JP4994195B2 - 摺動部材の摺動抵抗測定方法及び測定装置 - Google Patents
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Description
また、挟まれ防止機構を有するドアガラスの作動抵抗を検出して前記挟まれ防止機構の誤作動を防止するものがある(例えば、特許文献2参照)。これは、ドアガラスの昇降時における駆動モータの電流値の変化を検出し、その最大値からドアガラスの作動の良否を判定して前記挟まれ防止機構にフィードバックする。
さらに、ドアガラスの昇降にかかる標準時間と実測時間とを比較してドアガラスの作動が正常か否かを判定するものがある(例えば、特許文献3参照)これは、ドアガラスの昇降時における駆動モータの電流値の変化を検出することで、ドアガラスの作動不良の発生位置も概ね検出可能である。
そこでこの発明は、ガイド部材に摺接する摺接部材の摺動抵抗を測定する摺動抵抗測定方法及び測定装置において、前記摺動抵抗の発生状況を明確に把握可能とすると共に、ガイド部材及び摺動部材の最適な配置の検討を容易にすることを目的とする。
ドア本体33は、その車外側を構成する鋼板プレス成型品であるドアスキン(アウタパネル)33aと、車内側を構成する同じく鋼板プレス成型品であるドアインナ(インナパネル)33bとを主にモナカ構造を形成する。
ドア本体33のウエスト部(上縁部)33cにおいて、ドアスキン33a及びドアインナ33bは互いに離間し、その隙間を通じてドアガラス45がドア本体33内に出入りするように昇降する。
駆動機構68は、その電気モータ68aの駆動力を各伝動ケーブル66を介して昇降ガイド機構63に伝達し、該昇降ガイド機構63のキャリアプレート65をガイドレール64に沿って上下動させ、ドアガラス45をガイドレール64並びに前後チャンネル57,58及び前後サッシュ47,48に沿って昇降動させる。
ドアガラス45の下縁部には、キャリアプレート65に支持される下支持部45aが下方に向けて突設され、ドアガラス45における前縁部に対して上下幅の大きい後縁部には、後チャンネル59及び後サッシュ48に支持される上下一対の後支持部45bが後方に向けて突設される。
図2に示すドア30は、定盤上に略垂直に立設された基盤Kの側面に、車体への取り付け時と同様の状態、すなわち前端部が上下ドアヒンジ36を介して支持され、後端部が不図示のロック機構を介して支持され、かつウェザーストリップ34,35からの反力等も入力された状態に取り付けられるものとする。
具体的には、前後チャンネル57,59におけるドアガラス45の車外側の面が近接又は当接する車外側の壁部57a,59aとこれに隣接する前後サッシュ47,48の車外側の壁部47a,48aとの間、及び前後チャンネル57,59におけるドアガラス45の前後末端が当接又は近接するドア外周側の壁部57b,59bとこれに隣接する前後サッシュ47,48のドア外周側の壁部47b,48bとの間には、それぞれテープ状の触覚センサ1が複数挟み込まれる。
これに対し、この実施例では、前後サッシュ47,48及び前後チャンネル57,59におけるドアガラス45の摺動区間の全域に渡って前記触覚センサ1を複数設けることで、ドアガラス45の摺動区間のどこでどれだけの荷重(接触圧ひいては摺動抵抗)が発生しているかを、即座にかつ具体的に把握することが可能であり、この検出データに基づいて、ドアガラス45の摺動抵抗が均一かつ適正な値となるように、前後サッシュ47,48及びガイドレール64のドア本体33に対する建て付けを調整可能である。
そして、前後サッシュ47,48の上下端部近傍の部位は、それぞれ第一アクチュエータユニット71を介して基盤Kに支持され、ガイドレール64の上下端部近傍の部位は、それぞれ第二アクチュエータユニット72を介して基盤Kに支持される。
触覚センサ1の検出データは測定装置S1のデータ処理部2に送信されて適宜処理され、前後チャンネル57,59及び前後サッシュ47,48におけるドアガラス45の摺動域とその各部に付加される接触圧との関係を示すグラフとして測定装置S1の表示部3にグラフィック表示される(図10参照)。
この実施例は、前記第一実施例に対して、ドア30のドアガラス45の昇降試験を行う際に前記触覚センサ1に代わり光ファイバセンサ101を用いる点で異なるもので、前記実施例と同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
光ファイバセンサ101は、光ファイバ110中の複数の屈折回路からの反射光の波長変化に基づき、ドアガラス45の昇降時に前後チャンネル57,59及び前後サッシュ47,48に入力された圧力を、ドアガラス45の摺動範囲の各部において検出可能とする。
そして、ドアガラス45の接触圧の測定にあたっては、まず、広帯域光源104から所定の波長帯に設定した参照光が出力され、この参照光が光サーキュレータ105を経由して各FBG112a,112b,112c…に照射される。
なお、各FBG112a,112b,112c…が反射する反射光の波長帯は互いに異なる波長帯とされ、かつ互いに干渉しないように設定される。
なお、各FBG112a,112b,112c…を経由した出射光α1,α2,α3…には、該各FBG112a,112b,112c…で反射された波長帯は含まれない。また、光ファイバ110の終端117は無反射終端に形成されている。
すなわち、各FBG112において温度及び歪等の物理量が変化すると、この物理量の変化の大きさに対比して各FBG112が反射する反射光の特定波長帯も変化する。そこで、予め前記物理量と各FBG112からの反射光の特定波長帯との関係を知り得ておくことで、前記物理量がある値での各FBG反射光の特定波長帯を基準とし、該FBG反射光の特定波長帯の変化量から換算して前記物理量を知り得ることができる。
このように、上記光ファイバセンサ101では、各FBG反射光の測定波長帯を計測することで、各FBG112の設置部位における温度や歪等の物理量を計測することができる。
上記測定装置S2を用いることで、第一実施例と同様、ドア設計精度の向上を図ることができ、かつ量産ドアの製造精度の検証と製造工程へのフィードバックを図ることができる。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
2 データ処理部(データ処理手段)
45 ドアガラス(摺動部材)
46 ウインドウレギュレータ(駆動手段)
47 前サッシュ(ガイド部材、ドアサッシュ)
48 後サッシュ(ガイド部材、ドアサッシュ)
57 前チャンネル(ガイド部材、ランチャンネル)
59 後チャンネル(ガイド部材、ランチャンネル)
71 第一アクチュエータユニット(第一変位手段)
72 第二アクチュエータユニット(第二変位手段)
101 光ファイバセンサ(負荷センサ)
102 光検出処理部(データ処理手段)
Claims (6)
- 車両のドアサッシュ及び該ドアサッシュに内装されたランチャンネルに沿って駆動手段により摺動する、車両のドアガラスの摺動抵抗を測定する摺動部材の摺動抵抗測定方法において、
前記ドアサッシュ及びランチャンネルに前記ドアガラスの摺動区間の全域に渡る負荷センサを配設し、該負荷センサにより前記摺動抵抗を測定することを特徴とする摺動部材の摺動抵抗測定方法。 - 前記負荷センサは、複数の電極間のギャップ変化から前記ドアサッシュ及びランチャンネルに対する前記ドアガラスの接触圧を測定する触覚センサであることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材の摺動抵抗測定方法。
- 前記負荷センサは、光ファイバ中の複数の屈折回路からの反射光の波長変化から前記ドアサッシュ及びランチャンネルに対する前記ドアガラスの接触圧を測定する光ファイバセンサであることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材の摺動抵抗測定方法。
- 車両のドアサッシュ及び該ドアサッシュに内装されたランチャンネルに沿って駆動手段により摺動する、車両のドアガラスの摺動抵抗を測定する摺動部材の摺動抵抗測定装置において、
前記ドアサッシュ及びランチャンネルを略垂直に配設した基盤上に第一変位手段を介して変位可能に配設すると共に、前記ドアガラスを前記基盤上に第二変位手段を介して変位可能に配設し、
前記ドアサッシュ及びランチャンネルには前記ドアガラスの摺動区間の全域に渡る負荷センサを配設し、
前記負荷センサにより前記摺動抵抗を測定すると共に、該負荷センサからの検出データをデータ処理手段により処理して所定の表示を行うことを特徴とする摺動部材の摺動抵抗測定装置。 - 前記負荷センサは、複数の電極間のギャップ変化から前記ドアサッシュ及びランチャンネルに対する前記ドアガラスの接触圧を測定する触覚センサであることを特徴とする請求項4に記載の摺動部材の摺動抵抗測定装置。
- 前記負荷センサは、光ファイバ中の複数の屈折回路からの反射光の波長変化から前記ドアサッシュ及びランチャンネルに対する前記ドアガラスの接触圧を測定する光ファイバセンサであることを特徴とする請求項4に記載の摺動部材の摺動抵抗測定装置。
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