JP4982340B2 - Ni基合金、ガスタービン静翼及びガスタービン - Google Patents

Ni基合金、ガスタービン静翼及びガスタービン Download PDF

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Description

本発明は、高温耐食性に優れるガスタービン静翼用のNi基合金に関する。
産業用ガスタービンや航空機用ジェットエンジン等に利用されるNi基合金を、高強度化するためには、固溶強化元素であるW,Mo,Ta,Coなどを多く添加するとともに、Al,Tiを添加して強化相であるγ′Ni3(Al,Ti)相を多く析出させることが重要である。
一方で、高温における耐食性を備えていることも重要であり、保護性の皮膜を形成するCrを多く添加することが望ましい。
しかしながら、これらの合金元素を多く含むほど材料の組織の安定性が低下し、長時間の使用に際してσ相などの硬質で脆い有害相が析出することが問題となる。近年のガスタービン用耐熱合金は高強度化に重点が置かれており強化元素を多く添加しているが、有害相が析出しないように耐食性を犠牲にしてもCr量を低減する傾向が強い(特許文献1及び特許文献2参照)。
低Cr組成の合金をガスタービン動静翼などに利用する場合は、表面に耐食コーティングを施すなどして耐食性の改善を図るのが一般的である。
しかし、表面コーティングの耐用温度はおよそ950℃とされており、耐用温度950℃以上の耐熱材料は、強度は十分であっても高温腐食により減肉が起こり、材料強度が低下して破損に至ることが問題となる。
Reなどの貴金属元素を多く添加することで、有害相の出現を抑えつつCr量を多くすることも可能であるが、素材が非常に高価になってしまう。そのため、これらの高価な元素を低減した高強度のNi基合金の開発も行われている(特許文献3参照)。
γ′相強化型の高強度Ni基合金のもう一つの問題点は、強度が向上するほど熱処理や溶接などの製造プロセスが困難になることである。γ′相が高温まで安定に存在するために、γ′相を固溶させる熱処理温度幅が狭くなってしまったり、溶接割れなどの欠陥が生じたりするためである。
特公平1−59344号公報 特開2004−307999号公報 特開2004−332061号公報
以上のように、高強度のNi基合金(以下、Ni基超合金やNi基耐熱合金と記載する場合がある)は、一層の高強度化が進むことによって、耐食性と熱処理性・溶接性などのプロセス特性が犠牲になっているのが現状である。
若干のγ′量の減少とそれに伴う強度の低下を許容しつつ、Cr量を増加させて耐食性を改善されれば、材料の長寿命化,信頼性の向上が期待できる他にも、従来コーティングが必要であった部材にコーティングを施す必要が無くなり、製造コストやメンテナンスコストの低減にもつながる。
また、熱処理性や溶接性も改善されることが期待できる。
本発明の目的は、ガスタービン静翼、特に初段静翼に必要な高温強度を維持しつつ、耐食性と熱処理性・溶接性といったプロセス特性を改善したNi基合金を提供することにある。
発明者らは、強度評価や熱力学計算等のNi基耐熱合金に関する研究を行い、ガスタービン静翼として十分な高温強度を有し、耐食性と熱処理性・溶接性を改善した合金の発明に至った。
すなわち本発明は、質量で、Co:5〜15%、Cr:13〜15.5%、Al:4.0〜5.5%、Ti:0.1〜2.0%、Nb:0.1〜1.0%、Ta:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜2.0%、W:4.5〜10%、Hf:0.1〜1.5%、C:0.05〜0.20%、B:0.001〜0.03%、Zr:0.01〜0.1%、残部が、不可避的不純物を除き、Niからなることを特徴とするNi基合金である。
以下に、これらの合金元素の効果と合金組成の限定理由を述べる。
Coは、Niと置換して母相に固溶して高温強度を向上させるとともに、低温でのγ′相析出量を増加させる効果があり、高温耐食性にも寄与することが分かっている。これらの効果が顕著に認められるのは5%以上であるが、過剰に添加すると高温でγ′相が減少して析出強化が弱まったり、σ相やμ相といった有害相が出現したりするため上限は15%とした。より好ましい範囲は7〜10%である。
Crは、前述のように、表面に緻密な酸化皮膜を形成して耐酸化性,高温耐食性を向上させる元素である。本発明で対象とする静翼などのガスタービン用高温部材に利用するためには少なくとも13%を含有することが必要である。しかし、15.5%以上添加すると、σ相が析出して材料の延性,破壊靭性が悪化するため、15.5%を超えない範囲とする。特に好適な範囲は、13.5〜15.0%である。
Alは、γ′Ni3(Al,Ti)相を形成する元素であり、γ′相強化型耐熱合金の強化には不可欠な元素である。4.0%未満の添加ではγ′相の析出量が少なく、強度が得られない。一方、添加量が多くなるほどγ′相の析出量が多くなり、高温強度は高くなる反面、溶接性や高温延性が低下するため、上限は5.5%とした。
Tiは、Alと同様にγ′相を構成し、高温強度の向上に寄与する元素である。0.1%以上添加することでその効果が表れるが、本発明の組成範囲では、2.0%を越えるとη相などの形成傾向が強くなり、高温強度への寄与が弱くなる。
Nbは、γ′相に多く固溶し、γ′相を安定化する作用がある。またγ′相自体を強化する効果も有している。効果は0.1%以上の添加で表れるが、硬質で脆いLaves相などの有害相の形成を助長するため、1.0%を超えない範囲とする。より好ましい組成範囲は、0.2〜0.8%である。
Taも、Nbと同様にγ′相を安定化して強化する効果が大きい。効果は0.1%以上の添加で表れるが、γ′相固溶温度を大幅に上昇させてしまうため、熱処理性・溶接性の観点から3.0%を超えない範囲とする。より好ましい組成範囲は1.0〜2.5%である。
Moは、固溶強化によって母材を強化する効果がある。0.1%以上の添加でその効果が見られるが、Crと同様にσ相を形成する傾向が強いため、上限は2.0%とする。より好ましい組成範囲は0.2〜1.5%である。
Wも、Moと同様に固溶強化による母相の強度向上に寄与する。顕著な効果を得るには4.5%以上の添加が必要である。しかし、Moよりは傾向が小さいものの、やはりσ相を形成する元素であるため、上限は10%とする。より好ましい範囲は、5.0〜8.5%である。
Hfは、γ′相を安定化して高温強度を高めると共に、鋳造性を改善する。0.1%程度の添加でこれらの効果が認められるが、添加量が多くなるに従って粗大な共晶炭化物が形成する傾向が強くなるため、上限は1.5%とする。特に好ましい添加量は、0.8%以下である。
Cは、母相に固溶して高温での引張強さを向上させると共に、MC,M236などの炭化物を形成することで粒界強度を向上させる。これらの効果は0.05%程度から顕著になるが、過剰なCの添加は粗大な共晶炭化物の原因となり、靭性の低下を招くため0.2%を上限とする。より、0.08〜0.16%の添加量が好ましい。
B,Zrの2つの元素は、いずれも微量の添加で粒界を強化し、クリープ強度を改善する効果を有する。しかし、過剰な添加は有害相の析出や融点の低下による部分溶融の原因となることから、その適正範囲は、B:0.001〜0.03、Zr:0.01〜0.1とした。
本発明では、γ′相の安定性を評価するパラメータとしてPとQを以下のように規定した。
P=Al量+0.61×Ti量+0.18×Ta量+0.29×Nb量 …(1) Q=Al量+0.38×Ti量+0.35×Ta量+0.54×Nb量 …(2)各元素の量はいずれも質量%である。
Pは900℃におけるγ′相の析出量に関するパラメータである。1質量%あたりの各元素がγ′相析出量に及ぼす影響を種々調査した結果から、係数を決定している。このパラメータを用いることで、高温に置けるγ′相の析出量を見積もることが可能となる。
既に述べたように、γ′相安定化元素のAl,Ti,Ta,Nbが多くなり、Pの値が大きくなるほどγ′相が多くなるため合金の強度が上昇するが、ガスタービン静翼の材料として、耐用温度950℃を達成するためには、Pが5.2以上となる組成を選択することが望ましい。より好適な範囲としては、P≧5.4となる組成が望ましい。
一方、Qはγ′相の固溶温度、すなわち強化相が存在できる上限温度に関するパラメータであり、同様にAl,Ti,Ta,Nbの関数で表される。Qの値が大きくなると、γ′相の固溶温度が上昇するため熱処理や溶接が困難になる。
現在のガスタービンに実用されている溶接補修が可能な動翼合金のγ′相固溶温度が、1170℃であることから、本発明合金も固溶温度が1170℃を越えない温度にすることが望ましく、そのためにはQの値を6.5以下にする必要がある。より好適な範囲としては、Q≦6.4であることが望ましい。
P,Qはいずれも、Al,Ti,Ta,Nbの関数であるため、両者を独立に制御することは出来ない。PとQの望ましい範囲を同時に満たす組成を選択することによって、高温強度と熱処理・溶接と言った製造プロセス特性を両立した合金が得られる。
なお、本発明のNi基合金において、900℃におけるγ′相析出物の体積率が44%以上であることが好ましく、また、γ′相の固溶温度が1170℃以下であることが好ましい。
さらに、(1)式により表される組成パラメータPが、5.2≦Pであることが好ましく、(2)式により表される組成パラメータPが、6.5≧Qであることが好ましい。
こうしたNi基合金は、ガスタービン静翼、特に、ガスタービン静翼の初段静翼に適している。
本発明により、優れた耐酸化性を有すると共に、高温強度と熱処理性・溶接性とを兼ね備えたNi基合金を提供することができる。
以下に、本発明の実施例を記載する。
表1に、本発明合金と本発明にいたる過程で実験に供した比較合金の化学組成を示す。
Figure 0004982340
No.1〜10が本発明であり、No.11〜20が比較合金である。
これらの組成の合金10kgを高周波誘導加熱により溶解し、ロストワックス法によりφ15mmの円柱状インゴットに精密鋳造した。インゴットには1232℃で2時間の溶体化熱処理を施した後、982℃5時間,871℃20時間の時効熱処理を順次施した。
いずれの熱処理も大気中で行い、熱処理後は室温まで空冷した。
熱処理後のインゴットから機械加工により各種試験片を作製した。
表2は、作製したクリープ試験片(平行部長さ:30mm,直径:6mm)を用いて、982℃−137MPaの条件でクリープ試験を行った結果を示している。
Figure 0004982340
表1及び表2より、本発明合金が、比較合金に比較して、総合的に優れていることが分かる。
図1,図2には各合金のクリープ破断時間と破断伸びをそれぞれ示した。
図1では、クリープ破断時間に対応する耐用温度(静翼材の場合59MPaで100000時間破断せずに耐える温度)を合わせて示している。
No.1〜10の本発明合金はいずれも950℃を超える耐用温度を有していることが分かる。
比較例のNo.11合金は一般的な多結晶Ni基超合金に相当する組成の合金であるが、980℃程度の非常に高い耐用温度を示しており、従来の報告と良く一致している。しかし、Cr含有量が少ないため、酸化が著しく、クリープ試験後の試験片外観を観察すると、一部酸化皮膜の剥落が認められた。
No.12,13も同様に、Cr量が少ないために本発明よりも耐酸化特性の点で劣っていた。
No.14,15は、従来材と同等のγ′相析出量であり、また、本発明と同等のCr量を有するため強度,耐酸化性とも良好であるが、γ′相固溶温度も上昇しているため、熱処理性・溶接性の点で従来材からの改善が見込めない。
また、図2のクリープ破断伸びの結果と照らし合わせてみると、クリープ破断時間が長い合金ほどクリープ破断伸びは小さくなる傾向が見られる。No.11〜15の高強度合金は本発明合金に比べて伸びが低く、静翼材として望まれる10%の伸びが得られていないことも明らかである。
No.16〜18合金は、γ′固溶温度が低いもののクリープ破断時間が短く、耐用温度が、950℃以下であるため本発明の強度目標を達成していない。
No.19,20はCr量が多い合金の例であるが、クリープ破断時間,伸びとも低くなっている。試験後の試料を調査した結果、σ相が析出していることが確認され、これを起点として破断が生じていることが分かった。
Cr量が多いほど耐酸化性,耐食性は向上するが、強度と信頼性の観点からσ相が析出しない範囲でCr量を調整する必要がある。
こうした図1及び図2からも本発明合金は、耐用温度950℃と、クリープ破断伸び10%以上を満たすバランスの良いクリープ特性を有しており、比較合金に比較して、総合的に優れているものであることが分かる。
今回の実験では、γ′相の析出量を評価するために各合金の900℃における析出量を基準として考えた。
図3はγ′相析出量と耐用温度の関係を示す図である。
この結果を見ると、γ′相の析出量と耐用温度はほぼ直線関係があることが見て取れる。ガスタービンの静翼材として950℃以上の耐用温度を有するためには44%以上のγ′相が析出していることが必要である。
図4は900℃におけるγ′相析出量とパラメータPの関係を示している。
Al,Ti,Ta,Nbといったγ′相安定化元素が多くなりPが大きくなるほど析出量も増加することがわかる。P<5.2となる比較合金No.16〜19はγ′相析出量が44%に満たないため、図1で示したように目標とするクリープ耐用温度、950℃が得られない。発明合金は、いずれもP≧5.2を満たし、γ′相析出量44%も満足している。図4でP≧5.2の領域にある比較合金は、Cr量の範囲が異なるもの(No.11,12,13,20)や、もう一つのパラメータであるQの値が異なる。
図3と図4の結果と照らし合わせて考えると、耐用温度950℃を満たすために、44%以上のγ′相を得るには、Pの値が5.2以上となる合金組成を選択する必要がある。
強度に関してより好ましくは、Pが5.4以上の範囲である。
図5は、パラメータQと各合金のγ′相固溶温度の相関を示す図である。
Qの値が大きくなるほどγ′相が安定化されるため、固溶温度も上昇する傾向が見られる。熱処理性と溶接性の観点から固溶温度を1170℃以下にするためには、Qの値を6.5以下にしなくてはならない。Qが6.5を超えるNo.11,13,14,15合金は、固溶温度が高くなりすぎて現在の溶接技術では施工が難しく、また、溶体化などの熱処理に要する時間やコストの面で望ましくない。より好適な範囲はQが6.4以下の範囲である。
Pの上限値は、Al,Ti,Ta,Nbがそれぞれの組成範囲の最大値をとる場合である。
一方、Qの下限値は、これらの元素が最小値をとる場合である。
しかしながら、P,QともAl,Ti,Ta,Nbの組成の関数であることから、2つのパラメータを独立に動かすことは出来ない。
図6は、各合金のPとQの値をプロットした図であるが、Pが大きくなるとQも大きくなるという相関が見られる。
PとQの両方とも好適な範囲は図中に斜線で示した領域である。図6に示すように、本発明合金は高強度化に主眼をおいているため、Ti,Ta量が大きく、P,Qともに高い値を示すものが多いが、全て斜線の領域に含まれている。この図は、パラメータPとQの関係のみに着目しており、Al,Ti,Ta,Nb以外の合金元素に関しては考慮していない。そのため比較合金で斜線領域に入っているもの(No.12,20)が見られるが、これらはCrの組成において本発明の請求範囲とは異なっている。
図7と図8は、Cr量とP,Qの関係をそれぞれ示す図である。
Cr量は、耐酸化性・耐食性が得られ、有害相が出ない範囲で規定され、その範囲においてP,Qの条件を満たすことで、高温強度とプロセス特性が良好なNi基耐熱合金が得られる。比較例に示した合金のうち、Cr量の範囲にあるのはNo.14〜18の合金である。図7において、合金No.14,15はCr量、Pの範囲とも条件を満たしているが、図8ではQの範囲が外れていることが明らかである。反対にNo.16〜18は、Qの条件は満たしているが、Pの条件を満たしていない。本発明合金はCr量がこの範囲にあり、なおかつP≧5.2,Q≦6.5の条件を満たしており、クリープ特性,熱処理・溶接性,高温耐食性のバランスに優れ、ガスタービン静翼材料としてきわめて好適な特性を有している。
本発明合金を用いて、精密鋳造によって図9に示す形状のガスタービン静翼を製造する。
この静翼は外周側のサイドウォールとサイドウォールとの間に翼部が形成され、翼部の先端には、空気通路のスリットが設けられている鋳物である。
図10は翼部の一部切断された斜視図で、ピンフィン冷却用,インピジメント冷却用、及びフィルム冷却用の穴が設けられている。得られたノズルは、溶体化処理と時効処理とが非酸化性雰囲気中で行われる。
本形態のノズルは、1段目(初段)に最も適しているが、2段目,3段目にも設けることができるが、2段目及び3段目にはCo基合金からなる翼部を有するノズルが設けられる。
初段ノズルは、両端が拘束されるが、2段目,3段目は、サイドウォール外周側の片側で拘束される片側拘束である。2段目,3段目は、初段目よりも翼部幅が大きくなる。
本形態におけるNi基合金からなるノズルは、γ相マトリックスにγ′相が析出している。
図11は、ガスタービンノズルを有するガスタービンの回転部分の部分断面図である。
10はタービンスタブシャフト、3はタービンブレード、13はタービンスタッキングボルト、18はタービンスペーサ、19はデイスタントピース、20は初段ノズル、6はコンプレッサディスク、7はコンプレッサブレード、16はコンプレッサノズル、8はコンプレッサスタッキングボルト、9はコンプレッサスタブシャフト、4はタービンディスク、11は穴、15は燃焼器である。
本形態のガスタービンは、コンプレッサディスク6が17段あり、タービンブレード3が2段のものである。タービンブレード3は3段の場合もあり、いずれにも本形態の合金が適用できる。
すなわち、発明者らは、Ni基合金の強化相であるγ′相の析出量や固溶温度について詳細な研究を行ったところ、良好な耐酸化性と耐食性を有し、強度特性と熱処理性や溶接性にも優れる合金組成範囲を明らかにした。
本形態は、パラメータP,Qで規定される範囲において合金組成を制御することによって、優れた高温強度を維持しつつ、耐食性と熱処理性・溶接性を改善したNi基合金を提供するものである。
本発明におけるNi基合金は、ガスタービン用高温部材、特に、静翼の材料として好適なNi基耐熱合金に関する。特に、ガスタービンの初段静翼に利用可能である。
各合金のクリープ破断時間を示すグラフ。 各合金のクリープ破断伸びを示すグラフ。 γ′相析出量(900℃)と耐用温度の関係を示す図。 パラメータPとγ′相析出量の関係を示す図。 パラメータQとγ′相固溶温度の関係を示す図。 パラメータPとQの相関を示す図。 本発明合金のCr量とPの関係を示す図。 本発明合金のCr量とQの関係を示す図。 本形態のNi基合金を用いたタービン静翼を示す図。 翼部を示す図。 ガスタービンを示す図。
符号の説明
3 タービンブレード
4 タービンディスク
6 コンプレッサディスク
7 コンプレッサブレード
8 コンプレッサスタッキングボルト
9 コンプレッサスタブシャフト
10 タービンスタブシャフト
11 穴
13 タービンスタッキングボルト
15 燃焼器
16 コンプレッサノズル
18 タービンスペーサ
19 デイスタントピース
20 初段ノズル

Claims (3)

  1. 質量で、Co:5〜15%、Cr:13〜15.5%、Al:4.0〜5.5%、Ti:0.1〜2.0%、Nb:0.1〜1.0%、Ta:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜2.0%、W:4.5〜10%、Hf:0.1〜1.5%、C:0.05〜0.20%、B:0.001〜0.03%、Zr:0.01〜0.1%、残部が、不可避的不純物を除き、Niからなり、
    900℃におけるγ′相析出物の体積率が44%以上であり、かつ、γ′相の固溶温度が1170℃以下であり、
    (1)式及び(2)式により表される組成パラメータP及びQが、P≧5.2かつQ≦6.5であることを特徴とするNi基合金。
    P=Al量+0.61×Ti量+0.18×Ta量+0.29×Nb量 …(1)
    Q=Al量+0.38×Ti量+0.35×Ta量+0.54×Nb量 …(2)
    ここで元素量の単位は質量%である。
  2. 請求項1に記載のNi基合金を用いたガスタービン静翼。
  3. 請求項2に記載のガスタービン静翼を用いたガスタービン。
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