JP4963080B2 - 固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法、及び固体高分子形燃料電池用触媒担体 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法、及び固体高分子形燃料電池用触媒担体 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用触媒担体、その製造方法、該触媒担体を用いてなる固体高分子形燃料電池用電極触媒、及び固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、小型で効率が高く、また地球環境問題の観点からも、早期の実用化・普及が期待されている。
通常、固体高分子形燃料電池は単セルを多数積層した電池スタツクと、それに反応ガスを必要量供給するためのガス供給装置、および制御装置を基本として構成されている。固体高分子形燃料電池用のセルは、電解質膜を挟んでアノード(燃料極)触媒層とカソード(酸素極)触媒層が配されており、触媒層には白金、白金合金等がカーボン担体表面に高分散に担持されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この様な構造を有する固体高分子形燃料電池では、電極触媒として使用する白金、白金合金等の触媒金属成分が高コストであることが問題となっており、その実用化においては、触媒金属の使用量の低減が重要な課題である。
例えば、固体高分子形燃料電池の触媒量の低減を可能とするために、白金微粒子を鉄などの金属を用いて合金化することによって触媒活性を向上させる方法が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法では、固体高分子形燃料電池の電解質が強酸性であるために、添加金属成分の溶出が生じるので、高活性化の効果を長期間持続させることができない。
特開2002−305000号公報 特開2003−157856号公報 Journal of Electroanalytical Chemistry, 第460巻、1999年、258〜262頁
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、実用化に適した固体高分子形燃料電池を得るために、固体高分子形燃料電池において触媒成分として用いられている白金等の触媒金属を高活性化して、その使用量を低減できる方法を提供することである。
本発明は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、触媒担体として用いられている炭素材料に着目し、これをフラーレン類及び熱反応性を有する多環芳香族炭化水素と混合して、不活性ガス雰囲気中で熱処理を行う方法によれば、該炭素材料の表面においてフラーレン類の会合が生じて炭素材料の比表面積が増大することを見出した。そして、この方法で処理された炭素材料に白金を担持させる場合には、白金が微粒子状態で均一に担持されて高活性を有するものとなり、白金の使用量を低減することが可能となることを見出した。本発明は、この様な知見に基づいてなされたものである。
即ち、本発明は、下記の固体高分子形燃料電池用触媒担体、その製造方法、該触媒担体を用いてなる固体高分子形燃料電池用電極触媒、及び固体高分子形燃料電池を提供するものである。
1. 炭素材料、フラーレン類及び熱反応性多環芳香族炭化水素を含む混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理することを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法。2. 炭素材料が、メソカーボンマイクロビーズ又はガラス状カーボンである上記項1に記載の固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法。
3. 熱反応性多環芳香族炭化水素が、アセナフチレン、ナフタセン及びペンタセンからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法。
4. 炭素材料100重量部に対して、フラーレン類1〜30重量部及び熱反応性多環芳香族炭化水素1〜30重量部を用い、600〜2000℃で熱処理を行う上記項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法。
5. 上記項1〜4のいずれかの方法によって得られる、原料とする炭素材料と比較して比表面積が増大した炭素材料からなる固体高分子形燃料電池用触媒担体。
6. 上記項5に記載の触媒担体上に触媒金属を担持してなる固体高分子形燃料電池用電極触媒。
7. 上記項6の電極触媒を構成要素として含む固体高分子形燃料電池。
以下、本発明の固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法を具体的に説明する。
本発明の触媒担体は、炭素材料、フラーレン類及び熱反応性多環芳香族化合物を混合して、不活性ガス雰囲気中で熱処理することによって得ることができる。
炭素材料
炭素材料としては、例えば、従来から固体高分子形燃料電池用の触媒担体として用いられている炭素材料を特に限定なく使用できる。この様な炭素材料としては、カーボンブラック、活性炭、黒鉛等を例示できる。更に、本発明の処理方法によれば、比表面積が小さいために触媒担持量を増大できず、触媒担体としてあまり使用されていない炭素材料についても、熱処理によって比表面積を増大できるために、触媒担体として有効に使用することが可能となる。特に、後述する参考例1を参照すれば明らかな様に、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ガラス状カーボン等は、比表面積が小さいために触媒金属の担持量を増大できないが、担持された触媒金属の単位表面積当たりの活性が高い材料である。従って、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ガラス状カーボン等を炭素材料として用い、これを本発明の方法で処理することによって、比表面積が増大して微細な触媒金属を多量に担持させることが可能となり、優れた活性を有する触媒を得ることができる。メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ガラス状カーボン等としては、例えば、平均粒径が0.1μm〜50μm程度であって、比表面積が10m/g〜0.1m/g程度の範囲内のものを用いることができる。
尚、本明細書では、平均粒径は、電界放射型走査電子顕微鏡(Hitachi S-5000)による観察によって求めた値であり、比表面積は窒素を用いたBET比表面積測定(Quantachrome社のQuantasorb)によって求めた値である。
フラーレン類
フラーレン類とは、炭素原子のみからなり、六員環と五員環で構成された球殻状分子である。本発明では、公知のフラーレン類を特に限定なく使用できる。例えば、C60、C70、C76,C82等の各種のフラーレン類を用いることができる。フラーレン類は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
フラーレン類の使用量は、炭素材料100重量部に対して、1〜30重量部程度とすることが好ましく、5〜10重量部程度とすることがより好ましい。
熱反応性多環芳香族炭化水素
熱反応性を有する多環芳香族炭化水素としては、本発明の触媒担体を製造する際の熱処理によって一部又は全体が炭素化して炭素質の残留物が残る多環芳香族炭化水素であれば特に限定なく使用できる。この様な熱反応性多環芳香族炭化水素としては、アセナフチレン、ナフタセン、ペンタセンなどを挙げることができる。熱反応性多環芳香族炭化水素は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
熱反応性多環芳香族炭化水素の使用量は、炭素材料100重量部に対して、1〜30重量部程度とすることが好ましく、5〜10重量部程度とすることがより好ましい。
触媒担体の製造方法
本発明の触媒担体を得るには、上記した素材料、フラーレン類及び熱反応性多環芳香族炭化水素を混合して、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行えばよい。熱処理温度は600〜2000℃程度とすることが好ましく、800〜1200℃程度とすることがより好ましい。熱処理温度が低すぎる場合には、フラーレン類の重合反応が十分に進行せず、炭素材料の比表面積を十分に増加させることができない。一方、熱処理温度が高くなりすぎると、炭素材料の黒鉛化が進行して比表面積が減少するので、不適切である。
上記した方法で熱処理を行うことによって、炭素材料の表面においてフラーレン類同士の会合反応が進行して、該炭素材料の比表面積が増大する。これに対して、フラーレン類又は熱反応性多環芳香族炭化水素を単独で用いる場合には、炭素材料の比表面積を殆ど増大させることができない。
固体高分子形燃料電池用触媒担体
上記した方法で熱処理を行って得られる炭素材料は、原料とする炭素材料と比較して比表面積が大きく増大したものとなる。この炭素材料に白金、白金合金などの触媒金属を担持させることによって、例えば、平均粒径3〜10nm程度の超微粒子状態で白金等の触媒金属を安定に担持させることができる。その結果、担持された触媒金属は高活性を有するものとなる。これに対して、上記した処理を行わない炭素材料を用いる場合には、担持された触媒金属は凝集し易く、活性の劣るものとなる。
上記した方法で得られる炭素材料は、固体高分子形燃料電池の電極触媒用担体として好適に用いることができる。
本発明の触媒担体に担持させる触媒金属としては、従来から、固体高分子形燃料電池の触媒物質として知られている白金、白金合金などを使用することができる。
本発明の触媒担体に触媒金属を担持させる方法としては、例えば、含浸法、コロイド法、気相法などの公知の方法を適用できる。
触媒担体上に担持させる触媒金属の量については特に限定はないが、本発明の触媒担体を用いると、通常のカーボン材料を担体とする場合と比べて触媒活性が向上するので、触媒金属の使用量を低減した場合にも優れた触媒活性を発揮することができる。例えば、触媒金属の担持量は、触媒担体と触媒金属の合計量を基準として5〜20重量%程度の範囲とすればよい。
上記した触媒担体を用いた固体高分子形燃料電池は、該触媒担体をカソード又はアノード用触媒担体として使用する以外は、その他の構造、例えば、高分子電解質膜、膜−電極接合体、セル構造等については、公知の固体高分子形燃料電池と同様とすればよい。
例えば、高分子電解質膜としては、パーフルオロカーボン系、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体系、ポリベンズイミダゾール系をはじめとする各種イオン交換樹脂膜、無機高分子イオン交換膜、有機―無機複合体高分子イオン交換膜等を使用することができる。
固体高分子電解質膜と電極触媒との接合体は、公知の方法により作製することができる。例えば、触媒粉末と電解質溶液とを混合して作製した触媒インクを薄膜化させた後、電解質膜上にホットプレスする方法、あるいは直接高分子膜上に塗布・乾燥する方法などが適用される。また、ガス拡散層や集電体に直接触媒インクを塗布・乾燥するなどの方法によって電極を作製してもよい。
得られた膜−電極接合体の両面をカーボンペーパー、カーボンクロスなどの集電体で挟んでセルに組み込むことによって、燃料電池セルを作製することができる。
本発明の処理方法によれば、固体高分子形燃料電池の触媒担体用炭素材料の比表面積を大きく増大させて、白金などの触媒金属を非常に微細な状態で均一且つ多量に担持させることが可能となる。その結果、高活性の電極触媒を得ることができ、触媒金属量の低減が可能となる。
また、比表面積が小さいために触媒担体としてあまり使用されていない炭素材料についても、触媒担体として有効に使用することが可能となる。特に、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ガラス状カーボン等の炭素材料に対して、本発明方法によって処理を行う場合には、比表面積が増大して微細な触媒金属を多量に担持させることが可能となり、優れた性能を有する触媒を得ることができる。
以下、参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
参考例1
以下の方法で、各種の炭素材料に白金を担持させて、炭素材料の種類による触媒活性の相違を確認した。
まず、カーボンブラック(比表面積254m/g、商標名:Vulcan XC 72、Cabot社
製)200mgをエタノール50mlに分散させた後、白金含有量10.3g/LのPt(NO2)2(NH3)2エタノール溶液2.21mlを加えて1時間放置した。その後、ロータリーエバポレーターによりエタノールを除去して、Pt(NO2)2(NH3)2が担体表面に付着した試料を得た。この試料を反応管につめ、10%H2−90%N2気流中に250℃で2時間保持し、Pt(NO2)2(NH3)2を白金微粒子に還元した。これらの操作により、白金微粒子とカーボンブラックの合計量を基準として10重量%の白金微粒子がカーボンブラック表面に担持された電極触媒が得られた。担持された白金の平均粒径は3nmであった。
一方、カーボンブラックに代えて、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)(平均粒径6μm、比表面積3m/g)又はガラス状カーボン(平均粒径5μm、比表面積1m/g)を用いて、上記した方法と同様にして白金を担持させた。但し、メソカーボンマイクロビーズとガラス状カーボンについては、比表面積が小さいために触媒量を多くすると触媒金属が凝集するので、白金をカーボンブラックに担持させた触媒と同程度の白金粒径となるように担持量を減少させた。
得られた触媒では、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)に白金を担持させた場合には、白金担持量が1重量%、白金微粒子の平均粒径が3nmであり、ガラス状カーボンに白金を担持させた場合には、白金担持量が1重量%、白金微粒子の平均粒径が5nmであった。
触媒活性試験
上記した方法で得られた各電極触媒について、酸素還元に対する活性を次の方法で評価した。
まず、電極触媒を回転ディスク電極のガラス状カーボン上に載せて、その上に水とエタノールとの混合溶媒に溶かした固体高分子電解質材料(商標名“ナフィオン”、デュポン社製)を滴下し、次いで加熱して溶媒を除去することにより、PEFC用の電極(カソード)を調製した。
次いで、この電極を使ってアルゴン置換した0.1M過塩素酸水溶液中で水素吸脱着波を測定し、その面積を見積もることにより、作製した作用電極の白金表面積を求めた。次いで、0.1M過塩素酸水溶液にバブリングするガス種を酸素に変えて30分間酸素置換を行った後、1V (可逆水素電極(RHE)基準)から0V(可逆水素電極基準)まで
1mV/秒の速度で電位走査を行い、電流−電位曲線を求めた。
尚、ある電位における真の動力学的電流量ikinの値は、その電位で測定して得られた
実測値iobsと、拡散限界電流ilimを用いて、次の式で求めることができる。
Figure 0004963080
表1に、0.8V(可逆水素電極基準)の電位での動力学的電流量ikinの計算値を示
す。得られたikinは、白金表面積あたりの数値であり、各電極触媒の酸素還元に対する
活性を示す指標となる。
Figure 0004963080
以上の結果から明らかなように、担体として、MCMB又はガラス状カーボンを用いた場合には、カーボンブラックを担体とする場合と比較すると、白金担持量が少ないにもかかわらず、高い触媒活性を示すことが確認できた。
実施例1
炭素材料として、メソカーボンマイクロビーズ(平均粒径6μm、比表面積3m/g)を用い、このメソカーボンマイクロビーズ80重量部に対してC60フラーレン10重
量部とアセナフチレン10重量部を添加し、メノウ乳鉢で混合・擂潰した後、管状炉を用いてアルゴンガス気流中1000℃で30分間熱処理を行った。その結果、メソカーボンマイクロビーズ及びフラーレンの重量減少はほとんど認められず、アセナフチレンの炭素化収量は、約19%であった。得られたメソカーボンマイクロビーズの比表面積は、26m/gであり、比表面積が大きく増大したことが確認できた。
上記処理後のメソカーボンマイクロビーズに対して、参考例1と同様の方法で白金微粒子を担持させて、電極触媒を調製した。得られた電極触媒は、メソカーボンマイクロビーズと白金微粒子の合計量を基準として10重量%の白金が担持されたものであった。この電極触媒のSEM写真像を図1に示す。図1から上記した方法で得られた電極触媒では、平均粒径5nm程度の微細な白金微粒子が均一に担持されていることが確認できた。
一方、図2は、上記した処理を行う前のメソカーボンマイクロビーズに対して同様の方法で10重量%の白金を担持させた担持体のSEM写真像である。図2から未処理のメソカーボンマイクロビーズに10重量%の白金を担持させると、白金粒子が凝集することが明らかである。
実施例2
実施例1で用いたアセナフチレンに代えて、ナフタセンを用いて実施例1と同様にしてアルゴンガス気流中1000℃で熱処理を行った。得られたメソカーボンマイクロビーズの比表面積は、31m/gであり、比表面積が大きく増大したことが確認できた。
処理後のメソカーボンマイクロビーズを用いて、実施例1と同様にして白金を10重量%担持させて、電極触媒を得た。
実施例3
実施例1で用いたアセナフチレンに代えて、ペンタセンを用いて実施例1と同様にしてアルゴンガス気流中1000℃で熱処理を行った。得られたメソカーボンマイクロビーズの比表面積は、62m/gであり、比表面積が大きく増大したことが確認できた。
処理後のメソカーボンマイクロビーズを用いて、実施例1と同様にして白金を10重量%担持させて電極触媒を得た。
比較例1
実施例1で用いたアセナフチレンに代えて、コロネンを用いて実施例1と同様にしてアルゴンガス気流中1000℃で熱処理を行った。コロネンは、加熱によって昇華し、炭素質の残留物を残さない物質である。
得られたメソカーボンマイクロビーズの比表面積は、13m/gであり、比表面積がわずかに増大しただけであった。
処理後のメソカーボンマイクロビーズを用いて、実施例1と同様にして白金を10重量%担持させて電極触媒を得た。
実施例4
実施例1で用いたメソカーボンマイクロビーズに代えて、ガラス状カーボン(平均粒径5μm、比表面積1m/g)を用いて実施例1と同様にしてアルゴンガス気流中1000℃で熱処理を行った。得られたガラス状カーボンの比表面積は、132m/gであり、比表面積が大きく増大したことが確認できた。
処理後のガラス状カーボンを用いて、実施例1と同様にして白金を10重量%担持させて電極触媒を得た。
膜電極接合体(MEA)を用いた発電試験
上記した方法で得られた各電極触媒について、以下の方法で膜電極接合体(MEA)を作製した。
まず、Nafion 117(商標名、Du Pont社 Nafion PSFA Membrane N117)を電解質膜とし
て用い、各電極触媒を単位面積当たりの使用白金量が一定になるように電解質膜の両面に塗布し、集電材にカーボンクロスを用いてホットプレス(160℃、1 ton、10分間)することにより、膜電極接合体(MEA)を作製した。
この膜電極接合体のカソード側に酸素(加湿ガス、大気圧)を400ml / 分、アノード側に水素(加湿ガス、大気圧)を500ml / 分で吹き込み、セル温度80℃で発電実験を行った。実験用セルとしては、JARI標準セル(電極面積25cm)を用い、酸素極として上記した電極触媒を用い、水素極として、田中貴金属製TEC10V40E(使用白金量0.5〜0.6 mg/cm2)を用いた。
尚、比較試験として、カーボンブラック(比表面積254m/g、商標名:Vulcan XC 72、Cabot社製)、メソカーボンマイクロビーズ(平均粒径6μm、比表面積3m
g)及びガラス状カーボン(平均粒径5μm、比表面積1m/g)について、未処理の状態で白金10重量%を担持させて得られた電極触媒についても、同様の方法で発電試験を行った。表2に、0.7Vでの電流密度を示す。
Figure 0004963080
また、未処理のカーボンブラック、未処理のメソカーボンマイクロビーズ、及び実施例1で処理したメソカーボンマイクロビーズを担体とした電極触媒を用いた場合についての発電試験の結果を図3に示し、未処理のカーボンブラック、未処理のガラス状カーボン、及び実施例4で処理したガラス状カーボンを担体とした電極触媒を用いた場合についての発電試験の結果を図4に示す。
以上の結果から明らかなように、メソカーボンマイクロビーズ又はガラス状カーボンに対してフラーレン類と熱反応性多環芳香族炭化水素の存在下で熱処理を行うことによって、比表面積が大きく増大し、これに白金を担持させることによって、高い活性を有する触
媒が得られることが確認できた。
実施例1で処理したメソカーボンマイクロビーズに白金を担持させた電極触媒のSEM写真像。 未処理のメソカーボンマイクロビーズに白金を担持させた電極触媒のSEM写真像。 未処理のカーボンブラック、未処理のメソカーボンマイクロビーズ、及び実施例1で処理したメソカーボンマイクロビーズを担体とした電極触媒を用いた発電試験の結果を示すグラフ。 未処理のカーボンブラック、未処理のガラス状カーボン、及び実施例4で処理したガラス状カーボンを担体とした電極触媒を用いた発電試験の結果を示すグラフ。

Claims (4)

  1. 炭素材料、フラーレン類及び熱反応性多環芳香族炭化水素を含む混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理することを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒担体の製造方法であって、
    該炭素原料が、メソカーボンマイクロビーズ又はガラス状カーボンであり、
    該熱反応性多環芳香族炭化水素が、アセナフチレン、ナフタセン及びペンタセンからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、
    炭素材料100重量部に対して、フラーレン類1〜30重量部及び熱反応性多環芳香族炭化水素1〜30重量部を用い、600〜2000℃で熱処理を行うことを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法によって得られる、原料とする炭素材料と比較して比表面積が増大した炭素材料からなる固体高分子形燃料電池用触媒担体。
  3. 請求項に記載の触媒担体上に触媒金属を担持してなる固体高分子形燃料電池用電極触媒。
  4. 請求項の電極触媒を構成要素として含む固体高分子形燃料電池。
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