JP4970173B2 - 平行回転翼を利用した流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、平行回転翼を利用した流体機械の機構に関するものである。
鳥の羽ばたき飛行術は、自然が作り出した最高傑作の一つである。この羽ばたき運動は、近似的に、円筒面上の稜線を回転軸にして遥動しながら平行回転する1枚の要素翼の運動に模擬できる。しかし、1枚では回転バランスを取るのが難しく運動が脈動的になるので、要素翼の枚数を増やしたのが平行回転翼の原理である。
人類は、鳥の飛行術の研究から、飛行機とヘリコプターを実用化してきたが、羽ばたき飛行を模擬する平行回転翼を利用した飛行機の実用化には成功していない。
円筒面の稜線を回転軸とする複数の要素翼を円筒の回転に遅らし回転を重ねる回転翼に関しては、様々な方式が考えられてきている。それらを、円筒1回転中の要素翼の遅らし回転角で分けると、図34に示す3方式に分類できる。
円筒1回転中に要素翼に一回転の遅らし回転を重ねると、要素翼は基本的に平行回転するので、以降、本文では、この方式を平行回転翼と呼ぶ。
回転翼の3方式の一つであるサイクロウイングでは、1回転中の要素翼の遅らし回転がゼロなので、要素翼は回転翼盤に乗って一回転中に360°回転する。そのため、流れの中で回転する要素翼は、表裏一回ずつ、流入気流と直角に交わる。
そのため、サイクロウイングは高速の流れには乗り難い。しかし、飛行速度が小さく、無視できる程度の場合は、周期的な遥動角を重ねると、前側と後側の両方の要素翼に迎角が発生し、空気力を発生できる。
ただし、跳ね上げストロークの要素翼は、打ち下ろしストロークの要素翼と比べて180°回転していて、背面飛行となる。従って、サイクロ回転翼では、キャンバーを付けた翼を用いて僅かな抗力で大きな揚力を発生する揚力利用飛行は上手くいかない。従って、サイクロウイングを用いて鳥の羽ばたき運動を模擬することは難しい。
平行回転翼の応用分野は、潮流発電/送水機、風力発電/送風機、水中回転翼船、船上回転翼船、水面滑空機、飛行機など、多岐に亘るが、この中で技術的に最も困難な分野は飛行機であろう。そこで、本発明では、重要な技術課題を早めに見通すために、応用目標を飛行機に設定した。従って、以下、本発明の説明は、飛行機への利用の形をとって進める。
また、説明の容易のために、図面視野としては、左方向に前進する飛行機を横から見る左側面図を基本とする。回転翼と要素翼の回転角および迎角の取り方については、図24に示すように定義する。
特許情報によると、回転翼とその応用に関しては、様々な発明がなされているが、実用的で様々な流体機械に応用できる、平行回転翼とそれを飛行機へ応用するための付随機構は、まだ提供されていない。
鳥は、羽ばたき飛行中に、推力と揚力を得ながら翼を下死点に向かって打ち下ろすストロークと、揚力低下を防ぎながら翼を上死点に跳ね上げるストロークを繰り返しているが、この間に、水平方向に対する翼の傾斜角度も変えており、この変化は、急加速、ホバリング、急制動などでは、特に大きい。
このような鳥の羽ばたき運動を、近似的に、周期的に遥動しながら平行回転する複数の要素翼の運動に置き換え、平行回転、遥動、偏心割出しの3つを組み合わせた機構で模擬しようとする発明が、僅かではあるがなされてきている。
しかし、飛行機に利用でき、近似的に、鳥の打ち降ろしストロークと跳ね上げストロークに匹敵する動作と効果が得られる、実用的な迎角制御機構は、まだ提供されていない。
特許文献1の発明は、1975年に出願されたフランス特許で、本発明と同じく、平行回転、遥動、偏心割出しの3つを組み合わせた機構の一つである。平行回転にはタイミングベルトとプーリー、遥動には天秤リンク、偏心割り出しには偏心リングを用いているが、要素翼数は2枚である。発生空気力を大きくするために要素翼枚数を増やすことが、この方式では機構が複雑で大きくなり過ぎて難しいと思われる。
より多くの要素翼を駆動できる、シンプルでコンパクトな平行回転翼の機構は、まだ提供されていない。
特許文献2の発明は、1991年に、同じくフランス人によって日本に出願された平行回転翼を飛行機に応用する特許であるが、要素翼毎に空気圧サーボを使って迎角を制御する機構を採用しており、回転円盤部分の構造は、重く高コストになると思われる。
飛行機にとって、軽量化は機能上の、また、低コスト化は商品化上の基本的な命題であるが、低コスト化と軽量化が図れる迎角制御機構は、まだ提供されていない。
特許文献3の発明は、1997年に日本人によって出願された、偏心量を遥動回転に変換する4節リンクを重ね合わせた機構を用いたサイクロジャイロ翼の特許である。
4節リンク機構を用いている点では、本特許とこの特許は、原理的に同じであるが、要素翼毎に軸方向にオフセット量が異なる偏心制御棒を束ねて偏心軸に嵌合しているため、実際の設計では、幅方向に大きなスペースを取られると推定される。
全ての要素翼の偏心制御棒を、小さなスペースで、作動平面を共有して偏心運動させられる迎角制御機構は、まだ提供されていない。
さて、ヘリコプターでは、水平面内でローターブレードを旋回させているため、ローター回転の反力を相殺することと、向かい風と追い風による左右ローターブレードの発生揚力の違いを調節することに多くの技術的な努力が払われてきた。
これに対して、平行回転翼を用いた飛行機では、円筒面の稜線上に等分に複数の要素翼を配置した平行回転翼を、横方向を軸に回転させるため、要素翼は上半分では向かい風を、下半分では追い風を受ける。
特に、始動時には、下死点付近においては、回転する要素翼は後方から風を受ける。このような条件では、要素翼に発生する揚力と抗力の方向が、前から風を受ける場合と逆になり、平行回転翼を右回転させる回転モーメントが発生する。従って、全要素翼の総和である平行回転翼の揚力も低下する。
しかし、飛行状態に入ると、下死点付近の要素翼が受ける風速は、回転速度から飛行速度を差し引かれて小さくなり、発生する空気力も小さくなる。更に飛行速度が増すと、下死点付近の要素翼も走行風を受けて揚力を発生するようになる。
迎角制御が不十分な場合は、跳ね上げストロークの要素翼が負の迎角を取り、逆方向の空気力を発生する。これも、平行回転翼を右に回転させる回転モーメントを発生し、飛行機を前上げ方向に回転させてしまう。特許文献2の飛行機では、この対策のためか、補助回転翼を飛行機の先端部分にも付加している。
平行回転翼を利用した飛行機の最大の難課題は、負の迎角の発生に起因する機体の前上げ回転の発生防止であろう。
負の迎角が発生する条件では、要素翼の回転をフリーにして、風を逃がしてしまう機構が、特に、抗力を利用する水力機械に利用される回転翼では良く採用されている。しかし、空力機械では、要素翼を特別に軽量化しないと、要素翼に働く遠心力が空気力より大きくなってしまうので使えない。
飛行機に対して、不用意にこれを用いると飛行の安定性が損なわれるので、負の迎角の悪影響を緩和する新しい方策を見つけ出さないと、平行回転翼を飛行機に利用する見通しは立たない。
負の迎角の発生を抑えるために、様々な配慮を織り込んで設計したとしても、様々な飛行条件に遭遇する飛行機では、全ての要素翼が全く負の迎角を取らないようにすることは、極めて困難であろう。この領域に対しては、予知、予防、回避、事故時の被害軽減などの実用安全上の配慮が必要となる。
実際、鳥も負の迎角を発生する飛行条件を避けられないので、翼の機構や構造には、そのためと思われる配慮が確りと織り込まれているが、繊細で複雑に過ぎて、そのまま真似ることは難しい。しかし、商品化に繋げるためには、緊急時や事故時の安全性の確保については、予め、十分に考察しておく必要がある。
一方、特許文献2の発明では、飛行速度をフィードバックし、要素翼毎の空気圧回路で演算処理してサーボアクチュエーターを動かし、最適な迎角を取る制御をしているようである。この機構によれば、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角を最適値にする制御が原理的に可能かも知れない。
しかし、できれば、剥離を招かず、また、過大な負の揚力を発生しないように要素翼の傾斜角を補正できる機械的な機構が望ましいが、それは、まだ提供されていない。
特許文献1の発明では、要素翼毎のサーボ機構には頼らずに、偏心リングで検出した偏心信号を遥動回転に変換して平行回転に重ねて傾斜角を周期的に変えている。しかし、これだけでは、打ち下ろしストロークの傾斜角と跳ね上げストロークの傾斜角を大きさが等しく方向が反対にするところまでしか制御できない。
跳ね上げストロークにおける傾斜角の割り増しの必要性は、鳥の飛行術からも推定される。打ち下ろしている翼の後には、吹き降ろしの後流が発生している。連なって飛行している渡り鳥の後続鳥は、この吹き降ろしによる気流の乱れが周囲の空気によって復元されるときに発生する上昇気流を捕らえて省エネ飛行をしている。
しかし、水平回転翼の場合は、跳ね上げストロークの要素翼は、直前に先行する打ち下ろしストロークの要素翼が作る吹き降ろし気流を、そのまま、流入気流として受けることになる。このため、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角は、吹き降ろし効果による流入角の変化分だけ大きめに補正される必要がある。これは実際の鳥にはない、平行回転翼の原理構造から派生した問題である。
平行回転翼では、上死点の要素翼は、風速と回転速度のベクトル和を速度とする気流を受ける。そして、揚力が流入気流速度の2乗に比例するため、上死点付近では、最も大きな揚力が発生できるので、この付近では、最適な正の迎角を確保する。そのための方法の一つとして、上死点の要素翼が最適な正の迎角となるように、平行回転翼の取付け角を、予め、負の方向に回転しておく。これにより、要素翼の傾斜角は、取り付け角の分だけ、跳ね上げストローク側では大きくなり、打ち下ろしストローク側では小さくなる。
一応、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角の割り増しには成功しているが、しかし、水平回転翼全体でみると空気力の方向が変わり、推力が減少してしまう。鳥は、この問題を、打ち下ろし傾斜角の調整や翼の付け根部分と先端の部分で迎角を変えることによって補っているようである。また、鳥は、舞い上がり時や着陸時に、意図的に負の迎角を発生させて強い離水揚力を得たり、制動力を得たりしているように見える。平行回転翼も、関連ファクターの連携した調整により、色々な飛行モードに応じて、負の迎角の発生防止と推力の安定確保が両立する条件を選べなければならない。
跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角を、絶対値で、打ち下ろしストロークの要素翼の傾斜角より大きめにできる実用的で機械的な迎角制御機構は、まだ提供されていない。
渡り鳥の定常飛行を見ていると、羽ばたき中の翼の傾斜角変化はそれ程大きくないように見えるが、跳ね上げストロークでは風切り羽を弾性的に撓ませて、羽と羽の隙間を広げて空気を逃がしているので、実際の翼の回りの流れでは、翼の傾斜角は大きくなっている。しかし、平行回転翼では、応用する機械やその使用条件によっては負の迎角の発生は避けらず、実用的な妥協の方策も探るべきである。
妥協の方策まで配慮した、平行回転翼を飛行機に応用した場合に最適な、有害な負の迎角の発生を避けるため、または、発生した場合にその悪影響を緩和するための、弾性的な機構を付加した要素翼は、まだ提供されていない。
鳥は、突風に煽られたり、急制動を掛けたり、急降下で天敵の攻撃をかわす時などに、翼を前後に移動させて、重心と揚力中心の距離を変えて姿勢角を制御している。
また、鳥は口に重い餌をくわえたときや、足に獲物を鷲掴みにして飛行するときにも、翼の前後位置を調整しているが、飛行機の場合も積載重量の変化が生じる。そこで、機体の姿勢角制御と重心調整のための機構は、平行回転翼を用いた飛行機にも必要となる。
これらの点を配慮した、平行回転翼を搭載した飛行機に最適な姿勢角制御機構は、まだ提供されていない。
大型の水鳥は、離水の際に水掻きで水面を蹴って助走し羽ばたき飛行に移行する。この時の水鳥は、抗力を利用して水を蹴っている。流体が空気に比べて1000倍の密度をもつ水なので、小さな水掻きでも、体を浮かせ前進させることができる。
揚力は速度の2乗に比例するので、助走無しで飛行に移るためには、大きな遥動角を必要とするが、鳥の水掻きに相当する離着水機構が利用できれば、その分、最大遥動角を小さくでき、迎角制御機構の設計が改善される。
この点を配慮した、平行回転翼を搭載した飛行機のために最適な離着水機構は、まだ提供されていない。
仏国特許出願公開第2309401号明細書 特開平3−57796 公報 特開2004−224147 公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、実用的で様々な流体機械に応用できる、平行回転翼とそれを飛行機へ応用するための付随機構を提供しようとするものである。
鳥の羽ばたき運動を、近似的に、周期的に遥動しながら平行回転する複数の要素翼の運動に置き換え、平行回転、遥動、偏心割出しの3つを組み合わせた機構によって模擬しようとする発明がなされてきているが、実用的な機構は、まだ提供されていない。
そこで、本発明は、飛行機に利用でき、近似的に、鳥の打ち降ろしストロークと跳ね上げストロークに匹敵する動作と効果が得られる、実用的な迎角制御機構を提供しようとするものである。
特許文献1の発明は、本発明と同じく、平行回転と遥動と偏心割出しを組み合わせた機構の一つである。平行回転にはベルトとプーリー、遥動には天秤リンク、偏心割り出しには偏心リングを用いているが、要素翼は2枚であり、要素翼の枚数を増やすのは、機構が複雑になり、設計上容易ではない。
そこで、本発明は、より多くの要素翼を駆動できる、シンプルでコンパクトな平行回転翼の機構を提供しようとするものである。
特許文献2の発明は、本発明と同じ平行回転翼のひとつであるが、要素翼毎に空気圧サーボアクチュエーターを用いて迎角を制御しており、回転部分の構造が重く複雑なものになっている。また、コスト、重量が大きくなり実用的な飛行機に利用するのは難しい。
そこで、本発明は、低コスト化と軽量化が図れる迎角制御機構を提供しようとするものである。
特許文献3の発明は、偏心角と偏心量を各要素翼の遥動角に変換するために4節リンク機構を用いている点は、本発明と同じであるが、設計的には、要素翼毎に軸方向にオフセットさせた偏心制御棒を束ねて偏心軸に嵌合させているので、幅方向のスペースが大きくなる欠点がある。
そこで、本発明は、全ての要素翼の偏心制御棒を、小さなスペースで、作動平面を共有して偏心運動させられる迎角制御機構を提供しようとするものである。
平行回転翼では、鳥と同じように、1回転中に要素翼の傾斜角を遥動させて適正な迎角を確保しながら、全ての要素翼を走行風を受ける方向に向けて飛行することができる。しかし、これまでの平行回転翼では、飛行モードによっては、跳ね上げストロークで、過大な負の揚力の発生を免れていない。
そこで、本発明は、剥離を招かず、また、過大な負の揚力を発生しないように要素翼の傾斜角を補正できる機械的な機構を備えた平行回転翼を提供しようとするものである。
跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角は、吹き降ろし効果による流入角の減少分だけ大きめにするように補正してやる必要がある。
平行回転翼では、上死点付近で効率よく揚力を発生させるために、最適な正の迎角を確保する。そのために、上死点の要素翼が最適な正の迎角をとるように、平行回転翼の取付け角を負の方向に回転してやると、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角は、負の迎角の発生を抑える方向に変化する。しかし、同時に、平行回転翼全体としては発生空気力の方向も変わり、全体推力が減少してしまう。そこで、全体推力の減少を防ぎながら、跳ね上げストロークの要素翼に過大な負の迎角を発生するのを防止する必要がある。
そこで、本発明は、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角を、絶対値で、打ち下ろしストロークの要素翼の傾斜角より大きめにできる実用的で機械的な迎角制御機構を提供しようとするものである。
様々な過酷な使用条件に遭遇する飛行機では、あらゆる条件において有害な負の迎角の発生を避けることは難しい。
そのために、本発明は、平行回転翼を飛行機に応用した場合に最適な、有害な負の迎角の発生を避けるため、または、発生した場合にその悪影響を緩和するための、弾性的な機構を付加した要素翼を提供しようとするものである。
平衡回転翼を飛行機に応用した場合には、飛行条件の急変、飛行モードの変化、積載重量や重量分布の変化などに対応して、姿勢角を立て直し適正に保つ機構が必要となる。
そこで、本発明は、平行回転翼を搭載した飛行機に最適な姿勢角制御機構を提供しようとするものである。
大型の水鳥は、離水の際に水掻きで水面を蹴って助走し、羽ばたき飛行に移行する。この水鳥の水掻きに相当する離着水機構が利用できれば、その分、迎角制御機構の設計が改善される。
そこで、本発明は、平行回転翼を搭載した飛行機のために最適な離着水機構を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、円筒面の稜線を回転軸とする複数の要素翼軸を回転翼盤上に配置した回転ユニットを支持ユニットで回動自在に支える回転翼において、それぞれの要素翼軸が、支持ユニットの構成部品である太陽歯車の周りを回転しながら、太陽歯車と噛み合いそれぞれの要素翼軸に角度を変換して伝達する歯車列によって同じ回転角度戻るようにした平行回転翼において、支持ユニットの部品として太陽歯車と偏心リングを取り付け、太陽歯車と同軸で回動する回転翼盤に太陽歯車と噛み合う複数の歯車列を取り付け、各歯車列の中の複数の遊星歯車を回動自在に結合するリテーナリングを設け、一方、偏心リングを挟んで運動するローラーセットを設け、リテーナリングの突出部分の嵌合穴とローラーセットの突出部分の嵌合穴とをジョイントピンで回動自在に嵌合し、太陽歯車の中心と偏心リングの中心とジョイントピンの中心とリテーナリングの中心とで4節リンクを形成し、回転翼盤の回転に伴って発生するリテーナリングの遥動回転を歯車列の中で歯車列の先端の翼ピニオンの1回転中の遥動回転に変換し、回転翼盤の回転に伴って歯車列の中でリテーナリングと噛み合って回転する遊星歯車によって、回転円盤が1回転する間に翼ピニオンを1回転逆回転させる回転伝達率を持った歯車列の中で歯車列の先端の翼ピニオンの戻し回転に翼ピニオンの遥動回転を重ねたことを特徴とする平行回転翼を利用した流体機械である。
また、請求項2記載の発明は、回転翼の回転ユニットを支える支持ユニットに取付けられている、太陽歯車を固定した太陽歯車軸の回転角度位置を変えることにより、全ての要素翼の取付け角度を同時に変える機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の平行回転翼を利用した流体機械である。
また、請求項3記載の発明は、真円の偏心リングとそれを内外から挟んで転動するローラーセットにおいて、偏心リングの内外軌道断面は中心を共有する同心円の円弧で形成し、偏心リングの膨らみ円弧と接するローラーの外径断面は偏心リングの円弧より大きめなへこみ円弧または直線で形成し、偏心リングのへこみ円弧と接するローラーの外径断面は偏心リングの円弧より小さめな膨らみ円弧で形成したことを特徴とする偏心リングとローラーセットを用いた平行回転翼を利用した流体機械である。
また、請求項4記載の発明は、前後方向にスライドする取付け台に平行回転翼を取付けたことを特徴とする請求項1、2に記載の平行回転翼を利用した流体機械を利用した流体機械である。
また、請求項5記載の発明は、回転翼盤上の円筒面の稜線を回転軸とする複数の要素翼を、それぞれの歯車機構により一回転中に半回転戻すようにした水掻き回転翼を装着したことを特徴とする請求項1、2に記載の平行回転翼を利用した流体機械である。
また、請求項6記載の発明は、ガイドベースとスライダーを持つ取付け台において、平行回転翼の駆動装置をガイドベース側に、平行回転翼をスライダー側に取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の平行回転翼を利用した流体機械である
回転翼の方式として、回転円盤に乗って回転する要素翼の回転を、1回転中に1回転戻す平行回転翼を採用したので、キャンバー付きの翼型を効率よく利用して空気力を発生できる。
従って、本発明の平行回転翼とそれを飛行機へ応用するための付随機構を用いれば、飛行機以外の様々な流体機械への応用も容易となる。
本発明は、鳥の翼の羽ばたき運動を分解し、それぞれの工程を複数の要素翼に分担させる機構である。従って、本発明の平行回転翼は、飛行機に利用でき、近似的に、鳥の打ち降ろしストロークと跳ね上げストロークに匹敵する動作と効果が得られる、実用的な迎角制御機構を提供している。
本発明は、一つの太陽歯車から放射状に展開する要素翼毎の歯車列によって平行回転に遥動回転を乗せることができ、遥動のための偏心信号も、一つの真円偏心リングからそれぞれの要素翼へ共通の平面内で伝えられるようにした。
従って、本発明は、より多くの要素翼を駆動できる、シンプルでコンパクトな平行回転翼の機構を提供している。
本発明は、基本的に、偏心リングからの信号を遥動回転に変換して平行回転に乗せる機構であるが、その基本構造を踏まえて、太陽歯車軸の回転位置を変えて、要素翼の取り付け角を臨機に変えられるようにし、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角の割り増しに利用できるようにした。
従って、本発明は、低コスト化と軽量化が図れる迎角制御機構を提供している。
本発明は、一つの真円偏心リングから全ての要素翼へ、共通の平面内で偏心量を遥動量に変換するリンケージを形成した。
従って、本発明は、全ての要素翼の偏心制御棒を、小さなスペースで、作動平面を共有して偏心運動させられる迎角制御機構を提供している。
本発明は、基本的に、一つの偏心リングから、それぞれの要素翼毎に偏心量を検出し、それを遥動量に変換し平行回転に乗せる機構であるが、それを踏まえて、太陽歯車軸を回転割出し可能にして要素翼の取り付け角を変えられるようにするとともに、要素翼の遥動回転角をゼロに戻す回転翼の回転角度位置である偏心軸傾斜角も関係をとって調節することによって、平行回転翼全体としての推力を減少させずに跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角の割り増しができるようにした。
従って、本発明は、剥離を招かず、また、過大な負の揚力を発生しないように要素翼の傾斜角を補正できる機械的な機構を備えた平行回転翼を提供している。
併せて、本発明は、跳ね上げストロークの要素翼の傾斜角を、絶対値で、打ち下ろしストロークの要素翼の傾斜角より大きめにできる実用的で機械的な迎角制御機構を提供している。
要素翼軸7の位置を要素翼6の翼弦の前端部に移動し、要素翼軸7と翼ピニオン18の間にバネとストッパーを介在させて嵌着した機構を取り付けられるようにした。ただし、この機構は、コストを上げ、迎角制御を不安定にする恐れがあり、失速や抗力の利用も難しくする逆効果も持つので、応用する機械や使用条件によって選ぶべきである。飛行機にこの機構を利用するには、要素翼を軽量化し、重心を翼弦の25%の位置に近づけることが望ましい。
従って、本発明は、平行回転翼を飛行機に応用した場合に最適な、有害な負の迎角の発生を避けるため、または、発生した場合にその悪影響を緩和するための、弾性的な機構を付加した要素翼を提供している。
本発明は、機体の上部で前後方向に位置を割出す機構を備えた取付け台に平行回転翼を取付け、揚力中心と機体重心の間の距離を可変にすることによって、機体の姿勢角を制御できるようにした。
従って、本発明は、平行回転翼を搭載した飛行機に最適な姿勢角制御機構を提供している。
本発明は、円筒面上に稜線を遥動回転軸とする複数の要素翼を配し、それぞれの要素翼を歯車機構により一回転中に半回転戻す、水掻き回転翼をモーターで駆動できるように装着し、離水時の助走と着水時の水面制動に利用できるようにした。
従って、本発明は、平行回転翼を搭載した飛行機のために最適な離着水機構を提供している。
先ず、以下に、本発明の一実施形態に係る回転翼1を、図1〜3、図20に基づいて説明する。
本発明の回転翼1は、回転ユニット2と支持ユニット3とから構成されている。回転ユニット2には、回転翼盤4と回転翼端盤5との間の外周に近い円筒面上に稜線を回転軸とする、複数の要素翼6が、それぞれの要素翼軸7に串刺しされる形で取付けられており、回転翼盤4の内部には、それぞれの要素翼6を周期的に遥動しながら回転させる歯車列8が形成されている。
回転ユニット2は支持ユニット3に回転自在に取り付けられている。支持ユニット3には、回転ユニット2内の歯車列8にリンクを介して遥動角に変換して伝えられる偏心量と偏心角を割出すための偏心割出し機構9が装着されている。支持ユニット3は機体10に取付けられる。回転ユニット2は、機体10の側から動力を受けて回転する。
回転翼盤4には、支持ユニット3の中央に係止されている太陽歯車11と噛み合って放射状に展開する、要素翼6ごとの歯車列8が組み付けられている。各歯車列8では、太陽歯車11の外側に従動歯車12が噛み合わされている。従動歯車12には同軸に内歯歯車13が形成されていて、その内歯歯車13には、互いにリテーナリング14で回動自在に連結された複数の遊星歯車15が噛み合わされており、それらの遊星歯車15は、従動歯車12と同軸で遊動する反転歯車16に噛み合わされている。反転歯車16には同軸にオフセットさせて反転ピニオン17が固定されており、その反転ピニオン17から、要素翼6の一部である要素翼軸7に固定された翼ピニオン18にチェーン19が掛けられている。
遊星歯車15を回動自在に嵌合しているリテーナリング12が遥動しない時には、各要素翼6が回転翼盤4に乗って回転する回転角は、それぞれの歯車列8の中で反転され、同じ回転角だけ戻される。従って、各歯車列8は、基本的に、各要素翼6を初期に設定された取り付け角を保ったまま平行回転させる機構となっている。
歯車列8の歯車設計について図20を使って説明する。
1)太陽歯車11は、自由には回転せず、ユニット3内に係止されている。
2)回転翼盤4を、α1°左に回転すると、回転翼盤4上の全ての部品は、α1°左に回転させられる。
以下、歯車列8内での各歯車の回転角と回転方向について、回転伝達経路を追って説明する。
3)従動歯車12は、太陽歯車11と噛み合っているので、α2°左に回転する。太陽歯車11のピッチ円直径をD1、従動歯車12のピッチ円直径をD2とすると、α2は、
Figure 0004970173
4)偏心リング20の偏心量eがゼロの場合は、偏心リング20を挟んで回動するローラーセット21が法線方向に動かず、ローラーセット21のアーム先端部分にジョイントピン22によって回転自在に嵌着されているリテーナリング12のアーム先端部分は遥動しない。従って、リテーナリング12は、歯車列8内では遥動回転しない。
5)従動歯車12と同軸に形成された内歯歯車13の回転角は、従動歯車12の回転角と同じα2°である。遊星歯車15は、内歯歯車13に噛み合い、歯車列8内でαd°左に回転させられる。内歯歯車13のピッチ円直径をD3、遊星歯車15のピッチ円直径をdとすると、αdは、
Figure 0004970173
6) 反転歯車16のピッチ円直径をD4とすると、反転歯車16が遊星歯車15によって右に回転させられる角度α4°は、
Figure 0004970173
・ 反転歯車16と同軸に形成された反転ピニオン17は、反転歯車16と同じα4°右に回転する。
8) 翼ピニオン18は、反転ピニオン17に巻かれたチェーン19によってα6°右に回転させられる。反転ピニオン17のピッチ円直径をD5、翼ピニオン18のピッチ円直径をD6とすると、α6は、
Figure 0004970173





従って、
Figure 0004970173
となるように歯車列8を設計した場合は、
Figure 0004970173
以上の関係から、翼ピニオン18は、回転翼盤4に乗ってα1°左に回転しても、リテーナリング12が歯車列8内で遥動しない限り、歯車列8内で、従動歯車12以下の回転角伝達系によってα1°右に回転し、戻される。従って、各要素翼6は初期の取り付け角を保ったまま、基本的に平行回転する。
次に、図2、図3を使って、平行回転する要素翼に周期的に遥動回転を付加する機構について説明する。これは、打ち降ろしストロークと跳ね上げストロークとで要素翼の傾斜角αを変化させるための機構である。図18、図19に示すように、遥動角度と方向は、偏心割出し機構9で割出される偏心量eと偏心角度ηから、次のようにしてリテーナリング12の遥動角に変換される。
図1、図3に示すように、遊星歯車15を結合しているリテーナリング12からはアームが突き出されており、その先端部はローラーセット21から突き出されているアームの先端部分とジョイントピン22で回動自在に結合されている。
ローラーセット21には3個以上のローラー23が回動自在に嵌合されており、それらが偏心リング20を挟んで回動し、偏心リング20の回転中心を中心として回転するので、偏心量eと偏心角度ηはローラーセット21の動きに変換され、更に、リテーナリング12の動きに変換される。
偏心量eと偏心角度ηは、別途、支持ユニット3に取り付けられている偏心割り出し機構9によって割出される。
リテーナリング12の中心とそのアーム先端部のジョイントピン22の中心とを結んだ線と、偏心リング20の中心とローラーセット21のアーム先端部のジョイントピン22の中心とを結んだ線は、ほぼ、直角になるように設計される。そのため、偏心リング20を挟んで回動するローラーセット21の動きは、リテーナリング12のアーム先端部のジョイントピン22の中心とリテーナリング12の回転中心の間の距離をアーム半径とした、リテーナリング12の遥動回転に変換される。
偏心量eと偏心角度ηが与えられるとリテーナリング12は、与えられた偏心量eと偏心角度ηから4節リンクによって変換された遥動角で、遊星歯車15の中心を結んだ円周上を周期的に遥動する。この遥動は内歯歯車13に対して遊星歯車15を遥動回転させ、遊星歯車15に噛み合った反転歯車16を遥動回転させ、反転ピニオン17、チェーン19を介して翼ピニオン18に伝えられて、各要素翼6を遥動させる。
図4に示すように、鳥は揚力を確保しながら前進するときに、跳ね上げストロークでは羽の隙間から空気を逃がして、流れの剥離とそれによる過大な抗力の発生を防いでいる。本発明の回転翼1では、偏心割り出し機構9で割出される偏心量を起点に、それを全ての要素翼6の周期的な遥動回転運動にまで変換して、跳ね上げストロークでの要素翼6の前上げ傾斜角を増加させて、大きな負の迎角の発生を抑制している。その作動を順を追って説明する。
まず、回転ユニット2を機体10のモーターから動力を受けて回転させると、回転翼盤4に組み込まれた複数の要素翼6は、それぞれに、歯車列8の噛み合いによって回転させられる。
同時に、偏心リング20の偏心量eと偏心角度ηが、偏心割り出し機構9により割り出される。
割り出された偏心量eと偏心角度ηは、3個以上のローラー23で偏心リング20を挟んで走るローラーセット21の動きに変換され、ローラーセット21から突起したアームの先端部分とリテーナリング12から突起したアームの先端部分のジョイントピン22を介して、遊星歯車15を連結しているリテーナリング12に伝えられる。
リテーナリング12は、回転角度位置によって変動するジョイントピン22の動きに応じて、遊星歯車15の中心を結ぶ円周上を遥動する。この遥動は遊星歯車15に従動する反転歯車16を経由して反転ピニオン17に伝わり、更に、チェーン19を介して翼ピニオン18に伝えられて、各要素翼6を周期的に遥動させる。
回転翼盤4が回転すると、従動歯車12が、支持ユニット3内で係止されている太陽歯車11を駆って、回転翼盤上で回転する。従動歯車12と同軸の内歯歯車13は従動歯車12と同じ角度を回転翼盤4上で回転する。その内歯歯車13に噛み合っている遊星歯車15が、内歯歯車13を駆って反転歯車16を反転させる。
この時、リテーナリング12は、回転翼盤4の回転位置に応じて内歯歯車13の回転と反転歯車16の間で伝達される回転角を加減(差動)し、周期的に要素翼6の回転角度を進め、または、遅らせる。反転歯車16の回転は、同軸に固定されている反転ピニオン17に伝えられ、そこから更に、チェーン19によって、要素翼軸7に取付けられた翼ピニオン18に伝えられる。
図15に示すように、要素翼6の取り付け角γは、飛行機では、飛行モードに応じて変える必要がある。そのために、太陽歯車11を固定した太陽歯車軸26の回転角度位置をウオーム歯車機構などで割出して、支持ユニット3内で可変に係止することにより、全ての要素翼6の取付け角γを同時に変えられる機構とした。ただし、応用する機械や使用条件によっては、取り付け角γを最適値に固定できるのでこの機構は不要である。
図8、図9に示すように、平行回転翼をコンパクトにするための決め手になっているのは、一つの偏心リング20を挟んで、複数のローラーセット21が、同一平面状で、同時に移動できるようにしたことにある。この機構が成り立つかどうかは、ローラーセット21の倒れのコントロール(規制と許容)と運動の滑らかさの確保に掛かっている。
この点に対してどれだけの配慮が必要かは、応用機械や使用条件によって決まるが、最も厳しく軽量でフレキシブルな機構と構造を要求される飛行機を想定して、ローラー23と偏心リング20の接触面に、調心性と追従性をもたせた設計を準備した。
図8に示すように、真円の偏心リング20とそれを内外から挟んで転動するローラーセット21において、偏心リング20の内外軌道断面は中心を共有する同心円の円弧で形成し、偏心リング20の膨らみ円弧と接するローラー23の外径断面は偏心リング20の円弧より大きめなへこみ円弧または直線で形成し、偏心リング20のへこみ円弧と接するローラー23の外径断面は偏心リング20の円弧より小さめな膨らみ円弧で形成した偏心リング20とローラーセット21を準備した。
図4、図5に示すように、鳥の羽ばたきでは、推力と揚力を得ながら翼を下死点に向かって打ち下ろすストロークと、揚力低下を防ぎながら翼を上死点に跳ね上げるストロークとで、水平方向に対する要素翼の傾斜角αをあまり変えていないように見えることも多い。
しかし、実際には、跳ね上げストロークでは、翼全体を捩り、風切り羽間の隙間を広げて空気を逃がして、見掛け以上に大きな傾斜角を確保していると推定される。これは、要素翼6の傾斜角αを大きく変えることにより模擬できる。
また、図6に示すように、要素翼6を、鳥の翼に習って撓みや引っ掛かりを利用し、要素翼軸7と翼ピニオン18の間にバネとストッパーを介在させる機構が考えられる。ただし、この機構は、コストを上げ、迎角制御を不安定にする恐れがあり、失速や抗力の利用も難しくするので、応用する機械や使用条件によって選ぶべきである。
本発明の回転翼1では、鳥の羽のような微妙な機構と構造は避けて、要素翼6の傾斜角αを周期的に変動させることにより、近似的に、鳥の打ち降ろしストロークと跳ね上げストロークに近い効果を得るようにする方法を追求した。そのために、歯車列8に、要素翼6の回転を周期的に遥動させる機構を織り込んだ。
更に、鳥は、急加速、急上昇などの、強い跳ね上げストロークでは、風切り羽の隙間だけでなく、風切り羽同士の間隔も広げて空気を逃がしているように見える。しかし、このような機構は複雑に過ぎ、空力機械の機構としては採用困難である。
そこで、本発明では、負の迎角が発生し、過大な抗力が生じ易い跳ね上げストロークでは、太陽歯車を逆回転させて取り付け角γを増やし、更に、偏心量eを大きくして遥動角δを増やし、飛行速度Vtに応じて編心軸傾斜角βと回転速度Vrを相互に連携をとりながら変えることにより、打ち下ろしストロークの要素翼6の傾斜角αに比べて跳ね上げストロークの要素翼6の傾斜角αを絶対値で大きくできるようにした。
これによって、回転翼1全体としては必要な空気力を確保しながら、跳ね上げストローク側の要素翼6に負の迎角が発生し、回転翼1に過大な頭上げモーメントが発生することを防止または軽減している。迎角制御ファクターとそれらの関係については、図18、図19、図20、図21、図22、図23で説明している。
図16に示すように、特に、平行回転翼を利用した飛行機では、前上げ回転の制御が安全上の最重要課題である。そのための方策の一つとして、揚力を発生している平行回転翼を、前後方向に位置を変動させる機構を備えた取付け台に載せ、機体の重心と揚力中心との距離を調節することにより前上げ回転を止め、姿勢角を正すことを可能にしている。
平行回転翼を利用した飛行機では走行風を空気力の発生に積極的に利用できるが、始動時には走行風が得られないので回転翼1の回転速度を上げて、必要な推力と揚力を確保しなければならない。この時に別の手段で助走できると、平行回転翼の設計は改善できる。そこで、図16、図17、図34に示すように、助走によって離水を容易にすることを主目的に、水掻きを模擬した回転翼を利用することが考えられる。具体的には、円筒面の稜線を回転軸にする複数の水掻き用要素翼30を配し、それぞれの水掻き用要素翼30を歯車機構により一回転中に半回転戻すようにした水掻き回転翼29を利用する。
基本的には、常用運転条件の範囲内では、跳ね上げストロークの要素翼6には逆回転方向のモーメントを発生させないように設計することが望ましい。そのために、設計上、次項を配慮する。
1)キャンバーを持つ翼には、迎角がゼロないしは小さな負の迎角の範囲では、負の揚力は発生しない特性がある。できればこの性質の強い翼型を選ぶ。
2)遊星歯車15を使った遥動機構によって、要素翼6は、基本的に、跳ね上げストロークでの負の迎角の発生を少なくする方向に遥動できる。
3)始動時には、流入速度はゼロから立ち上がるが、加速に伴い流速が上がり、より大きな空気力を発生できるようになる。
4)前側の要素翼6によって、後側の要素翼6の流れが影響を受ける。
5)太陽歯車軸26の回転角を調節して全要素翼6の取り付け角γを同時に変えることによって、負の迎角の発生を少なくする制御ができる。
6)偏心軸傾斜角βを取り付け角と併せて変えることによって、取り付け角γの変更により発生する推力の低下を少なくする制御ができる。
7)僅かな負の迎角は実害が小さい範囲に留まれば許容できる。
平行回転翼では、上死点の要素翼6は、風速と回転速度のベクトル和の流入速度の気流を受ける。揚力は流入速度の2乗に比例するので、上死点付近では、最も大きな揚力が発生できるので、この付近では、適正な正の迎角を確保したい。そのための方法の一つとして、平行回転翼の取付け角γを、上死点の要素翼6が最適な迎角となるように負の方向に回転してやる。この場合には、跳ね上げストロークの要素翼6の傾斜角αは、他の全ての要素翼6と一緒に、取り付け角γを回転した分だけ大きくできる。
しかし、同時に、回転翼1全体としての推力が減少する傾向になる。それを防ぐためには、遥動角がゼロになる角度位置を規定する偏心軸傾斜角βを正の方向に傾斜させてやる。併せて、最大遥動角も調節することによって、跳ね上げストロークの要素翼に過大な負の揚力を発生させずに、必要な推力と揚力を確保できる条件を選ぶことができる。図21、図22、図23にその関係式と計算例を示す。
跳ね上げストロークの要素翼6の迎角が大きな負の値になると、要素翼6に剥離が起こり、大きな負の抗力(推力)と負の揚力が発生し、平行回転翼全体としての前上げ回転モーメントが増大する。この現象は、不用意に発生すると、機体を急速に前上がりに回転させ、飛行を困難にする。しかし、鳥は、これを意図的に発生させて離水時の浮上や着水時の制動に利用している。
飛行機の始動から停止までの運転モードとその時の飛行速度を想定し、回転速度と各要素翼の遥動角δをパラメーターに選んで、回転翼1に発生する空気力を計算してみた。計算内容の説明を図24に示す。
ここで、
1)回転翼1には、表面積1m2の要素翼を4枚、直径2mの円周上に当分に配置。
2)取り付け角γは、0°、−10°で選択。
3)偏心軸傾斜角βは、前進時は10°、加速時と巡航時は20°、減速時は10°、制動時は190°とした。
4)最大遥動角δmaxは,60°までで選択。
5)要素翼6の空力特性は、目標とできそうな特性を仮定して作成した図25に依った。
失速後と負の迎角に対する空力特性については適切なデータが見つからなかったので、流体力学の一般論から推定した。これらのデータの確認は今後の重要な課題である。
図24に、要素翼に発生する空気力とそこから平行回転翼全体としての空気力を計算する式を示し、説明している。要素翼への空気の流入速度Vは、走行風速Vtと回転風速Vrのベクトル和である。揚力Lと抗力Dのベクトル和を求め、その分解により、垂直成分Ln、水平ベクトル成分Dnが求まる。さらに、全ての要素翼の空気力成分の総和として、平行回転翼としての空気力が求まる。
平行回転翼全体の揚力、抗力、および、回転モーメントは、4つの要素翼6に発生する揚力、抗力、および、回転モーメントの総和である。要素翼軸7の中心を結ぶピッチ円の半径をRとすると、要素翼の回転翼上の回転角度θが、0°(上)、90°(左)、180°(下)、270°(右)の各位置の要素翼6に発生する(揚力、抗力、および、回転モーメント)は、それぞれ、(Lt0、Dt0、Dt0×R)、(Lt90、Dt90、Dt90×R)、(Lt180、Dt180、Dt180×R)、(Lt270、Dt270、Dt270×R)となり、をれらの総和として、総揚力Ltl、総抗力Dtl、総回転モーメントMtlが求められる。図24、図26、図27、図28、図29、図30に、計算式と代表的な飛行モードについての計算結果を示す。
水鳥の、始動、離水、加速、巡航、減速、制動などの飛行モードにおいて回転翼に発生する空気力を試算した結果から次の考察が得られた。
1)スタート時は遥動角を最大にしても、回転速度を上げても失速するので大きな空気力は発生できないが、飛行速度の上昇とともに適正な迎角が取れるようになり、迎角を見ながら、更に、回転角度を上げていける。
2)飛行速度の上昇とともに、回転速度を落とし、さらに、迎角を小さくしても揚力が確保できるようになり、巡航飛行に移れる。
3)回転速度を落としていけば、空気力が下がるので、迎角をとり戻しながら減速降下に移れる。
4)さらに迎角を大きくしながら回転速度を落として、飛行速度を下げて着水する。
5)要素翼の翼面積1m2程度の回転翼を、20m/s(約200rpm)の回転速度で運転すると、計算上は2000N(約200kg−w)程度の空気力が発生できる。空気力は流入気流速度の2乗に比例して大きくなるので、この程度の大きさの回転翼を左右に搭載すれば4000N(約400kg−w)程度の飛行機は飛ばせる計算になる。
6)飛行速度が上がると、負の迎角の発生は少なくできるが、始動と制動の時は難しい。しかし、始動と制動では、逆に、負の揚力や抗力が利用できる。
7)助走は離水を容易にするために有効である。
回転翼1の性能計算によると、図21、図22、図23に示すように、応用形態によっては、跳ね上げストロークの要素翼6に大きな負の迎角を発生し、大きな負の揚力と大きな負の抗力(推力)を発生することが分かった。
このような場合は、回転翼1には、全体揚力を下げるとともに、過大な頭上げモーメントが発生する。しかし、大きな負の抗力は機体を推進する力にも利用できるので、始動時の急加速のためには有利となる。鳥は、この現象を、助走から離水に移る時の飛行術に巧みに利用しているように見える。
図6に示すように、やむなく跳ね上げストロークで過大な負の迎角が発生する条件では、予め、小さめにセットされた捩りバネのセットモーメントを屈服させて要素翼6を頭上げの方向に回転させて空気を逃がし(リリース)てしまうことが有効である。このリリース機構は、実際に、水車や船舶用の回転翼では良く利用されている。
しかし、試計算によると、作動流体が空気の場合は、密度が水の1000分の1になるので、翼に掛かる遠心力が、発生する空気力の10倍程度になってしまう。従って、この機構は水力流体機械では有効でも、飛行機では、姿勢制御の信頼性を乏しくするので、無策では利用できない。鳥は羽の重量を十分に小さくして遠心力の影響を軽減しているので、過大な抗力には逆らわずに翼を回転して不都合な揚力や抗力をリリースしているように見える。
このようなバネ機構により過大な回転モーメントをリリースできれば、要素翼6に過大な頭上げモーメントが発生することを、バネ力を利用してある程度予防することができるであろう。図6に、前上がり回転だけを許すバネ機構をつけた要素翼軸の設計概念を示した。ただし、このバネ機構は、応用する機械とその使い方によって選択すべきものであり、抗力を制動に利用する場合は採用できない。
空力機械で、このバネ機構を使うためには、要素翼6に発生する遠心力の影響を小さくしておく必要がある。をのために、本発明においては、各要素翼6を軽量化し、重心を前方に移動し、通常の翼のモーメント中心である翼弦の25%と同じ位置にし、そこを回転中心とする要素翼設計構想を提案しておく。図7に、軽量で前方に重心がある要素翼6の設計概念図を示しておく。
要素翼6の回転中心を翼弦の25%としておいて、失速時や大きな負の迎角が発生した時に要素翼6をリリースさせられるかどうかは、その時の空気力の作用点が後方に移っているかどうかによって決まる。完全に抗力支配のパラシュートでは作用点は50%に移る。この領域の特性については今後の調査が必要である。
更に詳しく鳥の挙動について考察してみると、空気力を発生している翼では、吹き降ろしの後流が発生している。そのため、打ち下ろしストロークの要素翼6の空気力は見かけの迎角から吹き降ろし角を差し引いた値を用いて計算しないと、正しい空気力計算にはならない。
また、この後流は、直ちに下流にくる跳ね上げストロークの要素翼6にも影響を与え、実際の迎角は見かけの迎角より打ち下ろしストロークの要素翼の吹き降ろし角に、自らが作る吹き降ろし角を重ねた角度を差し引いた値を用いて計算しないと、正しい空気力計算にはならないを推定している。跳ね上げストロークの要素翼6に発生する傾斜角を、打ち下ろしストロークの要素翼6の傾斜角αと比べて、かなり大きくなるように補正してやることの必要性は極めて大きいと考えられる。
吹き降ろし角は具体的な値が推定できないので、本発明の試計算には反映できていない。しかし、吹き降ろし角がかなりの大きさになることは、多くの流体力学の定説であり、その影響を無視して、必要な迎角制御機構のための課題を論ずることはできない。
始めに、偏心リングをたまご型にする解決策が考えられた。しかし、図12に示すように、この策の採用は極めて難しい。
要素翼6の傾斜角αの遥動は、偏心割出し機構9と偏心遥動変換機構24、差動機構25、の連携によって作られる。従って、この補正は、偏心リング20の形状を、真円から、跳ね上げストロークに符合する部分をせり出した卵形に変えることで行えるようにみえる。
ところが、この場合は、偏心リング20の曲率が変動するので、ローラーセット21はそれを吸収するために、弾性的に偏心リング20を挟まなければならない。加えて、この方法は、卵型偏心リング20の製造を難しくする。しかも、補正量の調節もできない。従って、この方式は殆んど採用できない。
偏心リングの大きさの変化は、4節リンクのリンクの一つの内部寸法を変えるだけで、迎角制御には利用できないことが分かった。結果を図11に示しておく。
次に、取り付け角γと偏心軸傾斜角βを同時に変えて、跳ね上げストロークの要素翼6の傾斜角αを、打ち下ろしストロークの要素翼6の傾斜角αより、相対的に大きくする解決策が考えられた。図10、図21、図22、図23を使って説明する。
太陽歯車11は、支持ユニット3に係止された太陽歯車軸26に取付けられる。その時の回転ユニット2の太陽歯車軸26に対する取付け角度γは、各要素翼の初期状態の取付け角も規定している。従って、偏心軸傾斜角βを垂直に保ったまま、取付け角γを逆回転側にずらしてやると、上死点の要素翼6を含め全ての要素翼6は、同じ取り付け角γの迎角をもつ。そこに遥動角δを重ねた場合には打ち下ろし側の傾斜角を小さめに、その分、跳ね上げ側の傾斜角を大きめに補正することができる。
この角度調整は、跳ね上げストロークでの負の迎角の発生を抑えるのに有効である。しかし、このままでは、発生する空気力の方向が逆回転方向に戻されてしまうので、それを補正するために、更に、偏心軸傾斜角βを垂直から正回転側にずらしてやる。このような要素翼6の傾斜角αの補正を飛行モードに応じて調節して行えるようにするために、取り付け角γを運転中に変動できるように、太陽歯車軸26を支持ユニット3内で自在に回転角度に割出し、係止できるようにした。その設計概念を図15に示す。
なお、本発明に係る回転翼は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の説明においては、反転ピニオン17の回転はチェーン19によって翼ピニオン18に伝えるとして記述されいるが、この伝導方式は、応用する機械や設計仕様によって、タイミングベルト伝導、歯車伝導、傘歯歯車を使ったシャフト伝導などの他の方式に換えることも可能である。
なお、ベルトやチェーン伝導を採用した場合、テンショナーを取り付け、回転ユニットの回転バランスを調整することが必要となることも多いが、それは必要に応じて設計すべきことであり、発明のポイントでもないので説明は割愛した。
偏心リング20の位置の割出し方式は、図13、図14に示すように、X−Y割出しとR−θ割出しの2種類が一般的であるが、本発明の説明においては、R−θ割出し方式を用いている。しかし、X−Y割出しにすることも十分可能であり、方式は応用する機械と設計条件により選択すべきことである。
本発明の説明図においては、回転ユニットの剛性を上げるために回転翼端盤5を設けているが、応用する機械や設計仕様によっては、必ずしも必要ではなく、各要素翼6をオーバーハングさせる設計も可能である。
回転翼盤4は円盤状に描いているが、実際には、自転車の車輪のようにハブとスポークとリムで形成することもできる。また、星型のトラス構造とすることもできる。
支持ユニット3は、応用する機械と設計仕様によって、様々な構造を採ることができる。特許文献2に示されているように、回転翼端盤5を機体10の側から張り出したブラケットアームで回転自在に支持することも可能である。
また、図15に示すように、太陽歯車軸26を機体10の中央側に延長し、左右の平行回転軸を直結、または、回転自在に結合し、持たれ合いにすることで、曲げ剛性を上げる設計も可能である。
ただし、安定上、左右の平行回転翼に上反り角をつける場合は、それらは独立に取付けなければならない。
図16に示しているように、平行回転翼の中心と飛行機の重心との間の距離を、前後方向にスライドする機構を備えた取り付け台によって調節することによって、平行回転翼によって飛行機に発生する頭上げモーメントの変動を相殺することができる。
この原理の採用可能性は、応用機械とその設計仕様によるが、この原理が使えない場合は、特許文献2に採用されている補助水平回転翼のような付加的な装置が、別途、必要となる場合もあるのかも知れない。鳥も、離水時や着水時には、翼を前後に移動させて揚力中心を変えて姿勢角を制御している。
平行回転翼の前後方向位置調整は、飛行機の積載条件の変化による姿勢角変化を防ぐ方策としても利用できる。
図16、図17に示すように、平行回転翼飛行機に水掻き回転翼を装着し、離水時の助走に用いると、平行回転翼の迎角制御機構の設計を改善できる。
大型の水鳥は、離水の際に水掻きで水面上を走って助走し、羽ばたき飛行に移行する。この際の水掻きの運動は、近似的に、抗力を利用して飛行する水掻き回転翼の運動に置き換えられる。主翼に平行回転翼を採用した飛行艇に水掻き回転翼を付けて助走すると、離水を容易にできる。また、この水掻き回転翼は着水時の制動や水上での低速移動にも利用できる。
水鳥は、着水直前に翼を前方に移動しながら跳ね上げて、揚力中心を前方に移動して姿勢を立て走行風を受け止め、揚力を維持しながら急制動をかけている。この時、尾翼は水面に浸けられ、2個の水掻きと共に水上滑走翼を形成している。水鳥の尾翼を下げた位置に回転フロートをつければ、水鳥の3点制動を模擬できる。
回転翼の方式は、一回転中の要素翼の回転の遅らせ方で、遅らせ無しのサイクロウイング、180°遅らせの水掻き回転翼、360°遅らせの平行回転翼の3種類に分類できる。この内、キャンバーを100%効果的に使って揚力を利用した飛行ができるのは平行回転翼だけである。3方式の違いを図34に示す。
本文では、できるだけ早めに先を見通すために飛行機への応用を想定してきたが、本発明は、様々な流体機械にも応用でる。水力機械から空力機械へ、水中から水上へ、そして水上から地上へ、更に空中へ、両生類から鳥が進化してきたのと同じ過程をたどって高度化するのかもしれない。そのように考えると、実用化の順番は、送水機/潮流発電、送風機/風力発電、水中回転翼船、船上回転翼船、水面滑空機、飛行機となる。
図35に、飛行機への応用を想定した本発明で検討された折込み設計仕様の構成表を示す。これらの設計仕様は、他の平行回転翼を利用する流体機械にも採用できる可能性がある。図36、図37は主な検討設計仕様のイメージ図である。
折込み設計仕様は、固定機械か走行機械か、水力機械か空気力機械か、船か飛行機か等、制約条件や商品要件の違いを勘案して選択される。
飛行機への応用のためには、機体のピッチング方向の回転を安全にコントロールできるようになることが当面の最重要課題と思われる。本発明でもそのための幾つかの基本的な折込み設計仕様を提案した。
しかし、鳥は跳ね上げストロークでの迎角制御をほとんどロスなく行っており、また、制動時や急加速時には、過渡的な渦発生を伴う剥離状態の空気力も巧みに利用しているように見える。人類が獲得している飛行術はまだまだ十分ではないと考えざるを得ない。
鳥の羽ばたき飛行は、大学の応用力学の研究テーマとしても盛んに研究されてきた。確かに、平行回転翼では、制御ファクターの選び方によっては剥離が発生するが、従来の飛行機と異なり、翼の傾斜角が毎秒10回程度の、大型のハチドリに匹敵する速さでリセットされるので、剥離の定常化が回避でき、渦の利用が可能なのかもしれない。
当面の産業上の技術開発テーマは、自然界の流体の流れのエネルギーを効率よく利用する、潮流発電や風力発電への応用と思われる。参考に、固定した水平回転翼に20m/sの風力を拭きつけた時に発生する空気力を試計算してみた。結果を図31に示す。回転モーメントが発生は見られるが、最適なセット条件はまだ探れていない。
また、従来のシュナイダープロペラの代えて、1対の平行回転翼を船に利用した場合は、低速での機動性に加えて、高速での加速性の改善を計れるかもしれない。船に用いる概念を図32に示す。
対地効果を利用する水面滑空機の研究は、40年来、各国で研究されてきたがまだ実用化されていない。平行回転翼を水面滑空機に応用することが考えられる。応用設計概念の一つを図33に示した。
平行回転翼を用いた飛行機は、平行回転翼だけで揚力と推力の両方を発生することができ、静止中に揚力だけを発生するホバリングも可能なので、設計次第で、飛行機の代わりにも、ヘリコプターの代わりにも、両方を兼ねる飛行機にも設計できる。
従来の飛行機に代える設計をすれば、主翼とプロペラは不要になる。実際、概念上ではあるが、本発明の平行回転翼を利用した飛行機では、ピッチングコントロールの難しささえ克服できれば、取り付け角γと偏心軸傾斜角β、偏心量δなどの制御により、垂直上昇、前進、後退、回転、急加速、急制動などの運転モードを容易に切り換えられる。
ヘリコプターに代える設計をすれば、ローターのみでなく、ローター反力のキャンセルのためのテールローターも不要になる。ロールコントロールとヨーコントロールに苦しみながら現在の飛行技術を確立したヘリコプターと比べて、決して実用化の難度が高い飛行機とは思われない。
無線操縦のホビー用や作業用の無人飛行機への利用も考えられる。この場合は、製品安全上や航空法規上の制約が少ないので、制御技術と並行して、機構と構造の技術開発を進めれば商品化の道が早めに開けるかもしれない。
ホビー用としては、従来、弾性的な骨に膜を張った弾性膜翼を、鳥のように羽ばたかせる機構の商品が開発されきている。しかし、弾性膜翼では、安定した飛行を確実に再現することは難しいであろう。本発明は剛性のある複数の要素翼を機械的に同期させて回転させる機構としているため、自由に思い通りに操縦できるホビー用飛行機が開発できるかもしれない。
平行回転翼の機構の概容を説明するための断面図である。 図1に示す平行回転翼の平行回転機構を説明するための説明図である。 図1に示す平行回転翼の遥動回転機構を説明するための説明図である。 鳥の羽のスキマの説明図である。 要素翼の跳ね上げストロークでの迎角リリースの設計概念説明図である。 前上がり回転だけを許すバネ機構をつけた要素翼軸の概念説明図である。 前重心軽量化ブロー成型要素翼の概念説明図である。 等厚球面偏心リングと球面ローラーローラーセットの説明図である。 ローラーセットと偏心リングのレイアウトの設計概念説明図である。 太陽歯車による取り付け角度調整の設計概念説明図である。 拡大偏心リングによるの取り付け角調整の設計概念説明図である。 たまご型偏心リングの設計概念説明図である。 X-Y割出し方式の偏心リング割出し機構の設計概念説明図である。 R-θ割出し方式の偏心リング割出し機構の設計概念説明図である。 左右の平行回転翼の太陽歯車軸同士を連結させた設計概念説明図である。 平行回転翼の前後直動案内機構をつけた飛行機の設計概念説明図である。 助走用水掻き型回転翼の設計概念説明図である。 偏心量を差動回転量に変換する4節リンクの変換計算式の説明図である。 遊動歯車による差動角度の計算式の説明図である。 反転歯車の遥動角を要素翼の遥動角度に変換する計算式の説明図である。 迎角制御ファクターとそれらの関係式の説明図である。 迎角制御ファクターとそれらの関係式の説明図である。 迎角制御ファクターとそれらの関係式の説明図である。 飛行モード毎に平行回転翼に発生する空気力の計算方法の説明図である。 目標として仮定した要素翼の空力特性グラフである。 浮上時に平行回転翼1台に発生する空気力の試算結果である。 加速時に平行回転翼1台に発生する空気力の試算結果である。 巡航時に平行回転翼1台に発生する空気力の試算結果である。 減速時に平行回転翼1台に発生する空気力の試算結果である。 飛行機の飛行モードと平行回転翼に発生する空気力の関係説明図である。 平行回転翼を風力発電機に応用するときの風の受け方の説明図である。 平行回転翼を船に応用するときの設計概念説明図である。 平行回転翼を水面滑空機に応用するときの設計概念説明図である。 回転翼の3方式の違いを示す説明図。 流体機械へ応用するための選択アイデア構成表である。 主な選択アイデアの表示図である。 主な選択アイデアの表示図である。
符号の説明
1 回転翼
2 回転ユニット
3 支持ユニット
4 回転翼盤
5 回転翼端盤
6 要素翼
7 要素翼軸
8 歯車列
9 偏心割出し機構
10 機体
11 太陽歯車
12 従動歯車
13 内歯歯車
14 リテーナリング
15 遊星歯車
16 反転歯車
17 反転ピニオン
18 翼ピニオン
19 チェーン
20 偏心リング
21 ローラーセット
22 ジョイントピン
23 ローラー
24 偏心-遥動変換機構
25 差動機構
26 太陽歯車軸
27 バネ
28 ストッパー
29 水掻き回転翼
30 水掻き用要素翼
31 ウオーム歯車
32 取り付け台
33 スライダー
34 ガイドベース
e 偏心量
η (偏心リングの)偏心角度
α 要素翼の傾斜角
β 偏心軸傾斜角
γ 取り付け角
δ 要素翼の遥動角
δmax 要素翼の最大遥動角
Vt 飛行速度
Vr 要素翼の回転速度
θ 要素翼の回転角度
Alp 要素翼の迎角
A0、A90、A180、A270
角度位置が、0°、90°、180°、270°の要素翼の迎角

Claims (6)

  1. 円筒面の稜線を回転軸とする複数の要素翼軸を回転翼盤上に配置した回転ユニットを支持ユニットで回動自在に支える回転翼において、それぞれの要素翼軸が、支持ユニットの構成部品である太陽歯車の周りを回転しながら、太陽歯車と噛み合いそれぞれの要素翼軸に角度を変換して伝達する歯車列によって同じ回転角度戻るようにした平行回転翼において、支持ユニットの部品として太陽歯車と偏心リングを取り付け、太陽歯車と同軸で回動する回転翼盤に太陽歯車と噛み合う複数の歯車列を取り付け、各歯車列の中の複数の遊星歯車を回動自在に結合するリテーナリングを設け、一方、偏心リングを挟んで運動するローラーセットを設け、リテーナリングの突出部分の嵌合穴とローラーセットの突出部分の嵌合穴とをジョイントピンで回動自在に嵌合し、太陽歯車の中心と偏心リングの中心とジョイントピンの中心とリテーナリングの中心とで4節リンクを形成し、回転翼盤の回転に伴って発生するリテーナリングの遥動回転を歯車列の中で歯車列の先端の翼ピニオンの1回転中の遥動回転に変換し、回転翼盤の回転に伴って歯車列の中でリテーナリングと噛み合って回転する遊星歯車によって、回転円盤が1回転する間に翼ピニオンを1回転逆回転させる回転伝達率を持った歯車列の中で歯車列の先端の翼ピニオンの戻し回転に翼ピニオンの遥動回転を重ねたことを特徴とする平行回転翼を利用した流体機械。
  2. 回転翼の回転ユニットを支える支持ユニットに取付けられている、太陽歯車を固定した太陽歯車軸の回転角度位置を変えることにより、全ての要素翼の取付け角度を同時に変える機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の平行回転翼を利用した流体機械。
  3. 真円の偏心リングとそれを内外から挟んで転動するローラーセットにおいて、偏心リングの内外軌道断面は中心を共有する同心円の円弧で形成し、偏心リングの膨らみ円弧と接するローラーの外径断面は偏心リングの円弧より大きめなへこみ円弧または直線で形成し、偏心リングのへこみ円弧と接するローラーの外径断面は偏心リングの円弧より小さめな膨らみ円弧で形成したことを特徴とする偏心リングとローラーセットを用いた、請求項1、2に記載の平行回転翼を利用した流体機械。



  4. 前後方向にスライドする取付け台に平行回転翼を取付けたことを特徴とする請求項1、2に記載の平行回転翼を利用した流体機械。
  5. 回転翼盤上の円筒面の稜線を回転軸とする複数の要素翼を、それぞれの歯車機構により一回転中に半回転戻すようにした水掻き回転翼を装着したことを特徴とする請求項1、2に記載の平行回転翼を利用した流体機械。
  6. ガイドベースとスライダーを持つ取付け台において、平行回転翼の駆動装置をガイドベース側に、平行回転翼をスライダー側に取り付けたことを特徴とする、請求項4に記載の平行回転翼を利用した流体機械。
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