JP4990657B2 - 燃料電池用PtRu系触媒の製造方法、PtRu系触媒および膜電極接合体 - Google Patents

燃料電池用PtRu系触媒の製造方法、PtRu系触媒および膜電極接合体 Download PDF

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Description

本発明は燃料電池用PtRu系触媒の製造方法、PtRu系触媒および膜電極接合体に関する。更に詳細には、本発明は高活性と同時に高耐久性を有する燃料電池用PtRu系触媒に関する。
従来、電気エネルギーの大部分は、火力発電、水力発電又は原子力発電などにより供給されてきた。しかし、火力発電は石油や石炭などの化石燃料を燃焼させるため大規模な環境汚染をもたらすばかりか、石油などの資源枯渇が問題視されるようになってきた。また、水力発電は大規模なダム建設を必要とし、それによる自然破壊が懸念されるばかりか、建設適地も限られている。原子力発電は事故の際の放射能汚染が致命的であるばかりか、寿命を迎えた原子炉の廃炉問題などもあり、世界的には建設が抑制される方向に動いている。
大規模な施設を必要とせず、環境汚染も起こさない発電方法として風力発電や太陽光発電が世界各国で利用されるようになり、我が国でも一部の地域で実際に風力発電や太陽光発電が実用化されている。しかし、風力発電は風が吹かなければ発電できず、また太陽光発電は日光照射がなければ発電できないなど、自然現象に左右され、安定した電力供給ができないという欠点がある。
そこで近年、水素エネルギーから電気エネルギーを取り出すことができる発電装置、例えば、水素燃料電池などの開発研究が活発になってきた。水素は水を分解することにより得られ、地球上に無尽蔵に存在するばかりか、物質量当たりに含まれる化学エネルギー量が大きく、しかも、エネルギー源として利用するときに有害物質や地球温暖化ガスを発生しないという利点を有する。しかし、水素は引火性が非常に強く、その取り扱いには厳重な注意が必要である。このため、水素ガス供給スタンドの建設は殆ど進まず、水素燃料電池は未だ実用段階には達していない。
水素ガスの代わりに、メタノールを使用する燃料電池の研究も活発に行われている。液体燃料であるメタノールを使用する直接メタノール型燃料電池は、燃料の取り扱い易さに加え、安価な燃料ということで家庭用や産業用の比較的小出力規模の電源として期待されている。メタノール−酸素燃料電池の理論出力電圧は、水素燃料のものとほぼ同じ1.2 V (25 ℃)であり、原理的には同様の特性が期待できる。
メタノールを陽極燃料として用いる直接メタノール型燃料電池は、一般的に白金系の触媒をカーボンに担持させ、このカーボン担持白金触媒層をカーボンシートやカーボンクロス上に形成し、これらをメタノール極及び酸素極とし、その間にプロトン導電性を有する有機膜を挟持したものが知られている。燃料であるメタノールと水の混合溶液あるいはこれを気化したガスがメタノール極へと供給され、白金系の触媒により、式(1)の反応が起こる。

CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- 式(1)
この反応により得られたプロトンは、メタノール極と酸素極の間に挟持されたプロトン導電性有機膜を通じて酸素極側へと流れ、また電子は外部回路を通じて酸素極へ運ばれ、酸素極では記式(2)の反応にしたがい水を生成する。

O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O‥‥式(2)
従って、電池全体として式(3)に示されるような反応が進行し、この時に外部回路を流れる電子を電子機器に使用する。

CH3OH+ 3/2O2 → CO2 + 2H2O‥‥式(3)
しかし、白金単体をメタノール極の触媒に用いると、下記式(4)で示すようにメタノール酸化反応中間物であるCOが白金触媒表面に化学吸着し、白金触媒が被毒してやがて失活する。

Pt+CH3OH → Pt-CO +4H++ 4e-‥‥式(4)
この問題を解決するため、現在ではメタノール極あるいは水素極の触媒としては白金−ルテニウム(PtRu)からなる触媒が一般的に使用される。Ruは親水性が高く、式(5)に示されるように水と反応し、Ru-OHを生成する。

Ru + H2O → Ru-OH + H+ + e-‥‥式(5)
生成したRu-OHは式(6)に従い、Pt上に吸着したCOを速やかにCO2に酸化する。

Pt-CO + Ru-OH → CO2 + H+ + e- + Pt + Ru‥‥式(6)
しかしながら、PtRu合金触媒の反応機構については未だ不明な点が多く、このような合金系の触媒を大量に使用してもメタノールの酸化反応は遅く、高い出力を得ることは困難である。したがって、直接メタノール型燃料電池の実用化に向け、高価な貴金属であるPtRu触媒の活性を高め、その使用量を削減して燃料電池の製造コストを低減することが強く望まれている。
非特許文献1に示すように、我々は微粒子化による触媒活性向上のため、非金属元素であるリン(P)をPtRu触媒に添加し、そのメタノール酸化活性を高める方法を開発した。しかし、PtおよびRu供給源として使用したアセチルアセトナト錯体は極めて高価な試薬であり、触媒コスト低減のためには、安価な前駆体を使用した合成方法が必要である。本発明は安価な前駆体を使用すると共に、高活性で高耐久性を有するPtRu系触媒を合成することを目的とした。
H. Daimon and Y. Kurobe, Size Reduction of PtRu Catalyst Particle Deposited on Carbon Support by Addition of Non-Metallic Elements, Catalysis Today, 111, 182 (2006).
従って本発明の目的は、PtRu系触媒合成において、安価なPtおよびRu前駆体を使用し、メタノール酸化活性が高く、高耐久性を有する燃料電池用PtRu系触媒の新規な製造方法を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、燃料料電池用PtRu系触媒の製造方法であって、
(1)Ptの塩又は錯体とRuの塩又は錯体が溶解した水溶液中に少なくとも一種類の錯化剤を添加するステップと、
(2)得られた溶液中にカーボン担体を分散させるステップと、
(3)(2)で得られた溶液中に少なくとも一種類の緩衝剤を混合させるステップと、
(4)(3)で得られた溶液中に少なくとも一種類の還元剤を混合させるステップと
(5)(4)で得られた溶液のpHを8以上に調整するステップと、
(6)(5)で得られた溶液を60 ℃以上に加熱してPtおよびRuをカーボン担体上に還元析出させるステップからなることを特徴とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項2に係る発明は、
使用する錯化剤の添加量が合成系内に存在するPtとRuの合計モル数に対して0.05〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法である。
前記課題を解決するための手段として、請求項3に係る発明は、
使用する錯化剤がクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸およびこれらの塩から選択される少なくとも一種類の錯化剤であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法である。
前記課題を解決するための手段として、請求項4に係る発明は、
使用する還元剤が、次亜リン酸または次亜リン酸塩であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法である。
前記課題を解決するための手段として、請求項5に係る発明は、請求項1〜4いずれか記載の製造方法により製造されたことを特徴とする燃料電池用PtRu系触媒である。
前記課題を解決するための手段として、請求項6に係る発明は、請求項1〜4いずれか記載の製造方法により製造されたPtRu系触媒を使用していることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体である。
PtRu系触媒では先述したように、Ruが一酸化炭素の化学吸着によるPt触媒の被毒を抑制する。従って、高活性なPtRu系触媒を得るためには、触媒粒子表面でPtとRu原子が十分混合し、PtとRu原子を隣接させることが必要である。しかし、PtとRuイオンの標準還元電位を比較すると、Ptイオンの方が高く、還元雰囲気で両イオンが共存する場合、Ptイオンの方が優先的に金属に還元される。この還元電位の相違により、水系においてPtRu系触媒を還元析出させると、一般的にPtコア・Ruシュル構造が形成される。このようなコア・シェル構造では、前述したPtとRu原子が十分に混合隣接した表面構造は得られず、PtRu系触媒のメタノール酸化活性を高めることはできない。
本発明の合成方法において、両者Pt、Ruのイオンが存在する水系合成系内にクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、およびこれらの塩から選択される少なくとも一種類の錯化剤を添加することを特徴としている。これらの錯化剤は水溶液中で存在するPtとRuイオンに塩素イオン等が配位した錯体と配位子置換し、新たな錯体に変化する。本発明による錯化剤は、二個以上の酸素原子を含有する多座配位子であり、キレートを形成する。このキレート形成によって錯体の安定性が変化し、見かけ上のPtとRuの還元電位差が元の塩素イオンが配位した錯体に比較して減少する。この見かけ上の還元電位差の減少によってPtとRuイオンがほぼ同時に還元析出するため、コア・シェル構造からPtとRu原子が十分に混合接近した構造を実現させることができる。従って、本発明によればPt原子近傍にRu原子を配置させることが可能となり、高いメタノール酸化活性を有するPtRu系触媒を得ることが可能となる。
本発明では、水系合成系内に錯化剤を添加することによって、PtとRu原子が十分に混合隣接した構造のPtRu系触媒を得ることができる。この構造は触媒粒子表面だけでなく内部に渡っており、触媒の耐久性も高めることができる。燃料電池が使用される環境は強酸性であり、触媒粒子は陽陰極に分極される。この厳しい環境では、一般環境で安定なPtでさえ溶解する。先述したように、PtRu系触媒のメタノール酸化活性はPtとRu原子が混合隣接した構造によって高められる。本発明のPtRu系触媒ではPtとRu原子がその表面だけでなく、粒子内部に渡って混合隣接した構造が得られるため、長期間の使用によって触媒粒子が溶解してもその高活性を維持し、触媒の耐久性を高めることができる。
本発明において使用する還元剤は、P共析によってPtRu触媒を微粒子化させることが出来るので、次亜リン酸或いは次亜リン酸塩を使用することが好ましい。還元剤が電子を放出し、酸化された亜リン酸の存在によってRuイオンは不溶性の塩を形成する。しかし、本発明では、水系合成系内にキレートを形成する錯化剤を添加しているため、塩化イオン等が配位した錯体とは異なり、亜リン酸が存在しても塩を形成せず、安定した水系合成系を構築できる。
本発明の還元剤の還元作用を発揮させるため、浴温度は60 ℃以上に加熱され、浴のpHはアルカリ側に調整される。しかし、Ru3+イオンと水酸イオンの溶解度積は1×10-38 [mol/l]4と極めて小さく、合成系内がアルカリ側になるとRu(OH)3の沈殿を生成する。この問題に対しても、本発明では水系合成系内にキレートを形成する錯化剤を添加しているため、錯体が安定化してアルカリ領域のpHにおいても水酸化物の沈殿を生成せず、安定した水系合成系を構築できる。
本発明の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法によれば、安価なPt、Ru前駆体を使用できるとともに、高活性で高耐久性を有するPtRu系触媒を合成することができる。
本発明の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法は基本的に、
(1)Ptの塩又は錯体とRuの塩又は錯体が溶解した水溶液中に少なくとも一種類の錯化剤を添加するステップと、
(2)得られた溶液中にカーボン担体を分散させるステップと、
(3)(2)で得られた溶液中に少なくとも一種類の緩衝剤を混合させるステップと、
(4)(3)で得られた溶液中に少なくとも一種類の還元剤を混合させるステップと
(5)(4)で得られた溶液のpHを8以上に調整するステップと、
(6)(5)で得られた溶液を60 ℃以上に加熱してPtおよびRuをカーボン担体上に還元析出させるステップ
から構成される。添加する錯化剤の濃度は、合成系内に存在するPtとRuの合計モル数に対し、0.05〜2.0倍が適する。0.05倍以上であれば、安定なPtおよびRuキレート錯体を形成することができる。一方、添加量が2.0倍以下であれば、キレート効果による錯体の安定定数の高まり過ぎを防ぎ、投入したPtおよびRuイオンの還元効率を向上させることができる。
本発明で使用される錯化剤は、多座配位子であり、Pt、Ruとキレートを形成する。例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸およびコハク酸と、これらの塩が使用できる。これらの錯化剤は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。
本発明で使用される緩衝剤としては、リン酸水素ニナトリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸水素ニカリウム、リン酸ニ水素カリウムなどである。これらの緩衝剤は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。
本発明で使用できる還元剤としては、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミノボラン、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどである。特に、PtRu触媒の微粒子作用の大きいP共析効果を用いる場合、還元剤は次亜リン酸或いは次亜リン酸塩が好ましい。これらの還元剤は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。
本発明で使用されるPt化合物は、六塩化白金酸、塩化白金、塩化白金カリウム、塩化白金酸カリウム、六塩化白金酸カリウム、四塩化白金酸カリウムなどである。これらの白金塩は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。
本発明で使用されるRu化合物は、塩化ルテニウム、酢酸ルテニウム、硝酸ルテニウムなどである。これらのルテニウム化合物は単独で使用しても良いし、二種類以上を併用することもできる。
本発明で使用されるPt化合物および/またはRu化合物は塩化物であることが好ましい。現在、最も安価なPt、Ru供給源であり、触媒のコスト低減を図ることができる。
本発明において使用される炭素担体は、20 m2/g〜1000 m2/g程度の比表面積を有するものが好ましく、具体的にはカーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブなどが好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に例証する。
(実施例1)
六塩化白金酸六水和物0.84 mmolと塩化ルテニウム(III)0.84 mmolを100 mlのイオン交換水にそれぞれ溶解し、クエン酸三ナトリウムを0.3 mmol添加した。その後、カーボン担体であるケッチェンブラックEC粉末を0.25 g加えて混合分散した。この後、緩衝剤としてリン酸水素ニナトリウムを7.6 mmol加え、還元剤である次亜リン酸を1.7 mmol加え、1規定の水酸化ナトリウム水溶液を滴下して溶液のpH値を9に調整した。浴温度90 ℃でこの溶液を攪拌し、PtRuP触媒をカーボン担体上に還元析出させた。反応終了後、濾過、洗浄し、80 ℃のオーブンで乾燥した。
(比較例1)
実施例1において、クエン酸三ナトリウムを0.3 mmol添加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法でPtRuP触媒を合成した。
実施例1及び比較例1で得られたPtRuP触媒について、X線回折による結晶構造解析を行った。X線回折図形を図1に示す。錯化剤を添加した実施例1の場合、面心立方格子を有するPtRuの(111)面からの回折角度がPtの(111)面からの回折角度(2θ=39.8度)よりも高角側にシフトしていることが分かる。Ptの金属結合半径は0.139 nm、Ruのそれは0.133 nmである。PtとRu原子の混合合金化が進行すると、金属結合半径の小さいRuの影響により、PtRu合金の格子間隔がPtのそれに比較して減少する。一方、比較例1で合成したPtRuP触媒では(111)面からの回折角度はPtのそれと殆ど同じである。このことは、比較例1のPtRuP触媒では、PtとRu原子の混合合金化が殆ど進行していないことを示す。一方、実施例1のPtRuP触媒では(111)面からの回折角度がPtの(111)面からの回折角度よりも高角側にシフトしており、Braggの回折条から(2d・sinθ=λ, d:格子間隔, λ: X線波長)、格子間隔dの減少を示す。したがって本発明により、PtとRu原子が混合合金化したPtRuP触媒を合成することができた。
リニアスイープボルタンメトリー(LSV)によるメタノール酸化活性の評価結果を図2に示す。1.5 mol/lの硫酸水溶液中に20 vol.%のメタノールを添加し、Ag/AgClを参照電極に用いて35 ℃、窒素雰囲気中、5 mV/sの電位走査速度でLSV測定を行った。実施例1によるPtRuP触媒のメタノール酸化活性は比較例1のPtRuP触媒に比べて高く、本発明によって高活性なPtRuP触媒が合成されたことが確認できる。
サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いた触媒の耐久性評価結果を図3に示す。1.5 mol/lの硫酸水溶液中に触媒を浸漬し、35 ℃、窒素雰囲気下、電位を10 mV/sの走査速度で0.2から1.1 V (vs. NHE)の範囲でサイクリックに印加してCVサイクル試験を行った。一定サイクルごとに上述したLSVによりメタノール酸化活性を評価した。図3の縦軸は電位0.4 V (vs.NHE)でのメタノール酸化電流を示している。PtとRu原子の混合合金化が進んでいる実施例1のPtRuP触媒では、CVサイクルの増加に伴うメタノール酸化電流の減少が比較例1のPtRuP触媒に比べて緩やかであることが分かる。実施例1のPtRuP触媒では、触媒粒子内部においてもPtとRu原子の混合合金化が進行し、CVサイクル試験後においても高いメタノール酸化活性を維持したと考えられる。したがって、本発明よるPtRu系触媒では耐久性も向上させることが可能である。
本発明の方法により製造されたPtRu系触媒は、直接メタノール型燃料電池のメタノール極用触媒として有用である。また、水素を陽極燃料とする固体高分子型燃料電池においても使用することができる。
実施例1および比較例1で合成されたPtRuP触媒のX線回折図形である。 実施例1および比較例1で合成されたPtRuP触媒のLSVによるメタノール酸化活性評価結果である。 実施例1および比較例1で合成されたPtRuP触媒をCVサイクル試験し、メタノール酸化活性の耐久性を調べた結果である。

Claims (6)

  1. 燃料電池用PtRu系触媒の製造方法において、
    (1)Ptの塩又は錯体とRuの塩又は錯体が溶解した水溶液中に少なくとも一種類の錯化剤を添加するステップと、
    (2)得られた溶液中にカーボン担体を分散させるステップと、
    (3)(2)で得られた溶液中に少なくとも一種類の緩衝剤を混合させるステップと、
    (4)(3)で得られた溶液中に少なくとも一種類の還元剤を混合させるステップと
    (5)(4)で得られた溶液のpHを8以上に調整するステップと、
    (6)(5)で得られた溶液を60 ℃以上に加熱してPtおよびRuをカーボン担体上に還元析出させるステップ
    からなることを特徴とする燃料電池用PtRu系触媒の製造方法。
  2. 前記錯化剤の添加量が合成系内に存在するPtとRuの合計モル数に対して0.05〜2.0倍であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法。
  3. 前記錯化剤がクエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸およびこれらの塩から選択される少なくとも一種類の錯化剤であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法。
  4. 前記還元剤が、次亜リン酸または次亜リン酸塩であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用PtRu系触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の製造方法により製造されたことを特徴とする燃料電池用PtRu系触媒。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の製造方法により製造されたPtRu系触媒を使用していることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
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