JP4960844B2 - 検査用キット - Google Patents

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本発明は、患者の鼻、咽頭、結膜、尿道、子宮、膣、糞便、尿、喀痰等を検体採取治具で採取した検体を検査するための検査用キットに関し、詳しくは、衛生上の見地から取り扱い者に触れることなく処理することが望ましい検体を効率よく取り扱い、処理するための検査用キットに関する。
特に、免疫測定法試薬に供するための被検試料を調製するのに好適な検査用キットに関する。
免疫測定法用の被験試料は、被疑患者の涙液、眼脂、喀痰、唾液、便などの生体試料や患部を清拭したガーゼ、綿棒などを予め試験容器に入れておいた抽出液に浸漬して検体を分散又は溶解して抽出液として調製される。
ところで、衛生上の見地から取り扱い者に触れることなく処理することが望ましい検体について所定の検査を行うための検査用キットとして、従来は、例えば、図12,図13,図14(a),(b)に示すような便中の毒素検査のための検査用キットが用いられている。
この検査用キットは、図12,図13,図14(a),(b)に示すように、検体を収容し、希釈液で希釈するための容器として機能するとともに、一方側の蓋(すなわち、下記のフィルタ側の蓋)としても機能するキャップ・容器51と、一端側のフィルタ保持部55aには検体を希釈液で薄めた希釈混合液52をろ過するためのフィルタ53が配設され、他端側にはフィルタ53によりろ過された希釈混合液52を滴下するためのノズル部54が設けられた滴下用チューブ55と、滴下用チューブ55のノズル部54側の蓋として機能するノズル側キャップ56とを備えている。
そして、この検査用キットを使用するにあたっては、図13に示すように、キャップ・容器51に検体を希釈液で薄めた希釈混合液52が収容された状態で、図14(a)に示すように、滴下用チューブ55のフィルタ53が配設された側をキャップ・容器51の開口部に挿入し、さらに、図14(b)に示すように、滴下用チューブ55をいっぱいにまで押し込んで、希釈混合液52を、フィルタ53を通過させることによりろ過して、滴下用チューブ55内に充填する。
その後、図15に示すように、滴下用チューブ55の胴体部分55bを指で押して撓ませる(たわませる)ことにより、滴下用チューブ55内のろ過された希釈混合液52を、試験液を含浸させたプレート61上に滴下して、毒素の有無(あるいは多少)を検査する。
上述のようにして検査用キットを用いることにより、便中の毒素検査を効率よく行うことが可能になる。
しかしながら、上記従来の検査用キットの場合、滴下用チューブ55のノズル部54が封止されていないため、検査用キットを振ったり、横向きにしたりすると内部の希釈混合液52が漏れ出すおそれがあるため、希釈混合液52を十分に混合しにくく、抽出効率が低下して検査に支障をきたしたり、衛生上の問題を生じたりするおそれがある。
また、その他の従来の検体収容用容器として、図16に示すように、インフルエンザウィルスを含む希釈検体71を入れる容器本体72と、希釈検体71を濾過して検査デバイス上に供給できるようにするためのフィルタ73と、フィルタ73を通過した希釈検体71を通過させて、テストデバイス75に供給するノズル74とを備えた検体収容用容器76が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この特許文献1の検体収容用容器76の場合も、ノズル74が封止されていないため、検体収容用容器76を振ったり、横向きにしたりすると内部の希釈検体71が漏れ出すおそれがあり、衛生上好ましくないという問題点がある。
また、感染力の強いウイルスや微生物が検体に含まれる場合、上記のような被験試料の調製方法では、使用済みの綿棒や抽出液の廃棄管理を適正に行わないと、院内感染などの二次的な感染拡大を招くおそれがある。
国際公開第2004/081568号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するものであり、例えば、感染力の強いインフルエンザウィルス、アデノウイルス、さらには、二次感染の危険性が高い結核菌、鳥インフルエンザウイルスなどの感染性の細菌やウイルスの検査などに用いられる検体のように、衛生上の見地から取り扱い者に触れたり、外部環境に露出することが望ましくないような検体を安全に、かつ効率よく取り扱い、処理することが可能な検査用キットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の検査用キットは、
(a)一端側に設けられた開口部と、前記開口部を封止する薄膜状封止部材と、 前記開口部が設けられた側とは逆側の他端側に設けられた薄膜状部分を有する底部とを備え、内部に、検体を採取するために用いられる検体採取治具の検体採取部を浸漬して、検体を前記検体採取部から移行させるべき抽出液が収容された状態で、前記開口部が前記薄膜状封止部材により封止された容器本体と、
(b)前記薄膜状封止部材を破って封止状態を解除するオープナー部と、前記容器本体に収容された抽出液に、前記検体採取治具の前記検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後の段階で前記開口部を封止するキャップ部とを備えた封止解除機能付き蓋部材と、
(c)前記容器本体の前記底部の薄膜状部分に、前記抽出液を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成用尖端部であって、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、前記先端側の厚みの薄い部分と、前記基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成されている貫通孔形成用尖端部を備えるとともに、前記貫通孔を通過した前記抽出液を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路とを備えた開封治具と、
(d)前記容器本体の前記薄膜状部分に形成された前記貫通孔から、前記液通路を経て前記抽出液の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する際には前記液通路を開放し、前記抽出液を検査に供する前および後の段階では前記液通路を封止する液通路封止蓋と
を具備することを特徴としている。
また、請求項2の検査用キットは、
前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記薄膜状封止部材を突き破る尖端部と、前記薄膜状封止部材の開口領域を広げる開口領域拡大機能部とを備え、
前記封止解除機能付き蓋部材の前記キャップ部が、前記容器本体の前記一端側に形成された容器本体側ネジと螺合するキャップ側ネジを備えており、
前記キャップ部を周方向に回転させて、前記容器本体と螺合させる際に、前記オープナー部が前記容器本体の軸方向に沿って移動し、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達することにより、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていること
を特徴としている。
また、請求項3の検査用キットは、前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記尖端部により前記薄膜状封止部材を突き破った後、前記キャップ部を周方向に回転させて前記容器本体に螺合させることにより、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達し、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項4の検査用キットは、前記オープナー部を構成する前記開口領域拡大機能部がブレード状の部材であることを特徴としている。
また、請求項5の検査用キットは、
前記容器本体の前記開口部を封止する前記薄膜状封止部材として、アルミニウム箔が用いられていることを特徴としている。
また、請求項6の検査用キットは、前記抽出液に、前記検体採取治具の検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後、前記容器本体の前記開口部を前記封止解除機能付き蓋部材により封止する際に、前記容器本体と、前記封止解除機能付き蓋部材により形成される密閉空間に、前記検体採取治具を収容することができるように、前記封止解除機能付き蓋部材および前記容器本体が、共働して前記密閉空間を形成することができるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項7の検査用キットは、前記封止解除機能付き蓋部材と前記容器本体とが共働して、前記検体採取治具を折り曲げることなく収容することが可能な前記密閉空間を形成できるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項8の検査用キットは、
(a)前記容器本体の前記底部は、前記容器本体の前記他端側の先端から後退した位置に上げ底状に配設されており、
(b)前記開封治具は、
前記容器本体の内周側の、前記他端側から前記底部までの開封治具収容領域に、前記容器本体の内周面と密着するようにはまり込む筒状部と、
前記筒状部の一端側に配設された前記貫通孔形成用尖端部と、
前記筒状部の内側部分と連通する液取出用流路であって、その端部が前記抽出液の取り出し口として機能し、かつ、前記液通路を封止するための液通路封止蓋が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、前記筒状部の内側部分ととともに前記液通路を構成する液取出用流路と
を備えており、
前記開封治具を前記開封治具収容領域に押し込むことにより、前記開封治具と前記容器本体の間が密封されるとともに、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分に貫通孔が形成されるように構成されていること
を特徴としている。
また、請求項9の検査用キットは、前記開封治具の前記液通路には、固形物を濾過して除去するためのフィルタが配設されていることを特徴としている。
また、請求項10の検査用キットは、前記開封治具の、前記貫通孔形成用尖端部には、薄膜状部分を貫通する貫通方向に略平行な少なくとも1つのスリットが形成されており、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分を突き破って貫通孔が形成された状態において、前記容器本体内の抽出液が前記スリットを経て外部に取り出されるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項11の検査用キットは、前記検体採取治具が、少なくとも一端側に綿球を備えた綿棒であることを特徴としている。
また、請求項12の検査用キットは、感染症検査に用いられるものであることを特徴としている。
本発明(請求項1)の検査用キットは、(a)一端側に設けられた開口部と、開口部を封止する薄膜状封止部材と、他端側に設けられた薄膜状部分を有する底部とを備え、抽出液が収容された状態で、開口部が薄膜状封止部材により封止された容器本体と、(b)容器本体の薄膜状封止部材を破って封止状態を解除するオープナー部と、抽出液に検体採取治具の検体採取部を浸漬し、採取された検体を抽出液に移行させた後、開口部を封止するキャップ部とを備えた封止解除機能付き蓋部材と、(c)容器本体の底部の薄膜状部分に、抽出液を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成用尖端部であって、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、前記先端側の厚みの薄い部分と、前記基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成されている貫通孔形成用尖端部を備えるとともに、貫通孔を通過した抽出液を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路とを備えた開封治具と、(d)薄膜状部分に形成された貫通孔から、液通路を経て抽出液の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する際には液通路を開放し、抽出液を検査に供する前および後の段階では液通路を封止する液通路封止蓋とを有しているので、容器本体の開口部の封止状態を容易に解除して、検体を容易に容器本体内の抽出液に移行させることが可能になるとともに、その後に容器本体を容易かつ確実に封止して、検体を含む抽出液が取り扱い者に触れたり、外部には飛散したりすることのない状態とすることが可能になる。
また、貫通孔形成用尖端部が、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成された構成を有しているので、段差部が容器本体の底部の薄膜状部分の貫通孔近傍に当接して、薄膜状部分に変形を生じさせることから、貫通孔の近傍に隙間が形成されやすくなり、容器本体内の抽出液を、該隙間を経てより確実に外部に取り出しやすくなる。
また、抽出液に移行した検体を検査に供する場合には、開封治具により、容器本体の底部の薄膜状部分に、抽出液を通過させる貫通孔を形成し、貫通孔を通過した抽出液を通過させて外部に取り出すことができる。
そして、検体を検査に供した後は、液通路封止蓋を施すことにより、検体を含む抽出液が取り扱い者に触れたり、外部には飛散したりすることのない状態とすることができる。
なお、容器本体を例えばネジ式の蓋で封止しておき、使用時に、ネジ式の蓋を取り除いて、検体を採取した検体採取治具を容器本体に挿入して、検体を容器本体内の抽出液に移行させるようにした検査キットも提案されているが、長期間、抽出液の蒸発や漏れが生じないようにネジ式の蓋で封止しようとすると、信頼性を確保するためには強くネジ止めを行うことが必要になり、使用時に取扱者が蓋を取り除くことが困難で、作業性がわるく、また、無理に蓋をゆるめようとするとするとかえって容器本体内の抽出液を漏らしたり飛散させたりする結果となり、病院や検査機関から改善の要望が出されているのが実情である。
なお、ネジ式の蓋で封止する場合の上記問題点を解決するために、アルミニウム箔や樹脂フィルムによる封止を行い、使用時にこれを剥がすことにより開口部を確保するようにした製品もあるが、この場合もアルミニウム箔や樹脂フィルムを剥がすことが困難であったり、剥がす途中でアルミニウム箔や樹脂フィルムが破れたりして、作業性が悪いという問題点がある。また、剥がしたシールには抽出液が付着しており、その取り扱いに苦慮する場合も多い。
これに対し、本発明の検査用キットを用いることにより、そのような問題点を解決することができる。
なお、本発明において、抽出液とは、検体から特定の成分を抽出する機能を果たす液に限らず、検体と混ざり合うことにより、検体を検査に適した状態とするための処理液、検体を希釈するための希釈液、検体の一部を分散あるいは溶解させる分散媒体や溶媒などを意味する広い概念である。
また、本発明においては、薄膜状封止部材として、種々の材料からなるものを用いることが可能である。例えば、アルミニウム箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを薄膜状封止部材として用いることができる。
また、請求項2の検査用キットのように、オープナー部が、薄膜状封止部材を突き破る尖端部と、薄膜状封止部材の開口領域を広げる開口領域拡大機能部とを備え、キャップ部が、容器本体の一端側に形成された容器本体側ネジと螺合するキャップ側ネジを備え、キャップ部を容器本体と螺合させる際に、オープナー部が容器本体の軸方向に沿って回転しながら移動し、開口領域拡大機能部が回転しながら開口部内周と接する位置にまで達するようにした場合、容器本体の開口部の全面を容易かつ確実に開口した状態(開口部が箔膜状蓋材により封止されていない状態)とすることが可能になり、容器本体に検体採取治具の検体採取部を容易かつ確実に挿入して、検体を十分に抽出液に移行させることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、請求項3の検査用キットのように、まず、封止解除機能付き蓋部材のオープナー部を薄膜状封止部材に押し当てて破った後、封止解除機能付き蓋部材を容器本体に螺合させて、薄膜状封止部材のまだ破られていない部分が破られるように封止解除機能付き蓋部材を回転させるようにした場合、薄膜状封止部材を封止解除機能付き蓋部材の回転によるオープナー部の移動だけで破るようにした場合に比べて少ない回転で、効率よく容器本体の開口部の全面を開口した状態とすることが可能になり、取り扱い性をさらに向上させることが可能になる。
また、請求項4の検査用キットのように、オープナー部を構成する開口領域拡大機能部をブレード状に形成した場合、薄膜状封止部材の開口領域を効率よく拡大することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、請求項5の検査用キットは、容器本体の開口部を封止する薄膜状封止部材として、アルミニウム箔を用いることにより、内部に収容された抽出液の蒸発や漏れを確実に防止することが可能で、かつ、封止状態の解除(薄膜状封止部材を破ること)を容易かつ確実に行うことが可能な検査用キットを提供することが可能になり有意義である。
なお、アルミニウム箔としては、通常、両面が樹脂で被覆されたものを用いることが望ましい。樹脂で被覆されたアルミニウム箔を用いることにより、内部に収容された抽出液との接触による腐食の問題を回避したり、薄膜状封止部材の機械的強度を向上させたりすることが可能になるとともに、一般的にポリプロピレンなどの樹脂からなる容器本体にアルミニウム箔を熱圧着することが可能になり、製造工程を容易ならしめることができる。
本願発明の検査用キットにおいては、薄膜状封止部材を構成する材料に特別の制約はないが、上述の点においては、アルミニウム箔がもっとも望ましい材料の一つであるということができる。
また、請求項6の検査用キットのように、抽出液に、検体採取治具の検体採取部を浸漬して、検体を抽出液に移行させた後、容器本体の開口部を封止解除機能付き蓋部材により封止する際に、容器本体と、封止解除機能付き蓋部材により形成される密閉空間に、検体採取治具を収容することができるように、封止解除機能付き蓋部材および容器本体を、共働して上記密閉空間を形成することができるように構成した場合、検体採取治具からの抽出液への検体の移行から、検査後の検体の廃棄に至る工程で、検体採取治具を含めて検体が確実に密閉された状態が維持されることになるため、検体が取り扱い者に触れたり、外部に露出あるいは飛散したりすることを防止して、例えばインフルエンザウィルスの検査を行うべき検体などの、取り扱いが問題になりやすい検体を、衛生的にかつ効率よく取り扱うことが可能になる。
また、請求項7の検査用キットのように、封止解除機能付き蓋部材と容器本体とが共働して、検体採取治具を折り曲げることなく収容することが可能な密閉空間を形成できるような構成とした場合、検体採取治具を変形させたりすることなく、容器本体と検体採取治具収容機能付き封止蓋により形成される密閉空間内に封止することが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
また、請求項8の検査用キットのように、(a)容器本体の底部が、容器本体の他端側の先端から後退した位置に上げ底状に配設されており、(b)開封治具が、容器本体の内周側の開封治具収容領域に、容器本体の内周面と密着するようにはまり込む筒状部と、筒状部の一端側に配設された貫通孔形成用尖端部と、筒状部の内側部分と連通する液取出用流路であって、その端部が抽出液の取り出し口として機能し、かつ、液通路を封止するための液通路封止蓋が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、筒状部の内側部分ととともに液通路を構成する液取出用流路とを備え、開封治具を開封治具収容領域に押し込むことにより、開封治具と容器本体の間が密封されるとともに、容器本体の底部の薄膜状部分に貫通孔が形成されるように構成した場合、開封治具を容器本体の開封治具収容領域に押し込むことにより、容器本体の底部の薄膜状部分に貫通孔を形成するとともに、開封治具と容器本体の間を密封することが可能になり、液取出用流路のみから抽出液を取り出すことができる状態に確実にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめることが可能になる。
また、請求項9の検査用キットのように、開封治具の液通路には、固形物を濾過して除去するためのフィルタを配設することにより、検体を含む抽出液を濾過して、固形物が含まれていない状態で検査に供することが可能になる。すなわち、この請求項8の構成を備えた検査用キットは、固形物を含むような検体を取り扱う場合に特に有意義である。
なお、本発明において、固形物とは、文字どおりの固形物に限らず、フィルタを通過させることにより除去することが可能な、粘膜状物質、粘着物、凝集物、非特異反応物質などを含む広い概念である。
また、請求項10の検査用キットのように、開封治具の、貫通孔形成用尖端部に、薄膜状部分を貫通する貫通方向に略平行な少なくとも1つのスリットを形成するようにした場合、貫通孔形成用尖端部により容器本体の底部の薄膜状部分を突き破って貫通孔を形成した場合に、容器本体内の抽出液をスリットを経て外部に確実に取り出すことが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、請求項11の検査用キットのように、検体採取治具として、少なくとも一端側に綿球を備えた綿棒を用いることにより、特殊な治具を必要とせずに検体を採取することが可能で、本発明をさらに実効あらしめることができる。
なお、本発明においては、検体採取治具として、上述の綿棒に限らず、一端側にブラシなど、検体を採取し、保持することが可能な種々の検体採取部を備えた構成の物を用いることが可能である。
また、本発明の検査用キットは、請求項12の検査キットのように、感染症検査に用いるのに適しており、この検査用キットを用いることにより、インフルエンザをはじめとする種々の感染症検査を、安全にしかも効率よく実施することが可能になる。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例1では、インフルエンザウィルスの検査に用いられる検査用キットを例にとって説明する。
図1は本発明の実施例1にかかるインフルエンザウィルスの検査用キットAの構成を示す分解図(要部断面図)、図2は図1に示す検査用キットAを構成する封止解除機能付き蓋部材を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は平面図である。
また、図3は、開封治具14を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面図である。
この実施例1の検査用キットAは、図1〜図3に示すように、(a)内部に抽出液8が収容された容器本体6と、(b)封止解除機能付き蓋部材7と、(c)容器本体6の底部5の薄膜状部分4に、抽出液8を通過させる貫通孔11(図7)を形成する開封治具14と、(d)抽出液8の一部を外部に取り出して検査に供する際を除いて、薄膜状部分4に形成された貫通孔11(図7)から、液通路13を経て抽出液8が外部に流出することを防止する液通路封止蓋15とを備えている。
容器本体6は、一端側に設けられた開口部3と、開口部3を封止する薄膜状封止部材10と、開口部3が設けられた側とは逆側の他端側に設けられた薄膜状部分4を有する底部5とを備えており、使用前の段階では、内部に検体を採取するために用いられる検体採取治具2の検体採取部1を浸漬して(図5参照)、検体を検体採取部1から移行させるべき抽出液8が収容された状態で、開口部3が薄膜状封止部材10により封止されている。また、容器本体6の開口部3が設けられた一端側の外周には、後述のキャップ側ネジ37aと螺合する容器本体側ネジ6aが配設されている。
そして、この実施例では、薄膜状封止部材10として、表面を樹脂でコーティングしたアルミニウム箔が用いられている。なお、コーティング用の樹脂としては、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、メラミン系、エポキシ系、ポリオレフィン系、アクリル系、セルロース系、ウレタン系などの種々の樹脂を用いることができる。
また、薄膜状封止部材10として、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムを用いることもできる。
また、封止解除機能付き蓋部材7は、容器本体6の開口部3を封止する薄膜状封止部材10を破って封止状態を解除する機能(図2,図4参照)を発揮するオープナー部27と、容器本体6に収容された抽出液8に、検体採取治具2の検体採取部1を浸漬し(図5参照)、採取された検体を抽出液8に移行させた後の段階で開口部3を封止する機能(図6参照)を発揮するキャップ部37とを一体に備えた構成とされている。
また、封止解除機能付き蓋部材7のオープナー部27は、薄膜状封止部材10を突き破る尖端部27aと、薄膜状封止部材10の開口領域を広げる、ブレード状の部材からなる開口領域拡大機能部27bとを備えており、封止解除機能付き蓋部材7のキャップ部37は、容器本体6の一端側の外周に形成された容器本体側ネジ6aと螺合するキャップ側ネジ37aを備えている。なお、開口領域拡大機能部27bは、2枚のブレードが交差するように配設された形状(言い換えると、4枚のブレードが放射状に配設された形状)を備えており、基端側から尖端部27a側に向かって先細りの形状とされている。
そして、この封止解除機能付き蓋部材7は、オープナー部27の尖端部27aを薄膜状封止部材10に押し付けることにより薄膜状封止部材10の中央部が破られ、その後、封止解除機能付き蓋部材7を周方向に回転させながら、キャップ側ネジ37aを容器本体側ネジ6aと螺合させることにより、開口領域拡大機能部27bが回転しながら開口部3の内周と接する位置にまで達し、容器本体6の開口部3の全面が開口されるように構成されている(図4(c)参照)。
また、この実施例1の検査用キットAは、開口部3の全面が開口された状態で、検体採取治具2の検体採取部1を浸漬し(図5参照)、検体を抽出液8に移行させた後の段階で、封止解除機能付き蓋部材7を、容器本体6に螺合させることにより、開口部3が確実に封止されるように構成されている。
また、開封治具14は、容器本体6の底部5の薄膜状部分4に、抽出液8を通過させる貫通孔11(図7)を形成する貫通孔形成用尖端部12を備えるとともに、貫通孔11(図7)を通過した抽出液8を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路13とを備えている。
また、液通路封止蓋15は、容器本体6の薄膜状部分4に形成された貫通孔11から、液通路13を経て抽出液8の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供した後に液通路13を封止することができるように構成されている。
また、この実施例1では、検体を採取するための検体採取治具2として、検体採取部1である綿球を一端側に備えた綿棒を用いるようにしている。綿棒としては、合成繊維をフロック加工して綿球を形成したものを使用してもよい。
さらに、本発明においては、検体採取治具として、上述のような綿棒に限らず、一端側にブラシなど、検体を採取し、保持することが可能な検体採取部を備えた種々の構成の物を用いることが可能である。
また、この実施例1では、検査用キットAを構成する各構成部材は、透明または半透明で、かつ可撓性を備えた材料(この実施例1では低密度ポリエチレン)から形成されており、内容物の量を目視で確認することができるとともに、貫通孔11(図7(b),(c)参照)を形成した後に、容器本体6を押圧して変形させる(例えば、容器本体6の胴部を軽く押さえる)ことにより、抽出液8を、開封治具14の液通路13の先端の取り出し口18から滴下させて供給することができるように構成されている。
また、この実施例1の検査用キットAにおいては、図1,図7などに示すように、容器本体6の底部5が、容器本体6の下端から後退した位置に、上げ底状に配設されている。そして、開封治具14は、容器本体6の底部5より下側の、内周側スペースである開封治具収容領域16に、容器本体6の内周面と密着するようにはまり込む筒状部17と、筒状部17の一端側に配設された貫通孔形成用尖端部12と、筒状部17の内側部分と連通し、その端部が抽出液8の取り出し口18として機能し、かつ、液通路を封止するための液通路封止蓋15が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、筒状部の内側部分ととともに液通路13を構成する液取出用流路19とを備えている。そして、この開封治具14を開封治具収容領域16に押し込むことにより、開封治具14と容器本体6の間が密封されるとともに、容器本体6の底部5の薄膜状部分4に貫通孔11が形成されるように構成されている。
これにより、開封治具14を容器本体6の開封治具収容領域16に押し込むことにより、容器本体6の底部5の薄膜状部分4に貫通孔11を形成するとともに、開封治具14と容器本体6の間を密封することが可能になり、抽出液8を他の部分から漏出させることなく、液取出用流路19のみから抽出液8を確実に取り出すことが可能になる。
また、図1、図3(a)、(b)などに示すように、開封治具14の液通路13には、抽出液8が検体に由来する固形物を含有している場合にも、抽出液8を濾過して、固形物が含まれていない状態で検査に供することができるように、固形物を濾過して除去するためのフィルタ20が配設されている。
なお、フィルタ20は、検体抽出後の抽出液から粘膜状物質、粘着物、凝集物などを除去することにより、フィルタを通過した後の抽出液の粘性を低下させる作用を果たす場合もある。
また、開封治具14の、貫通孔形成用尖端部12には、容器本体6の底部5の薄膜状部分4を貫通する貫通方向に略平行なスリット21(図3(b)参照)が形成されている。これにより、貫通孔形成用尖端部12により容器本体6の底部5の薄膜状部分4を突き破って貫通孔11を形成した場合に、容器本体6内の抽出液8を、スリット21を経て外部に確実に取り出すことが可能になる。
また、容器本体6内の抽出液8を、より確実に外部に取り出しやすくするために、開封治具14の、貫通孔形成用尖端部12は、先端側の厚みの薄い部分12aと、基端側の厚みの厚い部分12bとを備え、先端側の厚みの薄い部分12aと、基端側の厚みの厚い部分12bとの間に段差部12cが形成されている。このような構成とした場合、段差部12cが容器本体6の底部5の薄膜状部分4を押して変形を生じさせることから、貫通孔11の近傍に隙間が形成されやすくなり、容器本体6内の抽出液8を、該隙間を経てより確実に外部に取り出しやすくなる。すなわち、先端側の厚みの薄い部分12aにより底部5の薄膜部分4を突き破るとともに、段差部12cにより、この突き破られた薄膜部分4を確実に上方に押し上げて、貫通孔11の近傍に抽出液8の通路を確実に形成することが可能になり、容器本体6内の抽出液8を該通路を経て確実に外部に取り出すことができる。
なお、本願発明において、筒状部17の一端側に配設される貫通孔形成用尖端部12の配設態様に特別の制約はなく、筒状部17の一方端部に、周方向に所定の間隔をおいて複数個配設することも可能である。
次に、上記検査用キットAの使用方法、すなわち、検査用キットAを用いて検体を処理し、インフルエンザウィルスの検査を行う方法について説明する。
(1)まず、一端側に、検体採取部1を備えた検体採取治具2により検体(例えばのどの粘膜など)を採取する。
(2)それから、図4(a),(b),(c)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7を用いて、容器本体6の開口部3を封止する薄膜状封止部材10を破って、容器本体6の封止状態を解除する。
容器本体6の封止状態を解除するにあたっては、まず、図4(a)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7を容器本体6の開口部3を封止する薄膜状封止部材10に対向させ、図4(b)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7のオープナー部27の尖端部27aを薄膜状封止部材10に押し付けることにより、薄膜状封止部材10の中央部を突き破る。
(3)次に、図4(c)に示すように、封止解除機能付き蓋部材7を容器本体6に螺合させて、オープナー部27を回転させながら容器本体6の軸方向に沿って移動させ、ブレード状部材からなる開口領域拡大機能部27bを回転させながら開口部内周と接する位置にまで到達させることにより、容器本体6の開口部3の全面を開口させる。これにより、容器本体6を封止する薄膜状封止部材10を破って、開口部3の全面を容易かつ確実に開口させることが可能になり、その後の、検体の抽出液への移行作業(図5参照)を容易に行うことが可能になる。
(4)それから、封止解除機能付き蓋部材7と容器本体6の螺合を解除して、封止解除機能付き蓋部材7を取り外し、図5に示すように、検体採取治具2の検体採取部1を容器本体6に収容された抽出液8に浸漬して、採取された検体を抽出液8に移行させる。
(5)そして、封止解除機能付き蓋部材7を再び容器本体6に螺合させて、容器本体6の開口部3を封止解除機能付き蓋部材7により封止する。
この状態で抽出液8は密閉空間9内に密封された状態となるので、全体を揺動させたり、振盪したりして、検体と抽出液8とを十分に混合することが可能になる。
(6)次に、図6、図7(a),(b),(c)に示すように、容器本体6の底部5の薄膜状部分4に、貫通孔形成用尖端部12を備えた開封治具14を、液通路封止蓋15が取り付けられた状態で容器本体6の底部5の内周側に嵌合させ、さらに、底部5に向かって押し込み、開封治具14の貫通孔形成用尖端部12により、底部5の薄膜状部分4に、抽出液8を通過させる貫通孔11を形成する(図7(b),(c))。
このとき、液通路封止蓋15が取り付けられているので、貫通孔11が形成されても抽出液8が外部に漏出することはない。
なお、容器本体6の、底部5を備えた他端側領域付近31(図6)の側壁部分は、開口部3が設けられた一端側領域付近32(図6)の側壁部分よりも柔軟に構成されていることが望ましい。
具体的には、容器本体6の、底部5を備えた他端側領域付近31の側壁部分に、指で押さえることにより変形させることが可能で、押圧力を取り除くと、元の形状に復元する程度の柔軟性を持たせることが好ましい。
このように、容器本体6の、底部5を備えた他端側領域付近31の側壁部分を、開口部3が設けられた一端側領域付近32の側壁部分よりも柔軟にする方法としては、例えば、上記他端側領域付近31の側壁部分の肉厚を、上記一端側領域付近32の側壁部分の肉厚よりも薄くする方法などが例示される。
このようにした場合、他端側領域付近31の側壁部分を押圧して検体採取治具2の検体採取部1を揉み、抽出液8と検体採取部1とを十分に馴染ませて抽出効率を向上させることが可能になり好ましい。また、抽出液8を容器本体6から排出する際には、上記他端側領域付近31の側壁部分を押圧することにより、抽出液8を迅速に排出させることが可能になり好都合である。
(7)その後、図8に示すように、液通路封止蓋15を取り外し、容器本体6の薄膜状部分4に形成された貫通孔11から、液通路を経て抽出液8の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する。
このとき、開封治具14の、貫通孔形成用尖端部12に、薄膜状部分4を貫通する貫通方向に略平行なスリット21および段差部12cが形成されているので、貫通孔形成用尖端部12により容器本体6の底部5の薄膜状部分4を突き破って貫通孔11を形成した場合に、図7(b),(c)に示すように、段差部12cが容器本体6の底部5の薄膜状部分4の貫通孔近傍に当接して、薄膜状部分4に変形を生じさせることから、貫通孔11の近傍に、抽出液8が通過する隙間が形成されやすくなるとともに、スリット21が抽出液8の流路となるため、抽出液8を外部に確実に取り出して、容易に検査に供することができる。
(8)そして、上述のように、抽出液8の取り出し後に、図9に示すように、液通路を、液通路封止蓋15により封止する。これにより、抽出液8が外部に漏出しない状態で、検査キットを廃棄する(例えば、専用の廃棄用容器などに入れてまとめて廃棄する)ことが可能になる。
なお、検体を採取した検体採取治具2は、例えば、専用の廃棄用容器などに収容して廃棄することにより安全に処理することができる。
図10(a),(b)は本発明の他の実施例(実施例2)にかかる検査用キットAを構成する封止解除機能付き蓋部材を示す図、図11は、この実施例2の検査用キットAに検体採取治具を収容して封止した状態を示す図である。
図10(a),(b),図11に示すように、この実施例2の検査用キットAにおいては、封止解除機能付き蓋部材7が、容器本体6と共働して検体採取治具2を収容する密閉空間9(図11)を確保することができるように構成されている。なお、図10,11において図1と同一符号を付した部分は、同一または相当する部分を示している。
すなわち、この実施例2の検査キットAにおいては、容器本体6と封止解除機能付き蓋部材7とにより形成される密閉空間9に、検体採取治具2を折り曲げたりすることなく収容することができるように、封止解除機能付き蓋部材7の内部にスペース9aが設けられており、容器本体6と共働して検体採取治具2を収容するための密閉空間9が形成されるように構成されている。
なお、この実施例2においては、封止解除機能付き蓋部材7のオープナー部27は、図10(a),(b)に示すように、一枚のブレードの先端側中央に、薄膜状封止部材10を突き破るための尖端部27aが設けられ、尖端部27aの両側の一対のブレード状部分が開口領域拡大機能部27bとして機能するように構成されている。その他の構成は、上記実施例1の場合と同様である。
この実施例2の検査用キットAの場合、検体採取治具2により検体を採取した後、検体採取治具2の検体採取部1を抽出液8に浸漬し、採取された検体を抽出液8に移行させた後、容器本体6の開口部3を封止する際に、容器本体6と封止解除機能付き蓋部材7とにより形成される密閉空間9に、検体採取治具1を収容することができる(図11参照)。したがって、その状態で検体採取治具2と抽出液8とが密閉空間9内に密封された状態となるので、全体を揺動させたり、振盪したりして、検体と抽出液8とを十分に混合することができる。
また、検体を含む抽出液8の取り出し後に、液通路を、液通路封止蓋15で封止することにより、検体採取治具2が外部に露出したり、検体を含む抽出液8が外部に漏出したりしない状態で、検体採取治具2ごと検査キット全体を安全に廃棄する(例えば、専用の廃棄用容器などに入れてまとめて廃棄する)ことができる。
これにより、インフルエンザウィルスの検査などに用いられる検体のように、衛生上の見地から取り扱い者に触れたり、外部環境に露出することが望ましくないような検体を効率よく取り扱い、処理することが可能になる。
なお、この実施例2の検査用キットAにおいて、検体採取治具を収容する空間を有する封止解除機能付き蓋部材の構造に特別の制約はなく、製造工程の容易さなどを考慮して、検体採取治具を収容することが可能な種々の構造とすることが可能である。
また、上記実施例2では、容器本体6と封止解除機能付き蓋部材7とにより形成される密閉空間9に、検体採取治具2を折り曲げたりすることなく収容できるようにしているが、折り曲げた状態で封止解除機能付き蓋部材7を施すことができるように構成することも可能である。
本発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、検体採取部を備えた検体採取治具の具体的な構成、容器本体や封止解除機能付き蓋部材の形状や構造、開封治具の構成、特にスリットや段差部の配設態様などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることができる。
上述のように、本発明によれば、感染性の細菌やウイルスの検査などに用いられる検体のように、衛生上の見地から取り扱い者に触れたり、外部環境に露出することが望ましくないような検体を、安全に、かつ効率よく取り扱い、処理することが可能になる。したがって、本発明は、感染症検査をはじめとする種々の検査に用いられる検査用キットに広く適用することが可能である。
本発明の一実施例(実施例1)にかかる検査用キットの構成を示す分解図(要部断面図)である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットを構成する封止解除機能付き蓋部材を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は平面図である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットを構成する開封治具を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は側面図である。 (a)〜(c)は本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、封止解除機能付き蓋部材を用いて、容器本体の開口部の封止状態を解除する工程を示す図である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、抽出液に、検体採取治具の検体採取部を浸漬して、採取された検体を抽出液に移行させる工程を示す図である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、抽出液に、検体採取治具の検体採取部を浸漬して採取された検体を抽出液に移行させ、封止解除機能付き蓋部材を施した後、開封治具により、容器本体の底部の薄膜状部分に貫通孔を形成する準備をしている状態を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、容器本体の底部の薄膜状部分に貫通孔を形成する工程を示す要部拡大図であって、(a),(b)は正面断面図、(c)は側面断面図である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、貫通孔から、液通路を経て抽出液を外部に取り出して検査に供する工程を示す図である。 本発明の実施例1にかかる検査用キットの使用方法を説明する図であり、液通路を、液通路封止蓋により封止した状態を示す図である。 本発明の他の実施例(実施例2)にかかる検査用キットを構成する、検体採取治具を収容するための空間を備えた封止解除機能付き蓋部材を示す図であり、(a)は正面断面図、(b)は平面図である。 本発明の実施例2の検査用キットに検体採取治具を収容して封止した状態を示す図である。 便中の毒素検査のための検査用キットとして用いられている従来の容器を示す図である。 図12に示す従来の容器の使用方法を説明する図である。 (a),(b)はそれぞれ図12に示す従来の容器を使用する方法の一工程を示す図である。 図12に示す従来の容器を使用する方法の他の工程を示す図である。 従来の他の従来の検体収容用容器の構成を示す図である。
1 検体採取部
2 検体採取治具
3 開口部
4 薄膜状部分
5 底部
6 容器本体
6a 容器本体側ネジ
7 封止解除機能付き蓋部材
8 抽出液
9 密閉空間
9a 封止解除機能付き蓋部材の内部のスペース
10 薄膜状封止部材
11 貫通孔
12 貫通孔形成用尖端部
12a 先端側の厚みの薄い部分
12b 基端側の厚みの厚い部分
12c 段差部
13 液通路
14 開封治具
15 液通路封止蓋
16 開封治具収容領域
17 筒状部
18 取り出し口
19 液取出用流路
20 フィルタ
21 スリット
27 オープナー部
27a 尖端部
27b 開口領域拡大機能部
31 他端側領域付近
32 一端側領域付近
37 キャップ部
37a キャップ側ネジ
A 検査用キット

Claims (12)

  1. (a)一端側に設けられた開口部と、前記開口部を封止する薄膜状封止部材と、 前記開口部が設けられた側とは逆側の他端側に設けられた薄膜状部分を有する底部とを備え、内部に、検体を採取するために用いられる検体採取治具の検体採取部を浸漬して、検体を前記検体採取部から移行させるべき抽出液が収容された状態で、前記開口部が前記薄膜状封止部材により封止された容器本体と、
    (b)前記薄膜状封止部材を破って封止状態を解除するオープナー部と、前記容器本体に収容された抽出液に、前記検体採取治具の前記検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後の段階で前記開口部を封止するキャップ部とを備えた封止解除機能付き蓋部材と、
    (c)前記容器本体の前記底部の薄膜状部分に、前記抽出液を通過させる貫通孔を形成する貫通孔形成用尖端部であって、先端側の厚みの薄い部分と、基端側の厚みの厚い部分とを備え、前記先端側の厚みの薄い部分と、前記基端側の厚みの厚い部分との間に段差部が形成されている貫通孔形成用尖端部を備えるとともに、前記貫通孔を通過した前記抽出液を通過させて外部に取り出すことができるように配設された液通路とを備えた開封治具と、
    (d)前記容器本体の前記薄膜状部分に形成された前記貫通孔から、前記液通路を経て前記抽出液の少なくとも一部を外部に取り出して検査に供する際には前記液通路を開放し、前記抽出液を検査に供する前および後の段階では前記液通路を封止する液通路封止蓋と
    を具備することを特徴とする検査用キット。
  2. 前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記薄膜状封止部材を突き破る尖端部と、前記薄膜状封止部材の開口領域を広げる開口領域拡大機能部とを備え、
    前記封止解除機能付き蓋部材の前記キャップ部が、前記容器本体の前記一端側に形成された容器本体側ネジと螺合するキャップ側ネジを備えており、
    前記キャップ部を周方向に回転させて、前記容器本体と螺合させる際に、前記オープナー部が前記容器本体の軸方向に沿って移動し、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達することにより、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の検査用キット。
  3. 前記封止解除機能付き蓋部材の前記オープナー部が、前記尖端部により前記薄膜状封止部材を突き破った後、前記キャップ部を周方向に回転させて前記容器本体に螺合させることにより、前記開口領域拡大機能部が回転しながら前記開口部内周と接する位置にまで達し、前記容器本体の前記開口部の全面が開口されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の検査用キット。
  4. 前記オープナー部を構成する前記開口領域拡大機能部がブレード状の部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の検査用キット。
  5. 前記容器本体の前記開口部を封止する前記薄膜状封止部材として、アルミニウム箔が用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の検査用キット。
  6. 前記抽出液に、前記検体採取治具の検体採取部を浸漬し、採取された検体を前記抽出液に移行させた後、前記容器本体の前記開口部を前記封止解除機能付き蓋部材により封止する際に、前記容器本体と、前記封止解除機能付き蓋部材により形成される密閉空間に、前記検体採取治具を収容することができるように、前記封止解除機能付き蓋部材および前記容器本体が、共働して前記密閉空間を形成することができるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の検査用キット。
  7. 前記封止解除機能付き蓋部材と前記容器本体とが共働して、前記検体採取治具を折り曲げることなく収容することが可能な前記密閉空間を形成できるように構成されていることを特徴とする請求項6記載の検査用キット。
  8. (a)前記容器本体の前記底部は、前記容器本体の前記他端側の先端から後退した位置に上げ底状に配設されており、
    (b)前記開封治具は、
    前記容器本体の内周側の、前記他端側から前記底部までの開封治具収容領域に、前記容器本体の内周面と密着するようにはまり込む筒状部と、
    前記筒状部の一端側に配設された前記貫通孔形成用尖端部と、
    前記筒状部の内側部分と連通する液取出用流路であって、その端部が前記抽出液の取り出し口として機能し、かつ、前記液通路を封止するための液通路封止蓋が取り付けられる封止蓋取り付け部として機能する、前記筒状部の内側部分ととともに前記液通路を構成する液取出用流路と
    を備えており、
    前記開封治具を前記開封治具収容領域に押し込むことにより、前記開封治具と前記容器本体の間が密封されるとともに、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分に貫通孔が形成されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の検査用キット。
  9. 前記開封治具の前記液通路には、固形物を濾過して除去するためのフィルタが配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の検査用キット。
  10. 前記開封治具の、前記貫通孔形成用尖端部には、薄膜状部分を貫通する貫通方向に略平行な少なくとも1つのスリットが形成されており、前記容器本体の前記底部の前記薄膜状部分を突き破って貫通孔が形成された状態において、前記容器本体内の抽出液が前記スリットを経て外部に取り出されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の検査用キット。
  11. 前記検体採取治具が、少なくとも一端側に綿球を備えた綿棒であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の検査用キット。
  12. 感染症検査に用いられるものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の検査用キット。
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