JP4983353B2 - Rolling bearing - Google Patents
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Description
本発明は、例えば高速回転する回転軸を支持する転がり軸受に関する。 The present invention relates to a rolling bearing that supports a rotating shaft that rotates at a high speed, for example.
従来、例えば電動工具の整流子モータなどの各種装置には、異物(例えば、オイル、グリース、塵埃など)の軸受内部への浸入防止が図られた種々の転がり軸受が組み込まれている。その一例として図11(a)には、電動工具の整流子モータの出力軸側に異物浸入防止用のオイルシール2が設けられた軸受構造が提案されている(第1の従来技術)。
2. Description of the Related Art Conventionally, various devices such as a commutator motor of a power tool incorporate various rolling bearings that prevent foreign matters (eg, oil, grease, dust, etc.) from entering the bearing. As an example, FIG. 11 (a) proposes a bearing structure in which an
かかる軸受構造では、2つの回転軸4,6が転がり軸受8,10を介してハウジング12に支持されており、一方の回転軸4の回転運動は、ギヤ機構を介して他方の回転軸6に伝達されるようになっている。なお、ギヤ機構には、一方の回転軸4に固定された第1のギヤ14と、第1のギヤ14に歯合し且つ他方の回転軸6に固定された第2のギヤ16とが設けられている。
In such a bearing structure, the two
また、このような軸受構造では、他方の回転軸6を支持する転がり軸受10には、内外輪10a,10b間に密封板18が組み込まれており、上述したオイルシール2は、当該転がり軸受10とギヤ機構との間であって且つ他方の回転軸6とハウジング12との間に介在されている。これにより、異物(特に、ギヤ機構に付された潤滑剤)の軸受内部への浸入防止が図られている。
In such a bearing structure, the rolling
ところで、第1の従来技術(図11(a))には、内外輪10a,10b間に組み込まれた密封板18に加えて、更に他方の回転軸6とハウジング12との間にオイルシール2が組み込まれている。この場合、軸受構造を構成する部品点数が増加してしまうと共に、その組み込み作業に要する手間がかかるため、その分だけ軸受の製造コストが上昇してしまうといった問題がある。
Incidentally, in the first prior art (FIG. 11A), in addition to the
そこで、例えば特許文献1には、図11(b)に示すように、内外輪20,22間の一方側にオイルシール24を組み込むと共に、その他方側に密封板26を組み込んだ軸受構造が提案されている(第2の従来技術)。しかし、オイルシール24を内外輪20,22間に組み込んだ場合、軸受構造の使用状態によっては、軸受外径側(外輪22の外径側)を含めた軸受全体の密封性能を従来と同様のレベルに維持することが困難になってしまう虞がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、軸受外径側を含めた軸受全体の密封性能に優れた低コストの転がり軸受を提供することにある。 The present invention has been made to solve such problems, and an object of the present invention is to provide a low-cost rolling bearing excellent in the sealing performance of the entire bearing including the outer diameter side of the bearing.
この目的を達成するために、本発明は、相対回転可能に対向配置された軌道輪と、これら軌道輪間に区画される軸受内部を軸受外部から密封する環状のシールとを具備し、シールは、その基端部が一方の軌道輪に固定され、その先端部が他方の軌道輪に向けて延出している転がり軸受であって、シールの先端部は、他方の軌道輪の周面に対して摺接した状態に位置決めされていると共に、一方の軌道輪には、他方の軌道輪に対向する周面とは反対側の周面に、その周方向に沿って凹状に窪ませた凹溝が形成され、当該凹溝には、環状のOリングが装着されており、他方の軌道輪には、一方の軌道輪に対向する周面とは反対側の周面に、その周方向に沿って凹状に窪ませた凹溝が形成され、当該凹溝には、環状のOリングが装着されており、凹溝にOリングを装着した状態で当該Oリングが凹溝から一部突出するように設定されていると共に、Oリングの直径をαとし、Oリングを凹溝に装着した際の突出量をβとすると、(β/α)×100なる関係が20%〜50%の範囲内となるように設定されている。
In order to achieve this object, the present invention comprises a bearing ring disposed so as to be relatively rotatable and an annular seal that seals the inside of the bearing defined between the bearing rings from the outside of the bearing. A rolling bearing having a base end portion fixed to one of the race rings and a tip end portion extending toward the other race ring, wherein the tip end portion of the seal is in contact with the peripheral surface of the other race ring. A groove that is positioned so as to be in slidable contact with each other and that is recessed in a concave shape along the circumferential direction on the circumferential surface opposite to the circumferential surface facing the other bearing ring. An annular O-ring is mounted in the concave groove, and the other raceway has a circumferential surface opposite to the circumferential surface facing one of the raceways, along its circumferential direction. A concave groove recessed in a concave shape is formed, and an annular O-ring is attached to the concave groove. The O-ring is set so that it partially protrudes from the groove when the O-ring is mounted, and the diameter of the O-ring is α, and the protruding amount when the O-ring is mounted in the groove is β Then, the relationship of (β / α) × 100 is set so as to be in the range of 20% to 50%.
本発明において、シールは、芯金にゴム材を被覆して構成されていると共に、当該シールの基端部には、軸受外部側に向けて突出した突出部がゴム材で一体成形されており、当該突出部は、一方の軌道輪の軸受外部側端面よりも更に軸受外部側に突出している。また、本発明において、シールの基端部には、円環状の芯金の外径側を一部屈曲して形成されたカール部と、当該カール部を覆うように被覆された弾性材とが介在されており、当該基端部は、一方の軌道輪に加締めて固定されている。
In the present invention, the seal is configured by covering a core metal with a rubber material, and a protruding portion protruding toward the outside of the bearing is integrally formed with the rubber material at the base end portion of the seal. The protruding portion protrudes further to the bearing outer side than the bearing outer side end face of one of the bearing rings. In the present invention, the base end portion of the seal has a curled portion formed by partially bending the outer diameter side of the annular cored bar, and an elastic material coated so as to cover the curled portion. The base end is caulked and fixed to one of the race rings.
また、本発明において、シールの先端部が摺接した他方の軌道輪の周面は、シールの基端部が固定された一方の軌道輪の軸受外部側端面よりも更に軸受外部側に広がって延在している。この場合、シールの先端部が摺接した他方の軌道輪の周面には、その軸受外部側に面取りを施しても良い。 Further, in the present invention, the peripheral surface of the other bearing ring in which the tip end portion of the seal is in sliding contact extends further to the bearing outer side than the bearing outer side end surface of the one bearing ring to which the base end portion of the seal is fixed. It is extended. In this case, the outer surface of the bearing ring may be chamfered on the peripheral surface of the other bearing ring in which the tip of the seal is in sliding contact.
本発明によれば、軸受外径側を含めた軸受全体の密封性能に優れた低コストの転がり軸受を実現することができる。 According to the present invention, it is possible to realize a low-cost rolling bearing excellent in sealing performance of the entire bearing including the bearing outer diameter side.
以下、本発明の第1の実施の形態に係る転がり軸受について、添付図面を参照して説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態の転がり軸受は、相対回転可能に対向配置された軌道輪(内輪28、外輪30)と、内外輪28,30間に転動自在に組み込まれた複数の転動体32と、内外輪28,30間に区画される軸受内部を軸受外部から密封する環状のシール34,36とを備えている。なお、図面では、転動体32として“玉”を例示したが、“ころ”が適用される場合もある。また、内輪28は、その内輪内径面28sを回転軸38に嵌合して固定されて共に回転可能になっており、外輪30は、その外輪外径面30sをハウジング40に嵌合して固定されるようになっている。更に、図面では、保持器Hによって各転動体32を保持する軸受構造としたが、当該保持器Hは、必ずしも必要ではない。
Hereinafter, a rolling bearing according to a first embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
As shown in FIG. 1 (a), the rolling bearing of the present embodiment is incorporated between a bearing ring (an
シール34,36は、複数の転動体32を挟んで内外輪28,30の両側にそれぞれ設けられており、例えばオイルやグリース或いは塵埃などの異物が軸受内部へ浸入するのを防止することができるように構成されている。ここで、一方側のシール34には、例えば金属製のシールド、或いは、接触又は非接触タイプのシールなど各種の密封板を適用することができるが、図面には一例として、芯金34aにゴム材34bを被覆して構成された接触タイプのシール34が適用されている。なお、接触タイプのシール34は、基端34eが外輪30の固定用溝30gに固定され、先端34tが内輪28に向けて延出し、その延出端(リップ)34Lが内輪28のシール溝28gに摺接した状態で位置決めされている。
The
また、他方側のシール36は、その基端部36eが外輪30に固定され、その先端部36tが内輪28に向けて延出し、その延出端(例えば、内径リップL1、ダストリップL2)が内輪28の周面(内輪外径面)28sに対して摺接した状態に位置決めされている。具体的に説明すると、当該シール36は、円環状の芯金36aにゴム材36bを被覆して構成されており、芯金36aは、基端部36eから軸受内部方向へ延出した後、内輪28に向けて屈曲させて延出している。
The
この場合、ゴム材36bの基端部36eは、シール36の基端部36eを外輪30に固定した際に、当該外輪30の内周に接触(圧接)した状態に維持され、その先端部36tには、内径リップL1及びダストリップL2が一体成形されている。内径リップL1は、リング状のバネ部材42の付勢力によって押圧されて内輪外径面28sに摺接した状態に位置決めされており、ダストリップL2は、内径リップL1よりも軸受内部側に突設されて内輪外径面28sに摺接している。なお、ダストリップL2は、必ずしも必要ではない。
In this case, the
かかる構成によれば、従来(図11(a))のようにオイルシール2(本実施の形態のシール36に相当)と転がり軸受とを別々に組み立てる必要は無く、シール36を予め外輪30に組み込んでおくことができる。これにより、当該外輪30をハウジング40に固定するだけで同時にシール36の組み立てを完了させることができる。この場合、従来に比べて転がり軸受の組立作業に手間がかかることは無い。このため、軸受の製造コストを従来に比べて大幅に低減させることができる。
According to such a configuration, it is not necessary to separately assemble the oil seal 2 (corresponding to the
また、図1(a)に示されたシール36において、その基端部36eには、軸受外部側に向けて突出した突出部36pが設けられており、当該突出部36pは、外輪30の軸受外部側端面30aよりも更に軸受外部側に所定量δだけ突出している。この場合、突出部36pの突出量δは、例えば転がり軸受の使用目的や使用環境或いは外輪30の形状や大きさなどに応じて任意に設定されるため、ここでは特に数値限定しない。なお、突出部36pは、基端部36eに被覆されたゴム材36bと一体成形しても良いし、或いは、別体で成形し、例えば接着、溶着、融着などの方法で後付けしても良い。
Further, in the
かかる構成によれば、シール36の基端部36eをハウジング40の段部面40mに当て付けるように外輪30をハウジング40に嵌合させて固定する際、突出部36pが突出量δに応じて段部面40mに隙間無く圧着する。この場合、外輪30の軸受外部側端面30aから外輪外径面30sとハウジング40との嵌合部分に亘る領域全体は、シール36によって軸受外部から完全に密封(隔絶)された状態に維持される。これにより、例えばオイルやグリースなどの異物が、軸受外部側端面30aから外輪外径面30sとハウジング40と間を通って反対側(外輪30の反対側端面30b)に漏洩するといったような事態を回避することができる。
According to such a configuration, when the
また、上述したシール36において、内輪内径面28sと回転軸38との間、又は外輪外径面30sとハウジング40との間、或いは、双方の間に例えばOリング44を1本又は複数本介在させるようにしても良い。図面には一例として、外輪外径面30sとハウジング40との間及び内輪内径面28sと回転軸38との間のそれぞれに2本のOリング44を介在させた構成が示されている。この場合、各Oリング44は、外輪外径面30s及び内輪内径面28sの一部を周方向に沿って凹状に窪ませた凹溝Gに装着されている。
Further, in the above-described
ここで、Oリング44と凹溝Gの構成(例えば、形状、大きさなど)については、凹溝GにOリング44を装着した状態で当該Oリング44が凹溝Gから一部突出するように設定することが好ましい。具体的に説明すると、図1(b)に示すように、Oリング44の直径をαとし、Oリング44を凹溝Gに装着した際の突出量をβとすると、(β/α)×100なる関係が20%〜50%の範囲内となるように設定することが好ましい。これは、内輪28を回転軸38(外輪30をハウジング40)に嵌合させる際に、Oリング44が内輪内径面28sと回転軸38との間及び外輪外径面30sとハウジング40との間で潰される“つぶししろ”として規定される。
Here, regarding the configuration (for example, shape, size, etc.) of the O-
かかる構成によれば、内輪28を回転軸38(外輪30をハウジング40)に嵌合させて固定する際、凹溝Gから一部突出したOリング44が突出量βに応じて回転軸38(ハウジング40)に隙間無く圧着する。これにより、外輪外径面30sとハウジング40との間の密封性能及び内輪内径面28sと回転軸38との間の密封性能を向上させることができる。この結果、例えばオイルやグリースなどの異物が内輪内径面28sと回転軸38との間及び外輪外径面30sとハウジング40と間を通って反対側に漏洩することを確実に防止することができる。
According to such a configuration, when the
更に、つぶししろ((β/α)×100)を20%〜50%の範囲内に設定することで、内輪28と回転軸38(外輪30とハウジング40)とをOリング44を介して最適な摩擦力で嵌合(固定)させることができる。これにより、軸受回転中において、内輪28と回転軸38(外輪30とハウジング40)との間の相対すべり現象(クリープ)の発生を確実に防止することが可能となる。
Furthermore, by setting the crushing margin ((β / α) × 100) within a range of 20% to 50%, the
なお、上述した実施の形態において、シール36のゴム材36bの材質について特に言及しなかったが、当該材質の一例としては、ショア硬さ(A)が60〜85程度のニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどを適用することが好ましい。なお、かかる材質は、例えば転がり軸受の使用目的や使用環境(シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)の周速や温度など)に応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
In the above-described embodiment, the material of the
また、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接する内輪28のロックウェル硬さ(HRC)を55以上とし、その内輪外径面28sの表面粗さ(Ra)を0.1〜0.32μm程度に研削加工することが好ましい。ここで、例えば先端部36t(ゴム材36b)の材質がニトリルゴムで周速16m/s、アクリルゴムで周速25m/s、フッ素ゴムで周速32m/sを越えると、先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)と内輪外径面28sとが摩耗、発熱し、その結果、密封性能が低下してしまう場合がある。この場合、例えばゴム材36bの硬さ指数がA70であれば、シール36の先端部36tが摺接する内輪28の硬さをHRC73以上とすることが好ましい。また、例えば内輪外径面28sに硬質表面処理を施して所定の表面粗さに仕上げることで、摺動特性を向上させても良い。
Further, the Rockwell hardness (HRC) of the
本発明は、上述した第1の実施の形態に限定されることは無く、以下のような各変形例も当該発明の範囲に含まれる。
第1の変形例として図2に示すように、上述したシール36を軸受(内外輪28,30)の両側に左右反転させて設けても良い。この場合、それぞれのシール36(先端部36t)の内径リップL1は、軸受外部方向を向くように位置決めされる。かかる構成によれば、軸受外部に存在する異物(例えば、オイル、グリース)が軸受(内外輪28,30)の両側から軸受内部へ浸入するのを確実に防止することができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
The present invention is not limited to the first embodiment described above, and the following modifications are also included in the scope of the present invention.
As a first modified example, as shown in FIG. 2, the above-described
第2の変形例として図3に示すように、上述したシール36を軸受(内外輪28,30)の両側に同一方向に揃えて設けても良い。この場合、それぞれのシール36(先端部36t)の内径リップL1は、軸受外部方向(例えば図中向って左側)を向くように位置決めされる。かかる構成によれば、軸受外部に存在する異物(例えば、オイル、グリース)が軸受(内外輪28,30)の一方側(図中向って左側)から軸受内部へ浸入し、反対側(図中向って右側)に漏洩するといったような事態を確実に回避することができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
As a second modification, as shown in FIG. 3, the above-described
第3の変形例として図4に示すように、上述したシール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接した内輪28の内輪外径面28sを、シール36の基端部36eが固定された外輪30の軸受外部側端面30aよりも更に軸受外部側に広がって延在させても良い。別の捉え方をすると、外輪30の軸受外部側端面30aと反対側端面30bとの間の幅寸法をW1とし、内輪28の軸受外部側端面28aと反対側端面28bとの間の幅寸法をW2として、外輪30の反対側端面30bと内輪28の反対側端面28bとを同一位置に設定した場合において、内輪28の幅寸法W2は、外輪30の幅寸法W1よりも軸受外部方向へ大きく広がっている。この場合、内輪28の軸受外部側端面28aは、外輪30の軸受外部側端面30aよりも軸受外部側に位置付けられる。
As a third modified example, as shown in FIG. 4, the inner ring
かかる構成によれば、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が内輪外径面28sに摺接する領域を大きく確保することができる。この場合、当該先端部36tと内輪外径面28sとの間の密封性能(シール36の遮断効果)を飛躍的に向上させることができる。これにより、例えばオイルやグリース或いは塵埃などの異物が、先端部36tと内輪外径面28sとの間を通って軸受内部へ浸入するのを確実に防止することができる。この結果、転がり軸受の回転性能及び潤滑性能を長期に亘って一定に維持することができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
According to such a configuration, it is possible to ensure a large area where the
更に、図4に示された転がり軸受において、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接した内輪外径面28sには、その軸受外部側に面取り28mが施されている。この場合、面取り28mの広さ(幅)や傾斜角は、例えばシール36の先端部36tや内輪28の大きさや形状などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
Further, in the rolling bearing shown in FIG. 4, the inner ring
かかる構成によれば、シール36を内外輪28,30間に挿入して組み込む際の挿入性を向上させることができる。具体的に説明すると、シール36は、その使用目的から密封性能を比較的高く設定する必要上、先端部36tの構成が大きく且つ複雑化している。このため、シール36を内外輪28,30間に挿入する際に、その先端部36tが内輪28に例えば引っ掛かったり接触したりして、それにより、当該シール36をスムーズに内外輪28,30間に挿入することが困難になってしまう場合がある。
According to such a configuration, it is possible to improve the insertability when the
これに対して、内輪外径面28sの軸受外部側(シール36の挿入側)に面取り28mを施すことで、シール36を内外輪28,30間に挿入する際に、その先端部36tは面取り28mに沿って案内されるため、当該先端部36tが内輪28に例えば引っ掛かったり接触したりすることは無い。これにより、簡単な挿入用治具でシール36をスムーズに内外輪28,30間に挿入することができる。
On the other hand, when the
第4の変形例として図5に示すように、シール36と転動体32との間の領域に新たな密封板を更に設けても良い。ここで、密封板としては、例えば金属製のシールドや、接触又は非接触タイプのシールなど各種のものを適用することができるが、図面には一例として、シール34と同一構成の接触タイプの密封板が適用されている。この場合、新たな密封板34は、基端34eが外輪30の固定用溝30gに固定され、先端34tが内輪28に向けて延出し、その延出端(リップ)34Lが内輪28のシール溝28gに摺接した状態で位置決めされている。
As a fourth modified example, as shown in FIG. 5, a new sealing plate may be further provided in the region between the
かかる構成によれば、軸受内部で発生した摩耗粉などがシール36に到達するのを防止することができる。ここで、摩耗粉などがシール36に到達して例えばシール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)と内輪外径面28sとの間に侵入すると、当該摩耗粉によってシール36の先端部36tや内輪外径面28sが損傷又は摩損する場合がある。そうなると、当該先端部36tと内輪外径面28sとの間の密封性能(シール36の遮断効果)を長期に亘って一定に維持することが困難になってしまう虞がある。
According to this configuration, it is possible to prevent wear powder or the like generated inside the bearing from reaching the
しかし、シール36と転動体32との間に新たな密封板34を介在させることで、軸受内部で発生した摩耗粉などがシール36に到達するのを防止することができる。これにより、当該先端部36tと内輪外径面28sとの間の密封性能(シール36の遮断効果)を長期に亘って一定に維持することができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
However, by providing a
更に、図5に示された転がり軸受において、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接した内輪外径面28sに、上述した第3の変形例と同様の面取り28mを施しても良い。かかる構成によれば、シール36を内外輪28,30間に挿入して組み込む際の挿入性を向上させることができる。
Further, in the rolling bearing shown in FIG. 5, the
第5の変形例として図6に示すように、第3の変形例(図4)のシール36の向きを左右反転させても良い。この場合、シール36において、芯金36aは、基端部36eから軸受外部方向へ延出した後、内輪28に向けて屈曲させて延出しており、その先端部36tの内径リップL1は、軸受外部方向(例えば図中向って左側)を向いて、内輪外径面28sに対して摺接した状態に位置決めされている。かかる構成によれば、軸受内部の空間容積を大きくとることができるため、潤滑剤の封入量を増加することができる。これにより、軸受寿命の延命化を図ることが可能となる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第3の変形例(図4)及び第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
As shown in FIG. 6 as a fifth modification, the direction of the
第6の変形例として図7に示すように、第5の変形例(図6)のシール36を軸受(内外輪28,30)の両側に左右反転させて設けると共に、内輪28の内輪外径面28sを外輪30の軸受外部側端面30a及び反対側端面30bを越えて延在させても良い。かかる構成によれば、第5の変形例(図6)よりも更に軸受内部の空間容積を大きくとることができるため、潤滑剤の封入量を更に増加することができる。これにより、軸受寿命の延命化を図ることが可能となる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第5の変形例(図6)及び第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
As shown in FIG. 7 as a sixth modified example, the
次に、本発明の第2の実施の形態に係る転がり軸受について、添付図面を参照して説明する。
図8に示すように、本実施の形態の転がり軸受において、シール36の基端部36eには、円環状の芯金36aの外径側を一部屈曲して形成されたカール部36kと、当該カール部36kを覆うように被覆された弾性材とが介在されている。弾性材としては、上述した第1の実施の形態のシール36に適用したゴム材36bを用いても良いし、或いは、他の材料(例えば、樹脂材料)を用いても良い。ここでは一例としてゴム材36bを弾性材として用いる。
Next, a rolling bearing according to a second embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
As shown in FIG. 8, in the rolling bearing of the present embodiment, a curled
このようなシール36の基端部36eは、ゴム材36bで被覆されたカール部36kを外輪30に加締めて固定されるようになっている。また、芯金36aは、基端部36e(カール部36k)から軸受内部方向へ傾斜させて延出した後、内輪28に向けて延出している。この場合、シール36の先端部36tにおいて、芯金36aの延出端を覆うようにゴム材36bが被覆されており、当該ゴム材36bには、上述した第1の実施の形態のシール36と同様に、内径リップL1及びダストリップL2が一体成形されている。なお、その他の構成は、上述した第1の実施の形態(図1(a),(b))と同一であるため、その同一の構成については、本実施の形態の図面(図8)上に同一符号を付して、その説明を省略する。
The
以上、本実施の形態によれば、シール36の基端部36eを外輪30に加締め固定したことで、当該シール36をぐら付かせること無く安定した姿勢で堅牢に外輪30に固定することができる。この場合、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)を内輪外径面28sに対して常に最適な圧力で摺接させることができる。これにより、シール36の先端部36tと内輪外径面28sとの密封性能を一定に維持することができる。
As described above, according to the present embodiment, the
更に、本実施の形態によれば、従来(図11(a))のようにオイルシール2(本実施の形態のシール36に相当)と転がり軸受とを別々に組み立てる必要は無く、シール36を予め外輪30に組み込んでおくことができる。これにより、当該外輪30をハウジング40に固定するだけで同時にシール36の組み立てを完了させることができる。この場合、従来に比べて転がり軸受の組立作業に手間がかかることは無い。このため、軸受の製造コストを従来に比べて大幅に低減させることができる。なお、その他の効果は、上述した第1の実施の形態(図1(a),(b))と同一であるため、ここではその説明を省略する。
Furthermore, according to the present embodiment, there is no need to separately assemble the oil seal 2 (corresponding to the
本発明は、上述した第2の実施の形態に限定されることは無く、以下のような各変形例も当該発明の範囲に含まれる。
第1の変形例として図9に示すように、シール36の芯金36aは、基端部36e(カール部36k)から軸受外部方向へ傾斜させて延出した後、内輪28に向けて延出している。この場合、シール36の先端部36tには、ゴム材36bで一体成形された内径リップL1及びダストリップL2が設けられている。また、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接した内輪28の内輪外径面28sは、シール36の基端部36eが固定された外輪30の軸受外部側端面30aよりも更に軸受外部側に広がって延在している。
The present invention is not limited to the second embodiment described above, and the following modifications are also included in the scope of the present invention.
As a first modified example, as shown in FIG. 9, the cored
かかる構成によれば、軸受内部の空間容積を大きくとることができるため、潤滑剤の封入量を増加することができる。これにより、軸受寿命の延命化を図ることが可能となる。また、内輪外径面28sを軸受外部側端面30aよりも更に軸受外部側に広がって延在させたことで、シール36の先端部36tが内輪外径面28sに摺接する領域を大きく確保することができる。これにより、当該先端部36tと内輪外径面28sとの間の密封性能(シール36の遮断効果)を向上させることができる。
According to such a configuration, the space volume inside the bearing can be increased, and therefore the amount of lubricant enclosed can be increased. As a result, it is possible to extend the life of the bearing. Further, by extending the inner ring
更に、図9に示された転がり軸受において、シール36の先端部36t(内径リップL1、ダストリップL2)が摺接した内輪外径面28sに、上述した第1の実施の形態の第3の変形例(図4)と同様の面取り28mを施しても良い。かかる構成によれば、シール36を内外輪28,30間に挿入して組み込む際の挿入性を向上させることができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第2の実施の形態と同一であるため、その説明は省略する。
Further, in the rolling bearing shown in FIG. 9, the inner ring
第2の変形例として図10に示すように、シール36と転動体32との間の領域に新たな密封板を更に設けても良い。ここで、密封板としては、例えば金属製のシールドや、接触又は非接触タイプのシールなど各種のものを適用することができるが、図面には一例として、上述した第1の実施の形態における第4の変形例(図5)のシール34と同一構成の接触タイプの密封板が適用されている。
As a second modification, a new sealing plate may be further provided in the region between the
かかる構成によれば、軸受内部で発生した摩耗粉などがシール36に到達するのを防止することができる。これにより、当該先端部36tと内輪外径面28sとの間の密封性能(シール36の遮断効果)を長期に亘って一定に維持することができる。なお、その他の構成及び効果は、上述した第2の実施の形態及び第4の変形例(図5)と同様であるため、その説明は省略する。
According to this configuration, it is possible to prevent wear powder or the like generated inside the bearing from reaching the
また、特に図説はしないが、例えば上述した第1の実施の形態における第1及び第2の変形例(図2及び図3)に係るシール34の配置構成と同様に、当該第2の実施の形態(図8)に係るシール34を軸受(内外輪28,30)の両側に設けても良い。かかる構成によれば、第1及び第2の変形例(図2及び図3)と同様の効果を実現することができる。
Although not specifically illustrated, for example, the second embodiment is similar to the arrangement of the
28 内輪
28s 周面(内輪外径面)
30 外輪
36 シール
36e 基端部
36t 先端部
28
30
Claims (5)
シールの先端部は、他方の軌道輪の周面に対して摺接した状態に位置決めされていると共に、
一方の軌道輪には、他方の軌道輪に対向する周面とは反対側の周面に、その周方向に沿って凹状に窪ませた凹溝が形成され、当該凹溝には、環状のOリングが装着されており、
他方の軌道輪には、一方の軌道輪に対向する周面とは反対側の周面に、その周方向に沿って凹状に窪ませた凹溝が形成され、当該凹溝には、環状のOリングが装着されており、
凹溝にOリングを装着した状態で当該Oリングが凹溝から一部突出するように設定されていると共に、Oリングの直径をαとし、Oリングを凹溝に装着した際の突出量をβとすると、(β/α)×100なる関係が20%〜50%の範囲内となるように設定されていることを特徴とする転がり軸受。 The bearing ring includes a bearing ring that is disposed so as to be relatively rotatable and an annular seal that seals the inside of the bearing defined between the bearing rings from the outside of the bearing, and the base end of the seal is fixed to one of the bearing rings. A rolling bearing whose tip extends toward the other race ring,
The tip of the seal is positioned in a state of sliding contact with the peripheral surface of the other raceway ring ,
One raceway is formed with a concave groove recessed in the circumferential direction on the circumferential surface opposite to the circumferential surface facing the other raceway, and the concave groove has an annular shape. O-ring is installed,
The other raceway is formed with a concave groove that is recessed in the circumferential direction on the circumferential surface opposite to the circumferential surface facing one of the raceways. O-ring is installed,
The O-ring is set so that it partially protrudes from the groove when the O-ring is attached to the groove, and the diameter of the O-ring is α, and the amount of protrusion when the O-ring is attached to the groove is A rolling bearing characterized in that, when β, the relationship of (β / α) × 100 is set to be in a range of 20% to 50% .
The rolling bearing according to any one of claims 1 to 4 , wherein the bearing ring is chamfered on the outer peripheral surface of the other bearing ring in which the tip of the seal is in sliding contact.
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