JP4970987B2 - 眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物 - Google Patents

眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物 Download PDF

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Description

本発明は、眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物に関する。さらに詳しくは、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜オンレイ、角膜インレイなどの眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物、眼用レンズ材料の着色方法、および着色された眼用レンズ材料に関する。
近年、眼用レンズを洗浄の際に容易に視認することができるようにしたり、例えば、コンタクトレンズに加工したときにその装用者の虹彩の色彩を変化させるなどの目的で、着色されている。
着色された眼科用成形品として、ポリシロキサン含有マクロマーと、疎水性モノマーと、親水性モノマーとの重合生成物を含むポリマーマトリックスが用いられた眼科用成形品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この眼科用成形品には、モノマーおよびプレポリマーと染料または顔料組成物を重合せしめるために、ラジカル重合開始剤のみから重合触媒を使用しているのみで、分散剤共存下での重合阻害を回避できる手法が採用されていない。言うなれば、本来求められるラジカル重合が完結するには至らず、未重合物質(残留モノマー)が多く含まれる重合体しか得られないという欠点がある。
また、眼用レンズを着色するのに用いられるインキとして、溶媒、着色剤およびバインダーポリマーとして架橋性ポリマーを含み、特定の表面張力および特定の粘度を有し、医療装置に対する良好な接着性を有するインキが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この眼科用成形品には、バインダー溶液による重合阻害要因を是正するための処置が施されておらず、ラジカル重合体に未重合モノマー(残留モノマー)が共存し、重合を完結するには至らないという欠点がある。
近年、安全性に優れた眼用レンズ材料として、ウレタン結合を介してエチレン型不飽和基およびポリジメチルシロキサン構造を有する化合物と1−アルキル−3−メチレン−2−ピロリドンを含む眼用レンズ材料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この眼用レンズ材料に着色を施すために、その原料溶液に染料や顔料などの着色剤を添加したとき、その着色剤が均一に分散しがたいため、不均一に眼用レンズ材料が着色されるおそれがある。
特表2004−517360号公報 特表2005−508432号公報 国際公開第2004/063795号パンフレット
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、眼用レンズを均一に着色することができる眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物、眼用レンズ材料の着色方法、および着色された眼用レンズ材料を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)(A)分子内に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)分子内に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金系触媒、(D)反応制御剤、(E)顔料、(F)分散剤、および(G)溶媒を含有してなる眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物、
(2)前記眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物を用いてインクジェット方式により眼用レンズ材料全体に着色層を形成した後、該シリコーンインク組成物の着色層を架橋することを特徴とする眼用レンズ材料の着色方法、および
(3)前記眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物によって着色された眼用レンズ材料
に関する。
本発明によれば、眼用レンズを均一に着色することができる眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物、眼用レンズ材料の着色方法、および着色された眼用レンズ材料が提供される。
(A)分子内に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン〔以下、(A)成分という〕は、本発明のシリコーンインク組成物のベースポリマーである。
(A)成分としては、例えば、分子鎖の両末端または分子鎖側鎖、すなわち分子鎖の途中のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンなどが挙げられ、そのなかでは、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖の両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。
好適な(A)成分として、一般式(1):
Figure 0004970987
(式中、R1は炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜6の脂肪族不飽和結合を有さない置換または非置換の1価の炭化水素基、R2は炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜4のアルケニル基、R3はR1またはR2であり、mはR3とR1とが同一であるとき2〜50の整数であり、R3とR2とが同一であるとき0〜50の整数であり、nは0〜1000の整数を示す)
で表わされるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。
1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などの炭素数が1〜12のアルキル基;シクロヘキシル基などの炭素数が5〜12のシクロアルキル基;フェニル基などの炭素数が6〜12のアリール基;ベンジル基などの炭素数が7〜14のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの炭素数が1〜12のハロゲン置換炭化水素基などが挙げられる。これらのなかでは、メチル基、フェニル基および3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
2の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基などが挙げられ、これらのなかでは、ビニル基が好ましい。
3とR1とが同一である場合、mは、2〜50の整数、好ましくは2〜20の整数、より好ましくは2〜10の整数である。R3とR2とが同一である場合、mは、0〜50の整数、好ましくは0〜20の整数、より好ましくは1〜10の整数である。
nは、0〜1000の整数、好ましくは20〜500の整数、より好ましくは20〜200の整数、さらに好ましくは50〜100の整数である。
(A)成分の具体例としては、式:
Figure 0004970987
(式中、m1は2〜50の整数、m2は1〜50の整数、nは0〜1000の整数を示す)
で表わされるジオルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
(B)分子内に2個以上のヒドロシリル基(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン〔以下、(B)成分という〕は、(A)成分の架橋剤である。
(B)成分の分子構造には特に制限がない。(B)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造などが挙げられる。(B)成分は、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiHで表されるヒドロシリル基)を有する。(B)成分が1分子中に有するSiH基の数は、架橋密度、すなわち硬化物の物性の観点から、通常、2〜200個であることが好ましく、3〜100個であることがより好ましい。(B)成分が1分子中に有するケイ素原子数(または重合度)は、組成物粘度の観点から、好ましくは2〜300個、より好ましくは3〜150個である。
(B)成分の代表例としては、一般式(5):
Figure 0004970987
(式中、R4は炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜8の置換または非置換の1価の脂肪族不飽和結合を有さない1価の炭化水素基、R5は水素原子またはR4、pは0〜100の整数、R5が水素原子であるとき、qは0〜100の整数であり、R5がR4と同一であるとき、qは2〜100の整数を示す)
で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられる。一般式(5)で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子鎖両末端および/または分子鎖の側鎖もしくはその途中にヒドロシリル基を有する。
一般式(5)で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、分子鎖の両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖の両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたオルガノハイドロジェンシロキサン・ジオルガノシロキサン共重合体、分子鎖の両末端がジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン、分子鎖の両末端がジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖の両末端がジオルガノハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたオルガノハイドロジェンシロキサン・ジオルガノシロキサン共重合体、1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサンなどの直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、これらは、いずれも本発明で好適に使用し得るものである。なお、前記オルガノ基は、脂肪族不飽和基を有さない1価の炭化水素基であることが好ましい。
4の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などの炭素数が1〜12のアルキル基;シクロヘキシル基などの炭素数が5〜12のシクロアルキル基;フェニル基などの炭素数が6〜12のアリール基;ベンジル基などの炭素数が7〜14のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの炭素数が1〜12のハロゲン置換炭化水素基などが挙げられる。これらのなかでは、メチル基、フェニル基および3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
pは0〜100の整数、好ましくは0〜40の整数である。R5が水素原子である場合、qは、0〜100の整数、好ましくは1〜40の整数であり、R5がR4と同一である場合、qは、2〜100の整数、好ましくは3〜40の整数である。
好適な(B)成分の例としては、一般式:
Figure 0004970987
(式中、pは0〜100の整数、q1は2〜100の整数、q2は0〜100の整数を示す)
で表わされるオルガノハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
(B)成分の量は、適度な硬化速度や架橋密度(すなわち硬化物の物性)の観点から、(A)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルあたり、(B)成分中のSiH基、すなわちケイ素原子に結合している水素原子が好ましくは0.5〜10モル、より好ましくは1.5〜5モルである。また、(B)成分の量は、適度な硬化速度や架橋密度(すなわち硬化物の物性の観点から、(A)成分100質量部あたり、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.1〜50質量部である。
(C)白金系触媒〔以下、(C)成分という〕は、ヒドロシリル化反応における硬化触媒である。
(C)成分としては、例えば、塩化白金酸のアルコール溶液などが挙げられる。塩化白金酸のアルコール溶液は、例えば、塩化白金(IV)酸六水和物をエタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコールなどの1級アルコールに溶解させることによって得ることができる。塩化白金酸のアルコール溶液における白金の濃度は、通常、好ましくは0.1〜5質量%程度、より好ましくは0.5〜2質量%程度である。
(C)成分として、前記塩化白金酸のアルコール溶液を中和し、塩化白金酸にジエン化合物を配位させ適当な溶媒に置換した、白金−ジエン化合物錯体の溶液を用いることもできる。前記ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,9−デカジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、ビニルノルボルネン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,5−ジビニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンなどが挙げられる。溶媒としては、例えば、前記アルコールをはじめ、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、オルガノポリシロキサン(シリコーンオイル)などが挙げられる。
(C)成分の量は、通常、(A)成分と(B)成分との合計量に対して、白金金属として、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは5〜200ppmである。
(D)反応制御剤〔以下、(D)成分という〕は、本発明のシリコーンインク組成物の保存時におけるヒドロシリル化反応を抑制し、ポットライフを延長させることができる成分である。
(D)成分の代表例としては、アセチレンアルコール系化合物、多官能不飽和基含有化合物などが挙げられる。
アセチレンアルコール系化合物の具体例としては、エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−トリデシン−3−オールなどが挙げられる。多官能不飽和基含有化合物の具体例としては、1,3,5−トリアリルイソシアヌレート、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
(D)成分の量は、硬化速度およびポットライフの観点から、(A)成分100質量部あたり、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.1〜1質量部である。
(E)顔料〔以下、(E)成分という〕は、本発明のシリコーンインク組成物に所望の着色を施すために配合される成分である。
(E)成分としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、赤ベンガラ、黒ベンガラ、チタンイエロー、コバルトブルー、群青などが挙げられる。有機顔料としては、例えば、縮合アゾ系(黄色、茶色、赤色)、イソインドリノン系(黄色、橙色)、キナクリドン系(赤色、紫色)、ジケトピロロピロール系(橙色、赤色、紫色)、アンスラキノン系(黄色、赤色、青色)、ジオキサジン系(紫色)、ベンズイミダゾロン系(橙色)、銅フタロシアニン系(青色)、アリルアマイド系(黄色)などが挙げられる。これらの顔料は、被着体の色調、彩度などを考慮して適宜選択される。
(E)成分の量は、目的とする着色度、隠蔽度に応じて適宜決定することが好ましい。(E)成分の量は、通常、適度な着色度および適度な隠蔽度の観点から、(A)成分100質量部あたり、好ましくは1〜100質量部である。
(F)分散剤〔以下、(F)成分という〕は、本発明のシリコーンインク組成物の顔料分散性を向上させ、インクジェットプリンターヘッドのノズルの目詰まりを防止する成分である。
(F)成分としては、シリコーン変性樹脂を好適に用いることができる。(F)成分の具体例としては、アミノ基含有シリコーンオイル、カルボキシル基含有シリコーンオイル、カルビノール基含有シリコーンオイル、長鎖アルキル基含有シリコーンオイル、片末端(メタ)アクリル基含有シリコーンオイルとラジカル重合性モノマーとの共重合体などが挙げられる。長鎖アルキル基含有シリコーンオイルの炭素数は、好ましくは8〜30、より好ましくは10〜24である。
(F)成分の好適な例としては、一般式:
Figure 0004970987
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12のヒドロキシ置換もしくはハロゲン置換または非置換の1価の炭化水素基、aは0〜100の整数、bは1〜10の整数、cは1〜10の整数、dは1〜10の整数、eは0〜1,000の整数、fは0〜1000の整数、gは0〜1000の整数、hは1〜1000の整数、iは〜100の整数であり、eとfとgとhとの和は10〜4000の整数である)
で表わされるシリコーン変性樹脂が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
6およびR7の例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基などの水酸基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基などが挙げられる。aは好ましくは1〜50の整数、bは好ましくは1〜5の整数、cは好ましくは1〜5の整数、dは好ましくは1〜5の整数、eは好ましくは0〜10の整数、fは好ましくは50〜200の整数、gは好ましくは0〜10の整数、hは好ましくは1〜100の整数、iは好ましくは3〜20の整数である。また、eとfとgとhとの和は、好ましくは50〜500の整数である。
(F)成分の量は、(E)成分の分散安定性および硬化物の物性への悪影響を抑制するという観点から、(A)成分100質量部あたり、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部である。
(G)溶媒〔以下、(G)成分という〕としては、一般に工業用として用いられているものを使用することができる。(G)成分としては、シリコーンゴム成形物表面などへの印刷特性を高め、ハジキなどの発生を抑制する観点から、非極性溶媒が好ましい。
非極性溶媒としては、例えば、飽和炭化水素化合物および低分子オルガノシロキサンが好ましい。非極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリット、工業用ガソリン、(A)成分と(B)成分とのヒドロシリル化付加反応に関与しない無官能性の直鎖状ポリオルガノシロキサン、(A)成分と(B)成分とのヒドロシリル化付加反応に関与しない無官能性の環状ポリオルガノシロキサンなどが好ましく、ヘキサン、ヘプタン、直鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンなどがより好ましい。
前記無官能性の直鎖状または環状オルガノポリシロキサンは、印刷後に溶媒を揮発させる必要があることを考慮して、低沸点(高揮発性)であることが好ましい。また、低沸点(高揮発性)の無官能性の直鎖状または環状オルガノポリシロキサンのなかでは、シリコーンゴム表面などの濡れ性(レベリング性)を高める観点から、圧力666Pa(約5Torr)での沸点が100℃以下である低分子オルガノシロキサンが好ましい。前記低分子オルガノシロキサンの分子中のケイ素原子数(または重合度)は、シリコーンゴム表面などの濡れ性(レベリング性)を高める観点から、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10である。
(G)成分の量は、(E)成分の分散安定性および(E)成分濃度および組成物粘度の観点から、(A)成分100質量部あたり、好ましくは10〜10000質量部、より好ましくは50〜2000質量部、さらに好ましくは100〜1000質量部である。
本発明のシリコーンインク組成物による着色は、眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物を用いてインクジェット方式により眼用レンズ材料全体に着色層を形成した後、該シリコーンインク組成物の着色層を架橋することによって行なうことができる。着色は、一般に使用されているインクジェットプリンターを用いて行なうことができる。インクジェットプリンターの例としては、ピエゾ型ドロップオンデマンド方式、バルブ型ドロップオンデマンド方式、サーマル方式、帯電制御連続方式などが挙げられる。
印刷後には、画像形成されたインク組成物を加熱により架橋させて硬化することができる。加熱によって架橋させるときの加熱温度は、通常、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜150℃である。
本発明において、眼用レンズ材料は、例えば、国際公開第2004/063795号パンフレットに記載されているものなどの公知のものを用いることができ、とくに限定されない。したがって、眼用レンズ材料に用いられるモノマー組成物にも、とくに限定がないが、シリコーン含有不飽和モノマーおよびシリコーン含有マクロモノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーを含有するものが、眼用レンズの機能として求められる高い酸素透過性の観点から好ましい。
シリコーン含有不飽和モノマーおよびシリコーン含有マクロモノマーとしては、例えば、国際公開第2004/063795号パンフレットに記載されているものなどが挙げられる。
また、好適なシリコーン含有不飽和モノマーとしては、例えば、SK−5001(トリス(トリメチルシロシキ)シリルプロピルメタクリレート)、SK−5012(トリス(トリメチルシロシキ)シリルスチレン)、S−502CT((3−メタクリロキシプロピル)ヘプタメチルシクロテトラシロキサン)、S−502FCT((3−メタクリロキシプロピル)トリス(3、3、3−トリフルオロプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン)などが挙げられ、さらに国際公開第2004/063795号パンフレットに記載されているものなどが挙げられる。モノマー組成物におけるシリコーン含有不飽和モノマーの含有量は、得られる眼用レンズの物理的特性および得られる眼用レンズの酸素透過率の観点から、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
好適なシリコーン含有マクロモノマーとしては、例えば、MAUS(ウレタン含有マクロモノマー)、シロキサニルマクロモノマー、特許第2774233号公報記載のポリシロキサンマクロモノマー、国際公開第2004/063795号パンフレット記載のウレタン結合を介してエチレン型不飽和基およびポリジメチルシロキサン構造を有する少なくとも1種の化合物などが挙げられる。モノマー組成物におけるシリコーン含有マクロモノマーの含有量は、得られる眼用レンズの物理的特性および得られる眼用レンズの酸素透過率の観点から、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
なお、モノマー組成物には、必要により、他のモノマーが含まれていてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1〜7および比較製造例1〜3
表1に示した各成分の配合量に従い、製造例1〜7および比較製造例1〜3のシリコーンインク組成物を調製した。なお、上記シリコーンインク組成物の調製に用いた各成分は以下の通りである。
A−1 式(2)タイプ:n=約200
A−2 式(3)タイプ:n=約200、m1=約3
B−1 式(7)タイプ:p=0、q1=約40
B−2 式(8)タイプ:p=約20、q2=約20
C 塩化白金酸/n−ブタノール溶液(白金濃度=2質量%)
D エチニルシクロヘキサノール
E−1 銅−フタロシアニン系青色顔料
E−2 キナクリドン系赤色顔料
E−3 ニトロフェニルアゾ−アミド系黄色顔料
E−4 二酸化チタン(白色顔料)
E−5 カーボン(黒色顔料)
F−1 式(15)タイプ
F−2 式(13)タイプ
F−3 式(12)タイプ
G−1 環状ジメチルポリシロキサン(重合度=5)
G−2 鎖状ジメチルポリシロキサン(重合度=5)
G−3 n−ヘプタン
シリコーンインク組成物の調製は以下の方法により行った。
まず、表1に示した配合量に従い、(C)白金系触媒と(D)反応制御剤以外の各成分を容器に計量し、撹拌してプレミックスを得た。このプレミックスを、0.3mmのジルコニアビーズを充填(85%)したビーズミル(ウィリー・エ・バッコーフェン社製ダイノーミル)に連続式に循環して分散(周速=10m/秒、240分)させ、各インク主剤を得た。
次いで、得られた各インク主剤に、表1に示した量の(C)白金系触媒と(D)反応制御剤を添加し、フィルター精度5μmのプロファイルスター(ポール社製)で濾過することにより、シリコーンインク組成物とした。
Figure 0004970987
実施例1〜4
製造例1で得られたインク組成物を用い、以下の基材からなる眼用レンズ材料に、コモノマーに該インク組成物を添加することによって着色し、着色された眼用レンズ材料を得た。得られた着色された眼用レンズ材料を所望の重合(熱、光などによるラジカル重合)したのち、基材とインク組成物との相溶性を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
〔基材〕
SK−5001:トリス(トリメチルシロキシシリル)プロピルメタクリレート
SK−5012:トリス(トリメチルシロキシシリル)スチレン
MAUS:式:
Figure 0004970987
で表わされるウレタン結合含有ポリジメチルシロキサンマクロマー
〔相溶性の評価基準〕
◎:極めて良好
○:良好
△:やや不良
×:不良
Figure 0004970987
実施例5〜28
製造例1で得られたインク組成物の代わりに、製造例2〜7で得られたインク組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして着色された眼用レンズ材料を得た。得られた着色された眼用レンズ材料について、基材とインク組成物との相溶性を目視にて観察し、実施例1と同様にして評価したところ、実施例1と同様に、各実施例で得られた着色された眼用レンズ材料は、いずれも、本発明のシリコーンインク組成物が用いられているので、均一に着色されていた。
比較例1〜4
実施例1において、インク組成物として、製造例1で得られたインク組成物の代わりに、比較製造例1で得られたインク組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして着色された眼用レンズ材料を得た。得られた着色された眼用レンズ材料について、基材とインク組成物との相溶性を目視にて観察し、実施例1と同様にして評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0004970987
比較例5〜8
実施例1において、インク組成物として、製造例1で得られたインク組成物の代わりに、比較製造例2で得られたインク組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして着色された眼用レンズ材料を得た。得られた着色された眼用レンズ材料について、基材とインク組成物との相溶性を目視にて観察し、実施例1と同様にして評価した。その結果を表に示す。
Figure 0004970987
表1〜3に示された結果から、各実施例で得られた着色された眼用レンズ材料は、いずれも、本発明のシリコーンインク組成物が用いられているので、均一に着色されていることがわかる。

Claims (8)

  1. (A)分子内に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)分子内に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金系触媒、(D)反応制御剤、(E)顔料、(F)分散剤、および(G)溶媒を含有してなる眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物。
  2. (E)顔料が無機顔料および有機顔料からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物。
  3. (F)分散剤がシリコーン変性樹脂である請求項1または2記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物。
  4. (F)シリコーン変性樹脂がアミノ基含有シリコーンオイル、カルボキシル基含有シリコーンオイル、カルビノール基含有シリコーンオイル、アルキル基含有シリコーンオイルおよび片末端(メタ)アクリル基含有シリコーンオイルとラジカル重合性モノマーとの共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項3記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物。
  5. (G)溶媒が圧力666Paでの沸点が100℃以下の低分子オルガノシロキサンである請求項1〜4いずれか記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物を用いてインクジェット方式により眼用レンズ材料全体に着色層を形成した後、該シリコーンインク組成物の着色層を架橋することを特徴とする眼用レンズ材料の着色方法。
  7. 請求項1〜5いずれか記載の眼用レンズ材料用シリコーンインク組成物によって着色された眼用レンズ材料。
  8. その眼用レンズ材料がシリコーン含有不飽和モノマーおよびシリコーン含有マクロモノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノマーを含有するモノマー組成物を重合させてなる請求項7記載の眼用レンズ材料。
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