JP4971285B2 - 電気設備事故予兆検出装置および電気設備事故予兆検出システム - Google Patents
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Description
少なくとも複数の変電所が送電線を介して接続された電力系統において1つの所内の母線に接続された複数の送電線における三相交流の少なくとも零相電圧または零相電流を、予め設定されたレベルの電圧信号に変換する入力変換部と、
上記入力変換部からの電圧信号を、予め設定されたサンプリング周波数でA/D変換するA/D変換部と、
上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データに基づいて、上記各送電線の零相電圧または零相電流が、予め設定された起動レベルを越えているとき、かつ、その起動レベルを連続して超えた期間が1サイクル以下であるとき、記憶対象の波形データであると判定する起動判定部と、
上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データを一定時間記憶した後に出力する第1波形メモリーと、
上記起動判定部が上記記憶対象の波形データであると判定すると、上記第1波形メモリーから上記一定時間遅延させたサンプリング波形データを、予め設定された時間分記憶する第2波形メモリーと、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、上記所内の母線に接続された上記複数の送電線の全てにおいて零相電流または相電流に含まれるパルス状波形データの最大値の極性が、上記所内に外部から地絡電流または短絡電流が流入する方向であることを表しているとき、上記所内で事故予兆現象が発生したと判定する事故予兆現象判定部と
を備え、
上記サンプリング波形データの零相電流波形または相電流波形の極性は、上記パルス状波形データのピークサンプル値周辺の数サンプルのデータの平均値の極性であることを特徴とする。
また、サンプリング波形データの零相電流波形(または相電流波形)の極性を、ピークサンプル値の極性とすることによって、事故予兆現象の判定が正確に行える。または、サンプリング波形データの零相電流波形(または相電流波形)の極性を、ピークサンプル値周辺の数サンプルのデータの平均値の極性とすることによって、ノイズによる誤検出を防いで、事故予兆現象の判定が正確に行える。または、サンプリング波形データの零相電流波形(または相電流波形)の極性を、ローパスフィルタリングされた後のピークサンプル値の極性とすることによって、ノイズによる誤検出を防いで、事故予兆現象の判定が正確に行える。
上記入力変換部と上記A/D変換部と上記起動判定部と上記第1波形メモリーと上記第2波形メモリーを有する波形記録装置と、
上記事故予兆現象判定部を有するデータ処理装置と
を備え、
上記波形記録装置は、上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データを上記データ処理装置に送信する送信部を有し、
上記データ処理装置は、上記波形記録装置の上記送信部からのサンプリング波形データを受信する受信部を有し、上記受信部により受信された上記サンプリング波形データに基づいて、上記事故予兆現象判定部により事故予兆現象の判定を行う。
上記事故予兆現象判定部は、上記入力変換部に入力された上記複数の送電線の全てにおいて上記サンプリング波形データの零相電流波形または同一相名の相電流波形同士の極性が同一のときに上記所内の事故予兆現象であると判定する。
上記起動判定部は、上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データの零相電圧波形において、
ただし、Vo (k) : 離散化した零相電圧値
m : 0.5サイクル相当のサンプル数
Vo(k-m) : 0.5サイクル前の零相電圧値
Vr : 定格電圧を相電圧の瞬時値に換算した値
K : 設定値
の条件が成立したとき、上記記憶対象の波形データであると判定する。
上記複数の送電線が直接接地系統であって、
上記入力変換部に上記複数の送電線における三相交流の相電圧および相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時地絡のときに上記三相交流の相電圧のうちの地絡相の相電圧の波形と上記三相交流の相電流のうちの地絡相の相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えた。
上記複数の送電線が抵抗接地系統であって、
上記入力変換部に複数の送電線における三相交流の零相電圧および零相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時地絡のときに上記零相電圧の波形と上記零相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えた。
上記入力変換部に複数の送電線における三相交流の線間電圧および相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時短絡のときに上記三相交流の線間電圧の波形と上記相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えた。
上記所内に設置され、上記複数の送電線を遮断するための遮断器に対する動作指令接点信号が入力される接点信号入力部を備え、
上記第1波形メモリーは、上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データおよび上記接点信号入力部に入力された上記遮断器の動作指令接点信号を一定時間記憶した後に出力し、
上記第2波形メモリーは、上記第1波形メモリーから上記一定時間遅延させたサンプリング波形データおよび上記接点信号入力部に入力された上記遮断器の動作指令接点信号を、予め設定された時間分記憶すると共に、
上記事故予兆現象判定部は、上記起動判定部が上記記憶対象の波形データであると判定した場合でも、起動検出直前のデータで上記遮断器の動作指令接点信号の変化が検出されているときは、事故予兆現象を判定しない。
上記のいずれか1つの電気設備事故予兆検出装置を用いた電気設備事故予兆検出システムであって、
上記電気設備事故予兆検出装置は、上記事故予兆現象判定部による事故予兆現象の判定結果のデータを送信する検出装置側送信部を有し、
上記電気設備事故予兆検出装置の上記検出装置側送信部からの上記事故予兆現象の判定結果のデータを受信する解析装置側受信部と、上記解析装置側受信部で受信した上記事故予兆現象の判定結果のデータを記録するデータ記録部と、上記データ記録部に記録された複数の上記事故予兆現象の判定結果のデータの中から上記電気設備事故予兆検出装置の上記消費エネルギー算出部により算出された消費エネルギーが最大のデータを表示する表示部、または、上記消費エネルギーが最大のデータを印字する印字部か、または、上記消費エネルギーが最大のデータを他の装置に伝送する伝送部を有する解析装置を備えたことを特徴とする。
上記電気設備事故予兆検出装置は、上記入力変換部と上記A/D変換部と上記起動判定部と上記第1波形メモリーと上記第2波形メモリーを用いて、上記所内の母線に接続された上記複数の送電線における地絡事故または短絡事故の事故波形データを記録する事故波形記録機能を備え、
上記解析装置は、上記電気設備事故予兆検出装置に記録された上記事故波形データを上記データ記録部に記録し、上記データ記録部に記録された上記事故波形データを上記表示部に表示するか、または、上記事故波形データを上記印字部により印字するか、または、上記事故波形データを上記伝送部により上記他の装置に伝送する。
(i) 遮断器を開放して電流を絶つ方法
(ii) 零相に消弧リアクトル回路を挿入して電気的に共振させ零相回路のインピーダンスを大きくして零相回路の地絡電流を絶つ方法
(iii) アークホンなどアークの飛びやすい部分を作っておき、そこでアーク放電発生時に火薬などを点火して爆風によりアークを吹き飛ばす方法
などの種々の方法があるが、変電所の遮断器を開放して電流を断つ方法が確実かつ最終の方法である。しかし、この遮断器による電流遮断方法で地絡または短絡状態を解消した場合、送電が途絶えるので、このような遮断器による電流遮断を行うような事例を電力系統の事故という。
(2) 遮断器CB41,CB42,CB51,CB52の内部地絡
(3) 断路器DS21-1,DS22-1,DS21-2,DS22-2,DS21-3,DS22-3,DS21-4,DS22-4の内部地絡、および、断路器DS31-1,DS32-1,DS31-2,DS32-2,DS31-3,DS32-3,DS31-4,DS32-4の内部地絡
(4) 154kV系統母線L21,L22の地絡、および、77kV系統母線L51,L52の地絡
(5) トランスT21,T22の内部地絡
従来、自動オシログラフ装置1は、電力系統の事故波形記録装置であり、遮断器が開放された場合の波形しか記録していなかった。ところが、継続時間の短い(商用周波の1/2サイクル以下の)波形変化は、送変電機器における絶縁破壊の兆候を示す貴重な波形データである場合がある。
m : 0.5サイクル相当のサンプル数
Vo(k-m) : 0.5サイクル前の零相電圧値
Vr : 定格電圧を相電圧の瞬時値に換算した値(電圧階級/√3×√2)
K : 設定値
波形が周波数変化しない正弦波の場合、上記式2の値はゼロとなる。正弦波から外れた値となると、そのずれが検出される。このときの各パラメータのレベルは、相電圧の定格によって規格化している。
1a…入力変換部
1b…A/D変換部
1c…データメモリー部
1d…伝送部
1e…起動判定部
1f…制御部
1g…接点信号入力部
2…サーバー装置
2a…データベース部
2b…Webアプリ部
2c…データ解析エンジン部
2d…伝送部
3…クライアント装置
4…第1波形メモリー
5…第2波形メモリー
Claims (10)
- 少なくとも複数の変電所が送電線を介して接続された電力系統において1つの所内の母線に接続された複数の送電線における三相交流の少なくとも零相電圧または零相電流を、予め設定されたレベルの電圧信号に変換する入力変換部と、
上記入力変換部からの電圧信号を、予め設定されたサンプリング周波数でA/D変換するA/D変換部と、
上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データに基づいて、上記各送電線の零相電圧または零相電流が、予め設定された起動レベルを越えているとき、かつ、その起動レベルを連続して超えた期間が1サイクル以下であるとき、記憶対象の波形データであると判定する起動判定部と、
上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データを一定時間記憶した後に出力する第1波形メモリーと、
上記起動判定部が上記記憶対象の波形データであると判定すると、上記第1波形メモリーから上記一定時間遅延させたサンプリング波形データを、予め設定された時間分記憶する第2波形メモリーと、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、上記所内の母線に接続された上記複数の送電線の全てにおいて零相電流または相電流に含まれるパルス状波形データの最大値の極性が、上記所内に外部から地絡電流または短絡電流が流入する方向であることを表しているとき、上記所内で事故予兆現象が発生したと判定する事故予兆現象判定部と
を備え、
上記サンプリング波形データの零相電流波形または相電流波形の極性は、上記パルス状波形データのピークサンプル値周辺の数サンプルのデータの平均値の極性であることを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1に記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記入力変換部と上記A/D変換部と上記起動判定部と上記第1波形メモリーと上記第2波形メモリーを有する波形記録装置と、
上記事故予兆現象判定部を有するデータ処理装置と
を備え、
上記波形記録装置は、上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データを上記データ処理装置に送信する送信部を有し、
上記データ処理装置は、上記波形記録装置の上記送信部からのサンプリング波形データを受信する受信部を有し、上記受信部により受信された上記サンプリング波形データに基づいて、上記事故予兆現象判定部により事故予兆現象の判定を行うことを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1または2に記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記事故予兆現象判定部は、上記入力変換部に入力された上記複数の送電線の全てにおいて上記サンプリング波形データの零相電流波形または同一相名の相電流波形同士の極性が同一のときに上記所内の事故予兆現象であると判定することを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1から4までのいずれか1つに記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記複数の送電線が直接接地系統であって、
上記入力変換部に上記複数の送電線における三相交流の相電圧および相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時地絡のときに上記三相交流の相電圧のうちの地絡相の相電圧の波形と上記三相交流の相電流のうちの地絡相の相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えたことを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1から4までのいずれか1つに記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記複数の送電線が抵抗接地系統であって、
上記入力変換部に複数の送電線における三相交流の零相電圧および零相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時地絡のときに上記零相電圧の波形と上記零相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えたことを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1から4までのいずれか1つに記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記入力変換部に複数の送電線における三相交流の線間電圧および相電流が入力され、
上記第2波形メモリーに記憶された上記サンプリング波形データに基づいて、瞬時短絡のときに上記三相交流の線間電圧の波形と上記相電流の波形との積の積分値から消費エネルギーを算出する消費エネルギー算出部を備えたことを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項1から7までのいずれか1つに記載の電気設備事故予兆検出装置において、
上記所内に設置され、上記複数の送電線を遮断するための遮断器に対する動作指令接点信号が入力される接点信号入力部を備え、
上記第1波形メモリーは、上記A/D変換部により変換されたサンプリング波形データおよび上記接点信号入力部に入力された上記遮断器の動作指令接点信号を一定時間記憶した後に出力し、
上記第2波形メモリーは、上記第1波形メモリーから上記一定時間遅延させたサンプリング波形データおよび上記接点信号入力部に入力された上記遮断器の動作指令接点信号を、予め設定された時間分記憶すると共に、
上記事故予兆現象判定部は、上記起動判定部が上記記憶対象の波形データであると判定し、起動検出直前のデータで上記遮断器の動作指令接点信号の変化が検出されているときは、事故予兆現象を判定しないことを特徴とする電気設備事故予兆検出装置。 - 請求項5から7までのいずれか1つに記載の電気設備事故予兆検出装置を用いた電気設備事故予兆検出システムであって、
上記電気設備事故予兆検出装置は、上記事故予兆現象判定部による事故予兆現象の判定結果のデータを送信する検出装置側送信部を有し、
上記電気設備事故予兆検出装置の上記検出装置側送信部からの上記事故予兆現象の判定結果のデータを受信する解析装置側受信部と、上記解析装置側受信部で受信した上記事故予兆現象の判定結果のデータを記録するデータ記録部と、上記データ記録部に記録された複数の上記事故予兆現象の判定結果のデータの中から上記電気設備事故予兆検出装置の上記消費エネルギー算出部により算出された消費エネルギーが最大のデータを表示する表示部、または、上記消費エネルギーが最大のデータを印字する印字部か、または、上記消費エネルギーが最大のデータを他の装置に伝送する伝送部を有する解析装置を備えたことを特徴とする電気設備事故予兆検出システム。 - 請求項9に記載の電気設備事故予兆検出システムにおいて、
上記電気設備事故予兆検出装置は、上記入力変換部と上記A/D変換部と上記起動判定部と上記第1波形メモリーと上記第2波形メモリーを用いて、上記所内の母線に接続された上記複数の送電線における地絡事故または短絡事故の事故波形データを記録する事故波形記録機能を備え、
上記解析装置は、上記電気設備事故予兆検出装置に記録された上記事故波形データを上記データ記録部に記録し、上記データ記録部に記録された上記事故波形データを上記表示部に表示するか、または、上記事故波形データを上記印字部により印字するか、または、上記事故波形データを上記伝送部により上記他の装置に伝送することを特徴とする電気設備事故予兆検出システム。
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