JP4942248B2 - 前立腺特異的遺伝子、pcgem1、ならびに前立腺癌を検出、治療および予防するための、pcgem1の使用方法 - Google Patents
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Description
関連出願との相互参照
本出願は米国仮出願第60/126,469号(1999年3月26日出願)の権益を主張するものであり、その全開示を根拠とし、これを参照として本明細書に組み込む。
【0002】
発明の分野
本発明は前立腺組織内で発現する核酸に関する。さらに特定すると、本発明は、前立腺癌で過剰発現される、アンドロゲンで調節される新規な前立腺特異的遺伝子ファミリーの最初のものであるPCGEM1に関し、また前立腺癌細胞のホルモン応答性を測定するため、ならびに前立腺癌およびその他の前立腺関連疾患を検出、診断、予防および治療するために、PCGEM1配列およびその断片を使用する方法に関する。
【0003】
背景
前立腺癌はアメリカ男性で最も一般的な充実性腫瘍である(1)。前立腺新生物によって提示される広範囲の生物学的挙動(2)が、個々の患者の臨床的経過を予測する際の難問を提起する(3、4)。前立腺特異的抗原(PSA)スクリーニングの試みに対する公衆の意識によって前立腺癌の診断が増加した。前立腺癌に罹患した患者の診断の増加およびその数の上昇の結果、限局性疾患について根治的前立腺切除がより広く使用されることになった(5)。外科的介入の増大にともなって、ある患者について臓器が限定された疾病および臨床成果の予測が不可能であるという挫折感がある(5、6)。従来からの予後判定マーカー、例えば侵襲度、臨床上の病期、および前処置PSAなどは個人についての予後評価に限界があった。臨床的に限局した前立腺癌患者の予後判定および管理を改善するために分子および遺伝的バイオマーカーを認知して開発することへの必要性は明白である。その他の一般的なヒト新生物(7)と同様に、前立腺癌の遺伝学および進行をより良く確定するための、分子および遺伝的バイオマーカーの探索が、世界中の癌研究試験の重要な焦点である。
【0004】
前立腺癌の分子遺伝学的変質を目的とする研究の新しい傾向は、主としてこの病気に関する意識の増大とさらに新しい分子技術の発展によるものである。前立腺表皮癌の前駆体の探索は「前立腺上皮内異常増殖」(PIN)と称される顕微鏡的変化のスペクトルに主として焦点が当てられてきた。Bostwickはこのスペクトルを、高進行度PINおよび初期侵襲性癌まで達する組織病理学的連続体として定義している(8)。形態学的および分子的変化としては、細胞基底層の漸進的破壊、前立腺分泌上皮細胞の識別マーカーの発現変化、核および仁の異常、細胞増殖の増大、DNA含量の変化、ならびに染色体および対立遺伝子の喪失が含まれる(8、9)。これらの分子および遺伝学的バイオマーカー、特にその漸進的獲得若しくは喪失を追跡して、前立腺発癌現象の要因を明らかにすることができる。これらのバイオマーカーの中の1つは、正常な前立腺上皮と癌の間の移行における組織学的表現型に関係する分子および遺伝学的バイオマーカーであろう。現在までの大部分の研究が、PINと前立腺表皮癌細胞は互いに共通するところが多いことに同意していると見られる。侵襲性癌腫ではPINですでに明らかになった事象のいくつかの拡大を反映することがさらに多い。
【0005】
広く普及し、推奨されている血液PSA試験があるため、今日では前立腺癌の早期検出は可能である。該試験は、高レベルの血清PSAが検出された場合、前立腺癌の警告シグナルを提供するものである。しかし、単独で使用した場合、前立腺癌の検出若しくは病期分類のための理想的な手段とみなすためには、PSAは十分に高感度若しくは特異的ではない(10)。PSAレベルと臨床的病期分類およびグリーソンスコアとの組合せの方が、限局性前立腺癌の病理学的段階をさらに良く予測することが可能である(11)。その上、前立腺癌の改善された分子的病期分類のために、新しい分子的技法が使用されている(12、13)。例えば、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で、前立腺癌患者の血液および骨髄中の循環前立腺細胞のPSAを測定することができる。
【0006】
しかし、新しい分子技法があっても、前立腺癌を患う男性の25%程度が、通常血液1 mlあたり4 ngまたはそれ以下として定義される、正常PSAレベルを有する(14)。また、それより高いPSAレベルである男性の50%を超える者が実際には癌でない(14)。このように、前立腺癌にとってPSAは理想的なスクリーニング手段ではない。正常と増殖性上皮、ならびに前立腺癌の前腫瘍と腫瘍段階との間で識別が可能な、さらに信頼性がある腫瘍特異的バイオマーカーが必要とされている。
【0007】
前立腺癌の発症および進行を確定する遺伝的変化の同定および特性決定が、この疾病の生物学および臨床経過を理解する際に、重要である。現在利用可能なTNM病期分類系では、当初の原発腫瘍(T)を4期の中の1つに割り当てる(14)。第1期、すなわちT1は腫瘍が顕微鏡的で、直腸診で触診することができないことを意味する。T2は触知可能であるが、完全に前立腺内に入っている腫瘍に相当する。T3の指定は、癌が前立腺を出て周囲の結合組織まで広がったか、または隣接する精嚢を侵襲したことを意味する。T4癌はさらに広がったものである。このTNM病期分類系は癌が骨盤リンパ節(N)若しくはそれ以上(M)転移したかどうかをも評価する。転移腫瘍は、癌細胞が当初の腫瘍から逸脱して、血液若しくはリンパ液を介して循環し、体内の離れた部位で増殖するものである。
【0008】
転移性前立腺癌の最近の研究で、複数の癌病巣間で異なる染色体領域の対立遺伝子喪失の顕著な異質性が示された(21-23)。これらの研究は、転移病巣は顕性腫瘍ではなく癌病巣から生起し得ることも報告している(22)。したがって、殊に前立腺癌がますます早期に検出されている現在、前立腺癌の転移を確定する分子的変化を理解することは重要である(15-21)。
【0009】
さらに、腫瘍の進行若しくは転移を予測する能力があると考えられるバイオマーカーを分析する際には、前立腺癌の多病巣性を考慮する必要がある(22-23)。限局性前立腺癌腫の根治的前立腺切除処置を受けた患者のおよそ50-60%に器官が限定されない顕微鏡的疾病があって、こうした患者のかなりの割合が再発することがわかっている(24)。p53およびbcl-2などの従来からの遺伝的バイオマーカーの生物学的統計モデル化を利用して、Bauerら(25-26)は、手術後の癌再発のリスクがある患者を同定することを可能にした。このように、前立腺癌の進行の各病期を確定するバイオマーカーの開発に対する明確な必要性がある。
【0010】
前立腺癌の別の重要な様相は、正常前立腺および前立腺癌の両方の発生にアンドロゲンが果たす重要な役割である。「ホルモン療法」とも称されるアンドロゲン除去は、前立腺癌、特に転移性疾病を患う患者のための一般的な治療法である(14)。ホルモン療法はアンドロゲンを生成しないように身体を抑制するか、またはアンドロゲンの活性を遮蔽することを目的とする。アンドロゲン活性を遮蔽するための1方法には、アンドロゲン受容体を遮蔽することが含まれるが、この遮蔽方法は当初に成功するだけのことが多い。例えば進行した疾病を患う患者の70-80%がホルモン療法に対し最初は自覚的な応答を示すが、大部分の腫瘍が2年以内にアンドロゲンに無関係な病期まで進行する(16)。アンドロゲンに無関係な病期までの進行について提案された機構の1つは、アンドロゲンシグナル伝達経路の構成的活性化が関与し、これはアンドロゲン受容体タンパク質の構造変化により生じる可能性がある(16)。
【0011】
上に示したように、癌細胞の発生および進行には、多数の遺伝的変化ならびに数種の遺伝子産物の複雑な相互作用が関与する。したがって、特定のタイプの癌における分子遺伝的変化を完全に理解するには、各種の戦略を必要とする。過去において、大部分の分子生物学研究は、前立腺癌に関係する細胞のプロト癌遺伝子および腫瘍抑制遺伝子(TSG)の突然変異に焦点を当ててきた(7)。しかし、最近は、ヒト癌における「発現遺伝子学」(27-31)、すなわち癌特異的遺伝子の過少発現または過剰発現の分析の方に次第に移行してきている。この移行は以下のことを含む従来の手法の限界に対応するものである:1) ヒト癌に関係する突然変異した遺伝子の同定を含む多大な労力を必要とする技法;2) 一定のクラスの遺伝子のみの同定、例えばNIH3T3細胞を利用するヒト腫瘍DNAのトランスフェクションによる突然変異 ras遺伝子の同定、に偏る傾向がある実験モデルの限界;ならびに3) 現在までに同定されたヒト癌関連遺伝子は癌表現型の多様性を説明しないという認識。
【0012】
多数の研究が現在、患者検体内の前立腺癌関連遺伝子発現の変化を対象としている(32-36)。この路線でのさらなる報告が続くことは必至である。
【0013】
このように、前立腺癌に関する知識の量が増大しているにもかかわらず、当分野では、前立腺癌の病因に関与する遺伝子の同定および機能を明らかにする必要が依然としてある。また、癌性細胞を正確に検出し、前立腺癌の進行の各種病期を確定し、前立腺癌の発症および進行を確定する遺伝的変化を同定かつ特性決定し、前立腺癌の微小転移を検出し、そして前立腺癌を治療および予防するための、試薬およびアッセイの必要性もある。
【0014】
発明の概要
本発明は、前立腺癌遺伝子発現マーカー1という意味でPCGEM1と命名された遺伝子ファミリーの最初のものである、新規な遺伝子の同定および特性決定に関する。PCGEM1は前立腺組織に特異的であり、アンドロゲンで調節され、そして前立腺癌において過剰発現されるものと考えられる。さらに最近の研究は、PCGEM1 cDNAを細胞増殖の促進に関係があるとしている。本発明は、単離されたPCGEM1のヌクレオチド配列若しくはその断片、ならびにPCGEM1にハイブリダイズする核酸配列を提供する。これらの配列は、例えば前立腺癌およびその他の前立腺関連疾患のマーカーとして、ならびに前立腺癌およびその他の前立腺関連疾患に対する治療的介入の標的として、有用性がある。本発明はさらに、PCGEM1の発現を指令するベクター、ならびにこのベクターでトランスフェクト若しくは形質導入した宿主細胞を提供する。
【0015】
別の実施形態において、本発明は、例えばPCGEM1配列に特異的に結合させるために選択したプライマーおよびプローブを用いる核酸増幅技法を使用することによる、生物学的サンプル中の前立腺癌細胞を検出する方法を提供する。さらに本発明は、前立腺癌細胞を選択的に殺傷する方法、アンドロゲン応答性細胞系を同定する方法、ならびにホルモン切除療法に対する細胞系の応答性を測定する方法を含む。
【0016】
別の態様において、本発明は、前立腺癌を検出、治療および予防するために使用することができる、PCGEM1遺伝子若しくはその断片がコードする単離されたポリペプチド、ならびにこのPCGEM1ポリペプチド、ペプチド若しくはそれらの一部分に対して作製された抗体に関する。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、この後の説明中に記載するが、一部はその記載から明らかになるであろう。あるいは、それらは本発明を実施することにより理解されるものもある。本発明の目的およびその他の利点は、特に本明細書に記載した説明および特許請求の範囲、ならびに添付する図面で提示する、配列、細胞、ベクターおよび方法によって認識され、達成されるであろう。
【0018】
発明の詳細な説明
本発明は、前立腺癌(例えば前立腺上皮内異常増殖(PIN)、表皮癌、結節性過形成および大腺管(large duct)癌腫)ならびに前立腺関連疾患(例えば良性前立腺肥大症)の検出、予防および治療に使用するための、遺伝子ファミリーの最初のものであるPCGEM1、ならびにその関連核酸、タンパク質、抗原および抗体、そしてこれらの試薬を含むキットに関する。
【0019】
本発明者は何らかの理論若しくは仮定によって限定することは望まないが、予備的なデータから、増殖および胚発生に関する過程に関係すると考えられるファミリーの非コードポリA+RNAに、PCGEM1ヌクレオチド配列が関係するらしいことが示唆されている(40-44)。本明細書に示す証拠がこの仮説を支持している。あるいは、PCGEM1 cDNAが小さなペプチドをコードしているのかもしれない。
【0020】
核酸分子
特定の1実施形態において、本発明は内在性物質を実質的に混在させない、特定の単離されたヌクレオチド配列に関する。「ヌクレオチド配列」とは、分離された断片の形態のポリヌクレオチド分子、あるいはより大きい核酸構築物の構成要素を指す。核酸分子は少なくとも1度は実質的に純粋な形態で、かつ(Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY(1989)に概説されているものなどの) 標準的な生化学方法によってその構成要素であるヌクレオチド配列を同定、操作および回収することができる量若しくは濃度で単離された、DNA若しくはRNAから誘導されたものである。
【0021】
本発明の核酸分子としては、一本鎖および二本鎖の両方の形態のDNA、ならびにそれらのRNA相補体が含まれる。DNAとしては、例えば、cDNA、ゲノムDNA、化学合成されたDNA、PCRによって増幅されたDNA、ならびにそれらの組合せが含まれる。ゲノムDNAは、例えばプローブとして配列番号1、配列番号2のcDNA若しくはそれらの好適な断片を使用して、慣例的な技法によって、単離することができる。
【0022】
本発明のDNA分子としては、完全長遺伝子ならびにそれらのポリヌクレオチドおよび断片が含まれる。完全長遺伝子にはN-末端シグナルペプチドが含まれていてもよい。PCGEM1の非コード性役割は確かであると考えられるが、現在のところタンパク質産物がある可能性を排除することはできない。したがって、その他の実施形態として、可溶性形態をコードする、例えばシグナルペプチドを含むかまたは含まない、そのタンパク質の細胞外ドメインをコードするDNAが含まれる。
【0023】
本発明の核酸は、好ましくはヒト供与源に由来するものであるが、本発明は非ヒト種に由来するものも包含する。
【0024】
好ましい配列
特に好ましい本発明のヌクレオチド配列はそれぞれ図8、9および14に示す、配列番号1、配列番号2および配列番号8である。実施例2に記載するように、配列番号1および配列番号2のヌクレオチド配列を有する2つのcDNAクローン、ならびに配列番号8のヌクレオチド配列を有するゲノムDNAを単離した。
【0025】
こうして、特定の1実施形態において、本発明は以下の群から選択される、単離された核酸分子を提供する;
(a) 配列番号1、配列番号2若しくは配列番号8のポリヌクレオチド配列;
(b) 約50%ホルムアミドおよび約6X SSC、約42℃、かつ洗浄条件が約60℃、約0.5X SSCおよび約0.1% SDSである、中程度ストリンジェンシー条件下で、(a)の核酸配列を含む変性した二本鎖DNAのいずれかの鎖にハイブリダイズする単離された核酸分子;
(c) 約50%ホルムアミドおよび約6X SSC、かつ洗浄条件が約68℃、約0.2X SSCおよび約0.1% SDSである、高ストリンジェンシー条件下で、(a)の核酸配列を含む変性した二本鎖DNAのいずれかの鎖にハイブリダイズする単離された核酸分子;
(d) 配列番号1、配列番号2若しくは配列番号8からin vitro突然変異誘発によって誘導される単離された核酸分子;
(e) 遺伝コードの結果として、配列番号1、配列番号2若しくは配列番号8が縮重したものである単離された核酸分子;ならびに
(f) ヒトPCGEM1 DNA、ヒトPCGEM1 DNAの対立遺伝子変異体、およびPCGEM1 DNAの種相同体からなる群から選択される単離された核酸分子。
【0026】
本明細書で使用する、中程度ストリンジェンシー条件は、例えばDNAの長さに基づいて当業者が容易に決定することができるものである。基本的な条件は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版第1巻,pp.1.101-104,Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989)に示されているが、これには、ニトロセルロースフィルター用の約5X SSC、約0.5% SDSおよび約1.0 mM EDTA(pH 8.0)の予備洗浄溶液、約50%ホルムアミドおよび約6X SSC、約42℃のハイブリダイズ条件(または約50%ホルムアミド中のStark溶液、約42℃などのその他の同様のハイブリダイズ溶液)、ならびに約60℃、約0.5X SSCおよび約0.1% SDSの洗浄条件、の使用が含まれる。高ストリンジェンシー条件も、例えばDNAの長さに基づいて当業者が容易に決定することができるものである。一般的に、こうした条件は、上記のハイブリダイズ条件と約68℃、約0.2X SSCおよび約0.1% SDSの洗浄によって定義される。当業者であれば、プローブの長さなどの要因にしたがって、必要に応じて、温度および洗浄溶液の塩濃度を調整しうることを理解している。
【0027】
その他の配列
同一のアミノ酸を2以上のコドンがコードし得るという、既知の遺伝コードの縮重性によって、DNA配列は配列番号1、配列番号2若しくは配列番号8に示すものとは異なっているが、それでもPCGEM1をコードするものがありうる。こうした変異DNA配列は(例えばPCR増幅中に発生する)サイレント突然変異の結果であるか、または天然配列の意図的突然変異誘発の産物でもあり得る。
【0028】
したがって、本発明は以下の群から選択される単離された本発明のDNA配列を提供する;(a) 配列番号1、配列番号2若しくは配列番号8のヌクレオチド配列を含むDNA;(b) 中程度ストリンジェンシー条件下で、(a)のDNAにハイブリダイズすることができるDNA;(c) 高ストリンジェンシー条件下で、(a)のDNAにハイブリダイズすることができるDNA;ならびに(d) 遺伝コードの結果として、(a)、(b)若しくは(c)で定義したDNAが縮重したものあるDNA。こうした配列は、好ましくは真核生物遺伝子中に典型的に存在する内部非翻訳配列、すなわちイントロンによって分断されていないオープンリーディングフレームの形態で提供および/または構築する。非翻訳DNAの配列がオープンリーディングフレームから5'側若しくは3'側に存在する場合があるが、これはいずれもコード領域の操作若しくは発現に介入しない。もちろん、PCGEM1がポリペプチドをコードするならば、こうしたDNA配列にコードされたポリペプチドは本発明に包含される。中程度および高ストリンジェンシー条件は上記している。
【0029】
別の実施形態において、本発明の核酸分子は本明細書中で示したヌクレオチド配列に対し少なくとも80%同一性を有するヌクレオチド配列を含む。核酸分子が本明細書中で示したヌクレオチド配列に対し少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%の同一性を有する配列を含む実施形態もまた包含される。
【0030】
同一性%は可視検査および数学的算出によって決定することができる。あるいは、Devereuxら(Nucl.Acids Res.12:387,1984)によって記載され、University of Wisconsin Genetics Computer Group(UWGCG)より入手可能な、GAPコンピュータプログラムversion6.0を使用して、配列情報を比較することによって、2つの核酸配列の同一性%を決定することができる。GAPプログラムについて好ましいデフォルトパラメーターとしては、(1) SchwartzおよびDayhoff編,Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,pp.353-358,1979に記載されたような、ヌクレオチドに関する単項比較マトリックス(同一について1、および非同一について0の数値を含む)およびGribskcovおよびBurgess,Nucl.Acids Res.14:6745,1986の加重比較マトリックス;(2) ギャップ毎にペナルティ3および各ギャップ内の文字毎にさらにペナルティ0.10;ならびに(3)末端のギャップにペナルティ無し、が含まれる。配列比較の当業者が使用するその他のプログラムを使用してもよい。
【0031】
本発明はポリペプチドの製造に有用な単離された核酸をも提供する。こうしたポリペプチドは多数の慣例的な技法のいずれによっても調製することができる。本発明のDNA配列若しくは所望のその断片を発現ベクター中にサブクローン化することによってそのポリペプチド若しくは断片を製造することができる。そのDNA配列は好適なリーダー若しくはシグナルペプチドをコードする配列に融合させるのが有利である。あるいは、既知の技法を使用して、所望の断片を化学的に合成することができる。完全長クローン化DNA配列の制限エンドヌクレアーゼ消化によってDNA断片を製造し、アガロースゲル上の電気泳動によって単離することもできる。必要ならば、制限酵素消化によって作製したDNA断片に、所望の位置に5'若しくは3'末端を再構築するオリゴヌクレオチドを連結してもよい。こうしたオリゴヌクレオチドにさらに、所望のコード配列の上流に制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含有させ、そしてコード配列のN末端に開始コドン(ATG)を配置することができる。
【0032】
所望のタンパク質断片をコードするDNA配列を単離および増幅するために、周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)手法を使用してもよい。DNA断片の所望の末端部を確定するオリゴヌクレオチドを5'若しくは3'プライマーとして使用する。増幅されたDNA断片の発現ベクター中への挿入を促進するために、そのオリゴヌクレオチドに制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含有させてもよい。PCR技法は、Saikiら、Science 239:487(1988);Recombinant DNA Methodology,Wuら編,Academic Press,Inc.,San Diego(1989),pp.189-196;ならびに PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Innisら編,Academic Press,Inc.(1990)、に記載されている。
【0033】
PCGEM1 核酸若しくはオリゴヌクレオチドの使用
特定の1実施形態において、本発明はヒト前立腺細胞から単離したPCGEM1ヌクレオチド配列に関する。該配列としては、完全ゲノムDNA(図14、配列番号8)、 ならびに2つの完全長cDNA:配列番号1(図8)および配列番号2(図9)、さらにそれらの断片が含まれる。DNA、RNA、mRNAおよびそれらのオリゴヌクレオチドを含む本発明の核酸は、前立腺癌の検出、診断、予後判定および治療における各種の用途において有用である。本発明の範囲内の用途例としては、限定するわけではないが、以下のものが含まれる:
- PCGEM1配列の増幅;
- オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによる、前立腺癌のPCGEM1由来マーカーの検出;
- 2番染色体の同定;
- 2番染色体の遺伝子マッピング;
- ヒト2番染色体に関連性がある特定の疾病、症候群 若しくはその他の症状に関係する遺伝子の同定;
- PCGEM1配列を有するベクターの構築;
- ベクターに結合させたPCEGEM1配列のRNAおよびタンパク質としての発現;
- 個体中の欠損遺伝子の検出;
- 遺伝子治療法の開発;
- PCGEM1にコードされた産物に対応する免疫学的試薬の開発;ならびに
- PCGEM1配列に特異的な抗体、アンチセンス核酸若しくはその他の阻害剤を使用する、前立腺癌の治療。
【0034】
前立腺癌の検出、診断、および処理
本発明は、患者の前立腺癌を検出する方法を提供する。この方法には、(a) 患者に由来する生物学的サンプル中のPCGEM1 mRNAを検出すること、および(b) サンプル中のPCGEM1 mRNAの量と患者の前立腺癌の存在とを関係付けることが含まれる。生物学的サンプル中のPCGEM1 mRNAの検出には、(a) 該生物学的サンプルからRNAを単離すること、(b) PCGEM1 cDNA分子を増幅すること、(c) 本発明の単離された核酸と共にPCGEM1 cDNAをインキュベートすること、および(d) PCGEM1 cDNAと、単離された核酸とのハイブリダイゼーションを検出することが含まれる。生物学的サンプルは、血液、尿および組織、例えば、生検から得られる組織、からなる群より選択できる。好ましい実施形態では、生物学的サンプルは血液である。この方法は、前立腺癌の初期診断およびそれより後で行われる疾患の予後の両方に有用である。この方法を用いると、生検試料中の前立腺組織を検査したり、癌に侵された前立腺を切除した後、微小転移を調べるために血液を連続的にモニターしたりすることができる。
【0035】
患者の前立腺癌を診断および予後予測する本発明の方法によれば、患者由来の生物学的サンプル中のPCGEM1 mRNAの量は、患者の前立腺癌の存在と関係付けられる。当業者は、前立腺癌の存在と関係付けられる過剰発現のレベルを容易に決めることができる。
【0036】
他の実施形態において、本発明は、細胞傷害性タンパク質をコードする核酸配列に機能しうる形で連結されたPCGEM1プロモーター配列を含んでなるベクターを提供する。本発明は更に、前立腺癌細胞を選択的に死滅させる方法を提供する。この方法には、前立腺細胞を選択的に死滅させるのに十分な条件下で前立腺癌細胞にベクターを導入することが含まれる。本明細書中で使用する場合、「選択的な死滅」という語句は、少なくとも、ヌクレオチド配列の特異的標的となる細胞を、死滅させることを意味する。PCGEM1ゲノム配列の5’フランキング領域に含まれる配列番号3の推定PCGEM1プロモーターを図11に示す。本発明者らは、任意の細胞傷害性タンパク質をコードするヌクレオチド配列を、前立腺組織に送達するためのこのベクター中に組み込むことができると想像している。例えば、細胞傷害性タンパク質は、リシン、アブリン、ジフテリアトキシン、p53、チミジンキナーゼ、腫瘍壊死因子、コレラトキシン、Pseudomonas aeruginosaエキソトキシンA、リボソーム不活性化タンパク質、またはトリコテセン(tricothecene)のようなマイコトキシン、ならびにそれらの誘導体および断片(例えば、一本鎖)であってよい。
【0037】
本発明はまた、アンドロゲン応答性細胞系を同定する方法を提供する。この方法には、(a) アンドロゲン応答性であると推定される細胞系を取得すること、(b) 細胞系をアンドロゲンと共にインキュベートすること、および(c) 細胞系中のPCGEM1 mRNAを検出することが含まれ、この際、未処理の細胞系と比較してのPCGEM1 mRNAの増加がアンドロゲン応答性の細胞系と関係付けられる。
【0038】
本発明は更に、ホルモン除去療法に対する前立腺組織の応答性を測定する方法を提供する。この方法には、(a) ホルモン除去療法で前立腺組織を処理すること、および(b) ホルモン除去療法の後で前立腺組織中のPCGEM1 mRNAを測定することが含まれ、この際、未処理の細胞系と比較してのPCGEM1 mRNAの減少がホルモン除去療法に応答する細胞系と関係付けられる。
【0039】
本発明の他の態様において、これらの核酸分子を、宿主細胞のトランスフェクションまたは形質導入に使用できる組換えベクター、例えば、プラスミド、コスミド、またはウイルス、に導入することが可能である。他のDNA配列、例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、制限酵素部位、多重クローニング部位、および他のコード配列と、本発明の核酸を組み合わせてもよい。
【0040】
プローブ
本発明の核酸の使用の中には、プローブまたはプライマーとしての断片の使用が含まれる。そのような断片には、一般に、DNA配列中の少なくとも約17個の隣接ヌクレオチドが含まれる。断片は、17個未満のヌクレオチド、例えば、10または15個のヌクレオチド、を有していてもよい。他の実施形態において、DNA断片には、DNA配列中の少なくとも20個、少なくとも30個、または少なくとも60個の隣接ヌクレオチドが含まれる。本発明のプローブまたはプライマーの例としては、配列番号5、配列番号6、および配列番号7で示されるもののほかに、表Iに開示されているものが挙げられる。
【0041】
【表1】
S/ASは、プライマーがセンスであるかアンチセンスであるかを示す。
【0042】
開始塩基番号は、配列番号1に基づく開始塩基番号を示す。
【0043】
しかしながら、更に大きなプローブを使用してもよい。例えば、特に好ましいプローブは、PCGEM1(配列番号1)から誘導され、その配列のヌクレオチド116〜1140を含む。それは配列番号4で表され、図12に示されている。
【0044】
ハイブリダイゼーションプローブが標的配列に結合すると、安定であり、かつ選択し得る二本鎖分子を形成する。これらの核酸分子は、例えば、化学合成によるかまたは組換え技術によって容易に調製することが可能である。蛍光、放射能、または酵素による手段、あるいはアビジン/ビオチンのようなリガンドを用いる方法を含めてハイブリダイゼーションを検出するための多種多様な方法が当技術分野で知られている。
【0045】
本発明の他の態様において、これらの核酸分子を、宿主細胞のトランスフェクションまたは形質導入に使用できる組換えベクター、例えば、プラスミド、コスミド、またはウイルス、に導入することが可能である。他のDNA配列、例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、制限酵素部位、多重クローニング部位、および他のコード配列と、本発明の核酸を組み合わせてもよい。
【0046】
他の哺乳動物種に由来する配列番号1、配列番号2、および配列番号8の相同体は本発明に含まれると考えられるので、従来の種間ハイブリダイゼーション法により、他の哺乳動物種に由来するcDNAライブラリーをスクリーニングすべく、配列番号1、配列番号2、および配列番号8のヒトDNA配列に基づくプローブを使用することが可能である。
【0047】
本発明の他の態様において、本明細書に記載の配列と組み合わせて遺伝暗号の知識を利用することにより、縮重オリゴヌクレオチドのセットを調製するこができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、例えば、DNA断片が単離および増幅されるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)において、プライマーとして有用である。特に好ましいプライマーを図13および表Iに示す。それぞれ配列番号5〜7および9〜22で表されている。特に好ましいプライマー対は、p518(配列番号15)およびp839(配列番号22)であり、これらをPCRに使用するとmRNAが選択的に増幅されるので、ゲノムDNAとの望ましくない交差反応性は回避される。
【0048】
染色体マッピング
実施例3に記載されているように、PCGEU1ゲノム配列を含有する細菌人工染色体(BAC)クローンを用いて染色体2の2q32領域に対する蛍光in situハイブリダイゼーションによりPCGEM1遺伝子のマッピングを行った。この場合、当業者は、公知の方法により、オリゴヌクレオチドを含めて、配列番号1、配列番号2、および配列番号8の核酸分子の全部または一部分を用いて、ヒト染色体2、およびPCGEM1 DNAを含有するその特異的遺伝子座を同定することができる。有用な方法としては、放射線ハイブリッドマッピング(高解像度)、染色体スプレッドへのin situハイブリダイゼーション(中解像度)、およびそれぞれのヒト染色体を含有するハイブリッド細胞系へのサザンブロットハイブリダイゼーション(低解像度)のような種々の公知の方法において、配列番号1、配列番号2、または配列番号8のヌクレオチド配列あるいはその断片をプローブとして用いることが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
例えば、放射線ハイブリダイゼーションにより染色体をマッピングすることができる。最初に、Whitehead Institute/MIT Center for Genome Research製の93個の放射線ハイブリッドのGenebridge4パネルを用いてPCRを行う(http://www-genome.wi.mit.edu/ftp/distribution/human_STS_releases/july97/rhmap/genebridge4.html)。対象遺伝子の推定エキソン内に存在しかつヒトゲノムDNA由来の産物を増幅するがハムスターゲノムDNAを増幅しないプライマーを使用する。PCRの結果をデータベクトルに変換してインターネットのWhitehead/MIT Radiation Mappingサイトに送信する(http://www-seq.wi.mit.edu)。このデータは記録され、そして放射線ハイブリッドマップ上の既知のSequence Tag Site (STS)マーカーに対して染色体の帰属および位置が提供される。(次のウェブサイトからは、放射線ハイブリッドマッピングに関する更なる情報が得られる:http://www-genome.wi.mit.edu/ftp/distribution/human_STS_releases/july97/07-97.INTRO.html)
関連疾患の同定
先に述べたように、PCGEM1を染色体2の2q32領域にマッピングした。この領域は、真性糖尿病(インスリン依存性)やT細胞白血病/リンパ腫などの特異的疾患に関連付けられるが、これらの疾患に限定されるものではない。従って、当業者は、配列番号1、配列番号2、または配列番号8の核酸あるいはそれらの断片を用いて公知の方法により、染色体2への遺伝子マッピングに関連付けられる異常を解析することができる。これにより、このマーカーが転移または欠失する症状を識別することが可能である。更に、配列番号1、配列番号2、または配列番号8のヌクレオチドあるいはそれらの断片を位置マーカーとして用いることにより、位置不明の他の遺伝子をマッピングすることができる。
【0050】
このDNAは、前立腺癌を含めてPCGEM1量の欠損または不足により(直接的または間接的に)媒介される任意の障害の治療法を開発するのに使用することが可能である。天然ヌクレオチド配列に関する本明細書中の開示内容によれば、欠損遺伝子の検出および正常遺伝子によるその置換を行うことが可能である。本明細書に開示されている天然ヌクレオチド配列を、この遺伝子が欠損していると推定される個人に由来する遺伝子のヌクレオチド配列と比較することにより、in vitro診断アッセイにおいて欠損遺伝子を検出することが可能である。
【0051】
センス - アンチセンス
核酸の他の有用な断片としては、標的mRNA(センス)またはDNA(アンチセンス)配列に結合しうる一本鎖核酸配列(RNAまたはDNAのいずれか)を含有するアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。本発明によれば、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドには、DNA(配列番号1、配列番号2、または配列番号8)の断片が含まれる。そのような断片には、一般に、少なくとも約14個のヌクレオチド、好ましくは約14〜約30個のヌクレオチドが含まれる。所定のタンパク質をコードするcDNA配列に基づいて、アンチセンスまたはセンスヌクレオチドを誘導する可能性については、例えば、SteinおよびCohen (Cancer Res. 48:2659, 1988)およびvan der Krolら(BioTechique 6:958, 1988)により報告されている。
【0052】
アッセイ細胞におけるPCGEM1の生物学的活性および前立腺癌組織におけるPCGEM1の過剰発現から示唆されるように、PCGEM1レベルが高くなると前立腺癌細胞の増殖が促進される。従って、PCGEM1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることにより、PCGEM1の発現を低減させ、結果として癌細胞の増殖を抑制することが可能である。
【0053】
アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを標的核酸配列に結合させると、二本鎖が形成される。従って、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することにより、タンパク質の発現を阻害するかまたRNAの機能を抑制することが可能である。アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドには更に、修飾された糖-ホスホジエステルバックボーン(または国際公開WO91/06629に記載されているような他の糖結合)を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。そのような糖結合は、内因性ヌクレアーゼに対して抵抗性をもつ。抵抗性糖結合を有するそのようなオリゴヌクレオチドは、in vivoで安定であるが(すなわち、酵素的分解に抵抗することができるが)、標的ヌクレオチド配列に結合しうる配列特異性を保持している。
【0054】
センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例としては、国際公開WO90/10448に記載されているような有機部分およびポリ-(L-リシン)のように標的核酸配列に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増大させる他の部分に共有結合されているオリゴヌクレオチドが挙げられる。更にまた、エリプチシンのような挿入剤およびアルキル化剤または金属錯体を、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合させることも可能である。そのような修飾を行うことにより、標的核酸配列に対するアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改変することが可能である。
【0055】
アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、リポフェクション、CaPO4媒介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションなどの任意の遺伝子移入によるか、またはEpstein-Barrウイルスまたはアデノウイルスのような遺伝子移入ベクターによって、標的ヌクレオチド配列を含む細胞に導入できる。
【0056】
センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、国際公開WO91/04753に記載されているように、リガンド結合分子とのコンジュゲートを形成することによって、標的ヌクレオチド配列を含有する細胞に導入することも可能である。好適なリガンド結合分子としては、細胞表面受容体、増殖因子、他のサイトカイン、または細胞表面受容体に結合する他のリガンドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、リガンド結合分子のコンジュゲーションは、実質的に、リガンド結合分子がその対応する分子または受容体に結合する能力に悪影響を及ぼしたり、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲート体の細胞への進入を阻害したりすることはない。
【0057】
このほか、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開WO90/10448に記載されているように、オリゴヌクレオチド-脂質複合体を形成することによって、標的核酸配列を含有する細胞に導入することも可能である。センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド-脂質複合体は、好ましくは、内因性リパーゼにより細胞内で分離される。
【0058】
ポリペプチドおよびその断片
本発明にはまた、天然に存在するものまたは組換えDNA技術を含む手順のような種々の方法により産生されるものを含めて、様々な形態のポリペプチドおよびその断片が包含される。そのような形態としては、誘導体、変異体、およびオリゴマー、ならびに融合タンパク質、あるいはそれらの断片が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本発明のポリペプチドには、先に記載の核酸配列によりコードされる全長タンパク質が含まれる。本発明のポリペプチドは、膜結合性であってもよく、あるいは分泌性で、それ故に可溶性であってもよい。本発明にはまた、任意の好適な方法によって行われる本発明のポリペプチドおよび断片の発現、単離、および精製が包含される。
【0060】
以下の実施例により、本発明の好ましい態様について更に説明する。
【0061】
実施例 1: 前立腺癌におけるディファレンシャル遺伝子発現解析
ディファレンシャルディスプレイ法を用いて、本発明者らは、前立腺癌細胞において過剰発現される新規な遺伝子を同定した。ディファレンシャルディスプレイを用いると、参照により本明細書に組み入れるLiangら、Science, 257:967-71 (1992)に記載されているように、ポリメラーゼ連鎖反応によりそれぞれのメッセンジャーRNAを分離およびクローン化する方法が提供される。簡潔に述べると、この方法では、二つのグループのオリゴヌクレオチドプライマーが用いられる。一方のグループは、メッセンジャーRNAのポリアデニル酸テールを認識するよう設計する。他方のグループには、長さが短くかつ任意でありしかもポリアデニル酸テールからランダムに分布するメッセンジャーRNA中の位置にアニールするプライマーが含まれる。これらのプライマーを用いて増幅された産物は、それらのサイズに基づいて配列決定ゲル上で区別できる。異なる細胞集団を同じプライマーの群で増幅し、発現産物を比較して、差異を有して発現されるRNA配列を同定できる。
【0062】
Genomyx (Foster City, California)製のディファレンシャルディスプレイ(「DD」)キットを用いて、ディファレンシャル遺伝子発現を解析した。ディファレンシャルディスプレイ法のステップを図1にまとめる。上皮細胞をほぼ同じような割合で含有する組織学的に明瞭に定義された、対応する腫瘍前立腺組織切片および正常前立腺組織切片をそれぞれの前立腺癌患者から選択した。
【0063】
製造業者のプロトコルに従って、RNAzol B(Tel-Test, Inc., Friendswood, TX)を用いて、この細胞濃縮プールからゲノムDNAの含まれない全RNAを抽出した。サイトケラチン18発現(45)を用いて逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)アッセイにより、RNA源の上皮性を更に確認した。5’ M13またはT7配列を含有する任意プライマーおよびアンカープライマー(Biomedical Instrumentation Center, Uniformed Services University of the Health Sciences, Bethesdaから入手)を用いて、DNAの含まれない単離された全RNAをRT-PCRにより増幅した。このRT-PCRは、HieroglyphTM RNA Profile Kit 1 (Genomyx Corporation, CA)で提供されているプロトコルに従って、10種類のアンカーアンチセンスプライマーと4種類の任意センスプライマーとを用いて行った。RT-PCRアッセイにより産生されたcDNA断片は、高解像度ゲル電気泳動により分析した。この電気泳動は、GenomyxTM LR DNAシークエンサーおよびLR-OptimizedTM HR-1000TMゲル配合物(Genomyx Corporation, CA)を用いて行った。
【0064】
正常/腫瘍組織の部分的DDスクリーニングにより、示差的に発現される30個のcDNA断片が明らかにされた。このうちの53%は、腫瘍RNA試料において発現の低下または欠如を示し、47%は、腫瘍RNA試料において過剰発現を示した(図2)。これらのcDNAをDDゲルから切り出し、T7およびM13プライマーを用いてHieroglyphTM RNA Profile Kit 1 (Genomyx Corporation, CA)で推奨されているRT PCR条件で再増幅し、そして配列を決定した。T7およびM13配列決定プライマーをDDプライマーに組み入れたため、cDNAの迅速な配列決定および方向付けが可能であった(図1)。
【0065】
Centricon-c-100システム(Amicon, USA)により、再増幅されたすべてのcDNA断片を精製した。ABI 377 DNAシークエンサーを用いてサイクルシークエンシングおよびDNA配列決定を行うことにより、精製された断片の配列を決定した。単離された配列と既知の配列との配列相同性は、National Center for Biotechnology InformationおよびCancer Genome Anatomy Projectを含めて、公に利用可能なDNA配列データベースを利用して検索を行い解析した。これらのcDNA配列のうちの約2/3は、既に報告されているDNA配列/遺伝子、例えば、リボソームタンパク質、ミトコンドリアDNA配列、増殖因子受容体、および細胞におけるレドックス状態の保持に関与する遺伝子との相同性を示した。cDNAのうちの約1/3は、新規な配列であり、公に利用可能なデータベースから得られる配列との類似性を示さなかった。最初のディファレンシャルディスプレイスクリーニングから得られたPCGEM1断片は、530塩基対(配列番号1のヌクレオチド410〜940)のcDNA配列であり、最初の検索では、公に利用可能なデータベース中の配列との有意な相同性はまったく見られなかった。その後、高スループットゲノム配列(HTGS)データベースの検索を行ったところ、染色体2由来の特性決定されていない未完了ゲノム配列(受託番号AC 013401)との完全な相同性が判明した。
【0066】
実施例 2: 全長 PCGEM1 cDNA 配列の特性決定
λファージ中の正常前立腺cDNAライブラリー(Clontech, CA)を用いて、5’および3’ RACE/PCRにより、元の530bp DD産物(PCGEM1 cDNA配列番号1のヌクレオチド410〜940)からPCGEM1の全長を取得した。RACE/PCR産物を直接、配列決定に付した。LasergeneおよびMacVector DNA解析ソフトウェアを用いて、DNA配列を解析し、オープンリーディングフレーム領域を規定した。本発明者らはまた、元のDD産物を用いて正常前立腺cDNAライブラリーをスクリーニングした。3個のオーバーラップcDNAクローンが同定された。
【0067】
cDNAクローンの配列決定は、ABI-310シークエンスアナライザーおよび新しいdRhodamineサイクルシークエンシングキット(PE-Applied Biosystem, CA)を用いて行った。最長PCGEM1 cDNAクローン配列番号1(図8)は、3’末端に近接した潜在的ポリアデニル化部位ATTAAAおよびそれに続くポリ(A)テールを有する1643ヌクレオチドであることが判明した。先に述べたように、BLASTプログラムを用いて公に利用可能なDNAデータベース(例えば、National Center for Biotechnology Information)を最初にPCGEM1遺伝子を検索したときには相同性はまったく見られなかったが、その後でHTGSデータベースを検索したところ、染色体2由来の特性決定されていない未完了ゲノム配列(受託番号AC 013401)に対してPCGEM1(配列番号1のcDNAを用いた)が完全な相同性をもつことが実証された。cDNAクローンの1つである配列番号2(図9)には、278の位置に123bp挿入が含まれており、この挿入された配列は、Alu配列に対して大きな相同性(87%)を示した。恐らく、このクローンは、未熟転写産物であったものと思われる。RT-PCRから得られたいくつかのクローンの配列決定を行うことにより、2つの形態の転写産物の存在が更に確認された。
【0068】
配列決定解析を行ったところ、両方の鎖中には、有意な長いオープンリーディングフレームはまったく見られなかった。センス鎖中の最長ORFは、35アミノ酸ペプチドをコードする105ヌクレオチド(572〜679)であった。しかしながら、ATGは、関連性の強い開始領域中には存在しなかった。本発明者は非常に短いペプチドに対するコード能力を除外することはできかなったが、PCGEM1は非コードRNAとして機能する可能性があると考えられる。
【0069】
PCGEM1のいくつかのクローンの特性決定ならびに正常前立腺組織および前立腺癌細胞系から増幅されたPCGEM1 cDNAの解析を含めて、いくつかの手法によりPCGEM1 cDNAの配列を実証した。本発明者はまた、PCGEM1のゲノムクローンを取得した。これはPCGEM1 cDNA配列を確認するのに役立った。PCGEM1の完全ゲノムDNA配列(配列番号8)を図14に示す。図14(および添付の配列表)において、「Y」は、4種のヌクレオチド塩基シトシン、チミン、アデニン、またはグアニンのうちのいずれか1つを表す。cDNAとゲノム配列とを比較したところ、3つのエキソンに由来するPCGEM1転写産物ユニットの構成が判明した(図15: E: エキソン; B: BamHI; H: HindIII; X: XbaI; R: EcoRI)。
【0070】
実施例 3: PCGEM1 の位置のマッピング
蛍光in situハイブリダイゼーションおよびプローブとしてPCGEM1ゲノムDNAを用いて、本発明者は、染色体2q上でPCGEM1の位置を特異的領域2q32にマッピングした(図7A)。具体的には、Genome Systems(St. Louis, Mo)の顧客サービスを利用して、PCGEM1ゲノム配列を含有するBacterial Artificial Chromosome (BAC)クローンを単離した。スペクトラムオレンジ(Vysis)を直接的標識として用いてPCGEM1-Bacクローン1 DNAをニックトランスレーションし、そして正常ヒト男性中期染色体スプレッドに対してこのプローブを用いて蛍光in situハイブリダイゼーションを行った。対比染色を行い、そして反転4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)イメージのGバンド解析に基づいて染色体局在位置を決定した(図7B: DAPI対比染色された染色体2を左側に示し、Gバンドとして表される反転DAPI染色された染色体2を中央に示し、バンド2q32に対するシグナルの局在位置(棒線)を表す染色体2の表意文字を右側に示す)。NU200イメージ取得および位置決めソフトウェアを用いて、デジタルイメージを作製した。20を超える中期を解析した。
【0071】
実施例 4: 前立腺癌における PCGEM1 遺伝子発現の解析
PCGEM1断片の腫瘍特異的発現を更に特性決定するために、また一般に腫瘍で観察される遺伝子発現変化の個人差を除外するために、20名の前立腺癌患者の顕微解剖組織に由来する対応する腫瘍RNAおよび正常RNAの試験パネルを用いてPCGEM1断片の発現を評価した。
【0072】
PCGEM1 cDNA配列(配列番号1)を用いて、特異的PCRプライマー(センスプライマー1(配列番号5): 5’ TGCCTCAGCCTCCCAAGTAAC 3’およびアンチセンスプライマー2(配列番号6): 5’ GGCCAAAATAAAACCAAACAT 3’)をRT-PCRアッセイ用に設計した。ヘマトキシリンおよびエオシンで染色された切片(46)を調べることにより、根治的前立腺切除に由来するOCT化合物(Miles Inc. Elkhart, IN)で包埋された、前立腺癌患者に由来する新鮮な凍結された正常組織および腫瘍組織を、特性決定した。上皮細胞がほぼ同数である腫瘍および正常の前立腺組織領域を凍結切片から切り出した。DNAの含まれないRNAをこれらの組織から調製し、PCGEM1発現を検出すべくRT-PCR解析に使用した。RT-PCRキット(Perkin-Elmer, Foster, CA)を用いて100ナノグラムの全RNAをcDNAに逆転写させた。PCRは、Perkin-Elmer(Foster, CA)製のAmplitaq Goldを用いて行った。使用したPCRサイクルは、95℃で10分間を1サイクル、95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で30秒間を42サイクル、そして72℃で5分間を1サイクルであり、続いて、4℃で保存した。上皮細胞関連サイトケラチン18を内部対照として使用した。
【0073】
23名のCaP患者に由来する顕微解剖された対応する正常組織および腫瘍組織から得たRNAをRT-PCR解析したところ、13名(56%)の患者でPCGEM1の腫瘍関連過剰発現が起こることが判明した(図5)。23名中6名(26%)の患者は、正常組織または腫瘍組織から得たRNAのいずれにおいても検出しうるPCGEM1発現を示さなかった。23名中3名(13%)の患者の腫瘍検体は、腫瘍における発現の低下を示した。患者のうちの1名は、まったく変化を示さなかった。ハウスキーピング遺伝子の発現、すなわち、サイトケラチン-18(図3)およびグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)(図示せず)は、すべての患者の正常検体および腫瘍検体で一定に保持された(図3)。これらの結果は、PCGEM1特異的プライマーの他のセットにより更に確認された(センスプライマー3(配列番号7): 5’ TGGCAACAGGCAAGCAGAG 3’およびアンチセンスプライマー2(配列番号6): 5’ GGCCAAAATAAAACCAAACAT 3’)。16名中4名(25%)の患者は、正常組織または腫瘍組織から得たRNAのいずれにおいても検出しうるPCGEM1発現を示さなかった。16名中2名(12.5%)の患者の腫瘍検体は、腫瘍における発現の低下を示した。腫瘍組織におけるPCGEM1発現に関するこれらの結果は、異なる患者の腫瘍間で予想される個人差によって説明することが可能であった。最も重要なことは、解析対象の患者の45%が同じ個人の対応する正常前立腺組織と比較して腫瘍前立腺組織においてPCGEM1の過剰発現を示したことを明らかにすることよって、最初のDD観察の結果が確認されたことである。
【0074】
実施例 5: in situ ハイブリダイゼーション
本質的にWilkinsonおよびGreen(48)による記載のようにしてin situハイブリダイゼーションを必須で行った。簡潔に述べると、OCTに包埋され-80℃で保存された組織スライドを4% PFA(パラホルムアルデヒド)で固定し、プロテイナーゼKで消化させ、次に、再び4% PFAで固定した。PBSで洗浄した後、無水酢酸0.25%を含む0.1Mトリエタノールアミンで切片を処理し、PBSで再び洗浄し、段階的に濃度変化させた一連のエタノール液で脱水した。52℃において一晩かけて切片を35S標識リボプローブでハイブリダイズした。洗浄およびRNase A処理の後、切片を脱水し、NTB-2乳剤中に浸漬し、そして4℃で11日間暴露した。現像後、ヘマトキシリンでスライドを軽く染色し、顕微鏡に取り付けて観察した。いずれの切片についても、35Sシグナルを示す細胞のパーセントとしてPCGEM1発現のスコアを求めた:1+, 1〜25% ;2+, 25〜50%; 3+, 50〜75%; 4+, 75〜100%。
【0075】
in situハイブリダイゼーションを用いて、13名の患者に由来する対をなす正常(良性)検体および腫瘍検体を試験した。代表例を図17に示す。11名(84%)の患者では、腫瘍に関連してPCGEM1発現の増大が検出された。これらの11名の患者のうち5名については、PCGEM1の発現は、正常領域における本質的に検出できないレベルから腫瘍領域における1+まで増加した(尺度0〜4+)。11名中4名の患者に由来する腫瘍検体は、2+(図17Bに示されている実施例)〜4+のスコアであった。11名中2名の患者は、腫瘍領域において3+のスコアを有する病巣シグナルを示し、これらの患者のうち1名は、病理学的に良性であるとみなされる領域において類似の病巣シグナル(2+)を示した。13名の患者のうちの残りの2名については、試験した組織領域のいずれにおいても、検出しうるシグナルは存在しなかった。これらの結果から示唆されるように、PCGEM1発現は、腺上皮細胞に限定されているように思われる。(図17は、前立腺癌患者の対応する正常(A)切片および腫瘍(B)切片を対比させて、35S標識PCGEM1リボプローブのin situハイブリダイゼーションの例を示している。薄い灰色領域は、ヘマトキシリンで染色された細胞体であり、黒色の点は、PCGEM1発現シグナルを示している。シグナルは、正常(A)切片ではバックグラウンドレベルであり、腫瘍(B)切片では2+レベルである。倍率は40倍である。)
実施例 6: 前立腺腫瘍細胞系における PCGEM1 遺伝子発現
樹立前立腺癌細胞系においてもPCGEM1遺伝子発現を評価した:LNCaP、DU145、PC3(いずれもATCCから入手)、DuPro(Dr. David Paulson, Duke University, Durbam, NCから入手可能)、およびE6/E7−不死化原発性前立腺癌細胞系、CPDR1(47)。CPDR1は、ヒトパピローマウイルス16のE6およびE7遺伝子を発現するレトロウイルスベクターLXSN 16 E6 E7により不死化された原発性CaP由来細胞系である。LNCaPは、十分に研究されているアンドロゲン応答性前立腺癌細胞系であるが、DU145、PC3、DuPro、およびCPDR1は、アンドロゲン非依存性であり、アンドロゲン受容体の検出しうる発現は欠如している。先に記載のRT-PCRを利用することにより、LNCaPにおいてPCGEM1発現を容易に検出することが可能である(図4)。しかしながら、前立腺癌細胞系DU145、PC3、DuPro、およびCPDR1では、PCGEM1発現は検出されなかった。従って、PCGEM1は、アンドロゲン応答性細胞系では発現されるが、アンドロゲン非依存性細胞系では発現されない。これらの結果から示唆されるように、ホルモン、特に、アンドロゲンは、前立腺癌細胞においてPCGEM1発現を調節する上で重要な役割を果たしている可能性がある。更に、これらの結果から、ホルモン応答性腫瘍細胞と、より攻撃的なホルモン不応性腫瘍細胞とを識別するために、PCGEM1発現を使用しうることが示唆される。
【0076】
PCGEM1発現がアンドロゲンにより調節されているかを調べるために、本発明者は、アンドロゲンを用いておよび用いずに培養したLNCaP細胞(ATCC)においてPCGEM1発現を評価する実験を行った。(DUPONT, Boston, MA)から入手した合成アンドロゲンR1881で処理したLNCaP細胞に由来する全RNAを解析することによりPCGEM1発現を調べた。以下のように、RT-PCR解析(図5a)およびノーザンブロット解析(図5b)を行った。
【0077】
10%ウシ胎児血清(FBS, Life Technologies, Inc., Gaithersburg, MD)の補足されたRPMI 1640(Life Technologies, Inc., Gaithersburg, MD)中にLNCaP細胞を保持し、そして20〜35継代の細胞について実験を行った。NKX3.1遺伝子発現調節を調べるために、木炭/デキストラン処理したアンドロゲン非含有FBS(cFBS, Gemini Bio-Products, Inc., Calabasas, CA)を使用した。最初に、10% cFBSを含有するRPMI 1640中でLNCaP細胞を4日間培養し、次に、図5Aに示されているように、様々な濃度および様々な時間で非代謝性アンドロゲン類似体R1881(DUPONT, Boston, MA)を用いて刺激した。R1881を用いずに同じように処理したLNCaP細胞を対照として利用した。R1881を用いて/用いずに処理した細胞に由来するポリA+ RNAを示された時刻にRNAzol B(Tel-Test, Inc., TX)で抽出し、1%ホルムアルデヒド-アガロースゲルにかけて分画し、そしてナイロン膜に移した。配列番号4に示されている核酸分子をプローブとして用いてノーザンブロットを解析し、PCGEM1の発現を調べた。また、実施例4に記載されているように、R1881で処理したLNCaP細胞に由来するRNAおよび対照のLNCaP細胞に由来するRNAをRT-PCRアッセイにより解析した。
【0078】
図5aおよび5bに示されているように、PCGEM1発現はアンドロゲン処理に応じて増大した。この知見は更に、PCGEM1発現が前立腺癌細胞においてアンドロゲンにより調節されるという仮説を支持する。
【0079】
実施例 7: PCGEM1 発現の組織特異性
製造業者の説明書に従って多数の組織のノーザンブロット(Clontech, CA)を行うことにより、PCGEM1の前立腺組織特異的発現を実証した。23の異なるヒト組織(心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、脾臓、胸腺、前立腺、精巣、卵巣、小腸、結腸、末梢血、胃、甲状腺、脊髄、リンパ節、気管、副腎、および骨髄)のポリアデニレートRNAを530塩基対PCGEM1 cDNA断片(配列番号1のヌクレオチド410〜940)でプローブした。前立腺組織において、1.7キロベースmRNA転写産物がPCGEM1プローブにハイブリダイズした(図6a)。他のヒト組織のいずれにおいても、ハイブリダイゼーションは観察されなかった(図6a)。2つの独立した実験から同等な結果が得られることが判明した。
【0080】
製造業者の説明書に従ってRNAマスターブロット(Clontech, CA)により更なるノーザンブロット解析を行うことによって、PCGEM1遺伝子の前立腺組織特異性が確認される(図6b)。ノーザンブロット解析から、PCGEM1の前立腺組織特異性が周知の前立腺マーカーPSA(77量体オリゴプローブ)と同等であり、しかも2つの他の前立腺特異的遺伝子PSMA(PCR産物由来の234bp断片)およびNKX3.1(210bp cDNA)よりもはるかに良好であることは明らかである。例えば、PSMAは、脳(37)ならびに十二指腸粘膜および近位尿細管の一部分(38)で発現される。NKX3.1は成人前立腺では高レベルの発現を呈するが、精巣組織およびいくつかの他の組織ではより低レベルで発現される。
【0081】
実施例 8: PCGEM1 の生物学的機能
腫瘍関連PCGEM1過剰発現から、PCGEM1の増大した発現が腫瘍細胞増殖を助長する可能性があることが示唆された。多種多様な遺伝子に関連する細胞増殖促進機能を明らかにすべくNIH3T3細胞が広く使用されてきた(40-44)。pcDNA3.1/Hygro(+/-)(Invitrogen, CA)を利用することにより、PCGEM1発現ベクターをセンスおよびアンチセンス配向で構築し、NIH3T3細胞にトランスフェクトし、そして2〜3週間後、ハイグロマイシン耐性コロニーをカウントした。PCGEM1センス構築物でトランスフェクトされた細胞は、3回の独立した実験において、ベクター単独の場合の約2倍より多い数のコロニーを形成した(図10)。PCGEM1センス構築物でトランスフェクトされた細胞の方がコロニーのサイズは有意に大きかった。コロニー数に関して、アンチセンスPCGEM1構築物とベクター対照との識別しうる差異は観察されなかった。これらの有望な結果は、PCGEM1に関連する細胞増殖促進機能/細胞生存機能の証拠となる。
【0082】
しかしながら、PCGEM1の機能は、タンパク質発現によるものではないと思われる。この仮説を検証するために、本発明者は、TestCodeプログラム(GCG Wisconsin Package, Madison, WI)を使用した。このプログラムは、リーディングフレームとは無関係に3塩基ごとに構成の非ランダム性を調べることによって、200塩基よりも長い可能なタンパク質コード配列を同定するものである。PCGEM1 cDNA配列を解析したところ、95%を超える信頼レベルで、この配列にはタンパク質コード能力をもつ領域はまったく含まれていないことが判明した(図16A)。TestCodeプログラムを用いて種々の公開済み非コードRNA配列を解析すると類似の結果が得られ(データは示されていない)、一方、類似のサイズをもつ既知のタンパク質コード領域、すなわち、αアクチン(図16B)、を高い忠実度で検出することができる。(図16では、TestCodeプログラムを用いてリーディングフレームとは無関係にPCGEM1(A)およびヒトαアクチン(B)のコード能力の評価が行われている。塩基対の数をX軸に示し、TestCode値をY軸に示す。95%を超える信頼レベルで、上側の線(値9.5)よりも上にある200塩基対よりも長い領域は、コード領域であるとみなされ、一方、下側の線(値7.3)よりも下にある領域は、非コード領域であるとみなされる。)
更に、リーディングフレーム特異的手法によりタンパク質コード領域の位置決定を行うCodon Preferenceプログラム(GCG Wisconsin Package, Madison, WI)によって、PCGEM1遺伝子にはタンパク質コード能力が欠如していることが示唆された(www.cpdr.orgを参照されたい)。PCGEM1 cDNAのin vitro転写/翻訳では、検出しうるタンパク質/ペプチドは産生されなかった。本発明者は、PCGEM1が短い不安定なペプチドをコードする可能性をはっきりと除外することはできないが、現時点では、実験およびコンピュータによるアプローチから、PCGEM1 cDNAはタンパク質コード能力をもたないことが強く示唆される。(PCGEM1の役割に関する結論が推測的性格を帯びていることを認識しなければならない。また、いずれにしても限定的なものとみなすべきではない。)
PCGEM1の特性決定に関する最も興味深い態様は、タンパク質コード能力の明らかな欠如であった。本発明者は、PCGEM1が短い不安定なペプチドをコードする可能性を完全に除外することはなかったが、PCGEM1 cDNAおよびゲノムクローンの注意深い配列決定、PCGEM1配列のコンピュータ解析、ならびにin vitro転写/翻訳実験(データは示されていない)から、PCGEM1の非コード性が強く示唆される。機能および作用機序がはっきりしないままである新規なmRNA様非コードRNAのグループが発見されつつあることは、興味深い(49)。そのようなRNA分子は、発生、分化、DNA損傷、熱ショック応答、および腫瘍形成の点から、「RNAリボレギュレーター」と呼ばれている(40-42, 50)。腫瘍形成ににおけるその機能から、H19、His-1、およびBic遺伝子は、機能性非コードmRNAをコードする(50)。更に、最近報告された前立腺癌関連遺伝子DD3もまた、組織特異的非コードmRNAを呈すると思われる(51)。これに関連して、PCGEM1およびDD3が新しいクラスの前立腺特異的遺伝子でありうることを指摘することは重要である。タンパク質コード能力の欠如したmRNAとしてステロイド受容体コアクチベーターが最近発見されたことから、重大な生化学的機能におけるRNAリボレギュレーターの役割がさらに重要視されている(52)。本発明者の予備的結果から分かるように、コロニー形成アッセイにおいてNIH3T3細胞でのPCGEM1発現はコロニーサイズの著しい増大を引き起こした。また、PCGEM1 cDNAは細胞増殖機能および/または細胞生存機能を付与することが示唆される。前立腺癌細胞におけるPCGEM1発現の増大は、腫瘍細胞の増殖/生存を助長する機能の獲得を意味する可能性がある。本発明者によるPCGEM1遺伝子の最初の特性決定に基づいて、本発明者は、PCGEM1が、前立腺細胞の生態および前立腺の腫瘍形成において潜在的な機能を有する新規なクラスの前立腺組織特異的遺伝子に属すると考える。
【0083】
要約すると、外科的検体および迅速なディファレンシャル・ディスプレイ法を利用して、本発明者は、前立腺癌検体においてディファレンシャル発現プロフィルを呈する興味深い候補遺伝子を同定した。特に、本発明者は、公に入手可能なDNAデータベース中に一致するものがない新規なヌクレオチド配列PCGEM1を同定した(但し、先に述べたように、ハイスループットゲノム配列データベースにおいて示された相同性を除く)。ノーザンブロットにおいて、PCGEM1 cDNA断片を用いたところ、前立腺組織で選択的に発現される1.7kb mRNAが検出された。更に、この遺伝子は、合成アンドロゲンR1881によりアップレギュレートされることが判明した。このほか、顕微解剖された対応する腫瘍組織および正常組織を注意深く解析したところ、かなりの割合の前立腺癌検体においてPCGEM1の過剰発現が見いだされた。従って、本発明者は、前立腺癌の診断、予防、および治療に対して広い関連性を有する遺伝子を提供した。
【0084】
参照により本明細書に組み入れる本明細書中の引用文献の教示を考慮すると、本明細書に対する最も完全な理解が得られる。本明細書中の実施形態は、本発明の実施形態の具体例を示しているものであり、本発明の範囲を制限するものとみなすべきではない。多くの他の実施形態が本発明に包含されることは、当業者には容易に認識される。
【0085】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 前立腺腫瘍および正常組織内で示差的に発現された遺伝子の同定のための模式図である。
【図2】 前立腺癌患者の適合腫瘍および正常組織から取得したmRNAの示差的な表現パターンを示す図である。矢印は示差的に発現されたcDNAを示している。
【図3】 原発前立腺癌でのPCGEM1の発現の分析を示す図である。
【図4】 前立腺癌細胞系でのPCGEM1の発現パターンを示す図である。
【図5】 a.逆転写酵素PCRによって測定した、LNCaP細胞でのPCGEM1発現のアンドロゲンによる調節を示す図である。
b.ノーザンブロットハイブリダイゼーションによって測定した、LNCaP細胞でのPCGEM1発現のアンドロゲンによる調節を示す図である。
【図6】 a.PCGEM1の前立腺組織に特異的な発現パターンを示す図である。
b.PCGEM1の前立腺組織特異性を示すRNAマスターブロットを示す図である。
【図7】 A.in situハイブリダイゼーション分析での蛍光によるPCGEM1の染色体所在地を示す図である。
B.DAPI対比染色した2番染色体(左)、Gバンドで示される逆DAPI染色した2番染色体(中央)、およびバンド2q32へのシグナルの局在化を示す2番染色体のイデオグラム(棒状)、を示す図である。
【図8】 PCGEM1のcDNA配列(配列番号1)を示す図である。
【図9】 PCGEM1の別のcDNA配列(配列番号2)を示す図である。
【図10】 各種のPCGEM1構築物を発現するNIH3T3細胞系のコロニー形成を示す図である。
【図11】 PCGEM1のプロモーター領域のcDNA配列(配列番号3)を示す図である。
【図12】 配列番号4で示す、プローブのcDNAを示す図である。
【図13】 それぞれ配列番号5-7で示す、プライマー1-3のcDNAを示す図である。
【図14】 配列番号8で示す、PCGEM1のゲノムDNA配列を示す図である。
【図15】 PCGEM1転写単位の構造を示す図である。
【図16】 PCGEM1の推定コード収容力のグラフを示す図である。
【図17】 前立腺癌組織の正常および腫瘍部位でのPCGEM1発現を示す、in situハイブリダイゼーション結果の代表的な例を示す図である。
【配列表】
Claims (24)
- 以下のもの:
(a) 配列番号1若しくは配列番号2のポリヌクレオチド配列;
(b) 50%ホルムアミドおよび6X SSC、かつ洗浄条件が68℃、0.2X SSCおよび0.1% SDSである、高ストリンジェンシー条件下で、(a)の核酸配列を含む、変性した二本鎖DNAのいずれかの鎖にハイブリダイズする、単離された核酸分子であって、該核酸分子の発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、上記核酸分子;ならびに
(c) 配列番号1若しくは配列番号2に対して少なくとも90%の同一性を有する、単離された核酸分子であって、該核酸分子の発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、上記核酸分子
から選択される、単離された核酸分子。 - 請求項1に記載の核酸分子の発現を導く、組換えベクター。
- 請求項2に記載のベクターでトランスフェクトされるかまたは形質導入された宿主細胞。
- 細菌細胞、酵母細胞および動物細胞から選択される、請求項3に記載の宿主細胞。
- 配列番号1またはその相補配列の断片からなる単離された核酸分子であって、該断片が、配列番号4、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21および配列番号22から選択される、上記核酸分子。
- 患者の前立腺癌細胞を検出する方法であって、
(a) 患者からの生物学的サンプル中の配列番号1のポリヌクレオチド配列またはその一部分を含むPCGEM1 mRNAをin vitroで検出し;そして
(b) サンプル中のPCGEM1 mRNAの量を患者の前立腺癌細胞の存在と関係付ける;
ことを含む方法。 - ステップ(a)が、
(a) サンプルからRNAを単離し;
(b) 配列番号1の配列を含むPCGEM1 cDNA分子またはその断片を(a)のRNA単離物から増幅し;
(c) 増幅されたPCGEM1 cDNAを配列番号1にハイブリダイズする核酸プローブとともにインキュベートして安定的かつ選択的な二重鎖分子を形成させ;そして
(d) 増幅されたPCGEM1 cDNAおよび核酸プローブ間のハイブリダイゼーションを検出する、
ことを含む、請求項6に記載の方法。 - 配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21および配列番号22から選択される少なくとも2種のヌクレオチド配列とともにPCGEM1 cDNAを増幅する、請求項7に記載の方法。
- 少なくとも2種のヌクレオチド配列が配列番号15および配列番号22である、請求項8に記載の方法。
- 生物学的サンプルが血液、尿および前立腺組織から選択される、請求項6に記載の方法。
- 生物学的サンプルが血液である、請求項10に記載の方法。
- 細胞傷害性タンパク質をコードするヌクレオチド配列に機能し得る形で連結された、配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、ベクター。
- 前立腺癌細胞を選択的に死滅させるための組成物の製造における、請求項12に記載のベクターの使用であって、該組成物は、
(a) 細胞の選択的な死滅を可能にする十分な条件下で、該ベクターを前立腺癌細胞に導入する、
ことを含む方法のためのものである、上記使用。 - 細胞傷害性タンパク質が、リシン、アブリン、ジフテリアトキシン、p53、チミジンキナーゼ、腫瘍壊死因子、コレラトキシン、Pseudomonas aeruginosaエキソトキシンA、リボソーム不活性化タンパク質およびマイコトキシンから選択される、請求項13に記載の方法。
- アンドロゲン応答性細胞系を同定する方法であって、
(a) アンドロゲン応答性であると推定される細胞系を取得し;
(b) 細胞系をアンドロゲンとともにインキュベートし;そして
(c) 細胞系中の配列番号1のポリヌクレオチド配列またはその一部分を含むPCGEM1 mRNAを検出する、
ことを含み、その際未処理の細胞系と比較したPCGEM1 mRNAの増加がアンドロゲン応答性である細胞系と関係付けられるものである、上記方法。 - in vitroでホルモン除去療法に対する前立腺組織の応答性を測定する方法であって、
(a) ホルモン除去療法後の前立腺組織中の配列番号1のポリヌクレオチド配列またはその一部分を含むPCGEM1 mRNAを測定する、
ことを含み、その際非処置細胞系と比較したPCGEM1 mRNAの減少がホルモン除去療法に応答した前立腺組織と関係付けられるものである、上記方法。 - 配列番号1のうち少なくとも20個の連続するヌクレオチドを含む、配列番号1の断片からなる単離された核酸。
- 配列番号1のうち少なくとも30個の連続した核酸を含む、請求項17に記載の単離された核酸。
- 配列番号1のうち少なくとも60個の連続した核酸を含む、請求項18に記載の単離された核酸。
- 配列番号1に対して少なくとも90%同一であり、かつその発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号1に対して少なくとも95%同一であり、かつその発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号1に対して少なくとも99%同一であり、かつその発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号1に対して少なくとも99.9%同一であり、かつその発現が細胞増殖機能または細胞生存機能を付与する、請求項1に記載の核酸分子。
- 配列番号3のポリヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
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