JP4936063B2 - 圧力容器及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、CNG(圧縮天然ガス)等の各種圧縮ガス、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)等の各種液化ガス、水素ガスなどの各種加圧物質を充填するための圧力容器及びその製造方法に関する。
上記の圧力容器として、たとえば、特許文献1に例示されているように、中空形状の樹脂製のライナーの開口部に金属製の口金を取付け、ライナー表面を補強繊維で補強した補強部を有するものが知られている。補強部は、ライナー内に高圧物質を充填したときに径外側方向に変形してライナーが破裂することを抑制している。
補強部を形成するにあたっては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた補強繊維をライナーの外周面に巻回して繊維巻き付け部を形成する。巻回完了後に、連続している補強繊維を切断し、末端繊維を繊維巻き付け部に縛りつける。その後、ライナーを回転させながら加熱して、熱硬化性樹脂を熱硬化させる。これにより、ライナー表面に補強繊維が固定されて補強部が形成される。
熱硬化性樹脂の加熱硬化時には、硬化直前に、粘度が極端に低下する。このため、末端繊維近傍が繊維巻き付け部に縛り付けられているとはいっても、縛り付け部よりも先端に位置する末端繊維は、自由状態にあるため、巻回完了時の位置に保持することができない。このため、末端繊維が巻回完了時の位置からずれてしまい、末端繊維が繊維巻き付け部の巻回方向に対して傾斜した方向に乱れて配置されたり、末端繊維が繊維巻き付け部の表面から跳ね上がったりした状態で繊維巻き付け部に固定されてしまう場合がある。この場合、末端繊維の位置を後工程で修正することはできない。跳ね上がった末端繊維は、圧力容器の寸法誤差を大きくし、外観を損なうだけでなく、組み付け時などに外部品に引っかかってしまうなど作業性にも影響を与える。跳ね上がった末端繊維をグラインダなどで切削することも可能であるが、その場合、切削部分が毛羽立ってしまい、外観を著しく損なってしまう。
そこで、補強繊維を繊維巻き付け部に縛りつけるときに、末端繊維の長さを短くすることが考えられる。しかし、この場合、結び目がほどけやすくなってしまい、繊維巻き付け部の巻き締め力の低下や繊維配列の乱れを起こすことになる。
特開平5−87244号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、補強繊維の末端繊維の配列の乱れや跳ね上がりを防止して、寸法誤差が少なく、外観品質を保持することができる圧力容器及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の圧力容器の製造方法は、内外を連通する開口をもつ中空のライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含浸させた補強繊維を巻回して繊維巻き付け部を形成する巻回工程と、前記巻回工程の後に、シート基材及び該シート基材上に設けられ係止部を有する複数の突起部とからなる面ファスナーの雄部材のみを用いて、前記繊維巻き付け部の外周部に配置した前記補強繊維の末端繊維を、前記突起部で保持することで前記繊維巻き付け部に仮固定する仮固定工程と、前記雄部材の前記突起部で前記末端繊維を保持した状態で、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と、をもつことを特徴とする。
本発明の圧力容器は、内外を連通する開口をもつ中空のライナーと、該ライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維を巻回して繊維巻き付け部を形成し、シート基材及び該シート基材上に設けられ係止部を有する複数の突起部とからなる面ファスナーの雄部材のみを用いて前記突起部で前記補強繊維の末端繊維を保持することで、該末端繊維を前記繊維巻き付け部に仮固定した状態で前記熱硬化性樹脂を熱硬化して形成された補強部と、からなることを特徴とする。
本発明の圧力容器の製造方法によれば、補強繊維の末端繊維を面テープの雄部材で仮固定している。このため、熱硬化性樹脂の加熱時に粘度が低下したときに、末端繊維は、雄部材に形成された複数の突起部に保持される。雄部材から抜け出ることが防止される。このため、末端繊維を所定位置に保持することができる。また、末端繊維が跳ね上がることもない。ゆえに、圧力容器の寸法誤差を少なくすることができる。また、圧力容器の外観品質を保持することができる。
また、末端繊維を雄部材で仮固定することにより、末端繊維の繊維方向と直交する方向の動きが規制される。このため、突起部をもたない織物等の帯状シートに比べて、末端繊維を効果的に保持することができる。
従来、熱硬化性樹脂の加熱硬化時に、熱硬化性樹脂の粘度が一旦低下したとき、補強繊維の末端繊維の位置ずれを抑制するため、末端繊維近傍を補強繊維の繊維巻き付け部に縛り付ける工程を行っていた。しかし、本発明においては、末端繊維は、面ファスナーの雄部材で仮固定されているため、縛り工程を行わなくても、熱硬化性樹脂の粘度が加熱により一旦低下したときでも、末端繊維が位置ずれをおこすおそれはない。従って、本発明によれば、縛り工程を省くことができる。
本発明の圧力容器によれば、補強部が、補強繊維の末端繊維を面テープの雄部材で繊維巻き付け部に仮固定した状態で熱硬化性樹脂を熱硬化させて形成されたものである。このため、熱硬化性樹脂の加熱時に粘度が低下したときに、末端繊維は、雄部材に形成された複数の突起部に保持されて、雄部材から抜け出ることが防止される。このため、補強部に末端繊維が所定位置に保持され、且つ末端繊維の跳ね上がりもない。ゆえに、圧力容器の寸法誤差が少なく、外観品質を保持することができる。
本発明の圧力容器の製造方法は、以下に詳説するように、巻回工程、仮固定工程、及び硬化工程とからなる。
(巻回工程)
中空のライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含浸させた補強繊維を巻回して繊維巻き付け部を形成する。ライナーは、内外を連通する開口をもつ。開口には口金が挿着されている。ライナーは、たとえば、ガス低透過性樹脂で一対のライナー分体を成形し、ライナー分体の端部同士を当接させた状態で熱溶着加工することにより一体に形成される。ガス低透過性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリプロピレンなどを用いることができる。
補強繊維は、高強度などの特性のほか、熱硬化性樹脂を熱硬化させる際の加熱温度よりも高い温度に融点をもつ材料が用いられる。補強繊維としては、たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などを用いることができる。
補強繊維に含浸される熱硬化性樹脂は、補強繊維に含浸されたときには粘着性を有している。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂は、補強繊維に予め含浸されていてもよいし、ライナーに巻回する直前に含浸されてもよい。また、熱硬化時に繊維巻き付け部の全体がライナー外周面上に固定されるように、熱硬化性樹脂が補強繊維に含浸されていることが好ましい。
補強繊維は、たとえば、複数のフィラメントを無撚状態で束ねたものを用いることができる。補強繊維をライナーに巻回するときには、1本だけを巻回してもよいし、2本以上を同時に巻回してもよい。補強繊維は、含浸されている熱硬化性樹脂の粘着性により、巻回と同時に順次、繊維巻き付け部に保持されていく。
補強繊維は、ライナーの外周面のほぼ全体に巻回される。補強繊維の巻回方向は、ライナーの軸方向に対して、直交方向、鋭角方向又は平行方向のいずれでもよい。補強繊維は、直交方向、鋭角方向又は平行方向のうちの一方向にのみ巻回してもよいし複数の方向に巻回してもよい。
補強繊維の巻終わり部分は、ライナーの軸方向の端部付近、中央部分など、いずれの部分でもよい。補強繊維の巻回完了後には、巻き終わり部分を切断する。
(仮固定工程)
補強繊維の末端繊維を、面テープの雄部材で繊維巻き付け部に仮固定する。このとき、末端繊維は、無撚であるため、フィラメント単位又は複数のフィラメントからなる束の単位で、繊維巻き付け部に仮固定される。図6〜図8に示すように、面テープの雄部材1は、シート基材11と、シート基材11上に設けた複数の突起部12とからなる。突起部12は、シート基材11から突出する支柱12aと、支柱12aの径方向に突出する係止部12bとからなる。突起部11の形状は、係止部12bが支柱12aの周方向の複数方向に広がるキノコ形状(図6)、係止部12bが支柱12aから周方向の一方向に湾曲又は屈曲して形成されたフック形状(図7)などがある。フック形状の場合、隣り合う突起部12同士の係止部12bが互いに向かい合っていてもよいし、一方向に向いていても良い。
隣り合う係止部12bの間の間隔Hは、雄部材を補強繊維に押し付けたときに突起部12が撓むなどして、末端繊維を含む補強繊維をフィラメント単位又はフィラメントの束で通過可能な幅が必要である。また、シート基材11と係止部12bとの間の隙間の高さT1は、熱硬化性樹脂を含浸した末端繊維を含む補強繊維をフィラメント単位又はフィラメントの束で収容することができるように、補強繊維のフィラメント単位又はフィラメントの束の太さ以上であることが必要である。
また、図8に示すように、突起部12は、支柱12a自体がシート基材11に対して所定角度α(α≠90°)で傾斜して立設されたものでもよい。この場合にも、突起部12は、隣接する突起部12の間に熱硬化性樹脂を含浸した末端繊維31を含む補強繊維をフィラメント単位又はフィラメントの束で収容できるように、少なくとも熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維のフィラメント単位又はフィラメントの束の太さ以上の高さT3をもつことが必要である。
シート基材は、熱硬化性樹脂を含浸可能な微細孔を有するものであることが好ましく、例えば、編布、織布、不織布などを用いることが好ましい。
雄部材は、樹脂材料からなり、特に熱硬化性樹脂の加熱硬化温度よりも融点が高く、また、強度、弾性、変形回復性を有することが好ましい。雄部材の融点が加熱硬化温度以下の場合には、加熱時に、面ファスナーが溶融するおそれがあるからである。これらの観点から、雄部材は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを用いることが好ましい。
図2に示すように、雄部材は、末端繊維31の端部31aが外方へはみ出すことがないように、末端繊維31の端部31aを繊維巻き付け部に仮固定していることが好ましい。これにより、末端繊維のはみ出しを効果的に防止することができる。
雄部材1の幅Dは、少なくとも端末繊維31の幅と同程度以上であることが好ましい。補強繊維3を複数本同時に巻回する場合には、雄部材1の幅Dは、少なくとも複数本の補強繊維3の末端繊維31の幅と同程度以上であることが好ましい。これにより、末端繊維を確実に仮固定することができる。
ここで、仮固定工程において、図3に示すように、末端繊維31は、雄部材1で繊維巻き付け部5の外周側から繊維巻き付け部5の外周部51に押さえ付けることが好ましい。これにより、末端繊維31が雄部材1により確実に繊維巻き付け部5に仮固定される。
また、本発明の参考として、仮固定工程において、図5に示すように、繊維巻き付け部5に配設した面ファスナーの雌部材2の表面に末端繊維31を配置し、末端繊維31を雄部材1で繊維巻き付け部5の外周側から雌部材2に対して押さえ付けてもよい。これにより、末端繊維31が雌部材2と雄部材1との間で確実に保持される。雌部材2は、シート基材21と、シート基材21表面から突出され且つ雄部材1の突起部12に係合可能なループ22とをもつ。雌部材の材質は、雄部材と同様のものを用いることができる。
雌部材を繊維巻き付け部に配設する方法を例示する。例えば、第1に、図10に示すように、ライナー7の外周面71に補強繊維3を巻き始め末端30から巻き付けて、繊維巻き付け部5を形成していく。補強繊維3の巻き付け完了前に、最終巻回部分3aを残して繊維巻き付け部5に雌部材2を配置する。図11に示すように、雌部材2を保持しながら補強繊維3の最終巻回部分3aの巻回を行い、補強繊維3を切断機9で切断する。
第2に、本発明の参考として、図12に示すように、雌部材2のループ22を形成した表面と反対側の裏面に粘着剤層25を形成しておき、繊維巻き付け部5を形成した後に、繊維巻き付け部5の外周部51に雌部材2を粘着固定してもよい。また、雌部材の裏面には、粘着剤層に代えて、接着剤層を形成してもよい。雌部材に形成される粘着剤層又は接着剤層の加熱硬化温度は、補強繊維に含浸される熱硬化性樹脂の加熱硬化温度よりも高いことが好ましい。これにより、熱硬化性樹脂の加熱硬化時に、粘着剤層又は接着剤層の粘度が一旦低下することなく、粘着性又は接着性を維持することができる。それゆえ、熱硬化性樹脂の熱硬化時に、雌部材を繊維巻き付け部に保持することができる。
補強繊維の末端繊維は、外観上の理由から、補強繊維の巻回方向に沿って配置することが好ましい。
補強繊維が多数のフィラメントの束からなる場合には、その束を広げて扇状部を形成したり、束に結び玉を形成したりすることにより、雄部材の突起部に末端繊維が係止されやすくなる。また、末端繊維を束のままの状態で雄部材により仮固定してもよい。
(硬化工程)
繊維巻き付け部を形成したライナーを加熱して、補強繊維に含浸されている熱硬化性樹脂を熱硬化させる。加熱硬化温度は、熱硬化性樹脂の硬化する温度であり、且つ補強繊維や面ファスナーの雄部材が溶融しない温度である。加熱硬化時には、熱硬化性樹脂は一時的に粘度が低下し、補強繊維の間の隙間に充満し、この状態で硬化する。これにより、ライナーの外周面に、熱硬化性樹脂により補強繊維が固定された補強部が形成される。
(圧力容器)
製造された圧力容器は、内部にライナーが配設されている。ライナーの外周部には、補強繊維を巻回し熱硬化性樹脂で固定して形成された補強部が形成されている。補強部の外周面には、末端繊維を被覆する面ファスナーの雄部材が配設されている。熱硬化性樹脂の硬化によって、雄部材は補強部に一体に固定されている。
更に、繊維巻き付け部に面ファスナーの雌部材が配設されている場合には、末端繊維が、雌部材と雄部材との間で仮固定された状態で熱硬化性樹脂が熱硬化して、補強部が形成される。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明はそれらによって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
本例の圧力容器は、自動車に搭載される水素燃料タンク又はCNG用燃料タンクであり、図1に示すように、中空のライナー7と、ライナー7の外周面を被覆する補強部50とからなる。ライナー7の長手方向の両端は、中央部分よりも縮径されていて、内外を連通する開口70が開口している。ライナー7の一方の開口70の内周面には金属製の口金81が固定されていて、バルブが接続される。ライナー7の他方の開口70の内周面には、栓部材82が気密的に嵌着されている。以下、圧力容器の製造方法について説明する。
まず、予め成形した口金を金型内に配置し、この金型内に溶融したガス低透過性樹脂を射出して、一対のライナー分体を成形する。ライナー分体は、一方の端部が縮径した円筒形状である。縮径した端部には口金が一体成形されている。一対のライナー分体の他方の端部は、互いに同じ形状のフランジ部を形成する。ライナー分体の厚さは3mmである。次に、一対のライナー分体のフランジ部同士を向かい合わせにして当接させ、加熱により溶着させる。溶着部分のバリを取り除き、ライナーを得る。
次に、フィラメントワインディング法により、炭素繊維からなる補強繊維にエポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂を含浸させる。補強繊維は、1本3μmのカーボンフィラメントを撚糸せずに24,000本束ねて形成された炭素繊維であり、1本の断面が0.3〜0.4mm×4mmの大きさである。この補強繊維を3本同時に、ライナー7の外周面に巻回する。巻回方向は、ライナー長手方向に対して直角方向、ライナー長手方向に対して約75度の角度、及びライナー長手方向に対して約20度の角度を付けた巻回を行なっている。一周分の巻回厚みは0.3〜0.4mmである。補強繊維を複数回巻回することにより、図3に示すように、厚みAが11.4mmの繊維巻き付け部5を形成する。巻き付け終了後には、連続した補強繊維3を切断し、末端繊維31を形成する。
次に、図6に示すように、面ファスナーの雄部材1を準備する。雄部材1は、シート基材11の表面に突起部12を多数突出させたものである。突起部12は、キノコ形状であり、シート基材11の表面に立設された支柱12aと、支柱12aの先端に支柱12aの周方向に拡径する係止部12bとをもつ。隣り合う係止部12bの間の間隔Hは、0.3mmである。この間隔Hは、熱硬化性樹脂4を含浸した末端繊維31の大きさと同じかそれよりも若干よりも小さいが、補強繊維3を形成する炭素繊維からなるフィラメントが、あるかたまりとなり、また、支柱12aが撓むことにより係止部の間の間隔が広がり、補強繊維を形成するフィラメントが面ファスナーの支柱12aと係止部12bにて形成される空間に挿入される。シート基材11と係止部12bとの間の隙間の高さT1は0.3mmであり、突起部12を含めた雄部材1の厚みT2は0.5mmである。突起部12は、シート基材11上に0.3mmのピッチP1で等間隔に配置されている。雄部材1の大きさは、縦(E)15mm、横(D)15mmである。雄部材の材料は、ポリエステルである。シート基材11は、多数の孔が形成されたポリエステルシートからなる。
図1〜図3に示すように、末端繊維31を繊維巻き付け部5の外周部51に繊維巻回方向M(繊維方向と直交する方向)に向けて配置し、雄部材1により末端繊維31のうちの12mmの長さL1を被覆する。このとき、少なくとも末端繊維31の端部31aは雄部材1で被覆する。そして、図3の矢印Fに示すように、雄部材1の全体を繊維巻き付け部5の外周部51側から繊維巻き付け部5に押し付ける。次に、繊維巻き付け部5を85℃、2.5時間加熱して、熱硬化性樹脂4を熱硬化させる。これにより、ライナー7の外周面71上に、熱硬化性樹脂4により補強繊維3が固定されて補強部50が形成される。また、雄部材1にも、熱硬化性樹脂が含浸されているため、補強部50と一体に固定される。以上により、圧力容器が得られる。
本例によれば、図3に示すように、補強繊維3の末端繊維31は、面ファスナーの雄部材1で仮固定している。末端繊維31は、雄部材1に形成された複数の突起部12の間に収容され、突起部12の係止部12bに係止される。このため、末端繊維31の繊維方向と直交する方向の動きが突起部12により確実に抑制される。ゆえに、加熱によって熱硬化性樹脂4の粘度が一旦低下したときに、末端繊維31は突起部12に保持されて、雄部材1から抜け出ることが防止される。このため、末端繊維31を所定位置に保持することができる。また、末端繊維31が跳ね上がることもない。ゆえに、圧力容器の寸法誤差を少なくすることができる。また、圧力容器の外観品質を保持することができる。
参考例1
本例は、面ファスナーの雄部材だけでなく、雌部材も用いて補強繊維の末端繊維を仮固定している点が、実施例1と相違する。
図9に示すように、面ファスナーの雌部材2は、シート基材21から多数のループ22を立設させている。ループ22を含めた雌部材2の厚みT4は、0.5mmである。ループ22はシート基材21上に等間隔に配置されており、ループ22のピッチP2は0.5mmである。雌部材2の材質は、雄部材1と同様である。
雌部材2を繊維巻き付け部5に配設するにあたっては、図10に示すように、補強繊維3の巻き付け完了前に、最終巻回部分3aを残して繊維巻き付け部5に雌部材2を配置する。図11に示すように、雌部材2を保持しながら補強繊維3の最終巻回部分3aの巻回を行い、補強繊維3を切断する。これにより、雌部材2が繊維巻き付け部5の外周部に固定される。
次に、図5に示すように、雌部材2の表面に補強繊維3の末端繊維31を配置し、その上に面ファスナーの雄部材1を被覆する。そして、雌部材2に対して雄部材1を押し付けて、末端繊維31を雌部材2と雄部材1との間に仮固定する。その他は、実施例1と同様である。
本例においては、補強繊維3の末端繊維31を雌部材2と雄部材1との間に仮固定している。末端繊維31は、雄部材1の突起部12と雌部材2のループ22とによって確実に保持される。また、突起部12とループ22は互いに係合するため、雄部材1は雌部材2から剥離するおそれもない。したがって、加熱によって熱硬化性樹脂の粘度が一旦低下したとき、一層確実に末端繊維31を抜け止めすることができる。
本発明の実施例に係る圧力容器の正面図である。 本発明における、補強繊維の末端繊維付近を示すための、圧力容器の部分正面図である。 本発明における、面ファスナーの雄部材で末端繊維を繊維巻き付け部に押し付けたときの状態を示すための、繊維巻き付け部の断面説明図である。 本発明における、補強部の断面説明図である。 本発明の参考例1における、雌部材と雄部材との間で補強繊維の末端繊維を仮固定したときの状態を示すための、繊維巻き付け部の断面説明図である。 本発明における、キノコ形状の突起部をもつ雄部材の断面説明図である。 本発明における、フック形状の突起部をもつ雄部材の断面説明図である。 本発明における、傾斜状の突起部をもつ雄部材の断面説明図である。 本発明の参考例1における、雌部材の断面説明図である。 本発明の参考例1における、第1の雌部材の固定方法を示すための説明図であって、図10(a)は、繊維巻き付け部の巻回完了前に雌部材を補強繊維の間に配置する段階を示す図である。 図10に続く、雌部材の表面に最終巻回部分を巻回した段階を示す図である。 本発明の参考例1における、第2の雌部材の固定方法を示すための説明図である。
符号の説明
1:面ファスナーの雄部材、2:面ファスナーの雌部材、3:補強繊維、4:熱硬化性樹脂、5:繊維巻き付け部、7:ライナー、81:口金、82:栓部材、9:切断機、11:シート基材、12:突起部、12a:支柱、12b:係止部、12a:支柱、12b:係止部、21:シート基材、22:ループ、31:末端繊維、31a:端部、50:補強部、70:開口。

Claims (4)

  1. 内外を連通する開口をもつ中空のライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含浸させた補強繊維を巻回して繊維巻き付け部を形成する巻回工程と、
    前記巻回工程の後に、シート基材及び該シート基材上に設けられ係止部を有する複数の突起部とからなる面ファスナーの雄部材のみを用いて、前記繊維巻き付け部の外周部に配置した前記補強繊維の末端繊維を、前記突起部で保持することで前記繊維巻き付け部に仮固定する仮固定工程と、
    前記雄部材の前記突起部で前記末端繊維を保持した状態で、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させる硬化工程と、をもつことを特徴とする圧力容器の製造方法。
  2. 前記仮固定工程において、前記雄部材は、前記末端繊維を前記繊維巻き付け部の外周側から前記繊維巻き付け部に押さえ付けることを特徴とする請求項1記載の圧力容器の製造方法。
  3. 内外を連通する開口をもつ中空のライナーと、
    該ライナーの外周面に、熱硬化性樹脂を含浸した補強繊維を巻回して繊維巻き付け部を形成し、シート基材及び該シート基材上に設けられ係止部を有する複数の突起部とからなる面ファスナーの雄部材のみを用いて前記突起部で前記補強繊維の末端繊維を保持することで、該末端繊維を前記繊維巻き付け部に仮固定した状態で前記熱硬化性樹脂を熱硬化して形成された補強部と、からなることを特徴とする圧力容器。
  4. 前記雄部材は、前記末端繊維を前記繊維巻き付け部の外周側から前記繊維巻き付け部を被覆していることを特徴とする請求項3記載の圧力容器
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