JP4939237B2 - 被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法 - Google Patents

被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波を利用して被検体を光学的に分析する被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法に関する。
近年、生体の光断層イメージングを実現するものとして、光CTや光コヒーレンス断層影像法(Optical Coherence Tomography:以下OCT)、光音響断層影像法等、様々な技術が提案されている。
光CTは生体内部での光散乱の影響が比較的弱い波長域700nm〜1200nmの近赤外光を利用するため、粘膜下数cmまでの生体深部の断層像を得ることができる。
また、干渉を利用したOCTは2mm程度の深さまでの生体断層イメージを高分解能(μm〜十数μm)かつ短時間で取得することが可能である。OCTは眼科領域での網膜疾患診断において既に実用化されている技術であり、その医学的関心度は非常に高い。
光CTは深部の情報は得られるが、空間分解能は数mm程度と非常に低い。一方、OCTは生体粘膜下約2mm以深を観察すること、更に、癌等の腫瘍組織に対して良好な画質を得ることは難しい。
これは、生体深部及び腫瘍組織における、血液の吸収や強い散乱の影響により、光のコヒーレンス性が著しく乱れるためである。
一方、日坂らによる非特許文献1において、超音波と光を生体へ照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下1cm程度の吸収の光イメージングを試みた例が報告されている。
また、特許文献1の特開2005−224399号公報においても、超音波パルスと光を生体に照射し、生体内にてパルス超音波により変調された照射光を検出することにより、粘膜表層以下の吸収光イメージングを得る装置が開示されている。
特開2005−224399号公報 特開2000−197635号公報 特開2000−88743号公報 日坂真樹、杉浦忠男、河田聡、"パルス超音波と光の相互作用を利用した散乱体深部の光断層像観察"、光学29、pp631−634、2000
しかし、上記特許文献1、特許文献3や非特許文献1の先行例は、あくまで吸収の光イメージングに特化されたものであり、組織の構成や構造の変化から生起される散乱情報を得ようとする技術ではない。
つまり、生体組織における腫瘍の癌化に伴う核内クロマチンの濃縮状態や核の空間分布変化といった組織の構造的変化は、特に光散乱特性の変化を引き起こす。このため、癌組織等に関連する組織の構造変化に相関性が高い散乱情報が得られることが望まれる。
なお、組織の構造変化に相関性が高い光散乱情報は、その組織部位における複素屈折率の実部に由来し、一方複素屈折率の虚部は吸収に関連するため、複素屈折率の実部と虚部の変化を捉えることにより、散乱特性及び吸収特性に関する2次元、若しくは3次元情報が得られることになる。
一方、特許文献2の特開2000−197635号公報には、生体に超音波を集束するように照射し、かつレーザ等複数の光源から様々な方向から光を照射して、超音波が集束された領域で散乱された光を生体の周囲に配置された複数の検出器で検出することにより、散乱係数と吸収係数を記録する方法が拡散型の波動方程式に基づいて開示されている。
この特許文献2の従来例は、光源及び検出器を複数用いるようにしているので、これらを測定できる状態に設置するための作業に時間がかかる点や、検出器以後での信号処理系において検出器の配置に対応した調整が必要になることが予想される点がある等、ユーザに負担をかける欠点がある。
また、この従来例は、光源若しくは検査対象部位を走査してその位置を変更した場合における検出器で適切に受光するように制御していないため、画像化された情報等を取得することが簡単に行えない欠点がある。
このため、被検体としての生体内の深部側となる検査対象部位の場合にも高い空間分解能を確保して複素屈折率の実部の情報を含む被検体の特性情報を生成することができる装置及び方法が望まれる。
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得するための被検体情報分析装置、内視鏡装置及び被検体情報分析方法を提供することを目的とする。
本発明の被検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部と、前記超音波発生部から発生される前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部と、前記照明光が到達した前記検査対象部位から得られる光を受光可能に設けられた受光部と、前記受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、前記受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、を有することを特徴とする。
本発明の内視鏡装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部と、前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、を有し、前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、前記位相・光散乱情報抽出部は、前記反射光受光部で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出部と、前記位相情報抽出部で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする。
本発明の被検体の特性情報をは、超音波発生部により所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、照明光発生部により前記超音波の照射される位置内の所定の位置に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、反射光受光部によって前記照明光が到達した位置に対応する部位から反射される光を受光する反射光受光工程と、前記反射光受光工程で受光された受光信号から得られる振幅情報を抽出する振幅情報抽出工程と、前記振幅情報抽出工程で抽出された振幅情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する光吸収情報抽出工程と、前記反射光受光工程で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出工程と、前記位相情報抽出工程で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、前記散乱情報抽出工程で抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記生成する被検体情報生成工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、被検体における検査対象部位の光の散乱情報を含む被検体の特性情報を容易に取得可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1ないし図5は本発明の実施例1に係り、図1は本発明の被検体情報分析装置の基本的な構成をブロック図で示し、図2は被検体情報分析装置の実施例1の光イメージング装置の全体構成を示し、図3は超音波の収束点近傍を拡大して示し、図4は本実施例の動作内容のフローチャートを示し、図5は本実施例の動作説明用タイミングチャートを示す。
図1に示すように本発明の被検体情報分析装置は、所定の超音波送信軸に沿って被検体内に対して超音波を伝達させるように超音波を発生可能とする超音波発生部2と、前記超音波発生部2から発生される前記超音波が伝達される被検体内における検査対象部位に到達するような照明光を発生可能とする照明光発生部3とを有する。
また、この被検体情報分析装置は、照明光発生部3により発生された照明光が前記検査対象部位を経た光を受光可能とするように、前記検査対象部位に指向するように配置された受光部4と、この受光部4で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位の複素屈折率における少なくとも実部に相当する情報を抽出する情報抽出部5とを有する。
情報抽出部5は、後述する実施例1等にて説明するように受光部4にて受光した透過光或いは散乱光(若しくは反射光)から複素屈折率における少なくとも実部に相当する位相情報を抽出する位相情報抽出部と、この位相情報から散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有する。
図1において受光部4は、照明光発生部3による照明光が被検体側に照射される光軸上で被検体を透過した照明光を観測光として受光する透過光受光部に相当する配置例(構成例)を示しているが、これに限定されるものでない。例えば実施例2においては、反射した光を観測光として受光する反射光受光部で構成される場合もある。
また、この被検体情報分析装置は、前記情報抽出部5によって抽出された情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部6を有する。
この被検体情報生成部6は、被検体の検査対象部位を例えば2次元或いは3次元的に走査した各位置における散乱情報等を画像化して表示するための画像形成部を有する。
次に図2を参照して、この被検体情報分析装置のより具体的な構成を説明する。
図2に示す実施例1の光イメージング装置1Aは、照明光発生部3として、コヒーレント光を発生する例えばレーザ装置3aを有し、このレーザ装置3aは、第1のユニット11a内に設けてある。なお、照明光を発生する光源としては、コヒーレント光を発生するレーザ装置3aに限定されるものでなく、キセノン光やハロゲン光といった熱光源や、LED、SLDを用いても良い。
この第1のユニット11a内には超音波発生部2を構成する超音波トランスジューサ2aが内蔵されている。
この第1のユニット11aに対向して受光部4を構成する光検出器4a等を内蔵した第2のユニット11bが、被検体としての生体組織7を挟むようにして配置される。
また、両ユニット11a、11bには、これらユニット11a、11bをそれぞれ2次元的若しくは3次元的に同期してスキャニング(走査)する走査部としてのスキャニングユニット12a、12bがそれぞれ取り付けられており、スキャニングユニット12a、12bは、例えば制御部8内に設けられたスキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号で動作する。
本実施例においては、超音波を照射する位置に光を照射する位置を一致させるような構成にしているため、走査部としては、照明光としてのレーザ光が照射される位置を走査する照明光走査部の機能の他に、その位置が超音波の照射位置ともなるように超音波走査部の機能も兼ねている。
そして、以下に説明するように超音波が収束された収束点Fを検査対象部位として、この収束点Fに超音波が存在しているタイミングにおいて、この収束点Fに到達したレーザ光に基づく(さらに生体組織7を透過する)透過光を受光部4を構成する光検出器4aにて受光する構成にしている。
つまり、本実施例においては第1のユニット11aを移動(走査)してその位置を変化させると共に、その位置が変化した場合においてもその位置からの光が受光部4を構成する光検出器4aにて受光できるようにスキャニング信号発生回路24等を制御する制御回路25を設けている。このようにすることにより、異なる検査対象部位の散乱情報を取得して、画像化することも行えるようにしている。
図2に示すように超音波が生体組織7内を進行する方向をz軸に設定した場合、スキャニングユニット12a、12bは、例えばx、y方向(図2中において、符号A,Bにて示す)に両ユニット11a、11bを2次元的に走査する。なお、スキャニングユニット12a、12bは、x,y方向でなく、x,z方向やy,z方向でも良い。或いはx,y,zの3次元的に走査するような構成にしても良い。
また、第2のユニット11b内に設けられ、受光部4を構成する光検出器4aにより光電変換された電気信号は、情報抽出部5における位相情報抽出部を構成するオッシロスコープ5aに入力される。このオッシロスコープ5aは電気信号から、複素屈折率の位相成分を抽出して、被検体情報生成部6(の画像形成部)を構成するパーソナルコンピュータ6aに出力する。
第1のユニット11a内のレーザ装置3aによるレーザ光は、ビームスプリッタとしての機能を有するハーフミラー13aにより、透過光と反射光に分けられ、透過したレーザ光はミラー14aで反射された後、超音波発生部2を構成する超音波トランスジューサ2aの開口15を通って生体組織7側に照射される。
この超音波トランスジューサ2aは、例えば圧電素子で構成された電気音響変換機能を有する超音波トランスジューサ本体に設けられた電極に、制御部8内に設けたパルス発生器21からパワーアンプ22で増幅されたパルス状の超音波駆動信号が印加されることにより、パルス状の超音波を発生する。
本実施例においては、超音波トランスジューサ2aは、パルス発生器21及びパワーアンプ22とにより、パルス状超音波を発生するパルス超音波発生部を形成している。
なお、パルス発生器21よりパワーアンプ22で増幅された超音波駆動信号は、パルス形状でなく連続波形状とすることで、超音波トランスジューサ2aより連続超音波を発生させても良い。
またこの時、パルス発生器21から別信号として、連続超音波の粗密間隔、つまり超音波の波長に応じたパルス状信号をディレイ回路23を経由してオッシロスコープ5aへリファレンス信号として入力させて同期検波することで、パルス状超音波を照射した場合と同様の効果を得ることも可能である。
上記超音波トランスジューサ2aは、超音波送信面側に超音波を収束する超音波収束部としての音響レンズ16が取り付けられている。
本実施例では、この音響レンズ16の超音波送信軸(音軸とも言う)Ouに沿って開口15が設けてあり、ハーフミラー13aを透過し、ミラー14aで反射されたレーザ光は、この開口15を通って超音波の超音波送信軸Ouに沿って生体組織7内に進行する。
なお、本実施例では音響レンズ16を生体組織7表面に接触させているが、超音波を伝達する媒体を介して生体組織7の表面に超音波を伝達させるようにしても良い。
そして、超音波トランスジューサ2aから生体組織7側に伝達される超音波は、音響レンズ16の焦点距離に相当する収束点Fを中心とした近傍領域R1で収束する。
図2或いは図3においてこの近傍領域R1を点線で示している。
この収束点Fの近傍領域R1で局在する超音波により、この近傍領域R1における生体組織7による媒質を構成する分子の密度変化Δρ(z)が生起される(後述)。
これに基づく変調光を観測光として光検出器4aにて検出することになる。
一方、ハーフミラー13aで反射されたレーザ光は、発振器17の発振出力で駆動される光変調器18を通り、その前方側に配置された参照ミラー14bで反射された後、混合用(干渉用)となるハーフミラー13bに参照光として入射される。
上記ハーフミラー13a及び参照ミラー14bとの間に配置された光変調器18は、例えばLiNbO3等の電気光学効果を有する強誘電体結晶により構成され、発振器17による発振周波数の交流の電界印加により、その屈折率がその印加された電界に比例して変化する。
従って、この強誘電体結晶を通したレーザ光が光変調されることになる。つまり、光変調器18による光変調に用いられる発振器17の角周波数をω′とすると、ハーフミラー13aで反射されたレーザ光は、この角周波数をω′で光変調される。
なお、発振器17の角周波数ω′は、レーザ光の角周波数に比べると遙かに低い周波数であり、信号処理し易い周波数に設定されている。
上記超音波送信軸Ou上で、生体組織7に対して開口15と反対側には遮光部材19の開口19aが配置されている。そして、ミラー14aで反射され、生体組織7内の近傍領域R1を通ったレーザ光は、この開口19aを通り、その進行方向の前方に配置されたハーフミラー13bに入射される。この開口19aは、収束点Fの近傍領域R1を通った光を観測光として通し、その周囲の迷光成分を抑制(排除)する。
上記ハーフミラー13bには、近傍領域R1で散乱された観測光と、光変調された参照光とが入射され、この干渉用ハーフミラー13bにより、両方の光は光混合、或いは干渉する。
つまり、このハーフミラー13bには、周波数ω′で光変調された参照光と、生体組織7の収束点Fの近傍領域R1を通過した生体組織7を透過した観測光とが入射され、光混合されて角周波数ω′で光変調された干渉光(或いはビート信号光)が生成される。(つまり、ヘテロダイン検波された光となる)。
生成された干渉光は、光検出器4aにより受光されて電気信号としての干渉信号(ビート信号)として検出される。なお、光検出器4aで光電変換された後、角周波数ω′のビート成分を通すLPFを用いる等して干渉信号成分を抽出することができる。このように本実施例においてはマッハツェンダー干渉計の構成を採用している。
上記光検出器4aにより検出された干渉信号は、位相情報抽出を行う位相計の機能を持つオッシロスコープ5aに入力され、近傍領域R1でのレーザ光の位相変調成分及び振幅変調成分が検出される。
位相変調成分及び振幅変調成分は、後述するように複素屈折率の実部と虚部にそれぞれ対応するもので、近傍領域R1の散乱特性と吸収特性を反映したものとなる。
なお、オッシロスコープ5aを位相計として、位相変調成分と振幅変調成分を検出することができるが、PC6a側でフーリエ変換処理により、これらを検出するようにしても良い。
本実施例では、PC6a側にて複素屈折率の実部及び虚部に対応する位相変調成分及び振幅変調成分を算出することもできる構成にしている。この場合には、PC6aは、被検体情報生成部6の機能の他に位相情報抽出部及び散乱情報抽出部の機能を兼ねる。
この場合、干渉信号は、点線で示すようにPC6aにも入力される。また、この場合には、CPU33は、点線で示すように干渉信号から実部及び虚部を算出する実部及び虚部算出部33aを持つ。
生体組織7における注目する近傍領域R1に照射されたレーザ光の透過光を検出して、その近傍領域R1における少なくとも位相変調成分、(つまり、複素屈折率の実部成分)の情報を抽出するために、パルス発生器21の出力は、ディレイ量(遅延量)を調整可能とするディレイ回路23を経てオッシロスコープ5aに入力されると共に、PC6aにも入力される。
また、本実施例では(少なくとも1次元を包含する)2次元の光イメージング情報を得るために、例えばパルス発生器21の出力に同期してスキャニング信号を発生するスキャニング信号発生回路24を有する。
パルス発生器21、ディレイ回路23及びスキャニング信号発生回路24は、図示しないCPUなどで構成される制御回路25により制御される。
オッシロスコープ5aにより検出された位相変調成分及び振幅変調成分の出力信号とスキャニング信号とは、PC6aのA/D変換回路31に入力され、デジタル信号に変換された後、メモリ32にストックされる。
また、図2において点線で示すように干渉信号をオッシロスコープ5aを通さないでメモリ32に格納した場合には、CPU33は上記近傍領域R1でのレーザ光の位相(変調)成分及び振幅(変調)成分にそれぞれ対応する複素屈折率の実部及び虚部の算出する画像処理を行う。
このCPU33は、画像処理した結果の信号データを位置情報と関連付けてメモリ32にストックし、表示処理回路34を経てモニタ35に出力し、このモニタ35の表示面には位相成分及び振幅成分の2次元の光イメージング情報を被検体特性情報として表示する。
メモリ32は、画像形成部を構成するCPU33による画像形成の情報としての位相成分等を位置情報と関連付けてストックする。
オッシロスコープ5aは、パルス発生器21の同期信号に従って、振幅変調成分又は、位相変調成分(後述する(10)式の第2項における位相成分)を抽出する位相計として作用する。
また、パルス発生器21は、例えばこの変調信号に同期したタイミング、例えばこの変調信号の整数倍の周期でパルス状の超音波駆動信号を発生する。
また、PC6aのA/D変換回路31は、この変調信号に同期したクロックでA/D変換を行う(より具体的には、この変調信号に同期し、その整数倍の角周波数で発振する図示しないクロック発振器によるクロックでA/D変換回路31はA/D変換を行う)。そして、A/D変換されたデータは、メモリ32に格納される。
このような構成による本実施例の動作を、図4及び図5を参照して説明する。
本実施例の光イメージング装置1Aの電源が投入されると、又は測定開始のスイッチなどが押されると、図4のステップS1に示すようにレーザ装置3aは、レーザ光を発生する。このレーザ光は図5(A)に示すように連続して発生される。
また、ステップS2に示すように超音波トランスジューサ2aにより、超音波が一定周期でパルス状に発生する。ここで、制御回路25は、パルス発生器21に制御信号を送り、パルス発生器21は図5(B)に示すように一定周期Tで超音波トランスジューサ2aを駆動するパルス状の超音波駆動信号を発生する。
上記超音波駆動信号の印加により、超音波トランスジューサ2aで発生されたパルス状超音波は、音響レンズ16により収束されながら生体組織7内を伝搬する。そして、このパルス超音波は、収束点Fを中心としたその近傍領域R1で収束することになる。
一方、レーザ装置3aにより発生されたレーザ光は、ステップS3に示すようにハーフミラー13aで分岐する。
そして、ステップS4aに示すように参照ミラー14bに向かうレーザ光は光変調器18で変調された後、参照ミラー14bで反射されてハーフミラー13bに入射される。
一方、ステップS4bに示すようにミラー14a側に向かうレーザ光は、このミラー14aで反射された後、生体組織7内部に照射される。
上記のように生体組織7内を伝搬する超音波は収束点Fを中心としたその近傍領域R1で収束する。このため、生体組織7内部に照射されたレーザ光は、特にこの近傍領域R1において超音波による複素屈折率変化による変調を受ける。そして、その変調光が開口19aを経てハーフミラー13bに入射される。
そして、ステップS5に示すようにこのハーフミラー13bにて参照光と観測光(物体光)とが干渉する。
ステップS6に示すようにこの干渉光は、光検出器4aにより受光され、電気信号に変換された後、例えばLPFを通す等してヘテロダイン検波された干渉信号になる。
次のステップS7においてこの干渉信号は、このオッシロスコープ5aにより、干渉信号から位相成分及び振幅(図面では位相成分等と略記)が検出される。なお、オッシロスコープ5aの代わりに、ロックインアンプを用いて干渉信号から位相成分等を抽出しても良い。
上記制御回路25は、ディレイ回路23によるディレイ量が、パルス状の超音波駆動信号の発生時刻から、パルス超音波が収束点Fに達する時刻までの時間(図5(C)ではTfで示している)となるように制御を行う。
そして、そのディレイ回路23により遅延されたパルスがオッシロスコープ5aに入力され、そのタイミングで図5(C)に示すようにオッシロスコープ5aは、その内部でゲートパルスを発生する。
このオッシロスコープ5aは、ゲートパルスの期間内において発振器17からのω′の変調信号に同期した掃引信号を発生し、この掃引信号を水平方向のタイムベースとして、光検出器4aで検出された信号の値を縦座標として表示する。
つまり、角周波数がω′の変調信号の周期を基準として、光検出器4aで検出された干渉信号における任意の位相角における信号成分を検出することができるようになる。また、振幅成分も検出できる。
そして、オッシロスコープ5aは、このゲートパルスの期間、つまりパルス超音波が収束点Fに達する時刻近傍の短期間において、光検出器4aから出力される干渉信号からその位相成分と振幅成分を検出する。
また、オッシロスコープ5aにより検出される位相成分及び振幅成分は、PC6a内に入力され、A/D変換回路31でデジタルの信号データに変換される。そして、ステップS8に示すようにPC6a内の情報記憶手段としての例えばメモリ32に光イメージング情報として保存される。
なお、PC6aは、入力される干渉信号から位相成分以外にもその振幅成分も検出して光イメージング情報としてメモリ32に保存する。
また、この光イメージング情報は、スキャニング信号、つまり収束点Fの2次元の位置情報(x、y)、更に3次元の位置情報(x、y、z)と関連付けて、メモリ32に保存される。
上記のように超音波が収束点Fの近傍領域R1に存在する短期間の間、干渉信号からオッシロスコープ5aを経て検出された位相成分及び振幅成分のデータがPC6a内に保存されることを図5(D)において、模式的に位相成分&振幅成分抽出で示している。
次のステップS9において制御回路25は、スキャニングの終端であるかの判定を行う。そして、終端でない場合には、ステップS10に示すように制御回路25はスキャニング信号発生回路24の動作を制御して、超音波の収束点Fを移動する。
この場合、制御回路25は、スキャニング信号発生回路24からのスキャニング信号の振幅を1ステップ分変化させる。このスキャニング信号発生回路24は、例えば階段状或いは鋸歯状のスキャニング信号を発生する。
スキャニング信号発生回路24は、例えばスキャニング信号におけるその振幅の値を、例えば1/256だけ変化させる。図5(E)は、例えばx方向のスキャニング信号の例を示す。
このスキャニング信号によりスキャニングユニット12a、12bは、両ユニット11a、11bをx方向に微小距離移動する。
そして、ステップS2に戻り、同様の処理を繰り返す。そして、x方向のスキャニング範囲の始点から終端まで同様の処理を繰り返し行った後、今度はy方向のスキャニング信号の振幅を1ステップ分変化させる。そして、x方向の始点から終点までを同様に移動する。
このような処理を繰り返すことにより、x、yのスキャニング範囲の始点から終端までスキャニング信号によりスキャニングユニット12a、12bが、両ユニット11a、11bを移動しながらイメージ情報を取得する。
そして、ステップS9においてスキャニングの終端であると判定されると、ステップS11に進み、光イメージング情報の画像生成が完了する。そして、光イメージング情報の画像表示をして、この動作を終了する。
なお、連続超音波を用いる場合においても、略図4と同様にして実施することが可能であるが、この場合においてはステップS2の部分を収束する連続超音波を発生させるように変更する必要がある。
次に、PC6aによる光イメージング情報の画像表示を説明する。
上述したようにPC6a内のメモリ32には、1フレーム分の各信号データにおける位相成分と振幅成分とが格納される。位相成分と振幅成分は、複素屈折率の実部と虚部にそれぞれ対応し、散乱特性と吸収特性を反映する。
そして、CPU33は、メモリ32に位置情報に関連付けて格納された位相成分と振幅成分を、読み出して表示処理回路34に送る。表示処理回路34は、各位置の位相成分の値や振幅の値を例えば輝度レベルに変換してモニタ35に出力し、モニタ35には、収束点Fの近傍領域R1における位相成分による散乱特性と振幅成分による吸収特性の光イメージング情報が画像化されて表示される。
次にCPU33により、干渉信号から散乱成分(実部)及び吸収成分(虚部)の算出を行う動作を説明する。
パルス超音波の収束点Fの近傍領域R1のように超音波が局在する生体組織7における狭い領域においては、その媒質を構成する分子の密度変化Δρ(z)が動的に生起される。
Lorentz−Lorenzの関係式を分子密度で1回微分すると、複素屈折率mの複素屈折率変化Δm(z)と密度変化Δρ(z)は、次式で表される。
△m=(A/W)(m+2)△ρ/(6m) (1)
ここで、Wは媒質を構成する分子の分子量、Aは1mol当たりの全分極率である。
上記(1)式のように複素屈折率mの変化により、超音波の収束点Fの近傍領域R1を通過する光は、超音波による複素屈折率が変化した媒質部分と相互作用し、その部分で散乱及び吸収される。
生体組織7へ入射される入射光、つまり、レーザ光の角周波数をω、その波数をk、生体組織7(媒質)の表面から超音波の収束点Fまでの深さをz(図2の一部を拡大した拡大図3参照)、真空での光の波数をkとすると、生体組織7を通過する電界E(z,t)は、次の(2)式で近似できる。
(z,t)≡E=Es0exp{i(ωt―kz)} (2)
一方、光の光路長zは、は、以下の(3)式となる。
z=D+D+L+m(L−Δz)+L+(m+Δm)Δz
=D+D+L+L+mL+△m△z (3)
ここで、図2に示すようにDはレーザ装置3aとハーフミラー13a間の距離、Dはハーフミラー13aとミラー14a(或いはハーフミラー14bとハーフミラー13b)間の距離、Lはハーフミラー13aとミラー14b間の距離、Lはミラー14aと(超音波送信軸Ouに沿ってレーザ光が入射される位置の)生体組織7の表面までの間の距離、Lは超音波送信軸Ou上での生体組織7の厚み、Lは生体組織7の底面からハーフミラー13bまでの距離を表す。超音波の収束点Fの近傍領域R1(以下、超音波収束領域と略記)における複素屈折率を、その変化分を含めたm+Δmとして
m+△m=(m+△m)−i(m+△m
=(m−im)+(Δm−i△m) (4)
と定義する。
(3)式を(2)式に代入すると、以下の(5)式のように書ける。
=Es0exp{i(ωt―kz)}
=Es0exp[i{(ωt―k(D+D+L+L+mL+△m△z)}] (5)
(5)式に対して(4)の関係式を代入して整理すると、以下の(6)式のように記述できる。
=Es0exp[i{(ωt―k(D+D+L+L+(m−im)L+(Δm−i△m)△z)}]
=Es0exp[iωt―ik(D+D+L+L+m+Δm△z)]exp{ik(im)L+ik(iΔm)Δz}
=Es0exp[−k(m+ΔmΔz)]exp[i{ωt―k(D+D+L+L+m+Δm△z)}] (6)
この(6)式は、超音波収束部位の媒質の複素屈折率m+Δmの実部(つまりm+△m)と虚部(つまりm+△m)が共に変化すると、その超音波収束部位を通った透過光或いは散乱光の位相項と振幅項の各々が局所的に変調を受ける。
そして、本実施例ではこのように超音波収束領域の媒質からの透過光等における局所的な位相変調成分と振幅変調成分を抽出することにより、その媒質内部の局所的な散乱特性と吸収特性とを得る。
ここで、複素屈折率m+Δmの虚部(m+△m)は、光の吸収を表す量であり、消光係数とも呼ばれ、吸収係数αと次の(7)式の関係がある。
α=4πm/λ (7)
この吸収係数αは、入射光の強度が1/eに減じる伝搬距離の逆数に相当する。(6)式及び(7)式から、超音波による振幅変調成分を抽出することにより、超音波収束領域の吸収係数αを間接的に算出することができる。
本実施例では、散乱特性及び吸収特性を画像として取得できるが、以下に説明するように特に散乱特性を取得可能することが大きな特徴となる。
一般に、腫瘍の癌化に伴う核内クロマチンの濃縮状態や核の空間分布変化といった組織構造的変化は屈折率分布の変化を引き起こす。一方、散乱強度分布は、複素屈折率の実部mを反映する(Mie散乱理論では、周辺媒質と散乱体の屈折率の実部は散乱波形を決定するパラメータとなる)。
従って、(6)式から分かるように、屈折率変化△mは観測光中の位相変調成分に相当するため、この位相変化をヘテロダイン検波により検出できれば、超音波収束領域の複素屈折率の実部の変化、すなわち、癌組織に関連する組織構造変化に相関のある散乱特性を観測することが可能となる。
(6)式においては入射光を生体組織7に入射させ、超音波収束領域を通って生体組織7を透過する透過光(つまり観測光)を直接検出する場合で示しており、このままでは位相成分を良好なS/Nで検出し難い。
このため、図2に示したように光変調器18で光変調された参照光と、超音波収束領域を通り抜ける観測光とをハーフミラー13bで光混合して干渉させた干渉光(ビート信号光)を抽出するヘテロダイン検波を行うようにしている。このヘテロダイン検波に相当する干渉光を光検出器4aで受光して干渉信号を得る。
つまり、光検出器4aには、超音波収束領域からの観測光として(6)式で表される電界成分の光が入射されるのに対して、参照ミラー14bにより反射された以下の(8)式で表される電界成分の参照光も入射される。
=Er0exp[i{(ω―ω′)t―k(D+L+D)}] (8)
光検出器4aにより検出できるのは(6)式と(8)式の和の2乗の時間積分である。簡単のため、E=E’exp{i(ωt+φ)},E=E’exp[{i{(ω―ω′)t+φ}]とおくと、
E=E+E={E’exp(iφ)+E’exp(−iω′t+φ)}exp(iωt)
I(z,t)=|E|=|EE
=[E’exp(iφ)+E’exp{−i(ω′t−φ)}]exp(iωt)
×{E’exp(−iφ)+E’exp{i(ω′t−φ)}]exp(−iωt)
=E’ +E’ +E’E’exp(iφ)exp{i(ω′t−φ)}+E’E’exp(−iφ)exp{−i(ω′t−φ)}
=E’ +E’ +E’E’exp{i(ω′t−φ+φ)}+E’E’exp{−i(ω′t−φ+φ)}
=E’ +E’ +2E’E’cos(ω′t−φ+φ) (9)
ここで、E’=Es0exp{−k(m+ΔmΔz)}、E’=Er0である。
また、φ=−k(D+D+L+L+m+Δm△z)、φ=−k(D+D+L)であるから、(9)式は
I(z,t)=|Es0exp{−k(m+ΔmΔz)}|+|Er0+2Es0r0exp{−k(m+ΔmΔz)}cos{ω′t+k(D+D+L)−k(D+D+L+L+m+Δm△z)}
=|Es0exp{−k(m+ΔmΔz)}|+|Er0+2Es0r0exp{−k(m+ΔmΔz)}cos{ω′t−k(L+L−L+m+Δm△z)}
=D.C.+2Es0r0exp{−k(m+ΔmΔz)}cos{ω′t−k(L+L−L+m+Δm△z)} (10)
ここで、ミラー14aと生体組織表面間に光路長を長くするための遅延回路を設置することで、L+L−L≒0とすることも可能である。この場合は、(10)式は、(11)式のように書ける。
I(z,t)=D.C.+2Es0r0exp{−k(m+ΔmΔz)}cos{ω′t−k(m+Δm△z)} (11)
光検出器4aにより検出される光電流成分において、(11)式の第1項が直流成分となり、第2項がビート角周波数ω′で正弦波状に変化する交流成分となる。つまり、この交流成分の振幅成分と位相成分(より具体的には位相差)から、位置zの近傍領域における吸収特性と散乱特性に密接に関連する各情報を検出することができる。
(11)式の信号は、位相計としての機能を有するオッシロスコープ5aに入力され、このオッシロスコープ5aにより交流成分の位相差を検出することができる。つまり、散乱量も測定できるようにしている。また、交流成分の振幅成分から吸収特性を検出する。
本実施例では、このオッシロスコープ5aの出力信号或いはオッシロスコープ5aに入力される干渉信号をPC6aに入力して、PC6aにおいても(11)式の信号における位相差を算出して散乱特性を算出することができる構成にしている。
以下においては、PC6aにより、(オッシロスコープ5aを用いる事無く)光検出器4aの出力信号から位相差等を算出することについても説明する。
(11)式のデータは、A/D変換されてPC6a内のメモリ32にストックされる。そして、PC6a内のCPU33は、メモリ32に格納されたデータに対する演算処理を行い、(11)式における交流成分の位相差(複素屈折率の実部)及び振幅(複素屈折率の虚部)を算出する演算を行う。
散乱特性に大きく寄与する位相差の値を算出するために、CPU33はメモリ32にストックされたデータに対するフーリエ変換の処理を行って検出する。
ここで、位相差の項を検出するために時間変数tについてI(z,t)のフーリエ変換Fにより、以下の式(12)となる。(ここで、ω′=2πf
F{I(z,t)}=aδ(f)+(b/2)exp(ik(m+△m△z))δ(f―f)+(b/2)exp(―ik(m+△m△z))δ(f+f) (12)
但し、 a=D.C.、b=2Es0r0exp{−k(m+△m△z)}である。また、δ(f)はf=0の値でのみ1となるデルタ関数を示す。
(12)式の第2項の周波数スペクトルfの複素振幅を取り出し、その実部と虚部の比をとることにより、以下の(13)式から位相差の項{k(m+△m△z)}を求めることが可能である。つまり、{k(m+△m△z)}は、
{k(m+△m△z)}=tan−1[Im{(b/2)exp(ik(m+△m△z))}/Re{(b/2)exp(ik(m+△m△z))}] (13)
となる。
CPU33は、メモリ32に格納されたデータに対してFFT処理を行い、そのFFT処理結果から(13)式の位相差の値を算出する。
そして、各位相差に対応する値を、位置情報と関連付けてメモリ32に格納し、1フレーム分の各値を、例えば輝度値として表示処理回路34を経てモニタ35に出力し、その表示面に光断層画像(光イメージング情報)として表示する。また、位相差に対応する値の大きさに応じて異なる色信号に割り当てて擬似カラーで表示するようにしても良い。
従って本実施例は以下の効果を有する。
本実施例においては、複素屈折率における少なくとも実部、つまり2次元の光散乱に深く関係(関与)する2次元情報を抽出することができるようにしているので、生体組織7における腫瘍の癌化等に伴って組織の構造的変化による光散乱特性の変化を引き起こす因子に相関性のある光イメージング情報を得ることができる。
即ち、腫瘍の癌化に伴う核内クロマチンの濃縮状態や核の空間分布変化といった組織構造的変化は特に光散乱特性の変化を引き起こすため、散乱特性に深く関係する光イメージングを可能にするということは、癌組織に関連する組織構造変化に相関のある情報を観測することが可能であることと等価となる。そして、その光イメージング情報により、診断などに有効に利用することができる可能性が高い。
また、本実施例によれば、共焦点技術やOCTといった光診断学技術と比較した場合、より深部の観察が期待できる。また、本実施例によれば、超音波を収束させることで、より光CTと比較して高い空間分解能のイメージング情報が得られる。従って、癌組織が初期の段階においても識別し易い光イメージング情報を得られる可能性が高い。
また、本実施例は被検体に照射する光源として単一のレーザ装置3aで実現できると共に、受光手段も単一の光検出器4aで実現できる。従って、コンパクトな装置で画像情報を取得できる光イメージング装置1Aを実現できる。
なお、光検出器4aには、ライン状の1次元センサを用いても良いし、2次元検出器であるCCD等を用いても良い。
また、本実施例においては走査部としてスキャニングユニット12a、12bを備えているので、ユニット11a、11bと共にレーザ装置3aと光検出器4aが走査されることにより、検査対象部位としての収束点Fの近傍領域R1を移動して2次元或いは3次元の光イメージング情報を得ることができる。つまり、光検出器4a等を生体組織7の周囲に複数配置する手間等を必要としないで、簡単に2次元或いは3次元の光イメージング情報を得ることができ、操作性を大幅に向上できる。
また、超音波送信軸(音軸)Ouに沿ってレーザ光を進行させることにより被検体に超音波とレーザ光を同軸的に照射する構成にしているので、光イメージング装置1Aの配置などが簡単になる。
また、本実施例は、外科分野や医療分野以外における他の産業分野においても、検査対象物の散乱特性及び吸収特性の測定などに広く適用できる。
更に、干渉光を抽出することにより、干渉光強度を(その他の光強度に対して相対的に)強めることができ、S/Nの良い状態で干渉光を抽出できる。従って、精度のよい散乱情報を取得できる。
次に図6及び図7を参照して本発明の実施例2を説明する。図6は実施例2の光イメージング装置1Bを示す。
実施例1においては、観測光として生体組織7を透過した透過光を検出する構成であったのに対して、本実施例は生体組織7に光を照射して、照射側に戻る光を観測光として検出する構成である。つまり、本実施例における光検出器4aは、反射光受光部を形成している。なお、実施例1と同じ構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。
なお、図6においては、光源装置3bとハーフミラー13間の距離をDとする等、図6は図2の場合とは異なる符号を付けて示している。
図6に示す光イメージング装置1Bは、光源装置3b、光検出器4a等が内部に設けられたユニット11を有する。このユニット11はスキャニングユニット12により、2次元或いは3次元的にスキャンされる。
また、このユニット11の端面に取り付けられた超音波トランスジューサ2aは、超音波を伝達する超音波伝達媒体としての例えば水36を介して生体組織7に超音波を照射する。
この場合、超音波トランスジューサ2aには、実施例1の場合と同様に開口15が設けてあり、この開口15を通って光源装置3bで発生した光は生体組織7に照射される。
具体的には、光源装置3bで発生されたレーザ光等の光は、ハーフミラー13に入射され、このハーフミラー13を透過した光は、開口15を通って生体組織7側に照射(入射)される。
この場合、超音波トランスジューサ2aも、開口15を通る光の進行軸(光軸)を超音波送信軸Ouとして音響レンズ16により収束されながら生体組織7側に超音波を照射する。
そして、収束点Fの近傍領域R1において散乱された光における一部は、生体組織7に入射された方向と逆方向に進行し、ハーフミラー13に入射される。そして、以下に説明するように(ハーフミラー13で反射され、)参照ミラー14側からの参照光と干渉する干渉光となり、光検出器4aで受光されることになる。
一方、ハーフミラー13で反射された光源装置3bからの光は、参照ミラー14側に進行する。この場合、ハーフミラー13と参照ミラー14との間の光路中には、実施例1の場合と同様に発振器17の発振出力で光変調を行う光変調器18が配置されている。
本実施例においては、ハーフミラー13での反射光は、光変調器18で光変調された後、参照ミラー14に入射され、この参照ミラー14で反射された後、再び光変調器18で光変調された後、ハーフミラー13に入射される。
このように光変調器18は、参照光を2回光変調して、ハーフミラー13側に戻す。このため、ハーフミラー13には角周波数2ω′で光変調された参照光が入射される。
そして、このハーフミラー13において観測光と干渉して干渉光となり、この干渉光は、光検出器4aで受光される。このように本実施例におけるハーフミラー13は、実施例1におけるビームスプリッタの機能を持つハーフミラー13aと、光混合を行うハーフミラー13bとの両機能を兼ねる機能を持つ。
この光検出器4aの出力信号としての干渉信号は、情報抽出部5としての信号処理回路5bに入力され、観測光における位相成分と振幅成分の信号が抽出される。この信号処理回路5bは、例えば実施例1と同様にオッシロスコープ5aでも、ロックインアンプでも良い。
信号処理回路5bの出力信号は、PC6aに入力され、デジタルの信号データに変換されてPC6a内のメモリにストックされる。
本実施例におけるPC6aは、実施例1における制御回路25の機能を兼ねる。
超音波トランスジューサ2aは、実施例1の場合と同様にパルス発生器21からパワーアンプ22で増幅されたパルス状超音波駆動信号が印加される。
このパルス発生器21のパルスは、ディレイ回路23により遅延されて信号処理回路5bに入力される。
なお、パルス発生器21によりパワーアンプ22で増幅された超音波駆動信号は、パルス波形でなく、連続波形状とすることで超音波トランスジューサ2aより連続超音波を発生させても良い。
またその時、パルス発生器21より超音波の波長に相当する時間間隔でパルス状のリファレンス信号を信号処理回路5bに入力させて同期検波することで、パルス状の超音波を照射した場合と同等の効果を得ることも可能である。
そして、この信号処理回路5bは、実施例1或いは以下に説明するように、観測光における位相成分と振幅成分を抽出する信号処理を行う。
つまり、本実施例における信号処理回路5bは、光散乱特性及び吸収特性に密接にそれぞれ関連する複素屈折率の実部と虚部に相当する位相成分と振幅成分とを算出するようにしている。その他の構成は、実施例1と同様の構成である。
次に本実施例の動作を、図7のフローチャートを参照して説明する。最初のステップS21において光源装置3bは光を発生する。
また、ステップS22に示すように超音波トランスジューサ2aはパワーアンプ22を経てパルス状超音波駆動信号が印加され、収束する超音波をパルス状に発生する。
また、ステップS23に示すように光源装置3bの光は、ハーフミラー13にて分岐される。
そして、ステップS24aに示すように参照ミラー14に向かう光は、光変調器18にて光変調された後、ハーフミラー13に参照光として入射される。
一方、ステップS24bに示すようにハーフミラー13を透過した光は、生体組織7に照射され、生体組織7内部で超音波による屈折率変化を伴った散乱光となる。この散乱光の一部は、ハーフミラー13に観測光として入射される。
そして、ステップS25に示すように、このハーフミラー13において、参照光と観測光とが干渉して干渉光となる。
ステップS26においてこの干渉光は、光検出器4aによりヘテロダイン検波された干渉信号となる。本実施例では、このヘテロダイン検波された干渉信号は、2ω′の角周波数を持つ信号となる。
次のステップS27においてこの干渉信号は、信号処理回路5bにより位相成分と振幅成分が検出される。そして、次のステップS28においてPC6a内のメモリにスキャニング位置の情報と共に、光イメージング情報としてストックされる。
そして、次のステップS29において、例えばPC6a内のCPUは、スキャニングの終端かの判定を行う。終端でない場合には、ステップS30に示すようにCPUはスキャニング信号発生回路24を介してスキャニングユニット12を駆動し、ユニット11を移動することにより、超音波の収束点Fを移動する。そして、ステップS22に戻り、ステップS22からステップS30の処理を繰り返す。このようにしてスキャニングを終端まで行うことにより、ステップS29からステップS31の処理に進む。
つまり、ステップS31に示すように1フレーム分の画像生成が完了し、PC6aはメモリに格納された位相成分と振幅成分をスキャニング位置に対応付けて光イメージング情報を画像化して表示する。
よって、実施例1のように散乱特性及び吸収特性に対応する光イメージング情報を得ることができる。
なお、連続超音波を用いる場合においても略図7と同様にして実施することが可能であるが、この場合においてはステップS22の部分を収束する連続超音波を発生させるように変更すれば良い。
次に散乱光の位相成分及び振幅成分の抽出の動作をより詳細に説明する。
物体(生体組織7)側を通過する電界E(z′,t)は、次の(14)式で近似できる。
(z′,t)≡E=Es0exp{i(ωt―kz′)} (14)
ここで、光路長z′は、
z′=D+D+2L+2n+2m(z−Δz/2)+(m+Δm)Δz
=D+D+2L+2n+2(m−im)z−(m−im)Δz+{(m+Δm)−i(m+Δm)}Δz
=D+D+2L+2n+(2mz+ΔmΔz)−i(2mz+ΔmΔz)
(15)
ここで、nは水36の屈折率を示す。(15)式を(14)式に代入し、z′をzにより表現し直すと、
(z,t)=Es0exp[i{(ωt―k{(D+D+2L+2n+2mz+ΔmΔz)−i(2mz+ΔmΔz)}}]
=Es0exp[i{ωt―k(D+D+2L+2n+2mz+ΔmΔz)}]exp{−k(2mz+ΔmΔz)}
=Es0exp{−k(2mz+ΔmΔz)}exp[i{ωt―k(D+D+2L+2n+2mz+ΔmΔz)}] (16)
参照光E(t)は、以下の式で表される。
(t)=Er0exp[i{(ω―2ω′)t―k{D+2L+D}] (17)
I(z,t)=|E(z,t)+E(t)|を計算する。
ここで、E(z,t)=E’exp{i(ωt+φ)},E(t)=Er0exp[i{(ω―2ω′)t+φ}]とおくと、
E=E(z,t)+E(t)={E’soexp(iφ)+Eroexp(−i2ω′t+iφ}]exp(iωt)
I(z,t)=|EE
={Esoexp(iφ)+Er0exp(−i2ω′t+iφ)}exp(iωt)
×{Esoexp(−iφ)+Eroexp(i2ω′t−iφ)}exp(−iωt)
I(z,t)=Eso +Er0 +Esor0exp{i2ω′t+iφ−iφ}+Esor0exp{−i2ω′t−iφ+iφ
=D.C.+Esor0exp{−i(2ω′t−φ+φ)}+Esor0exp{i(2ω′t−φ+φ)}
=D.C.+2Esor0cos(2ω′t−φ+φ
−φ+φ=k(D+D+2L)−k(D+D+2L+n+2mz+ΔmΔz)
=−k(2L−2L+2n+2mz+ΔmΔz)
故に、
I(z,t)=|EE
=D.C.+2Esor0exp{−k(2mz+ΔmΔz)}cos{2ω′t−k(2L−2L+2n+2mz+ΔmΔz)}
ここで、L−L+n=0となるように参照アーム長と、ハーフミラー13と生体組織7との光路長を2L+2nを調整すると、上式は(18)式のように書ける。
I(z,t)=D.C.+2Esor0exp{−k(2mz+ΔmΔz)}cos{2ω′t−k(2mz+ΔmΔz)} (18)
この(18)式は、超音波収束領域の媒質の複素屈折率m+Δmの実部(つまりm+△m)と虚部(つまりm+△m)が共に変化すると、その超音波収束部位を通った戻り光或いは散乱光の位相項と振幅項の各々が変調を受ける。
そして、本実施例ではこのように超音波収束領域の媒質からの戻り光等における位相変調成分と振幅変調成分を抽出することにより、その媒質内部の局所的な散乱特性と吸収特性とを得る。
ここで、複素屈折率m+Δmの虚部(m+△m)は、光の吸収を表す量であり、消光係数とも呼ばれ、吸収係数αと上述した(7)式の関係がある。
(18)式においては入射光を生体組織7に入射させ、超音波収束領域から戻る入射光(つまり観測光)を直接検出する場合で示しており、このままでは位相成分を良好なS/Nで検出し難いので、図6に示したように光変調器18で光変調された参照光と、超音波収束部位から戻る観測光とをハーフミラー13で光混合して干渉させた干渉光にしてヘテロダイン検波を行うようにしている。このヘテロダイン検波に相当する干渉光は光検出器4aで受光され、干渉信号となる。
光検出器4aにより検出される光電流成分において、(18)式の第1項が直流成分となり、第2項がビート角周波数2ω′で正弦波状に変化する交流成分となる。つまり、交流成分の振幅成分と位相成分(より具体的には位相差)から、位置zの吸収特性と散乱特性に密接に関連する各情報を検出することができる。
(18)式の信号は、位相計としての機能を有するオッシロスコープ5aやロックインアンプに入力することにより、交流成分の位相差及び振幅成分から散乱量と吸収量を検出できる。
上記位相計を用いる代わりに図6に示した信号処理回路5bにより、以下のように位相差等を算出することもできる。
(18)式のデータは、A/D変換されてPC6a内のメモリにストックされる。そして、PC6内のCPU34は、メモリ32にストックされたデータに対する演算処理を行い、(18)式における交流成分の位相差(複素屈折率の実部)を算出する演算を行う。
散乱特性に大きく寄与する位相差の値を算出するために、CPU33はメモリ32にストックされたデータに対するフーリエ変換の処理を行って検出する。
ここで、位相差の項を検出するために時間変数tについてI(z,t)のフーリエ変換Fにより、以下の式(8′)となる。(ここで、2ω′=2πf
F{I(z,t)}=aδ(f)+(b/2)exp(ik(2mz+△m△z))δ(f―f)+(b/2)exp(―ik(2mz+△m△z))δ(f+f) (8′)
但し、aは直流成分で、b=2Es0r0exp{−k(2mz+△m△z)}である。
(8′)式の第2項の周波数スペクトルfの複素振幅を取り出し、その実部と虚部の比をとることにより、以下の(9′)式から位相差の項{k(2mz+△m△z)}を求めることが可能である。つまり、{k(2mz+△m△z)}は、
{k(2mz+△m△z)}=tan−1[Im{(b/2)exp(ik(2mz+△m△z))}/Re{(b/2)exp(ik(2mz+△m△z))}] (9′)
となる。
本実施例によれば、実施例1と同様に光散乱及び吸収の光イメージング情報を取得することができ、この光イメージング情報を画像化して表示することもできる。従って、病変部の診断などをより総合的に行うのに有効となる診断資料を提供できる。
また、反射光を検出するタイプとすることにより、光散乱等の測定を行う光イメージング装置1Bの構成が透過光を検出するタイプの場合よりもコンパクトにできる。また、走査部となるスキャニングユニット12が1つで済むメリットもある。
また、実施例1の場合と同様に干渉光を抽出することにより、S/Nの良い散乱情報を取得できる等の効果がある。
なお、光検出器4aは、ライン状の1次元検出器を用いても良いし、CCD等の2次元検出器を用いても良い。
次に本実施例の変形例を説明する。図8は第1変形例の光イメージング装置1Cを示す。
この光イメージング装置1Cは、図6においてハーフミラー13と超音波トランスジューサ2aとの間の光路中に発振器17bの発振出力で光変調を行う第2の光変調器18bが配置されている。
この発振器17bは、発振器17による角周波数ω′とは異なる角周波数ωb′が採用される。そして、ハーフミラー13において、2ω′で変調された参照光と、2ωb′で変調された観測光とを干渉させて干渉光を生成する。
そして、ヘテロダイン検波により、例えば2(ω′+ωb′)の干渉信号を抽出する。
本変形例によれば、観測光側の光路にも光変調部を配置することによって、よりS/Nの良い観測光を抽出(検出)することが可能となる。
つまり、観測光側に光変調器18bを配置しない場合には、ハーフミラー13による干渉により2ω′の干渉光を抽出する場合、観測光は変調されていないため、実際に生体組織7側から戻る観測光の他に、光源装置3bからの光と干渉した成分も干渉光に混入してしまう。
これに対して、本変形例によれば、2(ω′+ωb′)の干渉信号を抽出するため、参照光と実際に生体組織7側から戻る観測光との干渉光成分のみを抽出することができる。従って、よりS/Nの良い観測光を抽出することが可能となる。
図6の実施例と同様に連続超音波を用いても良い。
図9は第2変形例の光イメージング装置1Dを示す。上述した実施例においては、生体組織7に照射される超音波送信軸Ouに沿って光が照射される構成であったが、本変形例は互いに異なる方向から生体組織7に超音波と光が照射される構成になっている。
また、本変形例では、生体組織7に照射される光を収束する照明光収束部を備えた構成となっている。図9に示すように光源装置3bからハーフミラー13を透過した光は、レンズ枠37に取り付けたコリメートレンズ(若しくは集光レンズ)38を経て収束されて生体組織7に照射される。
また、このコリメートレンズ38の光軸Oと例えば角度θ(>0)なす方向が超音波送信軸Ouとなるように、ユニット11の端面等に超音波トランスジューサ2aが取り付けられている。
なお、この超音波トランスジューサ2aは、超音波収束部としての音響レンズ16が設けてあるが、開口15は設けてない構造となっている。
そして、この図9に示すように収束点Fの近傍領域R1付近において光軸O方向に散乱された光は、当該散乱後においては収束された超音波の影響を殆ど受けることなくコリメートレンズ38側に戻る。このように、本変形例においてはパルス超音波だけでなく、連続波にした場合にも、収束点Fの近傍領域R1で散乱された散乱光を、超音波による近傍領域R1以外での影響を殆ど受けることなく検出できるようにしている。
このため、本変形例においては、パルス発生器21を採用しないで、例えば連続波の超音波駆動信号を発生する信号発生器39を採用している。勿論、パルス超音波を用いるようにしても良い。
この信号発生器39で発生された超音波駆動信号は、パワーアンプ22により増幅された後、超音波トランスジューサ2aに印加される。
なお、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37は、ユニット11側に設けた図示しない筒体と嵌合し、光軸O方向に移動することにより、超音波を収束する音響レンズ16による収束点Fの位置に光をフォーカスするように調整することができる。つまり、コリメートレンズ38及びレンズ枠37は、照明光が照射される照射位置調整部を形成している。
なお、音響レンズ16側もそのフォーカス位置を調整することができる構成にしても良い。つまり、コリメートレンズ38により光がフォーカスした位置に、超音波がフォーカスする(焦点を結ぶ)ように超音波の焦点調整部を形成するようにしても良い。後述する図11においては焦点調整部を備えた構成である。
なお、図8、図9の実施例においても光検出器4aには、ライン状の1次元検出器を用いても良いし、CCD等の2次元検出器を用いても良い。
図10は本変形例におけるタイミングチャートを示す。図10(A)に示すように光源装置3bは連続光を発生し、また信号発生器39は連続波の超音波駆動信号を発生する。
そして、信号処理回路5bは、信号発生器39の信号を受けて、図10(C)に示すように超音波が収束点Fに達するタイミングにおける短い時間、例えばゲートを開いて変調信号に同期して干渉信号から位相成分と振幅成分を抽出する。
また、最初のみ、このように超音波が収束点Fに達するまで、干渉信号を取り込むタイミングの調整を行うが、図10(D)に示すように(例えばPC6aによる制御により)スキャニング信号は、短い周期で発生される。
そして、信号処理回路5bにより抽出された位相成分と振幅成分は、PC6a内の例えばメモリにスキャニング信号と関連付けてストックされる。
このように動作する本変形例においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとのなす角度θを適度の値以上に設定しているので、収束点Fの近傍において収束された超音波により複素屈折率が変化されて散乱される光は、その後は超音波による影響を殆ど受ける事無く観測光として検出される。
従って、超音波を連続的に照射しながら、スキャニングも連続に近い状態で行うことができる。また、短時間に1フレーム分の光イメージング情報を取得することができる。
その他、実施例2と同様の効果を有する。なお、本変形例においても第1の変形例を適用することにより、よりS/Nのよい状態で干渉信号を検出することができる。
図11は、第3変形例の光イメージング装置における照明光軸保持部としてのレンズ保持部26と、超音波送信軸保持部としてのトランスジューサ保持部27周辺部を示す。
図11に示す例は、例えば図9の構成に適用した場合で示す。
レンズ保持部26は、コリメートレンズ38が取り付けられたレンズ枠37が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体26aと、この可動保持体26aの一方の端部側を嵌合して回転的にスライド移動可能に保持する固定側保持体26bとを有する。
また、可動保持体26aの他方の端部側には、ラック部26cが設けてあり、このラック部26cは摘み26eの端部に設けたギヤ26dが噛合する。そして、ユーザは、この摘み26eを回動する操作を行うことにより、図11中の符号Cで示すように可動保持体26aを移動することができる。そして、コリメートレンズ38の光軸Oを移動してその光軸Oを調整することができる。
また、同様にトランスジューサ保持部27は、超音波トランスジューサ2aが取り付けられた可動枠体40が嵌合する透孔により摺動可能に保持する可動保持体27aと、この可動保持体27aの一方の端部側を嵌合して回動的なスライド移動可能に保持する固定側保持体27bとからなる。
また、可動保持体27aの他方の端部側には、ラック部27cが設けてあり、このラック部27cは摘み27eの端部に設けたギヤ27dが噛合する。
そして、ユーザは、この摘み27eを回動する操作を行うことにより、図11中の符号Dで示すように可動保持体27aを移動することができる。そして、超音波トランスジューサ2aの超音波送信軸Ouを移動してその超音波送信軸Ouの方向を調整することができる。
また、図11において、レンズ枠37を光軸Oの方向に調整することにより、光の焦点位置Foを調整できる。同様に可動枠体40を調整することにより超音波の収束点Fを調整することができる。
そして、例えば収束点Fに焦点位置Foが一致するように調整することができる照明光調整部が設けてある。また、焦点位置Foに収束点Fが一致するように調整することができる超音波の焦点調整部も設けてある。
本変形例では、固定側保持体26b、27bにより可動保持体26aと可動保持体27aとを共通の平面(光軸Oと超音波送信軸Ouを含め面)内で回動的に移動自在に保持し、光と超音波の送信軸の方向が異なる場合にも、検査対象とする部位に光及び超音波をフォーカスし易くしている。
なお、図11においては、光軸Oと超音波送信軸Ouとが異なる方向に設定した場合におけるフォーカス調整及び方向調整機構を示しているが、光軸Oと超音波送信軸Ouとを一致させる場合には、レンズ保持部26とトランスジューサ保持部27とを同軸的に或いは積層的に配置することにより実現できる。
図12は、レンズ保持部26とトランスジューサ保持部27とを同軸的に配置した第4変形例におけるレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′周辺部を示す。
本変形例は、図11で説明したレンズ保持部26とトランスジューサ保持部27に類似したレンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′とが同軸状に隣接するように設けてある。そして、コリメートレンズ38の光軸Oと超音波送信軸Ouとが一致するように調整できるようにしている。
なお、レンズ保持部26′とトランスジューサ保持部27′は、図11におけるレンズ保持部26とトランスジューサ保持部27における回動的な移動の代わりに光軸O及び超音波送信軸Ouに直交する方向にそれぞれ移動可能とした相違のみである。
そして、例えばレンズ保持部26′側を調整することにより、光軸Oが超音波送信軸Ouに一致するように調整することを可能とする照明光軸調整部を形成している。
また、トランスジューサ保持部27′側を調整することにより、超音波送信軸Ouが光軸Oに一致するように調整することを可能とする送信軸調整部を形成している。
本変形例によれば、レンズ保持部26′やトランスジューサ保持部27′がバラツキがある場合においても、調整することにより収束点Fと焦点位置Foとが一致するように調整することができる。そしてS/Nや分解能が高い状態で光イメージング情報を得ることができる。
図13は、第5変形例の光イメージング装置IPを示す。この光イメージング装置IPは、例えば図9の光イメージング装置IDにおいて、超音波トランスジューサ2aには、音響レンズ16を設けない構成としている。超音波トランスジューサ2aは、収束されない超音波を生体組織7に照射することになる。
本変形例は、簡略化した構成とすることにより低コストで光イメージング情報を得るようにしている。なお、集光レンズ38も設けない構成にすることもできる。この場合には、さらに低コスト化できる。
なお、図12と図13の実施例においても、前述と同様に超音波としてパルス又は連続波のいずれでも良く、また光検出器としてライン状1次元検出器を用いても良いし、2次元検出器であるCCD等を用いても良い。
次に図14から図16を参照して本発明の実施例3を説明する。図14は本発明の実施例3の光イメージング装置1Rの構成を示す。本実施例では、光ファイバを用いることにより、特に2次元スキャニングする部分をより小型化できるようにしている。
この光イメージング装置1Rは、生体組織7に照射するレーザ光等を発生する光源装置3aを有する。
この光源装置3aの光は、この光を導光する光ファイバ52aの端面に入射され、この光ファイバ52aを介してその途中に設けられた光カプラ53において、2つの光に分岐される。そして、一方は光ファイバ52bを介して光照射と受光とを行う光照射・受光部54側に導光され、他方は光ファイバ52cを介して参照光生成部55側に導光される。
また、光ファイバ52bにより、超音波を伝達する水36を介して生体組織7側に照射され、生体組織7側から戻る光は観測光としてこの光ファイバ52bに入射され、光カプラ53において参照光側の光と干渉した干渉光となる。そして、この干渉光は、光ファイバ52dを経てその端面に配置された光検出器4aにより受光され、光電変換される。
なお、水は用いずに音響レンズ59を生体組織7に接触させても良い。
上記参照光生成部55は、光ファイバ52cの端面から出射される光をコリメートレンズ56により平行な光束の光にして、固定された参照ミラー14に入射させ、この参照ミラー14で反射された光をコリメートレンズ56により再び光ファイバ52cの端面に入射させる。
この場合、コリメートレンズ56と参照ミラー14との間には、実施例1と同様に発振器17の発振出力で駆動される光変調器18が配置されており、この光変調器18によって参照光は光変調される。
また、上記光照射・受光部54は、光照射(或いは光射出)及び受光を行う光ファイバ52bの端面付近に、超音波トランスジューサ57とスキャニングデバイス58とが設けられている。
超音波トランスジューサ57は、パルス発生器21′からパルス状の超音波駆動信号が印加されることにより、パルス超音波を発生し、このパルス超音波は音響レンズ59により収束されて生体組織7側に照射される。なお、このパルス発生器21′は、図2のパルス発生器21とパワーアンプ22の機能を兼ねている。
また、スキャニングデバイス58は、パルス状超音波駆動信号と同期して、スキャニング発生回路24からのスキャニング信号が印加されることにより、光照射・受光部54を2次元的にスキャンする。例えば、生体組織7の深さ方向、つまりz方向と、このz方向と直交する例えばx方向等にスキャンする。
この光ファイバ52bの端面の拡大図を図15に示す。本実施例においては、光ファイバ52bは、中央部に配置した1本或いは複数本の光ファイパからなる第1の光ファイバ部60aと、この第1の光ファイバ部60aの周囲に配置した複数のファイバ、つまりファイババンドルからなる第2の光ファイバ部60bとにより構成されている。
そして、例えば図16の光カプラ53の拡大図に示すようにレーザ装置3aによるレーザ光を光ファイバ52aに入射させ、光カプラ53を構成する第1カプラ部53aにおいて例えば2本に分岐させて光ファイバ52bの第2の光ファイバ部60bと光ファイパ52cにおける第2の光ファイバ部60bと導光させるようにしている。
そして、第2の光ファイバ部60bの端面から、導光されたレーザ光を生体組織7側に照射する。また、生体組織7側からの戻り光を中央の第1の光ファイバ部60aで受光するようにしている。この第1の光ファイバ部60aで受光された光は、第2のカプラ部53bにおいて参照光側の光を導光する第1の光ファイバ部60aと光混合され、干渉光が生成される。そして、干渉光は、光ファイバ52dにより導光されて光検出器4aで受光される。
この光検出器4aで検出された信号は、ロックインアンプ63の信号入力端に入力される。このロックインアンプ63における参照信号入力端には、発振器17の2ω′。の変調信号が印加され、このロックインアンプ63は、(その信号入力端から入力される信号に対して)この変調信号に位相同期した信号成分のみを高いS/Nで抽出する。
また、このロックインアンプ63は、パルス発生器21からディレイ回路23によりディレイされたタイミングに同期して、信号抽出の動作を行う。
このロックインアンプ63で検出された信号は、PC6aのPC本体6c内のA/D変換回路に入力される。なお、PC本体6cは、図2におけるPC6aにおいてモニタ35を除いたものを表している。
また、このPC本体6cのA/D変換回路には、スキャニング信号発生回路24からスキャニング信号が入力され、このスキャニング信号を取り込むことにより、スキャニング位置情報を算出する。
また制御回路25は、パルス発生器21′、スキャニング信号発生回路24及びディレイ回路23の各動作を制御する。また、この制御回路25は、例えばPC本体6c内のCPU33と制御信号などの送受を行うことができる。そして、制御回路25によりパルス発生器21′等を制御することができると共に、PC6a側から制御回路25を介して或いは制御回路25をスルーしてパルス発生器21′等を制御することもできるようにしている。
このような構成による本実施例によれば、光ファイバ52bの先端付近をスキャニングすることにより、実施例1と同様に複素屈折率の実部と虚部に相当するイメージング情報を得ることができる。さらに、スキャニングデバイス58としてサイズが小さくかつ駆動力が小さなもので済む。その他、実施例1と同様の効果を有する。
図17は実施例3の第1変形例で、光イメージング装置を備えた内視鏡装置1Sの構成を示す。本変形例は、実施例3における光照射・受光部54を内視鏡71に設けた構成にしている。
この内視鏡71は、挿入部72の先端に設けられた硬質の先端部73には、照明光を出射する照明窓と観察(撮像)を行う観察窓とが設けてある。照明窓にはライトガイド74の先端側が取り付けてあり、その先端面から照明光を出射する。なお、ライトガイド74の図示しない手元側の端面には、図示しない内視鏡光源装置から照明光が入射される。
また、観察窓には対物レンズ75が取り付けてあり、その結像位置には撮像素子として例えばCCD76が配置されている。このCCD76は、図示しないビデオプロセッサ等の信号処理装置と接続され、この信号処理装置は、CCD76により撮像された画像信号に対する信号処理を行って映像信号を生成し、図示しないモニタに映像信号を出力する。
また、この挿入部72にはその長手方向に処置具類を挿通可能とするチャンネル77が設けてあり、このチャンネル77内に光ファイバ52bが挿通される。
また、本変形例における内視鏡71においては、例えば先端部73の先端面にスキャニングデバイス79が取り付けられ、このスキャニングデバイス79の駆動面に超音波トランスジューサ78が取り付けられている。
そして、スキャニング発生回路24のスキャニング信号をスキャニングデバイス79に印加することにより、超音波トランスジューサ78を2次元的にスキャンすることができるようにしている。
なお、本変形例における超音波トランスジューサ78は例えば電子走査型の超音波トランスジューサにより構成され、この超音波トランスジューサは例えば図17におけるx方向に沿って複数配置されたトランスジューサエレメントにより構成され、図示しない遅延素子等を介して遅延時間を制御して駆動することにより超音波を収束させるように出射させ、収束点Fで収束させることができるようにしている。
そして、図17に示すように光ファイバ52bの先端面から出射される光の照射部位内の領域において、超音波の収束点Fを設定し、この状態でスキャニングデバイス79をスキャニング信号で駆動することにより収束点Fを2次元的にスキャンする。
その他の構成は図14と同様であり、その説明を省略する。本変形例によれば、内視鏡71により体腔内の生体組織7を内視鏡検査することができる。そして、病変部等、より詳しく観察或いは診断したい部位に対しては図17に示すようにチャンネル77内に光ファイパ52bを挿通して、その先端面を観察対象部位に対向させる。
そして、パルス発生器21′からパルス状超音波駆動信号を発生させると共に、スキャニング信号も発生させて、観察対象部位の周辺部に対する2次元イメージング情報を取得し、モニタ35の表示面に表示する。
本変形例においては、内視鏡71に光を照射する光照射部と、超音波を収束させるように照射する超音波照射手段と、超音波の収束領域を2次元的にスキャンするスキャニング手段とを設けているので、体腔内における所望とする部位の生体組織7に対する光イメージング情報を得ることができる。
従って、本変形例によれば、体腔内の患部等の生体組織7を光学的に内視鏡検査し、その
場合に病変部のように、より詳しく診断したい部位に対して、光イメージング情報を取得し、モニタ35に表示させるようにすることができる。このようにすることにより、内視鏡検査のみの場合よりも、病変部をより的確に診断するのに有益な情報を得ることができる。
なお、本変形例における他の変形例として以下に説明するように、例えばチャンネル77の先端開口部分に、実施例3における超音波を収束して照射する機能と、スキャニング手段の機能も備えた光照射・受光部54を設けるようにしても良い。
図18は、第2変形例の内視鏡装置1×における内視鏡71の先端部付近の構成を示す。本変形例は、図14の光照射・受光部54をチャンネル77の先端開口に着脱自在に取り付けた構成にしたものである。
図18に示すように、光照射・受光部54の周囲に、スキャニングデバイス58と超音波トランスジューサ57bと音響レンズ59が設けられている。
図18に示す超音波トランスジューサ57bは、超音波送信面側が例えば凹面形状に加工されており、パルス発生器21′からパルス状の超音波駆動信号が印加されることにより、パルス超音波を発生し、このパルス超音波は収束されて生体組織7側に照射される。なお、図14に示した超音波トランスジューサ57を採用しても良い。
また、図19は第3変形例における光ファイバ52bの端部の構成例を示す。図15で示したようにこの光ファイバ52bは、その中央部に第1の光ファイバ部60aが配置され、その周囲に複数のファイバからなる第2の光ファイバ部60bが配置されている。
図19の光ファイバ52bにおいては、第2の光ファイバ部60bの端面が中央部の第1の光ファイバ部60aの軸に関して回転対称となる放物面等の凹面を形成するように加工されており、さらにその端面には集光するコリメートレンズ(或いは集光レンズ)60cが取り付けられている。
そして、各第2の光ファイバ部60bの端面から出射される光を焦点位置Fにフォーカスすることができるようにしている。このようにすることにより、S/Nが良く、空間分解能が高い光イメージング情報を取得できる。
なお、図18において、図19のようにコリメートレンズ60cを設けた光照射・受光部54と、その周囲の超音波トランスジューサ57b及び音響レンズ59部分に対して図12で説明したようにレンズ保持部26とトランスジューサ保持部27とを設けて、照明光軸の調整及び光の焦点位置Foの調整と、超音波の送信軸の調整及び超音波の収束点Fの調整とを行えるようにしても良い。また、これらの一部のみを設けるようにしても良い。
以上の各実施例においては光変調器とそのドライバを、カプラと光照射部(生体組織付近)の間に設けてS/Nの向上を図っても良いし、前述と同様に超音波として、パルスと連続波のいずれを用いてもよく、さらに光検出器としてライン状の1次元検出器を用いても良いし、CCD等の2次元検出器としても良い。
次に図20から図23を参照して本発明の実施例4を説明する。図20は本発明の実施例4の光イメージング装置1Yの構成を示す。本実施例は、超音波出射部と、光照射及び光検出部とが一体的に形成された超音波出射・光照射・検出部がラインに沿って複数個、1次元的に配列された超音波出射・光照射・検出アレイ95を採用した構成である。この構成により、1つの超音波出射・光照射・検出アレイ95を用いてスキャニングを行うこと無しで1次元の光イメージング情報を得られるようにしたものである。これにより、1次元の光イメージング情報を時間短縮して得られる効果を有する。
また、この超音波出射・光照射・検出アレイ95を1次元的にスキャニングすることにより、2次元の光イメージング情報が得られる。
なお、後述するように複数の超音波出射・光照射・検出部が2次元的に配置された超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを採用することにより、超音波トランスジューサ等のスキャニングを行わないでも2次元のイメージング情報を得ることもできる。
なお、照明光を発生する光源装置91としては、コヒーレント光を発生するレーザ装置3aに限定されるものでなく、キセノン光やハロゲン光といった熱光源や、LED、SLDを用いても良い。
なお、本実施例は、例えば位相情報を抽出することにより、散乱情報を算出する構成となっている。
光源装置91から出射される可視或いは近赤外の波長領域の光は、複数本(例えばp本)の光ファイバを配列して構成された光ファイバアレイ92aを構成する各光ファイバに入射される。各光ファイバに入射された光は、光カプラ部93で光ファイバアレイ92cの光ファイバ側と光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92bi(iは1〜pの1つを代表)とに分岐される。
光ファイバアレイ92cの光ファイバに導光された光は、参照光生成部55において、図14の場合と同様に参照光が生成され、光カプラ部93側に戻る。なお、光変調器18及び参照ミラー14は、図20の紙面に垂直方向に長く延出されており、複数の光を変調及び反射する。
また、光ファイバアレイ92b側の光ファイバ92biに導光された光は、(超音波出射・光照射・検出アレイ95を構成する)超音波出射・光照射・検出部の超音波トランスジューサ57−iに設けた開口部を通って生体組織7側に照射される。
超音波出射・光照射・検出アレイ95は、図20の右下部分の拡大図に示すように例えばx方向に複数の超音波出射・光照射・検出部が配置されている。そして、各超音波出射・光照射・検出部は、その構成要素となる超音波トランスジューサ57−iによりそれぞれ収束点Fで超音波を収束する。
かつその収束点Fには、光ファイバアレイ92bを構成する光ファイバ92biの端面による光照射・検出部から光が照射されると共に、その収束点Fの近傍領域R1を経た戻り光を受光する。
光ファイバアレイ92bの光ファイバ92biにより受光された光は、観測光として、光カプラ部93において光ファイバアレイ92c側の光ファイバによる参照光と光混合されて干渉光が生成される。
各干渉光は、光ファイバアレイ92dの光ファイバにより導光され、その端面から光検出器アレイ96を構成する各光検出器4aにて受光され、光電変換される。光検出器アレイ96を構成する光検出器4aでそれぞれ光電変換された出力信号は、ロックインアンプ63に入力される。このロックインアンプ63は、例えば複数の信号チャンネルを有し、複数の信号チャンネルから入力される信号それぞれ対応した信号処理を高速で行う。
ロックインアンプ63により、信号処理された複数の信号は、PC6aにおける複数の入力チャンネルからPC6a内のメモリなどにストックされる。
また、本実施例におけるスキャニング信号発生回路24Bは、例えば超音波出射・光照射・検出アレイ95が取り付けられたスキャニングデバイス98を例えばy方向にスキャンさせるように駆動する。そして、2次元の光イメージング情報を得られるようにしている。
図21は、超音波出射・光照射・検出アレイ95を、例えばy方向にスキャンさせることにより、2次元(2D)光イメージング情報が得られる様子を示す。ライン状に配置された超音波出射・光照射・検出部により、x方向の1次元(1D)光イメージング情報が得られ、超音波出射・光照射・検出部をy方向にスキャンすることにより2次元光イメージング情報が得られる。
なお、スキャニング信号発生回路24Bにより、超音波出射・光照射・検出アレイ95をy方向及びz方向に2次元スキャンを行うように駆動して、3次元光イメージング情報を得られるようにしても良い。
本実施例によれば、高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報が得られる。
なお、得られる光イメージング情報のx方向の解像度は、光ファイバアレイ92bの本数に依存するため、x方向にもスキャンさせることにより、その解像度を向上させることができる。
図22は第1変形例の光イメージング装置における超音波出射・光照射・検出アレイ95Bの概略の構成を示す。本変形例は、図20の光イメージング装置1Yにおいて、光ファイバアレイ92a、92bなどを構成する光ファイバの本数をより多くしている(例えば図20の場合の整数倍以上)。これに対応して、超音波出射・光照射・検出部の数も増大する。
そして、本変形例では、光ファイバアレイ92bにおける端部側の超音波出射・光照射・検出部をx、y方向に2次元的に配置して超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成している。
図22に示すように光ファイバアレイ92bは、例えばp本づつの光ファイバ92b1〜92bpがm組、例えば帯状に設けられたものであり、これらの各光ファイバ92biは、スキャニングデバイス98に2次元的に設けた開口部にそれぞれ取り付けられている。
なお、このスキャニングデバイス98の底面側には、図20で示したような超音波トランスジューサ(図22では図示せず)が取り付けられている。そして、この超音波出射・光照射・検出アレイ95Bをスキャンしない状態において、2次元光イメージング情報(図23参照)を得ることができるようにしている。
なお本変形例においては、PC6aもロックインアンプ63から出力される出力信号を超音波出射・光照射・検出アレイ95Bを構成する超音波出射・光照射・検出部の2次元配列に対応したアドレスのメモリにストックする。
また、本変形例では、スキャニング信号により、スキャニングデバイス98をz方向に駆動することにより図23に示すように3次元光イメージング情報を得られるようにしている。
なお、本変形例に対しても、実施例4で説明したようにx、y方向にもスキャンすることにより、より高解像度の光イメージング情報を得るようにしても良い。本変形例においても高速に2次元或いは3次元の光イメージング情報を得ることができる。
なお、本変形例におけるさらに変形例として、スキャニングを行わないで2次元の光イメージング情報を得るようにしても良い。
なお、上述した各実施例においては、ファイバ92bの経路中に光変調器を設けて、S/Nを向上させても良い。
また、上述した各実施例において、光を収束させる構成にしても良い。また、超音波と光とを共に連続波で生体組織等に照射する構成にしても良い。
なお、光検出器として、点検出器、1次元ラインセンサ、CCD等の2次元検出器のいずれを用いても良い。
なお、上記の各実施例においては、複素屈折率の実部に基づく光散乱情報を検出するものであるが、例えば、蛍光、りん光等の非弾性散乱情報に基づいて生体組織の情報を取得しても良い。
また、上述した各実施例を部分的に組み合わせる等して構成される実施例等も本発明に属する。
生体組織に超音波が照射された検査対象部位に光を照射し、その光を観測光として検出し、複素屈折率の実部に相当する光散乱情報を検出して画像化できるようにすることにより、病変組織の構造変化に相関性が高い情報を得ることができ、病変組織の診断等に有効利用することができる。
図1は本発明の被検体情報分析装置の基本的な構成を示すブロック図。 図2は検体情報分析装置の実施例1の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 図3は超音波の収束点近傍を拡大して示す図。 図4は本実施例の動作内容を示すフローチャート。 図5は本実施例の動作説明用タイミングチャート。 図6は本発明の実施例2の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 図7は実施例2の動作説明のフローチャート。 図8は実施例2の第1変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 図9は実施例2の第2変形例の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 図10は第2変形例の動作説明用のタイミングチャート。 図11は第3変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。 図12は第4変形例におけるレンズ保持部及びトランスジューサ保持部の構造を示す図。 図13は第5変形例における一部の構造を示す図。 図14は本発明の実施例3の光イメージング装置の全体構成を示すブロック図。 図15は光ファイバの端面の構造を示す図。 図16は光カプラの構成例を示す図。 図17は第1変形例に係る光イメージング装置を備えた内視鏡装置の構成を示すブロック図。 図18は第2変形例における内視鏡の先端部付近の構成を示す図。 図19は第3変形例における光ファイバの構成を示す斜視図。 図20は本発明の実施例4の光イメージング装置の構成を示すブロック図。 図21は実施例4における1次元走査により2次元光イメージング情報が得られる動作の説明図。 図22は第1変形例における超音波・光照射・検出アレイ部の概略の構成を示す図。 図23は図22の超音波・光照射・検出アレイ部による動作の説明図。
符号の説明
1A、1B…光イメージング装置
2…超音波発生部
2a…超音波トランスジューサ
3…照明光発生部
3a…レーザ装置
4…受光部
4a…光検出器
5…情報抽出部
5a…オッシロスコープ
6…被検体情報生成部
6a…PC
7…生体組織
11…ユニット
12…スキャニングユニット
13,13a…ハーフミラー
16…音響レンズ
18…光変調器
24…スキャニング信号発生回路
32…メモリ
33…CPU
35…モニタ
38…コリメートレンズ

Claims (35)

  1. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部と、
    前記超音波発生部から発生される前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部と、
    前記照明光が到達した前記検査対象部位から得られる光を受光可能に設けられた受光部と、
    前記受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、
    前記受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、
    前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
    を有することを特徴とする被検体情報分析装置。
  2. 前記照明光発生部は、前記被検体に対して前記超音波発生部と同じ側に配置され、
    前記受光部は、前記被検体に対して前記超音波発生部と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部であり、
    前記位相・光散乱情報抽出部は、前記反射光受光部で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出部と、前記位相情報抽出部で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
    前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報分析装置。
  3. 前記照明光発生部は、前記被検体に対して前記超音波発生部と同じ側に配置され、
    前記受光部は、前記被検体に対して前記超音波発生部と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部であり、
    前記位相・光散乱情報抽出部は、前記照明光発生部によって発生される照明光と前記反射光受光部によって受光された反射光とを干渉させて位相情報を抽出する位相情報抽出部と、前記位相情報抽出部で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における前記光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
    前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報分析装置。
  4. 前記超音波発生部は、前記被検体の所定の位置に焦点を結ぶ焦点調整部を有し、
    前記照明光発生部は、前記焦点調整部によって超音波が焦点を結ぶ焦点位置に照明光を照射可能な照明光調整部を有し、
    前記散乱情報抽出部は、前記反射光受光部で受光した受光信号に基づき、前記焦点位置に対応する検査対応部位における光の散乱情報を抽出することを特徴とする請求項2または3に記載の被検体情報分析装置。
  5. 前記超音波発生部から発生される超音波の超音波送信軸を所定の位置に保持する超音波送信軸保持部と、
    照明光発生部から発生される照明光の光軸を前記超音波送信軸と一致させて保持する照明光軸保持部と、
    を有することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載被検体情報分析装置。
  6. 前記超音波送信軸保持部は、前記超音波送信軸を移動可能に保持する超音波送信軸調整部を有し、
    前記照明光軸保持部は、前記超音波送信軸調整部の調整状態と対応して、前記超音波送信軸と一致させて前記照明光の光軸を調整する照明光軸調整部を有することを特徴とする請求項5に記載の被検体情報分析装置。
  7. 前記被検体情報生成部によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成手段を有することを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  8. 前記超音波発生部は、前記超音波をパルス波として発生させるパルス超音波発生部を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  9. 前記照明光発生部は、前記照明光をパルス光として照射させるパルス光発生部を有することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  10. 前記照明光発生部による照明光の照射位置が少なくとも一次元的に変化するよう走査する走査手段を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  11. 前記照明光発生部による照明光を少なくとも前記超音波の照射される位置内の所定の位置で収束させる照明光収束部を有することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  12. 前記被検体内における前記検査対象部位に到達する超音波が収束するように、前記超音波を収束する超音波収束部を有することを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  13. 前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  14. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
    前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
    前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
    前記反射光受光手段で受光された受光信号から得られる振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
    前記振幅情報抽出手段で抽出された振幅情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する光吸収情報抽出手段と、
    前記反射光受光手段で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出手段と、
    前記位相情報抽出手段で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
    前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、 を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
  15. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生手段と、
    前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記超音波発生手段によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生手段と、
    前記被検体に対して前記超音波発生手段と同じ側に配置され、前記照明光が到達した前記検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光手段と、
    前記照明光発生手段によって発生される照明光と前記反射光受光手段によって受光された反射光とを干渉させて振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
    前記振幅情報抽出手段で抽出された振幅情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する光吸収情報抽出手段と、
    前記照明光発生手段によって発生される照明光と前記反射光受光手段によって受光された反射光とを干渉させて位相情報を抽出する位相情報抽出手段と、
    前記位相情報抽出手段で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出手段と、
    前記散乱情報抽出手段によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成手段と、 を具備したことを特徴とする被検体情報分析装置。
  16. 前記超音波発生手段は、前記被検体の所定の位置に焦点を結ぶ焦点調整手段を有し、
    前記前記照明光発生手段は、前記焦点調整手段によって超音波が焦点を結ぶ焦点位置に照明光を照射可能な照明光調整手段を有し、
    前記散乱情報抽出手段は、前記反射光受光手段で受光した受光信号に基づき、前記焦点位置に対応する検査対応部位における光の散乱情報を抽出することを特徴とする請求項14または15に記載の被検体情報分析装置。
  17. 前記超音波発生手段から発生される超音波が送信する超音波送信軸を所定の位置に保持する超音波送信軸保持手段と、
    照明光発生手段から発生される照明光の光軸を前記超音波送信軸と一致させて保持する照明光軸保持手段と、
    を有することを特徴とする請求項14ないし16の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  18. 前記超音波送信軸保持手段は、前記超音波の送信軸を移動可能に保持する超音波送信軸調整手段を有し、
    前記照明光軸保持手段は、前記超音波送信軸調整手段の調整状態と対応して、前記超音波の送信軸と一致させて前記照明光の光軸を調整する照明光軸調整手段を有することを特徴とする請求項17に記載の被検体情報分析装置。
  19. 前記被検体情報生成手段によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成手段を有することを特徴とする請求項14ないし18の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  20. 前記照明光発生手段による照明光の照射位置が少なくとも一次元的に変化するよう走査する走査手段を有することを特徴とする請求項14ないし19の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  21. 前記照明光発生手段による照明光を少なくとも前記超音波が照射される位置内の所定の位置で収束させる照明光収束手段を有することを特徴とする請求項14ないし20の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  22. 前記被検体内における前記検査対象部位に到達する超音波が収束するように、前記超音波を収束する超音波収束手段を有することを特徴とする請求項14ないし21の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  23. 前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項14ないし22の何れかに記載の被検体情報分析装置。
  24. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、
    前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
    を有し、
    前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
    前記位相・光散乱情報抽出部は、前記反射光受光部で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出部と、前記位相情報抽出部で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
    前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする内視鏡装置。
  25. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、
    前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
    を有し、
    前記照明光発生部は、前記超音波発生部の周辺に配置され、
    前記位相・光散乱情報抽出部は、前記照明光発生部によって発生される照明光と前記反射光受光部によって受光された反射光とを干渉させて位相情報を抽出する位相情報抽出部と、前記位相情報抽出部で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出部とを有し、
    前記被検体情報生成部は、前記散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成することを特徴とする内視鏡装置。
  26. 所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生可能な超音波発生部、前記超音波発生部によって発生された前記超音波が伝達される前記被検体内における検査対象部位に到達する照明光を発生可能な照明光発生部、前記照明光が到達した検査対象部位から反射される光を受光可能に設けられた反射光受光部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく振幅情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する振幅・光吸収情報抽出部と、
    前記反射光受光部で受光された受光信号に基づく位相情報から、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する位相・光散乱情報抽出部と、
    前記位相・光散乱情報抽出部によって抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成部と、
    を有し、
    前記超音波発生部は、前記被検体の所定の位置に焦点を結ぶ焦点調整部を有し、
    前記前記照明光発生部は、前記焦点調整部によって超音波が焦点を結ぶ焦点位置に照明光を照射可能な照明光調整部を有し、
    前記位相・光散乱情報抽出部は、前記反射光受光部で受光した受光信号に基づき、前記焦点位置に対応する検査対応部位における光の散乱情報を抽出することを特徴とする内視鏡装置。
  27. 前記超音波発生部から発生される超音波送信軸を所定の位置に保持する超音波送信軸保持部と、
    照明光発生部から発生される照明光の光軸を前記超音波の送信軸と一致させて保持する照明光軸保持部と、
    を有することを特徴とする請求項26に記載の内視鏡装置。
  28. 前記超音波送信軸保持部は、前記超音波の送信軸を移動可能に保持する超音波送信軸調整部を有し、
    前記照明光軸保持部は、前記超音波送信軸調整部の調整状態と対応して、前記超音波の送信軸と一致させて前記照明光の光軸を調整する照明光軸調整部を有することを特徴とする請求項27に記載の内視鏡装置。
  29. 前記被検体情報生成部によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成部を有することを特徴とする請求項24ないし28の何れかに記載の内視鏡装置。
  30. 前記照明光発生部による照明光の照射位置が少なくとも一次元的に変化するよう走査する走査部を有することを特徴とする請求項24ないし29の何れかに記載の内視鏡装置。
  31. 前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項24ないし30の何れかに記載の内視鏡装置。
  32. 超音波発生部により所定の超音波送信軸に沿って被検体に対して超音波を発生する超音波発生工程と、
    照明光発生部により前記超音波の照射される位置内の所定の位置に到達する照明光を発生する照明光発生工程と、
    反射光受光部によって前記照明光が到達した位置に対応する部位から反射される光を受光する反射光受光工程と、
    前記反射光受光工程で受光された受光信号から得られる振幅情報を抽出する振幅情報抽出工程と、
    前記振幅情報抽出工程で抽出された振幅情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の吸収情報を抽出する光吸収情報抽出工程と、
    前記反射光受光工程で受光された受光信号から得られる位相情報を抽出する位相情報抽出工程と、
    前記位相情報抽出工程で抽出された位相情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位における光の散乱情報を抽出する散乱情報抽出工程と、
    前記散乱情報抽出工程で抽出された光の散乱情報に基づき、前記照明光が到達した前記検査対象部位に対応する前記被検体の特性情報を生成する被検体情報生成工程と、
    を有することを特徴とする被検体情報分析方法。
  33. 前記照明光が到達する位置を少なくとも一次元的に変化させるように走査する走査工程を有することを特徴とする請求項32に記載の被検体情報分析方法。
  34. 前記被検体情報生成工程によって生成された前記被検体の特性情報に基づいて画像を形成する画像形成工程を有することを特徴とする請求項32または33に記載の被検体情報分析方法。
  35. 前記光の散乱情報は、前記検査対象部位の複素屈折率の実部に相当する情報であることを特徴とする請求項32ないし34の何れかに記載の被検体情報分析方法。
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