JP5019743B2 - ディスク認証のためのディスクシグネチャ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばストレージメディア(storage media)又は記録坦体(record carriers)等の記録媒体(record media)のためのコピープロテクト(copy protection)に関する。特に、本発明は、記録坦体の認証(authentication)によるコピープロテクト及びコピーコントロール(copy control)機構に関する。
このような記録坦体、例えばコンパクトディスク(Compact Disc:以下、CDという。)及びデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc:以下、DVDという。)又は例えばブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)、HD−DVD等、類似した概念に基づいて動作する他の光記録媒体の全ての既存及び将来のフォーマットを有するCDやDVD等は、デジタルデータを非同期信号として格納することができる。また、CD−R、DVD−R等の記録可能な記録坦体も本発明に基づいてコピーを防止することができる。
情報が片面又は両面及び/又は複数の層に書き込まれた光記録ディスクが様々な用途、特に音楽、ゲーム、ビデオ、コンピュータ産業の分野で用いられるようになっている。光記録媒体では、デジタル情報は、片面又は両面及び/又は複数の層に亘って渦巻状のトラックに沿って形成されたピットの形で書き込まれる。各トラックは、通常、内側から外側の順に読み出されるが、既に幾つかの光記録媒体において用いられているように、外側から内側の順に読み出されるようにすることもできる。一方、磁気記録媒体は、通常、同心円状のトラックを有する。
トラック上のデータ自体は、複数の記録ブロック、すなわち同じ長さを有し、等しい情報量を有するフレームに細かく分割されている。各フレームは、光記録媒体の種類(CD、DVD)に応じて、専用のレイアウトを有している。このようなフレームには、常にユーザデータシンボルが含まれるが、同期のためのデータ、データシンボル間をマージするデータ、エラー訂正のためのデータも含まれている。
オーディオ情報をCDに保存するフォーマットは、CDの仕様書である「レッドブック」規格として知られている。CD−ROMの仕様書である所謂「イエローブック」規格は、通常、CD−ROMのためのフォーマットを定めている。イエローブックフォーマットは、あらゆる点でレッドブックフォーマットに類似しているが、但し、オーディオ情報をコンピュータデータに置き換えている。レッドブック及びイエローブック規格以外に、例えば、DVDのためのブックA規格、ブックD規格及びブックE規格を始めとして、オーディオデータ、コンピュータデータ、ビデオデータ及びこれらの情報の組合せに対応する光ストレージメディアのために開発された多くの様々な規格/仕様書が存在している。
上述のように、光記録坦体自体に記録されている信号は非同期信号であり、これは、復号処理において、その信号から同期情報とタイミング情報を検出する必要があることを意味している。
このような記録坦体の性質のために、コピーが簡単にされてしまう。このような状況に対処するために、各記録坦体自体に書き込まれている鍵又はパスワードを利用して、認証されていないアクセスを防止する様々なコピープロテクト方式が提案されている。更に、無効な情報(invalid information)を用いて光ディスクを保証する方法もあり、この無効な情報はコピー処理の間に修復され、これにより、アプリケーションプログラムは、この無効な情報の有無に基づいて、保存されているデータが元のデータであるか、コピーであるかを判定することができる。
特許文献1には、コピープロテクト機構にレーテンシー情報を用いる他の手法が開示されている。この特許文献1に開示されている主要な特徴は、記録媒体において、レーテンシー情報を用いて、追加的な情報をコーディングする点である。記録媒体に型押しされるこの追加的な情報は、検証目的に用いることができ、正しいレーテンシー情報を有する記録媒体のみを正当な記録媒体であると判定し、又は正しい手法で復号できるようにしてもよい。コピーは、通常、型押しされたレーテンシー情報を有さないので、この手法は有効である。
しかしながら、このような記録媒体に型押しされたレーテンシー情報は、不正に読み取ることができ、レーテンシー情報を有さないコピーを読み出す読出機器と、検証を実行するコンピュータ処理との間で特別なソフトウェアを用いて、読出データの対応するレーテンシー情報をエミュレートすることによって、コピープロテクト機構を騙すことができる。更に、光学記録媒体のためのレコーダが益々高機能になり、不正に読み取られたレーテンシー情報が光記録坦体にコピーされる可能性もある。
欧州特許出願第02795240.7号明細書
そこで、本発明の目的は、上述の課題を解決する改良されたコピープロテクトシステム、すなわち、改良されたコピープロテクトを実現する記録媒体、改良されたコピープロテクトをサポートする記録可能な記録媒体、改良されたコピープロテクトをサポートする記録可能な又は記録不可能な記録媒体のためのエミュレータ、改良されたコピープロテクトをサポートする記録可能な又は記録不可能な記録媒体の製造方法、改良されたコピープロテクトを実現する記録可能な又は記録不可能な記録媒体の検証方法を提供することである。
本発明に基づく記録媒体は、独立請求項1に定義され、本発明に基づく記録可能な又は書換可能な記録媒体は、独立請求項4に定義され、本発明に基づく(記録可能又は書換可能又は書込不能又は書換不能な)記録媒体のためのエミュレータは、独立請求項10に定義され、本発明に基づく(記録可能又は書換可能又は書込不能又は書換不能な)記録媒体の製造方法は、独立請求項13に定義され、本発明に基づく(記録可能又は書換可能又は書込不能又は書換不能な)記録媒体の検証方法は、独立請求項19に定義されている。これらの好適な実施形態は、それぞれの従属請求項に定義されている。更に、本発明に基づくコンピュータプログラム製品は、請求項12及び22に定義され、本発明に基づくコンピュータプログラム製品を記録する記録媒体は、請求項23に定義されている。
本願出願人による上述の欧州特許出願と同様に、本発明は、レーテンシー情報を用いて、記録媒体に追加的な情報をコーディングし、記録媒体に型押しされるこの追加的な情報を検証目的で用いて、正しいレーテンシー情報を有する記録媒体のみを正当な記録媒体であると判定し、又は正しい手法で復号できる。なお、本発明の主な特徴は、製造標準規格(以下、単に標準と呼ぶ)からのレーテンシーの変化を非常に小さくして、単一の記録領域のレーテンシーを不正に読み取ることができないようにし、すなわち、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、レーテンシー変化がレーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにすることによって、この追加的な情報を元の記録媒体から不正に読み取ることをできなくすることである。
本発明により、単一の記録領域のレーテンシー測定だけでなく、予め決定された一部の型押しされたレーテンシー変化の全体のパターンを検討することにより、本発明に基づくレーテンシー変化を検出できるのでコピーされた記録媒体から元の記録媒体の区別することができる。本発明に基づくレーテンシー変化の検出は、相関により、好ましくは、既知の変化を表す鍵に基づいて、測定されたレーテンシーと既知の変化とを線形相関させることにより実行される。鍵は、ランダムに(擬似ランダム的に)選択してもよく、又は本発明に基づく記録媒体に格納されるプログラムが用いる追加的な情報を含むように選択してもよい。更に、この鍵は、本発明に基づく記録媒体の上に保存されるプログラムデータを符号化するために用いてもよい。
記録媒体の各製造規格によって対応するレーテンシーが定義されている限り、それぞれ記録領域の1つに型押しされるレーテンシー変化は、許容されている製造誤差の範囲内であっても範囲外であってもよい。例えば、CDの仕様では、1.2〜1.4m/sの線速度が許容されている。そして、製造規格は、この範囲内の1つの線速度値を用いて、この線速度値をある程度一定に保つ。なお、僅かにこの範囲から外れる値を用いてもよい。このある程度一定の線速度値の精度は、非常に精密な製造機械に依存している。なお、この値は、一般的に、製造中の一定の条件、すなわち、1つのCDについて用いられた線速度値に対して一定であるが、同じCDを後日製造する場合、同じ設定の製造機械を用いても、例えば温度や湿度等の環境条件が異なるために、線速度値が変化してしまう場合がある。DVDの場合、仕様書に基づく線速度の許容されている製造誤差は、単層DVDの場合、3.49m/sの0.5%ピークツーピークであり、例えば、−3.49m/sの−0.1%から+0.4%であり、二層DVDの場合、3.84m/sの0.5%ピークツーピークである。
製造規格の線速度値は、使用される読出機器が、例えばCD又はDVD等の製造された記録媒体にアクセスする際に問題が生じないことが保証される限り、例えば、CD仕様書等の記録媒体の仕様書に基づいて許容される範囲外に設定してもよい。CD製造に適用される本発明に基づくレーテンシー変化は、好ましくは、選択された線速度値に対する±0.5%の最大振幅、例えば、範囲[1.4,1.2]m/s内の線速度値の±0.5%の最大振幅を有する。DVDでは、媒体の製造時に適用される本発明に基づくレーテンシー変化は、好ましくは、単層DVDの場合3.49m/s±0.33%、二層DVDの場合3.84m/s±0.33%の最大振幅である。好ましくは、本発明に基づく線速度変化は、製造規格の選択された線速度値が平均値になるように決定する。
本発明では、レーテンシーは、データの要求から要求されたデータの受信までの待ち時間、例えば、機械的装置の補助によってアクセスされる記録媒体の場合、アクセス時間である。なお、レーテンシー測定は、変更された線速度を測定する間接的な手法である。このような間接的な手法は、記録媒体の線速度(又は、ピット及びランドの長さ)を汎用のアクセス機器では直接測定することができないために必要である(勿論、ピット及びランドの長さを直接測定するように、例えば、マイクロスコープ等の適切な測定機器を用いれば、直接測定を行うこともできる)。したがって、本発明の主要な特徴は、記録媒体にアクセスする読出機器によって測定が行われた場合、その記録領域の標準のレーテンシーに関して、各記録領域のレーテンシーが、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるように、それぞれ変更されたレーテンシーを有する記録領域のパターンを含ませ/示し/エミュレートし/決定し、及び製造し/検証することであり、この特徴は、レーテンシー変更を実現するあらゆる手法を含み、例えば、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が行われた場合、記録領域のピット及びランドの標準の長さに関して、記録領域のピット及びランドの長さの各変更がピット及びランド長さが測定値の測定雑音内に含まれるように、ピット及びランドの長さがそれぞれ変更された記録領域のパターンを含ませ/示し/エミュレートし/決定し、及び製造し/検証する手法を含む。また、包括的に言えば、所定の条件について必要なアクセス時間を観測することによって測定できるレーテンシーは、アクセス機器のオペレーティングシステム(例えば、CD/DVDドライブを備えるコンピュータ装置又はコンピュータ装置のオペレーティングシステムを含む)に起因する変更を含むことがある。オペレーティングシステムによるこのような変更は、通常、雑音のように振る舞うため、このような変更があっても、本発明に基づく、記録媒体に型押しされたレーテンシー変化を観測できる。
本発明では、記録媒体にアクセスする読出機器又はアクセス機器は、汎用の民生用アクセス機器であり、例えば、CD又はDVDの場合、通常の民生用CD又はDVDプレーヤ又はコンピュータCD/DVDドライブであってもよい。これらの「低コスト」機器は、記録媒体へのアクセスに関して優れた能力を有するが、アクセスの間、一定の又は高度に再現可能なレーテンシー特徴を有するようには設計されていない。この事実により、レーテンシーが変更された記録領域のパターンと、既知のレーテンシー変更とを比較することによって記録媒体の検証を可能にすると同時に、本発明に基づいて、記録媒体の単一の記録領域に型押しされたレーテンシー変化を隠すことができる。
本発明では、実現されるレーテンシー及び同期特性が、ストレージメディアの仕様の範囲内又は僅かにこの範囲から外れるように、好ましくは、例えば、光、磁気又は光磁気ストレージメディアの線速度を変更すること(線速度変調)によって記録領域のパターンのレーテンシーを変更し、これにより、仕様書に基づいて動作する全てのアクセス機器又はその大部分は、問題なく各記録媒体にアクセスでき、すなわち、レーテンシーが変更された各特定の記録領域のレーテンシーは、選択された線速度値が変更又は変調されないときに得られる対応する(製造規格)標準のレーテンシーと異なるとは認識されない。但し、上述のように、記録領域の全体のパターンについて、変更されたレーテンシーを観測すれば、記録媒体を検証することができる。
本発明に基づく記録媒体がコピーされた場合、コンテンツは、一対一の対応関係で保存されるが、コピーされたコンテンツを搬送する記録媒体は、本発明に基づく元の記録媒体とは異なるレーテンシーを示し、したがって、コピーとして明確に弁別及び認識可能になる。コピーされた記録媒体と、(レーテンシーが変更された記録領域のパターンを有する)元の記録媒体との間のこの違いは、このような記録媒体のための通常の民生用レコーダでは、レーテンシー変化を型押しすることができないために生じる。このようなレコーダによってレーテンシー変化の型押しが可能だとしても、これらの民生用機器は、「低コスト」機器であり、したがって、レーテンシー変化を記録するために必要な精度、例えば、必要な非常に小さな線速度変化は、これらの機器では実現できないため、レーテンシー変化が再生されることはない。このように、低コストの民生用機器では、本発明に基づく記録媒体を忠実にコピーすることが困難であるため、民生用アクセス機器によって、本発明に基づくレーテンシー変化を不正に読み取ることも不可能である。したがって、仮に本発明に基づく記録媒体のコピーが作成されたとしても、コピーは、読出レーテンシー、すなわち、本発明に基づくレーテンシー変化及び測定雑音と、コピーの作成の間に生成される製造雑音とを含む。したがって、本発明に基づくレーテンシー変化は、コピーを読み出す間に生じる雑音と比べて遙かに小さい。このため、このような(現在の民生用機器では製造できない)「ダイレクト」コピーさえも元の記録媒体から区別することができる。更に、更なる世代のコピー、すなわち、コピーのコピー、コピーのコピーのコピー等では、雑音が本発明に基づいて型押しされた変化を完全に隠し、これにより、例えば、マイクロスコープによる直接測定を行ってもこれらの変化を認識することすらできなくなる。一方、本発明に基づく記録媒体の製造現場では、安定した一貫性を有する手法で、本発明に基づく非常に小さなレーテンシー変化を実現できる非常に高い精度を有する「ハイエンドの」製造機械が用いられ、更に、本発明に基づく記録媒体の製造は、型押しすべきレーテンシー変化の知識に基づいて行われるため、問題は生じない。
本発明に係る記録媒体は、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する記録領域を含み、記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーが各対応する標準のレーテンシーに対して変更される記録媒体において、レーテンシーが変更される記録領域のパターンは、それぞれ、記録領域のレーテンシーの各変更が、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるように変更されることを特徴とする。
また、本発明に係る記録可能な又は書換可能な記録媒体は、データを記録した後に、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である各対応する標準のレーテンシーによって記録領域を得るための予めフォーマットされた記録密度情報を含み、予めフォーマットされた記録密度情報は、異なる記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーが各対応する標準のレーテンシーに対して変更されていることを示す記録媒体において、予めフォーマットされた記録密度情報は、それぞれ、記録領域のレーテンシーの各変更が、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにレーテンシーが変更された記録領域のパターンを示すことを特徴とする。
このように、包括的に言えば、本発明に基づく記録媒体は、上述した2つの可能性の1つを示す。2つの可能性とは、通常の、すなわち、レーテンシーを用いる標準の製造に対する変化、例えば、データを回転する記録媒体に記録するために通常用いられる線速度の変調に基づく、記録領域のパターンにおけるレーテンシーの実際の変更、若しくは、データの実際の記録処理の間に、通常の線速度を実現するために用いられる、プリグルーブに記録される周波数情報を変調することによって、記録可能又は書換可能な記録媒体に記録され、通常の、すなわち、レーテンシーを用いる標準の製造に対する変化、例えば、データを回転する記録媒体に記録するために通常用いられる線速度の変調に基づく、記録領域のパターンにおけるレーテンシーの実際の変更を導くインジケータである。したがって、包括的に言えば、本発明に基づく記録媒体は、読取専用記録媒体であってもよく、又は記録可能な又は書換可能な記録媒体であってもよい。
更に、本発明に係るエミュレータは、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する記録領域を含む記録媒体のエミュレータであって、各対応する標準のレーテンシーに対して、記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーを変更するようエミュレートするエミュレータにおいて、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにレーテンシーが変更された記録領域のパターンを示すように異なる記録領域の各レーテンシーをエミュレートし、エミュレートは、記録領域のパターンの各レーテンシーの、それぞれの標準のレーテンシーに対する変更を定義する鍵に基づいて実行される。
これにより、例えば、単に、所定のパターンのレーテンシー変化が記録媒体に型押しされていることが検証できない場合、その記録媒体へのアクセスを拒絶する従来のアクセス制限技術を用いて、元の記録媒体のみが使用されることを確実にすることができる。
本発明の好適な実施形態においては、記録媒体は、記録領域として、所定量の記録容量のメモリブロック、例えばストレージセクタ又はフレームを含む、例えば、CD又はDVD型の光記録担体又は光磁気記録担体であり、各対応する標準のレーテンシーは、メモリブロックにビットを書き込む標準の手続きに基づいて、メモリブロックに書き込まれるビットの密度に基づいて決定され、パターンを形成するメモリブロックの変更されたレーテンシーは、より高い又はより低い密度で各メモリブロックにビットを書き込むことによって実現される、各対応する標準のレーテンシーより短い又はより長いレーテンシーである。
メモリブロックにビットを書き込む標準の処理は、記録中のディスクの速度の設定、すなわち、ある程度理想的な手法で、すなわち、通常、可能な限り、記録媒体の仕様を満たし、記録媒体へのアクセス可能性に関して最良の性能を実現するように、レコーダのスピンドルの回転の周波数及びビットのクロック、すなわち、ディスクに書き込まれるピット及びランドを設定することを含む。この意味で、ディスクは、例えば、射出成形プロセスによって実際に光ディスクを製造するスタンプ処理を行うためのマスタを含む。一般に、光記録メディアのレーテンシーは、記録時の線速度に依存している。CD及びCD−ROM並びにDVD及びDVD−ROMには、通常、記録線速度が、記録位置から独立して、一定になるようにデータが記録される。1)メディアの回転速度、すなわち、追跡線速度と、2)記録信号クロックの2つのパラメータに依存している。CLV(constant linear velocity:線速度一定)記録方式は、一定の記録線速度を実現するために、回転速度を変化させ、信号クロックを一定にする記録方式であり、CAV(constant angular velocity:角速度一定)記録方式は、一定の記録角速度を達成するために、回転速度を一定にし、信号クロックを変化させる記録方式である。
一具体例として、通常の製造の間に、CDの仕様書に基づく線速度を[1.2,1.4]m/sの範囲で選択してもよい。この場合、CLV記録の信号クロックを4,321,800ビット/秒に設定し、回転速度は、1分あたり約600回転から1分あたり約200回転の範囲で変化させる。これらの通常の値に基づいて記録媒体を製造することにより、対応する標準レーテンシーが得られる。本発明の好適な実施形態に基づく線速度の変化は、通常の標準的な製造工程と同様に回転速度を保ちながら、4,321,800ビット/秒±0.5%の範囲内で信号クロックを変調することによって実現される。第2の具体例として、通常の製造工程では、DVDの仕様書に基づく線速度は、単層の場合3.49m/sであり、二層の場合3.84m/sである。したがって、CLV記録の場合、信号クロックは、26,000,000ビット/秒に設定し、回転速度は、1分あたり約1300回転から1分あたり約433回転の範囲内で変化させる。これらの通常の値に基づいて記録媒体を製造することにより、対応する標準レーテンシーが得られる。本発明の好適な実施形態に基づく線速度の変化は、通常の標準的な製造工程と同様に回転速度を保ちながら、26,000,000ビット/秒±33%の範囲内で信号クロックを変調することによって実現される。
各メモリブロックに、より高い又はより低い密度でビットを書き込むことにより、変更されたレーテンシーによってメモリブロックの長さが物理的に変化する。信号クロックは固定されたままなので、この物理的変化により、メモリブロック内のデータを読み出すのが必要な時間がより長く又はより短くなる。なお、本発明に基づいて記録媒体に型押しされるレーテンシーの偏差は、個々の変化がアクセス機器の測定雑音に含まれるため、単一の記録領域のレーテンシーを観測しても導出できず、すなわち、本発明に基づいてレーテンシーが変更された記録領域のレーテンシー測定と、レーテンシーが変更されていない記録領域のレーテンシー測定とは、レーテンシー偏差が非常に小さく、雑音の範囲に含まれるので、区別することができない。レーテンシー変化のパターン(又は実際に変化の最大振幅に依存している十分に大きいその一部)と、既知のレーテンシー変化とを比較した場合にのみ、記録媒体を検証することができる。
本発明に基づくレーテンシーの変化、すなわち、1つのメモリブロック内のピット及びランドの密度の変化は、通常のアクセス機器でレーテンシーを検出する際の測定雑音内にあるが、製造変化に加えて、レーテンシーが変更されたメモリブロックのパターンを記録媒体に型押しする。上述のように、及び後に更に詳細に説明するように、レーテンシー変化を有するメモリブロックのパターン及び各変化が既知であれば、記録媒体を検証することができる。
本発明に基づく記録媒体の好適な実施形態では、上述したより短い及びより長いレーテンシーは、線速度の変化に基づいて実現してもよく、この場合、より短いレーテンシーは、対応するメモリブロック内により高い密度でビットを書き込むことによって実現され、より長いレーテンシーは、対応するメモリブロック内により低い密度でビットを書き込むことによって実現される。
更に、これに代えて又はこれに加えて、本発明に基づく記録媒体の好適な実施形態では、光記録媒体又は光磁気記録担体は、例えば、全ての種類のCD(例えば、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW)又は、全ての種類のDVD(例えば、DVD、DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD+R9、DVD+RW、DVD−RW)等、読出専用記録坦体であってもよく、又は記録可能又は書換可能な記録担体であってもよい。
本発明の更なる側面に基づく記録可能な又は書換可能な記録媒体は、好ましくは、例えば、CD又はDVD種等の光記録担体又は光磁気記録担体であり、予めフォーマットされた記録密度情報は、記録媒体のプリグルーブに書き込まれた周波数情報であり、記録媒体は、記録領域として、例えばストレージセクタ又はフレーム等、所定量の記録容量のメモリブロックを含み、各対応する標準のレーテンシーは、メモリブロックにビットを書き込む標準の手続きに基づいて、メモリブロックに書き込まれるビットの密度を示す周波数情報に基づいて決定され、パターンを形成するメモリブロックの変更されたレーテンシーは、変更された周波数情報に基づき、より高い又はより低い密度でメモリブロックにビットを書き込むことによって実現される、各対応する標準のレーテンシーより短い又はより長いレーテンシーである。
更に好ましくは、本発明の更なる側面に基づく記録可能な又は書換可能な記録媒体は、上述した本発明に基づく記録媒体の特徴を有している。
好ましくは、本発明に基づく記録媒体又は記録可能な又は書換可能な記録媒体では、各レーテンシーが変更された記録領域のパターンは、鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調することによって実現される。なお、ここでは、変調とは、鍵又は鍵の一部に対応する量、例えば、各記録領域又は各(連続する)複数の記録領域に対する、鍵の1つの値によって、パターンに属する記録領域の標準のレーテンシーを増加又は減少させることを意味する。
更に好ましくは、この鍵は、初期化数、すなわち、シードを用いて擬似ランダム処理に基づいて生成される。この初期化数及び/又は擬似ランダム処理は、好ましくは、本発明に基づく鍵を容易に再構築することを困難にするように、秘密にされる。
これに代えて又はこれに加えて、更に好ましくは、鍵は、擬似ランダム処理に基づいて生成されたガウス分布を有する数列であり、数列の各数は、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられる。このように、本発明に基づくレーテンシーの変更に、特にガウス分布を用いることにより、レーテンシー変化は、雑音のように振る舞い、したがって、(変化が未知である場合、すなわち、レーテンシー変化を不正に読み取ろうとする場合には)ハイエンドのアクセス機器を用いても(レーテンシー偏差を検出するための使用可能な処理能力及び必要な時間を考慮しても)レーテンシー変化の検出が不可能にすることができる。勿論、本発明に関して同等に作用する、測定雑音に類似する他の分布を用いてもよい。したがって、本明細書で用いる「ガウス分布」という用語は、これに類する分布も含むものとする。但し、測定雑音を良好に再現するためには、ガウス分布が特に好ましい。ガウス分布を用いる場合、好ましくは、製造時に用いる上述したCDのための±0.5%の線速度の変化又はDVDのための±0.33%の線速度の変化は、2.5標準偏差(2.5σ)に、同等である。更に、本発明に基づく線速度変化は、この2.5σの範囲内に制限することが好ましく、すなわち、CDついては、±0.5%の線速度の変化又はDVDについては、±0.33%の線速度の変化を超える線速度変化を許容しないことが望ましい。これは、単に、この範囲を超える値を許容される最大値に低減することによって実現してもよい。
好ましくは、本発明に基づく記録媒体又は記録可能な又は書換可能な記録媒体では、記録領域のパターン内で所定数の連続する記録領域は、同じ変更されたレーテンシーを有する。
本発明に係るエミュレータは、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する記録領域を含む記録媒体のエミュレータであって、各対応する標準のレーテンシーに対して、記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーを変更するようエミュレートするエミュレータにおいて、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにレーテンシーが変更された記録領域のパターンを示すように異なる記録領域の各レーテンシーをエミュレートし、エミュレートは、記録領域のパターンの各レーテンシーの、それぞれの標準のレーテンシーに対する変更を定義する鍵に基づいて実行される。
本発明に基づくエミュレータは、記録媒体へのアクセス動作から、認証シグネチャの特徴、すなわち、変更されたレーテンシーを有する記録領域のパターン又はその一部及び個々の記録領域のレーテンシーの変更を読み取ることができないので、本発明に基づく記録媒体をエミュレートするために、鍵(又は、勿論、鍵を生成するために用いられるシード及び用いられたアルゴリズム)を必要とする。また、本発明に基づく記録媒体のダイレクトコピーが可能である場合の上述した効果は、ダイレクトコピー及び元の記録媒体について測定されたレーテンシーに基づいて動作するエミュレータの場合にも有効である。これは、エミュレータにおいて、本発明に基づいて型押しされたレーテンシー変更を含む元の記録媒体の測定されたレーテンシー変化及び測定雑音と、エミュレータ自体の処理によって、例えば、オペレーティングシステム及びエミュレータを実行するプロセッサの負荷のために生じるレーテンシー変化とが加算されるためである。このため、この場合も、更なる雑音は、元の記録媒体にアクセスする際に生じる測定雑音以上に、本発明に基づくレーテンシー変化を「覆う」この結果、(例えば、鍵及び測定/エミューレートされたレーテンシーを比較するための適切な閾値を選択することによって)元の記録媒体から、このようなエミュレーションを区別することができる。本発明に基づくエミュレータは、好ましくは、上述した本発明に基づく記録媒体及びその全ての特徴をエミュレートする。
また、本発明に基づく第1のコンピュータプログラム製品は、コンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ又はこれに類する装置に実行されて、上述した本発明に基づくエミュレータを実現するコンピュータプログラムを含む。
また、本発明に係る記録媒体の製造方法又は記録方法は、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する異なる記録領域を形成又は指示する記録媒体を製造する記録媒体の製造方法又は記録媒体にデータを記録する記録方法であって、異なる記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーを各対応する標準のレーテンシーに対して変更する記録媒体の製造方法又は記録方法において、記録領域のレーテンシーの各変更が、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにレーテンシーが変更された記録領域のパターンを形成又は指示するステップを有することを特徴とする。
本発明では、記録とは、例えば、CDレコーダ又はライタ又は半導体メモリのための制御回路によって、記録媒体にデータを書き込むという意味と共に、例えば、射出成形プロセスによって、CD又はDVD等の光学記録媒体を始めとする記録媒体を製造する意味も含む。これは、このプロセスにおいて、データをマスタディスクに記録することによって作成されるマスタに基づいて、スタンパが製造されるためである。
また、上述したように、本発明の重要な特徴は。標準のレーテンシーから(この結果、選択された線速度値による製造から)最小限の量だけ逸脱する個別に設定されたレーテンシーのパターンが本発明に基づく記録媒体に型押しされるということである。このパターンは、例えば、メモリブロック又はストレージセクタ等、異なるレーテンシーが設定された所定数の連続する記録領域から構成されていてもよく、このパターンの特徴、例えば、記録領域の数及び互いの位置の関係、及び、例えば、変更されたレーテンシーを形成するために用いられた変調値に基づく各レーテンシー変更が既知であれば、このパターンを特定できる。これらの記録領域においては、連続する記録領域のうちの1つの記録領域のみのレーテンシーが他と異なっていることが好ましい。この場合、記録領域の各レーテンシーに関して、連続する記録領域の1つの領域だけを調べればよいため、検証処理は極めて容易になる。
本発明に基づく記録媒体の製造方法又は記録方法は、鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調することによってレーテンシーが変更された記録領域のパターンを形成又は指示するステップを更に有することが好ましい。
この手法には、鍵、例えば、同じ変更されたレーテンシーに対応する所定数の連続する記録領域のそれぞれについて1つの数からなる鍵に基づいて、レーテンシーを指定する信号を変調する略々通常の記録処理を実行できるという特別な利点がある。そして、この鍵を用いて、対応するレーテンシー変更が記録媒体に型押しされているか否かを検証することができる。
本発明に基づく記録媒体の製造方法又は記録方法では、鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調するステップは、好ましくは、鍵によって、記録領域のパターンの記録領域に記録されるビットの密度を変調することによって、又は鍵によって、記録可能又は書換可能な記録担体の場合、記録坦体に記録され、記録領域のパターンの記録領域に記録されるビットの密度を示す周波数情報を変調することによって実行される。
したがって、本発明に基づく記録方法は、データが記録されている記録媒体にも、データの記録を可能にするプリグルーブ情報のみを含む「空」の記録可能又は書換可能な記録媒体にも適用できる。なお、本発明に基づくレーテンシー変化は、プリグルーブに書き込まれる周波数情報に反映させてもよく、パターンの特徴、例えば、パターンに含まれている記録領域の互いの相対的位置及びパターンに含まれている各記録領域のレーテンシー変更が既知であれば、パターンが記録媒体に型押しされているか否かを判定するために、記録領域のパターンの絶対位置は、事前に既知である必要はない。したがって、記録可能な又は書換可能な記録媒体は、データが記録された後に容易に検証することができる。この手法により、プリグルーブ情報を変調するために用いられた鍵がそのユーザに既知であれば、各ユーザは、記録可能な又は書換可能な記録媒体にデータを記録し、コピー保護されたデータを作成することができる。
本発明に基づく記録媒体の製造方法及び/又は記録方法において、鍵は、好ましくは、初期化数、すなわち、シードを用いて擬似ランダム処理に基づいて生成される。
このように、同じ変更されたレーテンシーに対応する所定数の連続する記録領域のそれぞれについて1つの数からなる鍵を発生することには、その(1つの)初期化数及び既知の擬似ランダム処理に基づいて検証を行うことができ、すなわち、例えば、数千個といった膨大な数の値からなる鍵が既知である必要がなくなるという特定の利点がある。
本発明に基づく記録媒体の製造方法又は記録方法において、鍵は、好ましくは、擬似ランダム処理に基づいて生成されたガウス分布を有する数列であり、数列の各数は、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられる。
ガウス分布を有する数列を鍵として発生する擬似ランダム処理により、レーテンシー変化は、測定雑音に対応する振幅を有するだけではなく、雑音のように振る舞うため、本発明に基づくレーテンシー変化を有する記録領域のパターンが型押しされた元の記録媒体から。標準のレーテンシーに対するレーテンシーの変化を容易に読み取れないことを確実にできる。
本発明に基づく記録媒体の製造方法又は記録方法は、好ましくは、ストレージのパターン内において、所定数の連続する記録領域が同じ変更されたレーテンシーを有するように変調するステップを更に有する。
鍵の同じ部分を用いるこのような変調、すなわち、擬似ランダム的に生成された同じ数を用いて所定数の連続する記録領域(のブロック)のレーテンシーを変更することにより、レーテンシー変化の検出が容易になるという利点がある。このような所定数の連続する記録領域のブロックは、記録媒体上で、前後に連続するように配置してもよく、他の如何なるパターンで配置してもよい。
本発明に基づく記録媒体の製造方法及び/又は記録方法において、レーテンシーを変更するステップは、記録媒体にフォーマット情報を記録することによって実行してもよい。この場合、フォーマット情報は、記録媒体に記録されるビットの密度に関する情報を含んでいてもよい。更に、フォーマット情報は、記録媒体のプリグルーブに書き込まれる周波数情報であることが好ましい。記録可能な又は書換可能な記録媒体の場合、通常、記録のために2つの書込処理が実行される。すなわち、後の書込処理、すなわち、記録するべきデータビットの書込処理の相対速度を設定するための特に記録密度又はレーテンシー情報を示すプリグルーブ情報の書込処理と、記録するデータビットの書込処理とが実行される。一方、プリグルーブ情報内の記録密度又はレーテンシー情報から独立してデータビットの書込の相対速度を設定してもよい。更に、本発明に基づく記録媒体の製造方法及び/又は記録方法では、書込データビットの相対速度を変更して記録媒体を回転させることによってデータを記録してもよい。
また、本発明に係る検証方法は、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する異なる記録領域を含む記録媒体を検証する記録媒体の検証方法において、それぞれ、記録領域のレーテンシーの各変更が、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるようにレーテンシーが変更された記録領域のパターンを、レーテンシーを変更するために用いられた鍵により、レーテンシーが変更された記録領域のパターンのレーテンシーを相関させる相関処理によって判定するステップを有する。
本発明に基づくこの検証方法は、記録媒体の記録領域の測定されたレーテンシーを、レーテンシー変化の生成及び型押しに用いた鍵と直接比較することができるという利点を有する。そして、得られた相関結果に基づいて、検討中の媒体が、(鍵に基づく小さなレーテンシー変化が型押しされた)元の記録媒体であるか、(鍵に基づく小さなレーテンシー変化が型押しされていない)そのコピーであるかを判定することができる。
記録媒体が本発明に基づく変更されたレーテンシーを有する記録領域を有しているか否かを検出する検出アルゴリズム、すなわち、上述の検証方法は、好ましくは、値sをランダムに選択し、許容されているセクタ範囲内で、肯定的検証結果を得る可能性を有するために必要なセクタの数、すなわち、それらの振幅の観測の下で、レーテンシーの変更の検出に必要である最小数をs_minとして、すなわち、セクタ(この場合、記録領域に等しい)の範囲内で、セクタ範囲内で、sのセクタに続いて、s_minセクタが使用可能であるとの制約の下で、変更されたレーテンシーで記録領域のパターンを構築し、セクタsで始まるセクタアクセスタイミングを測定及び保存し、保存されたアクセスタイミングと、鍵、例えば、鍵自体又は鍵に由来するシグネチャデータとの相関を調べ、相関結果が第1の閾値t1を上回る(元の記録媒体であることが検出される)まで、又は、長さ、すなわち変更されたレーテンシーを有する記録領域の数からsを減算することによって決定されたs_maxのセクタが読み出されるまで、連続するアクセスタイミングの測定及び保存を継続し、エラーが発生し、又はアクセス時間が超過した場合、好ましくは、全体の測定、保存及び相関を繰返し、保存された測定データをフィルタリングしてスパイクを取り除き、読出エラーを補償し、及びドライブ較正を補償し、測定値から、所定のドライブ/ディスクについて推定されたアクセス時間を減算する後処理を適用し、フィルタリングされ、後処理された測定データと、予想された鍵又は鍵に由来するシグネチャデータとの相関を調べ、相関結果が第2の閾値t2を上回った場合、元の記録媒体を検出し、この他の場合、検証を再試行するか、検証が失敗したことを検出する。
第1の閾値t1を第2の閾値t2より大きい値に設定することにより、すなわち、t1>t2にすることにより、相関結果が高い第1の閾値t1を上回った場合、時間がかかる測定の処理時間を短縮することができる。第2の閾値t2は、検出閾値である。
本発明に基づく検証方法において、鍵は、好ましくは、初期化数、すなわち、シードを用いて擬似ランダム処理に基づいて生成され、特に、記録媒体の製造の間に鍵を発生するために用いられた処理と同じ擬似ランダム処理に基づいて生成される。
本発明に基づく検証方法では、鍵は、好ましくは、擬似ランダム処理、特に、記録媒体の製造の間に鍵を発生するために用いられた処理と同じ擬似ランダム処理に基づいて生成されたガウス分布を有する数列であり、数列の各数は、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられる。
本発明に基づく検証方法においては、このパターンに含まれる記録領域(及び他の記録領域)のレーテンシーを測定し、テーブルに保存した後、鍵との相関を調べ、この記録媒体がオリジナルであるか否かを判定してもよい。
本発明に基づく第2のコンピュータプログラム製品は、コンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ又はこれに類する装置に実行されて、上述した記録媒体の製造方法又は記録媒体にデータを記録する記録方法及び/又は検証方法を実現するコンピュータプログラムを含む。
本発明を適用可能な記録媒体書込装置は、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応するデータを、記録媒体に書き込むように構成され、レーテンシーが変更される記録領域のパターンについて、それぞれ、記録領域のレーテンシーの各変更が、記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音内に含まれるように、個々の記録領域の各レーテンシーを変更する記録密度変更手段を備える。
このような記録媒体書込装置では、記録密度変更手段は、好ましくは、データビットの書込と記録媒体の回転との間の相対速度を変更する。この場合、記録密度変更手段は、予めフォーマットされた記録密度情報又は記録媒体上のレーテンシー情報から、データビットの書込と記録媒体の回転との間の相対速度を変更するための情報を得てもよい。これに代えて又はこれに加えて、記録密度変更手段は、外部制御信号から、データビットの書込と記録媒体の回転との間の相対速度を変更するための情報を得てもよい。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面、上述した本発明の包括的な説明、及び以下に示す発明を実施するための最良の形態は、本発明の原理を説明するためのものである。
図1は、コンパクトディスク(CD)のトラック8に沿った近傍の記録領域のピット1及びランド2、すなわち第1の記録領域3内のピット1とランド2の配置、第2の記録領域4内のピット1とランド2の配置、第3の記録領域5内のピット1とランド2の配置を示す図である。第1の記録領域3は、通常の、すなわち標準のCD上のそれぞれの位置に対応したレーテンシーを示し、第2の記録領域4は、変更された、すなわちここではCD上のそれぞれの位置に対するレーテンシーよりも短いレーテンシーを示し、第3の記録領域5は、通常の、すなわちCD上のそれぞれの位置に対応したレーテンシーを示す。記録領域間の遷移領域には、ピットもランドも示されていない。図1は、この変更されたレーテンシーを拡大して示している。本発明では、原則として、記録領域の選択されたパターンに属する全ての記録領域内でレーテンシーを変更するが、標準のレーテンシーに対する本発明に基づくレーテンシーの変化は小さいため、変更されたレーテンシーで記録領域のレーテンシーを測定しても導出することはできない。本発明の原理は、複数の記録領域に(不正に読み取られることがない)小さなレーテンシー変化を含ませ、同時に多くの記録領域のレーテンシー変化を「測定」し、これにより適切なレーテンシー変化が型押しされた元の記録媒体と、レーテンシー変化を有さないコピーされた記録媒体とを区別できるようにする。
通常、レーテンシーは、ピット及びランドが形成されている密度と、それらのそれぞれの大きさ(expansion)とから導き出すことができる。情報の単一ビットがCDに通常より短い時間で書かれている場合、すなわち、ピット及びランドの密度が通常より高く、それらの大きさが通常よりも短い場合、CDの所定のメモリブロック又はセクタは、通常より短い時間でアクセスされる。逆に、情報の単一のビットがCDに通常より長い時間で書かれている場合、すなわち、ピット及びランドの密度が通常より低く、それらの大きさが通常より長い場合、CDの所定のメモリブロック又はセクタは、通常より長い時間でアクセスされる。なお、本発明に基づいて形成されるレーテンシー変化は非常に小さいため、レーテンシーを測定するために用いられるアクセス機器の測定雑音内では、(各記録領域について)それぞれ「不可視」である。更に、好ましくは、パターンを構成する記録領域内のレーテンシー変化は、雑音のように振る舞うように変更される。
アクセス装置が、密度がより高く、大きさがより小さいピット及びランドに対しては内部同期(self-synchronization)を非常に高速にとる場合であっても、レーテンシーは、対応する標準のレーテンシー、すなわちレーテンシーが変更されていない対応するCDセクタのレーテンシーと同様であり、「レーテンシーの変化」は、ディスクドライブの回転速度を変化させることにより、得ることができる。換言すれば、本発明では、相対的なレーテンシー、すなわち回転速度に対するレーテンシーの関係を考慮する。本明細書で用いるレーテンシーという用語は、対応する標準の回転速度に由来するこのディスクの回転速度の偏差を考慮に入れる。
通常、後述するように、CDの隣接する記録領域は、それらのレーテンシーに関して、僅かな変化のみを示す。更に、図1を用いて説明したように、本発明では、通常、対応する標準(製造標準規格)のレーテンシーに関する変更は、記録領域の測定されたレーテンシーと、対応する標準レーテンシーとの比較に基づいては認識できないので、元の記録媒体のレーテンシー変化を不正に読み取ることはできず、コピーと元の記録媒体の区別は、複数の記録領域のレーテンシー変化の「測定」によってのみ可能である。更に、例えば、線速度変化に基づいて実現された変更されたレーテンシーは、好ましくは、対応する標準レーテンシーを中心とするガウス分布に基づいて形成され、すなわち、単に複数の記録領域を観測することによって、全体として、雑音に見えるレーテンシー変化を読み取ろうとする試みは、失敗するため、レーテンシー変化を生成するために用いられた鍵が未知であれば、「測定」を実行することもできない。
例えば、線速度変化に基づいて実現された変更されたレーテンシーは、今日入手可能なCDレコーダ及びCD−Rレコーダにおいては失われる。これは、これらのレコーダでは、記録媒体に予めフォーマットされている情報、例えば、CD−Rのプリグルーブ内の予めフォーマットされた線速度情報に基づいてレーテンシーを判定し、記録媒体の特徴を観測することによっては、変更されたレーテンシーを導出することができないためであり、本発明に基づく検証スキームによって機密保護される記録媒体のコピー又はエミュレーションが禁止される。
本発明の更なる実施例である記録可能な又は書換可能な記録媒体は、例えば様々な線速度を示すプリグルーブ情報を含んでいるので、記録装置は、プリグルーブによって示される様々な線速度に自動的に適応し、記録するデータは、書込み又は記録処理の前に既知であるプリグルーブ情報に基づいて安全に保護される。
記録可能な又は書換可能なCD又はDVDのプリグルーブ情報に含まれる線速度情報を、図1に示すCDの実施例に対応した図2に、原理的に示す。プリグルーブ情報は、データが記録されるトラック8の位置を示し、線速度情報に基づいて、トラック位置方向に周波数的に「ウォブル」されている。
図2に示す具体例では、周波数は、第1の記録領域3で低く、次に、第2の記録領域4で高く、再び第3の記録領域5で低くなるように設定されている。また、図2は、図1と同様に、この変更されたレーテンシーを拡大して示しており、標準のレーテンシーに対する本発明に基づくレーテンシーの変化は、とても小さく、変更されたレーテンシーを有する記録領域のレーテンシーを測定してもこのレーテンシーの変化を導出することはできない(また、他の如何なる手法でも観測できない)。
本発明に基づくレーテンシー変化がプリグルーブの周波数情報に型押しされた記録可能又は書換可能な記録媒体に対して、読出専用光学記録媒体の場合、レーテンシー情報、例えば、線速度変化は、マスタリング工程において設定される。
勿論、上述した高い周波数と低い周波数といった2種類の周波数のみを用いるのではなく、線速度、すなわちレーテンシー情報をより高度に符号化できるように、より多くの種類の周波数を用いてもよい。図3は、2つのCD−ROMの標準のレーテンシー曲線(すなわち、理想的な曲線)の分布及び500個の記録領域に対して、例示的なCD−ROMアクセス機器によって読み出された対応する測定結果(すなわち、実際のレーテンシー測定結果)を示している。レーテンシー分布は、アクセス機器が異なれば、僅かに異なるように見え、また実際に測定された値には、多少の測定雑音が含まれる。
詳しくは、図3に示す上側(実線)の曲線は、標準のレーテンシーに対する、すなわち、製造の間に選択された線速度から得られる測定されたレーテンシーの変化を示しており、標準のレーテンシーは、最初に測定された16.3msのレーテンシーから最後に測定された15.73msのレーテンシーまで、略々線形に連続的に減少している(測定されたレーテンシーの上側の実線の曲線内で太い実線によって示す)。更に、図3に示す下側(破線)の曲線は、標準のレーテンシーに対する、すなわち、製造の間に選択された線速度から得られる測定されたレーテンシーの変化を示しており、標準のレーテンシーは、最初に測定された16.01msのレーテンシーから最後に測定された15.47msのレーテンシーまで、略々線形に連続的に減少している(測定されたレーテンシーの下側の破線の曲線内の太い破線によって示す)。両方の標準のレーテンシーの差、すなわち、上側の太い実線と、下側の太い破線との間の差は、異なる製造条件から生じ、例えば、両方のディスクは、温度及び湿度が異なる、別の日に、同じ製造機械によって、製造されたものである。
実際に測定されたレーテンシーの上側の実線の曲線は、記録領域が本発明に基づく変更されたレーテンシーを有するディスクの記録領域のレーテンシー測定の結果であり、実際に測定されたレーテンシーの下側の破線の曲線は、レーテンシーが変更されていないディスクについて、対応する記録領域、すなわち、同じ位置のレーテンシー測定の結果を示している。換言すれば上側の曲線は、本発明に基づくシグネチャ及び測定雑音を示しており、下側の曲線は、測定雑音だけを示している。
図3に示す両方の曲線の比較からわかるように、測定雑音は、通常、本発明に基づくレーテンシー変化の振幅より大きい振幅を有するので、本発明に基づく僅かなレーテンシー変化は、単一の記録領域を観測しても検出することができない。更に、両方の曲線を比較しても、導入されたレーテンシー変化の特別な分布を導出することはできない。ここで、上述のように、どの記録領域のレーテンシーが変更されているか及びレーテンシーがそれぞれどのように変更されているかが既知であり、これらの記録領域(又は、その十分な部分)のレーテンシー測定の測定結果を既知のレーテンシー変化と比較することにより、例えば、測定結果と、例えば、レーテンシー変化を発生するために用いられた鍵によって表されるレーテンシー変化との線形相関等、適切な手法で比較を行えば、記録媒体を確実に検証することができる。
図4は、図3の上側の曲線に示すレーテンシーを型押しするために用いた鍵値を示している。記録領域1〜500を示す図3に対し、図4は、より長い鍵、すなわち、記録領域1〜1000に対応する鍵を示している。鍵は、所定のシードに基づく所定の擬似ランダム処理によって発生され、この擬似ランダム処理は、±1の値が1標準偏差(1σ)に等しく、±2の値が2標準偏差(2σ)に等しく、アルゴリズムが出力する最大値が±2.5であり、±2.5の間の他の値は、上述した具体例と同様に、同等な関係で標準偏差に対応するガウス分布を有する擬似ランダム値を発生する。
図5では、図3の上側の曲線に示すCD−ROMの標準のレーテンシーの分布の一部、すなわち、記録領域1〜16に対応する部分を部分的に拡大して破線で示し、図3の上側の曲線の測定されたレーテンシーを実線で示し、本発明に基づいて、これらの記録領域に型押しされたレーテンシー変化を点線で示している。この場合、測定されたレーテンシーのそれぞれは、それぞれの型押しされたレーテンシー及びそれぞれの測定雑音を含む。
異なるレーテンシー及びそれぞれ異なる記録領域に型押しされたレーテンシーに対応する鍵値を以下の表1に示す。
Figure 0005019743
図4に示す1000個の記録領域のための鍵と、型押しされたレーテンシーは、0の鍵値がCDの標準のレーテンシーの0.0%の偏差に等しく、±2.5の鍵値(2.5の標準偏差、すなわち、2.5σに等しい。)がCDの標準のレーテンシーの±0.5%の偏差に等しい線形の関係を有する。
型押しされたレーテンシー及び実際に測定されたレーテンシーは、雑音のように振る舞うため、ここに示す16個の記録領域について、測定されたレーテンシーからそれぞれ型押しされたレーテンシー変化を読み取ることは不可能であることがわかる。但し、これらの曲線の相関(又は測定されたレーテンシーとレーテンシー変化の型押しに用いた鍵との相関を調べる同等な相関の手法)により、型押しされたレーテンシーと、測定雑音のみ表す曲線、例えば、図3に示す下側の測定曲線との相関より高い相関結果の結果が得られる。上述したレーテンシー変更の仮定の下で、相関結果により、1000の桁の多くの測定値によって、元の記録媒体のレーテンシーが測定されたか否かを高い信頼度で検証することができる。勿論、より多くの測定値を用いれば、相関結果の信頼度が高くなり、測定値を少なくすれば、相関結果の信頼度は低くなる。更に、より小さいレーテンシー変更を選択すれば、元の記録媒体のレーテンシーが測定されるか否かを検証するために、より多くの数の測定を実行する必要がある。
各記録領域へのアクセスを所定の「ジャンプポイント」から開始すれば、レーテンシーの直接の測定に基づいて、例えば、CDセクタ又はフレーム等、特定の記録領域のレーテンシーを導出できる。
特に本発明に適合するように構成された特別な記録媒体アクセス機器は、レーテンシー情報を提供する更なる出力チャンネルを含んでいてもよい。図3に示す曲線は、この出力チャンネルから得られるレーテンシー情報とみなすこともできる。
図6は、本発明に基づいて、異なるレーテンシーを有する光記録媒体を生産するための具体的な記録媒体書込装置の機能を示す図である。信号供給装置(signal feeder)12は、EFM信号13を記録される信号として、及び可変クロック信号14をレーザビームレコーダ15に供給する。レーザビームレコーダ15は、レコーダエンジン18によって角速度一定で回転されているガラスマスタ(glass master)17にレーザビーム16を照射する。レーザビーム16は、EFM信号13及び可変クロック信号14に基づいて変調され、EFM信号13に対応したピット及びランドを、可変クロック信号14に従ってガラスマスタ17に記録する。すなわち、可変クロック信号14は、ガラスマスタ17上に記録されるEFM信号13の各ビットの長さを決定する。可変クロック信号14が対応する記録位置の通常の周波数より高い場合、記録されるピット及びランドは、その位置における通常の長さよりも短くなり、可変クロック信号14が通常の周波数より低い場合、記録されるビット及びランドは、その位置における通常の長さよりも長くなる。
図4及び表1に示す書込コード又は鍵(以下、鍵と呼ぶ)は、信号供給装置12内で、この例示的な記録媒体書込装置において、可変クロック周波数を得るための標準クロック周波数の変調を決定する。この具体例で鍵の各値は、1つの特定のデータフレーム、すなわち、データを記録する記録領域内における通常の標準クロック周波数からのクロック周波数の偏差を決定する。この値は、上述のように、標準クロック周波数の偏差を決定する。これにより、鍵値は、生産されたガラスマスタに、したがって、これにより得られる記録媒体に型押しされたレーテンシー偏差に直接対応する。
図7は、図6に示す記録媒体書込装置の信号供給装置12において実行される、異なるレーテンシーを設定する例示的な処理のフローチャートを示している。記録媒体の第1の記録領域が、本発明に基づいてレーテンシーが変更された記録領域のパターン内に含まれていない場合、記録媒体の最初には、標準クロック周波数による記録が行われる。そして、異なるレーテンシーを設定する手続きは、第1のステップS1から開始され、第1のフレームにおいて、この場合、連続したデータフレームのフィールドである記録領域のパターンを構築する。次に、第2のステップS2において、鍵の次の値を算出する。上述のように、この計算は、好ましくは、初期化数を用いて、ガウス分布を含む擬似ランダム処理に基づいて実行される。この擬似ランダム処理が実行される都度、新たな擬似乱数が出力される。出力される全ての擬似乱数が、出力順に鍵を構成する。同じ初期化数を用いて、同じ回数だけ、同じ擬似ランダム処理を実行した場合、同じ鍵値が得られる。次に、第3のステップS3において、次に発生された鍵値によって、標準クロック周波数を変調し、すなわち、次に発生された鍵値に対応する量だけ標準クロック周波数を増加又は減少させる。変調は、これにより得られるレーテンシーの偏差が、許容されている製造誤差内に含まれ、又はこれにより得られる記録媒体のレーテンシーを測定する際の測定雑音内に含まれるように実行される。次に、第4のステップS4において、変調されたクロック周波数でEFMデータを書き込む。そして、第5のステップS5において、(記録領域のパターンを構成する)最後のフレームが処理されたか否かを判定する。最後のフレームが処理された場合、処理は第6ステップS6に進み、終了する。これ以外の場合、すなわち、次のフレームを処理する場合、処理は第2のステップS2に戻る。記録領域のパターン内に記録媒体の最後の記録領域が含まれていない限り、本発明に基づいてレーテンシーが変更された記録媒体の最後の部分は、標準クロック周波数で記録される。
検証シグネチャが型押しされる記録領域のパターンは、連続したデータフレームのフィールドである必要はなく、記録媒体で利用可能な複数の記録領域内の他の所定の記録領域であってもよい。この場合、レーテンシーが変更される記録領域のパターンに属さない記録領域、例えば、上述の具体例のようなデータフレームは、対応する標準クロック周波数で記録され、他の記録領域は、上述の処理に基づいて記録される。これに代えて、偏差なしを示す鍵値を出力するアルゴリズムに基づいて鍵を算出し、すなわち、変更されたレーテンシーを有する記録領域のパターンに属さない記録領域については、対応する標準レーテンシーを変更しない変調を用いて、記録媒体の全ての記録領域を上述の処理に基づいて記録してもよい。
図8は、本発明に基づく異なるレーテンシーを有する記録媒体のための、例示的な記録媒体検証装置の機能を説明する図である。リーダエンジン24は、元の又はコピーされた光ディスク23を角速度一定に回転させる。レーザピックアップ22は、ディスク23からデータ、すなわち、記録されたEFM信号を読み出し、読み出したデータフレーム21を、例えば、この実施形態では、内部のタイマでデータスループットを測定するソフトウェアを有するPCである評価装置20に供給する。評価装置20は、各データフレームを受け取るまでに掛かった時間を測定し、この時間を示す情報を保存する。評価装置20は、レーテンシーが変更された記録領域のパターンに属する全ての(又は、評価に十分な数の)データフレームを測定し、それらの各レーテンシーを保存した後に、測定結果(又は、その一部)と、対応する元の記録媒体にデータを記録するために用いられた鍵とを比較することによって、データを読み出したディスクが、元のディスクであるか又はコピーされたディスクであるかを判定することができる。
図9は、図8に示す記録媒体検証装置のプロセッサによって実行される、本発明に基づく記録媒体を検証する、すなわち、異なるレーテンシーとそれらを生成するために用いられた鍵とを比較する例示的な処理のフローチャートを示している。検証処理は、第10のステップS10から開始され、ここで、記録媒体にレーテンシー変化を型押しするために用いられた鍵を算出する。この計算は、既知の擬似ランダム処理、既知の鍵の長さ、及び既知の初期化数、すなわち、擬似ランダム処理のためのシードに基づいて実行される。これに代えて何らかのストレージから鍵を読み出してもよい。
次に、第11のステップS11において、許容されているセクタ範囲内、すなわち、変更されたレーテンシーを有する記録領域のパターンを構成するセクタ(この場合、記録領域に等しい。)の範囲内で、開始値sをランダムに選択する。このようにランダムに開始値sを選ぶ際には、セクタ範囲内で、sのセクタに続いて、s_minセクタが使用可能であるとの制約がある。ここで、s_minは、セクタ範囲内で、肯定的検証結果を得る可能性を有するために必要なセクタの数、すなわち、それらの振幅の観測の下で、レーテンシーの変更の検出に必要である最小数を表す。更に、変数iをこの開始値sに設定する。次に、第12のステップS12において、セクタiのアクセス時間を測定する。そして、第13のステップS13において、鍵の長さを有するファーストインファーストアウト(first in first out:以下、FIFOという。)メモリに、この測定時間を保存する。次に、第14のステップS14において、鍵(鍵から導出されたシグネチャデータ、例えば、鍵によって型押しされたレーテンシー)と、FIFOメモリのコンテンツとの相関を調べる。次に、第15のステップS15において、相関結果が第1の閾値t1を上回っているか否かを判定する。この判定の結果が肯定的である場合、第16のステップS16に進み、肯定的検証が得られたと判定する。この第16のステップS16の後に、処理は終了する。
第15のステップS15において、相関結果が第1の閾値t1を上回っていないと判定された場合、処理は、第17のステップS17に進み、ここで、s_max個のセクタが読み出されたか否かを判定する。ここで、s_maxは、レーテンシーが変更された記録領域の長さ、すなわち記録領域の数からsを減算することによって求められる。この判定の結果が否定的である場合、処理は、第18のステップS18に進み、ここでiを1インクリメントする。この第18のステップS18の後に処理は、第12のステップS12に戻り、次のセクタのアクセス時間を測定する。
一方、第17のステップS17において、s_maxのセクタ、すなわち、sの記録領域に続くレーテンシーが変更された全ての記録領域が読み出されたと判定された場合、処理は、第19のステップS19に進み、ここで、アクセス時間における読出及び保存の間に、(読出)エラーが生じたか又はアクセス時間が超過したか否かを判定する。この判定の結果が肯定的である場合、処理は、第11のステップS11に戻って、測定、保存及び相関の処理を繰り返す。
アクセス時間における読出及び保存の間に(読出)エラーが発生せず、アクセス時間の超過も検出されない場合、処理は、第20のステップS20に進み、保存された測定データのフィルタリング及び/又は後処理を実行し、スパイクを除去し、読出エラーを補償し、ドライブ較正(drive calibration)を補償し(フィルタリング)、測定値から所定のドライブ/ディスクの推定アクセス時間を減算する(後処理)。その後、第21のステップS21において、フィルタリングされ、後処理された測定データと、予想された鍵又は鍵により導出されたシグネチャデータとの相関を調べる。次に、第22のステップS22において、この相関結果が第2の閾値t2を上回っているか否かを判定する。この判定の結果が肯定的である場合、処理は、第16のステップS16に進み、ここで、肯定的検証結果が得られたと判定し、すなわち、この記録媒体が元の記録媒体であることが検出されたと判定し、処理を終了する。この他の場合、処理は、第22のステップS22から第23のステップS23に進み、否定的検証結果を得たと判定する。この検証処理を呼び出す処理に応じて、検証を再試行してもよく、検証の失敗を検出してもよい。
第1の閾値t1を第2の閾値t2より大きい値に設定することにより、すなわち、t1>t2にすることにより、相関結果が高い第1の閾値t1を上回った場合、時間がかかる測定の処理時間を短縮することができる。第2の閾値t2は、検出閾値である。
勿論、レーテンシーが変更された記録領域のパターンが連続していない場合、第18のステップS18においては、iを1より大きい数によってインクリメントしてレーテンシーが変更された次の記録領域を決定する必要がある。更に、測定結果を保存するために、FIFOメモリに代えて、他の形式のメモリを用いてもよい。
レーテンシーが観測されるフレームは、記録媒体上の全てのフレームであってもよく、すなわち、上述の処理は、記録媒体の第1の記録領域から開始してもよい。読出レーテンシーが既知の鍵に一致した場合、処理は、肯定的検証が得られたと判定し、終了する。読出レーテンシーが既知の鍵に一致しない場合、処理は、全ての記録領域を検討した後に、終了する。この処理は、相関に基づいているので、異なる読出速度に容易に適合させることができる。更に、処理を高速化するために、各レーテンシーを測定するために、レーテンシーが変更された記録領域のパターンに属す記録領域のみを検討してもよい。
レーテンシー偏差が型押しされた記録領域が全く未知の場合、例えば、記録可能な又は書換可能な記録媒体の場合も、本発明に基づく方法では、これらの記録領域の相互の関係が既知であり、既知の鍵に反映されているため、記録媒体が元の記録媒体であるかコピーかを検証することができる。したがって、レーテンシーが変更された全ての(又は検証に十分な一部の)記録領域を含む所定の範囲の記録領域のレーテンシーが測定できる限り、相関結果は、検査された記録媒体が元の記録媒体であるか否かを決定的に示すことができる。
図10は、本発明に基づく記録媒体における異なる複数のレーテンシー、及びレーテンシーが変化していない記録媒体のコピーにアクセスした際のレーテンシーをエミュレートするエミュレータ又はエミュレータソフトウェアの原理を示す図である。
詳しくは、図10の上段の部分の右側には、異なるレーテンシーに基づくシグネチャ(signature)を有する本発明に基づく記録媒体のコピー34を示している。すなわち、このコピー34は、本発明に基づくシグネチャを示している。シグネチャ付のコピー34に対するデータの読出しを実行すると、対応するデータブロック26が変更された速度で検証装置(verification means)30に供給される。この実施例では、隣り合う2つのデータブロック26間の間隔が、例えば「標準の」の間隔である第1の時間間隔を有する第1の領域28と、隣り合う2つのデータブロック26間の間隔が、第1の時間間隔に比べて短い第2の時間間隔を有する第2の領域27とが交互に現れ、すなわち、第2の領域27内の連続する2つのデータブロック26は、第1の領域28内の連続する2つのデータブロック26より短い期間で検証装置30に到着する。
検証装置30は、ソフトウェア及びハードウェアのいずれによって実現してもよく、記録媒体の記録領域(又は、少なくともレーテンシーが変更された記録領域のパターンに含まれる記録領域、又は、少なくとも検証に十分なその一部)のレーテンシーを決定し、測定されたレーテンシーと、レーテンシー偏差を記録媒体に型押しするために用いた鍵とを比較する。検証装置30は、例えば、データベースから、又は好ましくは、暗号化された形式で初期化数を格納する記録媒体自体からレーテンシー偏差に関する情報を得てもよく、単に、これらのレーテンシーと、読出データブロック26が到着する速度とを比較してもよい。到着速度が各対応する記録領域の既知のレーテンシー偏差に一致する場合、この媒体を元の記録媒体であると判定し、アクセスを許可する。これらが一致しない場合、この媒体を不正コピーであると判定し、アクセスを拒否する。
図10の中段及び下段は、シグネチャなしの、すなわちレーテンシーの変化を示さない記録媒体のコピー35へのアクセスを示している。このような、シグネチャなしのコピー35は、元の記録媒体のデータをCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、RAM又はメモリスティック(商標)、若しくはこれらの他のあらゆる種類の記録媒体又は装置にコピーすることによって作成される。また、ネットワークを介してデータにアクセスすることによっても作成される。
図10の中段において、データブロック26は、検証装置30に一定の速度、この場合、図10の上段に示す第1の領域28における連続する2つのデータブロック26間の第1の時間間隔に対応する速度で到着する。このように、図10の中段に示す例では、データブロック26は、検証装置30に、異なる速度で到着しないため、この場合、一定の読出速度によって、シグネチャなしのコピー35が読み出されていると直ちに判定され、検証装置30は、記録媒体上のデータへのアクセスを拒否する。
図10の下段においては、データブロック26は、図10の中段の場合と同様に、シグネチャなしのコピー35から一定の速度で読み出される。しかしながら、この例では、データブロック26は、検証装置30に供給される前に、エミュレータ29に一定の速度で供給される。エミュレータ29は、鍵又は擬似ランダム処理及びシードに基づいて、本発明に基づくシグネチャを生成し、これにより、対応するデータブロック26は、例えば、図10の上段に示す第1の領域28及び第2の領域27に対応する変更された速度で検証装置30に供給される。したがって、図10の下段に示す例では、データブロック26は、検証装置30にエミュレータ29によって決定された異なる速度、例えばシグネチャ付のコピー34の元の記録媒体に対応した異なる速度で供給されるため、検証装置30は、記録媒体上のデータへのアクセスを許可する。
エミュレータ29は、ソフトウェア又はハードウェアとして実現することができ、例えばレーテンシー変化を反映するデータベース又は元の記録媒体を製造するために用いた鍵に基づいて、記録媒体上の全ての記録領域又は少なくとも所定の記録領域のレーテンシーを判定し、これらのレーテンシーを読出データブロック26に適用し、適用されたデータブロック26がこのエミュレータ29から出力され、検証装置30に供給される。
更に、本発明の包括的な説明の部分で述べたように、本発明は、回転され、線速度の変更によってレーテンシーを変更される上述したような光又は光磁気記録媒体のみではなく、レーテンシーの変更を行うことができる他の記録媒体にも同様に適用することができる。また、本発明に基づくエミュレータは、好ましくは回転される異なるレーテンシーを有する光又は光磁気記録媒体のみではなく、更なるストレージメディアもエミュレートする。
本発明の第1の好適な実施形態に基づくCDの隣接する記録領域のピット及びランドを原理的に示す図である。 本発明の第2の好適な実施形態に基づく、CD−R上のプリグルーブ情報として予めフォーマットされた記録密度情報を原理的に示す図である。 例示的なCD−ROMアクセス機器における、1つのディスクの標準のレーテンシー及びこれに比較される他のディスクの変更されたレーテンシーを示す図である。 図3に示す、本発明に基づく変更されたレーテンシーを導出する鍵を示す図である。 図3に示す、標準のレーテンシーの部分的な拡大図を本発明に基づく変更されたレーテンシーと共に示す図である。 異なるレーテンシーを有する記録媒体を製造する例示的な記録媒体書込装置の機能を説明する図である。 図6に示す記録媒体書込装置の信号供給装置が実行する、異なるレーテンシーを設定する例示的な処理のフローチャートである。 異なるレーテンシーを有する記録媒体のための例示的な記録媒体検証装置の機能を説明する図である。 図8に示す記録媒体検証装置のプロセッサが実行する、異なるレーテンシーを検証する例示的な処理のフローチャートである。 本発明に基づく記録媒体の異なるレーテンシーをエミュレートするエミュレータ又はエミュレータソフトウェアの原理を説明する図である。

Claims (23)

  1. 記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する記録領域、及び
    鍵に基づいた変調によって、該各対応する標準のレーテンシーに対して変更されるレーテンシーを有する上記記録領域のパターンを含む記録媒体において、
    上記鍵に基づいた変調による、該記録領域の各レーテンシーの変更が、上記記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音より小さくて
    上記測定雑音は、当該記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際に発生される雑音であり
    上記鍵は、上記変更に関する既知の変化を表すように、更に、測定されたレーテンシーと上記既知の変化とを相関させる相関処理によってレーテンシー変化を検知することができるように選択されることを特徴とする記録媒体。
  2. 当該記録媒体は、上記記録領域として、所定量の記録容量のメモリブロックを含む光記録担体又は光磁気記録担体であり、上記各対応する標準のレーテンシーは、上記メモリブロックにビットを書き込む標準の手続きに基づいて、上記メモリブロックに書き込まれるビットの密度に基づいて決定され、上記パターンを形成する上記メモリブロックの上記変更されたレーテンシーは、より高い又はより低い密度で該各メモリブロックにビットを書き込むことによって実現される、上記各対応する標準のレーテンシーより短い又はより長いレーテンシーであることを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 上記光記録担体又は上記光磁気記録担体は、読出専用記録坦体、記録可能記録担体又は書換可能記録担体であることを特徴とする請求項2記載の記録媒体。
  4. データを記録した後に、記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である各対応する標準のレーテンシーによって記録領域を得るための予めフォーマットされた記録密度情報を含み、該予めフォーマットされた記録密度情報は、上記異なる記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーが該各対応する標準のレーテンシーに対して、鍵に基づいて、変更されていることを示す記録可能な又は書換可能な記録媒体であって、
    上記鍵に基づいた変調による、該記録領域の各レーテンシーの変更が、上記記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシー測定の測定雑音より小さくて
    上記測定雑音は、当該記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際に発生される雑音であり
    上記鍵は、上記変更に関する既知の変化を表すように、更に、測定されたレーテンシーと上記既知の変化とを相関させる相関処理によってレーテンシー変化を検知することができるように選択されることを特徴とする記録可能な又は書換可能な記録媒体。
  5. 当該記録媒体は、光記録担体又は光磁気記録担体であり、
    上記予めフォーマットされた記録密度情報は、当該記録媒体のプリグルーブに書き込まれた周波数情報であり、
    上記記録媒体は、上記記録領域として、所定量の記録容量のメモリブロックを含み、
    上記各対応する標準のレーテンシーは、上記メモリブロックにビットを書き込む標準の手続きに基づいて、上記メモリブロックに書き込まれるビットの密度を示す上記周波数情報に基づいて決定され、
    上記パターンを形成する上記メモリブロックの上記変更されたレーテンシーは、上記変更された周波数情報に基づき、より高い又はより低い密度で該メモリブロックにビットを書き込むことによって実現される、上記各対応する標準のレーテンシーより短い又はより長いレーテンシーであることを特徴とする請求項4記載の記録媒体。
  6. 上記各レーテンシーが変更された記録領域のパターンは、鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調することによって実現されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の記録媒体。
  7. 上記鍵は、所定の初期化数による擬似ランダム処理に基づいて生成されることを特徴とする請求項6記載の記録媒体。
  8. 上記鍵は、擬似ランダム処理に基づいて生成されたガウス分布を有する数列であり、該数列の各数は、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられることを特徴とする請求項6又は7記載の記録媒体。
  9. 上記記録領域のパターン内において、所定数の連続する記録領域は、同じ変更されたレーテンシーを有することを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の記録媒体。
  10. 記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する記録領域を含む記録媒体のエミュレータであって、各対応する標準のレーテンシーに対して、上記記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーを変更するようエミュレートするエミュレータにおいて、
    上記記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、上記記録領域の標準のレーテンシーに関して、該レーテンシーが、レーテンシー測定の測定雑音より小さく、変更された記録領域のパターンを示すように上記異なる記録領域の各レーテンシーをエミュレートし、
    上記エミュレートは、上記記録領域のパターンの各レーテンシーの、それぞれの標準のレーテンシーに対する変更を定義する鍵に基づいて実行され、
    上記鍵は、上記変更に関する既知の変化を表すように、更に、測定されたレーテンシーと上記既知の変化とを相関させる相関処理によってレーテンシー変化を検知することができるように選択されることを特徴とするエミュレータ。
  11. 請求項1乃至9いずれか1項記載の記録媒体をエミュレートすることを特徴とする請求項10記載のエミュレータ。
  12. コンピュータ又はデジタルシグナルプロセッサ上で実行されて、請求項10又は11記載のエミュレータを実現するコンピュータプログラム。
  13. 記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する異なる記録領域を形成又は指示する記録媒体を製造する記録媒体の製造方法又は記録媒体にデータを記録する記録方法であって、該異なる記録領域の少なくとも一部の各レーテンシーを該各対応する標準のレーテンシーに対して、鍵に基づいて変更する記録媒体の製造方法又は記録方法において、
    上記記録領域のレーテンシーの各変更が、当該記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、上記記録領域の標準のレーテンシーに関して、レーテンシーが、レーテンシー測定の測定雑音より小さく変更された記録領域のパターンを形成又は指示するステップを有し、
    上記鍵は、上記変更に関する既知の変化を表すように、更に、測定されたレーテンシーと上記既知の変化とを相関させる相関処理によってレーテンシー変化を検知することができるように選択されることを特徴とする記録媒体の製造方法又は記録方法。
  14. 鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調することによって上記レーテンシーが変更された記録領域のパターンを形成又は指示するステップを更に有する請求項13記載の記録媒体の製造方法又は記録方法。
  15. 上記鍵に基づいて、記録領域のパターンの標準のレーテンシーを変調するステップは、
    上記鍵によって、上記記録領域のパターンの記録領域に記録されるビットの密度を変調することによって、又は
    上記鍵によって、記録可能又は書換可能な記録担体の場合、該記録坦体に記録され、上記記録領域のパターンの記録領域に記録されるビットの密度を示す周波数情報を変調することによって実行されることを特徴とする請求項14記載の記録媒体の製造方法又は記録方法。
  16. 所定の初期化数による擬似ランダム処理に基づいて上記鍵を生成するステップを更に有する請求項14又は15記載の記録媒体の製造方法又は記録方法。
  17. 擬似ランダム処理に基づいて、ガウス分布を有し、各数が、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられる数列として上記鍵を生成するステップを更に有することを特徴とする請求項14乃至16いずれか1項記載の記録媒体の製造方法又は記録方法。
  18. 上記ストレージのパターン内において、所定数の連続する記録領域が同じ変更されたレーテンシーを有するように変調するステップを更に有する請求項14乃至17いずれか1項記載の記録媒体の製造方法又は記録方法。
  19. 記録領域に保存されているデータの要求から、要求されたデータの受信までの待ち時間である標準のレーテンシーにそれぞれ対応する異なる記録領域を含む記録媒体を検証する記録媒体の検証方法において、
    それぞれ、上記記録領域のレーテンシーの各変更が、当該記録媒体にアクセスするための読出機器によって測定が実行される際、上記記録領域の標準のレーテンシーに関して、上記レーテンシーが、レーテンシー測定の測定雑音より小さく変更された記録領域のパターンを、上記レーテンシーを変更するために用いられた鍵により、上記レーテンシーが変更された記録領域のパターンのレーテンシーを相関させる相関処理によって判定するステップを有する記録媒体の検証方法。
  20. 所定の初期化数による擬似ランダム処理に基づいて上記鍵を生成するステップを更に有する請求項19記載の記録媒体の検証方法。
  21. 擬似ランダム処理に基づいて、ガウス分布を有し、各数が、少なくとも1つの所定の記録領域のレーテンシーを変更するために用いられる数列として上記鍵を生成するステップを更に有することを特徴とする請求項19乃至20いずれか1項記載の記録媒体の検証方法。
  22. コンピュータ又はデジタルシグナルプロセッサ上で実行されて、請求項13乃至21いずれか1項記載の方法を実現するコンピュータプログラム。
  23. 請求項12又は22記載のコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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