JP5004112B1 - 高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する方法および装置 - Google Patents

高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定できる方法および装置を提供する。
【解決手段】ガスクロマトグラフを用いて高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する装置において、高圧状態の水溶液試料を導入する工程と、該水溶液試料に溶解している気体と水とを加熱気化する工程と、カラムを用いて該気体と該水とを分離する工程と、該分離された該気体および該水を検出する工程と、該検出工程により出力されたガスクロマトグラムに基づき該水に対する該気体の溶解度を算出する工程とを含むことを特徴とする、高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する方法および装置に関する。
地球温暖化対策として帯水層や枯渇油ガス田などへの炭酸ガスの地中貯蔵(CCS=Carbon dioxide Capture and Storage)が有力な対策とされている。ノルウエーまたはオーストラリアでは帯水層への圧入が実施・計画されている。また、アルジェリアでは枯渇ガス田への圧入プロジェクトが動いている。日本でも海底下の帯水層への貯蔵実証試験を行う見通しである。
CCSにおいて、地盤からの炭酸ガスの漏えいの有無や周囲の海水中の炭酸ガス濃度変化を観察することは重要な課題となっている。帯水層への炭酸ガスの圧入圧力はおおよそ70atmから300atmの範囲内であるが、このような高圧条件下における地層内での炭酸ガスの水に対する溶解の動向を監視する必要がある。
天然ガスを帯水層に圧入貯蔵する場合には、天然ガス主成分であるメタンの地層水での溶解挙動の解明も重要な課題である。
石油開発業界では、高圧条件下の油層流体試料の採取手段として油層流体採取器が用いられている。例えば、Schlumberger社製の採取器は、油井内底部に吊り下げられ、高圧の地層圧力条件を保持したまま油層流体を地上で回収できる構造を有する(例えば、非特許文献1)。
このような油層流体採取器で採取された高圧の油層流体試料における溶解ガス量の分析では、抽出法(フラッシュ法)、つまり、試料の一定量を大気圧下に放出してガスと液体に分離し、ガスと液体と該液体に溶解したガスの量をそれぞれ計量したうえで、高圧の液体にもともと溶解していたガスの量を求めることで、ガスの溶解度を求める方法が用いられている。
炭酸泉は優れた保温作用があることから、古くから温泉を利用する浴場等で用いられている。また、炭酸泉を人工的に得るために、炭酸塩と酸とを反応させる化学的方法やボイラーの燃焼ガスを利用する方法、絞りを有する配管中に炭酸ガスを直接吹き込む装置等がある。最近では、膜を用いて炭酸泉を製造する方法が多く提案されている。なかでも、非多孔質の中空糸膜を用いた方法が炭酸ガスの溶解効率が最も良好である。
このような炭酸泉中の炭酸ガスの測定法としても抽出法の適用が知られている(例えば、特許文献1)。
地下の岩盤中や土中に空間を設け、その空間内において工事その他の作業を行う場合においては、空間内を満たす各気体の濃度を予め知る必要がある。例えば、メタンおよびエタン等の可燃性気体については爆発の危険を予測するために、また酸素については作業者の酸欠を防止するために必要である。
このような場合に、該空間内を満たす各気体の濃度を予め知るための一方法として、調査孔を設けてガス検知器のプローブをその内部に挿入し、各気体の濃度を直接測定するという手段がある。しかしながら、該空間の位置が地下水位より下方である場合には地下水が存在することとなり、この手段をそのまま用いることはできない。このような場合における気体濃度の測定法としても抽出法の適用が知られている(例えば、特許文献2)。
抽出法では、高圧状態のガス溶解水溶液試料を真空膨張容器に移す方法が知られている。これは、内容積が既知の真空膨張容器を一定温度条件下とし、該容器内に試料を導入した後、圧力、温度および試料の質量から、分離したガスと水の量をそれぞれを求め、ついで該水中に溶解したガス量を求め、水量に対するガス量(合計量)の比率を算出することで溶解度を求めるものである。なお、例えば、炭酸ガス等の場合には、ガスが水中でイオンの形となって存在しているため、水中に溶解したガス量はヘンリー則に基づいて求める。この場合、放出したガス中の飽和水蒸気量の補正が必要である。
図1は、抽出法の概念を説明したものである。炭酸ガス溶解水が充填された高圧試料容器101には調整バルブ102が接続されている。高圧試料容器101内の試料圧力を維持し、かつ、圧力・温度指示計106により圧力および温度を制御しながら、高圧試料容器101内の試料の一部を、ピストン105を用いて調整バルブ102を経由して水溶液試料容器104の中に流し込む。水溶液試料容器104は大気圧下にあるので、高圧状態で溶解していた炭酸ガスが水から分離してガス試料容器103に移動する。
次に、ガス試料容器103内の圧力と温度から炭酸ガス量(Vg1)と水蒸気量(WW1)を求める。一方、水溶液試料容器104内の水溶液試料にも溶解炭酸ガス(Vg2)がイオンとして溶けているので水溶液試料質量測定として水の量(WW2)を求め、水溶液試料中の溶解炭酸ガス量(Vg2)は容器内圧力と温度からヘンリー則を用いて算出する。これらの測定結果(Vg1、Vg2、WW1、WW2)から炭酸ガス溶解度[(Vg1+Vg2)/(WW1+WW2)]を求める。
高圧状態の水溶液に溶解した炭酸ガスやメタン等のガスの溶解度測定には、従来から抽出法が用いられているが、抽出法の問題点は非常に手間がかかることである。すなわち、特許文献1、および非特許文献2に記載されているように、抽出法は検出に人手を介する手順が多く、複雑であり、試料採取現場での実施には困難を伴う。また、特許文献2に記載されるように、検出に必要とされる試料の量が多いので試料採取には困難を伴う。
ガスクロマトグラフを用いて水に溶解するガス(例えば、炭酸ガス、メタンおよび水素等)の濃度を分析する方法も知られている(例えば、特許文献3)。特許文献3に記載の方法は、水溶液試料からガス成分を気液分離管で分離したのち、ガスクロマトグラフでこのガス成分の量のみを測定するものである。
ここで、特許文献3に記載の方法は、濃度を測定する上で必要となる水分の量については、予め所定量を設定することとなっており、ガスクロマトグラフで測定しているわけではない。また、ガスが溶解した水溶液試料としては、あくまでも常圧状態のものを対象としており、高圧状態のものを前提としていない。このため、高圧状態におけるガスの溶解度を求めることができないばかりか、常圧状態と高圧状態とでは同じ体積当たりの水の量が変化するため、そもそも水の量を正確に定量できているとはいえない。
特開2003−329663号公報 特開平7−209280号公報 特開2008−175601号公報
林 嘉久他、石油技術協会誌、Vol.74,No.3,2009年 染谷 聡他、日本機械学会、71巻、704号、2005年
高圧状態の水溶液に溶解している気体(例えば、炭酸ガス、メタン、窒素または酸素等)の溶解度を、ガスクロマトグラフを用いて同時かつ直接的に検出した事例は知られていない。
したがって、本発明は、高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を、現場で簡便にかつ迅速に測定できる方法および装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の従来の抽出法の問題を生じない新たな溶解度の測定方法について鋭意研究を重ねた結果、以下の構成を採用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ガスクロマトグラフを用いて高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する装置において、
高圧状態の水溶液を導入する工程と、
該水溶液に溶解している気体と水とを加熱気化する工程と、
カラムを用いて該気体と該水とを分離する工程と、
該分離された該気体および該水の量を検出する工程と、
該検出工程により出力されたガスクロマトグラムに基づき該水に対する該気体の溶解度を算出する工程と
を含むことを特徴とする、高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する方法。
2.前記溶解度を算出する工程において、前記ガスクロマトグラフを用いて予め作成した前記気体の検量線および前記水の検量線により算出することを特徴とする前項1に記載の方法。
3.前記気体の検量線は気体量対該気体のピーク面積のグラフであり、前記水の検量線は水量対該水のピーク面積のグラフであることを特徴とする前項1または2に記載の方法。
4.高圧状態の水溶液を導入する導入部と、前記水溶液に溶解している気体と水とを加熱気化する加熱部と、該加熱気化された該気体と水とを分離する分離部と、該分離された該気体および該水の量を検出する検出部からなるガスクロマトグラフと、データ処理部とからなる装置において、該データ処理部が、該検出部により出力されたガスクロマトグラムに基づいて該水に対する該気体の溶解度を、予め作成しておいた気体の検量線および水の検量線により算出することを特徴とする高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する装置。
5.前記導入部にキャリアガスを供給する第1キャリアガス供給部と、前記加熱部にキャリアガスを供給する第2キャリアガス供給部を備えるとともに、該導入部と第1キャリアガス供給部との間および該加熱部と第2キャリアガス供給部との間に、該キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段を設けたことを特徴とする前項4に記載の高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を測定する装置。
本発明によれば、高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を、現場で簡便にかつ迅速に測定できる方法および該方法に用いられるガスクロマトグラフを用いた装置を提供することができる。
具体的には、本発明の方法は、ガスクロマトグラフを用いることにより、高圧状態の水溶液に溶解している気体と水(水蒸気)の量を同時かつ直接的に検出することができる。
また、本発明に使用する水溶液の量は0.1〜10μlとすることができ、これは抽出法で必要な量の約1/3000に相当し極めて微量である。したがって水溶液は、高圧状態を維持したまま、容易にガスクロマトグラフに導入することができる。
さらに、ガスクロマトグラフを用いて予め作成した検量線により気体の溶解度を算出する本発明の方法の好適な形態によれば、高圧状態の水溶液をガスクロマトグラフに導入するだけで、水溶液に溶解している気体の溶解度を容易に測定することができる。
したがって、本発明の方法によれば、従来から用いられた抽出法のような測定手順の複雑さおよび煩雑さを解消でき、高圧状態の水溶液に溶解している気体の溶解度を、現場で簡便にかつ迅速に測定することができる。
また、本発明の装置は、特に、高圧サンプリングバルブと第1キャリアガス供給部との間および加熱気化器と第2キャリアガス供給部との間に、キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段を設けているので、前記気体と水の混合流体の拡散を防止でき、分析精度を向上させることができる。
抽出法の概念を説明するための図である。 本発明の方法に用いられる装置の一例の説明図である。 本発明の方法に用いられる装置の一例の説明図である。 高圧状態を維持した水溶液試料をガスクロマトグラフに導入する方法を説明するための図である。 輸送用試料容器内の水溶液試料を耐圧シリンジポンプに移し替える方法の概略を説明するための図である。 現場で採取された圧力流体試料採取器等内の高圧状態の水溶液試料を輸送用試料容器に移し替える方法の概略を説明するための図である。 炭酸ガス等が溶解した高圧状態の水溶液試料が流動している工場内パイプライン内の水溶液試料採取の例を説明するための図である。 炭酸ガス等が溶解した高圧状態の水溶液試料が流動している工場内パイプライン内の水溶液試料採取の例を説明するための図である。 (a)、(b)は気化器の温度がそれぞれ105℃と130℃における水のガスクロマトグラム(ピーク)形状を示す図である。 キャリアガス流量と水の理論段数との関係を示す図である。 メインカラム温度と水の理論段数との関係、および、メインカラム温度と水のピーク高さ/ピーク幅との関係を示す図である。 プレカラム温度と水のピーク高さ/ピーク幅との関係を示す図である。 表1に示す分析条件で作成した炭酸ガス溶解水溶液試料のクロマトグラムである。 (a)、(b)は、逆止弁設置前後のガスクロマトグラムの比較図である。 (a)〜(c)は、炭酸ガス、メタンおよび水の検量線をそれぞれ示すグラフである。 実施例3において炭酸ガス溶解水溶液試料の温度および圧力を種々変更した場合の炭酸ガス溶解度測定結果を示すグラフである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図2は、本発明の方法に用いられる装置の一例の説明図である。装置はガスクロマトグラフとデータ処理部12からなる。ガスクロマトグラフは、高圧状態の水溶液試料16を導入(サンプリング)する高圧サンプリングバルブ1と、水溶液試料16に溶解している気体(以下、「溶解ガス」ともいう。)と水とを加熱気化する加熱気化器3と、加熱気化された気体と水とを分離するプレカラム4およびメインカラム9と、分離された気体および水を検出する検出器10,11からなる。データ処理部12は、ガスクロマトグラフから出力されたデータを処理する。
高圧サンプリングバルブ1と加熱気化器3との間は、試料注入チューブ2により連結され、該チューブを経て水溶液試料16が加熱気化器3に送り込まれる。高圧サンプリングバルブ1、加熱気化器3およびプレカラム4は、温度調整器13により温度が制御されている。高圧サンプリングバルブ1には、第1キャリアガス供給部52からキャリアガスが、また加熱気化器3には、第2キャリアガス供給部54からキャリアガスがキャリアガス圧力流量調整器6を経てそれぞれ供給される。
また、本発明のガスクロマトグラフは、以下の構成を有することが好ましい。すなわち、図3に示すように、高圧サンプリングバルブ1と第1キャリアガス供給部52との間および加熱気化器3と第2キャリアガス供給部54との間に、キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段としての逆止弁7が設けられていることが好ましい。なお、逆止弁7は、キャリアガスの逆流を防止することができれば特に制限されず、公知の弁の中から適宜選択可能である。
図3に示すように、高圧サンプリングバルブ1は、ボディ14とロータ15から構成され、ロータ15の内壁に3つのスロットVp,Vs,Vgを有する。以下の説明では、スロットVsに目的に応じた接続口が接続された形態を例示するものである。
図4Aに示すように、高圧状態を維持した水溶液試料16は、耐圧性のシリンジポンプ19のシリンダー17に収容され、ピストン18の作動と調整バルブ20の操作により、スロットVsに接続された接続口aを経て高圧サンプリングバルブ1に導入される。また、スロットVsに接続された接続口bは、調整バルブ20に接続される。
ロータ15を反時計回りに回転させることにより、水溶液試料16が第1キャリアガス供給部52から供給される第1キャリアガスに案内され、試料注入チューブ2を経て加熱気化器3に到達する。なお、高圧サンプリングバルブ1は公知のものを使用することができ、例えば、高圧サンプリングバルブ内容積1μlのバルコ社製CI4Wが挙げられる。
ここで、例えば、100atmの高圧状態を維持した水溶液試料16を高圧サンプリングバルブ1に導入し、その状態で、例えば、3atmのキャリアガスを供給した場合、水溶液試料16はキャリアガス側に移動して膨張し、キャリアガスの逆流および乱流が生じてしまう。この現象は、分析精度の悪化をもたらす。
そこで本発明の上記形態では、高圧サンプリングバルブ1と第1キャリアガス供給部52との間に、キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段としての逆止弁7を設けているので、上記逆流および乱流が抑制され、分析精度の悪化が防止される。
加熱気化器3は、試料注入チューブ2がその内部に挿入された形状を有し、高圧サンプリングバルブ1から到達した水溶液試料16を急速に加熱するヒータが設置されている。加熱気化器3は公知であり、例えば、ジーエルサイエンス社から入手できる。
加熱気化器内に挿入されている試料注入チューブの先端部には石英綿(または同等の繊維物で良い)が詰めてあり、注入された水溶液試料に食塩等の無機塩が含有した場合に当石英綿の表面に沈澱付着させることができる。ガスクロマトグラムではこのような石英綿を試料注入気化部分の先端に詰めるのは一般的である。
ここで、例えば、加熱気化器3の温度を130℃程度に設定した場合、水の過熱により生じた水蒸気および水溶液試料16に溶解していた気体が急激に膨張し、キャリアガスの逆流および乱流が生じてしまう。この現象は、分析精度の悪化をもたらす。
本発明のガスクロマトグラフでは、加熱気化器3と第2キャリアガス供給部54との間に、キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段としての逆止弁7を設けているので、キャリアガスの逆流および乱流が抑制され、分析精度の悪化を防止することができる。
プレカラム4およびメインカラム9は、水溶液試料16に含まれる被検出成分に応じて、公知のものから適宜選択することができる。例えば、被検出成分が炭酸ガス、メタンまたは水である場合、プレカラム4としては、例えば、充填剤として市販のPorapak N(80−100mesh)を備えた内径2.9mm、長さ20cmのサイズのプレカラムが挙げられる。また、メインカラム9としては、例えば、充填剤として市販のPorapak N(80−100mesh)を備えた内径2.9mm、長さ200cmのサイズのメインカラムが挙げられる。
メインカラム9の下流には、2台の検出器10,11が接続されている。炭酸ガス、メタンまたは水の検出に用いる検出器10としては、例えば、熱伝導度検出器(TCD)が挙げられる。メタン、エタンまたはプロパン等の炭化水素ガスの含有量が微量な場合の検出には検出器11としては、例えば、水素炎イオン検出器(FID)が挙げられる。データ処理部12としては、例えば、システム・インスツルメント社製データステーションが挙げられる。
次に本発明の方法について説明する。本発明では、まず、高圧状態の水溶液試料16を、好適には上記のようなガスクロマトグラフに導入する。本発明でいう高圧状態の水溶液試料16とは、例えば、4atm〜300atmの圧力を有する水溶液を意味する。
また、本発明の方法に適用可能な水溶液試料16としては、例えば、上記のような各地の帯水層等が挙げられ、本発明の方法では、そこに溶解した気体、例えば、炭酸ガスおよびメタン等を分離、定量することができる。
高圧状態の水溶液試料16は、上記のような高圧サンプリングバルブ1を利用することにより、ガスクロマトグラフに導入することができる。水溶液の導入量は、例えば、1μlである。
続いて、水溶液試料16は加熱気化器3によって加熱気化され、溶解ガスと水蒸気とが混合流体となって生じる。このとき、溶解ガスおよび水の過熱により生じた水蒸気が急激に膨張するが、上述のように加熱気化器3と第2キャリアガス供給部54との間に設けられた逆止弁7により、キャリアガスの逆流および乱流を抑制し、分析精度の悪化を防止することができる。加熱気化器3の温度は、水溶液試料16に含まれる被検出成分に応じて適宜決定すればよいが、例えば、100〜150℃が好ましいがそれ以上であっても問題ない。
次に、前記溶解ガスと水蒸気は、プレカラム4およびメインカラム9により分離される。プレカラム4およびメインカラム9のサイズおよび充填剤の種類は、上記で例示したもの以外であってもよく、水溶液試料16に含まれる被検出成分に応じて適宜決定すればよい。
続いて、プレカラム4およびメインカラム9によって分離された前記溶解ガスおよび水は、各種検出器10,11により成分毎に検出される。検出値は、該成分の濃度または質量変化を保持時間と電圧値(または電流値等)の関係で現され、この関係はガスクロマトグラムと呼ばれるものである。
次に、前記検出工程により出力されたガスクロマトグラムに基づき前記水に対する前記溶解ガスの溶解度を算出する。溶解ガスの溶解度は、溶解ガスと同じ成分で高純度のガス(以下、「標準ガス」という。)および水(純水を含む。)を準備し、予めこれらの検量線を別に作成しておくことにより算出することができる。この検量線は後述する方法により作成することが好ましい。
本発明の方法によれば、一般的に3回の繰り返し測定により分析結果の誤差は軽減される。また、一回の測定は通常20分以内に完了することが好ましい。
標準ガスおよび水の検量線により、標準ガスの溶解度を算出する工程の具体例としては、例えば、以下の1〜3に示す手順による方法が挙げられる。
1.標準ガスの検量線の作成
(1)高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)を設定する。
(2)標準ガスを充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aに示すように高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続する。
(3)シリンジポンプ19のピストン18と調整バルブ20を操作して圧力を一定に保って標準ガスを高圧サンプリングバルブ1に導入する。
(4)高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c,dに回転移動すると同時にスロットVs内の試料をキャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入する。
(5)検出器10または11により標準ガスピークを検出し、データ処理部12によりクロマトグラム上の標準ガスピーク面積を得る。
(6)標準ガス試料圧力を増加していき、(1)〜(5)の操作を繰り返して標準ガス量と標準ガスピーク面積との関係を求める。なお、検量線作成中、温度(Ti)は一定に保つ。
(7)標準ガス試料圧力(Pi)における標準ガス試料のサンプリング量を、次に示す実在気体の状態式(Eq−2)から算出する。
Vgi=Vs(Pi/Zi)(To/Ti) (Eq−2)
Vgi:圧力(Pi)、温度(Ti)の標準ガス試料を温度0℃(To)、圧力1atmに換算した体積
Vs:温度Tiにおけるサンプリングバルブ内容積
Zi:Pi、Ti条件下における標準ガスの圧縮係数
(8)横軸を標準ガスピーク面積、縦軸を標準ガス量(Vgi/Vs)として、標準ガスの検量線を作成する。
2.水の検量線を作成する。
(1)ガスクロマトグラフおよび分析条件を標準ガスの検量線作成時と同様に設定する。高圧サンプリングバルブ1の温度を、標準ガスの検量線の作成時点における高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)と同じ温度に設定する。
(2)水(例えば、脱気した純水)を充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aに示すように高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続する。
(3)シリンジポンプ19のピストン18と調整バルブ20を操作して圧力を一定に保って水を高圧サンプリングバルブ1に導入する。
(4)高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c,dに回転移動すると同時にスロットVs内の試料をキャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入する。
(5)検出器10により水ピークを検出し、データ処理部12によりクロマトグラム上の水ピーク面積を得る。
(6)試料圧力を増加していき、(1)〜(5)の操作を繰り返して水試料の質量と水ピーク面積との関係を求める。なお、検量線作成中、高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)は一定に保つ。
(7)圧力(Pi)における水試料の質量を次式(Eq−1)から算出する。
Wwi=Vs[1+Co(Pi−Po)]ρi (Eq−1)
Wwi:圧力(Pi)温度(Ti)の水試料質量
Vs:温度Tiにおけるサンプリングバルブ内容積
Co:温度Ti、圧力Piにおける水の圧縮率
Po:大気圧
ρi:温度Tiにおける水の密度
(8)横軸を水ピーク面積、縦軸を水量(Wwi/Vs)として、水の検量線を作成する。
3.溶解ガスの溶解度測定方法
(1)ガスクロマトグラフおよび分析条件を溶解ガスの検量線作成時と同様に設定する。なお、高圧サンプリングバルブ1の温度は、測定試料である水溶液試料16の温度とすることが好ましい。
(2)水溶液試料16を充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aに示すように高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続する。
(3)シリンジポンプ19のピストン18の作動と調整バルブ20を操作して水溶液試料16の圧力より5〜10atm程度高い圧力を保って水溶液試料16を高圧サンプリングバルブ1に導入する。測定中、シリンジポンプ19のシリンダー17の圧力が水溶液試料16の圧力以下となると溶解ガスの遊離が生じる。この溶解ガスの遊離を防ぐため、水溶液試料16の圧力より5〜10atm程度高い圧力を保つ。
(4)高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c、dに回転移動すると同時にスロットVs内の水溶液試料16をキャリアガスとともに試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入する。
(5)加熱気化器3で気化し水溶液試料16は、プレカラム4、メインカラム9内を流動して溶解ガスと水とに分離して、検出器10または11で検出後、データ処理部12によりクロマトグラム上の溶解ガスピーク面積(Ag)および水ピーク面積(Aw)を得る。
(6)上記1で作成した標準ガスの検量線を用いて、溶解ガスピーク面積(Ag)に対する溶解ガス量(Vgi/Vs)を求める。
(7)上記2で作成した標準水の検量線を用いて、水ピーク面積(Aw)に対する水量(Wwi/Vs)を求める。
(8)溶解ガスの溶解度算出式(Eq−3)を用いて溶解ガス溶解度を算出する。
溶解ガス溶解度(cc/g)=(Vgi/Vs)/(Wwi/Vs) (Eq−3)
前記具体例においては、溶解度算出式(Eq−3)から得られた溶解ガスの溶解度は、水の質量(g)に対する溶解ガス量(cc,0℃,1atm)で表されているが、例えば、水の質量(kg)に対する溶解ガス量(g)または水のモル数に対する溶解ガスのモル数等で表すように検量線を作成し、溶解ガス溶解度を求めてもよい。
地層内の水溶液試料の採取方法について次に説明する。
CCSまた天然ガスの帯水層圧入貯蔵において、地層内での炭酸ガスなど圧入ガスの水に対する溶解の動向または漏洩の有無の監視および圧入ガス濃度変化を観察するための観測井を設けて地層内の水溶液試料を採取する。
観測井から採取された水溶液試料の圧力は、採取深度の位置(以下、「原位置」という。)における圧力状態を維持することが好ましい。帯水層など地層内の試料採取の場合、原位置での圧力(以下、「原位置圧力」という。)はおおよそ70atm〜300atm、温度は40℃〜100℃の範囲内であるが、地上で回収される過程において温度が低下してしまう。この温度低下によって試料採取器内の水溶液試料の体積が収縮し、圧力も低下してしまう。この結果、溶解ガスの遊離が生じると、当該水溶液試料の原位置での溶解度を測定できなくなる可能性が高い。
このため、採取した高圧状態の水溶液試料は、原位置での圧力状態を維持する方策を講じた採取装置で採取することが好ましい。この様な条件下で試料採取する装置としては、例えば、Schlumberger社製の圧力流体試料採取器が挙げられる(例えば、林 嘉久他、石油技術協会誌、Vol.74,No.3,2009)。
現場で採取された圧力流体試料採取器等内の高圧状態の水溶液試料は、輸送用試料容器に移し替えられる。図5に移し替えの概略を示す。
圧力流体試料採取器204内の水溶液試料の圧力は、ピストン203下部の圧縮空気室202内の圧縮空気により、原位置圧力よりも20atmから50atm程度高く保たれてようになっている。
輸送用試料容器209は、試料室210とピストン211下部の圧縮空気室212から構成されており、圧縮空気により水溶液試料の圧力を保持できる機構を持っている。圧縮空気室212内の圧縮空気は、圧力流体試料採取器204内の試料圧力と同程度に充填されており、ピストン211は輸送用試料容器209の最上部に位置する。
圧力流体試料採取器204下部のバルブに高圧水ポンプ200を接続する。
圧力流体試料採取器204と輸送用試料容器209をチューブ207で接続する。試料中の浮遊物や油分などの除去の目的にチューブ207の中間には、高圧のラインフイルター206を取り付ける。フイルターのサイズは、例えば、0.4μmのメンブレンフイルターなどが好ましい。
高圧水ポンプ200を作動させて圧縮空気室202に加圧水を送り込み、圧力流体試料採取器204上部のバルブを調整してチューブ207内に試料室205内の水溶液試料を満たし、バルブ208を調整して水溶液試料を少量ずつ排出して圧力試料採取器内の水溶液試料を確認する。この操作の間、圧力計201および高圧水ポンプ200を操作して圧力試料採取器204内の水溶液試料および系内の圧力を維持する。
次に、輸送用試料容器209の上部のバルブ214を開け、下部バルブ213を操作して圧縮空気室212内の圧縮空気を排出させて圧力流体試料採取器204の試料室205内の水溶液試料を輸送用試料容器209の試料室210に移動させる。この間、圧力計201を監視しながら高圧水ポンプ200と下部バルブ213の操作で水溶液試料の圧力を維持する。
試料室210への水溶液試料の移動量は、内容積の7割程度で圧縮空気室212の占める体積は3割程度とすることが好ましい。水溶液試料の移動量は高圧水ポンプ200の作動量から決められる。圧縮空気室212内の圧縮空気の圧力は、少なくとも圧力流体試料採取器204内の圧力以上に設定することが、安全性の観点から好ましい。
工場内パイプラインからのガス溶解度検査のための水溶液試料の採取方法について次に説明する。
炭酸ガス等が溶解した高圧状態の水溶液試料が流動している工場内パイプライン内の水溶液試料採取の例を図6Aおよび図6Bに示す。
図6Aのように、パイプライン220の試料採取取り出し口に耐圧チューブ221と222を試料採取セパレータ223に接続する。試料採取セパレータ223と先に述べた輸送用試料容器209を耐圧チューブで接続して、チューブの中間には、高圧のラインフイルター224を取り付ける。なお、輸送用試料容器209の圧縮空気室212にはパイプライン内の圧力と同等圧の水が充填されている。ピストン211は輸送用試料容器209の最上部に位置する。
試料採取セパレータ223は、パイプラインから流入する水溶液試料にガスや沈殿物などが混入した場合に当セパレータ223で分離し、セパレータ223の上部に溜まったガスは試料採取チューブ222内を流れてパイプライン内に移動する。
このように当セパレータ223の設置は、水溶液試料に混入する沈殿物またはガスなどを輸送用試料容器209に採取することを防止できる。また、ラインフイルター224は、試料中の浮遊物や油分などの除去を可能とし、サイズは、例えば、0.4μmのメンブレンフイルターなどが好ましい。
パイプラインから試料採取セパレータ223内に水溶液試料が満たされた後、セパレータ223下部のバルブを調整して水溶液試料を排出して試料の様子を観察する。
輸送用試料容器209上部バルブ214を開け、下部のバルブ213を調整しながら圧縮空気室212内の水を排出して水溶液試料を試料室210に導入する。
パイプラインから試料室210への試料採取量は、下部のバルブ213から排出した水の量から求め、内容積の7割程度とすることが好ましい。その後、バルブ213、バルブ214を閉じる。
次に、図6Bのように、高圧状態の水溶液試料の移動終了後、輸送用試料容器209下部バルブ213に圧縮空気容器215下部のバルブを耐圧チューブで接続する。なお、圧縮空気容器215内には予めパイプライン圧力より5〜10atm高い圧縮空気を充填することが好ましい。
圧縮空気容器215の下部バルブおよび輸送用試料容器209の下部バルブ213を空ける。圧縮空気室212に圧縮空気容器215から圧縮空気が流入して輸送用試料容器209内の水溶液試料の圧力を維持できる。なお、輸送用試料容器209の移動は、圧縮空気容器215を接続した状態で行うと安全である。
輸送用試料容器209内の水溶液試料をシリンジポンプ19に移し替える方法について説明する。
輸送用試料容器209下部バルブ213には高圧水ポンプ200を図4Bに示すように接続し、輸送用試料容器209上部バルブ214とシリンジポンプ19(図4B)を耐圧チューブで接続する。試料中の浮遊物や油分などの除去の目的に耐圧チューブの中間には、高圧のラインフイルター206を取り付ける。フイルターのサイズは、例えば、0.4μmのメンブレンフイルターなどが好ましい。
高圧水ポンプ200を操作して圧力計201を監視しながら試料の圧力を維持して、輸送用試料容器209内の水溶液試料をシリンジポンプ19に移動させる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は本実施例に制限されるものではない。
参考実験により本発明の方法および装置について具体的に説明する。
参考実験1:高圧状態の水溶液試料のカラム注入時点における溶解ガス、水成分の膨張、拡散による分析精度の影響
高圧サンプリングバルブ1に導入(採取)された高圧状態の水溶液試料16は、キャリアガスと接触する。該水溶液試料16とキャリアガスの圧力に大きな差があるために、水溶液試料16は膨張し、キャリアガス側にも移動することでキャリアガスの逆流および乱流が生じてしまう(1段階)。さらに加熱気化器3で過熱された水蒸気はさらに膨張し、ここでもキャリアガスの逆流および乱流が生じ分析精度に影響を与える(2段階)。
1段階において、高圧サンプリングバルブ1に導入(採取)された高圧状態の水溶液試料16(例えば圧力100atm)は、キャリアガスと接触した際、そのキャリアガス側の圧力(例えば圧力3atm)状態に減圧され、溶解ガスの遊離と膨張を生ずる。この溶解ガスの膨張によりキャリアガスの流動が乱れ、一部は第1キャリアガス供給部52側に逆流する。
溶解ガスの膨張による影響は、該溶解ガスの溶解度が大きな試料ほど大きいと推察できる。このキャリアガスの逆流および乱流は、溶解ガスと水の混合流体の拡散を引き起こす。この拡散した混合流体は、分析精度に影響を与える原因となる。
2段階において、溶解ガスおよび水は例えば130℃に加熱された加熱気化器3内に移動直後、急激に過熱され気化膨張する。水は水蒸気として約2000倍に膨張する。この結果、キャリアガスの流動が乱れて一部は第2キャリアガス供給部54に逆流すると考えられる。このキャリアガス流動の乱れと逆流現象は、溶解ガスと水混合流体の拡散を起こす。この拡散した流体は、分析精度に影響を与える原因となる。
参考実験2:図2の装置を用いた場合の溶解ガスの測定
図2の装置において、気化器の温度、キャリアガスの流量、メインカラムの温度、プレカラムの温度等の各条件について、以下の理由により選定とした。なお、キャリアガスの種類は、熱伝導度検出器に対して炭酸ガス、メタン、水成分の検出感度が高くなるヘリウム(He)ガスを選定した。
(1)気化器の温度
図7Aの(a)、(b)は気化器の温度がそれぞれ105℃と130℃における水のガスクロマトグラム(ピーク)形状を示したものである。気化器の温度と水ピーク形状の比較から、水ピーク形状がよりシャープな130℃を選定した。
(2)キャリアガスの流量
図7Bは、キャリアガス流量と水の理論段数(カラム効率を表す)との関係を示したものである。なお、第1キャリアガス供給部52の流量は1cc/minに固定して実験した。図からわかるとおり、水の理論段数はキャリアガス流量が50から70cc/min付近で最も高い値を示していることから、キャリアガス流量として70cc/minを選定した。
(3)メインカラムの温度
図7Cは、メインカラム温度と水の理論段数との関係、および、メインカラム温度と水のピーク高さ/ピーク幅との関係を示したものである。図からわかるとおり、まず、水の理論段数はメインカラム温度が低くなるにつれ高くなる傾向がある。また、水のピーク高さ/ピーク幅はメインカラムの温度が80から90℃の付近で最も高い値を示している。これらの結果から、メインカラム温度として90℃を選定した。
(4)プレカラムの温度
図7Dは、プレカラム温度と水のピーク高さ/ピーク幅との関係を示したものである。図からわかるとおり、水のピーク高さ/ピーク幅は、プレカラム温度が90から110℃の付近で高い値を示している。プレカラムを設置する目的は、水のピーク形状をシャープにする(水のピーク高さ/ピーク幅の値を大きくする)ため、気化器で気化した水成分をできるだけ狭い幅でメインカラムに移動させることにある。このことから、プレカラム温度として108℃を選定した。
表1は、上記の過程を経て選定した分析条件をまとめたものである。この分析条件で、炭酸ガスが溶解した水溶液試料のクロマトグラムを作成したところ、図7Eに示すとおりとなった。水ピークは、図7Aで示されたものと比べてシャープなものとなっており、かつ、テーリングについても問題ないことから、定量性が充分に確保されると判断できる。
Figure 0005004112
図2の装置を用い、表1に示す分析条件で、温度60℃、69atmの水溶液試料16の溶解ガス(炭酸ガス)の溶解度の測定を2回繰り返して行なった。高圧サンプリングバルブ1への試料導入量は1μlとし、逆止弁7を設置しない構造のガスクロマトグラフを用いた。また、第1キャリアガス供給部52および第2キャリアガス供給部54から供給されたキャリアガス(He)の供給圧力は3atmとした。
参考実験2の結果を図8(a)に示す。図8(a)に示す炭酸ガスおよび水のピーク形状では、特に、水のピーク形状においてテーリングに若干の盛り上がり部分が生じるような形状となっている。これは、気化器に導入された水成分が急激に体積膨張したことでキャリアガスの逆流が生じ、気化した水蒸気が拡散したことが原因と推測される。
参考実験3:図3の装置を用いた場合の溶解ガスの測定
図3の装置は図2の装置に逆止弁7を設けたこと以外は同じ構造であり、参考実験3は、図3の装置において上記参考実験2と同じ分析条件で同じ実験手順を繰り返したものである。得られたガスクロマトグラムの結果を図8(b)に示す。図8(b)において、水溶液試料16は炭酸ガス溶解水溶液(69atm、60℃)を用いた。
図8(b)に示すように、ガスクロマトグラム上の炭酸ガスおよび水ピークは、シャープに描かれた。特に水ピークは、図8(a)の場合とは異なりテーリングが無かった。したがって、加熱気化器に注入された水が急激に気化し、水蒸気の体積膨張が生じても、キャリアガスの逆流や水蒸気の拡散が生じないものと推測された。
これらの結果から、高圧サンプリングバルブ1と第1キャリアガス供給部52との間および加熱気化器3と第2キャリアガス供給部54との間に逆止弁7を設けることにより、溶解ガスと水の分離度および分析精度を高めることが可能であると判断された。
参考実験4 逆止弁設置前後の炭酸ガスおよび水ピークの繰り返し精度
逆止弁7を設けることにより溶解ガスと水の分離度および分析精度を高めることをさらに厳密に調べるため、逆止弁7を設置しない場合と設置した場合における繰り返し精度を求めた。
参考実験2の繰り返し精度実験には、2種類の炭酸ガスを溶解ガスとして含む水溶液試料(温度60℃、圧力75.8atmと151.9atm)を使用した。また、参考実験3の繰り返し精度実験には、2種類の炭酸ガスを溶解ガスとして含む水溶液試料(温度60℃、圧力69.2atmと150.3atm)を使用した。
表2A、表2Bは、逆止弁7を設置しない装置における繰り返し精度実験の結果を示したものである。また、表2C、表2Dは、逆止弁7を設置した装置における繰り返し精度実験の結果を示したものである。
逆止弁7を設置しない場合では炭酸ガスおよび水ピーク面積の変動係数は2.7〜1.0%および0.3%であったのに対し、逆止弁7設置した場合では0.7〜0.3%および0.1〜0.4%となった。これは、逆止弁7を設置した場合のほうが、繰り返し精度がより高くなることを示している。
Figure 0005004112
Figure 0005004112
Figure 0005004112
Figure 0005004112
溶解度の繰り返し精度は、逆止弁7設置前の変動係数は1.2〜1.7%、逆止弁7設置後の変動係数は0.3%であった。このことから、逆止弁7を設置することによって減圧による溶解ガスの膨張と拡散が制限されており効果が得られ、繰り返し精度を高めることができることもわかった。
実施例1:炭酸ガスの検量線作成
段落[0053]に記載した標準ガスの検量線を作成する手法にしたがって、高圧サンプリングバルブ1内の炭酸ガスの圧力を変化させて各圧力における炭酸ガス量とガスクロマトグラムから得られる炭酸ガスピーク面積の関係を得た。
具体的には、まず、ガスクロマトグラフおよび分析条件を、参考実験3および表1と同様に設定した。なお、高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)を50℃に設定した。高純度の炭酸ガスを充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aの様に高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続した。
シリンジポンプ19のピストン18と調整バルブ20を操作して圧力を一定に保った炭酸ガスを高圧サンプリングバルブ1に導入した。高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c、dに回転移動すると同時にスロットVs内の試料を、キャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入した。
TCD検出器により炭酸ガスピークを検出し、データ処理部12にて炭酸ガスピークのクロマトグラムを得た。試料圧力を増加していき上述の操作を繰り返して炭酸ガス量と炭酸ガスピーク面積の関係を求めた。検量線作成中は高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)を一定に保った。
炭酸ガス試料圧力(Pi)における炭酸ガス試料のサンプリング量は、次に示す実在気体の状態式(Eq−2)から算出した。
Vgi=Vs(Pi/Zi)(To/Ti) Eq−2
Vgi:圧力(Pi)、温度(Ti)の炭酸ガス試料を温度0℃(To)、圧力1atmに換算した体積
Vs:温度Tiにおけるサンプリングバルブ内容積
Zi:Pi、Ti条件下における炭酸ガスの圧縮係数
炭酸ガスの検量線を作成した。結果を図9(a)およびEq−4に示す。
Vgi/Vs=0.0192×Ag Eq−4
Ag:炭酸ガスのクロマトグラムピーク面積
実施例2:水の検量線作成
段落[0054]に記載の水の検量線を作成する手法にしたがって、高圧サンプリングバルブ1内の水の圧力を変えることによってガスクロマトグラフ分析装置に注入する水の質量を変化させて、各圧力における水の質量とガスクロマトグラムから得られる水ピーク面積の関係を得た。
具体的には、まず、ガスクロマトグラフおよび分析条件を、参考実験3および表1と同様に設定した。なお、高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)は、炭酸ガスの検量線作成時点と同様に50℃に設定した。脱気した純水からなる水試料を充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aの様に高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続した。
シリンジポンプ19のピストン18と調整バルブ20を操作して圧力を一定に保って純水を高圧サンプリングバルブ1に導入した。高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c、dに回転移動すると同時にスロットVs内の試料を、キャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入した。
TCD検出器10により水ピークを検出し、データ処理部12にて水ピークのクロマトグラムを得た。水試料圧力を増加していき上述の操作を繰り返して水試料の質量と水ピーク面積の関係を求めた。検量線作成中は高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)を一定に保った。
圧力(Pi)における水試料の質量を次式(Eq−1)から算出した。
Wwi=Vs[1+Co(Pi−Po)]ρi Eq−1
Wwi:圧力(Pi)温度(Ti)の水試料質量
Vs:温度Tiにおけるサンプリングバルブ内容積
Co:Ti、Pi条件下における水の圧縮率
Po:大気圧
ρi:温度Tiにおける水の密度
水の検量線を作成した。結果を図9(c)およびEq−5に示す。
Wwi/Vs=3.421×10−6×Aw+0.865 Eq−5
Aw:水のクロマトグラムピーク面積
実施例3:炭酸ガス溶解度測定
実験試料は、温度40℃、圧力20atm〜200atmの範囲で純水に対する炭酸ガスが飽和状態で溶解する炭酸ガス溶解水溶液を複数作成して使用した。
まず、ガスクロマトグラフおよび分析条件を、参考実験3および表1と同様に設定した。なお、高圧サンプリングバルブ1の温度は試料の温度(40℃)に設定した。水溶液試料16を充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aの様に高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続した。
シリンジポンプ19のピストン18の作動と調整バルブ20を操作して試料圧力より10atm程度高い圧力を保って水溶液試料16を高圧サンプリングバルブ1に導入した。測定中シリンジポンプ19のシリンダー17内の圧力が試料圧力以下になると溶解ガスの遊離が生じる。この溶解ガスの遊離を防ぐために試料圧力より10atm程度高い圧力を保った。
高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c、dに回転移動すると同時にスロットVs内の水溶液試料16を、キャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入した。
加熱気化器3で気化した水溶液試料16はプレカラム4、メインカラム9内を流動して炭酸ガスと水成分に分離して、検出器10で検出の後、データ処理部12にて炭酸ガス、水ピークのクロマトグラムを得た。上述の測定から炭酸ガスピーク面積(Ag)、水ピーク面積(Aw)を得た。一回の測定時間は20分内とした。
炭酸ガスと水の検量線は、実施例1および実施例2において予め作成した図9(a)および(c)に示す検量線を用いた。炭酸ガス検量線[図9(a)]を用いて炭酸ガスピーク面積(Ag)に対する炭酸ガス量(Vgi/Vs)を求めた。水検量線[図9(c)]を用いて水ピーク面積(Aw)に対する水量(Wwi/Vs)を求めた。
溶解度算出式(Eq−3)を用いて炭酸ガス溶解度を算出した。
炭酸ガス溶解度(cc/g)=(Vgi/Vs)/(Wwi/Vs) Eq−3
溶解度算出式(Eq−3)から得られた溶解度は、水の質量(g)に対する炭酸ガス量(cc,0℃、1atm)で表した。表3に温度40℃、圧力150atmにおける溶解度算出結果を示す。また、図10に、温度40℃と60℃、圧力20〜200atm間の炭酸ガスを溶解ガスとして含む水溶液試料を用いた、炭酸ガスの水に対する溶解度の測定結果を示す。
Figure 0005004112
実施例4:メタンガスの検量線の作成
温度一定条件下の高圧サンプリングバルブ1内に加圧状態のメタンガスを導入し、ガスクロマトグラムを得た。この操作はメタンガスに圧力を掛けることによってメタンガスは圧縮され、大気圧下のメタンガス量に対して加圧後のメタンガス量は増加する。この原理を用いて高圧サンプリングバルブ1内のメタンガスの圧力を変化させて各圧力におけるメタンガス量とガスクロマトグラムから得られるメタンガス成分ピーク面積の関係を得た。
まず、ガスクロマトグラフおよび分析条件を、参考実験3および表1と同様に設定した。なお、高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)は、炭酸ガスの検量線作成時点と同様に50℃に設定した。メタンガスを充填したシリンジポンプ19のシリンダー17を図4Aの様に高圧サンプリングバルブ1の接続口aに接続した。
シリンジポンプ19のピストン18と調整バルブ20を操作して圧力を一定に保ったメタンガスを高圧サンプリングバルブ1に導入した。高圧サンプリングバルブ1を作動(回転)させて、スロットVsを試料注入側の接続口c、dに回転移動すると同時にスロットVs内の試料を、キャリアガスと共に試料注入チューブ2から加熱気化器3に注入した。
FID検出器11によりメタンガスピークを検出し、データ処理部12にてメタンガスピークのクロマトグラムを得た。試料圧力を増加していき上述の操作を繰り返してメタンガス量とメタンガスピーク面積の関係を求めた。検量線作成中高圧サンプリングバルブ1の温度(Ti)は一定に保った。
メタンガス試料圧力(Pi)におけるメタンガス試料のサンプリング量は、次に示す実在気体の状態式(Eq−2)から算出した。
Vgi=Vs(Pi/Zi)(To/Ti) Eq−2
Vgi:圧力(Pi)、温度(Ti)のメタンガス試料を温度0℃(To)、圧力1atmに換算した体積
Vs:温度Tiにおけるサンプリングバルブ内容積
Zi:Pi、Ti条件下におけるメタンガスの圧縮係数
メタンガスの検量線を作成した。結果を図9(b)およびEq−6に示す。
Vgi/Vs= 0.00252×Ag Eq−6
Ag:メタンガスのクロマトグラムピーク面積
したがって、以上のとおりメタンガスの検量線を求めることができることから、段落[0109]から段落[0129]に記載の炭酸ガスと水の検量線作成及び炭酸ガス溶解度測定の手法において、炭酸ガスをメタンガスと置き換えることによって、メタンガスの水溶液に対する溶解度を求めることができることはいうまでもない。
101 高圧試料容器
102 調整バルブ
103 ガス試料容器
104 水試料容器
105 ピストン
106 圧力、温度指示計
1 高圧サンプリングバルブ
2 試料注入チューブ
3 加熱気化器
4 プレカラム
6 キャリアガス圧力流量調整器
7 逆止弁
9 メインカラム
10,11 検出器
12 データ処理部
13 温度調整器
14 ボディ
15 ロータ
16 水溶液試料
17 シリンダー
18 ピストン
19 耐圧シリンジポンプ
20 調整バルブ
52 第1キャリアガス供給部
54 第2キャリアガス供給部
a,b,c,d 接続口
200 高圧水ポンプ
201 圧力計
202 圧縮空気室
203 ピストン
204 圧力試料採取器
205 試料室
206 高圧ラインフイルター
207 チューブ
208 調整払いバルブ
209 輸送用試料容器
210 水溶液試料室
211 ピストン
212 圧縮空気室
213 下部バルブ
214 上部バルブ
215 圧縮空気容器
216 圧力計
220 パイプライン
221 試料採取チューブ
222 試料採取チューブ
223 セパレータ
224 高圧ラインフイルター

Claims (5)

  1. ガスクロマトグラフを用いて高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する装置において、
    高圧状態の水溶液試料を導入する工程と、
    該水溶液試料に溶解している気体と水とを加熱気化する工程と、
    カラムを用いて該気体と該水とを分離する工程と、
    該分離された該気体および該水の量を検出する工程と、
    該検出工程により出力されたガスクロマトグラムに基づき該水に対する該気体の溶解度を算出する工程と
    を含むことを特徴とする、高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する方法。
  2. 前記溶解度を算出する工程において、前記ガスクロマトグラフを用いて予め作成した前記気体の検量線および前記水の検量線により算出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記気体の検量線は気体量対該気体のピーク面積のグラフであり、前記水の検量線は水量対該水のピーク面積のグラフであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 高圧状態の水溶液試料を導入する導入部と、前記水溶液試料に溶解している気体と水とを加熱気化する加熱部と、該加熱気化された該気体と水とを分離する分離部と、該分離された該気体および該水の量を検出する検出部からなるカスクロマトグラフと、データ処理部とからなる装置において、該データ処理部が、該検出部により出力されたガスクロマトグラムに基づいて該水に対する該気体の溶解度を、予め作成しておいた気体の検量線および水の検量線により算出することを特徴とする高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する装置。
  5. 前記導入部にキャリアガスを供給する第1キャリアガス供給部と、前記加熱部にキャリアガスを供給する第2キャリアガス供給部を備えるとともに、該導入部と第1キャリアガス供給部との間および該加熱部と第2キャリアガス供給部との間に、該キャリアガスの逆流を防止するキャリアガス逆流防止手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の高圧状態の水溶液試料に溶解している気体の溶解度を測定する装置。
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