JP4973587B2 - 記録装置 - Google Patents

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この発明は、記録装置に関し、特に、テストパターンが記録される際の記録装置の制御に関する。
インクジェットプリンタは、用紙上にインク滴を吐出することによって、画像を記録する。
インクジェットプリンタでは、ノズル内のインクが乾燥してインクの粘度が増大したり、紙粉などのゴミがノズル内に混入したりする。このような場合には、用紙上に所望の画像を記録することが困難になる。これは、各ノズルから適切にインク滴が吐出されなくなるためである。
このため、従来では、各ノズルの吐出状態を検出するためのテストパターンが印刷されている。例えば、特許文献1のインクジェット記録装置は、印字部と、記録紙を搬送するためのベルトと、ベルトに形成された多数の吸着孔を介して記録紙を吸着保持する吸着チャンバおよびファンと、を備えている。ベルトは、テスト印字領域を有しており、テストパターンは、ベルトのテスト印字領域上に印刷される。
特開2005−104147号公報
しかしながら、従来では、テストパターンが記録される際におけるファンなどの吸引部の制御については何ら考慮されていなかった。すなわち、従来では、吸引部は、テストパターンの記録を考慮して制御されていない、という問題があった。
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、テストパターンの記録を考慮して吸引部を適切に制御することを目的とする。
本発明は、上述の課題の解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である
[適用例1] 記録装置であって、液滴を吐出する第1の記録ヘッドおよび第2の記録ヘッドであって、前記第1の記録ヘッドと前記第2の記録ヘッドとは所定方向に関して異なる位置に設けられている、前記第1の記録ヘッドおよび第2の記録ヘッドと、搬送体を移動させることによって記録媒体を前記所定方向に搬送するための搬送部であって、前記搬送体は、第1の領域と、複数の孔が設けられて前記記録媒体が載置される第2の領域と、を含む、前記搬送部と、前記搬送体の前記第2の領域に載置される前記記録媒体を前記搬送体の裏面側から吸引するための吸引部であって、前記吸引部は、吸引力が生じる吸引領域を含み、前記吸引領域は、前記第1の記録ヘッドに対向する第1の対向吸引領域と、前記第2の記録ヘッドに対向する第2の対向吸引領域と、を含む、前記吸引部と、第1の第1種の期間内の前記第1の対向吸引領域の吸引力が、第1の第2種の期間内の前記第1の対向吸引領域の吸引力よりも小さくなり、かつ、第2の第1種の期間内の前記第2の対向吸引領域の吸引力が、第2の第2種の期間内の前記第2の対向吸引領域の吸引力よりも小さくなるように、前記吸引部を制御する制御部と、を備え、前記第1の第1種の期間は、前記第1の記録ヘッドが前記第1の領域上にテストパターンを記録する期間であり、前記第1の第2種の期間は、前記第1の記録ヘッドが前記第2の領域に載置される前記記録媒体上に有意なパターンを記録する期間であり、前記第2の第1種の期間は、前記第2の記録ヘッドが前記第1の領域上に前記テストパターンを記録する期間であり、前記第2の第2種の期間は、前記第2の記録ヘッドが前記第2の領域に載置される前記記録媒体上に前記有意なパターンを記録する期間であることを特徴とする記録装置。
この装置では、テストパターンの記録を考慮して、吸引部を適切に制御することができる。このため、例えば、第1および第2の対向吸引領域の吸引力がファンなどの動作状態に直接的に依存する第1の場合(すなわち、シャッタなどが利用されて、第1および第2の対向吸引領域の吸引力がファンなどの動作状態に直接的に依存しない場合を除く)には、第1および第2の第1種の期間において、吸引部の消費電力を低減させることができる。また、第1の領域の近傍に第2の領域の孔が存在する第2の場合には、第1および第2の第1種の期間において、第1および第2の記録ヘッドから吐出される液滴が吸引力によって受ける影響を低減させることができる。
[適用例] 適用例記載の記録装置であって、前記テストパターンの記録は、前記記録媒体に前記有意なパターンが記録される前に、実行される、記録装置。
この構成を採用すれば、記録媒体に有意なパターンが記録される前に、テストパターンの記録結果を利用することができる。例えば、テストパターンの記録結果を利用して対策を施せば、記録媒体に記録される有意なパターンの質を向上させることができる。
[適用例] 適用例記載の記録装置であって、複数の前記記録媒体に複数の前記有意なパターンが連続的に記録される場合において、前記テストパターンの記録は、第1番目の前記記録媒体に第1番目の前記有意なパターンが記録される前に、実行される、記録装置。
この構成を採用すれば、複数の記録媒体に複数の有意なパターンが連続的に記録される前に、テストパターンの記録結果を利用することができる。例えば、テストパターンの記録結果を利用して対策を施せば、複数の記録媒体に記録される有意なパターンの質を向上させることができる。
[適用例] 適用例記載の記録装置であって、前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、前記テストパターンの記録は、前記第1番目の記録媒体に前記第1番目の有意なパターンが記録される前のみに、実行される、記録装置。
この構成を採用すれば、複数の記録媒体に複数の有意なパターンが連続的に記録される途中でテストパターンが記録される場合と比較して、液滴の消費量を低減することができる。
[適用例] 適用例記載の記録装置であって、前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、前記テストパターンの記録は、さらに、前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される途中で実行される、記録装置。
この構成を採用すれば、複数の記録媒体に複数の有意なパターンが連続的に記録される途中で、テストパターンの記録結果を利用することができる。例えば、テストパターンの記録結果を利用して対策を施せば、残りの記録媒体に記録される有意なパターンの質を向上させることができる。
[適用例] 適用例記載の記録装置であって、前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、前記テストパターンの記録は、前記複数の記録媒体のうちの一部である1以上の前記記録媒体に1以上の前記有意なパターンが記録される毎に、実行される、記録装置。
[適用例] 適用例1ないしのいずれかに記載の記録装置であって、前記テストパターンの記録は、前記記録ヘッドによる前回の液滴の吐出から所定時間経過する毎に、実行される、記録装置。
この構成を採用すれば、記録ヘッドによる前回の液滴の吐出から所定時間経過する毎に、テストパターンの記録結果を利用することができる。例えば、テストパターンの記録結果を利用して対策を施せば、記録媒体に記録される有意なパターンの質を向上させることができる
適用例] 適用例記載の記録装置であって、前記制御部は、複数の前記記録媒体に複数の前記有意なパターンが連続的に記録され、かつ、前記テストパターンの記録が、第1番目の前記記録媒体に第1番目の前記有意なパターンが記録される前に、実行される場合において、前記第1の第1種の期間内で前記第1の対向吸引領域の吸引力がゼロで維持され、かつ、前記第2の第1種の期間内で前記第2の対向吸引領域の吸引力がゼロで維持されるように、前記吸引部を制御する、記録装置。
第1番目の記録媒体に第1番目の有意なパターンが記録される前にテストパターンが記録される場合には、第1および第2の第1種の期間において吸引力は不要である。したがって、上記の構成を採用すれば、吸引部を適切に制御することができる
適用例] 適用例1又は8に記載の記録装置であって、前記吸引部は、第1のファンを含み、前記第1の対向吸引領域を形成する第1のファンユニットと、第2のファンを含み、前記第2の対向吸引領域を形成する第2のファンユニットと、を備え、前記制御部は、前記第1のファンと前記第2のファンとを制御することによって、前記第1の対向吸引領域の吸引力と前記第2の対向吸引領域の吸引力とを調整する、記録装置。
この構成を採用すれば、第1および第2の第1種の期間において第1および第2のファンの消費電力を低減させることができる。
[適用例10] 適用例1ないしのいずれかに記載の記録装置であって、前記搬送体の前記第1の領域の近傍には、前記第2の領域に設けられた孔が存在する、記録装置。
この構成を採用すれば、テストパターンが記録される際に、記録ヘッドから吐出される液滴が吸引力によって受ける影響を、低減させることができる。
[他の適用例1] 適用例1ないし10のいずれかに記載の記録装置であって、さらに、前記第1の領域に記録された前記テストパターンを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に応じて、前記記録ヘッドの回復処理を実行する回復処理実行部と、を備える、記録装置。
[他の適用例2] 適用例1ないし10,他の適用例1のいずれかに記載の記録装置であって、さらに、前記第1の領域に記録された前記テストパターンを除去するための除去部を備える、記録装置。
なお、この発明は、記録装置および方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
A−2.電気的構成:
A−3.印刷処理:
A−4.吸引力の制御:
A−4−1.ステップS102における吸引力:
A−4−2.ステップS132における吸引力:
A−4−3.ステップS202における吸引力:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
C−1.印刷処理:
C−2.吸引力の制御:
C−2−1.ステップS232における吸引力:
D.第4実施例:
A.第1実施例:
A−1.プリンタの構成:
図1,図2は、プリンタ100の概略構成を示す説明図である。なお、図1は、プリンタ100の断面を模式的に示しており、図2は、プリンタ100の要部の平面を模式的に示している。プリンタ100は、インクジェットプリンタであり、インク滴を吐出することによって用紙上に画像を印刷する。
図1,図2に示すように、プリンタ100は、印刷部200と、給紙部310と、搬送部320と、排紙部360と、吸引部400と、メンテナンス部500と、除去部600と、を備えている。
印刷部200は、シアン(C),マゼンタ(M),イエロ(Y),ブラック(K)のインク滴を吐出する4つの印刷ヘッド211〜214を含んでいる。各印刷ヘッド211〜214は、図中X方向に長いライン型のヘッドであり、4つの印刷ヘッド211〜214は、図中Y方向に沿って互いに平行に配置されている。各印刷ヘッド211〜214は、その下面にノズルプレートを有しており、ノズルプレートには、X方向に沿って複数のノズルが配列されている。なお、搬送部320(後述する)によって搬送される用紙が4つの印刷ヘッド211〜214に対向する位置を通過するときに、4つの印刷ヘッド211〜214からインク滴が吐出される。この結果、用紙上に4色のドットが形成される。すなわち、用紙上にカラー画像が記録される。
以下では、図中−Y側に設けられた2つの印刷ヘッド211,212を「第1のヘッド群201g」とも呼び、図中+Y側に設けられた他の2つの印刷ヘッド213,214を「第2のヘッド群202g」とも呼ぶ。
給紙部310は、給紙カセット312と、ピックアップローラ314と、給紙ガイド316と、を備えている。ピックアップローラ314が回転すると、給紙カセット312に収納された用紙Pが送り出される。用紙は、給紙ガイド316を通って、搬送部320に供給される。
搬送部320は、4つの搬送ローラ321〜324と、4つの搬送ローラ321〜324に張設された無端の搬送ベルト330と、を備えている。なお、第1の搬送ローラ321は、駆動ローラであり、第2ないし第4の搬送ローラ322〜324は、従動ローラである。第3および第4の搬送ローラ323,324は、テンションローラである。
第1の搬送ローラ321が回転すると、搬送ベルト330が搬送方向Dに沿って移動する。搬送ベルト330の移動に伴って、他の3つの搬送ローラ322〜324も回転する。給紙部310から供給されて搬送ベルト上に載置された用紙は、搬送方向Dに沿って搬送される。
搬送ベルト330は、図2に示すように、2つの領域331,332を含んでいる。第1の領域331は、テストパターンが記録される短冊状の領域である。第2の領域332は、給紙部310から供給された用紙が載置される領域である。第2の領域332には、複数の孔が設けられている。用紙は、第2の領域332に設けられた複数の孔を介して、吸引部400(後述する)によって吸引される。この結果、用紙は、搬送ベルト330上の第2の領域332に保持される。なお、第1の領域331には、孔は設けられておらず、後述するテストパターンは、第1の領域331上に直接記録される。
搬送ベルト330は、例えば、すべての領域に複数の孔が設けられたベルトに、短冊状の部材を貼り付けることによって、作製される。すなわち、第1の領域331は、短冊状の部材が配置された領域であり、第2の領域332は、第1の領域331以外の領域である。なお、短冊状の部材としては、プラスチック製のシートや金属製のシートを用いることができる。
搬送部320は、さらに、給紙部310から供給された用紙を搬送ベルト330上に押さえ付ける押さえローラ342と、4つの印刷ヘッド211〜214の下方に設けられたプラテン352と、を備えている。なお、プラテン352は、省略可能である。
排紙部360は、分離部材361と、第1のローラ対362a,bと、排紙ガイド364と、第2のローラ対366a,bと、排紙トレイ368と、を備えている。なお、4つのローラのうち、2つのローラ362a,366aは駆動ローラであり、他の2つのローラ362b,366bは従動ローラである。
搬送ベルト330上の用紙は、分離部材361によって、搬送ベルト330から分離される。その後、用紙は、第1のローラ対362a,bに挟持されつつ、排紙ガイド364に導かれる。排紙ガイド364を通った用紙は、第2のローラ対366a,bによって挟持されつつ、排紙トレイ368上に導かれる。
吸引部400は、4つのファン411〜414を含んでいる。第1および第2のファン411,412は、搬送方向Dの上流側に設けられた第1のヘッド群201g(すなわち2つの印刷ヘッド211,212)に対向する位置に配置されている。第1のファン411は、図中+X側に設けられており、第2のファン412は、図中−X側に設けられている。また、第3および第4のファン413,414は、搬送方向Dの下流側に設けられた第2のヘッド群202g(すなわち2つの印刷ヘッド213,214)に対向する位置に配置されている。第3のファン413は、+X側に設けられており、第4のファン414は、−X側に設けられている。なお、本実施例では、4つのファン411〜414として、シロッコファンが用いられている。
吸引部400は、搬送ベルト330の第2の領域332上に載置された用紙を、第2の領域332に設けられた複数の孔を介して、吸引する。なお、プラテン352には、搬送ベルト330に設けられた複数の孔がプラテン352によって塞がれて用紙の吸引が妨げられないように、複数本のスリット(図示せず)がY方向に沿って設けられている。
以下では、図中−Y側に設けられた2つのファン411,412を「第1のファン群401g」とも呼び、図中+Y側に設けられた他の2つのファン413,414を「第2のファン群402g」とも呼ぶ。
メンテナンス部500(図2)は、凹状の断面形状を有する4つのキャップ511〜514と、4つのキャップ511〜514を保持するベース部520と、ベース部520を図中X方向に往復動させるベース移動機構530と、4つの印刷ヘッド211〜214を図中Z方向に往復動させるヘッド移動機構(図示せず)と、を備えている。
メンテナンス部500は、プリンタ100の性能を維持するために利用される。具体的には、インクジェットプリンタでは、ノズル内のインクが乾燥してインクの粘度が増大したり、紙粉などのゴミがノズル内に混入したりすることによって、各ノズルから適切にインク滴が吐出されなくなる恐れがある。このため、印刷が実行されない場合には、4つの印刷ヘッド211〜214のノズル面は、対応する4つのキャップ511〜514によって、キャッピングされる。
ベース部520は、図中+Y側の端部に設けられた第1の突起部521と、図中−Y側の端部に設けられた第2の突起部522と、を含んでいる。各突起部521,522には、X方向に沿う貫通孔が形成されている。そして、第1の突起部521の貫通孔を構成する壁面には、雌ネジが形成されている。
ベース移動機構530は、2本のガイド部材531,532と、モータ534と、支持部材536と、を備えている。2本のガイド部材531,532は、X方向に沿って延びている。モータ534は、第1の軸部材531の−X側の端部に設けられており、第1のガイド部材531を回転させる。支持部材536は、第1の軸部材531の+X側の端部に設けられており、第1の軸部材531を回転可能に支持する。2本のガイド部材531,532は、それぞれ、ベース部520の2つの突起部521,522の貫通孔に挿入されている。ただし、第1のガイド部材531の外面には、雄ネジが形成されており、該雄ネジは、第1の突起部521の貫通孔に形成された雌ネジと係合している。
上記の構成により、モータ534が回転すると、第1のガイド部材531が回転し、これに伴って、ベース部520がX方向に移動する。
キャッピングの際には、まず、ヘッド移動機構(図示せず)が4つの印刷ヘッド211〜214を+Z方向に上昇させ、その後、ベース移動機構530がベース部520を+X方向に移動させる。そして、ヘッド移動機構が4つの印刷ヘッド211〜214を−Z方向に下降させる。これにより、4つの印刷ヘッド211〜214のノズル面が対応する4つのキャップ511〜514によってキャッピングされる。
ところで、各ノズルから適切にインク滴が吐出されなくなった場合には、各ノズルからインクを強制的に排出させるために、フラッシング処理やパージ処理などの回復処理が実行される。なお、フラッシング処理は、各印刷ヘッドを駆動して、各ノズルからインク滴を多数回(例えば500回〜1000回)吐出させる処理である。また、パージ処理は、吸引ポンプ(図示せず)を駆動して、各印刷ヘッドの各ノズルからインクを吸引する処理である。
本実施例では、フラッシング処理とパージ処理とは、メンテナンス部500を利用して、実行される。このため、本実施例では、各キャップ511〜514の底面には、キャップ内のインクを排出するための排出孔511h〜514hが形成されている。具体的には、フラッシング処理が実行される際には、4つの印刷ヘッド211〜214の下方に、4つのキャップ511〜514が配置される。そして、各印刷ヘッド211〜214は、対応するキャップ511〜514内に、インク滴を多数回吐出する。なお、キャップ511〜514内に吐出されたインクは、排出孔511h〜514hを介して排出される。一方、パージ処理が実行される際には、4つの印刷ヘッド211〜214が4つのキャップ511〜514で覆われ、吸引ポンプ(図示せず)が排出孔511h〜514hを介してインクを吸引する。なお、キャップ511〜514内に流出したインクは、排出孔511h〜514hを介して排出される。
除去部600は、洗浄液供給部610と、払拭部620と、洗浄液供給部および払拭部を往復動させる移動機構(図示せず)と、を備えており、搬送ベルト330の第1の領域331上に記録されたテストパターンを除去する。具体的には、テストパターンが記録されると、移動機構(図示せず)が、洗浄液供給部610および払拭部620を、搬送ベルト330の第1の領域331に近づける。そして、洗浄液供給部610は、払拭部620に洗浄液を供給する。また、払拭部620は、第1の領域331に洗浄液を塗布しつつ、第1の領域331を払拭する。これにより、第1の領域331上に記録されたテストパターンが除去される。
プリンタ100は、さらに、イメージセンサ710を備えている。イメージセンサ710は、搬送方向Dの下流側(4つの印刷ヘッド211〜214の+Y側)に設けられており、搬送ベルト330の第1の領域331に記録されたテストパターンを読み取る。イメージセンサ710は、X方向に長いライン型のセンサであり、印刷ヘッド211〜214とほぼ同じ長さを有する。なお、イメージセンサ710としては、例えば、CIS(Contact Image Sensor)が用いられる。
また、プリンタ100は、2つのセンサ810,820を備えている。なお、各センサ810,820は、発光素子と受光素子とを含んでいる。第1のセンサ810は、搬送ベルト330で囲まれた空間内に設けられており、搬送ベルト330の内面に形成されたマーク(例えば白色のマーク)を検出する。第2のセンサ820は、搬送方向Dの上流側(4つの印刷ヘッド211〜214の−Y側)に設けられており、搬送ベルト330によって搬送される用紙の先端を検出する。
A−2.電気的構成:
図3は、プリンタ100(図1,図2)の電気的構成を示す説明図である。図示するように、プリンタ100は、プリンタ全体を制御するための制御回路110を備えている。
制御回路110は、印刷データ供給部120と、ヘッド駆動部128と、搬送駆動部130と、吸引駆動部140と、メンテナンス駆動部150と、吐出状態判断部170と、タイミング決定部180と、を備えている。
なお、制御回路110は、CPUと、ROM,RAMなどのメモリと、を備えており、CPUがメモリ内に格納されたコンピュータプログラムを実行することによって、制御回路110の各部の機能が実現される。
印刷データ供給部120は、画像処理部122と、テストパターン格納部124と、を備えている。
画像処理部122は、原画像データに対して画像処理を施して、印刷データ(以下「画像印刷データ」とも呼ぶ)を生成する。なお、画像処理は、通常、RGBデータをCMYKデータに変換する色変換処理と、CMYKデータを色毎にドットの形成状態(ドットの有無およびドットサイズ)を示すドットデータに変換するハーフトーン処理と、色毎のドットデータを対応する印刷ヘッドの複数のノズルの配列に整合するように並び替える配列変換処理と、を含んでいる。
テストパターン格納部124は、テストパターンを表す印刷データ(以下「テストパターン印刷データ」とも呼ぶ)を格納する。テストパターンは、各ノズルの吐出状態の良否を判断するために用いられる。なお、本実施例のように、ライン型の印刷ヘッド211〜214が用いられる場合には、各ノズルの吐出状態の良否は、画質に大きく影響する。これは、仮に、インク滴を吐出不能なノズルが発生する場合には、該ノズルによって用紙上に形成されるべきドットを他のノズルを利用して形成することが困難なためである。このため、本実施例では、テストパターンが記録される。
印刷データ供給部120は、プリンタ100の外部から原画像データを含む印刷ジョブを取得すると、画像処理部122に画像処理を実行させる。そして、印刷データ供給部120は、画像処理部122によって生成された画像印刷データを、ヘッド駆動部128に供給する。また、印刷データ供給部120は、テストパターン格納部124からテストパターン印刷データを読み出して、ヘッド駆動部128に供給する。なお、フラッシング処理が実行される際には、印刷データ供給部120は、各ノズルから多数回インク滴を吐出させるためのデータ(フラッシングデータ)をヘッド駆動部128に供給する。
ヘッド駆動部128は、印刷データ供給部120から与えられた画像印刷データに従って、印刷ヘッド211〜214(より具体的には各ノズルに対応する圧電素子などのアクチュエータ)を駆動する。この結果、用紙上に有意な画像が形成される。また、ヘッド駆動部128は、印刷データ供給部120から与えられたテストパターン印刷データに従って、印刷ヘッド211〜214を駆動する。この結果、搬送ベルト330の第1の領域331上にテストパターンが形成される。なお、フラッシング処理が実行される際には、ヘッド駆動部128は、印刷データ供給部120から供給されたフラッシングデータに従って、印刷ヘッド211〜214を駆動する。この結果、キャップ511〜514内にインク滴が多数回吐出される。
搬送駆動部130は、給紙モータ319と、搬送モータ329と、2つの排紙モータ368,369と、を駆動する。搬送駆動部130が給紙モータ319を駆動すると、給紙部310のローラ314(図1)が回転し、この結果、用紙が供給される。搬送駆動部130が搬送モータ329を駆動すると、搬送部320のローラ321(図1)が回転し、この結果、用紙が搬送される。搬送駆動部130が2つの排紙モータ368,369を駆動すると、排紙部360の2つのローラ362a,366a(図1)が回転し、印刷済みの用紙が排出される。
吸引駆動部140は、4つのファン411〜414を駆動する。本実施例では、吸引駆動部140は、第1のファン群401gと第2のファン群402gとを独立して、換言すれば、異なるタイミングで駆動する。なお、各ファン群に属する2つのファンは、同じタイミングで駆動される。
具体的には、吸引駆動部140は、第1のPWM(パルス幅変調)駆動信号を生成し、該第1のPWM駆動信号を平滑化することによって得られる第1の電圧を、第1のファン群401gに供給する。また、吸引駆動部140は、第2のPWM駆動信号を生成し、該第2のPWM駆動信号を平滑化することによって得られる第2の電圧を、第2のファン群402gに供給する。なお、2つのPWM駆動信号のデューティー比は、互いに異なり得るため、2つのファン群401g,402gに与えられる2つの電圧は、互いに異なり得る。したがって、2つのファン群401g,402gは、互いに異なる回転数で動作し得る。
例えば、特定のファン群のために比較的デューティ比の高い(あるいは低い)PWM駆動信号が生成される場合には、該特定のファン群には比較的高い(あるいは低い)電圧が供給され、該特定のファン群に属する2つのファンの回転数は比較的高く(あるいは低く)設定される。この結果、該特定のファン群に属する2つのファンの吸引力は比較的大きく(あるいは小さく)設定される。
メンテナンス駆動部150は、ベース移動機構530のモータ534と、ヘッド移動機構のモータ(図示せず)と、を駆動する。メンテナンス駆動部150がモータ534を駆動すると、ベース部520がX方向に移動する。また、メンテナンス駆動部150がヘッド移動機構のモータを駆動すると、印刷ヘッド211〜214がZ方向に移動する。なお、パージ処理が実行される場合には、メンテナンス駆動部150は、さらに、パージ用の吸引ポンプ(図示せず)を駆動する。
吐出状態判断部170は、イメージセンサ710からテストパターンの読取データを取得して、該読取データを解析する。そして、吐出状態判断部170は、各ノズルの吐出状態が良好であるか否かを判断する。例えば、読取データが、特定のノズルによって記録されるべき特定のドットが存在しないことを示す場合には、該特定のノズルの吐出状態は不良であると判断される。また、読取データが、特定のノズルによって記録された特定のドットの位置が基準位置からずれていることを示す場合には、該特定のノズルの吐出状態は不良であると判断される。さらに、読取データが、特定のノズルによって記録された特定のドットのサイズが基準サイズと異なることを示す場合には、該特定のノズルの吐出状態は不良であると判断される。
タイミング決定部180は、各部の動作タイミングを決定する。この際、2つのセンサ810,820の検出結果が用いられる。第1のセンサ710の検出結果を用いれば、搬送ベルト330の現行位置が特定される。第2のセンサ820の検出結果を用いれば、搬送ベルト330上に載置された用紙の現行位置が特定される。
具体的には、搬送ベルト330の第2の領域320に載置された用紙上に有意な画像が記録される場合には、タイミング決定部180は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、搬送駆動部130に用紙を搬送させる。さらに、タイミング決定部180は、第2のセンサ820の検出結果に基づいて、印刷データ供給部120に画像印刷データを供給させる。
また、搬送ベルト330の第1の領域310上にテストパターンが記録される場合には、タイミング決定部180は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、印刷データ供給部120にテストパターン印刷データを供給させる。そして、タイミング決定部180は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、吐出状態判断部170にイメージセンサ710から読取データを取得させる。
特に、本実施例では、タイミング決定部180は、テストパターンの記録を考慮して、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、吸引駆動部140に2つのファン群401g,402gを駆動させる。
なお、本実施例における第1のヘッド群201gに属する第1の印刷ヘッド211または第2の印刷ヘッド212が、本発明における第1の記録ヘッドに相当し、第2のヘッド群202gに属する第3の印刷ヘッド213または第4の印刷ヘッド214が、本発明における第2の記録ヘッドに相当する。また、本実施例における制御回路110が本発明における制御部に相当する。
また、4つのファン411〜414によって吸引力が生じる領域、より具体的には、4つのファン411〜414の上流側の開口(空気吸入口)が、本発明における吸引領域を形成する。そして、第1のファン群401gによって吸引力が生じる領域、より具体的には、第1のファン群401gに属する2つのファン411,412の空気吸入口が、本発明における第1の対向吸引領域を形成する。同様に、第2のファン群402gによって吸引力が生じる領域、より具体的には、第2のファン群402gに属する2つのファン413,414の空気吸入口が、本発明における第2の対向吸引領域を形成する。また、第1のファン群401gと第2のファン群402gとが、それぞれ、本発明における第1のファンユニットと第2のファンユニットとに相当する。
なお、本明細書において、「対向吸引領域」は、対向する記録ヘッドのノズル形成範囲を包含する領域を意味する。
また、本明細書において、「吸引力」は、搬送体および記録媒体などが存在しない場合における吸引能力、換言すれば、空気の吸入を遮る障害物が存在しない場合における空気の吸入量を意味する。したがって、本実施例では、吸引力は、ファンの回転数や消費電力に依存し、吸引力は、ファンの回転数や消費電力が大きくなる程、大きくなる。
A−3.印刷処理:
図4は、一連の印刷処理の手順を示すフローチャートである。なお、図4に示す処理は、ユーザによってプリンタ100の電源がON状態に設定されたときに開始する。また、図4に示す処理は、ユーザによってプリンタ100の電源がOFF状態に設定されたときに終了する。図4に示す処理は、制御回路100によって、より具体的には、制御回路100の各部の協働によって、実行される。
ステップS102では、各印刷ヘッド211〜214によってテストパターンが記録される。具体的には、ステップS102では、搬送駆動部130は、搬送ベルト330を回転させる。そして、印刷データ供給部120は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、テストパターン印刷データをヘッド駆動部128へ供給する。この結果、搬送ベルト330の第1の領域331上に、テストパターンが記録される。
ステップS104では、各印刷ヘッド211〜214の複数のノズルの吐出状態の良否が判断される。具体的には、吐出状態判断部170は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、イメージセンサ710から読取データを取得する。そして、吐出状態判断部170は、該読取データを解析して、各ノズルの吐出状態を判断する。4つの印刷ヘッド211〜214のいずれかのノズルの吐出状態が不良である場合には、ステップS106に進む。一方、4つの印刷ヘッド211〜214のすべてのノズルの吐出状態が良好である場合には、ステップS106をスキップして、ステップS110に進む。
ステップS106では、回復処理が実行される。例えば、不良吐出状態のノズルの数が比較的少ない場合には、フラッシング処理が実行さ、不良吐出状態のノズルの数が比較的多い場合には、パージ処理が実行される。なお、ステップS106では、搬送ベルト330の回転は、禁止される。
ステップS110では、印刷ジョブの有無が判断される。具体的には、印刷データ供給部120が未処理の印刷ジョブを有する場合には、ステップS200に進む。一方、印刷データ供給部120が未処理の印刷ジョブを有していない場合には、ステップS120に進む。
ステップS120では、タイミング決定部180は、経過時間Twが所定時間Tw0を超えているか否かを判断する。ここで、経過時間Twは、印刷ヘッド211〜214の前回のインクの吐出後に経過した時間を意味している。なお、前回のインクの吐出は、有意な画像の記録やテストパターンの記録に伴うインクの吐出であってもよいし、回復処理の実行に伴うインクの吐出であってもよい。なお、経過時間Twは、タイミング決定部180に設けられた図示しないタイマを用いて計測される。
経過時間Twが所定時間Tw0を超える場合には、ステップS132〜S136の処理が実行された後、ステップS110に戻る。なお、ステップ132〜S136では、ステップS102〜S106と同様の処理が実行される。一方、経過時間Twが所定時間Tw0を超えない場合には、直ちに、ステップS110に戻る。
ステップS200では、印刷ジョブに含まれる原画像データを用いて、印刷処理が実行される。
図5は、ステップS200(図4)の処理内容を示すフローチャートである。ステップS202〜S206では、図4のステップS102〜S106と同様の処理が実行される。
ステップS210では、印刷ジョブに従った印刷が実行される。具体的には、ステップS210では、搬送駆動部130は、搬送ベルト330を回転させる。また、搬送駆動部130は、第1のセンサ810の検出結果に基づいて、搬送部300に用紙を搬送させる。そして、印刷データ供給部120は、第2のセンサ820の検出結果に基づいて、画像印刷データをヘッド駆動部128へ供給する。この結果、搬送ベルト330の第2の領域332に載置された用紙上に、有意な画像が記録される。
ステップS210では、印刷ジョブが1つのページ画像を表す原画像データを含んでいる場合には、該印刷ジョブに従って、1つのページ画像が1つの用紙に対して印刷される。また、印刷ジョブが複数のページ画像を表す原画像データを含んでいる場合には、該印刷ジョブに従って、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続して印刷される。すなわち、本実施例では、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続して印刷される途中では、テストパターンは記録されない。
本実施例では、テストパターンの記録は、プリンタ100の電源がON状態に設定されたとき(図4のステップS102参照)と、経過時間Twが所定時間Tw0を超えたとき(図4のステップS132参照)と、印刷ジョブに従った印刷が開始される直前(図5のステップS202参照)と、に実行される。このため、上記の各タイミングにおいて、テストパターンの記録結果を利用して各ノズルの吐出状態の良否を判断することができる。そして、不良吐出状態のノズルが存在する場合には、その対策として、回復処理を実行することができる。このため、各ノズルの吐出状態を良好な状態に維持することができる。また、用紙に記録される画像の質(画質)を向上させることができる。さらに、用紙への記録ミスを低減して、用紙の浪費を低減することができる。
A−4.吸引力の制御:
ところで、本実施例では、ステップS102,S132,S202におけるテストパターンの記録を考慮して、2つのファン群401g,402gが駆動される。具体的には、吸引駆動部140は、タイミング決定部180によって決定される第1のセンサ810の検出結果に基づくタイミングで、2つのファン群401g,402gの動作を制御する。
A−4−1.ステップS102における吸引力:
図6は、ステップS102(図4)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。図中、横軸は、時間を示しており、縦軸は、2つのファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2を示している。
2つの第1種の期間T1a,T2aは、ステップS102(図4)においてテストパターンが記録される期間を示す。具体的には、第1の第1種の期間T1aは、搬送ベルト330の第1の領域331が第1のヘッド群201gの下方に位置し、第1のファン群401gに対向する第1のヘッド群201gによってテストパターンが記録される期間を示す。また、第2の第1種の期間T2aは、搬送ベルト330の第1の領域331が第2のヘッド群202gの下方に位置し、第2のファン群402gに対向する第2のヘッド群202gによってテストパターンが記録される期間を示す。
なお、図6には、2つの第2種の期間T1b,T2bの一部も描かれている。2つの第2種の期間T1b,T2bは、ステップS210(図5)においてページ画像が記録される期間を示す。具体的には、第1の第2種の期間T1bは、搬送ベルト330の第2の領域332に載置された用紙が第1のヘッド群201gの下方に位置し、第1のファン群401gに対向する第1のヘッド群201gによってページ画像が記録される期間を示す。また、第2の第2種の期間T2bは、搬送ベルト330の第2の領域332に載置された用紙が第2のヘッド群202gの下方に位置し、第2のファン群402gに対向する第2のヘッド群202gによってページ画像が記録される期間を示す。
ステップS102(図4)におけるテストパターンの記録は、前述のように、プリンタ100の電源がON状態に設定されたときに実行される。この場合には、用紙は未だ搬送ベルト330上に載置されていないため、2つのファン群401g,402gによる吸引は不要である。このため、図6に示すように、期間T1aにおいて、第1のファン群401gの吸引力PF1は、ゼロで維持されており、期間T2aにおいても、第2のファン群402gの吸引力PF2は、ゼロで維持されている。
なお、ステップS210(図5)においてページ画像が記録される場合には、2つのファン群401g,402gによる吸引力は、用紙を保持可能な充分な吸引力に設定されていることが好ましい。このため、期間T1bにおいて、第1のファン群401gの吸引力PF1は、所定値Pm1に設定されており、期間T2bにおいて、第2のファン群402gの吸引力PF2は、所定値Pm2に設定されている。なお、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続して印刷される場合には、該連続印刷期間において、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、所定値Pm1,Pm2で維持される。本実施例では、2つの値Pm1,Pm2は、ほぼ同じ値である。
A−4−2.ステップS132における吸引力:
ステップS132(図4)における2つのファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、図6と同様に設定される。ステップS132におけるテストパターンの記録は、前述のように、経過時間Twが所定時間Tw0を超えたときに実行される。この場合にも、用紙は搬送ベルト330上に載置されていないため、2つのファン群401g,402gによる吸引は不要である。したがって、期間T1aにおいて、第1のファン群401gの吸引力PF1は、ゼロで維持されており、期間T2aにおいても、第2のファン群402gの吸引力PF2は、ゼロで維持されている。
A−4−3.ステップS202における吸引力:
図7は、ステップS202(図5)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。ステップS202におけるテストパターンの記録は、前述のように、印刷ジョブに従った印刷が開始される直前に実行される。このため、用紙へのページ画像の印刷が開始される前までに、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、所定値Pm1,Pm2まで増大していることがことが好ましい。しかしながら、仮に、テストパターンが記録される期間T1a,T2aに、2つのファン群401g,402gの吸引力が既に充分に大きな値に到達している場合には、問題が生じ得る。例えば、各期間T1a,T2aにおいて、各ファン群401g,402gの吸引力が対応するヘッド群201g,202gからのインク滴の吐出に影響を及ぼし、テストパターンが精度良く記録されないという問題が生じる。また、各期間T1a,T2aにおいて、各ファン群401g,402gで消費される電力が、用紙の保持に利用されず、無駄になるという問題が生じる。
このため、本実施例では、図7に示すように、第1のヘッド群201gによってテストパターンが記録される期間T1a内で、第1のファン群401gの吸引力PF1は、ゼロで維持されている。そして、第1のファン群401gの吸引力PF1は、期間T1aより後(すなわち第1のヘッド群201gによるテストパターンの記録の終了後)の時刻t1から次第に増大している。同様に、第2のヘッド群202gによってテストパターンが記録される期間T2a内で、第2のファン群402gの吸引力PF2は、ゼロで維持されている。そして、第2のファン群402gの吸引力PF2は、期間T2aの後(すなわち第2のヘッド群202gによるテストパターンの記録の終了後)の時刻t2から次第に増大している。時刻t1と時刻t2との間の時間は、各期間T1a,T2aの時間とほぼ同じに設定されている。
なお、2つのファン群401g,402gの吸引力は、各ファンの時定数に起因して次第に増大しており、実際には、2つのファン群401g,402gには、時刻t1,t2以降において、所定値Pm1,Pm2に対応する所定の電圧が与えられる。
図7では、時刻t1は、期間T2a内の時刻であるが、これに代えて、期間T2aの終了後の時刻であってもよい。
以上説明したように、本実施例では、ステップS102,S132,S202では、図6,図7に示すように、テストパターンの記録を考慮して、吸引部400が適切に制御されている。具体的には、第1のヘッド群201gによってテストパターンが記録される期間T1a内の第1のファン群401gの吸引力PF1は、第1のヘッド群201gによってページ画像が記録される期間T1b内の第1のファン群401gの吸引力PF1(=Pm1)よりも小さく設定されている。また、第2のヘッド群202gによってテストパターンが記録される期間T2a内の第2のファン群402gの吸引力PF2は、第2のヘッド群202gによってページ画像が記録される期間T2b内の第2のファン群402gの吸引力PF2(=Pm2)よりも小さく設定されている。
これにより、期間T1aにおいて、第1のファン群401gの消費電力を低減することができると共に、期間T2aにおいて、第2のファン群402gの消費電力を低減することができる。また、期間T1aにおいて、第1のヘッド群201gから吐出されるインク滴が第1のファン群401gの吸引力によって受ける影響を低減させることができると共に、期間T2aにおいて、第2のヘッド群202gから吐出されるインク滴が第2のファン群402gの吸引力によって受ける影響を低減させることができる。この結果、テストパターンの記録結果を利用して、各ノズルの吐出状態をより正確に判断することができる。
さらに、本実施例を採用すれば、第1種の期間T1a,T2aにおいて、各ファン群の騒音や、テストパターンの記録に伴う搬送ベルト330へのインクミストの付着、各ファン群によるインクミストの吸引を低減することができるという利点がある。
B.第2実施例:
第2実施例は、第1実施例とほぼ同じであるが、図5のステップS202の処理が変更されている。
図8は、第2実施例のステップS202(図5)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図であり、図7に対応する。図8は、図7とほぼ同様であるが、2つのファン群401g,402gの吸引力が増大し始めるタイミングが異なっている。
具体的には、第1のファン群401gの吸引力PF1は、期間T1a内の時刻t3から増大し始めている。また、第2のファン群402gの吸引力PF2は、期間T2a内の時刻t4から増大し始めている。
このため、本実施例では、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、第1実施例よりも早期に所定値Pm1,Pm2に到達する。したがって、第1のヘッド群201gによって用紙にページ画像が記録される期間T1bにおいて、第1のファン群401gは、用紙を確実に吸引することができる。同様に、第2のヘッド群202gによって用紙にページ画像が記録される期間T2bにおいて、第2のファン群402gは、用紙を確実に吸引することができる。
また、本実施例では、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は早期に所定値Pm1,Pm2に到達するため、ページ画像の記録の開始タイミングを早めることができるという利点がある。具体的には、図8において、期間T1b,T2bの始期を早めることができる。
なお、本実施例では、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、対応する第1種の期間T1a,T2a内の時刻t3,t4から増大し始めている。しかしながら、これに代えて、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、対応する第1種の期間T1a,T2aの前の時刻から緩やかに増大し始めてもよい。一般には、第1種の期間T1a内で第1のファン群401gによって形成される第1の対向吸引領域の吸引力が増大し、かつ、第1種の期間T2a内で第2のファン群402gによって形成される第2の対向吸引領域の吸引力が増大すればよい。
C.第3実施例:
C−1.印刷処理:
第3実施例では、第1実施例と同様に、図4の手順に従って印刷処理が実行される。ただし、本実施例では、図4のステップS200の処理が変更されている。
具体的には、第1実施例では、印刷ジョブが複数のページ画像を表す原画像データを含んでいる場合には、該印刷ジョブに従って、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続して印刷される。そして、第1実施例では、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続して印刷される直前のみに、テストパターンが記録されている(図5のステップS202)。一方、本実施例では、印刷ジョブが複数のページ画像を表す原画像データを含んでいる場合には、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続的に印刷される直前だけでなく、複数のページ画像が複数の用紙に対して連続的に印刷される途中にも、テストパターンが記録される。
図9は、第3実施例におけるステップS200(図4)の処理を示すフローチャートである。なお、前述したように、ステップS200の処理は、印刷データ供給部120が未処理の印刷ジョブを有する場合に、実行される(図4のステップS110参照)。
ステップS202〜S206の処理は、第1実施例(図5)と同じである。
ステップS221では、印刷データ供給部120は、変数iをゼロに設定する。なお、変数iの値は、次に印刷されるべきページ画像の順序(すなわちページ数)を示すカウンタ値を示す。
ステップS222では、印刷データ供給部120は、変数iを1だけインクリメントする。この結果、1ページ目の画像が1枚目の用紙に印刷される直前には、i=1に設定される。同様に、10ページ目の画像が10枚目の用紙に印刷される直前には、i=10に設定される。
ステップS224では、iページ目の画像がi枚目の用紙に印刷される。例えば、i=1である場合には、1ページ目の画像が1枚目の用紙に印刷され、i=10である場合には、10ページ目の画像が10枚目の用紙に印刷される。
ステップS226では、印刷データ供給部120は、変数iの値が所定値Nに等しいか否かを判断する。なお、値Nは、原画像データに含まれるページ画像の総数(すなわち総ページ数)を示している。例えば、印刷ジョブが500個のページ画像を表す原画像データを含んでいる場合には、N=500に設定される。なお、値Nは、印刷ジョブのヘッダ部から抽出される。
ステップS226において、変数iの値が所定値Nに等しいと判断される場合には、図9の処理が終了する。一方、ステップS226において、変数iの値が所定値Nと異なる(すなわち所定値N未満)と判断される場合には、ステップS228に進む。
ステップS228では、印刷データ供給部120は、演算値Mod(i;k)を算出する。ここで、Mod()は、除算により余りを求める関数であり、演算値Mod(i,k)は、変数iをkで除した場合の余りを示している。また、kは、連続的な印刷が実行される期間においてテストパターンが記録されるべきタイミングを示す値であり、本実施例ではk=100に設定されている。すなわち、本実施例では、連続的な印刷が実行される期間において、100個のページ画像が100枚の用紙に記録される毎に、テストパターンが記録される。
また、ステップS228では、印刷データ供給部120は、演算値Mod(i;k)がゼロであるか否かを判断する。演算値がゼロでないと判断される場合には、ステップS222に戻る。一方、演算値がゼロであると判断される場合には、すなわち、変数iの値が値k(本実施例ではk=100)の倍数に等しい場合(本実施例ではi=200,i=300,…)には、ステップS232に進む。この際、印刷データ供給部120は、テストパターンの記録タイミングの到来を、タイミング決定部180に通知する。
ステップS232〜S236では、図4のステップS102〜S106と同様の処理が実行される。その後、前述のステップS222に戻る。
このように、本実施例では、連続的な印刷が実行される場合には、k個のページ画像がk枚の用紙に印刷される毎に、テストパターンが記録される。
C−2.吸引力の制御:
本実施例でも、図9のステップS202,S232におけるテストパターンの記録を考慮して、2つのファン群401g,402gが駆動される。
なお、図9のステップS202における2つのファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、第1実施例(図7)(または第2実施例(図8))と同様に設定される。
C−2−1.ステップS232における吸引力:
図10は、ステップS232(図9)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。図示するように、期間T1aにおいて、第1のファン群401gの吸引力PF1は、所定値Pm1よりも小さく設定されている。また、期間T2aにおいて、第2のファン群402gの吸引力PF2は、所定値Pm2よりも小さく設定されている。
具体的には、第1のファン群401gの吸引力PF1は、期間T1aよりも前の時刻t5から、次第に減少している。そして、第1のファン群401gの吸引力PF1は、期間T1aよりも後の時刻t7から、次第に増大している。同様に、第2のファン群402gの吸引力PF2は、期間T2aよりも前の時刻t6から、次第に減少している。そして、第2のファン群402gの吸引力PF2は、期間T2aよりも後の時刻t8から、次第に増大している。時刻t5と時刻t6との間の時間および時刻t7と時刻t8との間の時間は、各期間T1a,T2aの時間とほぼ同じに設定されている。
なお、2つのファン群401g,402gの吸引力は、各ファンの時定数に起因して次第に減少しており、実際には、2つのファン群401g,402gには、時刻t5〜t7,t6〜t8において、所定値Pm1,Pm2に対応する電圧よりも低い電圧(例えばゼロ)が与えられる。
図10では、時刻t7は、期間T2a内の時刻であるが、これに代えて、期間T2aの終了後の時刻であってもよい。
本実施例を採用しても、第1実施例(または第2実施例)と同様の効果を奏する。特に、本実施例では、テストパターンの記録は、複数のページ画像が複数の用紙に連続的に記録される途中に、実行される(図9のステップS232)。このため、複数のページ画像が複数の用紙に連続的に記録される途中で、テストパターンの記録結果を利用して各ノズルの吐出状態の良否を判断することができる。そして、不良吐出状態のノズルが存在する場合には、その対策として、回復処理を実行することができる。このため、残りの用紙に記録される画像の質(画質)を向上させることができる。また、残りの用紙への記録ミスを低減して、用紙の浪費を低減することができる。
また、本実施例では、複数のページ画像が複数の用紙に連続的に記録される途中において、2つのファン群401g,402gの吸引力を、順次、減少させることができると共に、順次増大させることができる。このため、複数のページ画像が複数の用紙に連続的に記録される途中でも、期間T1aにおいて第1のファン群401gの消費電力を低減させることができると共に、期間T2aにおいて第2のファン群402gの消費電力を低減させることができる。また、期間T1aにおいて、第1のヘッド群201gから吐出されるインク滴が第1のファン群401gの吸引力によって受ける影響を低減させることができると共に、期間T2aにおいて、第2のヘッド群202gから吐出されるインク滴が第2のファン群402gの吸引力によって受ける影響を低減させることができる。
なお、前述のように、第1および第2実施例では、複数のページ画像が複数の用紙に連続的に記録される途中では、テストパターンは記録されない。このため、第1および第2実施例では、第3実施例と比較して、テストパターンの記録回数が小さい。したがって、第1および第2実施例では、第3実施例よりも、テストパターンの記録に伴うインクの消費量を低減することができるという利点がある。
D.第4実施例:
第4実施例は、第3実施例とほぼ同じであるが、図9のステップS232の処理が変更されている。
図11は、第4実施例のステップS232(図9)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図であり、図10に対応する。図11は、図10とほぼ同様であるが、2つのファン群401g,402gの吸引力が増大し始めるタイミングが異なっている。
具体的には、第1のファン群401gの吸引力PF1は、期間T1a内の時刻t9から増大し始めている。また、第2のファン群402gの吸引力PF2は、期間T2a内の時刻t10から増大し始めている。
このため、第2実施例で説明したように、本実施例でも、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、第3実施例よりも早期に所定値Pm1,Pm2に到達する。このため、各ヘッド群201g,202gによって用紙にページ画像が記録される各期間T1b,T2bにおいて、各ファン群401g,402gは、用紙を確実に吸引することができる。
また、第2実施例で説明したように、本実施例でも、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は早期に所定値Pm1,Pm2に到達するため、ページ画像の記録の開始タイミングを早めることができるという利点がある。具体的には、図11において、期間T1b,T2bの始期を早めることができる。
なお、第2実施例のステップS202で説明したように、本実施例のステップS202においても、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、対応する第1種の期間T1a,T2aの前の時刻から増大し始めてもよい。さらに、本実施例のステップS232においても、各ファン群401g,402gの吸引力PF1,PF2は、対応する第1種の期間T1a,T2aの前の時刻から増大し始めてもよい。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施例では、吸引部400は、2つのヘッド群201g,202gに対向する2つの対向吸引領域を含んでいるが、これに加えて、イメージセンサ710に対向する位置に、追加のファンによって形成される追加の吸引領域が設けられていてもよい。この場合には、例えば、追加のファンの吸引力は、イメージセンサ710によってテストパターンが読み取られる際に、比較的小さく設定され、用紙が搬送される際には、比較的大きく設定されればよい。テストパターンが読み取られる際には、追加のファンによる用紙の吸引は不要である。したがって、上記のようにすれば、追加のファンの消費電力を効率よく低減することができる。
ただし、追加のファンの吸引力は、イメージセンサ710によってテストパターンが読み取られる際にも、比較的大きく設定されるようにしてもよい。こうすれば、搬送ベルト330の第1の領域331とイメージセンサ710との間のギャップを所定の距離に維持することができ、この結果、テストパターンを精度良く読み取ることができる。
(2)上記各実施例では、吸引部400は、2つのファン群401g,402gの空気吸入口によって形成される2つの対向吸引領域を含んでいる。
しかしながら、これに代えて、2つの対向吸引領域は、2つのエアガイド(ダクト)の上流側の2つの開口(空気吸入口)によって形成され、2つのエアガイドの下流側に2つのファンが設けられてもよい。なお、この場合には、第1組のエアガイドおよびファンが本発明における第1のファンユニットに相当し、第2組のエアガイドおよびファンが本発明における第2のファンユニットに相当する。こうすれば、搬送ベルト330で囲まれた空間内にファンを配置せずに済むため、ファンの配置の自由度を高めることができる。ただし、上記各実施例(図1,図2)のように、搬送ベルト330で囲まれた空間内に4つのファンを配置すれば、プリンタを小型化することができるという利点がある。
また、2つの対向吸引領域は、2つの枝エアガイド(ダクト)の上流側の2つの開口(空気吸入口)によって形成され、該2つの枝エアガイドの下流側が1つの幹エアガイドの上流側に合流し、該1つの幹エアガイドの下流側に1つのファンが配置されていてもよい。そして、2つの枝エアガイドには、2つのシャッタが設けられればよい。こうすれば、2つのシャッタの開度を調整することによって、2つの対向吸引領域の吸引力を調整することができる。
(3)上記各実施例では、吸引部400は、2つのヘッド群201g,202gに対向する2つの対向吸引領域を含んでいるが、これに代えて、4つの印刷ヘッド211〜214に対向する4つの対向吸引領域を含んでいてもよい。
この場合には、吸引部は、ライン型の4つのファンを備えていればよい。あるいは、前述のように、吸引部は、4組のエアガイドおよびファンを備えていてもよい。あるいは、吸引部は、4つの枝エアガイドと、1つの幹エアガイドと、1つのファンと、を備えていてもよい。こうすれば、4つの印刷ヘッド211〜214に対向する4つの対向吸引領域の吸引力を独立して駆動することができる。
(4)上記各実施例では、吸引部400は、2つのヘッド群201g,202gに対向する2つの対向吸引領域を含んでいる。しかしながら、これに代えて、吸引部は、4つの印刷ヘッド211〜214に対向する唯一の対向吸引領域を含んでいてもよい。この場合には、該唯一の対向吸引領域は、例えば、上記各実施例における4つのファン411〜414の空気吸入口によって形成されればよい。また、この場合には、4つのファンは、同じタイミングで駆動されればよい。
(5)上記各実施例では、吸引部は、ファンを備えているが、これに代えて、ポンプを備えていてもよい。
(6)上記各実施例では、対向吸引領域に生じる吸引力は、ステップS202,S232において、次第に増大している(図7,図8,図10,図11)。しかしながら、これに代えて、対向吸引領域に生じる吸引力は、ステップ状に増大してもよい。この場合には、例えば、前述のように、シャッタが用いられればよい。
また、第3および第4実施例では、ステップS232において、対向吸引領域に生じる吸引力は、次第に減少している(図10,図11)。しかしながら、これに代えて、対向吸引領域に生じる吸引力は、ステップ状に減少してもよい。この場合には、例えば、前述のように、シャッタが用いられればよい。あるいは、ブレーキ手段を有するファンが用いられればよい。
(7)第1および第2実施例では、ステップS102,ステップS132,ステップS202において、テストパターンが記録されている。また、第3および第4実施例では、さらに、ステップS232において、テストパターンが記録されている。これに加えて、他のタイミングで、テストパターンが記録されるようにしてもよい。例えば、ユーザからの指示に従って、テストパターンが記録されるようにしてもよい。
また、上記各実施例では、複数種類のタイミングでテストパターンが記録されているが、少なくとも1種類のタイミングでテストパターンが記録されればよい。例えば、プリンタの電源がON状態に設定されたとき(ステップS102)と、印刷ジョブに従った印刷が開始される直前(ステップS202)と、の2種類のタイミングでテストパターンが記録されてもよい。
(8)第3および第4実施例では、ステップS232におけるテストパターンの記録は、k個のページ画像がk枚の用紙に印刷される毎に実行されており、kの値としては、一定の値が用いられている。しかしながら、これに代えて、kの値は、印刷ジョブ毎に変更されてもよい。具体的には、kの値は、印刷ジョブ内の原画像データに含まれるページ画像の総数(総ページ数)に応じて、変更されてもよい。例えば、総ページ数がNである場合には、kは、1/a×N(aは2以上、N/2以下の整数)に設定されてもよい。
また、第3および第4実施例では、ステップS232におけるテストパターンの記録は、k個のページ画像がk枚の用紙に印刷される毎に、実行されているが、これに代えて、他のタイミングで実行されてもよい。例えば、テストパターンの記録は、印刷ジョブに従った印刷が開始された後に所定時間が経過する毎に実行されてもよい。
一般には、テストパターンの記録は、複数の記録媒体に複数の有意なパターンが連続的に記録される途中で実行されればよい。
(9)上記各実施例では、搬送ベルト330の第2の領域332の全体に渡って孔が形成されている。このため、第1の領域331の近傍には、第2の領域332の孔が存在する。しかしながら、これに代えて、第1の領域の近傍には、孔が形成されていなくてもよい。例えば、第2の領域332のうちの一部の部分領域にのみ孔が形成されてもよい。そして、該部分領域のサイズは、用紙のサイズとほぼ一致していてもよい。このような搬送ベルトを用いても、テストパターンが記録される期間における各ファン群の消費電力を低減することができる。
なお、第1の領域331の「近傍」の領域は、第1の領域331に隣接する領域であって、第1の領域331の幅(図2のY方向の寸法)よりも狭い領域を意味する。例えば、第1の領域331の近傍の領域は、第1の領域331の幅の1/2の幅を有する領域であってもよい。
また、上記各実施例では、搬送ベルト330が1回転する間に、搬送ベルト330の第2の領域332に用紙が1枚だけ載置される場合について説明したが、これに代えて、2枚以上載置されるようにしてもよい。
さらに、上記各実施例では、搬送ベルト330は、唯一の第1の領域331と、唯一の第2の領域332と、を含んでいるが、これに代えて、2以上の第1の領域と、2以上の第2の領域と、を交互に含んでいてもよい。この場合にも、搬送ベルトが1回転する間に、用紙を2枚以上載置可能である。
また、上記各実施例では、搬送体として、搬送ベルト330が利用されているが、これに代えて、ドラムや、可動式のプラテンなどが利用されてもよい。
一般には、搬送体は、テストパターンが記録される第1の領域と、複数の孔が設けられて用紙が載置される第2の領域と、を含んでいればよい。
(10)上記各実施例では、各ノズルの吐出状態を検出するためのテストパターンが記録されているが、これに代えて、複数色の印刷ヘッド間の位置ずれ(すなわち色ずれ)を検出するためのテストパターンや、同色の複数の印刷ヘッド間の位置ずれを検出するためのテストパターンなどが記録されてもよい。
一般には、搬送体の第1の領域には、テストパターンが記録されればよい。
(11)上記各実施例では、ライン型の印刷ヘッドが用いられているが、これに代えて、シリアル型の印刷ヘッドと、該印刷ヘッドを往復動させるための駆動機構と、が用いられてもよい。
また、上記各実施例では、4つの印刷ヘッドが用いられているが、これに代えて、1つの印刷ヘッドのみが用いられてもよい。
さらに、上記各実施例では、インクジェットプリンタ100に本発明が適用されているが、これに代えて、有機ELパネルの発光層や、プリント基板の配線を生成するためのパターニング装置に本発明が適用されてもよい。なお、この場合には、発光層や配線などが、本発明における有意なパターンに相当する。この説明から分かるように、本明細書における「有意なパターン」は、文字および/または絵柄などの画像や、発光層、配線などの、記録媒体上に形成されるべきパターンを意味し、可視光で観察可能なパターンであってもよいし、紫外光や赤外光によって観察可能なパターンであってもよい。
一般には、記録装置は、液滴を吐出する少なくとも1つの記録ヘッドを備えていればよい。
(12)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
プリンタ100の概略構成を示す説明図である。 プリンタ100の概略構成を示す説明図である。 プリンタ100(図1,図2)の電気的構成を示す説明図である。 一連の印刷処理の手順を示すフローチャートである。 ステップS200(図4)の処理内容を示すフローチャートである。 ステップS102(図4)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。 ステップS202(図5)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。 第2実施例のステップS202(図5)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。 第3実施例におけるステップS200(図4)の処理を示すフローチャートである。 ステップS232(図9)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。 第4実施例のステップS232(図9)における2つのファン群401g,402gの吸引力を示す説明図である。
符号の説明
100…プリンタ
110…制御回路
120…印刷データ供給部
122…画像処理部
124…テストパターン格納部
128…ヘッド駆動部
130…搬送駆動部
140…吸引駆動部
150…メンテナンス駆動部
170…吐出状態判断部
180…タイミング決定部
200…印刷部
201g…第1のヘッド群
202g…第2のヘッド群
211〜214…印刷ヘッド
310…給紙部
320…搬送部
321〜324…ローラ
330…搬送ベルト
331…第1の領域
332…第2の領域
360…排紙部
400…吸引部
401g…第1のファン群
402g…第2のファン群
411〜414…ファン
500…メンテナンス部
600…除去部
610…洗浄液供給部
620…払拭部
710…イメージセンサ
810,820…センサ
PF1…第1のファン群の吸引力
PF2…第2のファン群の吸引力

Claims (10)

  1. 記録装置であって、
    液滴を吐出する第1の記録ヘッドおよび第2の記録ヘッドであって、前記第1の記録ヘッドと前記第2の記録ヘッドとは所定方向に関して異なる位置に設けられている、前記第1の記録ヘッドおよび第2の記録ヘッドと、
    搬送体を移動させることによって記録媒体を前記所定方向に搬送するための搬送部であって、前記搬送体は、第1の領域と、複数の孔が設けられて前記記録媒体が載置される第2の領域と、を含む、前記搬送部と、
    前記搬送体の前記第2の領域に載置される前記記録媒体を前記搬送体の裏面側から吸引するための吸引部であって、前記吸引部は、吸引力が生じる吸引領域を含み、前記吸引領域は、前記第1の記録ヘッドに対向する第1の対向吸引領域と、前記第2の記録ヘッドに対向する第2の対向吸引領域と、を含む、前記吸引部と、
    第1の第1種の期間内の前記第1の対向吸引領域の吸引力が、第1の第2種の期間内の前記第1の対向吸引領域の吸引力よりも小さくなり、かつ、第2の第1種の期間内の前記第2の対向吸引領域の吸引力が、第2の第2種の期間内の前記第2の対向吸引領域の吸引力よりも小さくなるように、前記吸引部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記第1の第1種の期間は、前記第1の記録ヘッドが前記第1の領域上にテストパターンを記録する期間であり、
    前記第1の第2種の期間は、前記第1の記録ヘッドが前記第2の領域に載置される前記記録媒体上に有意なパターンを記録する期間であり、
    前記第2の第1種の期間は、前記第2の記録ヘッドが前記第1の領域上に前記テストパターンを記録する期間であり、
    前記第2の第2種の期間は、前記第2の記録ヘッドが前記第2の領域に載置される前記記録媒体上に前記有意なパターンを記録する期間であることを特徴とする記録装置。
  2. 請求項記載の記録装置であって、
    前記テストパターンの記録は、前記記録媒体に前記有意なパターンが記録される前に、実行される、記録装置。
  3. 請求項記載の記録装置であって、
    複数の前記記録媒体に複数の前記有意なパターンが連続的に記録される場合において、
    前記テストパターンの記録は、第1番目の前記記録媒体に第1番目の前記有意なパターンが記録される前に、実行される、記録装置。
  4. 請求項記載の記録装置であって、
    前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、
    前記テストパターンの記録は、前記第1番目の記録媒体に前記第1番目の有意なパターンが記録される前のみに、実行される、記録装置。
  5. 請求項記載の記録装置であって、
    前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、
    前記テストパターンの記録は、さらに、前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される途中で実行される、記録装置。
  6. 請求項記載の記録装置であって、
    前記複数の記録媒体に前記複数の有意なパターンが連続的に記録される場合において、
    前記テストパターンの記録は、前記複数の記録媒体のうちの一部である1以上の前記記録媒体に1以上の前記有意なパターンが記録される毎に、実行される、記録装置。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の記録装置であって、
    前記テストパターンの記録は、前記記録ヘッドによる前回の液滴の吐出から所定時間経過する毎に、実行される、記録装置。
  8. 請求項記載の記録装置であって、
    前記制御部は、
    複数の前記記録媒体に複数の前記有意なパターンが連続的に記録され、かつ、前記テストパターンの記録が、第1番目の前記記録媒体に第1番目の前記有意なパターンが記録される前に、実行される場合において、
    前記第1の第1種の期間内で前記第1の対向吸引領域の吸引力がゼロで維持され、かつ、前記第2の第1種の期間内で前記第2の対向吸引領域の吸引力がゼロで維持されるように、前記吸引部を制御する、記録装置。
  9. 請求項1又は8に記載の記録装置であって、
    前記吸引部は、
    第1のファンを含み、前記第1の対向吸引領域を形成する第1のファンユニットと、
    第2のファンを含み、前記第2の対向吸引領域を形成する第2のファンユニットと、
    を備え、
    前記制御部は、前記第1のファンと前記第2のファンとを制御することによって、前記第1の対向吸引領域の吸引力と前記第2の対向吸引領域の吸引力とを調整する、記録装置。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の記録装置であって、
    前記搬送体の前記第1の領域の近傍には、前記第2の領域に設けられた孔が存在する、記録装置。
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