JP4976440B2 - 接続を再確立する方法及び通信装置 - Google Patents

Description

本発明は接続を再確立する方法及び通信装置に関し、特に無線通信システムにおいて接続プロセスが複数回起動されるのを防ぐ接続を再確立する方法及び通信装置に関する。

ＬＴＥ（ｌｏｎｇ ｔｅｒｍ ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ）無線通信システムは、第三世代移動通信システム（例えばＵＭＴＳ（汎用移動通信システム））をもとに確立されたアドバンスド高速無線通信システムである。ＬＴＥ無線通信システムはパケット交換のみサポートし、そのＲＬＣ通信プロトコル層とＭＡＣ通信プロトコル層は基地局（ノードＢ）とＲＮＣ（無線ネットワークコントローラ）に別々に設けなくてもよく、同一の通信ネットワークエンティティー（例えば基地局（ノードＢ））に統合できるので、システム構造が比較的に簡単である。なお、基地局ごとに１または複数のセルが制御されるので、ＵＥ（ユーザー端末）とネットワークの間で接続を確立するとは、ＵＥと基地局のセルとの間で接続を確立することをいう。

現在のＬＴＥ無線通信システムでは、ＲＲＣ（無線リソース制御）は第三層プロトコルとしてネットワークとＵＥに設けられ、ＡＳ（アクセスストラタム）の通信プロトコルのコアをなしている。ＲＲＣ層には複数のＲＲＣプロセスが定められ、ＲＲＣプロセスはＲＲＣメッセージに基づいて実行される。ＲＲＣメッセージのＩＥ（情報要素）は、第二層プロトコルと第一層プロトコルのプロトコルエンティティーの設定、変更、または解放に必要な情報を運び、これでデータ交換チャネルを確立、調整または取り消し、パケット交換を行う。

ＵＥ（ユーザー端末）とネットワークの間でＲＲＣ接続が確立された後、特定の状況ではＵＥとネットワークの接続が動作できない。そうなると、ＵＥはＲＲＣ接続再確立プロセスでネットワークとの接続を回復しようと試みる。それに鑑みて、ＵＥとネットワークのＲＲＣ接続が動作できない場合、ＬＴＥシステムは以下の状況でＲＲＣ接続再確立プロセスを起動し、接続の再確立を試みる。

（１）無線リンク障害（ＲＬＦ）の発生時に、ＲＲＣ接続再確立プロセスでネットワークと接続を再確立する。
（２）ハンドオーバーの失敗時に、ネットワークとの接続を再確立しようと試みる。

なお、ＵＥで物理層の無線リンクの問題が検出されると、ＲＲＣ層はタイマーを起動する。同タイマーの終了時に物理層の無線リンクの問題がまだ残っていれば、ＲＲＣ層はＲＬＦが発生したと判定する。また、ＲＲＣ層は一般に以下の場合でＲＬＦが発生したと判定する。つまり、（１）ＭＡＣ（媒体アクセス制御）層がＲＲＣ層に対してランダムアクセスの問題が発生したと通報した場合と、（２）ＲＬＣ層がＲＲＣ層に対して下位層の問題が発生したと通報した場合である。下位層の問題とは、ＲＬＣ ＰＤＵ（無線リンク制御プロトコルデータユニット）の再送回数が所定値を超えることをいう。この場合、ＵＥはＲＲＣ接続再確立プロセスを起動し、接続の再確立を試みる。

しかし、物理層により無線リンクの問題が検出されると、ＲＲＣ層はタイマーを起動して無線リンクのモニタリングを実行する。それと同時に、無線リンクの問題により、ＲＬＣ層がＲＬＣ ＰＤＵを正常に送信できず、しかも再送回数が所定値を超えた場合がある。このような場合では、ＲＲＣ層がＲＬＦが発生したと判定してＲＲＣ接続再確立プロセスを起動したにもかかわらず、タイマーは終了せずに引き続き動作する。タイマーが終了すれば他のＲＲＣ接続再確立プロセスも起動されるので、前に起動されたＲＲＣ接続再確立プロセスは中断されるか、予期できない問題が発生しうる。

簡単に言えば、従来の技術では、タイマーが動作している間に、下位層の問題によりＲＲＣ接続再確立プロセスが起動される場合がある。しかし、タイマーの終了後にも他のＲＲＣ接続再確立プロセスが起動されるので、ＲＲＣ接続再確立プロセスが２回起動されることとなる。この場合、前に起動されたＲＲＣ接続再確立プロセスは中断され、接続プロセスは正常に動作できなくなる。

本発明では、無線通信システムのＵＥ（ユーザー端末）において接続を再確立する方法を開示する。当該方法は、無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを起動する段階と、ＲＲＣ（無線リソース制御）接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを停止する段階とを含む。

本発明では更に、無線通信システムのＵＥにおいて接続を再確立するための通信装置を開示する。当該通信装置は、処理プロセスを実行するＣＰＵ（中央処理装置）と、ＣＰＵに結合され、処理プロセスを記録する記憶装置とを含む。処理プロセスは、無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを起動する段階と、ＲＲＣ接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを停止する段階とを含む。

無線通信システムを表す説明図である。 無線通信装置のブロック図である。 図２に示すプログラムを表す説明図である。 本発明による方法のフローチャートである。

かかる方法及び装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図を参照にして以下に説明する。

図１を参照する。図１は無線通信システム１０を表す説明図である。無線通信システム１０は望ましくはＬＴＥシステムであり、概してネットワークと複数のＵＥ（ユーザー端末）を含む。図１に示すネットワークとＵＥは無線通信システム１０の構造を説明するために用いるに過ぎない。実際、ネットワークは要求に応じて複数の基地局、ＲＮＣ（無線ネットワークコントローラー）を含みうる。ＵＥは携帯電話、コンピュータシステムなどの装置である。

図２を参照する。図２は無線通信装置２００のブロック図である。無線通信装置２００は図１に示すＵＥを実施するために用いられる。説明を簡素化するために、図２では無線通信装置２００の入力装置２０２、出力装置２０４、制御回路２０６、ＣＰＵ（中央処理装置）２０８、記憶装置２１０、プログラム２１２及びトランシーバー２１４のみ示している。無線通信装置２００では、制御回路２０６はＣＰＵ２０８を用いて記憶装置２１０に記録されたプログラム２１２を実行して無線通信装置２００の動作を制御し、それにより入力装置２０２（例えばキーボード）でユーザーが入力した信号を受信し、出力装置２０４（スクリーン、スピーカーなど）で映像、音声などの信号を出力する。無線信号を受発信するトランシーバー２１４は受信した信号を制御回路２０６に送信し、または制御回路２０６による信号を無線で出力する。言い換えれば、通信プロトコルに当てはめれば、トランシーバー２１４は第一層の一部とみなされ、制御回路２０６は第二層と第三層の機能を実施する。

図３を参照する。図３は図２に示すプログラム２１２を表す説明図である。プログラム２１２はアプリケーション層３００と、第三層３０２と、第二層３０６とを含み、第一層３０８に接続されている。第一層３０８は物理接続を実施し、第二層３０６はＲＬＣ（無線リンク制御）とＭＡＣ（媒体アクセス制御）を実施する。ＲＲＣ（無線リソース制御）を実施する第三層３０２はＲＲＣエンティティー３０４を含み、ＲＲＣプロセスで基地局または無線アクセスネットワークとＲＲＣメッセージを交換し、メッセージの中の情報要素（ＩＥ）に基づいて第一層３０８と第二層３０６の動作を設定する。無線通信装置２００とネットワークの接続が確立された後、特定の場合でネットワークとの接続が正常に動作できない場合、ＲＲＣエンティティー３０４はＲＲＣ接続再確立プロセスでネットワークとの接続を回復しようと試みる。それに鑑みて、本発明の実施例では接続再確立プログラム３２０を提供し、ＲＲＣ接続再確立プロセスの正常動作を確保する。

図４を参照する。図４は本発明による方法４０のフローチャートである。下記方法４０は無線通信システム１０のＵＥにおいて接続を再確立し、ＲＲＣ接続再確立プロセスが複数回起動されることによる不正常動作を防ぐために用いられ、接続再確立プログラム３２０としてコンパイルすることができる。

ステップ４００：開始。
ステップ４０２：無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを起動する。
ステップ４０４：ＲＲＣ接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、当該無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを停止する。
ステップ４０６：終了。

以上のように、ＲＲＣ接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、本発明では当該無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを停止する。望ましくは、前記無線リンクモニタリングタイマーはＴ３１０タイマーであり、前記無線リンクモニタリングカウンタは無線リンク問題の検出回数を数えるものである。そうすると、無線リンクモニタリングタイマーの終了時、ＲＲＣ再確立プロセスが複数回起動されることによって発生したＲＲＣ接続再確立プロセスの不正常動作（例えば本来のＲＲＣ接続再確立プロセスが中断されること）は防止できる。

望ましくは、ＲＲＣ接続再確立プロセスは下位層イベントによりトリガーされ、この下位層イベントは、例えばＲＬＣ ＰＤＵの再送回数が所定値を超えることである。したがって、ＲＬＣ ＰＤＵの再送回数が所定値を超え、かつ無線リンクモニタリングタイマーが終了せずに引き続き動作する場合、本発明では無線リンクモニタリングタイマーの終了時に他のＲＲＣ接続再確立プロセスを起動するのを防ぐために、無線リンクモニタリングタイマーを停止する。

まとめて言えば、本発明の実施例では、ＲＲＣ接続再確立プロセスがトリガーされたときに無線リンクモニタリングタイマーを停止し、ＵＥが無線リンクモニタリングタイマーの終了時に他のＲＲＣ接続再確立プロセスを起動することによりもたらされたＲＲＣ接続再確立プロセスの不正常動作を防止する。

以上は本発明に好ましい実施例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、本発明の精神の下においてなされ、本発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。

１０ 無線通信システム
２００ 無線通信装置
２０２ 入力装置
２０４ 出力装置
２０６ 制御回路
２０８ ＣＰＵ
２１０ 記憶装置
２１２ プログラム
２１４ トランシーバー
３００ アプリケーション層
３０２ 第三層
３０４ ＲＲＣエンティティー
３０６ 第二層
３０８ 第一層
３２０ 接続再確立プログラム

Claims (12)

1. 無線通信システムのＵＥ（ユーザー端末）において接続を再確立する方法であって、
   無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを起動する段階と、
   ＲＲＣ（無線リソース制御）接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ前記無線リンクモニタリングタイマーまたは前記無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、前記無線リンクモニタリングタイマーまたは前記無線リンクモニタリングカウンタを停止する段階とを含む、接続の再確立方法。
2. 前記ＲＲＣ接続再確立プロセスは下位層イベントによりトリガーされる、請求項１に記載の接続の再確立方法。
3. 前記下位層イベントとは、ＲＬＣ ＰＤＵ（無線リンク制御プロトコルデータユニット）の再送回数が所定値を超えることをいう、請求項２に記載の接続の再確立方法。
4. 前記無線リンクモニタリングタイマーはタイマーＴ３１０である、請求項１から３の何れかに記載の接続の再確立方法。
5. 前記無線リンクモニタリングカウンタは無線リンク問題の検出回数を数えるために用いられる、請求項１から４の何れかに記載の接続の再確立方法。
6. 前記方法は更に、前記無線リンクモニタリングカウンタをリセットする段階を含む、請求項１から５の何れかに記載の接続の再確立方法。
7. 無線通信システムのＵＥにおいて接続を再確立するための通信装置であって、
   処理プロセスを実行するＣＰＵ（中央処理装置）と、
   前記ＣＰＵに結合され、前記処理プロセスを記録する記憶装置とを含み、前記処理プロセスは、
   無線リンクモニタリングタイマーまたは無線リンクモニタリングカウンタを起動する段階と、
   ＲＲＣ接続再確立プロセスがトリガーされ、かつ前記無線リンクモニタリングタイマーまたは前記無線リンクモニタリングカウンタが終了せずに引き続き動作する場合に、前記無線リンクモニタリングタイマーまたは前記無線リンクモニタリングカウンタを停止する段階とを含む、通信装置。
8. 前記ＲＲＣ接続再確立プロセスは下位層イベントによりトリガーされる、請求項７に記載の通信装置。
9. 前記下位層イベントとは、ＲＬＣ ＰＤＵの再送回数が所定値を超えることをいう、請求項８に記載の通信装置。
10. 前記無線リンクモニタリングタイマーはタイマーＴ３１０である、請求項７から９の何れかに記載の通信装置。
11. 前記無線リンクモニタリングカウンタは無線リンク問題の検出回数を数えるために用いられる、請求項７から１０の何れかに記載の通信装置。
12. 前記処理プロセスは更に、前記無線リンクモニタリングカウンタをリセットする段階を含む、請求項７から１１の何れかに記載の通信装置。

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