JP4994625B2 - 画像投射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶プロジェクタ等の画像投射装置に関し、さらに詳しくは投射画像の色調整や明るさ調整を行うための受光系を有する画像投射装置に関する。
最近の液晶プロジェクタ等の画像投射装置には、オートフォーカス機能、オートキーストン歪み(台形歪み)補正機能などが搭載されている。また、壁等の投射面が白色以外の色を有する場合に、白色投射面に投射した場合と同等の色や明るさの画像を投射できるように色補正や明るさ補正を行う機能も搭載されるようになってきている。このような色補正や明るさ補正を行うためには、投射面のうち画像投射領域からの反射光を受光して投射画像の色や明るさの情報を得るための受光系(測光系)が必要となる。
従来の受光系は、光電変換素子である受光素子と、該受光素子に投射面側からの光を集光するレンズとにより構成されている。そして、該受光系の光の取り込み範囲は、画像投射領域の全体をカバーするように広く設定されていることが多い。図13には、従来の受光系の構成を示している。
図13において、203は受光素子であり、202はレンズである。205は投射画像(画像投射領域)である。レンズ202には投射画像205よりも広い範囲206からの光が入射し、該光は受光素子203上に到達する。
このような測光技術は、液晶プロジェクタの分野に限らなければカメラ等の撮像装置に用いられている(例えば、特許文献1)。
特開平06−258691号公報
しかしながら、従来の受光系には、レンズ202に入射する光を制限する絞りが設けられていない。このため、図13に示すように、投射面上の投射画像205の近傍に電灯等の発光体207が存在するような場合には、該発光体207からの光もレンズ202を通して受光素子203に入射してしまう。この場合、受光素子203からの出力には発光体207からの光に対応したノイズ成分が含まれることになるため、該出力に基づいて投射画像の色や明るさを制御しても、適正な制御が行えない。また、発光体203に限らず、遮光していない窓が投射面の近くに存在する場合も同様である。
本発明は、画像投射領域からの光以外の光が受光素子に入射するのを極力避けることができるようにした受光系を有する画像投射装置を提供することを目的り1つしている。
本発明の一側面としての画像投射装置は、ズーム機能を有し、投射面の画像投射領域に画像を投射する投射系と、投射面側からの光を受ける受光系とを有し、前記受光系は、受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記ズーム機能により最小とされた前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材とを有し、前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置よりも該集光光学系に近い位置に配置されることを特徴とする
また、本発明の他の側面としての画像投射装置は、投射面の画像投射領域に画像を投射する単焦点の投射系と、投射面側からの光を受ける受光系とを有し、前記受光系は、受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置よりも該集光光学系に近い位置に配置されることを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての画像投射装置は、ズーム機能を有し、投射面の画像投射領域に画像を投射する投射系と、投射面側からの光を受ける受光系とを有し、前記受光系は、各色用の受光領域が配列された受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記ズーム機能により最小とされた前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置とは異なる位置に配置され、前記画像投射領域における前記各色用の受光領域の光取り込み範囲は、互いに重なり合うことを特徴とする。
また、本発明の他の側面としての画像投射装置は、投射面の画像投射領域に画像を投射する単焦点の投射系と、投射面側からの光を受ける受光系とを有し、前記受光系は、各色用の受光領域が配列された受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置とは異なる位置に配置され、前記画像投射領域における前記各色用の受光領域の光取り込み範囲は、互いに重なり合うことを特徴とする。
本発明によれば、光制限部材によって画像投射領域の近くに存在する発光体や窓等からの光を遮断し、画像投射領域からの光だけを受光素子に入射させることができる。したがって、該受光素子からの出力に基づいて適正な投射画像の色補正や明るさ補正を行うことが可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である液晶プロジェクタの構成を示している。本実施例のプロジェクタは、光源ユニット100と、照明光学系αと、色分解合成光学系βと、画像形成素子としての反射型液晶表示素子(液晶パネル)111r,111g,111bと、投射レンズ113とにより構成される。これら光源ユニット100、照明光学系α、色分解合成光学系β、反射型液晶表示素子111r,111g,111bおよび投射レンズ113により画像投射系が構成される。
101は連続スペクトルで白色光を発光する発光管、102は発光管101からの光を所定の方向に集光するリフレクタである。発光管101とリフレクタ102により光源ユニット100が構成される。AXLは照明光学系α、色分解合成光学系βおよび投射レンズ150の光軸であり、光源ユニット100からの光の進行方向を示す。
103は図1の紙面に平行な方向において屈折力を有する複数のシリンドリカルレンズにより構成された第1のシリンドリカルレンズアレイ、104は第1のシリンドリカルレンズアレイ103の個々のレンズに対応した複数のシリンドリカルレンズを有する第2のシリンドリカルレンズアレイである。
105は無偏光光を所定の偏光光に揃える偏光変換素子、115はミラー、116はコンデンサーレンズである。
106はダイクロイックミラーであり、青(B:430〜495nm)と赤(R:590〜650nm)の光を透過し、緑(G:505〜580nm)の光を反射する。107はG光とR光の中間の波長領域の光を一部カットするカラーフィルタである。108a,108bはともに、B光の偏光方向を90度変換し、R光の偏光方向は変換しない第1の色選択性位相差板および第2の色選択性位相差板である。
109a,109bは第1の1/2波長板および第2の1/2波長板である。110a,110b,110cはP偏光を透過し、S偏光を反射する第1の偏光ビームスプリッタ、第2の偏光ビームスプリッタおよび第3の偏光ビームスプリッタである。
111r,111g,111bはそれぞれ、原画を形成し、入射した光を反射するとともに画像変調する赤用反射型液晶パネル、緑用反射型液晶パネルおよび青用反射型液晶パネルである。ここで、これら液晶パネル111r,111g,111bには駆動回路120が接続され、駆動回路120には、パーソナルコンピュータ、カメラ、DVDプレーヤ、ビデオデッキ、放送受信器等の画像情報供給装置130からの画像情報が供給される。駆動回路120は、入力された画像情報に基づいて液晶パネル111r,111g,111bを駆動し、画像情報に対応した各色用の原画を形成させる。
112r,112g,112bはそれぞれ、赤用の1/4波長板、緑用の1/4波長板、青用の1/4波長板である。なお、ダイクロイックミラー106から第3の偏光ビームスプリッタ110cまでの光路を構成する光学系は、光の色分離と色合成とを行う色分離合成光学系βである。113は投射レンズである。
次に、光学的な作用を説明する。発光管101から発した光はリフレクタ102により所定の方向に集光される。リフレクタ102は放物面形状を有しており、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。この平行光束は第1レンズアレイ103により複数の光束に分割され、かつ集光され、第2レンズアレイ104の近傍に複数の光源像を形成して、偏光変換素子105に至る。
偏光変換素子105は、入射側から順に、偏光分離面と反射面と1/2波長板とを有している。偏光変換素子105に入射したマトリクスの各列の集光光束は、その列に対応した列の偏光分離面に入射し、これを透過するP偏光成分と反射するS偏光成分とに分割される。反射されたS偏光成分は、反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。一方、透過したP偏光成分は、1/2波長板を透過する際にS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光(ここでは、S偏光とする)として射出する。偏光変換された複数の光束は偏光変換素子の近傍で集光した後、発散光束としてミラー115を介してコンデンサーレンズ116に至る。
コンデンサーレンズ116の集光作用により、複数の光束は第1および第2のシリンドリカルレンズアレイ103,104における個々のシリンドリカルレンズの形状に対応する像が形成される位置で重なり合い、矩形の均一な照明エリアを形成する。コンデンサーレンズ116から射出した光束は、ダイクロイックミラー106に入射する。ダイクロイックミラー106は、BとRの光を透過し、Gの光を反射する。
図1において、偏光変換素子104から射出したS偏光は、ダイクロイックミラー106に対してもS偏光である。
G光の光路において、ダイクロイックミラー106を反射した光は、カラーフィルタ107に入射する。カラーフィルタ107は、GとRの中間の波長領域にあたる黄色の光を反射するダイクロイックフィルタであり、これにより黄色の光が除去される。緑色に黄色成分が多いと、黄緑色になってしまうので、カラーフィルタ107により黄色成分を除去する方が色再現上望ましい。また、カラーフィルタ107は、黄色の光を吸収する特性を有していてもよい。
こうして色を調整されたG光は、第1の偏光ビームスプリッタ110aに対してS偏光として入射し、その偏光分離面で反射され、G用反射型液晶パネル111gへと至る。G用反射型液晶パネル111gにおいて、G光が画像変調されて反射される。変調および反射されたG光のうちS偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッタ110aの偏光分離面で反射され、光源側に戻されて投射光から除去される。
一方、変調および反射されたG光のうちP偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッタ110aの偏光分離面を透過して投射光となる。このとき、すべての偏光成分をS偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において第1の偏光ビームスプリッタ110aとG用反射型液晶パネル111gの間に設けられた1/4波長板112gの複屈折主軸の1つである遅相軸を所定の方向に調整する。これにより、第1の偏光ビームスプリッタ110aとG用反射型液晶パネル111gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。
第1の偏光ビームスプリッタ110aを透過したP偏光としてのG光は、第1の1/2波長板109aによりその偏光方向を90度回転され、第3の偏光ビームスプリッタ110cにS偏光として入射する。こうして第3の偏光ビームスプリッタ110cに入射したG光は、その偏光分離面で反射されて、投射レンズ113へと至る。
一方、ダイクロイックミラー106を透過したR,B光は、第1の色選択性位相差板108aに入射する。第1の色選択性位相差板108aは、B光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っている。これにより、B光はP偏光として、R光はS偏光として第2の偏光ビームスプリッタ110bに入射する。そして、B光は、第2の偏光ビームスプリッタ110bの偏光分離面を透過し、1/4波長板112bを介してB用反射型液晶パネル111bに至る。また、R光は該偏光分離面で反射され、1/4波長板112rを介してR用反射型液晶パネル111rに至る。
B用反射型液晶パネル111bにおいて、B光は画像変調されて反射される。変調されたB光のうちP偏光成分は再び偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。変調されたB光のうちS偏光成分は、偏光分離面で反射されて投射光となる。
同様に、R用反射型液晶パネル111rにおいて、R光が画像変調されて反射される。変調されたR光のうちS偏光成分は、再び偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。また、変調されたR光のうちP偏光成分は、偏光分離面を透過して投射光となる。これにより、BとRの投射光は一つの光束に合成される。
こうして合成されたBとRの投射光は、第2の色選択性位相差板108bに入射する。第2の色選択性位相差板108bは、第1の色選択性位相差板108aと同じものであり、B光の偏光方向のみを90度回転させる。これにより、R光およびB光はともにP偏光として第3の偏光ビームスプリッタ110cに入射し、その偏光分離面を透過することでGの投射光と合成されて投射レンズ113へと至る。そして、投射レンズ113によりスクリーンなどの投射面に投射される。
駆動回路120には、調整手段としての補正回路140が接続され、補正回路140には受光系を構成する受光ユニット4が接続されている。
受光ユニット4は、図中に矢印Aで示した画像投射側から順に、光制限部材としての絞り1と、集光光学系を構成する集光レンズ2と、光電変換素子である受光素子(以下、センサという)3とにより構成されている。画像投射側から絞り1の光通過開口1aを通過して受光ユニット4に入射した光は、集光レンズ2によって集光され、センサ3に到達する。センサ3による光電変換出力は、補正回路140に入力される。
補正回路140は、センサ3からの出力に基づいて、投射面に投射される画像の色や明るさの補正(調整)を行うよう駆動回路120を通じて反射型液晶表示素子111r,111g,111bを制御する。具体的には、投射面が白以外の色を有する場合に、白色の投射面に投射したのと同等の色や明るさの画像が表示されるように、投射画像の色や明るさを補正する。
以下、受光ユニット4について、図2を用いて詳しく説明する。この図において、113は前述した投射レンズであり、111は反射型液晶パネルである。5は投射レンズ113によって投射面9(ここでは、特に白色以外の色を有する壁面)上に投射された画像(投射画像)である。
受光ユニット4は、投射レンズ113から射出して投射面9により反射された光を取り込む。受光ユニット4は、画像投射側(投射面9側)から順に、絞り1と、集光レンズ2と、センサ3とが配置されて構成されている。集光レンズ2の光軸7は、投射面9における投射画像5の中心8を向いている。
絞り1には光通過開口としての絞り開口1aが形成されている。絞り開口1aは、投射面側から見たときに、水平方向(第1の方向)にL1の開口幅を有し、垂直方向(第2の方向)にL1よりも短いL2の開口幅を有する矩形に形成されている。
絞り開口1aは、図2に示すように、投射面9のうち画像5が投射された領域(画像投射領域)内の所定範囲6からの反射光のみをセンサ3に向けて通過させる大きさに形成されている。すなわち、絞り1は、センサ3に入射する光を画像投射領域からの光のみに制限する機能を有する。
図3および図4にはそれぞれ、受光ユニット4の水平断面および垂直断面を示す。水平方向とは、投射画像5の長辺方向に対応する方向であり、投射画像5の長辺に平行な方向(例えば、図に示す正面投射の場合や上下方向からの斜め投射の場合)や投射画像5の長辺を含む面の面内方向(例えば、横からの斜め投射の場合)を含む。なお、水平方向は、反射型液晶パネル111の長辺方向に対応する方向、すなわち、例えば液晶パネル111の長辺に平行な方向や該長辺を含む面の面内方向であるとも言える。
また、垂直方向とは、投射画像5の短辺方向に対応する方向であり、投射画像5の短辺に平行な方向や投射画像5の短辺を含む面の面内方向を含む。なお、垂直方向は、反射型液晶パネル111の短辺方向に対応する方向、すなわち、例えば液晶パネル111の短辺に平行な方向や該短辺を含む面の面内方向であるとも言える。
前述したように、絞り開口1aが水平方向を長辺とする矩形に形成されているため、センサ3の光の取り込み範囲(図2〜4中に実線で示す画角)は、投射画像5の長辺方向において広く、短辺方向において狭い範囲になる。
図5には、画像投射領域におけるセンサ3の光の取り込み範囲6をより詳しく示している。センサ3には、画像投射領域(図5には符号5を付して示す)をはみ出さない範囲で、可能な限り広い範囲からの光を取り込む。該取り込み範囲6としては、画像投射領域の面積の1/3以上の面積を有する範囲とすることが好ましい。これより狭い範囲からの光を取り込んでも、投射画像の全体的な明るさや色味を検出することが難しいからである。
逆に言えば、画像投射領域の面積の1/3以上の面積を有する範囲からの光を取り込むことにより、投射画像の全体的な明るさや色味を適正に制御することができるからである。
本実施例では、所定投射距離において投射レンズ113をそのズーム機能によりワイド端(Wide)として最大画像を投射した場合の画像投射領域の1/3以上の面積を有する範囲6からの光を取り込むことができるように絞り開口1aの大きさを設定している。
但し、投射レンズ113をテレ端(Tele)として最小画像を投射した場合の画像投射領域の1/3以上の面積を有する範囲からの光を取り込むことができるように絞り開口1aの大きさを設定してもよい。この理由については、後述する実施例4で説明する。
なお、上記所定投射距離は、該プロジェクタが使用される最も一般的な距離に設定される。また、本実施例では、絞り1の位置を固定としているが、絞り1を受光ユニット4の光軸方向に移動可能とし、投射画像の大きさに合わせて画像投射領域からはみ出さず、かつ可能な限り広い光取り込み範囲を選択できるようにしてもよい。
さらに、図6には、本実施例におけるセンサ3の構成を示している。センサ3上には、R用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bが、水平方向に配列されている。このようなセンサ3を用いることにより、画像投射領域からの反射光に含まれるR光成分、G光成分およびB光成分のそれぞれの明るさ(つまりは、画像全体としての色味)を検出することができる。
ここで、図3および図4に示すように、センサ3は、集光レンズ2の焦点位置2aよりも集光レンズ2に近い位置に配置されている。つまり、センサ3上にはピントがぼけた像が形成される。このため、画像投射領域上におけるR用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bの光取り込み範囲(R,G,B)は、図6に示すように、互いにオーバーラップしつつ水平方向に多少ずれた範囲となる。これにより、画像投射領域内での共通する範囲CでのR,G,Bの明るさを検出することができる。なお、図6では、説明のために各受光部の光取り込み範囲を大きくずらして示しているが、実際は大部分が互いにオーバーラップする。
仮に、センサ3が集光レンズ2の焦点位置2a上に配置されると、画像投射領域上におけるR用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bの光取り込み範囲は、互いにオーバーラップすることなく水平方向に隣接する範囲となる。このため、画像投射領域内で互いに異なる範囲でのR,G,Bの明るさしか検出することができなくなる。
具体的には、以下の式(1)で示される条件を満足することが望ましい。
1.0≦La/Ls≦3.0 …(1)
ここで、Lsはセンサ3から集光レンズ2(後述する実施例3では、凹面ミラー12)までの距離である。また、Laは集光レンズ2から絞り1までの距離である。
La/Lsが(1)式の下限値を下回ると、絞り1がレンズ2に近くなりすぎて、センサ3に入射する光を画像投射領域からの光のみに制限する絞り1の機能を十分に果たせなくなる。また、La/Lsが(1)式の上限値を上回ると、受光ユニット4が大型化して好ましくない。
ここで、画像投射領域からの光(反射光)には、投射レンズ113から射出されて投射画像5を表示する画像光と、該プロジェクタが使用される部屋の電灯や窓からの光の投射面9での反射光(外光)とが含まれる。受光ユニット4(センサ3)はこれら画像光と外光を含む画像投射領域からの光を取り込む。このため、画像光のみを検出したい場合には、画像を投射していない状態で受光ユニット4により外光を測定しておき、その測定結果を(画像光+外光)の測定結果から差し引けばよい。
前述した補正回路140は、(画像光の明るさ)/(画像光+外光の明るさ)の値を所定範囲に収めるように画像光の明るさを制御する、つまりは液晶パネル111r,111g,111bを制御する。これにより、投射面9のもともとの明るさに対して適正な明るさの投射画像を表示することができる。
また、補正回路140は、画像光+外光の色味が、投射面9が白色である場合と同等となるように液晶パネル111r,111g,111bを制御する。これにより、投射面9の色にかかわらず自然な色の投射画像を得ることが可能である。
なお、本実施例では、絞り1が矩形の絞り開口1aを有する場合について説明したが、絞り開口1aの形状はこれに限られない。例えば、図7および図8に示すように、楕円や、8角形等の多角形でもよい。但し、いずれの形状の場合でも、水平方向の開口幅L1が垂直方向の開口幅L2よりも大きい形状とするのが望ましい。
実施例1では、センサ3においてR用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bが水平方向(投射画像5の長辺方向に対応する方向)に配列されている場合について説明した。しかし、図9に示すように、R用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bを垂直方向(投射画像5の短辺方向に対応する方向)に配列してもよい。
より具体的には、各受光部は水平方向に長い矩形形状を有するため、その長辺方向を投射画像5の長辺方向に対応する方向に合わせた上で、R用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bを垂直方向に配列する。これにより、R用受光部3r、G用受光部3gおよびB用受光部3bの光取り込み範囲が互いにオーバーラップした共通の光取り込み範囲Cを、実施例1に比べて水平方向に長い形状とすることができる。つまり、横長の画像投射領域内でより水平方向に広い共通の光取り込み範囲Cを確保することができる。
なお、図9では、説明のために各受光部の光取り込み範囲を大きくずらして示しているが、実際は大部分が互いにオーバーラップする。
図10には、本発明の実施例3である液晶プロジェクタにおける受光ユニット4′の構成を示している。本実施例の液晶プロジェクタの全体構成は、実施例1と同じである。
本実施例の受光ユニット4′は、画像投射側(投射面9側)から順に、絞り1と、凹面ミラー12と、センサ3とが配置されて構成されている。凹面ミラー12の入射側の光軸7は、投射面9における投射画像5の中心8を向いている。
本実施例では、受光ユニット4′の集光光学系として凹面ミラー12を用い、センサ3に向かう光路を折り曲げている。これにより、実施例1のようにレンズを用いる場合に比べて、受光ユニット4′を小型化することができる。
なお、本実施例では、凹面ミラー12によって光路を投射画像5の短辺方向に対応する方向に折り曲げているが、投射画像の長辺方向に対応する方向に折り曲げるようにしてもよい。
絞り1には、実施例1と同様に、光通過開口としての絞り開口1aが形成されている。絞り開口1aは、投射面側から見たときに、投射画像5の長辺方向に対応する水平方向にL1の開口幅を有し、投射画像の短辺方向に対応する垂直方向にL1よりも短いL2の開口幅を有する矩形に形成されている。また、絞り開口1aは、図10に示すように、投射面9のうち画像5が投射された領域(画像投射領域)内の所定範囲6からの反射光のみをセンサ3に向けて通過させる大きさに形成されている。すなわち、絞り1は、センサ3に入射する光を画像投射領域からの光のみに制限する機能を有する。
また、本実施例では、図11に示すように、センサ3の光取り込み範囲6を、投射レンズ113のワイド端とテレ端との間のミドル(Mid)域での投射画像14の大きさに合わせている。図示はしないが、センサ3上でのR,G,B受光部の配列方向は、図6に示した配列方向と同じである。但し、図9に示す配列方向としてもよい。
図11は、本発明の実施例4である液晶プロジェクタにおける受光ユニット(センサ)の光取り込み範囲を示している。本実施例における液晶プロジェクタの構成および受光ユニットの構成は、実施例1,2と同じである。但し、本実施例では、センサ3の光取り込み範囲を、投射レンズ70をテレ端にズームしたときの最小画像11の大きさに合わせている。
投射レンズ113をテレ端にズームすることにより、ワイド端やミドル域にズームする場合に比べて、投射画像5が明るくなり、センサ3に入射する画像光の光量を多くすることができる。
また、テレ端での最小画像11に光取り込み範囲を合わせることで、ワイド端での最大画像やミドル域での中間画像に光取り込み範囲を合わせる場合に比べて、投射画像周辺の不要光成分の影響をより少なくすることができる。
なお、上記各実施例では、絞り1を集光光学系よりも画像投射側に配置した場合について説明したが、集光光学系とセンサ3との間に配置してもよい。
本発明の実施例1である液晶プロジェクタの構成を示す断面図。 実施例1の液晶プロジェクタに設けられた受光ユニットの構成と該受光ユニットを構成する絞りの形状を示す概略図。 実施例1の受光ユニットの水平断面図。 実施例1の受光ユニットの垂直断面図。 実施例1の受光ユニットの光取り込み範囲を示す図。 実施例1の受光ユニットに設けられたセンサの構成と各色受光部の光取り込み範囲を示す図。 実施例1の受光ユニットに設けられた絞りの変形例を示す図。 実施例1の受光ユニットに設けられた絞りの変形例を示す図。 本発明の実施例2である液晶プロジェクタに設けられた受光ユニットのセンサの構成と各色受光部の光取り込み範囲を示す図。 本発明の実施例3である液晶プロジェクタに設けられた受光ユニットの構成と該受光ユニットを構成する絞りの形状を示す概略図。 実施例3の受光ユニットの光取り込み範囲を示す図。 本発明の実施例4である液晶プロジェクタに設けられた受光ユニットの光取り込み範囲を示す図。 従来の液晶プロジェクタに設けられた受光ユニットの構成および光取り込み範囲を示す図。
符号の説明
1 絞り
2 集光レンズ
3 受光素子(センサ)
4 受光ユニット
5 投射画像(画像投射領域)
6 (センサの)光取り込み範囲
9 投射面
12 凹面ミラー
100 光源ユニット
111r,111g,111b 反射型液晶パネル
113 投射レンズ
α 照明光学系
β 色分解合成光学系

Claims (12)

  1. ズーム機能を有し、投射面の画像投射領域に画像を投射する投射系と、
    投射面側からの光を受ける受光系とを有し、
    前記受光系は、受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記ズーム機能により最小とされた前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材とを有し、
    前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、
    前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置よりも該集光光学系に近い位置に配置されることを特徴とする画像投射装置。
  2. 投射面の画像投射領域に画像を投射する単焦点の投射系と、
    投射面側からの光を受ける受光系とを有し、
    前記受光系は、受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、
    前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、
    前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置よりも該集光光学系に近い位置に配置されることを特徴とする画像投射装置。
  3. ズーム機能を有し、投射面の画像投射領域に画像を投射する投射系と、
    投射面側からの光を受ける受光系とを有し、
    前記受光系は、各色用の受光領域が配列された受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記ズーム機能により最小とされた前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、
    前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、
    前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置とは異なる位置に配置され、
    前記画像投射領域における前記各色用の受光領域の光取り込み範囲は、互いに重なり合うことを特徴とする画像投射装置。
  4. 投射面の画像投射領域に画像を投射する単焦点の投射系と、
    投射面側からの光を受ける受光系とを有し、
    前記受光系は、各色用の受光領域が配列された受光素子と、入射光を前記受光素子上に集光する集光光学系と、前記受光素子に入射する光を前記画像投射領域からの光に制限する光制限部材を有し、
    前記受光素子からの出力に基づいて投射画像の色調整又は明るさ調整を行う調整手段を有し、
    前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置とは異なる位置に配置され、
    前記画像投射領域における前記各色用の受光領域の光取り込み範囲は、互いに重なり合うことを特徴とする画像投射装置。
  5. 前記光制限部材は、前記集光光学系よりも画像投射側に離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の画像投射装置。
  6. 前記受光素子は、前記集光光学系の焦点位置よりも該集光光学系に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1つに記載の画像投射装置。
  7. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1、2、6に記載の画像投射装置。
    1.0La/Ls≦3.0
    但し、Lsは前記受光素子から前記集光光学系までの距離、Laは前記集光光学系から前記光制限部材までの距離である。
  8. 前記光制限部材は、第1の方向での開口幅が該第1の方向に対して直交する第2の方向での開口幅よりも大きい光通過開口を有し、
    前記第1の方向が、投射画像の長辺方向に対応するように設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の画像投射装置。
  9. 前記光制限部材は、前記ズーム機能により最小とされた前記画像投射領域のうち、該領域の面積の1/3以上の面積を有する部分からの光を通過させることを特徴とする請求項1、3、5からのいずれか1つに記載の画像投射装置。
  10. 前記光制限部材は、前記画像投射領域のうち、該領域の面積の1/3以上の面積を有する部分からの光を通過させることを特徴とする請求項2、4から8いずれか1つに記載の画像投射装置。
  11. 前記受光素子は、赤、緑および青用の受光領域を有し、
    これらの受光領域が、投射画像の短辺方向に対応する方向に配列されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の画像投射装置。
  12. 前記各色用の受光領域は、赤、緑および青用の受光領域であり、
    これらの受光領域が、投射画像の短辺方向に対応する方向に配列されていることを特徴とする請求項3から10のいずれか1つに記載の画像投射装置。
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