JP5017739B2 - FUEL CELL DEVICE AND METHOD OF OPERATING FUEL CELL - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池装置および燃料電池の運転方法に関し、詳しくは、ガスの供給を受けて電気化学反応により起電力を得る燃料電池を備える燃料電池および燃料電池の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、アノード側には水素を含有する燃料ガスを供給し、カソード側には酸素を含有する酸化ガスを供給することで、各電極で電気化学反応が進行して起電力が得られるが、このような電気化学反応が進行する際に、アノード側またはカソード側において生成水が生じる。以下に電池反応で生じる生成水の例として、燃料電池の一種である固体高分子型燃料電池の電極で進行する反応を示す。
【0003】
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0004】
(1)式はアノードにおける反応を、(2)式はカソードにおける反応を示し、電池全体としては(3)式に示す反応が進行する。このように固体高分子型燃料電池では、電池反応の進行に伴ってカソード側に生成水が生じる。通常、生じた生成水は、カソードに供給されている酸化ガス中に気化し、酸化ガスとともに燃料電池外に排出される。しかしながら、生じる生成水の量が多くなると、酸化ガス中に気化させるだけでは生成水を排出しきれなくなってしまう。このように酸化ガス中に気化されずに残った生成水がカソードの周辺で凝縮して水滴を成すと、ガス流路が閉塞されてカソード周辺での酸化ガスの流れが妨げられて電池性能の低下につながるおそれがある。
【0005】
このようなガス流路の閉塞は、カソード側ばかりでなくアノード側でも起こり得る。固体高分子型燃料電池のアノードでは電池反応によって上記したような生成水が生じることはないが、アノードに供給される燃料ガス中の水蒸気の凝縮が起きる。既述した電気化学反応が進行するとき、アノード側では上記(1)式の反応で生じたプロトンは所定の数の水分子と水和した状態で電解質膜中をカソード側へ移動する。従って通常は、電解質膜のアノード側において水分が不足して導電性が低下してしまうのを防ぐために、アノード側に供給する燃料ガスを加湿して、電解質膜に対して水を補う構成となっている。このように燃料ガス中に加えられた水蒸気は、燃料電池の始動時や、燃料電池の運転温度が低下して飽和蒸気圧が下がったときなどに、ガス流路において凝縮してしまうことがある。このような場合には、アノード側においてもガスの流路が閉塞されて燃料ガスの流れが妨げられて、電池性能の低下が引き起こされるおそれがある。
【0006】
なお、上記したように(1)式の反応で生じたプロトンは水和した状態でカソード側に移動するため、カソード側では、既述した生成水の他にプロトンの移動と共に持ち込まれる水分子も加わって、さらに水が過剰な状態となり、凝縮水がガス流路に生じ易くなる。
【0007】
そこで従来、燃料電池内でガス流路を形成する部材に対して親水化の処理を施し、これによって生成水の排水性の向上が図られてきた(例えば、特開平8−138692号公報等)。燃料電池内でガス流路を形成する部材に対して親水化の処理を施すことによって、生成水は親水性を有する部材表面を伝ってガス流路から排出され易くなり、水滴として留ってガス流路を塞いでしまうのを防ぐことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにガス流路を形成する部材に対して親水化の処理を施す場合には、ガス流路を形成するための部材を成形して、ガス流路を成す凹凸形状を設けた後に、塗布などの方法によってこの部材の表面に親水性物質を付着させるなどの処理が必要となる。また、用いる親水性物質が充分な導電性を有しない場合には、ガス流路を形成する部材において、導電性を確保すべき領域に付着した親水性物質を取り除くなどの処理がさらに必要となる場合もある。このように、ガス流路を形成する部材に対して親水化の処理を施す場合には、この部材の製造工程が煩雑化してしまい、これによって製造コストが上昇してしまうという問題があった。
【0009】
本発明の燃料電池装置および燃料電池の運転方法は、こうした問題を解決し、燃料電池の製造の際に煩雑な加工の工程を要することなく、燃料電池内ガス流路における排水性を向上させることを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の燃料電池装置は、水素ガスを含有する燃料ガスが流れる燃料ガス流路を一方の電極との間に形成する燃料ガス流路形成部材と、酸素ガスを含有する酸化ガスが流れる酸化ガス流路を他方の電極との間に形成する酸化ガス流路形成部材とを備え、前記燃料ガス流路に対して前記燃料ガスの供給を受けると共に、前記酸化ガス流路に対して前記酸化ガスの供給を受け、前記水素ガスおよび酸素ガスを利用した電気化学反応により起電力を得る燃料電池を備える燃料電池装置であって、
メタノールまたはエタノールを、前記燃料ガス流路に供給する前記燃料ガスまたは前記酸化ガス流路に供給する前記酸化ガスに対して導入する導入手段をさらに備えることを要旨とする。
【0011】
以上のように構成された本発明の第1の燃料電池装置は、流路形成部材上に水滴が存在する場合、該水滴中に混合されることによって、該水滴表面と前記流路形成部材表面とが成す接触角を小さくする働きを有する物質を、流路形成部材の表面が形成する流路に供給するガスに対して導入する。この流路形成部材を備える燃料電池は、前記ガスの供給を受け、電気化学反応により起電力を得る。
【0012】
本発明の燃料電池の運転方法は、水素ガスを含有する燃料ガスが流れる燃料ガス流路を一方の電極との間に形成する燃料ガス流路形成部材と、酸素ガスを含有する酸化ガスが流れる酸化ガス流路を他方の電極との間に形成する酸化ガス流路形成部材とを備え、前記燃料ガス流路に対して前記燃料ガスの供給を受けると共に、前記酸化ガス流路に対して前記酸化ガスの供給を受け、前記水素ガスおよび酸素ガスを利用した電気化学反応により起電力を得る燃料電池の運転方法であって、
a)メタノールまたはエタノールを、前記燃料ガスまたは前記酸化ガスに対して導入する工程と
b)前記工程(a)の後に、前記燃料ガス流路に対して前記燃料ガスを供給すると共に、前記酸化ガス流路に対して前記酸化ガスを供給する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0013】
このような本発明の燃料電池装置、および、本発明の燃料電池の運転方法によれば、燃料電池内の流路においてこの流路を通過するガス中の水蒸気が凝縮して水滴を成しても、水滴表面と流路形成部材とが成す接触角を小さくする働きを有する物質が、この水滴中に含有されることになるため、凝縮水からなる水滴と流路形成部材との濡れ性が向上し、凝縮水は流路形成部材表面に導かれて容易に排出される。したがって、凝縮水がガス流路に滞留してガスの流れを妨げるのを防止することができる。ガスの流れが妨げられるのを防止することにより、凝縮水に起因して燃料電池の性能が低下してしまうのを抑えることができる。メタノールおよびエタノールは、いずれも、上記接触角を小さくする効果、および、水への溶解度が充分に高いため、前記燃料ガスまたは前記酸化ガス中に導入することで、容易に既述した効果を得ることができる。
【0017】
また、本発明の燃料電池装置において、
前記燃料電池の運転状態を検知する運転状態検知手段と、
前記運転状態検知手段の検知結果に基づいて、前記導入手段によって前記燃料ガスまたは前記酸化ガスに対して導入するメタノールまたはエタノールの量を制御する制御手段と
をさらに備えることとしても良い。
【0018】
このような構成とすれば、燃料電池の運転状態が変動しても、凝縮水中に含まれるメタノールまたはエタノールの量を常に所定の量(の範囲)とすることができる。すなわち、燃料電池の運転状態が変動することによって燃料電池内で生じる凝縮水の量が変動する場合にも、凝縮水の滞留を防ぐ効果を常に確保することができる。ここで、燃料電池の運転状態に基づくときには、燃料電池の運転温度に基づいたり、燃料電池の発電量あるいは燃料電池に接続される負荷の大きさに基づいたり、負荷の変動量に基づいたりすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
(1)燃料電池装置の全体構成:
図1は、本発明の好適な一実施例である燃料電池10を備える燃料電池装置15の構成の概略を表わす説明図である。燃料電池装置15は、燃料電池10の他、水素ボンベ40,ブロワ41,加湿器42,43,添加部44,45,制御部50を主な構成要素として備えている。
【0027】
水素ボンベ40は、水素ガスを貯蔵する貯蔵装置であり、燃料ガス供給路46を介して燃料電池10に接続している。燃料ガス供給路46において、水素ボンベ40の近傍にはバルブ95が設けられており、このバルブ95によって、水素ボンベ40から燃料電池10に供給される水素ガス量が調節される。燃料ガス供給路46は、バルブ95が設けられた位置よりもさらに燃料電池10側で加湿器42を経由する。燃料ガス供給路46内を通過する水素ガスは、この加湿器42によって加湿される。加湿器42による加湿の方法としては、例えば、バブリングによって水素ガスを加湿することとしても良いし、あるいは、液体は透過しないが気体は透過する通気性膜を介して水素ガスと水とを接触させて、水素ガスを加湿することとしても良い。
【0028】
燃料ガス供給路46は、さらに添加部44を経由しており、加湿された水素ガスは、この添加部44においてさらにエタノールが添加される。この添加部44の構成は、後述する添加部45と共に本発明の要部に対応するものであり、後で詳しく説明する。添加部44でエタノールが添加された水素ガスは、燃料ガスとして燃料電池10のアノード側に供給される。
【0029】
ブロワ41は、空気を取り込んでこれを圧縮する装置であり、酸化ガス供給路47を介して燃料電池10に接続している。ブロワ41の駆動状態によって、燃料電池10に供給される圧縮空気量が調節される。酸化ガス供給路47は、上記燃料ガス供給路46と同様に加湿器43および添加部45を経由しており、酸化ガス供給路47内を通過する圧縮空気は、加湿器43によって加湿され、添加部45によってエタノールが添加される。添加部45でエタノールが添加された圧縮空気は、酸化ガスとして燃料電池10のカソード側に供給される。
【0030】
制御部50は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPU52と、CPU52で各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROM54と、同じくCPU52で各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAM56と、上記燃料電池10の運転状態に関わる信号を入力すると共にCPU52での演算結果に応じて既述した燃料電池装置15の各構成要素に種々の駆動信号を出力する入出力ポート58等を備える。
【0031】
(2)燃料電池10の構成:
燃料電池10は、固体高分子型燃料電池であり、単セルを積層してなるスタック構造を有しており、上記燃料ガスおよび酸化ガスの供給を受けて、電気化学反応により起電力を得る。以下に、燃料電池10内で進行する電気化学反応を示す。
【0032】
H2 → 2H++2e- …(1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2)
H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0033】
(1)式はアノードにおける反応、(2)式はカソードにおける反応を表わし、燃料電池全体では(3)式に示す反応が進行する。このように、電気化学反応が進行する際には、カソード側において水が生じる。本発明は、このカソード側で生じる生成水に関わる。燃料電池10には、図示しない負荷が接続されており、燃料電池10に対して充分量の燃料ガスおよび酸化ガスを供給することによって、燃料電池10は負荷に対して必要量の電力を供給することが可能となる。
【0034】
図2は、燃料電池10を構成する単セル12の構成を表わす断面図であり、図3は、単セル12の構成を表わす分解斜視図である。単セル12は、電解質膜21を、アノード22およびカソード23で挟持し、このサンドイッチ構造をさらに両側からセパレータ30で挟持することによって構成されている(図2参照)。このような単セル12を所定数積層することによって、スタック構造が構成される。
【0035】
電解質膜21は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)を使用した。電解質膜21の表面には、触媒としての白金または白金と他の金属からなる合金が担持されている。アノード22およびカソード23は、ガス拡散電極である。これらは、炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスや、カーボンペーパ、あるいはカーボンフエルトなど、充分なガス拡散性および導電性を有する部材によって構成される。セパレータ30は、充分な導電性と強度と耐食性とを有する材料によって形成される。本実施例では、カーボン材料をプレス成形することによってセパレータ30を形成したが、充分な耐食性を実現可能であれば、金属など他の材料によってセパレータ30を形成することとしてもよい。
【0036】
セパレータ30が、電解質膜21,アノード22,カソード23と共に積層されて単セル12を形成し、さらにスタック構造を構成するときには、セパレータ30とガス拡散電極との間には、単セル内ガス流路が形成される。すなわち、セパレータ30と、これに隣接するアノード22との間には単セル内燃料ガス流路24Pが形成され、もう一方のセパレータ30と、これに隣接するカソード23との間には単セル内酸化ガス流路25Pが形成される。
【0037】
図4は、セパレータ30の構成を表わす平面図である。セパレータ30は、板状部材であるが、その外周部周辺に8つの孔部を備えている。すなわち、酸化ガス供給孔33,酸化ガス排出孔34,燃料ガス供給孔35,燃料ガス排出孔36と、4つの冷却水孔37を備えている。酸化ガス供給孔33は、上記スタック構造を構成する他の各々のセパレータ30が備える酸化ガス供給孔33と重なり合って、スタック構造を積層方向に貫通する酸化ガス供給マニホールドを形成する。同様に、酸化ガス排出孔34は酸化ガス排出マニホールドを、燃料ガス供給孔35は燃料ガス供給マニホールドを、燃料ガス排出孔36は燃料ガス排出マニホールドを、冷却水孔37は冷却水マニホールドを形成する。
【0038】
また、セパレータ30の一方の面(図4に示した面)側には、酸化ガス供給孔33と酸化ガス排出孔34とを連通させる凹部31が形成されている。凹部31には、その底面から突出して形成された複数の凸部32が設けられている。セパレータ30の他方の面側には、燃料ガス供給孔35と燃料ガス排出孔36とを連通させる同様の凹部が形成されており、この凹部には、その底面から突出して形成された同様の複数の凸部32が設けられている(図示せず)。燃料電池内では、これらの凹部の底面と各凸部の側面とは、このセパレータ30に隣接するガスセパレータの表面との間で記述した単セル内ガス流路を形成する。なお、各セパレータの表面に形成された凸部32の形状は、ガス流路を形成してガス拡散電極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能であれば良い。図3および図4に示した形状に限るものではなく、例えば、平行に形成された複数の溝状に形成するなど、他の形状とすることができる。
【0039】
既述したように、燃料電池10は、燃料ガス供給路46を介して、加湿されエタノールが添加された水素ガスを、燃料ガスとして供給される。燃料電池10に供給された燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールドを介して、各単セル内に形成される単セル内燃料ガス流路24Pに分配され、電気化学反応に供される。各単セル内燃料ガス流路24Pから排出された燃料ガスは、燃料ガス排出マニホールドに集合して、燃料ガス排出路48を介して燃料電池外部に排出される。また、燃料電池10は、酸化ガス供給路47を介して、加湿されエタノールが添加された圧縮空気を、酸化ガスとして供給される。燃料電池10に供給された酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールドを介して、各単セル内に形成される単セル内酸化ガス流路25Pに分配され、電気化学反応に供される。各単セル内酸化ガス流路25Pから排出された酸化ガスは、酸化ガス排出マニホールドに集合して、酸化ガス排出路49を介して燃料電池外部に排出される(図1参照)。
【0040】
また、燃料電池10は、所定の温度範囲(例えば約80〜100℃)で運転されるが、電池反応は発熱を伴うため、燃料電池10の内部温度が上昇し過ぎるのを防ぐために冷却水が用いられている。冷却水は、燃料電池10の外部に設けられた所定の冷却水供給装置から燃料電池10に供給され、既述した冷却水マニホールドを介して燃料電池内の冷却水路を通過することによって燃料電池10内部を降温させ、その後燃料電池10の外部に設けられた所定の冷却水処理装置に排出される。
【0041】
(3)添加部の構成と凝縮水:
添加部44は、既述したように、水素ガスにエタノールを添加する装置である。添加部44は、インジェクタ91とエタノールタンク93とを備えている。インジェクタ91は、エタノールを貯蔵するエタノールタンク93に接続しており、加湿器42を経由して加湿された水素ガスに対して、所定量のエタノールを噴霧することによって添加する。同様に、圧縮空気にエタノールを添加する装置である添加部45は、インジェクタ92とエタノールタンク94とを備えている。インジェクタ92は、エタノールを貯蔵するエタノールタンク94に接続しており、加湿器43を経由して加湿された圧縮空気に対して、所定量のエタノールを噴霧することによって添加する。本実施例では、それぞれの添加部は、水素ガスあるいは圧縮空気に対して、0.2%の割合でエタノールを添加することとした。なお、本実施例では、添加部44,45はそれぞれ別個にエタノールタンク93,94を備えているが、添加部44,45は単一のエタノールタンクを共用することとしても良い。
【0042】
ここで、燃料電池10内で生じる凝縮水について説明する。(2)式に示したように、電気化学反応の進行と共にカソード側では水が生じるが、このカソード側に生じた生成水は、酸化ガス中に気化して、酸化ガスと共に燃料電池10内から排出される。しかしながら、燃料電池内で進行する電気化学反応の量が多い場合や、外気温など周囲の環境の影響によって燃料電池10中で部分的に温度が低下する場合や、負荷の変動と共に電気化学反応の量が変動して、これに伴って燃料電池10内部の温度が変動した場合などには、飽和蒸気圧を超えた量の生成水がガス流路内で凝縮することがある。
【0043】
このような凝縮水の様子を図4に示した。図4では、単セル内酸化ガス流路で生じる凝縮水の様子を、セパレータ30が備える凹部31上に設けられた複数の凸部32間に、水滴Dとして表わした。ここで、燃料電池10に供給される酸化ガスには、0.2%のエタノールが添加されているため、単セル内酸化ガス流路内で生じる凝縮水も所定量のエタノールを含有することになる。凝縮水にエタノールが溶け込むことで、水滴Dの表面とセパレータ30の表面とが成す接触角は、エタノールを含有しない場合よりもより小さくなる。すなわち、セパレータ30と水滴Dとの間の濡れ性が向上する。このように濡れ性が向上することで、水滴Dは、セパレータ30の表面に導かれて、酸化ガスの流れと重力とに従って容易に単セル内酸化ガス流路から排出される。
【0044】
なお、燃料電池10に供給される酸化ガスは、既述したように加湿器43によって加湿されている。カソード側では上記したように生成水が生じるが、酸化ガスは圧縮空気であるため、このような高圧のガスが接触することによって電解質膜21表面が部分的に乾いてしまうおそれがある。したがって、このような電解質膜の乾燥を防ぐ目的で、酸化ガスの加湿が行なわれる。このように加湿器43を備える場合には、エタノールと共に凝縮する水滴Dは、電気化学反応で生じた生成水の他に、加湿器43によって加えられた水を含んでいる。もとより、電解質膜21のカソード側における乾燥が許容範囲であれば、加湿器43は設けないこととしても良い。
【0045】
(1)式に示したように、電気化学反応によってアノード側ではプロトンが生じるが、生じたプロトンは、複数の水分子と共に水和した状態でカソード側に向かって電解質膜21内を移動する。このように、電解質膜21のアノード側では水が不足した状態となりやすいため、電解質膜21の乾燥を防ぐために、加湿器42を設けて燃料ガスの加湿を行なっている。加湿器42によって燃料ガスに加えられた水蒸気も、部分的あるいは一時的に燃料電池の温度が低下したときなどに単セル内ガス流路で凝縮するが、その際にはエタノールを所定量含有する状態で凝縮する。凝縮水にエタノールが溶け込むことで、凝縮水からなる水滴の表面とセパレータ30の表面とが成す接触角は、エタノールを含有しない場合よりもより小さくなると共に、セパレータ30と水滴との間の濡れ性が向上する。このように濡れ性が向上することで、凝縮水は、セパレータ30の表面に導かれて、燃料ガスの流れに従って容易に単セル内燃料ガス流路から排出される。
【0046】
以上のように構成された本実施例の燃料電池装置15によれば、燃料電池10に供給する燃料ガスおよび酸化ガスに対してエタノールを添加することによって、単セル内ガス流路内で凝縮した凝縮水がガス流路を塞いでしまうのを防止することができる。すなわち、ガス流路に生じた凝縮水はエタノールを含有するため、凝縮水とセパレータ表面との間の濡れ性が向上して、凝縮水はセパレータ表面に導かれて容易にガス流路から排出され、水滴が単セル内ガス流路に滞留してしまうのを抑えることができる。水滴が単セル内ガス流路に滞留するとガスの流れが阻害され(フラッディング現象が起こり)、電気化学反応の進行が抑えられてしまう。このような場合には、燃料電池から所定量以上の電流を取り出そうとすると急激な電圧降下が起きる。本実施例の燃料電池装置15は、ガスにエタノールを添加することによって、フラッディングに起因するこのような不都合を防ぐことができる。
【0047】
上記した説明では、燃料ガスと酸化ガスとの両方にエタノールを添加することとしたが、どちらか一方のガスにエタノールを添加する場合にも、対応するガス流路における排水性を向上させ、凝縮水の滞留を防止する所定の効果を得ることができる。例えば、電解質膜21が充分に薄く、カソード側で生じる生成水によってアノード側の乾燥を防ぐことが可能であるならば、燃料ガス供給路46には、加湿器42および添加部44を設けないこととしても差し支えなく、この場合には、酸化ガスにエタノールを添加するだけで充分に凝縮水の影響を防ぐことができる。また、エタノールは、電解質膜が含有する水に溶解するため、電解質膜を経由してエタノールの添加を行なっていないガスの流路においても効果を現わすことが可能である。特に、燃料ガスだけにエタノールを添加する場合には、電解質膜が含有する水に溶解して電解質膜のカソード側に到達したエタノールは、カソード側で生じる生成水と共に酸化ガス中に気化するため、燃料ガスだけにエタノールを添加することで、両方のガスの流路において凝縮水の滞留を防ぐことが可能になる。
【0048】
なお、上記した説明では、単セル内ガス流路において凝縮水が滞留しない効果について述べたが、セパレータ表面と凝縮水表面とが成す接触角が小さくなることによって、単セル内ガス流路だけでなく、単セル内ガス流路とガスマニホールドとの接続部位やガスマニホールドなど、燃料電池内に設けられたガス流路の他の領域でも、ガス流路を形成する部材の表面と凝縮水表面とが成す接触角が小さくなる効果が得られ、すなわち、濡れ性を向上させる効果が得られ、凝縮水が滞留してしまうのを抑えることができる。
【0049】
上記実施例では、ガスに添加するエタノール量は、ガス量の0.2%としたが、添加するエタノール量は異なる割合としてもよい。セパレータ表面と凝縮水表面とが成す接触角が小さくなる効果は、セパレータを構成する材料や、セパレータの表面の状態などによって変わるため、加えたエタノールが燃料電池に及ぼす影響が許容できる範囲で、凝縮水が成す接触角を充分に小さくできる量を加えることとすればよい。
【0050】
また、上記実施例では、ガスにエタノールを添加する際にインジェクタを用い、ガス中にエタノールを噴霧する構成としたが、異なる方法でエタノールをガスに添加することとしても良い。例えば、加湿器42,43において、ガスを加湿するために用いる水にエタノールを混合しておき、加湿と同時にエタノールの添加を行なうこととしてもよい。インジェクタを用いる場合には、添加するエタノール量を正確に制御することが容易であるため、所望の量のエタノールをガスに添加する上で有利である。なお、加湿器で加湿を行なう際に充分な飽和水蒸気圧を確保するためにガスを加熱したり、ブロワ41によって空気を圧縮することによって、添加部に供給されるガスが充分に昇温している場合には、噴霧したエタノールは速やかに気化してガス中に混合されるが、ガスの昇温状態が不十分である場合には、エタノールの噴霧に先立ってガスを加熱することとしても良い。
【0051】
また、ガスに添加するエタノール量を制御する際には、燃料電池の運転状態に応じてエタノール量を調節することで、常に所望の濃度のエタノールをガス中に存在させることができる。燃料電池の運転状態に応じてエタノールの添加量を制御する際は、燃料電池に接続される負荷の大きさに基づいても良く、あるいは、負荷に関する情報を基にして決定される水素供給量や空気供給量に基づいても良く、燃料電池に供給されるガス中のエタノール量が所定の値の範囲(上記した説明では0.2%)となるような制御が行なわれればよい。
【0052】
なお、上記した実施例では、ガスに添加する物質としてエタノールを用いたが、セパレータ表面と凝縮水表面とが成す接触角を小さくする効果を有するものであれば、エタノール以外の物質を用いることとしても良い。親水基を有する物質を添加すれば、効果的にセパレータ表面と凝縮水表面とが成す接触角を小さくすることができる。ここで、親水基を有する物質とは、例えば、−SO4,−CO2,−SO3,−N,−COOH,−OH,−O−の中から選択される親水基を有する物質である。特に、分子量の小さい(炭素数の少ない)アルコール類は、水に対する溶解度が高く、ガスに添加することで効率よく凝縮水に混合することができ、ガスに添加する物質として優れている。分子量の小さいアルコールとしては、例えば、本実施例で用いたエタノールの他、メタノールやブタノールやイソプロピルアルコールなどを挙げることができる。
【0053】
(4)第2実施例の燃料電池装置115:
図5は、第2実施例の燃料電池装置115の構成の概略を表わす説明図である。第1実施例の燃料電池装置15では、燃料電池10に供給するガスにエタノールを添加することによって、ガス流路内において凝縮水が滞留するのを防いだが、第2実施例の燃料電池装置115は、燃料ガスとしてメタノールを改質して得られる水素リッチな改質ガスを用い、改質ガス中に所定量のメタノールを残留させることで、ガス流路内で凝縮水が滞留するのを防ぐ。以下、燃料電池装置115における燃料ガスの供給に関わる構成について説明する。
【0054】
燃料電池装置115は、燃料ガスとして、上記したように改質ガスを用いる。改質ガスの供給に関わる構成として、燃料電池装置115は、メタノールを貯蔵するメタノールタンク80,水を貯蔵する水タンク81,バーナ85を併設してメタノールおよび水を気化させる蒸発器82,メタノールを用いて改質反応を進行する改質器83,改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するCO低減部84を備えている。さらに、燃料電池装置15が備える制御部50と同様の制御部150を備えている。
【0055】
メタノールタンク80から蒸発器82に原燃料であるメタノールを送り込むメタノール流路60には第2ポンプ71が設けられており、蒸発器82に供給するメタノール量を調節可能となっている。この第2ポンプ71は、制御部150に接続されており、制御部150から出力される信号によって駆動され、蒸発器82に供給するメタノール流量を調節する。
【0056】
水タンク81から蒸発器82に水を送り込む水供給路62には第3ポンプ72が設けられており、蒸発器82に供給する水の量を調節可能となっている。この第3ポンプ72は、第2ポンプ71と同じく制御部150に接続されており、制御部150から出力される信号によって駆動され、蒸発器82に供給する水量を調節する。上記メタノール流路60と水供給路62とは合流して第1燃料供給路63を形成し、この第1燃料供給路63は蒸発器82に接続する。メタノール流量と水量とは上記第2ポンプ71と第3ポンプ72とによって調節されるため、所定量ずつ混合されたメタノールと水とは第1燃料供給路63を介して蒸発器82に供給される。
【0057】
蒸発器82は、メタノールおよび水を気化させるための熱源として、バーナ85を備えている。バーナ85は、燃焼のための燃料を、燃料電池110のアノード側およびメタノールタンク80から供給される。燃料電池110は、メタノールを改質器83で改質して生成した水素リッチガスを燃料として電気化学反応を行なうが、燃料電池110に供給されたすべての水素が電気化学反応において消費されるわけではなく、消費されずに残った水素を含む燃料排ガスは燃料排出路67に排出される。バーナ85は、この燃料排出路67に接続して燃料排ガスの供給を受け、消費されずに残った水素を完全燃焼させて燃料の利用率の向上を図っている。通常はこのような排燃料だけではバーナ85における燃焼反応のための燃料として不足するため、この不足分に相当する燃料、および燃料電池装置115の起動時のように燃料電池110から排燃料の供給を受けられないときの、バーナ85における燃焼反応のための燃料は、メタノールタンク80から供給される。バーナ85へメタノールを供給するためにメタノール分岐路61が設けられている。このメタノール分岐路61は、メタノールタンク80から蒸発器82にメタノールを供給するメタノール流路60から分岐している。メタノール分岐路61には、第1ポンプ70が設けられている。この第1ポンプ70は、制御部150に接続されており、制御部150から出力される信号によって駆動され、バーナ85に供給するメタノール流量を調節する。蒸発器82で気化・昇温されたメタノールと水とからなる原燃料ガスは、第2燃料供給路64に導かれて改質器83に伝えられるが、バーナ85に供給するメタノール量を制御することで、原燃料ガスの加熱量を制御することができる。
【0058】
改質器83は、供給されたメタノールと水とからなる原燃料ガスを改質して水素リッチな改質ガスを生成する。改質器83は、表面にCu−Zn触媒を担持したメタルハニカムからなる触媒部を備えており、この触媒上に原燃料ガスを通過させることによって改質反応を進行させる。改質器83で生成された改質ガスは、第3燃料供給路65に排出されて、CO低減部84に導かれる。改質器83では、水蒸気改質反応および酸化反応(部分酸化反応)が進行し、これらの反応によって水素リッチガスを生成する。以下に、これらの反応を示す。
【0059】
【0060】
(4)式は、メタノールの水蒸気改質反応、(5)式は、メタノールの酸化反応の一例(部分酸化反応)を表わす。(4)式に示すように、水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、改質反応を進行させるためには熱エネルギを供給する必要がある。また、(5)式に示すように、酸化反応は発熱反応である。本実施例では、改質器83で進行する酸化反応の量を調節し、この酸化反応で生じた熱を水蒸気改質反応で利用している。改質器83で進行する酸化反応の量は、改質器83に供給する酸素量によって調節することができる。改質器83にはブロワ74が併設されており、酸素を含有する圧縮空気が、空気供給路76を介してブロワ74から供給される。ブロワ74は制御部150と接続しており、制御部150からの駆動信号によって、改質器83に供給する圧縮空気量、すなわち酸素量が制御される。
【0061】
改質器83に対しては、蒸発器82から供給される原燃料ガス自身によっても熱がもたらされる。したがって、バーナ85に供給する燃料の量と、改質器83に供給する(酸素)量を調節することで、改質器83の内部温度を制御することができる。改質器83には温度センサ73が設けられており、温度センサ73が検出した改質器83の内部温度に関する情報は制御部150に入力される。また、制御部150には、燃料電池110に接続される負荷の大きさ、あるいは、負荷の変動に関する情報も入力される(図示せず)。制御部150は、これら負荷に関する情報(発電すべき電力量)に基づいて改質器83に供給する原燃料ガス量を調節すると共に、上記負荷に関する情報と温度センサ73からの情報とに基づいて、既述した各ポンプやブロワを駆動して、改質器83の内部温度を制御する。
【0062】
改質器83内で進行する反応は化学反応であるため、このような温度制御によって、内部で進行する反応の状態(反応量)を制御することができる。本実施例では、上記したように改質器83の内部温度を制御することによって、改質器から排出される改質ガス中に残留するメタノール量が所定量(略0.2%)となるように制御される。
【0063】
なお、改質器83において、酸化反応を行なうことなく、水蒸気改質反応だけを行なうこととし、改質器83にヒータを設け、ヒータの発熱量によって改質器の内部温度を制御することとしても良い。また、蒸発器82から持ち込まれる熱量だけで改質反応に要する熱量を賄うこととし、バーナ85に供給する燃料の量によって改質器83の内部温度を制御することとしても良い。
【0064】
CO低減部84は、第3燃料供給路65を介して改質器83から供給された改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減させる装置である。メタノールの一般的な改質反応はすでに(4)式に示したが、実際に改質反応が行なわれるときにはこのような反応が理想的に進行するわけではなく、改質器83で生成された改質ガスは所定量の一酸化炭素を含んでいる。燃料電池に共有する燃料ガス中に一酸化炭素が含まれると、燃料電池の触媒に一酸化炭素が吸着して電気化学反応を妨げるおそれがあるため、CO低減部84を設けることで、燃料電池110に供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度の低減を図っている。
【0065】
CO低減部84においては、改質ガス中の水素に優先して一酸化炭素の酸化が行なわれる。CO低減部84には、一酸化炭素の選択酸化触媒である白金触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒、金触媒、あるいはこれらを第1元素とした合金触媒を担持した担体が充填されている。このCO低減部84で処理された燃料ガス中の一酸化炭素濃度は、CO低減部84の運転温度、供給される改質ガス中の一酸化炭素濃度、CO低減部84への単位触媒体積当たりの燃料ガスの供給流量等によって定まる。CO低減部84には図示しない一酸化炭素濃度センサが設けられており、この測定結果に基づいてCO低減部84の運転温度や供給する燃料ガス流量を調節し、処理後の燃料ガス中の一酸化炭素濃度が所定の値以下となるように制御している。なお、CO低減部84にはブロワ75が併設されており、酸素を含有する圧縮空気が、空気供給路77を介してブロワ75から供給される。ブロワ75は制御部150と接続しており、制御部150からの駆動信号によって、CO低減部84に供給される酸素量が制御される。
【0066】
CO低減部84で上記のように一酸化炭素濃度が下げられた燃料ガスは、第4燃料供給路66によって燃料電池110に導かれ、アノード側における電池反応に供される。燃料電池110で電池反応に用いられた後の燃料排ガスは、既述したように燃料排出路67に排出されてバーナ85に導かれ、この燃料排ガス中に残っている水素が燃焼のための燃料として消費される。
【0067】
燃料電池110のカソード側に酸化ガスを供給する装置は第1実施例と同様であるが、本実施例では、燃料ガス中にメタノールを残留させるのに合わせて、第1実施例の添加部45に代えて、酸化ガスにメタノールを添加する添加部145を備えることとした。もとより、酸化ガス側には第1実施例と同様にエタノールを添加することとしても構わない。電池反応に用いられた残りの酸化排ガスは、酸化排ガス路69を介して外部に排出される。
【0068】
以上のように構成された燃料電池装置115によれば、改質器83における改質反応の進行状態を制御することによって、燃料ガス中に所定量のメタノールを残留させるため、燃料電池内の燃料ガス流路で凝縮水が生じても、凝縮水の水滴表面とセパレータ表面とが成す接触角がより小さくなって濡れ性が向上する。したがって、第1実施例と同様に、凝縮水はセパレータ表面に導かれて容易に排出され、凝縮水が燃料ガス流路に滞留してガスの流れを妨ることで電池性能が低下するのを防止することができる。なお、従来は、改質器においてより完全に改質反応を進行させて水素の生成効率を向上させることで燃料電池の性能を高めようとされてきたが、本実施例のように、積極的に所定量のメタノールを燃料ガス中に残存させることで、燃料電池内のガス流路における排水性を向上させ、これによって燃料電池の性能をさらに高めることが可能になる。
【0069】
また、上記実施例のように燃料電池に供給する燃料ガス中に所定量のメタノールを残留させることにより、この残留メタノールは、電解質膜21を介してカソード側にも移動して、電気化学反応に伴ってカソード側で生じる生成水と共に酸化ガス中に気化する。したがって、酸化ガスにメタノールを添加する添加部145を設けないこととしても、燃料電池内の酸化ガス流路中で凝縮水が滞留するのを防止する所定の効果を得ることができる。
【0070】
図6は、第2実施例の燃料電池装置115と、ガスに対してメタノールの添加を行なわない燃料電池装置との間で、出力特性(出力電流密度と出力電圧の関係)を比較した結果を表わす説明図である。本実施例の燃料電池装置115が備える燃料電池110の出力特性は、図中、「メタノール添加」と表わした。なお、「エタノール無添加」と記したものは、第1実施例の燃料電池装置15と同様に水素ガスを燃料ガスとして用い、添加部44,45を備えない(ガスにメタノールやエタノールの添加を行なわない)燃料電池装置が備える燃料電池における出力特性を表わす。それぞれの燃料電池に供給する燃料ガスの量は、供給される燃料ガス中の水素量が同じになるように調節した。また、「メタノール無添加」の燃料電池に供給する燃料ガスの加湿量は、改質ガスが含有する水蒸気量と同程度となるように制御した。
【0071】
図6に示すように、燃料電池からの出力電流密度が小さい間は、両者の間に顕著な差は見られない(改質ガスは水素の他に所定量の二酸化炭素などを含有し、水素分子の拡散が二酸化炭素分子などによって妨げられるため、「メタノール添加」は、純度の高い水素ガスを用いる「メタノール無添加」に比べて、若干出力電圧値が低くなる)。しかしながら、さらに出力電流密度を上げると、「メタノール無添加」では急激に出力電圧値が低下するのに対し、「メタノール添加」では、さらに高い出力電流密度であっても充分な出力電圧値を維持することができた。このように、燃料ガス中に所定量のメタノールを残留させることによって、より高い出力電流密度に対しても充分な出力電圧値を維持することができ、電池性能を向上させることができた。
【0072】
なお、上記実施例では、改質反応に供する原燃料にメタノールを用いたが、燃料ガス中に残留させて凝縮水中に混合することによって、燃料電池内部のガス流路を構成する部材表面と凝縮水表面とが成す接触角を小さくする作用を有する炭化水素、あるいは炭化水素系化合物であれば、他種の炭化水素あるいは炭化水素系化合物を原燃料として用いても、同様に本発明を適用することができる。
【0073】
また、上記実施例では、改質器83の内部温度(触媒温度)によって改質反応の進行状態(残留するメタノール量)を制御したが、触媒温度以外の要素によって、あるいは触媒温度以外の要素をさらに加えて、残留するメタノール量を制御することとしても良い。例えば、改質器83内に設けられた触媒部を複数個に分割するなどの方法で、実際に改質反応に関与する触媒量を増減することによっても、改質反応の進行状態を調節することが可能である。また、可能であれば、改質器に供給する原燃料ガス量を調節することによっても、改質反応の進行状態を調節することができる。
【0074】
上記実施例では、負荷変動に応じて改質器の運転状態を制御して、改質ガス中に残留するメタノール量を所定の値(の範囲)となるようにしたが、負荷が一定であったり、改質器における処理量が一定であり、改質器の運転状態がほとんど変動しない場合には、改質器から排出される改質ガス中に残留するメタノール量が所定量となるように、予め改質器の運転条件(ガス流量、触媒量、触媒温度に関わる各ポンプやブロワの駆動状態など)を設定しておけばよい。
【0075】
また、上記第1および第2実施例では、固体高分子型燃料電池を用いたが、電気化学反応により生じる生成水が流路内に滞留するおそれのある燃料電池であれば、他種の燃料電池に適用することも可能である。例えば、直接メタノール型燃料電池において、カソード側に供給する酸化ガスに、所定量のメタノールあるいはエタノールを添加しても同様の効果を得ることができる。
【0076】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である燃料電池10を備える燃料電池装置15の構成の概略を表わす説明図である。
【図2】単セル12の構成を表わす断面図である。
【図3】単セル12の構成を表わす分解斜視図である。
【図4】セパレータ30の構成を表わす平面図である。
【図5】燃料電池装置115の構成を表わす説明図である。
【図6】メタノール添加が電池性能に与える影響を示す説明図である。
【符号の説明】
10,110…燃料電池
12…単セル
15,115…燃料電池装置
21…電解質膜
22…アノード
23…カソード
24P…単セル内燃料ガス流路
25P…単セル内酸化ガス流路
30…セパレータ
31…凹部
32…凸部
33…酸化ガス供給孔
34…酸化ガス排出孔
35…燃料ガス供給孔
36…燃料ガス排出孔
37…冷却水孔
40…水素ボンベ
41…ブロワ
42,43…加湿器
44,45,145…添加部
46…燃料ガス供給路
47…酸化ガス供給路
48…燃料ガス排出路
49…酸化ガス排出路
50,150…制御部
52…CPU
54…ROM
56…RAM
58…入出力ポート
60…メタノール流路
61…メタノール分岐路
62…水供給路
63…第1燃料供給路
64…第2燃料供給路
65…第3燃料供給路
66…第4燃料供給路
67…燃料排出路
69…酸化排ガス路
70…第1ポンプ
71…第2ポンプ
72…第3ポンプ
73…温度センサ
74,75…ブロワ
80…メタノールタンク
81…水タンク
82…蒸発器
83…改質器
84…CO低減部
85…バーナ
91,92…インジェクタ
93,94…エタノールタンク
95…バルブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel cell device and a fuel cell operation method, and more particularly, to a fuel cell including a fuel cell that receives gas supply and obtains an electromotive force by an electrochemical reaction, and a fuel cell operation method.
[0002]
[Prior art]
In a fuel cell, a fuel gas containing hydrogen is supplied to the anode side, and an oxidizing gas containing oxygen is supplied to the cathode side. When such an electrochemical reaction proceeds, product water is generated on the anode side or the cathode side. As an example of generated water generated by the cell reaction, a reaction that proceeds at an electrode of a polymer electrolyte fuel cell, which is a kind of fuel cell, is shown below.
[0003]
H2 → 2H++ 2e- ... (1)
(1/2) O2+ 2H++ 2e- → H2O ... (2)
H2+ (1/2) O2 → H2O ... (3)
[0004]
Formula (1) shows the reaction at the anode, Formula (2) shows the reaction at the cathode, and the reaction shown in Formula (3) proceeds as the whole battery. Thus, in the polymer electrolyte fuel cell, generated water is generated on the cathode side as the cell reaction proceeds. Usually, the produced water is vaporized in the oxidizing gas supplied to the cathode and discharged out of the fuel cell together with the oxidizing gas. However, when the amount of generated water increases, the generated water cannot be discharged only by vaporizing it in the oxidizing gas. If the product water that remains without being vaporized in the oxidizing gas in this way condenses around the cathode to form water droplets, the gas flow path is blocked and the flow of the oxidizing gas around the cathode is hindered, resulting in improved battery performance. May lead to decline.
[0005]
Such blockage of the gas flow path can occur not only on the cathode side but also on the anode side. In the anode of the polymer electrolyte fuel cell, the generated water is not generated by the cell reaction, but the water vapor in the fuel gas supplied to the anode is condensed. When the above-described electrochemical reaction proceeds, on the anode side, protons generated by the reaction of the above formula (1) move to the cathode side in the electrolyte membrane in a hydrated state with a predetermined number of water molecules. Therefore, in general, in order to prevent the conductivity from decreasing due to insufficient moisture on the anode side of the electrolyte membrane, the fuel gas supplied to the anode side is humidified to supplement the electrolyte membrane with water. ing. The water vapor added to the fuel gas in this way may condense in the gas flow path when the fuel cell is started or when the operating temperature of the fuel cell is lowered and the saturated vapor pressure is lowered. . In such a case, the gas flow path is also blocked on the anode side and the flow of the fuel gas is hindered, which may cause a decrease in battery performance.
[0006]
As described above, since the proton generated in the reaction of the formula (1) moves to the cathode side in a hydrated state, on the cathode side, in addition to the generated water described above, water molecules brought in along with the movement of protons are also included. In addition, water becomes excessive and condensed water is likely to be generated in the gas flow path.
[0007]
Therefore, conventionally, a member for forming a gas flow path in a fuel cell has been subjected to a hydrophilization treatment, thereby improving the drainage of generated water (for example, JP-A-8-138692). . By subjecting the member that forms the gas flow path in the fuel cell to the hydrophilization treatment, the generated water is easily discharged from the gas flow path along the hydrophilic member surface, and remains as water droplets in the gas. It is possible to prevent the flow path from being blocked.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case where the member that forms the gas flow path is subjected to the hydrophilic treatment as described above, the member for forming the gas flow path is formed to provide an uneven shape that forms the gas flow path. Later, a treatment such as attaching a hydrophilic substance to the surface of the member by a method such as coating is required. Further, when the hydrophilic substance to be used does not have sufficient conductivity, it is necessary to further remove the hydrophilic substance attached to the region where the conductivity should be secured in the member forming the gas flow path. In some cases. As described above, when the member for forming the gas flow path is subjected to the hydrophilization treatment, the manufacturing process of the member becomes complicated, thereby increasing the manufacturing cost.
[0009]
The fuel cell device and the fuel cell operating method of the present invention solve these problems and improve drainage in the gas flow path in the fuel cell without requiring complicated processing steps when manufacturing the fuel cell. The following structure was adopted.
[0010]
[Means for solving the problems and their functions and effects]
The fuel cell device of the present invention is hydrogengasContaining fuel gasA fuel gas flow path forming member that forms a fuel gas flow path through which the gas flows between one electrode andoxygengasOxidizing gas containingOxidized flowingGas flow pathBetween the other electrodeTo formOxidizing gasChannel forming memberWhenComprisingfuelSaid fuel gas to the gas flow pathTo the oxidizing gas flow pathReceiving the supply of the oxidizing gas,Utilizing the hydrogen gas and oxygen gasA fuel cell device comprising a fuel cell that obtains an electromotive force by an electrochemical reaction,
Methanol or ethanolfuelThe fuel gas supplied to the gas flow path orSupply to the oxidizing gas flow pathThe gist of the present invention is to further include introducing means for introducing the oxidizing gas.
[0011]
In the first fuel cell device of the present invention configured as described above, when water droplets exist on the flow path forming member, the water droplet surface and the flow path forming member surface are mixed by mixing in the water droplets. A substance having a function of reducing the contact angle formed by and is introduced into the gas supplied to the flow path formed by the surface of the flow path forming member. A fuel cell including this flow path forming member receives supply of the gas and obtains an electromotive force by an electrochemical reaction.
[0012]
The operation method of the fuel cell of the present invention is hydrogengasContaining fuel gasA fuel gas flow path forming member that forms a fuel gas flow path through which the gas flows between one electrode andoxygengasOxidizing gas containingOxidized flowingGas flow pathBetween the other electrodeTo formOxidizing gasChannel forming memberWhenComprisingfuelSaid fuel gas to the gas flow pathTo the oxidizing gas flow pathReceiving the supply of the oxidizing gas,Utilizing the hydrogen gas and oxygen gasA method of operating a fuel cell that obtains an electromotive force by an electrochemical reaction,
a) introducing methanol or ethanol into the fuel gas or the oxidizing gas;
b) after the step (a), supplying the fuel gas to the fuel gas flow path and supplying the oxidizing gas to the oxidizing gas flow path;
It is a summary to provide.
[0013]
Such an inventionBurningBattery device and the present inventionBurningAccording to the operation method of the fuel cell, even if the water vapor in the gas passing through this flow path condenses in the flow path in the fuel cell to form water droplets, the contact angle formed between the water droplet surface and the flow path forming member is reduced. Since a substance having a function of reducing the size is contained in the water droplet, the wettability between the water droplet made of condensed water and the flow path forming member is improved, and the condensed water is guided to the surface of the flow path forming member. Easily discharged. Therefore, it is possible to prevent the condensed water from staying in the gas flow path and hindering the gas flow. By preventing the gas flow from being obstructed, it is possible to prevent the performance of the fuel cell from being deteriorated due to the condensed water.Since both methanol and ethanol have the effect of reducing the contact angle and the solubility in water is sufficiently high, the effects described above can be easily obtained by introduction into the fuel gas or the oxidizing gas. be able to.
[0017]
In addition, the present inventionBurningIn the battery device,
An operating state detecting means for detecting an operating state of the fuel cell;
Based on the detection result of the driving state detection means, the introduction meansFuel gas or oxidationIntroduce against gasMethanol or ethanolControl means to control the amount of
It is good also as providing further.
[0018]
With such a configuration, even if the operating state of the fuel cell fluctuates, it is contained in the condensed water.Methanol or ethanolThis amount can always be a predetermined amount (range). That is, even when the amount of condensed water generated in the fuel cell varies due to variation in the operating state of the fuel cell, it is possible to always ensure the effect of preventing the condensate water from staying. Here, when based on the operating state of the fuel cell, it is based on the operating temperature of the fuel cell, based on the amount of power generated by the fuel cell or the load connected to the fuel cell, or based on the amount of load fluctuation Can do.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In order to further clarify the configuration and operation of the present invention described above, embodiments of the present invention will be described based on examples.
(1) Overall configuration of the fuel cell device:
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an outline of the configuration of a
[0027]
The
[0028]
The fuel
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
(2) Configuration of the fuel cell 10:
The
[0032]
H2 → 2H++ 2e- ... (1)
(1/2) O2+ 2H++ 2e- → H2O ... (2)
H2+ (1/2) O2 → H2O ... (3)
[0033]
Formula (1) represents the reaction at the anode, Formula (2) represents the reaction at the cathode, and the reaction shown by Formula (3) proceeds in the entire fuel cell. Thus, when the electrochemical reaction proceeds, water is generated on the cathode side. The present invention relates to the water produced on the cathode side. A load (not shown) is connected to the
[0034]
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the configuration of the
[0035]
The
[0036]
When the
[0037]
FIG. 4 is a plan view illustrating the configuration of the
[0038]
In addition, a
[0039]
As described above, the
[0040]
In addition, the
[0041]
(3) Configuration of the addition part and condensed water:
As described above, the
[0042]
Here, the condensed water generated in the
[0043]
The state of such condensed water is shown in FIG. In FIG. 4, the state of the condensed water generated in the oxidizing gas flow path in the single cell is represented as water droplets D between the plurality of
[0044]
Note that the oxidizing gas supplied to the
[0045]
As shown in the formula (1), protons are generated on the anode side by the electrochemical reaction, and the generated protons move in the
[0046]
According to the
[0047]
In the above description, ethanol is added to both the fuel gas and the oxidizing gas. However, even when ethanol is added to one of the gases, the drainage in the corresponding gas flow path is improved, and condensation is performed. A predetermined effect for preventing water retention can be obtained. For example, if the
[0048]
In the above description, the effect that the condensed water does not stay in the gas flow path in the single cell has been described. However, the contact angle formed by the separator surface and the surface of the condensed water is reduced, so that The surface of the member forming the gas flow path and the surface of the condensed water also in other areas of the gas flow path provided in the fuel cell, such as the connection part of the gas flow path in the single cell and the gas manifold, or the gas manifold The effect of reducing the contact angle formed by this is obtained, that is, the effect of improving the wettability is obtained, and the condensate can be prevented from staying.
[0049]
In the above embodiment, the amount of ethanol added to the gas is 0.2% of the amount of gas, but the amount of ethanol added may be different. The effect of reducing the contact angle between the separator surface and the surface of the condensed water varies depending on the material constituting the separator and the state of the separator surface, etc., so that the effect of added ethanol on the fuel cell is acceptable. An amount that can sufficiently reduce the contact angle formed by water may be added.
[0050]
Moreover, in the said Example, when adding ethanol to gas, it was set as the structure which sprays ethanol in gas, but it is good also as adding ethanol to gas by a different method. For example, in the
[0051]
Further, when controlling the amount of ethanol added to the gas, by adjusting the amount of ethanol according to the operating state of the fuel cell, a desired concentration of ethanol can always be present in the gas. When controlling the amount of ethanol added according to the operating state of the fuel cell, it may be based on the size of the load connected to the fuel cell, or the amount of hydrogen supply determined based on the information on the load, Control may be performed so that the amount of ethanol in the gas supplied to the fuel cell is within a predetermined value range (0.2% in the above description).
[0052]
In the above-described embodiment, ethanol is used as the substance added to the gas. However, any substance other than ethanol may be used as long as it has an effect of reducing the contact angle formed between the separator surface and the condensed water surface. Also good. If a substance having a hydrophilic group is added, the contact angle formed between the separator surface and the condensed water surface can be effectively reduced. Here, the substance having a hydrophilic group is, for example, -SO.Four, -CO2, -SOThree, -N,-It is a substance having a hydrophilic group selected from COOH, —OH, and —O—. In particular, alcohols having a low molecular weight (low carbon number) have high solubility in water, and can be efficiently mixed with condensed water when added to gas, and are excellent as substances added to gas. Examples of the alcohol having a small molecular weight include methanol, butanol, isopropyl alcohol, and the like in addition to ethanol used in this example.
[0053]
(4)
FIG. 5 is an explanatory diagram showing an outline of the configuration of the
[0054]
The
[0055]
A
[0056]
A
[0057]
The
[0058]
The
[0059]
[0060]
Equation (4) represents a steam reforming reaction of methanol, and equation (5) represents an example (partial oxidation reaction) of methanol oxidation reaction. As shown in the equation (4), since the steam reforming reaction is an endothermic reaction, it is necessary to supply thermal energy in order to advance the reforming reaction. Further, as shown in the equation (5), the oxidation reaction is an exothermic reaction. In this embodiment, the amount of the oxidation reaction that proceeds in the
[0061]
The
[0062]
Since the reaction that proceeds in the
[0063]
In the
[0064]
The
[0065]
In the
[0066]
The fuel gas whose carbon monoxide concentration has been lowered in the
[0067]
The apparatus for supplying the oxidizing gas to the cathode side of the
[0068]
According to the
[0069]
In addition, by leaving a predetermined amount of methanol in the fuel gas supplied to the fuel cell as in the above embodiment, the residual methanol moves to the cathode side via the
[0070]
FIG. 6 shows the result of comparing the output characteristics (relationship between output current density and output voltage) between the
[0071]
As shown in FIG. 6, while the output current density from the fuel cell is small, there is no significant difference between them (the reformed gas contains a predetermined amount of carbon dioxide in addition to hydrogen, Since the diffusion of molecules is hindered by carbon dioxide molecules and the like, “addition of methanol” has a slightly lower output voltage value than “no addition of methanol” using high-purity hydrogen gas). However, when the output current density is further increased, the output voltage value decreases sharply with “no methanol added”, whereas with “methanol added”, a sufficient output voltage value is maintained even at a higher output current density. We were able to. Thus, by leaving a predetermined amount of methanol in the fuel gas, a sufficient output voltage value can be maintained even for a higher output current density, and the battery performance can be improved.
[0072]
In the above embodiment, methanol is used as the raw fuel for the reforming reaction. However, it remains in the fuel gas and is mixed in the condensed water to condense the surface of the members constituting the gas flow path inside the fuel cell. If the hydrocarbon or hydrocarbon compound has the effect of reducing the contact angle formed with the water surface, the present invention is similarly applied even if other types of hydrocarbons or hydrocarbon compounds are used as raw fuel. be able to.
[0073]
In the above embodiment, the progress of the reforming reaction (remaining amount of methanol) is controlled by the internal temperature (catalyst temperature) of the
[0074]
In the above embodiment, the operation state of the reformer is controlled according to the load fluctuation so that the amount of methanol remaining in the reformed gas becomes a predetermined value (range), but the load is constant. When the amount of treatment in the reformer is constant and the operation state of the reformer hardly fluctuates, the amount of methanol remaining in the reformed gas discharged from the reformer becomes a predetermined amount. The operating conditions of the reformer (gas flow rate, catalyst amount, driving state of each pump and blower related to the catalyst temperature, etc.) may be set in advance.
[0075]
In the first and second embodiments, the polymer electrolyte fuel cell is used. However, other types of fuel can be used as long as the generated water generated by the electrochemical reaction may stay in the flow path. It can also be applied to batteries. For example, in a direct methanol fuel cell, a predetermined amount of methanol or ethanol is added to the oxidizing gas supplied to the cathode side.AddHowever, the same effect can be obtained.
[0076]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to these embodiments, and it is needless to say that the present invention can be implemented in various modes without departing from the gist of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an outline of the configuration of a
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a configuration of a
3 is an exploded perspective view showing the configuration of a
4 is a plan view illustrating a configuration of a
FIG. 5 is an explanatory diagram showing a configuration of a
FIG. 6 is an explanatory diagram showing the influence of methanol addition on battery performance.
[Explanation of symbols]
10, 110 ... Fuel cell
12 ... Single cell
15, 115 ... Fuel cell device
21 ... electrolyte membrane
22 ... Anode
23 ... Cathode
24P ... Fuel gas flow path in a single cell
25P ... Single-cell oxidizing gas flow path
30 ... Separator
31 ... Recess
32 ... convex part
33 ... Oxidizing gas supply hole
34 ... Oxidizing gas discharge hole
35 ... Fuel gas supply hole
36 ... Fuel gas discharge hole
37 ... Cooling water hole
40 ... Hydrogen cylinder
41 ... Blower
42, 43 ... Humidifier
44, 45, 145 ... addition part
46 ... Fuel gas supply path
47 ... Oxidizing gas supply path
48 ... Fuel gas discharge passage
49. Oxidizing gas discharge passage
50, 150 ... control unit
52 ... CPU
54 ... ROM
56 ... RAM
58 ... I / O port
60 ... Methanol flow path
61 ... Methanol branch
62 ... Water supply channel
63 ... 1st fuel supply path
64. Second fuel supply path
65 ... Third fuel supply path
66 ... Fourth fuel supply path
67 ... Fuel discharge path
69 ... Oxidation exhaust gas passage
70 ... 1st pump
71 ... Second pump
72 ... Third pump
73 ... Temperature sensor
74,75 ... Blower
80 ... Methanol tank
81 ... Water tank
82 ... Evaporator
83 ... reformer
84 ... CO reduction part
85 ... Burner
91, 92 ... injector
93, 94 ... ethanol tank
95 ... Valve
Claims (2)
メタノールまたはエタノールを、前記燃料ガス流路に供給する前記燃料ガスまたは前記酸化ガス流路に供給する前記酸化ガスに対して導入する導入手段をさらに備えることを特徴とする
燃料電池装置。 A fuel gas flow path forming member that forms a fuel gas flow path through which a fuel gas containing hydrogen gas flows with one electrode, and an oxidant gas flow path through which an oxidizing gas containing oxygen gas flows are connected to the other electrode. and a oxidizing gas flow path forming member that forms between, with receiving a supply of the fuel gas to the fuel gas flow passage, receives the supply of the oxidizing gas to the oxidizing gas passage, the hydrogen gas And a fuel cell device comprising a fuel cell that obtains an electromotive force by an electrochemical reaction using oxygen gas ,
The fuel cell device further comprising introducing means for introducing methanol or ethanol into the fuel gas supplied to the fuel gas flow path or the oxidizing gas supplied to the oxidizing gas flow path .
a)メタノールまたはエタノールを、前記燃料ガスまたは前記酸化ガスに対して導入する工程と
b)前記工程(a)の後に、前記燃料ガス流路に対して前記燃料ガスを供給すると共に、前記酸化ガス流路に対して前記酸化ガスを供給する工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池の運転方法。 A fuel gas flow path forming member that forms a fuel gas flow path through which a fuel gas containing hydrogen gas flows with one electrode, and an oxidant gas flow path through which an oxidizing gas containing oxygen gas flows are connected to the other electrode. and a oxidizing gas flow path forming member that forms between, with receiving a supply of the fuel gas to the fuel gas flow passage, receives the supply of the oxidizing gas to the oxidizing gas passage, the hydrogen gas And a method of operating a fuel cell to obtain an electromotive force by an electrochemical reaction using oxygen gas ,
a) introducing methanol or ethanol into the fuel gas or the oxidizing gas;
b) after the step (a), supplying the fuel gas to the fuel gas flow path and supplying the oxidizing gas to the oxidizing gas flow path;
A method of operating a fuel cell comprising:
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