JP5022342B2 - 腐食速度推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重油を燃焼させることで発生する燃焼ガスにより過熱される、船舶の主ボイラに備えられた過熱器管の腐食による減肉速度を推定する腐食速度推定方法に関するものである。
従来、回収ボイラ炉底部の側壁および炉底を構成する水管に取り付けたスタッドピンの長さを測定することで、水管の肉厚の減少量を推定し、管寿命を判定する管寿命判定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特公平1−16364号公報
ところで、従来の回収ボイラ炉の構成に限らず、重油焚きボイラにおいても、経時的に使用すると、過熱器管が腐食し減肉してゆく。このとき、減肉してゆく過熱器管が、安全に使用可能な耐用期間を超えて使用されることがないように、耐用期間の終了前に過熱器管の交換を行う必要がある。
しかしながら、重油焚きボイラに備えられた過熱器管の腐食による減肉量(減肉速度)を推定する方法は従来なく、過熱器管の適切な交換時期を判定することが困難であった。ここで、廃棄物焚きボイラでは、廃棄物を焼却することで発生する熱により過熱器管を過熱しており、過熱器管は、提唱される腐食推定式によりその減肉速度を推定することができるが、廃棄物焚きボイラと重油焚きボイラとでは構成が異なるため、廃棄物焚きボイラで用いられる腐食推定式を、重油焚きボイラに適用することはできない。
そこで、本発明は、重油を燃焼させることで発生する燃焼ガスにより過熱される過熱器管の腐食による減肉速度を推定可能な腐食速度推定方法を提供することを課題とする。
本発明の腐食速度推定方法は、重油を燃焼させることで発生する燃焼ガスにより過熱される、船舶の主ボイラに備えられた過熱器管の腐食による減肉速度を推定する腐食速度推定方法であって、燃焼ガスのガス温度と、過熱される過熱器管の管温度と、過熱器管の材質に関する係数と、燃焼ガス中における腐食主要元素濃度とを各種腐食因子とし、重回帰分析により得られると共に各種腐食因子を変数とする推定式から、減肉速度を算出することを特徴とする。
この場合、船舶の主ボイラは、燃料として気化ガスを使用可能に構成され、運転状況に応じて重油または気化ガスを選択的に使用しており、各種腐食因子として、一定運転時間当たりに使用される重油の使用比率をさらに加えたことが、好ましい。
また、この場合、各種腐食因子として、船舶の主ボイラの使用運転状況に関する各種運転因子をさらに加えたことが、好ましい。
また、この場合、各種運転因子は、船舶の主ボイラの平均運転負荷、船舶の主ボイラに設けられたバーナーの使用本数、重油の燃焼により生成される灰の付着速度、過熱器管の腐食を抑制するために添加される防食添加剤の添加量、または燃焼時に供給される酸素の供給量であることが、好ましい。
請求項1の腐食速度推定方法によれば、各種腐食因子を変数とする推定式に、所定の値となる各種腐食因子をそれぞれ代入することで、減肉速度を算出することができる。このため、算出される減肉速度から、単位時間当たりの減肉量を推定することができるため、過熱器管の交換時期を推定することができ、過熱器管の交換メンテナンスを効率よく行うことができる。
請求項2の腐食速度推定方法によれば、重油の使用比率を腐食因子として追加することにより、推定式の精度を向上させることができる。
請求項3の腐食速度推定方法によれば、各種運転因子を腐食因子として追加することにより、上記の推定式を、船舶の主ボイラの運転状況を反映させたものとすることができ、これにより、推定式の精度をさらに向上させることができる。
請求項4の腐食速度推定方法によれば、各種運転因子として、船舶の主ボイラの平均運転負荷、バーナーの使用本数、重油の燃焼により生成される灰の付着速度、過熱器管の腐食を抑制するために添加される防食添加剤の添加量、または燃焼時に供給される酸素の供給量を具体的に特定することで、推定式の精度をさらに向上させることができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る腐食速度推定方法について説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
ここで、図1は、実施例1に係る腐食速度推定方法が適用される主ボイラを模式的に表した概略構成図である。また、図2は、管温度に対する減肉速度の変化量に関するグラフであり、図3は、ガス温度に対する減肉速度の変化量に関するグラフである。さらに、図4は、ガス温度および管温度を変数とする腐食速度推定マップを表した図であり、図5は、実施例1に係る過熱器管の腐食速度の推定精度を比較した表である。
実施例1に係る腐食速度推定方法は、船舶の主ボイラ1に設けられたバーナー6により生じる燃焼ガスにより過熱される過熱器管15の腐食による減肉速度を推定するものである。ここで、過熱器管15の腐食速度推定方法の説明に先立ち、図1を参照して、主ボイラ1の過熱器管15周りの構成について簡単に説明する。
主ボイラ1は、主燃料として重油が使用された重油焚きボイラであり、舶用ボイラとして用いられている。この舶用ボイラを備えた船舶として、例えば、天然液化ガス(LNG)を積載したガスタンカーがある。そして、ガスタンカーに備えられた主ボイラ1は、燃料として重油だけでなく、天然液化ガスが気化した気化ガスを燃料として使用することが可能な構成となっている。
主ボイラ1は、燃焼室となる火炉5と、重油または気化ガスを燃料とすると共にこれらの燃料を火炉5において燃焼可能な複数本のバーナー6と、各バーナー6から発生した燃焼ガスと熱交換可能な熱交換器7と、を備えている。
火炉5には、バーナー6から発生した燃焼ガスが排出されるガス排出口10が形成されており、ガス排出口10は、火炉5の所定の壁面に開口されている。そして、バーナー6から噴き出された燃焼ガスは、火炉5の内部を通過して、ガス排出口10から排出される。
複数本のバーナー6は、供給される燃料と酸素(または空気)とを混合して混合気とし、混合気を燃焼させることで燃焼ガスを発生させている。
熱交換器7および火炉5をを構成する側壁管は、火炉5内において複数本のバーナー6からガス排出口10に至る燃焼ガス経路上に介設されており、熱交換器7に流入する燃焼ガスと熱交換可能に構成されている。熱交換器7には、その燃焼ガス経路の最上流側に過熱器管15が配設されており、過熱器管15は、その内部に作動流体(例えば、水蒸気)が流れている。過熱器管15は、耐熱性の高い材質で構成され、例えば、クロム鋼管またはステンレス鋼管で構成されている。
従って、主ボイラ1は、バーナー6により燃料が燃焼されると、バーナー6から発生した燃焼ガスは熱交換器7へ流入する。この後、熱交換器7に燃焼ガスが流入すると、熱交換器7に設けられた過熱器管15は燃焼ガスにより過熱され、過熱器管15内を流れる作動流体を過熱させる。この後、熱交換器7を通過した燃焼ガスは、ガス排出口10から排出される。
ところで、バーナー6により重油を燃焼させた燃焼ガスが過熱器管15を通過すると、過熱器管15には、燃焼ガスに含まれる灰等の腐食成分が凝縮および付着する。そして、腐食成分が付着した状態で、燃焼ガスにより過熱器管15が過熱されると、過熱器管15は高温腐食によりその肉厚が減少してゆく。ここで、腐食成分の主要元素としては、例えば、バナジウム(V)、硫黄(S)、ナトリウム(Na)および酸素(O)がある。
ここで、減肉してゆく過熱器管15が、安全に使用可能な耐用期間を超えて使用されることがないように、耐用期間の終了前に過熱器管15の交換を行う必要がある。このとき、過熱器管15の交換を判断する基準は、過熱器管15の減肉量となっており、過熱器管15の減肉量が、所定の減肉量を上回った場合、過熱器管15の交換を行うようになっている。このため、過熱器管15の交換メンテナンスを効率よく行うためには、過熱器管15の減肉速度を精度よく推定する必要がある。そこで、本発明では、腐食による減肉速度を決定する各種腐食因子を変数とした推定式から減肉速度を算出し、算出した減肉速度から、過熱器管15を安全に使用可能な耐用期間を導出することで、効率の良い交換メンテナンスを行うことが可能となっている。以下、過熱器管15の腐食速度推定方法について説明する。
この腐食速度推定方法は、過熱器管15の減肉速度を推定する推定式に、各種腐食因子における所定の値をそれぞれ代入することで、過熱器管15の減肉速度を算出している。ここで、以下に示す推定式(数1)は、予め実験等によりサンプリングされた実験データ、および一定期間運転した主ボイラ1から得られる実機データに基づいて、重回帰分析を実施して得られた式となっている。つまり、数1の推定式は、予め実験等によりサンプリングした実験データを重回帰分析して数式化すると共に、実機データの結果を重みづけする相関係数を加えたものとなっている。なお、各種腐食因子としては、過熱器管15の材質、燃焼ガスのガス温度、過熱器管15の管温度、並びに燃料となる重油に含まれるバナジウム、硫黄およびナトリウムの含有量となっている。
Figure 0005022342
ここで、aは、過熱器管15の材質に関する係数であり、Tgは、ガス温度であり、Tmは、管温度である。このとき、xおよびyは、実機データの結果を重みづけするための相関係数となっている。また、燃料中V量は、燃料となる重油に含まれるバナジウムの含有量であり、燃料中S量は、燃料となる重油に含まれる硫黄の含有量であり、燃料中Na量は、燃料となる重油に含まれるナトリウムの含有量である。このとき、z、wおよびvは、減肉速度に影響を及ぼす影響度係数となっている。
ここで、図2を参照して、実機データから得られた管温度に対する減肉速度(実線)の変化量と、実験データから得られた管温度に対する減肉速度(点線)の変化量と、をそれぞれ比較する。なお、図2に示すグラフは、その縦軸が減肉速度、その横軸が管温度となっており、また、バーナー6から発生する燃焼ガスのガス温度を950℃としている。図2を見るに、サンプリングされた4つの実験データ(○:白丸)から得られる減肉速度は、サンプリングされた9つの実機データ(●:黒丸)から得られる減肉速度から乖離しており、実験データから得られる減肉速度の精度は、低いものとなっていることが分かる。
同様に、図3を参照して、実機データから得られたガス温度に対する減肉速度(実線)の変化量と、実験データから得られたガス温度に対する減肉速度(点線)の変化量と、をそれぞれ比較する。図3に示すグラフは、その縦軸が減肉速度、その横軸が燃焼ガスのガス温度となっている。このとき、実験データから得られた減肉速度は、管温度が525℃、550℃、575℃、および600℃である場合に、それぞれサンプリングされたものであり、また、実機データから得られた減肉速度は、管温度が530℃、550℃、575℃、および590℃である場合に、それぞれサンプリングされたものである。図3を見るに、管温度が525℃および550℃の場合にサンプリングされた実験データから得られる減肉速度は、管温度が530℃および550℃の場合にサンプリングされた実機データから得られる減肉速度から大きく乖離しており、実験データから得られる減肉速度の精度は、低いものとなっていることが分かる。また、管温度が575℃および600℃の場合にサンプリングされた実験データから得られる減肉速度は、管温度が575℃および590℃の場合にサンプリングされた実機データから得られる減肉速度からやや乖離しており、実験データから得られる減肉速度の精度は、やや低いものとなっていることが分かる。
以上から、腐食速度は、管温度およびガス温度に依存しているため、腐食因子であることが分かる。また、実験データから得られた減肉速度を、実機データから得られた減肉速度から乖離した分、補正することで、推定される減肉速度の算出精度を高めることができることが分かる。つまり、上記した(1)式における相関係数xおよびyは、実験データから得られた減肉速度に対し、実機データから得られた減肉速度から乖離した分を、補正するための係数である。
ここで、図4を参照して、図2および図3のグラフの実機データに基づいて補正した推定式をマップ化した減肉速度推定マップMについて説明する。なお、この減肉速度推定マップM(推定式)は、ガス温度Tgおよび管温度Tmを考慮したものとなっており、上記のバナジウムV、硫黄SおよびナトリウムNaの含有量を考慮したものとはなっていない。つまり、「減肉速度=a×Tg×Tm」の減肉速度推定マップMとなっている。また、この減肉速度推定マップMは、過熱器管15の材質に関する係数aを所定係数としたときのものであり、異なる係数aの分だけ減肉速度推定マップMを複数用意可能である。なお、係数aは、過熱器管に含有されるクロム量に応じて定められており、係数aは、クロム量が多い場合、減少する一方で、クロム量が少ない場合、増加する。
図4に示すように、減肉速度推定マップMには、減肉速度が等しくなる点を結んで線とした等減肉速度線Lが複数本引かれており、例えば、0.1(mm/year)、0.2(mm/year)、0.3(mm/year)、0.4(mm/year)、および0.5(mm/year)の減肉速度となる5本の等減肉速度線Lが引かれている。これにより、通年の平均ガス温度と、通年の平均管温度とから、減肉速度推定マップMに基づいて、一年間に減少する過熱器管15の肉厚の減肉量を推定することができる。
次に、各種腐食因子となる重油に含まれるバナジウム、硫黄およびナトリウムの含有量について説明する。バナジウム、硫黄およびナトリウムは、過熱器管15を腐食させる主要元素となっている。そして、「減肉速度=a×Tg×Tm」の式に、各種腐食主要元素の含有量(すなわち、各種腐食主要元素濃度)に関する腐食因子を追加することで、上記した推定式を算出精度の高いものとしている。
具体的に、推定式((1)式)は、予め実験等によりサンプリングした減肉速度および上記の各種腐食主要元素濃度に関する実験データに基づいて、減肉速度と各種腐食主要元素濃度との相関関係を示す相関式を導出し、この相関式を、上記の「減肉速度=a×Tg×Tm」の式に、当てはめることにより導出している。これにより、燃料中に含有される腐食元素を考慮した推定式とすることができる。このとき、z、wおよびvは、腐食に影響を及ぼす影響度係数であり、この影響度係数を求め、推定式に反映させることで、減肉速度の推定精度を向上させている。
ここで、図5を参照して、実機データの減肉速度と、「減肉速度=a×Tg×Tm」の式から推定された減肉速度と、推定式から推定された減肉速度と、を比較する。図5に示すように、実機データの減肉速度と「減肉速度=a×Tg×Tm」の式から得られた減肉速度との差は、所定の第1の過熱器管15において「+0.19」、所定の第2の過熱器管15において「+0.20」、所定の第3の過熱器管15において「−0.11」であり、最大「±0.20」の誤差があると考えられる。一方、実機データの減肉速度と推定式から推定された減肉速度との差は、所定の第1の過熱器管15において「+0.11」、所定の第2の過熱器管15において「+0.14」、所定の第3の過熱器管15において「−0.14」であり、最大「±0.15」の誤差があると考えられる。以上の結果から、推定式は、「減肉速度=a×Tg×Tm」の式に比して、算出精度の良いものとすることができることが分かった。
以上の構成によれば、上記の推定式の変数として、各種腐食因子を当てはめることで、過熱器管15の減肉速度を精度よく算出することができる。このため、算出される減肉速度から、過熱器管15の交換時期を精度よく推定することができるため、過熱器管15の交換メンテナンスを効率よく行うことができる。
次に、実施例2に係る腐食速度推定方法について説明する。ここで、図6は、実施例2に係る過熱器管の腐食速度の推定精度を比較した表である。この腐食速度推定方法で用いられる実施例2の推定式は、実施例1の推定式に、腐食因子として重油の使用比率を追加した式となっている。つまり、上記したように主ボイラ1は、燃料として重油および気化ガスが用いられるため、実施例2の推定式は、使用される全燃料のうち、重油が使用される比率を考慮することにより、減肉速度の推定精度を向上させている。
具体的に、実施例2の推定式は、予め実験等によりサンプリングした重油の使用比率に関する実験データに基づいて、減肉速度と一定運転時間における重油の使用比率との相関係数を導出し、この相関係数を、上記の実施例1の推定式に当てはめることで、下記する実施例2の推定式を導出している。これにより、一定運転時間における重油の使用比率を考慮した推定式とすることができる。このとき、一定運転時間における重油の使用比率に関する式は、[{FO/(FO+BOG)}/h]であり、FOは重油の使用量、BOGは気化ガスの使用量、hは所定時間、uは重油の使用比率により減肉速度に影響を及ぼす相関係数である。
Figure 0005022342
ここで、図6を参照して、実機データの減肉速度と、実施例1の推定式から推定された減肉速度と、実施例2の推定式から推定された減肉速度と、を比較する。図6に示すように、実機データの減肉速度と実施例1の推定式から推定された減肉速度との差は、実施例1で記載したとおり、最大「±0.15」の誤差があると考えられる。一方、実機データの減肉速度と実施例2の推定式から推定された減肉速度との差は、所定の第1の過熱器管15において「+0.05」、所定の第2の過熱器管15において「+0.08」、所定の第3の過熱器管15において「+0.02」であり、最大「±0.10」の誤差があると考えられる。以上の結果から、実施例2の推定式は、実施例1の推定式に比して、算出精度の良いものとすることができることが分かった。
以上の構成によれば、実施例2の推定式は、実施例1の推定式に、一定運転時間当たりにおける重油の使用比率を考慮することで、過熱器管15の減肉速度をより精度よく算出することができる。このため、算出される減肉速度から、過熱器管15の交換時期をより精度よく推定することができるため、過熱器管15の交換メンテナンスをより効率よく行うことができる。
次に、実施例3に係る腐食速度推定方法について説明する。この腐食速度推定方法で用いられる実施例3の推定式は、記載は省略するが、実施例2の推定式に、腐食因子として主ボイラ1の使用運転状況に関する各種運転因子を追加した式となっている。つまり、主ボイラ1の運転の仕方により腐食による減肉速度が変化するため、主ボイラ1の運転状況を考慮することにより、過熱器管15の減肉速度の推定精度を向上させている。
具体的に、各種運転因子としては、主ボイラ1に加わる平均運転負荷、バーナー6の使用本数、重油の燃焼により生成される灰の付着速度、過熱器管15の腐食を抑制するために添加される防食添加剤の添加量、または燃焼時にバーナー6に供給される酸素の供給量がある。そして、実施例3の推定式は、サンプリングした各種運転因子に関する実機データに基づいて、減肉速度と各種運転因子との相関係数を導出し、この相関係数を、上記の実施例2の推定式に当てはめることにより導出する。これにより、実施例3の推定式は、主ボイラ1の運転状況を考慮した推定式とすることができる。
以上の構成によれば、実施例3の推定式は、実施例2の推定式に、主ボイラ1の運転状況を考慮することで、減肉速度をより精度よく算出することができる。このため、算出される減肉速度から、過熱器管15の交換時期をより精度よく推定することができるため、過熱器管15の交換メンテナンスをより効率よく行うことができる。
なお、実施例1および2において、腐食主要元素を3つとしたが、これに限らず、3つ以上としても良い。これによれば、より精度の良い推定式とすることができる。
以上のように、本発明に係る腐食速度推定方法は、船舶の主ボイラにおいて有用であり、特に、重油を燃焼させることで発生する燃焼ガスにより過熱される過熱器管の腐食による減肉速度を推定する場合に適している。
、実施例1に係る腐食速度推定方法が適用される主ボイラを模式的に表した概略構成図である。 管温度に対する減肉速度の変化量に関するグラフである。 ガス温度に対する減肉速度の変化量に関するグラフである。 ガス温度および管温度を変数とする腐食速度推定マップを表した図である。 実施例1に係る過熱器管の腐食速度の推定精度を比較した表である。 実施例2に係る過熱器管の腐食速度の推定精度を比較した表である。
符号の説明
1 主ボイラ
5 火炉
6 バーナー
7 熱交換器
10 ガス排出口
15 過熱器管
M 減肉速度推定マップ
L 等減肉速度線

Claims (4)

  1. 重油を燃焼させることで発生する燃焼ガスにより過熱される、船舶の主ボイラに備えられた過熱器管の腐食による減肉速度を推定する腐食速度推定方法であって、
    前記燃焼ガスのガス温度と、過熱される前記過熱器管の管温度と、前記過熱器管の材質に関する係数と、前記燃焼ガス中における腐食主要元素濃度とを各種腐食因子とし、重回帰分析により得られると共に前記各種腐食因子を変数とする推定式から、前記減肉速度を算出することを特徴とする腐食速度推定方法。
  2. 前記船舶の主ボイラは、燃料として気化ガスを使用可能に構成され、運転状況に応じて重油または気化ガスを選択的に使用しており、
    前記各種腐食因子として、一定運転時間当たりに使用される重油の使用比率をさらに加えたことを特徴とする請求項1に記載の腐食速度推定方法。
  3. 前記各種腐食因子として、前記船舶の主ボイラの使用運転状況に関する各種運転因子をさらに加えたことを特徴とする請求項2に記載の腐食速度推定方法。
  4. 前記各種運転因子は、前記船舶の主ボイラの平均運転負荷、前記船舶の主ボイラに設けられたバーナーの使用本数、重油の燃焼により生成される灰の付着速度、前記過熱器管の腐食を抑制するために添加される防食添加剤の添加量、または燃焼時に供給される酸素の供給量であることを特徴とする請求項3に記載の腐食速度推定方法。
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