JP4989367B2 - Design method of organic electroluminescence device - Google Patents
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Description
本発明は、反射・屈折角を乱れさせる領域を設けて光取り出し効率を向上する場合に、有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光の成分の量が所望の程度になるように有機エレクトロルミネッセンス素子の有機発光層の厚みを設計する有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法に関する。 The present invention provides an organic electroluminescent device having a desired amount of light emitted from the organic electroluminescent device when the region where the reflection / refraction angle is disturbed is provided to improve the light extraction efficiency. about the design method of the organic electroluminescence element of designing the thickness of the organic luminescent layer.
図2は光透過性の基板6上に光透過性の電極1、ホール輸送層8、発光層3、電子輸送層9、光反射性の電極2が順次形成された有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を示す。この図2により従来の有機EL素子の設計方法を説明する。
FIG. 2 shows an organic electroluminescence element (organic EL element) in which a light
特許文献1では、光反射性の電極2と、これに隣接する有機層4(ここでは電子輸送層9)の界面で光が反射する際には、外面反射であるので反射前後で位相シフトπが生じることを前提とし、発光層3から基板6側へ向かう光21と、発光層3から光反射性の電極2へ向かった後にこの電極2の表面で反射されてから基板6側に向かう光22とが干渉して強め合うようにするために、発光層3における発光源10と光反射性の電極2の表面との間の膜厚dに屈折率を乗じて導出される光学膜厚Dを光の波長λの1/4の奇数倍と略等しくなるようにし、これにより基板6から正面方向に外部に出射する光の成分の量が極大値となるようにすることができることが開示されている。
In
しかし、特許文献2で説明されているように、光反射性の電極2の表面で生じる位相シフトはπではなく、有機層4(電子輸送層9)の屈折率n1と消衰係数k1、並びに光反射性の電極2の屈折率n2と消衰係数k2に基づき、次の式(1)で表される位相シフトφである。
However, as described in
特許文献2ではこの位相シフトφを考慮して、基板6から外部へ出射する光の成分の量が極大値となるようにするために、発光源10から電極2の表面までの光学膜厚Dが次の式(2)〜(4)を満たすようにすることが記載されている。
In
2π/9≦φ≦15π/18 …(2)
F=φ×λ/4π …(3)
0.73F≦D≦1.15F …(4)
ここで、図2において有機EL素子の発光層3の発光源10から斜めに発光した光23の伝搬について説明する。尚、実際には発光源10から光反射性の電極2へ向かう光も存在するが、ここでは省略している。屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質へ光が伝搬するとき、その界面では媒質間の屈折率により、スネルの法則から臨界角が決定され、その臨界角以上の光は界面で全反射して、屈折率の高い媒質に閉じ込められ、導波光として失われる。例えば、図2の有機EL素子で、基板6の屈折率が1.5である場合に、基板6から屈折率1.0の大気11へと出射する光の臨界角は約42°である。つまり、発光源10から発光した光23が基板6から大気11へ出射するとき、大気11への入射角θが約42°より大きい光は基板6に閉じ込められ、導波光として失われる。立体角を考慮すると、基板6まで伝搬してきた光のうち、基板6から大気11へ出射する光の割合は約26%となり、残りの約74%は基板6に閉じ込められ、導波光として失われる。
2π / 9 ≦ φ ≦ 15π / 18 (2)
F = φ × λ / 4π (3)
0.73F ≦ D ≦ 1.15F (4)
Here, the propagation of the
この導波光を外部へ取り出すための手法として、例えば図3の有機EL素子のように基板6と大気11の間に反射・屈折角を乱れさせる領域7を形成することが挙げられる。この場合、スネルの法則を崩して、本来導波光として全反射される約42°以上の光の伝搬角を変化させることができ、これにより光の屈折角を変化させて全反射条件にある光を減らすことができる。このような手法としては、例えば透光性基体上に単粒子層を並べた拡散部材による光拡散層を形成する方法(特許文献3)が挙げられる。
As a method for extracting the guided light to the outside, for example, a
このような光拡散層を形成する場合に、基板6の中で導波する光を効率良く取り出すための設計方法が特許文献4で提案されている。これは基板6から大気11へ出射される発光光の正面輝度値と50〜70°方向の輝度値が次の式(5)の関係を満たすようにし、或いは更に発光源10と光反射性の電極2の表面との間の寸法をd、発光層3に用いている発光材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ、発光層3と反射性電極との間の有機層4の屈折率をnとした場合に次の式(6)の関係を満たすようにするものである。
(正面輝度値)<(50〜70°方向の輝度値) …(5)
(3/n)λ<d<(0.5/n)λ …(6)
この設計方法によれば、正面方向の光は干渉により弱め合うが、通常は導波光として素子内に閉じ込められる広角度成分の光が強めあい、この光を光拡散層を設けることで外部に出射することで全体的な光の取り出し効率を向上しようというものである。
(3 / n) λ <d <(0.5 / n) λ (6)
According to this design method, the light in the front direction is weakened by interference, but light with a wide angle component that is normally confined in the element as guided light is strengthened, and this light is emitted to the outside by providing a light diffusion layer. This is to improve the overall light extraction efficiency.
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、光反射性の電極2での反射の際の位相シフトが正確に考慮されておらず、この方法に従って発光源10から光反射性の電極2の表面までの寸法を設計しても、基板6から正面方向に外部へ出射する光の成分の量を極大値とすることができない。
However, in the method described in
また、特許文献2に記載の方法では、上記位相シフトを正確に考慮していることから、基板6から外部へ正面方向に出射する光の成分の量が極大値となるように設計することができるが、基板6を導波して失われる約70%の光の成分は考慮されておらず、このため光拡散層を設けて本来失われる光を取り出すようにした場合には、光取出し効率が必ずしも最も高くなるとはいえない。
Further, in the method described in
また、特許文献4に記載の方法では、光拡散層を設けることで基板6を導波して失われる光を取り出す際に、光取り出し効率を向上することができるが、干渉効果によって変化する光の成分の量の一つの極大値のみを導出するものであって、発光源10と光反射性の電極2の表面との間の寸法を前記極大値とすることができない場合、例えば発光層3を複数層設ける場合のように発光源10と光反射性の電極2の表面との間の寸法が前記極大値を取り得る寸法を超えざるを得ないような場合には対応することができないものであった。
In the method described in
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板と大気との間に反射・屈折角を乱れさせる領域を設けることで本来基板を導波する光を外部に取り出して光取り出し効率を向上するにあたり、広い範囲のなかで有機発光層の厚みを設定することで、外部に出射する光の成分の量を向上することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法を提供することを目的とするものである。 The present invention has been made in view of the above points, and by providing a region in which the reflection / refraction angle is disturbed between the substrate of the organic electroluminescence element and the atmosphere, the light originally guided through the substrate is externally transmitted. Providing a design method for organic electroluminescent devices that can improve the amount of light components emitted to the outside by setting the thickness of the organic light-emitting layer within a wide range to improve light extraction efficiency It is intended to do.
請求項1に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法は、光透過性の電極1と光反射性の電極2との間に発光層3と他の有機層4とを含む有機発光層5を設けると共に前記光透過性の電極1の有機発光層5とは反対側の表面に光透過性の基板6を備えて構成される有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法であって、前記基板6、光透過性の電極1、発光層3及び他の有機層4の、各厚み、屈折率及び消衰係数、並びに前記光反射性の電極2の屈折率及び消衰係数と、発光層3における発光材料のフォトルミネッセンススペクトルと、発光層3における発光点の位置及び発光分布とをファクターとして、光学伝搬解析を行うことにより、前記基板6内部を導波する光の成分の量と、上記発光点から光反射性の電極2の表面までの寸法との間の関係を導出し、この関係に基づいて、基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける場合の有機発光層5の厚みを設計することを特徴とする。
The organic electroluminescent element design method according to
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記光の成分の量が、視感度を考慮した光束であることを特徴とする。
The invention according to
請求項3に係る発明は、請求項1において、上記光の成分の量が、光子数であることを特徴とする。
The invention according to
請求項4に係る発明は、請求項1において、上記光の成分の量が、エネルギーであることを特徴とする。
The invention according to
有機エレクトロルミネッセンス素子は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法で設計されたことを特徴とする。 Organic electroluminescent device is characterized in that it is designed by the method according to any one of claims 1-4.
請求項1に係る発明によれば、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けていない状態での、基板6内部を導波する光の成分の量と、発光点の位置から光反射性の電極2の表面までの寸法との間の関係から、有機発光層5の厚みを決定することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光の成分の量が所望の程度になるようにすることができるものであり、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って前記関係を導出しておけば、広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。
According to the first aspect of the present invention, the amount of the light component guided through the
また、請求項2に係る発明によれば、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けていない状態での、基板6内部を導波する光束と、発光点の位置から光反射性の電極2の表面までの寸法との間の関係から有機発光層5の厚みを決定することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光束が所望の程度になるようにすることができるものであり、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って前記関係を導出しておけば、広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。
According to the second aspect of the present invention, the light reflecting from the position of the luminous flux guided through the
また、請求項3に係る発明によれば、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けていない状態での、基板6内部を導波する光子数と、発光点の位置から光反射性の電極2の表面までの寸法との間の関係から、有機発光層5の厚みを決定することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光子数或いは量子効率が所望の程度になるようにすることができるものであり、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って前記関係を導出しておけば、広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。
According to the invention of
また、請求項4に係る発明によれば、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けていない状態での、基板6内部を導波する光のエネルギーと、発光点の位置から光反射性の電極2の表面までの寸法との間の関係から、有機発光層5の厚みを決定することで、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光のエネルギーが所望の程度になるようにすることができるものであり、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って前記関係を導出しておけば、広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。
According to the fourth aspect of the present invention, the energy of the light guided inside the
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光の成分の量が所望の程度になるように設計された有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
Further, the amount of components of light of the emitted light to obtain an organic electroluminescent device which is designed to be a desired degree obtained when a
以下、本発明の実施をするための最良の形態について説明する。 Hereinafter, the best mode for carrying out the present invention will be described.
図2に有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の構成の一例を示す。 FIG. 2 shows an example of the configuration of an organic electroluminescence element (organic EL element).
この有機EL素子は、透明な基板6の一面側に、光透過性の電極1、有機発光層5、光反射性の電極2が、この順に順次積層成形されている。前記有機発光層5は、発光材料を含む発光層3に必要に応じて電子注入層、電子輸送層9、正孔注入層、正孔輸送層等の適宜の有機層4を積層して構成される。図示の例では、光反射性の電極2と発光層3との間に電子輸送層9を介在させ、光透過性の電極1と発光層3との間にホール輸送層8を介在させている。
In this organic EL element, a
有機EL素子を構成する各層の材質は、有機EL素子に適用されている適宜のものを採用することができ、特に制限されない。 As a material of each layer constituting the organic EL element, an appropriate material applied to the organic EL element can be adopted and is not particularly limited.
このような有機EL素子の設計にあたり、本発明では、光学伝搬解析を行うことにより、有機EL素子の基板6内部を導波する光の成分の量(導波成分量)と、上記発光点から光反射性の電極2の表面までの寸法(発光点位置寸法)との間の関係を求め、前記関係に基づいて有機発光層5の厚みの設計を行うものである。
In designing such an organic EL element, in the present invention, by performing an optical propagation analysis, the amount of light component guided through the
ここで、上記の光の成分とは、有機エレクトロルミネッセンスの発光を評価するための成分であり、例えば視感度を考慮した光束、量子効率を求めるための光子数、或いは光のエネルギー(放射束)等、必要に応じて適宜のものが選択される。 Here, the light component is a component for evaluating the emission of organic electroluminescence. For example, the luminous flux considering the visibility, the number of photons for obtaining the quantum efficiency, or the light energy (radiant flux). For example, an appropriate one is selected as necessary.
上記光学伝搬解析を行うにあたっては、基板6、光透過性の電極1、発光層3及び前記発光層3以外の有機層4を有する場合はその有機層4の各厚み、屈折率及び消衰係数、並びに前記光反射性の電極2の屈折率及び消衰係数と、発光層3における発光材料のフォトルミネッセンススペクトル(PLスペクトル)と、発光層3における発光点の位置及び発光分布とを、ファクターとする。
In performing the optical propagation analysis, when the
発光層3における発光点の位置及び発光分布は、発光層3内に一つの発光点を設定し、発光分布としては前記発光点を基準にした発光層3内における厚み方向の発光源10の分布を設定したものを用いることができる。発光点の位置は、通常は発光層3内の最も強く発光する位置又はそれに相当する位置に設定することができる。また、発光分布としては、例えばデルタ分布、矩形分布、ガウス分布、発光点をピークとして指数関数的に減少する分布など、有機EL素子の構成に応じて発光源10の分布をよく反映するものを設定することができる。
As for the position of the light emitting point and the light emission distribution in the
例えば、発光層3内の発光材料としてAlq3等を用いる場合のように発光層3における電子移動度がホール移動度に比べて遙かに大きくなる場合には、主としてホール輸送層8と発光層3の界面で電子とホールの再結合が起こり最も強い発光が生じると考えられる。この場合、発光点の位置をホール輸送層8と発光層3の界面に設定し、発光分布をデルタ分布と設定することができる。
For example, when the electron mobility in the
また、発光層3の厚みが1nm程度、或いはそれ以下の場合のように極く薄い場合には、発光層3の厚み方向の中心に発光点を設定すると共に、発光分布は発光層3の厚みと同一幅の矩形分布とみなして設定したり、或いは発光分布は発光点のみに分布するもの(分布なし)と設定しても良い。
Further, when the thickness of the
また、発光層3内の発光点の位置と発光分布が不明な場合は、あらかじめ対象となる構成の有機EL素子を作製して、この素子から取り出される光の成分の量の角度特性を実測しておき、一方で後述する光学伝搬解析によって前記構成の有機EL素子について発光層3での発光点の位置と発光分布を変化させながら光の成分の量の角度特性を求め、両者を対比することで実測と一致する発光点の位置と発光分布とを設定しても良い。
When the position of the light emitting point in the
また、発光層3における発光材料のPLスペクトルとしては文献値を使用しても良いが、実測値を使用することが好ましい。実測を行う場合には、例えばガラス製の基板6上に発光層3のみを蒸着法等により厚み数十nmに成膜し、この発光層3に紫外線を照射して発光させ、その発光を積分球等を用いて計測することで発光材料の発光スペクトルを測定することができる。
Moreover, although a literature value may be used as the PL spectrum of the light emitting material in the
また、光透過性の電極1、発光層3、有機層4及び光反射性の電極2の、屈折率及び消衰係数については、文献値を利用しても良いが、実測値を使用することが好ましい。実測する場合には、例えばガラス製の基板6上に各層を形成するための材料のみを蒸着法等により厚み数十nmに成膜し、この層について分光法とエリプソメータや垂直入射式透過反射屈折率計とを用いて透過率と反射率を計測し、ローレンツモデルから誘電率を決定し、その値から逆算して屈折率と消衰係数とを求めることができる。屈折率と消衰係数は、波長ごとに求める。
In addition, literature values may be used for the refractive index and extinction coefficient of the
これらのファクターを用いた光学伝搬解析にあたっては、有機EL素子では基板6を除き各層の厚みは数nm〜数100nm程度であり、可視光の波長380〜780nmと同程度であるため、有機EL素子内では光の多重干渉が生じる。
In the optical propagation analysis using these factors, the thickness of each layer of the organic EL element excluding the
そこで、上記ファクターを用いることにより、有機EL素子の各層の材料の波長ごとの屈折率及び消衰係数と、発光層3での発光点の位置、発光分布及びPLスペクトルとを考慮した光の成分の量の角度特性を解析する光学伝搬解析を行うものである。この光学伝搬解析にあたっては、例えば、フレネル理論と特性マトリクス計算を組み合わせた波動光学に基づく理論計算(フレネル理論解析)やマクスウェル方程式を時間領域差分法で解く数値計算(FDTD法)等を適用することができる。
Therefore, by using the above factors, the light component considering the refractive index and extinction coefficient for each wavelength of the material of each layer of the organic EL element, the position of the light emitting point in the
光学伝搬解析により導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係を求めるにあたっては、光学伝搬解析のためのプログラムを用いたコンピュータによる情報処理によって行うことができる。この場合の、コンピュータが実行する手順のフローの一例について、図1を参照して説明する。 The relationship between the amount of the guided component and the light emitting point position size can be obtained by optical propagation analysis by information processing by a computer using a program for optical propagation analysis. An example of the flow of the procedure executed by the computer in this case will be described with reference to FIG.
(S1)まず作業者がコンピュータ上で光学伝搬解析プログラムを起動する。 (S1) First, an operator starts an optical propagation analysis program on a computer.
(S2)次に作業者によって、設計する有機EL素子の層構成と、各層の材料、構成、膜厚の値とが入力されると、その入力値を光学伝搬解析のファクターとして設定する。このとき、有機層4の厚みについては、発光点位置寸法と相関する有機層4の厚みは変数とし、残りの有機層4の厚みを設定する。例えば図1に示す構成の有機EL素子においては、発光層3と光反射性の電極2との間に介在する電子輸送層9の厚みを変数とし、また複数の有機層4が介在する場合にはこれらの有機層4の厚みを変数とする。
(S2) Next, when the operator inputs the layer configuration of the organic EL element to be designed and the values of the material, configuration, and film thickness of each layer, the input values are set as factors of the optical propagation analysis. At this time, regarding the thickness of the
(S3)次に作業者によって前記各層の材料について波長ごとの屈折率と消衰係数が入力されると、その入力値を光学伝搬解析のファクターとして設定する。尚、コンピュータのメモリや適宜の記憶媒体等に予め有機EL素子に汎用される材料の波長ごとの屈折率と消衰係数を記憶させておき、上記材料の設定の際に設定された材料についての波長ごとの屈折率と消衰係数を自動的に読み込んで設定するものであっても良い。 (S3) Next, when the operator inputs the refractive index and extinction coefficient for each wavelength for the material of each layer, the input values are set as the factors of the optical propagation analysis. It should be noted that the refractive index and extinction coefficient for each wavelength of the material widely used for the organic EL element are stored in advance in a computer memory or an appropriate storage medium, and the material set at the time of setting the material is stored. The refractive index and extinction coefficient for each wavelength may be automatically read and set.
(S4)次に作業者によって、発光層3に用いる材料のPLスペクトルが入力されると、これらを光学伝搬解析のファクターとして設定する。
(S4) Next, when the operator inputs the PL spectrum of the material used for the
(S5)次に作業者によって発光点の位置及び発光分布が入力されると、これらを光学伝搬解析のファクターとして設定する。 (S5) Next, when the position of the light emission point and the light emission distribution are input by the operator, these are set as factors of the optical propagation analysis.
(S6)次に、作業者によって取得する光の成分の種類が入力されると、この光の成分の種類を設定する。 (S6) Next, when the type of light component acquired by the operator is input, the type of light component is set.
(S7)次に、作業者によって発光点位置寸法の範囲(初期値及び最大値)と刻み幅が入力されると、この寸法範囲と刻み幅を設定する。尚、作業者による入力を不要とし、あらかじめ寸法範囲と刻み幅を設定しておいても良い。例えば初期値を40nm、最大値を740nm、刻み幅を10nmと設定することができる。 (S7) Next, when the light emitting point position size range (initial value and maximum value) and step size are input by the operator, the size range and step size are set. It should be noted that the input by the operator is unnecessary, and the dimension range and step size may be set in advance. For example, the initial value can be set to 40 nm, the maximum value can be set to 740 nm, and the step size can be set to 10 nm.
(S8)次に発光点位置寸法を、S7で設定された初期値に設定すると共に、S2において変数とされている電子輸送層9等の有機層4の厚みを、発光点位置寸法の前記設定値と合致する値に設定する。尚、二層以上の有機層4の厚みが変数とされている場合には、例えばこの二層以上の有機層4同士の厚みの比率を一定に保ったり、特定の一つの有機層4の厚みを変更して他の有機層4の厚みを固定するなど、適宜の手法により有機層4の厚みを設定することができる。
(S8) Next, the light emitting point position dimension is set to the initial value set in S7, and the thickness of the
上記S2〜S8を実行する順序は上記のものに限られず、適宜順序を入れ替えても良い。 The order of executing S2 to S8 is not limited to the above, and the order may be changed as appropriate.
(S9)次に有機EL素子内の光についてフレネル理論解析等の光学伝搬解析を実行し、導波成分量を取得する。ここでは光学伝搬解析としてフレネル理論解析を用いる。 (S9) Next, optical propagation analysis such as Fresnel theory analysis is performed on the light in the organic EL element, and the amount of guided component is acquired. Here, Fresnel theory analysis is used as the optical propagation analysis.
このS9における処理は、例えば下記T1〜T10の手順を実行することで行うことができる。このとき、発光層3内の発光源10は、上記発光点の位置及び発光分布に従って分布する点光源であり、全方位に向けて等方的に光を放射するものと仮定する。また、同一の発光源10からは全方位に向けて光が同位相で放射され、発光層3内で多重干渉が生じるが、異なる発光源10から放射される光同士は干渉しないと仮定する。また、各層間の界面は平坦であると仮定する。また、光の成分の量はs偏光とp偏光の平均値であると仮定する。
The process in S9 can be performed, for example, by executing the following steps T1 to T10. At this time, it is assumed that the
また、導波成分量を導出する際には、基板6がこの基板6と同一の屈折率及び同一の消衰係数を有する層と接触すると仮定した場合に基板6から出射される光の成分の量を導出し、基板6が大気11に直接と接触すると仮定した場合に基板6から出射される光の成分の量とを、それぞれ導出し、前者の値から後者の値を減じた値を、導波成分量として導出する。
Further, when deriving the amount of the guided component, the component of light emitted from the
(T1)まず、発光源10からの上層側及び下層側への光の放射角度、発光波長、及び発光源10の発光層3内での位置をパラメータとし、各値の初期値を設定する。
(T1) First, the initial value of each value is set by using the emission angle of light from the
(T2)次に、上記の光の放射角度、発光波長、及び発光源10の発光層3内での位置の設定値と、基板6、光透過性の電極1、発光層3及びこの発光層3以外の有機層4(電子輸送層9、ホール輸送層8等)の、各厚み、屈折率及び消衰係数、並びに前記光反射性の電極2の屈折率及び消衰係数の設定値とに基づき、基板6の外部には基板6と同一の屈折率及び消衰係数を有する層が積層されていると仮定した上で発光層3よりも下層と上層の各多層膜をそれぞれ光学的に等価な単層膜に変換し、特性マトリクス計算を実行することで、有効フレネル係数として、発光層3とその上層との界面での光の反射係数及び透過係数、並びに発光層3とその下層との界面での反射係数を導出する。
(T2) Next, the set value of the light emission angle, the emission wavelength, and the position of the
このとき、まず発光層3とその上層との界面での有効フレネル係数を導出するにあたっては、発光層3よりも上層側に配置されている基板6までの層数sの多層膜について、j番目の層の特性マトリクスMj及び多層膜の特性マトリックスMを下記式から導く。式中のλは発光波長の設定値である。djはj番目の層の厚みの設定値である。nj、kjはそれぞれj番目の層の屈折率及び消衰係数の設定値である。θjはj番目の層からの光の入射角であって、光の放射角度の設定値に基づき、各層につきスネルの法則から導かれるものである。
At this time, in deriving the effective Fresnel coefficient at the interface between the light emitting
この特性マトリクスMを用い、規格化された電界及び磁界の各振幅B,Cを、下記式から導く。式中のθsは基板6からの光の入射角である。
Using this characteristic matrix M, the normalized amplitudes B and C of the electric and magnetic fields are derived from the following equations. In the equation, θ s is an incident angle of light from the
この結果に基づき、発光層3とその上層の仮想的な単層膜との界面での有効フレネル係数である反射係数ρAと位相変化φAを下記式にて算出する。式中のn0、k0はそれぞれ発光層3の屈折率及び消衰係数の設定値である。θ0は発光層3からの光の入射角であって、光の放射角度の設定値に基づいて導かれるものである。
Based on this result, a reflection coefficient ρ A that is an effective Fresnel coefficient and a phase change φ A at the interface between the light emitting
また、発光層3とその下層との界面での有効フレネル係数を導出するにあたっては、上記と同様にして、発光層3よりも下層側に配置されている光反射性の電極2までの多層膜について特性マトリックス計算を行い、発光層3とその下層の仮想的な単層膜との界面での反射係数ρBと位相変化φBを算出する。
Further, in deriving the effective Fresnel coefficient at the interface between the light emitting
(T3)次に、設定波長に基づき、上記導出された有効フレネル係数を境界条件として、発光源10から上面側と下面側にそれぞれ同一角度で放射される光につき、下記式に示すような多重干渉計算を実行することにより、発光源10から有機EL素子の外部に出射される光のエネルギー透過率Tが算出される。この光のエネルギー透過率Tに、発光材料のフォトルミネッセンススペクトルから取得される設定波長での光のエネルギーを積算することで有機EL素子から外部に出射される光のエネルギーを算出する。尚、有機EL素子から外部に出射される光のエネルギーの精度を上げるために、発光層3と有機EL素子外部の屈折率差に伴う立体角の変化を補正したり、膜厚の厚い基板6部分の透過率を補正しても良い。下記式中のn0は発光層3の屈折率の設定値である。θ0は発光層3からの光の入射角であって、光の放射角度の設定値に基づいて導かれるものである。d0は発光層3の膜厚である。Zは発光源10から電子輸送層9までの界面までの距離であって、発光源10の位置の設定値に基づいて導かれるものである。
(T3) Next, based on the set wavelength, using the derived effective Fresnel coefficient as a boundary condition, for the light emitted from the
(T4)次に、基板6の外部には大気1が直接接していると仮定する以外はT2と同様にして特性マトリクス計算を実行することで、有効フレネル係数として、発光層3とその上層との界面での光の反射係数及び透過係数、並びに発光層3とその下層との界面での反射係数を導出する。
(T4) Next, by executing the characteristic matrix calculation in the same manner as T2 except that the
(T5)次に、発光材料のフォトルミネッセンススペクトルから取得される設定波長での光のエネルギーに基づき、T4で導出された有効フレネル係数を境界条件とし、発光源10から上面側と下面側にそれぞれ同一角度で放射される光につき、T3と同様に多重干渉計算を実行することにより、有機EL素子から外部に出射される光のエネルギーを算出する。
(T5) Next, based on the energy of the light at the set wavelength obtained from the photoluminescence spectrum of the light emitting material, the effective Fresnel coefficient derived in T4 is used as a boundary condition, and the
(T6)次に、T3で算出した光のエネルギーから、T5で算出した光のエネルギーを減じることで、基板内を導波する光のエネルギーを算出する。 (T6) Next, the energy of light guided in the substrate is calculated by subtracting the energy of light calculated in T5 from the energy of light calculated in T3.
尚、この算出される光の成分の量には、後述する反射・屈折角を乱れさせる領域7の角度特性に基づく補正を施しても良い。この場合、更に正確に有機EL素子の設計を行うことができる。例えば、予め領域7のみを基板6に積層したものについて、基板6側から入射角を変化させながら光を照射すると共に入射角ごとに出射光の光の成分の量を計測したり、FDTD法等による解析を行ったりするなどして、領域7から出射される光の成分の量の角度特性を導出し、この角度特性に基づき、光の成分の量を補正することができる。
The calculated amount of the light component may be corrected based on the angle characteristics of the
(T7)次に、発光源10の位置の設定値を変更し、上記T2〜T6の手順を繰り返す。この手順は全ての発光源10の位置が順次設定されるまで繰り返し行う。ここで、発光源10の位置は、設定されている発光点の位置と発光分布とに基づいて導出されたものを用いる。
(T7) Next, the set value of the position of the
(T8)次に、発光波長の設定値を変更し、上記T2〜T7の手順を繰り返す。このとき発光波長の設定値は、例えば可視光の波長380〜780nmの範囲で順次変更する。 (T8) Next, the set value of the emission wavelength is changed, and the above steps T2 to T7 are repeated. At this time, the set value of the emission wavelength is sequentially changed, for example, in the range of the visible light wavelength of 380 to 780 nm.
(T9)次に、発光源10からの放射角度の設定値を変更し、上記T2〜T8の手順を繰り返す。このとき放射角度の設定値は例えば0°〜90°の範囲で順次変更する。
(T9) Next, the set value of the radiation angle from the
(T10)次に、導波成分量を導出し、メモリや各種記憶媒体に記憶させる。このとき、上記S6において光の成分の量として光のエネルギーが設定されている場合には、T2〜T9の手順においてT6で順次算出した基板内を導波する光のエネルギーの積分値を導波成分量として導出する。また、上記S6において光の成分の量として光子数が設定されている場合には、前記光のエネルギーをchν(c:光速、h:プランク定数、ν:波長の逆数)の値で除することで導波成分量を導出する。また、上記S6において光の成分の量として光束が設定されている場合には、導波成分量は、T2〜T9の手順においてT6で順次算出した基板内を導波する光のエネルギーからCIE標準比視感度と最大視感度とに基づいて導出する。 (T10) Next, the amount of guided component is derived and stored in a memory or various storage media. At this time, when the light energy is set as the amount of the light component in S6, the integral value of the light energy guided in the substrate sequentially calculated in T6 in the procedure of T2 to T9 is guided. Derived as component amount. When the number of photons is set as the amount of light component in S6, the light energy is divided by the value of chν (c: speed of light, h: Planck constant, ν: reciprocal of wavelength). To derive the amount of guided component. Further, when a light beam is set as the amount of light component in S6, the amount of guided component is calculated from the energy of light guided in the substrate sequentially calculated in T6 in the procedure from T2 to T9 based on the CIE standard. Derived based on specific visibility and maximum visibility.
(S10)次に、この時点で設定されている発光点位置寸法の値を、S8で設定された発光点位置寸法の最大値と比較する。 (S10) Next, the value of the light emitting point position dimension set at this time is compared with the maximum value of the light emitting point position dimension set in S8.
(S11)S10において、発光点位置寸法の設定値が前記最大値よりも小さいと判定されたら、この設定値をS7で設定された刻み幅分だけ増大させた値に変更すると共に、電子輸送層9等の発光点位置寸法と相関する有機層4の厚みの設定値をS8と同様にして発光点位置寸法の前記設定値と合致する値に変更し、その後、上記S9(T1〜T10)の処理を繰り返す。これにより、発光点位置寸法の設定範囲内における、導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係が記録される。尚、S11においては、導波成分量の極大値付近では発光点位置寸法の設定値を前記設定された刻み幅よりも小さな値だけ増大させることで、極大値付近の光の成分の量を詳細に導出するようにしても良い。
(S11) If it is determined in S10 that the set value of the light emitting point position dimension is smaller than the maximum value, the set value is changed to a value increased by the step size set in S7, and the electron transport layer The setting value of the thickness of the
(S12)また、S10において、設定値が前記最大値まで達していると判定されたら、上記のようにして得られた、導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係を、メモリや適宜の記憶媒体等に電子データとして記憶させて保存する。 (S12) If it is determined in S10 that the set value has reached the maximum value, the relationship between the waveguide component amount and the light emitting point position dimension obtained as described above is stored in the memory. Or stored as electronic data in an appropriate storage medium or the like.
このS11の処理においては、上記導波成分量の極大値と、この極大値に対応する発光点位置寸法との組み合わせを導出し、これをメモリや適宜の記憶媒体等に電子データとして記憶させて保存しても良い。このとき、光の干渉効果により有機発光層5の膜厚の設定範囲内で複数の極大値が現れている場合には、各極大値につき、この極大値と、対応する発光点位置寸法との組み合わせを保存する。また、極大値ごとに、この極大値に対応する発光点位置寸法を中心とした一定幅(例えば±40nm)の発光点位置寸法の範囲、或いはこの範囲内における導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係を導出して保存しても良い。また、これらの結果をディスプレイ等の表示装置に出力して表示しても良い。
In the process of S11, a combination of the maximum value of the waveguide component amount and the light emitting point position dimension corresponding to the maximum value is derived, and this is stored as electronic data in a memory or an appropriate storage medium. May be saved. At this time, when a plurality of maximum values appear within the set range of the film thickness of the organic
以上のようにして得られた導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係は、図3に示すように有機EL素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けることで導波成分を外部に取り出す場合の、有機発光層5の厚みの設計に利用する。この反射・屈折角を乱れさせる領域7は、基板6内からのこの基板6とその外部との界面に到達した光を拡散させるなどすることにより本来前記界面で反射して基板6内を導波する光を外部に出射させる機能を有するものであり、例えばシリカやアルミナ等の透光性微粒子を透光性を有する結着剤中に分散させるなどして構成される光拡散層を形成することができる。
The relationship between the amount of the waveguide component obtained as described above and the position of the light emitting point is as shown in FIG. 3 in which a
ここで、導波成分量は、反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けず基板6が大気11に直接曝されている状態で、外部に出射されず基板6内に閉じ込められて導波光として失われる光の成分の量に相当するが、既述のとおり、この導波成分量は、発光層3から基板6内に到達する光の成分の量の約74%にも達する。このため、基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける場合の有機EL素子の発光量は、このような領域7を設けない場合に有機EL素子から出射される光の成分の量(出射成分量)よりも、前記導波成分量によって支配されることとなる。
Here, the amount of the waveguide component is not provided outside the
従って、導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係を利用して有機発光層5の厚みの設計を行えば、反射・屈折角を乱れさせる領域7を設ける場合に有機EL素子から出射される光の成分の量が所望の程度となるように、有機発光層5の厚みの設計を行うことができるものである。
Therefore, if the thickness of the organic
有機発光層5の厚みの設計は、導波成分量が所望の値となるように発光点位置寸法を調整することで行うことができる。この発光点位置寸法の調整は、発光点位置寸法の値と相関する電子輸送層9等の有機層4の厚みを、所望の発光点位置寸法と対応する値になるようにすることで行うことができる。
The thickness of the organic
このように有機発光層5の厚みを設計するにあたり、導波成分量が極大値あるいはその近傍の値をとるように有機発光層5の厚みを設計することで、基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合に有機EL素子から出射される光の成分の量を著しく向上することができる。
Thus, when designing the thickness of the organic
ここで、光学伝搬解析の際に発光点位置寸法の設定範囲を広くとっていれば、上記極大値として第一の極大値だけでなく、第二の極大値或いは第三以降の極大値と、発光点位置寸法との関係も導出される。このため、導波成分量が、複数の極大値のうちのいずれかの値又はその近傍の値をとるように、有機発光層5の厚みを設計することができる。
Here, if the setting range of the light emission point position dimension is wide at the time of optical propagation analysis, not only the first maximum value but also the second maximum value or the third and subsequent maximum values as the maximum value, The relationship with the light emitting point position dimension is also derived. For this reason, the thickness of the organic
また、上記のように導波成分量が極大値又はその近傍をとるようにするだけでなく、この値が適宜の値をとるように有機発光層5の厚みを設計することができ、このとき導波成分量と、発光点位置寸法との間の関係から、導波成分量が充分に大きくなるように有機発光層5の厚みを設計することで、有機EL素子から出射される光の成分の量を向上することができる。
In addition, the thickness of the organic
また、有機EL素子の構成によっては発光点位置寸法が制限される場合がある。その具体的な例としては、有機EL素子が複数の発光層3を含むことで、この有機EL素子の各発光層3における発光点ごとの発光点位置寸法の範囲が一定の範囲に制限される場合が挙げられる。このような場合であっても、上記のように有機発光層5の厚み設計を広い範囲で行うことができるので、各発光層3ごとに、その発光点位置寸法の制限範囲内で、導波成分量が極大値又はその近傍をとるように、或いはこのような値でなくても導波成分量が前記制限範囲内で最も高い値をとるなどのように充分に大きい値をとるように、有機発光層5の厚みの設計を行うことができる。
Moreover, the light emission point position dimension may be restrict | limited depending on the structure of an organic EL element. As a specific example, since the organic EL element includes a plurality of light emitting
ここで、複数の発光層3から発せられる光の成分のうち、全ての発光層3からの導波成分量が極大値をとるように厚み設計をすると、光の取り出し効率を非常に高くすることができるが、少なくとも一つの発光層3からの導波成分量が極大値をとるようにすれば、光の取り出し効率の向上に寄与することができる。また、導波成分量がいずれも極大値をもとることができない場合でも、上述のように有機エレクトロルミネッセンスから出射される光の成分の量が所望のものとなるように有機発光層5の厚みを設計することができる。
Here, out of the light components emitted from the plurality of light emitting
以下に、有機EL素子の設計の具体例を示す。 Below, the specific example of the design of an organic EL element is shown.
有機EL素子として、膜厚0.7mmのガラスの基板6上に、ITOからなる膜厚150nmの光透過性の電極1、NPDからなる膜厚40nmのホール輸送層8、ルブレン(Rubrene)を6重量%ドープしたAlq3からなる膜厚30nmの発光層3、下記[化1]のTmPyPhBからなり膜厚が変数となる電子輸送層9、Alからなる膜厚80nmの光反射性の電極2を積層したものを想定する。
As an organic EL element, on a
このとき、発光層3に用いられるルブレン(Rubrene)を6重量%ドープしたAlq3の、光のエネルギー(放射束)のPLスペクトルを実測すると、図4に示すようなものとなり、スペクトルのピーク波長は559nmである。尚、図4の縦軸は光のエネルギーの規格化強度を示す。
At this time, when the PL spectrum of light energy (radiant flux) of Alq3 doped with 6% by weight of rubrene used for the
また、発光層3内の発光点の位置と発光分布は、本例のようにAlq3を用いる場合には発光層3における電子移動度がホール移動度より3桁程度大きくなるため、発光点の位置をホール輸送層8と発光層3の界面に設定し、発光分布はデルタ分布と設定することができる。
In addition, the position and emission distribution of the light emitting points in the
図5は、上記のような形態の有機EL素子において、電子輸送層9の厚みを変化させることにより発光点位置寸法を変化させた場合の、光束の導波成分量と、発光点位置寸法との関係を、上記のようなフレネル理論解析により導出した結果を示す。図5の縦軸は光束の相対値を示している。尚、このフレネル理論解析においては光の反射・屈折角を乱れさせる領域7の角度特性に基づく補正は行っていない。
FIG. 5 shows the amount of the guided component of the luminous flux and the light emitting point position dimensions when the light emitting point position dimensions are changed by changing the thickness of the
また、図5には、併せて基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けない場合に有機EL素子から出射される光束(出射成分量)と発光点位置寸法との関係、並びに導波成分量と出射成分量との和と発光点位置寸法との関係も、併せて示している。
FIG. 5 also shows the relationship between the luminous flux emitted from the organic EL element (emission component amount) and the light emitting point position dimension when the
この出射成分量と発光点位置寸法との関係は、上記の光学伝搬解析のフローにおいて、T4〜T6の手順を行わず、T10においてT3で導出された光のエネルギーの積分値を基に光束を導出することで得られる。 The relationship between the amount of the emitted component and the position of the light emitting point is determined based on the integrated value of the energy of light derived at T3 in T10 without performing steps T4 to T6 in the flow of optical propagation analysis. It is obtained by deriving.
また、導波成分量と出射成分量との和は、発光層3から基板6に到達した光が全て有機EL素子から出射される場合の、この有機EL素子から出射される光の成分の量に相当し、反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合に有機EL素子から出射される光の成分の量の最大値に相当する。
Further, the sum of the amount of the guided component and the amount of the emitted component is the amount of the component of the light emitted from the organic EL element when all the light reaching the
図示のように、導波成分量と、出射成分量とは、共に発光点位置寸法が増大するに従って変化してそれぞれ複数の極大値をとるが、その変化の傾向は相違しており、極大値をとる発光点位置寸法の値にずれが生じている。 As shown in the figure, both the amount of the guided component and the amount of the outgoing component change as the emission point position dimension increases, and each takes a plurality of local maximum values. There is a deviation in the value of the light emitting point position dimension taking
すなわち、出射成分量については、発光点位置寸法が70nmで第一の極大値が現れ、250nmで第二の極大値が現れるが、導波成分量については発光点位置寸法が100nmで第一の極大値が、340nmで第二の極大値が現れる。このため、導波成分量と発光点位置寸法との関係に基づけば、導波成分量の極大値をとるように有機発光層5の厚みを設計することで、出射成分量に基づく場合よりも、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7が設けられた有機EL素子から出射される光束を増大させることができる。例えば、導波成分量が第二の極大値をとるように有機発光層5の厚み設計を行った場合には、出射成分量が第二の極大値をとるように有機発光層5の厚み設計をした場合と比べて、導波成分量と出射成分量との和が1.08倍に増加している。また、導波成分量が前記第二の極大値をとる場合には、出射成分量は大きく落ち込んでいるため、出射成分量に基づいて有機発光層4の厚みを設計する場合にはこのような導波成分量が極大値をとるような有機発光素層4の厚みを設計することはできず、光の反射・屈折角を乱れさせる領域7が設けられた有機EL素子から出射される光束を充分に増大させることができないことがわかる。
That is, for the emission component amount, the first maximum value appears when the emission point position dimension is 70 nm, and the second maximum value appears at 250 nm. However, for the waveguide component amount, the first emission point position dimension is 100 nm. A second maximum appears at a maximum of 340 nm. For this reason, by designing the thickness of the organic light-emitting
また、ここでは光の成分の量として光束を採用した場合について述べているが、光の成分の量として光子数を採用した場合にも、同様に導波成分量と発光点位置寸法との関係を利用して、有機EL素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光子数或いは量子効率が所望の程度になるように有機発光層5の厚み設計を行うことができ、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。また、光の成分の量として光のエネルギー(放射束)を採用した場合にも、同様に導波成分量と発光点位置寸法との関係を利用して、有機EL素子の基板6に反射・屈折角を乱れさせる領域7を設けた場合の出射光の光のエネルギーが所望の程度になるように有機発光層5の厚み設計を行うことができ、またこのとき有機発光層5の広い厚み範囲に亘って有機発光層5の厚みを設計することができるものである。
Although the case where a light beam is used as the amount of the light component is described here, the relationship between the amount of the waveguide component and the light emitting point position size is similarly applied when the number of photons is used as the amount of the light component. Is used to design the thickness of the organic light-emitting
このようにして導出された導波成分量と発光点位置寸法との関係が、実際の有機EL素子から出射される光の成分の量を反映していることを、以下に検証する。 It will be verified below that the relationship between the waveguide component amount derived in this way and the light emitting point position size reflects the amount of light component emitted from the actual organic EL element.
図7は、上記構成を有する有機EL素子を実際に作製し、この有機EL素子における導波成分量、出射成分量、並びに導波成分量と出射成分量との和を計測した結果を示す。図7の縦軸は光束の相対値を示している。この計測は次のようにして行ったものである。 FIG. 7 shows a result of actually producing an organic EL element having the above-described configuration and measuring the amount of the waveguide component, the amount of the outgoing component, and the sum of the amount of the waveguide component and the amount of the outgoing component in this organic EL element. The vertical axis in FIG. 7 indicates the relative value of the luminous flux. This measurement was performed as follows.
まず、図5に示す関係を導出するために想定したものと同一の構成を有する有機エレクトルミネッセンス素子を、電子輸送層9の厚みを異ならせて複数個作製する。
First, a plurality of organic electroluminescent elements having the same configuration as that assumed for deriving the relationship shown in FIG. 5 are manufactured by varying the thickness of the
各有機EL素子につき、図6に示すように、基板6の表面に半球レンズ12を設ける。この半球レンズ12は基板6と同一の材質で形成したものであり、一面側が平面、他面側が球面となったレンズである。この半球レンズ12は、その平面を基板6の表面と密接させるようにして基板6に設ける。
For each organic EL element, a
この状態で有機EL素子を発光させて、光を半球レンズ12から出射させ、出射光を積分球を用いて計測する。このとき、基板6の屈折率は約1.5であるから、半球レンズ12を設けない場合はスネルの法則により基板6から大気11側へ出射する光の臨界角は約42°となり、入射角θが臨界角よりも小さい光23は大気11側に出射されるが、入射角θが臨界角よりも大きい光23は基板6と大気11との界面で全反射して基板6内を導波する。しかし、前記半球レンズ12を設けることで本来全反射するはずの光23も半球レンズ12へ入射される。また半球レンズ12へ入射した光23は球面側から出射するため、半球レンズ12から大気11への入射角が低減され、半球レンズ12へ入射した光23の殆どを球面側から大気11に出射することができる。このため、半球レンズ12から出射される光の成分の量は、導波成分量と出射成分量との和に相当するものとなる。
In this state, the organic EL element emits light, the light is emitted from the
また、上記半球レンズ12を設けない状態で、同様に有機EL素子からの出射光を計測した。このとき出射される光の成分の量は、出射成分量に相当するものになる。
Similarly, the light emitted from the organic EL element was measured without the
また、上記のように計測された導波成分量と出射成分量との和から、出射成分量を減じることにより、導波成分量を算出したものである。 Further, the waveguide component amount is calculated by subtracting the emission component amount from the sum of the waveguide component amount and the emission component amount measured as described above.
図5と図7を対比すると、光学伝搬解析にて導出された図5に示す導波成分量、出射成分量、並びに導波成分量と出射成分量との和と、発光点位置寸法との関係は、図7に示す実測結果と非常によく近似しており、光学伝搬解析にて導出される導波成分量と出射成分量との和と発光点位置寸法との関係に基づけば、有機EL素子の設計を正確に行うことができることを確認することができる。 5 and FIG. 7 are compared, the waveguide component amount, the outgoing component amount, and the sum of the guided component amount and the outgoing component amount shown in FIG. The relationship is very close to the actual measurement result shown in FIG. 7, and based on the relationship between the sum of the waveguide component amount and the emission component amount derived in the optical propagation analysis and the light emitting point position dimension, It can be confirmed that the EL element can be designed accurately.
1 光透過性の電極
2 光反射性の電極
3 発光層
4 有機層
5 有機発光層
6 基板
7 反射・屈折角を乱れさせる領域
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記基板、光透過性の電極、発光層及び他の有機層の、各厚み、屈折率及び消衰係数、並びに前記光反射性の電極の屈折率及び消衰係数と、発光層における発光材料のフォトルミネッセンススペクトルと、発光層における発光点の位置及び発光分布とをファクターとして、光学伝搬解析を行うことにより、
前記基板内部を導波する光の成分の量と、上記発光点から光反射性の電極の表面までの寸法との間の関係を導出し、この関係に基づいて、基板に反射・屈折角を乱れさせる領域を設ける場合の有機発光層の厚みを設計することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法。 An organic light emitting layer including a light emitting layer and another organic layer is provided between the light transmissive electrode and the light reflective electrode, and light is transmitted to the surface of the light transmissive electrode opposite to the organic light emitting layer. A method for designing an organic electroluminescent device comprising a conductive substrate,
Each thickness, refractive index and extinction coefficient of the substrate, light transmissive electrode, light emitting layer and other organic layers, and the refractive index and extinction coefficient of the light reflective electrode, and the light emitting material in the light emitting layer By performing the optical propagation analysis using the photoluminescence spectrum, the position of the light emitting point in the light emitting layer and the light emission distribution as factors,
The relationship between the amount of the light component guided inside the substrate and the dimension from the light emitting point to the surface of the light reflective electrode is derived, and based on this relationship, the reflection / refraction angle is given to the substrate. A design method of an organic electroluminescence element, wherein the thickness of an organic light emitting layer is designed when a region to be disturbed is provided.
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