JP4968259B2 - 画像高解像度化装置及び画像高解像度化方法並びにプログラム - Google Patents

画像高解像度化装置及び画像高解像度化方法並びにプログラム Download PDF

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Description

(関連出願)本発明は先の日本特許出願、特願2006−151900号(2006年5月31日出願)の優先権主張に基づき、この先の出願の全記載内容は、引用をもって本書に繰込み記載されたものとみなされる。
本発明は、複数枚の低解像度画像から高解像度画像を生成する画像高解像度化技術に関し、特に動き推定誤差によって生成高解像度画像上に生じるノイズを低減させ、人間の見た目に高品質な画像を生成する技術に関する。
従来から、同一シーンを撮影した位置ずれのある複数の低解像度画像を合成し、高解像度画像を生成する画像高解像度化方法が提案されている。
図21に、複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する従来の高解像度化装置の構成例を示す。従来の高解像度化装置は、動き推定手段71と高解像度画像推定手段72とを備える。動き推定手段71は、複数枚の低解像度画像を入力とし、それらの内の、高解像度化する基準画像の各画素について、参照画像との間の動き(位置ずれ)を推定し、推定結果を出力する。高解像度化装置においては、低解像度画像間の位置ずれの検出を画素単位未満の精度(サブピクセル精度)で行う必要がある。
動きを推定する手法は、領域ベース手法と特徴ベース手法とに分類できる。領域ベース手法の一般的な方法としてブロックマッチング法がある。ブロックマッチング法は、はじめに低解像度画像を必要とする精度の得られる解像度まで拡大した後にブロックマッチング処理によって移動ベクトルを求める方法である。ブロックマッチング処理は、画像I1中の注目画素(i,j)についてのある大きさのテンプレートブロックと参照画像I2中のブロックとの画素値の差分評価関数の値εを最小とする画素精度の移動ベクトル(ux,uy)を求める処理である。εを算出する方法の例を式(1)と式(2)に示す。I1(i,j)とI2(i,j)は、それぞれ画像I1及び画像I2の座標(i,j)における画素値を表す。但し、BLはブロックサイズである。
Figure 0004968259
Figure 0004968259
高解像度画像推定手段72は、低解像度画像と動き推定結果を入力とし、これらの情報から高解像度画像を推定して出力する。高解像度画像推定手段72の例として、式(3)で表される最尤推定や式(4)の最大事後確率(MAP)推定の評価関数を最小化するxを推定結果として出力する手法がある(例えば、非特許文献1参照)。ただし、xは高解像度画像、yは低解像度画像、Aは画像間の動きやダウンサンプリングなどを含んだ画像変換行列、Cはハイパスフィルタ、λは定数である。また、画像変換行列Aに含まれる画像間の動きは、前出した式(1)や式(2)を用いて算出した移動ベクトルを反映したものになっている。
Figure 0004968259
Figure 0004968259
複数の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する高解像度化の手法は一般に超解像処理と呼ばれる。動き推定処理を含む超解像処理では、前述したように、サブピクセル精度で動き推定を行う必要があるが、ピクセル単位の低解像度画像に基づいて、サブピクセル精度の動き推定を行うことは困難であり、誤差が含まれるのが一般的である。そして、この誤差が高解像度画像に不自然なノイズを発生させる主要な原因となる。
しかし、前出の式(3)や式(4)を用いて高解像度画像を生成する、非特許文献1に記載されている従来の技術では、動き推定に含まれる誤差が全く考慮されていない。このため、非特許文献1に記載されている従来の技術では、動き推定に誤差があった場合、生成された高解像度画像に不自然なノイズが発生してしまうという問題があった。即ち、非特許文献1に記載されている従来の技術では、動き推定結果に誤差がないことを前提にして高解像度画像を生成するようにしているため、生成した高解像度画像に不自然なノイズが発生してしまう場合があった。
一方、超解像処理により生成する高解像度画像の画質を改善するための技術として、従来、次のような技術が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1においては、基準画像と各参照画像との間の動き推定ベクトルと、基準画像と各参照画像との間の時間的距離(例えば、フレーム番号の差分)と、生成しようとしている高解像度画像中の画素(生成画素)と各低解像度画像中の上記生成画素に最も近い画素との間の距離(画素間距離)とに基づいて、各低解像度画像の各画素に対する重みを決定し、この重みを考慮して各低解像度画像の各画素を合成することにより高解像度画像を生成するようにしている。
図22は、特許文献1に記載されている高解像度化装置の構成例を示すブロック図であり、動き推定手段91と、動き距離評価手段92と、動き推定評価手段93と、重み生成手段94と、高解像度画像推定手段95とを備える。
動き推定手段91は、複数枚の低解像度画像を入力とし低解像度画像間の動き推定結果(動き推定ベクトル)を出力する。動き距離評価手段92は、動き推定ベクトルを入力とし、動き推定ベクトルの大きさと画像間の時間的距離と画素間距離とを評価する。より具体的には、動き距離評価手段92は、動き推定ベクトルの大きさ、時間的距離および画素間距離それぞれについて、その値が大きいほど、画質を劣化させる可能性が高いと評価する。
動き推定評価手段93は、上記動き距離評価手段92の3つの評価を統合する。重み生成手段94は、各低解像度画像の各画素に対する重みを決定し、高解像度画像推定手段95は、重み生成手段94で決定された重みを利用して各低解像度画像を合成し、高解像度画像を出力する。
特開2006−033062号公報 S. C. Park and M. K. Park and M. G. Kang, "Super-Resolution Image Reconstruction: A Technical Overview", IEEE Signal Processing Magazine, vol.20, no.3, pp.21-36, May 2003.
以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
上記特許文献1及び非特許文献1の全開示事項は、本書に引用をもって繰込み記載されているものとする。
上述した特許文献1に記載されている従来の技術によれば、動き推定ベクトルの大きさ、時間的距離および画素間距離に基づいて、各低解像度画像の各画素を合成させる際の重みを決定し、この重みに従って各低解像度画像を合成しているため、非特許文献1に記載されている従来の技術に比較して、高解像度画像の画質を向上させることができる。しかしながら、特許文献1に記載されている従来の技術では、動き推定結果の信頼性(確からしさ)を全く評価していないため、高解像度画像の画質劣化を充分に抑制することができないという問題があった。即ち、動き推定を含む超解像処理では、動き推定における誤差が、生成される高解像度画像に不自然なノイズを発生させる主要な原因となるが、特許文献1に記載されている従来の技術では、動き推定における誤差を全く考慮していないため、画質劣化を充分に抑制することができない。
そこで、本発明の目的は、動き推定の信頼性を評価し、評価した信頼性を考慮して低解像度画像を合成することにより、動き推定誤差に起因するノイズを抑制した高品質な高解像度画像を生成できるようにすることにある。
本発明の第1の視点によれば、
複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化装置において、
低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する動き推定手段と、
該動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段と、
前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた合成方法で合成する高解像度画像推定手段とを備える画像高解像度化装置が提供される。
更には、上記画像高解像度化装置の、前記高解像度画像推定手段に、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置の、前記高解像度画像推定手段に、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置の、前記高解像度画像推定手段に、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置の、前記動き推定手段が、
2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力するよう構成し、
前記動き推定信頼性評価手段に、
前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出する対応関係評価手段を備えさせることも望ましい。
更には、上記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、
前記対応関係評価手段が、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出するように構成することも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置の、前記動き推定信頼性評価手段に、
前記動き推定手段が推定した前記画素の動きに対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出する類似度評価手段を備えさせることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置に、
前記動き推定手段が推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価手段を備えさせ、且つ、前記高解像度画像推定手段が、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価手段で算出された移動距離評価値とに応じた重みで合成するよう構成することも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置に、前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価手段を備えさせ、且つ、前記高解像度画像推定手段が、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みで合成するよう構成することも望ましい。
本発明の第2の視点によれば、
前記複数枚の低解像度画像の中から1枚の基準画像を選択し、該選択した基準画像と残りの各参照画像との間の画素の動きを推定して動き推定結果を出力する動き推定手段と、 該動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段と、
前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成し、第1の高解像度画像を生成する高解像度画像推定手段と、
前記基準画像を拡大し、前記第1の高解像度画像と同一サイズの第2の高解像度画像を生成する基準画像拡大手段と、
前記第1の高解像度画像の各画素と前記第2の高解像度画像の各画素とを前記動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成する高解像度画像合成手段とを備え、複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化装置が提供される。
本発明の第3の視点によれば、
前記複数枚の低解像度画像の中から1枚の基準画像を選択し、該選択した基準画像と残りの各参照画像との間の画素の動きを推定して動き推定結果を出力する動き推定手段と、 該動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段と、
前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成して第1の高解像度画像を生成する際、各画素の重みを前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じたものにする高解像度画像推定手段と、
前記基準画像を拡大して前記第1の高解像度画像と同一サイズの第2の高解像度画像を生成する基準画像拡大手段と、
前記第1の高解像度画像の各画素と前記第2の高解像度画像の各画素とを前記動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成する高解像度画像合成手段とを備え、複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化装置が提供される。
更には、上記画像高解像度化装置に、前記動き推定手段が推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価手段を備えさせ、且つ、前記高解像度画像合成手段が、前記第1の高解像度画像の各画素と前記第2の高解像度画像の各画素とを合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価手段で算出された移動距離評価値とに応じた重みで合成するよう構成することも望ましい。
更には、上記画像高解像度化装置に、前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価手段を備えさせ、且つ、前記高解像度画像合成手段が、前記第1の高解像度画像の各画素と前記第2の高解像度画像の各画素とを合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みで合成するよう構成することも望ましい。
本発明の第4の視点によれば、複数枚の低解像度画像間の画素の動きを推定し、前記動き推定結果の信頼性に基づいて、前記複数枚の低解像度画像を合成し高解像度画像を生成する画像高解像度化方法が提供される。
本発明の第5の視点によれば、
低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する動き推定ステップと、
前記動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価ステップと、
前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価値に応じた合成方法で合成する高解像度画像推定ステップとを含み、複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化方法が提供される。
更には、上記画像高解像度化方法の前記高解像度画像推定ステップで、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法の前記高解像度画像推定ステップで、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法の前記高解像度画像推定ステップで、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成させることも望ましい。
本発明の第6の視点によれば、複数枚の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化方法において、低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する動き推定ステップと、前記動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価ステップと、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成する高解像度画像推定ステップとを含む画像高解像度化方法が提供される。
更には、上記画像高解像度化方法の前記動き推定ステップで、
2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力させ、
前記動き推定信頼性評価ステップで、
前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法の前記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、前記動き推定信頼性評価ステップで、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法の前記動き推定信頼性評価ステップで、前記動き推定ステップで推定した前記画素の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法において、更に、前記動き推定ステップで推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価ステップを含み、 前記高解像度画像推定ステップで、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価値とに応じた重みで合成させることも望ましい。
更には、上記画像高解像度化方法において、更に、前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価ステップを含み、且つ、前記高解像度画像推定ステップで、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価値とに応じた重みで合成させることも望ましい。
本発明の第7の視点によれば、コンピュータを、
低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する動き推定手段、
該動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段、
前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた合成方法で合成する高解像度画像推定手段として機能させ、
複数枚の低解像度画像を合成して画像高解像度化装置として機能させるプログラムが提供される。
更には、上記プログラムにおいて、前記高解像度画像推定手段として機能するコンピュータが、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を合成することも望ましい。
更には、上記プログラムにおいて、前記高解像度画像推定手段として機能するコンピュータが、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を合成することも望ましい。
更には、上記プログラムにおいて、前記高解像度画像推定手段として機能するコンピュータが、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた重みで合成することも望ましい。
更には、上記プログラムにおいて、前記動き推定手段として機能するコンピュータが、
2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力すると共に、
前記コンピュータが、前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出する対応関係評価手段としても機能する構成とすることもできる。
更には、上記プログラムにおいて、
前記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、前記対応関係評価手段として機能するコンピュータが、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出することも望ましい。
更には、上記プログラムにおいて、
前記コンピュータが、前記動き推定手段が推定した前記画素の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出する類似度評価手段としても機能する構成とすることもできる。
更には、上記プログラムにおいて、前記コンピュータを、前記動き推定手段が推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価手段としても機能させ、且つ、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価手段で算出された移動距離評価値とに応じた重みで合成する高解像度画像推定手段としても機能する構成とすることもできる。
更には、上記プログラムにおいて、前記コンピュータを、前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価手段としても機能させ、且つ、前記複数枚の低解像度画像の各画素を、前記動き推定結果を利用して合成する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みで合成する高解像度画像推定手段としても機能する構成とすることもできる。
〔作用〕
動き推定手段は、入力された複数枚の低解像度画像を参照して低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する。動き推定信頼性評価手段は、動き推定手段から出力された動き推定結果の信頼性を、動き推定結果によって対応付けられる画素の輝度の類似度などにより評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する。高解像度画像推定手段は、動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた合成方法で、入力された各低解像度画像の各画素を合成し、高解像度画像を生成する。
ここで、高解像度画像推定手段は、各低解像度画像の各画素を合成する際、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように合成し、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように合成する。このように各低解像度画像の各画素を合成するために、動き推定信頼性評価値に応じた重みを利用して合成するようにすることもできる。
本発明によれば、動き推定誤差に起因するノイズを抑制した高品質な高解像度画像を生成することができるという効果を得ることができる。その理由は、動き推定結果の信頼性を評価し、評価した信頼性を考慮して低解像度画像を合成するようにしているからである。ここで、ノイズを発生させる主要な原因は、動き推定誤差であるので、動き推定結果の信頼性を評価し、評価した信頼性に応じて低解像度画像を合成することにより、極めて高品質な高解像度画像を生成することが可能になる。図20(A),(B)は、それぞれ非特許文献1に記載されている従来技術により生成した高解像度画像、および本発明の画像高解像度化装置により生成した高解像度画像を示した図である。同図から分かるように、本発明の画像高解像度化装置によれば、ノイズのない高品質が高解像度画像を生成することが可能になる。
本発明の第一の実施例に係る画像高解像度化装置の構成を示すブロック図である。 入力低解像度画像群の構成および動き推定手段11の動作を説明するための図である。 動き推定信頼性評価手段12の構成例を示すブロック図である。 類似度評価値q(α,β)を決定する方法を説明するための図である。 類似度評価値q(α,β)を決定する他の方法を説明するための図である。 動き距離評価手段13の構成例を示すブロック図である。 移動距離評価値r(α,β)を決定する方法を説明するための図である。 時間的距離評価値s(β)を決定する方法を説明するための図である。 第一の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明にかかる画像高解像度化装置の第二の実施例の構成例を示すブロック図である。 第二の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第三の実施例に係る画像高解像度化装置の構成を示すブロック図である。 第三の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第四の実施例に係る画像高解像度化装置の例構成を示すブロック図である。 第四の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第五の実施例に係る画像高解像度化装置の構成を示すフローチャートである。 第五の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明の第六の実施例に係る画像高解像度化装置の構成を示すフローチャートである。 第六の実施例の動作例を示すフローチャートである。 本発明の効果を表した図である。 従来技術の構成例を示すブロック図である。 他の従来技術の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1、1a〜1e…画像高解像度化装置
11…動き推定手段
12…動き推定信頼性評価手段
121…対応関係評価手段
122…類似度評価手段
13…動き距離評価手段
131…移動距離評価手段
132…時間的距離評価手段
14…動き推定評価手段
15…重み付け行列算出手段
16…高解像度画像推定手段
21…動き推定手段
22…動き推定信頼性評価手段
23…動き推定評価手段
24…重み付け行列算出手段
25…高解像度画像推定手段
31…動き推定手段
32…動き推定信頼性評価手段
33…動き距離評価手段
34…動き推定評価手段
35…合成重み算出手段
36…高解像度画像推定手段
37…基準画像拡大手段
38…高解像度画像合成手段
41…動き推定手段
42…動き推定信頼性評価手段
43…動き推定評価手段
44…合成重み算出手段
45…高解像度画像推定手段
46…基準画像拡大手段
47…高解像度画像合成手段
51…動き推定手段
52…動き推定信頼性評価手段
53…動き距離評価手段
54…動き推定評価手段
55…合成重み算出手段
56…重み付け行列算出手段
57…高解像度画像推定手段
58…基準画像拡大手段
59…高解像度画像合成手段
61…動き推定手段
62…動き推定信頼性評価手段
63…動き推定評価手段
64…合成重み算出手段
65…重み付け行列算出手段
66…高解像度画像推定手段
67…基準画像拡大手段
68…高解像度画像合成手段
71…動き推定手段
72…高解像度画像推定手段
81…基準画像
82…1枚目の入力画像
83…2枚目の入力画像
84…N枚目の入力画像
91…動き推定手段
92…動き距離評価手段
93…動き推定評価手段
94…重み生成手段
95…高解像度画像推定手段
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第一の実施例〕
図1は、本発明の第一の実施例に係る画像高解像度化装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す画像高解像度化装置1は、動き推定手段11と、動き推定信頼性評価手段12と、動き距離評価手段13と、動き推定評価手段14と、重み付け行列算出手段15と、高解像度画像推定手段16とを備え、画像サイズMの低解像度画像(画像数N)を入力として高解像度画像(画素数K)を出力する。図1と図22とを比較すると、従来の画像高解像度化装置に動き推定信頼性評価手段12が新たに加えられていることが分かる。
動き推定手段11は、N枚の低解像度画像を入力とし、1枚の基準画像と、残りの(N−1)枚の参照画像との間の画素毎の動きを推定し、動き推定結果を出力する。図2に動き推定手段11の動作説明図を示す。動き推定手段11は、はじめにN枚の低解像度画像の内の、第Nb番目(枚目)の画像を高解像度化する基準画像81として選択し、基準画像81以外の画像群を参照画像とする。図2の例では参照画像として、参照画像82〜84が示されている。その後、動き推定手段11は、動き推定結果として、参照画像82〜84の各画素についての基準画像81への動き推定ベクトルu(α,β)と、参照画像82〜84の画素と対応する基準画像81の画素についての参照画像への動き推定ベクトルv(α,β)とを前出した式(1)や式(2)を利用して算出して出力する。ここで、βは、参照画像の指標を表し、1≦β≦N(但しβ=Nbを除く)によって定義され、αは、画素を示す指標であり、1≦α≦Mで定義される。なお、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)の算出方法は、上記した方法に限られるものではなく、例えば、注目画素αを含むブロックの動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を推定し、そのブロックに含まれている全ての画素の動き推定ベクトルを上記推定した動き推定ベクトルとする方法などを採用することもできる。
更に、動き推定手段11は、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を動き推定結果として出力する処理以外にも、参照画像82〜84の各画素について、基準画像81への動き推定ベクトルu(α,β)によって対応付けられる画素との輝度の類似度を示すマッチング距離値S(α,β)を算出して出力する処理、および基準画像81と各参照画像82〜84との間の撮影時刻の差分に関連する時間的距離Δt(β)を算出して出力する処理を行っている。時間的距離Δt(β)としては、例えば、撮影時刻の秒単位の差分値や、動画像におけるフレーム数の差分値などを採用することができる。
マッチング距離値S(α,β)の算出方法としては、例えば、前出の式(1)、および式(2)のブロックマッチング処理による算出方法がある。これは対応関係にある画素の周辺情報を用い、それらの画素の差の絶対値和や二乗和をとる方法である。式(1)、および式(2)を用いる場合、マッチング距離値S(α,β)が小さいほど類似度が高く、マッチング距離値S(α,β)が大きいほど類似度は低くなる。これ以外にも、マッチング距離値S(α,β)を算出する際、用いる周辺情報の範囲を変化させることにより、大きな周辺領域のマッチング距離値と小さい周辺領域のマッチング距離値等、複数のマッチング距離値S(α,β)を算出する方法もある。更に、マッチング距離値S(α,β)は、本来画素間の類似度を評価することが目的であるので、画素の差分値の総和などの距離値ではなく、領域内画素値の相関係数などの類似度を利用する方法を採用しても良い。更に、注目画素を含むブロックと対応ブロックのマッチング距離値S(α,β)を求め、それをブロックに含まれる全ての画素のマッチング距離値S(α,β)とする方法や、ブロック内の対応画素同士の輝度の差の絶対値や二乗値をその画素のマッチング距離値S(α,β)とする方法を採用しても良い。
動き推定信頼性評価手段12は、動き推定手段11から出力された動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)と、マッチング距離値S(α,β)とを入力とし、動き推定評価値として、対応関係評価値p(α,β)と類似度評価値q(α,β)とを出力する。図3は、動き推定信頼性評価手段12の構成例を示すブロック図である。図3に示す動き推定信頼性評価手段12は、対応関係評価手段121と類似度評価手段122とを備える。
対応関係評価手段121は、動き推定手段11から出力された動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を元に、参照画像の注目画素と基準画像の対応画素との関係が1対1の対応関係にあるか否かを示す対応関係評価値p(α,β)を算出する。動き推定ベクトルu(α,β)は、参照画像から基準画像への動き推定結果であり、動き推定ベクトルv(α,β) は、基準画像から参照画像への動き推定結果である。一般に様々な要因により、探索基準を基準画像にするか、参照画像にするのかによって、動き推定ベクトルは異なるものになる。しかしながら推定される動き推定ベクトルは、基準画像から推定しても、参照画像から逆に推定しても、方向が正反対となるだけで大きさは一致するべきである。すなわちu(α,β)+v(α,β)=0となるほど正確な動き推定であると考える。参照画像βの注目画素αにおける基準画像の対応画素との対応関係評価値p(α,β)は、u(α,β)+v(α,β)の加算ベクトルが0に近づくにつれて値が大きくなり、逆に加算ベクトルが大きくなるにつれて小さくなる。p(α,β)の算出方法の一例を式(5)に示す。ただし、κはサブピクセル推定の曖昧さを考慮する閾値を表すパラメタである。
Figure 0004968259
類似度評価手段122は、動き推定手段11から出力される、参照画像βの注目画素αと基準画像の対応画素とのマッチング距離値S(α,β)を元に、参照画像βの注目画素αにおける類似度評価値q(α,β)を算出する。類似度評価手段122における評価値算出方法の一例として、図4に示すようなグラフを利用してマッチング距離値S(α,β)を類似度評価値q(α,β)に変換する方法がある。すなわち、マッチング距離値S(α,β)の値が小さいほど動き推定結果の信頼性が高いと考えて類似度評価値q(α,β)を大きくし、マッチング距離値S(α,β)が大きいほど動き推定結果の信頼性が低いと考えて類似度評価値q(α,β)が小さくなるように変換する。類似度評価値q(α,β)の数式による算出方法の一例を式(6)に示す。ただし、l1およびl2は、あらかじめ決められた定数である(但しl1<l2)。
Figure 0004968259
更に、類似度評価値q(α,β)の算出方法としては、上記したもの以外に、図5に示すようなマッチング距離値S(α,β)とその値に対応する類似度評価値q(α,β)の値をデータとして持つあらかじめ用意されたテーブルから呼び出す方法を採用することもできる。また、動き推定手段11からの出力が、大きな領域を用いた大局的なマッチング距離値、小さな領域を用いた局所的なマッチング距離値、注目画素を含むブロックのマッチング距離、注目画素と対応画素のマッチング距離など、注目画素についての複数種類のマッチング距離値S(α,β)を含む場合には、それぞれのマッチング距離値S(α,β)について類似度評価値q(α,β)を算出し、最終的にそれらの積を類似度評価手段122の出力とする方法がある。
動き距離評価手段13は、動き推定手段11から出力される動き推定ベクトルu(α,β)および時間的距離Δt(β)を入力とし、動き距離評価値として、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)を出力する。図6は、動き距離評価手段13の構成例を示すブロック図である。図6に示す動き距離評価手段13は、移動距離評価手段131と時間的距離評価手段132とを備える。
移動距離評価手段131は、動き推定手段11から出力される動き推定ベクトルu(α,β)から、撮影対象物体と撮影媒体の位置関係の変化により生じる画像の変形を考慮する移動距離評価値r(α,β)を算出する。移動距離評価手段131における移動距離評価値算出方法の一例として、図7に示すグラフのように、移動距離|u(α,β)|から移動距離評価値r(α,β)に変換する方法がある。移動距離|u(α,β)|が小さいほど移動距離評価値r(α,β)が大きくなり、移動距離|u(α,β)|が大きいほど移動距離評価値r(α,β)が小さくなる。参照画像βの注目画素αにおける移動距離評価値r(α,β)の数式による算出方法の一例を式(7)に示す。ただし、k1,k2はパラメタである(但しk1<k2)。
Figure 0004968259
移動距離評価値r(α,β)の算出は、類似度評価値q(α,β)の算出方法と同様にあらかじめ用意されているテーブルから呼び出すことによっても行うことが可能である。
時間的距離評価手段132は、低解像度画像の撮影のタイミングの違いによる変形の影響を考慮する時間的距離評価値s(β)を出力する。参照画像βの時間的距離評価値s(β)は、基準画像と参照画像βとの撮影タイミングの時間的距離Δt(β)を元に、撮影環境や撮影対象の性質に合わせて決定された関数により算出することができる。時間的距離Δt(β)が小さい時には動き量も小さい可能性が高いので、評価結果が高くなるようにし、逆に時間的距離Δt(β)が大きい時には評価結果が低くなるようにする。図8に時間的距離Δt(β)から時間的距離評価値s(β)への変換特性の一例を示す。時間的距離評価値s(β)の算出は、図8の特性に従ってあらかじめ用意されたテーブルを参照することにより、求めることも可能である。
動き推定評価手段14は、対応関係評価値p(α,β)、類似度評価値q(α,β)、移動距離評価値r(α,β)および時間的距離評価値s(β)を統合し、入力低解像度画像のそれぞれの画素の動き推定評価値ρ(α,n)を出力する。動き推定評価値ρ(α,n)の算出方法の一例を式(8)に示す。動き推定評価値ρ(α,n)は、基準画像81を含む全ての低解像度画像に対して値を持ち、nが基準画像Nbの場合は1.0となる。また、対応関係評価値、類似度評価値、移動距離評価値、時間的距離評価値の各評価値は、評価結果が高いほど値が大きくなっており、式(8)における動き推定評価値ρ(α,n)は、各評価値の積を取る形式で表現している。なお、動き推定評価値ρ(α,n)は、入力低解像度画像nの画素αについての動き推定評価値を表す。動き推定評価値ρ(α,n)のその他の例として、各評価値の積ではなく平均値あるいは加重平均等によって評価値を統合する方法がある。動き推定評価値ρ(α,n)の値は、値が高いほど動き推定の信頼性が高く、逆に値が低いほど動き推定の信頼性が低いことを意味する。
Figure 0004968259
重み付け行列算出手段15は、動き推定評価値ρ(α,n)から、入力された各低解像度画像のそれぞれの画素の合成の強さを表すN個のM行×M列の重み付け行列Wnを出力する。重み付け行列Wnによって低解像度画像の各画素の合成の強さを制御することにより、動き推定誤差により生じるノイズを抑制する効果がある。入力低解像度画像nの重み付け行列Wnの算出方法の一例を式(9)に示す。ただし、Wn(i,j)は、重み付け行列Wnのi行j列の要素である(1≦i≦M、1≦j≦M)。重み付け行列Wnの要素は、その値が大きいほど対応する画素についての動き推定の信頼性が高く、逆に小さいほど対応する画素の動き推定の信頼性が低いことを意味する。
Figure 0004968259
高解像度画像推定手段16は、低解像度画像と、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)と、重み付け行列Wnとを入力とし、式(10)または式(11)で示される評価関数を最小化するxを推定高解像度画像(画素数K)として出力する。重み付け行列Wnの要素が大きいつまり信頼性が高い場合は、その対応する画素の式(10)および式(11)の評価関数の値に与える影響が大きくなるため、生成される高解像度画像にその画素が与える影響は大きくなる。逆に、重み付け行列Wnの要素が小さいつまり信頼性が低い場合は、その対応する画素が評価関数の値に与える影響が小さくなるため、生成される高解像度画像にその画素が与える影響は小さくなる。なお、式(10)、式(11)における画像変換行例Anは、式(3)、式(4)における画像変換行列Anと同様に、画像間の動きやダウンサンプリングなどを含むものであり、画像間の動きは、動き推定手段11が推定した動き推定ベクトルu(α,β)を反映したものとなる。
Figure 0004968259
Figure 0004968259
なお、上述した機能を有する画像高解像度化装置1は、コンピュータによって実現可能であり、コンピュータによって実現する場合には、例えば、次のようにする。コンピュータを画像高解像度化装置1として機能させるためのプログラムを記録したディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体を用意し、コンピュータに上記プログラムを読み取らせる。コンピュータは、読み取ったプログラムに従って自身の動作を制御することにより、自コンピュータ上に、動き推定手段11、動き推定信頼性評価手段12、動き距離評価手段13、動き推定評価手段14、重み付け行列算出手段15および高解像度画像推定手段16を実現する。
〔第1の実施例の動作の説明〕
次に、図9のフローチャートを参照して本実施例の動作を説明する。
先ず、動き推定手段11が、入力されたN枚の低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力する。更に、動き推定手段11は、マッチング距離値S(α,β)を算出して出力すると共に、時間的距離Δt(β)も出力する(ステップS11)。
次に、動き推定信頼性評価手段12内の対応関係評価手段121が、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を参照し、参照画像の各画素について、基準画像中の対応画素との対応関係評価値p(α,β)を算出する(ステップS12)。
その後、動き推定信頼性評価手段12内の類似度評価手段122が、マッチング距離値S(α,β)を参照し、参照画像の各画素について、基準画像中の対応画素との類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS13)。
動き推定信頼性評価手段12の処理が終了すると、動き距離評価手段13内の移動距離評価手段131が、動き推定ベクトルu(α,β)を参照し、参照画像の各画素について、移動距離評価値r(α,β)を算出する(ステップS14)。
その後、動き距離評価手段13内の時間的距離評価手段132が、時間的距離Δt(β)を元に、時間的評価値s(β)を算出する。(ステップS15)。
次に、動き推定評価手段14が、動き推定信頼性評価手段12で算出された対応関係評価値p(α,β)および類似度評価値q(α,β)と、動き距離評価手段13で算出された移動距離評価値r(α,β)および時間的距離評価値s(α,β)とを参照し、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS16)。
その後、重み付け行列算出手段15が、動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、重み付け行列Wnを算出する(ステップS17)。
そして、最後に、高解像度画像推定手段16が、入力低解像度画像、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)、重み付け行列Wを参照し、前出の式(10)または式(11)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS18)。
〔第一の実施例の効果〕
本実施例によれば、動き推定誤差に起因するノイズを抑制した高品質な高解像度画像を生成することができるという効果を得ることができる。その理由は、動き推定信頼性評価手段12が動き推定手段11から出力される動き推定結果〔動き推定ベクトルu(α,β)〕の信頼性を評価して、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値〔対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)〕を出力し、高解像度画像推定手段16が、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)に応じた重みで各低解像度画像の各画素を合成するようにしているからである。
〔第二の実施例〕
次に本発明の第二の実施例について説明する。前述した第一の実施例が、動き推定結果に対する信頼性の度合いを表す対応関係評価値p(α,β),類似度評価値q(α,β)に加えて、移動距離評価値r(α,β),時間的距離評価値s(β)も考慮した重み付け行列Wを用いて低解像度画像を合成しているのに対し、本実施例は、動き推定に対する信頼性の度合いを表す対応関係評価値p(α,β),類似度評価値q(α,β)だけを考慮した重み付け行列Wを用いて低解像度画像を合成するようにしている。
図10は、本実施例にかかる画像高解像度化装置1aの構成例を示すブロック図である。図10に示す画像高解像度化装置1aは、動き推定手段21と、動き推定信頼性評価手段22と、動き推定評価手段23と、重み付け行列算出手段24と、高解像度画像推定手段25とを備える。図10と図22とを比較すると、従来技術の動き距離評価手段92に代わり、動き推定信頼性評価手段22が設けられていることが分かる。
動き推定手段21は、第一の実施例の動き推定手段11と同様に、低解像度画像を入力として参照画像と基準画像との間の動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)と、マッチング距離値S(α,β)とを出力する。なお、本実施例の動き推定手段21は、時間的距離Δt(β)の算出は行わない。
動き推定信頼性評価手段22は、第一の実施例の動き推定信頼性評価値12と同様に、対応関係評価手段(図示せず)と類似度評価手段(図示せず)とを備え、それぞれ対応関係評価値p(α,β)および類似度評価値q(α,β)を出力する。
動き推定評価手段23は、対応関係評価値p(α,β)と類似度評価値q(α,β)とを統合し、入力低解像度画像のそれぞれの画素の動き推定評価値ρ(α,n)を出力する。動き推定評価値ρ(α,n)の算出方法の一例を式(12)に示す。
Figure 0004968259
動き推定評価値ρ(α,n)の算出方法のその他の例としては、各評価値の積ではなく平均値あるいは加重平均等によって評価値を統合する方法がある。
重み付け行列算出手段24は、第一の実施例の重み付け行列算出手段15と同様に、動き推定評価値ρ(α,n)を入力とし、重み付け行列Wを算出する。
高解像度画像推定手段25は、第一の実施例の高解像度画像推定手段16と同様に、入力低解像度画像、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び重み付け行列Wを参照し、式(10)または式(11)を最小化する高解像度画像を推定する。
なお、本実施例の画像高解像度化装置1aも、第一の実施例の画像高解像度化装置1と同様にコンピュータによって実現することができる。
〔第二の実施例の動作の説明〕
次に、図11のフローチャートを参照して本実施例の動作について説明する。
先ず、動き推定手段21が、入力低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力すると共に、マッチング距離値S(α,β)を出力する(ステップS21)。
次に、動き推定信頼性評価手段22内の対応関係評価手段(図示せず)が、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を参照し、参照画像の各画素について、基準画像中の対応画素との対応関係評価値p(α,β)を算出する(ステップS22)。
その後、動き推定信頼性評価手段22内の類似度評価手段(図示せず)が、マッチング距離値S(α,β)を参照し、参照画像の各画素について、基準画像中の対応画素との類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS23)。
次いで、動き推定評価手段23が、対応関係評価値p(α,β)および類似度評価値q(α,β)を参照し、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS24)。
その後、重み付け行列算出手段24が、動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、重み付け行列Wを生成する(ステップS25)。
そして、最後に、高解像度画像推定手段25が、入力低解像度画像、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)および重み付け行列Wを参照し、前出の式(10)または前記式(11)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS26)。
〔第二の実施例の効果〕
本実施例によれば、第一の実施例と同様の効果を得られると共に、処理速度を第一の実施例よりも速くすることができるという効果を得ることができる。その理由は、第一の実施例では、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)に加えて、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)も考慮して低解像度画像を合成する際の重みを決定しているが、本実施例では、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)のみを考慮して重みを決定するようにしており、計算量を少なくすることができるからである。なお、高解像度画像にノイズを発生させる主な原因は、動き推定誤差であるので、本実施例にように、動き推定結果に対する信頼性の度合いを示す対応関係評価値p(α,β),類似度評価値q(α,β)だけを考慮して重みを決定するようにしても、充分に高品質な高解像度画像を生成することができる。
〔第三の実施例〕
次に本発明の第三の実施例について説明する。図12は、本発明の第三の実施例に係る画像高解像度化装置1bの構成例を示すブロック図である。図12に示す画像高解像度化装置1bは、動き推定手段31と、動き推定信頼性評価手段32と、動き距離評価手段33と、動き推定評価手段34と、合成重み算出手段35と、高解像度画像推定手段36と、基準画像拡大手段37と、高解像度画像合成手段38とを備え、画像サイズMの低解像度画像(画像数N)を入力として、画素数Kの高解像度画像を出力する。
動き推定手段31は、第一の実施例における動き推定手段11と同様に、低解像度画像を入力として参照画像と基準画像との間の動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)と、マッチング距離値S(α,β)と、時間的距離Δt(β)とを出力する。
動き推定信頼性評価手段32は、第一の実施例の動き推定信頼性評価手段12と同様に、対応関係評価手段(図示せず)および類似度評価手段(図示せず)を備え、それぞれ対応関係評価値p(α,β)および類似度評価値q(α,β)を出力する。
動き距離評価手段33は、第一の実施例の動き距離評価手段13と同様に、移動距離評価手段(図示せず)および時間的距離評価手段(図示せず)を備え、それぞれ移動距離評価値r(α,β)および時間的距離評価値s(β)を出力する。
動き推定評価手段34は、第一の実施例の動き推定評価手段14と同様に、対応関係評価値p(α,β)、類似度評価値q(α,β)、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)を入力とし、動き推定評価値ρ(α,n)を出力する。
合成重み算出手段35は、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)および動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定された高解像度画像と拡大した基準画像とを合成するための各画素の重みωを算出する。合成重みωを算出する方法の一例を以下に示す。
はじめに、入力低解像度画像nの画素αにおける動き推定評価値ρ(α,n)と動き推定ベクトルu(α,n)を基にして、基準画像Nbの画素γにおける動き推定信頼性平均値φ(γ)を算出する。参照画像から基準画像への動き推定ベクトルu(α,n)によって、参照画像nと基準画像Nbの画素とが対応付けられているので、基準画像Nbの画素γに対応する動き推定評価値ρ(α,n)の値を求めることができる。なおn=Nbのときはρ(α,Nb)=1.0である。得られた動き推定ベクトルu(α,n)の状態によって(動き推定が誤っているか否かによって)、基準画像Nbの画素γに対応する参照画像の画素数(参照画素数)は一定ではない。そこで画素γに対応する参照画像の画素数をν(γ)、画素γに対応する参照画像の画素の動き推定評価値ρ(α,n)の総和をμ(γ)として定義すると、動き推定信頼性平均値φ(γ)は、式(13)に示すものとなる。
Figure 0004968259
次に、動き推定信頼性平均値φ(γ)の分布を画像と考えて、Bi-Cubic法などの一般的な補間方法を用いて拡大することにより、高解像度画像サイズの信頼性マップを作成する。得られた信頼性マップに対して低周波フィルタを作用させて分布を滑らかにした結果を合成重みωとして出力する。
高解像度画像推定手段36は、入力低解像度画像と動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)とを参照し、高解像度画像(推定高解像度画像)x1を推定する。高解像度画像推定手段36における高解像度画像の推定方法の一例としては、前出の式(3)や式(4)の評価関数を最小化する方法がある。
基準画像拡大手段37は、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを、Bi-Cubic法などの一般的な補間手法を用いて拡大することにより、高解像度画像(拡大基準画像)x2を算出する。なお、高解像度画像x1,x2は同一サイズである。
高解像度画像合成手段38は、高解像画像推定手段36で推定された高解像度画像x1と、基準画像拡大手段37で算出された高解像度画像x2と、合成重み算出手段35で算出された合成重みωを参照し、出力高解像度画像xを算出する。高解像度画像xの算出方法の一例を式(14)に示す。kは高解像度画像(画像サイズK)の画素値を示す(1≦k≦K)。x(k)、x1(k)、x2(k)及びω(k)は、それぞれ画素kにおけるxの値、x1の値、x2の値及びωの値である。ω(k)の値が大きいつまり動き推定の信頼性が高い画素には、複数枚の画像を合成した高解像度画像x1の影響が大きくなる。逆に、ω(k)の値が小さいつまり動き推定の信頼性が低い画素には、動き推定誤差により生じるノイズのない基準画像Nbを拡大した高解像度画像x2の影響が大きくなる。
Figure 0004968259
なお、本実施例の画像高解像度化装置1bも、画像高解像度化装置1,1aと同様に、コンピュータによって実現することが可能である。
〔第三の実施例の動作の説明〕
次に、図13のフローチャートを参照して本実施例の動作について説明する。
先ず、動き推定手段31が、入力低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力する。更に、動き推定手段31は、マッチング距離値S(α,β)及び時間的距離Δt(β)も出力する(ステップS31)。
次いで、動き推定信頼性評価手段32が、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)に基づいて対応関係評価値p(α,β)を算出すると共に、マッチング距離値S(α,β)に基づいて類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS32)。
その後、動き距離評価手段33が、動き推定ベクトルu(α,β)に基づいて移動距離評価値r(α,β)を算出し、時間的距離Δt(β)に基づいて時間的距離評価値s(β)を算出する(ステップS33)。
次いで、動き推定評価手段34が、対応関係評価値p(α,β)、類似度評価値q(α,β)、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)に対して、前出の式(9)に示す演算を行うことにより、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS34)。
その後、合成重み算出手段35が、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定高解像度画像と拡大基準画像を合成するための合成重みωを算出する(ステップS35)。
次いで、高解像度画像推定手段36が、入力低解像度画像及び動き推定結果を参照し、前出の式(3)または式(4)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS36)。
次に、基準画像拡大手段37が、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを参照し、基準画像Nbを拡大した拡大基準画像を算出する(ステップS37)。
そして、最後に、高解像度画像合成手段38が、高解像度画像推定手段36で推定された推定高解像度画像、基準画像拡大手段37で拡大された拡大基準画像および合成重み算出手段35で算出された合成重みωを参照し、出力する高解像度画像を算出する(ステップS38)。
〔第三の実施例の効果〕
本実施例によれば、第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
〔第四の実施例〕
次に、本発明の第四の実施例について説明する。図14は、本発明の第四の実施に係る画像高解像度化装置1cの構成例を示すブロック図である。図14に示す画像高解像度化装置1cは、動き推定手段41と、動き推定信頼性評価手段42と、動き推定評価手段43と、合成重み算出手段44と、高解像度画像推定手段45と、基準画像拡大手段46と、高解像度画像合成手段47とを備え、画像サイズMの低解像度画像(画像数N)を入力として、画素数Kの高解像度画像を出力する。
動き推定手段41は、第二の実施例における動き推定手段21と同様に、低解像度画像を入力として、参照画像と基準画像との間の動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)と、マッチング距離値S(α,β)とを出力する。
動き推定信頼性評価手段42は、第一の実施例の動き推定信頼性評価手段12と同様に、その内部に対応関係評価手段(図示せず)と類似度評価手段(図示せず)とを備え、対応関係評価値p(α,β)および類似度評価値q(α,β)を出力する。
動き推定評価手段43は、第二の実施例の動き推定評価手段23と同様に、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)を入力とし、動き推定評価値ρ(α,n)を出力する。
合成重み算出手段44は、第三の実施例の合成重み算出手段35と同様に、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)および動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、高解像度画像推定手段45で推定された高解像度画像と基準画像拡大手段46で拡大した基準画像とを合成するための各画素の重みωを算出する。
高解像度画像推定手段45は、第三の実施例の高解像度画像推定手段36と同様に、入力低解像度画像と動き推定結果を参照し、高解像度画像x1を推定する。
基準画像拡大手段46は、第三の実施例の基準画像拡大手段37と同様に、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを、Bi-Cubic法などの一般的な補間手法を用いて拡大することにより、高解像度画像x2を算出する。
高解像度画像合成手段47は、第三の実施例の高解像度画像合成手段38と同様に、高解像画像推定手段45で推定された高解像度画像x1と、基準画像拡大手段46で算出された高解像度画像x2と、合成重み算出手段44で算出された合成重みωを参照し、出力高解像度画像xを算出する。
なお、本実施例の画像高解像度化装置1cも他の実施例の画像高解像度化装置と同様にコンピュータによって実現可能である。
〔第四の実施例の動作〕
次に、図15のフローチャートを参照して本実施例の動作を説明する。
先ず、動き推定手段41が、入力低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力する。更に、動き推定手段41は、マッチング距離値S(α,β)も出力する(ステップS41)。
次に、動き推定信頼性評価手段42が、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)及びマッチング距離値S(α,β)を参照し、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS42)。
その後、動き推定評価手段43が、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)に対して前出の式(12)に示す演算を行い、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS43)。
次に、合成重み算出手段44が、動き推定ベクトルu(α,β)及び動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定高解像度画像と拡大基準画像を合成するための合成重みωを算出する(ステップS44)。
その後、高解像度画像推定手段45が、入力低解像度画像及び動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)を参照し、前出の式(3)または式(4)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS45)。
次いで、基準画像拡大手段46が、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを参照し、基準画像Nbを拡大した拡大基準画像を算出する(ステップS46)。
そして、最後に、高解像度画像合成手段47が、推定高解像度画像、拡大基準画像および合成重みωを参照し、出力する高解像度画像を算出する(ステップS47)。
〔第四の実施例の効果〕
本実施例によれば、第二の実施例と同様の効果を得ることができる。
〔第五の実施例〕
次に、本発明の第五の実施例について説明する。
図16は、本発明の第五の実施例に係る画像高解像度化装置1dの構成例を示すブロック図である。図16に示す画像高解像度化装置1dは、動き推定手段51と、動き推定信頼性評価手段52と、動き距離評価手段53と、動き推定評価手段54と、合成重み算出手段55と、重み付け行列算出手段56と、高解像度画像推定手段57と、基準画像拡大手段58と、高解像度画像合成手段59とを備える。
動き推定手段51は、第一の実施例における動き推定手段11と同様に、低解像度画像を入力として参照画像と基準画像との間の動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力すると共に、マッチング距離値S(α,β)及び時間的距離Δt(β)を出力する。
動き推定信頼性評価手段52は、第一の実施例の動き推定信頼性評価手段12と同様に、対応関係評価手段(図示せず)と類似度評価手段(図示せず)とを備え、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)を出力する。
動き距離評価手段53は、第一の実施例の動き距離評価手段13と同様に、移動距離評価手段(図示せず)及び時間的距離評価手段(図示せず)を備え、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)を出力する。
動き推定評価手段54は、第一の実施例の動き推定評価手段14と同様に、対応関係評価値p(α,β)、類似度評価値q(α,β)、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)とを入力とし、動き推定評価値ρ(α,n)を出力する。
合成重み算出手段55は、第三の実施例の合成重み算出手段35と同様に、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)および動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定された高解像度画像と拡大した基準画像とを合成するための各画素の重みωを算出する。
重み付け行列算出手段56は、第一の実施例の重み付け行列算出手段15と同様に、動き推定評価値を入力とし、重み付け行列Wを算出する。
高解像度画像推定手段57は、第一の実施例の高解像度画像推定手段16と同様に、入力低解像度画像、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び重み付け行列Wを参照し、式(10)または式(11)を最小化する高解像度画像(推定高解像度画像)x3を推定する。
基準画像拡大手段58は、第三の実施例の基準画像拡大手段37と同様に、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを、Bi-Cubic法などの一般的な補間手法を用いて拡大することにより、高解像度画像x2を算出する。
高解像度画像合成手段59は、第三の実施例の高解像度画像造成手段38と同様に、高解像画像推定手段57で推定された高解像度画像x3と、基準画像拡大手段58で算出された高解像度画像x2と、合成重み算出手段55で算出された合成重みωを参照し、出力高解像度画像xを算出する。
なお、本実施例の画像高解像度化装置1dも他の実施例の画像高解像度化装置と同様に、コンピュータによって実現可能である。
〔第五の実施例の動作の説明〕
次に、本実施例の動作を図17のフローチャートを参照して説明する。
先ず、動き推定手段51が、入力低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力する。更に、動き推定手段51は、マッチング距離値S(α,β)及び時間的距離Δt(β)を出力する(ステップS51)。
次いで、動き推定信頼性評価手段52が、動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)に基づいて対応関係評価値p(α,β)を算出し、マッチング距離値S(α,β)に基づいて類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS52)。
その後、動き距離評価手段53が、動き推定ベクトルu(α,β)に基づいて移動距離評価値r(α,β)を算出すると共に、時間的距離Δt(β)に基づいて時間的距離評価値s(β)を算出する(ステップS53)。
次に、動き推定評価手段54が、対応関係評価値p(α,β)、類似度評価値q(α,β)、移動距離評価値r(α,β)及び時間的距離評価値s(β)に対して、前出の式(9)に示す演算を行うことにより、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS54)。
その後、合成重み算出手段55が、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定高解像度画像と拡大基準画像を合成するための合成重みωを算出する(ステップS55)。
次いで、重み付け行列算出手段56が、動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、重み付け行列Wを算出する(ステップS56)。
その後、高解像度画像推定手段57が、入力低解像度画像及び動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)を参照し、前出の式(3)または式(4)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS57)。
次いで、基準画像拡大手段58が、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを参照し、基準画像Nbを拡大した拡大基準画像を算出する(ステップS58)。
そして、最後に、高解像度画像合成手段59が、高解像度画像推定手段57で推定された推定高解像度画像、基準画像拡大手段58で拡大された拡大基準画像および合成重み算出手段55で算出された合成重みωを参照し、出力する高解像度画像を算出する(ステップS59)。
〔第五の実施例の効果〕
本実施例によれば、第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
〔第六の実施例〕
次に、本発明の第六の実施例について説明する。
図18は、本発明の第六の実施例に係る画像高解像度化装置1eの構成例を示すブロック図である。図18に示す画像高解像度化装置1eは、動き推定手段61と、動き推定信頼性評価手段62と、動き推定評価手段63と、合成重み算出手段64と、重み付け行列算出手段65と、高解像度画像推定手段66と、基準画像拡大手段67と、高解像度画像合成手段68とを備える。
動き推定手段61は、第二の実施例における動き推定手段21と同様に、低解像度画像を入力として参照画像と基準画像との間の動き推定結果として動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力すると共に、マッチング距離値S(α,β)を出力する。
動き推定信頼性評価手段62は、第一の実施例の動き推定信頼性評価手段12と同様に、対応関係評価手段(図示せず)と類似度評価手段(図示せず)とを備え、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)を出力する。
動き推定評価手段63は、第二の実施例の動き推定評価手段23と同様に、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)に対して前出の式(12)に示す演算を行うことにより、動き推定評価値ρ(α,n)を算出する。
合成重み算出手段64は、第三の実施例の合成重み算出手段35と同様に、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)および動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定された高解像度画像と拡大した基準画像とを合成するための各画素の重みωを算出する。
重み付け行列算出手段65は、第一の実施例の重み付け行列算出手段15と同様に、動き推定評価値ρ(α,n)を入力とし、重み付け行列Wを算出する。
高解像度画像推定手段66は、第五の実施例の高解像度画像推定手段57と同様に、入力低解像度画像、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び重み付け行列Wを参照し、式(10)または式(11)を最小化する高解像度画像x3を推定する。
基準画像拡大手段67は、第三の実施例の基準画像拡大手段37と同様に、入力低解像度画像のうち、高解像度化する基準画像Nbを、Bi-Cubic法などの一般的な補間手法を用いて拡大することにより、高解像度画像x2を算出する。
高解像度画像合成手段68は、第五の実施例の高解像度画像合成手段59と同様に、高解像画像推定手段66で推定された高解像度画像x3と、基準画像拡大手段67で算出された高解像度画像x2と、合成重み算出手段64で算出された合成重みωを参照し、出力高解像度画像xを算出する。
なお、本実施例の画像高解像度化装置1eも他の実施例の画像高解像度化装置と同様に、コンピュータによって実現可能である。
〔第六の実施例の動作の説明〕
次に、図19のフローチャートを参照して本実施例の動作について説明する。
先ず、動き推定手段61が、入力低解像度画像を参照して動き推定を行い、動き推定結果として動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)を出力する。更に、動き推定手段61は、マッチング距離値S(α,β)も出力する(ステップS61)。
次に、動き推定信頼性評価手段62が、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β),v(α,β)およびマッチング距離値S(α,β)を参照し、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)を算出する(ステップS62)。
その後、動き推定評価手段63が、対応関係評価値p(α,β)及び類似度評価値q(α,β)に対して、式(12)に示す演算を行うことにより動き推定評価値ρ(α,n)を算出する(ステップS63)。
次に、合成重み算出手段64が、動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)及び動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、推定高解像度画像と拡大基準画像を合成するための合成重みωを算出する(ステップS64)。
その後、重み付け行列算出手段65が、動き推定評価値ρ(α,n)を参照し、重み付け行列Wを算出する(ステップS65)。
次いで、高解像度画像推定手段66が、入力低解像度画像及び動き推定結果である動き推定ベクトルu(α,β)を参照し、前出の式(3)または式(4)を最小化する高解像度画像を推定する(ステップS66)。
その後、基準画像拡大手段67が、入力低解像度画像の内の、高解像度化する基準画像Nbを参照し、基準画像Nbを拡大した拡大基準画像を算出する(ステップS67)。
そして、最後に、高解像度画像合成手段68が、高解像度画像推定手段66が推定した推定高解像度画像、基準画像拡大手段67が算出した拡大基準画像および合成重み算出手段64が算出した合成重みωを参照し、出力する高解像度画像を算出する(ステップS68)。
〔第六の実施例の効果〕
本実施例によれば、第二の実施例と同様の効果を得ることができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、その他各種の付加・変更・調整が可能である。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、上記実施例に対する更なる変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。
本発明は、複数枚の低解像度画像から高解像度画像を生成する画像高解像度化装置に適用することができる。入力画像としては静止画像だけでなく、動画像中の複数フレームにも適用することができるので、映像機器全般に適用することができる。

Claims (30)

  1. 複数枚の低解像度画像を入力低解像度画像群として受信し、前記入力低解像度画像群を合成して高解像度画像を生成し、前記入力低解像度画像群と該高解像度画像とから推測される入力低解像度画像群との類似度が最も高くなる高解像度画像を出力する画像高解像度化装置であって、
    低解像度画像間の画素の動きを画素毎に推定し、動き推定結果を出力する動き推定手段と、
    前記動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段と、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際に前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた類似度計算方法を用い高解像度画像を推定する高解像度画像推定手段とを備えたことを特徴とする画像高解像度化装置。
  2. 請求項1記載の画像高解像度化装置において、
    前記高解像度画像推定手段が、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を推定することを特徴とする画像高解像度化装置。
  3. 請求項1または2記載の画像高解像度化装置において、
    前記高解像度画像推定手段が、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を推定することを特徴とする画像高解像度化装置。
  4. 請求項1記載の画像高解像度化装置において、
    前記高解像度画像推定手段が、前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた重みを用いることを特徴とする画像高解像度化装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか一に記載の画像高解像度化装置において、
    前記動き推定手段が、
    2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力する構成を有し、
    前記動き推定信頼性評価手段が、
    前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出する対応関係評価手段を備えたことを特徴とする画像高解像度化装置。
  6. 請求項5記載の画像高解像度化装置において、
    前記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、
    前記対応関係評価手段が、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出する構成を有することを特徴とする画像高解像度化装置。
  7. 請求項1乃至6いずれか一に記載の画像高解像度化装置において、
    前記動き推定信頼性評価手段が、
    前記動き推定手段が推定した前記画素の動きに対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出する類似度評価手段を備えたことを特徴とする画像高解像度化装置。
  8. 請求項1乃至7いずれか一に記載の画像高解像度化装置において、
    前記動き推定手段が推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価手段を備え、且つ、
    前記高解像度画像推定手段が、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価手段で算出された移動距離評価値とに応じた重みを用いる構成を有することを特徴とする画像高解像度化装置。
  9. 請求項1乃至7いずれか一に記載の画像高解像度化装置において、
    前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価手段を備え、且つ、
    前記高解像度画像推定手段が、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みを用いる構成を有することを特徴とする画像高解像度化装置。
  10. 複数枚の入力低解像度画像間の画素の動きを画素毎に推定し、動き推定結果を利用して前記入力低解像度画像群と生成された高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度が最も高くなる高解像度画像を出力する画像高解像度化方法であって、
    前記動き推定結果の信頼性に基づいて、高解像度画像生成における画素の合成重みを変更することを特徴とする画像高解像度化方法。
  11. 入力低解像度画像群と生成された高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度が最も高くなる高解像度画像を出力する画像高解像度化方法であって、
    低解像度画像間の画素の動きを推定し、動き推定結果を出力する動き推定ステップと、 前記動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価ステップと、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際に前記動き推定信頼性評価ステップで出力された動き推定信頼性評価値に応じた類似度計算方法を用い高解像度画像を推定する高解像度画像推定ステップとを含むことを特徴とする画像高解像度化方法。
  12. 請求項11記載の画像高解像度化方法において、
    前記高解像度画像推定ステップでは、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を推定することを特徴とする画像高解像度化方法。
  13. 請求項11または12記載の画像高解像度化方法において、
    前記高解像度画像推定ステップでは、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を推定することを特徴とする画像高解像度化方法。
  14. 請求項11記載の画像高解像度化方法において、
    前記高解像度画像推定ステップでは、前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価ステップで出力された動き推定信頼性評価値に応じた重みを用いることを特徴とする画像高解像度化方法。
  15. 請求項11乃至14いずれか一に記載の画像高解像度化方法において、
    前記動き推定ステップでは、
    2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力し、
    前記動き推定信頼性評価ステップでは、
    前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出することを特徴とする画像高解像度化方法。
  16. 請求項15記載の画像高解像度化方法において、
    前記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、
    前記動き推定信頼性評価ステップでは、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出することを特徴とする画像高解像度化方法。
  17. 請求項11乃至16いずれか一に記載の画像高解像度化方法において、
    前記動き推定信頼性評価ステップでは、
    前記動き推定ステップで推定した前記画素の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出することを特徴とする画像高解像度化方法。
  18. 請求項11乃至17いずれか一に記載の画像高解像度化方法において、
    前記動き推定ステップで推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価ステップを含み、
    前記高解像度画像推定ステップでは、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価ステップで出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価ステップで算出された前記移動距離評価値とに応じた重みを用いることを特徴とする画像高解像度化方法。
  19. 請求項11乃至17いずれか一に記載の画像高解像度化方法において、
    前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価ステップを含み、且つ、
    前記高解像度画像推定ステップでは、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みを用いることを特徴とする画像高解像度化方法。
  20. コンピュータを、入力低解像度画像群と生成された高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度が最も高くなる高解像度画像を出力する画像高解像度化装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    低解像度画像間の画素の動きを画素毎に推定し、動き推定結果を出力する動き推定手段、
    前記動き推定手段が出力した動き推定結果に対する信頼性を評価し、信頼性の度合いを示す動き推定信頼性評価値を出力する動き推定信頼性評価手段、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際に前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた類似度計算方法を用い高解像度画像を推定する高解像度画像推定手段として機能させるためのプログラム。
  21. 請求項20記載のプログラムにおいて、
    前記高解像度画像推定手段が、信頼性の低い画素は、影響が弱く或いは全く影響しないように高解像度画像を推定することを特徴とするプログラム。
  22. 請求項20または21記載のプログラムにおいて、
    前記高解像度画像推定手段が、信頼性の高い画素は、影響が強く現れるように高解像度画像を推定することを特徴とするプログラム。
  23. 請求項20記載のプログラムにおいて、
    前記高解像度画像推定手段が、前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値に応じた重みを用いることを特徴とするプログラム。
  24. 請求項20乃至23いずれか一に記載のプログラムにおいて、
    前記動き推定手段が、
    2枚の低解像度画像の組み合わせにおいて、一方の低解像度画像上に存在する注目画素の、他方の低解像度画像への動きを推定して第1の動き推定結果として出力すると共に、前記他方の低解像度画像上に存在する、前記注目画素と対応する対応画素の、前記一方の低解像度画像への動きを推定して第2の動き推定結果として出力する構成を有し、
    前記動き推定信頼性評価手段が、
    前記第1の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記第1の動き推定結果と、前記第2の動き推定結果との対応関係に基づいて算出する対応関係評価手段を備えたことを特徴とするプログラム。
  25. 請求項24記載のプログラムにおいて、
    前記第1及び第2の動き推定結果が、動き推定ベクトルであり、且つ、
    前記対応関係評価手段が、前記第1の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルと前記第2の動き推定結果に対応する動き推定ベクトルとの加算ベクトルの大きさに応じた動き推定信頼性評価値を算出する構成を有することを特徴とするプログラム。
  26. 請求項20乃至25いずれか一に記載のプログラムにおいて、
    前記動き推定信頼性評価手段が、
    前記動き推定手段が推定した前記画素の動き推定結果に対する動き推定信頼性評価値を、前記画素と前記画素に対応する対応画素との輝度の類似度に基づいて算出する類似度評価手段を備えたことを特徴とするプログラム。
  27. 請求項20乃至26いずれか一に記載のプログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    前記動き推定手段が推定した前記画素の動きの動き量に応じた移動距離評価値を算出する移動距離評価手段として機能させ、且つ、
    前記高解像度画像推定手段が、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記移動距離評価手段で算出された移動距離評価値とに応じた重みで合成する構成を有することを特徴とするプログラム。
  28. 請求項20乃至26いずれか一に記載のプログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    前記複数枚の低解像度画像の撮影時刻の差分に応じた時間的距離評価値を算出する時間的距離評価手段として機能させ、且つ、
    前記高解像度画像推定手段が、
    前記入力低解像度画像群と前記高解像度画像から推測される入力低解像度画像群との類似度計算を実行する際、前記動き推定信頼性評価手段から出力された動き推定信頼性評価値と前記時間的距離評価手段で算出された時間的距離評価値とに応じた重みを用いることを特徴とするプログラム。
  29. 複数の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化方法であって、
    複数の低解像度画像間の画像の動きの信頼性画素毎に計算し、
    前記画素の動きの信頼性が低い場合には,高解像度画像生成において、
    低解像度画像における対応する画素の重み付けを高くする
    ことを特徴とする画像高解像度化方法。
  30. 複数の低解像度画像を合成して高解像度画像を生成する画像高解像度化方法であって、
    第1の低解像度画像から第2の低解像度画像への第1の画素の動きを計算し、
    前記第2の低解像度画像から前記第1の低解像度画像への第2の画素の動きを計算し、
    前記第1の画素の動きと第2の画素の動きとから対応関係評価値を画素毎に計算し、
    前記対応関係評価値が低い場合には、高解像度画像生成において、低解像度画像における対応する画素の重み付けを高くする
    ことを特徴とする画像高解像度化方法。
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