に基づいて、ステップS20以降の処理が行われる。
ステップS90では、情報出力部13が、ユーザ端末3に、システム機能構成情報21、システム基準情報24及び業務処理関連情報23などの情報を出力する。これにより、ユーザ端末3には、システム機能構成情報21、システム基準情報24などの情報(システム稼働率基準値及びコスト許容値を満たす情報システムの構成に関する情報)、及び業務処理関連情報23が表示される。
(本発明の実施形態に係る作用効果)
本発明の実施形態によれば、情報抽出・入力部11に入力される信頼性評価に必要な情報には、業務処理関連情報23として、情報システムの業務処理件数の時間変動データに関する情報が含まれている。そして、情報抽出・入力部11に入力された情報に基づいて、フィールドデータ分析部31からシステム稼働率判定部36までの処理が行われる。この際、業務処理件数データ分析部34は、情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データに関する情報に基づいて、ハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子を算出する。そして、稼働率算出部35は、フィールドデータ分析部31による分析結果(算出された各故障モードの故障確率、平均修復時間)及び業務処理件数データ分析部34による分析結果(算出されたハードウェア構成要素(又はソフトウェア構成要素)の故障モードの各時刻の時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子)に基づいて、頂上事象に対応する稼働率をシステム稼働率として算出する。このようにシステムの業務処理件数の時間変動による故障発生確率の変動も考慮して、システム稼働率を算出することができる。
その後、システム稼働率判定部36により、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達していないと判定された場合には、重要度分析部37から変更可能性判定部38までの処理の後、システム構成再設定部39又は故障情報再設定部40による処理が行われる。システム構成再設定部39の処理が行われた場合には、再設定された情報に基づいて、フィールドデータ分析部31からシステム稼働率判定部36までの処理が行われる。また、故障情報再設定部40の処理が行われた場合には、再設定された情報に基づいて、稼働率算出部35からシステム稼働率判定部36までの処理が行われる。そして、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達するまで、上述の処理の繰り返しが可能となる。
このようにして、情報システムの業務処理件数の時間変動による故障発生確率の変動も考慮して、システム稼働率の評価が行われるので、構成要素の修復時間が業務処理件数の集中する業務集中時間帯の間隔の近傍で変化したときのシステム稼働率の急激な変化を評価することができる。これにより、評価されたシステム稼働率に対応するシステム機能構成情報21やシステム基準情報24に従って、情報システムの構成を変更して運用させたときに、システム稼働率がシステム稼働率基準値を下回ってしまう事態は回避される。この結果、情報システムの設計のやり直しが多くなる事態が回避され、情報システムの設計者の負担は軽減される。従って、本実施形態によれば、システム稼働率を良好にするとともに、情報システムの設計を行う設計者の負担の軽減を可能にすることができる。
また、システム信頼性の評価を行う者は、情報システムの運用に関連するソフトウェアを構成するプログラム内容が理解できれば、プログラム内容と情報システムの故障との関係を知ることができ、この関係により、システム稼働率の評価を行うことができたが、実際には、ソフトウェアのプログラム内容を理解できる場合は少ない。そのため、通常、ソフトウェアを考慮して、システム稼働率の評価は行われておらず、ソフトウェアの故障事象も考慮してシステム稼働率の評価を行う場合には、システム信頼性の評価を行う者は、ソフトウェアのプログラム内容を理解する必要がある。このため、上記評価を行う者の負担が増加してしまうが、本実施形態によれば、ソフトウェアを構成するプログラム内容がわからなくとも、ハードウェアの故障事象だけでなくソフトウェアの故障事象も考慮してシステム稼働率の評価を行うことが可能であるので、システム信頼性の評価を行う者の負担を軽減させることができる。
さらに、本実施形態によれば、フィールドデータ分析部31は、情報抽出・入力部11により入力された情報のうち、故障モードに対応する故障に関する故障情報(例えば、障害情報)を、機器群及び故障モードごとに分類し、その分類結果に基づいて上記分析を行うので、故障モードごとに分析処理を行う際に、分析処理と関係ない情報に関する処理を行わずにすみ、分析処理を速やかに行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、フィールドデータ分析部31は、ワイブル分布を用いて故障モードの故障確率を算出するので、故障モードの故障確率を算出する処理が速やかに行われ、その結果として、構成要素の不稼働率とシステム稼働率も速やかに算出することが可能となる。また、構成要素として、ソフトウェアとハードウェアとを区別することなく、故障モードの故障確率の算出が可能となるので、ソフトウェアとハードウェアとを区別して、故障モードの故障確率の算出を行う場合に比べて、フィールドデータ分析部31の負荷を軽減させることができる。
またさらに、本実施形態によれば、システム稼働率判定部36により、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達していると判定された場合、コスト算出部41は、情報システムに含まれる構成要素の設備費の総和と、営業損害額期待値とを算出し、算出した営業損害額期待値と情報システムに含まれる構成要素の設備費の総和との和をコストとして算出し、コスト判定部42は、算出されたコストがコスト許容値を超えているか否かを判定し、算出されたコストがコスト許容値を超えていると判定された場合には、コスト情報再設定部43は、新たなコスト許容値、新たなシステム稼働率の基準値、新たなシステム構成情報、及び新たな故障モードに対応する故障に関する故障情報のうち、いずれかの情報を情報抽出・入力部11に再設定する。そして、再設定された情報に基づいて、システム稼働率判定部36による処理、及びコスト判定部42による処理が行われ、算出されたシステム稼働率がシステム稼働率基準値に達するとともに、算出されたコストがコスト許容値内に抑えられるまで、上述の処理の繰り返しが可能となる。このため、システム稼働率を良好にするとともに、システムの実現や運用に必要なコストを抑えるようなシステムの提供が可能となる。
(本発明の実施形態の変更例)
(1)なお、上述の実施形態において、フィールドデータ分析部31は、故障モードの故障確率の算出を以下のように行ってもよい。システム管理データベース2には、各故障モードごとに、故障モードの故障間隔(τ、τ、・・・)と、この故障間隔に対応付けられた故障確率(f(τ),f(τ)、・・・)の実測値データ(但し、シミュレーションなどにより算出されたデータでもよい)とが格納されている。フィールドデータ分析部31は、情報抽出・入力部11により入力された故障モードの故障間隔(τ、τ、・・・)と、この故障間隔に対応付けられた故障確率(f(τ),f(τ)、・・・)の実測値データとに基づいて、故障モードの故障確率の分布関数(F(τ))を推定し、故障モードの故障確率を算出するようにしてもよい。
本変更例によれば、フィールドデータ分析部31は、故障モードの故障間隔と故障確率との関係を示すデータ(例えば、実測値データなど)を用いて、故障モードの故障確率を算出するので、故障モードの故障確率がより正確に算出され、その結果として、構成要素の不稼働率もより正確に算出することが可能となる。
(2)また、上述の実施形態において、上述の情報システムの信頼性評価システムは、情報システムの運用中に動作しているが、これに限定されず、情報システムの設計段階に動作するようにしてもよい。この場合、システム基準情報24のうち、システム構成はシステム構成案であり、システム稼働率基準値はシステム稼働率の設計基準値である。また、信頼性関連情報22は、情報システムの運用中に取得された実測値ではなく、予め設定された仕様値やシミュレーションなどで得られた予測値である。
(3)さらに、上述の実施形態において、情報抽出・入力部11がシステム管理データベース2から信頼性評価に必要な情報を抽出するようにしているが、これに限定されず、情報抽出・入力部11には、信頼性評価に必要な情報がユーザ端末3により入力されるようにしてもよい。また、図4及び図5に示す分類テーブルに含まれる障害情報には、故障モードの保守に関する情報が含まれていてもよい。そして、この保守に関する情報に基づいて、上述の平均修復時間が算出されてもよい。
(4)また、上述の実施形態において、変更可能性判定部38は、以下のような処理を行うようにしてもよい。変更可能性判定部38は、抽出された基本事象の構成要素に対応する現在の故障確率より低い故障確率を持つ構成要素が存在するか否かを問い合わせる情報をユーザ端末3に表示させる。
ユーザ端末3には、上記現在の故障確率より低い故障確率を持つ構成要素が存在する場合、その旨を示す情報、構成要素及び故障確率が入力される。ユーザ端末3には、上記現在の故障確率より低い故障確率を持つ構成要素が存在しない場合には、その旨を示す情報が入力される。ユーザ端末3に入力された情報に基づいて、変更可能性判定部38は、抽出された基本事象に対応する構成要素に対応する現在の故障確率より低い故障確率を持つ構成要素が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
同じく、変更可能性判定部38は、抽出された基本事象に対応する構成要素の故障モードに対応する現在の平均修復時間より短い平均修復時間の構成要素が存在するか否かを問い合わせる情報をユーザ端末3に表示させ、上述と同様にして、ユーザ端末3に入力された情報に基づいて、変更可能性判定部38は、抽出された基本事象に対応する構成要素の故障モードに対応する現在の平均修復時間より短い平均修復時間の構成要素が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
(5)またさらに、上述の実施形態では、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素に関する各種の情報(システム機能構成情報21、構成要素の故障モードに関する情報、コスト関連情報25)を用いて、上述の信頼性評価を行っているが、これに限定されず、ハードウェア構成要素により構成される構成要素群、ソフトウェア構成要素による構成される構成要素群に関する各種の情報を用いて、上述の信頼性評価を行うようにしてもよい。
例えば、ハードウェア構成要素がAPサーバ1のCPU、メモリ及びハードディスクである場合には、ハードウェア構成要素により構成される構成要素群とは、APサーバ1やAPサーバ群のことである。例えば、ソフトウェア構成要素がAPサーバ1ソフトウェアを構成するAPサーバ1ソフトウェア1、APサーバ1ソフトウェア2、・・・の場合には、ソフトウェア構成要素により構成される構成要素群とは、APサーバ1ソフトウェアのことである。また、構成要素に関する各種の情報(システム機能構成情報21、構成要素の故障モードに関する情報、及びコスト関連情報25など)と、構成要素群に関する各種の情報(システム機能構成情報21、構成要素群の故障モードに関する情報、及びコスト関連情報25など)とに基づいて、上述の信頼性評価が行われてもよい。
このようにして、構成要素単位の故障に関するデータがない場合でも、構成要素群単位の故障に関するデータがあれば、上述の信頼性評価が可能となるので、信頼性評価のための故障に関する詳細な情報がない場合に信頼性評価ができないといった事態を回避することができる。
(6)上述の実施形態では、コスト算出部41は、コストとして、各構成要素の設備費の総和と営業損害額期待値との和を算出しているが、これに限定されず、コストとして各構成要素の設備費の総和だけを算出するようにしてもよい。そして、コスト情報再設定部43は、新たなコスト許容範囲、新たなシステムに関する情報(新たなシステム構成及び新たなシステム機能構成情報21、新たな信頼性関連情報22、新たなシステム基準情報24、新たなコスト関連情報25)のうち、いずれか1つ以上の情報を情報抽出・入力部11に再設定するようにしてもよい。
(7)上述の実施形態では、業務処理関連情報23として、時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データを用いているが、これに限定されず、例えば、時間間隔当たりのアクセス数や時間間隔当たりのデータ処理量等の時間変動データを用いてもよい。
(8)上述の実施形態では、ダイヤグラムとしてフォルトツリーを用いているが、これに限定されず、情報システムの故障モードを示す頂上事象から、構成要素又は構成要素群の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムであればよく、図17に示すように、信頼性ブロック図を用いるようにしてもよい。
ここで、図17は、図7に示す本実施形態のフォルトツリー作成部32により作成されたWEBサーバ1ソフトウェアの機能喪失に関するフォルトツリーの一例を信頼性ブロック図で表した例を示す模式図である。図17では、WEBサーバ1ソフトウェアのOS、WEBサーバ1ソフトウェアのアプリケーション、WEBサーバ1ソフトウェアのミドルウェア、WEBサーバ1ソフトウェアのユーザの入力が直列に接続されている。WEBサーバ1ソフトウェアの正常動作は、WEBサーバ1ソフトウェアのOS、WEBサーバ1ソフトウェアのアプリケーション、WEBサーバ1ソフトウェアのミドルウェア、WEBサーバ1ソフトウェアのユーザの入力がすべて正常動作した場合に達成される論理関係が示されている。
即ち、図17に示す信頼性ブロック図は、WEBサーバ1ソフトウェアのOS、WEBサーバ1ソフトウェアのアプリケーション、WEBサーバ1ソフトウェアのミドルウェア、WEBサーバ1ソフトウェアのユーザの入力の何れかで障害もしくはミスが発生して機能喪失すると、WEBサーバ1ソフトウェアの機能喪失が発生することを表しており、図7に示すフォルトツリーと等価な論理関係を表している。
(信頼性評価プログラム)
コンピュータは、情報システムの信頼性評価プログラム(以下、信頼性評価プログラムという)を実行することにより、本実施形態及びその変更例の情報システムの信頼性評価システムにおける処理を行うことができる。即ち、信頼性評価プログラムは、本実施形態及びその変更例の情報抽出・入力部11、情報処理・演算部12及び情報出力部13の各機能をコンピュータに実行させるプログラムである。このような信頼性評価プログラムによれば、本実施形態及びその変更例で示した作用効果を奏する信頼性評価システムを一般的な汎用コンピュータで容易に実現することができる。
また、信頼性評価プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。この記録媒体としては、図18に示すように、例えば、ハードディスク1100、フレキシブルディスク1200、コンパクトディスク1300、ICチップ1400、カセットテープ1500がある。このような信頼性評価プログラムを記録した記録媒体によれば、プログラムの保存、運搬、販売などを容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態及びその変更例の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各部の具体的構成等は、適宜変更可能である。また、実施形態やその変更例に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施形態やその変更例に記載されたものに限定されるものではない。
本実施形態に係る信頼性評価システムの機能構成を示すブロック図である。 図1に示す信頼性評価システムが備えるシステム評価部を構成する情報抽出・入力部に入力される情報を示す図である。 図1に示す信頼性評価システムが備えるシステム評価部を構成する情報処理・演算部の処理機能構成を示すブロック図である。 ハードウェア構成要素の故障モードに対応する障害情報がサーバ群及び故障モードに対応付けられて分類された分類テーブルを示す図である。 ソフトウェア構成要素の故障モードに対応する障害情報がサーバ群及び故障モードに対応付けられて分類された分類テーブルを示す図である。 図3に示す情報処理・演算部を構成するフォルトツリー作成部により作成されたフォルトツリーの一例を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図6に示すフォルトツリーの一部を示す図である。 図3に示す情報処理・演算部を構成する業務処理件数データ分析部により生成された業務処理件数の時間変動テーブルを示す図である。 図3に示す情報処理・演算部を構成する業務処理件数データ分析部により算出された重み因子の時間変動テーブルを示す図である。 本実施形態に係る信頼性評価方法を説明するためのフロー図である。 本実施形態に係るコストの算出処理を説明するためのフロー図である。 図7に示すフォルトツリーの一部を信頼性ブロック図で示した図である。 本実施形態及びその変更例のプログラムを格納する記録媒体を示す図である。 情報システムの業務処理件数の時間変動データの一例として株式のオンライン取引システムの業務処理件数の時間変動データを示す図である。
符号の説明
11…情報入力部(情報抽出・入力部)、21…システム機能構成情報、22…信頼性関連情報、23…業務処理関連情報、24…システム基準情報、25…コスト関連情報、31…故障情報分析部(フィールドデータ分析部)、32…ダイヤグラム作成部(フォルトツリー作成部)、34…業務処理情報分析部(業務処理件数データ分析部)、35…稼働率算出部、36…稼働率判定部(システム稼働率判定部)、37…基本事象抽出部(重要度分析部)、38…変更可能性判定部、39,40…第1再設定部(システム構成再設定部,故障情報再設定部)、41…コスト算出部、42…コスト判定部、43…第2再設定部(コスト情報再設定部)


Claims (19)

  1. 機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報が入力される情報入力部と、
    前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析部と、
    前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成部と、
    前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析部と、
    前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出部と、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定部と、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出部と、
    同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定部と、
    抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定部と、
    を備えることを特徴とする情報システムの信頼性評価システム。
  2. 前記業務処理情報には、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データが含まれており、
    前記業務処理情報分析部は、前記時間変動データを分析し、前記構成要素の故障モードの時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子を算出し、前記業務処理分析情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  3. 前記故障情報分析部は、前記故障確率に基づいて前記単位時間間隔当たりの前記故障発生確率を算出し、前記故障発生確率を更に含む前記故障分析情報を取得し、
    前記稼働率算出部は、前記故障情報分析部により取得された前記故障発生確率に、前記業務処理情報分析部により取得された前記重み因子をかけ、前記重み因子をかけた前記故障発生確率を用いて、前記基本事象の稼働率及び前記システム稼働率を算出することを特徴とする請求項2に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  4. 前記故障情報分析部は、前記情報システムに含まれる複数の前記機器が処理機能別に分類された機器の集合を示す機器群及び前記構成要素の故障モードごとに、前記情報入力部に入力された前記故障情報を分類し、その分類結果に基づいて前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  5. 前記情報入力部に入力される前記故障情報には、前記構成要素の故障モードの故障間隔が含まれており、
    前記故障情報分析部は、前記情報入力部に入力された前記構成要素の故障モードの故障間隔と、その故障間隔に対する故障確率の分布を示すワイブル分布とに基づいて、前記構成要素の故障モードの故障確率を算出し、前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  6. 記故障情報分析部は、前記情報入力部に入力された前記故障情報に含まれる前記構成要素の故障モードの故障間隔及び修復時間に基づいて、前記故障間隔に対する故障確率の分布を算出し、その故障確率の分布に基づいて、前記構成要素の故障モードの故障確率を算出し、前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  7. 前記情報入力部には、前記構成要素のために必要なコストを示す設備費と、前記情報システムのために必要なコストの許容範囲を示すコスト許容値とが入力され、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していると判定された場合、前記構成要素の設備費の総和をコストとして算出するコスト算出部と、
    算出されたコストが前記コスト許容値を超えているか否かを判定するコスト判定部と、
    算出されたコストが前記コスト許容値を超えていると判定された場合、新たな前記故障情報、新たな前記システム構成情報及び新たな前記コスト許容値のいずれか1以上の情報を前記情報入力部に再設定する第2再設定部と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  8. 前記情報入力部には、前記情報システムが単位期間停止したことによる営業上の損害額を示す営業損害額と、前記情報システムの運用期間とが入力され、
    前記コスト算出部は、算出された前記システム稼働率と前記営業損害額と前記運用期間とに基づいて前記営業損害額の期待値を示す営業損害額期待値を算出し、算出した前記営業損害額期待値と前記設備費の総和との和を前記コストとして算出し、
    前記第2再設定部は、算出された前記コストが前記コスト許容値を超えていると判定された場合、新たな前記故障情報、新たな前記システム構成情報、新たな前記基準値及び新たな前記コスト許容値のいずれか1以上の情報を前記情報入力部に再設定することを特徴とする請求項7に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  9. 前記ダイヤグラムはフォルトツリー又は信頼性ブロック図であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価システム。
  10. 機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報を入力する情報入力を行い、
    前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析を行い、
    前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析を行い、
    前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成を行い、
    前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出を行い、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定を行い、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出を行い、
    同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定を行い、
    抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定を行い、
    抽出された前記基本事象に対応する新たな前記故障分析情報が再設定された場合、前記稼働率算出以降の処理を行い、新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報が再設定された場合、前記故障情報分析以降の処理を行うことを特徴とする情報システムの信頼性評価方法。
  11. 前記業務処理情報には、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数の時間変動データが含まれており、
    前記業務処理情報分析では、前記時間変動データを分析し、前記構成要素の故障モードの時間間隔当たりの故障発生確率にかける重み因子を算出し、前記業務処理分析情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  12. 前記故障情報分析では、前記故障確率に基づいて前記単位時間間隔当たりの前記故障発生確率を算出し、前記故障発生確率を更に含む前記故障分析情報を取得し、
    前記稼働率算出では、前記故障情報分析部により取得された前記故障発生確率に、前記業務処理情報分析部により取得された前記重み因子をかけ、前記重み因子をかけた前記故障発生確率を用いて、前記基本事象の稼働率及び前記システム稼働率を算出することを特徴とする請求項11に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  13. 前記故障情報分析では、前記情報システムに含まれる複数の前記機器が処理機能別に分類された機器の集合を示す機器群及び前記構成要素の故障モードごとに、前記情報入力部に入力された前記故障情報を分類し、その分類結果に基づいて前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  14. 前記情報入力部に入力される前記故障情報には、前記構成要素の故障モードの故障間隔が含まれており、
    前記故障情報分析では、前記情報入力部に入力された前記構成要素の故障モードの故障間隔と、その故障間隔に対する故障確率の分布を示すワイブル分布とに基づいて、前記構成要素の故障モードの故障確率を算出し、前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  15. 記故障情報分析では、前記情報入力部に入力された前記故障情報に含まれる前記構成要素の故障モードの故障間隔及び修復時間に基づいて、前記故障間隔に対する故障確率の分布を算出し、その故障確率の分布に基づいて、前記構成要素の故障モードの故障確率を算出し、前記故障分析情報を取得することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  16. 前記情報入力では、前記構成要素のために必要なコストを示す設備費と、前記情報システムのために必要なコストの許容範囲を示すコスト許容値とが入力され、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していると判定された場合、前記構成要素の設備費の総和をコストとして算出するコスト算出を行い、
    算出されたコストが前記コスト許容値を超えているか否かを判定するコスト判定を行い、
    算出されたコストが前記コスト許容値を超えていると判定された場合、新たな前記故障情報、新たな前記システム構成情報及び新たな前記コスト許容値のいずれか1以上の情報を再設定する第2再設定を行い、
    新たな前記コスト許容値が再設定された場合、前記コスト算出以降の処理を行い、新たな前記システム構成情報及び新たな前記故障情報が再設定された場合、前記情報分析以降の処理を行うことを特徴とする請求項10ないし15のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  17. 前記情報入力では、前記情報システムが単位期間停止したことによる営業上の損害額を示す営業損害額と、前記情報システムの運用期間とが入力され、
    前記コスト算出では、前記算出されたシステム稼働率と前記営業損害額と前記運用期間とに基づいて前記営業損害額の期待値を示す営業損害額期待値を算出し、算出した前記営業損害額期待値と前記設備費の総和との和を前記コストとして算出し、
    前記第2再設定では、算出された前記コストが前記コスト許容値を超えていると判定された場合、新たな前記故障情報、新たな前記システム構成情報、新たな前記基準値及び新たな前記コスト許容値のいずれか1以上の情報を再設定し、
    新たな前記基準値が再設定された場合、前記稼働率判定以降の処理を行うことを特徴とする請求項16に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  18. 前記ダイヤグラムはフォルトツリー又は信頼性ブロック図であることを特徴とする請求項10ないし17のいずれか一に記載の情報システムの信頼性評価方法。
  19. 機器を含む情報システムの信頼性評価に必要な情報として、前記機器の機能を実行させるためのソフトウェアと前記機器を構成するハードウェアとの各々を示す1つ又は複数の構成要素の故障モードに対する故障間隔及び修復時間を含む故障情報と、前記機器と前記構成要素とを用いた前記情報システムの構成に関する情報を示すシステム構成情報と、前記情報システム全体の稼働率を示すシステム稼働率の基準値と、前記情報システムの時間間隔当たりの業務処理件数を含む業務処理情報とを少なくとも含む情報を入力する情報入力を行い、
    前記業務処理情報に含まれる前記情報システムの単位時間間隔ごとの前記業務処理件数を分析し、分析結果として、前記業務処理件数に比例する重み因子を前記単位時間間隔ごとに算出し、前記重み因子を含む業務処理分析情報を取得する業務処理情報分析を行い、
    前記構成要素の故障モードごとに前記故障情報を分析し、分析結果として、前記構成要素の故障モードごとの故障確率を算出し、前記故障確率を含む故障分析情報を取得する故障情報分析を行い、
    前記システム構成情報に基づいて、前記情報システム全体の機能喪失、又は、運用、動作上の好ましくない故障モードを示す頂上事象から、要因をそれ以上求めることができない前記ハードウェア及び前記ソフトウェアの前記構成要素の故障モードを示す基本事象への階層的な論理関係を示すダイヤグラムを作成するダイヤグラム作成を行い、
    前記故障分析情報に含まれる前記故障確率に基づいて算出される前記単位時間間隔当たりの故障発生確率に対して、前記業務処理分析情報に含まれる前記重み因子をかけ、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率に基づいて前記基本事象の稼働率を算出し、前記単位時間間隔ごとに前記重み因子をかけた前記故障発生確率及び前記ダイヤグラムに基づいて、乱数に基づくシミュレーションを評価時間にわたって実行することにより、前記頂上事象の稼働率をシステム稼働率として算出する稼働率算出を行い、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達しているか否かを判定する稼働率判定を行い、
    算出された前記システム稼働率が前記基準値に達していないと判定された場合、前記基本事象の中から、最も頂上事象に対応する稼働率の増加に寄与する前記基本事象を抽出する基本事象抽出を行い、
    同一機能の複数の構成要素ごとに前記故障確率を表す一覧データが格納されたデータベースを参照して、前記一覧データが表す前記複数の構成要素の中に、抽出された前記基本事象に対する前記構成要素である第1構成要素よりも前記故障確率の小さい構成要素である第2構成要素が存在する場合に、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定する変更可能性判定を行い、
    抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能であると判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素を前記第2構成要素に置換し、抽出された前記基本事象における前記第2構成要素に対する新たな前記故障分析情報を前記稼働率算出部に再設定し、抽出された前記基本事象の稼働率の上昇が可能でないと判定された場合、抽出された前記基本事象における前記第1構成要素に対する新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報を前記情報入力部に再設定する第1再設定を行い、
    抽出された前記基本事象に対応する新たな前記故障分析情報が再設定された場合、前記稼働率算出以降の処理を行い、新たな前記故障情報及び新たな前記システム構成情報が再設定された場合、前記故障情報分析以降の処理を行う機能をコンピュータに実行させることを特徴とする情報システムの信頼性評価プログラム。
JP2005317348A 2005-10-31 2005-10-31 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム Expired - Fee Related JP5022590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005317348A JP5022590B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005317348A JP5022590B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007122639A JP2007122639A (ja) 2007-05-17
JP5022590B2 true JP5022590B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=38146377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005317348A Expired - Fee Related JP5022590B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5022590B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102195341B (zh) * 2010-03-08 2013-04-10 国家电网公司 一种输电系统可靠性评价分析处理装置
JP5615431B2 (ja) * 2011-06-08 2014-10-29 株式会社日立製作所 インパクト分析方法、インパクト分析装置及び記憶媒体
JP6137175B2 (ja) * 2012-05-10 2017-05-31 日本電気株式会社 階層型確率モデル生成システム、階層型確率モデル生成方法、およびプログラム
CN109407507A (zh) * 2017-08-17 2019-03-01 苏州热工研究院有限公司 一种用于核电设计阶段的改进型可用性评价方法
CN115480546B (zh) * 2022-09-26 2023-07-18 中国人民解放军空军工程大学航空机务士官学校 基于不确定性理论的多业务系统可用性评估方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4174497B2 (ja) * 2004-09-30 2008-10-29 東芝ソリューション株式会社 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法、信頼性評価プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007122639A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4174497B2 (ja) 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法、信頼性評価プログラム
US7730363B2 (en) Reliability evaluation system, reliability evaluating method, and reliability evaluation program for information system
JP2008009842A (ja) コンピュータシステムの制御方法及びコンピュータシステム
JP4592325B2 (ja) Itシステムの設計支援システムおよび設計支援方法
JP2010526352A (ja) 統計的な分析を利用した性能障害管理システム及びその方法
JP5022590B2 (ja) 情報システムの信頼性評価システム、信頼性評価方法及び信頼性評価プログラム
EP3059676B1 (en) A method and apparatus for analyzing the availability of a system, in particular of a safety critical system
Huang et al. Analysis of software reliability modeling considering testing compression factor and failure-to-fault relationship
US20120016714A1 (en) System and method for collaborative management of enterprise risk
JP5614843B2 (ja) ソフトウェア設計・運用統合管理システム
Ahmadi A new approach to maintenance optimisation of repairable parallel systems subject to hidden failures
JP6975086B2 (ja) 品質評価方法および品質評価装置
Boland et al. Optimal times for software release when repair is imperfect
Kharchenko et al. Markov's Modeling of NPP I&C Reliability and Safety: Optimization of Tool-and-Technique Selection
US20200391885A1 (en) Methods and systems for identifying aircraft faults
JP2012014308A (ja) 変更影響予測方法及び変更影響予測装置
JP6663779B2 (ja) リスク評価装置およびリスク評価システム
Williams et al. System manufacturing test cost model
Chinnaiyan et al. Monte Carlo simulation for reliability assessment of component based software systems
Smidts Software reliability
Senol Poisson process approach to determine the occurrence degree in failure mode and effect reliability analysis
JP2005071136A (ja) 納期管理支援システム、そのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体および製品の納期管理方法
Yu et al. The quantitative safety assessment for safety-critical software
JP5068351B2 (ja) ネットワーク評価システム、ネットワーク評価方法、及びプログラム
JP5299433B2 (ja) 監視抑止エラーメッセージ選択方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070711

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070713

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees