JP4983362B2 - フィルム検出装置およびその方法、並びに映像信号処理装置およびその方法 - Google Patents
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Description
なお、テレビジョン信号のフィールド周波数とフィルムのフレームレートの組み合わせによっては、これら以外のプルダウン処理が用いられることもある。
たとえばテレビ受像機において順次走査変換を行うときに、テレシネ素材とビデオ素材で異なる変換方式を用いる場合などはその一例である。
これ以外にも、映像記録装置において動画の圧縮記録を行う前に、5フィールドに1回現れる同一内容のフィールドを予め除去する目的で3:2プルダウンの検出が行われることがある。以下では3:2プルダウンの検出や2:2プルダウンの検出など、プルダウン処理された映像信号の検出を総称して「フィルム検出」と呼ぶことにする。
入力映像信号と、入力映像信号を2フィールド遅延させた映像信号との差分を計算すると、3:2プルダウンされた映像信号では5フィールドに1回だけ差分が小さくなる。ビデオ素材においてこのようなことは起こりにくいから、2フィールド間差分の周期的な変化を監視することによって3:2プルダウンを検出することができる。
テレシネ素材では、同じフィルムフレームに由来するフィールド画像同士の差分は、異なるフィルムフレームに由来するフィールド画像同士の差分よりも小さくなることが予想される。したがって2:2プルダウンされた映像信号が入力されている場合には、1フィールドごとにフィールド間差分の大小が切り替わることになる。
このようにしてフィールド間差分が5フィールド周期で大、小、大、小、小と変化する場合には、入力映像信号は3:2プルダウンであると考えることができる。
特に、順次走査変換を行う場合には、単純なフィールド重ね合わせによってもとのフィルムフレームを復元することができなくなるので、編集点の検出が必要となる。通常のテレシネ素材ではフィールド間差分が2フィールド連続して大、大となることはないので、このような場合には編集によって入力映像信号がビデオ素材に切り替わったと考えて良い。
特許文献3は、このような場合でもなるべく確からしい順次走査変換を行う方法について述べている。ここでは、フィールド間差分を用いて画素ごとにテレシネ素材とビデオ素材の判別を行い、適切な順次走査変換方式を選択するようにしている。
すなわち、現フィールドと前後フィールドの画素値の局所的な差分を比較し、片方のフィールドにのみ差分が小さい場合には、この領域においてテレシネ素材に適した順次走査変換を行うように構成されている。
特許文献1の方式では、比較するラインの偶奇が揃っているため、このような場合でも5フィールドに1回現れる同一内容のフィールドを正しく検出することができる。しかし特許文献2の方式では、2フィールドと同一内容のフィールドが現れたとしても大きなフィールド間差分が検出されるおそれがあり、3:2プルダウンの検出に失敗するおそれがある。同じフィルムフレームに由来するフィールド画像同士の差分が必ずしも小さいとは限らないため、2:2プルダウンの検出においても同様の誤検出が起こりうる。
そして、高い検出精度と検出の即応性を両立させて、映像の編集点やハイブリッド素材にも対応可能となる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る映像信号処理装置の全体構成を示す図である。
フィルム検出回路5は、次フィールドの映像信号と前フィールドの映像信号を用いて、映像のフレーム間の動きを検出するフレーム動き検出回路8、現フィールドの映像信号と次フィールドの映像信号を用いて、映像のフィールド間の動きを検出するフィールド動きフィールド動き検出回路9、フレーム動き検出回路8で検出されたフレーム間の動きを用いて、フレーム間で映像が静止していることを検出する静止画判定回路10、フレーム動き検出回路8で検出されたフレーム間の動きと、フィールド動き検出回路9で検出されたフィールド間の動きから、映像の動きにジャダーが発生している(以下、映像の動きに発生するジャダーを「モーションジャダー」と呼ぶ)ことを検出するモーションジャダー検出回路11、および静止画判定回路10の検出結果と、モーションジャダー検出回路11の検出結果を用いて、入力端子1から入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定するフィルム判定回路12を有する。
フィルム判定回路12の判定結果は、入力端子2から垂直同期信号の基準エッジが入力されるたびに更新される。
順次走査化回路26によって生成されたプログレッシブ信号は出力端子7から出力される。
ただし、
g(M,m)=|αM|×(1+2×m/M) −0.5≦m/M<0のとき
g(M,m)=|αM|×(1−2×m/M) 0≦m/M<1のとき
g(M,m)=−|αM|×(3−2×m/M) 1≦m/M<1.5のとき
g(M,m)=0 上記以外のとき
p=−1 S<SaかつJ<−Jbのとき
p=0 S≧Saのとき
p=1 S<SaかつJ≧Jaのとき
これを図7に示す。パターンPTN1は0、パターンPTN2は1、パターンPTN3は−1と0、パターンPTN4は−1と1から成るパターンである。
同様にして、パターン照合回路17は、初段のレジスタの値が1であるときに、図7のパターンPTN2とシフトレジスタ19が表すパターンが一致したと判定し、初段のレジスタの値が−1であり、2段目のレジスタの値が0である場合には、図7のパターンPTN3とシフトレジスタ19が表すパターンが一致したと判定し、初段のレジスタの値が−1であり、2段目のレジスタの値が1である場合には、図7のパターンPTN4とシフトレジスタ19が表すパターンが一致したと判定する。
f=b F+j≧0のとき
フィルムに記録された映像の各フレームを、時間的に早い順にA、B、C、Dとする。これらはプログレッシブ信号である。2:2プルダウンによるテレシネでは、フィルムの各フレームを奇数ラインからなるフィールドと、偶数ラインからなるフィールドの2つに分割することによって、インターレース信号を生成する。フレームAに由来する2つのフィールドをAo、Aeと書く。AoとAeは同時刻に撮影された内容であるが、テレビジョン信号として放送に用いられるときには1フィールドだけずれた時刻に送信される。ここではAoの次に送信されるフィールドをAeと書く。同様にしてフレームB、C、Dに由来する2つのフィールドを、時間的に早く送信されるものから順に、それぞれBo、Be、Co、Ce、Do、Deと書く。また、Aoが入力端子1に入力される時刻をフィールドnとし、AeからDeが入力端子1に入力される時刻を、それぞれフィールドn+1からn+9とする。
さらに現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であるときには、モーションジャダー検出回路11に内蔵されている演算器13の演算結果jは負の値となる可能性が高く、jの積算結果であるJは、−Jb未満となる可能性が高い。
S<SaかつJ<−Jbであるときには、前述したように、識別回路18の識別結果pは−1となる。同様にして現フィールドと次フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であるときには、識別結果pは1となる可能性が高い。これを図に表したものが図11である。
フィールドn+2に関するS、Jの値が確定するのはフィールドn+2の終わりを表す垂直同期信号の基準エッジが入力されたときであるから、フィールドn+2の時点におけるシフトレジスタ19の初段のレジスタ値はUであって、フィールドn+3において初めてフィールドn+2に関する識別回路18の識別結果p=−1が反映される。以下、フィールドn+3以降についても同様である。
フィールドn+4、n+6、およびn+8においては、現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であるから、以上述べた動作により、順次走査変換回路6によってもとのフィルムフレームが正しく復元できることになる。
図12ではフィールドn+2とn+4に入力されるフィールド(Bo)、およびフィールドn+7とn+9に入力されるフィールド(De)が同一のフィールドである。
フィールドn+4では次フィールドと前フィールドがともにBoであるため、フレーム動き検出回路8で検出されるMは0となり、静止画判定回路10の判定結果SはSaよりも大きな値となる可能性が高い。前述したようにS≧Saであるときにはp=0であるから、フィールドn+5におけるシフトレジスタ19の初段のレジスタ値は0となる。
このように、いずれのフィールドにおいても、パターン生成回路15が生成するパターンは図7のいずれかのパターンに一致する。したがって、3:2プルダウンにおいても、フィルム検出回路5は正しくフィルム検出を行うことができる。
フィールドn+4においては次フィールドと前フィールドが同じまったく同一のフィールドであるからM=0となり、j=0となる。一方、Fの値は−βであり負の値となるから、F+j<0となる可能性が高い。
したがって、セレクタ22の出力値fはaになる可能性が高い。一方、動き検出回路20の出力値である動き係数k1は、前述したように次フィールドと前フィールドの画像内容が一致するときには0となるから、補間回路21の出力値vは、aとbの平均値となる。フィールドn+4ではa=bとなるから、aとbの平均値はaに等しい。
混合回路25に入力値はf=v=aとなり、混合係数k2の値によらず補間値iはaと等しくなる。これは順次走査変換回路6として正しい動作である。
フィールドn+5においては現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であるから、jの値もFと同じく負である可能性が高い。したがって、F+j<0かつ|F+j|>t2+T2である可能性が高く、補間値iとして前フィールドの画素値であるaが選ばれる可能性が高くなる。
プルダウン処理は、1つのフィルムフレームを必ず2つ以上のフィールドに分割することで行われる。1つのフィルムフレームが3つ以上に分割された場合には、3番目以降のフィールドは必ず2つ前のフィールドと一致するようになっている。したがって、3番目以降のフィールドではフレーム動き検出回路8の検出結果は常にM=0となり、静止画判定回路の判定結果はS≧Saとなって、パターン生成回路15が発生するパターンは図7のパターンPTN1と一致することになる。
さらに、1フィールド後には、次フィールドと現フィールドが同一のフィルムフレームに由来する2つのフィールドとなるから、パターン生成回路15が発生するパターンはパターンPTN4と一致することになる。
以下同様にして、次に異なるフィルムフレームに由来するフィールドが出現するまでパターン生成回路15が発生するパターンはパターンPTN1と一致することになる。したがって、フィルム検出回路5は、2:2プルダウン、3:2プルダウン以外の任意のプルダウンシーケンスに対応できる。
モーションジャダー検出回路11は、フレーム間では映像に動きが存在し、フィールド間では映像が静止している場合を検出しているため、フィルムの誤検出を抑えることができる。特にフレーム間の動きは、偶数フィールド同士、または奇数フィールド同士を用いて検出することができるため、もとのフィルムフレームが垂直高周波数成分を多く含んでいたとしても、誤った検出を行う可能性は低い。フレーム間の動きとは無関係に、単純にフィールド間の動きのみを検出すると、垂直高周波成分を含む画像の静止領域において誤って動きを検出してしまう場合がある。
しかし、フレーム間の動きが存在する領域についてのみフィールド間の動きを検出するとすれば、垂直高周波成分による誤検出を抑えることができる。このことはテレシネ素材が垂直高周波成分を多く含み、かつフィルムフレーム間の映像の動きが小さい場合に有利に働く。
すなわち、フィールドn+2では次フィールド、現フィールド、前フィールドの画像内容がすべて異なるのでフレーム間の動きおよびフィールド間の動きが存在することになる。したがって、静止画判定回路10で検出されるsの値は0に近い値となり、sの積算値であるSの値もSa未満となる可能性が高い。
さらに、m/Mが0.5前後の値となるためにモーションジャダー検出回路11で検出されるモーションジャダーjの値も0に近い値となり、その積算値であるJの値も−Jb≦J<Jaとなる可能性が高くなる。
S<Saかつ−Jb≦J<Jaであるときには、前述したようにp=−2となる。したがってフィールドn+3におけるシフトレジスタ19の初段のレジスタ値は−2となる。これは図7のいずれのパターンとも合致しないから、フィルム判定回路12の判定結果Fは0となる。
実際のテレビジョン信号ではテレシネ素材を編集するなどしてテレシネ素材とビデオ素材が頻繁に切り替わることがありうるが、第1の実施の形態に係るフィルム検出回路5および順次走査変換回路6は、このような映像の編集点が多くあるテレシネ素材に対しても対応することができる。
一方、ビデオ素材から成る画像領域では、フレーム間の動きが存在する画像領域では、現フィールドと次フィールドの間、および現フィールドと前フィールドの間のいずれにおいてもフィールド間の動きが存在することになる。
したがって、ビデオ素材の動画領域で検出されるjの値は0に近い値であり、βおよびγがt2に対してある程度小さい値に設定されていれば、|F+j|がt2を超えることはなく、k2=0となって、補間値iとしてビデオ素材に適したvが選択されることになる。
また、これに限らず、モーションジャダーjが動きベクトルの方向に依存するように変換関数を定義してもよい。この場合も、フィールド間の動きベクトルが零ベクトル、またはフレーム間の動きベクトルと等しいときに変換関数の絶対値が最大となるようにし、このときの変換関数の絶対値がフレーム間の動きベクトルのノルムに関して単調非減少となるようにすれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
たとえば、シフトレジスタ19の段数を5段とし、パターンROM16に0、1、−1、1、−1の5個の数字からなるパターンを格納するとしても良い。初段のレジスタが0、2段目および4段目のレジスタが1、3段目のレジスタおよび5段目のレジスタが−1となるのは入力映像信号が3:2プルダウンによって生成されたテレビジョン信号であるときであるから、上記のパターンにより3:2プルダウンシーケンスが検出できることになる。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る映像信号処理装置の全体構成を示す図である。
図16において、第1の実施の形態と同じ機能を持つ要素については図1と同じ番号を付し、説明を省略する。
本第2の実施の形態に係る順次走査変換回路29は、入力端子1から入力された映像信号を1フィールド以上遅延させた映像信号を用いる点が、第1の実施の形態である順次走査変換回路6と異なる。順次走査変換回路29によってプログレッシブ信号に変換された映像信号は、出力端子7から出力される。
フィルム検出回路28は、図16に示すように、次フィールドの映像信号と前フィールドの映像信号を用いて、映像のフレーム間の動きを検出するフレーム動き検出回路30、現フィールドの映像信号と次フィールドの映像信号を用いて、映像のフィールド間の動きを検出する第1のフィールド動き検出回路31、現フィールドの映像信号と前フィールドの映像信号を用いて、映像のフィールド間の動きを検出する第2のフィールド動き検出回路32、フレーム動き検出回路30、第1のフィールド動き検出回路31、および第2のフィールド動き検出回路32の検出結果を用いて、連続する2フィールドにわたって映像に一定のフィールド間の動きが存在することの確からしさを判定する動画判定回路33、フレーム動き検出回路30と第1のフィールド動き検出回路31の検出結果を用いてモーションジャダーを検出する第1のモーションジャダー検出回路34、フレーム動き検出回路30と第2のフィールド動き検出回路32の検出結果を用いてモーションジャダーを検出する第2のモーションジャダー検出回路35、および動画判定回路33の判定結果、および第1のモーションジャダー検出回路34と第2のモーションジャダー検出回路35の検出結果を用いて、入力端子1から入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定するフィルム判定回路36を有する。
図17に示すように、フィルム判定回路36は、動画判定回路33の判定結果を閾値処理する第1の閾値回路37、第1のモーションジャダー検出回路34と第2のモーションジャダー検出回路35の検出結果の比を閾値処理する第2の閾値回路38、および第1の閾値回路37と第2の閾値回路38の出力値から入力映像信号の状態を識別する識別回路39を有する。
識別回路39の識別結果は、フィルム判定回路36の判定結果Fとして順次走査変換回路29に出力される。
順次走査変換回路29は、図18に示すように、フィールドN1の映像信号とフィールドN3の映像信号とを用いて、映像の動きの大きさを表す動き係数k1を発生する動き検出回路40、動き検出回路40で発生した動き係数k1に応じて、フィールドN1、N2、N3の映像信号を適当に重み付け加算することにより、補間すべき走査線上の画素値を生成する補間回路41、フィルム検出回路28の判定結果Fに応じて、補間回路41の出力信号v、フィールドN1の映像信号、およびフィールドN2の映像信号のいずれかを選択するセレクタ42、およびセレクタ42で選択された補間すべき走査線上の映像信号と、現フィールドの実走査線とをインターリーブすることでプログレッシブ信号を生成する順次走査化回路43を有する。
順次走査化回路43によって生成されたプログレッシブ信号は出力端子7から出力される。
フレーム動き検出回路30は、1フレームだけ離れた画素間の輝度差の絶対値D0を単調非線形変換した値をフレーム間の動きMとして検出する。
同様に、第1のフィールド動き検出回路31は、空間的にほぼ同じ位置に存在する現フィールドと次フィールドの2つの画素について輝度差の絶対値D1を求め、この差分絶対値D1を単調非線形変換した値をフィールド間の動きm1として検出する。
さらに、第2のフィールド動き検出回路32は、空間的にほぼ同じ位置に存在する現フィールドと前フィールドの2つの画素について輝度差の絶対値D2を求め、この差分絶対値D2を単調非線形変換した値をフィールド間の動きm2として検出する。
第1の実施の形態と同様、1フレームあるいは1フィールド離れた画素間の輝度差を求める前後に、低域通過型の空間フィルタを設けるとしてもよい。
m1=med{0,1,(D1−t3)/T3}
m2=med{0,1,(D2−t3)/T3}
第1のモーションジャダー検出回路34は、以下の式を用いて画素単位のモーションジャダーj1を検出する。
モーションジャダーj1は、フレーム間では動きが存在し、現フィールドと次フィールドの間では静止している画素において大きな値をとる。第1のモーションジャダー検出回路34は、第1の実施の形態のモーションジャダー検出回路11と同様にモーションジャダーj1を求める演算器とモーションジャダーj1の表示画面全体の総和を求める積算器とを内蔵しており、積算器の積算結果J1をモーションジャダーの検出結果としてフィルム判定回路36に出力する。J1を求める積算器は、入力端子2から垂直同期信号の基準エッジが入力される度に積算値を0にリセットする。
z>0であるためにはM>0、m1>0、m2>0が必要であるから、z>0である画素ではフレーム間の動きとフィールド間の動きの両方が存在することになる。
すなわち、第1の閾値回路37の出力値が0であるときには、画像領域の一部あるいは全部がビデオ素材の動画である可能性が高い。
一方、第2の閾値回路38は、J1とJ2の比と正の定数λ(>1)とを比較し、J1≧λ×J2が成り立つときには1を出力し、J2≧λ×J1が成り立つときには−1を出力し、それ以外のときには0を出力する。
逆に、現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールドであり、前フィールドと次フィールドの画像内容が一致しない場合には、多くの画素についてm2=0が成り立つことから、J2≧λ×J1となりやすい。
J1≧λ×J2とJ2≧λ×J1がいずれも成り立たないときには、入力映像信号はフィルム素材の静止画であるか、ビデオ素材であるかのいずれかであると考えられる。
したがって、本第2の実施の形態では、Fの値は−1、0、1のいずれかの値をとる。F=−1となるのは、第1の閾値回路37の出力値が1であり、第2の閾値回路38の出力値が−1となるときであるから、入力映像信号はテレシネ素材の動画であり、フィールドN2とフィールドN3が同じフィルムフレームに由来するフィールド同士になっている可能性が高い。
また、F=0となるのは、第1の閾値回路37の出力値が0であるか、第2の閾値回路38の出力値が0となるときであるから、入力映像信号は、ビデオ素材であるか、ハイブリッド素材であるか、テレシネ素材の静止画のいずれかである可能性が高い。
さらにF=1となるのは、第1の閾値回路37の出力値が1であり、第2の閾値回路38の出力値が1となるときであるから、入力映像信号はテレシネ素材の動画であり、フィールドN1とフィールドN2が同じフィルムフレームに由来するフィールド同士になっている可能性が高い。
動き検出回路40および補間回路41の動作は、第1の実施の形態に係る動き検出回路20、補間回路21の動作とまったく同じであり、前フィールド、現フィールド、次フィールドの映像信号を用いる代わりに、フィールドN1、フィールドN2、フィールドN3を用いる点のみが異なる。
セレクタ42は、F=0のときには補間回路41の出力値を補間値として選択し、F=−1のときにはフィールドN3の映像信号を補間値として選択し、F=1のときにはフィールドN1の映像信号を補間値として選択することによって補間すべき走査線の画素値を生成する。
実際に、入力信号が静止画であるときには補間回路41の出力値とフィールドN1、N3の映像信号のいずれを選んでも正しい補間となるから、Fの値は任意の値であってよく、特にフィルム検出を行う必要はない。
したがって、フィルム検出回路28は、任意のプルダウンシーケンスを持つテレシネ素材を検出することができると言ってよい。
一方、第2のモーションジャダー検出回路35が検出するモーションジャダーj2が大きな値となるのは、フレーム間に動きが存在し、現フィールドと前フィールドの間が静止である場合である。フレーム間で動き、フィールド間では静止となるのはテレシネ素材に特有の現象であって、ビデオ素材ではほとんど起こりえないから、モーションジャダーj1、j2に基づいてフィルム検出を行うことにより、高い精度でフィルム検出を行うことができる。
順次走査変換回路29は、入力映像信号を1フィールド以上遅延させた映像信号を用いて順次走査変換を行うため、確定したフィルム判定結果を用いて順次走査変換を行うことができる。したがって、映像の編集点が多く、入力映像信号の状態が頻繁に切り替わる場合でも、入力映像信号の状態に応じて素早く順次走査変換方法を変化させることができる。
一方、ハイブリッド素材をフィルム素材と見なして順次走査変換を行うと、異なる時間に撮影された画像が重ね合わせられる結果、動画領域に二重像のアーティファクトが現れ、順次走査変換の性能が大きく劣化することになる。
したがって、本第2の実施の形態に係る順次走査変換回路29は、ハイブリッド素材に対しても誤った順次走査変換が行われにくいと言える。
たとえば、フレーム間の画素値の類似度QをQ=1−M、フィールド間の画素値の類似度q1、q2をq1=1−m1およびq2=1−m2と定義すれば、Q、q1、q2を用いてモーションジャダーj1、j2を算出することが可能である。
図20は、本発明の第3の実施の形態に係る映像信号処理装置の全体構成を示す図である。
図20において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同じ機能を持つ要素については前出の図と同じ番号を付し、説明を省略する。
フィルム判定回路51は、図21に示すように、静止画判定回路46の判定結果と、第1の積算器49および第2の積算器50の積算結果とを用いて、大域的な表示画面領域について、入力端子1から入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第1のフィルム判定回路52、第1のモーションジャダー検出回路47と第2のモーションジャダー検出回路48の検出結果を用いて、局所的な表示画面領域について、入力端子1から入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第2のフィルム判定回路53、動画判定回路33の判定結果を用いて混合係数を発生する混合係数発生回路54、および第1のフィルム判定回路52の判定結果と第2のフィルム判定回路53の判定結果を、混合係数発生回路54で発生した混合係数によって重み付けすることにより、最終的なフィルム判定結果を得る第3のフィルム判定回路55を有する。
第3のフィルム判定回路55の判定結果は、フィルム判定回路51の判定結果Fとして順次走査変換回路45に出力される。
以下、第1のフィルム判定回路52の判定結果をF1と書く。
F1>0であるときには現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高く、F1<0であるときには現フィールドと次フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高い。また、F1=0であるときには入力映像信号はビデオ素材である可能性が高い。
具体的には、j2−j1に正の定数を乗じた値がフィルム判定結果であるとする。以下、第2のフィルム判定回路53の判定結果をF2と書く。
F2>0であるときには前フィールドと現フィールドが現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高く、F2<0であるときには現フィールドと次フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高い。
第3のフィルム判定回路55は、次式によって得られるF3の絶対値および符号を、最終的なフィルム判定結果Fとして順次走査変換回路45に出力する。
すなわち、セレクタ22は、フィルム判定結果Fを構成するF3の符号を用いて、F3<0のときは前フィールドの映像信号を選択し、F3≧0のときは次フィールドの映像信号を選択する。また混合回路25は、混合係数k2としてF3の絶対値を用いて補間すべき走査線上の画素値を決定する。
したがって、本第3の実施の形態に係るフィルム検出回路44は任意のプルダウンシーケンスを持つテレシネ素材に対応することができ、入力がテレシネ素材とビデオ素材で頻繁に切り替わる場合にも、素早くフィルム検出結果を追随させることができる。
特に、本第3の実施の形態に係るフィルム判定回路51は、動画判定手段の判定結果Zに応じて大域的なフィルム検出と局所的なフィルム検出の重み付けを変化させている。入力映像信号がハイブリッド素材である可能性が高い場合には、局所的なフィルム検出の結果の影響を強くすることによって、ビデオ素材である表示画面領域の検出漏れを防ぐように動作する。
また、入力映像信号がハイブリッド素材である可能性が低い場合には、大局的なフィルム検出の結果の影響を強くすることによって、垂直高周波成分を多く含むテレシネ素材の動画領域においても、誤ってビデオ素材と判定することを防ぐように動作する。
入力映像信号が垂直高周波成分を含んでいない場合には、m1−m2>0であるときには前フィールドと現フィールドと前フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高く、m1−m2<0であるときには現フィールドと次フィールドが同じフィルムフレームに由来するフィールド同士である可能性が高い。
図23は、本発明の第4の実施の形態に係る映像信号処理装置の全体構成を示す図である。
図23において、第1の実施の形態および第3の実施の形態と同じ機能を持つ要素については前出の図と同じ番号を付し、説明を省略する。
本第4の実施形態に係る映像信号処理装置は、第3の実施の形態の映像信号処理装置の構成に加えて、入力端子1から入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判定するフィルム検出回路57、第2のフィールドメモリ4と第3のフィールドメモリ27の出力映像信号を用いて、映像のフィールド間の動きを検出する第3のフィールド動き検出回路58、および第1の積算器49と第2の積算器50の積算結果と、第2のフィールド動き検出回路32と第3のフィールド動き検出回路58の検出結果とを用いて、入力された映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定するフィルム判定回路59を有する。
これ以外の部分については、第3の実施の形態に係る映像信号処理回路と同じである。
また、パターン照合回路17は、シフトレジスタ19が表すパターンと、パターンPTN1またはパターンPTN2とが合致した場合には−βではなくγを出力し、シフトレジスタ19が表すパターンと、パターンPTN3またはパターンPTN4とが合致した場合にはγではなく−βを出力するとする。これは、順次走査変換回路45で用いられる3つのフィールドが、第3の実施の形態の場合よりも1フィールドずつ遅れていることに対応するためである。
第3の実施の形態では、F>0のときにフィールドN2とフィールドN3が同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であることを検出し、ここからフィールドN0とフィールドN1が同じフィルムフレームに由来するフィールド同士であることを推定していた。
これに対して、本第4の実施の形態では、フィールドN1、N2、N3が順次走査変換に用いられるため、このような推定をする必要はなく、より確実なフィルム検出が可能になっている。
さらに、大域的な画面領域と局所的な画面領域の両方についてフィルム検出を行うように構成したので、ハイブリッド素材に対しても画面領域ごとに入力映像信号がテレシネ素材であるかビデオ素材であるかが判定することができるという効果がある。
Claims (20)
- 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出装置であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフレーム動き検出手段と、
前記現フィールドと前記前フィールドまたは前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフィールド動き検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と、前記フィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出するモーションジャダー検出手段と、
少なくとも前記モーションジャダー検出手段の検出結果を用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出するフィルム判定手段と、を有し、
上記フィルム判定手段は、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出装置。 - 前記モーションジャダー検出手段は、
所定の変換関数を用いて、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出し、
前記所定の変換関数は、
前記フィールド間の動き以外の変数が一定という条件の下では、前記フィールド間の動きが0と等しいか、または前記フィールド間の動きが前記フレーム間の動きと等しいか、のいずれか一方が満たされる場合に絶対値が最大となり、
前記フィールド間の動きが0であるときの前記所定の変換関数の絶対値、または前記フィールド間の動きが前記フレーム間の動きと等しいときの前記所定の変換関数の絶対値、の少なくともいずれか一方は、前記フレーム間の動きの大きさに対して単調非減少である
請求項1に記載のフィルム検出装置。 - 前記モーションジャダー検出手段は、
フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、前記現フィールドと前記前フィールドとの間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することが相対的により確からしい場合と、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、前記現フィールドと前記次フィールドとの間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することが相対的により確からしい場合とで、検出結果の符号が異なる
請求項1に記載のフィルム検出装置。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出装置であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフレーム動き検出手段と、
前記現フィールドと、前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第1のフィールド動き検出手段と、
前記現フィールドと、前記前フィールドとの間における映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第2のフィールド動き検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と前記第1のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第1のモーションジャダー検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と前記第2のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第2のモーションジャダー検出手段と、
少なくとも前記第1のモーションジャダー検出手段の検出結果と、前記第2のモーションジャダー検出手段の検出結果とを用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出するフィルム判定手段と、を有し、
上記フィルム判定手段は、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
を有するフィルム検出装置。 - 前記第1のモーションジャダー検出手段は、
第1の変換関数を用いて、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出し、
前記第2のモーションジャダー検出手段は、
第2の変換関数を用いて、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出し、
前記第1の変換関数の絶対値は、
前記フレーム間の動きの大きさに関して単調非減少であり、前記第1のフィールド動き検出手段で検出されたフィールド間の動きの大きさに関して単調非増加であって、
前記第2の変換関数の絶対値は、
前記フレーム間の動きの大きさに関して単調非減少であり、前記第2のフィールド動き検出手段で検出されたフィールド間の動きの大きさに関して単調非増加である
請求項4に記載のフィルム検出装置。 - 前記フィルム判定手段は、
前記第1のモーションジャダー検出手段の検出結果と、前記第2のモーションジャダー検出手段の検出結果との比または差に応じて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出し、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
請求項4または5に記載のフィルム検出装置。 - 前記モーションジャダー検出手段は、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と、前記フィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、第1の画像領域について、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する演算手段と、
前記演算手段の演算結果を空間方向に積算することによって、前記第1の画像領域よりも相対的に大きい第2の画像領域について、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する積算手段と、を含み、
前記フィルム判定手段は、
前記積算手段の積算結果のみ、または前記演算手段の演算結果と前記積算手段の積算結果の両方を前記モーションジャダー検出手段の検出結果として用いる
請求項1から6のいずれか一に記載のフィルム検出装置。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出装置であって、
前記入力映像信号を1フィールド遅延させる第1の遅延手段と、
前記入力映像信号を2フィールド遅延させる第2の遅延手段と、
前記入力映像信号と、前記第2の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフレーム間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフレーム動き検出手段と、
前記入力映像信号と、前記第1の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第1のフィールド動き検出手段と、
前記第1の遅延手段の出力映像信号と、前記第2の遅延手段の出力映像信号とを用いて映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第2のフィールド動き検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と前記第1のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第1のモーションジャダー検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と前記第2のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第2のモーションジャダー検出手段と、
前記第1のモーションジャダー検出手段の検出結果を、空間方向に積算する第1の積算手段と、
前記第2のモーションジャダー検出手段の検出結果を、空間方向に積算する第2の積算手段と、
少なくとも前記第1の積算手段の積算結果と、前記第2の積算手段の積算結果とを用いて、大域的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第1のフィルム判定手段と、
前記第1のフィールド動き検出手段の検出結果または前記第1のモーションジャダー検出手段の検出結果のいずれか一方と、前記第2のフィールド動き検出手段の検出結果または前記第2のモーションジャダー検出手段の検出結果のいずれか一方とを少なくとも用いて、前記大域的な画像領域の一部領域である局所的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第2のフィルム判定手段と、を有し、
上記第1および第2のフィルム判定手段は、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出装置。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出装置であって、
前記入力映像信号を1フィールド遅延させる第1の遅延手段と、
前記入力映像信号を2フィールド遅延させる第2の遅延手段と、
前記入力映像信号を3フィールド遅延させる第3の遅延手段と、
前記第1の遅延手段の出力映像信号と、前記第3の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフレーム間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフレーム動き検出手段と、
前記入力映像信号と、前記第1の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第1のフィールド動き検出手段と、
前記第1の遅延手段の出力映像信号と、前記第2の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第2のフィールド動き検出手段と、
前記第2の遅延手段の出力映像信号と、前記第3の遅延手段の出力映像信号とを用いて、映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出する第3のフィールド動き検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と、前記第1のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第1のモーションジャダー検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と、前記第2のフィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出する第2のモーションジャダー検出手段と、
前記第1のモーションジャダー検出手段の検出結果を、空間方向に積算する第1の積算手段と、
前記第2のモーションジャダー検出手段の検出結果を、空間方向に積算する第2の積算手段と、
少なくとも前記第1の積算手段の積算結果と、前記第2の積算手段の積算結果とを用いて、大域的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第1のフィルム判定手段と、
少なくとも前記第2のフィールド動き検出手段の検出結果と、前記第3のフィールド動き検出手段の検出結果とを用いて、前記大域的な画像領域の一部領域である局所的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第2のフィルム判定手段と、を有し、
上記第1および第2のフィルム判定手段は、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出装置。 - 前記フィルム検出装置は、
前記フレーム動き検出手段の検出結果を用いて、映像がフレーム間で静止していることの確からしさを判定する静止画判定手段をさらに有し、
前記フィルム判定手段は、
前記静止画判定手段の判定結果に応じて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを変化させる
請求項1から9のいずれか一に記載のフィルム検出装置。 - 前記フィルム判定手段は、
1つ以上の前記モーションジャダー検出手段の検出結果の時系列を用いて、有限離散個のパターンを生成するパターン発生手段と、
前記パターン発生手段で生成したパターンと照合するためのパターンを1つ以上格納するパターン格納手段と、
前記パターン発生手段が発生したパターンと、前記パターン格納手段に格納されているパターンのいずれかとが合致したときに、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを増加させるパターン照合手段と、を含む
請求項1から10のいずれか一に記載のフィルム検出装置。 - 前記フィルム判定手段は、
1つ以上の前記モーションジャダー検出手段の検出結果の時系列と、前記静止画判定手段の判定結果の時系列とを用いて、有限離散個のパターンを生成するパターン発生手段と、
前記パターン発生手段で生成したパターンと照合するためのパターンを1つ以上格納するパターン格納手段と、
前記パターン発生手段が発生したパターンと、前記パターン格納手段に格納されているパターンのいずれかとが合致したときに、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを増加させるパターン照合手段と、を含む
請求項10に記載のフィルム検出装置。 - 前記フィルム検出装置は、
前記フレーム間の動きと前記フィールド間の動きを用いて、連続する2フィールドにわたって映像にフィールド間の動きが存在することの確からしさを判定する動画判定手段をさらに有し、
前記フィルム判定手段は、
前記動画判定手段の判定結果に応じて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを変化させる
請求項1から12のいずれか一に記載のフィルム検出装置。 - インターレース信号である入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する映像信号処理装置であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフレーム動き検出手段と、
前記現フィールドと前記前フィールドまたは前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きを、スカラー量またはベクトル量として検出するフィールド動き検出手段と、
前記フレーム動き検出手段の検出結果と、前記フィールド動き検出手段の検出結果とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさを算出するモーションジャダー検出手段と、
少なくとも前記モーションジャダー検出手段の検出結果を用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出するフィルム判定手段と、
少なくとも前記フィルム判定手段の検出結果に応じて、前記入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する方法を変化させる順次走査変換手段と、を有し、
上記フィルム判定手段は、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
映像信号処理装置。 - インターレース信号である入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する映像信号処理装置であって、
前記映像信号処理装置は、請求項2から13のいずれか一に記載のフィルム検出装置と、
前記入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する順次走査変換手段と、を少なくとも有し、
前記順次走査変換手段は、前記フィルム判定手段の判定結果に応じて、前記入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する方法を変化させる
映像信号処理装置。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出方法であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きMを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記現フィールドと前記前フィールドまたは前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きmを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記フレーム間の動きMと、前記フィールド間の動きmとを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさJを算出するステップと、
少なくとも前記確からしさJを用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出する判定ステップと、を含み、
上記判定ステップでは、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出方法。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出方法であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きMを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記現フィールドと前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きm1を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記現フィールドと前記前フィールドとの間における映像のフィールド間の動きm2を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記フレーム間の動きMと前記フィールド間の動きm1とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさJ1を算出するステップと、
前記フレーム間の動きMと前記フィールド間の動きm2とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさJ2を算出するステップと、
少なくとも前記確からしさJ1と、前記確からしさJ2とを用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出するは判定ステップと、を含み、
上記判定ステップでは、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出方法。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出方法であって、
前記入力映像信号を1フィールド遅延させて1フィールド遅延信号を得るステップと、
前記入力映像信号を2フィールド遅延させて2フィールド遅延信号を得るステップと、
前記入力映像信号と、前記2フィールド遅延信号とを用いて、映像のフレーム間の動きMを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記入力映像信号と、前記1フィールド遅延信号とを用いて、映像のフィールド間の動きm1を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記1フィールド遅延信号と、前記2フィールド遅延信号とを用いて、映像のフィールド間の動きm2を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記フレーム間の動きMと前記フィールド間の動きm1とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさj1を算出するステップと、
前記フレーム間の動きMと前記フィールド間の動きm2とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさj2を算出するステップと、
前記確からしさj1を、空間方向に積算して積算値J1を得るステップと、
前記確からしさj2を、空間方向に積算して積算値J2を得るステップと、
少なくとも前記積算値J1と、前記積算値J2とを用いて、大域的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第1の判定ステップと、
前記フィールド間の動きm1または前記確からしさj1のいずれか一方と、前記フィールド間の動きm2または前記確からしさj2のいずれか一方とを少なくとも用いて、前記大域的な画像領域の一部領域である局所的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第2の判定ステップと、を含み、
上記第1および第2の判定ステップでは、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出方法。 - 入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることを判別するフィルム検出方法であって、
前記入力映像信号を1フィールド遅延させて1フィールド遅延信号を得るステップと、
前記入力映像信号を2フィールド遅延させて2フィールド遅延信号を得るステップと、
前記入力映像信号を3フィールド遅延させて3フィールド遅延信号を得るステップと、
前記1フィールド遅延信号と、前記3フィールド遅延信号とを用いて、映像のフレーム間の動きMを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記入力映像信号と、前記1フィールド遅延信号とを用いて、映像のフィールド間の動きm1を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記1フィールド遅延信号と、前記2フィールド遅延信号とを用いて、映像のフィールド間の動きm2を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記2フィールド遅延信号と、前記3フィールド遅延信号とを用いて、映像のフィールド間の動きm3を、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記フレーム間の動きMと、前記フィールド間の動きm1とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさj1を算出するステップと、
前記フレーム間の動きMと、前記フィールド間の動きm2とを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出ステップであり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさj2を算出するステップと、
前記確からしさj1を、空間方向に積算して積算値J1を得るステップと、
前記確からしさj2を、空間方向に積算して積算値J2を得るステップと、
少なくとも前記積算値J1と、前記積算値J2とを用いて、大域的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第1の判定ステップと、
少なくとも前記フィールド間の動きm2と、前記フィールド間の動きm3とを用いて、前記大域的な画像領域の一部領域である局所的な画像領域について、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを判定する第2の判定ステップと、を含み、
上記第1および第2の判定ステップでは、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
フィルム検出方法。 - インターレース信号である入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する映像信号処理方法であって、
現フィールドの1フィールド前のフィールドである前フィールドと、前記現フィールドの1フィールド後のフィールドである次フィールドとの間における映像のフレーム間の動きMを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記現フィールドと前記前フィールドまたは前記次フィールドとの間における映像のフィールド間の動きmを、スカラー量またはベクトル量として検出するステップと、
前記フレーム間の動きMと、前記フィールド間の動きmとを少なくとも用いて、1つ以上の画素を含む画面の一部領域について、映像の動きにモーションジャダーが発生していることを検出する検出手段であり、フレーム間では映像に動きが存在し、かつ、フィールド間では映像が静止しているというモーションジャダー特有の動きを持つ上記画面の一部領域が存在するかを示すモーションジャダーが存在することの確からしさjを算出するステップと、
少なくとも前記確からしさJを用いて、前記入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさを算出する判定ステップと、
少なくとも前記判定ステップの判定結果に応じて、前記入力映像信号をプログレッシブ信号に変換する方法を変化させるステップと、を含み、
上記判定ステップでは、
モーションジャダーが存在する確からしさが高いほど、入力映像信号がテレシネによって生成されたインターレース信号であることの確からしさが高いと判定する
映像信号処理方法。
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