JP4998344B2 - Parking brake control device - Google Patents
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Description
本発明は、電動パーキングブレーキ(以下、EPB(Electric parking brake)という)のロック・リリース制御を行う駐車ブレーキ制御装置に関するものである。 The present invention relates to a parking brake control device that performs lock / release control of an electric parking brake (hereinafter referred to as EPB (Electric parking brake)).
従来より、駐車時の車両の移動を規制するためにパーキングブレーキが用いられており、例えば、パーキングブレーキとして、操作レバーを引っ張ったときの操作力をブレーキ機構に伝える手動式のものや、モータの回転力をブレーキ機構に伝える電動式のもの等がある。 Conventionally, a parking brake has been used to regulate the movement of the vehicle during parking. For example, as a parking brake, a manual brake that transmits an operation force when the operation lever is pulled to the brake mechanism, a motor brake, There are electric types that transmit the rotational force to the brake mechanism.
電動式のパーキングブレーキであるEPBでは、ロック時には、モータをロック側に回転(正回転)させてモータ回転力をブレーキ機構(アクチュエータ)に伝えると共に、ブレーキ力を発生させた状態でモータ駆動を停止させ、リリース時には、モータをリリース側に回転(逆回転)させることでブレーキ力を解除する。 In the EPB, which is an electric parking brake, when locked, the motor is rotated to the lock side (forward rotation) to transmit the motor rotational force to the brake mechanism (actuator), and the motor drive is stopped while the braking force is generated. At the time of release, the braking force is released by rotating the motor toward the release side (reverse rotation).
このようなロック・リリース制御において、ロック時にはモータ電流が目標電流値(モータカット電流)になるとロック側へのモータ駆動を停止することで、所望のロック状態を保持している。 In such lock / release control, when the motor current reaches the target current value (motor cut current) at the time of lock, the motor drive to the lock side is stopped to maintain a desired lock state.
ただし、駐車ブレーキのブレーキ機構がディスクブレーキタイプの場合、ブレーキ機構に相当するキャリパの温度、具体的にはブレーキパッドの温度が高い状態でロックを行うと、温度低下に伴って熱膨張していたブレーキパッドが収縮し、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し当てる押圧力(2枚のブレーキパッドでブレーキディスクを挟み込むクランプ力)が低下してブレーキ力が低下する。このため、特許文献1では、ブレーキ機構の温度、より詳しくはブレーキパッドの温度を推定し、温度の低下度合いに応じて再度ロック制御を実行することで、温度低下によるブレーキ力低下を防止している。具体的には、特許文献1では、外気温センサとブレーキペダル操作力および推定車体速度を使用し、走行中のサービスブレーキの発熱量を推定することにより、ブレーキパッドの温度の推定を行っている。
しかしながら、上記したように特許文献1では、ブレーキパッドの温度の推定に外気温センサを用いているため、外気温センサが必要になるし、外気温センサを配置するための機械的な構造体や配置場所が必要になるという問題がある。
However, as described above, in
本発明は上記点に鑑みて、外気温センサを追加しなくてもブレーキパッドの温度を推定し、ブレーキパッドの温度低下に伴うブレーキ力の低下を防止できるようにすることを目的とする。 The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to estimate the temperature of a brake pad without adding an outside air temperature sensor, and to prevent a decrease in brake force accompanying a decrease in the temperature of the brake pad.
上記目的を達成するため、本発明者らは、モータにより駐車ブレーキを制御するEPBにおいて、モータがブレーキパッドの温度と相関のある場所に設置されている場合、好ましくはモータがキャリパに対して直接取り付けられているような場合に、モータの温度がブレーキパッドの温度と対応した値になることに着目した。そして、EPBでは、モータ電流やモータ端子電圧を測定できることから、これらモータ電流およびモータ端子電圧に基づいてモータ温度を推定することで、ブレーキパッドの温度を推定することができることを見出した。 In order to achieve the above object, in the EPB in which the parking brake is controlled by the motor, the present inventors preferably select the motor directly to the caliper when the motor is installed at a location correlated with the temperature of the brake pad. It was noted that the motor temperature would be a value corresponding to the brake pad temperature when it was installed. And since EPB can measure a motor current and a motor terminal voltage, it discovered that the temperature of a brake pad could be estimated by estimating motor temperature based on these motor current and motor terminal voltage.
そこで、請求項1に記載の発明では、検出手段(200、240)にて、電動モータ(10)に流す無負荷時のモータ電流(IMOTOR)に相当する空転電流(INF)を検出し、温度推定手段(250)にて、空転電流(INF)に基づいて、空転電流(INF)が大きい程低くなる値として、ブレーキパッド(11)の温度であるパッド温度推定値(TPAD)を取得したのち、パッド温度推定値(TPAD)に基づいてロック制御により発生させるブレーキ力がブレーキパッド(11)の熱収縮により低下することを抑制する制御を実行することを特徴としている。
Therefore, in the invention described in
このように、モータ(10)の空転電流(INF)に基づいてパッド温度推定値(TPAD)を決定している。このため、外気温センサを別途追加しなくてもブレーキパッド(11)の温度を推定することが可能となる。そして、このパッド温度推定値(TPAD)に基づいてブレーキパッド(11)の熱収縮に伴うブレーキ力の低下を防止するための制御を行うようにしている。これにより、ブレーキパッド(11)の熱収縮に伴うブレーキ力の低下を防止することが可能となる。 Thus, the pad temperature estimated value (TPAD) is determined based on the idling current (INF) of the motor (10). Therefore, it is possible to estimate the temperature of the brake pad (11) without separately adding an outside air temperature sensor. Based on the estimated pad temperature (TPAD), control is performed to prevent a decrease in brake force due to thermal contraction of the brake pad (11). Thereby, it becomes possible to prevent the brake force from being reduced due to the thermal contraction of the brake pad (11).
例えば、請求項2に記載したように、熱収縮によりブレーキ力が低下することを抑制する制御として、パッド温度推定値(TPAD)に基づいてモータカット電流(IMCUT)を設定し、パッド温度推定値(TPAD)が高い程モータカット電流(IMCUT)を大きな値に設定することで、ロック制御時に発生させるブレーキ力を大きくするモータカット電流設定手段(300)を備えることができる。
For example, as described in
また、請求項3に記載したように、熱収縮によりブレーキ力が低下することを抑制する制御として、ロック制御が終了した後に再度ロック制御を実行し、再度ロック制御を実行する際の再ロック制御回数(KNRLOCK)をパッド温度推定値(TPAD)が大きいほど多い値に設定する回数設定手段(620)を備えることもできる。 According to a third aspect of the present invention, as control for suppressing a decrease in braking force due to thermal contraction, the lock control is executed again after the lock control is finished, and the relock control is executed when the lock control is executed again. A number setting means (620) for setting the number of times (KNRLOCK) to a larger value as the pad temperature estimated value (TPAD) is larger can be provided.
さらに、請求項4に記載したように、熱収縮によりブレーキ力が低下することを抑制する制御として、ロック制御が終了した後に再度ロック制御を実行し、ロック制御が終了してから再度ロック制御を実行するまでの時間である再ロック開始時間(KTLBL)をパッド温度推定値(TPAD)が大きいほど短い値に設定する時間設定手段(620)を備えることもできる。 Furthermore, as described in claim 4, as a control for suppressing a decrease in braking force due to thermal contraction, the lock control is executed again after the lock control is completed, and the lock control is performed again after the lock control is completed. A time setting means (620) for setting the relock start time (KTLBL), which is a time until execution, to a shorter value as the pad temperature estimated value (TPAD) is larger can be provided.
請求項5に記載の発明では、検出手段(200、240)にて、電動モータ(10)に印加されるモータ電圧(VMOTOR)も検出し、温度推定手段(250)にて、空転電流(INF)およびモータ電圧(VMOTOR)に基づいて、空転電流(INF)が大きい程低くなり、かつ、モータ電圧(VMOTOR)が高い程高くなるように、ブレーキパッド(11)の温度であるパッド温度推定値(TPAD)を取得することを特徴としている。
In the invention according to
このように、空転電流(INF)およびモータ電圧(VMOTOR)に基づいて、ブレーキパッド(11)の温度であるパッド温度推定値(TPAD)を取得することもできる。 As described above, the estimated pad temperature (TPAD), which is the temperature of the brake pad (11), can be acquired based on the idling current (INF) and the motor voltage (VMOTOR).
請求項6に記載の発明では、電動モータ(10)がブレーキパッド(11)の温度と相関のある場所としてキャリパ(13)に直接設置されていることを特徴としている。
The invention according to
このように、ブレーキパッド(11)の温度と相関のある場所として、電動モータ(10)をキャリパ(13)に直接設置することができる。 Thus, the electric motor (10) can be directly installed on the caliper (13) as a place having a correlation with the temperature of the brake pad (11).
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。 In addition, the code | symbol in the bracket | parenthesis of each said means shows the correspondence with the specific means as described in embodiment mentioned later.
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. In the following embodiments, the same or equivalent parts are denoted by the same reference numerals in the drawings.
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、後輪系にディスクブレーキタイプのEPBを適用している車両用ブレーキシステムを例に挙げて説明する。図1は、本実施形態にかかる駐車ブレーキ制御装置が適用された車両用のブレーキシステムの全体概要を示した模式図である。また、図2は、ブレーキシステムに備えられる後輪系のブレーキ機構の断面模式図である。以下、これらの図を参照して説明する。
(First embodiment)
A first embodiment of the present invention will be described. In the present embodiment, a vehicle brake system in which a disc brake type EPB is applied to the rear wheel system will be described as an example. FIG. 1 is a schematic diagram showing an overall outline of a vehicle brake system to which a parking brake control device according to the present embodiment is applied. FIG. 2 is a schematic sectional view of a rear wheel brake mechanism provided in the brake system. Hereinafter, description will be given with reference to these drawings.
図1に示すように、ブレーキシステムは、ドライバの踏力に基づいてブレーキ力を発生させるサービスブレーキ1と駐車時に車両の移動を規制するためのEPB2とが備えられている。
As shown in FIG. 1, the brake system includes a
サービスブレーキ1は、ドライバによるブレーキペダル3の踏み込みに応じた踏力を倍力装置4にて倍力したのち、この倍力された踏力に応じたブレーキ液圧をマスタシリンダ5内に発生させ、このブレーキ液圧を各車輪のブレーキ機構に備えられたホイールシリンダ(以下、W/Cという)6に伝えることでブレーキ力を発生させる。また、マスタシリンダ5とW/C6との間にブレーキ液圧制御用のアクチュエータ7が備えられており、サービスブレーキ1により発生させるブレーキ力を調整し、車両の安全性を向上させるための各種制御(例えば、アンチスキッド制御等)を行える構造とされている。
The
アクチュエータ7を用いた各種制御は、ESC(Electronic Stability Control)−ECU8にて実行される。例えば、ESC−ECU8からアクチュエータ7に備えられる図示しない各種制御弁やポンプ駆動用のモータを制御するための制御電流を出力することにより、アクチュエータ7に備えられる油圧回路を制御し、W/C6に伝えられるW/C圧を制御する。これにより、車輪スリップの回避などを行い、車両の安全性を向上させる。
Various controls using the actuator 7 are executed by an ESC (Electronic Stability Control) -
一方、EPB2は、モータ10にてブレーキ機構を制御することでブレーキ力を発生させるものであり、モータ10の駆動を制御するEPB制御装置(以下、EPB−ECUという)13を有して構成されている。
On the other hand, the
ブレーキ機構は、本実施形態のブレーキシステムにおいてブレーキ力を発生させる機械的構造であり、前輪系のブレーキ機構はサービスブレーキ1の操作によってブレーキ力を発生させるものとされているが、後輪系のブレーキ機構は、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対してブレーキ力を発生させる共用のものとされている。前輪系のブレーキ機構は、後輪系のブレーキ機構に対して、EPB2の操作に基づいてブレーキ力を発生させる機構をなくした従来から一般的に用いられているブレーキ機構であるため、ここでは説明を省略し、以下の説明では後輪系のブレーキ機構について説明する。
The brake mechanism is a mechanical structure that generates a brake force in the brake system of the present embodiment, and the brake mechanism of the front wheel system generates the brake force by operating the
後輪系のブレーキ機構では、サービスブレーキ1を作動させたときだけでなくEPB2を作動させたときにも、図2に示すブレーキパッド11を押圧し、ブレーキパッド11にてブレーキディスク12を挟み込むことにより、ブレーキパッド11とブレーキディスク12との間に発生する摩擦力にてブレーキ力を発生させる。
In the rear wheel brake mechanism, not only when the
具体的には、ブレーキ機構は、図1に示すキャリパ13内において、図2に示すようにブレーキパッド11を押圧するためのW/C6のボディ14に直接固定されているモータ10を回転させるとにより、モータ10の駆動軸10aに備えられた平歯車15を回転させ、平歯車15に噛合わされた平歯車16にモータ10の回転力を伝えることによりブレーキパッド11を移動させ、EPB2によるブレーキ力を発生させる。
Specifically, when the brake mechanism rotates the
キャリパ13内には、W/C6およびブレーキパッド11に加えて、ブレーキパッド11に挟み込まれるようにしてブレーキディスク12の端面の一部が収容されている。W/C6は、シリンダ状のボディ14の中空部14a内に通路14bを通じてブレーキ液圧を導入することで、W/C圧を発生させられるようになっており、中空部14a内に回転軸17、推進軸18、ピストン19などを備えて構成されている。
In addition to the W /
回転軸17は、一端がボディ14に形成された挿入孔14cを通じて平歯車16に連結され、平歯車16が回動させられると、平歯車16の回動に伴って回動させられる。この回転軸17における平歯車16と連結された端部とは反対側の端部において、回転軸17の外周面には雄ネジ溝17aが形成されている。一方、回転軸17の他端は、挿入孔14cに挿入されることで軸支されている。具体的には、挿入孔14cには、Oリング20と共に軸受け21が備えられており、Oリング20にて回転軸17と挿入孔14cの内壁面との間を通じてブレーキ液が漏れ出さないようにされながら、軸受け21により回転軸17の他端を軸支持している。
One end of the
推進軸18は、中空状の筒部材にて構成され、内壁面に回転軸17の雄ネジ溝17aと螺合する雌ネジ溝18aが形成されている。この推進軸18は、例えば回転防止用のキーを備えた円柱状もしくは多角柱状に構成されることで、回転軸17が回動しても回転軸17の回動中心を中心として回動させられない構造になっている。このため、回転軸17が回動させられると、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いにより、回転軸17の回転力を推進軸18を回転軸17の軸方向に移動させる力に変換する。推進軸18は、モータ10の駆動が停止されると、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いによる摩擦力により同じ位置で止まるようになっており、目標制動力になったときにモータ10の駆動を停止すれば、その位置に推進軸18を保持することができる。
The
ピストン19は、推進軸18の外周を囲むように配置されるもので、有底の円筒部材もしくは多角筒部材にて構成され、外周面がボディ14に形成された中空部14aの内壁面と接するように配置されている。ピストン19の外周面とボディ14の内壁面との間のブレーキ液洩れが生じないように、ボディ14の内壁面にシール部材22が備えられ、ピストン19の端面にW/C圧を付与できる構造とされている。また、ピストン19は、推進軸18が回転しても回転軸17の回動中心を中心として回動させられないように、推進軸18に回転防止用のキーが備えられる場合にはそのキーが摺動するキー溝が備えられ、推進軸18が多角柱状とされる場合にはそれと対応する形状の多角筒状とされる。このピストン19の先端にブレーキパッド11が配置され、ピストン19の移動に伴ってブレーキパッド11を紙面左右方向に移動させるようになっている。具体的には、ピストン19は、推進軸18の移動に伴って紙面左方向に移動可能で、かつ、ピストン19の端部(ブレーキパッド11が配置された端部と反対側の端部)にW/C圧が付与されることで推進軸18から独立して紙面左方向に移動可能な構成とされている。そして、推進軸18が初期位置(モータ10が回転させられる前の状態)のときに、中空部14a内のブレーキ液圧が付与されていない状態(W/C圧=0)であれば、図示しないリターンスプリングもしくは中空部14a内の負圧によりピストン19が紙面右方向に移動させられ、ブレーキパッド11をブレーキディスク12から離間させられるようになっている。
The
このように構成されたブレーキ機構では、サービスブレーキ1が操作されると、それにより発生させられたW/C圧に基づいてピストン19が紙面左方向に移動させられることでブレーキパッド11がブレーキディスク12に押圧され、ブレーキ力を発生させる。また、EPB2の操作されると、モータ10が駆動されることで平歯車15が回転させられ、それに伴って平歯車16および回転軸17が回転させられるため、雄ネジ溝17aおよび雌ネジ溝18aの噛合いに基づいて推進軸18がブレーキディスク12側(紙面左方向)に移動させられ、それに伴ってピストン19も同方向に移動させられることでブレーキパッド11がブレーキディスク12に押圧され、ブレーキ力を発生させる。このため、サービスブレーキ1の操作とEPB2の操作の双方に対してブレーキ力を発生させる共用のブレーキ機構とすることが可能となる。
In the brake mechanism configured as described above, when the
EPB−ECU13は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムにしたがってモータ10の回転を制御することにより駐車ブレーキ制御を行うものである。このEPB−ECU13が本発明の駐車ブレーキ制御装置に相当する。EPB−ECU13は、例えば車室内のインストルメントパネル(図示せず)に備えられた操作スイッチ(SW)23の操作状態に応じた信号や、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ(前後Gセンサ)24の検出信号を入力し、操作SW23の操作状態や車両の前後方向の加速度に応じてモータ10を駆動する。また、EPB−ECU13は、インストルメントパネルに備えられたロック/リリース表示ランプ25に対してモータ10の駆動状態に応じて、ロック中であるかリリース中であるかを示す信号を出力したり、故障表示ランプ26に対してEPB2の故障時にその旨の信号を出力する。
The EPB-
具体的には、EPB−ECU13は、モータ10に流される電流(モータ電流)をモータ10の上流側もしくは下流側で検出するモータ電流検出、モータ10に印加されているモータ電圧を検出するモータ電圧検出、ロック制御を終了させるときのモータカット電流(目標電流値)を演算するモータカット電流演算、モータ電流がモータカット電流に達したか否かの判定、操作SW23の操作状態に基づいくモータ10の制御など、ロック・リリース制御を実行するための各種機能部を有している。このEPB−ECU13により操作SW23の状態やモータ電流に基づいてモータ10を正回転や逆回転させたりモータ10の回転を停止させることで、EPB2をロック・リリースする制御を行う。
Specifically, the EPB-
図3は、モータ10に対してモータ電流の供給を制御するモータ駆動回路30の模式図である。この図に示されるように、モータ駆動回路30にはHブリッジ回路31が備えられており、モータ10の駆動を停止するときには各スイッチ31a〜31dをすべてオフにし、モータ10を正回転もしくは逆回転させるときにはHブリッジ回路の各スイッチ31a〜31dが対角線の関係でオンとオフに制御されることで、モータ10に対して異なる方向の電流が供給できるように構成されている。
FIG. 3 is a schematic diagram of a
そして、このようなモータ駆動回路30におけるHブリッジ回路の下流側、つまりスイッチ31bとスイッチ31dの接続点とGNDとの間には電流検出抵抗32が備えられている。この電流検出抵抗32の両端電圧(もしくはこれを増幅した値)がモータ電流IMOTORに対応する値としてEPB−ECU13に入力されることで、モータ電流IMOTORが検出される。また、モータ10の両端電圧もEPB−ECU13に入力されており、これに基づいてモータ電圧VMOTORが検出されるようになっている。以上のようにして、本実施形態にかかるブレーキシステムが構成されている。
A
続いて、上記のように構成されたブレーキシステムを用いてEPB−ECU13が上記各種機能部および図示しない内蔵のROMに記憶されたプログラムに従って実行する駐車ブレーキ制御について説明する。図4は、駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。
Next, parking brake control executed by the EPB-
まず、ステップ100において時間計測用カウンタやフラグリセットなどの一般的な初期化処理を行ったのち、ステップ110に進み、時間tが経過したか否かを判定する。ここでいう時間tは、制御周期を規定するものである。つまり、初期化処理が終了してからの時間もしくは前回本ステップで肯定判定されたときからの経過時間が時間tが経過するまで繰り返し本ステップでの判定が行われるようにすることで、時間tが経過するごとに駐車ブレーキ制御が実行されるようにしている。
First, after general initialization processing such as a time measurement counter and flag reset is performed in
続く、ステップ120では、パッド温度推定処理を実行する。以下、パッド温度推定処理の詳細について説明するが、まずパッド温度推定の考え方について説明する。
In
ブレーキ機構の温度はブレーキパッド11の温度と相関があり、本実施形態のように高温化したブレーキパッド11の輻射熱による高温雰囲気やブレーキパッド11からの熱伝達により、その近傍に配置されたモータ10の温度も変化する。このため、モータ10の温度を推定することにより、ブレーキパッド11の温度を推定することができる。このモータ10の温度は、空転電流から推定可能である。つまり、空転電流は、モータ10に負荷が掛かっていないときの電流であるため、モータ電圧VMOTORが一定であれば、モータ抵抗に依存した値となる。そして、モータ抵抗は、モータ10の温度が低下する程小さくなるため、モータ10の温度が低下する程空転電流が増加する。
The temperature of the brake mechanism has a correlation with the temperature of the
したがって、空転電流とモータ電圧VMOTORを計測すれば、モータ10の温度を推定することができ、これに基づいてブレーキパッド11の温度を推定することが可能になる。
Therefore, if the idling current and the motor voltage VMOTOR are measured, the temperature of the
一方、空転電流は温度変化に対してバラツキがあるため、ロック制御が実行されるときのブレーキ機構の温度に応じた値となる。したがって、モータ10の温度に応じた空転電流を計測しなければならないが、ロック制御中にモータ電流IMOTORが変動するため、どのタイミングで計測した空転電流をモータ10の温度に応じた空転電流として良いか不明である。
On the other hand, since the idling current varies with respect to the temperature change, the idling current has a value corresponding to the temperature of the brake mechanism when the lock control is executed. Therefore, although the idling current corresponding to the temperature of the
このため、本実施形態では、ブレーキ力が発生する前のモータ電流IMOTORのうちの最小値を空転電流としている。モータ電流IMOTORのうちの最小値はモータ10の温度に応じて変化するが、1回のロック制御は短時間であるため、その制御中に温度が大幅に変化することはない。したがって、モータ電流IMOTORのうちの最小値をそのときのモータ10の温度に応じた空転電流と想定することができる。また、このようにモータ電流IMOTORの最小値を空転電流として設定する場合、空転電流がモータ10の個体バラツキに応じたバラツキを含んだ値となり、このように設定された空転電流に基づいてモータカット電流を設定すれば、個体バラツキにも対応したモータカット電流にすることが可能となる。
For this reason, in this embodiment, the minimum value of the motor current IMOTOR before the braking force is generated is set as the idling current. Although the minimum value of the motor current IMOTOR changes according to the temperature of the
ただし、モータ電流IMOTORの流し始めた瞬間の際、つまりモータ10の回転開始時には突入電流によりモータ電流IMOTORが大幅に増加するため、突入電流後のモータ電流IMOTORの最小値を選択することで、その影響を除去するのが好ましい。
However, at the moment when the motor current IMOTOR starts flowing, that is, when the rotation of the
そこで、本実施形態では、下記のようにパッド温度推定処理を実行している。図5は、パッド温度推定処理の詳細を示したフローチャートである。 Therefore, in this embodiment, the pad temperature estimation process is executed as follows. FIG. 5 is a flowchart showing details of the pad temperature estimation process.
まず、ステップ200では、モータ電流IMOTORとモータ電圧VMOTORの読込みを行う。本処理は、上述したように電流検出抵抗32の両端電圧およびモータ10の両端電圧を読込むことにより行われる。そして、ステップ205に進み、モータロック駆動中であるか否か、つまりロック制御の実行中でモータ10が正回転させられている状態であるか否かを判定する。この判定は、後述するステップ310、325にてオンオフされるモータロック駆動中であることを示すフラグがオンされているか否かに基づいて判定される。そして、まだロック制御開始前の段階であれば、ここで否定判定され、ステップ210に進む。
First, in step 200, the motor current IMOTOR and the motor voltage VMOTOR are read. This process is performed by reading the voltage across the
ステップ210では、定数として設定された空転電流最大値KMAXを暫定的に空転電流INFとして設定しておく。なお、空転電流最大値KMAXとは、空転電流INFの最も大きい値として想定される値であり、予め試作実験などにより求めておいた値である。例えば、モータ10の個体バラツキやモータ10の温度が使用環境から考えて最も低くなる場合などを想定したときの空転電流INF、もしくは、突入電流としてモータ電流IMOTORが瞬間的に大きくなったとしても、モータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTを超えない程度となる空転電流INFが空転電流最大値KMAXとされている。
In
この後、ステップ215に進み、今回の処理では空転電流INFのサンプリングは行われていないため、空転電流INFのサンプリングを行ったことを示す空転電流サンプリングタイマCTSINFを0として処理を終了する。 Thereafter, the process proceeds to step 215. Since the idle current INF is not sampled in the current process, the idle current sampling timer CTSINF indicating that the idle current INF has been sampled is set to 0, and the process is terminated.
一方、ステップ205において肯定判定された場合には、ステップ220に進み、空転電流サンプリングタイマCTSINFが空転電流サンプリング時間KTSINF未満であるか否かを判定する。空転電流サンプリング時間KTSINFとは、空転電流INFをサンプリングする際の時間として想定される値に設定され、それ以降に(つまり既に作動力を発生させ始めてから)ノイズ的にモータ電流IMOTORの低下が生じて誤って空転電流INFとして設定されないようにするために設定してある。なお、ここでは空転電流サンプリング時間KTSINFと記載してあるが、実際にはその時間に相当するカウント値がKTSINFとなる。
On the other hand, if an affirmative determination is made in
したがって、ステップ220で肯定判定された場合にのみステップ225に進み、ステップ225で空転電流サンプリングタイマCTSINFが0であるか否かを判定する。その後、まだ空転電流サンプリングタイマCTSINFが0の状態で空転電流INFのサンプリングが行われる前の段階であればステップ230に進み、モータ電流IMOTORが空転電流最大値KMAX以上になったか否かを判定し、肯定判定されるまでステップ210に戻る。
Therefore, the process proceeds to step 225 only when an affirmative determination is made at
そして、肯定判定されるとステップ235に進んでその時のモータ電流IMOTORを空転電流INFに設定したのち、ステップ240に進んで空転電流サンプリングタイマCTSINFをインクリメントして処理を終了する。この後は、パッド温度推定処理が繰り返される毎にステップ225で否定判定されてステップ245に進むことになるため、ステップ245にてモータ電流IMOTORが現在設定されている空転電流INFより小さいか否かを判定し、小さければステップ235に進んでより小さい値を新たな空転電流INFとして更新していく。これにより、空転電流サンプリングタイマCTSINFが空転電流サンプリング時間KTSINFに至るまでの期間中におけるモータ電流IMOTORの最小値を空転電流INFとして設定することが可能となる。
If an affirmative determination is made, the routine proceeds to step 235, where the motor current IMOTOR at that time is set to the idle current INF, and then the routine proceeds to step 240 where the idle current sampling timer CTSINF is incremented and the process is terminated. Thereafter, every time the pad temperature estimation process is repeated, a negative determination is made in
その後、モータ10が駆動されてから所定時間が経過し、空転電流サンプリングタイマCTSINFが空転電流サンプリング時間KTSINFよりも大きくなると、ステップ220で否定判定され、ステップ250に進む。そして、ステップ250において、そのときに設定されていた空転電流INFと今回の制御周期のときに読み込まれたモータ電圧VMOTORに基づいてパッド温度推定値TPADを決定する。このときのパッド温度推定値TPADの決定は、図6に示す空転電流INFとモータ電圧VMOTORに対するパッド温度推定値TPADの特性MAP(INF,VMOTOR)を表したマップに基づいて行われ、空転電流INFが大きい程パッド温度推定値TPADが低く、モータ電圧VMOTORが高い程パッド温度推定値TPADが高くなるように設定される。このようにして、パッド温度推定処理が完了する。
Thereafter, when a predetermined time has elapsed after the
そして、パッド温度推定処理が完了すると、図4のステップ130に進み、操作SW23がオンしているか否かを判定する。操作SW23がオンの状態とはドライバがEPB2を作動させてロック状態にしようとしていることを意味し、オフの状態とはドライバがEPB2をリリース状態にしようとしていることを意味している。このため、本ステップで肯定判定されればステップ140に進み、ロック状態フラグFLOCKがオンしているか否かを判定する。ここで、ロック状態フラグFLOCKとは、EPB2を作動させてロック状態になったときにオンされるフラグであり、このロック状態フラグFLOCKがオンになっているときには既にEPB2の作動が完了して所望のブレーキ力が発生させられている状態となる。したがって、ここで否定判定された場合にのみステップ150のロック制御処理に進み、肯定判定された場合には既にロック制御処理が完了しているためステップ160に進む。
When the pad temperature estimation process is completed, the process proceeds to step 130 in FIG. 4 to determine whether or not the
ロック制御処理では、モータ10を回転させることによりEPB2を作動させ、所望のブレーキ力を発生させられる位置でモータ10の回転を停止し、この状態を維持するという処理を行う。図7にロック制御処理の詳細を示したフローチャートを示し、この図を参照してロック制御処理について説明する。
In the lock control process, the
まず、ステップ300では、上述したパッド温度推定処理で決定したパッド温度推定値TPADに基づいてモータカット電流IMCUTを設定する。モータカット電流IMCUTは、モータ10への通電を停止するときの目標電流値であり、このときのモータカット電流IMCUTの決定は、以下のようにして行っている。
First, in
図8(a)は、ブレーキパッド11の温度とブレーキパッド11のブレーキディスク12に対する押圧力(クランプ力)の関係を示した図であり、図8(b)は、パッド温度推定値TPADに対するモータカット電流IMCUTの関係を表したマップである。図8(a)に示すようにブレーキパッド11のブレーキディスク12に対する押圧力は、ブレーキパッド11が高温の時に所望の値であったとしても、温度低下に伴って低下していく。このため、ブレーキパッド11の温度が高い程、温度低下後にブレーキパッド11が収縮してブレーキパッド11のブレーキディスク12に対する押圧力が低下する可能性があることから、ブレーキパッド11の温度が高い程、よりモータカット電流IMCUTを大きくするのが好ましい。ただし、ブレーキパッド11の温度がある程度の値以下であれば、温度低下が生じても駐車を維持できる程度の押圧力を維持できるし、逆に、ブレーキパッド11の温度がある程度の値以上であったとしても、必要以上に押圧力を発生させる必要もない。
FIG. 8A is a diagram showing the relationship between the temperature of the
このため、図8(b)に示すように、温度T1以上のときにのみ温度低下によるブレーキ力低下の補償分、モータカット電流IMCUTを嵩上げし、さらにその補償分が発生させられると想定される値を最大値としてモータカット電流IMCUTがそれ以上の値にならないようにMAXガードを掛けるようにしている。 For this reason, as shown in FIG. 8 (b), it is assumed that only when the temperature is equal to or higher than the temperature T1, the brake force reduction compensation amount due to the temperature drop and the motor cut current IMCUT are raised and the compensation amount is generated. The MAX guard is set so that the motor cut current IMCUT does not exceed the maximum value.
続いて、ステップ305では、ロック制御時間カウンタCTLが予め決められた最小ロック制御時間KTLMINを超えているか否かを判定する。ロック制御時間カウンタCTLとは、ロック制御が開始されてからの経過時間を計測するカウンタであり、ロック制御処理開始と同時にカウントを始める。最小ロック制御時間KTLMINとは、ロック制御に掛かると想定される最小時間のことであり、モータ10の回転速度などに応じて予め決まる値である。後述するステップ320のように、モータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTに到達した時にブレーキ力が所望の値に到達した、もしくは近づいたと判定するが、モータ10への電流供給初期時の突入電流などによりモータ電流IMOTORがそのモータカット電流IMCUTを超えることもあり得る。このため、ロック制御時間カウンタCTLを最小ロック制御時間KTLMINと比較することで、制御初期時をマスクでき、突入電流などによる誤判定を防止することが可能となる。
Subsequently, in
したがって、ロック制御時間カウンタCTLが最小時間を超えていない状態であれば、まだロック制御が継続されることになるため、ステップ310に進んでリリース状態フラグをオフすると共にロック制御時間カウンタCTLをインクリメントし、モータロック駆動をオン、つまりモータ10を正回転させる。これにより、モータ10の正回転に伴って平歯車15が駆動され、平歯車16および回転軸17が回転し、雄ネジ溝17aおよび雌ネジ溝18aの噛合いに基づいて推進軸18がブレーキディスク12側に移動させられ、それに伴ってピストン19も同方向に移動させられることでブレーキパッド11がブレーキディスク12側に移動させられる。
Therefore, if the lock control time counter CTL does not exceed the minimum time, the lock control is still continued, so the process proceeds to step 310 to turn off the release state flag and increment the lock control time counter CTL. Then, the motor lock drive is turned on, that is, the
一方、ステップ305で肯定判定されると、ロック制御時間カウンタCTLが予め決められた最大ロック制御時間KTLMAX未満であるか否かを判定する。最大ロック制御時間KTLMAXとは、ロック制御に掛かると想定される最大時間のことであり、モータ10の回転速度などに応じて予め決まる値である。ロック制御時間カウンタCTLが最大ロック制御時間KTLMAXを超えている場合、既にロック制御が終了する時間になっていると考えられる。このため、ここで肯定判定されればステップ320に進む。
On the other hand, if an affirmative determination is made in
ステップ320では、今回の制御周期のときのモータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTを超えているか否かを判定する。モータ電流IMOTORはモータ10に加えられる負荷に応じて変動するが、本実施形態の場合にはモータ10に加えられる負荷は、ブレーキディスク12に対するブレーキパッド11の押圧力の反力に相当し、この反力がピストン19および推進軸18を介して回転軸17および平歯車16の回転を抗する力としてモータ10に対して付与されることになる。このため、モータ電流IMOTORがブレーキパッド11の押圧力と対応した値となる。したがって、モータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTを超えていれば所望のブレーキ力を発生させられた状態、例えばブレーキパッド11によってブレーキディスク12が所望の押圧力で押さえ付けられた状態として、ステップ325に進む。
In
そして、ステップ325において、ロックが完了したことを意味するロック状態フラグFLOCKをオンすると共にロック制御時間カウンタCTLを0にし、モータロック駆動をオフ(停止)する。これにより、モータ10の回転が停止され、回転軸17の回転が停止させられて、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いによる摩擦力により、推進軸18が同じ位置に保持されるため、その時に発生させたブレーキ力が保持される。これにより、駐車中の車両の移動が規制される。
In
また、ステップ315において否定判定された場合には、ロック制御が開始されてから最大ロック制御時間KTLMAX以上時間が経過しても未だロック制御時間カウンタCTLがカウントされ続けている状態であるため、何らかの故障が発生していると考えられる。例えば、モータ10や平歯車15、16による歯車機構の破損によりモータカット電流IMCUTに長時間到達しないような場合にこのような状況になり得る。このため、この場合にはステップ325に進み、上記と同様、モータロック駆動をオフする。このようにして、ロック制御処理が完了する。
If the determination in
一方、図4のステップ130で否定判定された場合にはステップ170に進み、リリース状態フラグFRELがオンしているか否かを判定する。ここで、リリース状態フラグFRELとは、EPB2を作動させてリリース状態、つまりEPB2によるブレーキ力を解除した状態になったときにオンされるフラグであり、このリリース状態フラグFRELがオンになっているときには既にEPB2の作動が完了してブレーキ力が解除させられている状態となる。したがって、ここで否定判定された場合にのみステップ180のリリース制御処理に進み、肯定判定された場合には既にリリース制御処理が完了しているためステップ160に進む。
On the other hand, if a negative determination is made in
リリース制御処理では、モータ10を回転させることによりEPB2を作動させ、EPB−ECU13にて発生させられているブレーキ力を解除するという処理を行う。図9にリリース制御処理の詳細を示したフローチャートを示し、この図を参照してリリース制御処理について説明する。
In the release control process, the
まず、ステップ400では、リリース駆動時間KTRを設定する。リリース駆動時間KTRは、ロック制御時にモータ10によって推進軸18やピストン19およびブレーキパッド11を移動させた量が多いほど長くなる。このため、本実施形態では、図10に示すモータカット電流IMCUTに対するリリース駆動時間KTRの特性MAP(ICUT)を表したマップに基づいて、モータカット電流IMCUTが大きくなる程特性MAP(ICUT)が大きくなるようにし、その特性MAP(ICUT)をリリース駆動時間KTRとして設定している。この後、ステップ405に進み、リリース駆動時間を計測するリリース制御時間カウンタCTRがステップ400で設定されたリリース駆動時間KTRを超えているか否かを判定する。リリース制御時間カウンタCTRとは、リリース制御が開始されてからの経過時間を計測するカウンタであり、リリース制御処理開始と同時にカウントを始める。
First, in
そして、リリース制御時間カウンタCTRがリリース駆動時間KTRを超えていない状態であれば、まだリリース制御が継続されることになるため、ステップ410に進んでロック状態フラグFLOCKをオフすると共にリリース制御時間カウンタCTRをインクリメントし、モータリリース駆動をオン、つまりモータ10を逆回転させる。これにより、モータ10の逆回転に伴って、回転軸17が回転され、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いによる摩擦力に基づいて推進軸18がブレーキディスク12から離れる方向に移動させられる。これにより、ピストン19およびブレーキパッド11も同方向に移動させられる。
If the release control time counter CTR does not exceed the release drive time KTR, the release control is still continued. Therefore, the process proceeds to step 410 and the lock state flag FLOCK is turned off and the release control time counter CTR is incremented and the motor release drive is turned on, that is, the
一方、ステップ405で肯定判定されると、リリースが完了したことを意味するリリース状態フラグFRELをオンすると共にリリース制御時間カウンタCTRを0にし、モータリリース駆動をオフする。したがって、モータ10の回転が停止され、雄ネジ溝17aと雌ネジ溝18aとの噛合いによる摩擦力により、ブレーキパッド11がブレーキディスク12から離れた状態のままで保持される。これにより、リリース制御処理が完了する。
On the other hand, if an affirmative determination is made in
このようにして、ロック制御処理およびリリース制御処理が終了すると、図4のステップ160におけるロック・リリース表示処理を行う。図11にロック・リリース表示処理の詳細を示したフローチャートを示し、この図を参照してロック・リリース表示処理について説明する。
When the lock control process and the release control process are thus completed, the lock / release display process in
ステップ500では、ロック状態フラグFLOCKがオンされているか否かを判定する。ここで肯定判定されればステップ505に進んでロック・リリース表示ランプ25を点灯させ、否定判定されればステップ510に進んでロック・リリース表示ランプ25を消灯する。このように、ロック状態であればロック・リリース表示ランプ25を点灯し、リリース状態もしくはリリース制御が開始された状態のときにはロック・リリース表示ランプ25を消灯する。これにより、ドライバにロック状態であるか否かを認識させることが可能となる。このようにして、ロック・リリース表示処理が完了し、これに伴って駐車ブレーキ制御処理が完了する。
In
図12は、このような駐車ブレーキ制御処理を実行したときのタイミングチャートである。この図に示されるように、時点T1において操作SW23がオンされると、それと同時にリリース状態フラグFRELがオンからオフに切り替わり、モータロック駆動がオンになる。そして、ロック制御時間カウンタCTLがインクリメントされていく。なお、このときには、前回ロック制御が行われたときに設定されたパッド温度推定値TPADが保持された状態になっている。
FIG. 12 is a timing chart when such parking brake control processing is executed. As shown in this figure, when the
そして、モータ10に電流が流されると、モータ電流IMOTORはモータ10に電流が流された当初は突入電流により大きな値となり、時点T2において空転電流最大値KMAXを超える。これにより、空転電流サンプリングタイマCTSINFがインクリメントされ始め、空転電流サンプリング時間KTSINFに達するまで空転電流INFのサンプリングが行われる。
When a current is supplied to the
この後、モータ電流IMOTORは、突入電流による大きな値から徐々に低下していく。そして、低下していくたびにモータ電流IMOTORの最低値が空転電流INFとして更新されていき、空転電流サンプリング時間KTSINF中におけるモータ電流IMOTORの最低値が最終的に空転電流INFに設定される。また、空転電流サンプリング時間KTSINFが経過した時点T3において、その空転電流INFとそのときに読込まれたモータ電圧VMOTORおよび図6に示した特性MAP(INF,VMOTOR)からパッド温度推定値TPADが決定される。そして、さらに決定されたパッド温度推定値TPADおよび図8に示した特性MAP(TPAD)からモータカット電流IMCUTを設定する。 Thereafter, the motor current IMOTOR gradually decreases from a large value due to the inrush current. Each time the voltage decreases, the minimum value of the motor current IMOTOR is updated as the idling current INF, and the minimum value of the motor current IMOTOR during the idling current sampling time KTSINF is finally set to the idling current INF. Further, at the time T3 when the idle current sampling time KTSINF has elapsed, the pad temperature estimated value TPAD is determined from the idle current INF and the motor voltage VMOTOR read at that time and the characteristic MAP (INF, VMOTOR) shown in FIG. The Then, motor cut current IMCUT is set from estimated pad temperature estimated value TPAD and characteristic MAP (TPAD) shown in FIG.
そして、無負荷状態(空転状態)が終わってブレーキパッド11がブレーキディスク12に接して押圧力が加えられ始めた状態、すなわちブレーキ力が発生させられ始められた状態となり、時点T4においてモータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTに到達すると、発生させられたブレーキ力が所望の値になったとしてロック制御が完了となる。これにより、ロック状態フラグFLOCKがオンされると共にモータロック駆動が停止され、ロック制御時間カウンタCTLが0となる。したがって、モータ電流IMOTORが低下し、オフ時の電流値(=0)となる。
Then, after the no-load state (idling state) is finished, the
一方、操作SW23がオフされたときに関しては図示していないが、それと同時にロック状態フラグFLOCKがオンからオフに切り替わり、モータリリース駆動がオンになり、モータ10に電流が流される。また、リリース制御時間カウンタCTRがインクリメントされていく。そして、リリース制御時間カウンタCTRがモータカット電流IMCUTに基づいて設定されたリリース駆動時間KTRを超えると、ブレーキパッド11がブレーキディスク12から離れてブレーキ力が解除された状態となり、かつ、ブレーキパッド11とブレーキディスク12との間に所望の遊びが設けられた状態になる。これにより、リリース制御が完了となり、リリース状態フラグFRELがオンされると共にモータリリース駆動が停止され、リリース制御時間カウンタCTRが0となる。これにより、モータ電流IMOTORがオフ時の電流値(=0)となる。
On the other hand, although not shown when the
以上説明したように、本実施形態では、モータ10の空転電流INFおよびモータ電圧VMOTORに基づいてパッド温度推定値TPADを決定している。このため、外気温センサを別途追加しなくてもブレーキパッド11の温度を推定することが可能となる。そして、このパッド温度推定値TPADに基づいてブレーキパッド11の熱収縮に伴うブレーキ力の低下を防止するための制御、本実施形態の場合にはロック制御時のモータカット電流IMCUTの設定を行うようにしている。これにより、ブレーキパッド11の熱収縮に伴うブレーキ力の低下を防止することが可能となる。
As described above, in this embodiment, the pad temperature estimated value TPAD is determined based on the idling current INF of the
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のブレーキシステムは、第1実施形態に対して再ロック設定処理を追加したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
(Second Embodiment)
A second embodiment of the present invention will be described. The brake system of this embodiment is obtained by adding a re-lock setting process to the first embodiment, and the other parts are the same as those of the first embodiment, and therefore only different parts will be described.
本実施形態では、パッド温度推定処理に加えて、再ロック設定処理を行う場合について説明する。図13は、再ロック設定処理を加えた場合の駐車ブレーキ制御処理の詳細を示したフローチャートである。 In the present embodiment, a case where relock setting processing is performed in addition to pad temperature estimation processing will be described. FIG. 13 is a flowchart showing details of the parking brake control process when the re-lock setting process is added.
本実施形態の駐車ブレーキ制御処理は、図4に示した第1実施形態における駐車ブレーキ制御処理とほぼ同様であるが、図13中に示したように、パッド温度推定処理後に、ステップ125として、再ロック設定処理を実行している点が異なる。再ロック設定処理は、一度ロック制御を行うことで所望のブレーキ力を発生させた状態とした後に、ブレーキパッド11の熱収縮によるブレーキ力の低下を考慮して、再度ロック制御を行うものである。駐車ブレーキ制御処理に再ロック設定処理を追加する場合であっても、基本的にはパッド温度推定処理、ロック制御処理、リリース制御処理、ロック・リリース表示処理の内容はほぼ変更がないが、パッド温度推定処理の一部だけを変更している。
The parking brake control process of the present embodiment is substantially the same as the parking brake control process in the first embodiment shown in FIG. 4, but as shown in FIG. The difference is that the re-lock setting process is executed. The re-lock setting process is to perform the lock control again in consideration of a decrease in the brake force due to the thermal contraction of the
図14は、再ロック設定処理が追加される場合のパッド温度推定処理の詳細を示したフローチャートである。この図に示したように、ステップ205で肯定判定された場合に、直ぐにステップ220に進んでパッド温度推定値TPADを決定するための各処理を実行するのではなく、ステップ255の処理を追加し、ステップ255においてパッド温度推定禁止フラグFDTPADがオンされているか否かを判定する処理を行う。パッド温度推定禁止フラグFDTPADは、後述するステップ680において再ロック制御時にオンされるものであるが、再ロック制御時には空転電流INFが発生しないため、改めて空転電流INFを求めることができない。このため、ロック制御の前に行われたパッド温度推定処理の際に決定されたパッド温度推定値TPADを用いるようにする。このため、パッド温度推定禁止フラグFDTPADがオンされていれば、ステップ220以降の処理には進まず、ステップ210に戻ってパッド温度推定値TPADを決定するための各種処理を行わないようにする。
FIG. 14 is a flowchart showing details of the pad temperature estimation process when the relock setting process is added. As shown in this figure, when an affirmative determination is made in
次に、再ロック設定処理の詳細について説明する。図15は、再ロック設定処理の詳細を示したフローチャートである。 Next, details of the relock setting process will be described. FIG. 15 is a flowchart showing details of the relock setting process.
まず、ステップ600では、操作SW23がオンしているか否かを判定する。操作SW23がオンであれば、ドライバがEPB2を作動させてロック状態にしようとしているため、この場合にのみ再ロック制御が実行されるようにする。したがって、ここで否定判定されればステップ610に進み、パッド温度推定禁止フラグFDTPADをオフし、再ロック開始時間タイマCTLBLおよび再ロック制御カウンタCNLOCKをオフする。
First, in
一方、ステップ600で肯定判定されれば、ステップ620に進む。そして、ステップ620において、再ロック制御回数KNRLOCKと再ロック開始時間KTLBLを設定する。ここで、再ロック制御回数KNRLOCKは、再度ロック制御を何度実行するかを表しており、再ロック開始時間KTLBLは、再ロック制御の実行を開始するまでの時間を表している。
On the other hand, if an affirmative determination is made in
図16は、パッド温度推定値TPADに対する再ロック制御回数KNRLOCKの特性MAP1(TPAD)の一例を示したマップである。この図に示されるように、再ロック制御回数KNRLOCKは、パッド温度推定値TPADに基づいて設定される。つまり、パッド温度推定値TPADが高い程、ブレーキパッド11の熱収縮が大きいため、それだけ再ロック制御の回数を増やす方が好ましい。このため、再ロック制御回数KNRLOCKは、パッド温度推定値TPADが高い程多い値とされ、再度ロック制御を実行する必要がなければ再ロック制御回数KNRLOCKが0に設定される。
FIG. 16 is a map showing an example of the characteristic MAP1 (TPAD) of the relock control count KNRLOCK with respect to the pad temperature estimated value TPAD. As shown in this figure, the relock control count KNRLOCK is set based on the pad temperature estimated value TPAD. That is, as the pad temperature estimated value TPAD is higher, the thermal contraction of the
図17は、パッド温度推定値TPADに対する再ロック開始時間KTLBLの特性MAP2(TPAD)の一例を表したマップである。この図に示されるように、再ロック開始時間KTLBLも、パッド温度推定値TPADに基づいて設定される。つまり、パッド温度推定値TPADが高い程、ブレーキパッド11の熱収縮が大きいため、それだけ早く再度ロック制御を実行した方が好ましい。このため、再ロック開始時間KTLBLは、パッド温度推定値TPADが高い程短い値とされる。
FIG. 17 is a map showing an example of the characteristic MAP2 (TPAD) of the relock start time KTLBL with respect to the pad temperature estimated value TPAD. As shown in this figure, the relock start time KTLBL is also set based on the pad temperature estimated value TPAD. That is, as the pad temperature estimated value TPAD is higher, the thermal contraction of the
続いてステップ630に進み、再ロック制御回数KNRLOCKが0であるか否かを判定する。上記ステップ620において、再ロック制御回数KNRLOCKが0に設定された場合、本ステップで肯定判定される。この場合には、再度ロック制御を実行する必要がないため、ステップ610に進んだのち再ロック設定処理を終了する。そして、本ステップで否定判定された場合には、再度ロック制御を実行すべく、ステップ640に進む。
Subsequently, the routine proceeds to step 630, where it is determined whether or not the relock control count KNRLOCK is zero. If the relock control count KNRLOCK is set to 0 in
ステップ640では、ロック状態フラグFLOCKがオンしているか否かを判定する。ロック状態フラグFLOCKがオンになっているときには既に1度ロック制御が完了した状態となる。このような状態のときに再度ロック制御を実行する必要があるため、ここで肯定判定された場合にのみステップ650に進み、否定判定されればそのまま処理を終了する。
In
ステップ650では、再ロック制御カウンタCNLOCKが再ロック制御回数KNRLOCK以上になったか否かを判定する。再ロック制御カウンタCNLOCKは、再度ロック制御を実行した回数を示したものであり、この再ロック制御カウンタCNLOCKが再ロック制御回数KNRLOCK以上になるまでは再度ロック制御を実行する必要がある。このため、本ステップで否定判定されればステップ660に進む。そして、本ステップで肯定判定され、既に再ロック制御が所望回数実行されていれば、そのまま処理を終了する。
In
ステップ660では、再ロック開始時間タイマCTLBLが再ロック開始時間KTLBLを超えたか否か、つまり再度ロック制御を実行するタイミングに至ったか否かを判定する。そして、再ロック制御カウンタCNLOCKが再ロック開始時間KTLBLを超え、再度ロック制御を実行するタイミングに至るまではステップ670に進んで再ロック制御カウンタCNLOCKがインクリメントし続けて再度ロック制御を実行するタイミングになるまで待ち、そのタイミングに至るとステップ680に進む。そして、ステップ680において、ロック状態フラグFLOCKをオフにし、パッド温度推定禁止フラグFDTPADをセットすると共に、再ロック開始時間タイマCTLBLを0にリセットし、さらに再ロック制御カウンタCNLOCKをインクリメントして処理を終了する。
In
これにより、再び図13のステップ140において否定判定されることになり、再度ロック制御が実行されるようになる。このときには、前のロック制御の時に使用されたパッド温度推定値TPADを用いることでモータカット電流IMCUTが設定され、最初のロック制御時と同じように再ロック制御が実行される。このような再ロック制御が所望回数、つまり再ロック制御カウンタCNLOCKが再ロック制御回数KNRLOCKに至るまで繰り返し実行され、所望回数に至ると、ステップ650で肯定判定されるようになるため、それ以降は再ロック制御が行われなくなる。
As a result, a negative determination is again made in
図18は、このような駐車ブレーキ制御処理を実行したときのタイミングチャートである。この図に示されるように、時点T11において操作SW23がオンされたのち、第1実施形態と同様に、空転電流最大値KMAXを超えた後に最低値となったときのモータ電流IMOTORが空転電流INFとして設定され、これに基づいて時点T12においてモータカット電流IMCUTが設定される。これと同時に、再ロック設定処理により、再ロック制御回数KNRLOCKが例えば2回に設定される。
FIG. 18 is a timing chart when such parking brake control processing is executed. As shown in this figure, after the
そして、時点T13においてモータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTに至るとロック制御が終了となり、そこから再ロック開始時間タイマCTLBLがインクリメントされ始める。それから、時点T14において再ロック開始時間タイマCTLBLが再ロック開始時間KTLBLに至るまでカウントアップされると、再度ロック制御が行われ、最初のロック制御と同様に、モータ電流IMOTORがモータカット電流IMCUTに至るとロック制御が終了となる。これを再ロック制御回数KNRLOCKである2回繰り返すと、再度のロック制御を完了する。 Then, when the motor current IMOTOR reaches the motor cut current IMCUT at time T13, the lock control is finished, and the relock start time timer CTLBL starts incrementing from there. Then, when the re-lock start time timer CTLBL is counted up to the re-lock start time KTLBL at time T14, the lock control is performed again, and the motor current IMOTOR is changed to the motor cut current IMCUT similarly to the first lock control. When this happens, the lock control is terminated. When this is repeated twice, which is the relock control count KNRLOCK, the lock control is completed again.
以上説明したように、本実施形態でも、モータ10の空転電流INFおよびモータ電圧VMOTORに基づいてパッド温度推定値TPADを決定している。そして、それに基づいてブレーキパッド11の熱収縮に伴うブレーキ力の低下を防止するための制御、本実施形態の場合にはロック制御時や再度のロック制御時のモータカット電流IMCUTの設定に加え、再ロック制御回数KNRLOCKおよび再ロック開始時間KTLBLの設定を行うようにしている。これにより、第1実施形態と同様の効果を更に得ることが可能となる。
As described above, also in this embodiment, the pad temperature estimated value TPAD is determined based on the idling current INF of the
(他の実施形態)
上記各実施形態では、モータ10の空転電流INFとモータ電圧VMOTORに基づいてパッド温度推定値TPADを決定できる形態の一例として、図2に示すようにモータ10がW/C6のボディ14に直接取り付けられている構造を挙げて説明した。しかしながら、これは単なる一例であり、ブレーキパッドの温度と相関のある場所に設置されていれば、モータ10がキャリパ13に対して直接取り付けられているような形態でなくても良い。
(Other embodiments)
In each of the above embodiments, as an example of a form in which the pad temperature estimated value TPAD can be determined based on the idling current INF of the
また、上記実施形態では、空転電流INFとモータ電圧VMOTORの双方に基づいてブレーキパッド11の温度であるパッド温度推定値TPADを取得したが、無論、空転電流INFのみに基づいてパッド温度推定値TPADを取得することもできる。
In the above embodiment, the estimated pad temperature TPAD, which is the temperature of the
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。すなわち、EPB−ECU13のうち、ステップ120の目標電流値演算処理を実行する部分が目標電流値演算手段、ステップ150のロック制御処理を実行する部分がロック制御手段、ステップ200、240にて空転電流INFやモータ電圧VMOTORを検出する部分が検出手段、ステップ250においてパッド温度推定値TPADを取得する部分が温度推定手段、ステップ300においてモータカット電流IMCUTを設定する部分がモータカット電流設定手段、ステップ620において再度ロック制御を実行するときの回数やその時間を設定する部分が回数設定手段や時間設定手段に相当する。
The steps shown in each figure correspond to means for executing various processes. That is, in the EPB-
1…サービスブレーキ、2…EPB、5…M/C、6…W/C、7…ESCアクチュエータ、10…モータ、11…ブレーキパッド、12…ブレーキディスク、13…キャリパ、14…ボディ、14a…中空部、14b…通路、17…回転軸、17a…雄ネジ溝、18…推進軸、18a…雌ネジ溝、19…ピストン、30…モータ駆動回路、32…電流検出抵抗
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記モータ電流(IMOTOR)を出力して電動モータ(15)を駆動することによりブレーキ力を発生させ、前記モータ電流(IMOTOR)がモータカット電流(IMCUT)に達すると前記モータ電流(IMOTOR)の出力を停止するロック制御手段(150)と、
前記電動モータ(10)に流す無負荷時の前記モータ電流(IMOTOR)に相当する空転電流(INF)を検出する検出手段(200、240)と、
前記空転電流(INF)に基づいて、前記空転電流(INF)が大きい程低くなるように、前記ブレーキパッド(11)の温度であるパッド温度推定値(TPAD)を取得する温度推定手段(250)と、を有し、
前記パッド温度推定値(TPAD)に基づいて前記ロック制御により発生させるブレーキ力が前記ブレーキパッド(11)の熱収縮により低下することを抑制する制御を実行することを特徴とする駐車ブレーキ制御装置。 An electronic parking brake that generates a braking force by driving the electric motor (10) by outputting a motor current (IMOTOR) and generating a pressing force to press the brake pad (11) against the brake disk (12) ( A parking brake control device that controls a parking brake using a brake system in which the electric motor (10) is installed at a location correlated with the temperature of the brake pad (11),
A brake force is generated by driving the electric motor (15) by outputting the motor current (IMOTOR). When the motor current (IMOTOR) reaches the motor cut current (IMCUT), the motor current (IMOTOR) is output. Lock control means (150) for stopping
Detection means (200, 240) for detecting an idling current (INF) corresponding to the motor current (IMOTOR) when no load is passed through the electric motor (10);
Based on the idling current (INF), a temperature estimating means (250) for obtaining a pad temperature estimated value (TPAD) which is the temperature of the brake pad (11) so that the idling current (INF) becomes lower as the idling current (INF) becomes larger. And having
A parking brake control device that performs control to suppress a brake force generated by the lock control from being reduced due to thermal contraction of the brake pad (11) based on the pad temperature estimated value (TPAD).
前記温度推定手段(250)は、前記空転電流(INF)および前記モータ電圧(VMOTOR)に基づいて、前記空転電流(INF)が大きい程低くなり、かつ、前記モータ電圧(VMOTOR)が高い程高くなるように、前記ブレーキパッド(11)の温度であるパッド温度推定値(TPAD)を取得することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の駐車ブレーキ制御装置。 The detection means (200, 240) also detects a motor voltage (VMOTOR) applied to the electric motor (10),
Based on the idling current (INF) and the motor voltage (VMOTOR), the temperature estimating means (250) decreases as the idling current (INF) increases and increases as the motor voltage (VMOTOR) increases. The parking brake control device according to any one of claims 1 to 4, wherein a pad temperature estimated value (TPAD) which is a temperature of the brake pad (11) is acquired.
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