JP4969009B2 - オピオイド製剤 - Google Patents
オピオイド製剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4969009B2 JP4969009B2 JP2001566703A JP2001566703A JP4969009B2 JP 4969009 B2 JP4969009 B2 JP 4969009B2 JP 2001566703 A JP2001566703 A JP 2001566703A JP 2001566703 A JP2001566703 A JP 2001566703A JP 4969009 B2 JP4969009 B2 JP 4969009B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fentanyl
- pharmaceutical formulation
- formulation
- drug
- pain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0014—Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/435—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
- A61K31/44—Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
- A61K31/445—Non condensed piperidines, e.g. piperocaine
- A61K31/4468—Non condensed piperidines, e.g. piperocaine having a nitrogen directly attached in position 4, e.g. clebopride, fentanyl
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/10—Alcohols; Phenols; Salts thereof, e.g. glycerol; Polyethylene glycols [PEG]; Poloxamers; PEG/POE alkyl ethers
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/08—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite containing oxygen, e.g. ethers, acetals, ketones, quinones, aldehydes, peroxides
- A61K47/14—Esters of carboxylic acids, e.g. fatty acid monoglycerides, medium-chain triglycerides, parabens or PEG fatty acid esters
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
- A61K47/06—Organic compounds, e.g. natural or synthetic hydrocarbons, polyolefins, mineral oil, petrolatum or ozokerite
- A61K47/26—Carbohydrates, e.g. sugar alcohols, amino sugars, nucleic acids, mono-, di- or oligo-saccharides; Derivatives thereof, e.g. polysorbates, sorbitan fatty acid esters or glycyrrhizin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0019—Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P23/00—Anaesthetics
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/02—Drugs for disorders of the nervous system for peripheral neuropathies
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/04—Centrally acting analgesics, e.g. opioids
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P29/00—Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
Description
本発明は、疼痛を緩和するオピオイドの高濃度製剤に関する。
【0001】
発明の背景
ケシ(opium poppy)に由来するアヘン、ヘロインおよびモルヒネを含む様々な品種のアヘン剤は、非常に強力な鎮痛性を有し、かつ麻酔に加え、特に疼痛が非常に重篤な場合に疼痛治療のために広範な使用が認められる。これらの天然のアヘン剤に加え、フェンタニル、およびスフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニルなどのようなフェンタニルのコンジナーを含む、多くの合成オピオイドが合成されており、これらはモルヒネよりも何倍も強力である。
【0002】
現在、最も広範に使用されている剤形は、依然経口投与されるモルヒネであるが、オピオイドも、静脈内注入(例えば、Scholzら、Clin. Pharmacokinet.、31:275-92(1996);White、Anesth. Analg.、68:161-71(1989)参照)、経口投与(例えば、米国特許第4,769,372号;第5,202,128号;および、第5,378,474号参照)、硬膜外または鞘内投与(例えば、Vercauterenら、Anaesthesia、53:1022-7(1998);Stephens、Am. Fam. Physician、56:463-70(1997)参照)、経皮塗布(例えば、経皮貼付剤の使用(例えば、米国特許第4,588,580号参照))、または皮下注射(例えば、Paixら、Pain、63:263-9(1995);Brueraら、Cancer、62:407-11(1988);Moulinら、Can. Med. Assoc. J.、146:891-7(1992)参照)により送達することができる。総説については、例えば、クロッズ(Clotz)ら、Clin. Pharm.、10:581-93(1991);および、アンダーソン(Anderson)ら、J. Pharm. Care Pain Symptom Control、6:5-21(1998)を参照のこと。
【0003】
残念ながら、モルヒネの経口投与には、いくつかの欠点が見られる。多くの極めて重症の患者は、燕下不能または胃腸管閉塞などの様々な理由により、最早薬物を経口摂取することができない。更に、長期間の経口投与は、一日に多数回の複数の丸薬または錠剤の摂取を必要とすることが多く、服用計画は一般に服薬遵守不良に関連する。これらおよび他の理由のために、オピオイドの非経口投与が、経口投与の好ましい代用となり得る。
【0004】
しかし、オピオイドの非経口投与はいくつかの挑戦に直面する。多くの患者、特に慢性の疼痛または疾患を伴う患者は、オピオイドによる長期間、例えば数日、数ヶ月、数年および時には患者の生涯にわたる治療を必要とし、したがってその期間に投与する大量の薬物を必要としている。更に重症の疼痛を伴う多くの患者は、疼痛を管理するために高用量のオピオイドを必要とし、基礎をなす病態の進行のため、またはオピオイドに対する耐性の出現のために、必要性が次第に増大することが多い。更に、簡便で、長期または高用量の疼痛治療を提供するために、オピオイドは、通常埋込み可能または外付けポンプでありうる注入ポンプにより、連続かつ長期間注入されることが必要でありうる。患者にとって許容できる簡便性および可動性を提供するために、注入ポンプは、大きさが限定されたものでなければならず、このことが次にその中に入れることができる薬物製剤の容量を制限する。オピオイドが通常のオピオイド製剤を用いて長期投与される場合、ポンプの薬物貯蔵器の制限された大きさは、頻繁に補充または交換されるようなポンプを必要とし、これは不便である上に、更に熟練の保健従事者の注意を必要とし、かつ患者を感染の可能性に曝す。
【0005】
ポンプサイズにより課される制限に加えて、薬物製剤が注入される組織の吸収能が、吸収されうる薬物製剤の量を制限し得る。例えば、皮下組織の吸収能は一般に、最大10 ml/時である(例えば、Andersonら、前掲参照)。更に、ある組織への大量の液体の注入は、組織浮腫を生じることがあり、これは患者に不快感をもたらす。
【0006】
現在入手できるオピオイド製剤は、疼痛管理のために長期治療または大量の薬物用量を必要とする患者の必要性を満たすため、非常に薄い。例えばクエン酸スフェンタニルは、濃度50μg/mLの水溶液で現在入手でき;モルヒネは1 mg/mL;硫酸モルヒネは20 mg/mL;クエン酸フェンタニルは20μg/mlおよびアルフェンタニルは500μg/mLで入手できる。特にフェンタニルおよびそのコンジナーのように親油性であるオピオイド化合物は、溶液から析出することがあり、これは例えば一貫していない送達速度、薬物吸収の低下、薬物反応の低下、および薬物送達装置または他の注入経路に沿った地点の閉塞につながるため、通常の水性製剤により多くの薬物を単に添加するだけでは、より濃い製剤を作製するための、実現可能な溶液にはならない。
【0007】
前述の考察について、当技術分野において、簡便な長期または高用量送達を可能にし、更にその期間にわたって安定しかつ非経口用途にとって安全である、より濃縮したオピオイド製剤の必要性があることは明らかである。
【0008】
発明の概要
本発明は、被験者への長期送達に適したオピオイド製剤を提供する。本発明の製剤は、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナー、およびフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを通常の製剤を有意に超える濃度、例えば通常の製剤、例えば現在市販されている製剤よりも約2倍から約10,000倍の桁で、提供することができるような溶媒を含む。本発明において、非経口送達に有用な濃縮したオピオイド製剤は、モルヒネよりも数百から数千倍より効力が高い、極めてよく効くオピオイド化合物、例えばフェンタニルおよびそのコンジナーを、非水性溶液中に可溶化することにより作製される。本発明の製剤は、高用量送達、または例えば数時間、数週間、数ヶ月もしくは数年の、長期送達に関して、特に有用である。長期送達は、様々な外付けまたは埋込み装置を用いて達成することができる。
【0009】
本発明は更に、本発明の製剤を含む徐放型剤形を提供する。この剤形は、外付け、一部埋込み、または埋込み装置であってよく(例えば、生分解性インプラントまたはポンプ)、これは、例えば薬物拡散システム、電気化学的システム、電気機械的システム、浸透圧ポンプ、電気拡散システム、電気浸透システム、蒸気圧ポンプ、電解質ポンプ、沸騰性(effervescent)ポンプ、圧電ポンプ、侵食に基づくシステム、拡散システムなどを基にすることができる。
【0010】
本発明は更に、本発明のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナー製剤を薬物送達装置から被験者の体のある部位へ送達する段階を含む、被験者における疼痛の治療法を提供する。本製剤の送達は、一般に連続的であり、かつ数時間、1週間〜数週間、1ヶ月〜数ヶ月、最大1年または数年にわたる、予め選択された投与期間でありうる。
【0011】
緩和されやすい疼痛は、全ての種類の急性または慢性の疼痛を含み、例えば癌疼痛、慢性炎症疾患疼痛、神経障害疼痛、術後疼痛、医原性疼痛、複合領域の疼痛性症候群、損傷した背痛、軟組織疼痛、関節痛、骨疼痛、中枢性疼痛、障害疼痛、関節炎疼痛、遺伝病、感染症、頭痛、灼熱痛、知覚過敏、交感神経反射性ジストロフィー、幻肢痛症候群、および除神経などである。
【0012】
本発明の第一の利点は、非常に効力が高くかつ濃縮されたオピオイド製剤が、非常に効力のあるオピオイドを少量の溶媒中に可溶化することにより達成できることである。これにより、送達装置が比較的小さい(例えば、埋込み可能なシステム)である場合、送達が比較的長期間必要な場合、または所望の治療効果を達成するために高い有効量の薬物が必要な場合に、治療量の薬物を被験者に提供することが可能になる。
【0013】
従って、送達装置の補充または交換を必要とせずに、長期間にわたり一貫した量の薬物を送達することが可能であり、これにより感染および組織損傷の危険性が低下し、患者の服薬遵守が増し、かつ一貫した正確な投薬が達成される。
【0014】
本発明の製剤の第一の利点は、実質的な薬物の析出を伴わずに、高濃度のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーが達成されることである。
【0015】
本発明の製剤の別の重要な利点は、薬物の治療量(たとえ高用量であっても)が、低い容量速度で、体の内部組織に送達され得ることである。例えば皮下空間のような特定の体組織について、低容量で送達すると、送達された製剤は局所組織によりさらに吸収されやすくなり、かつ更に局所組織の障害、外傷または浮腫を最小化する。
【0016】
本発明の製剤の更なる利点は、製剤が体液のような水性環境と接触する際に、フェンタニル/フェンタニルコンジナーの析出が起こらないことである。薬物の析出は、局所的毒性作用、または送達孔もしくは送達経路に沿ったどこかでの閉塞につながる可能性があり、その結果送達を制御できなくなるか、または完全に送達が停止し、これは投薬の一貫性および正確さ、ならびにゆえに患者の安全性に有害に作用すると考えられるため、明らかに望ましくない。
【0017】
これらおよび他の本発明の目的、利点、および特徴は、以下により十分に記載する本発明の詳細を読むことで、当業者には明らかになると考えられる。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明を説明する前に、本発明は、当然変動することができるため、記載する特定の態様に限定されるものではないことは理解されなければならない。本発明の範囲は添付した特許請求の範囲によってのみ制限されるので、本明細書において使用した専門用語は、特定の態様を説明する目的のみのためであり、かつ限定を意図していないことも理解される。
【0019】
特に定義しない限りは、本明細書において使用した全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に説明されたものと類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を記す。本明細書において言及した全ての刊行物は、関連してこれらの刊行物が引用された方法および/または材料を開示および記載するために、本明細書に参照として組入れられている。
【0020】
本明細書および添付された特許請求の範囲において使用される単数形「ひとつ(a)、(an)」および「その(the)」は、特に文脈により明確に指示されない限りは、複数の意味も含むことは注意しなければならない。従って、例えば「ひとつの製剤」という言及は、複数形のこのような製剤を含み、かつ「そのフェンタニルコンジナー」という言及は、1種または複数のフェンタニルコンジナーおよび当業者に公知のそれらの同等物も含む。
【0021】
本明細書において考察した刊行物は、本明細書の出願日以前に開示されたもののみが提供される。本明細書においてはいかなるものも、本発明は先行する発明によりこのような刊行物に先行する権利を与えられるものではないことを容認すると解釈されるべきではない。更に提供された刊行物の日付は、実際の公表の日付とは異なることがあり、これは個別に確認する必要がある。
【0022】
定義
本明細書で交換可能に用いられる「薬物」および「治療薬」という用語は一般に、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナー(例えば、スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、およびミルフェンタニル)について呼ぶことを意味するとともに、これらの化合物の一つまたは複数を含む製剤についても意味する。「薬物」または語句「フェンタニルまたはフェンタニルコンジナー」を用いることが、これらの選択されたオピオイド化合物の一つのみの使用に限定することを意味せず、またそのような一つのみを含む製剤に限定することも意味しない。さらにフェンタニル単独、または選択されたフェンタニル単独に関しては、例えば「スフェンタニル」に関しては、本発明の製剤に用いるのにふさわしい薬物の例に過ぎないと理解し、また何らかの様式で限定されるべきでないことを意味する。
【0023】
「被験者」という用語はどれかの被験者を意味し、一般には疼痛の管理を必要としている哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシなど)である。
【0024】
「治療的有効量」という用語は、望ましい治療効果の得られる治療用薬剤の量、すなわち治療用薬剤の送達速度を意味する。正確な望ましい治療効果(例えば、疼痛の解放程度、および解放された疼痛の元など)は、治療されるべき状態、投与されるべき製剤、および当業者に認識されている他のさまざまな要因に応じて変化する。一般に本発明の方法には、さまざまな原因を確認しうる病因論、または原因のわからない病因論のうちのどれかに関連しているらしい疼痛に苦しむ被験者においての疼痛の抑制または放散が関与する。
【0025】
「疼痛の管理」という用語は本明細書では一般に、自覚的な基準、他覚的な基準、またはその両方によって決定されるような、より苦痛がなくなった状態を被験者にもたらすための、急性または慢性の疼痛を含む、疼痛の緩解、抑制、もしくは放散について記述するために用いられる。概して疼痛は、被験者の年齢、教養的背景、環境、および疼痛に対する被験者の反応を変えることが知られている他の心理学的な背景を考慮して健康に携わる専門家が会話するのに伴い被験者がする報告によって自覚的に評価される。
【0026】
本明細書において使用される「送達部位」は、薬物が送達される体の領域を指すと意味する。このような送達部位は、静脈内、髄腔内(例えば、硬膜外、硬膜下、または鞘内)、大脳内、経皮、または皮下の送達部位などを含むが、これらに必ずしも限定されない。皮下送達部位は、本発明の適用において特に興味深い。典型的な皮下送達部位は、外部皮下部位(例えば、腕、肩、首、背中または足の皮膚の下)および体腔の内部皮下部位(例えば、口腔内)を含む。
【0027】
本明細書において使用される「薬物送達装置」は、本発明の疼痛管理のための製剤の送達に適した、任意の装置を指すことを意味する。従って「薬物送達装置」は、その剤形が例えば拡散、侵食、または対流システム、例えば、浸透圧ポンプ、生分解性インプラント、電気拡散システム、電気浸透システム、電気化学システム、蒸気圧ポンプ、電解質ポンプ、沸騰性ポンプ、圧電ポンプ、侵食に基づくシステム、電気機械的システム、拡散システムなどに基づくことができる、任意の作用機序を伴う外付けまたは埋込み型の剤形(例えば、生分解性インプラントまたはポンプ)を包含しているが、これらに必ずしも限定されない。
【0028】
薬物送達の状況で用いられる「パターン化された」または「経時的な」とは、パターン化して、一般的には予め選択された期間にわたって実質的に調節されたパターンで薬物を送達することを意味する(例を挙げると、例えば一回注入が関与する期間以外)。「パターン化された」または「経時的な」薬物送達とは、徐々に増やしたり、徐々に減らしたり、実質的に一定であったり、またはパルス的にしたりした速度または速度の範囲(例えば、単位時間あたりの薬物の量、または単位時間あたりの薬剤の容量)で行う薬物の送達が含まれ、またさらに、連続的もしくは実質的に連続的に、または慢性的に行われる送達も含まれることを意味する。
【0029】
「制御された薬物放出装置」または「制御された放出剤形」という用語は、薬物またはその中に含まれる望ましい物質の放出速度(例えば、放出時点の速度)が、装置または剤形そのものにより制御され、かつ実質的に使用環境により制御されないような装置、ならびに例えば治療上有効量の本発明のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの体内部位への送達を達成するのに適する、制御された薬物の放出および速度を提供する剤形に適合することができる、任意の装置を包含することを意味する。「装置」および「剤形」という用語は、本明細書において一般に互換的に使用される。
【0030】
「徐放型剤形」という用語は、ボーラス投与(例えば、注射または経口投与による)のような一度にではなく、むしろ予め選択された期間にわたる薬物製剤(例えば、オピオイド)の放出に適合される、薬物剤形を指すことを意味する。徐放型剤形は、薬物の制御された放出またはパターン化された放出が可能な剤形を含むことができる。
【0031】
「疼痛治療」における「治療」は、疼痛および/または疼痛症状の部分的または完全な軽減を提供するための、疼痛の重篤度および/または強度の低下の両方を包含するように本明細書において使用される。
【0032】
発明の概観
本発明は、フェンタニルおよびそのコンジナーのようなオピオイドは、これまで達成されたよりもより高い濃度で処方することができるという知見に基づく。簡便な大きさの送達システム、例えば埋込み可能なポンプからの、長期間の、例えば数週間または数ヶ月に及ぶ、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナー、例えばスフェンタニルの制御された送達には、高濃度製剤を必要とする。しかし、フェンタニルおよびそのコンジナーは、これらの化合物の製剤において一般的に使用される水性賦形剤での溶解度が非常に低い。従って水性製剤は、薬物貯蔵器の頻繁な補充または新たなインプラントの提供を必要としない、埋込み可能なシステムのような小さな薬物貯蔵器を伴うシステムにとって望ましい投薬要件を満たすのに十分な、薬物濃度を提供しないと考えられる。加えて、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの高濃度製剤は、安定でなければならず(例えば、埋込みシステムの場合は体温で)、かつ析出および送達システムの機能の妨害(例えば、送達孔またはポンプシステムにおける他の送達経路に沿ったいずれかの地点の閉塞による)を避けるために、体の水性環境に送達された場合に薬物の溶解度を維持しなければならない。
【0033】
本発明は、以下を特徴とするフェンタニルコンジナーの製剤を提供する:(1)これらは、現在市販の製剤の約2倍〜約10,000倍またはそれよりも高い濃度のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを有する;(2)フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、製剤が、例えば治療を受ける被験者の体内のような水性環境と接触する場合に析出しない;および、(3)たとえ体温であっても、良好な安定性を有する。例えば、本発明のスフェンタニル製剤は、わずかに約50μg/mLのスフェンタニルをクエン酸塩として水溶液中に含む、現在市販のスフェンタニル注射製剤よりも有利である。
【0034】
高濃度のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含む製剤
本発明は、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含む製剤、特に薬学的製剤を提供する。
【0035】
フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、従来よりある製剤、例えば現在商業的に入手可能な製剤よりも実質的に高い濃度で製剤中に存在している。「実質的に高い」とは、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーが、水性溶液中のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの溶解度よりも少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約1500倍、少なくとも約2000倍、少なくとも約2500倍、少なくとも約3000倍、少なくとも約3500倍、少なくとも約4000倍、少なくとも約5000倍、少なくとも約6000倍、少なくとも約7000倍、少なくとも約8000倍、少なくとも約9000倍、少なくとも約10,000倍、またはそれを超える倍率の濃度で製剤中に存在している。
【0036】
本発明の製剤は、少なくとも約0.1mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、75mg/mL、100mg/mL、150mg/mL、200mg/mL、225mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、350mg/mL、400mg/mL、450mg/mL、500mg/mL、またはそれを超える濃度でフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含んでいる。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含む本発明の製剤は溶液であって、例えば液体に溶解されている。
【0037】
全身性の送達に適した薬剤学的な等級を持つ有機もしくは無機の担体および/または希釈剤を、本発明により送達するのに適した製剤中に含有させることができる。このような生理学的に許容される担体は当技術分野で周知である。本発明により用いられる例示的な液状担体は、活性成分以外にはどの物質も含んでいない滅菌性の非水性、または水性の溶液であるとよい。一般にはフェンタニルおよびフェンタニルコンジナーが親油性であるために疎水性の溶媒が一般に好ましい。製剤には任意でさらに生理的pH値のリン酸ナトリウムのような緩衝液、生理食塩水、またはその両方(すなわち、リン酸緩衝塩)を含んでいてもよい。適当な水性担体は任意でさらに、他の塩(塩化ナトリウムや塩化カリウムのような)および/または他の溶質と同様に、一種以上の緩衝塩を含んでいてもよい。
【0038】
以下により詳細に記載するように、本発明の製剤は塩基以外の形状でフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含みうるが、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは一般的に、フェンタニル塩基またはフェンタニルコンジナー塩基として本発明の製剤中に存在する。
【0039】
ある態様では、製剤はフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーおよび低分子量(例えば、分子量が約300g/mol以下)のアルコールを含む。これらの態様ではフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、約0.5mg/mLから約500mg/mLまで、約1mg/mLから約450mg/mLまで、約50mg/mLから約400mg/mLまで、約75mg/mLから約300mg/mLまで、または約100mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で製剤に存在している。適当な低分子量のアルコールは、薬学的に許容できるアルコールが含み、また好ましくは芳香族部分を含むアルコールであって、また比較的水に混和されにくい(例えば、25mlのH2Oに溶解できるのは約5グラム以下、約4グラム以下、約3グラム以下、約2グラム以下、約1グラム以下である)アルコールであり、それは限定するわけではないが、ベンジルアルコール、およびそれらの誘導体である。少量の他の薬学的に許容される物質、すなわち例えばエタノールといった他の薬学的に許容されるアルコールのような物質や水も存在していてもよく、そしてもし存在するのであれば、約10%以下、約5%以下、または約1%以下の量で存在している。特定の態様ではこの製剤は、100%のベンジルアルコール中にフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含んでいる。
【0040】
ある態様ではこの製剤は、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーおよび非イオン性の界面活性剤を、例えば上記に記載した低分子量のアルコールのエステルのようなアルコールエステル中に含んでいる。これらの態様では、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、約0.5mg/mlから約500mg/mLまで、約1mg/mLから約450mg/mLまで、約50mg/mLから約300mg/mLまで、約75mg/mLから約275mg/mLまで、または約100mg/mLから約250mg/mLまでの濃度で製剤中に存在している。適当なアルコールエステルには、薬学的に許容できるアルコールエステルで、好ましくは芳香族部分を含み、そして水に不溶性のアルコールエステルが含まれ、それは限定するわけではないが、安息香酸ベンジル、およびそれらの誘導体が含まれる。少量の他の薬学的に許容される物質、すなわち例えば他の薬学的に許容されるアルコール、または他の薬学的に許容されるアルコールエステルのような物質や、水も存在していてもよく、そしてもし存在するのであれば、約10%以下、約5%以下、または約1%以下の量で存在している。特定の態様では、アルコールエステルは100%の安息香酸ベンジルである。
【0041】
適切な非イオン性界面活性剤には、薬学的に許容される、例えばポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60のようなポリソルベート、ソルビタントリオレエート、例えばポリオキシエチレン(160)グリコールのようなポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、およびポリオキシプロピレン(30)グリコールが含まれるが、これらに限定されない。本発明の製剤で用いるに適する他の非イオン性表面活性剤には、ソルビタンのモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートもしくはトリオレエートのような脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルタイプの非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンのモノラウレート、モノオレエート、モノステアレート、モノパルミテート、トリステアレートもしくはトリオレエートのようなポリオキシエチレンと脂肪酸ポリヒドロキシアルコールエステルの付加体の非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチルステアレート、ポリエチレングリコール400ステアレート、ポリエチレングリコール2000ステアレート、特定するとPluronics(商標)(Wyandotte)またはSynpernic(商標)(ICI)のエチレンオキサイド-プロピレンオキサイドブロック共重合体のようなポリエチレングリコール脂肪酸エステルの非イオン性界面活性剤が含まれる。特定の態様ではこの非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、もしくはソルビタントリオレエート、または前述したものの一種または複数の混合物である。
【0042】
一般には非イオン性界面活性剤は、約50mg/mLから約200mg/mLまで、約75mg/mLから約175mg/mLまで、または約100mg/mLから約150mg/mLまでの濃度で製剤中に存在している。特定の態様での非イオン性界面活性剤は、100mg/mLで存在している。
【0043】
本発明の製剤は、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーが上記に記載したように高濃度で存在していることに特徴がある。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーはその製剤中において可溶性であって、すなわちフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの沈殿物はほとんど、もしくは全く存在しておらず、またさらに、その製剤が体液のような水性の環境と接触することになった場合にもフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーはほとんど、もしくは全く沈殿しない。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの沈殿物がいやしくも存在するとすれば、その製剤に存在する全フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの重量の約10%以下、約7.5%以下、約5%以下、約2.5%以下、約1%以下、または約0.1%以下が製剤に存在している。沈殿剤が形成されたかどうかは、この技術分野で既知の方法を用いて決定すればよく、それには限定するわけではないが、肉眼での可視的な視察や、低倍率(例えば、10×、または25×)での視察が含まれる。
【0044】
本発明で有用な製剤に含有させることのできる代表的な付加的活性成分として、オピオイド拮抗剤(例えば、中毒または依存性の可能性をより減少させるために)を挙げることができる。例えばオピオイド作動薬とオピオイド拮抗剤を含む例示的な浸透性投与製剤が、米国特許第5,866,164号に記載されている。
【0045】
フェンタニルおよびフェンタニルコンジナー
本明細書に記載された開示を読んだ上で本発明の範囲内に含まれる変形が当業者には容易に明らかになると考えられるが、フェンタニル、フェンタニルコンジナー、およびフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの特定の誘導体またはアナログ(例えば、他の誘導体、特定すると、モルヒネの4-アニリドピペリジン誘導体)が本発明によって送達するために企画されている。代表的なフェンタニルコンジナーには、限定する必要はないが、スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、およびミルフェンタニルが含まれる。
【0046】
用いる特定のフェンタニルコンジナーは、達成するよう望まれる治療的効果を含む様々な要因、被験者のオピオイドに対する抵抗性および/または以前の投与などによって変更できる。またフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの相対的な効力も、送達される薬物を選択する際に考慮するとよい。例えばモルヒネに比較してフェンタニルおよび選択されたフェンタニルコンジナーの効力はランク順で次のとおりである。モルヒネ<アルフェンタニル<フェンタニル<スフェンタニル、ロフェンタニル<カルフェンタニルである。フェンタニルはモルヒネの効力の292倍、スフェンタニルは4,521倍、ロフェンタニルは5,440倍、そしてカルフェンタニルは9,441倍である。スフェンタニル、フェンタニル、および他のフェンタニルコンジナーの薬物動力学についての論評は、例えばMeert (1996) Pharm. World Sci. 18: 1-15、Scholzら1996 Clin, Pharmacokinet. 31: 275-92を参照のこと。
【0047】
フェンタニル、スフェンタニル、および他のフェンタニルコンジナーの製造方法は個の技術分野で周知である。例えば、スフェンタニル(例えば米国特許第3,998,834号、化学名:((N-[4-(メチルオキシメチル)-1-[2-(2-トリエニル)エチル]-4-ピペリジニル]-N-フェニルプロパンアミド 2-ヒドロキシ-1,2,3,-プロパントリカルボキシレート(1:1)、C22H30N2O2S)、フェンタニル(例えば、米国特許第3,141,823号、化学名:N-フェニル-N-[1-(2-フェニルエチル)-4-ピペリジニル]プロパンアミド)、アルフェンタニル(例えば、米国特許第4,167,574号、化学名:N-[1-[2-(4-エチル-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル)エチル]-4-(メトキシメチル)-4-ピペリジニル]-N-フェニルプロパンアミド(C21H32N6O3))、ロフェンタニル(例えば、米国特許第3,998,834号、化学名:3-メチル-4-[(1-オキソプロピル)フェニルアミノ]-1-(2-フェニルエチル)-4-ピペリジンカルボン酸メチルエステル)、カルフェンタニル(化学名:メチル-4-[(1-オキソプロピル)フェニルアミノ]-1-(2-フェニルエチル)-4-ピペリジンカルボキシレート(C24H30N2O3))、レミフェンタニル(化学名:3-[4-メトキシカルボニル-4-[(1-オキソプロピル)フェニルアミノ]1-ピペリジン]プロピオン酸)、トレフェンタニル(化学名:N-(1-(2-(4-エニル-4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1H-テトラゾール-1-イル)エチル)-4-フェニル-4-ピペリジニル)-N-(2-フルオロフェニル)-プロパンアミド、およびミルフェンタニル(化学名:[N-(2-ピラジニル)-N-(1-フェネチル-4-ピペリジニル)-2-フラミド)参照。
【0048】
フェンタニルおよびフェンタニルコンジナーは、例えばGoodman(グッドマン)およびGilman(ギルマン)の「治療の薬理学的基礎(The Pharmacological Basis of Therapeutics)」、第23章、「オピオイド鎮痛薬と拮抗剤(Opioid Analgesics and Antagonists)」、pp. 521-555 (第9版、1996)、Baly(バリー)らの1991 Med Res. Rev. 11: 403-36 (4-アニリドピペリジンオピオイドの進展)、およびFeldman(フェルドマン)らの1991 J. Med. Chem. 34: 2202-8(オピオイド鎮痛薬の設計、合成法、および薬理学的な評価)。フェンタニルおよびフェンタニルコンジナーについての別の情報は、例えばSchoz(スコッツ)らの1996 Clin. Pharmacokinet. 31: 275-92 (アルフェンタニル、フェンタニル、およびスフェンタニルについての臨床上の薬物動態論)、Meet 1996 Pharmacy World Sci. 18: 1-15 (モルヒネ、フェンタニル、およびフェンタニルコンジナーの薬物療法を記載している)、Lemmens(レメンス)らの1995 Anesth. Analg. 80: 1206-11 (ミルフェンタニルについての検討)、Minto(ミント)らの1997 Int. Anesth. Analg. 35: 49-65 (最近開発されたオピオイド鎮痛薬の論評)、James(ジェームズ) 1994 Expert Opin. Invest. Drugs 3: 331-40 (レミフェンタニルについての検討)、Rosow(ロソウ) 1993 Anesthesiology 79: 875-6 (レミフェンタニルについての検討)、Glass(グラス)1995 Eur. J. Anaesthesiol. Suppl. 10: 73-4 (レミフェンタニルの薬理学)、およびLemmens(レメンス)ら 1994 Clin. Pharmacol. Ther. 56: 261-71 (レミフェンタニルの薬物動態論)参照。
【0049】
フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、オピオイド塩基として、および/またはオピオイドの薬学的に許容される塩として製剤中に配合することができるが、好ましくはオピオイド塩基として製剤中に提供される。薬学的に許容される塩は、無機塩と有機塩を含む。代表的な塩としては、臭酸塩、塩酸塩、ムチン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、n-オキサイド、硫酸塩、マロン酸塩、二塩基性リン酸塩、一塩基性リン酸塩、アセテートトリハイドレート、ビ(ヘプラフルオロブチレート)、ビ(ピリジン-3-カルボキシレート)、ビ(ペンタフルオロプロピオネート)、メシナート、ビ(ピリジン-3-カルボキシレート)、ビ(トリフロロアセテート)、酒石酸塩、クロルハイドレート、フマル酸塩、およびサルフェートペンタハイドレートが挙げられる。薬物製剤がスフェンタニルを含む場合、スフェンタニル塩基は特に使用が意図される。
【0050】
本発明の方法において有用な剤形
様々な剤形のうちの任意のものを、本発明の製剤と共に使用することができる。本発明の製剤との使用に適した送達法および剤形は、様々な薬物放出機構の任意のものを利用する。
【0051】
一般に、本発明における使用に適した剤形は、予め選択された期間の治療に十分な量の薬物製剤を保持することに適している(例えば、薬物貯蔵器内に含まれるか、または可溶化され、懸濁され、もしくは賦形剤、ポリマーのような基質もしくはマトリックス、結合固形物などに組込まれる。一般に、本発明で使用するための剤形は、製剤の徐放型放出に適合している。典型的な剤形には、薬物送達装置(例えば、薬物ポンプ)、生侵食性インプラント、徐放型注射可能物質(例えば、注射可能な高粘度製剤、コラーゲンヒドロゲルのようなヒドロゲルを含むゲル)、微粒子懸濁液、ミクロスフェア懸濁液、リポソーム製剤、ミセル製剤、油性懸濁剤(乳剤を含む)、およびカプセル封入された粒子懸濁液が含まれる。本発明での使用に適する薬物の送達剤形は、「制御された薬物送達の百科事典(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery)」(1999)、イーディス・マティオウィッツ(Edith Mathiowitz)(編)、John Wiley & Sons社に記されている。この剤形は、例えば薬物送達システムの外付け要素(例えば、外付けポンプ)または埋込み型要素として従来使用される、様々な従来の任意の薬物放出装置から選択されうる。
【0052】
ある態様において、剤形(本明細書においては送達装置とも称される)は、長期に及ぶフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの送達に適したものである。このような送達装置は、数時間(例えば、2時間、12時間、または24時間〜48時間またはそれを超える)、数日間(例えば、2日〜5日またはそれを超える、約100日またはそれを超える)、数ヶ月または数年の間、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの投与に適合することができる。これらの態様の一部において、該装置は、約1ヶ月〜約12ヶ月またはそれを超える範囲の期間の送達に適合される。この薬物送達装置は、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを、例えば、約2時間〜約72時間、約4 時間〜約36 時間、約12 時間〜約24 時間;約2日〜約30日、約5日〜約20日、約7日〜約100日もしくはそれより長く、約10日〜約50日;約1週間〜約4週間;約1ヶ月〜約24ヶ月もしくはそれより長く、約2ヶ月〜約12ヶ月、約3ヶ月〜約9ヶ月;または、必要ならばこれらの範囲内の漸増範囲を含む、その他の時間範囲にわたる期間、個体へ投与するのに適合したものでありうる。
【0053】
この剤形からの薬物の放出、特に制御された薬物の放出は、当技術分野において周知の任意の様々な方法、例えばポリマー内からの薬物の実質的に制御された拡散を規定する、賦形剤での薬物の可溶化もしくは懸濁、またはポリマーへの薬物の組込み、生分解性ポリマーでの薬物の組込み、浸透圧駆動型の(osmotically-driven)装置からの薬物送達のための準備などにより、実現することができる。薬物送達装置が薬物送達カテーテルを含む場合、薬物は薬物送達カテーテルを介して、毛細管作用の結果として、薬物装置により発生した圧力の結果として、拡散により、電気拡散により、または装置および/もしくはカテーテルを通じた電気浸透により、送達部位へ送達されうる。
【0054】
一般に、この剤形は予め選択された期間にわたる治療に治療上必要とされるような量および濃度で薬物製剤を有するように適合され、かつこの治療の継続期間に身体過程による分解から該製剤を十分に保護しなければならない。例えば、この剤形は代謝過程からの分解、および例えば漏出、亀裂、破壊、またはゆがみなどの危険性から保護する特性を有する材料からなる外形により、取り囲むことができる。これにより、例えば被験者による動作の結果として薬物放出装置に及ぼされた物理的力により、または例えば対流薬物送達装置において、貯蔵器内に発生した圧力に関連した物理的力により、使用時に供されると考えられる圧力下において制御できない様式で剤形の内容物を放出するのを防ぐことができる。薬物を保持するまたは含むための薬物貯蔵器または他の手段はまた、活性物質の製剤との意図しない反応を避けるような、物質でなければならず、かつ好ましくは生体適合性である(例えば、この剤形が埋込まれる場合、被験者の体または体液に関して実質的に非反応性である)。
【0055】
本発明の送達装置で使用するための容器、すなわち薬物保持手段に適切な材料は当技術分野で周知である。例えば容器材料は非反応性のポリマーまたは生物適合性の金属または合金を含んでいてもよい。適当なポリマーには、限定する必要性はないがアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンポリマーなどのようなアクリロニトリルポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリウレタン、ポリクロロトリフロロエチレン、テトラフロロエチレンおよびヘキサフロロプロピレンの共重合体のようなハロゲン化ポリマー、ポチエチレンビニルアセテート(EVA)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカルボネート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリスチレン、セルロース性ポリマーなどが含まれる。さらに例示的なポリマーは、「一般的ポリマーの手引き(The Handbook of Common Polymers)」、Scott(スコット)およびRoff(ロフ)、CRC Press、Cleveland Rubber Co.、クリーブランド、オハイオ州に記載されている。
【0056】
薬物送達装置の容器で用いるに適した金属材料は、ステンレス鋼、チタン、白金、タンタル、金およびそれらの合金や、金メッキの鉄合金や、白金メッキのチタン、ステンレス鋼、タンタル、金およびそれらの合金、同様に他の鉄合金や、コバルト-クロム合金や、窒化チタンメッキされたステンレス鋼、チタン、白金、タンタル、金、およびそれらの合金を含む。
【0057】
ポリマーマトリックスで使用される典型的な材料としては、限定する必要はないが、生物安定性のポリマーや生物分解性のポリマーを含む生物適合性のポリマーが挙げられる。例示的な生物安定性のポリマーには、限定する必要はないが、シリコン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタンウレア、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリエチレン-クロロトリフロロエチレン、ポリテトラフロロエチレン(PTFEまたは「テフロン(商標)」)、スチレンブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイド-ポリスチレン、ポリ-a-クロロ-p-キシレン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、および他の関連する生物安定性のポリマーが含まれる。例示的な生物分解可能なポリマーには、限定する必要はないが、ポリアンハイドライド類、クロロデストラン類、ポリラクティック-グリコール酸、ポリオルトエステル類、n-ビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド/ポリエチレンテレフタレート、ポリグリコール酸、ポリアクチン酸、スクロースアセテートイソブチレート、および他の関連する生物吸収可能なポリマーが含まれる。
【0058】
薬剤が金属製または金属合金製、特定するとチタンまたは60%以上のチタン合金からなる容器に保存されている場合、サイズが最重要な適用のため、高い収容能力のため、長期間の適用のため、製剤が埋め込み部位で身体に化学的に過敏である場合、また身体が製剤に対して過敏である場合にそれらを適用するためには85%以上のチタンが好まれることが多い。最も好ましくはこの薬物送達装置は室温またはそれを超える高温で薬物を保存するように設計されている。
【0059】
本発明で用いるのに適した薬物放出装置は、種々の形態の観察法のどれかに基づくことができる。例えば、この薬物放出装置は拡散システム、対流式システム、または腐食システム(例えば、腐植性に基づくシステム)に基づいていてもよい。例えば、この薬物放出装置は浸透圧式ポンプ、電気式浸透圧式ポンプ、蒸気圧式ポンプ、または浸透圧式炸裂マトリックス、すなわち例えば薬物がポリマーに導入されるとそのポリマーは、薬物を含浸したポリマー材料(例えば、生物分解可能な薬物含浸性ポリマー材料)の分解と同時に薬剤の放出を起こさせるようなマトリックスであってもよい。他の態様におけるこの薬物放出装置は、電気拡散システム、電気分解式ポンプ、気泡式ポンプ、圧電式ポンプ、水素分解システムなどに基づいている。
【0060】
また、機械的または電気機械的な注入ポンプに基づく薬物放出装置も本発明で使用するに適している。このような装置の例としては、例えば米国特許第4,692,147号、第4,360,019号、第4,487,603号、第4,360,019号、第4,725,852号などに記載されているものが含まれる。一般には、薬物を送達する本発明の方法は、種々の再充填可能で、非交換性のポンプ系のどれかを用いて達成できる。ポンプおよび他の対流式システムは一般に、時間の経過につれてより一定して調節された放出がなされるために好まれる。浸透圧式ポンプはより定常的に調節した放出が行え、比較的大きさが小さいという組合わさった利点があるため特に好ましい。本発明における使用に適する、浸透圧駆動型の典型的な装置は、米国特許第3,760,984号;第3,845,770号;第3,916,899号;第3,923,426号;第3,987,790号;第3,995,631号;第3,916,899号;第4,016,880号;第4,036,228号;第4,111,202号;第4,111,203号;第4,203,440号;第4,203,442号;第4,210,139号;第4,327,725号;第4,627,850号;第4,865,845号;第5,057,318号;第5,059,423号;第5,112,614号;第5,137,727号;第5,234,692号;第5,234,693号;第5,728,396号;第5,985,305号;などに記載されたものを含むが、これらに限定されない。
【0061】
ある態様において、薬物放出装置は浸透圧駆動型の装置の形状の、制御された薬物放出装置である。好ましい浸透圧駆動型の薬物放出システムは、約0.01 mg/時〜約1000 mg/時までの速度範囲での物質放出を規定することができるものであり、かつこれらは例えば、約0.001 ml/日〜約100 ml/日(すなわち、約0.0004 ml/時〜約4 ml/時)まで、約0.04 ml/日〜約10 ml/日まで、約0.2 ml/日〜約5 ml/日まで、約0.5 ml/日〜約1 ml/日までの容量速度範囲で送達することができる。一般に、本発明において、薬物放出システムは約0.001 ml/日(1 ml/日)から少なくとも約500 ml/日または約1 ml/日(すなわち、約0.04 ml/時〜約21 ml/時〜約42 ml/時)、約2 ml/日〜約250 ml/日〜500 ml/日、約4 ml/日〜約100 ml/日、約5 ml/日〜約50 ml/日〜250 ml/日の速度でのビスホスホリン酸塩の送達を規定するために選択される。
【0062】
ある態様において、徐放型剤形は、デポー剤型注射可能物質であり、例えば米国特許第6,183,781号;第6,174,547号;第6,156,331号;第6,143,314号;第6,130,200号;第6,120,789号;第6,051,558号;第5,989,463号;第5,968,542号;第5,912,015号;第5,747,058号;第5,702,716号;第5,654,008号;および、第5,650,173号参照のこと。
【0063】
特に興味深い態様において、容量/時間の送達速度は、実質的に一定である(例えば、送達は一般に言及された時間期間にわたる言及された容量の速度±約5%〜10%である。)。ある態様において、薬物放出装置は浸透圧駆動型の装置の形状の、持続的薬物放出装置である。好ましい浸透圧駆動型の薬物放出システムは、約0.1 mg/時〜約1000 mg/時までの速度範囲での薬物の放出に備えることができるものであり、これは約0.25 ml/日〜約100 ml/日まで(すなわち、約0.0004 ml/時から約4 ml/時)、約0.04 ml/日〜約10 ml/日までの容量速度で送達することができ、かつ約0.2 ml/日〜約5 ml/日まで、または約0.5 ml/日〜約1 ml/日まででありうる。ある態様において、容量/時間の送達速度は、実質的に一定である(例えば、送達は一般に言及された時間期間にわたる言及された容量の±約5%〜10%の速度である)。
【0064】
本発明は、本発明の製剤の送達により、疼痛を管理する方法を特徴とする。ある態様において、本発明の薬物製剤は、実質的に持続した様式で送達される。本発明の製剤は、様々な任意の送達部位に送達することができるが、この製剤は、特にフェンタニルまたはフェンタニルコンジナー(特にスフェンタニル)の皮下部位への送達において用途が見出される。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナー(特にスフェンタニル)の皮下送達法は、2000年8月3日に出願された米国特許出願第09/522,535号の、「疼痛管理のための装置および方法(Devices and Methods for Pain Management)」と題する米国の通常の実用特許出願(U.S. regular utility application)に記載されており、これは本明細書に参照として組み入れられている。
【0065】
発明の製剤を使用する被験者における疼痛の緩和法
本発明の製剤は、オピオイドが適する様々な治療目的に使用することができるが、本発明の製剤は疼痛に苦しむ被験者における疼痛の緩和に特に有用であり、このような方法は本発明の製剤を疼痛に苦しむ被験者に投与する段階を含む。特定の態様において、この製剤は長期間の送達に適した薬物送達装置、例えば、前述の薬物送達装置を使用して投与される。一般に、これらの方法は薬物送達装置から、被験者の疼痛を緩和するのに有効な量のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーを含む製剤を送達する段階を含む。
【0066】
疼痛に苦しむまたは受けやすい被験者は、任意の望ましい期間、本発明の方法に従う疼痛の緩和を受けることができる。一般に、本発明によるフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの投与は、数時間(例えば、2時間、12時間、または24時間〜48時間もしくはそれより長く)、数日(例えば、2日〜5日またはそれより長く)、数ヶ月または数年維持することができる。一般的には、送達は約1ヶ月〜約12ヶ月またはそれより長期にわたる期間継続することができる。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、例えば必要ならばこれらの範囲内の漸増範囲を含む、約2時間〜約72時間まで、約4時間〜約36時間まで、約12時間〜約24時間まで、約2日〜約30日まで、約5日〜約20日まで、約7日〜約100日まで、もしくはそれより長く、約10日〜約50日まで、約1週間〜約4週間まで、約1ヶ月〜約24ヶ月まで、約2ヶ月〜約12ヶ月まで、または約3ヶ月〜約9ヶ月まで、またはその他の範囲または時間のような期間、個体に投与してもよい。このオピオイド送達の延長された期間は、本発明の製剤中に存在する高濃度のオピオイドにより可能になる。特定の態様において、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーは、装置の再接触および/または装置の再補充を必要とせずに、被験者へ送達される。これらの態様において、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの高濃度製剤は、特に興味深い。
【0067】
好ましくはフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの送達は、実質的に持続的であり、例えば予め選択された薬物送達期間中は実質的に妨害されず、かつより好ましくは実質的に一定の、予め選択された速度または速度範囲(例えば、単位時間あたりの薬物量、または単位時間当りの薬物製剤の容量)である。好ましくは薬物は、約0.01μl/日〜約2 ml/日まで、好ましくは約0.04μl/日〜約1 ml/日まで、一般に約0.2μl/日〜約0.5 ml/日まで、一般的には約2.0μl/日〜約0.25 ml/日までの容量速度で送達される。
【0068】
ある態様において、薬物送達装置は予め選択された速度での実質的に持続的な薬物送達を規定する。例えば、スフェンタニルの皮下送達に関して、この薬物を約0.1μg/時〜約200μg/時まで、約0.25μg/時〜約100μg/時間まで、通常約3μg/時〜約85μg/時の間、および一般的には約5μg/時〜約100μg/時の間の速度で送達することができる。具体例の態様において、スフェンタニルは約0.01μg/時間、約0.1μg/時間、約0.25μg/時間、または約1μg/時間、一般に最大約200μg/時間までの速度で送達される。フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの適量は、例えばこれらの薬物の相対効力を基に、当業者により容易に決定されうる。送達される薬物の実際の用量は、選択された使用される薬物の効力および他の特性(例えば、親油性など)のような様々な要因により変動すると考えられる。
【0069】
本発明のフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの実質的に持続的な送達(例えば、注入、拡散などによる)は、例えば、外付けまたは埋込み可能なポンプの形状の薬物送達装置を用いて達成することができる。このような薬物送達装置の使用は、少なくとも以下の追加の利点を提供する:(1)薬物の治療的鎮痛作用は本質的に持続的である;(2)薬物は、円滑かつ一貫した様式で被験者に送達される(例えば、治療開始時および予め選択された治療期間を通じての両方で、ボーラスの作用を実質的に避ける);(3)オピオイドの誤用または濫用の可能性が実質的に減少する(例えば、患者は送達装置内に含まれない過剰なスフェンタニルに容易に接触する段階にない;(4)過剰投与およびその結果としての毒性反応の危険性が減少する(例えば、投与時の患者または保健専門家の過ちに起因する過量の危険性が避けられる);(5)患者の服薬遵守が増大する(例えば、装置により、予め選択された治療期間を通じて薬物が持続的に投与されることが保証される);ならびに、(6)広範な送達速度を伴う安全な送達。本発明における使用に適した薬物送達装置は、更に詳細に上述されている。本発明により考慮される送達経路は、非経口経路(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内など)を含むが、これらに限定されない。皮下送達は、特に興味深い送達経路である。
【0070】
本発明の方法に従う治療に対して感度の高い疼痛
一般的に、本発明にかかるフェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの投与を利用することで、広範囲にわたるさまざまな任意の異常、症状、または疾患が関与する疼痛の管理が容易になる。疼痛の原因は確認できてもよいし、確認できなくてもよい。確認できる場合の疼痛の起源は、例えば悪性、非悪性、感染性、非感染性、または自己免疫性の起源であると考えられる。特に関心対象となるのは、長期間の治療を必要としている異常、疾患、または症状、例えば慢性および/もしくは永続的な疾患または症状と関連する疼痛の管理であって、そのための治療法は、数日間(例えば、約3日から10日間まで)から数週間(例えば、約3週間または4週間から6週間まで)、数ヶ月、または数年の期間、すなわち被験者の残りの寿命にわたって行われる治療が関与する。現在は疾患または症状に苦しんでいないが、そのような疾患または症状に苦しむおそれのある被験者も、例えば外傷を与える外科手術の前に本発明の装置および方法を用いて予防的に疼痛の管理を行うことによる恩恵を受けることもできる。本発明による治療法の鋭意強を受けやすい疼痛には、疼痛のない間隔と交互に起こる長く続いて発現する疼痛や、重症度の異なる実質的に絶え間ない疼痛が含まれるでと考えられる。
【0071】
一般に疼痛は、体細胞原性、神経原性、または精神原性の可能性がある。体細胞原性の疼痛は、筋肉または骨(すなわち、骨関節炎、腰仙部痛、外傷後、筋膜)、内臓性(すなわち、膵臓炎、潰瘍、過敏性腸炎)、虚血性(すなわち、閉塞性動脈硬化症、または癌の進行に関連するもの(例えば、悪性または非悪性)である可能性がある。神経原性の疼痛は、外傷後や手術後の神経痛によるもののこともあるし、神経障害(すなわち、糖尿病性、毒性、など)に関連することもあるし、また神経のエントラップメント(entrapment)、顔面神経痛、ニール(neal)周辺の神経痛、切断後、視床、灼熱痛、および反射性交感神経性ジストロフィーに関連することもある。
【0072】
本発明による管理に影響を受けやすい疼痛の症状、疾患、異常、および起源の特定の例には、限定する必然性はないが、癌疼痛(例えば、転移性または非転移性の癌)、慢性炎症疾患疼痛、神経障害疼痛、術後疼痛、医原性疼痛(例えば、侵襲性の治療、または高用量の放射線治療を行った後で起こる疼痛、例えば、動作の自由性と実質的な疼痛との妥協性を弱めてしまう結果になる瘢痕を伴う)、複合領域疼痛症候群、損傷した背部の疼痛(例えば、急性または慢性の背部痛、柔軟組織痛、関節痛および骨疼痛、中枢性疼痛、障害(例を挙げると、非衰弱性の障害(例えば、背中、首、脊椎、関節、脚、腕、手、足などはもちろんのこと、衰弱性の障害、例えば対麻痺、四肢麻痺などの障害))、関節炎疼痛(例えば、慢性関節リガンド埋まり、骨関節炎、原因不明の関節炎症候群など)、遺伝的疾患(例えば、鎌状赤血球性の貧血)、感染症および結果的に起こる症候群(例えば、ライム病、AIDSなど)、頭痛(例えば、偏頭痛)、灼熱痛、知覚過敏症、交感神経ジストロフィー、幻肢症候群、除神経などが挙げられる。疼痛は、身体のどこかの部分、例えば筋骨格系、内臓器官、皮膚、神経系などに起きている可能性がある。
【0073】
癌の疼痛は、本発明によって緩和できる疼痛のある広いカテゴリーのうちの一例である。癌の疼痛の根底にある原因の一つは、新生組織領域による組織の深刻な局所的な伸びである。例えば、制限ない態様で癌細胞が増殖する場合、癌細胞が増殖している局所的な領域のある組織には、組織を置き換えて、腫瘍の塊によって占められた大きくなった容量に順応させることを必要とする機械的なストレスがかけられる。腫瘍の範囲が小さな閉じた区画、たとえば骨の骨髄に限定されている場合、得られる圧力はひどい疼痛をを生じさせる可能性がある、癌の疼痛の別の原因は、被験者の癌を打ちのめすために用いられる攻撃的な治療法、例えば放射線治療や化学療法などから生じる可能性がある。このような癌治療は、局所的、または広く範囲が広がっていて、疼痛を引き起こす組織の損傷に関わるものである。
【0074】
あるタイプの悪性または非悪性の癌に関連する疼痛は、本発明による緩和作用の影響を受けやすい。疼痛(癌自体の性質による疼痛、または癌を治療する治療法による疼痛)を伴う可能性のある癌の特殊な例には、必然的に限定されるわけではないが、肺癌、膀胱癌、黒色腫、骨癌、多発性骨髄腫、脳腫瘍、大腸癌、直腸癌、膵臓癌、異形成性血管腫、内分泌器官の癌、前立腺癌、頭頸部癌、肉腫、ホジキン病、皮膚癌、腎臓癌、胃癌、白血病、精巣癌、肝臓癌、子宮頸部癌、および再生不良性貧血が含まれる。あるタイプの神経障害性の疼痛も、本発明による治療により影響されやすいと考えられる。
【0075】
また本発明の方法で緩和できる慢性の背部痛は、本発明の方法の適用によって影響されやすい疼痛の別の広いカテゴリーである。慢性の背部痛は一般に、次の6つの原因の一つまたは複数による。すなわちその原因は、(i)ずれ、関節炎、楔形成、または側湾症によって引き起こされる脊椎骨内部の小関節面関節部のストレス、(ii)脊髄神経障害、椎間板の隆起、腫瘍による神経根の機械的圧迫、(iii)腱鞘炎、または腱の捻挫、(iv)筋肉の痙攣または筋肉の捻挫、(v)循環における虚血、局所的不全、および(vi)神経障害、代謝性病因の神経組織への損傷、または脊髄損傷もしくは中枢神経系疾患から発生する損傷である。
【0076】
本発明の方法は、オピオイドの経験のない、またはオピオイドの経験が長くない被験者において、疼痛を管理するために用いることができる。代表的なオピオイド未経験の被験者は、短期間または長期間のオピオイド治療を受けた被験者および耐性、依存性、または他の望ましくない副作用を生じた被験者である。例えば、経口、静脈内、もしくは胞膜内のモルヒネ、経皮的なフェンタニル貼着剤、または他の従来のオピオイド送達方法および装置に伴う、難治性の有害な副作用を有する被験者は、良好な痛覚脱失を達成でき、かつ上述した容量範囲および/または低容量速度で投与された場合、フェンタニルまたはフェンタニルコンジナーの送達に伴う、有利な副作用のプロフィールを維持できる。
【0077】
実施例
以下の実施例は、本発明をどのように作製し、使用するかについての完全な開示および説明を当業者に提供できるように提示されており、本発明者らが本発明者らの発明と考える発明の範囲を制限するように意図されておらず、下記の実験が全てであるかまたは実施した唯一の実験であることを示す意図もない。用いた数値(例えば量、温度など)に関する精度を保証するための努力をしたが、幾分かの実験的な間違いや偏差は考慮されるべきである。特に示さない限り、部分は重量での部分、分子量は平均分子量、温度は摂氏度、および圧力は大気圧またはその近くである。
【0078】
実施例1:ベンジルアルコール中にスフェンタニルを含む製剤
397 mg/mL 製剤
スフェンタニル塩基3.97 gを量り取り、かつベンジルアルコールの一部に添加した。この薬物を、ベンジルアルコール中に、磁気攪拌器で攪拌することにより溶解した。得られる調製物が透明になった時、追加のベンジルアルコールを添加し、製剤10mLを得た。得られた製剤濃度は、397 mg/mLであった。
【0079】
310 mg/mL 製剤
スフェンタニル塩基3.1 gを量り取り、かつベンジルアルコールの一部に添加した。この薬物を、ベンジルアルコール中に、磁気攪拌器で攪拌することにより溶解した。得られる調製物が透明になった時、追加のベンジルアルコールを添加し、製剤10mLを得た。得られた製剤濃度は、310 mg/mLであった。
【0080】
実施例2:安息香酸ベンジル中にスフェンタニルを含む製剤
248 mg/mL 製剤
3mLのポリソルベート20を十分な安息香酸ベンジルに添加し、30mL溶液を作製することにより、賦形剤溶液を調製した。この混合液を、ポリソルベート20が安息香酸ベンジルに分散されるまで、磁気攪拌器で攪拌した。スフェンタニル塩基7.44 gを量り取り、かつ賦形剤溶液の一部に添加した。超音波処理槽中のフラスコを超音波処理することにより、薬物を溶解した。得られた調製物が透明になった時、追加量の賦形剤を添加し、製剤30mLを得た。得られた製剤濃度は248 mg/mLであった。
【0081】
77 mg/mL 製剤
3mLのポリソルベート20を十分な安息香酸ベンジルに添加し、30mL溶液を作製することにより、賦形剤溶液を調製した。この混合液を、ポリソルベート20が安息香酸ベンジルに分散されるまで、磁気攪拌器を用いて攪拌した。スフェンタニル2.322 g を量り取り、かつ賦形剤溶液の一部に添加した。超音波処理槽中のフラスコを超音波処理することにより、薬物を溶解した。得られた調製物が透明になった時、追加量の賦形剤を添加し、製剤30mLを得た。得られた製剤濃度は77.4 mg/mLであった。
【0082】
本発明は、それらの具体的態様を参照して説明されているが、真の本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに、様々な変更を行うことができかつ同等物と置換することができることは、当業者により理解されるべきである。加えて、特定の状況、材料、物質組成、過程、ひとつまたは複数の過程段階を、本発明の目的、趣旨および範囲に適合させるように、多くの修正を行うことができる。このような修正は全て、添付された特許請求の範囲内であることが意図されている。
Claims (24)
- スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、およびミルフェンタニルから選択されるフェンタニルコンジナーおよび非水性担体を含む薬学的製剤であって、ここでフェンタニルコンジナーが溶液中にあり、かつ該製剤中に少なくとも50mg/mLの濃度で存在する、薬学的製剤。
- 非水性担体が芳香族部分を含む低分子量アルコールである、請求項1記載の薬学的製剤。
- アルコールがベンジルアルコールである、請求項2記載の薬学的製剤。
- 非水性担体が非イオン性界面活性剤およびアルコールを含む、請求項1記載の薬学的製剤。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタンからなる群より選択される、請求項4記載の薬学的製剤。
- アルコールがベンジルアルコールである、請求項4記載の薬学的製剤。
- スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、およびミルフェンタニルから選択されるフェンタニルコンジナーを、芳香族部分を含む低分子量アルコール担体中に、50mg/mLから500mg/mLの濃度で含む、薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーを、50mg/mLから400mg/mLの濃度で含む、請求項7記載の薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーがスフェンタニルである、請求項7記載の薬学的製剤。
- 低分子量アルコールがベンジルアルコールである、請求項7記載の薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーが、塩基として製剤中に存在する、請求項7記載の薬学的製剤。
- スフェンタニル、アルフェンタニル、ロフェンタニル、カルフェンタニル、レミフェンタニル、トレフェンタニル、およびミルフェンタニルから選択されるフェンタニルコンジナーを50mg/mLから500mg/mLの濃度で含み、かつ非イオン性界面活性剤を50mg/mLから200mg/mLの濃度で含む薬学的製剤であって、フェンタニルコンジナーが、芳香族部分を含むアルコールエステル担体中にある、薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーを約50mg/mLから約250mg/mLの濃度で含む、請求項12記載の薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーがスフェンタニルである、請求項12記載の薬学的製剤。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタンからなる群より選択される、請求項12記載の薬学的製剤。
- アルコールエステルが安息香酸ベンジルである、請求項12記載の薬学的製剤。
- フェンタニルコンジナーが、塩基として製剤中に存在する、請求項12記載の薬学的製剤。
- 請求項1、7または12記載の製剤を含む剤形。
- 非水性希釈剤に溶解したスフェンタニルを含む薬学的製剤であって、ここでスフェンタニルが該製剤中に50mg/mLよりも高い濃度で存在する、薬学的製剤。
- 製剤が芳香族部分を含む低分子量アルコールを含む、請求項19記載の薬学的製剤。
- 低分子量アルコールがベンジルアルコールである、請求項20記載の薬学的製剤。
- 製剤が非イオン性界面活性剤を50mg/mLから200mg/mLの濃度で含み、かつ芳香族部分を含むアルコールエステルを含む、請求項19記載の薬学的製剤。
- アルコールエステルが安息香酸ベンジルであり、かつ非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、およびトリオレイン酸ソルビタンからなる群より選択される、請求項22記載の薬学的製剤。
- 請求項19記載の製剤を含む、薬物剤形。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US18826300P | 2000-03-10 | 2000-03-10 | |
US60/188,263 | 2000-03-10 | ||
PCT/US2001/006955 WO2001068140A2 (en) | 2000-03-10 | 2001-03-02 | Opioid formulations |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003526680A JP2003526680A (ja) | 2003-09-09 |
JP2003526680A5 JP2003526680A5 (ja) | 2008-04-17 |
JP4969009B2 true JP4969009B2 (ja) | 2012-07-04 |
Family
ID=22692427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001566703A Expired - Fee Related JP4969009B2 (ja) | 2000-03-10 | 2001-03-02 | オピオイド製剤 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4969009B2 (ja) |
AU (2) | AU4341401A (ja) |
CA (1) | CA2402865A1 (ja) |
WO (1) | WO2001068140A2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014177413A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Terumo Corp | レミフェンタニル注射液剤 |
US10117862B2 (en) | 2014-09-12 | 2018-11-06 | Terumo Kabushiki Kaisha | Remifentanil injection |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0300531D0 (en) | 2003-01-10 | 2003-02-12 | West Pharm Serv Drug Res Ltd | Pharmaceutical compositions |
EP1807018A4 (en) * | 2004-10-21 | 2012-07-04 | Univ Iowa Res Found | SYSTEM FOR CONTROLLED IN-SITU ADMINISTRATION OF MEDICINAL PRODUCTS |
US20140179740A1 (en) * | 2012-12-21 | 2014-06-26 | Mylan Inc. | Stable liquid remifentanil formulations |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6137725A (ja) * | 1984-07-23 | 1986-02-22 | アルザ・コーポレーシヨン | フエンタニルの皮膚投与およびそのための装置 |
JPS6183116A (ja) * | 1984-08-10 | 1986-04-26 | イ−・アイ・デユポン・ド・ネモア−ス・アンド・コンパニ− | オピオイドの経皮膚伝達 |
JPH05331064A (ja) * | 1992-05-26 | 1993-12-14 | Sekisui Chem Co Ltd | 消炎鎮痛貼付剤 |
JPH07206903A (ja) * | 1994-01-24 | 1995-08-08 | Takeda Chem Ind Ltd | 超分子構造型集合体 |
JPH09176000A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-08 | Teijin Ltd | 医療用貼付剤 |
WO1997049402A1 (en) * | 1996-06-27 | 1997-12-31 | Janssen Pharmaceutica N.V. | Sustained release sufentanil compositions |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8900267D0 (en) * | 1989-01-06 | 1989-03-08 | Riker Laboratories Inc | Narcotic analgesic formulations and apparatus containing same |
WO1995031182A1 (en) * | 1994-05-13 | 1995-11-23 | Aradigm Corporation | Narcotic containing aerosol formulation |
US6541021B1 (en) * | 1999-03-18 | 2003-04-01 | Durect Corporation | Devices and methods for pain management |
-
2001
- 2001-03-02 JP JP2001566703A patent/JP4969009B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2001-03-02 CA CA002402865A patent/CA2402865A1/en not_active Abandoned
- 2001-03-02 AU AU4341401A patent/AU4341401A/xx active Pending
- 2001-03-02 AU AU2001243414A patent/AU2001243414B2/en not_active Ceased
- 2001-03-02 WO PCT/US2001/006955 patent/WO2001068140A2/en active IP Right Grant
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6137725A (ja) * | 1984-07-23 | 1986-02-22 | アルザ・コーポレーシヨン | フエンタニルの皮膚投与およびそのための装置 |
JPS6183116A (ja) * | 1984-08-10 | 1986-04-26 | イ−・アイ・デユポン・ド・ネモア−ス・アンド・コンパニ− | オピオイドの経皮膚伝達 |
JPH05331064A (ja) * | 1992-05-26 | 1993-12-14 | Sekisui Chem Co Ltd | 消炎鎮痛貼付剤 |
JPH07206903A (ja) * | 1994-01-24 | 1995-08-08 | Takeda Chem Ind Ltd | 超分子構造型集合体 |
JPH09176000A (ja) * | 1995-12-28 | 1997-07-08 | Teijin Ltd | 医療用貼付剤 |
WO1997049402A1 (en) * | 1996-06-27 | 1997-12-31 | Janssen Pharmaceutica N.V. | Sustained release sufentanil compositions |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014177413A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-25 | Terumo Corp | レミフェンタニル注射液剤 |
US10117862B2 (en) | 2014-09-12 | 2018-11-06 | Terumo Kabushiki Kaisha | Remifentanil injection |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003526680A (ja) | 2003-09-09 |
CA2402865A1 (en) | 2001-09-20 |
WO2001068140A3 (en) | 2001-12-13 |
AU4341401A (en) | 2001-09-24 |
AU2001243414B2 (en) | 2005-05-19 |
WO2001068140A2 (en) | 2001-09-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4234908B2 (ja) | 疼痛治療のための装置及び方法 | |
US20110136847A1 (en) | High Concentration Formulations of Opioids and Opioid Derivatives | |
US6835194B2 (en) | Implantable devices and methods for treatment of pain by delivery of fentanyl and fentanyl congeners | |
EP1809329B1 (en) | Sustained local anesthetic composition containing saib | |
Allen et al. | Opiate pharmacology of intrathecal granulomas | |
US20140350053A1 (en) | Opioid formulations | |
AU2002323569A1 (en) | Implantable devices and methods for treatment of pain by delivery of fentanyl and fentanyl congeners | |
WO2001043528A2 (en) | Devices and methods in intracerebrospinal delivery of morphine-6-glucuronide | |
JP4969009B2 (ja) | オピオイド製剤 | |
AU2001243414A1 (en) | Opioid formulations |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20050411 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080227 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110418 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20110715 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20110725 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120305 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120403 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |