JP4960844B2 - 検査用キット - Google Patents
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特に、免疫測定法試薬に供するための被検試料を調製するのに好適な検査用キットに関する。
(a)一端側に設けられた開口部と、前記開口部を封止する薄膜状封止部材と、 前記開口部が設けられた側とは逆側の他端側に設けられた薄膜状部分を有する底部とを備え、内部に、検体を採取するために用いられる検体採取治具の検体採取部を浸漬して、検体を前記検体採取部から移行させるべき抽出液が収容された状態で、前記開口部が前記薄膜状封止部材により封止された容器本体と、
(b)前記薄膜状封止部材を破って封止状態を解除するオープナー部と、前記容器本体に収容された抽出液に、前記検体採取治具の前記検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後の段階で前記開口部を封止するキャップ部とを備えた封止解除機能付き蓋部材と、
(c)前記容器本体の前記底部の薄膜状部分に、前記抽出液を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成用尖端部であって、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、前記先端側の厚みの薄い部分と、前記基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成されている貫通孔形成用尖端部を備えるとともに、前記貫通孔を通過した前記抽出液を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路とを備えた開封治具と、
(d)前記容器本体の前記薄膜状部分に形成された前記貫通孔から、前記液通路を経て前記抽出液の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する際には前記液通路を開放し、前記抽出液を検査に供する前および後の段階では前記液通路を封止する液通路封止蓋と
を具備することを特徴としている。
前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記薄膜状封止部材を突き破る尖端部と、前記薄膜状封止部材の開口領域を広げる開口領域拡大機能部とを備え、
前記封止解除機能付き蓋部材の前記キャップ部が、前記容器本体の前記一端側に形成された容器本体側ネジと螺合するキャップ側ネジを備えており、
前記キャップ部を周方向に回転させて、前記容器本体と螺合させる際に、前記オープナー部が前記容器本体の軸方向に沿って移動し、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達することにより、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていること
を特徴としている。
前記容器本体の前記開口部を封止する前記薄膜状封止部材として、アルミニウム箔が用いられていることを特徴としている。
(a)前記容器本体の前記底部は、前記容器本体の前記他端側の先端から後退した位置に上げ底状に配設されており、
(b)前記開封治具は、
前記容器本体の内周側の、前記他端側から前記底部までの開封治具収容領域に、前記容器本体の内周面と密着するようにはまり込む筒状部と、
前記筒状部の一端側に配設された前記貫通孔形成用尖端部と、
前記筒状部の内側部分と連通する液取出用流路であって、その端部が前記抽出液の取り出し口として機能し、かつ、前記液通路を封止するための液通路封止蓋が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、前記筒状部の内側部分ととともに前記液通路を構成する液取出用流路と
を備えており、
前記開封治具を前記開封治具収容領域に押し込むことにより、前記開封治具と前記容器本体の間が密封されるとともに、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分に貫通孔が形成されるように構成されていること
を特徴としている。
また、抽出液に移行した検体を検査に供する場合には、開封治具により、容器本体の底部の薄膜状部分に、抽出液を通過させる貫通孔を形成し、貫通孔を通過した抽出液を通過させて外部に取り出すことができる。
そして、検体を検査に供した後は、液通路封止蓋を施すことにより、検体を含む抽出液が取り扱い者に触れたり、外部には飛散したりすることのない状態とすることができる。
なお、ネジ式の蓋で封止する場合の上記問題点を解決するために、アルミニウム箔や樹脂フィルムによる封止を行い、使用時にこれを剥がすことにより開口部を確保するようにした製品もあるが、この場合もアルミニウム箔や樹脂フィルムを剥がすことが困難であったり、剥がす途中でアルミニウム箔や樹脂フィルムが破れたりして、作業性が悪いという問題点がある。また、剥がしたシールには抽出液が付着しており、その取り扱いに苦慮する場合も多い。
これに対し、本発明の検査用キットを用いることにより、そのような問題点を解決することができる。
また、本発明においては、薄膜状封止部材として、種々の材料からなるものを用いることが可能である。例えば、アルミニウム箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを薄膜状封止部材として用いることができる。
なお、アルミニウム箔としては、通常、両面が樹脂で被覆されたものを用いることが望ましい。樹脂で被覆されたアルミニウム箔を用いることにより、内部に収容された抽出液との接触による腐食の問題を回避したり、薄膜状封止部材の機械的強度を向上させたりすることが可能になるとともに、一般的にポリプロピレンなどの樹脂からなる容器本体にアルミニウム箔を熱圧着することが可能になり、製造工程を容易ならしめることができる。
本願発明の検査用キットにおいては、薄膜状封止部材を構成する材料に特別の制約はないが、上述の点においては、アルミニウム箔がもっとも望ましい材料の一つであるということができる。
なお、本発明において、固形物とは、文字どおりの固形物に限らず、フィルタを通過させることにより除去することが可能な、粘膜状物質、粘着物、凝集物、非特異反応物質などを含む広い概念である。
なお、本発明においては、検体採取治具として、上述の綿棒に限らず、一端側にブラシなど、検体を採取し、保持することが可能な種々の検体採取部を備えた構成の物を用いることが可能である。
また、図3は、開封治具14を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面図である。
そして、この実施例では、薄膜状封止部材10として、表面を樹脂でコーティングしたアルミニウム箔が用いられている。なお、コーティング用の樹脂としては、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、メラミン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、アクリル系、セルロース系、ウレタン系などの種々の樹脂を用いることができる。
また、薄膜状封止部材10として、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを用いることもできる。
さらに、本発明においては、検体採取治具として、上述のような綿棒に限らず、一端側にブラシなど、検体を採取し、保持することが可能な検体採取部を備えた種々の構成の物を用いることが可能である。
なお、フィルタ20は、検体抽出後の抽出液から粘膜状物質、粘着物、凝集物などを除去することにより、フィルタを通過した後の抽出液の粘性を低下させる作用を果たす場合もある。
なお、本願発明において、筒状部17の一端側に配設される貫通孔形成用尖端部12の配設態様に特別の制約はなく、筒状部17の一方端部に、周方向に所定の間隔をおいて複数個配設することも可能である。
容器本体6の封止状態を解除するにあたっては、まず、図4(a)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7を容器本体6の開口部3を封止する薄膜状封止部材10に対向させ、図4(b)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7のオープナー部27の尖端部27aを薄膜状封止部材10に押し付けることにより、薄膜状封止部材10の中央部を突き破る。
この状態で抽出液8は密閉空間9内に密封された状態となるので、全体を揺動させたり、振盪したりして、検体と抽出液8とを十分に混合することが可能になる。
このとき、液通路封止蓋15が取り付けられているので、貫通孔11が形成されても抽出液8が外部に漏出することはない。
具体的には、容器本体6の、底部5を備えた他端側領域付近31の側壁部分に、指で押さえることにより変形させることが可能で、押圧力を取り除くと、元の形状に復元する程度の柔軟性を持たせることが好ましい。
このようにした場合、他端側領域付近31の側壁部分を押圧して検体採取治具2の検体採取部1を揉み、抽出液8と検体採取部1とを十分に馴染ませて抽出効率を向上させることが可能になり好ましい。また、抽出液8を容器本体6から排出する際には、上記他端側領域付近31の側壁部分を押圧することにより、抽出液8を迅速に排出させることが可能になり好都合である。
このとき、開封治具14の、貫通孔形成用尖端部12に、薄膜状部分4を貫通する貫通方向に略平行なスリット21および段差部12cが形成されているので、貫通孔形成用尖端部12により容器本体6の底部5の薄膜状部分4を突き破って貫通孔11を形成した場合に、図7(b),(c)に示すように、段差部12cが容器本体6の底部5の薄膜状部分4の貫通孔近傍に当接して、薄膜状部分4に変形を生じさせることから、貫通孔11の近傍に、抽出液8が通過する隙間が形成されやすくなるとともに、スリット21が抽出液8の流路となるため、抽出液8を外部に確実に取り出して、容易に検査に供することができる。
なお、検体を採取した検体採取治具2は、例えば、専用の廃棄用容器などに収容して廃棄することにより安全に処理することができる。
2 検体採取治具
3 開口部
4 薄膜状部分
5 底部
6 容器本体
6a 容器本体側ネジ
7 封止解除機能付き蓋部材
8 抽出液
9 密閉空間
9a 封止解除機能付き蓋部材の内部のスペース
10 薄膜状封止部材
11 貫通孔
12 貫通孔形成用尖端部
12a 先端側の厚みの薄い部分
12b 基端側の厚みの厚い部分
12c 段差部
13 液通路
14 開封治具
15 液通路封止蓋
16 開封治具収容領域
17 筒状部
18 取り出し口
19 液取出用流路
20 フィルタ
21 スリット
27 オープナー部
27a 尖端部
27b 開口領域拡大機能部
31 他端側領域付近
32 一端側領域付近
37 キャップ部
37a キャップ側ネジ
A 検査用キット
Claims (12)
- (a)一端側に設けられた開口部と、前記開口部を封止する薄膜状封止部材と、 前記開口部が設けられた側とは逆側の他端側に設けられた薄膜状部分を有する底部とを備え、内部に、検体を採取するために用いられる検体採取治具の検体採取部を浸漬して、検体を前記検体採取部から移行させるべき抽出液が収容された状態で、前記開口部が前記薄膜状封止部材により封止された容器本体と、
(b)前記薄膜状封止部材を破って封止状態を解除するオープナー部と、前記容器本体に収容された抽出液に、前記検体採取治具の前記検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後の段階で前記開口部を封止するキャップ部とを備えた封止解除機能付き蓋部材と、
(c)前記容器本体の前記底部の薄膜状部分に、前記抽出液を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成用尖端部であって、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、前記先端側の厚みの薄い部分と、前記基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成されている貫通孔形成用尖端部を備えるとともに、前記貫通孔を通過した前記抽出液を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路とを備えた開封治具と、
(d)前記容器本体の前記薄膜状部分に形成された前記貫通孔から、前記液通路を経て前記抽出液の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する際には前記液通路を開放し、前記抽出液を検査に供する前および後の段階では前記液通路を封止する液通路封止蓋と
を具備することを特徴とする検査用キット。 - 前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記薄膜状封止部材を突き破る尖端部と、前記薄膜状封止部材の開口領域を広げる開口領域拡大機能部とを備え、
前記封止解除機能付き蓋部材の前記キャップ部が、前記容器本体の前記一端側に形成された容器本体側ネジと螺合するキャップ側ネジを備えており、
前記キャップ部を周方向に回転させて、前記容器本体と螺合させる際に、前記オープナー部が前記容器本体の軸方向に沿って移動し、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達することにより、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の検査用キット。 - 前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記尖端部により前記薄膜状封止部材を突き破った後、前記キャップ部を周方向に回転させて前記容器本体に螺合させることにより、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達し、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の検査用キット。
- 前記オープナー部を構成する前記開口領域拡大機能部がブレード状の部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検査用キット。
- 前記容器本体の前記開口部を封止する前記薄膜状封止部材として、アルミニウム箔が用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の検査用キット。
- 前記抽出液に、前記検体採取治具の検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後、前記容器本体の前記開口部を前記封止解除機能付き蓋部材により封止する際に、前記容器本体と、前記封止解除機能付き蓋部材により形成される密閉空間に、前記検体採取治具を収容することができるように、前記封止解除機能付き蓋部材および前記容器本体が、共働して前記密閉空間を形成することができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の検査用キット。
- 前記封止解除機能付き蓋部材と前記容器本体とが共働して、前記検体採取治具を折り曲げることなく収容することが可能な前記密閉空間を形成できるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の検査用キット。
- (a)前記容器本体の前記底部は、前記容器本体の前記他端側の先端から後退した位置に上げ底状に配設されており、
(b)前記開封治具は、
前記容器本体の内周側の、前記他端側から前記底部までの開封治具収容領域に、前記容器本体の内周面と密着するようにはまり込む筒状部と、
前記筒状部の一端側に配設された前記貫通孔形成用尖端部と、
前記筒状部の内側部分と連通する液取出用流路であって、その端部が前記抽出液の取り出し口として機能し、かつ、前記液通路を封止するための液通路封止蓋が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、前記筒状部の内側部分ととともに前記液通路を構成する液取出用流路と
を備えており、
前記開封治具を前記開封治具収容領域に押し込むことにより、前記開封治具と前記容器本体の間が密封されるとともに、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分に貫通孔が形成されるように構成されていること
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の検査用キット。 - 前記開封治具の前記液通路には、固形物を濾過して除去するためのフィルタが配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の検査用キット。
- 前記開封治具の、前記貫通孔形成用尖端部には、薄膜状部分を貫通する貫通方向に略平行な少なくとも1つのスリットが形成されており、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分を突き破って貫通孔が形成された状態において、前記容器本体内の抽出液が前記スリットを経て外部に取り出されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の検査用キット。
- 前記検体採取治具が、少なくとも一端側に綿球を備えた綿棒であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の検査用キット。
- 感染症検査に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の検査用キット。
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