JP4937438B2 - Semiconductor for photoelectric conversion, photoelectric conversion element and photovoltaic cell - Google Patents

Semiconductor for photoelectric conversion, photoelectric conversion element and photovoltaic cell Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換用半導体およびこれを用いた光電変換特性に優れた光電変換素子、並びにそれからなる光電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光発電に用いられる太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、テルル化カドミウムおよびセレン化インジウム銅等の化合物太陽電池が実用化もしくは主な研究開発の対象となっている。しかし、前記化合物太陽電池は、製造コストが高い、原材料確保が難しい、エネルギーペイバックタイムが長い等の問題点があり、普及させるには前記問題点を克服する必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向した有機材料を用いた太陽電池もこれまでに多く提案されている。
【0003】
こうした状況下、「Nature」(第353巻、第737〜740頁、1991年)および米国特許4927721号明細書等に、色素によって増感された半導体微粒子を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこれを作製するための材料および製造技術が開示された。前記文献等に開示された電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とし、対極との電気的接続を電解質溶液によって行う湿式太陽電池である。この太陽電池の利点は、二酸化チタン等の安価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いて作製できることであり、安価な光電変換素子を実現できる点で有利である。しかし、変換効率が低いという問題がある。この問題の主な原因の一つに、実際に得られる開放電圧(Voc)が理論的に期待されるVocよりも格段に低いことが挙げられる。例えば、半導体微粒子に二酸化チタン、および電解質に(I-/I3 -系)を用いた場合、理論的には、開放電圧(Voc)は1V以上が期待されるにもかかわらず、実際には0.6V程度の低い開放電圧しか得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、高い開放電圧を示す光電変換用半導体、並びに光電変換特性に優れた光電変換素子および光電池を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 半導体の少なくとも表面に下記化合物1−1〜1−8、2−1〜2−11から選択される一種を結合させ、且つ前記表面に結合した化合物に下記色素化合物R−1〜R−13から選択される一種の溶液に浸漬して又は前記表面に結合した化合物に前記溶液を塗布して媒染してなることを特徴とする光電変換用半導体である。
【0006】
【化1】
【化2】
【化3】
【0014】
> 前記半導体が少なくとも金属カルコゲニドを含有する<1>に記載の光電変換用半導体である
<3> 前記半導体が、支持体上に形成された半導体微粒子からなる多孔性半導体膜である<1>又は>までのいずれかに記載の光電変換用半導体である。
【0015】
> 一対の電極間に、感光層と電荷輸送層とを有し、前記感光層が<1>から<>までのいずれかに記載の光電変換用半導体を含むことを特徴とする光電変換素子である。
> <>に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする光電池である。
<6> 半導体の少なくとも表面に下記化合物1−1〜1−8、2−1〜2−11から選択される一種を結合させる工程と、前記表面に結合した化合物を下記色素化合物R−1〜R−13から選択される一種の溶液に浸漬して又は前記表面に結合した化合物に前記溶液を塗布して媒染する工程と、を有する光電変換用半導体の製造方法である。
【化4】
【化5】
【化6】
【0016】
本発明の光電変換用半導体では、光が照射されると、半導体表面に媒染により固定化された色素は光を吸収し、電子および正孔を発生する。一方、半導体はこの電子(または正孔)を受け取り、伝達する。前記光電変換用半導体を電荷輸送層とともに、一対の電極間に挟持させて該電極を外部負荷につなぐことにより、半導体により一方の電極に集められた電子または正孔は仕事をして、一方の電極から対極に移動する。本発明の光電変換用半導体では、増感色素を静電的相互作用を利用して媒染により半導体の表面に固定化させることによって、高い増感効率を得ている。その結果、前記光電用半導体を感光層として有する光電変換素子およびこれを含む光電池は、高い開放電圧を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光電変換用半導体、光電変換素子および光電池について、各々説明する。
[光電変換用半導体]
本発明の光電変換用半導体は、半導体の少なくとも表面に塩基性化合物および/またはカチオン性化合物(後述の化合物1−1〜1−8から選択される1種)を結合させ、さらに前記表面に結合した化合物に酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を有する色素(下記色素化合物R−1〜R−13から選択される一種)の溶液に浸漬して又は前記表面に結合した化合物に前記溶液を塗布して媒染してなることを特徴とする。
【0018】
(A) 半導体
前記半導体の形状および構造については特に制限はなく、前記半導体は半導体材料のみから構成された半導体基板の形態であってもよいし、ITOガラスなどの透明電極あるいは白金電極等の導電性支持体上に形成された半導体層の形態であってもよい。前記半導体層の形態で用いる場合は、前記半導体層は、半導体微粒子からなる多孔性膜の形態が好ましい。
【0019】
前記半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、III-V系化合物半導体、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物、またはそれらの複合物等)、またはペロブスカイト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等)等を使用することができる。中でも、金属のカルコゲニドからなる半導体が好ましい。
【0020】
前記金属のカルコゲニドとしては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブまたはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が好ましい。他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物等が挙げられる。さらには、MxyzまたはM1 x2 yz(M、M1およびM2は各々金属元素を表し、Oは酸素原子を表し、x、yおよびzは価数が中性になる組み合わせの数)の様な複合物からなる半導体も好ましく用いられる。
【0021】
前記半導体の好ましい具体例は、Si、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2等であり、より好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、PbS、CdSe、InP、GaAs、CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ましくはTiO2またはNb25であり、最も好ましくはTiO2である。TiO2はアナターゼ型結晶をより多く含むものが好ましく、70%以上含むものがより好ましく、100%アナターゼ型結晶からなるTiO2が特に好ましい。
【0022】
金属をドープした半導体を用いると、半導体中の電子電導性が向上するので好ましい。ドープする金属としては2価または3価の金属が好ましい。また、1価の金属をドープした半導体を用いると、半導体から電荷輸送層(後述)へ逆電流が流れるのを防止できるので好ましい。
【0023】
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体微粒子からなる多孔性膜の形態で用いるのが特に好ましい。また、一部アモルファス部分を含んでいるものも使用可能である。
【0024】
前記半導体微粒子の粒径は、一般的にはnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径は5nm〜200nmであるのが好ましく、8nm〜100nmであるのがより好ましい。また、前記半導体微粒子を溶媒に分散させ分散液を調製し、該分散液を導電性支持体等の表面に塗布して多孔性半導体膜を形成する場合は、前記分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均粒径は0.01μm〜30μmであるのが好ましい。粒径分布の異なる2種類以上の半導体微粒子を混合して使用してもよく、この場合は小さい粒子の平均粒径は25nm以下であるのが好ましく、より好ましくは10nm以下である。入射光を散乱させて光捕獲率を向上させる目的で、粒径の大きな、例えば100nm以上、300nm程度の半導体粒子を混合することも好ましい。
【0025】
異なる材料からなる半導体微粒子を2種類以上混合して用いてもよい。2種以上の半導体微粒子を混合して使用する場合、少なくとも1種は、TiO2、ZnO、Nb25およびSrTiO2から選ばれいずれかの半導体微粒子であるのが好ましく、組み合わされる他の少なくとも1種は、SnO2、Fe23およびWO3から選ばれるいずれかの半導体微粒子であるのが好ましい。より好ましい組み合わせとしては、ZnOとSnO2、ZnOとWO3またはZnO、SnO2とWO3等の組み合わせを挙げることができる。2種以上の半導体微粒子を混合して用いる場合、それぞれの粒径が異なっていてもよい。特に、上記1種類目として挙げた半導体微粒子の粒径が大きく、前記1種類目の半導体微粒子と組み合わせられる2種類目以降の半導体微粒子の粒径が小さい組み合わせが好ましい。また、相互に異なる材料からなり、且つ大きさが相互に異なる半導体微粒子を混合して用いる場合、大きい半導体微粒子の平均粒径が100nm以上で、小さい半導体微粒子の平均粒径が15nm以下である組み合わせが好ましい。
【0026】
前記半導体微粒子の作製法としては、「ゾル−ゲル法の科学」(作花済夫著、アグネ承風社、1998年)および「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(技術情報協会、1995年)に記載のゾル−ゲル法、「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御」(杉本忠夫著)、および、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。また、Degussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0027】
前記半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル-ゲル法およびゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに、「酸化チタン 物性と応用技術」(清野学著、技報堂出版、1997年)に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0028】
(B)カチオン性化合物および/または塩基性化合物
前記半導体の少なくとも表面には、カチオン性化合物および/または塩基性化合物を結合させる。前記カチオン性化合物および塩基性化合物は、半導体表面と色素とを連結するいわゆる媒染剤としての機能を有する(以下、カチオン性化合物および/または塩基性化合物を「媒染用連結化合物」という場合がある)。前記半導体の表面を、前記媒染用連結化合物で修飾することにより、半導体の表面に色素が作用可能な部位を形成することができる。従って、前記媒染用連結化合物は用いる半導体と結合可能であるとともに、媒染染料として用いられる色素と作用し、それを半導体表面に固定化する機能を有する化合物である。
特に、本発明においては、カチオン性化合物および/または塩基性化合物は後述の化合物1−1〜1−8、2−1〜2−8をいう。
尚、前記媒染用連結化合物は可視部に吸収を持たない無色の化合物であるのが好ましい。前記媒染用連結化合物が可視部に吸収を持たない化合物であると、前記媒染用連結化合物が光を吸収することによって生じる効率の低下(フィルター効果)を防ぐことができるので好ましい。
【0029】
前記媒染用連結化合物は、下記一般式(1)または(2)で表わされる化合物であるのが好ましい。
【0030】
【化7】
【0031】
前記一般式(1)中、Z1は、その共役酸(H−Z1(+)−Hで表される化合物)のpKaが、3以上20以下である塩基性置換基を表す。好ましくは、前記共役酸のpKaが4以上15以下の塩基性置換基であり、より好ましくは5以上12以下の塩基性置換基である。Z1の具体例としては、例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、トリエチルアミノ基、モルホリルおよびグアニジル基等が挙げられる。但し、Z1は、色素発色団を含まない(可視部に吸収を持たない)ことが好ましい。
【0032】
前記一般式(1)中、B1は2価の連結基を表し、p1は0または1を表す。p1が0の場合、Z1は直接M1と結合する。B1としては、例えばアルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−N(R)−(Rは水素原子またはアルキル基)、−CO−または−SO2−、あるいはこれらを2以上組み合わせてできる2価の連結基が挙げられる。
【0033】
前記一般式(1)中、M1は、Si、Ti、Al、GeまたはSnを表し、好ましくはSiである。
【0034】
前記一般式(1)中、X1はアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)、アリールオキシ基(たとえば、フェニルオキシ)ハロゲン原子(例えば、塩素原子)、水酸基または水素原子を表す。中でも、アルコキシ基が好ましい。
【0035】
前記一般式(1)中、m1は1から3の整数を表し、n1はX1がM1に置換可能な数を表し、通常、2〜3である。m1が2以上のとき、Z1、B1、X1、p1およびn1の2以上の組み合わせは、各々同一でも異なっていてもよい。
【0036】
前記一般式(2)中、Z2はカチオンを有する原子団を表す。前記原子団は窒素カチオン、リンカチオン、酸素カチオン、イオウカチオンまたは炭素カチオンを含んでいるのが好ましく、窒素カチオンまたはリンカチオンの少なくとも1種を含んでいるのが好ましく、中でも、窒素カチオンを含んでいるのが最も好ましい。Z1としては、4級アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、モルホリウムカチオンおよびグアニジウムカチオン等が挙げられる。但し、Z2は、色素発色団を含まない(可視部に吸収を持たない)ことが好ましい。
【0037】
前記一般式(2)中、Aはアニオンを表し、qはZ2が有するカチオン電荷とAが有するアニオン電荷とを等しくするのに必要な数を表す。Aとしては、例えば、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-、I-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-および(CF3SO23-等が好ましい。
【0038】
前記一般式(2)中、B2、M2およびX2は、一般式(1)中のB1、M1およびX1と各々同義である。前記一般式(2)中、p2は0または1を表す。p2が0の場合、Z2は直接M2と結合する。前記一般式(2)中、m2は1から3の整数を表し、n2はX2がM2に置換可能な数を表し、通常、2〜3である。
【0039】
前記一般式(1)または(2)で表される化合物は各々、X1およびX2の全部または一部が前記半導体の結合部位に置換されて、前記半導体に結合する。分子内に複数個の反応性部位がある場合(m1およびm2が各々2または3である場合)、その全ての部位が半導体と結合してもよいし、その一部が半導体と反応し、結合してもよい。
【0040】
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(例示化合物1−1〜8)および前記一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例(例示化合物2−1〜11)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
前記媒染用連結化合物が結合した半導体は、少なくとも表面が下記一般式(4)または(5)で表される構造を有することが好ましい。
【0045】
【化11】
【0046】
前記一般式(4)および(5)中、Pscは半導体を表し、Oは酸素原子を表す。前記酸素原子は、半導体由来の原子であっても、前記媒染用連結化合物由来の原子であっても、双方の反応時に用いる溶媒や他の試薬由来の原子であってもよい。前記一般式(4)および(5)中、Z1、Z2、B1、B2、p1、p2、M1、M2、m1、m2、Aおよびqは各々、前記一般式(1)および(2)中の各々と同義である。
【0047】
(C)色素
本発明の光電変換用半導体は、半導体の表面を色素で媒染してなる。前記色素は半導体に結合した前記媒染用連結化合物(例えば、一般式(1)または(2)で表される化合物)と静電的相互作用し、固定され、前記半導体を媒染する。前記色素は、前記媒染用連結化合物とイオン結合を形成し得る酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を有する。前記媒染用連結化合物として前記カチオン性化合物を用いる場合は、前記色素として前記アニオン性基を有する色素を用い、前記媒染用連結化合物として前記塩基性化合物を用いる場合は、前記色素として前記酸性基を有する色素を用いる。
特に、本発明においては、酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を有する色素は後述の色素化合物R−1〜R−13をいう。
【0048】
前記色素としては、下記一般式(3)で表される化合物が好ましい。
【0049】
【化12】
【0050】
前記一般式(3)中、Dyeは色素残基を表す。前記色素残基とは、発色団を有する色素化合物から任意の置換基または水素原子をr個取り除いた発色団を有する残基をいう。
【0051】
前記一般式(3)中、Yは酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を表す。Yが酸性基を表す場合、Yとしては、CH3−Yで表される化合物のpKaが−2以上16以下になる酸性基が好ましく、−2以上10以下になる酸性基がより好ましい。具体的には、−COOH基、−OH基、−SO3H基、−P(O)(OH)2基および−OP(O)(OH)2基等が挙げられる。中でも、−COOH基、−P(O)(OH)2基または−OP(O)(OH)2基が特に好ましい。また、前記一般式(3)中、Dyeがポリメチン色素であり、メチン鎖がスクアリリウム環やクロコニウム環を形成するような場合、前記スクアリリウム環やクロコニウム環を酸性基としてもよい。Yが前記アニオン性基を表す場合、Yは前記酸性基の好ましい例として挙げた酸性基から、プロトンを取り除いてできるアニオン性基であるのが好ましい。Yがアニオン性基である場合、Yはその電荷を中和するのに必要なカチオンを有することができる。前記カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、4級アンモニウムカチオンおよびピリジニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンなどの含窒素芳香環を4級化して得られるカチオン等が挙げられる。
【0052】
前記一般式(3)中、rは1から6の整数を表す。rが2以上の場合、2以上のYは各々同一でもよいし異なっていてもよい。
【0053】
前記色素は、金属錯体色素、フタロシアニン系の色素またはメチン色素であるのが好ましく、金属錯体色素またはメチン色素であるのがより好ましい。前記色素は二種類以上を混合することができ、2種類以上を混合する場合、混合する色素の種類とその割合は任意に選ぶことができる。
【0054】
以下好ましい色素についてより具体的に説明する。
(a) 金属錯体色素
前記金属錯体色素としては、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素およびルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。前記ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号の各明細書、および特開平7−249790号、特表平10−504512号、国際特許98/50393号、特開2000−26487号の各公報等に記載の色素が挙げられる。
【0055】
さらに、前記ルテニウム錯体色素としては、下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)
(A1tRu(B−a)u(B−b)v(B−c)w
前記一般式(6)中、A1は1または2座の配位子を表す。A1はCl、SCN、H2O、Br、I、CN、NCO、SeCN、β−ジケトン類、シュウ酸およびジチオカルバミン酸の誘導体からなる群から選ばれる配位子であるのが好ましい。tが2以上の場合、2以上のA1は同一でも異なっていてもよい。前記一般式(6)中、B−a、B−bおよびB−cはそれぞれ独立に下記式(B−1)〜(B−10)のいずれかで表される配位子を表す。tは0〜3のいずれかの整数を表し、u、vおよびwは各々0または1を表し、前記一般式(6)で表されるルテニウム錯体が6配位錯体となる様に、配位子の種類に応じて適宜組み合わされる。
【0056】
【化13】
【0057】
前記式(B−1)〜(B−10)中、Raは水素原子または置換基を表す。Raが表わす置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12の置換または無置換のアルキル基、炭素原子数7〜12の置換または無置換のアラルキル基、炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール基、あるいは前述の酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基が挙げられる。Raが表す置換基はさらに他の置換基で置換されていてもよく、該他の置換基としては、前述の酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基が挙げられる。前記アルキル基および前記アラルキル基のアルキル部分は、直鎖状でも分岐状でもよい。また、前記アリール基および前記アラルキル基のアリール部分は、単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。)でもよい。
【0058】
前記一般式(6)中、B−a、B−bおよびB−cは同一でも異なっていてもよい。但し、前記一般式(6)で表される化合物は、前述の酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を少なくとも1つ有する。
【0059】
前記有機金属錯体色素の好ましい具体例(例示化合物R−1〜17)を以下に示すが、本発明に用いられる色素は以下の具体例に限定されるものではない。
【0060】
【化14】
【0061】
【化15】
【0062】
(b) メチン色素
前記メチン色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素が挙げられる。前記メチン色素は、前述の酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を少なくとも1つ有する。前記メチン色素の好ましい例としては、特開平11−35836号、特開平11−67285号、特開平11−86916号、特開平11−97725号、特開平11−158395号、特開平11−163378号、特開平11−214730号、特開平11−214731号および特開平11−238905号の各公報、ならびに欧州特許892411号および同911841号の各明細書に記載の色素が挙げられる。
【0063】
前記メチン色素の好ましい具体例(例示化合物M−1〜8)を以下に示すが、本発明に用いられる色素は以下の具体例に限定されるものではない。
【0064】
【化16】
【0065】
【化17】
【0066】
(D) 本発明の光電変換用半導体の製造方法
本発明の光電変換用半導体は、前記半導体の少なくとも表面に塩基性化合物および/またはカチオン性化合物を結合させる工程と、前記表面に結合した化合物に酸性基または酸性基からプロトンを取り除いてできるアニオン性基を有する色素を作用させ、媒染する工程により製造することができる。半導体表面への前記媒染用連結化合物の結合、および前記表面に結合した前記媒染用連結化合物への色素の媒染は、半導体からなる半導体基板に直接行ってもよいし、支持体上(特に導電性支持体上)に前記半導体微粒子を含有する塗布液を塗布して形成された半導体層(好ましくは多孔性膜)の形態で行ってもよい。前記支持体上に形成された半導体層の形態で、前記媒染用連結化合物の結合、および前記表面に結合した前記媒染用連結化合物への色素の媒染を行うのが、得られる光電変換用半導体の光電変換特性が向上し、また、操作も容易であるので好ましい。
【0067】
以下、各工程について説明する。
(a) 半導体表面へ媒染用連結化合物を結合させる工程
前記媒染用連結化合物(好ましくは、前記一般式(1)または(2)で表される化合物)は、前記半導体の表面に前記媒染用連結化合物を含む溶液を少なくとも接触させ、所望により加熱することにより前記半導体の表面に結合させることができる。前記溶液を前記表面に接触させるには、例えば、前記溶液中に半導体を浸漬する方法、あるいは前記半導体の表面に前記溶液を塗布する方法などにより行うことができる。前記浸漬は、室温の場合、5時間〜5日間行うのが好ましい。また、前記溶液を加熱して浸漬を行う場合は、前記浸漬は1〜24時間行うのが好ましい。前記半導体が支持体上に形成された半導体層の形態である場合は、支持体ごと前記溶液に浸漬することができ、また前記半導体層上に前記溶液を塗布することができる。前記半導体と前記媒染用連結化合物との反応は、室温で行ってもよいし、加熱して行ってもよい。前記半導体と前記媒染用連結化合物との反応量を増大させるためには、反応前に半導体を加熱処理するのが好ましい。加熱処理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるため、常温に戻さずに40〜80℃に維持し、素早く前記媒染用連結化合物を反応させるのが好ましい。
【0068】
前記媒染用連結化合物を含有する溶液の調製に用いる溶媒としては、前記媒染用連結化合物の溶解性に応じて適宜選択することができる。例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。好ましくは、炭化水素、ニトリル類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類である。
【0069】
(b)色素による媒染工程
前記媒染用連結化合物が結合した半導体(支持体上に形成された半導体層を含む)を、前記色素の溶液中に浸漬するか、前記色素の溶液を半導体の表面(前記媒染用連結化合物が結合している面)に塗布することにより、前記半導体を前記色素により媒染できる。前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラ法およびエアーナイフ法等を利用できる。前記浸漬法では、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特開平7−249790号公報に記載されているように加熱還流して行ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等が利用できる。
【0070】
前記色素の溶液を調製するのに用いられる溶媒としては、好ましくは、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等)、ニトロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン等)、炭化水素(へキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン等)やこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0071】
前記色素の半導体に対する全吸着量は、半導体1g当たり0.01〜1mmolであるのが好ましい。本発明の光電変換用半導体を後述の光電変換素子の感光層の多孔性半導体層として用いる場合、前記電極の単位面積(1m2)当たり0.01〜100mmolの色素が吸着しているのが好ましい。前記色素の吸着量が前記範囲より少ないと、増感効果が不十分となる場合があり、一方、前記色素の吸着量が前記範囲より多いと、半導体の表面に固定化されていない色素が浮遊し、増感効果を低減させる場合がある。前記色素の吸着量が前記範囲であると、前記問題が生じることなく、半導体における色素による増感効果が十分に得られるので好ましい。また、色素を半導体の表面に媒染する際に、色素に無色の化合物を添加し、半導体に作用させると、前記色素間の凝集等の相互作用を低減することができるので好ましい。前記無色の化合物としては、界面活性な性質および構造を有する化合物が有効であり、例えば、カルボキシル基を有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール酸)およびスルホン酸塩類が挙げられる。
【0072】
半導体表面に固定化されていない色素は、前記媒染処理後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は、例えば、湿式洗浄槽を使用し、アセトニトリル等の極性溶剤やアルコール系溶剤のような有機溶媒を用いて行うのが好ましい。また、前記色素で媒染した後、アミン類を用いて半導体の表面を処理してもよい。好ましいアミン類としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジンおよびポリビニルピリジン等が挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用いてもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0073】
本発明の光電変換用半導体は、光電変換素子に好適に用いることができる。
【0074】
[光電変換素子]
本発明の光電変換素子の一例を図1に示す。図1の光電変換素子では、本発明の光電変換用半導体を、感光層に含まれる多孔性半導体層の形態で利用している。光電変換素子10は、導電層12、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および対極導電層20の順次積層してなる。感光層16は、色素dによって増感した半導体層24と、電荷輸送材料tとからなる。半導体層24は、半導体微粒子sからなる多孔性の層であり、半導体微粒子sの間には空隙が形成され、該空隙に電荷輸送材料tが浸透している。電荷輸送材料tは、電荷輸送層18に用いる材料と同じ成分からなる。導電層12の下には基板26、および対極導電層20の下には基板28が配置されている。基板26、28は光電変換素子に強度を付与するためのものであり、なくてもよい。また、それぞれの層の境界、例えば、導電層12と感光層16との境界、感光層16と電荷輸送層18との境界、電荷輸送層18と対極導電層20との境界等では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合していてもよい。尚、光電変換素子10には、いずれかまたは双方から光を入射してもよく、光を入射する側の導電層12と基板26および/または対極導電層20と基板28を、それぞれ光透過性を有する材料から構成することができる。
【0075】
次に、光電変換素子10の作用について説明する。尚、半導体微粒子sがn型である場合について説明する。
光電変換素子10に光が入射すると、入射した光は感光層16に達し、色素d等によって吸収され、励起状態の色素dを生成する。励起された色素d等は、高エネルギーの電子を半導体微粒子sの伝導帯に渡し、自らは酸化体となる。前記伝導帯に移った電子は半導体微粒子sのネットワークにより導電層12に到達する。従って、導電層12は対極導電層20に対して負の電位を持つ。光電変換素子10を光電池に利用した態様では、この光電池を外部回路につなぐと、導電層12中の電子は外部回路で仕事をしながら対極導電層20に達する。電子は、電荷輸送材料が電解質である場合は、この電解質成分(例えばI-)を還元するとともに、生成した還元体(例えばI3 -)が色素dの酸化体を還元して元に戻す。光を照射し続けることにより、一連の反応が引き続き起こり、電気を取り出すことができる。
【0076】
以下、各層に使用可能な材料およびその形成方法について詳細に説明する。尚、以下で、「導電性支持体」というときは、導電層12のみ、および導電層12と任意で設ける基板26からなるものの双方を含み、「対極」というときは、対極導電層20のみ、および対極導電層20と任意で設ける基板26からなるものの双方を含む。
【0077】
(A)導電性支持体
導電性支持体は、導電層の単層、または導電層および基板の2層からなる。前者の場合は、導電層として強度や密封性が十分に保たれるような材料が使用され、例えば、金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム等またはこれらを含む合金)を用いることができる。後者の場合は、感光層側に導電剤を含む導電層を有する基板を使用することができる。好ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、インジウム等またはこれらを含む合金)、炭素または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素またはアンチモンをドープしたもの等)が挙げられる。導電層の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0078】
前記導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0079】
前記導電性支持体側から光を照射する場合には、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上である。
【0080】
透明な前記導電性支持体としては、ガラスまたはプラスチック等の透明基板の表面に導電性金属酸化物からなる透明導電層を塗布または蒸着等により形成したものが好ましい。透明導電層として好ましいものは、フッ素もしくはアンチモンをドーピングした二酸化スズあるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)である。前記透明基板には低コストと強度の点で有利なソーダガラス、アルカリ溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス基板のほか、透明ポリマーフィルムを用いることができる。前記透明ポリマーフィルムの材料としては、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等がある。十分な透明性を確保するために、導電性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの支持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0081】
前記導電性支持体の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、等の金属が好ましい。金属リードは、基板に蒸着またはスパッタリング等で設置することができ、さらにその上に導電性の酸化スズまたはITO膜からなる導電層を設けるのが好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
【0082】
(B)感光層
感光層は本発明の光電変換用半導体を含む。前記感光層は、光を吸収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる機能を有する。本発明の光電変換用半導体は、色素増感された半導体であり、光吸収およびこれによる電子および正孔の発生は主として色素において起こり、半導体はこの電子(または正孔)を受け取り、伝達する役割を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導体であることが好ましい。
【0083】
半導体材料および増感色素の媒染については前述したので、ここでは前記導電性支持体への半導体層の形成方法について説明する。
半導体層は半導体微粒子からなる多孔性の層であるのが好ましい。多孔性の半導体層は、半導体微粒子を含む塗布液を導電性支持体上に塗布して形成できる。前記塗布液は、半導体微粒子を適当な分散媒に分散させた分散液であっても、または適当な溶媒に溶解させコロイド状にしたコロイド溶液であってもよい。前記塗布液を導電性支持体上に塗布する以外にも、前述のゾル−ゲル法等を利用して形成することができる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子分散液の物性、導電性支持体の融通性等を考慮した場合、湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法としては、塗布法、印刷法、電解析出法および電着法が代表的である。また、金属を酸化する方法、金属溶液から配位子交換等で液相にて析出させる方法(LPD法)、スパッタ等で蒸着する方法、CVD法、あるいは加温した基板上に熱分解する金属酸化物プレカーサーを吹き付けて金属酸化物を形成するSPD法を利用することもできる。
【0084】
半導体微粒子の分散液を調製する方法としては、ゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法等が挙げられる。
【0085】
前記分散媒またはコロイド溶液の溶媒としては、水または各種の有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル等)が挙げられる。分散の際、必要に応じて、例えばポリエチレングリコールのようなポリマー、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を分散助剤として用いてもよい。ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散液の粘度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体層を形成したり、半導体層の空隙率をコントロールできるので、ポリエチレングリコールを添加するのが好ましい。
【0086】
塗布方法としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとして、特公昭58−4589号公報に開示されているワイヤーバー法、米国特許2681294号、同2761419号、同2761791号明細書等に記載のスライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が好ましい。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては、凸版、オフセットおよびグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から、液粘度やウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択する。
【0087】
前記半導体層は単層としても、多層構造としてもよい。例えば、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加剤)を含有する塗布液を多層塗布することもできる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布が有効である。
【0088】
一般に半導体層の厚さ(感光層の厚さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがって、半導体層の好ましい厚さは0.1〜100μmである。前記光電変換素子を光電池に用いる場合、半導体層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0089】
半導体微粒子を含有する塗布液を導電性支持体上に塗布した後で、半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは100℃以上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くため、好ましくない。またコストの観点からもできる限り低温(例えば50℃〜350℃)であるのが好ましい。低温化は、5nm以下の小さい半導体微粒子や鉱酸、金属酸化物プレカーサーの存在下での加熱処理等により可能となり、また、紫外線、赤外線、マイクロ波等の照射や電界、超音波を印加することにより行うこともできる。同時に不要な有機物等を除去する目的で、上記の照射や印加の他、加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄等を適宜組み合わせて併用することが好ましい。
【0090】
加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着させる有機物としては、疎水性基を持つ物が好ましい。
【0091】
前記多孔性の半導体層は、多くの色素を吸着することができるように大きい表面積を有するのが好ましい。前記半導体層の表面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好ましく、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0092】
この様にして形成した半導体層に対して、上述した方法により媒染用連結化合物を少なくとも表面に結合させ、次に上述した方法により前記媒染用連結化合物に色素を作用させ、媒染して色素増感した半導体層が形成できる。
【0093】
(C)電荷輸送層
電荷輸送層は光を吸収することによって生成した色素の酸化体に、電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、イオン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクスのゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げられる。また、イオンがかかわる電荷輸送材料のほかに、固体中のキャリアー移動がかかわる電荷輸送材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を用いることもできる。これらの電荷輸送材料は、併用することができる。
【0094】
前記電荷輸送材料として前記溶融塩電解質を用いると、光電変換効率および耐久性が両立できるので特に好ましい。前記溶融塩電解質とは、室温において液状の電解質か、または低融点の電解質であり、例えばWO95/18456号、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知の電解質を挙げることができる。100℃以下、特に室温付近において液状となる溶融塩電解質が好ましい。
【0095】
好ましく用いることのできる溶融塩電解質としては、下記一般式(Y−a)、(Y−b)及び(Y−c)のいずれかにより表される化合物が挙げられる。
【0096】
【化18】
【0097】
前記一般式(Y−a)中、Qy1は窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成し得る原子団を表す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子により構成されるのが好ましい。Qy1により形成される5員環は、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、インドール環またはピロール環であるのが好ましく、オキサゾール環、チアゾール環またはイミダゾール環であるのがより好ましく、オキサゾール環またはイミダゾール環であるのが特に好ましい。Qy1により形成される6員環は、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環またはトリアジン環であるのが好ましく、ピリジン環であるのがより好ましい。
【0098】
前記一般式(Y−b)中、Ay1は窒素原子又はリン原子を表す。
【0099】
前記一般式(Y−a)、(Y−b)及び(Y−c)中、Ry1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐状であっても、また環式であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、或いは置換又は無置換のアルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリル基等)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18のアルキル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基である。
【0100】
また、前記一般式(Y−b)中、Ry1〜Ry4のうち2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成してもよく、前記一般式(Y−c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0101】
前記一般式(Y−a)、(Y−b)及び(Y−c)中、Qy1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基等)、アリーロキシ基(フェノキシ基等)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(エトキシカルボニル基等)、炭酸エステル基(エトキシカルボニルオキシ基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基(メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、ホスホニル基(ジエチルホスホニル基等)、アミド基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、カルバモイル基(N,N−ジメチルカルバモイル基等)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2−カルボキシエチル基、ベンジル基等)、アリール基(フェニル基、トルイル基等)、複素環基(ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基等)、アルケニル基(ビニル基、1−プロペニル基等)、シリル基およびシリルオキシ基等が挙げられる。
【0102】
前記一般式(Y−a)、(Y−b)又は(Y−c)で表される化合物は、Qy1又はRy1〜Ry6を介して多量体を形成してもよい。
【0103】
前記一般式(Y−a)、(Y−b)又は(Y−c)で表される化合物は、電荷輸送材料として、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオンを他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもできる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-等)、SCN-、BF4 -、PF6 -、ClO4 -、(CF3SO22-、(CF3CF2SO22-、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4-、(CF3SO23-等が好ましい例として挙げられ、SCN-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO22-またはBF4 -であるのがより好ましい。また、LiIなど他のヨウ素塩やCF3COOLi、CF3COONa、LiSCN、NaSCNなどのアルカリ金属塩を添加することもできる。アルカリ金属塩の添加量は、0.02〜2質量%程度であるのが好ましく、0.1〜1質量%であるのがさらに好ましい。
【0104】
本発明に電荷輸送材料として好ましく用いられる溶融塩の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
【0105】
【化19】
【0106】
【化20】
【0107】
【化21】
【0108】
【化22】
【0109】
【化23】
【0110】
【化24】
【0111】
前記溶融塩電解質は、常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いないのが好ましい。後述する溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の含有量は電解質組成物全体に対して50質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが特に好ましい。また、塩のうち50質量%以上がヨウ素塩であることが好ましい。
【0112】
上記電解質組成物にはヨウ素を添加するのが好ましく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
【0113】
前記電荷輸送材料として電解液を使用する場合、電解液は電解質、溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。前記電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2などの金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩など)、Br2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2などの金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができる。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上述した電解質は混合して用いてもよい。
【0114】
前記電解液中の電解質濃度は0.1M(mol/L)以上10M(mol/L)以下であるのが好ましく、0.2M(mol/L)以上4M(mol/L)以下であるのがより好ましい。また、電解液にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01M(mol/L)以上0.5M(mol/L)以下である。
【0115】
前記電解液に用いる溶媒は、粘度が低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質、水などが挙げられ、これらを混合して用いることもできる。
【0116】
また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,80 (12)3157−3171(1997)に記載されているようなtert−ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05M(mol/L)以上2M(mol/L)以下である。
【0117】
前記電荷輸送材料として使用可能なゲル電解質は、前述の溶融塩電解質や電解液を、ポリマー添加、オイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法によりゲル化(固体化)させることにより作製できる。ポリマー添加によりゲル化させる場合は、“Polymer Electrolyte Revi ews−1および2”(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は、J. Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 46,779(1943), J. Am. Chem. Soc., 111,5542(1989), J. Chem. Soc., Chem. Com mun., 1993, 390, Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 35,1949(1996), Chem. Lett., 1996, 885, J. Chm.Soc., Chem. Commun., 1997,545に記載されている化合物を使用することができるが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。電解液をゲル化した例は特開平11−185863号公報に、溶融塩電解質をゲル化した例は特開2000−58140号公報に記載されており、本発明にも適用できる。
【0118】
また、ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネート、α、β−不飽和スルホニル基、α、β−不飽和カルボニル基、α、β−不飽和ニトリル基など)であり、特開2000−17076号公報、同2000−86724号公報に記載されている架橋技術も適用できる。
【0119】
前記電荷輸送材料として、本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の替わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。前記有機正孔輸送材料としては、J.Hagen etal.,Synthetic Metal 89(1997)215−220、Nature,Vol.395, 8 Oct. 1998,p583−585およびWO97/10617、特開昭59−194393号公報、特開平5−234681号公報、米国特許第4,923,774号、特開平4−308688号公報、米国特許第4,764,625号、特開平3−269084号公報、特開平4−129271号公報、特開平4−175395号公報、特開平4−264189号公報、特開平4−290851号公報、特開平4−364153号公報、特開平5−25473号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−320634号公報、特開平6−1972号公報、特開平7−138562号公報、特開平7−252474号公報、特開平11−144773号公報等に示される芳香族アミン類や、特開平11−149821号公報、特開平11−148067号、特開平11−176489号の各公報等に記載のトリフェニレン誘導体類を好ましく用いることができる。また、Adv. Mater. 1997,9,N0.7,p557、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, No.3,p303−307、JACS,Vol120, N0.4,1998,p664−672等に記載されているオリゴチオフェン化合物、K. Murakoshi et al.,;Chem.Lett. 1997, p471に記載のポリピロール、“Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers Vol.1,2,3,4” (NALWA著、WILEY出版)に記載されているポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン) およびその誘導体、ポリ( p−フェニレンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子を好ましく使用することができる。
【0120】
正孔(ホール)輸送材料にはNature,Vol.395, 8 Oct.1998,p583−585に記載されているようにドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO22N]のような塩を添加してもよい。
【0121】
前記無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化合物半導体の例としてはCuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2などが挙げられる。この中でもCuIおよびCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。その他のp型無機化合物半導体としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等を用いることができる。
【0122】
本発明の光電変換素子では、前記電荷輸送層を形成すると同時に、前記半導体層の空隙に前記電荷輸送材料を浸透させることができる。電荷輸送層は、例えば、感光層上に先に対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送材料を注入して挟み込み形成することができる。その他の形成方法としては、感光層上に直接、電荷輸送材料を塗布等により形成する方法がある(対極はその後付与する)。前者の方法では、電荷輸送材料を感光層と対極との間に挟み込む方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。後者の方法では、液状の電荷輸送材料を用いる場合は、未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことができる。また、電荷輸送材料としてゲル電解質を用いる場合は、湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固体化した後に対極を付与することもできる。電解液のほか湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質を付与する方法としては、前述の半導体層の形成や色素の媒染で説明したのと同様の方法を利用できる。
【0123】
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができる。無機固体化合物の場合も、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等の手法により電極内部に導入することができる。
【0124】
(D)対極
対極は前記導電性支持体と同様に、導電性材料からなる単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、または導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フッ素ドープ酸化スズ等)が挙げられる。この中でも白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極層として好ましく使用することができる。対極の好ましい支持基板の例は、ガラスまたはプラスチックであり、これに上記の導電剤を塗布または蒸着して用いる。対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。対極層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好ましくは20Ω/□以下である。
【0125】
前記導電性支持体と対極のいずれか一方または両方から光を入射させ、前記感光層に光を到達させるには、前記導電性支持体と前記対極の少なくとも一方が実質的に透明であればよい。発電効率の向上の観点からは、前記導電性支持体を透明にして、光を前記導電性支持体側から入射させるのが好ましい。この場合、前記対極は光を反射する性質を有するのが好ましい。前記対極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0126】
前記対極は、前記電荷輸送層上に直接導電材を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、前記導電層を有する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、前記導電性支持体の場合と同様に、特に前記対極が透明の場合には、対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好ましい。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、金属リード設置による入射光量の低下等は導電性支持体の場合と同様である。
【0127】
(E)その他の層
前記対極と前記導電性支持体の短絡を防止するため、予め前記導電性支持体と前記感光層との間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層として塗設しておくことが好ましく、前記電荷輸送層に電子輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効である。前記下塗り層の材料として好ましいのは、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25であり、さらに好ましい材料はTiO2である。前記下塗り層は、例えばElectrochimi. Acta 40, 643−652(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の他、スパッタ法等により塗設することができる。前記下塗り層の膜厚は、5〜1000nm以下であるのが好ましく、10〜500nmであるのがさらに好ましい。
【0128】
また、前記電極として作用する導電性支持体と、対極の一方または両方の外側表面、導電層と基板の間または基板の中間に、保護層、反射防止層等の機能性層を設けてもよい。これらの機能性層の形成には、その材質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法等を用いることができる。
【0129】
上述のように、本発明の光電変換素子の内部構造は、目的に合わせ様々な形態が可能である。大きく2つに分ければ、両面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構造が挙げられる。図2〜図9に本発明に好ましく適用できる光電変換素子の内部構造を例示する。尚、図2〜図9中、図1と同一の部材については同一の番号を付し、説明は省略する。また、導電層12および基板26が光透過性の場合は、それぞれ導電層12’および基板26’とし、対極導電層20と基板28が光透過性の場合は、それぞれ導電層12’および基板28’とする。
【0130】
図2の光電変換素子10aでは、透明導電層12’と透明対極導電層20’との間に、感光層16と、電荷輸送層18とを介在させた構成であり、両面から光が入射する構造になっている。
図3の光電変換素子10bは、透明基板26’上に一部金属リード30を設け、さらに透明導電層12’を設け、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および対極導電層20をこの順で設け、さらに支持基板28を配置したものであり、透明導電層12’側から光が入射する構造となっている。
図4の光電変換素子10cは、支持基板26上に、導電層12、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および透明対極導電層20’とを設け、一部に金属リード30を設けた透明基板28’を、金属リード30側を内側にして配置したものであり、対極導電層20’側から光を入射する構造である。
【0131】
図5の光電変換素子10dは、透明基板26’上に一部金属リード30を設け、さらに透明導電層12’を設け、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および透明対極導電層20’をこの順で設け、さらにその上に、一部金属リード30を設けた透明基板28’を設けた構造であり、両面から光が入射する構造である。
図6の光電変換素子10eは、透明基板26’上に、透明導電層12’、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および対極導電層20を設け、この上に支持基板28を配置したものであり導電層12’側から光が入射する構造である。
図7の光電変換素子10fは、支持基板26上に、導電層12、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および透明対極導電層20’を設け、この上に透明基板28’を配置したものであり、対極導電層20’側から光が入射する構造である。
【0132】
図8の光電変換素子10gは、透明基板26’上に、透明導電層12’、下塗り層14、感光層16、電荷輸送層18および透明対極導電層20’を設け、さらにその上に透明基板28’を配置したものであり、両面から光が入射する構造となっている。
図9の光電変換素子10hは、支持基板26上に、導電層12を設け、下塗り層14、感光層16、固体の電荷輸送層18’を設け、その上に、一部対極導電層20’’(または金属リード30)を有するものであり、対極20’’側から光が入射する構造となっている。
【0133】
本発明の光電変換素子は、光電池および光センサーに適用できる。光電池および光センサーに適用する場合も、その構造は前述の光電変換素子と同様の構造となる。外部負荷に接続して電気的仕事をさせる目的(発電)で作製されるものが光電池であり、光学的情報のセンシングの目的で作製されるものが光センサーである。
【0134】
〔光電池〕
本発明の光電池は、本発明の光電変換素子を利用したものであり、前記光電変換素子に外部負荷で仕事をさせるように構成したものである。前記光電池のうち、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなる場合を、特に光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。光電池は構成物の劣化や内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封するのが好ましい。導電性支持体および対極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のものを使用することができる。
【0135】
本発明の光電変換素子を太陽電池に適用する場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換素子の構造と同じである。また、本発明の太陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとり得る。前記太陽電池モジュールは、一般的には、金属またはセラミック等の支持基板の上にセルが設けられ、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとる。前記支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られており、本発明の太陽電池も使用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。具体的には、特願平11−8457号の明細書に記載の構造や態様とすることが好ましい。
【0136】
【実施例】
以下、具体例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(A)TiO2分散液の調製
内側をテフロンコーティングした内容積200mlのステンレス製容器に、二酸化チタン微粒子(日本アエロジル(株)製、Degussa P−25)15g、水45g、分散剤(アルドリッチ社製、Triton X−100)1g、直径0.5mmのジルコニアビーズ(ニッカトー社製)30gを入れ、サンドグラインダーミル(アイメックス社製)を用いて1500rpmで2時間分散処理した。得られた分散液からジルコニアビーズをろ過により除去した。得られた分散液中の二酸化チタン微粒子の平均粒径は2.5μmであった。なお粒径はMALVERN社製のマスターサイザーにて測定した。
【0137】
(B)TiO2電極の作製
フッ素をドープした酸化スズ層を有する導電性ガラス(旭硝子(株)製TCOガラス−Uを20mm×20mmの大きさに切断加工したもの、表面抵抗約30Ω/□)の導電面側にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した。半導体微粒子の塗布量は20g/m2とした。その際、導電面側の一部(端から3mm)に粘着テープを張ってスペーサーとし、粘着テープが両端に来るようにガラスを並べて一度に8枚ずつ塗布した。塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこのガラスを電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃にて30分間焼成し、放冷しTiO2電極を得た。
【0138】
(C)色素による媒染
(B)で作製した電極を、媒染用連結化合物(例示化合物2−1)の10%トルエン溶液に3日間浸漬した後、トルエンで洗浄し減圧乾燥した。次に、この電極を色素(例示化合物R−1)のエタノール溶液(3×10-4mol/l)に3時間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥した。
【0139】
(D)光電池の作製
上述のように作製した色素増感TiO2電極基板および比較電極基板(20mm×20mm)をこれと同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた。次に、両ガラスの隙間に毛細管現象を利用して電解質組成物を染み込ませ、電解質をTiO2電極中に導入し、図1に示す構成とほぼ同様の構成の光電変換素子を作製した。、即ち、導電性ガラスからなる導電性支持体層(ガラスの透明基板26’上に導電層12’が設層されたもの)、色素増感TiO2の感光層16、電荷輸送層18、白金からなる対極導電層20及びガラスの透明基板28’を順に積層し、その後、エポキシ系封止剤で封止して、光電池を作製した。
【0140】
[実施例2〜8]
実施例1において、媒染用連結化合物、色素および電解質組成物(電荷輸送性材料)を下記表1に示す材料に各々変更した以外は、実施例1と同様にして光電池を作製した。但し、電解質組成物の粘度が高く、毛細管現象を利用して電解質組成物を染み込ませることが困難な場合は、電解質組成物を50℃に加温し、これをTiO2電極に塗布した後、この電極を減圧下に置き、電解質組成物が十分浸透し電極中の空気が抜けた後、白金蒸着ガラス(対極)を重ね合わせて、同様に光電池を各々作製した。
【0141】
[比較例1および2]
実施例1の(C)工程において、媒染用連結化合物を使用せず、TiO2導電性電極を色素(例示化合物R−1)のエタノール溶液(3×10-4mol/l)に3時間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥した以外は、実施例1と同様にして、表1中に示した材料を用いて光電池を各々作製した。
【0142】
得られた実施例1〜8および比較例1、2の光電池について光電変換効率を各々測定した。具体的には、まず、500Wのキセノンランプ(ウシオ電気(株)製)の光を、AM1.5フィルター(Oriel社製)及びシャープカットフィルター(Kenko L−42)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2であった。この模擬太陽光を、25℃にて、作製した各光電池に照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)にて測定した。これにより求められた各光電池の開放電圧(Voc)を下記表1に示す。
【0143】
【表1】
【0144】
表1に示す結果より、実施例の光電池は、電荷輸送材料として溶媒を含有する材料を用いた場合、および溶媒を含まない材料を用いた場合のいずれにおいても、比較例とくらべて開放電圧が高いことがわかる。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、高い開放電圧を示す光電変換用半導体、並びに光電変換特性に優れた光電変換素子および光電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10、10a〜10h ・・・光電変換素子
12 ・・・・・・・・・・・導電層
12’ ・・・・・・・・・・透明導電層
14 ・・・・・・・・・・・下塗り層
16 ・・・・・・・・・・・感光層
18 ・・・・・・・・・・・電荷輸送層
18’ ・・・・・・・・・・固体からなる電荷輸送層
20 ・・・・・・・・・・・対極導電層
20’ ・・・・・・・・・・透明対極導電層
20’’ ・・・・・・・・・対極導電層
24 ・・・・・・・・・・・半導体層
26 ・・・・・・・・・・・基板
26’ ・・・・・・・・・・透明基板
28 ・・・・・・・・・・・基板
28’ ・・・・・・・・・・透明基板
30 ・・・・・・・・・・・金属リード
s ・・・・・・・・・・・半導体微粒子
d ・・・・・・・・・・・色素
t ・・・・・・・・・・・電荷輸送材料
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photoelectric conversion semiconductor, a photoelectric conversion element using the same, and a photovoltaic cell comprising the photoelectric conversion element.
[0002]
[Prior art]
As solar cells used for photovoltaic power generation, single crystal silicon solar cells, polycrystalline silicon solar cells, amorphous silicon solar cells, compound solar cells such as cadmium telluride and indium copper selenide have been put into practical use or have been mainly researched and developed. It is targeted. However, the compound solar cell has problems such as high manufacturing cost, difficulty in securing raw materials, and long energy payback time, and the above-mentioned problems need to be overcome in order to spread. On the other hand, many solar cells using organic materials aimed at increasing the area and reducing the cost have been proposed so far.
[0003]
Under such circumstances, “Nature” (Vol. 353, pp. 737-740, 1991) and U.S. Pat. No. 4,927,721 disclose a photoelectric conversion element and a solar cell using semiconductor fine particles sensitized with a dye, and Materials and manufacturing techniques for making this have been disclosed. The battery disclosed in the above-mentioned document is a wet solar battery in which a titanium dioxide porous thin film spectrally sensitized with a ruthenium complex is used as a working electrode, and electrical connection with a counter electrode is performed by an electrolyte solution. The advantage of this solar cell is that an inexpensive oxide semiconductor such as titanium dioxide can be used without being purified with high purity, which is advantageous in that an inexpensive photoelectric conversion element can be realized. However, there is a problem that the conversion efficiency is low. One of the main causes of this problem is that the actual open circuit voltage (Voc) is much lower than the theoretically expected Voc. For example, titanium dioxide is used as a semiconductor fine particle, and (I-/ IThree -In theory, an open circuit voltage (Voc) of 1 V or higher is expected, but only a low open circuit voltage of about 0.6 V is actually obtained.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
This invention is made | formed in view of the said various problems, Comprising: It aims at providing the semiconductor for photoelectric conversion which shows a high open circuit voltage, the photoelectric conversion element excellent in the photoelectric conversion characteristic, and a photovoltaic cell.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  Means for solving the above-mentioned problems are as follows.
<1> At least on the surface of the semiconductorOne selected from the following compounds 1-1 to 1-8 and 2-1 to 2-11To the compound bound to the surfaceDipping in a solution selected from the following dye compounds R-1 to R-13 or applying the solution to a compound bonded to the surfaceIt is a semiconductor for photoelectric conversion characterized by being mordanted.
[0006]
[Chemical 1]
[Chemical 2]
[Chemical Formula 3]
[0014]
<2> The semiconductor contains at least a metal chalcogenide <1>It is the semiconductor for photoelectric conversion of description.
<3> The semiconductor is a porous semiconductor film comprising semiconductor fine particles formed on a support <1>Or<2> Is a photoelectric conversion semiconductor according to any one of the above.
[0015]
<4A photosensitive layer and a charge transport layer are provided between a pair of electrodes, and the photosensitive layer is from <1> to <3> A photoelectric conversion device comprising the photoelectric conversion semiconductor according to any one of the above.
<5> <4A photovoltaic cell comprising the photoelectric conversion element according to>.
<6> A step of bonding one selected from the following compounds 1-1 to 1-8 and 2-1 to 2-11 to at least the surface of the semiconductor, and a compound bonded to the surface to the following dye compound R-1 Dipping in a kind of solution selected from R-13 or applying the solution to a compound bonded to the surface and mordanting, and a method for producing a semiconductor for photoelectric conversion.
[Formula 4]
[Chemical formula 5]
[Chemical 6]
[0016]
In the photoelectric conversion semiconductor of the present invention, when irradiated with light, the dye fixed on the semiconductor surface by mordanting absorbs light and generates electrons and holes. On the other hand, the semiconductor receives and transmits these electrons (or holes). By sandwiching the photoelectric conversion semiconductor together with a charge transport layer between a pair of electrodes and connecting the electrodes to an external load, electrons or holes collected on one electrode by the semiconductor work, Move from electrode to counter electrode. In the photoelectric conversion semiconductor of the present invention, high sensitizing efficiency is obtained by immobilizing a sensitizing dye on the surface of the semiconductor by mordanting using electrostatic interaction. As a result, a photoelectric conversion element having the photoelectric semiconductor as a photosensitive layer and a photovoltaic cell including the photoelectric conversion element have a high open circuit voltage.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, each of the semiconductor for photoelectric conversion, the photoelectric conversion element, and the photovoltaic cell of the present invention will be described.
[Semiconductor for photoelectric conversion]
  The semiconductor for photoelectric conversion of the present invention has a basic compound and / or a cationic compound on at least the surface of the semiconductor.(One type selected from compounds 1-1 to 1-8 described later)A dye having an anionic group formed by removing protons from the acidic group or acidic group to the compound bonded to the surfaceImmerse in a solution (one selected from the following dye compounds R-1 to R-13) or apply the solution to a compound bound to the surfaceIt is characterized by being mordanted.
[0018]
(A) Semiconductor
There is no particular limitation on the shape and structure of the semiconductor, and the semiconductor may be in the form of a semiconductor substrate composed only of a semiconductor material, or on a conductive support such as a transparent electrode such as ITO glass or a platinum electrode. It may be in the form of a semiconductor layer. When used in the form of the semiconductor layer, the semiconductor layer is preferably in the form of a porous film made of semiconductor fine particles.
[0019]
Examples of the semiconductor include a single semiconductor such as silicon and germanium, a III-V compound semiconductor, a metal chalcogenide (for example, oxide, sulfide, selenide, or a composite thereof), or a compound having a perovskite structure ( For example, strontium titanate, calcium titanate, sodium titanate, barium titanate, potassium niobate, etc.) can be used. Among these, a semiconductor made of a metal chalcogenide is preferable.
[0020]
Examples of the metal chalcogenides include titanium, tin, zinc, iron, tungsten, zirconium, hafnium, strontium, indium, cerium, yttrium, lanthanum, vanadium, niobium or tantalum oxide, cadmium, zinc, lead, silver, antimony or Bismuth sulfide, cadmium or lead selenide, cadmium telluride and the like are preferable. Examples of other compound semiconductors include phosphides such as zinc, gallium, indium, and cadmium, gallium-arsenic or copper-indium selenides, and copper-indium sulfides. Furthermore, MxOySzOr M1 xM2 yOz(M, M1And M2Represents a metal element, O represents an oxygen atom, and x, y, and z are preferably semiconductors composed of composites such as the number of combinations in which the valence is neutral.
[0021]
Preferred examples of the semiconductor include Si and TiO.2, SnO2, Fe2OThree, WOThree, ZnO, Nb2OFive, CdS, ZnS, PbS, Bi2SThree, CdSe, CdTe, GaP, InP, GaAs, CuInS2, CuInSe2And more preferably TiO2ZnO, SnO2, Fe2OThree, WOThree, Nb2OFive, CdS, PbS, CdSe, InP, GaAs, CuInS2Or CuInSe2And particularly preferably TiO2Or Nb2OFiveAnd most preferably TiO2It is. TiO2Is preferably one containing more anatase type crystals, more preferably containing 70% or more, and TiO comprising 100% anatase type crystals.2Is particularly preferred.
[0022]
The use of a semiconductor doped with a metal is preferable because electronic conductivity in the semiconductor is improved. As a metal to dope, a bivalent or trivalent metal is preferable. In addition, it is preferable to use a semiconductor doped with a monovalent metal because a reverse current can be prevented from flowing from the semiconductor to the charge transport layer (described later).
[0023]
The semiconductor used in the present invention may be single crystal or polycrystal, but polycrystal is preferable from the viewpoint of production cost, securing raw materials, energy payback time, etc., and it is particularly preferable to use in the form of a porous film made of semiconductor fine particles. Moreover, what contains a part amorphous part can also be used.
[0024]
The particle diameter of the semiconductor fine particles is generally on the order of nm to μm, but the average particle diameter of primary particles obtained from the diameter when the projected area is converted into a circle is preferably 5 nm to 200 nm. More preferably, it is 8 nm to 100 nm. In the case where a dispersion liquid is prepared by dispersing the semiconductor fine particles in a solvent and the dispersion liquid is applied to the surface of a conductive support or the like to form a porous semiconductor film, the semiconductor fine particles (2 The average particle size of the secondary particles is preferably 0.01 μm to 30 μm. Two or more types of semiconductor fine particles having different particle size distributions may be mixed and used. In this case, the average particle size of the small particles is preferably 25 nm or less, more preferably 10 nm or less. For the purpose of improving the light capture rate by scattering incident light, it is also preferable to mix semiconductor particles having a large particle diameter, for example, about 100 nm or more and about 300 nm.
[0025]
Two or more kinds of semiconductor fine particles made of different materials may be mixed and used. When two or more kinds of semiconductor fine particles are mixed and used, at least one kind is TiO.2, ZnO, Nb2OFiveAnd SrTiO2It is preferable that any one of the semiconductor fine particles is selected from the group consisting of SnO2, Fe2OThreeAnd WOThreeAny one of the semiconductor fine particles selected from the above is preferable. A more preferred combination is ZnO and SnO.2, ZnO and WOThreeOr ZnO, SnO2And WOThreeAnd the like. When two or more kinds of semiconductor fine particles are mixed and used, their particle sizes may be different. In particular, a combination in which the particle size of the semiconductor fine particles mentioned as the first type is large and the particle size of the second and subsequent types of semiconductor fine particles combined with the first type of semiconductor fine particles is small is preferable. Further, when semiconductor fine particles made of different materials and having different sizes are used in combination, a combination in which the average particle size of large semiconductor fine particles is 100 nm or more and the average particle size of small semiconductor fine particles is 15 nm or less Is preferred.
[0026]
As the method for producing the semiconductor fine particles, “Science of Sol-Gel Method” (Sakuo Sakuna, Agne Jofusha, 1998) and “Thin Film Coating Technology by Sol-Gel Method” (Technical Information Association, 1995) ), “Synthesis of Monodispersed Particles by New Synthetic Gel-Sol Method and Size Control” (by Tadao Sugimoto), and Materia, Vol. 35, No. 9, 1012 ~ The gel-sol method described on page 1018 (1996) is preferred. In addition, a method of producing an oxide by hydrolyzing a chloride developed by Degussa in an oxyhydrogen salt is also preferable.
[0027]
When the semiconductor fine particles are titanium oxide, the sol-gel method, the gel-sol method, and the high-temperature hydrolysis method in oxyhydrogen salt of chloride are preferable, but further, “Titanium oxide properties and applied technology” ( The sulfuric acid method and the chlorine method described in Kiyono Manabu, Gihodo Publishing, 1997) can also be used. Further, as the sol-gel method, the method described in Journal of American Ceramic Society, Vol. 80, No. 12, pp. 3157-3171 (1997) or the chemistry of Burnside et al. , Vol. 10, No. 9, pages 2419-2425 are also preferred.
[0028]
(B) Cationic compound and / or basic compound
  A cationic compound and / or a basic compound is bonded to at least the surface of the semiconductor. The cationic compound and the basic compound have a function as a so-called mordant for linking the semiconductor surface and the dye (hereinafter, the cationic compound and / or the basic compound may be referred to as “mordant linking compound”). By modifying the surface of the semiconductor with the mordanting linking compound, a site where the dye can act can be formed on the surface of the semiconductor. Therefore, the mordanting linking compound is a compound that can be combined with the semiconductor used and also has a function of acting on the pigment used as the mordanting dye and immobilizing it on the semiconductor surface.
  In particular, in the present invention, the cationic compound and / or basic compound refers to the compounds 1-1 to 1-8 and 2-1 to 2-8 described later.
  The mordant linking compound is preferably a colorless compound that does not absorb in the visible region. It is preferable that the mordanting linking compound is a compound that does not absorb in the visible part, because a decrease in efficiency (filter effect) caused by the mordanting linking compound absorbing light can be prevented.
[0029]
The mordant linking compound is preferably a compound represented by the following general formula (1) or (2).
[0030]
[Chemical 7]
[0031]
In the general formula (1), Z1Is its conjugate acid (HZ1(+) -H represents a basic substituent having a pKa of 3 or more and 20 or less. Preferably, the conjugate acid has a pKa of 4 or more and 15 or less, more preferably 5 or more and 12 or less. Z1Specific examples thereof include, for example, pyridyl group, imidazolyl group, triethylamino group, morpholyl and guanidyl group. However, Z1Preferably does not contain a dye chromophore (does not absorb in the visible region).
[0032]
In the general formula (1), B1Represents a divalent linking group and p1Represents 0 or 1. p1Z is 01Is directly M1Combine with. B1As, for example, an alkylene group, an arylene group, -O-, -S-, -N (R)-(R is a hydrogen atom or an alkyl group), -CO- or -SO2-Or a divalent linking group formed by combining two or more of these.
[0033]
In the general formula (1), M1Represents Si, Ti, Al, Ge or Sn, and is preferably Si.
[0034]
In the general formula (1), X1Represents an alkoxy group (for example, methoxy, ethoxy and the like), an aryloxy group (for example, phenyloxy), a halogen atom (for example, a chlorine atom), a hydroxyl group or a hydrogen atom. Among these, an alkoxy group is preferable.
[0035]
In the general formula (1), m1Represents an integer from 1 to 3 and n1Is X1Is M1Represents the number that can be substituted, and is usually 2 to 3. m1Z is 2 or more1, B1, X1, P1And n1These two or more combinations may be the same or different.
[0036]
In the general formula (2), Z2Represents an atomic group having a cation. The atomic group preferably contains a nitrogen cation, a phosphorus cation, an oxygen cation, a sulfur cation or a carbon cation, and preferably contains at least one of a nitrogen cation or a phosphorus cation. Most preferably. Z1Examples thereof include quaternary ammonium cations, pyridinium cations, imidazolium cations, morpholium cations, and guanidinium cations. However, Z2Preferably does not contain a dye chromophore (does not absorb in the visible region).
[0037]
In the general formula (2), A represents an anion, and q represents Z.2Represents the number required to make the cation charge of A equal to the anion charge of A. Examples of A include halide ions (Cl-, Br-, I-Etc.), SCN-, BFFour -, PF6 -, ClOFour -, (CFThreeSO2)2N-, (CFThreeCF2SO2)2N-, CFThreeSOThree -, CFThreeCOO-, PhFourB-And (CFThreeSO2)ThreeC-Etc. are preferred.
[0038]
In the general formula (2), B2, M2And X2Is B in the general formula (1)1, M1And X1Are synonymous with each other. In the general formula (2), p2Represents 0 or 1. p2Z is 02Is directly M2Combine with. In the general formula (2), m2Represents an integer from 1 to 3 and n2Is X2Is M2Represents the number that can be substituted, and is usually 2 to 3.
[0039]
Each of the compounds represented by the general formula (1) or (2) is X1And X2All or a part of is bonded to the bonding site of the semiconductor and bonded to the semiconductor. When there are multiple reactive sites in the molecule (m1And m2Are all 2 or 3), all of the sites may be bonded to the semiconductor, or a part of the sites may be bonded to the semiconductor.
[0040]
Preferred specific examples of the compound represented by the general formula (1) (Exemplary compounds 1-1 to 8) and preferred specific examples of the compound represented by the general formula (2) (Exemplary compounds 2-1 to 11) Although shown below, this invention is not limited to these.
[0041]
[Chemical 8]
[0042]
[Chemical 9]
[0043]
[Chemical Formula 10]
[0044]
The semiconductor to which the mordant linking compound is bonded preferably has at least a surface having a structure represented by the following general formula (4) or (5).
[0045]
Embedded image
[0046]
In the general formulas (4) and (5), PscRepresents a semiconductor, and O represents an oxygen atom. The oxygen atom may be a semiconductor-derived atom, an atom derived from the mordant linking compound, or an atom derived from a solvent or other reagent used in both reactions. In the general formulas (4) and (5), Z1, Z2, B1, B2, P1, P2, M1, M2, M1, M2, A and q are respectively synonymous with those in the general formulas (1) and (2).
[0047]
(C) Dye
  The semiconductor for photoelectric conversion of the present invention is obtained by mordanting the surface of a semiconductor with a dye. The dye is electrostatically interacted with the mordant linking compound (for example, a compound represented by the general formula (1) or (2)) bonded to a semiconductor, fixed, and mordanted. The dye has an anionic group formed by removing a proton from an acidic group or an acidic group capable of forming an ionic bond with the mordant linking compound. When the cationic compound is used as the mordant linking compound, the dye having the anionic group is used as the dye, and when the basic compound is used as the mordanting linking compound, the acidic group is used as the dye. The pigment | dye which has is used.
  In particular, in the present invention, the dye having an acidic group or an anionic group formed by removing a proton from the acidic group refers to dye compounds R-1 to R-13 described later.
[0048]
As said pigment | dye, the compound represented by following General formula (3) is preferable.
[0049]
Embedded image
[0050]
In the general formula (3), Dye represents a dye residue. The dye residue refers to a residue having a chromophore obtained by removing any substituent or r hydrogen atoms from a dye compound having a chromophore.
[0051]
In the general formula (3), Y represents an anionic group formed by removing a proton from an acidic group or an acidic group. When Y represents an acidic group, Y is CHThreeAn acidic group having a pKa of −2 or more and 16 or less is preferable, and an acidic group having −2 or more and 10 or less is more preferable. Specifically, —COOH group, —OH group, —SOThreeH group, -P (O) (OH)2Group and -OP (O) (OH)2Groups and the like. Among them, -COOH group, -P (O) (OH)2Group or -OP (O) (OH)2The group is particularly preferred. In the general formula (3), when Dye is a polymethine dye and the methine chain forms a squarylium ring or a croconium ring, the squarylium ring or the croconium ring may be an acidic group. When Y represents the anionic group, Y is preferably an anionic group formed by removing a proton from the acidic group mentioned as a preferred example of the acidic group. When Y is an anionic group, Y can have a cation necessary to neutralize its charge. Examples of the cations include alkali metal cations, quaternary ammonium cations, and cations obtained by quaternizing nitrogen-containing aromatic rings such as pyridinium cations and imidazolium cations.
[0052]
In the general formula (3), r represents an integer of 1 to 6. When r is 2 or more, 2 or more Y may be the same or different.
[0053]
The dye is preferably a metal complex dye, a phthalocyanine-based dye, or a methine dye, and more preferably a metal complex dye or a methine dye. Two or more kinds of the dyes can be mixed, and when two or more kinds are mixed, the kind and the ratio of the dyes to be mixed can be arbitrarily selected.
[0054]
Hereinafter, the preferred dye will be described more specifically.
(A) Metal complex dye
As the metal complex dye, metal phthalocyanine dyes, metal porphyrin dyes and ruthenium complex dyes are preferable, and ruthenium complex dyes are particularly preferable. Examples of the ruthenium complex dye include, for example, U.S. Pat. Nos. 4,927,721, 4,684,537, 5,084,365, 5,350,644, 5,463,057, 5,525,440, and JP-A-7-249790, JP-T-10- Examples thereof include dyes described in JP-A-504512, International Patent No. 98/50393, JP-A No. 2000-26487, and the like.
[0055]
Furthermore, the ruthenium complex dye is preferably a compound represented by the following general formula (6).
General formula (6)
(A1)tRu (Ba)u(Bb)v(Bc)w
In the general formula (6), A1Represents a mono- or bidentate ligand. A1Is Cl, SCN, H2It is preferably a ligand selected from the group consisting of O, Br, I, CN, NCO, SeCN, β-diketones, oxalic acid and dithiocarbamic acid derivatives. When t is 2 or more, 2 or more A1May be the same or different. In the general formula (6), Ba, Bb, and Bc each independently represent a ligand represented by any of the following formulas (B-1) to (B-10). t represents an integer of 0 to 3, u, v and w each represents 0 or 1, and the coordination is performed so that the ruthenium complex represented by the general formula (6) is a hexacoordination complex. They are combined as appropriate according to the type of child.
[0056]
Embedded image
[0057]
In the formulas (B-1) to (B-10), RaRepresents a hydrogen atom or a substituent. RaAs the substituent represented by, for example, a halogen atom, a substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, a substituted or unsubstituted aralkyl group having 7 to 12 carbon atoms, or a substitution having 6 to 12 carbon atoms Alternatively, an unsubstituted aryl group or an anionic group formed by removing a proton from the above-described acidic group or acidic group can be used. RaThe substituent represented by may be further substituted with another substituent, and examples of the other substituent include the above-mentioned acidic group or an anionic group formed by removing a proton from the acidic group. The alkyl group and the alkyl part of the aralkyl group may be linear or branched. In addition, the aryl group and the aryl part of the aralkyl group may be monocyclic or polycyclic (fused ring, ring assembly). )
[0058]
In the general formula (6), Ba, BB, and Bc may be the same or different. However, the compound represented by the general formula (6) has at least one anionic group formed by removing a proton from the acidic group or acidic group described above.
[0059]
Preferred specific examples (Exemplary Compounds R-1 to R-17) of the organometallic complex dye are shown below, but the dye used in the present invention is not limited to the following specific examples.
[0060]
Embedded image
[0061]
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[0062]
(B) Methine dye
Examples of the methine dye include polymethine dyes such as a cyanine dye, a merocyanine dye, and a squarylium dye. The methine dye has at least one anionic group formed by removing protons from the acidic group or acidic group. Preferred examples of the methine dye include JP-A-11-35836, JP-A-11-67285, JP-A-11-86916, JP-A-11-97725, JP-A-11-158395, and JP-A-11-163378. And dyes described in JP-A-11-214730, JP-A-11-214731 and JP-A-11-238905, and European Patents 892411 and 911841.
[0063]
Preferred specific examples (Exemplary Compounds M-1 to M-8) of the methine dye are shown below, but the dye used in the present invention is not limited to the following specific examples.
[0064]
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[0065]
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[0066]
(D) Manufacturing method of the semiconductor for photoelectric conversions of this invention
The semiconductor for photoelectric conversion of the present invention comprises a step of bonding a basic compound and / or a cationic compound to at least the surface of the semiconductor, and an anionic property formed by removing protons from the acidic group or acidic group to the compound bonded to the surface It can be produced by a process of mordanting with a dye having a group. The bonding of the mordant linking compound to the semiconductor surface and the mordanting of the dye to the mordant linking compound bonded to the surface may be performed directly on a semiconductor substrate made of a semiconductor or on a support (especially conductive). You may carry out with the form of the semiconductor layer (preferably porous membrane) formed by apply | coating the coating liquid containing the said semiconductor fine particle on a support body. In the form of a semiconductor layer formed on the support, the mordant linking compound is bonded and the mordant linking compound bonded to the surface is mordanted with the dye of the resulting semiconductor for photoelectric conversion. The photoelectric conversion characteristics are improved and the operation is easy, which is preferable.
[0067]
Hereinafter, each step will be described.
(A) A step of bonding a mordant linking compound to a semiconductor surface
The mordanting linking compound (preferably the compound represented by the general formula (1) or (2)) is brought into contact with at least a solution containing the mordanting linking compound on the surface of the semiconductor, and is heated as desired. Can be bonded to the surface of the semiconductor. The solution can be brought into contact with the surface by, for example, a method of immersing a semiconductor in the solution or a method of applying the solution to the surface of the semiconductor. The immersion is preferably performed at room temperature for 5 hours to 5 days. Moreover, when the immersion is performed by heating the solution, the immersion is preferably performed for 1 to 24 hours. When the semiconductor is in the form of a semiconductor layer formed on a support, the support can be immersed in the solution, and the solution can be applied on the semiconductor layer. The reaction between the semiconductor and the mordant linking compound may be performed at room temperature or by heating. In order to increase the reaction amount between the semiconductor and the mordant linking compound, it is preferable to heat-treat the semiconductor before the reaction. In order to avoid water adsorbing on the surface of the semiconductor fine particles after the heat treatment, it is preferable to maintain the temperature at 40 to 80 ° C. without returning to room temperature and to react the mordanting linking compound quickly.
[0068]
The solvent used for the preparation of the solution containing the mordanting linking compound can be appropriately selected according to the solubility of the mordanting linking compound. For example, alcohols (methanol, ethanol, t-butanol, benzyl alcohol, etc.), nitriles (acetonitrile, propionitrile, 3-methoxypropionitrile, etc.), nitromethane, halogenated hydrocarbons (dichloromethane, dichloroethane, chloroform, chlorobenzene) Etc.), ethers (diethyl ether, tetrahydrofuran, etc.), dimethyl sulfoxide, amides (N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, etc.), N-methylpyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone , 3-methyloxazolidinone, esters (ethyl acetate, butyl acetate, etc.), carbonates (diethyl carbonate, ethylene carbonate, propylene carbonate, etc.), ketones (acetone, 2-butanone, cyclohexanone, etc.), hydrocarbons (hexyl) Sun, petroleum ether, benzene, toluene, etc.) and mixed solvents thereof. Preferred are hydrocarbons, nitriles, halogenated hydrocarbons and ethers.
[0069]
(B) Mordant process with pigment
The semiconductor to which the mordanting linking compound is bonded (including the semiconductor layer formed on the support) is immersed in the dye solution, or the dye solution is bonded to the surface of the semiconductor (the mordanting linking compound is bonded). The semiconductor can be mordanted with the dye by applying to the surface. In the former case, an immersion method, a dip method, a roller method, an air knife method, or the like can be used. In the immersion method, the dye may be adsorbed at room temperature, or may be performed by heating and refluxing as described in JP-A-7-249790. As the latter application method, a wire bar method, a slide hopper method, an extrusion method, a curtain method, a spin method, a spray method, or the like can be used.
[0070]
As the solvent used for preparing the dye solution, for example, alcohols (methanol, ethanol, t-butanol, benzyl alcohol, etc.), nitriles (acetonitrile, propionitrile, 3-methoxypropio, etc.) are preferable. Nitrile, etc.), nitromethane, halogenated hydrocarbons (dichloromethane, dichloroethane, chloroform, chlorobenzene, etc.), ethers (diethyl ether, tetrahydrofuran, etc.), dimethyl sulfoxide, amides (N, N-dimethylformamide, N, N-dimethyla) Cetamide, etc.), N-methylpyrrolidone, 1,3-dimethylimidazolidinone, 3-methyloxazolidinone, esters (ethyl acetate, butyl acetate, etc.), carbonates (diethyl carbonate, ethylene carbonate, propylene carbonate, etc.), Ton class (acetone, 2-butanone, cyclohexanone), hydrocarbons (hexane, petroleum ether, benzene, toluene, etc.) or mixed solvents thereof.
[0071]
The total amount of the dye adsorbed to the semiconductor is preferably 0.01 to 1 mmol per gram of semiconductor. When the semiconductor for photoelectric conversion of the present invention is used as a porous semiconductor layer of a photosensitive layer of a photoelectric conversion element described later, the unit area of the electrode (1 m2) Is preferably adsorbed in an amount of 0.01 to 100 mmol. When the amount of the dye adsorbed is less than the range, the sensitizing effect may be insufficient. On the other hand, when the amount of the dye adsorbed is larger than the range, the dye that is not immobilized on the surface of the semiconductor floats. In some cases, the sensitization effect may be reduced. It is preferable that the amount of the dye adsorbed be within the above range since the sensitizing effect of the dye in the semiconductor can be sufficiently obtained without causing the above problem. In addition, when mordanting a dye on the surface of a semiconductor, it is preferable to add a colorless compound to the dye and cause it to act on the semiconductor because interactions such as aggregation between the dyes can be reduced. As the colorless compound, compounds having surface active properties and structures are effective, and examples thereof include steroid compounds having a carboxyl group (for example, chenodeoxycholic acid) and sulfonates.
[0072]
The dye not immobilized on the semiconductor surface is preferably removed by washing immediately after the mordanting treatment. Cleaning is preferably performed using, for example, a wet cleaning tank and using an organic solvent such as a polar solvent such as acetonitrile or an alcohol solvent. Moreover, after mordanting with the said pigment | dye, you may process the surface of a semiconductor using amines. Preferable amines include pyridine, 4-t-butylpyridine and polyvinylpyridine. When these are liquids, they may be used as they are, or may be used after being dissolved in an organic solvent.
[0073]
The semiconductor for photoelectric conversion of this invention can be used suitably for a photoelectric conversion element.
[0074]
[Photoelectric conversion element]
An example of the photoelectric conversion element of the present invention is shown in FIG. In the photoelectric conversion element of FIG. 1, the semiconductor for photoelectric conversion of the present invention is used in the form of a porous semiconductor layer included in the photosensitive layer. The photoelectric conversion element 10 is formed by sequentially laminating a conductive layer 12, an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18, and a counter electrode conductive layer 20. The photosensitive layer 16 includes a semiconductor layer 24 sensitized by the dye d and a charge transport material t. The semiconductor layer 24 is a porous layer made of semiconductor fine particles s, and voids are formed between the semiconductor fine particles s, and the charge transport material t penetrates into the voids. The charge transport material t is composed of the same components as the material used for the charge transport layer 18. A substrate 26 is disposed under the conductive layer 12, and a substrate 28 is disposed under the counter electrode conductive layer 20. The substrates 26 and 28 are for imparting strength to the photoelectric conversion element, and may not be provided. Further, at the boundary of each layer, for example, the boundary between the conductive layer 12 and the photosensitive layer 16, the boundary between the photosensitive layer 16 and the charge transport layer 18, the boundary between the charge transport layer 18 and the counter electrode conductive layer 20, etc. The constituent components may be diffusively mixed with each other. Note that light may enter the photoelectric conversion element 10 from either or both, and the light-transmitting conductive layer 12 and the substrate 26 and / or the counter electrode conductive layer 20 and the substrate 28 may transmit light. It can comprise from the material which has.
[0075]
Next, the operation of the photoelectric conversion element 10 will be described. The case where the semiconductor fine particles s are n-type will be described.
When light enters the photoelectric conversion element 10, the incident light reaches the photosensitive layer 16 and is absorbed by the dye d or the like to generate an excited dye d. The excited dye d or the like passes high-energy electrons to the conduction band of the semiconductor fine particles s and becomes an oxidant itself. The electrons transferred to the conduction band reach the conductive layer 12 through the network of semiconductor fine particles s. Therefore, the conductive layer 12 has a negative potential with respect to the counter electrode conductive layer 20. In an embodiment in which the photoelectric conversion element 10 is used for a photovoltaic cell, when the photovoltaic cell is connected to an external circuit, electrons in the conductive layer 12 reach the counter electrode conductive layer 20 while working in the external circuit. The electrons are the components of this electrolyte (eg I-) And reduced product (for example, IThree -) Reduces and restores the oxidized form of the dye d. By continuing to irradiate light, a series of reactions occur and electricity can be taken out.
[0076]
Hereinafter, materials that can be used for each layer and a method for forming the same will be described in detail. In the following, the term “conductive support” includes both the conductive layer 12 and the conductive layer 12 and an optional substrate 26, and the term “counter electrode” refers to only the counter electrode conductive layer 20. And the counter electrode conductive layer 20 and the substrate 26 optionally provided.
[0077]
(A) Conductive support
The conductive support is composed of a single layer of a conductive layer or two layers of a conductive layer and a substrate. In the former case, a material that can maintain sufficient strength and sealability is used as the conductive layer. For example, a metal material (platinum, gold, silver, copper, zinc, titanium, aluminum, or an alloy containing these) Can be used. In the latter case, a substrate having a conductive layer containing a conductive agent on the photosensitive layer side can be used. Preferred conductive agents include metals (eg, platinum, gold, silver, copper, zinc, titanium, aluminum, indium, etc., or alloys containing these), carbon or conductive metal oxides (indium-tin composite oxide, tin oxide with fluorine Or those doped with antimony). The thickness of the conductive layer is preferably about 0.02 to 10 μm.
[0078]
The conductive support preferably has a lower surface resistance. The range of the surface resistance is preferably 50Ω / □ or less, more preferably 20Ω / □ or less.
[0079]
When irradiating light from the conductive support side, the conductive support is preferably substantially transparent. Substantially transparent means that the light transmittance is 10% or more, preferably 50% or more, and particularly preferably 80% or more.
[0080]
The transparent conductive support is preferably formed by applying or vapor-depositing a transparent conductive layer made of a conductive metal oxide on the surface of a transparent substrate such as glass or plastic. A preferable transparent conductive layer is fluorine dioxide or antimony-doped tin dioxide or indium-tin oxide (ITO). As the transparent substrate, a transparent polymer film can be used in addition to a glass substrate such as soda glass which is advantageous in terms of low cost and strength, alkali-free glass which is not affected by alkali elution. Examples of the material for the transparent polymer film include tetraacetyl cellulose (TAC), polyethylene terephthalate (PET), polyethylene naphthalate (PEN), syndiotactic polyester (SPS), polyphenylene sulfide (PPS), polycarbonate (PC), poly Examples include arylate (PAr), polysulfone (PSF), polyester sulfone (PES), polyetherimide (PEI), cyclic polyolefin, and brominated phenoxy. In order to ensure sufficient transparency, the amount of conductive metal oxide applied is 1 m of glass or plastic support.2It is preferable to be 0.01 to 100 g per unit.
[0081]
It is preferable to use a metal lead for the purpose of reducing the resistance of the conductive support. The material of the metal lead is preferably a metal such as platinum, gold, nickel, titanium, aluminum, copper, or silver. The metal lead can be installed on the substrate by vapor deposition or sputtering, and a conductive layer made of conductive tin oxide or ITO film is preferably provided thereon. The decrease in the amount of incident light due to the installation of the metal lead is preferably within 10%, more preferably 1 to 5%.
[0082]
(B) Photosensitive layer
The photosensitive layer contains the semiconductor for photoelectric conversion of the present invention. The photosensitive layer has a function of absorbing light and performing charge separation to generate electrons and holes. The photoelectric conversion semiconductor of the present invention is a dye-sensitized semiconductor, and light absorption and generation of electrons and holes thereby occur mainly in the dye, and the semiconductor plays a role of receiving and transmitting these electrons (or holes). Take on. The semiconductor used in the present invention is preferably an n-type semiconductor in which conductor electrons become carriers under photoexcitation and give an anode current.
[0083]
Since the mordanting of the semiconductor material and the sensitizing dye has been described above, a method for forming a semiconductor layer on the conductive support will be described here.
The semiconductor layer is preferably a porous layer made of semiconductor fine particles. The porous semiconductor layer can be formed by coating a coating liquid containing semiconductor fine particles on a conductive support. The coating liquid may be a dispersion liquid in which semiconductor fine particles are dispersed in a suitable dispersion medium, or a colloidal solution dissolved in a suitable solvent to form a colloid. In addition to applying the coating solution on the conductive support, it can be formed by using the sol-gel method described above. In consideration of mass production of photoelectric conversion elements, physical properties of the semiconductor fine particle dispersion, flexibility of the conductive support, and the like, a wet film forming method is relatively advantageous. Typical examples of the wet film forming method include a coating method, a printing method, an electrolytic deposition method, and an electrodeposition method. Also, a method of oxidizing metal, a method of depositing in a liquid phase from a metal solution by ligand exchange (LPD method), a method of vapor deposition by sputtering, a CVD method, or a metal that thermally decomposes on a heated substrate An SPD method in which a metal oxide is formed by spraying an oxide precursor can also be used.
[0084]
In addition to the sol-gel method, semiconductor fine particle dispersions can be prepared by grinding in a mortar, pulverizing using a mill, or dispersing as fine particles in a solvent when synthesizing a semiconductor. And a method of using it as it is.
[0085]
Examples of the solvent for the dispersion medium or colloidal solution include water or various organic solvents (for example, methanol, ethanol, isopropyl alcohol, dichloromethane, acetone, acetonitrile, ethyl acetate, etc.). When dispersing, if necessary, for example, a polymer such as polyethylene glycol, a surfactant, an acid, a chelating agent, or the like may be used as a dispersion aid. By changing the molecular weight of polyethylene glycol, the viscosity of the dispersion can be adjusted, and a semiconductor layer that is difficult to peel off can be formed and the porosity of the semiconductor layer can be controlled. Therefore, it is preferable to add polyethylene glycol.
[0086]
The application method is disclosed in Japanese Patent Publication No. 58-4589 as a roller method, a dip method, etc. as an application system, an air knife method, a blade method, etc. as a metering system, and the application and metering can be made the same part. The wire bar method, the slide hopper method, the extrusion method, the curtain method and the like described in US Pat. Nos. 2,681,294, 2,761,419, and 2,761791 are preferred. Moreover, a spin method and a spray method are also preferable as a general purpose machine. As the wet printing method, intaglio, rubber plate, screen printing and the like are preferred, including the three major printing methods of letterpress, offset and gravure. From these, a preferred film forming method is selected according to the liquid viscosity and the wet thickness.
[0087]
The semiconductor layer may be a single layer or a multilayer structure. For example, a dispersion of semiconductor fine particles having different particle diameters can be applied in multiple layers, or a coating liquid containing different types of semiconductor fine particles (or different binders and additives) can be applied in multiple layers. Multi-layer coating is also effective when the film thickness is insufficient with a single coating.
[0088]
In general, as the thickness of the semiconductor layer (same as the thickness of the photosensitive layer) increases, the amount of dye per unit projected area increases, so the light capture rate increases. However, the diffusion distance of the generated electrons increases, resulting in charge recombination. Loss also increases. Therefore, the preferable thickness of the semiconductor layer is 0.1 to 100 μm. When using the said photoelectric conversion element for a photovoltaic cell, 1-30 micrometers is preferable and, as for the thickness of a semiconductor layer, 2-25 micrometers is more preferable. Semiconductor fine particle support 1m2The applied amount per hit is preferably 0.5 to 100 g, and more preferably 3 to 50 g.
[0089]
After applying the coating liquid containing semiconductor fine particles on the conductive support, the semiconductor fine particles are brought into electronic contact with each other, and heat treatment is performed in order to improve coating film strength and adhesion to the support. It is preferable to do this. The range of preferable heating temperature is 40 ° C. or higher and 700 ° C. or lower, and more preferably 100 ° C. or higher and 600 ° C. or lower. The heating time is about 10 minutes to 10 hours. When using a support having a low melting point or softening point such as a polymer film, high temperature treatment is not preferable because it causes deterioration of the support. Moreover, it is preferable that it is as low temperature as possible (for example, 50 to 350 degreeC) also from a viewpoint of cost. The temperature can be lowered by heat treatment in the presence of small semiconductor fine particles of 5 nm or less, mineral acids, and metal oxide precursors, and irradiation with ultraviolet rays, infrared rays, microwaves, electric fields, and ultrasonic waves must be applied. Can also be performed. At the same time, for the purpose of removing unnecessary organic substances and the like, it is preferable to use a combination of heating, decompression, oxygen plasma treatment, pure water cleaning, solvent cleaning, gas cleaning and the like in addition to the above irradiation and application.
[0090]
After the heat treatment, for example, chemical plating using titanium tetrachloride aqueous solution or titanium trichloride to increase the surface area of the semiconductor fine particles, increase the purity in the vicinity of the semiconductor fine particles, and increase the efficiency of electron injection from the dye into the semiconductor fine particles. You may perform the electrochemical plating process using aqueous solution. In order to prevent a reverse current from flowing from the semiconductor fine particles to the charge transport layer, it is also effective to adsorb an organic substance having a low electron conductivity other than the dye on the particle surface. As an organic substance to adsorb | suck, the thing which has a hydrophobic group is preferable.
[0091]
The porous semiconductor layer preferably has a large surface area so that a large amount of dye can be adsorbed. The surface area of the semiconductor layer is preferably 10 times or more with respect to the projected area, and more preferably 100 times or more. This upper limit is not particularly limited, but is usually about 1000 times.
[0092]
The thus formed semiconductor layer is bonded to at least the surface of the mordant linking compound by the above-described method, and then the dye is allowed to act on the mordanting linking compound by the above-described method to sensitize and dye the dye. A semiconductor layer can be formed.
[0093]
(C) Charge transport layer
The charge transport layer is a layer containing a charge transport material having a function of replenishing electrons to an oxidant of a dye produced by absorbing light. As an example of a typical charge transport material that can be used in the present invention, as an ion transport material, a solution (electrolytic solution) in which redox pair ions are dissolved, and a polymer matrix gel are impregnated with a redox pair solution. Examples include so-called gel electrolytes, molten salt electrolytes containing redox counterions, and solid electrolytes. In addition to a charge transport material that involves ions, an electron transport material or a hole transport material can also be used as a charge transport material that involves carrier movement in a solid. These charge transport materials can be used in combination.
[0094]
It is particularly preferable to use the molten salt electrolyte as the charge transport material because both photoelectric conversion efficiency and durability can be achieved. The molten salt electrolyte is a liquid electrolyte at room temperature or an electrolyte having a low melting point. For example, WO95 / 18456, JP-A-8-259543, Electrochemistry, Vol. 65, No. 11, page 923 (1997). And the like, known electrolytes such as pyridinium salts, imidazolium salts, and triazolium salts. A molten salt electrolyte that is liquid at 100 ° C. or lower, particularly near room temperature, is preferred.
[0095]
Examples of the molten salt electrolyte that can be preferably used include compounds represented by any one of the following general formulas (Ya), (Yb), and (Yc).
[0096]
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[0097]
In the general formula (Ya), Qy1Represents an atomic group capable of forming a 5- or 6-membered aromatic cation with a nitrogen atom. Qy1Is preferably composed of at least one atom selected from the group consisting of carbon atom, hydrogen atom, nitrogen atom, oxygen atom and sulfur atom. Qy1The five-membered ring formed by is preferably an oxazole ring, thiazole ring, imidazole ring, pyrazole ring, isoxazole ring, thiadiazole ring, oxadiazole ring, triazole ring, indole ring or pyrrole ring, A thiazole ring or an imidazole ring is more preferable, and an oxazole ring or an imidazole ring is particularly preferable. Qy1The 6-membered ring formed by is preferably a pyridine ring, pyrimidine ring, pyridazine ring, pyrazine ring or triazine ring, more preferably a pyridine ring.
[0098]
In the general formula (Yb), Ay1Represents a nitrogen atom or a phosphorus atom.
[0099]
In the general formulas (Ya), (Yb) and (Yc), Ry1~ Ry6Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group (preferably having 1 to 24 carbon atoms, which may be linear or branched or cyclic, such as methyl group, ethyl Group, propyl group, isopropyl group, pentyl group, hexyl group, octyl group, 2-ethylhexyl group, t-octyl group, decyl group, dodecyl group, tetradecyl group, 2-hexyldecyl group, octadecyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl group Or a substituted or unsubstituted alkenyl group (preferably having 2 to 24 carbon atoms, which may be linear or branched, such as a vinyl group or an allyl group), more preferably An alkyl group having 2 to 18 carbon atoms or an alkenyl group having 2 to 18 carbon atoms is preferable, and an alkyl group having 2 to 6 carbon atoms is particularly preferable.
[0100]
In the general formula (Yb), Ry1~ Ry4Two or more of them are connected to each othery1May form a non-aromatic ring containing R in the general formula (Yc)y1~ Ry6Two or more of them may be connected to each other to form a ring structure.
[0101]
In the general formulas (Ya), (Yb) and (Yc), Qy1And Ry1~ Ry6May have a substituent, and preferable examples of the substituent include a halogen atom (F, Cl, Br, I, etc.), a cyano group, an alkoxy group (methoxy group, ethoxy group, methoxyethoxy group, methoxyethoxy group). Ethoxy groups, etc.), aryloxy groups (phenoxy groups, etc.), alkylthio groups (methylthio groups, ethylthio groups, etc.), alkoxycarbonyl groups (ethoxycarbonyl groups, etc.), carbonate groups (ethoxycarbonyloxy groups, etc.), acyl groups (acetyl groups) , Propionyl group, benzoyl group etc.), sulfonyl group (methanesulfonyl group, benzenesulfonyl group etc.), acyloxy group (acetoxy group, benzoyloxy group etc.), sulfonyloxy group (methanesulfonyloxy group, toluenesulfonyloxy group etc.), Phosphonyl group (diethylphosphonyl group, etc.), amino Groups (acetylamino group, benzoylamino group, etc.), carbamoyl groups (N, N-dimethylcarbamoyl group, etc.), alkyl groups (methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, cyclopropyl group, butyl group, 2-carboxy group) Ethyl group, benzyl group etc.), aryl group (phenyl group, toluyl group etc.), heterocyclic group (pyridyl group, imidazolyl group, furanyl group etc.), alkenyl group (vinyl group, 1-propenyl group etc.), silyl group and A silyloxy group etc. are mentioned.
[0102]
The compound represented by the general formula (Ya), (Yb) or (Yc) is Qy1Or Ry1~ Ry6A multimer may be formed via
[0103]
The compound represented by the general formula (Ya), (Yb) or (Yc) may be used alone or in combination of two or more as a charge transport material. Also, it can be used in combination with a molten salt in which the iodine anion is replaced with another anion. Anions that replace iodine anions include halide ions (Cl-, Br-Etc.), SCN-, BFFour -, PF6 -, ClOFour -, (CFThreeSO2)2N-, (CFThreeCF2SO2)2N-, CHThreeSOThree -, CFThreeSOThree -, CFThreeCOO-, PhFourB-, (CFThreeSO2)ThreeC-Etc. are mentioned as preferred examples, and SCN-, CFThreeSOThree -, CFThreeCOO-, (CFThreeSO2)2N-Or BFFour -It is more preferable that In addition, other iodine salts such as LiI and CFThreeCOOLi, CFThreeAlkali metal salts such as COONa, LiSCN, and NaSCN can also be added. The addition amount of the alkali metal salt is preferably about 0.02 to 2% by mass, and more preferably 0.1 to 1% by mass.
[0104]
Specific examples of the molten salt preferably used as the charge transport material in the present invention are listed below, but are not limited thereto.
[0105]
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[0106]
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[0107]
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[0108]
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[0109]
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[0110]
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[0111]
The molten salt electrolyte is preferably in a molten state at room temperature, and preferably does not use a solvent. Although the solvent described later may be added, the content of the molten salt is preferably 50% by mass or more, and particularly preferably 90% by mass or more with respect to the entire electrolyte composition. Moreover, it is preferable that 50 mass% or more of a salt is an iodine salt.
[0112]
It is preferable to add iodine to the electrolyte composition. In this case, the content of iodine is preferably 0.1 to 20% by mass, and 0.5 to 5% by mass with respect to the entire electrolyte composition. It is more preferable that
[0113]
When an electrolytic solution is used as the charge transport material, the electrolytic solution is preferably composed of an electrolyte, a solvent, and an additive. The electrolyte is I2And iodide (LiI, NaI, KI, CsI, CaI as iodides)2Metal iodides such as tetraalkylammonium iodide, pyridinium iodide, imidazolium iodide and the like quaternary ammonium compounds such as iodine salts), Br2And bromide combinations (LiBr, NaBr, KBr, CsBr, CaBr as bromides)2In addition to metal bromides such as tetraalkylammonium bromide and pyridinium bromide bromides, etc.), metal complexes such as ferrocyanate-ferricyanate and ferrocene-ferricinium ions, sodium polysulfide, Sulfur compounds such as alkylthiol-alkyldisulfides, viologen dyes, hydroquinone-quinones, and the like can be used. I among them2An electrolyte that combines an iodine salt of a quaternary ammonium compound such as LiI, pyridinium iodide, and imidazolium iodide is preferable. The electrolytes described above may be used in combination.
[0114]
The electrolyte concentration in the electrolytic solution is preferably 0.1 M (mol / L) or more and 10 M (mol / L) or less, and preferably 0.2 M (mol / L) or more and 4 M (mol / L) or less. More preferred. Moreover, the preferable addition density | concentration of an iodine in the case of adding an iodine to electrolyte solution is 0.01 M (mol / L) or more and 0.5 M (mol / L) or less.
[0115]
The solvent used in the electrolytic solution is desirably a compound having a low viscosity and improving ion mobility, or having a high dielectric constant and an effective carrier concentration, thereby exhibiting excellent ion conductivity. Examples of such a solvent include carbonate compounds such as ethylene carbonate and propylene carbonate, heterocyclic compounds such as 3-methyl-2-oxazolidinone, ether compounds such as dioxane and diethyl ether, ethylene glycol dialkyl ether, propylene glycol dialkyl ether, and polyethylene. Chain ethers such as glycol dialkyl ether and polypropylene glycol dialkyl ether, alcohols such as methanol, ethanol, ethylene glycol monoalkyl ether, propylene glycol monoalkyl ether, polyethylene glycol monoalkyl ether, polypropylene glycol monoalkyl ether, ethylene glycol, Propylene glycol, polyethylene glycol, polyp Examples include polyhydric alcohols such as pyrene glycol and glycerol, nitrile compounds such as acetonitrile, glutarodinitrile, methoxyacetonitrile, propionitrile, and benzonitrile, aprotic polar substances such as dimethyl sulfoxide and sulfolane, and water. Can also be used in combination.
[0116]
In the present invention, J. Org. Am. Ceram. Soc. , 80 (12) 3157-3171 (1997), basic compounds such as tert-butylpyridine, 2-picoline, and 2,6-lutidine are added to the aforementioned molten salt electrolyte and electrolyte. It is preferable. A preferable concentration range when adding a basic compound is 0.05 M (mol / L) or more and 2 M (mol / L) or less.
[0117]
The gel electrolyte that can be used as the charge transporting material is gelled (solid) by using the above-described molten salt electrolyte or electrolytic solution by polymer addition, oil gelling agent addition, polymerization including polyfunctional monomers, polymer crosslinking reaction, or the like. Can be produced. In the case of gelation by polymer addition, compounds described in “Polymer Electrolyte Revues-1 and 2” (JR MacCallum and CA Vincent co-edit, ELSEVIER APPLIED SCIENCE) can be used. In particular, polyacrylonitrile and polyvinylidene fluoride can be preferably used. In the case of gelation by adding an oil gelling agent, J. Org. Chem Soc. Japan, Ind. Chem. Sec. 46, 779 (1943); Am. Chem. Soc. 111, 5542 (1989), J. Am. Chem. Soc. Chem. Com mun. , 1993, 390, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. , 35, 1949 (1996), Chem. Lett. , 1996, 885, J. et al. Chm. Soc. Chem. Commun. , 1997, 545 can be used, but preferred compounds are those having an amide structure in the molecular structure. An example of gelling the electrolytic solution is described in JP-A-11-185863, and an example of gelling the molten salt electrolyte is described in JP-A-2000-58140, which can also be applied to the present invention.
[0118]
Further, when the electrolyte is gelled by a polymer crosslinking reaction, it is desirable to use a polymer containing a crosslinkable reactive group and a crosslinking agent in combination. In this case, preferred crosslinkable reactive groups are amino groups and nitrogen-containing heterocycles (eg, pyridine ring, imidazole ring, thiazole ring, oxazole ring, triazole ring, morpholine ring, piperidine ring, piperazine ring, etc.) Preferred cross-linking agents are bifunctional or higher reagents capable of electrophilic reaction with nitrogen atoms (for example, alkyl halides, halogenated aralkyls, sulfonic acid esters, acid anhydrides, acid chlorides, isocyanates, α, β-unsaturated). A sulfonyl group, an α, β-unsaturated carbonyl group, an α, β-unsaturated nitrile group, etc.), and the crosslinking techniques described in JP-A Nos. 2000-17076 and 2000-86724 are also applicable.
[0119]
As the charge transport material, in the present invention, instead of an ion conductive electrolyte such as a molten salt, a solid hole transport material that is organic or inorganic or a combination of both can be used. Examples of the organic hole transport material include J.I. Hagen et al. , Synthetic Metal 89 (1997) 215-220, Nature, Vol. 395, 8 Oct. 1998, p 583-585 and WO 97/10617, JP 59-194393, JP 5-234681, U.S. Pat. No. 4,923,774, JP 4-308688, U.S. Pat. 764,625, JP-A-3-269084, JP-A-4-129271, JP-A-4-175395, JP-A-4-264189, JP-A-4-290851, JP-A-4-364153. No. 5, JP-A-5-25473, JP-A-5-239455, JP-A-5-320634, JP-A-6-1972, JP-A-7-138562, JP-A-7-252474. Aromatic amines disclosed in JP-A-11-144773, etc., JP-A-11-149821, JP-A-11 No. 148,067, can be preferably used a triphenylene derivatives described in JP-like of JP-A-11-176489. Also, Adv. Mater. 1997, 9, N0.7, p557, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, no. 3, p303-307, JACS, Vol120, N0.4, 1998, p664-672, and the like. Murakoshi et al. Chem. Lett. 1997, p471, polyacetylene and its derivatives described in “Handbook of Organic Conductives and Polymers Vol. 1, 2, 3, 4” (by NALWA, published by WILEY), poly (p-phenylene) and Conductive polymers such as derivatives thereof, poly (p-phenylene vinylene) and derivatives thereof, polythienylene vinylene and derivatives thereof, polythiophene and derivatives thereof, polyaniline and derivatives thereof, polytoluidine and derivatives thereof can be preferably used. .
[0120]
For hole transport materials, see Nature, Vol. 395, 8 Oct. As described in 1998, p583-585, a compound containing a cation radical such as tris (4-bromophenyl) aminium hexachloroantimonate is added to control the dopant level. In order to perform potential control (space charge layer compensation), Li [(CFThreeSO2)2N] may be added.
[0121]
A p-type inorganic compound semiconductor can be used as the inorganic hole transport material. The p-type inorganic compound semiconductor for this purpose preferably has a band gap of 2 eV or more, and more preferably 2.5 eV or more. Also, the ionization potential of the p-type inorganic compound semiconductor needs to be smaller than the ionization potential of the dye-adsorbing electrode from the condition that the holes of the dye can be reduced. Although the preferable range of the ionization potential of the p-type inorganic compound semiconductor varies depending on the dye used, it is generally preferably 4.5 eV or more and 5.5 eV or less, and more preferably 4.7 eV or more and 5.3 eV or less. . A preferred p-type inorganic compound semiconductor is a compound semiconductor containing monovalent copper. Examples of the compound semiconductor containing monovalent copper include CuI, CuSCN, and CuInSe.2, Cu (In, Ga) Se2, CuGaSe2, Cu2O, CuS, CuGaS2, CuInS2, CuAlSe2Etc. Among these, CuI and CuSCN are preferable, and CuI is most preferable. Other p-type inorganic compound semiconductors include GaP, NiO, CoO, FeO, and Bi.2OThree, MoO2, Cr2OThreeEtc. can be used.
[0122]
In the photoelectric conversion element of the present invention, the charge transport material can be permeated into the voids of the semiconductor layer simultaneously with the formation of the charge transport layer. The charge transport layer can be formed, for example, by sandwiching a counter electrode on the photosensitive layer and injecting a liquid charge transport material into the gap. As another forming method, there is a method in which a charge transport material is formed directly on the photosensitive layer by coating or the like (the counter electrode is applied thereafter). In the former method, the charge transport material is sandwiched between the photosensitive layer and the counter electrode by a normal pressure process utilizing capillary action due to immersion or the like, or the gas phase in the gap is replaced with a liquid phase at a pressure lower than normal pressure. A vacuum process is available. In the latter method, when a liquid charge transport material is used, a counter electrode can be provided without being dried and a liquid leakage preventing measure for the edge portion can be taken. In the case where a gel electrolyte is used as the charge transport material, there is a method in which the gel electrolyte is applied in a wet manner and solidified by a method such as polymerization. In that case, a counter electrode can be provided after drying and solidification. As a method for applying a wet organic hole transporting material or a gel electrolyte in addition to the electrolytic solution, the same methods as described in the above-described formation of the semiconductor layer and dye mordanting can be used.
[0123]
In the case of a solid electrolyte or a solid hole transport material, a charge transport layer can be formed by a dry film forming process such as a vacuum deposition method or a CVD method, and then a counter electrode can be provided. The organic hole transport material can be introduced into the electrode by techniques such as vacuum deposition, casting, coating, spin coating, dipping, electrolytic polymerization, and photoelectrolytic polymerization. Also in the case of an inorganic solid compound, it can be introduced into the electrode by techniques such as casting, coating, spin coating, dipping, electrolytic deposition, and electroless plating.
[0124]
(D) Counter electrode
Similar to the conductive support, the counter electrode may have a single-layer structure made of a conductive material, or may be composed of a counter electrode conductive layer and a support substrate. As the conductive material used for the counter electrode conductive layer, metal (for example, platinum, gold, silver, copper, aluminum, magnesium, indium, etc.), carbon, or conductive metal oxide (indium-tin composite oxide, fluorine-doped tin oxide, etc.) ). Among these, platinum, gold, silver, copper, aluminum, and magnesium can be preferably used as the counter electrode layer. An example of a preferable supporting substrate for the counter electrode is glass or plastic, and the above-described conductive agent is applied or vapor-deposited on the glass or plastic. The thickness of the counter electrode conductive layer is not particularly limited, but is preferably 3 nm to 10 μm. The lower the surface resistance of the counter electrode layer, the better. The range of the surface resistance is preferably 50Ω / □ or less, and more preferably 20Ω / □ or less.
[0125]
In order for light to be incident from one or both of the conductive support and the counter electrode and to reach the photosensitive layer, at least one of the conductive support and the counter electrode may be substantially transparent. . From the viewpoint of improving the power generation efficiency, it is preferable that the conductive support is transparent and light is incident from the conductive support side. In this case, the counter electrode preferably has a property of reflecting light. As the counter electrode, glass or plastic on which a metal or conductive oxide is deposited, or a metal thin film can be used.
[0126]
The counter electrode may be formed by directly applying, plating, or vapor-depositing (PVD, CVD) a conductive material on the charge transport layer, or attaching the conductive layer side of the substrate having the conductive layer. As in the case of the conductive support, it is preferable to use a metal lead for the purpose of reducing the resistance of the counter electrode, particularly when the counter electrode is transparent. In addition, the preferable material and installation method of the metal lead, the decrease in the amount of incident light due to the metal lead installation, and the like are the same as in the case of the conductive support.
[0127]
(E) Other layers
In order to prevent a short circuit between the counter electrode and the conductive support, a dense semiconductor thin film layer is preferably provided as an undercoat layer between the conductive support and the photosensitive layer in advance. This is particularly effective when an electron transport material or a hole transport material is used for the transport layer. The material for the undercoat layer is preferably TiO.2, SnO2, Fe2OThree, WOThree, ZnO, Nb2OFiveAnd a more preferred material is TiO2It is. The undercoat layer may be, for example, Electrochimi. In addition to the spray pyrolysis method described in Acta 40, 643-352 (1995), it can be applied by sputtering or the like. The undercoat layer preferably has a thickness of 5 to 1000 nm, more preferably 10 to 500 nm.
[0128]
In addition, a functional layer such as a protective layer or an antireflection layer may be provided on the conductive support that acts as the electrode and on one or both outer surfaces of the counter electrode, between the conductive layer and the substrate, or in the middle of the substrate. . For forming these functional layers, a coating method, a vapor deposition method, a bonding method, or the like can be used depending on the material.
[0129]
As described above, the internal structure of the photoelectric conversion element of the present invention can have various forms depending on the purpose. If divided roughly into two, there are a structure in which light can be incident from both surfaces and a structure in which light can be incident from only one surface. 2 to 9 illustrate the internal structure of a photoelectric conversion element that can be preferably applied to the present invention. 2 to 9, the same members as those in FIG. 1 are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted. When the conductive layer 12 and the substrate 26 are light transmissive, the conductive layer 12 ′ and the substrate 26 ′ are used, respectively. When the counter electrode conductive layer 20 and the substrate 28 are light transmissive, the conductive layer 12 ′ and the substrate 28 are used. 'And.
[0130]
In the photoelectric conversion element 10a of FIG. 2, the photosensitive layer 16 and the charge transport layer 18 are interposed between the transparent conductive layer 12 ′ and the transparent counter electrode conductive layer 20 ′, and light enters from both sides. It has a structure.
The photoelectric conversion element 10b of FIG. 3 is provided with a metal lead 30 on a transparent substrate 26 ′, a transparent conductive layer 12 ′, and an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18, and a counter electrode conductive layer 20. In this order, a support substrate 28 is further disposed, and light is incident from the transparent conductive layer 12 ′ side.
4 includes a conductive layer 12, an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18 and a transparent counter electrode conductive layer 20 ′ on a support substrate 26, and a metal lead 30 provided in part. The transparent substrate 28 ′ is arranged with the metal lead 30 side inward, and has a structure in which light is incident from the counter electrode conductive layer 20 ′ side.
[0131]
The photoelectric conversion element 10d in FIG. 5 is provided with a part of the metal lead 30 on the transparent substrate 26 ′, further provided with the transparent conductive layer 12 ′, the undercoat layer 14, the photosensitive layer 16, the charge transport layer 18, and the transparent counter electrode conductive layer 20. 'Is provided in this order, and a transparent substrate 28' provided with a part of the metal leads 30 is provided thereon, and light is incident from both sides.
The photoelectric conversion element 10e of FIG. 6 includes a transparent conductive layer 12 ′, an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18, and a counter electrode conductive layer 20 on a transparent substrate 26 ′, and a support substrate 28 disposed thereon. In this structure, light is incident from the conductive layer 12 ′ side.
7 includes a conductive layer 12, an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18, and a transparent counter electrode conductive layer 20 ′ on a support substrate 26, and a transparent substrate 28 ′ disposed thereon. In this structure, light is incident from the counter conductive layer 20 ′ side.
[0132]
8 includes a transparent conductive layer 12 ′, an undercoat layer 14, a photosensitive layer 16, a charge transport layer 18, and a transparent counter electrode conductive layer 20 ′ on a transparent substrate 26 ′, and further a transparent substrate on the transparent substrate 26 ′. 28 'is arranged, and light is incident from both sides.
In the photoelectric conversion element 10h of FIG. 9, the conductive layer 12 is provided on the support substrate 26, the undercoat layer 14, the photosensitive layer 16, and the solid charge transport layer 18 ′ are provided, and a part of the counter conductive layer 20 ′ is provided thereon. '(Or metal lead 30), and has a structure in which light enters from the counter electrode 20' 'side.
[0133]
The photoelectric conversion element of the present invention can be applied to a photovoltaic cell and an optical sensor. When applied to a photovoltaic cell and an optical sensor, the structure is the same as that of the photoelectric conversion element described above. A photocell is manufactured for the purpose of generating electrical work by connecting to an external load (power generation), and a photosensor is manufactured for the purpose of sensing optical information.
[0134]
(Photo battery)
The photovoltaic cell of the present invention uses the photoelectric conversion element of the present invention and is configured to cause the photoelectric conversion element to work with an external load. Among the photovoltaic cells, the case where the charge transport material is mainly composed of an ion transport material is particularly called a photoelectrochemical cell, and the case where the main purpose is power generation by sunlight is called a solar cell. In order to prevent deterioration of components and volatilization of the contents of the photovoltaic cell, it is preferable to seal the side surface with a polymer or an adhesive. A known circuit can be used as the external circuit itself connected to the conductive support and the counter electrode via leads.
[0135]
When the photoelectric conversion element of the present invention is applied to a solar cell, the structure inside the cell is basically the same as the structure of the photoelectric conversion element described above. In addition, the solar cell of the present invention can basically have the same module structure as a conventional solar cell module. The solar cell module generally has a structure in which cells are provided on a support substrate such as metal or ceramic, the cell is covered with a filling resin or protective glass, and light is taken in from the opposite side of the support substrate. . A transparent material such as tempered glass may be used for the support substrate, and a cell may be formed thereon to take light from the transparent support substrate side. Specifically, a module structure called a super straight type, a substrate type, a potting type, a substrate integrated module structure used in an amorphous silicon solar cell, and the like are known. Depending on the environment, these module structures can be selected as appropriate. Specifically, it is preferable to adopt the structure and aspect described in the specification of Japanese Patent Application No. 11-8457.
[0136]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to specific examples, but the present invention is not limited thereto.
[Example 1]
(A) TiO2Preparation of dispersion
In a 200 ml stainless steel container with an inner volume of Teflon coating, titanium dioxide fine particles (Nippon Aerosil Co., Ltd., Degussa P-25) 15 g, water 45 g, dispersant (Aldrich Triton X-100) 1 g, diameter 30 g of 0.5 mm zirconia beads (manufactured by Nikkato Co., Ltd.) was added, and dispersion treatment was performed at 1500 rpm for 2 hours using a sand grinder mill (manufactured by Imex). Zirconia beads were removed from the obtained dispersion by filtration. The average particle diameter of the titanium dioxide fine particles in the obtained dispersion was 2.5 μm. The particle size was measured with a master sizer manufactured by MALVERN.
[0137]
(B) TiO2Electrode fabrication
A glass rod is placed on the conductive surface side of a conductive glass having a tin oxide layer doped with fluorine (TCO glass-U manufactured by Asahi Glass Co., Ltd. cut into a size of 20 mm × 20 mm, surface resistance of about 30Ω / □). Used to apply the dispersion. The coating amount of semiconductor fine particles is 20 g / m2It was. At that time, adhesive tape was applied to a part of the conductive surface side (3 mm from the end) to form a spacer, and glass was arranged so that the adhesive tape came to both ends, and eight sheets were applied at a time. After application, the adhesive tape was peeled off and air-dried at room temperature for 1 day. Next, this glass is put into an electric furnace (Yamato Scientific Co., Ltd. muffle furnace FP-32 type), baked at 450 ° C. for 30 minutes, allowed to cool, and TiO 2.2An electrode was obtained.
[0138]
(C) Mordant with pigment
The electrode prepared in (B) was immersed in a 10% toluene solution of the mordant linking compound (Exemplary Compound 2-1) for 3 days, washed with toluene, and dried under reduced pressure. Next, this electrode was combined with an ethanol solution of dye (Exemplary Compound R-1) (3 × 10-FourAfter being immersed in 3 mol / l) for 3 hours, it was washed with ethanol and dried naturally.
[0139]
(D) Production of photovoltaic cell
Dye-sensitized TiO prepared as described above2An electrode substrate and a comparative electrode substrate (20 mm × 20 mm) were overlaid with platinum-deposited glass having the same size. Next, the electrolyte composition is soaked into the gap between the two glasses by utilizing capillary action, and the electrolyte is made of TiO 2.2A photoelectric conversion element having the same configuration as that shown in FIG. That is, a conductive support layer made of conductive glass (with a conductive layer 12 'formed on a transparent glass substrate 26'), dye-sensitized TiO2The photosensitive layer 16, the charge transport layer 18, the counter electrode conductive layer 20 made of platinum, and the transparent substrate 28 ′ made of glass were laminated in this order, and then sealed with an epoxy sealant to produce a photovoltaic cell.
[0140]
[Examples 2 to 8]
A photovoltaic cell was produced in the same manner as in Example 1 except that the mordant linking compound, the dye, and the electrolyte composition (charge transporting material) were changed to the materials shown in Table 1 below. However, when the viscosity of the electrolyte composition is high and it is difficult to impregnate the electrolyte composition using capillary action, the electrolyte composition is heated to 50 ° C.2After coating on the electrode, this electrode was placed under reduced pressure, and after the electrolyte composition sufficiently permeated and the air in the electrode escaped, platinum-deposited glass (counter electrode) was overlaid to similarly produce photovoltaic cells.
[0141]
[Comparative Examples 1 and 2]
In the step (C) of Example 1, a mordant linking compound was not used and TiO was used.2The conductive electrode is an ethanol solution of a dye (Exemplary Compound R-1) (3 × 10-FourIn the same manner as in Example 1, except that the sample was immersed in (mol / l) for 3 hours, washed with ethanol, and naturally dried, photovoltaic cells were produced using the materials shown in Table 1.
[0142]
The photoelectric conversion efficiencies of the obtained photovoltaic cells of Examples 1 to 8 and Comparative Examples 1 and 2 were measured. Specifically, first, light from a 500 W xenon lamp (manufactured by USHIO ELECTRIC CO., LTD.) Is passed through an AM1.5 filter (manufactured by Oriel) and a sharp cut filter (Kenko L-42) so that no ultraviolet rays are included. Simulated sunlight was generated. The intensity of this light is 100 mW / cm2Met. Each simulated photovoltaic cell was irradiated with this simulated sunlight at 25 ° C., and the generated electricity was measured with a current-voltage measuring device (Keutley SMU238 type). The open circuit voltage (Voc) of each photovoltaic cell thus obtained is shown in Table 1 below.
[0143]
[Table 1]
[0144]
From the results shown in Table 1, the open-circuit voltage of the photovoltaic cell of the example was higher than that of the comparative example in both cases where a material containing a solvent was used as the charge transport material and when a material containing no solvent was used. I understand that it is expensive.
[0145]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, it is possible to provide a photoelectric conversion semiconductor exhibiting a high open circuit voltage, and a photoelectric conversion element and a photovoltaic cell excellent in photoelectric conversion characteristics.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 2 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 4 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 5 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 6 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 7 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 8 is a partial cross-sectional view showing the structure of a preferred photoelectric conversion element of the present invention.
FIG. 9 is a partial cross-sectional view showing a structure of a preferable photoelectric conversion element of the present invention.
[Explanation of symbols]
10, 10a to 10h ... photoelectric conversion element
12 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Conductive layer
12 '... Transparent conductive layer
14 ..... Undercoat layer
16 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Photosensitive layer
18 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Charge transport layer
18 '..... charge transport layer made of solid
20 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Counter conductive layer
20 '... transparent conductive layer
20 ″ ······················
24 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Semiconductor layer
26 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Board
26 '............ Transparent substrate
28 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Board
28 '... Transparent substrate
30 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Metal lead
s ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Semiconductor fine particles
d ... Dye
t ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ Charge transport material

Claims (6)

半導体の少なくとも表面に下記化合物1−1〜1−8、2−1〜2−11から選択される一種を結合させ、且つ前記表面に結合した化合物を下記色素化合物R−1〜R−13から選択される一種の溶液に浸漬して又は前記表面に結合した化合物に前記溶液を塗布して媒染してなることを特徴とする光電変換用半導体。
A compound selected from the following compounds 1-1 to 1-8 and 2-1 to 2-11 is bonded to at least the surface of the semiconductor, and the compound bonded to the surface is converted from the following dye compounds R-1 to R-13. A semiconductor for photoelectric conversion, which is formed by immersing in a selected solution or applying the solution to a compound bonded to the surface and mordanting.
前記半導体が少なくとも金属カルコゲニドを含有する請求項1に記載の光電変換用半導体。The semiconductor for photoelectric conversion according to claim 1, wherein the semiconductor contains at least a metal chalcogenide. 前記半導体が、支持体上に形成された半導体微粒子からなる多孔性半導体膜である請求項1又は2に記載の光電変換用半導体。The semiconductor is composed of semiconductor fine particles formed on the support porous semiconductor film photoelectric conversion semiconductor according to claim 1 or 2. 一対の電極間に、感光層と電荷輸送層とを有し、前記感光層が請求項1からまでのいずれか1項に記載の光電変換用半導体を含むことを特徴とする光電変換素子。A photoelectric conversion element comprising a photosensitive layer and a charge transport layer between a pair of electrodes, wherein the photosensitive layer includes the semiconductor for photoelectric conversion according to any one of claims 1 to 3 . 請求項に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする光電池。A photovoltaic cell comprising the photoelectric conversion element according to claim 4 . 半導体の少なくとも表面に下記化合物1−1〜1−8、2−1〜2−11から選択される一種を結合させる工程と、前記表面に結合した化合物を下記色素化合物R−1〜R−13から選択される一種の溶液に浸漬して又は前記表面に結合した化合物に前記溶液を塗布して媒染する工程と、を有する光電変換用半導体の製造方法。The step of bonding one selected from the following compounds 1-1 to 1-8 and 2-1 to 2-11 to at least the surface of the semiconductor, and the compounds bonded to the surface are the following dye compounds R-1 to R-13 Dipping in a kind of solution selected from or applying the solution to a compound bonded to the surface and mordanting, a method for producing a semiconductor for photoelectric conversion.
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