JP4941205B2 - 有限要素解析装置 - Google Patents

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本発明は有限要素解析装置に係り、特に重合メッシュ法を用いる有限要素解析装置に関する。
連続な解析対象を小さな有限要素と呼ばれる有限の大きさの領域の集まりとして扱い、コンピュータを用いて解析対象の現象を解析することが行われる。このような解析方法は有限要素解析法、あるいは単に有限要素法と呼ばれ、構造解析と総称されている固体の変形や応力、振動問題の解析のみならず、熱や流れの解析、電磁気の解析、化学反応を伴った現象の解析等について、広く一般的な数値解析法として用いられる。
特に、構造解析に用いられる有限要素解析法は、線形問題の解析から発展して、非線形固体問題の解析も行われるようになってきている。ここで非線形固体問題とは、線形理論が用いられない問題のことで、大別して3つの領域があるといわれている。1つは、材料特性が線形でないことから生じる材料非線形問題で、代表的には弾塑性問題である。2つ目は、ひずみ−応力関係が線形関係から外れることから生じる幾何学的非線形問題で、代表的には、回転を伴う大変形問題である。第3は、変形やひずみが微小であっても境界条件によって生じる非線形問題で、代表的には接触問題である。これらの非線形固体問題についても、計算規模が大きくなることがあるが、有限要素解析法が適用されてきている。
例えば、特許文献1には、接触2部材の接触解析方法として、ゴム、スポンジ、布等が積層構造をなす材料で構成される印刷用ブランケットと、ブランケットロールとの間の接触回転時の力学的挙動の解析について述べられている。ここでは、強制変位型と呼ばれる有限要素法を用いる手法と、荷重型と呼ばれる有限要素法を用いる手法とを組み合わせて、解析を行うことが開示されている。
有限要素解析法は、解析対象を有限の大きさのメッシュと呼ばれる微小領域に分割し、コンピュータを用いてそれぞれのメッシュについて変形等の解析を進めるものであるので、メッシュ数が増加すると、計算時間等が増大する。したがって、精密な解析をめざしてメッシュを細かくすると、全体としてのメッシュ数が増加し、計算時間が長くなる。
ところで、多くの工学的応用の場面では、興味のある現象は解析対象全体の領域に比べ、ずっと狭い領域で生じることが多い。したがって、全体モデルを比較的粗いメッシュで解析しておおよその挙動を知りつつ、興味ある現象を詳細に調べたい領域は詳細に切ったメッシュで解析することが考えられる。このような方法は、粗いメッシュによるグローバル解析と、細かいメッシュによるローカル解析とを組み合わせたもので、グローバル・ローカル解析、あるいはマルチスケール解析と呼ばれる。この代表的な方法として知られるズーミング解析は、グローバル解析の結果をローカル解析に境界条件として与えるものである。
ズーミング解析においては、グローバル解析の結果をローカル解析に境界条件として与えるので、境界条件の与え方が重要となり、また、両モデルの境界・節点を相互に一致させる必要がある。
これに対し、近年、重合メッシュ法と呼ばれるマルチスケール解析方法が提案され、検討が進められている。重合メッシュ法とは、グローバルモデルとローカルモデルについてそれぞれ独立にメッシュを生成し、それらを重ね合わせて同時に解析する手法で、変位を両モデルのそれぞれの変位の和として定義していることが大きな特徴である。換言すれば、重合メッシュ法とは、グローバルモデルである全体領域内と、ローカルモデルである部分領域内とにそれぞれ独立の変位場を定義し、さらに、部分領域内における実際の変位を両領域の変位の和として定義するものである。
非特許文献1には、船体構造について、重合メッシュ法を用いて解析を行った結果が報告されている。
特開平9−81595号公報 鈴木克幸他,「重合メッシュ法による船体構造のマルチスケール解析」,日本計算工学講演会論文集,Vol.1,1999,p155−160
このように、マルチスケール解析の中で重合メッシュ法を用いて有限要素解析を行うことで、興味ある現象を詳細に解析しながら、メッシュ数の増加を抑制し、計算時間を短縮することが期待される。
ところで、重合メッシュ法は、発展途上にあり、非線形固体問題については十分な解析が行われていない。したがって、現在では、非線形固体問題については、従来の有限要素解析法に基づき、メッシュを細かくして多大の計算時間を要して解析しているのが実情である。
本発明の目的は、非線形固体問題を有する解析対象について重合メッシュ法を適用可能とする有限要素解析装置を提供することである。
本発明に係る有限要素解析装置は、解析対象領域の全体である全体領域にグローバルメッシュを設定する手段と、解析対象領域の部分領域にローカルメッシュを設定する手段と、全体領域内と部分領域内とにそれぞれ独立の変位場を定義し、さらに、部分領域内における実際の変位を両領域の変位の和として定義する重合メッシュ法の条件の下で、非線形固体問題を有している解析対象について、剛性マトリクスと節点変位ベクトルと荷重力ベクトルとの関係を記述する離散化釣合方程式を生成する重合メッシュ法離散化手段と、を備え、解析対象が2つの面の接触問題をバネモデルで表現するバネ接合モデルであって、重合メッシュ法離散化手段は、バネ接合部分に沿った線積分の項であるバネ接合追加項を加えて仮想仕事の原理式を生成する手段と、重合メッシュ法の条件の下で、バネ接合追加項について離散化を行い、剛性マトリクスについてバネ接合追加項に関する追加成分を生成して離散化釣合方程式を生成する手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る有限要素解析装置において、解析対象が回転を伴う大変形を有する物体であって、重合メッシュ法離散化手段は、トータルラグランジュ法を用い、第2ピオラ・キルヒホフ応力とグリーン・ラグランジュひずみについての支配方程式を生成し、初期変位に関する項と初期応力に関する項を含む接線剛性の式を生成する手段と、重合メッシュ法の条件の下で、接線剛性の式について、初期変位に関する項と初期応力に関する項とをそれぞれ離散化して、離散化された接線剛性マトリクスを生成し、生成された接線剛性マトリクスを用いて離散化された釣合方程式を生成する手段と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る有限要素解析装置において、重合メッシュ法離散化手段は、解析対象が非線形固体問題を有することで生じる解析誤差を収束させるために反復計算を行う手段を有することが好ましい。
上記構成により、有限要素解析装置は、重合メッシュ法の条件の下で、非線形固体問題を有している解析対象について、剛性マトリクスと節点変位ベクトルと荷重力ベクトルとの関係を記述する離散化釣合方程式を生成する。これによって、非線形固体問題を有している解析対象について有限要素解析法を適用できる離散化を行うことができ、この離散化釣合方程式を用いて有限要素解析を進めることで、計算時間を短縮しつつ、興味ある現象を詳細に解析できる。
そして、有限要素解析装置において、非線形固体問題として、オネジとメネジとの接触問題のように2つの面の接触問題をバネモデルで表現するバネ接合モデルを解析対象とする場合は、バネ接合部分に沿った線積分の項であるバネ接合追加項を加えて仮想仕事の原理式を生成し、重合メッシュ法の条件の下で、バネ接合追加項について離散化を行い、剛性マトリクスについてバネ接合追加項に関する追加成分を生成して離散化釣合方程式を生成する。したがって、剛性マトリクスの部分にバネ接合に関する項を追加することで、有限要素解析を実行することができる。
また、有限要素解析装置において、非線形固体問題として、回転を伴う大変形を有する物体が解析対象である場合は、トータルラグランジュ法を用い、第2ピオラ・キルヒホフ応力とグリーン・ラグランジュひずみについての支配方程式を生成し、初期変位に関する項と初期応力に関する項を含む接線剛性の式を生成して、重合メッシュ法の条件の下で、接線剛性の式について、初期変位に関する項と初期応力に関する項とをそれぞれ離散化して、離散化された接線剛性マトリクスを生成し、生成された接線剛性マトリクスを用いて離散化された釣合方程式を生成する。これによって、重合メッシュ法を用いて大変形問題の有限要素解析を実行できる。
また、有限要素解析装置において、解析対象が非線形固体問題を有することで生じる解析誤差を収束させるために反復計算を行う。したがって、解析誤差を抑制して、非線形固体問題に対する有限要素解析を行うことができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下に示す解析例におけるメッシュの設定の仕方は説明のための一例であり、重合メッシュ法の条件の下であれば、解析目的に応じて適宜設定を変更できる。また、以下で述べる単位系は、力としてN(ニュートン)、長さとしてmmをとり、適当な値を規格値として、その規格値に対する相対値を示してある。したがって、単位を示していないときは、その規格値に対する相対値を示すものである。
以下では、最初に、重合メッシュ法を用いる有限要素解析装置の構成とともに、重合メッシュ法による解析手法について述べる。その後に、非線形固体問題のいくつかの例について、重合メッシュ法を適用する場合の解析手法およびその適用結果を述べる。
[参考実施例1]
図1は、重合メッシュ法を用いる有限要素解析装置10の構成を示す図である。この有限要素解析装置10は、CPU12と、キーボード等の入力部14、ディスプレイまたはプリンタ等の出力部16、解析結果およびプログラム等を格納する記憶部18を含んで構成される。これらの各要素は、相互に内部バスによって接続される。かかる有限要素解析装置10は、数値解析に適した計算用コンピュータ等で構成することができる。
CPU12は、解析対象領域の全体である全体領域に比較的粗いメッシュであるグローバルメッシュを設定するグローバルメッシュ設定部20と、解析対象領域の部分領域に十分な細かさを有するメッシュであるローカルメッシュを設定するローカルメッシュ設定部22と、重合メッシュ法の条件の下で、非線形固体問題を有している解析対象について、剛性マトリクスと節点変位ベクトルと荷重力ベクトルとの関係を記述する離散化釣合方程式を生成する重合メッシュ法離散化部24とを含んで構成される。これらの機能は、ソフトウェアで実現でき、対応する有限要素解析プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
ここで、重合メッシュ法の条件とは、次のようなものである。すなわちグローバルメッシュを設定した全体領域内と、ローカルメッシュを設定した部分領域内とにそれぞれ独立の変位場を定義し、さらに、グローバルメッシュとローカルメッシュとが重なり合って設定されている部分領域内における実際の変位を、両領域の変位の和として定義するものである。このように、部分領域内における実際の変位を、両領域の変位の和であると定義して解析を進めるところに、重合メッシュ法の特徴がある。
CPU12の重合メッシュ法離散化部24は、解析対象の非線形固体問題の種類に応じて、それぞれの離散化手法を用いる。図1においては、非線形固体問題について、5つの離散化手法が適用できることが示されている。1つ目は、オネジとメネジとの接触問題をバネモデルで表現するバネ接合モデルについての離散化手法で、バネ接合モデル処理モジュール26によって実行される。2つ目は、解析対象が初期ひずみを有している場合の離散化手法で、初期ひずみ処理モジュール28によって実行される。3つ目は、物体に接触する弾性体における接触問題についての離散化手法で、接触問題処理モジュール30によって実行される。4つ目は、弾性体に塑性領域が発生する弾塑性問題についての離散化手法で、弾塑性処理モジュール32によって実行される。5つ目は、回転を伴う大変形問題についての離散化手法で、大変形処理モジュール34によって実行される。これらの詳細については、それぞれの実施例または参考実施例のところで説明する。
次に、非線形問題を適用する場合の基礎となる線形重合メッシュ法の内容、特に、線形重合メッシュ法の基礎方程式の導入について説明する。ここでは、重合メッシュ法における各物理量に対する過程から、離散化された釣り合い方程式を導くまでの過程を示す。
図2は、グローバルメッシュにローカルメッシュを重ねる概念図である。ここに示されるように、全体領域にグローバルメッシュが設定され、全体領域の部分領域にローカルメッシュが設定される。このように、解析対象は、全体の傾向を速く把握できるグローバルメッシュが設定される全体領域についてのグローバルモデルと、興味のある現象を詳細に解析するためにローカルメッシュが設定される部分領域についてのローカルモデルとが重ね合わされたものとなっている。
図2に示されるように、解析対象について、3次元の全体領域Ωを考える。この全体領域Ω内に変位場としてuGが定義されているものとする。また、全体領域Ωの部分領域としてΩLを定義する。すなわち、
Figure 0004941205
である。
全体領域Ωの境界をΓとする。このΓは、幾何学的境界条件の課される境界Γuと、力学的境界条件の課される境界Γtとの和集合となっている。また、図2では、全体領域Ωと部分領域ΩLとの境界をΓGLとして示してある。
Figure 0004941205
以下では、各変数の右上添字のG,Lはそれぞれ全体領域Ω、部分領域ΩLに関する量であることを意味するものとする。全体領域Ω、部分領域ΩLでは、それぞれ独立の変位場としてuG,uLが定義されており、部分領域ΩL内では、実際の変位は両モデルの変位の和、すなわち、全体領域Ωの変位と部分領域ΩLの変位の和で定義されるものとする。すなわち、
Figure 0004941205
である。また、境界ΓGL上で変位のC0連続性を保証するため、次のような条件を課す。
Figure 0004941205
(1.6)式を偏微分すると、ひずみも両モデルのひずみの和で表される。すなわち、
Figure 0004941205
である。全体領域Ω、部分領域ΩLをそれぞれ有限要素に分解すると、変位場・ひずみ場は適当な形状関数を用いて離散化され、
Figure 0004941205
と表される。ここで、NG,NLはC0連続な形状関数であり、dG,dLは節点変位、BG,BLは変位・ひずみマトリクスである。なお、ここでの離散化については、それぞれが完全に独立に行われるものとする。すなわち、一般に両メッシュの節点、境界が一致する必要はない。
以上の仮定を仮想仕事の原理に代入して離散化された釣り合い方程式を導く。線形弾性体を仮定すると、仮想仕事の原理式は次式で表される。
Figure 0004941205
ここで、bにハットバーが付けられたもの、tにハットバーがつけられたものは、それぞれ規定された体積力、表面力である。また、
Figure 0004941205
は、次式を満たすような変位場、仮想変位場である。
Figure 0004941205
ところで、仮想変位・仮想ひずみは規定された幾何学的境界条件を乱さないような任意の量であるが、これらもグローバルモデルとローカルモデルの重ね合わせで定義される。ここでは、グローバルモデルの変位uGに対応するところの仮想量であるδuGおよびδεGと、ローカルモデルの変位uLに対応するところの仮想量であるδuLおよびδεLとの2種類があり、これらが混在することに注意を要する。
(1.5)式、(1.7)式、および(1.8)式から(1.11)式を、それぞれ(1.12)式に代入して展開すると、
Figure 0004941205
となる。これに(1.8)式から(1.11)式を代入し、仮想変位δuG,δuLの任意性からそれらの係数を整理すると、以下の離散化された釣り合い方程式が導かれる。
Figure 0004941205
ここで、
Figure 0004941205
である。ただし、Dは、物体の応力・ひずみ関係マトリクスである。
ここで、KG,KL、fG,fLは、それぞれグローバルメッシュ上、ローカルメッシュ上で定義される通常の剛性マトリクス、荷重ベクトルであることに注意する。すなわち、これらの計算に際しては、そのモデル(メッシュ)だけの情報で作成され、互いの情報は必要ない。この特徴により、モデリングの柔軟性が大きく向上することになる。
これに対しKGLは、両メッシュの連成効果を表すマトリクスであり、これらの計算には、当然、両メッシュの有限要素情報が必要となる。(1.18)式を変形すると、
Figure 0004941205
となる。これは、グローバルモデルとローカルモデルとの間に相互作用が働き、それが互いのモデルに対する荷重ベクトルとして機能していることを示している。そして、このマトリクスが、重合メッシュ法の特徴を表す部分である。このマトリクスは計算機を用いて、ローカルメッシュの要素単位について数値積分を実行することで計算することができる。この際に、ローカルメッシュの要素とグローバルメッシュの要素とが重なる領域があるので、積分点数を増やして、例えば、4×4の積分点数を用いて数値積分を実行することが好ましい。
[実施例1]
非線形固体問題について重合メッシュ法を用いて解析するには、その非線形固体問題に適合する離散化釣り合い方程式を生成する必要がある。ここでは、ボルト解析に必要なバネ接合モデルを重合メッシュ法に取り入れる方法について述べる。
この方法は、図1のCPU12の重合メッシュ法離散化部24において、バネ接合モデル処理モジュール26の機能により実行される。詳細には、以下に述べるように、バネ接合部分に沿った線積分の項であるバネ接合追加項を加えて仮想仕事の原理式を生成する処理手順と、重合メッシュ法の条件の下で、バネ接合追加項について離散化を行い、剛性マトリクスについてバネ接合追加項に関する追加成分を生成して離散化釣合方程式を生成する処理手順とを実行することで、ボルト解析に必要なバネ接合モデルを重合メッシュ法に取り入れることができる。
ここで、ボルトとプレートとは、図3に示されるように、本来接触している。そこで、ネジ山を再現した上で、接触問題としてモデル全体を解析すると、モデルの自由度が大きくなるため、計算時間が非常に長くなる。そこで、ネジ部の形状は正確にモデリングするが、数値計算状の大きな障害となるネジ山部分の接触をバネ接合モデルに置き換える。ここで、バネ接合モデルとは、ネジ山の幾何形状を正確にモデル化し、オネジとメネジとの接触をバネモデルに置き換えたものである。
バネモデルが3次元モデルの場合、対応節点を3つのバネで結ぶ必要がある。ボルトの軸直角断面と圧力側フランクにおいて定義するバネ定数を図4に示す。ここで、knは、ネジ山の圧力側フランク面に直角な方向のバネ定数で、対応ネジ面の離隔がないと仮定すると、knを無限大と置くことができる。krは、軸断面で圧力側フランク面に沿った半径方向のバネ定数で、半径方向すべり量δrを用いて評価する。図4には示していないが、kθは、軸直角断面でフランク面の円周方向バネ定数である。円周方向のバネ定数kθも円周方向すべり量δθを用いて同様に評価できる。
次に、バネ接合モデルを重合メッシュ法に適用した場合の定式化について述べる。まず、通常の有限要素解析法(FEM)について述べる。いま、簡単に説明するため、図5のような2次元モデルのx軸方向に水平な面A、面Bがバネ接合する場合を考える。このとき、仮想仕事の原理式の左辺には、次式で表されるバネ接合部分に沿った線積分の項が追加される。なお、kは軸方向のバネ定数である。
Figure 0004941205
(2.1)式について形状関数を用いて離散化すると次式が得られる。
Figure 0004941205
つまり、剛性マトリクスに以下の項を追加すればよい。
Figure 0004941205
なお、せん断方向のバネ定数についても、これと同様に定義することができる。
次に、重合メッシュ法について述べる。重合メッシュ法では、(2.1)式は、次式で表される。
Figure 0004941205
ここで、(2.2)式を求める場合と同様に、(2.4)式について形状関数を用いて離散化すると、次式で表されるマトリクスが得られる。
Figure 0004941205
つまり、剛性マトリクスに(2.5)式の項を追加することで、離散化された釣り合い方程式を得ることができる。
[参考実施例2]
次に、非線形固体問題として、ボルトがプレートに締め付けられていて、初期ひずみを有している場合において、重合メッシュ法を取り入れる方法について述べる。
この方法は、図1のCPU12の重合メッシュ法離散化部24において、初期ひずみ処理モジュール28の機能により実行される。詳細には、以下に述べるように、初期ひずみ成分を含むひずみと応力の関係式を用いて仮想仕事の原理式を生成する処理手順と、重合メッシュ法の条件の下で、離散化を行い、荷重力ベクトルについて初期ひずみに対応する外力追加項に関する追加成分を生成する処理手順とを実行することで、初期ひずみを有する締結部材について重合メッシュ法を適用することができる。
図6に示されるように、ボルトはプレートに締め付けられているので、初期状態のひずみが発生している。これを初期ひずみと呼ぶことにする。そのため、初期ひずみをε0とすると、図6でε0として示された領域には初期ひずみε0が存在し、そこでは、ひずみεと応力σとの関係は、構成式Dを用いて、次式で表される。
Figure 0004941205
次に、初期ひずみを重合メッシュ法に適用した場合の定式化について述べる。まず通常のFEMについて述べる。上記のように、線形弾性体の仮想仕事の原理式は次式で表される。
Figure 0004941205
(3.1)式を(3.2)式に代入すると、次式が得られる。
Figure 0004941205
(3.3)式について形状関数を用いて離散化すると次式が得られる。
Figure 0004941205
ここで、仮想変位δdの任意性から、次式の離散化された釣り合い方程式が得られる。
Figure 0004941205
ここで、K,fは次式で表される。
Figure 0004941205
次に、重合メッシュ法の適用について述べる。上記のように、線形の重合メッシュ法では、ローカルメッシュが設定される部分領域における変位とひずみは、次式のように、グローバルモデルのものとローカルモデルのものとの和で表される。
Figure 0004941205
(3.8),(3.9)式を(3.3)式に代入すると、次式が得られる。
Figure 0004941205
ここで、グローバルモデル、ローカルモデルのそれぞれを離散化する。すると、(3.10)式の左辺は、線形の重合メッシュ法と同様に次式で表される。
Figure 0004941205
(3.10)式の右辺の第1項、第2項についても線形の重合メッシュ法と同様に次式で表される。
Figure 0004941205
初期ひずみによって発生する(3.10)式の右辺の第3項も、同様に離散化すると次式で示される。
Figure 0004941205
仮想変位δuG,δuLの任意性から係数を整理すると、以下の離散化された釣り合い方程式が導かれる。
Figure 0004941205
つまり、初期ひずみの項については、グローバルモデルの荷重ベクトル、ローカルモデルの荷重ベクトルに、それぞれ外力を追加項として加えることで、重合メッシュ法が適用できる。
次に、具体的な数値解析例について説明する。ボルトとプレートとについて、実際のCAD(Computer Aided Design)のデータをもとに、ボルトモデルの断面モデルを作成した。図7はその模式図、図8は実際のモデルから作成した解析用のモデルを示す図である。
ここで、解析用のモデルは次のように設定した。すなわち、図8において、A−Bの部分は完全に固定とし、Cの部分には、既に説明したバネ接合モデルのバネ要素を用い、Dの部分には、等分布荷重0.705MPaを作用させ、ボルトのEの部分に初期ひずみを与えた。材料は、ボルトがスチール、プレート1,2はいずれもアルミニウムであり、材料定数は図8の中に示されている。
図9に、グローバルメッシュと、ローカルメッシュとを示す。ローカルメッシュは、初期ひずみを与えた部分領域に設定され、図9では、拡大されて示されている。グローバルメッシュは442節点、ローカルメッシュは720節点である。
初期ひずみを与え、外力を与えない場合の変位と、平面応力であるvon−Mises応力についての解析結果を図10、図11に示す。図10は、グローバルメッシュの解析結果で、図11は、ローカルメッシュの解析結果である。ここで、ローカルメッシュの解析結果とは、ローカルメッシュの単独の解析を示すのではなく、グローバルメッシュとローカルメッシュとを重ね合わせた全体の変位等についての解析結果のことである。
ここで、初期ひずみは図9の紙面で水平方向に、ε0=1.0×10-3を与えた。対応するvon−Mises応力は、規格化された値で換算して198である。バネ定数は軸方向と、せん断方向とについて、それぞれ、規格化された値で換算してk=1.0×106である。
von−Mises応力の大きさは、メッシュにおける斜線の密度で相対的に示した。斜線の密度が密になるほど、そのメッシュにおけるvon−Mises応力は大きい。なお、斜線を付してない部分は、von−Mises応力がゼロではなく、図示された斜線が示すvon−Mises応力の大きさよりも小さい値であることを示している。換言すれば、図10、図11においては、von−Mises応力の大きさを、斜線のないものを含め、4段階表示としたものである。なお、この表示法は以後の解析結果の場合も同様で、斜線のないものを含め、斜線の密度で、数段階の応力の変化を示すようにした。
図12、図13は、初期ひずみ、外力を共に与える場合の変位と、von−Mises応力についての解析結果を示す図である。図12は、グローバルメッシュの解析結果で、図13は、ローカルメッシュの解析結果である。初期ひずみ、バネ定数の条件は、図10、図11の場合と同じである。
図10、図11の結果から、解析には、初期ひずみの効果が正しく反映されていることが分かる。また、図13の結果より、ボルトのネジ山とプレートとが噛み合っている部分と噛み合っていない部分との境界に応力が集中していることが分かる。
[参考実施例3]
構造物の解析において変形する物体と剛体、あるいは変形する物体間の接触を考慮しなくてはならない問題は、上記のボルトとプレートの例以外にも、軸受、車輪と路面との関係等、実用上多くある。そこで、次に、非線形固体問題として、弾性体が物体に接触する接触問題において、重合メッシュ法を取り入れる方法について述べる。
この方法は、図1のCPU12の重合メッシュ法離散化部24において、接触問題処理モジュール30の機能により実行される。詳細には、以下に述べるように、ペナルティ定数を用いた変位の拘束項を加えて接触問題の支配方程式を生成する処理手順と、重合メッシュ法の条件の下で、変位の拘束項について離散化を行い、剛性マトリクスと節点力とについてペナルティ定数に関する追加成分を生成して離散化釣合方程式を生成する処理手順とを実行することで、接触問題について重合メッシュ法を適用することができる。
以下に、接触問題の重合メッシュ法による有限要素定式化について述べる。この定式化では、展開の煩雑さを避けるために、力学的場は微小変形の線形弾性体問題に限定する。しかし、ここで接触解析に対して導かれた結果は、弾塑性問題や大変形問題に対して応用できる、また、以下の接触解析においては、摩擦を考慮していない。
接触問題では、接触部分の変位を拘束するための方法として、ラグランジュ未定乗数法、ペナルティ法等が知られている。以下では、実装が容易なペナルティ法について説明する。
ここでは、図14に示されるように、弾性体が剛体に接触する場合を取り上げる。接触領域をΓC、壁と物体の距離をハットバーのついたuで示す。まず、通常のFEMの場合の接触問題について説明する。ペナルティ法を適用した場合、ラグランジュ未定係数は次式となる。
Figure 0004941205
このとき、弱形式は、次式となる。
Figure 0004941205
ここで、ペナルティ法による変位の拘束項である左辺の第2項について、形状関数N、節点変位dを用いて離散化する。
Figure 0004941205
(4.3)式を(4.2)式に代入し、他の項についても変位・ひずみマトリクスBを用いて離散化すると次式が得られる。
Figure 0004941205
したがって、次式が得られる。
Figure 0004941205
(4.5),(4.6)式を(4.4)式に代入すると次式が得られる。
Figure 0004941205
次に、重合メッシュ法について説明する。ここでは、図14のような接触領域がローカルモデルである部分領域に含まれる場合について述べる。上記のように、重合メッシュ法では、ローカルモデルの部分領域ΩL内での変位を、グローバルモデル、ローカルモデルのそれぞれの変位の和として定義する。すなわち、
Figure 0004941205
である。また、グローバルモデルの全体領域と、ローカルモデルの部分領域との境界ΓGLでの変位の連続性を保証するため、次の条件式を課す。
Figure 0004941205
また、(4.8)式の両辺を偏微分すると、次式のように、ひずみも両モデルのひずみの和で表される。
Figure 0004941205
(4.8),(4.10)式を(4.2)式に代入すると、次式を得る。
Figure 0004941205
グローバルモデル、ローカルモデルのそれぞれについて、
Figure 0004941205
の関係を用いて離散化する。このとき、(4.11)式の左辺の第1項は、通常の重合メッシュ法と同様、次式で表される。
Figure 0004941205
(4.11)式の右辺についても通常の重合メッシュ法と同様に次式で表される。
Figure 0004941205
(4.11)式の左辺の第2項は、次式のように離散化される。
Figure 0004941205
(4.12),(4.13),(4.14)式を(4.11)式に代入し、仮想変位δuG,δuLの任意性から係数を整理すると、以下の離散化された釣り合い方程式が導かれる。
Figure 0004941205
通常の線形の重合メッシュ法と比較すると、各項にペナルティ法による変位の拘束項が付与されていることが分かる。これらの項は、剛体と接触している要素にのみ現れることに注意する。つまり、非線形に基づく解析誤差を収束するために、例えば、ニュートン・ラプソン(Newton−Raphson)法による反復計算が必要となる。また、KGLについては、NGとNLが混在しているので、上記で述べたように、数値積分において積分定数を増やすことが望ましい。
次に、接触解析と線形の重合メッシュ法との相違の1つであるニュートン・ラプソン法による反復計算について説明する。反復計算においては、最初に剛性マトリクスを作成するために接触要素の判定を行う。これは、各要素が、剛体に接触しているか、いないかを判定することで行われる。ここでは、グローバルモデルとローカルモデルとについて足し合わせた変位を用いる。重合メッシュ法では、足し合わせた変位を真の変位と定義しているからである。そして、剛性マトリクスK、外力fを作成し、残差を次式により計算する。
Figure 0004941205
ここで、iは、ニュートン・ラプソン法による反復計算のステップ数を表している。また、Uiは、次式で定義される。
Figure 0004941205
続いて、次式により連立方程式の計算をする。
Figure 0004941205
次に、次式により変位を更新する。このときには、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位との足し合わせをしないことに注意する。
Figure 0004941205
そして、残差のノルムが十分に小さくなったかどうかで、次式により収束の判定を行う。
Figure 0004941205
図15は、上記の手順をまとめたものである。
次に、数値解析例の結果を説明する。ここでは、ヘルツ問題と呼ばれる2次元円板を集中荷重により圧縮する例を取り上げ、変位と平面応力の解析を行った。モデルの概略図を図16に示す。このモデルの対称性から、全体の1/4領域のみを解析する。重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを図17に示す。グローバルメッシュは半径方向に6要素、円周方向に6要素で、合計27要素に分割した。一方、ローカルメッシュは、半径方向に8要素、円周方向に12要素で、合計96要素に分割した。なお、参照解として、通常のFEMの分割メッシュを図18に示す。ここでは半径方向に24要素、円周方向に24要素で、合計432要素に分割した。これは、ローカルメッシュと同じ細かさのメッシュで全領域を分割したものに相当する。
重合メッシュ法および参照メッシュのFEMについて、変位とvon−Mises応力の解析結果をそれぞれ図19と図20に示す。重合メッシュ法によるローカルメッシュと参照メッシュの対応する部分を比較すると、同様の結果が得られていることが分かる。なお、図19、図20においてbと示したのは、2次元円板が集中荷重によってベースである剛体に接触した接触長さの半分である。
ヘルツ問題の接触長さについては、理論解が存在する。集中荷重をF、物体の半径をRとすると、接触長さの1/2を示すbは次式となる。
Figure 0004941205
荷重Fと接触長さ2bとの関係を理論解と比較した結果を図21に示す。ここでは、理論解がTheoryとして示され、重合メッシュ法による結果がMSMとして示されている。また、参照解としてローカルメッシュと同じ細かさのメッシュを用いた結果がFEM(c)として示され、グローバルメッシュと同じ粗さのメッシュを用いた結果がFEM(f)として示されている。この結果からは、27+96要素のメッシュを用いたMSMは、432要素のメッシュを用いたFEM(f)の結果はほぼ一致し、理論解と比較しても
精度のよい結果となっていることが分かる。
[実施例2]
材料非線形問題は、材料の力学特性、すなわち、応力とひずみの関係に由来する非線形問題である。このような問題の解析には、ほとんど例外なく増分解析をとり、きわめて微小な増分を前提とする反復なしの陽的な解法と、適当な大きさの増分に対し、反復補正を加える陰的な解法とが知られている。重合メッシュ法による弾塑性解析では、前者の陽的な解法が試みられているが、後者の反復補正を加える陰的な解法を用いた解析は行われていない。そこで、以下では、適当な大きさの増分について重合メッシュ法を適用し、さらに、非線形による誤差を収束させるためにニュートン・ラプソン法を用いる方法について説明する。
この方法は、図1のCPU12の重合メッシュ法離散化部24において、弾塑性処理モジュール32の機能により実行される。詳細には、以下に述べるように、弾塑性応力ひずみマトリクスを用い、離散化釣合方程式を生成する処理手順を実行することで、弾塑性問題について重合メッシュ法を適用することができる。また、この処理において、反復計算を行って、非線形問題に起因する解析誤差を収束させることができる。なお、以下では、応力とひずみとを結ぶ構成式として、完全弾塑性体に関するものを用いる。
ここでは、図22に示すように、ローカルモデル内に塑性領域が発生する場合について述べる。弾塑性解析では、次式で表される弾塑性応力ひずみマトリクスを用いる。
Figure 0004941205
このとき、釣り合い方程式は次式で表される。
Figure 0004941205
この釣り合い方程式を用いて、重合メッシュ法を弾塑性問題に適用することが可能となる。
ここで、弾塑性解析において、1つの増分の中間点で降伏が始まる場合、剛性マトリクスの組み立てに用いた弾性関係から応力を求めるのでは精度が悪く、何らかの手段で応力を補正することが好ましい。このような場合、1つの増分に対して反復が必要となる。以下に、重合メッシュ法による弾塑性解析に、ニュートン・ラプソン法による反復計算を導入する計算手順を説明する。
反復計算では、最初に構成式を計算するため、積分点ごとにvon−Mises応力を計算する。ここでは、接触解析に関して述べたのと同様に、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位とを足し合わせた変位を計算に用いる。これは、上記のように、重合メッシュ法では、足し合わせた変位を真の変位と定義しているからである。そして、剛性マトリクスK、外力dFを作成し、残差を次式により計算する。
Figure 0004941205
ここでiはニュートン・ラプソン法による反復計算のステップ数を表している。またdUiは、接触解析に関して述べたと同様に、次式で定義される。
Figure 0004941205
続いて、次式により連立方程式の計算をする。
Figure 0004941205
ここで、dUは1回の荷重ステップで計算される変位の増加量、ddUはその荷重ステップ中で反復計算されるニュートン・ラプソン法の1回の計算によって得られる変位の増加量を表している。つまり、ニュートン・ラプソン法による変位は、次式で更新される。なお、接触解析に関して述べたと同様に、このときは、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位との足し合わせを行わない。
Figure 0004941205
次に、(5.8)式で得られた変位を用いて応力σiを求める。ここで求めた応力は、次ステップの構成式の計算で用いるため、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位とを足し合わせた変位を用いて計算する。
そして、ニュートン・ラプソン法の収束の判定を次式により行う。
Figure 0004941205
反復計算を行い、収束した後に、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位との足し合わせをする。以上の手順を図23にまとめた。
次に数値解析例の結果を説明する。ここでは、円孔問題と呼ばれる2次元板の中心に円形の穴があいた例題について、変位と平面応力の解析を行った。モデルの概略図を図24に示す。ここでは、モデルの対称性から全体の1/4領域のみを解析する。材料はスチールのヤング率E=2.1×105MPa、ポアソン比ν=0.3を用いた。そして、ひずみ効果係数H=1、つまり完全弾塑性を仮定した。降伏応力を300Mpa、外力を140Mpaとした。また、増分解析における荷重ステップ数は10とした。
重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを図25に示す。グローバルメッシュは縦横にそれぞれ8要素の合計80要素に分割した。一方、ローカルメッシュは、半径方向に10要素、円周方向に20要素の合計200要素に分割した。参照解の導出に用いるメッシュを図26に示す。ここでは、縦横に20要素の合計500要素に分割した。これはローカルメッシュと同じ細かさで全体をメッシュ分割したものに相当する。
重合メッシュ法および参照メッシュのFEMについて、変位とvon−Mises応力の解析結果をそれぞれ図27と図28に示す。ローカルメッシュと参照メッシュの対応する部分を比較すると、同様の結果が得られていることが分かる。
上記では、全体剛性マトリクスの作成に、グローバルモデルのデータとローカルモデルのデータとを用いた。これに対し、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを相互に行い、相互の影響である連成効果を外力として与える方法が考案されている。そこでニュートン・ラプソン法の反復計算を必要とする非線形解析においても、図29のように、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを反復することが考えられる。そこで、この手法を用いて、図24で説明した円孔問題について、解析を行い、通常の重合メッシュ法を用いた解析結果、および参照FEMの解析結果と比較した。
比較解析において、寸法および材料の性質に関する諸条件は、図24で説明したものと同じである。ここでは、グローバルモデルとローカルモデルの反復は、図29に示されると同じ2回行った。比較は、外力を90Mpaから120Mpaまで変化させたときの変位で行った。比較に用いた値は、図30の(a)と(b)におけるA点、B点の紙面において水平方向の変位である。ここで、図30(a)は、重合メッシュによる場合、(b)は参照メッシュによる場合で、これらにおけるA点、B点の位置は全く同じである。
比較の結果を図31、図32に示す。図31はA点の変位、図32はB点の変位である。ここで、GL反復とあるのが、グローバルモデルとローカルモデルとを2回反復して解析した結果であり、通常MSMとあるのが、通常の重合メッシュ法による解析結果を示し、参照FEMとあるのが、通常の線形FEMによる解析結果である。
この結果からは、GL反復法は、通常の重合メッシュ法に対し、値が99%合っていることが分かる。つまり、正常に解析が行われれば、GL反復法は、通常の重合メッシュ法と遜色ない解が得られる。また、参照FEMと比較しても正常に解析されていると評価できる。なお、100MPaを超えると、GL反復法では、ニュートン・ラプソン法の反復計算における残差がある一定値で変化しなくなることがある。したがって、GL反復法は、塑性領域が非常に小さい場合に有効であるということができる。このように、GL反復法を用いることで、重合メッシュ法を汎用的なコード、例えばABAQUS等に実装することが容易になる。
[実施例3]
通常の有限要素解析法においては、ひずみ・変位関係式は線形を仮定している。しかし、剛体回転を伴う大変形問題においては、ひずみ・変位関係式の非線形を考慮する必要が出てくる。このような問題は、一般的に幾何学的非線形問題と呼ばれる。線形の有限要素解析法では、上記のように、ひずみ・変形関係式に線形を仮定しているため、物体を剛体回転させるとひずみが発生することになるが、実際には剛体回転によってひずみは発生しない。この矛盾を解消するためには、ひずみの2次の項を考慮しなければならず、非線形解析が必要となる。このような幾何学的非線形を考慮した場合の重合メッシュ法については、これまで研究が行われていない。そこで、ここでは、重合メッシュ法による大変形解析を行う。
この方法は、図1のCPU12の重合メッシュ法離散化部24において、大変形処理モジュール34の機能により実行される。詳細には、以下に述べるように、トータルラグランジュ法を用い、第2ピオラ・キルヒホフ応力とグリーン・ラグランジュひずみについての支配方程式を生成し、初期変位に関する項と初期応力に関する項を含む接線剛性の式を生成する処理手順と、重合メッシュ法の条件の下で、接線剛性の式について、初期変位に関する項と初期応力に関する項とをそれぞれ離散化して、離散化された接線剛性マトリクスを生成し、生成された接線剛性マトリクスを用いて離散化された釣合方程式を生成する処理手順とを実行することで、大変形問題について重合メッシュ法を適用することができる。
幾何学的非線形問題の定式化手法にはトータルラグランジュ法と、アップデイティッドラグランジュ法がある。図33にその様子を示すが、未知状態の仮想仕事式をラグランジュ表記する際に、前者は初期配置(X座標)を参照し、後者は増分を開始する状態である現在位置(x座標)を参照する。両者の差は参照配置のみであるので、いずれを用いても同じモデルについては同一の解が得られる。重合メッシュ法において後者を用いると、各ステップごとにグローバルモデルとローカルモデルの位置関係を判定することになる。そこで、以下では、トータルラグランジュ法による定式化を進める。
トータルラグランジュ法を用いるときの弱形式は次式で表される。
Figure 0004941205
ここでSは第2ピオラ・キルヒホフ応力、Eはグリーン・ラグランジュひずみを表す。また接線剛性KTは次式で表される。
Figure 0004941205
ここで、Sのハットドットは、第2ピオラ・キルヒホフ応力の時間微分で応力速度、Eのハットドットは、グリーン・ラグランジュひずみの時間微分でひずみ速度を表している。
ここからは、簡単に説明するため、等方性材料で四角形要素の2次元面内変形に限定したマトリクス表示について述べる。変位u、グリーン・ラグランジュひずみE、第2ピオラ・キルヒホフ応力S、構成式Dの各成分を次式で定義する。
Figure 0004941205
構成式Dは、ひずみ速度と応力速度の関係として定義し、次式で表される。なお、異方性材料については関係が異なってくることが報告されている。
Figure 0004941205
(6.7)式をマトリクス表示すると次式で表される。
Figure 0004941205
このとき、(6.2)式の右辺第1項は次式で表される。
Figure 0004941205
(6.9)式のひずみ速度の成分は次式で表される。
Figure 0004941205
(6.10)式は、次式のようにマトリクス表示することができる。
Figure 0004941205
ここで、
Figure 0004941205
は、次式で定義される。
Figure 0004941205
重合メッシュ法では、既に述べてきたように、全体領域Ω内、部分領域ΩL内ではそれぞれ独立の変位場としてuGとuLが定義されており、部分領域ΩL内では、実際の変位は両モデルの変位の和で定義される。つまり、uは次式で表される。
Figure 0004941205
同様に、変位の微分は次式で表される。
Figure 0004941205
このとき、(6.12)式に(6.15)式を代入すると、[Z1]は次式で表される。
Figure 0004941205
ただし、
Figure 0004941205
は、次式で定義する。
Figure 0004941205
このとき、(6.14)式に(6.16)式を代入すると、
Figure 0004941205
は、次式で表される。
Figure 0004941205
ただし、
Figure 0004941205
は、次式で定義する。
Figure 0004941205
Figure 0004941205
Figure 0004941205
(6.12),(6.17),(6.21)式より、次式が求められる。
Figure 0004941205
(6.26)式は、重合メッシュ法で定義される(6.15)式を用いて、
Figure 0004941205

Figure 0004941205

Figure 0004941205
を用いて表すことができることを示している。
ここで、便宜的に以下の置き換えをする。この置き換えは独自のものである。また、便宜上、線形の場合と同じ記号を用いたが、その意味合いは全く異なるものである。
Figure 0004941205
このとき(6.26)式は次式で表される。
Figure 0004941205
これまでの議論と同様に次式が導かれることも明らかである。
Figure 0004941205
ここで、
Figure 0004941205
は次式で定義される。
Figure 0004941205
(6.2)式の右辺第1項に、(6.9),(6.29),(6.30)式を代入すると次式が得られる。
Figure 0004941205
これで、(6.2)式の右辺第1項、つまり、初期変位に関る項について重合メッシュ法による離散化が完成した。
ここからは、(6.2)式の右辺第2項、つまり初期応力に関わる項について述べる。そのために、まず変形勾配テンソルFについて述べる。
変形勾配テンソルFは、次式のようにマトリクス表示できる。
Figure 0004941205
(6.34)式に(6.15)式を代入すると、次式が得られる。
Figure 0004941205
したがって、
Figure 0004941205
は、次式で表される。
Figure 0004941205
また、
Figure 0004941205
についても同様に次式で表される。
Figure 0004941205
(6.2)式の右辺第2項は変形勾配テンソルFを用いて次式のように表される。
Figure 0004941205
ただし、
Figure 0004941205
は、次式で定義される。
Figure 0004941205
このとき、
Figure 0004941205
と、
Figure 0004941205
には、次式で表される関係がある。
Figure 0004941205
また、
Figure 0004941205
と、
Figure 0004941205
も同様に、次式で表される関係がある。
Figure 0004941205
(6.38)式に(6.36),(6.37)式を代入すると、次式が得られる。
Figure 0004941205
これで、(6.2)式の右辺第2項、つまり初期応力に関わる項について重合メッシュ法による離散化が完成した。
(6.2)式に(6.33),(6.44)式を代入すると、接線剛性マトリクスは次式で表される。
Figure 0004941205
このようにして、四角形要素の2次元面内変形問題についてトータルラグランジュ法による重合メッシュ法の定式化が行われる。3次元問題についても全く同様に接線剛性マトリクスを求めることができる。
次に、重合メッシュ法による大変形解析におけるニュートン・ラプソン法による反復計算の手順について述べる。反復計算では、最初に接線剛性KTを作成する。ここでは、これまでと同様に、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位とを足し合わせた変位を用いて得られる応力を用いる。そして、残差を次式により計算する。
Figure 0004941205
iはニュートン・ラプソン法による反復計算のステップ数を表している。またUiは次式で定義される。
Figure 0004941205
また、Qは次式で示される。
Figure 0004941205
Figure 0004941205
続いて、次式により連立方程式の計算をする。
Figure 0004941205
次に、次式により変位を更新する。このとき、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位の足し合わせをしないことに注意する。
Figure 0004941205
そして、変位から、第2ピオラ・キルヒホフ応力を求める。この求め方については後述する。最後に、収束の判定を次式により行う。
Figure 0004941205
収束した後、グローバルモデルの変位とローカルモデルの変位の足し合わせを行う。以上の手順を図34にまとめた。
ここで、重合メッシュ法による大変形解析に用いた変位と応力に関する構成式である超弾性体の概要について述べる。超弾性体は、次式に示すように、変形や歪の成分で微分することにより共役な応力成分が得られる弾性ポテンシャル関数Wが存在する物質として定義される。
Figure 0004941205
また、グリーン・ラグランジュひずみEと、右コーシー・グリーン変形テンソルCの関係は次式で表される。
Figure 0004941205
(6.55)式を(6.54)式に代入すると次式となる。
Figure 0004941205
ここで超弾性体の等方性を仮定すると、Wは客観性をもつスカラーになるため、Cの主値の関数として表される。
Figure 0004941205
以上の式より、各不変量の微分は次式で表される。
Figure 0004941205
(6.63),(6.64),(6.65)式を(6.62)式に代入すると、弾性ポテンシャル関数Wと応力Sの関係は次式で表される。
Figure 0004941205
(6.66)式の微分より次式が得られる。
Figure 0004941205
ここでDを次式で定義する。
Figure 0004941205
このとき、(6.67)式は次式となる。
Figure 0004941205
ただし、(6.55)式より求められる次式の関係を用いた。
Figure 0004941205
ここでは、超弾性体の構成式であるneo−Hookean体を用いた。neo−Hookean体の弾性ポテンシャル関数Wは、ラメ定数を用いて次式で表される。
Figure 0004941205
(6.71)式を(6.66)式に代入すると、次式が得られる。
Figure 0004941205
(6.72)式より、変形勾配テンソルFを用いて応力S、すなわち第2ピオラ・キルヒホフ応力Sを求めることができる。なお、右コーシー・グリーン変形テンソルCと変形勾配テンソルFの関係は次式で定義される。
Figure 0004941205
(6.69)式および(6.72)式より、構成式Dは次式で表される。
Figure 0004941205
ここで、J=1のときに、線形弾性体の構成式と一致する。
なお、大変形問題の解析においては、複雑なモデルではニュートン・ラプソン法による反復計算が収束しないことがある。この理由としては、グローバルモデルの構成式と、ローカルモデルの構成式が異なることが考えられる。このような場合、グローバルモデルとローカルモデルとの間の連成項について、初期ひずみをゼロとして解析を進めるものとできる。収束条件が同じであれば、このような処理によって解が変化することはない。
また、大変形問題の解析においては、接線剛性の算出が不正確になると、荷重が大きいときにニュートン・ラプソン法による反復計算が収束しない可能性がある。そこで、予めグローバルメッシュによるFEM解析を行い、それにより得られる変位と応力を初期値として重合メッシュ法に与える方法を取ることが好ましい。グローバルメッシュによるFEM解析の結果は真の解に近いため、これを重合メッシュ法の初期値として用いることで、ニュートン・ラプソン法の収束を改善することができるためである。
次に数値解析例を説明する。ここでは、図35に示すようなL字型板について、グローバルモデルとローカルモデルの連成項の初期ひずみをゼロとして、変位と平面応力の解析を行った。構成式としては、上記の圧縮性neo−Hookean体を用いた。(6.71)式における材料定数は、μ=300、λ=100とした。
重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを図36に示す。グローバルメッシュは48要素、ローカルメッシュは100要素に分割した。また、参照解の導出に用いるメッシュを図37に示す。ここでは675要素に分割した。
外力F=3の場合の重合メッシュ法および参照メッシュのFEMのそれぞれについて、変位と、von−Mises応力の解析結果を図38、図39に示す。これらの結果において、荷重点の水平方向の変位は、重合メッシュ法では0.203、参照FEMでは0.223となった。両者の間には約9%の差があるが、ローカルメッシュの領域がそれほど大きくないことを考慮すれば、妥当な範囲である。
車両において、路面とタイヤとの間の接触問題、ネジとボルトとの間の接触問題、ベアリングにおける接触問題等の有限要素解析に利用できる。
本発明に係る実施の形態において、重合メッシュ法を用いる有限要素解析装置の構成を示す図である。 重合メッシュ法において、グローバルメッシュにローカルメッシュを重ねる概念図である。 ボルトとプレートとの接触状態を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、ボルトとプレートに関するバネモデルにおけるバネ定数を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、ボルトとプレートに関するバネ接合のモデルを説明する図である。 本発明に参考となる実施の形態において、初期状態のひずみが発生しているボルトモデルを説明する図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ボルトモデルの模式図である。 本発明に参考となる実施の形態において、解析用のボルトモデルを示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ボルトモデルに対するグローバルメッシュとローカルメッシュとを示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、初期ひずみを与えて外力を与えない場合についてのボルトモデルに対するグローバルメッシュの解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、初期ひずみを与えて外力を与えない場合についてのボルトモデルに対するローカルメッシュの解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、初期ひずみと外力を共に与える場合についてのボルトモデルに対するグローバルメッシュの解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、初期ひずみと外力を共に与える場合についてのボルトモデルに対するローカルメッシュの解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、接触問題のモデルを説明する図である。 本発明に参考となる実施の形態において、接触問題の反復計算の手順をまとめた図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題の解析についてのモデルを説明する図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題について重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題について参照解として用いたメッシュを示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題について重合メッシュ法による解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題について参照解による解析結果を示す図である。 本発明に参考となる実施の形態において、ヘルツ問題について荷重と接触長さとの関係を理論解と比較した結果を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、弾塑性問題のモデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、弾塑性問題の反復計算の手順をまとめた図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題の解析についてのモデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について参照解として用いたメッシュを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について重合メッシュ法による解析結果を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について参照解による解析結果を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを反復する方法を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを反復する方法による解析と、通常の重合メッシュ法を用いた解析と比較するときの測定点を説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを反復する方法による解析と、通常の重合メッシュ法を用いた解析と比較した結果の1つを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、円孔問題について、グローバルモデルの解析とローカルモデルの解析とを反復する方法による解析と、通常の重合メッシュ法を用いた解析と比較した結果の他の1つを示す図である。 大変形問題について、トータルラグランジュ法と、アップデイティッドラグランジュ法とを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、大変形問題の反復計算の手順をまとめた図である。 本発明に係る実施の形態において、大変形問題のL字型板モデルを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、L字型板モデルについて重合メッシュ法による解析に用いたメッシュを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、L字型板モデルについて参照解として用いたメッシュを示す図である。 本発明に係る実施の形態において、L字型板モデルについて重合メッシュ法による解析結果を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、L字型板モデルについて参照解による解析結果を示す図である。
10 有限要素解析装置、12 CPU、14 入力部、16 出力部、18 記憶部、20 グローバルメッシュ設定部、22 ローカルメッシュ設定部、24 重合メッシュ法離散化部、26 バネ接合モデル処理モジュール、28 初期ひずみ処理モジュール、30 接触問題処理モジュール、32 弾塑性処理モジュール、34 大変形処理モジュール。

Claims (3)

  1. 解析対象領域の全体である全体領域にグローバルメッシュを設定する手段と、
    解析対象領域の部分領域にローカルメッシュを設定する手段と、
    全体領域内と部分領域内とにそれぞれ独立の変位場を定義し、さらに、部分領域内における実際の変位を両領域の変位の和として定義する重合メッシュ法の条件の下で、非線形固体問題を有している解析対象について、剛性マトリクスと節点変位ベクトルと荷重力ベクトルとの関係を記述する離散化釣合方程式を生成する重合メッシュ法離散化手段と、
    を備え
    解析対象が2つの面の接触問題をバネモデルで表現するバネ接合モデルであって、
    重合メッシュ法離散化手段は、
    バネ接合部分に沿った線積分の項であるバネ接合追加項を加えて仮想仕事の原理式を生成する手段と、
    重合メッシュ法の条件の下で、バネ接合追加項について離散化を行い、剛性マトリクスについてバネ接合追加項に関する追加成分を生成して離散化釣合方程式を生成する手段と、
    を有することを特徴とする有限要素解析装置。
  2. 解析対象領域の全体である全体領域にグローバルメッシュを設定する手段と、
    解析対象領域の部分領域にローカルメッシュを設定する手段と、
    全体領域内と部分領域内とにそれぞれ独立の変位場を定義し、さらに、部分領域内における実際の変位を両領域の変位の和として定義する重合メッシュ法の条件の下で、非線形固体問題を有している解析対象について、剛性マトリクスと節点変位ベクトルと荷重力ベクトルとの関係を記述する離散化釣合方程式を生成する重合メッシュ法離散化手段と、
    を備え、
    解析対象が回転を伴う大変形を有する物体であって、
    重合メッシュ法離散化手段は、
    トータルラグランジュ法を用い、第2ピオラ・キルヒホフ応力とグリーン・ラグランジュひずみについての支配方程式を生成し、初期変位に関する項と初期応力に関する項を含む接線剛性の式を生成する手段と、
    重合メッシュ法の条件の下で、接線剛性の式について、初期変位に関する項と初期応力に関する項とをそれぞれ離散化して、離散化された接線剛性マトリクスを生成し、生成された接線剛性マトリクスを用いて離散化された釣合方程式を生成する手段と、
    を有することを特徴とする有限要素解析装置。
  3. 請求項に記載の有限要素解析装置において
    合メッシュ法離散化手段は、
    解析対象が非線形固体問題を有することで生じる解析誤差を収束させるために反復計算を行う手段を有することを特徴とする有限要素解析装置。
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