JP5016316B2 - メタボリックシンドローム血管評価システム - Google Patents

メタボリックシンドローム血管評価システム Download PDF

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本発明は、メタボリックシンドローム血管評価システムに関し、特に、超音波診断装置を用いて取得した血管画像と、同じく内臓脂肪画像とから専用のソフトウエアを備えたパーソナルコンピュータを用いて血管の肥厚度、血管内皮機能および内臓脂肪肥厚度を測定し、この測定結果をメタボリックシンドロームに関する血管リスクとして総合評価する血管評価システムに関する。
従来、血管評価システムは、メタボリックシンドロームを検出することができるシステムとして使用されている。
このメタボリックシンドロームとは、我が国での基準となった2004年メタボリックシンドローム診断基準検討委員会が取り決めた下記の5項目、
(1)ウエスト周囲径(内臓脂肪面積100〔cm〕以上)が、男性の場合で85〔cm〕以上、女性の場合で90〔cm〕以上、
(2)高トリグリセリド血症が150〔mg/dl〕以上、
(3)低HDLコレステロール血症が40〔mg/dl〕以下、
(4)収縮期血圧が130〔mmHg〕以上、拡張期血圧85〔mmHg〕以上、
(5)空腹時血糖値110〔mmHg〕以上、
を対象にして、内臓脂肪が基準を超えてかつ他の2つ以上が基準外の場合として定義している(非特許文献1参照。)。
メタボリックシンドロームに当てはまると、将来、生活習慣病になる可能性が高いことが臨床的に確認されている。また平成18年5月8日厚生労働省から報告された報告書(非特許文献2参照。)では、我が国の40〜70歳におけるメタボリックシンドロームは約940万人、予備軍1020万人に達し、両者併せて約1960万人に達すると報告されている。また、40〜74歳男性では、50%が既にメタボリックシンドロームが疑われると報告されている。
さらに、平成17年6月10日に成立した食育基本法では、平成22年までにメタボリックシンドロームという言葉の認知度を80%までに上げる計画が組み込まれており、知育、体育、食育として子供のころから正しい食事を教育することで現在増加している小児肥満を減らし、延いては国の医療費を減らそうとする試みが始まろうとしている。
そこで、手法として考えると前記メタボリックシンドロームの定義では、血液検査なども含まれているため容易ではない。また内臓脂肪をウエスト周径で観るのも家庭で目安程度にはなるものの、皮下脂肪を含んで測るため直感的なインパクトが大きくない。
さらに、内臓脂肪のゴールドスタンダードと言われるCTスキャンによる臍部の輪切りを面積で定義する100〔cm2〕基準も、CTスキャンがX線被爆をもたらす危惧が有り、気楽に測定できるとは言い難い。またメタボリックシンドロームの概念自体も、複合的なリスクを広く評価するため、注意を被験者に促す効果は期待できるものの、実際には被験者の動脈硬化などの評価で確認する必要が生じてくる。
このような観点から、メタボリックシンドロームの診断には、関連する診断項目として、血管膜厚、血管径および動脈硬化等を診断する方法も開発され、用いられている。例えば、従来、動脈硬化の診断は、血管造影法を用いて血管内腔の変化を検査することにより行われている。しかしながら、このような方法は、患者への造影剤の投入や被爆が懸念されるX線撮影等を必要とするため、簡単にしかも気軽に実施することができず、診断にもある程度の時間を要していた。
そこで、近年は、頸動脈の血管の内膜中膜複合厚さ(Intima-Media Thickness;以下、IMTと称する)を動脈硬化判定の指標として用いる研究が世界的に行われている。その中でも、頸動脈を超音波装置により撮影し、その超音波画像に基づいてIMTを測定して診断する方法が注目されている。この方法によれば、頸動脈の画像の撮影を比較的簡単に行うことができると共に、病理的に検索したIMTとよく相関する比較的精度の良い測定が可能である。
しかしながら、前記従来の方法によれば、超音波画像の測定にはノギスが用いられていたため、熟練した医師がある程度の時間をかけなければ、精度の良い測定を行なえないという問題点が有った。例えば、測定に慣れた医師でも、20分〜30分の測定時間が必要である。また、測定時間が掛かり過ぎるだけではなく、測定者の技能に応じた測定誤差が生じるという問題点も有った。
このような問題点を解決するため、コンピュータを用いて超音波画像を自動計測する方法が諸外国で提案されている。しかしながら、これらの方法は、何れも従来の超音波装置に連結して使う方法であるため、実際のシステムとして実現した場合には非常に高額の装置になるという問題点が有った。つまり、従来の超音波装置は、一般に数千万円と高額であり、あらゆる臨床現場に容易に導入できる金額ではない。
また、一般的にコンピュータにより超音波装置の画像を取り込むには、アナログ信号であるビデオ出力端子が用いられる。そのため、超音波装置が画像をデジタルデータとして読み込む場合でも、そのデータをコンピュータ側に送るには、一度信号をアナログに変換しなければならない。更に、コンピュータ側では、送られた画像のビデオ信号をビデオキャプチャーソフト等を用いて再度デジタルデータに変換する必要がある。
従って、従来の方式では、画像の劣化を招くことは避けられない。従来の超音波画像の利用の仕方であれば、画像の形が主体であるためそれほど問題ない場合が多かった。しかし0.1〔mm〕の厚さが問題になるIMTの測定の場合は、できる限り画質を落とさないことが重要である。
その結果、従来のコンピュータを用いた頸動脈の血管内膜中膜の複合厚さ(Intima-Media Thickness)(以下、「頸動脈血管肥厚度:IMT」と略称する)の測定システムにおいては、この画質劣化を考慮した高度な画像処理が行われており、ソフトウエアだけでも数百万円と高額なものになっていた。
このような問題点を解決するために、例えば、特許文献1には、本願の発明者らの提案に係る頸動脈超音波画像に基づくIMT測定を、比較的低価格かつ簡単な構成で、精度良く行うことのできる血管膜厚測定装置と、この装置の測定データに基づいて適切に動脈硬化を診断することのできる動脈硬化診断装置とが開示されている。
また、メタボリックシンドロームの診断に関連して、血管径を測定する技術については、下記の背景を有する。
従来、血管のしなやかさを非侵襲的に測定する場合には、血管の力学的物理量に着目して、血管壁の硬さを診断する技術が多かった。これは、良く知られている脈波が動脈管を伝搬する速度(即ち脈波速度PWV(pulse wave velocity))に着目し、2点間の動脈管長さLをdT時間で伝わるPWV=L/dTを求め、脈管壁が硬いと弾性率により脈波伝搬が早くなることを利用した技術である。この速度は、高齢者ほど大きくなるとされている。
このような原理を利用した非侵襲的動脈硬化診断装置は、マクター社からBIMS−Vモデルとして販売されている。なお、特許出願としては、特許文献3および特許文献4に開示されている。また、従来、血管壁の硬さを診断する技術として、脈波の血圧変動により血管の容積が非線形的に変わる変化量を経験則から求めたstiffness parameter β=Dd/ΔD・ln(Ps/Pd)(ここでDd=血管最小径、ΔD=脈動に伴う血管径の変化量、Ps=収縮期血圧、Pd=拡張期血圧)も広く使われてきた(非特許文献3参照。)。
ちなみに、高齢者ほど、このβが大きいとされている。この知見の応用例としてはInternational Medical Device Partners, Inc社のCARDIO Vision等が上げられる。
上述の技術では、通常の拍動状態をそのまま観測するため血管の動脈硬化は物理的にかなり進んでしまってからでないと観測できない場合が多い。物理的変化が生体に生じるには数ヶ月かかることがある。物理的変化の測定方法ではこのように、生理的状態の変化の影響を受けにくい診断方法であるため、有意な変化として認識するには数ヶ月程度の時間経過を必要としていた。
しかし、近年、動脈硬化の初期段階では、血管の内皮機能不全が動脈硬化に関与することが発見された。即ち、内皮細胞から放出される生理活性物質である一酸化窒素(NO)が平滑筋を拡張させ、血小板凝集抑制、血液単球の内皮への付着抑制など、動脈硬化を抑制するために重要な指標であることが理解されてきたが、この一酸化窒素の放出機能が不全になることと動脈硬化が生じることとの間には相関が有ることが分かってきた。1998年、この現象の発見に対しノーベル医学生理学賞が授与されている。
この内皮機能不全を測定するためには、血管の拡張度が解れば良い訳で、そのため以下の非侵襲的方法によって血管を強制的に弛緩させる方法が考えられている。即ち、最初に15分間安静にさせた後、上腕動脈の長軸に沿って7.5〔MHz〕〜15〔MHz〕のリニアプローブを当て心拍のR波に同期させたエコー画像を数拍分取得する。それらの画像から安静時の上腕動脈径を測定する。次に前腕部にカフを巻き約5分間250〔mHg〕以上で動脈を阻血させる。5分後急速に解放し、充血反応過程で1分間待ち1分後安静時と同様の血管径をエコーを使って測定する。この安静時の血管径に対する充血反応後の血管径の比から径の変化量を%で表し、%FMDとして利用する。この方法はFlow‐Mediated Dilatation法、即ち、内皮細胞の機能不全を非侵襲的に簡易に観測する方法として定着してきた。これは、阻血により生体に生じた代謝異常を補償するための充血反応が血管拡張を最大にするであろうことを利用した方法である(非特許文献4参照。)。
なお、高齢者や物理的な動脈硬化が観られないような一見健康な人でも、内皮機能不全という観点からみれば動脈硬化進展のより初期段階に入っている可能性があり得る。例えば高脂肪な食生活をこのまま続けると動脈硬化に進展するであろうことをより初期のうちから警告できるわけである。またビタミンEの効果や薬効などを含め、数時間の単位で内皮機能不全の判定ができるとされている。
しかしながら、前述の測定を実施しようとすると、上腕動脈長軸側に沿って皮膚表面からエコーを垂直に当てなくてはならず、安静15分経過後の測定と阻血5分後の測定ではエコーを当てる部位がずれる可能性があった。また従来の方法では阻血のためカフをマニュアルで吸気するため測定者の補助を必要とした。さらに保存された上腕動脈長軸側エコー画像から血管径をノギスなどを使い算出するには時間がかかり測定者間の誤差が大きくなる場合があった。
このような問題点を解決するために、例えば、特許文献2には、血管の内皮細胞が機能不全を生ずることによって起こる血管拡張反応の低下を、動脈硬化の初期診断として血管のしなやかさを非侵襲的に測定する血管径測定システムが開示されている。
なお、本発明の基本的背景をなすエコーを使った内臓脂肪厚の評価法は、1993年頃、鈴木良一氏らによって提唱された(非特許文献5,6参照。)。
その後、この評価法に改良が加えられ、2002年ごろ田所直子氏らにより腹膜前脂肪厚(Preperitoneal Fat Thickness: PFT)測定法として提唱された(特許文献7参照。)。
「特許第2889568号公報」 「特許第3825690号公報」 「特許第3184349号公報」 「特開平06‐261898号公報」 「メタボリックシンドローム実践マニュアル、松澤佑次監修、2005年有限会社フジメディカル出版」 「平成16年国民健康・栄養調査の概要について〜メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況を中心に〜」 「動脈硬化の診断のガイドライン、非侵襲的動脈硬化診断研究会編、共立出版、P93−P101」 「Flow-mediated dilatation : Olli T. Raitakari & David S. Celermajer, J Clin Phamacol 2000,50,397-404O」 「Abdominal Wall Fat Index, Estimated by Ultrasonography, for Assessment of Ratio of Visceral Fat to Subcutaneous Fat in the Abdomen, Ryouichi Suzuki others, AJM 95,309,1993 」 「超音波診断装置を用いた体脂肪分布の測定とその臨床的意義‐腹壁脂肪指数(AFI)の考察‐、鈴木良一他、日本超音波医学会講演論文集、1990年5月、633-634」 「腹部超音波法による内臓脂肪蓄積量の推定、田所直子他、肥満研究8、37,2002 」
ところで、上記背景技術で述べた従来のメタボリックシンドローム血管評価システムおよびその関連技術にあっては、部位である白線と腹膜線は被験者により形も画質もばらばらで、マニュアル測定では精度を上げた肥厚の計測は困難であるという問題点が有った。
また、肥厚度の最大値であるPFTmaxは、マニュアルではかろうじて計測できるものの、比較的安定して計れる肥厚の平均PFTmeanは容易ではないという問題点が有った。
そこで、本発明に際しては、ソフトウエアと組み合わせることで白線、腹膜線を自動認識させ、かつ平均肥厚度PFTmeanを内臓脂肪肥厚度として自動計測させる手段を開発することが課題であった。
さらに、本発明に際しては、メタボリックシンドロームではゴールドスタンダードとされている内臓脂肪をCTで計った面積法と関連づけるため前記田所直子氏らの論文で既に発表されているCT法とPFT法との相関式をCT法推定値として一緒に算出する機能を盛り込むことが課題であった。
加えて、本発明に際しては、既に発明されている同じエコーによるIMT頸動脈血管肥厚度計測法、%FMD血管内皮機能計測法を併せて測ることで内臓に脂肪が蓄積され、「アディポサイトカイン」と総称される脂肪細胞由来の生理活性物質(最近の研究では、抗癌作用を有することも知られている)の産生異常が継続的にもたらされることでメタボリックシンドロームという一連のカスケード的に生じてくる現状を総合的に確認できるようにしている。
なお、経過的には内臓脂肪が最初で、その後、血管内皮機能が低下し、頸動脈肥厚度が大きくなるという順序を辿るため、前述のPFT、IMTおよび%FMDを総合して評価出来る手段の開発は、メタボリックシンドロームへ辿る過程の評価をも可能にする手段が開発できることになる。
そこで、本発明に際しては、内臓脂肪をウエスト周径測定手段とCTスキャン法との中間の手段として、被爆の問題も無く従来から使われていたエコー法を使用し、さらにメタボリックシンドロームの結末である身近な動脈硬化症の内、血管の肥厚度と血管を膨らます能力の低下とを内臓脂肪と共に統合評価することで、被験者本人のメタボリックシンドロームの状態を、解りやすく提供できるシステムを開発することが課題とされた。
即ち、本発明に際しては、基本的には、メタボリックシンドロームに対する、より現実的な評価ツールを提供することを課題としている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)、頸動脈血管肥厚度(IMT)および上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)の各測定結果を総合して診断・評価することができるメタボリックシンドローム血管評価システムを提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、上述した目的を達成するために、超音波を使用する簡単な構成で、市販の安価なエコー装置とパーソナルコンピュータを用いて、メタボリックシンドロームの危険度を、容易に且つ迅速に総合的に判定し得ると共に、特に内臓脂肪の蓄積と血管内皮機能の低下と、頸部動脈肥厚度の増大という各症状を個別に評価すると共に、これら各評価要素に基づいてメタボリックシンドロームの危険度を総合的に判定し得るメタボリックシンドローム血管評価システムを提供することにある。
また、本発明の請求項の目的は、内臓脂肪肥厚度の計測は剣状突起部から臍までをプローブ縦断側で撮り、得られたエコー画像を一旦パソコンに送りソフトウエアにより内臓脂肪肥厚度計測を実現することを可能にすることにある。
また、本発明の請求項の目的は、特に、エコー画像から計測に必要な部分はテンプレートでカットし、カットしたエリア内で白線部分に白線の最大輝度ポイントを自動計測させるため、最初ガイドラインを手動で引きそのガイドラインから前後に設けた白線自動検出帯内で最大輝度ポイントを自動的に検出させることを可能にし、また、同様に、腹膜線においても腹膜自動検出帯を白線同様に設けて同様に自動検出させることを可能にすることにある。
また、本発明の請求項の目的は、特に、最大輝度ポイントとして白線、腹膜で自動検出したポイントがエコー画質の劣化により修正が必要な場合、消しゴムやペンなどの修正ツールで消去することを可能にし、さらに修正後そのポイントに対して最小自乗法などの統計処理を使って白線、腹膜線を回帰曲線で表すことを可能にすることにある。
また、本発明の請求項の目的は、特に、前記2つの回帰線の距離から最大腹膜前内臓脂肪肥厚度、平均肥厚度を求めることで、計算誤差を低減させ、評価結果の信頼度を向上させることにある。
また、本発明の請求項の目的は、特に、今後、臨床データが増えて推定式が変更されても永続的に使って行くことを可能にすることにある。
また、本発明の請求項の目的は、特に、本システムの信頼性を高めると共に、その構築を容易にすることにある。
さらに、本発明の請求項の目的は、特に、内臓脂肪の蓄積が血管内皮機能を劣化させ、また血管を肥厚させ、さらに動脈硬化に至るメタボリックシンドロームの進行状況を時間経過と共に、かつ視覚的に把握させることにある。
請求項1に記載した本発明に係るメタボリックシンドローム血管評価システムは、上述した目的を達成するために、超音波を使用するプローブを被験者の被験部に当て前記被験部の画像を採取して診断する超音波診断手段と、前記超音波診断手段によって採取された画像データおよび診断結果を、デジタルまたはアナログの映像信号若しくは赤外線を含む光信号によってパーソナルコンピュータに伝送する手段と、前記パーソナルコンピュータにおいてメタボリックシンドロームの危険度を総合的に判定する総合診断・評価手段と、を備え
前記超音波診断手段として、頸動脈にプローブを当て頸動脈の血管肥厚度を測定する頸動脈血管肥厚度検査手段と、上腕動脈にプローブを当て血流依存性血管拡張反応を測定する上腕動脈血管内皮検査手段と、プローブを腹部上部に当て腹膜前内臓脂肪の肥厚度を測定する腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段は、腹部上部にプローブを縦断的あるいは横断的に当てた時の腹膜前内臓脂肪厚像を採取して前記パソコンに送出し、さらに前記総合診断・評価手段は、前記パソコン内に送出された前記腹膜前内臓脂肪厚像から腹直筋が交差するラインである白線の輝度ラインと肝臓の上部に位置する腹膜輝度ラインとを検出するライン検出手段を備えたことを特徴としている。
また、本発明の請求項に記載の前記メタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記ライン検出手段は、テンプレート上でプローブと皮膚接触面とを一致させて切り出された画像内で上部の輝度が幾分高くなる白線ガイドラインに沿ったマウス移動および白線ガイドラインの下に表示される腹膜線の腹膜ガイドラインとに沿ったマウス移動によって抽出される白線と腹膜線とから、予め手入力された検出帯ガイドラインで囲われた範囲内で、前記白線の最大輝度ポイントと前記腹膜線の最大輝度ポイントとを摘出することにより、前記白線の輝度ラインと前記腹膜輝度ラインとを決定する最大輝度検出手段を備えたことを特徴としている。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段では、前記検出された白線の最大輝度ポイントと腹膜線の最大輝度ポイントとを、共にペンまたは消しゴムを範疇に含むツールによって修正可能であり、さらに前記修正後の前記白線の最大輝度ポイントと前記腹膜線の最大輝度ポイントとを対象にして、最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を求めることを特徴している。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記ライン検出手段は、決定した白線最大輝度ポイント、腹膜前最大輝度ポイントを対象に最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を引く手段を備えると共に、前記2つの回帰曲線からその間の距離を最大肥厚距離および平均肥厚距離を求めて、それぞれ最大内臓脂肪厚、平均内臓脂肪厚として算出する手段を備えることを特徴としている。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記総合診断・評価手段は、前記最大内臓脂肪厚および平均内臓脂肪厚と、我が国の内臓脂肪の標準である臍部輪切りCTから内臓脂肪面積を算出するいわゆるCT法との相関についての知見とに基づいて内臓脂肪面積を評価することを特徴としている。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムは、前記頸動脈血管肥厚度測定手段として、超音波により撮影した画像のデータをデジタルデータとして出力する超音波装置と、
前記超音波装置のデジタル出力を光結合により伝送するデータ伝送装置と、
前記データ伝送装置により伝送された血管の画像データに基づいて、血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置であって、前記デジタルの画像データの輝度値の移動平均値に基づいて基準位置を算出し、基準位置から血管の管壁部方向に向かって所定のピクセル範囲内における輝度値の極大値および極小値に基づいて血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置と、
を備えた血管膜厚測定装置を使用し、
前記上腕動脈血管内皮検査手段として、
エコーを用いて動脈の血管径を測定する血管径測定システムであって、
動脈を一定時間阻血させる阻血用カフと、
皮膚表面から超音波を発して反射してくる信号を検出して血管エコー画像を得るエコープローブと、
前記エコープローブを腕部に接触した状態で微調整可能に固定する着脱式固定バンドと、
胸部に接触させて前記血管エコー画像を心電位波RでトリガーさせるためのECG電極と、
阻血時間と阻血圧をコントロールし、安静期、阻血期、充血反応過程の各期であることを表示またはアラーム音で被験者に知らせる自動阻血装置と、
前記エコープローブによるエコー画像を前記ECG電極で同期して撮影し静止画像を得る汎用エコー装置と、
保存した前記静止画像から血管拡張による血管径を演算して求めるコンピュータ装置と、
を具備した血管径測定システムを使用することを特徴としている。
さらに、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムにおいて、前記総合診断・評価手段は、前記頸動脈血管肥厚度検査手段による測定結果の頸動脈の血管肥厚度が示す危険度の評価と、前記上腕動脈血管内皮検査手段による測定結果の血管拡張度%FMDの逆数である1/%FMDが示す危険度の評価と、前記腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段による測定結果の腹膜前内臓脂肪肥厚度が示す危険度の評価との積み重なり状態を数値で表すと共に、前記超音波診断手段に属する前記各手段の測定結果を重回帰して得られる数値の大きさに基づいて、前記被験者の総合的なメタボリックシンドローム危険度を評価し、ランク付けすることを特徴としている。
以上述べたように、本発明によれば、腹膜前内蔵脂肪肥厚度、頸動脈血管肥厚度および上腕動脈血管内皮の各測定結果を総合して診断・評価することができるメタボリックシンドローム血管評価システムを提供することができる。
本発明の請求項1に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、超音波を使用するプローブを被験者の被験部に当て、この被験部の画像を採取して診断し、この採取された画像データおよび診断結果を、デジタルまたはアナログの映像信号若しくは赤外線を含む光信号によってパーソナルコンピュータに伝送し、前記パーソナルコンピュータにおいてメタボリックシンドロームの危険度を総合的に判定する総合判断・評価手段を備えているので、簡単な構成で、市販の安価なエコー装置とパーソナルコンピュータを用いて、メタボリックシンドロームの危険度を、容易に且つ迅速に総合的に判定することができ
また、本発明のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、内臓脂肪の蓄積と血管内皮機能の低下と、頸動脈肥厚度の増大という各症状を個別に評価すると共に、これら各評価要素に基づいてメタボリックシンドロームの危険度を総合的に判定することができる。
た、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段が、腹部上部にプローブを縦断的あるいは横断的に当てた時の腹膜前内臓脂肪厚像を採取して前記パソコンに送出し、さらに総合診断・評価手段は、パソコン内に送出された腹膜前内臓脂肪厚像から腹直筋が交差するラインである白線の輝度ラインと肝臓の上部に位置する腹膜輝度ラインとを検出するライン検出手段を備えるので、内臓脂肪肥厚度の計測は剣状突起部から臍までをプローブ縦断側で撮り、得られたエコー画像を一旦パソコンに送りソフトウエアにより内臓脂肪肥厚度計測を実現することが可能となる。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、ライン検出手段が、テンプレート上でプローブと皮膚接触面とを一致させて切り出された画像内で上部の輝度が幾分高くなる白線ガイドラインに沿ったマウス移動および白線ガイドラインの下に表示される腹膜線の腹膜ガイドラインとに沿ったマウス移動によって抽出される白線と腹膜線とから、予め手入力された検出帯ガイドラインで囲われた範囲内で、白線の最大輝度ポイントと腹膜線の最大輝度ポイントとを摘出するので、白線の輝度ラインと腹膜輝度ラインとを決定する最大輝度検出が可能となり、例えば、エコー画像から計測に必要な部分はテンプレートでカットし、カットしたエリア内で白線部分に白線の最大輝度ポイントを自動計測させるため、最初ガイドラインを手動で引きそのガイドラインから前後に設けた白線自動検出帯内で最大輝度ポイントを自動的に検出させることが可能となり、また、同様に、腹膜線においても腹膜自動検出帯を白線同様に設けて同様に自動検出させることが可能となる。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、腹膜前内臓脂肪肥厚度検出手段では、前記検出された白線の最大輝度ポイントはペンまたは消しゴムを範疇に含むツールによって修正可能であり、さらに修正後の白線の最大輝度ポイントと腹膜線の最大輝度ポイントとを対象にして、最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を求めることが可能であるので、例えば、最大輝度ポイントとして白線、腹膜で自動検出したポイントがエコー画質の劣化により修正が必要な場合、消しゴムやペンなどの修正ツールで消去することが可能となり、さらに修正後そのポイントに対して最小自乗法などの統計処理を使って白線、腹膜線を回帰曲線で表すことが可能となる。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、ライン検出手段は、決定した白線最大輝度ポイント、腹膜前最大輝度ポイントを対象に最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を引く手段を備えると共に、この2つの回帰曲線からその間の距離を最大肥厚距離および平均肥厚距離を求めて、それぞれ最大内臓脂肪厚、平均内臓脂肪厚として算出する手段を備えるので、この2つの回帰線の距離から最大腹膜前内臓脂肪肥厚度、平均肥厚度を求めることで、計算誤差を低減させ、評価結果の信頼度を向上させることができる。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、総合診断・評価手段は、最大内臓脂肪厚および平均内臓脂肪厚と、我が国の内臓脂肪の標準である臍部輪切りCTから内臓脂肪面積を算出する、いわゆるCT法との相関とに基づいて内臓脂肪面積を評価することができるので、今後、臨床データが増えて推定式が変更されても永続的に使って行くことが可能となる。
また、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、前記頸動脈血管肥厚度測定手段として、超音波により撮影した画像のデータをデジタルデータとして出力する超音波装置と、
前記超音波装置のデジタル出力を光結合により伝送するデータ伝送装置と、
前記データ伝送装置により伝送された血管の画像データに基づいて、血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置であって、前記デジタルの画像データの輝度値の移動平均値に基づいて基準位置を算出し、基準位置から血管の管壁部方向に向かって所定のピクセル範囲内における輝度値の極大値および極小値に基づいて血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置と、
を備えた血管膜厚測定装置を使用し、
前記上腕動脈血管内皮検査手段として、
エコーを用いて動脈の血管径を測定する血管径測定システムであって、
動脈を一定時間阻血させる阻血用カフと、
皮膚表面から超音波を発して反射してくる信号を検出して血管エコー画像を得るエコープローブと、
前記エコープローブを腕部に接触した状態で微調整可能に固定する着脱式固定バンドと、
胸部に接触させて前記血管エコー画像を心電位波RでトリガーさせるためのECG電極と、
阻血時間と阻血圧をコントロールし、安静期、阻血期、充血反応過程の各期であることを表示またはアラーム音で被験者に知らせる自動阻血装置と、
前記エコープローブによるエコー画像を前記ECG電極で同期して撮影し静止画像を得る汎用エコー装置と、
保存した前記静止画像から血管拡張による血管径を演算して求めるコンピュータ装置と、
を具備した血管径測定システムを使用することが可能であるので、本システムの信頼性を高めると共に、その構築を容易にすることができる。
さらに、本発明の請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システムによれば、総合診断・評価手段は、頸動脈血管肥厚度検査手段による測定結果の頸動脈の血管肥厚度が示す危険度の評価と、上腕動脈血管内皮検査手段による測定結果の血管拡張度%FMDの逆数である1/%FMDが示す危険度の評価と、腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段による測定結果の腹膜前内臓脂肪肥厚度が示す危険度の評価との積み重なり状態を数値で表すと共に、超音波診断手段に属する前記各手段の測定結果を重回帰して得られる数値の大きさに基づいて、被験者の総合的なメタボリックシンドローム危険度を評価し、ランク付けすることができるので、内臓脂肪の蓄積が血管内皮機能を劣化させ、また血管を肥厚させ、さらに動脈硬化に至るメタボリックシンドロームの進行状況を時間経過と共に、かつ視覚的に把握させることが可能となる。
本発明は我が国が進行しているメタボリックシンドロームの分野に属し、その漠然とした概念を、より現実的な血管の評価ツールに置き換えて提供する。
特に、国民栄養調査で判明した我が国男性の50%がメタボリックシンドローム予備軍であるという危機的状況の解消を意図する。さらに成立したばかりの食育基本法では、小児肥満が増加している我が国でも食の教育に力を入れようとしているが、本発明は、この動きにも呼応している。本発明により我が国の生活習慣病が抑えられ、延いては医療費削減にも通じる効果が期待できる。
即ち、従来は、バラバラで評価されていた危険度の評価が、最近では、メタボリックシンドロームという総合的な危険度の評価で統合される動きにあるので、このような時代背景にも鑑みた血管評価システムを提供するものである。
本発明に係るメタボリックシンドローム血管評価システムは、計測部位は血管、内臓脂肪厚などと異なってはいるが、共通してエコーを用いて厚みを測る手段を有する。
本発明の特徴的な部分は、従来個別に行われていた血管計測、内臓脂肪肥厚度計測等を、メタボリックシンドロームという最近考えられたリスク管理法の普及に即して計測できる、より現実的なツールとして実現していることである。
内臓脂肪の蓄積は、アディポサイトカインと総称される脂肪細胞由来の生理活性物質の産生異常が継続的にもたらされて、カスケード的に異常発生するリスクのことを、メタボリックシンドロームと統一して、総称しているのである。
従って、時間経過と共に異常発生のリスクが増していく実態環境において、本発明に係る統合的な評価方法は、メタボリックシンドロームに対する有効な計測方法となる。
PFTによる内臓脂肪蓄積が、血液の性質を変化させ、血管を保護している内皮の機能(%FMD)を阻害させると、その先には、動脈硬化の初期症状である血管肥厚(IMT)が待っているといった具合に、一連の時間経過を辿ってカスケード的な異常が進行することが知られている。
本発明の特徴の1つは、従来個別に行われていた血管評価法の各々を、メタボリックシンドロームを計測するという観点から総合的に結びつけたことにある。
以下、本発明のメタボリックシンドローム血管評価システムの最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。 図1は、本発明の実施の形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムで行われる各処理を示す説明図である。 同図において、総合診断・評価は、既に開発されている頸動脈血管肥厚度(IMT)検査工程(例えば、特許文献1参照)と、同じく既に開発されている上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査工程(例えば、特許文献2参照)と、本発明の特徴的な診断工程である腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査工程と、同じく本発明の特徴的な診断工程である総合診断・評価工程とで構成される。
図2は、本発明の実施の形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムの全体構成を示す構成図である。
同図において、本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムは、LAN10を介して通信可能に接続された、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1と、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2と、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3と、総合診断・評価装置4(パーソナルコンピュータシステムで構成される)と、を具備する。
総合診断・評価装置4を構成するパーソナルコンピュータは、Windows(登録商標)2000やWindows XP(登録商標)等のOSにより動作する汎用のパーソナルコンピュータであり、画像処理を行うために十分なメモリが搭載されている。また、このパーソナルコンピュータには、ハードディスク(図示は省略)が備えられており、このハードディスクには、評価診断ソフトウエア、データベースソフトウェア、プリントアウトソフトウェアおよび通信用ソフトウエアが格納されており、このパーソナルコンピュータには、これらのソフトウエアがインストゥールされている。
LAN10は、有線または無線のLAN(Local Area Network)であり、有線の場合は、銅線ケーブルまたは光ファイバを使用することができる。また、無線の場合は、通常の電磁波の他、可視光線または不可視光線(赤外線等)を使用することができる。さらに、通信方式は、アナログ方式とデジタル方式のいずれも可能であり、映像信号の変調・復調方式は、任意の方式が可能である。
腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3、総合診断・評価装置、のいずれにおいてもコンピュータシステムを構成要素とすることができる。
なお、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2と、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3との具体的な構成例および使用方法については後述する。
以下、本実施形態のメタボリックシンドローム血管評価システムの機能について説明する。
メタボリックシンドロームに関与する評価として、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3では、前腕を5分阻血させた後、阻血開放一分後の血管拡張反応を安静時の血管径と拡張後の血管径との比率で上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)を計測する。この計測方法は、従来から行われているマニュアル法や、特許文献2等に開示されたコンピュータを使用した計測法が使用可能である。なお、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3の構成例および測定方法については後述する。
また、メタボリックシンドロームに関与する評価として、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2では、頸動脈血管の肥厚度を計測する。この計測方法も、従来から行われているマニュアル法や、特許文献1等に開示されたコンピュータを使用した計測法が使用可能である。なお、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2の構成例および測定方法については後述する。
さらに、メタボリックシンドロームに関与する評価として、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1では、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)を計測する。
この計測方法は、コンピュータを使用した計測手法が使用可能である。 前述の各装置で用いるプローブは、理想的にはIMT,FMD計測の場合は7.5〔MHz〕のリニアプローブとし、PFT計測の場合は5〔MHz〕のリニアプローブとするのが最適である。なお、その他として、5〜7.5〔MHz〕に渡るワイドレンジのプローブ1本で計測することも可能である。
さらに、PFT計測の場合は、腹部エコーではポピュラーな3.5〔MHz〕コンベックス式プローブも同様に使用可能である。
さらに本発明のもう一つの形態である内臓脂肪の計測法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1の一使用例を示す説明図である。
同図に示す腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1の1使用例では、まず、被験者12に足を曲げて仰向けに寝てもらう。次に、比較的エコーが深く浸透する5〔MHz〕程度のリニアプローブ11を、被験者12の剣状突起と臍の線に沿って縦断的に当てる。この時、図示しないコンピュータの処理により、リニアプローブ11の撮像が、図示しない表示装置の表示画面に表示される。図3では、縦断像13と、横断像14とが示されている。
リニアプローブ11では、剣状突起と臍の線を左右に少し外しながら、腹直筋の間に有る白線をクリアに描画させる。リニアプローブ11を縦断的に臍から剣状突起に移動させて行くと、縦断像13の白線に下の層で肝臓の上部に腹膜線が白く描出してくるので、肝臓面が剣状突起部に近づく辺りで、肝臓の縁が落ち込む辺りを含ませてプローブの位置を固定させる。その際、被験者に軽く息を吸い込んでもらった後、そのまま少しの間息を止めたままにしてもらって画像を固定させる。
簡易に測るなら、被験者12には、座位のまま腹部前面を開けてもらい、そのまま前述の仰臥の場合と同様にプローブを当て、軽く息を吸い込んでもらってから、その息を止めてもらって測ることも可能である。但し、この場合は、肝臓が重力の影響で、位置を変える。よって、前述の仰臥の場合の方が肝臓の位置がより安定し易い。
従って、この座位の場合と前述の仰臥の場合とを混合して測定するのは避けるべきであり、どちらか一方に統一する方が誤差が少ない。
図4は、被験者12の横断像と縦断像(エコー画像)の腹直筋、肝臓、白線、腹膜線、内臓脂肪の位置関係を示す説明図である。
また、図5は、被験者12の腹部の縦断像を示す説明図である。
さらに図6は、被験者12の縦断像から白線と腹膜線のデータを抽出する方法を示し、図6(a)は被験者12の縦断像を、図6(b)は被験者12の縦断像から抽出された白線と腹膜線のデータを、図6(c)は被験者12の縦断像における輝度−エコー深度特性を、それぞれ説明するグラフを示している。
超音波診断装置で取得した被験者12のエコー画像は、パーソナルコンピュータで構成される総合診断・評価装置4に、LAN10を介して送出され、総合診断・評価装置4では、この画像から内臓脂肪厚を測定する領域を切り出す(図6(a)参照)。
図6(a)では、テンプレートを使ってテンプレート上でプローブと皮膚接触面とを一致させて切り出す場合が示されている。このようにして切り出された画像内で、上部の輝度が幾分高くなる白線(図6(a)の白線ガイドライン)と、その下の腹膜線(図6(a)の腹膜ガイドライン)とに沿って、前記図示しないコンピュータに付属するマウス(図示は省略)を移動させる。この時、直線の折れ線部分ではマウスをクリックして白線と腹膜線のデータを抽出する。
肝臓と皮膚の間には腹直筋があるため白線を巧く描画させられないと複雑な輝度の高いラインが交差して完全自動ではなかなか巧く検出できない場合が多い。そこで、本発明の実施形態では、上記のとおり、手操作と自動処理とを組み合わせている。
前述の両ガイドラインの前後に、それぞれ白線自動検出帯、腹膜自動検出帯が設けられ、この幅の大きさは、例えば前後1〔mm〕等と設定するか、若しくはツールの中で自由に変更が可能な機能を設けておくと便利である。
次に、この検出帯のなかで最大輝度ポイントを自動検出させる。検出した両最大輝度ポイントは、奇麗に羅列して得られる場合(図6(c))ばかりではなく、エコーの画質が元々あまりクリアでないため、時々ピークのポイントが外される場合や、グラフが滑らかでない場合が有り得る。このような場合は不要なポイントを消したり、追加したりすることができる消しゴムやペンツールの機能を設けておくと便利である。また、グラフが滑らかでない場合は最小自乗法など統計的手法を使って回帰曲線で決めることも有効である。
図7は、抽出された白線と腹膜線のデータから、最小自乗回帰線(n次多項式回帰曲線)を求める方法を説明する説明図である。
図7で示すグラフでは、抽出された白線と腹膜線のデータから、白線から計算して得られた最小自乗回帰線:L1=Cn・Xn+Cn-1・Xn-1+・・・・C0と、腹膜線から計算して得られた最小自乗回帰線:L2=Cn・Xn+Cn-1・Xn-1+・・・・C0とが、それぞれ得られた場合を示している。従って、このL1とL2とから、最大内臓脂肪肥厚度PFTmax、平均内臓脂肪肥厚度PFTmeanを求めるのであり、ここが、本発明の特徴的な部分である。
図8は、メタボリックシンドロームの危険度を血管評価で表す説明図である。
日本ではメタボリックシンドロームは、先ず内臓脂肪が蓄積することから始まる内臓脂肪成因説が採られているため、本説明図の「土台」に内臓脂肪症候群を配置している(図8ではリンゴ型肥満の人体図で示している)。
危険度の基準は、推定CT法として内臓脂肪面積100〔cm2〕以上を内臓脂肪肥満とする。代謝異常の結果、最初に血管の内皮機能に影響がおよび血管の硬さでなく内皮から発生した一酸化窒素NOが血管平滑筋を膨らますので、この血管平滑筋を膨らます能力を前記「土台」の上に「積み上げ1」として配置している。ここで、%FMDの基準は、発表された論文などから3.5%以下を要注意群とする。さらに時間が経過すると早期動脈硬化の現象として血管の内膜中膜複合体肥厚現象が出現するので、この内膜中膜複合体肥厚度IMTを前記の「積み上げ1」の上に「積み上げ2」として配置している。ここで、その基準は、我が国の基準であるIMT=1.1mm以上を要注意とする。従ってリスクが高いのは、メタボリックシンドローム域に有り、かつ血管を膨らます能力がリスク域にあり、さらに血管の肥厚がリスク域にある状態の被験者であることになる。
このように本発明に係るメタボリックシンドローム血管評価システムは、非侵襲的手段であり被爆の心配がないエコー診断装置のみでメタボリックシンドロームの概念を解りやすく提示して診断することができるツールとして使用できる。
また、特にエコーを使うことで、実際の生体内を直接覗いて診断できるメリットを有するため、今後、メタボリックシンドロームの深刻さを啓蒙する役割を果たすと共に、その診断方法の普及に有効な手段を提供するものである。 図9は、本発明の実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムが総合的に判定するメタボリックシンドロームの危険度を判定するために表示される図を示す説明図である。 本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムの総合的な診断方法では、図1に示すとおり、LAN10を介して通信可能に接続された、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1と、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2と、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3と、総合診断・評価装置4(バーソナルコンピュータシステム)と、を具備しているが、総合診断・評価装置4では、腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1で計測されたPFTと、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2で計測されたIMTと、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3で計測されたFMDとを総合してメタボリックシンドロームの危険度を判定している。
図9に示すように、本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムの総合的な診断方法では、この危険度を判定するために、前述の各装置で計測された結果(危険度)の重なりを数値化し、代謝異常が存在しない場合を0、内臓脂肪をCT面積100〔cm2〕以上だけ持つ場合を1、内臓脂肪が基準を超え、かつ代謝異常をもう一つ持つ場合を2、さらに内臓脂肪が基準を超え、かつ2つの代謝異常を持つ場合を3、等と数値化して総合的な判断指数Met_Sを作成し、総合診断・評価装置4の表示装置(図示は省略)上に図示する。
さらに、内臓脂肪が蓄積する時期と血管内皮が機能を損なう時期、さらに血管の肥厚が始まる時期の時間的なタイムラグを考慮し独立変数として考慮すればそれぞれ前述の判断指数であるMet_Sの代わりに、内臓脂肪肥厚度PFT[mm],内皮機能評価%FMD[%],血管肥厚度IMT[mm]の説明変数で重回帰することでメタボリックシンドロームのリスクを表現できる。この場合、例えば、総合的な危険度を示す指標は、1つの重回帰式:a・IMT+b・(1/%FMD)+c・PFTのように示すことができる。このような重回帰式も図9で示す図に併記される。
なお、特に、リスクとの正の相関が持てるように加重操作すれば、%FMDは(1/%FMD)[1/%]と、逆数にした方が便利である。特に最近の論文[relationship of the metabolic syndrome to carotid ultrasound traits, Cardiovascular Ultrasound 2006,4:28,Rebecca L Pollex others]では、本システムの測定項目の一つでもあるIMTが、メタボリックシンドロームで代謝異常が3つ重なる時点からIMTの数値がP<0.0001と極めて有意な肥厚を蓄積して来ると検証されている。従って本システムは、これらの概念をさらに発展させたアイデアを含んでいると言える。
次に、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2および上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3の1構成例および測定方法について、順に説明する。
但し、頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置2の詳細については特許文献1に開示されており、以下で示すのはその1実施形態である。また、上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3の詳細については特許文献2に開示されており、以下で示すのはその1実施形態である。
図10は、本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置の一構成例を示す構成図である。
図10に示す本装置の小型リニア型超音波装置21は、パーソナルコンピュータ程度の大きさを有している。超音波プローブの周波数は高い程距離の分解能が増してくるが、あまり高過ぎると減衰が大きく深部にまで達することができない。そこで、頸動脈の位置を考慮して、この超音波装置21においては、7.5〔MHz〕〜10〔MHz〕のリニアプローブ22を使用している。また、距離分解能は、プローブ周波数波長の1/2が論理的限界値であるため、音速を1,500〔m/s〕とすれば、ほぼ0.1〔mm〕まで測定することができる。
また、この超音波装置21には、フォトアイソレータ23によりフォトアイソレーションされたデジタル出力ボード24が取り付けられる。このデジタル出力ボード24により、前記リニアプローブ22によりデジタルデータとして読み込む画像を、デジタルデータのまま出力することができる。更に、超音波装置21と後述するパーソナルコンピュータ25とがフォトアイソレーションされていることにより、医療用としての安全性が確保される。
パーソナルコンピュータ25は、Windows(Windowsは登録商標)2000等のOSにより動作する汎用のパーソナルコンピュータであり、画像処理を行うために十分なメモリが搭載されている。また、パーソナルコンピュータ25には、ハードディスク(図示は省略)が備えられており、このハードディスクには、IMT計測ソフトウエア、評価診断ソフトウエア、データベースソフトウェア、プリントアウトソフトウェアおよびデジタル画像取り込みソフトウエアが格納されており、また、パーソナルコンピュータ25には、これらのソフトウエアがインストゥールされている。
また、パーソナルコンピュータ25には、PCIバスが装備されており、このPCIバスには、デジタル入力ボード26が装着される。このデジタル入力ボード26は、接続ケーブル27およびフォトアイソレータ23を介して前記超音波装置21のデジタル出力ボード24と接続されており、デジタル出力ボード24から出力されるデータを入力する。このデータは、パーソナルコンピュータ25のメモリ部に格納される。なお、本装置においては、オプションとしてプリンター28をパーソナルコンピュータ25に接続するようにしても良い。このように構成すれば、測定結果をプリントアウトすることができる。
以下、本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置を用いた測定方法について説明する。
図11は、人体における一般的な動脈の構造を示す断面図である。
また、図12は、人体における動脈の様々な症例を示す断面図である。
人体の動脈は、図11に示すように、内部から内膜、中膜、外膜と3層に分かれており、病変により内膜または中膜の肥大が生じることが知られている。例えば、図12に示すように、動脈硬化症においては内膜が肥大し、高血圧症においては中膜が肥大する。従って、内膜または中膜の厚さを測定することにより、それぞれの症状を診断することができる。
この測定の対象には、頸動脈を用いる。皮膚下2〜3〔cm〕にある頸動脈は管径が5〔mm〕程あり、超音波画像が容易に捕らえやすい位置にあるためである。
図13は、人体における頸動脈の構造を示した説明図である。
図13に示すように、頸動脈は、元の総頸動脈が首の近くで内頸動脈と外頸動脈とに分かれる。IMTの計測に際しては、この内外頸動脈の分岐部から総頸動脈へ向かってプローブ22を押し当て、縦断的に測定を行う。
まず、プローブ22を用いて総頸動脈に超音波を発射すると、超音波は、組織の密度変化がある部位で反射されてくるため、内膜の部位、また外膜の部位でより強く反射される。
図14は、総頸動脈に超音波を発射して得られる超音波画像の一例を示す説明図であり、図14(a)は超音波画像の一例、図14(b)は超音波画像のイラストを、それぞれ示すものである。
図14(a)に示すように、超音波装置21のディスプレイ(表示装置)には、超音波画像で反射が強い部位は画面上では輝度が高く表される。従って、血管を横断する方向でこの輝度変化を測定すれば、内膜と中膜の厚さを測定することができる。
しかしながら、輝度変化を目視で測定し、この測定結果から内膜と中膜の厚さを0.1〔mm〕の精度で求めるのは極めて困難な作業である。特に、血管は直管形状ではなく、微妙に蛇行した形状を有しているため、血管の壁面に対して垂直な方向を目視によって見極めることは困難であり、精度の良い測定を行うことはできない。
そこで、本実施形態においては、超音波装置21によりデジタルデータとして読み取った画像データを、デジタルデータのままパーソナルコンピュータ25に取り込み、輝度値のピーク値を数値解析により求めて前記輝度変化の測定を行うようにした。更に、前記輝度変化の測定結果に基づき、血管の径方向における内膜と外膜の壁面位置を、血管の長手方向の複数位置で求め、血管の長手方向位置の関数として表される内膜と外膜の壁面位置の回帰曲線の接線を求めることにより、血管の壁面に対して垂直な方向にて精度良くIMTを測定し、最終的に、この測定結果から危険度が評価されて、IMTおよび前記危険度の評価が、LAN10を介して、総合診断・評価装置4に送出される。
図15は、本発明の実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3の構成を示す構成図である。
同図に示す本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置3は、上腕動脈を一定時間阻血させる阻血用カフ31と、上腕動脈を長軸側からリニアーエコープローブをBモードで安定して観測するための面ファスナバンド固定具で微調整可能に取り付けたエコープローブ32と、そのアタッチメント100と、エコー画像を心電位波Rでトリガーさせるために必要なECG電極33と、阻血時間と阻血圧をコントロールしアラームまたは表示器で各段階、即ち、後述するように、安静期、阻血期、充血反応過程の各期を被験者に知らせる自動阻血装置34とを、備える。
また、7.5〔MHz〕〜15〔MHz〕のBモードリニアプローブが使え、エコー画像をECG電極33で同期させることが出来る汎用エコー装置35と、保存した上腕動脈長軸静止画像から血管拡張による血管径を自動的に算出するコンピュータ装置36とを、備えて構成される。
画像のコンピュータ装置36への取り込みは、LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して行う。このLANは、LAN10(図2)であっても良いし、LAN10とは異なる物であっても良い。また、画像のコンピュータ装置36への取り込みは、MOやPCカード等のメディアを介して行うことも可能である。
被験者12は、左手上腕部に阻血用カフ31とエコープローブ32とを備えたアタッチメント100を取り付けて、ECG電極33を胸部に接触固定して測定を行う。
本実施形態では、自動阻血装置34が阻血用カフ31の締め付け圧力を自動制御するとともに、被測定者にエコープローブ32の操作時期をチャイムやアラームや音声または光の点滅によって知らせる。具体的には、阻血用カフ31の圧力を変化させた時点からタイマーが起動して一定時間経過後チャイム等を一定時間鳴らし続ける。被験者12は、チャイムが鳴り始めた時点から自分自身で前記エコープローブ32を操作して血管画像を撮る。チャイムが鳴り続けている期間に画像を撮れれば測定成功であり、この期間内に撮れなければ測定は最初からやり直す。血管画像を撮る際には、汎用エコー装置35の表示画面を見ながらエコープローブ32を操作する。汎用エコー装置35で取得した画像生データもしくは一次加工データは、LANケーブル経由でコンピュータ装置36に転送され、コンピュータ装置36において2次加工、解析および記憶・蓄積等を行う。この解析では、保存した上腕動脈長軸静止画像から血管拡張によるFMDが自動的に算出され、危険度が評価されて、FMDおよび前記危険度の評価が、LAN10を介して、総合診断・評価装置4に送出される。
本発明の実施の形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムで行われる各検査手段を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムの全体構成を示す構成図である。 本発明の実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置1の一使用例を示す説明図である。 被験者の横断像と縦断像(エコー画像)の腹直筋、肝臓、白線、腹膜線、内臓脂肪の位置関係を示す説明図である。 被験者の腹部の縦断像を示す説明図である。 被験者の縦断像から白線と腹膜線のデータを抽出する方法を示し、図6(a)は被験者の縦断像、図6(b)は被験者の縦断像から抽出された白線と腹膜線のデータ、図6(c)は被験者の縦断像における輝度−エコー深度特性を説明するグラフを、それぞれ示している。 腹膜前内臓脂肪肥厚度検出装置により抽出された白線と腹膜線のデータから、最小自乗回帰線(n次多項式回帰曲線)を求める方法を説明する説明図である。 メタボリックシンドロームの危険度を血管評価で表す説明図である。 本発明の実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムが総合的に判定するメタボリックシンドロームの危険度を判定するために表示される図を示す説明図である。 本実施形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置の一構成例を示す構成図である。 人体における一般的な動脈の構造を示す半断面図である。 人体における動脈の様々な症例を示す断面図である。 人体における頸動脈の構造を示した説明図である。 超音波プローブから総頸動脈に超音波を発射して得られる超音波画像の一例を示す説明図であり、このうち、図5(a)は超音波画像の一例、図5(b)は超音波画像のイラストを、それぞれ示すものである。 本発明の実施の形態に係るメタボリックシンドローム血管評価システムにおける上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 腹膜前内蔵脂肪肥厚度(PFT)検査装置
2 頸動脈血管肥厚度(IMT)検査装置
3 上腕動脈血管内皮拡張度(FMD)検査装置
4 総合診断・評価装置
10 LAN
11 リニアプローブ
12 被験者
13 縦断像
14 横断像
21 超音波装置
22 リニアプローブ
23 フォトアイソレータ
24 デジタル出力ボード
25 パーソナルコンピュータ
26 デジタル入力ボード
27 接続ケーブル
28 プリンター
31 阻血用カフ
32 エコープローブ
33 ECG電極
34 自動阻血装置
35 汎用エコー装置
36 コンピュータ装置
100 アタッチメント

Claims (8)

  1. 超音波を使用するプローブを被験者の被験部に当て前記被験部の画像を採取して診断する超音波診断手段と、前記超音波診断手段によって採取された画像データおよび診断結果を、デジタルまたはアナログの映像信号若しくは赤外線を含む光信号によってパーソナルコンピュータに伝送する手段と、前記パーソナルコンピュータにおいてメタボリックシンドロームの危険度を総合的に判定する総合診断・評価手段と、
    を備え
    前記超音波診断手段として、頸動脈にプローブを当て頸動脈の血管肥厚度を測定する頸動脈血管肥厚度検査手段と、上腕動脈にプローブを当て血流依存性血管拡張反応を測定する上腕動脈血管内皮検査手段と、プローブを腹部上部に当て腹膜前内臓脂肪の肥厚度を測定する腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段と、を備えたことを特徴とするメタボリックシンドローム血管評価システム。
  2. 前記腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段は、腹部上部にプローブを縦断的あるいは横断的に当てた時の腹膜前内臓脂肪厚像を採取して前記パソコンに送出し、さらに前記総合診断・評価手段は、前記パソコン内に送出された前記腹膜前内臓脂肪厚像から腹直筋が交差するラインである白線の輝度ラインと肝臓の上部に位置する腹膜輝度ラインとを検出するライン検出手段を備えたことを特徴とする請求項記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  3. 前記ライン検出手段は、テンプレート上でプローブと皮膚接触面とを一致させて切り出された画像内で上部の輝度が幾分高くなる白線ガイドラインに沿ったマウス移動および白線ガイドラインの下に表示される腹膜線の腹膜ガイドラインとに沿ったマウス移動によって抽出される白線と腹膜線とから、予め手入力された検出帯ガイドラインで囲われた範囲内で、前記白線の最大輝度ポイントと前記腹膜線の最大輝度ポイントとを摘出することにより、前記白線の輝度ラインと前記腹膜輝度ラインとを決定する最大輝度検出手段を備えたことを特徴とする請求項記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  4. 前記腹膜前内臓脂肪肥厚度(PFT)検査手段では、前記検出された白線の最大輝度ポイントと腹膜線の最大輝度ポイントとを、共にペンまたは消しゴムを範疇に含むツールによって修正可能であり、さらに前記修正後の前記白線の最大輝度ポイントと前記腹膜線の最大輝度ポイントとを対象にして、最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を求めることを特徴する請求項記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  5. 前記ライン検出手段は、決定した白線最大輝度ポイント、腹膜最大輝度ポイントを対象に最小自乗法による白線輝度回帰曲線および腹膜回帰曲線を引く手段を備えると共に、前記2つの回帰曲線からその間の距離を最大肥厚距離および平均肥厚距離を求めて、それぞれ最大内臓脂肪厚、平均内臓脂肪厚として算出する手段を備えたことを特徴とする請求項または請求項記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  6. 前記総合診断・評価手段は、前記最大内臓脂肪厚および平均内臓脂肪厚と、我が国の内臓脂肪の標準である臍部輪切りCTから内臓脂肪面積を算出する、いわゆるCT法との相関についての知見とに基づいて内臓脂肪面積を評価することを特徴とする請求項記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  7. 前記頸動脈血管肥厚度測定手段として、超音波により撮影した画像のデータをデジタルデータとして出力する超音波装置と、
    前記超音波装置のデジタル出力を光結合により伝送するデータ伝送装置と、
    前記データ伝送装置により伝送された血管の画像データに基づいて、血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置であって、前記デジタルの画像データの輝度値の移動平均値に基づいて基準位置を算出し、基準位置から血管の管壁部方向に向かって所定のピクセル範囲内における輝度値の極大値および極小値に基づいて血管の内膜中膜複合厚を算出するデータ解析装置と、
    を備えた血管膜厚測定装置を使用し、
    前記上腕動脈血管内皮検査手段として、
    エコーを用いて動脈の血管径を測定する血管径測定システムであって、
    動脈を一定時間阻血させる阻血用カフと、
    皮膚表面から超音波を発して反射してくる信号を検出して血管エコー画像を得るエコープローブと、
    前記エコープローブを腕部に接触した状態で微調整可能に固定する着脱式固定バンドと、
    胸部に接触させて前記血管エコー画像を心電位波RでトリガーさせるためのECG電極と、
    阻血時間と阻血圧をコントロールし、安静期、阻血期、充血反応過程の各期であることを表示またはアラーム音で被験者に知らせる自動阻血装置と、
    前記エコープローブによるエコー画像を前記ECG電極で同期して撮影し静止画像を得る汎用エコー装置と、
    保存した前記静止画像から血管拡張による血管径を演算して求めるコンピュータ装置と、
    を具備した血管径測定システムを使用することを特徴とする請求項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
  8. 前記総合診断・評価手段は、前記頸動脈血管肥厚度検査手段による測定結果の頸動脈の血管肥厚度が示す危険度の評価と、前記上腕動脈血管内皮検査手段による測定結果の血管拡張度%FMDの逆数である1/%FMDが示す危険度の評価と、前記腹膜前内臓脂肪肥厚度検査手段による測定結果の腹膜前内臓脂肪肥厚度が示す危険度の評価との積み重なり状態を数値で表すと共に、前記超音波診断手段に属する前記各手段の測定結果を重回帰して得られる数値の大きさに基づいて、前記被験者の総合的なメタボリックシンドローム危険度を評価し、ランク付けすることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のメタボリックシンドローム血管評価システム。
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