JP4936298B2

JP4936298B2 - Manufacturing method of aluminum alloy for automobile body excellent in formability

Info

Publication number: JP4936298B2
Application number: JP2000256766A
Authority: JP
Inventors: 健高田; 誠佐賀
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2000-03-27
Filing date: 2000-08-28
Publication date: 2012-05-23
Anticipated expiration: 2020-08-28
Also published as: JP2001342533A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性に優れた自動車ボディ用アルミニウム合金の製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
最近の自動車軽量化傾向によりボディへのアルミニウム合金（以下アルミ合金という）の適用、特にＭｇとＳｉを含む６０００系アルミ合金の適用が検討されている。材料にはＢＨ性と成形性が要求されている。自動車のボディは外板用と内板用の２枚の板材で構成されており、外板用板材には特にＢＨ性が要求される。一方成形性は外板、内板問わずその素材に要求される。アルミ合金の成形性は普通鋼に比べて劣り、これがアルミ合金の自動車ボディへの適用を困難にさせている。
【０００３】
このアルミ合金の成形性は析出物または固溶元素でほぼ決定すると考えられている。６０００系アルミ合金の場合、熱処理により析出物の形態が異なるため、成分と熱処理の組み合わせにより成形性の異なる６０００系アルミニウム合金を製造することができる。しかし、どのような特性の材料が成形性に良いのかは実際にプレスをするまで分からない。つまり、成形性向上に有効な機械的性質、すなわち引張特性等による成形性指標は不明である。
【０００４】
特開平１０−１０２１７９号公報では、引張強度（ＴＳ）と降伏応力（ＹＳ）との差、すなわちＴＳ−ＹＳを成形性の指標として、これがある値以上であればアルミ合金のプレス時の成形性は優れるということが報告されている。しかし、このＴＳ−ＹＳだけでアルミ合金の成形性を全て把握することは出来ない。それ故、成形性に優れた自動車ボディ用アルミ合金は、有効な成形性指標が定まらないため困難であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、成形性に優れた自動車ボディ用アルミ合金の製造方法の提供を課題としている。そのためには、アルミ合金の成形性指標を見出し、その目標値を設定することが必要である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、成分、引張特性、２つの領域に分けた歪領域それぞれでの加工硬化指数を同時に限定することで、成形性に優れた自動車ボディ用アルミニウム合金の製造方法を提供するもので、その要旨とするところは以下の通りである。
（１）質量％で、Ｍｇ：０．２％以上、Ｓｉ：０．３％以上、Ｍｇ＋Ｓｉ：１．９％以下を含有し、残部にＡｌおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金を、鋳造、熱間および冷間圧延後、５００〜５８０℃の温度で溶体化処理を施した後に、１５℃／ｓ以上の冷却速度で５０℃以下まで冷却し、その後、５０℃以下で１日以上保持することにより、５％から１０％の間の加工硬化指数ｎ₁ と１０％から１５％の間の加工硬化指数ｎ₂ の和が０．５２以上としたことを特徴とする、成形性に優れた自動車ボディ用アルミニウム合金の製造方法。
【０００８】
（２）質量％で、Ｍｇ：０．２％以上、Ｓｉ：０．３％以上、Ｍｇ＋Ｓｉ：１．９％以下を含有し、残部にＡｌおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金を、鋳造、熱間および冷間圧延後、５００〜５８０℃の温度で溶体化処理を施した後に、２０℃／ｓ以上の冷却速度で５０℃以下まで冷却し、その後、３０℃以下で３日以上保持することにより、５％から１０％の間の加工硬化指数ｎ₁ と１５％から２０％の間の加工硬化指数ｎ₃ の和が０．５２以上としたことを特徴とする、成形性に優れた自動車ボディ用アルミニウム合金の製造方法。
【００１１】
【発明の実施の形態】
発明者らはまず、従来知見に基づいたアルミ合金の成形性の検討を行った。普通鋼を基にした塑性加工の理論では、張出し等の成形性は材料の加工硬化指数（以下、ｎ値という）や伸びに依存するとされており、アルミ合金でのこれらと成形性との関係を調査した。しかし、これらとプレス成形性との相関はＴＳ−ＹＳとの相関程良くはなかった。ｎ値や伸びがプレス成形性とそれ程良い相関でない理由としては、アルミ合金の加工硬化則が普通鋼等のそれと異なるためと考えられた。そこで、各種アルミ合金の加工硬化則について調査を行った。
【００１２】
図１は、得られたアルミ合金の引張特性における塑性域での応力−歪関係の典型的な図である。ただし、ＹＳからＴＳの間のそれぞれの値を両対数で表示した。普通鋼等でこのような表示をすれば、直線関係が得られ、その傾きを示すｎ値は塑性域全てでほぼ一定となる。しかし、アルミ合金の場合、全てが直線関係ではなく、ＹＳ付近の低歪域でのｎ値とこれよりも大きい歪域でのｎ値とは異なっている。それ故、アルミ合金の塑性変形は塑性域を一貫する加工硬化則に従わないと考えられた。
【００１３】
そこで発明者らは、アルミ合金の加工硬化則を２つの領域、すなわちＹＳ近傍の低歪域とそれ以上の歪量の領域に分け、それぞれ独自の成形性指標を設定することで、成形性に優れたアルミ合金の開発を試みた。
発明者らが発案した成形性指標設定の考え方は、成形時には２つの異なるｎ値のアルミ合金が足し合わされて１つの合金を形成しており、そしてそれぞれの伸びの和が全体の伸びであるとするものである。しかし、図１に示されるように、塑性域に明瞭な変極点は見られない。そこで、両区分の特定の区間のｎ値の和で全体の伸びの和を代表させることを想到した。
【００１４】
まず、各種アルミ合金の引張試験を行った。試験には厚さ１ｍｍのＪＩＳ５号試験片を用いて得た。試験は室温にて実施し、引張強度（ＴＳ）、降伏応力（ＹＳ）、応力−歪線図を計測した。降伏応力は０．２％耐力の値で代表した。ｎ値は、下記に示す式により、２点間の応力（ＭＰａ）と歪、それぞれｓ₁とｅ₁、およびｓ₂とｅ₂をそれぞれ真応力と真歪、σ₁とε₁、およびσ₂とε₂に変換して求めた。
σ₁＝ｓ₁（１＋ｅ₁）、ε₁＝ｌｎ（１＋ｅ₁）
σ₂＝ｓ₂（１＋ｅ₂）、ε₂＝ｌｎ（１＋ｅ₂）
ｎ＝ｌｎ（σ₁／σ₂）／ｌｎ（ε₁／ε₂）。
【００１５】
応力−歪線図の過去の解析を基に、低歪域と高歪域の成形性を代表するｎ値の特定を行った。その結果、低歪域としては５％から１０％の間のｎ値と高歪域として１０％から１５％の間のｎ値がそれぞれの領域の成形性を代表させると推定された。次に、成形性に優れた材料の成形高さと上記２区間のｎ値との関係を調査した結果、５％から１０％の間のｎ値と１０％から１５％の間のｎ値の和が０．５２以上である材料がプレス成形性に優れていることが判明した。
【００１６】
以上の発明では高歪域を１０％から１５％と設定しており、低歪域と高歪域のｎ値の和が、０．５２以上の材料であれば全て高成形と判断される。さらに高成形の材料を得るためには、これ以上の精度の高成形性指針を設定すべきである。実際の張出し加工において材料の破断の有無を決定するのはＴＳ近傍での材料の加工硬化特性であるから、より正確な表記としては更に大きい歪領域を高歪域と設定するのが望ましい。より正確な成形性表記が出来れば、より高成形の材料の目標値が設定でき、より高成形の材料を開発することが可能となる。
【００１７】
ところが、引張試験でのＴＳ近傍の応力−歪線図では、真応力が真歪のｎ乗に比例するという前述の式で表される加工硬化則から若干外れることがある。そこで、各種アルミ合金の引張試験を実施し、応力−歪線図がこの加工硬化則に従う最大の歪領域を調査した。その結果、ほとんど全ての高加工性の材料において、１５％から２０％の歪領域では真応力が真歪のｎ乗に比例する加工硬化則が成立することが明らかとなった。それ故、より正確な材料の成形性指標としては、５％から１０％のｎ値と１５％から２０％のｎ値との和を用いるべきとした。この指標を基に各種アルミ合金の成形性を解析したところ、成形性に優れた材料ではこの和は０．５２以上であった。
【００１８】
このように２つの歪区間のｎ値を限定するためには、ｎ値を決定する材質を制御する必要があり、成分や製造方法にこれは依存する。具体的には、合金結晶を強化する成分と製造方法の組み合わせの設定が必要であると考えられる。具体的には析出状態と固溶状態を制御する成分と製造方法の組み合わせを採用する。
アルミニウムにＭｇとＳｉを添加した合金の場合、溶質原子からなると考えられる低温クラスターを形成させれば、このような２つの歪区間のｎ値の和は増加する。そのためには、所定のＭｇとＳｉの添加のもと、５００℃以上の熱処理によりこれらを充分アルミ中に固溶させ、その後、これらの添加物により構成される析出物が粗大化しないように、１５℃／ｓ以上の冷却速度で５０℃以下に冷却し、５０℃以下で１日以上保持する製造方法がよい。
【００１９】
このように低温クラスターを形成させるためには、添加量の下限は、質量％でＭｇでは０．２％以上、Ｓｉでは０．３％以上が必要である。しかし、過剰な添加は、固溶させる熱処理温度を上昇させて工業的な製造コストを上昇させることと、析出物を粗大化させてしまうという。そこで、両元素の析出物量を転成する考え方で、質量％でＭｇ＋Ｓｉ：２％以下とした。このような材料であれば、２つの歪区間のｎ値の和を０．５２以上とすることが可能である。
【００２１】
本発明のアルミニウム合金の好適な製造方法について詳しく説明する。
本発明のアルミニウム合金は、常法にしたがって鋳造、熱間および冷間圧延を施すが、低温クラスターを形成させて優れた成形性を得るためには、冷間圧延後、５００〜５８０℃の範囲内の温度で溶体化処理を施して１５℃／ｓ以上の冷却速度で５０℃以下まで冷却することが有効である。
【００２２】
上記工程の溶体化処理条件としては、５００℃以下の温度では、所定区間のｎ値を向上させるのに必要な溶質原子がＡｌ母相中に十分に固溶せずに、第２相として析出し、十分な成形性が得られなくなる。一方、溶体化温度が５８０℃を超えると、部分溶解が生じてしまうおそれがある。そのために溶体化処理温度は５００〜５８０℃の範囲内とした。また、上記の溶体化温度での保持については、溶質原子の固溶が十分に行われるのならば、保持なし（溶体化処理温度到達後、すぐに冷却）でも、ある程度の保持時間をとってもよい。
【００２３】
また、溶体化処理後の冷却速度を１５℃／ｓ未満となっても、また、その後の保持時間が１日未満であっても、冷却中に第２相が析出し、溶質原子の過飽和固溶量が減少してしまい、プレス成形性向上に有効な低温クラスター形成量が少なく十分な成形性が得られない。そのため、溶体化処理後の冷却速度は１５℃／ｓ以上とし、その後、５０℃以下の温度で１日以上保持することが必要となる。
【００２４】
より精度の高い成形性指標はＴＳ近傍の加工硬化特性を限定している。この領域の加工硬化指数を限定することでより高成形な材料が得られる。この領域の加工硬化指数ｎ値の上昇は、同様にＭｇとＳｉが添加された材料では、溶質原子からなると考えられる低温クラスターをより大量に生成させれば達成出来ると考えられる。そのためには、前述と同様に、溶体化処理温度、その後の所定温度までの冷却速度、そして所定温度での保持時間の設定が必要である。このうち、溶体化処理温度の更なる増加は工業的設備の制約等により困難であるため、低温クラスター量を更に増加させるためには冷却速度と保持時間の新たな設定が必要となる。
【００２５】
本成分系での低温クラスターの大量形成には、先ず、熱処理により固溶しているＭｇとＳｉが冷却途中で他の析出物に生成することなく所定温度まで速やかに降温させることが必要となる。所定温度まで速やかに降温した後、固溶したＭｇとＳｉは拡散により低温のクラスターを形成するが、低温故に各々の拡散係数は溶体化処理温度時の様な高温時に比べてかなり小さい。それ故クラスターの形成にはかなりの時間を要する。そこで、低温での保持時間の設定が必要となる。
【００２６】
以上より、より大量の低温クラスターを形成させるためには、冷却速度の上昇と低温保持時間の増大が必要であると言える。これらの値を理論的に設定することは現時点で不可能であるため、各種アルミ合金に対する試験により求めた。冷却速度と低温保持温度が材料の成形性、すなわち低温域と高温域のｎ値の和に及ぼす影響を調査した。その結果、２０℃／ｓ以上の冷却速度で、５０℃以下で３日以上保持することにより、所望の高成形性が得られることが判明した。
【００２７】
【実施例】
上記のアルミ合金のプレス成形性を検討するために、下記の試験を実施した。
金型に９５０×７５０ｍｍ、曲率８０００ｍｍ、高さ４０ｍｍの張出し金型を使用し、３０ｍｍ高さまでの成形を可能にする限界のシワ押さえ圧力（ＢＨＦ）を求めた。成形性に優れる材料はこの限界ＢＨＦ値が大きい。
また、より高成形な材料の判定として、１００ｍｍφの球頭張出し試験による破断成形高さによる評価を行った。
【００２８】
表１は、試験に供した各種アルミ合金の成分と引張特性値を示す。ｎ₁は、歪領域が５％と１０％間でのｎ値であり、ｎ₂は１０％から１５％間でのｎ値である。ｎ₃は、歪領域が１５％と２０％間でのｎ値である。
使用した材料の板厚は１ｍｍであり、上記金型を使用したプレス試験を実施し、当金型での成形性基準値（１２０ｔ）以下のＢＨＦ値で破断、あるいはネッキング、あるいはシワが全く発生しなかった場合には、この材料は自動車用ボディ材料に適しているとして表１の左欄にて○と記した。それ以外の場合には×と記した。球頭張出し試験では、その成形高さが３５ｍｍ以上である材料を成形性良好として○とし、それ以下の材料を×と表記した。
【００２９】
本発明以外の成分や製造方法では十分な成形性が得られないが、本発明によれば、表１記載の結果の通り、ｎ₁ とｎ₂ の和が０．５２以上の材料が得られ、全て本実施例におけるプレス試験での成形性に優れており、自動車用ボディ材に適しているとの判定が得られた。さらに高成形な材料を得るためには、上記ｎ₁ とｎ₃ の和が０．５２以上である材料が、上記の高成形性材料の中で更に高成形であること言える。この様な材料は、形状が複雑であり高成形が要求される自動車ボディに適しているとの判定が得られた。
【００３０】
【表１】

【００３１】
【発明の効果】
本発明により、自動車軽量化に有効な成形性に優れた自動車ボディ用アルミニウム合金の製造方法を提供でき、その産業上の価値は極めて高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】アルミニウム合金の引張特性における塑性域での応力−歪関係を示す典型的な図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a manufacturing method of an aluminum alloy for excellent automobile body formability.
[0002]
[Prior art]
Due to the recent trend of reducing the weight of automobiles, the application of aluminum alloys (hereinafter referred to as aluminum alloys) to the body, particularly the application of 6000 series aluminum alloys containing Mg and Si, is being studied. The material is required to have BH properties and formability. The body of an automobile is composed of two plates for the outer plate and the inner plate, and the outer plate is particularly required to have BH properties. On the other hand, formability is required for the material regardless of the outer plate or inner plate. The formability of aluminum alloy is inferior to that of ordinary steel, which makes it difficult to apply aluminum alloy to automobile bodies.
[0003]
It is considered that the formability of this aluminum alloy is almost determined by precipitates or solid solution elements. In the case of a 6000 series aluminum alloy, the form of precipitates varies depending on the heat treatment, and therefore, a 6000 series aluminum alloy having different formability can be produced by a combination of components and heat treatment. However, it is not known until the actual press what kind of material the material has good formability. In other words, the mechanical properties effective for improving the moldability, that is, the moldability index based on the tensile properties is unknown.
[0004]
In Japanese Patent Laid-Open No. 10-102179, the difference between the tensile strength (TS) and the yield stress (YS), that is, TS-YS is used as an index of formability, and if this exceeds a certain value, the formability at the time of pressing an aluminum alloy Have been reported to be excellent. However, it is not possible to grasp all the formability of an aluminum alloy with this TS-YS alone. Therefore, an aluminum alloy for automobile bodies having excellent formability has been difficult because an effective formability index cannot be determined.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the present invention, it is an object of the invention to provide a method for producing a molded excellent in aluminum alloy for automobile bodies. For that purpose, it is necessary to find out the formability index of the aluminum alloy and set the target value.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is intended to provide components, tensile properties, work hardening coefficient in each strain region divided into two areas by limiting the simultaneously manufacturing method of an aluminum alloy for excellent automobile body in moldability, The gist is as follows.
(1) In mass%, Mg: 0.2% or more, Si: 0.3% or more, Mg + Si: 1.9 % or less, and the balance is cast, hot And after cold rolling, after performing solution treatment at a temperature of 500 to 580 ° C., cooling to 50 ° C. or less at a cooling rate of 15 ° C./s or more, and then holding at 50 ° C. or less for 1 day or more characterized in that the sum of the work hardening coefficient n ₂ between work hardening coefficient n ₁ and 10% of 15% between 5% and 10% was 0.52 or more, automobile bodies with excellent formability For producing aluminum alloy for use in a vehicle .
[0008]
(2) In mass%, Mg: 0.2% or more, Si: 0.3% or more, Mg + Si: 1.9 % or less, and the balance is cast, hot, aluminum alloy consisting of Al and inevitable impurities And after cold rolling, after solution treatment at a temperature of 500 to 580 ° C., cooling to 50 ° C. or less at a cooling rate of 20 ° C./s or more, and then holding at 30 ° C. or less for 3 days or more characterized in that the sum of the work hardening exponent n ₃ between work hardening coefficient n ₁ and 15% between 5% and 10% of 20% was 0.52 or more, automobile bodies with excellent formability For producing aluminum alloy for use in a vehicle .
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The inventors first examined the formability of an aluminum alloy based on conventional knowledge. According to the theory of plastic working based on ordinary steel, the formability such as overhang depends on the work hardening index (hereinafter referred to as n value) and elongation of the material, and the relationship between these in aluminum alloy and formability. investigated. However, the correlation between these and press formability was not as good as that with TS-YS. The reason why the n value and elongation are not so well correlated with the press formability was thought to be because the work hardening rule of the aluminum alloy is different from that of ordinary steel. Therefore, we investigated the work hardening rules of various aluminum alloys.
[0012]
FIG. 1 is a typical diagram of the stress-strain relationship in the plastic region in the tensile properties of the obtained aluminum alloy. However, each value between YS and TS was displayed in double logarithm. If such a display is made with ordinary steel or the like, a linear relationship is obtained, and the n value indicating the inclination is substantially constant in the entire plastic region. However, in the case of an aluminum alloy, all are not in a linear relationship, and the n value in a low strain region near YS is different from the n value in a strain region larger than this. Therefore, the plastic deformation of the aluminum alloy was considered not to follow the work hardening rule that is consistent in the plastic region.
[0013]
Therefore, the inventors divided the work hardening rule of aluminum alloy into two regions, that is, a low strain region in the vicinity of YS and a strain amount region of more than that, and by setting a unique formability index for each, An attempt was made to develop an excellent aluminum alloy.
The idea of setting the formability index proposed by the inventors is that when forming, two different n-value aluminum alloys are added together to form one alloy, and the sum of the respective elongations is the total elongation. To do. However, as shown in FIG. 1, no clear inflection point is seen in the plastic region. Therefore, it was conceived that the sum of the total elongation is represented by the sum of the n values of specific sections in both sections.
[0014]
First, various aluminum alloys were subjected to tensile tests. The test was obtained using a JIS No. 5 test piece having a thickness of 1 mm. The test was performed at room temperature, and tensile strength (TS), yield stress (YS), and stress-strain diagram were measured. Yield stress was represented by a value of 0.2% proof stress. The n value is expressed by the following formula: stress (MPa) and strain between two points, s ₁ and e ₁ , and s ₂ and e ₂ , respectively, true stress and true strain, σ ₁ and ε ₁ , and σ Obtained by converting to ₂ and ε ₂ .
σ ₁ = s ₁ (1 + e ₁ ), ε ₁ = ln (1 + e ₁ )
σ ₂ = s ₂ (1 + e ₂ ), ε ₂ = ln (1 + e ₂ )
n = ln (σ ₁ / σ ₂ ) / ln (ε ₁ / ε ₂ ).
[0015]
Based on the past analysis of the stress-strain diagram, the n value representing the formability in the low strain region and the high strain region was identified. As a result, it was estimated that an n value between 5% and 10% as the low strain region and an n value between 10% and 15% as the high strain region represent the formability of each region. Next, as a result of investigating the relationship between the molding height of a material excellent in formability and the n value of the above two sections, the sum of the n value between 5% and 10% and the n value between 10% and 15% There material is on the 0.52 or more was found to have excellent press formability.
[0016]
In the above invention, the high strain region is set from 10% to 15%, and the sum of the n values of the low strain region and the high strain region is 0 . All any material on 52 or more is determined to be high molding. Furthermore, in order to obtain a highly moldable material, a high moldability guideline with higher accuracy should be set. Since it is the work hardening characteristics of the material in the vicinity of TS that determines whether or not the material breaks in actual overhanging processing, it is desirable to set a larger strain region as a high strain region for more accurate notation. If a more accurate formability expression can be made, a target value for a material with higher molding can be set, and a material with higher molding can be developed.
[0017]
However, in the stress-strain diagram in the vicinity of TS in the tensile test, the work hardening law represented by the above-described equation that the true stress is proportional to the nth power of the true strain may deviate slightly. Therefore, tensile tests were conducted on various aluminum alloys, and the maximum strain region in which the stress-strain diagram obeyed this work hardening rule was investigated. As a result, it became clear that in almost all highly workable materials, a work hardening law in which the true stress is proportional to the nth power of the true strain is established in the strain region of 15% to 20%. Therefore, as a more accurate formability index of the material, the sum of the n value of 5% to 10% and the n value of 15% to 20% should be used. Was analyzed the formability of various aluminum alloys of this metric based on this sum was Tsu Der 0.52 or more for a material having excellent moldability.
[0018]
Thus, in order to limit the n value of the two strain sections, it is necessary to control the material that determines the n value, which depends on the component and the manufacturing method. Specifically, it is considered necessary to set a combination of a component that strengthens the alloy crystal and a manufacturing method. Specifically, a combination of a component for controlling the precipitation state and the solid solution state and the production method is employed.
In the case of an alloy in which Mg and Si are added to aluminum, the sum of the n values of these two strain sections increases if a low-temperature cluster considered to be composed of solute atoms is formed. For that purpose, under the addition of predetermined Mg and Si, these are sufficiently dissolved in aluminum by heat treatment at 500 ° C. or higher, and then the precipitate composed of these additives is not coarsened. A production method in which the temperature is cooled to 50 ° C. or lower at a cooling rate of 15 ° C./s or higher and held at 50 ° C. or lower for 1 day or longer is preferable.
[0019]
Thus, in order to form a low temperature cluster, the minimum of the addition amount is 0.2% or more for Mg and 0.3% or more for Si. However, excessive addition increases the heat treatment temperature for solid solution to increase the industrial production cost and coarsens the precipitate. Therefore, based on the concept of converting the amount of precipitates of both elements, Mg + Si: 2% or less in mass%. With such a material, the sum of n values of two strain sections can be 0.52 or more.
[0021]
A preferred method for producing the aluminum alloy of the present invention will be described in detail.
The aluminum alloy of the present invention is cast, hot and cold rolled according to a conventional method, but in order to form a low temperature cluster and to obtain excellent formability, the range of 500 to 580 ° C. after cold rolling. It is effective to apply a solution treatment at the inner temperature and cool to 50 ° C. or less at a cooling rate of 15 ° C./s or more.
[0022]
As a solution treatment condition in the above process, at a temperature of 500 ° C. or lower, a solute atom necessary for improving the n value in a predetermined section does not sufficiently dissolve in the Al matrix and precipitates as a second phase. However, sufficient moldability cannot be obtained. On the other hand, when the solution temperature exceeds 580 ° C., partial dissolution may occur. Therefore, the solution treatment temperature was set in the range of 500 to 580 ° C. As for the above-mentioned holding at the solution temperature, if the solute atoms are sufficiently dissolved, the holding time may be taken to some extent even without holding (cooling immediately after reaching the solution treatment temperature). .
[0023]
Further, even if the cooling rate after the solution treatment is less than 15 ° C./s, and even if the subsequent holding time is less than 1 day, the second phase precipitates during cooling, and the solute atoms are supersaturated solid. The amount of solution decreases, and the amount of low-temperature cluster formation effective for improving press formability is small, and sufficient formability cannot be obtained. Therefore, it is necessary to set the cooling rate after the solution treatment to 15 ° C./s or higher, and then hold it at a temperature of 50 ° C. or lower for 1 day or longer.
[0024]
A more accurate formability index limits work hardening properties near the TS. By limiting the work hardening index in this region, a material with higher molding can be obtained. An increase in the work hardening index n value in this region is considered to be achieved by generating a larger amount of low-temperature clusters that are considered to be composed of solute atoms in the material similarly added with Mg and Si. For this purpose, as described above, it is necessary to set the solution treatment temperature, the subsequent cooling rate to a predetermined temperature, and the holding time at the predetermined temperature. Among these, since further increase in the solution treatment temperature is difficult due to restrictions on industrial facilities and the like, a new setting of cooling rate and holding time is required to further increase the amount of low temperature clusters.
[0025]
In order to form a large amount of low-temperature clusters in this component system, it is first necessary to quickly lower the temperature to a predetermined temperature without forming Mg and Si dissolved in the heat treatment into other precipitates during cooling. . After the temperature is quickly lowered to a predetermined temperature, the dissolved Mg and Si form a low-temperature cluster by diffusion, but each diffusion coefficient is considerably smaller than that at a high temperature such as the solution treatment temperature because of the low temperature. Therefore, it takes a considerable time to form clusters. Therefore, it is necessary to set a holding time at a low temperature.
[0026]
From the above, it can be said that it is necessary to increase the cooling rate and increase the low temperature holding time in order to form a larger amount of low temperature clusters. Since it is impossible at present to theoretically set these values, they were obtained by tests on various aluminum alloys. The influence of the cooling rate and the low temperature holding temperature on the moldability of the material, that is, the sum of the n values in the low temperature region and the high temperature region was investigated. As a result, it was found that desired high formability can be obtained by holding at 50 ° C. or lower for 3 days or longer at a cooling rate of 20 ° C./s or higher .
[0027]
【Example】
In order to examine the press formability of the above aluminum alloy, the following tests were conducted.
An overhanging mold having a size of 950 × 750 mm, a curvature of 8000 mm, and a height of 40 mm was used as a mold, and a limit wrinkle pressing pressure (BHF) enabling molding up to a height of 30 mm was determined. A material excellent in moldability has a large limit BHF value.
Further, as a determination of a material having a higher moldability, an evaluation was performed based on a fractured mold height by a 100 mmφ ball head overhang test.
[0028]
Table 1 shows the components and tensile property values of various aluminum alloys subjected to the test. n ₁ is an n value between 5% and 10% in the strain region, and n ₂ is an n value between 10% and 15%. n ₃ is an n value between a strain region of 15% and 20%.
The plate thickness of the material used is 1 mm, and a press test using the above mold is carried out. Breaking, necking or wrinkling occurs at a BHF value below the moldability standard value (120 t) of the mold. If not, this material was marked with a circle in the left column of Table 1 as being suitable for automotive body materials. In other cases, it was marked with ×. In the ball head overhang test, a material having a molding height of 35 mm or more was indicated as “good” as good moldability, and a material lower than that was indicated as “x”.
[0029]
Although not obtained sufficient formability in components and manufacturing methods other than the present invention, according to the present invention, the results as described in Table 1, the sum of n ₁ and n ₂ are the material on 0.5 2 or more All were obtained and it was excellent in the moldability in the press test in a present Example, and the judgment that it was suitable for the body material for motor vehicles was obtained. In order to obtain a material with higher moldability, the sum of n ₁ and n ₃ is 0 . 52 is on than material, said that more high molding in the high molding material. It was determined that such a material is suitable for an automobile body having a complicated shape and requiring high molding.
[0030]
[Table 1]

[0031]
【Effect of the invention】
The present invention can provide a manufacturing method of an aluminum alloy for excellent car bodies for effective moldability automobiles lighter, the value of its industrial said to very high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a typical diagram showing a stress-strain relationship in a plastic region in the tensile properties of an aluminum alloy.

Claims

% By mass
Mg: 0.2% or more,
Si: 0.3% or more,
Mg + Si: 1.9 % or less, aluminum alloy consisting of Al and unavoidable impurities in the balance, after casting, hot and cold rolling, solution treatment at a temperature of 500-580 ° C., 15 ° C. By cooling to 50 ° C. or less at a cooling rate of at least / s, and then holding at 50 ° C. or less for 1 day or more, a work hardening index n ₁ between 5% and 10% and between 10% and 15% method for producing a machining sum of hardening exponent n ₂ is characterized by being 0.52 or more, an automobile body for an aluminum alloy which is excellent in moldability.

% By mass
Mg: 0.2% or more,
Si: 0.3% or more,
Mg + Si: 1.9 % or less, aluminum alloy consisting of Al and unavoidable impurities in the balance, after casting, hot and cold rolling, solution treatment at a temperature of 500-580 ° C., then 20 ° C. By cooling to 50 ° C. or less at a cooling rate of at least / s and then holding at 30 ° C. or less for 3 days or more, a work hardening index n ₁ between 5% and 10% and between 15% and 20% method for producing a machining sum of hardening exponent n ₃ is characterized by being 0.52 or more, an automobile body for an aluminum alloy which is excellent in moldability.