JP4954250B2 - 接地電極 - Google Patents
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Description
また従来技術として、特許文献1には、地盤に掘削した穴に電気伝導性物質を散布して、そこにアース線を埋め込んだ施工方法について開示されている。
また、特許文献2には、溝に薄板状に形成された銅条材を埋設して、各銅条材をリード線により接続して接地電極とした埋設工法について開示されている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、送電線の鉄塔或いは電柱を立設する際に、各脚部の周囲に接地電極を配設すると共に、接地電極同士を接続可能とした接続部を設けることにより、接地電極の配設場所の確保と接地抵抗の低減化を容易とした接地電極を提供することを目的とする。
接地電極の接地抵抗は、十分に低いことが要求され、法令により設備の種類に応じた接地抵抗の上限が定められている。従って、接地電極を埋設した後に、実際の接地抵抗が規定値を満足しているか否かを測定により確認する必要がある。そのとき、接地抵抗が規定値に達していない場合、何らかの方法で接地抵抗を低減する方策を講じなければならない。そこで本発明では、少なくとも1つの接地電極を電線支持部材の埋設基部を中心として環状に配設し、接地抵抗が規定値以上の場合に、他の接地電極を追加して、その接地電極と電気的に接続するための接続部を備える。これにより、接地電極の配設場所の確保と接地抵抗の低減化を容易とすることができる。
また、接地電極の一つの形態として、環状導体を同心状に配置し、各環状導体を接続部材により接続する。そのとき、線状導体から複数の細線を多方向へ突出させてサージ放電部とする。これにより、接地電極としての接地面積を確保しつつ、サージ放電を容易にすることができる。
また、線状導体を撚り線から構成し、撚り線の一部をほぐして針状の複数の細線をむき出しにしてサージ放電部とする。これにより、接地電極としての接地面積を確保しつつ、サージ放電を容易にすることができる。
本発明の接地電極は、螺旋状に構成した1本の線状導体を電線支持部材の基部を中心として離間配置した状態で埋設される。
線状導体を撚り線から構成し、撚り線の一部をほぐして針状の複数の細線をむき出しにしてサージ放電部とする。これにより、接地電極としての接地面積を確保しつつ、サージ放電を容易にすることができる。
また、接地電極にサージ電流を放電しやすいサージ放電部を備えるので、雷サージが発生した場合に、接地電極から地中にサージ電流を放電し易くすることができる。
また、線状導体の一部をほぐして細線をむき出しにし、この細線をサージ放電部とするので、接地電極としての接地面積を確保しつつ、埋設基部に接地電極を配設することを容易に行なうことができ、サージ放電を容易にすることができる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る接地電極の構成を示す図である。
この接地電極50は、送電線鉄塔、電柱等の電線支持部材5に蓄積する電荷を地盤に放電するための手段である。接地電極50は、地盤に埋設される電線支持部材5の基部5aの外径側に略環状に配設された環状導体2(2a)と、環状導体2(2a)に係る接地抵抗が規定値以上である場合に増設される他の環状導体2(2b、2c、・・)を電気的に接続するための接続部材3と、を備えている。
図1に示すように、電線支持部材の基部5aを地中に埋設する際に、その外径方向に1又は複数本の環状導体2(2a、2b、2c)を離間配置した状態で埋設する。環状導体2a、2b、2c間は接続部材3により導通接続される。また、各環状導体は基部5aと電気的に接続されることは勿論である。符号1は、工事中に地盤9が崩落するのを防ぐための防護フェンスであり、土を埋め戻す際に取り除かれる。
環状導体2と基部5aとの関係は、厳密な意味で同心円状である必要はなく、また環状導体は厳密な意味で円環状である必要はない。基部5aとの間に略等距離を保つことができる略環状であればよい。
環状導体2は、一定以上の導電性を有した導体であれば、どのような材質、形状であってもよいが、本例では、環状導体2として線状導体を用いている。電線支持部材の埋設基部5aを中心として直径の異なる複数の環状導体2a、2b、2cを同心円状に配設し、外径側の環状導体2aから内径側の環状導体2cへ向けて放射状に伸びる線材としての接続部材3によって各環状導体間を接続している。線状導体としての環状導体2は、複数本の細線(細導線)4から成る撚り線である。接続部材3も同様に撚り線により構成してもよい。
そして、撚り線としての環状導体2の一部をほぐして複数の細線4とし、これらの細線4を多方向へランダムに突出させることにより、サージ放電部を形成している。撚り線から成る接続部材3についても同様に一部をほぐして細線を突出させる。
即ち、本実施形態では、円形又は矩形(図1では円形)の環状導体2a〜2cを同心状に配置し、各環状導体2a〜2cを接続部材(線状導体)3により接続する。そのとき、環状導体2、又は/及び、線状導体3の一部をほぐして細線4をむき出しにする。そしてこの細線4をサージ放電部とする。これにより、環状導体2としての接地面積を確保しつつ、サージ放電を容易にすることができる。
即ち、環状導体2の接地抵抗は、十分に低いことが要求され、法令等により設備の種類に応じた接地抵抗の上限が定められている。従って、環状導体2を埋設した後に、実際の接地抵抗が規定値を満足しているか否かを測定により確認する必要がある。そのとき、接地抵抗が規定値に達していない場合、何らかの方法で接地抵抗を低減する方策を講じなければならない。そこで本実施形態では、少なくとも1つの環状導体2を電線支持部材5の埋設基部5aを中心として同心円状に配設し、接地抵抗が規定値以上の場合に、他の環状導体2を追加して、各接地電極間をリード線6を介して接続部8により電気的に接続する。これにより、環状導体2の配設場所の確保と接地抵抗の低減を容易とすることができる。
即ち、本実施形態の接地電極では、環状導体として、1本の線状導体12を埋設基部11を中心として螺旋状に巻き回して構成したものを使用する。そして、線状導体12の一部をほぐして細線13とし、この細線13をサージ放電部とする。これにより、埋設基部11に接地電極51を容易に配設することができる。
この接地電極52を構成する環状導体20は、板状の導体から成る筒状体であり、連結部24にて着脱可能な少なくとも2つ(本例では3つ)の円弧状導板(筒状導板)20A、20B、20Cにより構成され、各円弧状導板の面内、或いは端縁に少なくとも一つの切り起こし部23を設け、切り起こし部を前記サージ放電部としている。
なお、環状導体20は、円環状である必要はなく、楕円環状、長円環状、或いは多角環状であってもよい。
環状導体20によって得られる接地抵抗の低減が一個のみで不十分な場合には、必要個数増設することができる。
本例では、図4(a)に示すように、筒状体である環状導体20aのC点をリード線21により環状導体20bのB点と接続し、環状導体20bのA点からリード線22により鉄塔15と接続されている。また、円弧状導体間の連結部24は、ボルト等により機械的に接続される。また、本実施形態では、図4(c)のように、
更に、切り起こし部23の形状を図4(d)(e)のように、先端を三角形状(25)や山型形状(26)のように先端を尖らせた形状にして、サージ電流が放電しやすい形状としている。
即ち、環状導体20a、20bの接地抵抗を低くするには、地盤との接地面積を可能な限り多くする必要がある。また、埋設基部11を掘削する領域が少ないほど工事に要する時間が短くて済む。そこで本実施形態では、環状導体20a、20bを環状導体で構成し、且つ板状の環状導体の面内に複数の切り起こし部23を設けて埋設基部11の周囲に配設する。切り起こし部とは、環状導体に任意形状の切り込みを入れて、この切り込み内の板状部を外径方向へ折り曲げて立ち上げた状態を示す。これにより、埋設基部11を掘削する領域を少なくして、工事に要する時間を低減することができる。また、サージ電流は先端が細い部分から放電し易い性質がある。そこで、切り起こし部23の先端を、例えば、三角形状にして先鋭化する。これにより、切り起こし部23からのサージ電流の放電を容易とすることができる。
なお、図5の例では、一対の切り起こし部23を夫々外径方向へ屈曲させた例を示したが、何れか一方、或いは双方を内径方向へ屈曲させてもよい。屈曲させる角度も任意である。
Claims (2)
- 基部を地盤に埋設される電線支持部材に蓄積する電荷を地盤に放電するための接地電極であって、
前記電線支持部材の基部の外径側に略環状に配設された環状導体と、該環状導体に係る接地抵抗が規定値以上である場合に増設される他の環状導体を電気的に接続するための接続部材と、を備え、
前記環状導体は、撚り線から成る線状導体であり、該線状導体の一部をほぐして複数の細線を多方向へ突出させることによりサージ電流の放電を容易とするサージ放電部を備えていることを特徴とする接地電極。 - 基部を地盤に埋設される電線支持部材に蓄積する電荷を地盤に放電するための接地電極であって、
前記電線支持部材の基部の外径側に螺旋状に配設された撚り線から成る線状導体と、
該線状導体の一部をほぐして複数の細線を多方向へ突出させることによりサージ電流の放電を容易とするサージ放電部と、を備えていることを特徴とする接地電極。
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