JP4983000B2 - 金属溶湯用炉 - Google Patents
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Description
近年、多品種少量生産の要求が一層と求められている。このため、従来から使用してきた大型の溶解炉などを用いて小ロット生産を行うと、熱効率などが低くなり、操業ロスも多くなるので、生産コストが高くなる。一方、小ロット生産に適した比較的小型の溶解炉などを新たに建設するには、多大な設備コストが必要となり、且つ複数の溶解炉などのために広大な設置スペースも要することになる。
しかしながら、特許文献1の溶解炉は、上記仕切壁の強度が不足するため、例えば、原料の投入、脱滓、または溶湯の攪拌する際に炉内に挿入するフォークリフトの先端部が直に仕切り壁に当たったり、あるいは原料などを衝突すると、仕切壁の表面における耐火物が変形したり、仕切壁自体が破損に至り易い。このため、炉を補修するためのメンテナンスコストが却って増加する、という問題があつた。
即ち、本発明の金属溶湯用炉(請求項1)は、金属を溶解するか、あるいは、溶解された金属溶湯を保持する炉であって、炉本体の内部を分割壁により複数の炉室に分割しており、上記分割壁は、一対の対向する耐火壁と、係る一対の耐火壁の間に位置し且つ当該耐火壁を支持する構造体と、係る構造体の内部に形成される冷媒流路と、を備え、上記分割壁の構造体は、縦・横方向に沿って格子状に結合した鉄骨と、係る鉄鋼の両側面にそれぞれ接合され且つ前記耐火壁を固定する金属板と、を含むと共に、上記冷媒流路は、少なくとも上記鉄骨と金属板とに囲まれた空間と、前記鉄骨の何れかに明けた通し孔とにより構成されている、ことを特徴とする。
また、前記冷媒流路を流れる冷媒は、流体であれば良く、例えば、エアや窒素ガスなどの気体や、水などの液体としても良い。
更に、前記鉄骨には、チャンネル、アングル、I型鋼、H型鋼などが含まれる。
これによれば、冷媒が冷媒流路において1カ所以上の屈曲部でUターンして流れるため、構造体をその内部から効果的に冷却できるため、分割壁における一対の耐火壁を確実に強度を保って支持することができる。
尚、上記屈曲部は、U字形のダクトを用いる形態のほか、次述する鉄骨に明ける複数の通し孔の組み合わせによって形成しても良い。
これによれば、冷媒がジグザグ状の冷媒流路を通過しつつ、周囲の鉄骨や金属板を効率良く冷却するため、分割壁における一対の耐火壁を一層確実に強度を保って支持できる。しかも、上記通し孔は、例えばチャンネルまたはH型鋼における中央のウェブに穿設するため、これらの鉄骨に強度を低下させず、且つジグザグ状の冷媒流路を、構造体の内部に容易且つ自在に形成することもできる。
図1は、本発明における一形態の金属溶解炉(金属溶湯用炉)Fを示す水平断面図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図である。
金属溶解炉Fは、図1,図2に示すように、平面視がほぼ長方形で且つ全体がほぼ直方体を呈する炉本体1と、係る炉本体1の内部を図示で左右に2つの炉室f1,f2に分割する分割壁20と、を備えている。
炉本体1は、ベースB上に配設された鉄骨構造物16の上に構築され、耐火物から形成された左右一対の側壁2、背面壁3、正面壁4、天井12、および炉床14からなる。尚、炉本体1の上記各部分も、それらの外側ごとに配置された図示しない鉄骨構造物に支持されている。また、金属溶解炉Fは、炉内が単一の炉室であった炉本体1内を分割壁20によって二分割するよう改修したものである。
尚、上記ドア6は、炉室f1,f2内に原料の投入、脱滓、または溶湯の攪拌する際に用いるフォークリフト(図示せず)の先端部を出し入れするために開閉される。係るドア6および開口部5の底辺は、溶湯Mの湯面レベルよりも上方に設定されている。また、炉室f1,f2内で前記バーナから放射されて原料を加熱した燃焼ガスは、図示しない煙道を通じて、本溶解炉Fの外部に排出される。
分割壁20は、図3〜図5に示すように、対向する左右一対の耐火壁21と、係る耐火壁21,21間に位置し且つこれらを支持する構造体22と、係る構造体22の内部に形成される冷媒流路cと、を備えている。
耐火壁21は、例えば、アルミナなどを主成分とする耐火物からなる。係る耐火壁21は、図3中の破線または実線で示すボルトbを介して構造体22に支持されている。尚、耐火壁21のうち、炉室f1,f2の炉床14寄りの位置で且つ前記溶湯Mが接触する部位と、その他の部位とでは、上記アルミナなどの成分を相違させても良い。
図3中の部分破断図と図5中の一点鎖線で囲った部分断面とで示すように、各鉄板30には、先端部をほぼY字形に開いた多数のボルトbの頭部分が固着されている。各ボルトbの先端部は、耐火壁21の内側面に対応して明けた多数の有底穴(図示せず)にセラミックなどの耐火物を含むペーストを介して挿入され、係るペーストを焼成することで、各鉄板30に耐火壁21が固定される。
尚、最下段の鉄骨23は、図示しない鉄製金物を介して、前記鉄骨構造物16の上に連結されている。また、各端部板27も、同様にして背面壁3や正面壁4の外側にそれぞれ位置する鉄骨構造物に連結されている。
上記給気孔28、通し孔25,26、排気孔29、およびこれらの間に位置する鉄骨23,24、各端部板27、各鉄板30に囲まれ且つ複数の屈曲部を含むた空間は、本発明における冷媒流路cを構成している。
尚、各耐火壁21と前記背面壁3、正面壁4、天井12、炉床14との間も、前記同様の耐火性ペーストが挿入され且つ焼成されている。
図4中の矢印で示すように、上記給気管から送風機によって送給されたエア(冷媒)は、右(後)側の端部板27の給気孔28から最下段と直上の鉄骨23,23間を各鉄骨24の通し孔25を通じて左側にほぼ水平に流れる。左(前)側の端部板27に近付いたエアは、下から2段目の鉄骨23の通し孔26を通じて上昇しつつUターンした後、下から2段目と3段目との鉄骨23,23間を各鉄骨24の通し孔25を通じて右側にほぼ水平に流れる。同様にして、エアは、上下に隣接する鉄骨23,23間を各鉄骨24の通し孔25を通じて左右の何れかに流れ、通し孔26を通じて上昇しつつ複数の屈曲部をUターンするため、全体としてジグザグ状の冷媒流路cを通過する。
このため、図1に示すように、炉室f1,f2で溶解されたアルミニウムの溶湯Mの熱が、分割壁20の各耐火壁21を介して、構造体22の各鉄骨23,24、各端部板27、および各鉄板30に伝熱されても、極く僅かの温度上昇に留められる。この結果、上記各鉄骨23,24の強度が低下しないため、鉄板30を介して、左右一対の耐火壁21を確実に支持することができる。
尚、前記送風機は、排気孔29に連通する排気管の途中に配置しても良い。
しかも、炉本体1の内部を炉室f1,f2に分割する分割壁20は、一対の耐火壁21の間に、冷媒流路cを内設する鉄骨構造の構造体22を有する。このため、各耐火壁21および鉄板30を介して溶湯Mの熱が伝熱されても、鉄骨23,24などは、冷媒であるエアにより常に冷却されているので、それらを含む構造体22の強度が低下しない。
尚、炉室f1,f2の各出湯口9から出湯された溶湯Mは、図示しない取り鍋に注下され、次工程の保持炉(金属溶湯用炉、図示せず)に送られ、再度所定温度帯まで加熱された後、係る保持炉を傾動し、隣接する鋳型に鋳造されることで、所定のインゴットやビレットなどに鋳造される。
また、分割壁20により炉本体1の内部が2つの炉室f1,f2に分割され前記金属溶解炉Fは、新たに構築する場合にも、容易に適用することができる。
構造体32は、図6に示すように、前記同様の断面がチャンネル形を呈する複数の水平な鉄骨33と、これらの間に垂直に結合される上記とほぼ同じ断面である複数の鉄骨34と、係る鉄骨33,34の両側面にそれぞれ接合される前記鉄板30と、直方体で且つ中空部を有する前後一対のヘッダ40,41とからなる。
垂直な各鉄骨34には、通し孔35が穿設され、ヘッダ40,41の内側面にも複数の通し孔36,37が上下に隣接する鉄骨33,33間ごとに開口している。更に、図6で右側のヘッダ40における外側面の下部には、給気孔38が、左側のヘッダ41における外側面の上部には、排気孔39が穿設されている。尚、ヘッダ40,41も本発明の鉄骨に含まれる。
上記冷媒流路cを通過する間に、冷媒であるエアは、構造体32を構成する各鉄骨33,34、ヘッダ40,41、および各鉄板30を冷却する。エアが係る冷却作用を果たすことで、各鉄骨33,34などの強度が低下しないため、前記鉄板30を介して、左右の各耐火壁21を確実に支持することができる。従って、上記構造体32を含む分割壁を有する金属溶解炉Fにおいても、多種少量生産に容易に対応でき、耐火壁21の変形ないし損傷を防げ、高い強度および優れた耐久性を発揮できると共に、メンテナンスも低減できる。
尚、一対のヘッダを最上部と最下部とにそれぞれ水平に配置し、これらの間の垂直な鉄骨同士の間に垂直な冷媒流路cを平行に複数有するようにした形態、即ち、図6の構造体32を左右の何れかに90度回転させた構造体にしても良い。
構造体42は、図7に示すように、前記同様の断面がチャンネル形を呈する複数の水平な鉄骨43,46と、これらの間に垂直に結合される上記とほぼ同じ断面である複数の鉄骨44と、係る鉄骨43,44,46の両側面にそれぞれ接合される前記鉄板30と、左右の端部板50,51とからなる。
最上段および最下段の鉄骨43を除く水平な各鉄骨46には、それぞれ通し孔47が穿設され、垂直な各鉄骨44には、その上端または下端付近に通し孔45が穿設されている。また、図7で右側の端部板50の下端付近には、給気孔48が、左側の端部板51の上端付近には、排気孔49が穿設されている。
例えば、炉本体の内部を複数の分割壁により、3以上の炉室に分割しても良い。
また、前記炉室f1,f2を有する炉本体1を、鋳型に注湯するための金属溶湯保持炉として活用しても良い。この場合、炉本体1は、傾動可能とされる。
更に、前記溶解炉Fの炉室f1,f2の一方の炉床14を、他方の炉床14よりも高く施工し、高い炉床14の炉室を溶解炉とし、低い炉床14の炉室を保持炉とする複合形態の金属溶湯用炉としても良い。この場合、溶解炉の炉室の出湯口から出湯する溶湯は、炉本体の外側を迂回する耐火物製の樋を経て、保持炉の炉室内に注湯するようにすることもできる。
加えて、構造体は、複数の角形鋼管を平行に接合して構成し、それらの各端部寄りに通し孔を穿設することで、内部にジグザグ状の冷媒流路を有する箱形構造体としても良い。この場合、耐火壁は、当該構造体の両側面に露出する各鋼管に前記ボルトbを介して直に固定することにより、前記鉄板(金属板)を省略することも可能である。
尚、本発明の金属溶湯用炉は、アルミニウム以外の金属や合金にも適用できる。
M……………………………………………アルミニウムの溶湯(金属溶湯)
1……………………………………………炉本体
20…………………………………………分割壁
21…………………………………………耐火壁
22,32,42……………………………構造体
23,24,33,34,44,46………鉄骨
25,26,35,36,37,45,47…通し孔
30…………………………………………鉄板(金属板)
c……………………………………………冷媒流路
Claims (3)
- 金属を溶解するか、あるいは、溶解された金属溶湯を保持する炉であって、
炉本体の内部を分割壁により複数の炉室に分割しており、
上記分割壁は、一対の対向する耐火壁と、係る一対の耐火壁の間に位置し且つ当該耐火壁を支持する構造体と、係る構造体の内部に形成される冷媒流路と、を備え、
上記分割壁の構造体は、縦・横方向に沿って格子状に結合した鉄骨と、係る鉄鋼の両側面にそれぞれ接合され且つ前記耐火壁を固定する金属板と、を含むと共に、
上記冷媒流路は、少なくとも上記鉄骨と金属板とに囲まれた空間と、前記鉄骨の何れかに明けた通し孔とにより構成されている、
ことを特徴とする金属溶湯用炉。 - 前記冷媒流路は、前記鉄骨と金属板とに囲まれた空間において、少なくとも1カ所以上でUターンする屈曲部を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載の金属溶湯用炉。 - 前記冷媒流路は、前記鉄骨の何れかに明けた通し孔と、前記鉄骨と金属板とに囲まれた空間とをジグザグ状に通過している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属溶湯用炉。
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|---|---|---|---|
| JP2005315594A JP4983000B2 (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 金属溶湯用炉 |
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