JP4995165B2 - 電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置 - Google Patents

電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置 Download PDF

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本発明は、充放電が繰り返し行われる電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置に関する。
従来より、二次電池として用いられる蓄電器のうちの一つとして、電気二重層キャパシタがある。この電気二重層キャパシタは、電解質溶液中のアニオン(陰イオン)とカチオン(陽イオン)が、正極電極と負極電極の間で移動することにより、充電と放電を行うキャパシタである。電気二重層キャパシタは、充放電に化学的な反応が伴わないため、瞬時に充放電を行うことができることから注目されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−125559号公報
一般的に、電気二重層キャパシタの静電容量値を測定する際には、定電流又は所定パターンの電流により急速に充電(急速充電)を行った後に、定電圧で時間をかけて緩やかに充電(緩和充電)することが行われている。これは、急速充電によって充電が完了した後も、緩和充電を行うことにより、さらに充電が可能なためである。このように緩和充電を行うと、急速充電のみの充電によって測定される静電容量値よりも大きな静電容量値が測定される。これは、急速充電によって充電される静電容量とは別に、緩和充電によってのみ充電可能な静電容量が存在するからである。
また、このように急速充電によって充電可能な静電容量は、急速に放電(以下、「急速放電」と称す)を行うことが可能であり、一方、緩和充電によってのみ充電可能な静電容量は、急速放電を行うことはできない。
ところで、電気二重層キャパシタを作業機械等の実機に搭載して電源として使用する場合には、実機の稼働中に緩和充電を行うことはできないため、充電できるのは急速充電で充電可能な静電容量に留まる。また、実機の稼働中に電力供給が可能となるのは、急速放電が可能な静電容量に留まる。
このような実機の稼働中において、緩和充電まで行った上で測定された静電容量値を用いて充放電制御を行うと、稼働に伴う急速充電又は急速放電で利用される静電容量値とは異なるため、正確な充放電制御を行うことが困難になるという課題があった。
また、電気二重層キャパシタは化学反応を伴わずに充放電を行えるため、化学反応を伴う電池等に比べると劣化が少ないが、それでも劣化によって静電容量値は低下する。
このため、劣化前の静電容量値を用い続けて充放電の制御を行うと、実機の稼働で利用可能な静電容量値とは異なるため、正確な充放電制御を行うことが困難になるという課題があった。
そこで、本発明は、実機の稼働中においても、充放電に用いる静電容量値を正確に把握することのできる電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、
急速充放電が可能な第1領域と、前記第1領域よりも内部抵抗が大きい第2領域とを含むキャパシタと、
該キャパシタを充放電する昇降圧コンバータと、
該昇降圧コンバータを介して前記キャパシタとの電力の授受を行うDCバスと、
該DCバスに接続され、インバータを介して駆動される電気負荷と、
前記昇降圧コンバータを駆動制御するコントローラとを備えた電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法であって、
前記電気負荷の力行又は回生運転を繰り返して、前記第2領域の電圧を変動させ、
前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動定常状態になるように前記電気負荷の運転を停止し、
その後、前記コントローラは、前記第1領域を急速充電又は急速放電を行うとともに、急速充放電による圧の変化分を測定し、
前記急速充放電における電流値と前記定された圧の変化分とに基づいて前記第1領域の静電容量を導出する、電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法を提供するものである。
また、単位時間あたりの電圧の変化率が所定値以下である場合に、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動が定常状態であると判定してもよい。
また、充電又は放電の終了後の経過時間が所定時間以上である場合に、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動が定常状態であると判定してもよい。
本発明は、
急速充放電が可能な第1領域と、前記第1領域よりも内部抵抗が大きい第2領域とを含むキャパシタと、
該キャパシタを充放電する昇降圧コンバータと、
該昇降圧コンバータを介して前記キャパシタとの電力の授受を行うDCバスと、
該DCバスに接続され、インバータを介して駆動される電気負荷と、
前記昇降圧コンバータを駆動制御するコントローラとを備えた電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定装置であって、
前記コントローラは、
前記電気負荷の力行又は回生運転を繰り返して、前記第2領域の電圧を変動させ、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動定常状態になるように前記電気負荷の運転を停止し、所定パターンの電流で前記第1領域を急速充電又は急速放電する急速充放電部と、
前記急速充放電部による急速充電又は急速放電の後に、急速充放電による電圧の変化分を測定する電圧測定部と、
前記急速充放電部によって充電される際の電流値と前記電圧測定部によって測定された圧の変化分とに基づいて前記第1領域の静電容量を導出する静電容量導出部と
を含む、電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定装置を提供するものである。
本発明によれば、急速な充放電を繰り返す装置に適した電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置を提供できるという特有の効果が得られる。
以下、本発明の電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置を適用した実施の形態について説明する。

図1は、本実施の形態の電力制御回路を示す図である。この電力制御回路は、昇降圧コンバータ100、DCバス110、モータ120、バッテリ130、及びコントローラ140を含む。このバッテリ130は、本実施の形態の充電電圧測定装置によって充電電圧値が測定される静電容量成分を含む蓄電器である。
昇降圧コンバータ100は、リアクトル101、昇圧用IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)102A、降圧用IGBT102B、バッテリ130を接続するための電源接続端子103、モータ120を接続するための出力端子104、一対の出力端子104に並列に挿入される平滑用のコンデンサ105、バッテリ電圧検出部106、及びバッテリ電流検出部107を備える。
昇降圧コンバータ100の出力端子104とモータ120との間は、DCバス110によって接続される。
リアクトル101は、一端が昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの中間点に接続されるとともに、他端が電源接続端子103に接続されており、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導起電力をDCバス110に供給するために設けられている。
昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)をゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタで構成され、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子である。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、コントローラ140からゲート端子にPWM電圧が印加されることによって駆動される。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bには、整流素子であるダイオード102a及び102bが並列接続される。
ここで、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの駆動制御(充放電の切替制御)は、コントローラ140によって行われる。このため、コントローラ140内では、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bによる充放電の切替が検知される。
バッテリ130は、昇降圧コンバータ100を介してDCバス110との間で電力の授受を行う電気二重層キャパシタで構成される。
電気二重層キャパシタは、アルミニウム製の極薄い電極板の両面に活性層を貼着し、一対の電極板の間にシート状の絶縁層を挟んだ状態で電解質溶液に含浸させた構成を有する。この一対の電極板は、それぞれ正極電極と負極電極となり、この正極電極と負極電極の間に形成されるセルが単位セルとなる。電極板を複数積層し、各正極電極と各負極電極をそれぞれ正極端子と負極端子に接続することにより、複数の単位セルが並列に接続されて大容量の電気二重層キャパシタが実現される。図1では、この正極端子と負極端子が電源接続端子103に接続される。
このような電気二重層キャパシタにおいて、正極端子及び負極端子を介して昇降圧コンバータ100にDCバス110を降圧させることによって充電を行うと、DCバス110から供給される電荷(電子と正孔)は、各電極板に到達する。各単位セル内の活性層は、電解質溶液に含浸されているため、正極電極となる電極板には電解質溶液中のアニオン(陰イオン)が移動し、負極電極となる電極板にはカチオン(陽イオン)が移動する。これにより、充電が完了する。なお、放電は、充電とは逆の過程が行われて、モータ120に電力が供給されることによって実現される。
電源接続端子103及び出力端子104は、バッテリ130及びモータ120が接続可能な端子であればよい。一対の電源接続端子103の間には、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出部106が接続される。一対の出力端子104の間には、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部111が接続される。
バッテリ電圧検出部106は、バッテリ130の電圧値Vm(端子間電圧)を検出し、DCバス電圧検出部111は、DCバス110の電圧(以下、DCバス電圧Vdc)を検出する。
出力端子104に接続される負荷であるモータ120は、力行運転及び回生運転が可能な電動機であればよく、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータで構成することができる。図1には、直流駆動用のモータ120を示すが、インバータを介して交流駆動されるモータであってもよい。
ここで、モータ120の回生運転は、例えば、エンジン等の動力源でモータ120を駆動することによって実現することができる。また、アーム等の重量物を重力に従って下げる際に、アーム軸に軸支したモータ120を駆動することによっても実現することができる。
平滑用のコンデンサ105は、出力端子104の正極端子と負極端子との間に挿入され、DCバス電圧を平滑化できる蓄電素子であればよい。
バッテリ電流検出部107は、バッテリ130に通流する電流の値を検出可能な検出手段であればよく、電流検出用の抵抗器を含む。このバッテリ電流検出部107は、バッテリ130に通流する電流値Iを検出する。
コントローラ140は、バッテリ電圧検出部106によって検出される電圧値Vm、バッテリ電流検出部107によって検出される電流値I、及びDCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧Vdcに基づき、モータ120の駆動状態やバッテリ130の充電状態に応じて、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの駆動制御を行うことにより、DCバス110の昇降圧の制御を行う。
なお、本実施の形態では、バッテリ130からDCバス110に電流を供給する方向の電流値を負、つまり放電として図4における電圧値が低下する方向の電流値を負とし、DCバス110からバッテリ130に電流を供給する方向の電流値を正、つまり充電として図4における電圧値が上昇する方向の電流値を正とする。すなわち、バッテリ130を放電する際の電流値が正となり、バッテリ130を充電する際の電流値が負となる。
「昇降圧動作」
このような昇降圧コンバータ100において、DCバス110を昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bに並列に接続されたダイオード102bを介して、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴ってリアクトル101に発生する誘導起電力をDCバス110に供給する。これにより、DCバス110が昇圧される。
また、DCバス110を降圧する際には、降圧用IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bを介して、モータ120によって発生される回生電力をDCバス110からバッテリ130に供給する。これにより、DCバス110に蓄積された電力がバッテリ130に充電され、DCバス110が降圧される。
以上のような昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの駆動制御は、コントローラ140によって行われる。
「静電容量成分の充電電圧値の測定」
バッテリ130(バッテリ130)の静電容量成分の充電電圧値の測定は、コントローラ140によって行われる。
図2は、本実施の形態で用いるバッテリ130の等価回路を概略的に示す図である。本実施の形態のバッテリ130は、上述のように電気二重層キャパシタで構成されるが、これを通常のキャパシタとして取り扱うと、図2に概略的に示すような等価回路で表すことができ、容量131(静電容量成分)と内部抵抗132(内部抵抗成分)に分けることができる。バッテリ電圧検出部106で検出されるバッテリ130の端子間電圧値Vmは、容量131の充電電圧値Vcと内部抵抗132での電圧降下分Vrとの和となる。また、電圧降下値Vrは、内部抵抗132の抵抗値Rと、バッテリ130に通流する電流Iとを用いて表すことができる。
すなわち、以下の式が成立する。
Vm=Vr+Vc・・・(1)
Vr=−R×I ・・・(2)
ここで、(2)式に負の符号が付くのは、電圧降下値を表すためである。
図3は、本実施の形態で用いる電気二重層キャパシタの等価回路を模式的に示す図である。上述のように、本実施の形態のバッテリ130は、電気二重層キャパシタで構成される。電気二重層キャパシタでは、実際には活性層がアニオン(陰イオン)とカチオン(陽イオン)を捕捉する電極として機能するが、活性層には多数の孔部があるため、活性層の表面と、孔部の奥部とでは、内部抵抗値が大きく異なる。
このため、図3では、ある電気二重層キャパシタには、内部抵抗の異なるn個の静電容量があるものとし、各静電容量の値をC1〜Cnと表し、内部抵抗は、各静電容量の間に直列にn個(R1〜Rn)存在するものとして説明を行う。
一般的に、電気二重層キャパシタに含まれる静電容量は、急速充放電によって充放電が可能な部位と、緩和充電によってのみ充電が可能で急速放電を行うことができない部位とに分けられる。両者の違いは、活性層の表面側にあるものと、活性層の孔部の奥側にあるものとのアニオン、カチオンの移動度の違いによる。
ここで、本実施の形態において、「急速充放電」とは、「急速充電」と「急速放電」を含み、「急速充電」とは、例えば数秒以内のように短い時間の間に、定電流又は所定パターンの電流を供給することによって電気二重層キャパシタを急速に充電することをいう。また、「急速放電」とは、例えば数秒以内のように短い時間の間に、定電流又は所定パターンの電流を出力することによって電気二重層キャパシタを急速に放電することとをいう。なお、急速充電を判断する時間の長さは、キャパシタの充放電周期に依存する。
この急速充放電では、電気二重層キャパシタのうち内部抵抗値の比較的低い領域(活性層の表面側の領域)の充電又は放電を行うことは可能であるが、内部抵抗値の比較的高い領域(例えば、活性層の孔部の奥側の領域)の充電又は放電を行うことはできない。
また、本実施の形態において、「緩和充電」とは、例えば数分から数時間程度の長い時間をかけて、定電圧を印加することによって電気二重層キャパシタを充電することをいう。この緩和充電では、内部抵抗値の比較的高い領域(例えば、活性層の孔部の奥の領域)も充電することができる。
図3に示すように、内部抵抗値の比較的小さい静電容量C1、C2は、電気二重層キャパシタで構成されるバッテリ130の端子130A及び130Bに近い静電容量として表すことができる。これらの静電容量C1、C2は、急速充放電によって比較的短時間で充電又は放電を行うことが可能である。ここで、バッテリ130の端子130A及び130Bは電源接続端子103に接続される。
また、内部抵抗値の比較的大きい静電容量Cn−1、Cnは、電気二重層キャパシタで構成されるバッテリ130の端子130A及び130Bにn−1乃至n個の内部抵抗を介して接続される静電容量として表すことができる。
ところで、端子130A、130Bの電圧は、バッテリ電圧検出部106で検出される。しかしながら、バッテリ電圧検出部106では、低抵抗部のみにおける静電容量の充電電圧値と内部抵抗の電圧降下分が電圧値として検出される。モータ120の駆動中はバッテリ130では充放電が繰り返され、高抵抗部から低抵抗部へ電荷が移動する。このため、運転中にバッテリ電圧検出部106で検出している場合、低抵抗部のみの電圧値を検出していても、正確な低抵抗部の静電容量を求めることは困難である。そこで、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置では、低抵抗部と高抵抗部との間の電荷の移動が定常状態になった後において、充電、若しくは、放電を行った後に、低抵抗部の静電容量に蓄えられる充電電圧を検出することにより、制御に用いる低抵抗部の静電容量を正確に把握する。
ここで、急速充放電によって充電又は放電される静電容量を低抵抗部、緩和充電によって充電される静電容量を高抵抗部と表す。この低抵抗部は、急速充放電が可能な第1領域であり、高抵抗部は、第1領域よりも内部抵抗が大きい第2領域である。この低抵抗部と高抵抗部に蓄積される電荷は図4のように表すことができる。
図4は、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置における測定手法を説明するための概念図であり、(a)は低抵抗部と高抵抗部を示す図、(b)はモータ120の稼働停止直後における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧、(c)はモータ120の稼働停止後の定常状態における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧、(d)はモータ120の静電容量計測時における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧を表す。図4(b)〜図4(d)において、面積は低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量を表し、縦軸方向の高さは低抵抗部及び高抵抗部の充電電圧を表す。
なお、図4には急速充電を行う場合における電荷の変化の様子を示すが、急速放電を行う場合における電荷の変化の様子は、電荷の増減が逆になるだけで同様に考えることができる。
また、図4(b)の稼働停止直後とは、モータ120の駆動が停止した直後をいう。また、図4(c)の稼働停止後の電荷移動の定常状態とは、稼働停止から少なくとも30分以上が経過した状態であり、例えば、モータ120の駆動を停止した翌日の駆動開始前の状態が該当する。さらに、図4(d)の静電容量計測時とは、稼働停止後の電荷移動の定常状態においてバッテリ130を所定パターンの電流で充電した直後の状態をいう。
本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法は、図1に示すコントローラ140によって実行される。すなわち、コントローラ140は、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定装置として機能する。
図4(a)に示すように、バッテリ130は、低抵抗部と高抵抗部に分けることができる。これは、図3を用いて既に説明した通りである。ここでは、低抵抗部の代表として静電容量C1、C2を示し、高抵抗部の代表として静電容量Cn−1、Cnを示す。
図4(b)に示すように、モータ120の稼働停止直後には、第1工程として、モータ120の運転によって力行又は回生運転が繰り返されることによって電気二重層キャパシタの急速充放電が連続的に繰り返し行われる。このため、高抵抗部から低抵抗部へ電荷が移動し、高抵抗部の電圧値変動してしまう。これにより、低抵抗部の電圧値も変動してしまう。図4(b)には、モータ120の回生運転の頻度が高い場合を示す。この状態でバッテリ電圧検出部106において電圧値を検出すると、VL0の値が検出される。この場合、モータ120の運転後において、低抵抗部には多くの電荷が蓄積されており、高抵抗部に蓄積される電荷は低抵抗部の電荷よりも少ない。これにより、低抵抗部の充電電圧はVL0(V)となり、高抵抗部の充電電圧はVH0(V)となる。一方、モータ120の力行運転の頻度が高い場合には、モータ120の運転後において、低抵抗部には高抵抗部よりも少ない電荷が蓄積される。このように、図4(b)に示すように、モータ120の駆動中の充放電は、バッテリ130の低抵抗部において行われる。
図4(c)に示すように、モータ120の稼働停止後の定常状態では、低抵抗部と高抵抗部とに蓄積される電荷の量が略等しくなり、電荷の移動は定常状態となっている。すなわち、低抵抗部の充電電圧はVL1(V)と、高抵抗部の充電電圧はVH1(V)は等しくなる。この状態でのバッテリ電圧検出部106で検出される端子間電圧は、VH1となる。このように、充放電を行っていないときの電圧変化率が予め定められた値以下である場合に、定常状態であると判定することができる。
また、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置では、モータ120の稼働停止後の定常状態から所定パターンの電流を所定時間だけ電気二重層キャパシタに供給することによって急速充電を行う。
このため、図4(d)に示すように、急速充電によって低抵抗部にのみ電荷が蓄積され、高抵抗部には急速充電による電荷は蓄積されない状態が生じる。これにより、低抵抗部の充電電圧はVL2(V)となり、高抵抗部の充電電圧はVH2(V)となる。高抵抗部は急速充電によって充電されないため、VH2はとVH1同一の値となる。
ここで、例えば、所定の電流パターンとして電流値が0(A)から10(A)まで10秒間の計測電流の充放電時間に線形的に増加するパターンを用いて充電を行うと、電流値は時間t(秒)に対してI=10tで表され、また、低抵抗部の静電容量値をCとすると、Cは下記の式で求まる。
C=∫ΔIdt/ΔV
ここで、ΔVは急速充電によって増大した端子間(端子130Aと130Bの間)の電圧値の変化分である。ここで、通電中は低抵抗部の内部抵抗にもVr=I(R1+R2)に基づいて電圧降下が生じるが、通電後は電流が流れないため、電圧降下は生じない。このため、通電後のバッテリ電圧検出部106で検出される端子間電圧は、VL2で表すことができる。このようにして、通電前の端子間電圧VH2と通電後の端子間電圧VL2より、ΔV(=VL2−VH2)を算出することができる。
コントローラ140は、第2工程として、この端子間電圧(充電電圧)の変化分を測定し、第3工程として、上記の式を用いて低抵抗部の静電容量値Cを導出する。これにより、電気二重層キャパシタで構成されるバッテリ130の低抵抗部の静電容量値を正確に把握することができる。
なお、上述のような電流パターンは、エンジン等の動力源による駆動によりモータ120に回生運転を行わせることによってDCバス110に電力を貯めておき、コントローラ140が降圧用IGBT102Bを駆動することによって実現することができる。このような電流パターンによる電流供給は、図1に示す電力制御回路が搭載される実機の稼働中に、急速充電のための専用の動作を行わせることなく、容易に実現することができる。
また、電荷移動の定常状態は、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置が適用される実機の稼働を停止した後に30分以上経過すれば得られる状態であり、夜間の装置停止後の翌朝等には確実に得られる状態である。このように、充電終了後又は放電終了後の経過時間がが予め定められた時間以上である場合でも、定常状態であると判定することができる。
このため、上述のような静電容量の測定は、実機の日常的な稼働の中で、容易に行うことができるものである。なお、図4(d)では充電の場合を示したが、放電でも静電容量の計測は可能である。
以上、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置によれば、高抵抗部と低抵抗部の電荷移動がおさまる定常状態から所定の電流パターンで急速充放電を行うことにより、電気二重層キャパシタの低抵抗部の静電容量を正確に測定することができる。
実機の稼働中には緩和充電は行われず、回生エネルギの回収と電力の供給は急速充放電によって行われる。このため、本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置を実機に適用すれば、実機の稼働中に、低抵抗部の静電容量を正確に把握することができ、これにより、急速に充放電を繰り返す装置に適した充放電制御を行うことができる。
また、このような静電容量の測定を定期的に行うことにより、バッテリ130の劣化による静電容量の変化に対応して充放電の制御を行うことが可能になるため、電気二重層キャパシタで構成されるバッテリ130の劣化状況に応じて適切な充放電の制御を実現することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
本実施の形態の電力制御回路を示す図である。 本実施の形態で用いるバッテリ130の等価回路を概略的に示す図である。 本実施の形態で用いる電気二重層キャパシタの等価回路を模式的に示す図である。 本実施の形態の電気二重層キャパシタの静電容量の測定方法及び測定装置における測定手法を説明するための概念図であり、(a)は低抵抗部と高抵抗部を示す図、(b)はモータ120の稼働停止直後における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧、(c)はモータ120の稼働停止後の定常状態における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧、(d)はモータ120の静電容量計測時における低抵抗部及び高抵抗部における電荷の蓄積量と充電電圧を表す。
符号の説明
100 昇降圧コンバータ
101 リアクトル
102A 昇圧用IGBT
102B 降圧用IGBT
103 電源接続端子
104 出力端子
105 コンデンサ
106 バッテリ電圧検出部
107 バッテリ電流検出部
110 DCバス
111 DCバス電圧検出部
120 モータ
130 バッテリ
130A、130B 端子
131 容量
132 内部抵抗

Claims (4)

  1. 急速充放電が可能な第1領域と、前記第1領域よりも内部抵抗が大きい第2領域とを含むキャパシタと、
    該キャパシタを充放電する昇降圧コンバータと、
    該昇降圧コンバータを介して前記キャパシタとの電力の授受を行うDCバスと、
    該DCバスに接続され、インバータを介して駆動される電気負荷と、
    前記昇降圧コンバータを駆動制御するコントローラとを備えた電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法であって、
    前記電気負荷の力行又は回生運転を繰り返して、前記第2領域の電圧を変動させ、
    前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動定常状態になるように前記電気負荷の運転を停止し、
    その後、前記コントローラは、前記第1領域を急速充電又は急速放電を行うとともに、急速充放電による圧の変化分を測定し、
    前記急速充放電における電流値と前記定された圧の変化分とに基づいて前記第1領域の静電容量を導出する、電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法。
  2. 単位時間あたりの電圧の変化率が所定値以下である場合に、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動が定常状態であると判定する、請求項1に記載の電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法。
  3. 充電又は放電の終了後の経過時間が所定時間以上である場合に、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動が定常状態であると判定する、請求項1に記載の電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定方法。
  4. 急速充放電が可能な第1領域と、前記第1領域よりも内部抵抗が大きい第2領域とを含むキャパシタと、
    該キャパシタを充放電する昇降圧コンバータと、
    該昇降圧コンバータを介して前記キャパシタとの電力の授受を行うDCバスと、
    該DCバスに接続され、インバータを介して駆動される電気負荷と、
    前記昇降圧コンバータを駆動制御するコントローラとを備えた電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定装置であって、
    前記コントローラは、
    前記電気負荷の力行又は回生運転を繰り返して、前記第2領域の電圧を変動させ、前記第1領域及び前記第2領域の電荷移動定常状態になるように前記電気負荷の運転を停止し、所定パターンの電流で前記第1領域を急速充電又は急速放電する急速充放電部と、
    前記急速充放電部による急速充電又は急速放電の後に、急速充放電による電圧の変化分を測定する電圧測定部と、
    前記急速充放電部によって充電される際の電流値と前記電圧測定部によって測定された圧の変化分とに基づいて前記第1領域の静電容量を導出する静電容量導出部と
    を含む、電力制御回路におけるキャパシタの静電容量の測定装置。
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