JP4995435B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池への水素供給を連続的に行う事が出来るようにするための構造に関するものであり、特に、水素供給のための消費電力を一切用いないシステムに適用される技術に関するものである。
自動車や携帯機器向けの燃料電池システムにおいては、敷設配管による水素供給を期待できないため、水素貯蔵、水素発生、燃料電池への水素供給といった水素取扱い技術は極めて重要な課題であり、各種研究所、企業にて研究開発が進められている。これらの燃料電池システムでは、高圧ボンベや水素吸蔵合金による水素貯蔵、もしくは、ケミカルハイドライドのような水素化合物による水素貯蔵が必要であり、また、これら貯蔵体からの水素発生や、適量の水素を燃料電池に供給する制御技術が要求されている。
さて、燃料電池では、水素を反応物とした電気化学反応が行われるため、発電電流に応じた水素供給速度による水素供給が必要である。負荷が変動して発電電流が変動した場合、水素供給速度も対応して変動させる必要がある。ここで、ケミカルハイドライドの一つである加水分解型の水素発生を行う金属水素化物について、複数の反応器を並列に接続した構成が示されている(例えば特許文献1参照。)。
ケミカルハイドライドの加水分解反応は、当参考文献によれば、ケミカルハイドライドに水蒸気を供給すれば起きることとなっている。そこで水素量制御は、電力や水素圧の検出、制御ユニットへの要求水素量の入力、反応器使用数の設定、利用する反応器の決定、ポンプやヒータを用いた適量の水蒸気の発生、利用する反応器への水蒸気供給といった段階を経てなされる。要求水素量の変化には、反応器使用数を変化させることにより対応が出来る構成である。
特開平2002−154802号公報(第4−5頁、第1図)
しかしながら、現段階の水素取扱い技術では少なからず電力を消費してしまう。詳しくは、水素発生のための加熱や反応物移動、発電電流をフィードバックして供給水素量を制御するためのセンサや回路、バルブなどによる電力消費である。これら燃料電池運転のためのシステム電力消費は、燃料電池での発電電力の内、外部で実効的に使用できる実効出力を減じるものであるため、システム電力消費量を可能な限り低減させる事が必要である。
更に付け加えて、自動車や携帯機器向けのような可搬式燃料電池においては、水素や水素源といった燃料は、貯蔵量を使用すると補給することとなり、断続的な燃料補給に成らざるを得ない。そのため、燃料補給の際、燃料電池の運転を一旦停止しなくてはならなくなり、不便である。
以上の点を鑑みて、本発明は、発電電流の変化に対応して発電部に供給する水素量を変化させるための電力消費を低減することにより、燃料電池システムの有効出力、エネルギー密度を向上させ、更に安全に燃料補給を行い、その際にも燃料電池を運転し続ける事が可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池と、水素を貯蔵する部位、もしくは、水素源となる反応物質を貯蔵し水素発生反応を発生させる部位であり、水素排出口を有する水素供給部と、一端が負極室と連結され、他端が水素排出口との接続口となっており、水素排出口と接続して水素が流通する供給管と、複数の水素供給部の排出口が、それぞれ、複数の接続口を有する供給管と接続されていることを特徴としている。
更に、水素供給部から負極室までの空間を外部と遮断された閉空間とし、供給管の接続口、もしくは、水素供給部の水素排出口に隣接して、圧力調整弁を具備し、各圧力調整弁の出力圧が異なることを特徴としている。
これにより、複数の水素供給部の内、出力圧が低い圧力調整弁と接続された水素供給部から水素が負極室に送られることとなり、その供給速度が小さい時は、水素圧が低下し続けるため、次に出力圧が小さい圧力調整弁と接続された水素供給部からも水素を供給する事となる。圧力調整弁は出力圧の設定を固定したままで良いため、特に水素の要求使用量の検出や入力を電気的に行う必要がなく、電力を用いずに水素供給速度を変化する事が可能となる。
水素供給部としては、特に限定しないが、水素吸蔵合金を内部に貯蔵した容器、高圧水素タンクを利用する事が出来る。
また、水素供給部が、水溶液を貯蔵する液体タンクと、水溶液を供給すると加水分解により水素を発生する事が可能な無機水素化物を貯蔵する水素発生器とから成り、水素排出口は水素発生器に備えており、液体タンクと水素発生器の間に、液体タンクから水素発生器の向きを水溶液の送液方向とする逆止弁を有し、逆止弁から負極室までの空間を外部と遮断された閉空間とすることを特徴としている。
これにより、加水分解により水素を発生する反応系に関して、電力を用いることなく必要量の水素を発生する事が可能となる。逆止弁から負極室までの水素空間は、燃料電池の発電に伴って内圧が低下することとなり、液体タンク内圧より水素空間の内圧が低下すると、液体タンクから水溶液が水素発生器に流入して水素発生反応が起きるため、水素空間の内圧が上昇し、逆止弁により水素発生器への水溶液の流入が停止するといった作用を繰り返すためである。
無機水素化物には、例えば、アルカリ金属、もしくは、アルカリ土類金属の水素化物を用いる事が可能である。
更に、複数の水素供給部に具備された逆止弁の開弁圧が、それぞれ異なることを特徴としている。
これにより、逆止弁を通して水素発生器に水溶液が流入する時の圧力が変化する。そこで、開弁圧が低い逆止弁と接続された水素発生器での水素発生反応の速度が、要求水素量より少ない場合、水素空間の内圧が低下し続けるため、次に開弁圧が低い逆止弁が開弁され、この逆止弁と接続された水素発生器での水素発生反応が生じることとなる。ここで要求水素量より発生水素量が少なければ、更に次に開弁圧が低い逆止弁に接続された水素発生器で水素発生が起きる事になるし、水素発生量が要求水素量に達していればこの状態で水溶液の供給を停止する事ができる。逆止弁は開弁圧の設定を固定したままで良いため、特に水素の要求使用量の検出や入力を電気的に行う必要がなく、電力を用いずに水素供給速度を変化する事が可能となる。
更に付け加えて、水素排出口と接続口との切り離し時、水素供給部及び供給管から水素が流出せず、水素排出口と接続口との接続時、水素が流動可能となる機能を有するカプラーを水素供給部と供給管との間に具備したことを特徴としている。
これにより、水素供給が有効速度で行われない水素供給部を切り離し、新規の水素供給部を接続する事が出来るようになる。水素供給部切り離し時、他の水素供給部を運転させる事が可能なため、燃料電池の運転を停止することなく水素供給部の交換を行えるようになる。尚、排出弁、もしくは、逆止弁の開弁圧が小さい弁に接続された水素供給部から順に水素供給速度が遅くなるため、開弁圧が小さい排出弁、もしくは、逆止弁に接続された水素供給部が先に切り離すこととなる。
カプラーの前後に、好ましくは、カプラーより負極室側に、圧力センサ、バルブをとりつけ、圧力のしきい値を設定し、しきい値を下回った場合これを知らせる装置を設置してもよい。取り付ける順は、水素供給部、カプラー、圧力センサ、バルブの順である。これにより、どの水素供給部を取外すべきかが分かるようになる。
また、水素供給部に温度センサを取り付けてもよい。水素吸蔵合金や無機水素化物では、水素発生時温度が変化するためである。温度変化が小さくなった時が水素供給部の交換のタイミングである。
水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池と、
加水分解により水素を発生させる事が可能な無機水素化物を貯蔵する水素発生器を複数接続し、無機水素化物に供給するための水溶液を貯蔵する液体タンクと、液体タンクと複数の水素発生器の間に、液体タンクから水素発生器の向きを水溶液の送液方向とする逆止弁を具備した水素供給部と、
一端が負極室と連結され、他端が水素発生器から水素を排出する排出口と接続して水素が流通する供給管とから成り、
水素発生器の少なくとも1つが供給管と連結されて、水素発生器で発生した水素が負極室に移動可能になっており、逆止弁から負極室までの空間を外部と遮断された閉空間とすることを特徴としている。
これにより、逆止弁から負極室までの水素空間が閉空間である事から、水素空間と液体タンクの圧力関係で水溶液の無機化合物への送液、送液停止を行えるようになり、発電電流に応じた水素量を自動的に発生させる事が出来るようになる。加えて、複数の水素発生器を、単一の液体タンクで運転させる事が可能となる。
無機水素化物には、例えば、アルカリ金属、もしくは、アルカリ土類金属の水素化物を用いる事が可能である。
逆止弁と水素発生器が接続されたユニットを複数具備し、各逆止弁がそれぞれ異なる開弁圧となっている事を特徴としている。
これにより、逆止弁を通して水素発生器に水溶液が流入する時の圧力が変化する。そこで、開弁圧が低い逆止弁と接続された水素発生器での水素発生反応の速度が、要求水素量より少ない場合、水素空間の内圧が低下し続けるため、次に開弁圧が低い逆止弁が開弁され、この逆止弁と接続された水素発生器での水素発生反応が生じることとなる。ここで要求水素量より発生水素量が少なければ、更に次に開弁圧が低い逆止弁に接続された水素発生器で水素発生が起きる事になるし、水素発生量が要求水素量に達していればこの状態で水溶液の供給を停止する事ができる。逆止弁は開弁圧の設定を固定したままで良いため、特に水素の要求使用量の検出や入力を電気的に行う必要がなく、電力を用いずに水素供給速度を変化する事が可能となる。
複数の水素発生器全てが、負極室と接続されていることを特徴としている。
これにより、開弁圧が低い逆止弁と接続されている水素発生器から順に、水素発生を起こすこととなる。
もしくは、複数の水素発生器がそれぞれ連結され、水素発生器間で水素、及び、内部の物質が移動することが可能であり、唯一の水素発生器が負極室と接続されていることを特徴としている。
その内、負極室と接続された水素発生器に接続された逆止弁の開弁圧が、その他の逆止弁の開弁圧より高いことを特徴としている。
これにより、開弁圧が低い逆止弁と接続されている水素発生器から順に、水素発生を起こすこととなる。
また、有効な速度で水素発生しなくなった水素発生器にも水溶液が送られてしまうが、この水溶液は有効に利用できなくなる。しかし上記の通り、複数の水素発生器がそれぞれ連結されていると、水素発生器に送られても未使用の水溶液を、他の水素発生器に送る事が出来るようになる。
またこの構成によれば、開弁圧の低い逆止弁に接続されている水素発生器(一段目の水素発生器と呼ぶ)において水素発生速度が低下した場合、次に開弁圧が低い逆止弁に接続されている水素発生器(二段目の水素発生器と呼ぶ)に水溶液が送られることとなるが、同時に一段目の水素発生器にも水溶液が送られる。一段目の水素発生器内は、水素供給速度が遅いとは言え、反応物が残留しており、これに水溶液が供給されるため、水素発生速度が遅いながらも水素発生反応を続けて起こす事が出来る。従って、一段目の水素発生器内に残留する反応物は極めて少なくなり、逆に言えば、反応率が極めて高くなる。この効果は、一段目の水素発生器に限ったことではなく、いずれの水素発生器においても同様の効果を生じせしめるため、燃料電池システム内に貯蔵された無機水素化物の反応率が極めて向上し、その結果、エネルギー密度を向上する事が可能となる。
水素発生器から水素が排出される排出部、もしくは、排出部に連結された配管に、排出弁を設置したことを特徴としている。
更に、複数の配管が、排出弁の水素発生器と反対側で合流し、負極室と連結されていることを特徴としている。
排出弁の開弁圧がそれぞれ異なっている事を特徴としている。
これにより、開弁圧が低い排出弁に接続された水素発生器の内圧が最初に低下するため、この水素発生器に水溶液が送られることとなる。また、要求水素量が多い場合、もしくは、水素発生速度が小さい場合は、次に開弁圧が低い排出弁に接続された水素発生器に水溶液が送られ、水素発生を起こすこととなる。
水素発生器の前後にて、水素発生器を経路から切り離した際、水素や水溶液が流出せず、また、水素発生器を経路と接続した際、水素や水溶液が流動可能となる機能を有するカプラーを水素発生部に具備したことを特徴としている。
これにより、水素供給が有効速度で行われない水素供給部を切り離し、新規の水素供給部を接続する事が出来るようになる。水素供給部切り離し時、他の水素供給部を運転させる事が可能なため、燃料電池の運転を停止することなく水素供給部の交換を行えるようになる。尚、排出弁、もしくは、逆止弁の開弁圧が小さい弁に接続された水素供給部から順に水素供給速度が遅くなるため、開弁圧が小さい排出弁、もしくは、逆止弁に接続された水素供給部が先に切り離すこととなる。
カプラーの前後に、好ましくは、カプラーより負極室側に、圧力センサ、バルブをとりつけ、圧力のしきい値を設定し、しきい値を下回った場合これを知らせる装置を設置してもよい。取り付ける順は、水素供給部、カプラー、圧力センサ、バルブの順である。これにより、どの水素供給部を取外すべきかが分かるようになる。
以上説明したように、本発明において、固体高分子形燃料電池、複数の水素供給部、水素が流通する供給管とで燃料電池システムを構成した。
更に、水素供給部から負極室までの空間を外部と遮断された閉空間とし、水素供給部の水素排出口に隣接して、圧力調整弁を具備し、各圧力調整弁の出力圧が異なるようにした。また、水素供給部の切り離し時水素が外部に流出せず、水素供給部接続時、水素が流動可能となる機能を有するカプラーを具備した。
これにより、出力圧が小さい圧力調整弁に接続された水素供給部から水素が供給され、水素供給速度が小さい時は排出弁の出力圧の小さい順に圧力調整弁が開弁され、複数の水素供給部から水素供給されることとなる。その際、特に水素の要求使用量の検出や入力を電気的に行う必要がなく、電力を用いずに水素供給速度を変化する事が可能となった。更に水素供給部毎に安全に交換する事が可能となり、交換時燃料電池の運転を停止する必要がなくなった。
水素供給速度の変化を、電力を用いずに行うことができるため、燃料電池での発電電力の内、外部で実効的に使用できる実効出力が高くなり、その結果、エネルギー密度が高い燃料電池システムを提供することが可能となった。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による水素吸蔵合金を用いた燃料電池システムの接続構成図である。燃料電池システムは、負極2、正極4に高分子電解質膜3を狭持して接合された燃料電池発電部と、負極2の高分子電解質膜3と対向する側に水素を貯留する負極室1と、負極室1に水素を供給する供給管5と、供給管5に水素を送るために用意された複数の水素供給部10a、10b、10c、10dと、各水素供給部10a、10b、10c、10dと供給管5とを接続するために水素供給部10a、10b、10c、10d毎に設けられた複数の接続部6と、各水素供給部10a、10b、10c、10dと各接続部6との間に設置された圧力調整弁20a、20b、20c、20dとから構成した。尚、水素供給部10a、10b、10c、10dと、圧力調整弁20a、20b、20c、20dの同一符号は、それぞれが接続されていることを示している。また水素供給部10a、10b、10c、10dから負極室1に至る部位は、外部と物質が流通しない閉空間となっている。
各圧力調整弁20a、20b、20c、20dの出力圧は異なっている。具体的には、圧力調整弁20aが20kPaG、圧力調整弁20bが15kPaG、圧力調整弁20cが10kPaG、圧力調整弁20dが5kMPaGとした。単位PaGはゲージ圧であることを示す。
水素供給部10a、10b、10c、10dは、水素吸蔵合金を内部に貯蔵した水素タンクとした。初期の水素タンク内圧は、常温で200kPaGである。
燃料電池システムの運転の結果、まず、水素供給部aから水素が負極室1に供給され続け、負極室1の内圧は圧力調整弁20aの出力圧である20kPaGを示していた。しかし、時間と共に水素供給部10aの内圧が徐々に低下し、それと共に負極室1の内圧が15kPaGとなると、水素供給部10bから水素が供給されるようになった。この時の負極室1の内圧は15kPaGであった。更に時間が経過すると、同様の作用で、水素供給部10c、水素供給部10dから水素が供給されるようになり、水素供給部10dから水素が供給されるようになった時点で負極室1の内圧が5kPaGとなった。
また、接続部6にカプラーを取り付けて水素供給部10a、10b、10c、10dを着脱できるようにした。水素供給部bから水素が供給され始めた時、つまり負極室1内圧が15kPaGに成った時に、水素供給部10aを取外し、水素供給部10aに水素を充填した後、再度着脱部に取り付けた。その結果、水素は水素供給部10aから供給されるようになり、負極室1の内圧は圧力調整弁20aの出力圧である20kPaGを示した。またその後の運転は、上記した運転結果と同様であった。従って燃料補給を、燃料電池を運転しながら行う事が出来た。また着脱時、カプラーにより供給管5及び水素供給部10aから水素が漏れず、安全に燃料補給ができた。
図2は、本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。燃料電池システムは、負極2、正極4に高分子電解質膜3を狭持して接合された燃料電池発電部と、負極2の高分子電解質膜3と対向する側に水素を貯留する負極室1と、負極室1に水素を供給する供給管5と、水溶液を貯蔵した複数の液体タンク11a、11b、11c、11dと、複数の水素発生器12a、12b、12c、12dと、各水素発生器12a、12b、12c、12dと供給管5とを接続するために水素発生器12a、12b、12c、12d毎に設けられた複数の接続部6、及び、各液体タンク11a、11b、11c、11dと各水素発生器12a、12b、12c、12dとの間に設置された逆止弁21a、21b、21c、21dとから構成した。尚、液体タンク11a、11b、11c、11d、水素発生器12a、12b、12c、12d、逆止弁21a、21b、21c、21dの同一符号は、それぞれが接続されていることを示している。また、逆止弁21a、21b、21c、21dから負極室1に至る部位は、外部と物質が流通しない閉空間となっている。
各逆止弁21a、21b、21c、21dの開弁圧は異なっている。具体的には、逆止弁21aが0kPaG、逆止弁21bが2kPaG、逆止弁21cが4kPaG、逆止弁21dが6kMPaGとした。単位PaGはゲージ圧であることを示す。
水素発生器12a、12b、12c、12d内には、固体の水素化ホウ素ナトリウムを格納した。また、液体タンク11a、11b、11c、11d内には、リンゴ酸水溶液を貯蔵した。尚、液体タンク11a、11b、11c、11dには、大気流入口を設け、内圧が大気圧一定になるようにした。ここでリンゴ酸は、水素化ホウ素ナトリウムと水が接触して水素を発生する時の触媒作用を示す物質である。
水素発生はリンゴ酸水溶液が水素化ホウ素ナトリウムに供給されることで生じる。リンゴ酸水溶液が送液されるための原動力は、液体タンク11a、11b、11c、11dと、水素発生器12a、12b、12c、12dの差圧である。この差圧は、液体タンク11a、11b、11c、11d内圧が大気圧であるが、燃料電池が発電して負極2において水素が消費されることにより、負極室1内圧が減圧されることにより発生する。ここで、水素は、リンゴ酸の触媒作用により急激に発生するため、水素発生器12a、12b、12c、12dの内圧が急激に上昇し、水素発生器12a、12b、12c、12d内圧が液体タンク11a、11b、11c、11dより高くなるため、逆止弁21a、21b、21c、21dの作用により、リンゴ酸水溶液の水素化ホウ素ナトリウムへの供給が停止する。水素発生器12a、12b、12c、12d内圧上限値や増加速度は、リンゴ酸水溶液の供給量及び供給速度によって決まるファクターである。これらはリンゴ酸水溶液を供給する配管の管径、及び、管長によってほぼ固定できる。本実施例では、この配管の管内径を200μm、管長を2cmとした。
燃料電池システムの運転の結果を以下に示す。負極室1内圧は初期大気圧と同じ0kPaGであった。運転が開始すると、内圧が−2kPaGの時に、まず、開弁圧が低い逆止弁21aと接続された水素発生器12aから水素が発生し、負極室1に水素が供給され、内圧最大値は5kPaGとなった。時間の経過にかかわらず、負極室1及び水素発生器12a内圧は、−2〜5kPaGの範囲内で上下していたが、水素化ホウ素ナトリウムが70%程度反応した時点以降において、水素発生速度が低下し、負極室1及び水素発生器12a内圧の下限値が低下し始め、内圧下限値−4kPaGに達すると、水素発生器12bから水素が発生し始めた。その後内圧は−4〜3kPaGを上下していたが、やはり、水素発生器12bでの水素発生速度が低下し始めると、水素発生器12c、次に水素発生器12dから水素が供給されるようになった。
尚、水素発生の開始は、大気圧0kPaGから、逆止弁21a、21b、21c、21dの開弁圧を差し引いた値に対し、負極室1及び水素発生器12a、12b、12c、12d内圧が2kPaG下回った時であった。これは、リンゴ酸水溶液の送液と、送液後の水素発生による内圧上昇に時間が掛かり、それに対し、その間も燃料電池が発電し続けたためである。
また、燃料電池の発電電流を変動させた場合の結果を、次に示す。発電電流を大きくさせると要求水素量が増すため、負極室1内圧の低下速度が速くなった。そのため、短時間の内に水素発生器12aでの水素発生速度が、要求水素量においつかなくなり、内圧下限値が−4kPaGに低下することとなった。その結果、水素発生器12bからも同時に水素が発生し、負極室1に水素が供給された。次に発電電流を小さくすると、内圧下限値が−2kPaGとなり、水素発生器12bからの水素発生が停止した。この事から、発電電流の変動による要求水素量の変動に対して、使用する水素発生器の数を変化させて対応できることが分かった。尚、この燃料電池システムでは、一切水素発生量を制御するための電力を用いていない。
また、接続部6にカプラーを取り付けて液体タンク11a、11b、11c、11d、水素発生器12a、12b、12c、12d、逆止弁21a、21b、21c、21dを着脱できるようにした。液体タンク11a内のリンゴ酸水溶液が全て送液された後、水素発生器12a、液体タンク11a、逆止弁21aから成るユニットを取外し、水素発生器12aの生成物を取り除き、水素化ホウ素ナトリウムを格納し、液体タンク11aにリンゴ酸水溶液を貯蔵した後、再度着脱部に取り付けた。その結果、水素は水素発生器12aから発生するようになり、負極室1の内圧下限値は−2kPaGを示すようになった。またその後の運転は、上記した運転結果と同様であった。従って燃料補給を、燃料電池を運転しながら行う事が出来た。また着脱時、カプラーにより供給管5及び水素発生器12aから水素が漏れず、安全に燃料補給ができた。
図3は、本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。燃料電池システムは、負極2、正極4に高分子電解質膜3を狭持して接合された燃料電池発電部と、負極2の高分子電解質膜3と対向する側に水素を貯留する負極室1と、負極室1に水素を供給する供給管5と、水溶液を貯蔵した液体タンク11と、複数の水素発生器12a、12b、12c、12dと、各水素発生器12a、12b、12c、12dと供給管5とを接続するために水素発生器12a、12b、12c、12d毎に設けられた複数の接続部6と、液体タンク11と各水素発生器12a、12b、12c、12dとの間に設置された逆止弁21a、21b、21c、21d、及び、水素発生器12a、12b、12c、12dと逆止弁21a、21b、21c、21dとを接続する接続部7から構成した。尚、水素発生器12a、12b、12c、12d、逆止弁21a、21b、21c、21dの同一符号は、それぞれが接続されていることを示している。また、逆止弁21a、21b、21c、21dから負極室1に至る部位は、外部と物質が流通しない閉空間となっている。
各逆止弁21a、21b、21c、21dの開弁圧は異なっている。具体的には、逆止弁21aが0kPaG、逆止弁21bが2kPaG、逆止弁21cが4kPaG、逆止弁21dが6kMPaGとした。単位PaGはゲージ圧であることを示す。
水素発生器12a、12b、12c、12d内には、固体の水素化ホウ素ナトリウムを格納した。また、液体タンク11内には、リンゴ酸水溶液を貯蔵した。尚、液体タンク11には、大気流入口を設け、内圧が大気圧一定になるようにした。ここでリンゴ酸は、水素化ホウ素ナトリウムと水が接触して水素を発生する時の触媒作用を示す物質である。
水素発生はリンゴ酸水溶液が水素化ホウ素ナトリウムに供給されることで生じる。リンゴ酸水溶液が送液されるための原動力は、液体タンク11と、水素発生器12a、12b、12c、12dの差圧である。この差圧は、液体タンク11内圧が大気圧であるが、燃料電池が発電して負極2において水素が消費されることにより、負極室1内圧が減圧されることにより発生する。ここで、水素は、リンゴ酸の触媒作用により急激に発生するため、水素発生器12a、12b、12c、12dの内圧が急激に上昇し、水素発生器12a、12b、12c、12d内圧が液体タンク11より高くなるため、逆止弁21a、21b、21c、21dの作用により、リンゴ酸水溶液の水素化ホウ素ナトリウムへの供給が停止する。水素発生器12a、12b、12c、12d内圧上限値や増加速度は、リンゴ酸水溶液の供給量及び供給速度によって決まるファクターである。これらはリンゴ酸水溶液を供給する配管の管径、及び、管長によってほぼ固定できる。本実施例では、この配管の管内径を200μm、管長を最短2cm、最長5cmとした。
燃料電池システムの運転の結果を以下に示す。負極室1内圧は初期大気圧と同じ0kPaGであった。運転が開始すると、内圧が−2kPaGの時に、まず、開弁圧が低い逆止弁21aと接続された水素発生器12aから水素が発生し、負極室1に水素が供給され、内圧最大値は5kPaGとなった。時間の経過にかかわらず、負極室1及び水素発生器12a内圧は、−2〜5kPaGの範囲内で上下していたが、水素化ホウ素ナトリウムが70%程度反応した時点以降において、水素発生速度が低下し、負極室1及び水素発生器12a内圧の下限値が低下し始め、内圧下限値−4kPaGに達すると、水素発生器12bから水素が発生し始めた。その後内圧は−4〜3kPaGを上下していたが、やはり、水素発生器12bでの水素発生速度が低下し始めると、水素発生器12c、次に水素発生器12dから水素が供給されるようになった。
尚、水素発生の開始は、大気圧0kPaGから、逆止弁21a、21b、21c、21dの開弁圧を差し引いた値に対し、負極室1及び水素発生器12a、12b、12c、12d内圧が2kPaG下回った時であった。これは、リンゴ酸水溶液の送液と、送液後の水素発生による内圧上昇に時間が掛かり、それに対し、その間も燃料電池が発電し続けたためである。
さて、水素発生速度が低下する理由は、反応生成物が水素化ホウ素ナトリウムとリンゴ酸水溶液の接触混合を阻害するためである。反応速度の低下は、水素化ホウ素ナトリウムが70%程度反応した時点から顕著になり、85%を超えた時点で実質的には反応が停止する。しかし、この反応生成物と未反応の水素化ホウ素ナトリウムが混合した状態のところに、更にリンゴ酸水溶液を供給すると、ほぼ100%の反応させる事が可能である。本構成によれば、例えば長時間運転後、水素発生器12aからの水素供給速度が遅くなり水素発生器12bから水素発生をする事になっても、尚、リンゴ酸水溶液は水素発生器12aに送られることとなる。従って、水素発生器12aの反応率を100%とする事が可能である。
実際に以下の実験を行った。まず、水素発生器12aに熱センサーを取り付けて水素発生反応の終了を検出できるようにしておいた。そして燃料電池システムを運転中、水素発生器12aでの水素発生が停止したことを確認して、これを取り外した。最後に、内部残留物質にリンゴ酸水溶液を供給して水素発生をさせようとしたところ、殆ど反応しなかった。燃料電池システムに接続中に、反応率98%とほぼ水素が発生したことがわかった。従って、本構成によれば、反応率を向上出来る事が分かり、エネルギー密度が向上する結果となった。
また、燃料電池の発電電流を変動させた場合の結果を次に示す。発電電流を大きくさせると要求水素量が増すため、負極室1内圧の低下速度が速くなった。そのため、短時間の内に水素発生器12aでの水素発生速度が、要求水素量においつかなくなり、内圧下限値が−4kPaGに低下することとなった。その結果、水素発生器12bからも同時に水素が発生し、負極室1に水素が供給された。次に発電電流を小さくすると、内圧下限値が−2kPaGとなり、水素発生器12bからの水素発生が停止した。この事から、発電電流の変動による要求水素量の変動に対して、使用する水素発生器の数を変化させて対応できることが分かった。尚、この燃料電池システムでは、一切水素発生量を制御するための電力を用いていない。
また、接続部6、接続部7にカプラーを取り付けて水素発生器12a、12b、12c、12dを着脱できるようにした。液体タンク11内のリンゴ酸水溶液が全て送液された後、水素発生器12aを取外し、水素発生器12aの生成物を取り除き、水素化ホウ素ナトリウムを格納した後、再度着脱部に取り付けた。その結果、水素は水素発生器12aから発生するようになり、負極室1の内圧下限値は−2kPaGを示すようになった。またその後の運転は、上記した運転結果と同様であった。従って燃料補給を、燃料電池を運転しながら行う事が出来た。また着脱時、カプラーにより供給管5及び水素発生器12aから水素が漏れず、安全に燃料補給ができた。
図4に実施例4を示す。図4では、供給管5は、水素発生器12dのみと接続しており、また、水素発生器12aと水素発生器12b、水素発生器12bと水素発生器12c、水素発生器12cと水素発生器12dのそれぞれの間に配管8と接続部9を設け、水素発生器12a、12b、12c、12dで発生した水素や反応生成物、供給されたリンゴ酸水溶液が相互に移動可能となっており、いずれの水素発生器で発生した水素も水素発生器12dを通った後、供給管5を通過して、負極室1に送られるようにした。
本構成によれば、例えば長時間運転後、水素発生器12aからの水素供給速度が遅くなり、リンゴ酸水溶液が水素発生器12bに送られて水素発生器12bから水素発生をする事になっても、水素発生器12aに送られることとなる。
燃料電池システム運転中、水素発生器12aからの水素供給が遅くなり、水素発生器12bから水素が発生しても、尚、水素発生器12aにリンゴ酸水溶液が供給され続けるのは、上記した通りである。この時、水素発生器12a内は、リンゴ酸水溶液が過剰に供給された状態であるため、内部の残留物質の液性が高かった。水素発生器12aから水素発生器12bに液状物質が移動し、これにより水素発生器12bから水素発生反応が発生した。従って、リンゴ酸水溶液を有効に用いる事ができるため、液体タンク11の容積を小さく出来た。エネルギー密度が向上することとなった。
尚、カプラーを設ける際は、接続部7、接続部8が設置箇所となる。
図5に実施例5を示す。図5では、供給管5は水素発生器12c、及び水素発生器12dと接続しており、供給管5上の水素発生器12c、12dの近くに接続部6を設置した点が、図4と異なっている。これによれば、水素発生器12a、12b、12cを取外し、残留物質を水素化ホウ素ナトリウムに入れ替えて、再度取り付けておけば、水素発生器12a、12b、12cから負極1に水素を供給し続ける事ができるため、水素発生器12dからの水素供給量が低下した場合でも、燃料電池システムを運転しながら水素発生器12dの着脱を行えるようになる。
図6は本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。燃料電池システムは、負極2、正極4に高分子電解質膜3を狭持して接合された燃料電池発電部と、負極2の高分子電解質膜3と対向する側に水素を貯留する負極室1と、負極室1に水素を供給する供給管5と、水溶液を貯蔵した液体タンク11と、複数の水素発生器12a、12b、12c、12dと、各水素発生器12a、12b、12c、12dと供給管5とを接続するために水素発生器12a、12b、12c、12d毎に設けられた複数の接続部6と、各接続部6と水素発生器12a、12b、12c、12dの間に設置された排出弁22a、22b、22c、22dと、液体タンク11と各水素発生器12a、12b、12c、12dとの間に設置された逆止弁21、及び、水素発生器12a、12b、12c、12dと逆止弁21とを接続する接続部7から構成した。尚、水素発生器12a、12b、12c、12d、排出弁22a、22b、22c、22dの同一符号は、それぞれが接続されていることを示している。水素は必ず水素発生器12a、12b、12c、12dから排出弁22a、22b、22c、22d、供給管5を通り、負極室1に移動する。また、逆止弁21から負極室1に至る部位は、外部と物質が流通しない閉空間となっている。
排出弁22a、22b、22c、22dは、減圧弁、逆止弁など選択できるが、本実施例では逆止弁とした。排出弁22a、22b、22c、22dの開弁圧は異なっている。具体的には、排出弁22aが0kPaG、排出弁22bが2kPaG、排出弁22cが4kPaG、排出弁22dが6kMPaGとした。単位PaGはゲージ圧であることを示す。
水素発生器12a、12b、12c、12d内には、固体の水素化ホウ素ナトリウムを格納した。また、液体タンク11内には、リンゴ酸水溶液を貯蔵した。尚、液体タンク11には、大気流入口を設け、内圧が大気圧一定になるようにした。ここでリンゴ酸は、水素化ホウ素ナトリウムと水が接触して水素を発生する時の触媒作用を示す物質である。
水素発生はリンゴ酸水溶液が水素化ホウ素ナトリウムに供給されることで生じる。リンゴ酸水溶液が送液されるための原動力は、液体タンク11と、水素発生器12a、12b、12c、12dの差圧である。差圧発生原理を以下に説明する。燃料電池が発電して負極2において水素が消費されることにより、負極室1内圧が減圧される。水素発生器12a、12b、12c、12d内圧と負極室1内圧とは、排出弁22a、22b、22c、22dの開弁圧相当の圧力差が生じ、負極室1内圧が低下すると、水素発生器12a、12b、12c、12d内圧も圧力差を維持しながら低下する。その結果、液体タンク11内圧が大気圧であることから、水素発生器と液体タンク11とに差圧が発生することとなる。
次に、リンゴ酸水溶液供給停止について説明する。差圧が発生してリンゴ酸水溶液が供給されると、水素はリンゴ酸の触媒作用により急激に発生するため、水素発生器12a、12b、12c、12dの内圧が急激に上昇し、水素発生器12a、12b、12c、12d内圧が液体タンク11より高くなるため、逆止弁21の作用により、リンゴ酸水溶液の水素化ホウ素ナトリウムへの供給が停止する。水素発生器12a、12b、12c、12d内圧上限値や増加速度は、リンゴ酸水溶液の供給量及び供給速度によって決まるファクターである。これらはリンゴ酸水溶液を供給する配管の管径、及び、管長によってほぼ固定できる。本実施例では、この配管の管内径を200μm、管長を最短2cm、最長5cmとした。
ここで、負極室1と各水素発生器の差圧が、各排出弁の開弁圧を超えないと排出弁が開弁しない。開弁しなければ、液体タンク11より水素発生器の内圧が低下しない。そのため、接続された排出弁22a、22b、22c、22dの開弁圧の低い方から順に、水素発生器12a、12b、12c、12dが使われることとなる。
燃料電池システムの運転の結果を以下に示す。負極室1内圧は初期大気圧と同じ0kPaGであった。運転が開始すると、内圧が−4kPaGの時に、まず、開弁圧が低い逆止弁21aと接続された水素発生器12aから水素が発生し、負極室1に水素が供給され、内圧最大値は1kPaGとなった。時間の経過にかかわらず、負極室1及び水素発生器12a内圧は、−4〜3kPaGの範囲内で上下していたが、水素化ホウ素ナトリウムが70%程度反応した時点以降において、水素発生速度が低下し、負極室1及び水素発生器12a内圧の下限値が低下し始め、内圧下限値−6kPaGに達すると、水素発生器12bから水素が発生し始めた。その後内圧は−6〜1kPaGを上下していたが、やはり、水素発生器12bでの水素発生速度が低下し始めると、水素発生器12c、次に水素発生器12dから水素が供給されるようになった。また、発電電流を増大させると複数の水素発生器から水素が供給され、発電電流を低下させると水素発生する水素発生器の数が低下した。こういった作用には、電力を一切用いていない。
尚、各水素発生器12a、12b、12c、12dにおける水素発生の開始は、大気圧0kPaGから、排出弁22a、22b、22c、22dの開弁圧を差し引いた値に対し、負極室1内圧が4kPaG下回った時であった。これは、リンゴ酸水溶液の送液と、送液後の水素発生による内圧上昇に時間が掛かっただけでなく、水素発生器12a、12b、12c、12dの内圧が負極室1内圧より開弁圧分高いため、水素発生器の内圧が大気圧を下回るのに時間が掛かったためである。
また、接続部6、接続部7にカプラーを取り付けて水素発生器12a、12b、12c、12dを着脱できるようにした。液体タンク11内のリンゴ酸水溶液が全て送液された後、水素発生器12aを取外し、水素発生器12aの生成物を取り除き、水素化ホウ素ナトリウムを格納した後、再度着脱部に取り付けた。その結果、水素は水素発生器12aから発生するようになり、負極室1の内圧下限値は−4kPaGを示すようになった。またその後の運転は、上記した運転結果と同様であった。従って燃料補給を、燃料電池を運転しながら行う事が出来た。また着脱時、カプラーにより供給管5及び水素発生器12aから水素が漏れず、安全に燃料補給ができた。
実施例1に示す本発明による水素吸蔵合金を用いた燃料電池システムの接続構成図である。 実施例2に示す本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。 実施例3に示す本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。 実施例4を示す図である。 実施例5を示す図である。 実施例6に示す本発明による水素化ホウ素ナトリウムを用いた燃料電池システムの接続構成図である。
符号の説明
1 負極室
2 負極
3 高分子電解質膜
4 正極
5 供給管
6 接続部
7 接続部
8 配管
9 接続部
10、10a、10b、10c、10d 水素供給部
11、11a、11b、11c、11d 液体タンク
12、12a、12b、12c、12d 水素発生器
20、20a、20b、20c、20d 圧力調整弁
21、21a、21b、21c、21d 逆止弁
22、22a、22b、22c、22d 排出弁

Claims (15)

  1. 水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池と、
    前記水素、または水素源となる反応物質を貯蔵し水素発生反応を行い前記水素を排出する水素排出口を有する複数の水素供給部と、
    前記負極室と複数の前記水素排出口と接続し、前記水素流通する供給管と、
    複数の前記水素排出口に隣接して設けられた複数の圧力調整部とを有し、
    複数の前記圧力調整部の出力圧が異なることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記圧力調整部は、圧力調整弁であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記圧力調整部は、逆止弁であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記水素排出口と前記接続口との切り離し時、前記水素供給部及び前記供給管から前記水素が流出せず、
    前記水素排出口と前記接続口との接続時前記水素が流動可能となる機能を有するカプラーを前記水素供給部と前記供給管との間に備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 水素及び酸化剤を反応して発電し、水素が存在する空間である負極室を有する固体高分子形燃料電池と、
    加水分解により前記水素を発生させる無機水素化物を貯蔵する複数の水素発生器と、
    前記無機水素化物に供給するための水溶液を貯蔵する液体タンクと、
    前記液体タンクと複数の前記水素発生器の間に、設けられた複数の圧力調整部とを有し、
    複数の前記圧力調整部の出力圧が異なることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 前記圧力調整部は、圧力調整弁であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記圧力調整部は、逆止弁であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 複数の前記水素発生器全てが、前記供給管と接続されていることを特徴とする請求項5からのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  9. 複数の前記水素発生器がそれぞれ連結され、前記水素発生器間で水素、及び、内部の物質が移動することを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  10. 唯一の前記水素発生器が前記供給管と接続されている請求項9記載の燃料電池システム。
  11. 前記供給管と接続された前記水素発生器に接続された圧力調整部出力圧が、その他の圧力調整部出力圧より高いことを特徴とする請求項9または10記載の燃料電池システム。
  12. 前記水素発生器から前記排出口、または、前記排出口に連結された配管に、排出弁を設置したことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  13. 複数の前記配管が、前記排出弁の前記水素発生器と反対側で合流し、前記負極室と連結することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システム。
  14. 前記排出弁の前記水素発生器と前記負極室との差圧が所定の開弁圧以上になったときに開く開弁圧がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項13に記載の燃料電池システム。
  15. 前記水素発生器の前後にて、前記水素発生器を経路から切り離し時は、前記水素や前記水溶液が流出せず、
    前記水素発生器と経路との接続時は、前記水素や前記水溶液が流動可能となる機能を有するカプラーを前記水素発生部に備えることを特徴とする請求項6乃至14のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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