JP4938337B2 - ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents
ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4938337B2 JP4938337B2 JP2006102732A JP2006102732A JP4938337B2 JP 4938337 B2 JP4938337 B2 JP 4938337B2 JP 2006102732 A JP2006102732 A JP 2006102732A JP 2006102732 A JP2006102732 A JP 2006102732A JP 4938337 B2 JP4938337 B2 JP 4938337B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyurethane resin
- dispersion
- aqueous
- average particle
- particle diameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Description
これらのポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法としては、イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーを水中へ分散させジアミンなどで鎖伸長する方法(いわゆるプレポリマーミキシング法)(特許文献−1〜3)、およびイソシアネート基をほとんど含有しないポリウレタン樹脂(deadポリマー)を水中へ分散させる方法(特許文献−4)がある。
このうち、前者は分散と同時に(必要により、さらにその後に)水中で鎖伸長させるので生成したポリウレタン樹脂の分子量分布が広くなりやすく、結果的に乾燥被膜の物理的物性が不十分であるという問題点があった。
一方、後者は、分子量分布は比較的狭いが、平均分子量が特に高い(例えばMw=40,000以上)ポリウレタン樹脂は、溶融温度が非常に高くなり(例えば200℃以上)、可塑化のために有機溶剤を使用しても、その溶融温度は大きくは低下せず、高温で溶融状態のポリウレタン樹脂を水と接触させると、得られた水性分散体の乾燥被膜の物理的物性が十分ではないという問題点があった。
(1)高分子量のポリウレタン樹脂であっても、有機溶剤を含む組成物とし、溶融温度を下げ、しかも溶融温度未満の温度で分散できるので、ポリウレタン樹脂が分解・劣化しにくく、得られる乾燥被膜の物理的物性が優れた水性分散体が得られる。
(2)分子量分布が狭いポリウレタン樹脂の水性分散体が得られる。
(3)分散安定性に優れた水性分散体が得られる。
このような分散工程を行うことによって、溶融温度未満の温度で目的とする微粒子まで分散することができ、得られるポリウレタン樹脂水性分散体中のポリウレタン樹脂は分解・劣化が少なく、乾燥被膜物性が優れている。
分散様式が1種類の分散混合装置だけでは、目的とする体積平均粒子径にまで分散することが困難であり、十分に安定で、かつ優れた乾燥被膜物性を有する水性分散体は得られない。
本発明における溶融温度は、JIS K7210(プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイトの試験方法)ににおいて、メルトマスフローレイト測定装置として「メルトインデクサーI型」(テスター産業(株)製)を用いて、荷重2.16kg
にてメルトマスフローが10g/10minとなる温度である。
なお、本発明におけるポリオールの数平均分子量(以下、Mnと略記する)の測定はポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールの数平均分子量は化学式からの計算値である。
(a11)の水酸基当量は、通常150以上、好ましくは150〜5,000、さらに好ましくは150〜3,000である。
低分子量の多価アルコールとしては、水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよび水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上のフェノールのAO低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルに使用できる低分子量の多価アルコールのうち好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEOもしくはPO低モル付加物、およびこれらの併用である。
縮合型ポリエステルに使用できる多価カルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸 、フマル酸、マレイン酸など)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)および3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸など)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライドなど)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル、フタル酸ジメチルなど)およびこれらの併用が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、ニッポラン980R[Mn=2,000,日本ポリウレタン工業(株)製]、T5652[Mn=2,000、旭化成(株)製]およびT4672[Mn=2,000、旭化成(株)製]が挙げられる。
変性ヒマシ油はヒマシ油とポリオールとのエステル交換および/またはAO付加により製造できる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油、ヒマシ油のEO(4〜30モル)付加物などが挙げられる。
(a2)のうち好ましいのは、耐水性、耐熱黄変性の観点から2〜3価の脂肪族アルコールであり、脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールが特に好ましく、脂肪族3価アルコールとしては、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
ポリイソシアネート(b)としては、2〜3個またはそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数6〜20(NCO基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(b3)および炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)が挙げられる。
トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
ト、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
(c)は、ポリウレタン樹脂組成物(US)を水中に安定に分散させるための親水性基を有し、かつ、ポリイソシアネート(b)との反応によってポリウレタン樹脂の分子鎖中に組み込まれるような活性水素原子含有基を1分子中に1個、好ましくは2〜3個有する化合物である。
(c)における親水性基としては、例えばカルボキシル基、スルホン酸基およびリン酸基、ならびに、これらの中和塩からなる基が挙げられる。
中和塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩など)、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩および3級アミン塩(例えばトリエチルアミン塩、アルカノールアミン塩およびモルホリン塩)などが挙げられる。
(c)のうち好ましいのは、カルボン酸またはスルホン酸の4級アンモニウム塩からなる親水基、特にカルボン酸の3級アミン塩からなる親水基を有するものである。
(c)としては、総炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸およっびその中和塩が挙げられ、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記することがある)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸および2,2−ジメチロールオクタン酸、並びにこれらの中和塩が挙げられる。
(c)を使用することにより、ポリウレタン樹脂組成物(US)中にカルボキシル基を導入することができるので、水性分散体が安定になりやすい。
なお、(c)は酸型のままでポリウレタン樹脂を製造し、後述のポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)を製造する分散工程で、使用する水に中和剤(3級アミン、アルカリ金属水酸化物など)を予め溶解させておいて、分散と同時に(c)の酸を中和して塩型にしてもよい。
(c)の使用量は、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づく親水基の含有量が5重量%以下となるような使用量が好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0重量%となる使用量である。
本発明におけるポリウレタン樹脂組成物(US)において、末端イソシアネート基含量を0.5重量%以下とするには、以下の方法が挙げられる。
(2)反応停止剤(例えば、モノアミン、モノアルコール等)または水を添加して、イソシアネート基を反応させて消費させる。
(3)高温反応(例えば100〜250℃)によりビューレット結合および/またはアロハネート結合を生成させ、イソシアネート基を消費させる。
本発明のポリウレタン樹脂(U)中の親水性基(上記の(c)に由来する親水性基)の含有量は、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%である。
本発明のポリウレタン水性分散体の製造方法は、上記のポリウレタン樹脂組成物(US)を、2段階以上で分散させる方法である。
まず、第1の分散は、一種以上の分散混合装置(A1)を用いて水中にポリウレタン樹脂組成物(US)の溶融温度未満の温度で分散させて、体積平均粒子径0.1〜100μmのポリウレタン樹脂(U1)からなるポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)を得る工程である。
また、個数平均粒子径も同様の測定方法で測定できる。
例えば、シート状に圧延したポリウレタン樹脂(U)をストランドカッターで短冊状にカットした後、回転刃で粒子状にするという方法が例示される。
分散混合装置(A1)の主たる分散原理は、駆動部の回転などによって粒子に外部から剪断力を与えて粉砕し、分散させるという原理である。また(A1)は、常圧もしくは加圧下で稼働させることができるが、通常は常圧で稼働させる。
分散混合装置(A1)に供給されるポリウレタン樹脂組成物(US)と水の重量比は、目的とする水性分散体の樹脂成分含有量によって適宜選択されるが、通常は、(US)/水=10/2〜100であり、好ましくは10/5〜50である。
また、(US)と水との分散混合装置内の滞留時間は、通常、0.1〜30分、好ましくは1〜5分である。
ここでの分散混合装置(A2)としては、(A1)とは分散の方式、即ち原理が異なり、(A1)よりも微粒子の微分散能力に適した分散混合装置が好ましい。そのような装置としては、例えば高圧式分散混合装置が挙げられる。
分散混合装置(A2)としては、水性分散体を高圧に保持しつつ絞り部を高速で通過せしめることにより、そのときに発生する剪断力やキャビテーションによる衝撃力で該水分散液中に存在する粒子をさらに微分散させる機構のものが好適である。
また、(A2)としては、上記機構の他、該機構において絞り部を通過せしめた溶液をダイヤモンド等の基板上に衝突させる機構を更に付加した機構や、水性分散体を対向する二つの絞り部より噴出せしめて衝突させる機構等を有するものも使用することができる。
分散混合装置(A2)に供給されるのはポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)をそのままでもよいが、必要により、同時に、さらに水を供給してもよく、(Q1)と水の重量比は、目的とする水性分散体の樹脂成分含有量によって適宜選択されるが、通常は、(U1)/水=10/2〜100であり、好ましくは10/5〜50である。
また、(U1)と水との分散混合装置内の滞留時間は、通常、0.1〜30分、好ましくは1〜5分である。
(U1)の体積平均粒子径が0.1〜1μmの場合は、好ましくは1/2〜1/10に微分散し、(U1)の体積平均粒子径が1μmを超え10μm以下の場合は、好ましくは1/5〜1/100、さらに好ましくは1/10〜1/100に微分散し、(U1)の体積平均粒子径が10μmを超え100μm以下の場合は、好ましくは1/50〜1/1,000、さらに好ましくは1/100〜1/1,000に微分散させることが好ましい。
なお、本発明において、分散混合装置(A1)を使用しないで、体積平均粒子径が0.2〜20mmのポリウレタン樹脂(U)を分散混合装置(A2)に直接に導入することは、粒子径が大きすぎることによる供給不可能の問題があり、通常は困難である。
具体的には、ウレタン化反応に引き続いて、体積平均粒子径0.2〜20mmの固体粒子の調製、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)の製造およびポリウレタン樹脂水性分散体(Q2)の製造を連続で行う方法である。連続で行うことによって製造時間が短縮される。特に(Q1)〜(Q2)の工程は、優れた分散安定性が得られるという観点から、連続で行うことが好ましい。
固形分濃度は、水性分散体約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式定温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体(Q2)の粘度は、好ましくは10〜100,000mpa・s、さらに好ましくは10〜5,000mpa・sである。粘度はBL型粘度計を用いて、25℃の定温下で測定することができる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体(Q2)のpHは、好ましくは2〜12、さらに好ましくは4〜10である。pHは、pHMeterM−12(堀場製作所製)で25℃で測定することができる。
下記の(1)〜(3)の全てを満たすポリウレタン樹脂組成物水性分散体である。
(1)ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量/数平均分子量(以下、Mw/Mnと略記)が1.5〜3.5である。
(2)ポリウレタン樹脂の体積平均粒子径(以下、Dvと略記)が0.01〜5μmである。
(3)ポリウレタン樹脂の体積平均粒子径/個数平均粒子径(以下、Dv/Dnと略記)が1.2〜5である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物水性分散体は、特に乾燥後の樹脂物性に優れている。
Mw/Mnが、この範囲であれば、分子量分布が狭いので乾燥後の樹脂物性および、乾燥時の造膜性がさらに良好に発揮できる。
(2)のポリウレタン樹脂組成物のDvは、分散安定性の向上の観点から、好ましくは0.01〜4μm、より好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μm、特に好ましくは0.03〜0.8μmである。
(3)のDv/Dnは、前述のレーザー回折粒度分布測定装置[例えば、LA−750(堀場制作所製)]、または光散乱粒度分布測定装置[例えば、ELS−8000(大塚電子株製)]を用いて測定できるものであって、さらに好ましくは1.2〜4、特に好ましくは1.2〜3である。Dv/Dnが、この範囲であれば分散安定性および、乾燥時の造膜性がさらに良好に発揮できる。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を、%は重量%を意味する。
/10minとなる温度を溶融温度とした。
2軸混練機のKRCニーダー(栗本鐵工(株)製)に、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「ニッポラン980R」(日本ポリウレタン株製)224.2部、DMPA22.9部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)73部、およびN−メチルピロリドン56.5部を窒素雰囲気下で導入した。その後200℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した圧プレス機で圧延後、角形ペレット機(株ホーライ製)にて裁断した。続いて、90℃のイオン交換水606.3部にトリエチルアミン(中和剤)17.2部を加え、90℃の条件下でTKホモミキサー(プライミクス(株)製)を用いて16,000rpmにて3分間分散させた後、90℃の条件下でクレアミックス(エムテクニック(株)製)を用いて20,000rpmにて3分間分散させポリウレタン樹脂水性分散体(Q1−1)を得た。さらに90℃の条件下で、得られた分散体を150MPaの圧力をかけた高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)に3回通して、分散することによりポリウレタン樹脂水性分散体(Q2−1)1,000部を得た。各工程における条件および分析値等を表1に示す。以下の実施例および比較例についても同様に、各工程における条件および分析値等を表1に示す。
なお、表1中の分散装置は、(1)TKホモミキサー(プライミクス(株)製)、(2)クレアミックス(エムテクニック(株)製)、(3)高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、(4)簡易加圧反応装置(耐圧ガラス工業(株)製)、(5)KRCニーダー(栗本鐵工(株)製)である。
実施例1と同様にウレタン化した後、200℃のまま樹脂を直径2mmの細孔より押出すことにより、直径2mmのひも状にした後、90℃まで冷却した。これを90℃のイオン交換水684.5部の中に導入後、回転刃にて体積平均粒子径2mmにカットした。ここにトリエチルアミン(中和剤)16.1部を加え、実施例1と同条件でTKホモミキサーおよびクレアミックスに導入し、以下実施例1と同じ処理をすることにより、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q2−2)1,000部を得た。
実施例1と同様にウレタン化〜トリエチルアミン添加までを実施後、加圧下で150℃の条件下でTKホモミキサーを用いて15,000rpmにて10分間分散させ、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q1−3)を得た。さらに150℃の条件下で、得られた分散体を150MPaの圧力をかけた高圧ホモジナイザーに3回通して、分散することによりポリウレタン樹脂水性分散体(Q2−3)1,000部を得た。
実施例1と同様にウレタン化〜トリエチルアミン添加までを実施後、90℃の条件下でTKホモミキサーを用いて15,000rpmにて1分間分散させ、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q1−4)を得た。さらに90℃の条件下で、得られた分散体を100MPaの圧力をかけた高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)に3回通して、分散することによりポリウレタン樹脂水性分散体(Q2−4)1,000部を得た。
実施例1において、ポリカーボネートジオール「ニッポラン980R」を224.2部、DMPAを22.9部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)を73部を、N−メチルピロリドンを137.1部、イオン交換水を525.6部およびトリエチルアミンを17.2部を用いた以外は、実施例1と同じ操作を実施してポリウレタン樹脂水性分散体(Q2−5)1,000部を得た。
撹拌機および加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「ニッポラン980R」204部、DMPA23.1部、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)97.1部およびアセトン216.6部を窒素を導入しながら仕込んだ。その後85℃に加熱し、10時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。ウレタン化反応終了時の樹脂固形分のイソシアネート含量は1.5%であった。反応混合物を40℃に冷却後、簡易加圧反応装置内で撹拌しながらトリエチルアミン(中和剤)17.4部、水662.6部を加え、ポリウレタン樹脂水性分散体を得た。続いて、生成物を減圧下に65℃で8時間かけて加熱し、アセトンを除去し、ポリウレタン樹脂水性分散体1,000部を得た。
なお表1中の比較例1における(U)のNCO含量は、プレポリマーのイソシアネート含量を示し、(U)の溶融温度は最終的に得られたポリウレタン樹脂水性分散体の乾燥物の溶融温度を示す。
実施例1と同様にウレタン化〜トリエチルアミン添加までを実施後、185℃[(U)の溶融温度170℃以上の温度]の条件下で2軸混練機のKRCニーダーにて150rpmで5分間分散させ、ポリウレタン樹脂水性分散体1,000部を得た。
実施例1と同様にウレタン化〜トリエチルアミン添加までを実施後、150℃の条件下でTKホモミキサーを用いて15,000rpmにて10分間分散させ、ポリウレタン樹脂水性分散体1,000部を得た。
2軸混練機のKRCニーダーに、Mnが2,000のポリカーボネートジオール「ニッポラン980R」224.2部、DMPA22.9部、および4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)73部を窒素雰囲気下で導入した。その後200℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に熱した圧プレス機で圧延後、角形ペレット機にて裁断した。続いて、90℃のイオン交換水662.8部にトリエチルアミン(中和剤)17.2部を加え、90℃の条件下でTKホモミキサーを用いて16,000rpmにて3分間分散させた後、90℃の条件下でクレアミックスを用いて20,000rpmにて3分間分散させポリウレタン樹脂水性分散体を得た。さらに90℃の条件下で、得られた分散体を150MPaの圧力をかけた高圧ホモジナイザーに通じようと試みたが、ポリウレタン樹脂水性分散体の体積平均粒子径が大きすぎたため、高圧ホモジナイザーの流路内に樹脂組成物が詰まった。表1には高圧ホモジナイザーに通す前のポリウレタン樹脂水性分散体の物性を示す。また乾燥被膜については、評価用のフィルムを作成できなかった。
<Mw/Mn>
ポリウレタン樹脂を、DMF中にポリウレタン樹脂固形分が0.0125重量%となるように加えて、常温で1時間撹拌後、0.3μmの孔径のフィルターで加圧ろ過して、得られたろ液に含まれているウレタン樹脂を、DMFを溶媒として分子量標準としてポリスチレンを用いて、GPCにより測定した。
<Dv/Dn>
ポリウレタン樹脂水性分散体を、イオン交換水でポリウレタン樹脂の固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置[ELS−8000(大塚電子株製)]を用いて測定した。
<乾燥被膜の物性(100%応力、引張強度、破断伸び)>
JIS K7311に記載の5.引張試験に基づいて行った。測定試料は、ポリウレタン樹脂水性分散体10部とN−メチルピロリドン1部を均一に混合し、10cm×20cm×0.1cmのポリプロピレン製モールドに、水分乾燥後のフィルム膜厚が200μmになる量を流し込み、室温で12時間、循風乾燥機で105℃で3時間加熱乾燥することによって得られるフィルムを基に、JIS K7311に記載の5.1試験片に基づき作成した。
<分散体の安定性>
25℃に温調したポリウレタン樹脂水性分散体を12時間静置しておき、沈降物の発生を目視にて評価した。沈降物が発生しない場合を○、沈降物が発生した場合を×とした。
Claims (7)
- 末端イソシアネート基含量が0.5重量%以下であるポリウレタン樹脂(U)および有機溶剤(S)からなる固状のポリウレタン樹脂組成物(US)を、回転式分散混合装置を用いてポリウレタン樹脂組成物(US)の溶融温度未満の温度で水中に分散させて、体積平均粒子径0.1〜100μmのポリウレタン樹脂(U1)からなるポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)を得た後、さらに、高圧式分散混合装置を用いてポリウレタン樹脂組成物(US)の溶融温度未満の温度で該ポリウレタン樹脂(U1)の体積平均粒子径の1/2〜1/1,000の体積平均粒子径になるまで分散させることを特徴とする、体積平均粒子径0.01〜5μmのポリウレタン樹脂からなるポリウレタン樹脂水性分散体(Q2)の製造方法。
- 該ポリウレタン樹脂組成物(US)が70〜280℃の溶融温度を有し、25℃で0.2〜20mmの体積平均粒子径を有する粒子状物である請求項1記載のポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。
- 該ポリウレタン樹脂組成物(US)が、有機溶剤の存在下に、70℃〜210℃で、ポリオールとポリイソシアネートをウレタン化反応させて得られたポリウレタン樹脂組成物である請求項1または2記載のポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。
- 該ウレタン化反応が、一軸または二軸の混練機中で行われることを特徴とする請求項3記載のポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。
- 該ウレタン化反応に引き続いて、体積平均粒子径0.2〜20mmの固体粒子の調製、ポリウレタン樹脂水性分散体(Q1)の製造およびポリウレタン樹脂水性分散体(Q2)の製造を連続で行うことを特徴とする請求項3または4記載のポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。
- 該ポリウレタン樹脂組成物(US)におけるポリウレタン樹脂(U)中の親水性基の含有量が、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて5重量%以下である請求項1〜5のいずれか記載のポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか記載の製造方法で得られ、以下の(1)〜(3)の全てを満たすポリウレタン樹脂水性分散体。
(1)ポリウレタン樹脂の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
(2)ポリウレタン樹脂の体積平均粒子径(Dv)が0.01〜5μmである。
(3)ポリウレタン樹脂の体積平均粒子径/個数平均粒子径(Dv/Dn)が1.2〜5である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006102732A JP4938337B2 (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006102732A JP4938337B2 (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007277325A JP2007277325A (ja) | 2007-10-25 |
JP4938337B2 true JP4938337B2 (ja) | 2012-05-23 |
Family
ID=38679114
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006102732A Expired - Fee Related JP4938337B2 (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4938337B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101247888B1 (ko) * | 2010-12-31 | 2013-03-26 | 주식회사 효성 | 폴리우레탄 탄성사 및 이의 제조방법 |
CN111019077B (zh) * | 2019-12-27 | 2021-12-24 | 红宝丽集团股份有限公司 | 粒径可控的无溶剂型聚氨酯分散体和水性聚氨酯涂布液 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3178543B2 (ja) * | 1991-11-13 | 2001-06-18 | 大日本インキ化学工業株式会社 | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 |
-
2006
- 2006-04-04 JP JP2006102732A patent/JP4938337B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007277325A (ja) | 2007-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5133178B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
WO2010122599A1 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体 | |
EP3405507B1 (en) | Binder for aqueous inkjet inks | |
JP4964916B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体 | |
DE102005008182A1 (de) | Polyurethanharnstoff-Lösungen | |
JP2013227528A (ja) | ポリウレタン系樹脂水性分散体 | |
JP4938336B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
JP2016188362A (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体 | |
KR20220038393A (ko) | 발포 시트, 및, 합성 피혁 | |
JP4938337B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 | |
EP3405533B1 (en) | Aqueous inkjet inks for inkjet printing | |
JP4938338B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
JP2018141119A (ja) | ポリウレタン樹脂水性分散体 | |
JP6342924B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水性分散体 | |
JP5415023B2 (ja) | ポリウレタン樹脂エマルション | |
JP2012158643A (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
JP2010155879A (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
JP2006306943A (ja) | 水性ウレタン樹脂の製造方法 | |
JP6557269B2 (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体 | |
JP2011068870A (ja) | ポリウレタン樹脂エマルション | |
JP2011231249A (ja) | 加飾フィルム用ウレタン樹脂水性分散体及び加飾フィルム | |
JP2000169701A (ja) | ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法 | |
JP2012153854A (ja) | ポリウレタン樹脂水分散体の製造方法 | |
JP2010001332A (ja) | ポリウレタン樹脂水性分散体 | |
JP2013249353A (ja) | カチオン性ポリウレタン樹脂水分散体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111109 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111122 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120119 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120221 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120223 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150302 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |