JP5017659B2 - 光渦発生装置、微小物体操作装置、天体探査装置および偏光渦変換素子 - Google Patents
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Description
この発明は、光渦発生装置ならびに光渦を用いる微小物体操作装置および天体探査装置ならびにこの光渦発生装置に用いて好適な偏光渦変換素子に関する。
光渦はらせん状の波面(位相分布)を有する光(光束)である。光渦では、光軸(光の進行軸)に垂直な面内に光軸を中心とする円を考えた場合(第1図A)、この円上の各点の光の位相は方位角Θに比例する(第1図B)。光渦は、光軸の周りに量子化された軌道角運動量(トルク)を有し、また、光軸に沿って暗線(光強度が0となる線)を有することが特徴である。この軌道角運動量は一光子当たりL=l(h/2π)(ただし、hはプランク定数、lは量子数で任意の整数を取る)である。一例としてl=−1の光渦を第2図に示す(例えば、Miles Padgett,Johannes Courtial,and Les Allen,May 2004 Physics Today 35参照。)。第2図中の矢印はポインティング・ベクトルを示す。
上記のような光渦の特異な性質を使うと、例えば、光トラップされた微粒子の回転、リング状結晶やカーボンナノチューブなどの円環・円筒構造を持つナノ物質の光励起、太陽系外惑星探査のためのコロナグラフ(強力な恒星光を暗線を使って消し、光軸からずれた微弱な惑星光を検出する)などが可能となる。このため、様々な分野で、この光渦の性質を積極的に利用する試みが精力的に行われている。
従来、光渦の発生方法としてはいくつかの方法が提案されている。第1の方法はシリンドリカルレンズ対を用いる方法である(例えば、Miles Padgett,Johannes Courtial,and Les Allen,May 2004 Physics Today 35参照。)。この方法では、第3図に示すように、π/2モード変換器を構成するシリンドリカルレンズ対101に高次モード(Hermite−Gaussian(HG)モード)のレーザ光102を入射させて低次モード(Laguerre−Gaussian(LG)モード)に変換し、さらにこれをπモード変換器を構成するシリンドリカルレンズ対103に入射させて逆LGモードに変換することにより光渦104を発生させる。実用的には、シリンドリカルレンズ対103の代わりに、第4図に示すようなダブ(Dove)プリズムを用いるのが簡便である。
第2の方法はらせん状の厚さ分布を有するガラス板を用いる方法である。この方法では、第5図に示すように、レーザ装置111から射出されるレーザ光112を二枚のレンズ113a、113bからなるコリメータ113に通して平行光束とし、これをらせん状の厚さ分布を有するガラス板114に通すことにより光渦115を発生させる。第6図にガラス板114の一例を示す。第6図に示すように、このガラス板114では、厚さ、従って光の透過距離が方位角θに対してh0からh0+hsに変化する、らせん状の分布を有しており、これを反映して透過光の位相分布もらせん状になる。
第3の方法はらせん状の厚さ分布を有する反射鏡を用いる方法である。この方法では、第5図において、ガラス板114の代わりにこの反射鏡を用いる。この反射鏡では、この鏡の高さ分布がらせん状になっていることを反映して反射光の位相分布もらせん状になる。
第4の方法はホログラフィを用いる方法である(例えば、Miles Padgett,Johannes Courtial,and Les Allen,May 2004 Physics Today 35参照。)。この方法では、屈折率の分布がらせん状になっており、これを反映して透過光の位相分布もらせん状になっているホログラムを用いる。このホログラムとしては、例えば、三重の転位ホログラムを用いる。そして、このホログラムに平面波を入射させることにより、一次回折光として光渦を発生させる。
Gabriel Biener,Avi Niv,Vladimir Kleiner,and Erez Hasman,OPTICS LETTERS,27,1875(2002)には、Pancharatnam−Berry位相光学素子を用いてらせん状ビーム、すなわち光渦を発生する方法が提案されているが、この発明による光渦発生装置の構成については開示されていない。
上述の従来の光渦発生方法では、位相の不連続線がほぼ必ず存在し、これが雑音発生の原因になることにより、光渦の応用の上で障害の一つとなっていた。例えば、第6図に示すような厚さ分布を有するガラス板114を用いる場合には、中心軸の周りに一周したときの位相変化幅は2π[(n−1)hS/λ](ただし、nはガラス板114の屈折率、λはレーザ光112の波長)となる。この値を2πの整数倍に正確に合わせるには、ガラス板にnmクラスの精度での加工を施すことが必須となる。これは極めて困難であり、結果として位相の不連続線の存在が不可避となる。
また、上述の従来の光渦発生方法では、得られる光渦の軌道角運動量が波長によって大きく変化する欠点がある。例えば、第6図に示すような厚さ分布を有するガラス板114を用いる場合、中心軸の周りに一周したときの位相変化幅は2π[(n−1)hS/λ]であり、nの波長依存性を無視しても波長λに反比例して大きく変化する。具体的には、例えば、ガラス板114にλ=600nm(赤)の光を透過させた場合において、一周したときの位相変化幅が2π×1.2である場合には、λ=450nm(青)の光を透過させると、一周したときの位相変化幅は2π×1.6となり、両者は位相変化幅が大きく異なる。これは両者の光渦の軌道角運動量が互いに大きく異なることを意味する。この欠点は光渦の応用の上で大きな障害となっていた。例えば、微小粒子の光励起に、尖頭値強度が高い超短パルスレーザにより得られる光渦を使おうとしても、従来のパルスレーザでは得られる光スペクトルが広いため、光渦の軌道角運動量がぼけて光励起の効率の低下が避けられない。また、天文学で太陽系外惑星探査に光渦を利用する場合にも、微弱な惑星からの光を有効活用するためには広い波長帯域の光を用いることが求められるが、この場合も上記の波長依存性は探査精度の低下の原因となる。
さらに、この軌道角運動量が、すなわち光渦の位相の変化幅が、波長にほぼ反比例して強く依存するという事実は、上記の位相の不連続線の問題をさらに顕著にする。中心軸の周りに一周したときの位相変化量が波長におおよそ反比例するため、たとえある特定の波長でこの位相変化量が2πの整数倍に一致したとしても、そのほかの波長では2πの整数倍には一致できず、時として非常に大きな位相の不連続量を持ち得ることとなる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、新規な動作原理に基づき、光源の波長によらずアクロマティックでしかも位相の不連続線が存在しないか、存在するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性が極めて小さい光渦を容易に発生させることができる光渦発生装置ならびにこの光渦発生装置を応用した微小物体操作装置および惑星探査装置などの天体探査装置を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記の光渦発生装置に用いて好適な偏光渦変換素子を提供することである。
上記のような光渦の特異な性質を使うと、例えば、光トラップされた微粒子の回転、リング状結晶やカーボンナノチューブなどの円環・円筒構造を持つナノ物質の光励起、太陽系外惑星探査のためのコロナグラフ(強力な恒星光を暗線を使って消し、光軸からずれた微弱な惑星光を検出する)などが可能となる。このため、様々な分野で、この光渦の性質を積極的に利用する試みが精力的に行われている。
従来、光渦の発生方法としてはいくつかの方法が提案されている。第1の方法はシリンドリカルレンズ対を用いる方法である(例えば、Miles Padgett,Johannes Courtial,and Les Allen,May 2004 Physics Today 35参照。)。この方法では、第3図に示すように、π/2モード変換器を構成するシリンドリカルレンズ対101に高次モード(Hermite−Gaussian(HG)モード)のレーザ光102を入射させて低次モード(Laguerre−Gaussian(LG)モード)に変換し、さらにこれをπモード変換器を構成するシリンドリカルレンズ対103に入射させて逆LGモードに変換することにより光渦104を発生させる。実用的には、シリンドリカルレンズ対103の代わりに、第4図に示すようなダブ(Dove)プリズムを用いるのが簡便である。
第2の方法はらせん状の厚さ分布を有するガラス板を用いる方法である。この方法では、第5図に示すように、レーザ装置111から射出されるレーザ光112を二枚のレンズ113a、113bからなるコリメータ113に通して平行光束とし、これをらせん状の厚さ分布を有するガラス板114に通すことにより光渦115を発生させる。第6図にガラス板114の一例を示す。第6図に示すように、このガラス板114では、厚さ、従って光の透過距離が方位角θに対してh0からh0+hsに変化する、らせん状の分布を有しており、これを反映して透過光の位相分布もらせん状になる。
第3の方法はらせん状の厚さ分布を有する反射鏡を用いる方法である。この方法では、第5図において、ガラス板114の代わりにこの反射鏡を用いる。この反射鏡では、この鏡の高さ分布がらせん状になっていることを反映して反射光の位相分布もらせん状になる。
第4の方法はホログラフィを用いる方法である(例えば、Miles Padgett,Johannes Courtial,and Les Allen,May 2004 Physics Today 35参照。)。この方法では、屈折率の分布がらせん状になっており、これを反映して透過光の位相分布もらせん状になっているホログラムを用いる。このホログラムとしては、例えば、三重の転位ホログラムを用いる。そして、このホログラムに平面波を入射させることにより、一次回折光として光渦を発生させる。
Gabriel Biener,Avi Niv,Vladimir Kleiner,and Erez Hasman,OPTICS LETTERS,27,1875(2002)には、Pancharatnam−Berry位相光学素子を用いてらせん状ビーム、すなわち光渦を発生する方法が提案されているが、この発明による光渦発生装置の構成については開示されていない。
上述の従来の光渦発生方法では、位相の不連続線がほぼ必ず存在し、これが雑音発生の原因になることにより、光渦の応用の上で障害の一つとなっていた。例えば、第6図に示すような厚さ分布を有するガラス板114を用いる場合には、中心軸の周りに一周したときの位相変化幅は2π[(n−1)hS/λ](ただし、nはガラス板114の屈折率、λはレーザ光112の波長)となる。この値を2πの整数倍に正確に合わせるには、ガラス板にnmクラスの精度での加工を施すことが必須となる。これは極めて困難であり、結果として位相の不連続線の存在が不可避となる。
また、上述の従来の光渦発生方法では、得られる光渦の軌道角運動量が波長によって大きく変化する欠点がある。例えば、第6図に示すような厚さ分布を有するガラス板114を用いる場合、中心軸の周りに一周したときの位相変化幅は2π[(n−1)hS/λ]であり、nの波長依存性を無視しても波長λに反比例して大きく変化する。具体的には、例えば、ガラス板114にλ=600nm(赤)の光を透過させた場合において、一周したときの位相変化幅が2π×1.2である場合には、λ=450nm(青)の光を透過させると、一周したときの位相変化幅は2π×1.6となり、両者は位相変化幅が大きく異なる。これは両者の光渦の軌道角運動量が互いに大きく異なることを意味する。この欠点は光渦の応用の上で大きな障害となっていた。例えば、微小粒子の光励起に、尖頭値強度が高い超短パルスレーザにより得られる光渦を使おうとしても、従来のパルスレーザでは得られる光スペクトルが広いため、光渦の軌道角運動量がぼけて光励起の効率の低下が避けられない。また、天文学で太陽系外惑星探査に光渦を利用する場合にも、微弱な惑星からの光を有効活用するためには広い波長帯域の光を用いることが求められるが、この場合も上記の波長依存性は探査精度の低下の原因となる。
さらに、この軌道角運動量が、すなわち光渦の位相の変化幅が、波長にほぼ反比例して強く依存するという事実は、上記の位相の不連続線の問題をさらに顕著にする。中心軸の周りに一周したときの位相変化量が波長におおよそ反比例するため、たとえある特定の波長でこの位相変化量が2πの整数倍に一致したとしても、そのほかの波長では2πの整数倍には一致できず、時として非常に大きな位相の不連続量を持ち得ることとなる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、新規な動作原理に基づき、光源の波長によらずアクロマティックでしかも位相の不連続線が存在しないか、存在するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性が極めて小さい光渦を容易に発生させることができる光渦発生装置ならびにこの光渦発生装置を応用した微小物体操作装置および惑星探査装置などの天体探査装置を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記の光渦発生装置に用いて好適な偏光渦変換素子を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする光渦発生装置である。
この光渦発生装置は、装置の外部から入射するコヒーレント光を用いて光渦を発生させる場合、例えば惑星探査において恒星光および惑星光をコヒーレント光として入射させる場合には光源は不要であるが、そうでない場合には、コヒーレント光を発生する光源をさらに有する。この光源としては、典型的にはレーザ光源が用いられるが、これに限定されるものではない。
上記の偏光渦変換素子は、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、その上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものであるが、これは、入射光を一方向の直線偏光に変換する通常の偏光子や、入射光を長軸方向が一方向の楕円偏光に変換する通常の移相子などとは異なる特殊なものである。ここで、偏光渦とは、座標の同一半径上において、同一の楕円率を持った楕円偏光(直線偏光や円偏光を含む)となっており、その偏光の楕円の長軸の方位角が座標の方位角に比例するものである。直線複屈折性および/または直線二色性を有するとは、直線複屈折性または直線二色性の少なくともいずれか一方を有することを意味するが、円複屈折性や円二色性をさらに有してもよい。また、各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するとは、各点ごとに偏光特性を記述するための座標軸の方向が異なっていることを意味する。この偏光渦変換素子の上の各点の主軸の方位角をφ、座標の方位角をθとしたとき、φ=nθ/2(ただし、nは0を除く整数)である。
この光渦発生装置においては、偏光渦変換素子を透過した光は、偏光方向が光軸を中心に渦を巻く、すなわち偏光渦となる(このとき光軸が特異点となる)。そして、この光が第2の光学系を透過すると、光軸を中心に波面が渦状になり、光渦が得られる。こうして発生される光渦の各点の位相は、偏光渦変換素子の各点の方位角で決まり、光源の波長によらない。また、使用する偏光渦変換素子にもよるが、らせん状の厚さ分布を有するガラス板などを用いる従来の光渦発生方法のように位相の不連続線が発生することがないか、発生するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性は極めて小さい。
この偏光渦変換素子としては種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、光弾性材料を用いたもの、液晶などの複屈折性を有する媒質を用いたもの、複数の楔形偏光板を放射状に配置したもの、コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有するものなどである。ここで、光弾性材料あるいは液晶などの複屈折性を有する媒質を用いた偏光渦変換素子は直線複屈折性を有し、複数の楔形偏光板を放射状に配置した偏光渦変換素子は直線二色性(ただし、一方の成分は完全に減衰させる)を有し、コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有する偏光渦変換素子は直線複屈折性および直線二色性を有する。
第1の光学系は、コヒーレント光を円偏光に変換することができる限りその構成は問わないが、具体例を挙げると、コヒーレント光を一方向の直線偏光に変換する偏光子とこの偏光子の後段の1/4波長板とを有するものや、円二色性を有する材料を用いたものなどである。また、第2の光学系は、上記の偏光渦変換素子から射出される光から、上記の円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出することができる限りその構成は問わないが、具体例を挙げると、上記の偏光渦変換素子から射出される光が入射する1/4波長板とこの1/4波長板の後段の検光子とを有するものである。
第2の発明は、
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする微小物体操作装置である。
この微小物体操作装置では、第1の発明による光渦発生装置と同様な構成により光渦を発生させ、この光渦により微小物体、例えば微小粒子(原子など)を光トラップして回転させることができる。
この第2の発明においては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする天体探査装置である。
この天体探査装置では、例えば、第1の発明による光渦発生装置と同様な構成、すなわち第1の光学系と偏光渦変換素子と第2の光学系との光軸を恒星光に一致させることで、光渦が光軸に沿って暗線を有する性質を利用して強力な恒星光を消すことができ、このため微弱な惑星光を検出することができ、太陽系外惑星探査を高精度に行うことができる。この天体探査装置では、太陽系外惑星探査に加え、例えば、連星(互いの重力で結合し、軌道運動をしている複数個の星)の検出(ハイコントラスト・イメージングと呼ばれる)なども高精度に行うことができる。
この第3の発明においては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第4の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
光弾性材料を用いたことを特徴とするものである。
第5の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
複屈折性を有する媒質を用いたことを特徴とするものである。
第6の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
複数の楔形偏光板が放射状に配置されていることを特徴とするものである。
第7の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有することを特徴とするものである。
第4〜第7の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする光渦発生装置である。
この光渦発生装置は、装置の外部から入射するコヒーレント光を用いて光渦を発生させる場合、例えば惑星探査において恒星光および惑星光をコヒーレント光として入射させる場合には光源は不要であるが、そうでない場合には、コヒーレント光を発生する光源をさらに有する。この光源としては、典型的にはレーザ光源が用いられるが、これに限定されるものではない。
上記の偏光渦変換素子は、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、その上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものであるが、これは、入射光を一方向の直線偏光に変換する通常の偏光子や、入射光を長軸方向が一方向の楕円偏光に変換する通常の移相子などとは異なる特殊なものである。ここで、偏光渦とは、座標の同一半径上において、同一の楕円率を持った楕円偏光(直線偏光や円偏光を含む)となっており、その偏光の楕円の長軸の方位角が座標の方位角に比例するものである。直線複屈折性および/または直線二色性を有するとは、直線複屈折性または直線二色性の少なくともいずれか一方を有することを意味するが、円複屈折性や円二色性をさらに有してもよい。また、各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するとは、各点ごとに偏光特性を記述するための座標軸の方向が異なっていることを意味する。この偏光渦変換素子の上の各点の主軸の方位角をφ、座標の方位角をθとしたとき、φ=nθ/2(ただし、nは0を除く整数)である。
この光渦発生装置においては、偏光渦変換素子を透過した光は、偏光方向が光軸を中心に渦を巻く、すなわち偏光渦となる(このとき光軸が特異点となる)。そして、この光が第2の光学系を透過すると、光軸を中心に波面が渦状になり、光渦が得られる。こうして発生される光渦の各点の位相は、偏光渦変換素子の各点の方位角で決まり、光源の波長によらない。また、使用する偏光渦変換素子にもよるが、らせん状の厚さ分布を有するガラス板などを用いる従来の光渦発生方法のように位相の不連続線が発生することがないか、発生するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性は極めて小さい。
この偏光渦変換素子としては種々のものを用いることができる。具体的には、例えば、光弾性材料を用いたもの、液晶などの複屈折性を有する媒質を用いたもの、複数の楔形偏光板を放射状に配置したもの、コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有するものなどである。ここで、光弾性材料あるいは液晶などの複屈折性を有する媒質を用いた偏光渦変換素子は直線複屈折性を有し、複数の楔形偏光板を放射状に配置した偏光渦変換素子は直線二色性(ただし、一方の成分は完全に減衰させる)を有し、コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有する偏光渦変換素子は直線複屈折性および直線二色性を有する。
第1の光学系は、コヒーレント光を円偏光に変換することができる限りその構成は問わないが、具体例を挙げると、コヒーレント光を一方向の直線偏光に変換する偏光子とこの偏光子の後段の1/4波長板とを有するものや、円二色性を有する材料を用いたものなどである。また、第2の光学系は、上記の偏光渦変換素子から射出される光から、上記の円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出することができる限りその構成は問わないが、具体例を挙げると、上記の偏光渦変換素子から射出される光が入射する1/4波長板とこの1/4波長板の後段の検光子とを有するものである。
第2の発明は、
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする微小物体操作装置である。
この微小物体操作装置では、第1の発明による光渦発生装置と同様な構成により光渦を発生させ、この光渦により微小物体、例えば微小粒子(原子など)を光トラップして回転させることができる。
この第2の発明においては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
コヒーレント光を円偏光に変換する第1の光学系と、
上記第1の光学系から射出される円偏光が入射するように配置された偏光渦変換素子であって、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものと、
上記偏光渦変換素子から射出される光が入射するように配置された第2の光学系であって、上記偏光渦変換素子から射出される光から上記円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出するものとを有することを特徴とする天体探査装置である。
この天体探査装置では、例えば、第1の発明による光渦発生装置と同様な構成、すなわち第1の光学系と偏光渦変換素子と第2の光学系との光軸を恒星光に一致させることで、光渦が光軸に沿って暗線を有する性質を利用して強力な恒星光を消すことができ、このため微弱な惑星光を検出することができ、太陽系外惑星探査を高精度に行うことができる。この天体探査装置では、太陽系外惑星探査に加え、例えば、連星(互いの重力で結合し、軌道運動をしている複数個の星)の検出(ハイコントラスト・イメージングと呼ばれる)なども高精度に行うことができる。
この第3の発明においては、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第4の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
光弾性材料を用いたことを特徴とするものである。
第5の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
複屈折性を有する媒質を用いたことを特徴とするものである。
第6の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
複数の楔形偏光板が放射状に配置されていることを特徴とするものである。
第7の発明は、
直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子であって、
コヒーレント光の波長より小さい間隔の放射状方位の周期構造を有することを特徴とするものである。
第4〜第7の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第1図Aおよび第1図Bは、光渦を説明するための略線図、第2図は、光渦の一例を示す略線図、第3図は、従来の光渦発生方法の第1の例を説明するための略線図、第4図は、第3図に示す従来の光渦発生装置におけるシリンドリカルレンズ対の代わりに用いられるダブプリズムを示す略線図、第5図は、従来の光渦発生方法の第2の例を説明するための略線図、第6図は、従来の光渦発生方法の第2の例において用いられるらせん状の厚さ分布を有するガラス板を示す略線図、第7図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置を示す略線図、第8図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子を示す略線図、第9図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第1の例を示す略線図、第10図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第1の例の作製方法を説明するための略線図、第11図および第12図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第2の例を示す略線図、第13図および第14図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第3の例を示す略線図、第15図および第16図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第4の例を示す略線図、第17図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の第4の例の原理を説明するための略線図、第18図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において偏光渦変換素子に入射する円偏光の一例を示す略線図、第19図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の機能を説明するための略線図、第20図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置において用いられる偏光渦変換素子の機能を説明するための略線図、第21図は、この発明の第1の実施形態による光渦発生装置を微小粒子の操作に適用した例を説明するための略線図、第22図は、この発明の実施例1において用いられた実験系を示す略線図、第23図は、この発明の実施例1において得られた光渦と平面波との干渉模様を示す略線図、第24図は、この発明の実施例1において得られた光渦と球面波との干渉模様を示す略線図、第25図は、この発明の実施例2において用いた偏光渦変換素子を示す略線図、第26図は、この発明の実施例2において用いられた実験系を示す略線図、第27図Aおよび第27図Bは、この発明の実施例2において得られた光渦と平面波との干渉模様を示す略線図、第28図Aおよび第28図Bは、この発明の実施例2において得られた光渦と球面波との干渉模様を示す略線図、第29図は、この発明の第2の実施形態による光渦発生装置を示す略線図である。
1 コヒーレント光源
2 コヒーレント光
3、5 光学系
4 偏光渦変換素子
6 光渦
11 レーザ装置
31 偏光子
32、51 1/4波長板
52 検光子
71 光弾性材料
72 液晶分子
73 楔形偏光板
81、83 ビームスプリッター
82、84 反射鏡
86 空間周波数フィルタリング装置
2 コヒーレント光
3、5 光学系
4 偏光渦変換素子
6 光渦
11 レーザ装置
31 偏光子
32、51 1/4波長板
52 検光子
71 光弾性材料
72 液晶分子
73 楔形偏光板
81、83 ビームスプリッター
82、84 反射鏡
86 空間周波数フィルタリング装置
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
第7図はこの発明の第1の実施形態による光渦発生装置を示す。第7図に示すように、この光渦発生装置は、コヒーレント光源1と、このコヒーレント光源1から射出されるコヒーレント光2を円偏光に変換する光学系3と、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子4と、この偏光渦変換素子4から射出される光から、光学系3から射出される円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出する光学系5とにより構成され、光学系5から光渦6が射出される。
コヒーレント光源1は、レーザ装置11と二枚のレンズ12a、12bからなるコリメータ12とを含む。光学系3は、コヒーレント光2を一方向の直線偏光に変換する偏光子31とその後段の1/4波長板32とからなる。光学系5は、1/4波長板51とその後段の検光子52とからなる。
光学系5からは、光学系3から射出される円偏光とは逆向きの円偏光成分が抽出されるが、これは、偏光渦変換素子4を抜き取ったときに真っ暗になるようにすること、すなわち暗視野にすることを意味する。
第8図に偏光渦変換素子4における各点の主軸の方位角φおよび座標の方位角θを示す。一周して主軸方位が戻るためには、φが(θ/2)の整数倍、すなわちφ=nθ/2(ただし、nは0を除く整数)でなければならない。
偏光渦変換素子4としては、具体的には、例えば次のようなものを用いる。第9図は第1の例を示し、光弾性材料により構成した偏光渦変換素子4である。この偏光渦変換素子4は、第10図に示すように、円板状の光弾性材料71を用意し、これに外部から半径方向に一様な圧縮をかけることにより作製することができる。光弾性材料71としては従来公知のもの、例えばガラス、エポキシ樹脂、光学結晶などを用いることができる。
第2の例は、液晶や結晶などの複屈折性を有する媒質を用いて偏光渦変換素子4を人工的に作るもので、この複屈折性を有する媒質を放射状に組み合わせて放射状の主軸分布を持たせる。具体的には、第11図に示す偏光渦変換素子4は、放射状にラビングされた基板を用いて液晶分子72を配向させたネマティック液晶セルにより構成したものである。この第11図に示す偏光渦変換素子4は方位角φの変化が一周4πであるが、任意の周回(ただし、2πの整数倍)のものであってよく、例えば第12図に示すように方位角φの変化が一周8πのものであってもよい。
第3の例では、第13図に示すように、楔形偏光板73を放射状に複数並べて全体として円形になるようにし、放射状の方位分布を有する偏光渦変換素子4を構成する。第14図に示すように、任意の周回(ただし、2πの整数倍)の偏光渦変換素子4を構成することもできる。偏光渦変換素子4の外形は円形に限定されず、例えば正方形であってもよい。
第4の例では、コヒーレント光2の波長より小さい間隔の放射状方位のサブ波長周期構造により偏光渦変換素子4を構成する。例えば、第15図に示すように、円板状の透明基板を用意し、これに電子ビームを照射することなどによりコヒーレント光2の波長より細かい間隔で溝41を形成することにより、この溝41の方向に主軸(の一方)を持つ偏光渦変換素子4を作製することができる。第16図に示すように、任意の周回(ただし、2πの整数倍)の偏光渦変換素子4も作製することができる。これらのサブ波長周期構造により偏光渦変換素子4が得られる理由は次のとおりである。すなわち、サブ波長周期構造は回折格子と考えることができるが、第17図に示すように、周期Aの回折格子に波長λの光が入射する場合、Asinθ=mλ(mは整数)である。この式が成立するためにはA≧λなる条件が必要である。逆に言えば、A<λであると回折光は出ない。このとき、格子に平行な方向と垂直な方向とでは、光の電場に対する複素屈折率が異なる。この事実は、この回折格子、すなわちサブ波長周期構造は偏光渦変換素子として働くことを意味する。このサブ波長周期構造としては、リング状結晶(例えば、特開2004−175579号公報参照。)を用いることもできる。
次に、この光渦発生装置の動作原理について説明する。
光学系3から射出される光のJonesベクトルは、右回り円偏光は
と表され、左回り円偏光は
と表される。
光学系5の右回り円偏光を抽出する機能は、Jones計算において
を左から乗算することと表され、左回り円偏光を抽出する機能は
を左から乗算することと表される。
偏光渦変換素子4の主軸の方位角がφの点でのJones行列は、
と表される。ただし、Jは主軸方向に座標軸を取ったときの、その偏光渦変換素子4のJones行列である。ここで、偏光渦変換素子4が座標の同一半径上では主軸方位を除いて同一の偏光特性を有していることより、Jは半径(第8図のr)や波長λに依存し得る。しかし、R(φ)は半径や波長には依存しない。
このJones行列における
の例を挙げると、上述の第1および第2の例による偏光渦変換素子4は直線複屈折性を有していることより、
であり(δ(r,λ)はリタデーション)、第3の例による偏光渦変換素子4は直線二色性により一方の直線偏光成分が消滅することより、
であり、第4の例による偏光渦変換素子4は直線複屈折性および直線二色性のいずれも持ち得ることより、
である。
以上のことを前提としてこの光渦発生装置の動作をJones計算により記述する。一例として、偏光渦変換素子4に入射する円偏光が右回り円偏光で、光学系5により左回り円偏光成分を抽出する場合を考える。この場合、光学系5の検光子52から射出される光の電場は
と表される。
ここで、主軸の方位角φが座標の方位角θの(n/2)倍、すなわちφ=nθ/2であるとすると、
となり、光渦となっていることが分かる。この式の下線を引いた部分が0にならないために、
が必要である。この条件式は、偏光渦変換素子4が直線複屈折性ないし直線二色性の少なくともいずれか一方を有すれば成立する。
なお、上記のJones計算の経過における位相の扱いを示すと
のようになる。この式の二重の下線を引いた部分と一重の下線を引いた部分とから、それぞれ、入射時と射出時とにおいて、主軸方位による(座標回転による)位相が付与されていることが分かる。
次に、この光渦発生装置の動作原理を定性的に説明する。
一例として、偏光渦変換素子4に入射する円偏光が右回り円偏光で、光学系5により左回り円偏光成分を抽出する場合を考える。
第18図に、偏光渦変換素子4に入射する右回り円偏光を示す。この右回り円偏光の電場のx成分はacos(ωt)、y成分はacos(ωt+π/2)と表される。ただし、aは振幅、ωは角周波数、tは時間を示す。y成分はx成分に対して位相がπ/2進んでいる。この右回り円偏光に対して座標をφ回転させると、位相が+φずれる。なお、左回り円偏光に対しては位相が−φずれる。
いま、第19図に示すように、偏光渦変換素子4上に同一半径上の2点P1、P2を考え、この2点を通過した後の左回り円偏光成分の位相を比べる。P1は水平軸上の点で方位角θ=0、P2は方位角θ(≠0)の点である。偏光の主軸の方位角はφ=nθ/2である。
偏光渦変換素子4へ入射した時点では、点P1、P2とも同一の右回り円偏光である。ところが、それぞれの主軸方向での光の位相を比べると、上記の事実より点P2の方が点P1に対して+φ進んでいることが分かる。この光が偏光渦変換素子4を通過すると、点P1、P2それぞれを透過した光は楕円率が同一で、長軸方向がφだけ異なる楕円偏光となる。ここでも、それぞれの主軸方向での位相を比べると、点P2の方が点P1に対して+φ進んでいる。
さて、この偏光渦変換素子4を射出した光は、右回り円偏光成分と左回り円偏光成分との重ね合わせと見ることができる。このうち、右回り円偏光成分の方は、点P1、P2で同一の初期位相を持つ。なぜなら、上述の点P2と点P1との主軸方向での位相のずれ+φは、右回り円偏光に直す際に座標回転により打ち消されるからである。一方、左回り円偏光成分の方は、座標回転の際に逆向きの位相が付くため、結果として点P2の方が点P1に対して+2φ進むこととなる。これが、偏光渦変換素子4を射出した光の左回り円偏光成分の位相が光渦になっていることの理由である。
以上のことから明らかなように、この光渦発生装置により発生される光渦の位相は原理的にコヒーレント光2の波長に依存しない。すなわち、この光渦発生装置によれば、アクロマティックな光渦を発生させることができる。実際には、1/4波長板32、51などの分散などで若干波長依存性が出る可能性もあるが、少なくとも従来の光渦発生装置に比べると波長依存性は格段に小さく、また、1/4波長板32、51などとしてアクロマティックなものを使用することにより波長依存性をさらに小さくすることができる。なお、光渦の光強度自体は、偏光渦変換素子4の分散の影響を受ける。しかし、この偏光渦変換素子4として波長λに依存しないもの、言い換えると行列Jが波長に依存しないものを選べば光強度も含めてアクロマティックな光渦をつくることができる。このような偏光渦変換素子4の一例として、第13図に示すような楔形偏光板73を放射状に複数並べたものを挙げることができる。また、偏光渦変換素子4は、楔形偏光板73を放射状に複数並べたものを除いて方位角φの方向はどこでも連続であるため、この光渦発生装置により発生される光渦は、位相の不連続線が存在せず、これに起因する雑音が発生しない点でも有利である。さらに、たとえ位相の不連続線が存在する場合でも、この不連続線での位相の段差の波長依存性は極めて小さいため、特に波長走査や広帯域光を利用する用途において不連続線での位相の段差を極力小さくすることができ、この位相の段差に起因する雑音を十分に低レベルに抑えることができる。
この光渦発生装置は、例えば、レーザ装置11として広帯域なもの(Super Continuum光源など)を用いる場合にも良好な光渦を発生させることができる。
この光渦発生装置は、例えば、微小物体操作装置(マニピュレータ)として使用することができる。すなわち、第21図に示すように、この光渦発生装置により発生される光渦6により微小粒子74を光トラップし(光ピンセット)、この光渦6の軌道角運動量(トルク)をその微小粒子74に移して回転させることができる。
この光渦発生装置の実施例について説明する。
第7図はこの発明の第1の実施形態による光渦発生装置を示す。第7図に示すように、この光渦発生装置は、コヒーレント光源1と、このコヒーレント光源1から射出されるコヒーレント光2を円偏光に変換する光学系3と、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつ各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例する偏光渦変換素子4と、この偏光渦変換素子4から射出される光から、光学系3から射出される円偏光と逆向きの円偏光成分を抽出する光学系5とにより構成され、光学系5から光渦6が射出される。
コヒーレント光源1は、レーザ装置11と二枚のレンズ12a、12bからなるコリメータ12とを含む。光学系3は、コヒーレント光2を一方向の直線偏光に変換する偏光子31とその後段の1/4波長板32とからなる。光学系5は、1/4波長板51とその後段の検光子52とからなる。
光学系5からは、光学系3から射出される円偏光とは逆向きの円偏光成分が抽出されるが、これは、偏光渦変換素子4を抜き取ったときに真っ暗になるようにすること、すなわち暗視野にすることを意味する。
第8図に偏光渦変換素子4における各点の主軸の方位角φおよび座標の方位角θを示す。一周して主軸方位が戻るためには、φが(θ/2)の整数倍、すなわちφ=nθ/2(ただし、nは0を除く整数)でなければならない。
偏光渦変換素子4としては、具体的には、例えば次のようなものを用いる。第9図は第1の例を示し、光弾性材料により構成した偏光渦変換素子4である。この偏光渦変換素子4は、第10図に示すように、円板状の光弾性材料71を用意し、これに外部から半径方向に一様な圧縮をかけることにより作製することができる。光弾性材料71としては従来公知のもの、例えばガラス、エポキシ樹脂、光学結晶などを用いることができる。
第2の例は、液晶や結晶などの複屈折性を有する媒質を用いて偏光渦変換素子4を人工的に作るもので、この複屈折性を有する媒質を放射状に組み合わせて放射状の主軸分布を持たせる。具体的には、第11図に示す偏光渦変換素子4は、放射状にラビングされた基板を用いて液晶分子72を配向させたネマティック液晶セルにより構成したものである。この第11図に示す偏光渦変換素子4は方位角φの変化が一周4πであるが、任意の周回(ただし、2πの整数倍)のものであってよく、例えば第12図に示すように方位角φの変化が一周8πのものであってもよい。
第3の例では、第13図に示すように、楔形偏光板73を放射状に複数並べて全体として円形になるようにし、放射状の方位分布を有する偏光渦変換素子4を構成する。第14図に示すように、任意の周回(ただし、2πの整数倍)の偏光渦変換素子4を構成することもできる。偏光渦変換素子4の外形は円形に限定されず、例えば正方形であってもよい。
第4の例では、コヒーレント光2の波長より小さい間隔の放射状方位のサブ波長周期構造により偏光渦変換素子4を構成する。例えば、第15図に示すように、円板状の透明基板を用意し、これに電子ビームを照射することなどによりコヒーレント光2の波長より細かい間隔で溝41を形成することにより、この溝41の方向に主軸(の一方)を持つ偏光渦変換素子4を作製することができる。第16図に示すように、任意の周回(ただし、2πの整数倍)の偏光渦変換素子4も作製することができる。これらのサブ波長周期構造により偏光渦変換素子4が得られる理由は次のとおりである。すなわち、サブ波長周期構造は回折格子と考えることができるが、第17図に示すように、周期Aの回折格子に波長λの光が入射する場合、Asinθ=mλ(mは整数)である。この式が成立するためにはA≧λなる条件が必要である。逆に言えば、A<λであると回折光は出ない。このとき、格子に平行な方向と垂直な方向とでは、光の電場に対する複素屈折率が異なる。この事実は、この回折格子、すなわちサブ波長周期構造は偏光渦変換素子として働くことを意味する。このサブ波長周期構造としては、リング状結晶(例えば、特開2004−175579号公報参照。)を用いることもできる。
次に、この光渦発生装置の動作原理について説明する。
光学系3から射出される光のJonesベクトルは、右回り円偏光は
と表され、左回り円偏光は
と表される。
光学系5の右回り円偏光を抽出する機能は、Jones計算において
を左から乗算することと表され、左回り円偏光を抽出する機能は
を左から乗算することと表される。
偏光渦変換素子4の主軸の方位角がφの点でのJones行列は、
と表される。ただし、Jは主軸方向に座標軸を取ったときの、その偏光渦変換素子4のJones行列である。ここで、偏光渦変換素子4が座標の同一半径上では主軸方位を除いて同一の偏光特性を有していることより、Jは半径(第8図のr)や波長λに依存し得る。しかし、R(φ)は半径や波長には依存しない。
このJones行列における
の例を挙げると、上述の第1および第2の例による偏光渦変換素子4は直線複屈折性を有していることより、
であり(δ(r,λ)はリタデーション)、第3の例による偏光渦変換素子4は直線二色性により一方の直線偏光成分が消滅することより、
であり、第4の例による偏光渦変換素子4は直線複屈折性および直線二色性のいずれも持ち得ることより、
である。
以上のことを前提としてこの光渦発生装置の動作をJones計算により記述する。一例として、偏光渦変換素子4に入射する円偏光が右回り円偏光で、光学系5により左回り円偏光成分を抽出する場合を考える。この場合、光学系5の検光子52から射出される光の電場は
と表される。
ここで、主軸の方位角φが座標の方位角θの(n/2)倍、すなわちφ=nθ/2であるとすると、
となり、光渦となっていることが分かる。この式の下線を引いた部分が0にならないために、
が必要である。この条件式は、偏光渦変換素子4が直線複屈折性ないし直線二色性の少なくともいずれか一方を有すれば成立する。
なお、上記のJones計算の経過における位相の扱いを示すと
のようになる。この式の二重の下線を引いた部分と一重の下線を引いた部分とから、それぞれ、入射時と射出時とにおいて、主軸方位による(座標回転による)位相が付与されていることが分かる。
次に、この光渦発生装置の動作原理を定性的に説明する。
一例として、偏光渦変換素子4に入射する円偏光が右回り円偏光で、光学系5により左回り円偏光成分を抽出する場合を考える。
第18図に、偏光渦変換素子4に入射する右回り円偏光を示す。この右回り円偏光の電場のx成分はacos(ωt)、y成分はacos(ωt+π/2)と表される。ただし、aは振幅、ωは角周波数、tは時間を示す。y成分はx成分に対して位相がπ/2進んでいる。この右回り円偏光に対して座標をφ回転させると、位相が+φずれる。なお、左回り円偏光に対しては位相が−φずれる。
いま、第19図に示すように、偏光渦変換素子4上に同一半径上の2点P1、P2を考え、この2点を通過した後の左回り円偏光成分の位相を比べる。P1は水平軸上の点で方位角θ=0、P2は方位角θ(≠0)の点である。偏光の主軸の方位角はφ=nθ/2である。
偏光渦変換素子4へ入射した時点では、点P1、P2とも同一の右回り円偏光である。ところが、それぞれの主軸方向での光の位相を比べると、上記の事実より点P2の方が点P1に対して+φ進んでいることが分かる。この光が偏光渦変換素子4を通過すると、点P1、P2それぞれを透過した光は楕円率が同一で、長軸方向がφだけ異なる楕円偏光となる。ここでも、それぞれの主軸方向での位相を比べると、点P2の方が点P1に対して+φ進んでいる。
さて、この偏光渦変換素子4を射出した光は、右回り円偏光成分と左回り円偏光成分との重ね合わせと見ることができる。このうち、右回り円偏光成分の方は、点P1、P2で同一の初期位相を持つ。なぜなら、上述の点P2と点P1との主軸方向での位相のずれ+φは、右回り円偏光に直す際に座標回転により打ち消されるからである。一方、左回り円偏光成分の方は、座標回転の際に逆向きの位相が付くため、結果として点P2の方が点P1に対して+2φ進むこととなる。これが、偏光渦変換素子4を射出した光の左回り円偏光成分の位相が光渦になっていることの理由である。
以上のことから明らかなように、この光渦発生装置により発生される光渦の位相は原理的にコヒーレント光2の波長に依存しない。すなわち、この光渦発生装置によれば、アクロマティックな光渦を発生させることができる。実際には、1/4波長板32、51などの分散などで若干波長依存性が出る可能性もあるが、少なくとも従来の光渦発生装置に比べると波長依存性は格段に小さく、また、1/4波長板32、51などとしてアクロマティックなものを使用することにより波長依存性をさらに小さくすることができる。なお、光渦の光強度自体は、偏光渦変換素子4の分散の影響を受ける。しかし、この偏光渦変換素子4として波長λに依存しないもの、言い換えると行列Jが波長に依存しないものを選べば光強度も含めてアクロマティックな光渦をつくることができる。このような偏光渦変換素子4の一例として、第13図に示すような楔形偏光板73を放射状に複数並べたものを挙げることができる。また、偏光渦変換素子4は、楔形偏光板73を放射状に複数並べたものを除いて方位角φの方向はどこでも連続であるため、この光渦発生装置により発生される光渦は、位相の不連続線が存在せず、これに起因する雑音が発生しない点でも有利である。さらに、たとえ位相の不連続線が存在する場合でも、この不連続線での位相の段差の波長依存性は極めて小さいため、特に波長走査や広帯域光を利用する用途において不連続線での位相の段差を極力小さくすることができ、この位相の段差に起因する雑音を十分に低レベルに抑えることができる。
この光渦発生装置は、例えば、レーザ装置11として広帯域なもの(Super Continuum光源など)を用いる場合にも良好な光渦を発生させることができる。
この光渦発生装置は、例えば、微小物体操作装置(マニピュレータ)として使用することができる。すなわち、第21図に示すように、この光渦発生装置により発生される光渦6により微小粒子74を光トラップし(光ピンセット)、この光渦6の軌道角運動量(トルク)をその微小粒子74に移して回転させることができる。
この光渦発生装置の実施例について説明する。
偏光渦変換素子4として、光弾性材料により構成した第1の例のものを用いた。円板状の光弾性材料71として直径48mm、厚さ3mmの円板状のエポキシ樹脂を用意し、これを互いに90°離れた4点で支持し、万力を使って外部から半径方向に圧縮をかけることにより、第9図に示すような偏光渦変換素子4を作製した。
こうして作製された偏光渦変換素子4を用いた光渦発生装置により光渦が生成されることを確かめるために、光渦と平面波および球面波との干渉実験を行った。実験系を第22図に示す。第22図に示すように、レーザ装置11としてHe−Neレーザを用い、このHe−Neレーザにより発生されるλ=632.8nm(赤)のレーザ光をコヒーレント光2として二枚のレンズ12a、12bからなるコリメータ12に通して平行光束とし、これをビームスプリッター81に入射させて二分割する。このビームスプリッター81により二分割された一方のコヒーレント光2を反射鏡82により反射させて光学系3の偏光子31および1/4波長板32に順次通して上記のようにして作製した偏光渦変換素子4に入射させ、この偏光渦変換素子4から射出されるコヒーレント光2を光学系5の1/4波長板51および検光子52に順次通した後、ビームスプリッター83を通して取り出す。一方、ビームスプリッター81により二分割された他方のコヒーレント光2を反射鏡84およびビームスプリッター83により順次反射させて取り出す。こうしてビームスプリッター83から取り出される、互いに異なる経路を通った二つのコヒーレント光2をCCD(電荷結合素子)に入射させて干渉縞を観察した。光渦と平面波との干渉実験を行う場合はこの第22図に示す実験系を用いるが、光渦と球面波との干渉実験を行う場合はビームスプリッター81と反射鏡84との間に凸レンズ85を挿入する。
第23図に、上記の実験系により得られた光渦と平面波との干渉模様の画像を示す。第23図から分かるように、光渦と平面波との干渉縞の特徴である逆Y字型の干渉縞が画像の中央付近に観測された。
第24図に、上記の実験系により得られた光渦と球面波との干渉模様の画像を示す。第24図から分かるように、光渦と球面波との干渉縞の特徴である渦型の干渉縞が画像の中央付近に観測された。
こうして作製された偏光渦変換素子4を用いた光渦発生装置により光渦が生成されることを確かめるために、光渦と平面波および球面波との干渉実験を行った。実験系を第22図に示す。第22図に示すように、レーザ装置11としてHe−Neレーザを用い、このHe−Neレーザにより発生されるλ=632.8nm(赤)のレーザ光をコヒーレント光2として二枚のレンズ12a、12bからなるコリメータ12に通して平行光束とし、これをビームスプリッター81に入射させて二分割する。このビームスプリッター81により二分割された一方のコヒーレント光2を反射鏡82により反射させて光学系3の偏光子31および1/4波長板32に順次通して上記のようにして作製した偏光渦変換素子4に入射させ、この偏光渦変換素子4から射出されるコヒーレント光2を光学系5の1/4波長板51および検光子52に順次通した後、ビームスプリッター83を通して取り出す。一方、ビームスプリッター81により二分割された他方のコヒーレント光2を反射鏡84およびビームスプリッター83により順次反射させて取り出す。こうしてビームスプリッター83から取り出される、互いに異なる経路を通った二つのコヒーレント光2をCCD(電荷結合素子)に入射させて干渉縞を観察した。光渦と平面波との干渉実験を行う場合はこの第22図に示す実験系を用いるが、光渦と球面波との干渉実験を行う場合はビームスプリッター81と反射鏡84との間に凸レンズ85を挿入する。
第23図に、上記の実験系により得られた光渦と平面波との干渉模様の画像を示す。第23図から分かるように、光渦と平面波との干渉縞の特徴である逆Y字型の干渉縞が画像の中央付近に観測された。
第24図に、上記の実験系により得られた光渦と球面波との干渉模様の画像を示す。第24図から分かるように、光渦と球面波との干渉縞の特徴である渦型の干渉縞が画像の中央付近に観測された。
偏光渦変換素子4として、第25図に示すように、八枚の直角二等辺三角形状の楔形偏光板73を放射状に並べて全体として正方形になるようにした第3の例のものを用いた。各楔形偏光板73は底辺の長さが15mm、厚さが約0.1mmであり、シートポーラライザを切断して形成した。
こうして作製された偏光渦変換素子4を用いた光渦発生装置により光渦が生成されることを確かめるために、光渦と平面波および球面波との干渉実験を行った。実験系を第26図に示す。第26図に示すように、レーザ装置11としてHe−Neレーザを用い、このHe−Neレーザにより発生されるレーザ光をコヒーレント光2としてビームスプリッター81に入射させて二分割する。このビームスプリッター81により二分割された一方のコヒーレント光2を反射鏡82により反射させて光学系3の偏光子31および1/4波長板32に順次通して上記のようにして作製した偏光渦変換素子4に入射させ、この偏光渦変換素子4から射出されるコヒーレント光2を光学系5の1/4波長板51および検光子52に順次通し、さらに空間周波数フィルタリング装置86に通した後、凸レンズ87およびビームスプリッター83を順次通して取り出す。空間周波数フィルタリング装置86は、凸レンズ86aおよびピンホール86bからなる。一方、ビームスプリッター81により二分割された他方のコヒーレント光2を反射鏡84およびビームスプリッター83により順次反射させて取り出す。こうしてビームスプリッター83から取り出される、互いに異なる経路を通った二つのコヒーレント光2をCCDに入射させて干渉縞を観察した。光渦と球面波との干渉実験を行う場合はこの第26図に示す実験系を用いるが、光渦と平面波との干渉実験を行う場合はビームスプリッター81と反射鏡84との間に凸レンズ88を挿入する。He−Neレーザにより発生されるレーザ光としては、λ=632.8nm(赤)のレーザ光とλ=543.5nm(緑)のレーザ光との二種類を用いた。
第27図Aおよび第27図Bに、それぞれλ=632.8nmの赤色のレーザ光およびλ=543.5nmの緑色のレーザ光を用いた場合に上記の実験系により得られた光渦と平面波との干渉模様の画像を示す。第27図Aおよび第27図Bから分かるように、干渉縞を追っていくと、画像の中央付近に縞の本数が変化している箇所が見える。これは光渦と平面波との干渉縞であり、赤色の波長および緑色の波長の両方で観測できた。
第28図Aおよび第28図Bに、それぞれλ=632.8nmの赤色のレーザ光およびλ=543.5nmの緑色のレーザ光を用いた場合に上記の実験系により得られた光渦と球面波との干渉模様の画像を示す。第28図Aおよび第28図Bから分かるように、画像の中央付近に渦型の干渉縞が見える。これは光渦と球面波との干渉縞であり、赤色の波長および緑色の波長の両方で観測できた。
この実験では、第27図Aおよび第27図Bと第28図Aおよび第28図Bとから分かるように、赤色のレーザ光と緑色のレーザ光との結果が類似していること、例えば第27図Aおよび第27図Bでの干渉縞の分岐数が同じことなどは、本方法で波長によらない光渦が生成されていることに関係している。なお、赤色のレーザ光と緑色のレーザ光とで干渉縞の本数が異なっているのは光渦自体の性質ではなく、例えば凸レンズ88の調整の不完全さによるものである。
第29図はこの発明の第2の実施形態による光渦発生装置を示す。第29図に示すように、この光渦発生装置は、コヒーレント光源1を有していないことを除いて、第1の実施形態による光渦発生装置と同様な構成を有する。この場合、この光渦発生装置の外部からコヒーレント光2が光学系3に入射する。
この光渦発生装置は、例えば、天体探査、具体的には太陽系外惑星探査に利用することができる。すなわち、強力な恒星光をこの光渦発生装置の光軸に合わせることで消すことができるので、光軸からずれた微弱な惑星光を高精度で検出することができ、惑星探査を高精度で行うことができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構成、配置、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構成、配置、材料などを用いてもよい。
なお、偏光渦変換素子は、上述のように、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものであり、一方、移相子は直線複屈折性を有する素子であり、偏光子は直線二色性の極端なもの、すなわち一方の偏光成分をほぼ完全に消す素子であるが、移相子や偏光子自体は直線複屈折性や直線二色性を使わず、例えば反射や屈折の偏光特性を利用することによりつくることができるので、直線複屈折性および/または直線二色性を有するという条件は、透過する光の互いに直交する2つの直線偏光成分間の振幅比および/または位相差を変化させる性質を有するという条件に拡張することも可能である。
以上説明したように、この発明によれば、光源の波長によらずアクロマティックでしかも位相の不連続線が存在しないか、存在するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性が極めて小さく、従って特に波長走査や広帯域光を利用する用途において不連続線での位相の段差を極力小さくすることができる光渦を容易に発生させることができる。そして、この光渦発生原理を用いて高性能の微小物体操作装置あるいは太陽系外惑星探査装置などの天体探査装置を実現することができる。
こうして作製された偏光渦変換素子4を用いた光渦発生装置により光渦が生成されることを確かめるために、光渦と平面波および球面波との干渉実験を行った。実験系を第26図に示す。第26図に示すように、レーザ装置11としてHe−Neレーザを用い、このHe−Neレーザにより発生されるレーザ光をコヒーレント光2としてビームスプリッター81に入射させて二分割する。このビームスプリッター81により二分割された一方のコヒーレント光2を反射鏡82により反射させて光学系3の偏光子31および1/4波長板32に順次通して上記のようにして作製した偏光渦変換素子4に入射させ、この偏光渦変換素子4から射出されるコヒーレント光2を光学系5の1/4波長板51および検光子52に順次通し、さらに空間周波数フィルタリング装置86に通した後、凸レンズ87およびビームスプリッター83を順次通して取り出す。空間周波数フィルタリング装置86は、凸レンズ86aおよびピンホール86bからなる。一方、ビームスプリッター81により二分割された他方のコヒーレント光2を反射鏡84およびビームスプリッター83により順次反射させて取り出す。こうしてビームスプリッター83から取り出される、互いに異なる経路を通った二つのコヒーレント光2をCCDに入射させて干渉縞を観察した。光渦と球面波との干渉実験を行う場合はこの第26図に示す実験系を用いるが、光渦と平面波との干渉実験を行う場合はビームスプリッター81と反射鏡84との間に凸レンズ88を挿入する。He−Neレーザにより発生されるレーザ光としては、λ=632.8nm(赤)のレーザ光とλ=543.5nm(緑)のレーザ光との二種類を用いた。
第27図Aおよび第27図Bに、それぞれλ=632.8nmの赤色のレーザ光およびλ=543.5nmの緑色のレーザ光を用いた場合に上記の実験系により得られた光渦と平面波との干渉模様の画像を示す。第27図Aおよび第27図Bから分かるように、干渉縞を追っていくと、画像の中央付近に縞の本数が変化している箇所が見える。これは光渦と平面波との干渉縞であり、赤色の波長および緑色の波長の両方で観測できた。
第28図Aおよび第28図Bに、それぞれλ=632.8nmの赤色のレーザ光およびλ=543.5nmの緑色のレーザ光を用いた場合に上記の実験系により得られた光渦と球面波との干渉模様の画像を示す。第28図Aおよび第28図Bから分かるように、画像の中央付近に渦型の干渉縞が見える。これは光渦と球面波との干渉縞であり、赤色の波長および緑色の波長の両方で観測できた。
この実験では、第27図Aおよび第27図Bと第28図Aおよび第28図Bとから分かるように、赤色のレーザ光と緑色のレーザ光との結果が類似していること、例えば第27図Aおよび第27図Bでの干渉縞の分岐数が同じことなどは、本方法で波長によらない光渦が生成されていることに関係している。なお、赤色のレーザ光と緑色のレーザ光とで干渉縞の本数が異なっているのは光渦自体の性質ではなく、例えば凸レンズ88の調整の不完全さによるものである。
第29図はこの発明の第2の実施形態による光渦発生装置を示す。第29図に示すように、この光渦発生装置は、コヒーレント光源1を有していないことを除いて、第1の実施形態による光渦発生装置と同様な構成を有する。この場合、この光渦発生装置の外部からコヒーレント光2が光学系3に入射する。
この光渦発生装置は、例えば、天体探査、具体的には太陽系外惑星探査に利用することができる。すなわち、強力な恒星光をこの光渦発生装置の光軸に合わせることで消すことができるので、光軸からずれた微弱な惑星光を高精度で検出することができ、惑星探査を高精度で行うことができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、構成、配置、材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構成、配置、材料などを用いてもよい。
なお、偏光渦変換素子は、上述のように、直線複屈折性および/または直線二色性を有し、その偏光特性は座標の中心から同一半径上にある各点では主軸の方位角を除いて一定であり、かつその上の各点の主軸の方位角が座標の方位角に比例するものであり、一方、移相子は直線複屈折性を有する素子であり、偏光子は直線二色性の極端なもの、すなわち一方の偏光成分をほぼ完全に消す素子であるが、移相子や偏光子自体は直線複屈折性や直線二色性を使わず、例えば反射や屈折の偏光特性を利用することによりつくることができるので、直線複屈折性および/または直線二色性を有するという条件は、透過する光の互いに直交する2つの直線偏光成分間の振幅比および/または位相差を変化させる性質を有するという条件に拡張することも可能である。
以上説明したように、この発明によれば、光源の波長によらずアクロマティックでしかも位相の不連続線が存在しないか、存在するとしても不連続線での位相の段差の波長依存性が極めて小さく、従って特に波長走査や広帯域光を利用する用途において不連続線での位相の段差を極力小さくすることができる光渦を容易に発生させることができる。そして、この光渦発生原理を用いて高性能の微小物体操作装置あるいは太陽系外惑星探査装置などの天体探査装置を実現することができる。
Claims (9)
- 上記偏光渦変換素子の上記主軸の方位角をφ、上記座標の方位角をθとしたとき、φ=nθ/2(ただし、nは0を除く整数)であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
- 上記コヒーレント光を発生する光源をさらに有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
- 上記偏光渦変換素子は放射状に配置された複数の楔形偏光板からなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
- 上記第1の光学系は上記コヒーレント光を一方向の直線偏光に変換する偏光子とこの偏光子の後段の1/4波長板とを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
- 上記第1の光学系は円二色性を有する材料を用いたものであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
- 上記第2の光学系は上記偏光渦変換素子から射出される光が入射する1/4波長板とこの1/4波長板の後段の検光子とを有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の光渦発生装置。
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