JP4961384B2 - ダンパー機構 - Google Patents

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Description

本発明は、急激なトルク変動を減衰させるためのダンパー機構に関し、特に、車両用自動変速機が備えるトルクコンバータのロックアップ機構に用いて好適なダンパー機構に関する。
車両用自動変速機が備えるトルクコンバータは、流体(作動油)を介して動力を伝達するためにスムーズな走行を実現できる反面、流体のスリップによるエネルギーロスで燃費が悪化するという欠点がある。これを解消するために、トルクコンバータには、ロックアップクラッチ(ロックアップ機構)が設けられている。ロックアップクラッチは、特許文献1に示すように、エンジンから入力された動力で回転するトルコンカバーに対して隣接して配置されたクラッチピストン(第1伝動部材)を備えている。クラッチピストンは、タービン(第2伝動部材)のボス外周に回転及び摺動自在に支承されている。このロックアップクラッチは、車両の速度が所定以上になると、トルクコンバータ内の流体の流れが変化し、クラッチピストンの摩擦面がトルコンカバーに押圧される。これにより、クラッチが係合してエンジンの回転が変速機側へ機械的に伝達される状態となる。したがって、流体による滑りの影響を排除でき、燃費の向上を図ることができる。
このようなロックアップクラッチには、エンジンからの急激なトルク変動を吸収するためのダンパー機構が設けられている。ダンパー機構は、クラッチピストンの外周に形成された環状のチャンネル部と、チャンネル部内の周方向に沿って収容された複数のダンパスプリング(コイルバネ)とを備えている。隣接する各ダンパスプリングの対向する端部(端部にエンドワッシャなど他の部材を取り付けている場合は、該他の部材)は、ホルダ部材により近接間隔を規制された状態で係止されている。そして、ホルダ部材で係止された各ダンパスプリングの端部間には、タービンの外側面から突出する爪部(伝動腕)が挿入されている。これにより、エンジンからの入力トルクの変動でタービンとクラッチピストンとの間に回転速度差が生じると、爪部で押圧されたダンパスプリングが圧縮変形し、入力トルクの変動が減衰されるようになっている。
特開平9−126298号公報
ダンパー機構では、隣接する各ダンパスプリングの端部間にタービンの爪部を挿入して組み付けているが、この組付作業の容易性を考慮して、爪部の幅寸法(周方向の長さ寸法)は、ダンパスプリングの対向する端部間の規制間隔よりも若干小さい寸法に形成されている。これにより、爪部の組み付けが容易になる反面、ダンパスプリングの端部と爪部との間に微細な隙間が生じてしまう。ところが、この微細な隙間があると、ロックアップクラッチが係合し始める領域(タービンとクラッチピストンの相対捩り角度0度付近:極低トルク領域)において、爪部がダンパスプリングの端部に接触しないタイミングが生じる。そのため、エンジンからの入力トルクの変動を効果的に減衰できないという問題があった。
また、ダンパスプリングの端部と爪部との間に微細な隙間があると、ロックアップクラッチが係合する際、それまで接触していなかった爪部とダンパスプリングの端部とが衝突する。この衝突によりサージトルク(急激なトルク変化)が発生し、サージトルクに起因する振動が発生する。従来は、この振動を抑制するためにロックアップクラッチを滑らせていた。しかしながら、ロックアップクラッチを滑らせると、車両の燃費が悪化するという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、ロックアップクラッチ係合時の振動の発生を抑制し、トルク変動を効果的に減衰しながらも、車両の燃費を向上させることが可能なダンパー機構を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明にかかるダンパー機構は、回転方向へ相対変位可能に設置された第1伝動部材(11)および第2伝動部材(3)と、第1伝動部材(11)に設けた環状のチャンネル部(14)と、チャンネル部(14)内において周方向に並べて配置された複数のダンパスプリング(16)と、第1伝動部材(11)側に固定され、隣接する各ダンパスプリング(16)の対向する端部間あるいは該端部に取り付けた他の部材(24)間の近接間隔を所定の規制間隔(L)に規制する規制部材(25)と、第2伝動部材(3)に設けた複数の伝動腕(29)と、を備え、各伝動腕(29)を各ダンパスプリング(16)の端部間あるいは前記他の部材(24)間に挿入し、第1伝動部材(11)と第2伝動部材(3)間のトルク変動をダンパスプリング(16)で減衰するように構成したダンパー機構(20)において、複数の伝動腕(29)の少なくとも1つは、周方向の寸法が、規制部材(25)によるダンパスプリング(16)の端部間あるいは他の部材(24)間の規制間隔(L)以上の寸法に形成された拡大伝動腕(29a)であることを特徴とする。なお、ここでの括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるダンパー機構では、第2伝動部材に設けた複数の伝動腕のうち少なくとも1つは、ダンパスプリングの対向する端部間(他の部材間)の規制間隔以上に形成された拡大伝動腕としている。この拡大伝動腕は、周方向の寸法が規制間隔以上なので、あらかじめダンパスプリングの端部(他の部材)に接触してこれを押圧した状態になっている。つまり、拡大伝動腕によりダンパスプリングにプリロードが印加された状態になっている。したがって、このダンパー機構をロックアップクラッチに用いれば、ロックアップクラッチが係合し始める際、伝動腕がダンパスプリングの端部(他の部材)に接触しないタイミングを無くすことができ、エンジンからの入力トルクの変動を効果的に減衰できるようになる。また、ロックアップクラッチが係合する際、伝動腕とダンパスプリングの端部(他の部材)との衝突を防止でき、あるいは衝突による衝撃を緩和できるので、サージトルクの発生、および該サージトルクに起因する振動の発生を抑制できる。これにより、ロックアップクラッチを滑らせる必要がなくなるので、燃費を向上させることができる。
ここで、仮に、第2伝動部材が備える複数の伝動腕のすべてを拡大伝動腕とすると、各伝動腕とダンパスプリングの端部(他の部材)との隙間がすべて無くなるが、その代わりに、ダンパスプリングの端部間(他の部材間)の間隔を規制する規制部材とダンパスプリングの端部(他の部材)との間に隙間が生じてしまう。これにより、ロックアップクラッチの係合時に規制部材とダンパスプリングの端部(他の部材間)とが衝突するため、やはり振動の発生などの問題が生じてしまう。そこで、本発明にかかるダンパー機構では、この点を考慮して、上記の拡大伝動腕(29a)に加えて、複数の伝動腕(29)の少なくとも1つは、周方向の寸法が、規制部材(25)による上記の規制間隔(L)未満の寸法に形成された通常伝動腕(29b)とするとよい。このような通常伝動腕を備えれば、該通常伝動腕が挿入された箇所では、規制部材とダンパスプリングの端部(他の部材)との間に隙間が生じないため、ロックアップクラッチの係合時に振動の発生などの問題が起こらずに済む。これにより、ロックアップクラッチ係合時のトルクの変動をより効果的に減衰できるようになる。
また、上記のダンパー機構では、拡大伝動腕(29a)は、ダンパスプリング(16)の端部間あるいは該端部に取り付けた他の部材(24)間に挿入される先端側の角部(30,30)が丸みを有するように形成するとよい。これにより、ダンパスプリングの端部間(他の部材間)に拡大伝動腕を挿入して組み付ける作業を容易かつ迅速に行えるので、伝動腕の寸法を拡大しても、ダンパー機構の組立効率を従来通り維持できるようになる。
本発明にかかるダンパー機構によれば、ロックアップクラッチ係合時の振動の発生を抑制し、トルク変動を効果的に減衰しながらも、車両の燃費を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる自動車用のトルクコンバータの側断面図である。また、図2は、図1のA−A矢視図であり、後述するクラッチピストン11におけるタービン3側の面を示す側面図である。また、図3は、タービン3におけるクラッチピストン11側の面を示す側面図である。トルクコンバータ1は、ポンプ2、タービン3、ステータ4及びこれらを収容するトルコンカバー5を備えて構成されている。なお、以下では、軸方向というときは、後述する入力軸6の中心軸方向を示し、周方向というときは、後述するクラッチピストン11に設けたチャンネル部14の長手方向に沿う円周方向を示す。
トルコンカバー5は、エンジン(図示せず)の駆動で回転するもので、変速機(図示せず)の入力軸6及びミッションケース(図示せず)に対して回転自在に支承されている。ポンプ2は、トルコンカバー5における変速機側の側壁5aの内側に一体形成されている。タービン3は、入力軸6にスプライン結合されている。ステータ4は、入力軸6に対して相対回転可能なステータ軸8に対して一方向クラッチ9を介して連結されている。このトルクコンバータ1では、エンジンからトルコンカバー5に与えられる駆動力でポンプ2が回転し、ポンプ2の回転がトルコンカバー5内の作動油を介してタービン3に伝達されて、入力軸6が回転するようになっている。
トルクコンバータ1には、ロックアップクラッチ10が設けられている。ロックアップクラッチ10は、トルクコンバータ1が後述するカップリングレンジで動作する際に、トルコンカバー5とタービン3を機械的に連結するもので、タービン3のボス3aの外周に回転及び摺動可能に支承されたクラッチピストン(第1伝動部材)11を備えて構成されている。クラッチピストン11は、ステータ4の左右両側の作動油室7と、クラッチピストン11とトルコンカバー5の間の作動油室12との圧力差に応じて、軸方向に沿って移動可能となっている。
クラッチピストン11は、タービン3に支承されたウエブ13と、ウエブ13の外周端に連設され、軸方向の一側面(タービン3側の面)が開放された環状のチャンネル部14とからなる。チャンネル部14は、断面略U字形状の凹部として形成されており、該チャンネル部14の底部の外側面(トルコンカバー5側の面)には、トルコンカバー5の側面に摩擦係合させるためのライニング15が取り付けられている。
ロックアップクラッチ10には、ダンパー機構20が設けられている。図4は、図2のB−B部分に対応する矢視図で、ダンパー機構20の詳細構成を示す図である。ダンパー機構20は、クラッチピストン11のチャンネル部14内に配置された複数組(本実施形態では三組)のダンパスプリング(コイルバネ)16を備えている。各ダンパスプリング16は、チャンネル部14内で周方向に沿って等間隔に並べて配列されている。本実施形態の各ダンパスプリング16は、一本のコイルバネで構成されているが、これ以外にも、例えば、ばね定数の異なる複数のコイルばねを直列に連結することで、圧縮変形の途中で弾性力が変化するように構成してもよい。なお、図4に示すように、チャンネル部14の内面には、ダンパスプリング16の摺接による磨耗を防ぐためのガイドシート17が設置されている。ガイドシート17は、耐摩耗性を有する薄肉鋼板で構成されている。
チャンネル部14の開口には、厚肉鋼板製のガイドプレート21が設置されている。ガイドプレート21は、チャンネル部14からのダンパスプリング16の離脱を阻止するもので、ウエブ13に対してリベット22で固着されている(図2参照)。ガイドプレート21は、ダンパスプリング16と同数が設置されており、各ガイドプレート21は、各ダンパスプリング16の長手方向の中間部を覆っている。
図5は、図2のC部分を示す部分拡大図である。図5に示すように、ダンパスプリング16の端部には、該端部を覆う円形平板状のエンドワッシャ24が装着されている。そして、隣接するダンパスプリング16,16の対向するエンドワッシャ24,24間には、ホルダ部材(規制部材)25が介在している。ホルダ部材25は、クラッチピストン11のウエブ13に対してリベット26で固着された固定部25aと、固定部25aから径方向外側へ突出する突出部25bとを備えた形状であり、突出部25bは、対向するエンドワッシャ24,24間に介在する幅寸法に形成された部位である。突出部25bの前面(タービン3側の面)には、ガイド溝28が形成されている。ガイド溝28は、図4及び図5に示すように、ダンパスプリング16の延長軸線に沿う円弧線状に形成された凹部からなる。そして、突出部25bにおけるガイド溝28の両端面は、エンドワッシャ24を当接させるストッパ部27,27になっている。このストッパ部27,27により、対向するエンドワッシャ24,24間の近接距離が所定の規制間隔に規制されるようになっている。
一方、図3に示すように、タービン(第2伝動部材)3のクラッチピストン11側の面(以下、背面という)3bには、爪部(伝動腕)29が設けられている。爪部29は、タービン3の背面3bの外周に等間隔で複数個(本実施形態では三個)が配列されている。各爪部29は、略矩形状で、入力軸6の軸心を中心とする円弧面状に湾曲した薄板状の小片からなる部材であり、タービン3の背面3bからクラッチピストン11に向かって突出している。各爪部29は、図1に示すように、各ホルダ部材25のガイド溝28内に挿入されている。これにより、各爪部29は、対向するエンドワッシャ24,24の間に介装されている。爪部29は、タービン3とクラッチピストン11の回転方向への相対変位により、ガイド溝28内を周方向に沿って移動可能となっている。
図6は、爪部29の構成を説明するための模式図である。なお、同図では、タービン3の外周に設置された三個の爪部29を横方向に並べて表示し、かつタービン3やクラッチピストン11やホルダ部材25など各部材を模式的に表示している。同図に示す例では、タービン3に設けた3個の爪部29のうち1個は、周方向の寸法(以下、幅寸法という)L1が、対向するエンドワッシャ24,24の規制間隔(ストッパ部27,27の間隔)L以上(L≦L1)に形成された拡大爪(拡大伝動腕)29aである。この拡大爪29aは、ガイド溝28の中央に位置するとき、すなわち、タービン3とクラッチピストン11の相対捩り角度が0度であるとき、両側のエンドワッシャ24,24に当接してこれを押圧した状態となっている。つまり、拡大爪29aにより、ダンパスプリング16にプリロードが印加された状態になっている。一方、拡大爪29aの両側のエンドワッシャ24,24は、ホルダ部材25のストッパ部27,27に対して微細な隙間P,Pを有する状態になっている。
上記の拡大爪29aに加えて、タービン3に設けた3個の爪部29のうち残り2個は、その幅寸法L2が、エンドワッシャ24,24の規制間隔L未満(L>L2)に形成された通常爪(通常伝動腕)29bになっている。この通常爪29bは、ガイド溝28の中央に位置するとき、すなわち、タービン3とクラッチピストン11の相対捩り角度が0度であるとき、両側のエンドワッシャ24,24との間に微細な隙間Q,Qを有する状態になっている。一方、通常爪29bの両側のエンドワッシャ24,24は、ホルダ部材25のストッパ部27,27に対して隙間無く接触している。
次に、上記構成のトルクコンバータ1の動作について説明する。トルクコンバータ1をコンバータレンジで作動させる場合は、クラッチピストン11をタービン3側へ付勢するように作動油室7,12の圧力を調節する。これにより、クラッチピストン11が移動してライニング15がトルコンカバー5から離間し、ロックアップクラッチ10は解除状態となる。したがって、エンジンからトルコンカバー5に与えられる動力は、ポンプ2とタービン3との間の作動油を介して流体力学的に入力軸6に伝達される。
一方、トルクコンバータ1をカップリングレンジで作動させる場合は、上記とは逆に、クラッチピストン11をトルコンカバー5側へ付勢するように作動油室7,12の圧力を調節する。これにより、クラッチピストン11が移動してライニング15がトルコンカバー5に圧接され、ロックアップクラッチ10は係合状態となる。したがって、エンジンの動力は、トルコンカバー5からクラッチピストン11、ダンパスプリング16、エンドワッシャ24及び爪部29を介してタービン3、入力軸6へと機械的に伝達される。
ここで、ロックアップクラッチ10が係合する際、あるいはロックアップクラッチ10の係合後クラッチピストン11を介しての動力伝達中に、エンジンからの入力トルクが変動すると、クラッチピストン11とタービン3との間に相対回転変位が生じる。そうすると、爪部29が周方向に移動することでダンパスプリング16を押圧して圧縮変形させる。こうして、ダンパスプリング16によりトルク変動を減衰させることができる。
そして、本実施形態のダンパー機構20では、エンドワッシャ24,24間の規制間隔L以上の幅寸法に形成された拡大爪29aにより、ダンパスプリング16にプリロードが印加された状態になっている。したがって、ダンパー機構20でトルク変動が減衰される際、爪部29がエンドワッシャ24に接触しないタイミングを無くすことができる。これにより、エンジンからの入力トルクを入力軸6側へリニアに伝達することができ、トルク変動を効果的に減衰できるようになる。また、拡大爪29aがあらかじめエンドワッシャ24に接触しているので、ロックアップクラッチ10が係合する際に、拡大爪29aがエンドワッシャ24と衝突することを防止できる。あるは、他の爪部29がエンドワッシャ24に衝突する衝撃を効果的に緩和することができる。したがって、サージトルクの発生および該サージトルクに起因する振動の発生を抑制できる。これにより、従来のようにロックアップクラッチを滑らせる必要がなくなるので、車両の燃費を向上させることができる。
ここで、仮に、タービン3に設置された3個の爪部29のすべてを拡大爪29aとする場合について考察する。図7は、その場合の爪部29を示す模式図である。同図のようにすべての爪部29を拡大爪29aとすると、各爪部29とその両側のエンドワッシャ24,24との隙間がすべて無くなるが、その代わりに、ホルダ部材25の各ストッパ部27,27と各エンドワッシャ24,24との間に隙間Pが生じてしまう。これにより、ロックアップクラッチ10が係合する際に、ストッパ部27,27とエンドワッシャ24,24とが衝突するようになるため、クラッチピストン11側で振動が発生するようになってしまう。
この点を考慮して、本実施形態のダンパー機構20では、図6に示すように、拡大爪29aを3個の爪部29のうち1個だけとし、残りの2個の爪部29は、エンドワッシャ24,24間の規制間隔L未満の幅寸法L2を有する通常爪29bとしている。この通常爪29bが挿入された箇所では、ストッパ部27,27とエンドワッシャ24,24との間に隙間が生じないため、ロックアップクラッチ10の係合時における振動の発生を防止でき、トルクの変動を効果的に減衰することができるようになる。
また、図6に示すように、本実施形態のダンパー機構20では、拡大爪29aは、対向するエンドワッシャ24,24間に挿入される先端側の両角部30,30が丸みを有する形状に形成されている。これにより、エンドワッシャ24,24間への拡大爪29aの挿入をスムーズに行えるので、爪部29を組み付ける作業を容易かつ迅速に行えるようになる。したがって、拡大爪29aを設けていても、ダンパー機構20の組立効率を従来通り維持できるようになる。
なお、爪部29の組み付け容易性の観点では、タービン3に設置された3個の爪部29のうち拡大爪29aは1個のみとし、残りの2個は通常爪29bとすることが望ましい。しかしながら、本実施形態に示した拡大爪29aあるいは通常爪29bの個数は一例であり、拡大爪29aの個数Xは、タービン3に設けた爪部29の総数をNとすると、1≦X≦N−1を満たす個数であれば、いずれの個数でもよい。また、爪部29(拡大爪29a、通常爪29b)の具体的な形状、配置なども本実施形態に示すものには限定されない。
なお、拡大爪29aの幅寸法L1をエンドワッシャ24,24間の規制間隔Lと等しい寸法(L=L1)にする場合は、爪部29のすべてを拡大爪29aにしても、ストッパ部27,27とエンドワッシャ24,24との隙間Pが生じない。したがって、そのような場合は、爪部29のすべてを幅寸法Lの拡大爪29aとして、通常爪29bを省略することも可能である。
また、クラッチピストン11のチャンネル部14内に配置したダンパスプリング16の個数、形状、配置も本実施形態に示すものには限定されない。また、本実施形態では、ダンパスプリング16の端部にエンドワッシャ24,24を取り付けた場合を説明したが、ダンパスプリング16の端部とホルダ部材25あるいは爪部29とが直接接触するように構成する場合は、エンドワッシャ24,24を省略することも可能である。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
本発明の一実施形態にかかる自動車用のトルクコンバータの側面図である。 図1のA−A矢視図であり、クラッチピストンにおけるタービン側の面を示す側面図である。 タービンにおけるクラッチピストン側の面を示す側面図である。 図2のB−B部分に対応する矢視図で、ダンパー機構の詳細構成を示す図である。 図2のC部分を示す部分拡大図である。 爪部の構成を説明するための模式図である。 複数の爪部すべてを拡大爪とした場合について説明するための図である。
符号の説明
1 トルクコンバータ
2 ポンプ
3 タービン(第2伝動部材)
4 ステータ
5 トルコンカバー
6 入力軸
7 作動油室
8 ステータ軸
10 ロックアップクラッチ
11 クラッチピストン(第1伝動部材)
12 作動油室
13 ウエブ
14 チャンネル部
15 ライニング
16 ダンパスプリング
17 ガイドシート
20 ダンパー機構
21 ガイドプレート
24 エンドワッシャ(他の部材)
25 ホルダ部材(規制部材)
27 ストッパ部
28 ガイド溝
29 爪部(伝動腕)
29a 拡大爪(拡大伝動腕)
29b 通常爪(通常伝動腕)
30 角部
L 規制間隔

Claims (2)

  1. 回転方向へ相対変位可能に設置された第1伝動部材および第2伝動部材と、
    前記第1伝動部材に設けた環状のチャンネル部と、前記チャンネル部内において周方向に並べて配置された複数のダンパスプリングと、
    前記第1伝動部材側に固定され、隣接する各ダンパスプリングの対向する端部間あるいは該端部に取り付けた他の部材間の近接間隔を所定の規制間隔に規制する規制部材と、
    前記第2伝動部材に設けた複数の伝動腕と、
    を備え、
    前記各伝動腕を前記各ダンパスプリングの端部間あるいは前記他の部材間に挿入し、前記第1伝動部材と前記第2伝動部材間のトルク変動を前記ダンパスプリングで減衰するように構成したダンパー機構において、
    前記複数の伝動腕の少なくとも1つは、前記周方向の寸法が、前記規制部材による前記ダンパスプリングの端部間あるいは前記他の部材間の規制間隔以上の寸法に形成された拡大伝動腕であり、かつ、前記複数の伝動腕の少なくとも1つは、前記周方向の寸法が、前記規制間隔未満の寸法に形成された通常伝動腕であることを特徴とするダンパー機構。
  2. 前記拡大伝動腕は、前記ダンパスプリングの端部間あるいは前記他の部材間に挿入される先端側の角部が丸みを有する形状に形成されていること特徴とする請求項1に記載のダンパー機構。
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