JP4991036B2 - 振動低減装置のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置 - Google Patents

振動低減装置のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置 Download PDF

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Description

本発明は、振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置に関する。
優れた制御性能およびロバスト安定性能を達成させる制御法として、制御性能をHノルム、ロバスト安定性をHノルムで評価する混合H/H制御法がある。
図35は、制御問題を表すブロック線図である。なお、図35において、P(s)は制御対象、yは観測出力、uは制御入力である。外乱wから周波数重み付き制御応答Zまでの伝達関数行列をTZ2w(s)、外乱wから周波数重み付き制御入力Zまでの伝達関数行列をTZ1w(s)とすると、混合H/H制御問題は次式(1)、(2)のようになる。
Figure 0004991036
ここで、式(1)はTZ2w(s)のHノルム、式(2)はTZ1w(s)のHノルムを表す。モデル誤差Δ(s)に対して適切に周波数重み関数W(s)を与え、制振目標に対応した周波数重み関数W(s)を設定した上で、制御問題である式(1)、(2)を解くことにより、モデル誤差に対しロバスト安定性を有するコントローラK(s)が設計される。本コントローラは、ロバスト安定性を満たしつつ、制御応答(振動応答)のエネルギーを最小化できるため、振動制御における有効性が高い。
騒音制御を行う方法として、フィードフォワード制御を基本とした能動的騒音制御手法がある。この方法は、騒音に関する参照信号とスピーカーで騒音を打ち消すべき計測点における誤差信号から騒音特性を学習により獲得し、スピーカーから騒音と逆位相の音を出力することにより騒音を相殺する制御法である。このような制御手法により、低周波から高周波にわたる広い周波数帯域で音響制御を行う場合、技術的な困難さが存在する。それは、広い周波数帯域でのモデル化は精度が低下することに加え次数が大きくなるため、制御回路における演算負荷の面から高周波数領域における制御は困難になる。これを解決する方法として、上記の能動的騒音制御手法において、低周波数帯域と高周波数帯域に分けて騒音特性の学習および制御回路を構成する方法がある。フィルターにより両制御回路の干渉を防ぐことにより、低周波数帯域と高周波数帯域の騒音制御を可能にしている(特許文献1参照)。
特許第3471370号公報
上述した低周波数帯域と高周波数帯域に分けて騒音特性の学習および制御回路を構成する方法を用いる場合、フィードフォワード制御を基本としているため、騒音特性を学習により獲得した際のモデル誤差に対するロバスト安定性を考慮した設計はできない。さらに、騒音制御以外の制御、例えば一般的な振動制御に関してはロバスト安定性を考慮したフィードバック制御が主流であり、上述のフィードフォワード制御に基づく能動的騒音制御手法では騒音抑制や速応性などに関する制御性能およびロバスト安定性の両面で仕様を満足できないことが起こり得る。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、騒音抑制や速応性などに関する制御性能およびロバスト安定性の両面を考慮して複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法、振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の振動低減装置のコントローラの設計方法では、振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法であって、前記複数のコントローラのうち1つのコントローラについて、前記1つのコントローラを除く他の1以上のコントローラでフィードバックした状態で前記1つのコントローラの制御対象からモデル誤差を求め、当該モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす重み関数を求めて前記1つのコントローラを設計することを特徴としている。これにより、周波数帯域を分割して各帯域のモデルを低次元で同定することができ、モデル化のための計算時間の短縮およびモデル化精度の向上を達成することができる。そして、各帯域用のコントローラは、それぞれの帯域に対応した低次元モデルから設計されるため、制御系設計の高効率化を図ることができると同時に設計されるコントローラも低次元で構成することができる。
また、振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法であって、前記複数のコントローラのうち1つのコントローラについて、前記1つのコントローラを除く他の全てのコントローラでフィードバックした状態で前記1つのコントローラの制御対象からモデル誤差を求め、当該モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす重み関数を求めて前記1つのコントローラを設計することを特徴としている。これにより、2つ以上のコントローラでも、他の全てのコントローラの影響を誤差として考慮した協調設計をすることで、大きな制御効果を得ることができ、さらに、確実に制御系を安定させることができる。
より具体的には、振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、第1の周波数帯域の振動の低減を制御する第1の周波数帯域コントローラと第2の周波数帯域の振動の低減を制御する第2の周波数帯域コントローラの設計方法であって、前記第2の周波数帯域コントローラが無いとした状態で、前記第1の周波数帯域コントローラの制御対象から第1の周波数帯域モデル誤差を求め、当該第1の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす第1の周波数重み関数を求めて前記第1の周波数帯域コントローラを設計する、第1のステップと、当該第1の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第2の周波数帯域コントローラの制御対象から第2の周波数帯域モデル誤差を求め、当該第2の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす第2の周波数重み関数を求めて前記第2の周波数帯域コントローラを設計する、第2のステップと、当該第2の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第1の周波数帯域コントローラの制御対象から新たな第1の周波数帯域モデル誤差を求め、前記第1の周波数重み関数が当該第1の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていれば前記各コントローラの設計を終了し、一方、前記第1の周波数重み関数が当該第1の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていないときは、当該第1の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たすように前記第1の周波数重み関数を修正して前記第1の周波数帯域コントローラを再設計し次の第4のステップに行く、第3のステップと、更に、当該第1の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第2の周波数帯域コントローラの制御対象から新たな第2の周波数帯域モデル誤差を求め、前記第2の周波数重み関数が当該第2の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていれば前記各コントローラの設計を終了し、一方、前記第2の周波数重み関数が当該第2の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていないときは、当該第2の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たすように前記第2の周波数重み関数を修正して前記第2の周波数帯域コントローラを再設計し上記第3のステップに戻る、第4のステップとを含み、前記各コントローラが相互にロバスト安定性を満たすまで、前記各コントローラを設計することを特徴としている。
上記目的達成のため、本発明の振動低減装置のコントローラでは、上記各振動低減装置のコントローラの設計方法により設計されたことを特徴としている。また、上記目的達成のため、本発明の振動低減装置では、上記コントローラを備えたことを特徴としている。これにより、上記各作用効果を奏する振動低減装置のコントローラ及び振動低減装置を提供することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本発明の実施形態に係る設計方法は、振動低減装置が備える複数のコントローラに対して有効に適用されるものであるが、説明を分かり易くするために、先ず単一のコントローラに対して適用する場合について説明する。
図1は、単一のコントローラを備えた振動低減装置を示す構成図である。この振動低減装置10は、システム(制御対象)11の振動を計測する加速度センサ12、計測信号のノイズなどを除去するローパスフィルター13、計測信号から制御則にしたがって制御入力を演算するためのデジタル制御システム14、制御対象11に制御入力を作用させるためのアクチュエータ15により構成される。一方、データ処理により振動特性を評価するための測定系は、入出力信号とFFTアナライザ16から成る。この測定系は、制御対象11の制御には何ら関与せず、データ処理・振動特性評価以外には用いる必要はない。制御対象11には外力などの外乱入力が作用し、この外乱入力により制御対象11が励振されることになるが、振動低減装置10における加速度センサ12で検出された信号がセンサーアンプ17を介してアナログのローパスフィルター13を通り、AD変換器14aを経て制御則を演算するコントローラ14bに入力される。そして、制御入力信号がDA変換器14cで出力され、増幅器18を経て制御用のアクチュエータ15に入力される。アクチュエータ15により制御対象11に制御力が作用し、制御対象11の振動が抑制される。
図2および図3は、振動低減装置10の制御系の概略のブロック線図である。図2に示すように、制御対象11には、外力に関する外乱wと制御入力に加算される外乱wが作用する。図35および図2から、wからuまでの伝達関数がロバスト安定性の評価指標となる。一方、外力外乱wに関しては、それを計測することや正確な特性を把握することが困難な場合がある。この場合は、図3に示すように、外乱をwのみとし、wが作用したときと等価な外乱をwとして作用させるという考えに基づいて対応することができる。このようにすれば、正確な外力外乱の作用点および特性がわからなくても、外力による大まかな出力特性を把握しておけば、それをwの特性に反映させて、制御系を設計することができる。また、図3は図2の特殊なケースと見ることができるので、図2の制御系についてコントローラの設計法を構築しておけば、図3についても同様に対応することができる。
次に、周波数応答の測定方法について説明する。励振入力信号(外力外乱)と加速度センサ12で検出された加速度信号をFFTアナライザ16に入力することにより、FFTアナライザ16内で高速フーリエ変換に基づくデータ処理が行われ、入出力間の周波数応答がアクセレランス(|加速度/力|)やコンプライアンス(|変位/力|)として演算され結果が出力される。同様に、制御入力外乱として励振入力信号を与え、制御用のアクチュエータ15から制御対象11に励振力を作用させ、制御対象11の振動応答を加速度センサ12で計測し、制御入力外乱信号と加速度センサ12の出力信号をFFTアナライザ16でデータ処理することにより周波数応答を計測する。一方、有限要素法などによる解析モデルが存在する場合、コンピュータを用いたシミュレーションにより得られた周波数応答を用いることができる。
次に、周波数応答のカーブフィッティングの方法について説明する。計測された周波数応答から制御対象11のモデルを記述するためには、制御対象11のモード特性(固有振動数、固有モードおよびモード減衰比など)を同定する必要がある。周波数応答(アクセレランスやコンプライアンスなど)からカーブフィッティングによりモード特性を同定する方法としては、偏分反復法などに代表される実験モード解析の手法が主流である。一方、有限要素法などによる解析モデルが存在する場合、コンピュータを用いたシミュレーションにより上記モード特性が計算されるので、同定手法によらず、これらの解析結果を用いることも可能である。
次に、モデル誤差と周波数重み関数の作成方法について説明する。上述のシステム同定手法によりモデル化を行った場合、モデルによる周波数特性と実際に計測で得られた(実システムの)周波数特性との間には誤差が存在するのが一般的である。制御系を構成する際のコントローラ14bは、この誤差に対してロバスト安定性を有するように設計されなければならない。
図4は、モデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図である。図4において、P(s)は制御対象、K(s)はコントローラ、Δ(s)は制御対象の乗法的誤差、P~(s)は実際の制御対象(実システム)である。一方、図35のブロック線図において、モデル誤差Δ(s)に対して適切に周波数重み関数W(s)を与えることにより、ロバスト安定性を保証する制御系の設計が可能になる。すなわち、Δ(s)の周波数応答(σ−プロット)に対して次式(3)を満たすW(s)によりスモールゲイン定理に基づくロバスト安定条件である次式(4)を満足するコントローラを設計する。この混合H/H制御問題に基づくコントローラは、線形行列不等式(LMI)の形で記述された制御問題に対し数値探索法により設計される。
Figure 0004991036
以上のようにして設計されたコントローラは、Δ(s)という誤差の範囲内で、ロバスト安定性を満たすことができる。一方、制御応答の性能(振動の低減)に関しては、Δ(s)により規定されるロバスト安定条件の制約に依存する。すなわち、誤差Δ(s)が対象とする周波数領域において小さければ制御応答に関して高い制御性能を達成することは可能であるが、逆に誤差が大きい場合にはその性能は劣化する。広い周波数帯域を制御する場合、単一のコントローラで制御しようとすると、多くの振動モードを含む広帯域の特性を一つのモデルで表現する必要があり、必然的にシステム同定の精度低下(モデル誤差の増加)とモデル次数の増加をもたらす。このことは、結果として制御性能の低下につながる。
そこで、上述の単一コントローラによる広帯域制御の問題点を解決するために、各帯域用の複数コントローラをロバスト協調設計することにより構成される振動低減装置を説明する。
図5は、本発明の一実施の形態に係る複数のコントローラを備えた振動低減装置を示す構成図である。この振動低減装置20は、低周波数帯域用のコントローラと高周波数帯域用のコントローラが並列結合されて広帯域用の制御器を構成しており、低周波数帯域コントローラ21および高周波数帯域コントローラ22以外の基本構成は前述の図1と同一であるため同一番号を付して説明を省略する。ここで、各周波数帯域用のコントローラ21、22は、それぞれ他の周波数帯域用のコントローラ22、21との干渉による不安定現象を起こさぬよう、ロバスト安定仕様を満足するように設計される。
次に、低周波数帯域コントローラ21および高周波数帯域コントローラ22のロバスト協調設計方法について説明する。
図6は、低周波数帯域用と高周波数帯域用の二つのコントローラを並列に結合した制御系のブロック線図である。ここで、K(s)は低周波数帯域用コントローラ、K(s)は高周波数帯域用コントローラである。フィードバック制御系において、両コントローラは互いに干渉するため、ロバスト安定性を考慮した両コントローラの協調設計を行う必要がある。そこで、一方のコントローラによるフィードバック制御による特性変化を他方のコントローラ設計におけるモデル誤差と考え、ロバスト制御系の設計を行う。ここで、各コントローラによるフィードバック制御系の周波数特性は、設計したコントローラと計測で得られた周波数応答から予測することができる。
以下に、複数コントローラの並列結合制御系において、ロバスト安定性を保証すべき協調設計法のプロセスを示す。
図7は、低周波数帯域コントローラのモデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図、図8は、低周波数帯域コントローラでフィードバックしたブロック線図、図9は、高周波数帯域コントローラのモデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図、図10は、高周波数帯域コントローラでフィードバックしたブロック線図である。
<ステップ1>:図7において高周波数帯域コントローラが無い場合(K(s)=0)に、低周波数帯域制御対象P(s)とモデル誤差Δ(s)を用い、次式(5)となるようにW∞L(s)を与え、ロバスト安定性を満たすように低周波数帯域コントローラK(s)を設計する。
Figure 0004991036
<ステップ2>:低周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックしたシステムP~(s)をK(s)と(計測した)実システムP~(s)から次式(6)により表す(図8参照)。
Figure 0004991036
ここで、P~(jω)が計測された周波数応答に対応するので、式(2)の周波数応答を実システムの応答とみなした上で、高周波数帯域制御対象P(s)とのモデル誤差Δ∞H(s)を次式(7)から求める。
Figure 0004991036
そして、高周波数帯域制御対象P(s)とモデル誤差Δ∞H(s)を用い、次式(8)となるようにW∞H(s)を与え、ロバスト安定性を満たすように高周波数帯域コントローラK(s)を設計する(図9参照)。
Figure 0004991036
<ステップ3>:高周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックしたシステムP~(s)をK(s)と(計測した)実システムP~(s)から次式(9)により表す(図10参照)。
Figure 0004991036
この周波数応答を実システムの応答とみなした上で低周波数帯域制御対象P(s)とのモデル誤差Δ∞L(s)を次式(10)から求める。
Figure 0004991036
もし、低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)がΔ∞L(s)に対しロバスト安定性(次式(11))を満たしていれば終了する。そうでなければ、低周波数帯域制御対象P(s)とモデル誤差Δ∞L(s)を用い、次式(12)を満たすようにW∞L(s)を修正した上で低周波数帯域コントローラK(s)を再設計し、ステップ4に行く(図7参照)。
Figure 0004991036
<ステップ4>:ステップ2の手順と同様に、低周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックしたシステムP~(s)の周波数応答をK(s)と計測した(実システムP~(s))周波数応答から計算し、それを実システムの応答とみなした上で高周波数帯域制御対象P(s)とのモデル誤差Δ∞H(s)を求める。もし、高周波数帯域周波数重み関数W∞H(s)がΔ∞H(s)に対しロバスト安定性(次式(13))を満たしていれば終了する。そうでなければ、高周波数帯域制御対象P(s)とモデル誤差Δ∞H(s)を用い、次式(14)を満たすようにW∞H(s)を修正した上で高周波数帯域コントローラK(s)を再設計し、ステップ3に戻る(図9参照)。
Figure 0004991036
ここで、本設計プロセスにおける設計終了条件は次式(15)のとおりである。すなわち、低周波数帯域用コントローラと高周波数帯域用コントローラがそれぞれ互いにロバスト安定性を満たすときに設計終了となる。ここで、式(15)の最左項は行列Δ∞L(jω)の最大特異値を示し、次式(16)(尚、*は複素転置行列)の最大固有値を表す。W∞L(jω)、Δ∞H(jω)およびW∞L(jω)の最大特異値についても同様である。
Figure 0004991036
図11は、ステップ1からステップ4をフロー図にしたものである。このフロー図におけるプロセスは、上記終了条件を満たすまでコントローラの設計を繰り返すことを示している。上記プロセスにより設計されたそれぞれのコントローラは、お互いの干渉に対しロバスト安定性を満たすことになる。なお、低周波数帯域コントローラが無い場合(K(s)=0)に、高周波数帯域制御対象P(s)とモデル誤差Δ(s)を用い、W∞H(s)を与え、ロバスト安定性を満たすように高周波数帯域コントローラK(s)を設計し、以降も設計する方法であっても良い。また、ステップ2〜ステップ4において、K(s)(もしくはK(s))でフィードバック制御したときの実システムP~(s)(もしくはP~(s))の周波数応答として、制御実験による実測データを用いても構わない。
さらに、コントローラの数が3以上の場合でも、同様のステップでコントローラを設計できる。すなわち、初期状態のコントローラを全て0とし、各帯域のコントローラを他の帯域の全てのコントローラでフィードバックした状態においてロバスト安定性を満たすように上記ステップにしたがって設計する。例えば、コントローラの数が3の場合には、次のようになる。コントローラ1は、他のすべてのコントローラを0として設計する。コントローラ2は、コントローラ1をフィードバックし、コントローラ3を0として設計する。コントローラ3は、コントローラ1および2をフィードバックした状態で設計する。以降、再設計が不要になるまで、本設計ステップにしたがってコントローラ1、2、3の順に設計する。
以上のように、各帯域用の複数コントローラをロバスト協調設計する方法によれば、周波数帯域を分割することにより、各帯域のモデルを低次元で同定することができ、モデル化のための計算時間の短縮およびモデル化精度の向上が達成される。そして、各帯域用の制御器は、それぞれの帯域に対応した低次元モデルから設計されるため、制御系設計の高効率化が図られると同時に設計される制御器も低次元で構成される。設計の高効率化は、設計期間の短縮とそれによるコスト低減等をもたらすと期待できる。さらに、制御器が低次元で構成できるため、制御器設計における数値計算の誤差が小さく、設計される制御器の信頼性は高いと言える。実システムで用いる広帯域用の制御器は、各帯域用の低次元制御器を並列に結合したものであるため、広帯域用の大次元モデルから直接設計した単一の制御器よりも計算効率を著しく向上できる。この根拠は、デジタル制御システムにおける1サンプルあたりの乗算回数は、コントローラの次数の2乗にほぼ等しく、これに対し制御帯域を分割した場合は各コントローラの乗算回数の和に等しくなることから理解できる。これにより、デジタル制御システムのハードウェア上のサンプリング周波数を向上させることができ、高周波数領域を含む広帯域の実時間制御が実現可能となる。
図12は、単一のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図1に対応させて示す構成図である。この振動低減装置10の基本構成は、前述の図1と同一であるが、図1との違いは、制御対象11を具体的なエンジン・エンジェクタシステムとして与えていることと、外力に関する外乱をインパルスハンマーにより作用させていることである。
先ず、周波数応答の測定方法と結果について説明する。外乱入力をインパルスハンマーにより与え、加速度センサ12により制御対象11の加速度を計測し、インパルスハンマーによる加振力の入力信号と加速度センサ12からの出力信号をFFTアナライザ16に入力することにより、力入力に対する加速度出力の周波数応答を計測する。
図13は、計測された外乱加振入力から加速度センサ12の出力信号までの周波数応答(アクセレランス)を示す図である。図13から、400Hz、1600Hz、2300Hzに大きなピークが存在することが分かる。同様に、制御入力外乱として励振入力信号を与え、制御用のアクチュエータ15から制御対象11に励振力を作用させ、制御対象11の振動応答を加速度センサ12で計測し、制御入力外乱信号と加速度センサ12の出力信号をFFTアナライザ16でデータ処理することにより周波数応答を計測する。
図14は、計測された制御入力外乱信号から加速度センサ12の出力信号までの周波数応答(アクセレランス)を示す図である。図14の結果から、図13における結果と同一の周波数に共振ピークが存在していることが分かる。
次に、周波数応答のカーブフィッティングの方法と結果について説明する。計測された周波数応答からカーブフィッティングよりモード特性を同定する。対象とする周波数応答としてアクセレランスやコンプライアンスなどがあるが、ここでは後者に基づいて同定を行う。実験ではアクセレランス(|加速度/力|)を計測しているので、これに−1/ω(ωは角振動数)を乗じることによりコンプライアンス(|変位/力|)に変換する。モード特性を同定する方法として、偏分反復法を用いる。比例粘性減衰系におけるシステムの周波数応答(コンプライアンス)G(s)は、システムの運動方程式をラプラス変換したs領域において次式(17)のように記述される。
Figure 0004991036
ここで、Ωおよびζはそれぞれr次の固有振動数および減衰比であり、φriおよびφrjはそれぞれr次モードにおける入力点iおよび出力点jの固有モード成分である。これらをモード特性と呼び、実験モード解析におけるカーブフィッティングにより同定される。r次モードに関する入出力関係を状態方程式で表すと次式(18)、(19)のようになる。
Figure 0004991036
ここで、qe,r、yはそれぞれr次モードに関する状態量および出力であり、Ae,r、Ble,r、B2e,rおよびC2e,rはr次モードに関する状態方程式のシステム行列を表す。wおよびuは、それぞれ外乱入力および制御入力である。φra、φrbおよびφrcは、それぞれr次モードにおける応答出力点a、外乱入力点bおよび制御入力点cの固有モード成分である。上式を全モードについて重ね合わせると、次式(20)、(21)のシステム方程式が得られる。
Figure 0004991036
ここで、qe,r、yはそれぞれ全モード成分を含む状態量および出力であり、A、Ble、B2eおよびC2eは全モード成分を含む状態方程式のシステム行列を表す。また、DおよびDはそれぞれ外乱入力および制御入力に対する応答をカーブフィッティングした際に、高次モードを省略したことによる補正項として同定される剰余剛性である。一方、低次モードを省略することによる補正項は剰余質量として同定されるが、一般に剰余質量を用いなくても対象とする周波数帯域の低域側における冗長なモードを採用することにより、その影響を補正することが可能である。
図15〜図18は、振動実験により計測したデータを用いて、実験モード解析によりカーブフィットした結果(アクセレランス)を示す図である。図15および図16は、低周波数帯域において採用モード数を4としたときの、それぞれ外乱入力および制御入力に対する応答の同定結果である。そして、図17および図18は、高周波数帯域において採用モード数を6としたときの、それぞれ外乱入力および制御入力に対する応答の同定結果である。両周波数帯域において、実験結果を正確にフィットする良好なシステム同定が行われていることがわかる。さらに、対象とする周波数帯域を分割してモデル化しているため、全周波数帯域を一括してモデル化する場合よりも、低次元でモデルが実現できることになる。
次に、モデル誤差と周波数重み関数の作成方法と結果について説明する。
図19は、ロバスト安定性を考慮した周波数重みの設定について示すブロック線図である。図16および図18に示した制御入力に対する応答の同定結果から、次式(22)の乗法的誤差を計算する。ここで、P(s)はモデル化された制御対象、P~(s)は実際の制御対象(実システム)、Δ(s)はモデルの乗法的誤差である。
Figure 0004991036
図20および図21は、低周波数帯域および高周波数帯域において、両帯域の乗法的誤差Δ∞L(s)およびΔ∞H(s)を計算した結果をそれぞれ破線で示し、両帯域において与えた周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)の周波数特性をそれぞれ実線で示す図である。前述のとおり、次式(23)となるように、両帯域の周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)を与えた上で、ロバスト安定条件(次式(24))を満たすように制御系を設計することになる。ここで、Tuw(s)は図20においてwからuまでの伝達関数行列である。そして、周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)をプロパーな伝達関数として与え、それらが次式(25)を満たすように、すなわち1入出力系ではW∞L(s)およびW∞H(s)の周波数応答がそれぞれΔ∞L(s)およびΔ∞H(s)の周波数応答よりも全周波数帯域にわたって大きくなるように設定する。
Figure 0004991036
次に、コントローラの設計方法について説明する。上述のように両帯域の周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)を与えた上で、以下の混合H/H制御問題(次式(26)、(27))を解くことによりコントローラを設計する。
Figure 0004991036
ここで、TZ2w(s)は外乱wから周波数重み付き制御応答zまでの伝達関数行列、TZ1w(s)は外乱wから周波数重み付き制御入力zまでの伝達関数行列であり、式(26)はTZ2w(s)のHノルム、式(27)の左辺はTZ1w(s)のHノルムを表す。制御応答にかかる周波数重み関数W(s)は、モード座標から成る状態ベクトルqの成分に直接かかる重み係数として与える。こうすることにより、コントローラの次数を増加させることなく着目するモード(共振ピーク)を効果的に低減することができる。コントローラは、前述のとおり上記制御問題を線形行列不等式(LMI)の形で記述した上で、数値探索法により設計される。設計されたコントローラは、次式(28)の状態方程式として記述される。
Figure 0004991036
ここで、qcpはコントローラの状態ベクトル、Acp、Bcp、CcpおよびDcpはコントローラのシステム行列であり、式(12)は観測出力yから制御入力uの特性を表現したものである。行列Acp、Bcp、CcpおよびDcpが制御系設計により決定されることになる。
図22〜図25は、シミュレーションおよび実験結果を示す図である。図22および図23は低周波数帯域におけるシミュレーションおよび実験結果、図24および図25は高周波数帯域におけるシミュレーションおよび実験結果を示す。シミュレーションに関しては、実験モード解析により同定されたモデルに対し、設計されたコントローラの出力を制御入力とする閉ループ系の拡大状態方程式を記述し、それに対して周波数応答を計算している。ここで、シミュレーションにおける実システムとして、低周波数帯域と高周波数帯域の両帯域に含まれるモードを採用した大次元の制御対象モデルを作成しておき、それに対して閉ループ系を構成することにより、対象としている全周波数帯域における閉ループ系の周波数応答解析が行われる。図22〜図25から、シミュレーション結果と実験結果はよく対応していることが分かる。
以上のようにして設計されたコントローラによれば、低周波数帯域での実験結果において、目標としていた400Hz付近のピークが約10dB低減している。また、図20のようにロバスト安定性を考慮しているため、モデル化していない高周波数帯域でも発散せずに非制御時の応答にほぼ重なっている。高周波数帯域での実験結果に関しては、1600Hz付近のピークが約10dB、2300Hz付近のピークが約5dB低減されている。先程と同様、図21のようにロバスト安定性を考慮しているため、モデル化していない低周波数帯域でも発散せずに非制御時と同様の応答を示している。両帯域ともシミュレーション結果と実験結果が良く一致しており、各周波数帯域におけるモデル化および制御系設計が適切になされていることが分かる。
次に、各帯域用の複数コントローラをロバスト協調設計することにより構成される振動低減装置を説明する。
図26は、複数のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図5に対応させて示す構成図である。この振動低減装置20の基本構成は、前述の図5と同一であるが、図5との違いは、制御対象11を具体的なエンジン・エンジェクタシステムとして与えていることと、外力に関する外乱をインパルスハンマーにより作用させていることである。
先ず、コントローラのロバスト協調設計方法と結果について説明する。図11に示すステップにしたがって、コントローラのロバスト協調設計を行う。まず、ステップ1より、低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)を求め、低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)を作成し、低周波数帯域コントローラK(s)を設計する。
図27は、Δ∞L(s)とW∞L(s)の周波数特性を示す図である。そして、ステップ2において低周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックした状態の周波数応答を設計したコントローラと計測で得られた周波数応答から計算し、それを実システムの応答とみなした上で高周波数帯域制御対象P(s)とのモデル誤差Δ∞H(s)を求め、高周波数帯域周波数重み関数W∞H(s)を設計する。図9から、低周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックした状態の高周波数帯域の実制御対象P~(s)と高周波数帯域モデル誤差Δ∞H(s)は次式(29)、(30)で表せる。
Figure 0004991036
ここで、P~(s)はノミナルモデルであり、その周波数特性は実験で計測された周波数応答に対応する。
図28は、P(s)とP~(s)を用いて作成した高周波数帯域モデル誤差Δ∞H(s)の周波数特性を低周波数帯域コントローラによる制御時および非制御時で比較したものを示す図である。図28からわかるように低周波数帯域制御により高周波数帯域で誤差が増加することはなく、低周波数帯域で誤差が減少していることが分かる。高周波数帯域で誤差が増加しないことは、ロバスト安定性を満たすように低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)を与えて制御系を設計したことから理解できる。
図29は、フィードバックした状態の実制御対象P~(s)を用いて作成した高周波数帯域モデル誤差Δ∞H(s)に対してロバスト安定性を満たすように作成した高周波数帯域周波数重み関数W∞H(s)を示す図である。そして、高周波数帯域コントローラK(s)を設計する。次に、ステップ3において、高周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックした状態の低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)を求める。図7から、高周波数帯域コントローラK(s)でフィードバックした状態の低周波数帯域の実制御対象P~(s)と低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)は次式(31)、(32)で表せる。
Figure 0004991036
ステップ3で求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)に対し、ステップ1で作成した低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)がロバスト安定を満たしていれば終了である。
図30は、ステップ1で求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)、ステップ3で再度求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)、およびステップ1で作成した低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)を比較した図である。モデル誤差は2300Hz付近で悪化しているが、制御帯域である0〜800Hz付近ではほぼ重なっている。これは、図29において高周波数帯域周波数重み関数W∞H(s)が制御帯域外で十分にロバスト性を確保しているからである。ステップ1で作成した低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)はステップ3で再度求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)に対しロバスト安定を満たしている。したがって、ステップ1で作成した低周波数帯域コントローラK(s)は閉ループでもロバスト性をもつので設計終了である。
図31および図32は、上述のとおり設計されたコントローラを用いて、閉ループ系のシミュレーションおよび実験を行った結果を示す図である。なお、前述の単一コントローラの場合と同様、シミュレーションでは低周波数帯域と高周波数帯域の両帯域に含まれるモードを採用した大次元の制御対象モデルに対し閉ループ系を構成している。図31および図32から、シミュレーション結果と実験結果は良い対応を示していることが分かる。
以上のように、各帯域用の複数コントローラを協調設計する方法によれば、図31および図32の結果から、協調設計されたコントローラにより400Hzおよび1600Hz付近のピークにおいて約10dB、2300Hz付近のピークにおいて約2dB低減させることができた。単一コントローラの場合と同様、制御帯域において効果的に制御しつつ、制御帯域外で応答が悪化していないことが分かる。特に、本制御手法により低周波数帯域と高周波数帯域の振動を同時に低減していることが最大の特徴である。ここで用いたコントローラは、各帯域用の低次元コントローラを並列に結合したものであり、広帯域用の大次元モデルから直接設計した単一のコントローラよりも計算効率を著しく向上させているため、本結果の達成につながっている。この根拠は、前述のとおり単一コントローラと並列コントローラの演算回数の比較から理解できる。本実施例のように約3kHzまでの振動の制御が要求される場合、一般にデジタル制御システムにおいて約30kHzのサンプリング周波数が必要とされるが、広帯域用の大次元モデルから直接設計した単一の制御器で実現できるサンプリング周波数は10kHz程度であったのに対し、本手法を用いた場合は30kHzが達成された。以上のことは、本ロバスト協調設計法の優れた有効性を示していることに他ならない。
次に、比較のため、各帯域用の複数コントローラを非ロバスト協調設計することにより構成される振動低減装置を説明する。
図33は、複数のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図5に対応させて示す構成図である。この振動低減装置20の基本構成は、前述の図5と同一であるが、図5との違いは、制御対象11を具体的なエンジン・エンジェクタシステムとして与えていることと、外力に関する外乱をインパルスハンマーにより作用させていることである。
先ず、コントローラのロバスト協調設計方法と結果について説明する。図19にて設計した低周波数帯域および高周波数帯域ごとの単一コントローラK(s)およびK(s)を並列に結合し、閉ループ系を構成する。したがって、両コントローラの干渉を考慮した協調設計はされておらず、ロバスト安定条件は保証されていない。
図34は、非ロバスト協調設計による複数コントローラを用いた場合の実験結果を示す図である。図34の結果から1600Hz付近のピークで約3dB、2300Hz付近のピークで約4dB低減できているが、400Hz付近のピークでは約2dB増大している。また、1800Hz付近に新たな大きなピークが存在しているのが分かる。
次に、ロバスト協調設計による複数コントローラの実験結果との比較について説明する。図32および図34より、ロバスト協調設計による複数コントローラを用いた場合は低周波数帯域、高周波数帯域ともにロバスト安定を保ちながら制振効果を得ているのに対し、非ロバスト協調設計による複数コントローラを用いた場合は制振効果にばらつきがあり、ロバスト安定が保たれていないのが分かる。これは、コントローラを並列に接続する際に互いの出力による干渉を考慮していないため、ロバスト安定性を満たしていないからであると考察できる。この比較から、コントローラを複数用いる場合、上記のロバスト協調設計を用いることが有効であると言える。
なお、上述した実施形態では、コントローラの数を2つとして説明したが、コントローラの数は基本的には2以上の任意の数で効果が期待できる。その根拠は、以下のとおりである。いま、単一のコントローラの次数をnとし、それをm個のサブシステムに等分割できたとする。コントローラ演算における乗算回数は前者で約n、後者で約n/mとなり、m≧2で後者が前者よりも必ず小さくなる。しかし、コントローラの数が多くなるにつれて制御系の協調設計の手間は大きくなる。すなわち、周波数重み関数を修正する回数は必然的に大きくなる。しかし、コントローラの分割数が多いほど、各コントローラの設計効率は高いという性質は不変である。以上のことから、コントローラの数は2個〜5個程度が適切であると考えられる。
また、本実施形態では、1軸方向の制御のみについて示したが、3次元方向の制御に拡張することは可能である。この場合、センサおよびアクチュエータの設置位置および方向に関して、3軸全ての方向について応答を検知できかつ駆動できること、もしくはこれを満たすように複数のセンサおよびアクチュエータを使用することが条件となる。これは、可制御性および可観測性という制御系に要求される基本的条件を満たすことに他ならない。これらの条件を満たした上で、システムのモデル化および制御系設計を行えばよいことになる。ここで、センサおよびアクチュエータの数が複数になった場合でも、各アクチュエータからセンサ出力までの周波数応答から、実験モード解析によりシステムがモデル化され、前述と同じプロセスで制御系が設計される。
また、本実施形態では、インパルスハンマーにより作用させた外乱(外部加振力)の数は1であったが、2以上の外乱が作用する場合でも制御系の設計は可能である。この場合、各外乱からセンサ出力までの周波数応答を計測するか、もしくは無相関な外乱を同時に作用させたときのセンサ出力までの周波数応答を計測すれば、実験モード解析によりモード特性が同定されることになる。そして、前述と同じプロセスにしたがって、同定されたモード特性から状態方程式を記述し制御系を設計すればよいことになる。
また、本実施形態の振動低減装置の適用対象としては、ディーゼルおよびガソリンエンジンの振動、自動車の車体など自動車全般に関わる振動、鉄道車両の振動、航空機の振動、磁気ディスク装置や光ディスク装置、ならびにプリンタ機器をはじめとする情報機器の振動などがある。
また、本実施形態は、混合H/H制御方法に適用できるほか、H制御方法にも適用できる。すなわち、H制御の場合、制御応答の制御量とロバスト安定性の制御量を併せてHノルムで評価するが、ロバスト安定性の評価指標は本発明と共通であるため、このHノルムを評価関数としてとして与えるだけで、本発明と同じ設計方法によりH制御に対するコントローラのロバスト協調設計が可能である。
また、本実施形態は、音の特性をモデル化することにより、騒音低減制御に適用することができる。この場合、センサとしてマイクロホンを使用し、振動実験で計測される音圧の周波数応答を用いてカーブフィッティングすれば、入力から音圧までのモデルが同定される。そして、この音圧を制御応答として制御問題を定義すれば、本発明と同一の方法により、コントローラの協調設計が行われる。単一のコントローラを用いる場合において、システム同定による音のモデル化および騒音低減制御が可能なことは以下の論文で実証済みである。
(a)梶原逸朗、福田将直、下嶋浩、モード解析と線形行列不等式に基づくフィードバック音響制御、日本機械学会論文集(C編)、64巻、621号、1998、pp.1668−1675
(b)下嶋浩、松永義弘、小池関也、梶原逸朗、モード解析に基づく複数の制御音源を用いたフィードバック音響制御、日本機械学会論文集(C編)、65巻、633号、1999、pp.1849−1856
論文(a)では,システムを比例粘性減衰系としてカーブフィッティングによるモデル化を行い、H制御方法および混合H/H制御方法によりコントローラを設計し、マイクロホンとスピーカーを用いたフィードバック制御により騒音低減を実現している。論文(b)では、複数のスピーカー(制御音源)をもつシステムを一般粘性減衰系としてカーブフィッティングによるモデル化を行い、論文(a)と同様の制御系設計およびフィードバック制御実験により優れた騒音低減効果を達成している。これらの論文では、単一の周波数帯域における単一のモデル化およびコントローラ設計法を示しているが、複数の周波数帯域に分割して考えることにより、本発明の方法をそのまま適用することができる。
また、本実施形態におけるモデル化では、式(17)〜式(21)に示すように比例粘性減衰系を扱ったが、系を一般粘性減衰系としたときのモデル化も同様に可能であり、本発明をそのまま適用できる。一般粘性減衰系におけるモード特性からシステムを状態方程式で記述する方法は上記(6)の論文(b)に示されている。
また、本実施形態におけるモデル誤差として、乗法的誤差と同様に加法的誤差を扱うことも可能である。モデル誤差を加法的誤差として扱う場合には、システムの観測出力に作用する外乱から制御入力までの伝達関数に対し、加法的誤差特性を指標とする周波数重み関数を与えることにより、本実施形態をそのまま適用することができる。
単一のコントローラを備えた振動低減装置を示す構成図である。 図1の振動低減装置の制御系の概略の第1のブロック線図である。 図1の振動低減装置の制御系の概略の第2のブロック線図である。 図1の振動低減装置のモデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図である。 本発明の一実施の形態に係る複数のコントローラを備えた振動低減装置を示す構成図である。 図5の振動低減装置の低周波数帯域用と高周波数帯域用の二つのコントローラを並列に結合した制御系のブロック線図である。 図5の振動低減装置の低周波数帯域コントローラのモデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図である。 図5の振動低減装置の低周波数帯域コントローラでフィードバックしたブロック線図である。 図5の振動低減装置の高周波数帯域コントローラのモデル誤差を乗法的誤差として与え、外乱の作用する位置とあわせて表記したブロック線図である。 図5の振動低減装置の高周波数帯域コントローラでフィードバックしたブロック線図である。 本発明の一実施の形態に係る設計方法のステップ1からステップ4をフロー図にしたものである。 単一のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図1に対応させて示す構成図である。 図12の振動低減装置の計測された外乱加振入力から加速度センサの出力信号までの周波数応答(アクセレランス)を示す図である。 図12の振動低減装置の計測された制御入力外乱信号から加速度センサの出力信号までの周波数応答(アクセレランス)を示す図である。 図12の振動低減装置の振動実験により計測したデータを用いて、実験モード解析によりカーブフィットした結果(アクセレランス)を示す第1の図である。 図12の振動低減装置の振動実験により計測したデータを用いて、実験モード解析によりカーブフィットした結果(アクセレランス)を示す第2の図である。 図12の振動低減装置の振動実験により計測したデータを用いて、実験モード解析によりカーブフィットした結果(アクセレランス)を示す第3の図である。 図12の振動低減装置の振動実験により計測したデータを用いて、実験モード解析によりカーブフィットした結果(アクセレランス)を示す第4の図である。 図12の振動低減装置のロバスト安定性を考慮した周波数重みの設定について示すブロック線図である。 図12の振動低減装置の低周波数帯域および高周波数帯域において、両帯域の乗法的誤差Δ∞L(s)およびΔ∞H(s)を計算した結果をそれぞれ破線で示し、両帯域において与えた周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)の周波数特性をそれぞれ実線で示す第1の図である。 図12の振動低減装置の低周波数帯域および高周波数帯域において、両帯域の乗法的誤差Δ∞L(s)およびΔ∞H(s)を計算した結果をそれぞれ破線で示し、両帯域において与えた周波数重み関数W∞L(s)およびW∞H(s)の周波数特性をそれぞれ実線で示す第1の図である。 図12の振動低減装置のシミュレーションおよび実験結果を示す第1の図である。 図12の振動低減装置のシミュレーションおよび実験結果を示す第2の図である。 図12の振動低減装置のシミュレーションおよび実験結果を示す第3の図である。 図12の振動低減装置のシミュレーションおよび実験結果を示す第4の図である。 複数のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図5に対応させて示す構成図である。 図26の振動低減装置のΔ∞L(s)とW∞L(s)の周波数特性を示す図である。 図26の振動低減装置のP(s)とP~(s)を用いて作成した高周波数帯域モデル誤差Δ∞H(s)の周波数特性を低周波数帯域コントローラによる制御時および非制御時で比較したものを示す図である。 図26の振動低減装置のフィードバックした状態の実制御対象P~(s)を用いて作成した高周波数帯域モデル誤差Δ∞H(s)に対してロバスト安定性を満たすように作成した高周波数帯域周波数重み関数W∞H(s)を示す図である。 図11のフロー図のステップ1で求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)、ステップ3で再度求めた低周波数帯域モデル誤差Δ∞L(s)、およびステップ1で作成した低周波数帯域周波数重み関数W∞L(s)を比較した図である。 図11のフロー図により設計されたコントローラを用いて、閉ループ系のシミュレーションおよび実験を行った結果を示す第1の図である。 図11のフロー図により設計されたコントローラを用いて、閉ループ系のシミュレーションおよび実験を行った結果を示す第2の図である。 複数のコントローラを備えた振動低減装置の実施例を図5に対応させて示す構成図である。 図33の振動低減装置の非ロバスト協調設計による複数コントローラを用いた場合の実験結果を示す図である。 制御問題を表すブロック線図である。
符号の説明
10、20 振動低減装置、11 制御対象、12 加速度センサ、13 ローパスフィルター、14 デジタル制御システム、14a AD変換器、14b コントローラ、14c DA変換器、15 アクチュエータ、16 FFTアナライザ、17 センサーアンプ、18 増幅器、21 低周波数帯域コントローラ、22 高周波数帯域コントローラ

Claims (5)

  1. 振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法であって、
    前記複数のコントローラのうち1つのコントローラについて、前記1つのコントローラを除く他の1以上のコントローラでフィードバックした状態で前記1つのコントローラの制御対象からモデル誤差を求め、当該モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす重み関数を求めて前記1つのコントローラを設計する
    ことを特徴とする振動低減装置のコントローラの設計方法。
  2. 振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、複数の周波数帯域の振動の低減をそれぞれ対応して制御する、複数のコントローラの設計方法であって、
    前記複数のコントローラのうち1つのコントローラについて、前記1つのコントローラを除く他の全てのコントローラでフィードバックした状態で前記1つのコントローラの制御対象からモデル誤差を求め、当該モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす重み関数を求めて前記1つのコントローラを設計する
    ことを特徴とする振動低減装置のコントローラの設計方法。
  3. 振動源により発生する振動を低減する装置に備えられ、第1の周波数帯域の振動の低減を制御する第1の周波数帯域コントローラと第2の周波数帯域の振動の低減を制御する第2の周波数帯域コントローラの設計方法であって、
    前記第2の周波数帯域コントローラが無いとした状態で、前記第1の周波数帯域コントローラの制御対象から第1の周波数帯域モデル誤差を求め、当該第1の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす第1の周波数重み関数を求めて前記第1の周波数帯域コントローラを設計する、第1のステップと、
    当該第1の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第2の周波数帯域コントローラの制御対象から第2の周波数帯域モデル誤差を求め、当該第2の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たす第2の周波数重み関数を求めて前記第2の周波数帯域コントローラを設計する、第2のステップと、
    当該第2の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第1の周波数帯域コントローラの制御対象から新たな第1の周波数帯域モデル誤差を求め、前記第1の周波数重み関数が当該第1の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていれば前記各コントローラの設計を終了し、
    一方、前記第1の周波数重み関数が当該第1の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていないときは、当該第1の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たすように前記第1の周波数重み関数を修正して前記第1の周波数帯域コントローラを再設計し次の第4のステップに行く、第3のステップと、
    更に、当該第1の周波数帯域コントローラでフィードバックした状態の周波数応答を実制御対象の応答とみなして、前記第2の周波数帯域コントローラの制御対象から新たな第2の周波数帯域モデル誤差を求め、前記第2の周波数重み関数が当該第2の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていれば前記各コントローラの設計を終了し、
    一方、前記第2の周波数重み関数が当該第2の周波数帯域モデル誤差に対しロバスト安定性を満たしていないときは、当該第2の周波数帯域モデル誤差を用いてロバスト安定性を満たすように前記第2の周波数重み関数を修正して前記第2の周波数帯域コントローラを再設計し上記第3のステップに戻る、第4のステップとを含み、
    前記各コントローラが相互にロバスト安定性を満たすまで、前記各コントローラを設計する
    ことを特徴とする振動低減装置のコントローラの設計方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の振動低減装置のコントローラの設計方法により設計されたことを特徴とする振動低減装置のコントローラ。
  5. 請求項4に記載のコントローラを備えたことを特徴とする振動低減装置。
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