本発明は、照明器具の器具本体へのランプの取り付けに用いられるランプソケット装置およびそれを備えた照明器具に関するものである。
従来から、バルブの各端部にそれぞれ固着された口金の端面からそれぞれバルブの長手方向に一対ずつ突出してなる給電用のランプピンを有したランプ(たとえば直管形蛍光ランプ)を、照明器具の器具本体に取付可能とするランプソケット装置(あるいは単にランプソケットともいう)が多々提供されている。
この種のランプソケット装置として、器具本体に固定されるソケットケース内に、ランプピンに接触することで電気的に接続される接触子と、ソケットケースに対して回転自在に支持された回転子とを備えたものがある。ソケットケースにおいて口金との対向面に隣接する外周面には、一対のランプピンが通過するケース側スリットが形成されており、回転子における口金との対向面には、ケース側スリットから導入された一対のランプピンが挿入される回転子側スリットが形成されている。ここで、回転子側スリットをケース側スリットに連通させた状態では、接触子は回転子側スリットの幅方向の両側にそれぞれ配置されている。
このランプソケット装置では、回転子側スリットをケース側スリットに連通させた状態で一対のランプピンを回転子側スリットに挿入し、ランプピンの突出方向に沿う口金の中心軸を中心としてランプを回転させることにより、各ランプピンが各接触子にそれぞれ接触するとともに回転子側スリットから抜け止めされ、ランプの装着が完了する。また、装着時と逆向きにランプを回転させ、ケース側スリットを通してランプピンを回転子側スリットから抜くことにより、ランプを取り外すことができる。
ところで、上述のランプソケット装置では、ランプの着脱の際にランプを握持し回転させるためのスペースがランプの周囲に必要であるが、近年、照明器具の小型化などにより、器具本体の反射板等の構造部材がランプに近接配置されることが多く、ランプの周囲のスペースが十分に確保されずランプを握持して回転させることが困難な場合がある。
これに対して、ランプを握持することなくランプを回転させることが可能なランプソケット装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のランプソケット装置は、回転子に対して一体に結合され、ソケットケースの外周面から突出する形の操作腕を有している。この構成により、操作腕を操作して回転子を回転させることにより、回転子の回転子側スリットと共にランプが回転しランプの着脱が可能となる。
ところで、上述した各種のランプソケット装置では、ランプの着脱時に口金の中心軸を中心としてランプを回転させるものであるから、直管形蛍光ランプのように両口金の中心軸が同一直線上にあることが前提となる。すなわち、両口金の中心軸が同一直線上にないランプでは、ランプを回転させることができないので取り付けることはできない。
かかる問題に鑑み、図10(a),(b)に示すようなランプソケット装置1が提案されている。
このランプソケット装置1は、例えば、図11(a)に示すように、照明器具200の器具本体210に対する定位置へのランプ100の取り付けおよびランプ100への給電に利用される。ここで、ランプ100は、図示しないバルブ(発光管)と、バルブの両端それぞれに設けられた口金110と、口金110それぞれから一方向に突出した給電用の一対のランプピン120と、口金110同士を一体に結合する結合片130とを備え、バルブは、各口金110からのランプピン120の突出方向が互いに逆向きとなるような形に形成されている。例えば、バルブとしては、曲線状(例えば、螺旋状など)に形成された2本のガラス管を、口金110間の中心に対して点対称となるように当該中心で一体に連結した形のものを採用することができる。
一方、照明器具200は、円盤状の器具本体210を備えている。器具本体210は、その一表面側(図11(a)における上面側)にランプ100が取り付けられるようになっており、ランプ100を器具本体210に対する定位置に配置した際にランプ100の口金110それぞれに対応する器具本体210の部位には、ランプソケット装置1が配設されている。また、器具本体210には、ランプ100を上記定位置に保持(仮保持)するランプ保持具が設けられており、このようなランプ保持具は、弾性を有する板材から曲成された一対の弾性片300により構成されている。弾性片300は、ランプ100の口金110の側周面に沿う形に湾曲した円弧状に形成された保持片310を有し、保持片310の凹面側を互いに対向させる形で器具本体210に設けられている。したがって、一対の保持片310間にランプ100を位置させることにより、一対の保持片310によってランプ100が狭持され、ランプ100は上記定位置に保持される。
ランプソケット装置1は、図10(a),(b)に示すように、上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の両方が挿通されるランプピン挿通孔2aと、上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の並列方向(図10(a)における上下方向)に沿った方向から一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに導入するランプピン導入口2bとを有し、器具本体210に取り付けられる器体2を備えている。なお、以下の説明では、説明の簡略化のために、図10(a)における紙面手前方向をランプソケット装置1の前方向、図10(a)における紙面奥側方向をランプソケット装置1の後方向、図10(a)における上方向をランプソケット装置1の上方向、図10(a)における下方向をランプソケット装置1の下方向とそれぞれ規定するが、これはランプソケット装置1の取付方向を限定する趣旨ではない。
器体2には、ランプ100のランプピン120と給電用の電線(図示せず)とを電気的に接続するソケット本体となる電気接続部5が、ランプ100を上記定位置に位置させた状態におけるランプピン120の突出方向に沿った方向(ランプソケット装置1の前後方向)を回転軸方向として回転自在に収納されている。
電気接続部5は、ランプピン120と上記電線とを電気的に接続する一対の導電板6と、一対の導電板6が収納されたケース7とで構成されている。
導電板6は、例えば、弾性を有する金属材料からなる板材を折曲してなり、上記定位置に位置したランプ100のランプピン120にその突出方向(図10(a)における紙面の法線方向)に交差(直交)する方向で接触する接触子60と、当該接触子60に連続一体に形成され電線が電気的に接続されるとともに当該電線を機械的に保持する速結端子などからなる端子部61とを一体に備えている。このような一対の導電板6は、互いに対称形状となる形に形成されている。
接触子60においてランプピン120と接触される部位には、ランプピン120の外周面に沿う形に湾曲したピン保持部60a(図1参照)が形成されており、このピン保持部60aの内側にランプピン120の一部が入り込むことで、ランプピン120が接触子60に対して位置決めされる。
ケース7は、例えば絶縁性を有する樹脂材料からなる合成樹脂成形品であり、前後方向を軸方向とし、後端部の外径が前端部の外径よりも小さく設定された中空の円柱状に形成されている。このケース7の後端部は、ケース7を器体2に回転自在に収納するための軸部として用いられる。ケース7の内部には、一対の導電板6が、それぞれの接触子60を前面側に、端子部61を後面側にそれぞれ向けた状態で収納される。このとき、接触子60のピン保持部60a間の距離は、一対のランプピン120をピン保持部60a間に配置した際に、ランプピン120それぞれがピン保持部60aそれぞれに所定の接圧で接触する距離、すなわち、一対のランプピン120の外幅(ランプピン両方の中心を通る直線上における一対のランプピンの外側の面間の距離であって、一対のランプピン間の間隔にランプピンの外径を加算した値に等しい距離)よりやや短い距離に設定されている。
ケース7の前面には、上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の両方が挿通される挿通孔70が前後方向に貫設され、この挿通孔70は、ケース7の回転軸を中心とし、ランプピン120の外幅より大きい内径の円形状に形成されている。また、ケース7の前面および外周面には、図10(b)に示すように、ケース7の軸方向(前後方向)に直交する方向である径方向(上下方向)からランプピン120を挿通孔70内に導入するための導入口71が挿通孔70に連通する形に形成され、導入口71の幅寸法は、ランプピン120の外径よりやや大きい程度に設定されている。
ケース7の外周面における挿入孔71の開口縁部には、ケース7を器体2に対して回転させる操作レバー72が一体に突設されている。また、ケース7の後面において各端子部61それぞれに対応する部位には、図11(a),(b)に示すように、ケース7内に電線を挿入するための電線挿入孔73が前後方向に貫設され、これら電線挿入孔73よりケース7内に電線を挿入することで電線が端子部61に接続される。
器体2は、図10(b)に示すように、電気接続部5をその軸方向の回りに回動自在に支持するボディ3と、ボディ3との間に電気接続部5を収納する形でボディ3の前面側に取着されるカバー4とで構成されている。つまり、器体2は、ソケット本体となる電気接続部5に対し、電気接続部5を器具本体210に対して回転自在に支持する支持部となる。なお、ボディ3とカバー4はいずれも絶縁性を有する樹脂材料からなる合成樹脂成形品であり、特にボディ3には電気接続部5のケース7に用いられている樹脂材料に対して摺動性が良好な樹脂材料が用いられる。
ボディ3は、後端部の内径が前端部の内径よりも小さい円筒状に形成され、この後端部がケース7の軸部に対する軸受部として用いられている。ここで、ボディ3の前端部の内径はケース7の前端部の外径よりも大きく設定され、ボディ3の後端部の内径は、ケース7の前端部の外径よりも小さく且つボディ3の後端部の内周面にケース7の後端部の外周面がほぼ全面に亘り当接(つまりボディ3の後端部にケース7の後端部が凹凸嵌合)する大きさに設定されている。
したがって、このボディ3には、ケース7がその後端部の一部をボディ3の後面開口より突出させるとともに、ボディ3の後端部の内周面にケース7の後端部の外周面を当接させた形で収納され、これによってケース7(すなわち電気接続部5)はボディ3に対してケース7の中心軸を回転軸として回転自在に支持される。つまり、電気接続部5は器体2に枢支される。また、ボディ3の後端部の内径は、ケース7の前端部の外径よりも小さく設定され、ケース7がボディ3の後面開口より後方に脱落してしまうことが防止されている。
ボディ3の前端部の外周面には、ケース7の操作レバー72を移動自在に突出させる操作窓30が形成されている。さらに、ボディ3の下部には、ランプソケット装置1を器具本体210に固定する際に用いられる固定部31が設けられている。したがって、ランプソケット装置1は、固定部31を、例えばねじ止めなどの方法により器具本体210に固定することにより、器具本体210に固定される。
カバー4は、ボディ3の前面開口を覆う円盤状の前壁部40と、前壁部40の周縁部から後方に突設された周壁部41とを有している。前壁部40には、上端が開放されたスリット42が上下方向に沿って形成されている。このスリット42は、幅寸法が、ランプピン120の外径よりやや大きく設定されており、ランプピン120の並列方向を上下方向に沿わせた形で、ランプピン120が挿入される。また、スリット42は、ランプ100を上記定位置に配置できるように、その長さ寸法が設定されている。したがって、この器体2では、ランプ100を定位置に位置した際にランプピン120が挿通されるスリット42の下端部がランプピン挿通孔2aを構成している。また、ボディ3の操作窓30と、これに連通するカバー4の開孔部44と、これら操作窓30および開孔部44とランプピン挿通孔2aとを上下方向において連通させるスリット42の上端部からなる連通孔42aとがランプピン導入口2bを構成している。
このようなカバー4は、ボディ3の前端部の外周面を周壁部41で囲む形でボディ3に組み合わされ、ボディ3の外周面に突設された組立爪32を、周壁部41に前後方向に貫設された組立孔43に係合させることによりボディ3と結合される。また、周壁部41においてボディ3の操作窓30に対応する部位には、操作窓30全体を露出させる開孔部44がスリット42に連通する形に形成されている。
上述した構成により、電気接続部5は、前後方向を回転軸方向として回転自在に器体2に収納される。すなわち、電気接続部5は、ランプ100を上記定位置に位置させた状態におけるランプピン120の突出方向に直交する面(以下、「回転面」と称する)内で、器体2に回転自在に収納される。電気接続部5の回転範囲は、器体2のボディ3に設けた操作窓30の大きさによって決定される。つまり、電気接続部5の操作レバー72は操作窓30に挿通されているから、器体2における操作窓30の周方向の内側面が操作レバー72に当接することで操作レバー72の移動が規制されるため、操作窓30の大きさにより、操作レバー72の移動範囲、すなわち電気接続部5の回転範囲が決定される。
上記ランプソケット装置1では、電気接続部5が、ケース7の挿入孔71を上方に向ける位置(以下、「開位置」と称する)と、開位置から電気接続部5を図10(a)における時計回りに90度回転させた位置(以下、「閉位置」という)との間を、上記回転面内で回転移動する形に器体2に収納されている。
ここで、電気接続部5が開位置にある状態では、図10(a)に示すように、ランプピン挿通孔2aと挿通孔70と、連通孔42aと導入口71とが、それぞれ前後方向で重なっている。また、図12(a)に示すように、電気接続部5の一対の接触子60同士が、上記定位置に位置したランプ100のランプピンの突出方向(図12(a)における紙面の法線方向)に直交する面内(すなわち図12(a)における紙面内)において、ランプピン120の並列方向(図12(a)における上下方向)に直交する方向、すなわちスリット42の幅方向(図12(a)における左右方向)で対向している。
そのため、電気接続部5を開位置に位置させた状態では、スリット42の長さ方向(上下方向)における一対のランプピン120の移動が規制されないから、一対のランプピン120をスリット42の長さ方向に沿って自由に移動(ランプピン挿通孔2aとランプピン導入口2bとの間を自由に移動)させることができ、またケース7の導入口71を通してランプピン120をスリット42に挿抜自在となっている。すなわち、ランプ100の着脱が自由に行えるようになっている。
ところで、電気接続部5を開位置に位置させた状態で、一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通させた際には、一対のランプピン120は、図12(a)に示すように、電気接続部5内で一対の接触子60の間に配置されることになるものの、上述したように一対の接触子60はスリット42の幅方向に沿って対向し、またその間隔が一対のランプピン120の外幅と同一またはやや小さい値に設定されているから、一対の接触子60それぞれは一対の一対のランプピン120それぞれに接触しておらず、接触子60とランプピン120とは電気的に接続されていない。
一方、電気接続部5を開位置から閉位置まで回転させると、一対の接触子60は、電気接続部5の回転に伴って、図12(a)に示す状態から、図12(b)に示すように矢印D方向(時計回り方向)に回転し、図12(c)に示すように、電気接続部5の一対の接触子60同士が、ランプピン120の並列方向(図12(c)における上下方向)、すなわちスリット42の長さ方向に沿った方向で対向する。この場合、電気接続部5が閉位置にある状態では、ランプピン挿通孔2aと挿通孔70とは前後方向で重なるものの、連通孔42aと導入口71とは前後方向で重ならないようになる。
そのため、電気接続部5を閉位置に位置させた状態では、図12(c)に示すように、一対の接触子60それぞれが一対のランプピン120それぞれに接触して、接触子60とランプピン120とが電気的に接続される。このとき、一対のランプピン120は一対の接触子60のピン保持部60aの間に挟持され、接触子60は弾性を有する金属材料よりなるので、接触子60は所定の接圧でランプピン120に接触する。
また、この状態では、ランプピン120がスリット42の長さ方向に沿った方向において一対の接触子60により挟まれることによって、スリット42の長さ方向におけるランプピン120の移動が規制されて(一対のランプピン120をスリット42の長さ方向に沿って自由に移動させることができなくなって)、ランプ100をランプソケット装置1から外すことができなくなり、図11(b)に示すように、ランプ100が上記定位置に固定される。
また、電気接続部5が閉位置に位置した状態では、上述したように連通孔42aと導入口71とは前後方向で重ならないので、開孔部44より露出する操作窓30がケース7によって閉塞され、ランプピン導入口2bを通してランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿入できなくなっており、ランプ100をランプソケット装置1に取り付けることができなくなっている。
その後に、電気接続部5を閉位置から開位置に回転移動させれば、一対の接触子60同士がスリット42の幅方向で対向し、一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触しなくなって、スリット42の長さ方向における一対のランプピン120の移動が規制されなくなるから、一対のランプピン120をスリット42の長さ方向に沿って自由に移動させることができるようになるとともに、ケース7の導入口71を通してランプピン120をスリット42に挿抜自在となって、図11(a)に示すように、ランプ100の着脱が自由に行えるようになる。
以上述べたランプソケット装置1では、電気接続部5を開位置に位置させた状態では、照明器具200の器具本体210に対する定位置に位置したランプ100のランプピン120の突出方向に直交する面内において一対のランプピン120の並列方向に交差する方向で、一対の接触子同60士が対向してランプピン挿通孔2aを挿通した一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触しないので、ランプピン120がランプピン挿通孔2aとランプピン導入口2bとの間を自由に移動できて、ランプピン導入口2bを経由してランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通させて、ランプ100を上記定位置に位置させることができる。
一方、ランプ100を上記定位置に位置させた状態で電気接続部5を閉位置に位置させた際には、上記並列方向で一対の接触子60同士が対向して一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触するので、ランプピン120がランプピン挿通孔2aとランプピン導入口2bとの間を自由に移動できなくなって、ランプピン120を上記定位置に固定できる。
したがって、ランプソケット装置1によれば、電気接続部5を開位置と閉位置との間で回転移動させることにより、ランプ100を回転させることなくランプ100の着脱を行うことができる。そのため、このようなランプソケット装置1を用いることで、図11(a),(b)に示すような、口金110の中心軸が同一直線上にないランプ100でも取り付けることができるようになる。
特開2005−294239号公報(明細書の段落番号〔0016〕〜〔0018〕、および図3,4参照)
上述したランプソケット装置1は、ランプ100を回転させる代わりに、ランプソケット装置1の電気接続部5を回転させることでランプ100の着脱を行うものであり、一般に広く普及している、ランプ100を回転させることでランプ100の着脱を行うものとは着脱方法が全く異なっている。
そのため、図13(a)に示すようにランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通させた後に、電気接続部5を回転させるのではなく、図13(b)に示すように、ランプ100を回転させるという誤操作が行われてしまう可能性が高い。
このような誤操作が行われた場合には、ランプピン120がランプピン挿通孔2aの内周面に接触し、この状態からさらにランプ100を回転させようとすると、ランプピン120および器体2の双方に負荷がかかり、例えば、ランプピン120が折れたり、スリット42が押し広げられることでカバー4が割れてしまったりして、ランプ100や器体2が破損してしまうおそれがあった。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができ、その上、ランプの着脱時の誤操作に起因するランプなどの破損を抑制できるランプソケット装置およびそれを備えた照明器具を提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、照明器具の器具本体に備えられ口金から一方向に突出した給電用の一対のランプピンを有したランプの前記器具本体に対する定位置への取り付けおよび前記ランプへの給電に利用されるランプソケット装置であって、前記定位置に位置した前記ランプの一対の前記ランプピンの両方が挿通されるランプピン挿通孔、および前記定位置に位置した前記ランプの一対の前記ランプピンの並列方向に沿った方向から一対の前記ランプピンを前記ランプピン挿通孔に導入するランプピン導入口を有する器体と、前記定位置に位置した前記ランプの前記ランプピンの突出方向に交差する方向で接触する一対の接触子を有し、前記突出方向に直交する面内において前記並列方向に交差する方向で一対の前記接触子同士が対向して前記ランプピン挿通孔を挿通した一対の前記ランプピンそれぞれに一対の前記接触子が接触しない開位置と、前記並列方向に沿った方向で一対の前記接触子同士が対向して前記ランプピン挿通孔を挿通した一対の前記ランプピンそれぞれに一対の前記接触子が接触する閉位置との間を、前記面内で回転移動する形に前記器体に収納された電気接続部とを備え、前記器体には、前記ランプピン挿通孔に連通し、前記定位置に位置した前記ランプが前記電気接続部と同じ回転軸で回転された際に一対の前記ランプピンそれぞれが入り込む逃げ孔が形成されており、前記逃げ孔は、前記定位置に位置した前記ランプが前記電気接続部と同じ回転軸で規定の回転方向に90度回転するまで前記ランプピンが前記器体に接触することを防止する形に形成され、前記器体には、前記ランプが前記定位置に位置した際に前記ランプピン導入口側に位置する一方の前記ランプピンが入り込む前記逃げ孔に連通し、前記定位置から前記電気接続部と同じ回転軸で規定の回転方向に90度を越えて前記ランプを回転させようとした際に、他方の前記ランプピンを前記ランプピン導入口に誘導する形に一方の前記ランプピンが入り込む誘導孔が形成されてなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、電気接続部を開位置に位置させた状態では、照明器具の器具本体に対する定位置に位置したランプのランプピンの突出方向に直交する面内において一対のランプピンの並列方向に交差する方向で、一対の接触子同士が対向してランプピン挿通孔を挿通した一対のランプピンそれぞれに一対の接触子が接触しないので、ランプピンがランプピン挿通孔とランプピン導入口との間を自由に移動できて、ランプピンをランプピン導入口を経由してランプピン挿通孔に挿通させて、ランプを上記定位置に位置させることができ、一方、ランプを上記定位置に位置させた状態で電気接続部を閉位置に位置させた際には、上記並列方向で一対の接触子同士が対向して一対のランプピンそれぞれに一対の接触子が接触するので、ランプピンがランプピン挿通孔とランプピン導入口との間を自由に移動できなくなって、ランプピンを上記定位置に固定できるから、このように電気接続部を開位置と閉位置との間で回転移動させることにより、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができる。その上、ランプを上記定位置に位置させた状態で、誤って電気接続部ではなくランプを電気接続部と同じ回転軸で回転させてしまっても、ランプの回転に伴って移動したランプピンは、ランプピン貫挿孔に連通する逃げ孔に入り込むから、ランプピンが器体に接触して互いに無理な負荷がかかり、ランプや器体が破損してしまうことを抑制できる。
さらに、定位置に位置したランプが電気接続部と同じ回転軸で規定の回転方向に90度を越えて回転可能な逃げ孔と比較すれば、逃げ孔の大きさを小さくできるから、ランプの着脱時に指などがランプピン挿通孔および逃げ孔を通じて器体内の一対の接触子などの充電部分に触れてしまうことを抑制できる。また、誤ってランプを回転させてしまった場合でも、定位置から90度はランプを回転させることができ、90度回転可能であればランプの着脱を行っている人が操作を誤っていると気付く可能性が高いから、ランプや器体の破損の抑制という点に関しては90度を越えてランプを回転可能な逃げ孔を設ける場合と比較しても遜色ない性能が得られる。
さらに、定位置から電気接続部と同じ回転軸で規定の回転方向に90度を越えてランプを回転させようとした際には、ランプが定位置に位置した際にランプピン導入口側に位置する一方のランプピンが誘導孔に入り込み、他方のランプピンがランプピン導入口に誘導されるので、定位置に位置したランプが電気接続部と同じ回転軸で規定の回転方向に90度まで回転可能な逃げ孔を設ける場合よりもランプや器体の破損を抑制できるようになる上に、ランプの着脱時に指などがランプピン貫挿孔および逃げ孔を通じて器体内の一対の接触子などの充電部分に触れてしまうことの抑制という点に関しては遜色ない性能が得られる。
請求項2の発明では、請求項1記載のランプソケット装置を前記器具本体に備えていることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができ、その上、ランプの着脱時の誤操作に起因するランプなどの破損を抑制できる。
本発明は、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができ、その上、ランプの着脱時の誤操作に起因するランプなどの破損を抑制できるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態のランプソケット装置1は、図10(a),(b)に示す従来例と同様に、照明器具200の器具本体210に備えられて、口金110から一方向に突出した給電用の一対のランプピン110を有したランプ100の器具本体210に対する定位置への取り付けおよびランプ100への給電に利用されるものであり、上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の両方が挿通されるランプピン挿通孔2a、および上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の並列方向に沿った方向から一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに導入するランプピン導入口2bを有する器体2と、上記定位置に位置したランプ100のランプピン120の突出方向に交差する方向で接触する一対の接触子60を有し、上記突出方向に直交する面内(上記回転面内)において上記並列方向に交差する方向で一対の接触子60同士が対向してランプピン挿通孔2aを挿通した一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触しない開位置と、上記並列方向に沿った方向で一対の接触子60同士が対向してランプピン挿通孔2aを挿通した一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触する閉位置との間を、上記面内で回転移動する形に器体2に収納された電気接続部5とを備えている。
本実施形態のランプソケット装置1は、器体2の構成が図10(a),(b)に示す従来例とは異なっている。なお、その他の構成については上記従来例と同様であるから、同様の構成については説明を省略する。
本実施形態における器体2のカバー4には、図1に示すように、スリット42の幅方向両内側面それぞれにおいてランプピン挿通孔2aに連通する形に形成され、上記定位置に位置したランプ100が電気接続部5と同じ回転軸で回転された際に一対のランプピン120それぞれが入り込む逃げ孔45が形成されてなる。つまり、本実施形態における器体2は逃げ孔45を備えている点で図10に示す従来例と異なっている。
このような逃げ孔45は、上記定位置に位置したランプ100が電気接続部5と同じ回転軸の回りに360度回転可能な形状に形成されている。すなわち、逃げ孔45とランプピン挿通孔2aとにより、カバー4に、上記回転軸を中心とし、一対のランプピン120の外幅より大きい直径を有する円形状の開口が形成されるようにしている(ランプピン挿通孔2aが、上記回転軸を中心とし、一対のランプピン120の外幅より大きい直径を有する円形状に形成されているともいえる)。なお、以下の説明では、一対の逃げ孔45を区別するために、必要に応じて図1中の左側の逃げ孔45を符号45Aで表し、図1中の右側の逃げ孔45を符号45Bで表す。また、一対のランプピン120を区別するために、必要に応じて、ランプ100が定位置に位置した場合において、ランプピン導入口2b側となる一方のランプピン(上側のランプピン)120を符号120Aで表し、他方のランプピン(下側のランプピン)120を符号120Bで表す。
したがって、本実施形態のランプソケット装置1では、図2(a)に示すように、ランプピン導入口2bを経由して一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通した後に、ランプ100を、電気接続部5の回転軸の回りに、例えば、図2(a)に矢印Aで示す方向(ランプソケット装置1を前面側から見た場合における反時計回り方向)に回転させてしまっても、図2(b)に示すように、ランプピン120Aが逃げ孔45Aに、ランプピン120Bが逃げ孔45Bにそれぞれ入り込むため、ランプピン120がカバー4に接触することがない。なお、図2(b)は定位置に位置したランプ100を、90度回転させた状態を示しており、この状態では、一対のランプピン120それぞれが一対の接触子60それぞれに接触して電気的に接続される。このとき、一対のランプピン120は一対の接触子60のピン保持部60aの間に挟持されるため、ランプ100がランプソケット装置1に固定される。また、連通孔42aの幅寸法は、一対のランプピン120間の外幅より小さいから、一対のランプピン120は連通孔42a内を移動できなくなっている。この状態からさらにランプ100を矢印Aで示す方向に回転させると、図2(c)に示すように、ランプピン120Aが下側、ランプピン120Bが上側となるように、各ランプピン120が各逃げ孔45内を移動し、いずれはランプ100が定位置(図2(a)に示す位置)に対して矢印A方向に180度回転した位置に移動することになる。
一方、図2(a)に示すように、ランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通した後に、ランプ100を、電気接続部5の回転軸の回りに、例えば、矢印Aで示す方向とは反対方向(ランプソケット装置1を前面側から見た場合における時計回り方向)に回転させてしまっても、ランプピン120Aが逃げ孔45Bに、ランプピン120Bが逃げ孔45Aにそれぞれ入り込むため、ランプピン120がカバー4に接触することがない。ここで、定位置に位置したランプ100が90度回転された際には、一対のランプピン120それぞれが一対の接触子60それぞれに接触して電気的に接続される。このとき、図2(b)に示す場合と同様に、ランプ100がランプソケット装置1に固定されており、また一対のランプピン120は連通孔42a内を移動できなくなっている。この状態からさらにランプ100を矢印Aで示す方向とは反対方向に回転させると、ランプピン120Aが下側、ランプピン120Bが上側となるように、各ランプピン120が各逃げ孔45内を移動して、いずれはランプ100が定位置(図2(a)に示す位置)に対して矢印Aとは反対方向に180度回転した位置に移動することになる。
以上述べた本実施形態のランプソケット装置1によれば、電気接続部5を開位置に位置させた状態では、上記回転面内において一対のランプピン120の並列方向に交差する方向で、一対の接触子60同士が対向してランプピン挿通孔2aを挿通した一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触しないので、ランプピン120がランプピン挿通孔2aとランプピン導入口2bとの間を自由に移動できて、ランプピン導入口2bを経由してランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通させて、ランプ100を上記定位置に位置させることができる一方、ランプ100を上記定位置に位置させた状態で電気接続部5を閉位置に位置させた際には、上記並列方向で一対の接触子60同士が対向して一対のランプピン120それぞれに一対の接触子60が接触するので、ランプピン120がランプピン挿通孔2aとランプピン導入口2bとの間を自由に移動できなくなって、ランプピン120を上記定位置に固定できるから、電気接続部5を開位置と閉位置との間で回転移動させることにより、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができるという上述した従来例のランプソケット装置1と同様の効果が得られる。
その上、本実施形態のランプソケット装置1によれば、ランプ100を上記定位置に位置させた状態で、誤って電気接続部5ではなくランプ100を電気接続部5と同じ回転軸で回転させてしまっても、ランプ100の回転に伴って移動したランプピン120は、ランプピン挿通孔2aに連通する逃げ孔45に入り込むから、ランプピン120が器体2に接触して互いに無理な負荷がかかり、ランプ100や器体2が破損してしまうことを抑制できる。また、ランプピン導入口2bを経由してランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通した後に、ランプ100を、電気接続部5の回転軸の回りに90度回転させれば、一対のランプピン120それぞれが一対の接触子60それぞれに接触して電気的に接続されるので、電気接続部5を回転する代わりに、ランプ100を回転することによっても接続が行えるようになっている。
そして、本実施形態のランプソケット装置1を、器具本体210に備える照明器具200によれば、ランプ100を回転させることなくランプ100の着脱を行うことができ、その上、ランプ100の着脱時の誤操作に起因するランプ100やランプソケット装置1などの破損を抑制できる。
ところで、図11(a),(b)に示す照明器具200では、同型のランプソケット装置1を2つ利用しているが、一方のランプソケット装置1としては、例えば、図3(a),(b)に示すようなランプソケット装置10を利用するようにしてもよい。
ランプソケット装置10は、ランプソケット装置1と同様に、照明器具200の器具本体210に備えられて、器具本体210に対する定位置へのランプ100の取り付けおよびランプ100への給電に利用されるものである。
このランプソケット装置10は、図3(a),(b)に示すように、器具本体210に上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の両方が挿通されるランプピン挿通孔81aを有して器具本体210に取り付けられる器体8を備えている。
この器体8には、上述した一対の導電板6が、接触子60を前面側、端子部61を後面側に向けるとともに、上記定位置に位置したランプ100の一対のランプピン120の並列方向(図3(a)における上下方向)に沿った方向で一対の接触子60同士が対向する形に収納されている。
器体8は、図3(b)に示すように、一対の導電板6が収納されたボディ80と、ボディ80との間に一対の導電板6を収納する形でボディ80の前面側に取着されるカバー81で構成されている。なお、ボディ80とカバー81はいずれも絶縁性を有する樹脂材料からなる合成樹脂成形品である。
ボディ80は、前面が開口し後面が閉塞された円筒状に形成され、ボディ80の後面において各端子部61それぞれに対応する部位には、ボディ80内に電線を挿入するための電線挿入孔(図示せず)が前後方向に貫設され、これら電線挿入孔よりボディ80内に電線を挿入することで電線が端子部61に接続される。また、ボディ80の下端部には、ランプソケット装置10を器具本体210に固定する際に用いられる固定部80aが設けられている。したがって、ランプソケット装置1は、固定部80aを、例えばねじ止めなどの方法により器具本体210に固定することにより、器具本体210に固定される。
カバー81は、ボディ80の前面開口を覆う円盤状の前壁部81bと、前壁部81bの周縁部から後方に突設された周壁部81cとを有しており、ボディ80の前面開口を前壁部81bで覆うとともに、ボディ80の前端部の外周面を周壁部81cで囲む形でボディ80に組み合わされる。前壁部81bには、ボディ80に収納された一対の導電板6の両方の接触子60を前方に露出させるランプピン挿通孔81aが前後方向に貫設されている。このランプピン挿通孔81aは、直径が一対のランプピン120の外幅より大きく設定してあり、ランプピン120の両方をランプピン挿通孔81aに挿通した状態で、ランプ100をランプピン挿通孔81aの中心軸の回りに360度回転できるようになっている。
上記ランプソケット装置10では、図3(a)に示すように、一対の導電板6が、一対の接触子60同士を上記並列方向に沿った方向で対向させる形に器体8に収納されている。
したがって、このランプソケット装置10には、図4(a)に示すように、上記回転面内で、一対の接触子60の対向方向(図4(a)における上下方向)と交差する方向に沿って一対のランプピン120が並ぶ形で、一対のランプピン120をランプピン挿通孔81aより器体8内に挿入した後に、ランプ100を、ランプピン挿通孔81aの中心軸を回転軸として、図4(a)における時計回り方向(図4(a)に矢印Cで示す方向)に回転させて、一対のランプピン120それぞれを一対の接触子60それぞれに接触させれば、一対のランプピン120が一対の接触子60のピン保持部60aの間に挟持され、ランプ100がランプソケット装置10に固定される
このようなランプソケット装置10と、本実施形態のランプソケット装置1とを器具本体210に備えた照明器具200にランプ100を取り付けるにあたっては、まず、ランプ100は、一方の口金110の一対のランプピン120の並列方向を、上記回転面内でランプソケット装置10の一対の接触子60の対向方向と交差する方向に沿わせた形で、一方の口金110の一対のランプピン120をランプピン挿通孔81aより器体8内に挿入し、次に、ランプ100を、ランプピン挿通孔81aの中心軸を回転軸として回転させて、他方の口金110の一対のランプピン120をランプソケット装置1のランプピン導入口2bよりランプピン挿通孔2aに挿通させ、最後に、電気接続部5を開位置から閉位置に回転移動させればよい。
したがって、2つのランプソケット装置1の一方を上記ランプソケット装置10とすれば、ランプ100の着脱時には、電気接続部5の回転操作の回数を半分に減らすことができるから、ランプ100の器具本体210への着脱が容易に行えるようになる。照明器具200の器具本体210においてスペースが狭い場所に、ランプソケット装置10を配置すれば、狭いスペースで電気接続部5の回転操作を行う必要がなくなって、ランプ100の器具本体210への着脱がより容易に行えるようになる。さらに、ランプソケット装置10は、本実施形態にランプソケット装置1に比べて構成が簡単で、部品点数も少なく、製造コストが低いので、照明器具200全体の製造コストを低くできる。
なお、本実施形態のランプソケット装置1の構成は、上記の例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない程度の変更は可能である。また、本実施形態のランプソケット装置1は、図11(a),(b)に示すような、口金110の中心軸が一致していないランプ100用の照明器具200だけではなく、直管型蛍光ランプなどの口金の中心軸が一致している照明器具にも利用でき、特に照明器具の種類は限定されない。
(実施形態2)
本実施形態のランプソケット装置1は、カバー4の逃げ孔45の形状が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから、同様の構成については説明を省略する。
本実施形態における逃げ孔45は、図5に示すように、上記定位置に位置したランプ100が電気接続部5と同じ回転軸で規定の回転方向(図5に矢印Aで示す方向)に90度回転するまでランプピン120が器体4に接触することを防止する形に形成されてなる。
本実施形態におけるカバー4では、逃げ孔45とランプピン挿通孔2aとにより、カバー4に、上記回転軸を中心とし、一対のランプピン120の外幅より大きい直径を有する中心角90度の扇状が上記中心に対して点対称に配置された形の開口が形成されるようにしている(ランプピン挿通孔2aが、上記回転軸を中心とし、一対のランプピン120の外幅より大きい直径を有する中心角90度の扇状が上記中心に対して点対称に配置された形に形成されているともいえる)。
したがって、本実施形態のランプソケット装置1では、図6(a)に示すように、ランプピン導入口2bを経由して一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通した後に、ランプ100を、電気接続部5の回転軸の回りに、例えば、図6(a)に矢印Aで示す方向に回転させてしまっても、図6(b)に示すように、ランプピン120Aが逃げ孔45Aに、ランプピン120Bが逃げ孔45Bにそれぞれ入り込むため、ランプピン120が90度回転するまでは、カバー4に接触することがない。なお、図6(b)は定位置に位置したランプ100を矢印A方向に90度回転させた状態を示しており、この状態では、一対のランプピン120それぞれが一対の接触子60それぞれに接触して電気的に接続される。このとき、一対のランプピン120は一対の接触子60のピン保持部60aの間に挟持されるため、ランプ100がランプソケット装置1に固定される。また、連通孔42aの幅寸法は、一対のランプピン120間の外幅より小さいから、一対のランプピン120は連通孔42a内を移動できなくなっている。なお、本実施形態のランプソケット装置1では、図6(a)に示す状態から、ランプ100を、矢印Aで示す方向とは反対方向にはほとんど回転させることはできない。
以上述べた本実施形態のランプソケット装置1によれば、定位置に位置したランプ100が電気接続部5と同じ回転軸で規定の回転方向(本実施形態ではランプソケット装置1を前面から見た場合における反時計回り方向)に90度を越えて回転可能な実施形態1の逃げ孔45と比較すれば、逃げ孔45の大きさを小さくできるから、ランプ100の着脱時に指などがランプピン挿通孔2aおよび逃げ孔45を通じて器体2内の一対の接触子60などの充電部分(すなわち導電板6)に触れてしまうことを抑制できる。
また、誤ってランプ100を回転させてしまった場合でも、定位置から90度はランプ100を回転させることができ、90度回転可能であればランプ100の着脱を行っている人が操作を誤っていると気付く可能性が高いから、ランプ100や器体2の破損の抑制という点に関しては実施形態1のように90度を越えてランプ100を回転可能な逃げ孔45を設ける場合と比較しても遜色ない性能が得られる。
当然ながら、本実施形態のランプソケット装置1においても、実施形態1と同様に、電気接続部5を開位置と閉位置との間で回転移動させることにより、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができるという効果は得られる。
なお、本実施形態における逃げ孔45は、上記定位置に位置したランプ100を矢印Aで示す方向に90度回転するまでランプピン120が器体4に接触することを防止する形に形成されてなるが、逆に、上記定位置に位置したランプ100を矢印Aで示す方向とは反対方向に90度回転するまでランプピン120が器体4に接触することを防止する形に形成されたものであってもよい。本実施形態では、逃げ孔45によりランプ100を90度まで回転可能としているが、これは厳密に90度ということを意味しているのではなく、おおよそ90度とみなせる程度であってもよく、要は、一対のランプピン120それぞれを一対の接触子60それぞれに接触できるような角度であればよい。また、逃げ孔45により回転可能とするランプ100の回転角度は必ずしも90度に限られるものではなく、状況に応じて変更してもよい。
(実施形態3)
本実施形態のランプソケット装置1は、カバー4の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様であるから、同様の構成については説明を省略する。
本実施形態におけるカバー4には、図7〜図9に示すように、ランプ100が上記定位置に位置した際にランプピン導入口側に位置する一方のランプピン120Aが入り込む逃げ孔45Aに連通し、上記定位置から電気接続部5と同じ回転軸で規定の回転方向(図7に矢印Aで示す方向)に90度を越えてランプ100を回転させようとした際に、他方のランプピン120Bをランプピン導入口2bに誘導する形に一方のランプピン120Aが入り込む誘導孔46が形成されてなる。
誘導孔46は、ランプ100を上記定位置から矢印Aで示す方向に90度回転させた際に、ランプピン120Aと対向する逃げ孔45Aの内周面に設けられている。誘導孔46の幅寸法(図7における上下方向の寸法)はランプピン120の外径よりやや大きい値に設定され、その長さ寸法(図7における左右方向の寸法)は、ランプ100を上記定位置から矢印Aで示す方向に90度回転させた状態で、ランプ100を左方向に他方のランプピン120Bが上下方向において連通孔42aと重なる位置まで移動できるような値に設定されている。
カバー4は、逃げ孔45Bとスリット42の内周面が、逃げ孔45Bの内周面に沿ってランプピン120を移動させた際に、ランプピン120が逃げ孔45Bの内周面からスリット42の内周面へと移動できる曲面形状となるように連続している。また、電気接続部5は、接触子60がランプピン120の押圧により撓むことで、図8,9に示すようなランプピン120の移動を妨げないように構成されている。
したがって、本実施形態のランプソケット装置1では、図8(a)に示すように、ランプピン導入口2bを経由して一対のランプピン120をランプピン挿通孔2aに挿通した後に、ランプ100を、電気接続部5の回転軸の回りに、例えば、図8(a)に矢印Aで示す方向に回転させてしまっても、図8(b)に示すように、ランプピン120Aが逃げ孔45Aに、ランプピン120Bが逃げ孔45Bにそれぞれ入り込み、図8(c)に示すように、ランプピン120が90度回転するまではカバー4に接触することがない。
なお、図8(b)はランプ100が60度回転した状態を示し、図8(c)はランプ100が90度回転した状態を示している。また、図8(c)に示す状態では、一対のランプピン120それぞれが一対の接触子60それぞれに接触して電気的に接続される。このとき、一対のランプピン120は一対の接触子60のピン保持部60aの間に挟持されるため、ランプ100がランプソケット装置1に固定される。また、連通孔42aの幅寸法は、一対のランプピン120間の外幅より小さいから、一対のランプピン120は連通孔42a内を移動できなくなっている。
この状態からさらにランプ100を矢印Aで示す方向に回転させた際、つまり、矢印Aで示す方向に90度を越えてランプ100を回転させた際には、ランプピン120Bが逃げ孔45Bの内周面に当接するとともに当該内周面の周方向に沿ってランプピン導入口2b側(上側)に誘導されるため、図9(a)に示すように、ランプ100は一方のランプピン120Aが誘導孔46に入り込むように左側に移動し、他方のランプピン120は、ランプピン導入口2b側に移動する。
図9(a)に示すような状態から、一方のランプピン120Aの中心軸の回りにランプ100を、図9(a)における反時計回り方向(図9(a)に矢印Bで示す方向)に回転させると、図9(b)に示すように、他方のランプピン120Bを、上下方向で連通孔42aと重なる位置に位置させることができ、その後には図9(c)に示すようにして、ランプピン導入口2bを経由してランプピン120をランプピン挿通孔2aより取り出すことができる。なお、図9(a)はランプ100が110度回転した状態を示し、図9(b)はランプ100が135度回転した状態を示し、図9(c)はランプ100が180度回転した状態を示している。ところで、本実施形態のランプソケット装置1では、実施形態2と同様に、図8(a)に示す状態から、ランプ100を、矢印Aで示す方向とは反対方向にはほとんど回転させることはできない。
以上述べた本実施形態のランプソケット装置1によれば、定位置から電気接続部5と同じ回転軸で規定の回転方向に90度を越えてランプ100を回転させようとした際には、ランプ100が定位置に位置した際にランプピン導入口2b側に位置する一方のランプピン120Aが誘導孔46に入り込み、他方のランプピン120Bがランプピン導入口2bに誘導されるので、定位置に位置したランプ100が電気接続部5と同じ回転軸で規定の回転方向に90度まで回転可能な逃げ孔45が設けられた実施形態2よりもランプ100や器体2の破損を抑制できるようになる上に、ランプ100の着脱時に指などがランプピン挿通孔2aおよび逃げ孔45を通じて器体2内の一対の接触子60などの充電部分に触れてしまうことの抑制という点に関しては遜色ない性能が得られる。
また、本実施形態のランプソケット装置1においても、実施形態1と同様に、電気接続部5を開位置と閉位置との間で回転移動させることにより、ランプを回転させることなくランプの着脱を行うことができるという効果は得られる。
実施形態1のランプソケット装置の前面図である。
同上におけるランプソケット装置の説明図である。
同上におけるランプソケット装置とともに利用されるランプソケット装置を示し、(a)は前面図、(b)は斜視図である。
同上におけるランプソケット装置とともに利用されるランプソケット装置の説明図である。
実施形態2のランプソケット装置の前面図である。
同上におけるランプソケット装置の説明図である。
実施形態3のランプソケット装置の前面図である。
同上におけるランプソケット装置の説明図である。
同上におけるランプソケット装置の説明図である。
従来例のランプソケット装置を示し、(a)は前面図、(b)は斜視図である。
同上におけるランプソケット装置の動作説明図である。
照明器具の概略説明図である。
同上におけるランプソケット装置の説明図である。
符号の説明
1 ランプソケット装置
2 器体
2a ランプピン挿通孔
2b ランプピン導入口
5 電気接続部
45,45A,45B 逃げ孔
46 誘導孔
60 接触子
100 ランプ
120,120A,120B ランプピン
200 照明器具
210 器具本体