JP4959700B2 - 符号化器、復号器、送信装置、受信装置、通信システム、パケット生成装置及びパケット復元装置 - Google Patents
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Description
また、この発明は、分散保持対象のデータを含む複数個のパケットを生成して、複数個のパケットを符号化するパケット生成装置と、パケット生成装置により符号化されたパケットを保持している複数のパケット保持器のうち、いずれかのパケット保持器に故障や盗難などが発生してパケットを消失したとき、その消失したパケットを復元するパケット復元装置に関するものである。
また、消失訂正符号は、符号化パケットを複数のディスクに分散して保存するような場合にも適用することができる。即ち、符号化パケットを複数のディスクに分散して保存しているとき、いずれかのディスクが破損した場合に、消失訂正符号を用いて、そのディスクに保存されていた符号化パケットを復元することができる。
これらの符号は、復号計算量が少なく、符号長が長い場合に高い消失訂正能力を有しているなどの特徴がある。
しかし、復号を保証する受信数が大きいなどのデメリットもある。復号を保証する受信数とは、100%の復号を行うために必要な受信数(受信パケット数)のことであり、これらの符号では、比較的少ないパケットの消失で、復号できないことが生じる。
以下、100%の復号を保証できる消失数を「復号保証消失数」と称する。
また、この発明は、大きな復号保証消失数を保証することができる通信システムを構成する送信装置と受信装置を得ることを目的とする。
さらに、この発明は、上記の送信装置を構成する符号化器と、上記の受信装置を構成する復号器とを得ることを目的とする。
また、この発明は、パケット生成装置により符号化されたパケットを保持している複数のパケット保持器のうち、いずれかのパケット保持器に故障や盗難などが発生してパケットを消失したとき、その消失したパケットを復元することができるパケット復元装置を得ることを目的とする。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による通信システムを示す構成図であり、図において、通信システムは送信装置1と受信装置2から構成されており、送信装置1と受信装置2は、無線通信路又は有線通信路によって接続されている。
送信装置1の情報パケット生成器11は送信対象のデータをk個の一定サイズのパケットに成型することにより、k個の情報パケットを生成する処理を実施する。なお、情報パケット生成器11はパケット生成手段を構成している。
ここでは、非組織型符号化器12が事前に非組織型の消失訂正符号の生成行列GFを保持しているものについて示したが、非組織型符号化器12が必ずしも事前に生成行列GFを保持している必要はなく、例えば、後述する生成行列生成器(規則変換手段)により生成された生成行列GFを用いるようにしてもよい。なお、非組織型符号化器12はパケット符号化手段を構成している。
送信装置1のパケット送信器13は受信装置2がパケットデータの誤りを判断する際に使用するCRC(Cyclic Redundancy Check)ビットを非組織型符号化器12から出力された符号化パケットに付加するとともに、パケット番号を当該符号化パケットに割り振って、その符号化パケットを受信装置2に送信する。なお、パケット送信器13はパケット送信手段を構成している。
受信装置2の復号器22は非組織型符号化器12に保持されている消失訂正符号の生成行列GFと同一の生成行列GFを保持しており、その生成行列GFからr個の符号化パケットに対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成し、その行列G’とr個の符号化パケットを用いて、通信路で消失されたパケットを復元して、k個の情報パケットを復号する処理を実施する。
ここでは、復号器22が事前に生成行列GFを保持しているものについて示したが、復号器22が必ずしも事前に生成行列GFを保持している必要はなく、例えば、後述する生成行列生成器(規則変換手段)により生成された生成行列GFを用いるようにしてもよい。なお、復号器22はパケット復元手段を構成している。
図2はこの発明の実施の形態1による通信システムの処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態1では、復号保証消失数の明確な代数的符号に基づいて消失訂正符号を構成する。例えば、BCH符号に基づいて非組織型の消失訂正符号を構成して、符号化処理や復号処理を実施する例を説明する。
以降の説明では、複数のパケットについてパケット単位の消失訂正方法を説明するが、処理は各パケットについて同一のビット位置毎に並列に符号化復号処理を行うものとする。
なお、非組織型の消失訂正符号の生成行列GFを生成する生成行列生成器(規則変換手段)は、送信装置1の非組織型符号化器12及び受信装置2の復号器22に搭載するようにしてもよいし、送信装置1及び受信装置2の外部に設けるようにしてもよい。
しかし、(n,k)の生成行列Gに対して、同じ生成行列Gから連続するk行を抽出すると、多項式計算から明らかなように、生成行列Gの行が巡回しただけになる。
そこで、消失訂正符号を構成するために用いている(n,k)のBCH符号の生成行列ではなく、他の生成多項式で構成する(n’,k’)のBCH符号を短縮して生成行列を構成して、k×kの行列を抽出する。
上記の例以外にも、(n,k)=(31,26)のBCH符号を短縮して(9,4)、(n,k)=(31,21)のBCH符号を短縮して(14,4)など、(n,k)のBCH符号に基づいて消失訂正符号を構成する場合には、(n’,k’)となる短縮符号を用いて、フルランク行列Fを構成することができる。
このように、BCH符号を短縮して、フルランク行列Fを生成する組み合わせは多数ある。また、このようにして求めたフルランク行列Fに、式(4)のようにデータを並べ替える行列を掛け合わせることで、フルランク行列Fの組み合わせはk倍に増える。
送信装置1の情報パケット生成器11は、送信対象のデータを入力すると(ステップST1)、送信対象のデータをk個の一定サイズのパケットに成型することにより、k個の情報パケットを生成し、k個の情報パケットを非組織型符号化器12に出力する(ステップST2)。
即ち、非組織型符号化器12は、例えば、(n,k)=(7,4)の消失訂正符号の生成行列GFが与えられている場合、情報パケット生成器11から情報パケットu=(u1,u2,u3,u4)を受けると、下記に示すような符号化パケットvをパケット送信器13に出力する。
(v1=u1+u3) mod 2
(v2=u1+u2+u4) mod 2
(v3=u1+u2) mod 2
(v4=u1+u2+u3) mod 2
(v5=u1+u3+u4) mod 2
(v6=u1+u2+u3+u4) mod 2
(v7=u1+u4) mod 2
なお、いずれの符号化パケットも情報パケットそのものではなく、積和演算した結果が符号化パケットになる。
また、パケット送信器13は、受信装置2がパケットデータの誤りを判断する際に使用するCRCビットを符号化パケットvに付加し(ステップST5)、通信路を介して、その符号化パケットvを受信装置2に送信する(ステップST6)。
パケット受信器21は、CRC検査を実施して、その検査を満たさない符号化パケットvは通信路で消失したものと判断して、その検査を満たしているr個の符号化パケットvを復号器22に出力する。
即ち、パケット受信器21は、送信装置1から送信されたn個の符号化パケットvのうち、n−r個の符号化パケットvが通信路で消失したものと判断し、CRC検査を満たしているr個の符号化パケットvを復号器22に出力する。
復号器22は、生成行列GFからr個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成する。
復号器22は、r個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行からなる行列G’を生成すると、その行列G’とr個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施することにより、下三角行列を得て、k個の情報パケットを復元する(ステップST9)。
そして、下記に示すように、その行列G’と4個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施する。
特に、BCH符号はBCH限界を満たす誤り訂正符号であり、ある符号長nと情報長kの組み合わせに対して、最小距離を最大にすることができることから、BCH符号に基づいて構成することで、(n,k)の組み合わせを持つ消失訂正符号の復号保証消失数を最も大きくすることができる。
また、BCH符号の生成行列Gの大きさと、非組織型の消失訂正符号の生成行列GFの大きさは等しいので、従来の通信システムに対しては、BCH符号の生成行列Gを非組織型の消失訂正符号の生成行列GFに置き換えだけの変更だけで適用することができる。
また、非組織型の符号構成となるため、符号化パケットに情報データがそのまま現れることがないため、符号化パケットから情報データを読み取るには符号化規則を推測する必要がり、特にフルランク行列Fをランダムに生成した場合には、Fの組み合わせは多数あることから、情報データを読み取ることは困難になる。
図3はこの発明の実施の形態2による通信システムを示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信装置1の変換器14は事前にフルランク行列Fを保持しており、そのフルランク行列Fを用いて、情報パケット生成器11により生成されたk個の情報パケットを変換する処理を実施する。
ここでは、変換器14が予めフルランク行列Fを保持しているものについて示したが、変換器14が必ずしも事前にフルランク行列Fを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい(フルランク行列Fの生成例は、上記実施の形態1を参照)。なお、変換器14はパケット変換手段を構成している。
送信装置1の組織型符号化器15は予め組織型の消失訂正符号の生成行列Gを保持しており、その生成行列Gを用いて、変換器14により変換されたk個の情報パケットを符号化する処理を実施する。
ここでは、組織型符号化器15が予め組織型の消失訂正符号の生成行列Gを保持しているものについて示したが、組織型符号化器15が必ずしも事前に生成行列Gを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、組織型符号化器15はパケット符号化手段を構成している。
ここでは、復号器24が事前に生成行列Gを保持しているものについて示したが、復号器24が必ずしも事前に生成行列Gを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、復号器24はパケット復元手段を構成している。
受信装置2の逆変換器25は予めフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しており、フルランク行列Fの逆行列F-1を用いて、復号器24により復号されたk個の情報パケットを逆変換する処理を実施する。
ここでは、逆変換器25が予めフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しているものについて示したが、逆変換器25が必ずしも事前にフルランク行列Fの逆行列F-1を保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、逆変換器25は逆変換手段を構成している。
図4はこの発明の実施の形態2による通信システムの処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態2では、事前に送信装置1の組織型符号化器15及び受信装置2の復号器24が組織型の消失訂正符号の生成行列Gを保持しているものとする。
また、送信装置1の変換器14が上記実施の形態1と同様の方法で得られるフルランク行列Fを保持し、受信装置2の逆変換器25がフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しているものとする。
即ち、変換器14は、例えば、(符号長n,情報長k)の符号化を行う場合には、k×kのフルランク行列Fを用いて、k個の情報パケットを変換する。
例えば、(n,k)=(7,4)であるとき、フルランク行列Fとして、式(4)に示されているフルランク行列Fを用いる場合、情報パケットu=(u1,u2,u3,u4)をフルランク行列Fで変換すると、変換後の情報パケットu’=(u1’,u2’,u3’,u4’)は、下記のようになる。
(u1’=u1+u3) mod 2
(u2’=u1+u2+u4) mod 2
(u3’=u1+u2) mod 2
(u4’=u1+u2+u3) mod 2
即ち、組織型符号化器15は、例えば、式(4)に示すような組織型の消失訂正符号の生成行列Gが与えられている場合、下記に示すような符号化パケットvをパケット送信器13に出力する。
(v1=u1+u3) mod 2
(v2=u1+u2+u4) mod 2
(v3=u1+u2) mod 2
(v4=u1+u2+u3) mod 2
(v5=u1+u3+u4) mod 2
(v6=u1+u2+u3+u4) mod 2
(v7=u1+u4) mod 2
なお、いずれの符号化パケットにも情報パケットそのものが現れないように、フルランク行列Fが構成されている。
また、パケット送信器13は、受信装置2がパケットデータの誤りを判断する際に使用するCRCビットを符号化パケットvに付加し(ステップST5)、通信路を介して、その符号化パケットvを受信装置2に送信する(ステップST6)。
パケット受信器21は、CRC検査を実施して、その検査を満たさない符号化パケットvは通信路で消失したと判断して、その検査を満たしているr個の符号化パケットvを復号器22に出力する。
即ち、パケット受信器21は、送信装置1から送信されたn個の符号化パケットvのうち、n−r個の符号化パケットvが通信路で消失したものと判断し、CRC検査を満たしているr個の符号化パケットvを復号器22に出力する。
復号器24は、生成行列Gからr個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成する。
復号器24は、r個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行からなる行列G’を生成すると、その行列G’とr個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施することにより、下三角行列を得て、k個の情報パケットを復元する(ステップST13)。
そして、下記に示すように、その行列G’と4個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施する。
このため、受信側では、フルランク行列Fの逆行列F-1を用いて、符号化パケットの復号後に逆変換すればよく、BCH符号のように、高い復号性能と復号保証消失数を保ったまま、非組織型の消失訂正符号を構成することができる。特に、BCH符号はBCH限界を満たす誤り訂正符号であり、ある符号長nと情報長kの組み合わせに対して、最小距離を最大にすることができることから、BCH符号に基づいて構成することで、(n,k)の組み合わせを持つ消失訂正符号の復号保証消失数を最も大きくすることができる。
また、従来の通信システムに対して、符号化や復号に用いる生成行列Gは変えずに、符号化前の変換処理と、復号後の逆変換処理を追加するだけでよく、従来の通信システムに対して簡単に適用することができる。
また、非組織型の符号構成となるため、符号化パケットに情報データがそのまま現れることがないため、符号化パケットから情報データを読み取るには符号化規則を推測する必要があり、特にフルランク行列Fをランダムに生成した場合には、Fの組み合わせは多数あることから、情報データを読み取ることは困難になる。
図5はこの発明の実施の形態3によるパケット生成装置及びパケット復元装置を示す構成図であり、図において、パケット生成装置3は分散保持対象のデータを含む複数個のパケットを生成して複数個のパケットを符号化し、符号化後の複数個のパケットを複数のパケット保持器4に分散するなどの処理を実施する。
パケット保持器4はパケット生成装置1により符号化されたパケットを保持する記憶装置である。
パケット復元装置5は複数のパケット保持器4のうち、いずれかのパケット保持器4に故障や盗難などが発生してパケットを消失したとき、その消失したパケットを復元するなどの処理を実施する。
パケット生成装置3の非組織型符号化器32は図1の非組織型符号化器12と同様の処理を実施する符号化器である。非組織型符号化器32は非組織型の消失訂正符号の生成行列GF(生成規則)を保持しており、その生成行列GFを用いて、情報パケット生成器31により生成されたk個の情報パケットを符号化し、n個の符号化パケットをパケット分散器33に出力する処理を実施する。
ここでは、非組織型符号化器32が事前に非組織型の消失訂正符号の生成行列GFを保持しているものについて示したが、非組織型符号化器32が必ずしも事前に生成行列GFを保持している必要はなく、例えば、生成行列生成器(規則変換手段)により生成された生成行列GFを用いるようにしてもよい。なお、非組織型符号化器32はパケット符号化手段を構成している。
パケット復元装置5の復号器42は図1の復号器22と同様の処理を実施する復号器であり、復号器42は非組織型符号化器32に保持されている消失訂正符号の生成行列GFと同一の生成行列GFを保持しており、その生成行列GFからr個の符号化パケットに対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成し、その行列G’とr個の符号化パケットを用いて、消失されたパケットを復元して、k個の情報パケットを復号する処理を実施する。
ここでは、復号器42が事前に生成行列GFを保持しているものについて示したが、復号器42が必ずしも事前に生成行列GFを保持している必要はなく、例えば、生成行列生成器(規則変換手段)により生成された生成行列GFを用いるようにしてもよい。なお、復号器42はパケット復元手段を構成している。
図6はこの発明の実施の形態3によるパケット生成装置及びパケット復元装置の処理内容を示すフローチャートである。
上記実施の形態1では、送信装置1と受信装置2から構成されている通信システムについて示したが、パケット生成装置3が複数個の符号化パケットを分散して複数のパケット保持器4に保存し、パケット復元装置5が複数のパケット保持器4に保存されている複数個の符号化パケットを復号して再生するようにしてもよい。
ただし、パケット復元装置5は、複数のパケット保持器4のうち、いずれかのパケット保持器4に故障や盗難などが発生してパケットを消失した場合、消失せずに残っているパケットを用いて、その消失したパケットを復元するなどの処理を実施する。
なお、生成行列生成器(規則変換手段)は、パケット生成装置3の非組織型符号化器32及びパケット復元装置5の復号器42に搭載するようにしてもよいし、パケット生成装置3及びパケット復元装置5の外部に設けるようにしてもよい。
パケット生成装置3の情報パケット生成器31は、分散保持対象のデータを入力すると(ステップST21)、分散保持対象のデータをk個の一定サイズのパケットに成型することにより、k個の情報パケットを生成し、k個の情報パケットを非組織型符号化器32に出力する(ステップST22)。
即ち、非組織型符号化器32は、例えば、(n,k)=(7,4)の消失訂正符号の生成行列GFが与えられている場合、情報パケット生成器31から情報パケットu=(u1,u2,u3,u4)を受けると、下記に示すような符号化パケットvをパケット分散器33に出力する。
(v1=u1+u3) mod 2
(v2=u1+u2+u4) mod 2
(v3=u1+u2) mod 2
(v4=u1+u2+u3) mod 2
(v5=u1+u3+u4) mod 2
(v6=u1+u2+u3+u4) mod 2
(v7=u1+u4) mod 2
なお、いずれの符号化パケットも情報パケットそのものではなく、積和演算した結果が符号化パケットになる。
パケット分散器33は、上記のようにして、パケット番号を符号化パケットvに割り振ると、その符号化パケットvを複数のパケット保持器4に分散する処理を実施する(ステップST25)。
例えば、7個のパケット保持器4が用意されている場合、パケット分散器33が符号化パケットv=(v1,v2,v3,v4,v5,v6,v7)を7個に分けて、7個のパケット保持器4が1個ずつパケットを保持するようにする。
なお、パケット分散器33からパケット保持器4に対するパケットの移動は、例えば、メモリスティックなどの記憶媒体を介してもよいが、ネットワークを通じて伝送するようにしてもよい。
ここでは、各パケット保持器4がパケットを1個ずつ保持するものについて示しているが、各パケット保持器4が複数個のパケットを保持するようにしてもよい。
即ち、n−r個のパケット保持器4に故障や盗難が発生して、n−r個のパケットを消失している場合、パケット収集器41に保持されているr個のパケットを収集するものとする。
ここでは、符号化パケットv2,v4が消失し、符号化パケットv1,v3,v5,v6が収集されるものとする。
復号器42は、生成行列GFからr個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成する。
復号器42は、r個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行からなる行列G’を生成すると、その行列G’とr個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施することにより、下三角行列を得て、k個の情報パケットを復元する(ステップST26)。
そして、下記に示すように、その行列G’と4個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施する。
なお、消失した符号化パケットを保持していたパケット保持器4を復旧する場合、非組織型符号化器32が復号器42により復号された情報パケットを再度符号化し、当該パケット保持器4が非組織型符号化器32により再度符号化されたパケット(パケット番号を含む)を保持するようにすればよい。したがって、全てのパケット保持器4を更新する必要はない。
パケット復元装置5の再生器43は、復号器42からk個の情報パケットを受けると、k個の情報パケットに含まれているデータを再生する(ステップST27)。
図7はこの発明の実施の形態4によるパケット生成装置及びパケット復元装置を示す構成図であり、図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
パケット生成装置3の変換器34は図3の変換器14と同様の処理を実施する変換器であり、変換器34は予めフルランク行列Fを保持しており、そのフルランク行列Fを用いて、情報パケット生成器31により生成されたk個の情報パケットを変換する処理を実施する。
ここでは、変換器34が予めフルランク行列Fを保持しているものについて示したが、変換器34が必ずしも事前にフルランク行列Fを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、変換器34はパケット変換手段を構成している。
パケット生成装置3の組織型符号化器35は図3の組織型符号化器15と同様の処理を実施する符号化器であり、組織型符号化器35は予め組織型の消失訂正符号の生成行列Gを保持しており、その生成行列Gを用いて、変換器34により変換されたk個の情報パケットを符号化する処理を実施する。
ここでは、組織型符号化器35が事前に組織型の消失訂正符号の生成行列Gを保持しているものについて示したが、組織型符号化器35が必ずしも事前に生成行列Gを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、組織型符号化器35はパケット符号化手段を構成している。
ここでは、復号器44が事前に生成行列Gを保持しているものについて示したが、復号器44が必ずしも事前に生成行列Gを保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、復号器44はパケット復元手段を構成している。
パケット復元装置5の逆変換器45は図3の逆変換器25と同様の処理を実施する逆変換器であり、逆変換器45は予めフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しており、フルランク行列Fの逆行列F-1を用いて、復号器44により復号されたk個の情報パケットを逆変換する処理を実施する。
ここでは、逆変換器45が予めフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しているものについて示したが、逆変換器45が必ずしも事前にフルランク行列Fの逆行列F-1を保持している必要はなく、例えば、一定の規則に基づいて生成するようにしてもよい。なお、逆変換器45は逆変換手段を構成している。
図8はこの発明の実施の形態4によるパケット生成装置及びパケット復元装置の処理内容を示すフローチャートである。
この実施の形態4では、事前にパケット生成装置3の組織型符号化器35及びパケット復元装置5の復号器44が組織型の消失訂正符号の生成行列G(例えば、式(1)の生成行列G)を保持しているものとする。
また、パケット生成装置3の変換器34が上記実施の形態1と同様の方法で得られるフルランク行列Fを保持し、パケット復元装置5の逆変換器45がフルランク行列Fの逆行列F-1を保持しているものとする。
即ち、変換器34は、例えば、(符号長n,情報長k)の符号化を行う場合には、k×kのフルランク行列Fを用いて、k個の情報パケットを変換する。
例えば、(n,k)=(7,4)であるとき、フルランク行列Fとして、式(4)に示されているフルランク行列Fを用いる場合、情報パケットu=(u1,u2,u3,u4)をフルランク行列Fで変換すると、変換後の情報パケットu’=(u1’,u2’,u3’,u4’)は、下記のようになる。
(u1’=u1+u3) mod 2
(u2’=u1+u2+u4) mod 2
(u3’=u1+u2) mod 2
(u4’=u1+u2+u3) mod 2
即ち、組織型符号化器35は、例えば、式(4)に示すような組織型の消失訂正符号の生成行列Gが与えられている場合、下記に示すような符号化パケットvをパケット分散器33に出力する。
(v1=u1+u3) mod 2
(v2=u1+u2+u4) mod 2
(v3=u1+u2) mod 2
(v4=u1+u2+u3) mod 2
(v5=u1+u3+u4) mod 2
(v6=u1+u2+u3+u4) mod 2
(v7=u1+u4) mod 2
なお、いずれの符号化パケットにも情報パケットそのものが現れないように、フルランク行列Fが構成されている。
パケット分散器33は、上記のようにして、パケット番号を符号化パケットvに割り振ると、その符号化パケットvを複数のパケット保持器4に分散する処理を実施する(ステップST25)。
即ち、n−r個のパケット保持器4に故障や盗難が発生して、n−r個のパケットを消失している場合、パケット収集器41に保持されているr個のパケットを収集するものとする。
ここでは、符号化パケットv2,v4が消失し、符号化パケットv1,v3,v5,v6が収集されるものとする。
復号器44は、生成行列Gからr個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行(生成規則)を抽出して、その行からなる行列G’を生成する。
復号器44は、r個の符号化パケットvのパケット番号に対応する行からなる行列G’を生成すると、その行列G’とr個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施することにより、下三角行列を得て、k個の情報パケットを復元する(ステップST33)。
そして、下記に示すように、その行列G’と4個の符号化パケットvに対してガウス消去法を実施する。
パケット復元装置5では、フルランク行列Fの逆行列F-1を用いて、符号化パケットの復号後に逆変換すればよく、BCH符号のように、高い復号性能と復号保証消失数を保ったまま、非組織型の消失訂正符号を構成することができる。特に、BCH符号はBCH限界を満たす誤り訂正符号であり、ある符号長nと情報長kの組み合わせに対して、最小距離を最大にすることができることから、BCH符号に基づいて構成することで、(n,k)の組み合わせを持つ消失訂正符号の復号保証消失数を最も大きくすることができる。
Claims (9)
- フルランク行列を用いて、代数的符号の生成規則を非組織型の消失訂正符号の生成規則に変換する規則変換手段と、上記規則変換手段により変換された非組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて、複数個のパケットを符号化するパケット符号化手段とを備えた符号化器。
- フルランク行列を用いて、複数個のパケットを変換するパケット変換手段と、代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて、上記パケット変換手段により変換された複数個のパケットを符号化するパケット符号化手段とを備えた符号化器。
- フルランク行列を用いて、代数的符号の生成規則を非組織型の消失訂正符号の生成規則に変換する規則変換手段と、上記規則変換手段により変換された非組織型の消失訂正符号の生成規則から複数個のパケットに対応する生成規則を抽出し、上記生成規則と上記パケットを用いて、消失されたパケットを復元するパケット復元手段とを備えた復号器。
- 代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則から複数個のパケットに対応する生成規則を抽出し、上記生成規則と上記パケットを用いて、消失されたパケットを復元するパケット復元手段と、フルランク行列の逆行列を用いて、上記パケット復元手段により復元されたパケットを逆変換する逆変換手段とを備えた復号器。
- 送信対象のデータを含む複数個のパケットを生成するパケット生成手段と、フルランク行列を用いて、上記パケット生成手段により生成された複数個のパケットを変換するパケット変換手段と、代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて、上記パケット変換手段により変換された複数個のパケットを符号化するパケット符号化手段と、上記パケット符号化手段により符号化された複数個のパケットを送信するパケット送信手段とを備えた送信装置。
- 送信装置により代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて符号化されて、上記送信装置により送信された複数個のパケットのうち、通信路で消失されずに到達したパケットを受信するパケット受信手段と、上記送信装置により符号化される際に用いられる生成規則と同一の生成規則から上記パケット受信手段により受信されたパケットに対応する生成規則を抽出し、上記生成規則と上記パケットを用いて、上記通信路で消失されたパケットを復元するパケット復元手段と、フルランク行列の逆行列を用いて、上記パケット復元手段により復元されたパケットを逆変換する逆変換手段とを備えた受信装置。
- 送信対象のデータを含む複数個のパケットを生成するパケット生成手段と、フルランク行列を用いて、上記パケット生成手段により生成された複数個のパケットを変換するパケット変換手段と、代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて、上記パケット変換手段により変換された複数個のパケットを符号化するパケット符号化手段と、上記パケット符号化手段により符号化された複数個のパケットを送信するパケット送信手段と、上記パケット送信手段から送信された複数個のパケットのうち、通信路で消失されずに到達したパケットを受信するパケット受信手段と、上記パケット符号化手段に用いられる生成規則と同一の生成規則から上記パケット受信手段により受信されたパケットに対応する生成規則を抽出し、上記生成規則と上記パケットを用いて、上記通信路で消失されたパケットを復元するパケット復元手段と、上記フルランク行列の逆行列を用いて、上記パケット復元手段により復元されたパケットを逆変換する逆変換手段とを備えた通信システム。
- 分散保持対象のデータを含む複数個のパケットを生成するパケット生成手段と、フルランク行列を用いて、上記パケット生成手段により生成された複数個のパケットを変換するパケット変換手段と、代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて、上記パケット変換手段により変換された複数個のパケットを符号化するパケット符号化手段と、上記パケット符号化手段により符号化された複数個のパケットを複数のパケット保持器に分散するパケット分散手段とを備えたパケット生成装置。
- パケット生成装置により代数的符号に基づく組織型の消失訂正符号の生成規則を用いて符号化されて、複数のパケット保持器に保持されている複数個のパケットのうち、消失されずに保持されているパケットを収集するパケット収集手段と、上記パケット生成装置により符号化される際に用いられる生成規則と同一の生成規則から上記パケット収集手段により収集されたパケットに対応する生成規則を抽出し、上記生成規則と上記パケットを用いて、消失されたパケットを復元するパケット復元手段と、フルランク行列の逆行列を用いて、上記パケット復元手段により復元されたパケットを逆変換する逆変換手段とを備えたパケット復元装置。
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