JP4933450B2 - インプラント可能装置を体内で展開するための機器および方法 - Google Patents

インプラント可能装置を体内で展開するための機器および方法 Download PDF

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本出願は、2006年1月4日出願の米国仮出願第60/XXXXX号の便益を請求し;且つまた2005年12月19日に出願された米国仮出願第60/752,128号の便益も請求し;且つ更には2005年1月10日に出願された米国特許出願第11/033,479号の一部継続出願である2005年9月30日に出願された米国特許出願第11/241,242号の一部継続出願であり、これらは本出願が先行するどの出願とも、および米国特許法第120条に基づき優先権を主張するどの出願とも矛盾しない範囲に調整されていることに注意しながら参照によってそっくりそのままここに組み入れられている。
本発明は、例えば動脈瘤、断裂、偽動脈瘤を含む血管疾患の治療、易損性プラークの排除および閉塞状態の治療に関するものであり、より具体的には、発明はそのような状態を治療するための、インプラント可能な装置を体内に運搬し且つ展開する機器および方法に関するものである。本発明は、交差する血管を2本以上含む部位の動脈またはその他血管内へのステント、グラフト、ステントグラフトのインプラントに特に適している。
背景技術
先行技術ではインプラント型ステントおよびグラフトによる血管疾患の治療は周知である。例えば先行技術では、動脈の狭窄または閉塞部分内に自己展開またはバルーン拡張が可能なステントを挿入することは周知である。同様に先行技術では、グラフトまたはステントグラフトを用いて高度の損傷を受けたか、または易損性である血管部分、特に大動脈を修復し、それにより血流を確保し、動脈瘤または断裂のリスクを下げることも周知である。
ステント、グラフト、またはステントグラフトを主要動脈(例えば腹部大動脈)の交差点、または1本以上の動脈が交差箇所(例えば網膜動脈)に使用することが望まれる場合は更に困難な状況が起こる。単一の軸ステントまたはグラフトの使用は、腎臓のような両側性の器官への血流を効果的に封止または遮断できる。米国特許第6,030,414号はこのような状況に取り組み、ステントグラフトが配置される主要血管からの両側性の血流を通過させながら位置合わせするための側部開口を有するステントグラフトの使用を開示している。側部開口は、確認された、それらと位置を合わせる側部血管の相対位置に基づいて、ステントに前もって配置されている。米国特許第6,099,548号は多枝グラフトおよびそれを展開するためのシステムを開示している。グラフトのインプラントに伴って、指定された枝動脈の中にグラフトの各側枝を固定するために、バルーンを拡張できる別のステントが必要となる。これに加えて、グラフトを運搬するために複数の探索針を必要とし、これが脈管構造内の空間を占有し、それがシステムの小型血管インプラント適合性を低くしている。更にグラフトおよびステントを運搬するには、グラフトを設置する各枝血管にアクセスし、動脈切開によってこれを露出させる必要がある。これらの技術は有効ではあるが面倒であり、且つ特にインプラント部位に交差する血管が2本以上在り、且つその全てにインプラントが必要な場合は、その利用および実施は若干難しいだろう。
腹部動脈瘤(AAA)を治療するための二股ステントの使用も当技術分野では周知である。これらのステントは、二股の部位にあるかまたは近くの血管の異常または疾患の治療中に生ずる問題に対処するために特別に開発された。二股ステントは典型的には、1つの筒状の本体または胴部と二つの筒状の脚部を含む「パンツ」型に作られている。二股ステントの例は、米国特許第5,723,004号および第5,755,735号に記載されている。二股ステントは一体式またはステントの構成要素がin situで相互連結するモジュラー形式のいずれでもよい。特に、脚部突起の一方または両方が筒状本体に結合可能である。モジュラーシステムの運搬は、構成要素のサイズがより小さいことから困難ではないが、本体管腔と脚部とを、漏がないほど十分正確に位置決めして相互連結することは困難である。一方、一体式ステントは漏れの確率を小さくするものの、幾何学的制約のある治療部位にそれら大型の構造物を運び入れることが難しいことが多い。
通常の二股ステントはAAA治療に多少とも上手く使用されてはいるが、それらはインプラント部位が大動脈弓内に在る場合には適していない。動脈の弓部分は、非常に高い血流と圧力とを受けており、それが心臓を停止し、患者に心肺バイパスを設置せずにステントグラフトを配置することを困難にしている。更には、ステントグラフトが適切に配置できる場合でも、ステントが移動または漏れないようにするためには、ステントが長期間曝される早い血流、圧力、および剪断力に常に耐え、何らかの形でステントが固定されなければならない。これに加えて動脈は、血管収縮と血管拡張によってその直径を比較的大きく変化させる(約7%)。その場合、大動脈弓グラフトが拡張および収縮してこのような変化に対応できなければ、グラフトと動脈壁の間の密封性は不十分であり、グラフトは移動および/または漏れのリスクに曝されるだろう。さらには解剖学の複雑さ(例えば強い屈曲)や個人間の大動脈弓のバラツキが、ステントグラフトの設置位置の決定を困難にしている。弓から出ている枝血管の数は最も一般的には3本、即ち左鎖骨下動脈、左総頸動脈、および腕頭動脈であるが、一部の患者では枝血管の数が1本のこともあり、より多くは2本であるが、一部の例では4、5、または6本のこともある。更には、支血管間の空間および角度方向は人により様々である。
側枝ステントまたはステント本体の側部開口を枝血管と位置合わせするためには、個人毎の固有の幾何学的制約に合わせて設計および製造された特製のステントが必要になるだろう。個人固有の血管解剖学に適合させて特製ステントを作るために必要な測定値は、スパイラル断層撮影、コンピュータ断層撮影(CT)、蛍光透視法、またはその他の血管造影システムを用いて得ることができるだろう。しかしながら、このような測定およびそのような特製ステントに関連する製造が達成できても、それは時間がかかり且つ高価であろう。さらには、ステントの使用を含む緊急な介入を必要とする患者の場合、このような特製ステントは実際的ではない。このような状況においては、使用中にin situで調整が可能なステントが強く望まれるだろう。個別複数のステントを前もって作っておき、実際に必要とされたサイズおよび形状の範囲に対応させることができる十分高い適応性を有することもまた強く望まれる。
通常のステントおよびステントグラフトの別の欠点は、ステントまたはステントグラフトが一度展開されると、その位置を調節すること、または後で引き戻すことが制限されることである。ステント展開中に、運び入れたステントの最終位置が所望する治療効果獲得に最適でないことが判明することも多い。自己拡張式ステントを展開する際の展開の様式は、ステントをデリバリーカテーテルの外に押し出すか、またはより一般的にはステントを脈管に対しステントの位置を固定した状態で外シースを引き込む方法のいずれかである。どちらの場合もステントの遠位端はカテーテルに結合しておらず、従ってその最大直径まで自由に拡張して周囲の動脈壁と一緒になって密封することができる。この自己拡張能力はステントの拡張には有利であるが、ステントを除去または再配置を望む場合には、ユーザーにとって不都合である。いくつかのデザインは、完全な展開が望まれて、「引き金」ワイヤーまたは係留ワイヤーを解除してこれが達成されるまで引き金ワイヤーを使ってステントの遠位端を選択的に保持している。このデザインの限界は、引き金ワイヤーを使って遠位端をすぼめたステントを伸ばし、ステント全長の直径を小さくすることができないことである。位置決めおよびそれを係留ワイヤーから開放すべきか判断する間、ステントの直径を小さくすることの意味は、たとえ遠位端が係留ワイヤーによって拡がらないように保持されていても、完全に拡張したステント本体が血流を閉塞することである。
従来のステントグラフトが持つ別の欠点は、血管と通る血流が一時的に乱れることである。バルーンを拡張できるステントおよびステント−グラフトでは、ステントまたはステントグラフト展開時のバルーン自体の拡張が血管内の血流を乱す。さらには、ある種の応用では、ステントデリバリーカテーテル遠位端の末端位置に別のバルーンを使って、ステント設置中、血流を積極的に遮断する。自己拡張ステント−グラフトの場合は、展開中の動脈流の乱れからステントグラフトの設置を誤り、血管の修復を完全なものにするために重複して追加のステント−グラフトの設置が必要になることがある。流れを乱さない場合でも、動脈血流の強力なモーメントが、部分的に開いたステントグラフトを、一部展開したステントグラフトに流入する血液の高圧の拍動性の慣性前進力によって下流方向に押すことがある。
従来のステントおよびステントグラフトの上記欠点の幾つかについて、問題への取り組みが試みられている。例えば米国特許第6,099,548号は、ステントを貫通してその遠位端に取り付けられており、第1開口を通して脈管構造内に挿入されるストリングの使用を開示している。次にストリング末端は、それを引いてステントを脈管構造内で動かせるように脈管構造の第2開口に通される。取り付けられたストリングを用いてステントの設置をより制御的に行うことができるが、当業者は脈管構造の中の第2開口にストリングを通すことが作業上困難であることに気づくだろう。更には、どのような操作を行う場合も、手術開口の数は最小限に抑えることが患者の健康にとっては有利である。
現在のグラフトおよびステントグラフトの設置技術には限界があり、交差する血管(即ち血管枝)に悪影響を及ぼさずステントもしくはグラフトをインプラントするための、ならびに血管疾患および状態を治療するための、従来技術の欠点に取り組んだ改良された手段および方法が求められているのは明らかである。
発明の概要
本発明はインプラント可能な装置を体内で展開するためのインプラント可能な装置およびシステム、ならび方法を提供する。インプラント可能な装置は基部端と遠位端を有する主管腔を少なくとも含むが、相互連結している血管のあるインプラント部位に対応する側枝管腔を少なくとも1本含むことが多い。この装置、特にステント、グラフト、およびステントグラフトの形をした装置は、選択的に操作して装置の主要管腔および側枝管腔の長さおよび直径を調節することができる、相互連結したセルから出来ている。即ち、本発明の特徴は、屈曲した脈管解剖の一貫性のなさ、または患者間のバラツキに対応できる、例えば大動脈弓支流血管の角度方向の間隔のバラツキに対応できる可変式または調節可能なステント、グラフト、またはステントグラフトを提供することである。
一つの態様では、基部端および遠位端を有する主管腔、ならびにそこら伸びる側枝管腔を少なくとも1本有するインプラント可能な調節型ステントが提供される。側枝管腔は主管腔の長さに沿って、基部端および遠位端に対し側方に調節することができ、またそれらが主管腔と交差する角度についても調節することができる。ステントは超弾性ワイヤー材料から作られ、第1または非小径寸法「X」および第1寸法「X」の1/2〜1/10以下である小径寸法「Y」を持つ。動脈への応用では、寸法がステントの寸法の場合、小径寸法は非小径寸法の1/10に近いことが多いと思われる。ステントをインプラントする血管が小さいほど、直径を小さくする必要がある。
本発明のシステムは、主題のステント、グラフト、またはステントグラフト装置を血管または体内の管状構造内に運搬して展開するのに特に好適であり、インプラント部位に連結し合う結果が2本以上ある場合に特に好適である。一般的には、本発明の運搬・展開システムは、少なくとも1つの細長い部材またはストリングを利用し、多くの態様では、インプラント可能な装置の管腔端部に解除可能な形で取り付けられている複数の細長い部材またはストリングが用いられる。装置の主管腔の基部端および遠位端のそれぞれについて、1本のストリングまたは1セットの付属ストリングが提供されており、各側枝管腔には追加のストリングまたはストリングのセットが提供されている。システムは付属の1本または複数のストリングをそれぞれ選択的に張るための手段を含んでおり、これにより付属ストリングの張りを解除することによって装置を選択的に展開することができる。デリバリーシステムは、標的位置にインプラントを設置している間に変更される各種管腔間の間隔、およびそれぞれが主管腔に対して成す角径方向の調節を制御している。取り外し可能なストリングの使用以外にも、ステントの選択的展開に同様に好適である他の手段も存在する。例えば動脈瘤修復に用いられている取り外し可能コイルの使用と同様に、電流を用いてステント端部の接点を電気分解して腐食させることもできる。言い換えると、インプラント可能な装置を部分的に展開し、装置全体をデリバリーシステムから露出させるか、または一部を露出させることができるが、これらは最も一般的には入れ子式のカテーテルと管腔の組み合わせの形をしている。インプラント可能装置の各管腔端部は、望ましい場合には個別に展開でき、この時インプラント操作を最も容易にするために一部または全ての管腔端部は同時に展開するか、または連続的に展開することができる。
ある態様のインプラント運搬・展開システムは、一連の、ガイドワイヤー、カテーテル遠位部分、およびインプラント可能装置を標的部位に運搬する前、インプラント可能装置が収納されているカテーテル部分である基部ハンドル部分を含む。システムの少なくともカテーテル部分は1本以上のガイドワイヤーの上を辿っており、ワイヤーはインプラントの対象として選択した各標的血管の中でこれらステントまたはステントグラフト、およびその各枝の方向付けおよび位置決めを行う。インプラントの管腔端部を選択的に引っ張り、また弛めるための各種制御装置が提供されており、この制御装置はハンドル部分、カテーテル部分、またはその両方に配置できる。好ましい態様では、カテーテル部分および/またはデリバリーガイドワイヤーはその遠位端に関節部分を持ち、脈管構造を通した進路案内を容易にする。
システムの一つの態様は、関節運動する運搬ガイドワイヤーまたは案内カテーテルを含む。関節運動ガイドワイヤーは1カ所以上の関節点を有することができ、オペレータはガイドワイヤーの基端部分を操作してガイドワイヤーの遠位部分の形状を変えることができる。ガイドワイヤーは、ガイドワイヤー基端部分を操作する間に、個々の関節点を制御して直線形状から事前に選択しておいた様々な形状の範囲に変えられるように予備成形しておくことができる。このようにして脈管構造の様々な領域にアクセスに必要な固有の仕様に合わせてガイドワイヤーを作ることができる。例えば、このことは進入点からインプラント標的部位まで「S」字型の経路を必要とする領域内にインプラントを配置する場合に特に重要である。大腿動脈アクセスポイントから腕頭動脈内にあるインプラント標的までのガイドワイヤーの導入は、このような関節運動式ガイドワイヤーが有利と思われ、場合によっては困難な「S」字型の進路案内経路の一例である。
本発明の方法は、インプラント可能装置を展開することを含み、この場合ある種の方法は主題のシステムの使用を含む。インプラント可能装置の製造方法も提供する。
本発明の別の目的は、ステントが配置される血管の一時的閉塞を起こさないステント展開方法を提供することである。
本発明の別の目的は、単一のアクセス位置から脈管構造に入るガイドワイヤーと関連する運搬システムを用いてステントを展開する方法を提供する。
本発明のステントデリバリーシステムの利点は、それが空間を占有する探索針およびバルーンカテーテルの使用を必要としないことである。
対象システムの別の利点は、ステントの配置または設置を調節できるだけでなく、展開中および展開後にステントを除去できることである。
本発明はさらに、ユーザーにステントを展開し、放射線写真色素および蛍光透視法の使用、またはその他画像システムといった標準的な画像法を用いて展開の結果の好適性を評価し、カバーされたステント壁と周囲の動脈壁との間のエンドリークをチェックし、且つ適切にステントが展開した後に運搬システムからステントを分離するか、または展開が不適切な場合にはステントの展開および分離を繰り返して制御し、ステントを新たな位置に再配置して満足いく結果を得るか、あるいはステント全体を除去する能力をユーザーに提供するという点でも優れている。
本発明は、側枝管腔をそれぞれの枝血管内で展開した時、本体管腔が「鍵穴と鍵」のメカニズムによって移動を制約するように側枝管腔のセルが本体管腔のセルと一体化することによって、脈管構造内でステントが動かないように確保するという更なる利点も持つ。より具体的には、側枝管腔の本体管腔への相互接続は、側枝管腔と本体管腔を同一の一本のワイヤーで作製することによって達成され、このとき特殊なワイヤーラップパターンを使用して連結メッシュを作り、側枝管腔を主管腔と一体化する。こうすれば、側枝を側枝動脈内に展開して所定位置に保持すると、ステント本体も動けなくなる。さらには、このような「受動的」固定メカニズムは、インプラント部位にある細胞構造を損傷し、平滑筋の増殖、再閉塞、およびその他血管合併症を起こすことがあるバーブまたはフックのような能動的な固定手段とは逆に非外傷性である。
本発明のこれら、およびその他の目的、利点、および特徴は、以下により完全な形で記載した発明の詳細な説明を読むことによって当業者に明らかになるだろう。
発明の詳細な説明
本発明の装置、システム、および方法を説明する前に、本発明が記載する特定の治療応用およびインプラント部位に限定されず、それ自体変わり得ることを了解しなければならない。ここで使用する用語法は、特定の態様を説明する目的のためだけのものであり、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されることから、限定を意図していないことも了解しなければならない。
他に定義しない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常に理解するものと同じ意味を持つ。本発明の運搬・展開システムを参照して用いられる場合、用語「基部」および「遠位」は、ユーザーに対する位置または場所を指すものと理解し、このとき基部はユーザーにより近い位置または場所を指し、遠位はユーザーからより遠い位置または場所を指す。本発明のインプラント可能装置を参照して使用される場合、これらの用語は、インプラント可能装置が効果を発揮する形でシステム内に配置されている時に、運搬・展開システムに対する位置または場所を指すと理解しなければならない。従って基部は運搬・展開システムの基部端に近い方の位置または場所を指し、遠位は運搬・展開システムの遠位端に近い方の位置または場所を指す。ここで使用する用語「インプラント」または「インプラント可能(な)装置」は、ステント、グラフト、ステント−グラフト等を含んで成る装置を含むが、これらに限定されない。
本明細書および添付の請求項の中で使用する場合、単数形を示す「a」、「an」および「the」は文脈から特に明らかでない限りは複数形も含むことに注意しなければならない。従って、例えば「(1本の)ストリング(a string)」という表現は、複数のそのようなストリングも含むことができ、「(1個の)管状部材」という表現は、1個以上の管状部材および当業者に知られているその均等物の表示も含むといった具合である。
数値範囲が与えられている場合は、その範囲の下限と上限の間にある各数値もまた、文脈が特に明瞭に指示しない限り下限値の10分の1の単位で具体的に開示されているものと理解される。記載の数値または記載の範囲内にある中間値と、別の記載値または記載範囲内にある別の中間値との間のより狭い範囲も発明の範囲内に包含される。かくして、より狭い範囲の上限値および下限値については、別々に範囲内に含めても、または除外してもよく、より狭い範囲の中にいずれか一方の限界値を含むか、または両方の限界値を含まないか、または両限界値を含んでよく、記載された範囲の中に特別な排除限界値を持つ範囲もまた本発明に含まれる。記載された範囲が一方または両方の限界値を含む場合は、これら含まれた限界値の一方または両方を除外した範囲もまた発明に含まれる。
ここに記した全ての刊行物は参照によってここに組み入れられ、それと共に刊行物が引用されている関連の方法および/または材料を開示し、且つ記載している。ここに論じた刊行物は、本出願の出願日以前のそれらの開示についてのみを対象とする。ここには、先行発明の便益によって本発明がこのような刊行物に先行するものでないことを認めたと解釈すべきものはなにもない。更には示した公開日は実際の公開日と異なることがあり、独立して確認する必要があることもある。次に本発明を、以下の本発明の装置、システム、および方法の例示的態様および変形によって詳細に説明することとする。本発明は一般的には、ステント、グラフト、またはステントグラフトの形状をした管状部材を備えたインプラント可能な装置を含み、このとき装置は更に分岐しているか、または本体または第1本体から側方に向かって伸びる横方向の管状部材を更に一本以上含むこともある。本発明はさらに、体内の標的インプラント部位にインプラント可能装置を系皮的に血管内に運搬して展開するためのシステムも含む。インプラント部位は、任意の管状または中空の組織管腔または器官でよい;しかしながら、最も典型的なインプラント部位は血管構造物、特に動脈である。本発明の一つの特徴は、それが2本以上の交差する管状構造物を含む応用に対応していることであり、且つそれ自体が大動脈弓および腎臓下動脈のような枝状血管を処置する状況に特に好適であることである。
本発明のインプラント可能装置
次に図面、特に図1Aおよび1Bを参照すると、そこには本発明のインプラント可能装置の例示的態様が描かれている。各装置は第1または主管状部材および少なくとも一本の側方に伸びている管状の枝を有しているが、本発明のインプラント可能装置は側枝を有する必要はない。
図1Aは、一次管状部分、本体、または部材4、ならびに本体内にある側方開口を通して本体4と相互に連結して流体連絡している、側方に伸びた側枝6a、6bおよび6cを有するインプラント可能装置2の変形の1つを描いている。主管状部材4の基端および遠位端は、その数が変更可能なクラウンまたは頂部8で終わっている。側枝6a、6b、および6cの遠位端は、その数もまた変更可能なクラウンまたは頂部10a、10b、および10cでそれぞれ終わっている。装置2は、第1管状部材4を大動脈弓壁内に配置でき、且つ管状枝6a、6b、および6cをそれぞれ腕頭動脈、左総頸動脈、および左鎖骨下動脈内に配置できる、大動脈弓内のへのインプラントに特に合わせて形作られている。
以下に更に詳しく説明するように、主題の運搬・展開システムの展開または取付け部材は、頂部10a、10b、および10cを通るかまたは装置2の頂部の遠位端から伸びているアイレット(未表示)に通して輪を作り結ばれている。本発明の取付け部材は、ステントの様々な管腔の遠位端に解除可能に取り付けることができるストリング、フィラメント、ファイバー、ワイヤー、撚線、チューブまたはその他の細長部材部材を含むがこれに限定されない任意の細長部材でよい。解除可能な取付け手段としては、電気分解浸食、熱エネルギー、磁気的手段、化学的手段、機械的手段、またはその他制御可能な取付け手段を挙げることができるが、これらに限定されない。
図1Bは、本体14と相互に連絡し、且つ本体内の側方開口を介して液通している一次管状部分または部材14および側方に伸びる枝16aおよび16bを有する装置12の別の変形を描いている。主管状部材14の基部端および遠位端は、図1Aに関係して上記したように用いられるクラウンまたは頂部18内に終わり、一方側枝16aおよび16bの遠位端はそれぞれクラウンまたは頂部28aおよび18bの中で終わる。装置12は、腎臓下動脈へのインプラントに合わせて、一次管状部材14は動脈壁内にインプラントすることができ、且つ管状枝16aおよび16bはそれぞれ左右の腎臓動脈内に配置されるように特に形作られている
当業者は主題のインプラントが、1本以上の側枝管腔を主管腔全長上の任意の場所に、主管腔の前後軸に対し任意の角度で配置することができ、且つ側枝管腔が2本以上ある場合には管腔をインプラントが配置される標的脈管構造に合わせて軸方向に間隔をあけ、且つ相互の角度をとりながらその周囲に配置できる、任意の数および形状を持った管腔を有してよい(例えば側枝管腔を持たない単一の主管腔、主管腔と1本以上の側枝管腔)ことを認識するだろう。これに加えて、各インプラントの管腔の長さ、直径、および形状(例えば曲率半径)は必要に応じて変えることができ、それが配置される血管に合わせることができる。典型的には主枝管腔は約1cm〜約25cmの範囲の非制約長および約2mm〜約42mmの範囲の非制約直径を持つ。側枝管腔は約0.5cm〜約6cmの範囲の非制約長および約2mmから約12mmの非制約直径を持つ。例えば動脈への応用では、主管腔の非制約長は典型的には約8cm〜約25cmであり、非制約直径は約15mm〜約42mmの範囲であり、且つ側枝管腔は約2cm〜約6cmの範囲の非制約長および約5mm〜約12mmの範囲の非制約直径を有するだろう。腎臓への応用では、主枝管腔は約2cm〜約5cmの範囲の非制約長および約3mm〜約9mmの範囲の非制約直径を有し;且つ側枝管腔は約0.5cm〜約3cmの範囲の非制約長および約2mm〜約7mmの範囲の非制約直径を有するだろう。冠動脈への応用では、主枝管腔は約1cm〜約3cmの範囲の非制約長および約2.0mm〜約5mmの範囲の非制約直径を有し;且つ側枝管腔は約0.5cm〜約3cmの範囲の非制約長および約2mm〜約5mmの範囲の非制約直径を有するだろう。神経血管のような小型の血管に応用する場合は、当然これらの寸法はより小さくなる。本発明のインプラントの様々な構造的および機能的局面について、以下詳しく論ずる。
治療用または診断用の構成要素または装置を主題インプラントと一体化することも想定できる。このような装置は、心臓弁(例えば動脈弁もしくは肺動脈弁)および静脈弁のような人工弁、流量、圧力、酸素濃度、グルコース濃度を測定するためのセンサー、電気ペーシング導線等を備えることができるが、これらに限定されない。例えば図1Eに示すように、主管腔212の遠位端に用いられる機械式または生物的人工弁216を含む動脈根を治療するためのインプラント210が提供される。装置210は、それぞれ左右の冠動脈口内に設置するための調整可能に位置取りされた2本の、より小型の、一般的には反対側にある管腔214aおよび214bを更に備えている。ステントグラフトの長さは選択でき、それが大動脈弓の前、中、または後の任意の場所で終わるように選択された距離まで伸ばすことができ、例えばそれは下降動脈内まで伸びることができる。大動脈弓の枝血管に合わせるために、任意の数の追加の側枝を備えることができる。
当業者は、任意の好適なステントまたはグラフトの構成を提供して、腸骨−大動脈結合、大腿−脇窩結合、短頭動脈、後脊髄動脈、冠動脈分岐部、頸動脈、上および下腸間動脈、総腸および胃動脈、頭部動脈、および神経血管分岐部を含むがこれらに限定されない、2本以上の血管(2分岐、3分岐、4分岐等)が交差しているその他の血管部位またはその近傍に別の処置を行えることを認めるだろう。
上記の如く本発明のインプラント可能装置は、ステントもしくはグラフト、またはステント−グラフト、ステンデッドグラフトもしくはグラフテッドステントと称する両者の組み合わせを含むことができる。本発明のステントおよびグラフトは、当技術分野で既知である任意の好適材料から作ることができる。好ましくは、ステントはワイヤーから組み立てられるが、任意の好適材料で置き換えてもよい。ワイヤーステントは、例えば弾力伸展性であり、例えばステントはステンレス鋼、エルジロイ、タングステン、白金、またはニチノールから作ることができるが、これら一般的に用いられている材料に代わって、またはそれらに追加して、その他好適材料を使用してもよい。
ステントは、任意の好適なワイヤーフォームパターンを持つことができ、またはチューブもしくは平板から切り取ることもできる。一つの態様では、全てのステント構造が、一本のワイヤーから相互連結ンパターン、例えば閉じた連結鎖を形成するように織られたものから作られる。この構造は真っ直ぐな円筒形状、湾曲した管形状、先細の中空形状を取ることができ、非対称のセルサイズを有することもでき、例えばセルのサイズはステントの長さに沿って、または円周の回りで変わってもよい。あるステントの態様では、側枝管腔のセルサイズは、末端方向に向かって徐々に小さくなる。これは側枝管腔の最末端部を選択的に伸ばす能力を更に高め、それにより、医師が側枝の末端を指定された血管内に案内するのを容易にする。主ステント管腔の端部および/または1本または複数本の側枝ステント管腔の端部を広げてもよい。ステントのストラット(即ちセルを形作る要素部分)の直径(ワイヤー態様の場合)または厚みもしくは幅(シートおよびカットチューブ態様の場合)は変わってもよい。
一つの特定態様では、ステントは一本のワイヤーから作られる。単一ワイヤーステントの形態はステントの全長に沿って接続点を選択的に織り交ぜるのに好都合であり、それは治療対象の解剖学に起こりうる変動に対応できる、側枝ステント相互の、および主ステント管腔に対する角度方向を選択された範囲内で調節する能力を提供する。側枝管腔のこのような角度方向は、軸方向、円周方向、またはその両方でよい。図1Cは、側枝管腔24および26それぞれが主管腔22に対して角度αによって規定される角度方向を有し、またお互いに対して角度βによって規定される角度方向を有しているインプラント装置20を描いている。図1Dは、角度θによって規定される側枝管腔22と24との間の円周方向を示すインプラント20の上面図である。各種角度の典型的な範囲は次の通りである:角度αについては約10°〜約170°、角度βについては0°〜約170°、および角度θについては0°〜360°。これらの角度は、制約されていない展開前の状態、即ち中立状態において自然に偏った方向を持つステントを作り出す製造工程で与えることができる。1またはそれ以上のこれらの方向は、それぞれの血管管腔の中に枝管腔を運搬および設置した後に、上記に示した角度範囲内で選択的に調節できる。このデザインはまた、ステントの主管腔を伸ばすこと、および/または短縮することによって側枝ステント間の直線間隔を調節可能にもする。更に側枝部分は伸長して小型の枝血管内に過大なステントを設置できるようにもでき、それによってステントと血管壁の間に適切な付着も提供できる。ステントの調節能力が、固定もしくは定着ならびに/またはステント−グラフトの移動およびエンドリークを防ぐのに必要な半径方向力を犠牲にしてはならないことに注意しなければならない。
ステントグラフトのグラフト部分は、織物、ポリマー、ラテックス、シリコンラテックス、ポリエトラフルオロエチレン(polyetraflouroethylene)、ポリエチレン、ダクロンポリエステル、ポリウレタン、または生物組織のようなその他もしくは好適な材料から作ることができる。用いることができる生物組織としては、細胞外マトリックス(ECMs)、無細胞化した子宮壁、細胞を除いた洞腔ライナーまたは膜、無細胞子宮膜、臍帯組織、およびコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明と共に使用するのに好適な細胞外マトリックスとしては、哺乳動物の小腸、胃、膀胱の粘膜下組織、皮膚またはヒツジ、ウシ、ブタ、もしくは任意の好適哺乳動物に由来する肝臓基底膜が挙げられる。グラフト材料は設置および使用からの影響に耐えるために、可撓性且つ耐久性でなければならない。当業者は、本発明のグラフトが、例えば織ることによって、もしくは基材を所望材料内に浸漬することによって形作るといった多くの各種周知の方法によって定式化できることに気づくだろう。
温血脊椎動物の粘膜下組織(ECMs)は組織移植材料に有用である。例えば小腸に由来する粘膜下グラフト組成物が米国特許第4,902,508号(以下’508特許)および米国特許第4,956,178号(以下’178特許)に記載されており、膀胱に由来する粘膜下組織グラフト組成物は米国特許第5,554,389号(以下’389特許)に記載されている。これら(ECMs)組成物の全ては、一般的には同一組織層から構成されており、違いは出発材料が一つは小腸であり、もう一方が膀胱であることである。参照によって’389特許に組み入れられている’508特許に詳述されている手順、および’178特許に詳述されている手順は、小腸または膀胱の粘膜、即ち’178特許に詳述されているような上皮粘膜(上皮)および粘膜固有層の少なくとも管腔部分を含む組織内層を除去するための機械式の剥脱段階を含む。粘膜の剥脱、剥離、または擦過は、上皮細胞およびそれらに付随する基底膜、膜、および大部分の固有層を、少なくとも組織化された緻密結合組織、緻密層のレベルまで剥ぎ取る。かくしてこれまで軟組織置換材料と認識された組織グラフト材料(ECMs)からは上皮基底膜が全くなくなり、粘膜下組織および緻密層から成る。
(ECMs)上皮基底膜は上皮細胞の基底面につながる細胞外物質の薄いシートの形をとることもある。同様のタイプの上皮細胞が集まったシートが上皮を形成している。上皮細胞およびそれらに付随する上皮基底膜も体表面、即ち皮膚の上に在る。基底膜を有する典型的な上皮の例としては次のものが挙げられるが、これらに限定されない:皮膚、腸、膀胱、食道、胃、角膜、および肝臓。
上皮細胞は、上皮基底膜の管腔側または表面側、即ち結合組織の反対側に位置している。例えば結合組織、粘膜下組織は、基底膜の反管腔側または底側に位置している。上皮基底膜の反管腔側に位置するECMを形成するのに用いられる結合組織の例は、腸および膀胱の粘膜下組織、ならびに皮膚の真皮および皮下組織である。これら材料の全てが、ここではECMまたは細胞外マトリックス材料と称されており、ステントの全てまたは任意の一部をコーティングするのに用いることができる。
ステントはグラフトでコーティングするか、あるいは例えば物理的もしくは機械的手段(例えばネジ、セメント、縫合糸もしくはステープルの様な留め具)によって、または摩擦によってグラフトに機械的に固着できる。さらには、ステントを周囲の組織に取り付ける手段をステントのデザインの中に含めることによって、機械的付着手段を用いてインプラント部位への取付けを果たすこともできる。例えば装置は、金属製のスパイク、アンカー、フック、掛かり、ピン、クランプ、またはフランジもしくはリップを含み、ステントを所定の場所に固定できる。
ステントは、ECM材料から作られたような被覆物をワイヤーだけに付着させ、ワイヤー区分の間またはステントセル内には及ばないように加工できる。例えば、ECMを下部構造に接触させながらレーザー光線、電流、または熱の形態でエネルギーをワイヤーステント構造に作用させることができるだろう。ちょうど熱したフライパンで調理した肉が組織を残すようにして、ECMをステントに付着させることもできるだろう。
主題のステント、グラフト、および/またはステントグラフトは、疾患部位に治療薬または調合薬の局所的な運搬を提供することを目的に、コーティングすることもできる。局所運搬は、限られた領域への小用量の治療薬または調合薬の運搬を必要とする;複数回の投与および標的疾患部位到達前の物質の損失を必要とする全身投与とは対照的である。
粘膜下構造は、約80ミクロンの厚さを持ち、主に(98%を超える)細胞性の、好酸性に染まる(H&E染色)細胞外マトリックス物質から成る。時に、繊維細胞と共に血管および紡錘細胞が組織全体に無秩序に散在していることもある。典型的には、UBSは食塩水ですすぎ洗いされ、随意選択的に使用時まで凍結乾燥状態で保存される。
流体化したUBSは、その開示が参照によって明示的にここに組み入れられている米国特許第5,275,826号に記載されている流動化腸粘膜下組織の調製と同様の様式で調製できる。UBSは、引裂き、切断し、研削し、剪断すること等により粉砕される。凍結または凍結−乾燥状態でUBSを研削することが好ましいが、粘膜下組織片の件濁液を高速度(高剪断力)ブレンダーに掛けて、且つ必要であれば遠心分離し、過剰の水をデカンテーションすることによって水を取り除いても同様に良好な結果を得ることができる。これに加えて粉砕された流動化組織は、膀胱の粘膜下組織をトリプシンまたはペプシンのようなプロテアーゼ、またはその他適切な酵素を使って、前記組織を可溶化し且つ実質的に均一な溶液を形成するのに十分な時間酵素消化することによって可溶化できる。
ステント用のコーティング材は粉末形状のUBSでよい。一つの態様では、粉末形状のUBSは、膀胱粘膜下組織を液体窒素存在下に微粉化し、0.1〜1mmのサイズ範囲の粒子を作ることで調製される。粒子状組成物は次に一晩凍結乾燥にかけられ、滅菌され、実質的に無水の固体の粒子組成物を形成する。あるいは、粉末形状のUBSは、粉砕したUBSの懸濁液または溶液を乾燥させることで流動化UBSから形作ることもできる。
主題のステント、グラフト、および/またはステントグラフトは、その表面の上にプアリマー層を塗布することによってコーティングされる。プライマー層は、治療薬/調合薬を含有するためのリザーバーを用意する。プライマー層と活性成分が重複する領域を変更して、活性成分に対するプライマー層の透過性を上げることもできる。例えば、一般的な溶媒を加えて活性成分と表面層を一つに混合して、活性成分をプライマー層の中に吸着させる。これに加えて、プライマー層を処理して不均一面または粗面を作利出すこともできる。この粗領域は活性成分を閉じ込め、ステントが患者体内に挿入された時に成分の拡散速度を高める。こうしてインプラントは、薬物またはその他作用物質を制御可能な速度で拡散する能力を獲得する。更には、当業者は本発明が、例えばプライマー層を複数の領域に分割し、それぞれが異なる活性成分を含有するような複数のコーティングの組み合わせを提供できることを理解するだろう。
主題のステント、グラフト、および/またはステントグラフトは、デキサメタゾン、トコフェロール、リン酸デキサメタゾン、アスピリン、ヘパリン、クマジン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼおよびTPAを含むが、これらに限定されない任意の治療物質、組成物、または薬剤、あるいはインプラント部位の血栓症を防止する任意のその他好適な血栓溶解物質でコーティングできる。その他の治療薬および薬学的作用物質としては、脱細胞化した自然の血管スキャフォード内にインプラント後に動脈瘤が発生するのを防止するための手段として、タンパク質溶解性の分解に対する耐性を増す粘膜下組織安定化ナノ粘着剤として用いられるタンニン酸模擬デンドリマー、細胞接着ペプチド、コラーゲン模擬ペプチド、肝細胞増殖因子、増殖性/抗有糸分裂剤、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン、抗生物質、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン、およびマイトマイシン、酵素、抗血小板剤、非ステロイド薬、ヘテロアリール酢酸、金化合物、免疫抑制剤、脈管形成薬、酸化窒素供与体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、細胞周期阻害剤、ならびにプロテアーゼ阻害剤をゲルことができるが、これらに限定されない。
主題のインプラントに幹細胞を含む任意のタイプの細胞を播種してインプラントと動脈壁との間の血管形成を促進してもよい。方法は、インプラント表面の間隙内への組織の増殖を許す多孔性コーティングを装置に施すことを含む。宿主組織の増殖能力および宿主組織へのインプラントの接着を向上させる別の取り組みとしては、電気的に帯電しているかまたはイオン性の物質を装置の組織接触面に含めることが挙げられる。前述したように、主題のステントおよびグラフトには被覆を具備すること、さもなければ細胞外マトリックス(ECM)材料の中にインプラントするか、もしくは埋め込むか、あるいは全体をそれで作り上げることもできる。好適なECM材料は哺乳動物宿主供給源に由来するもので、小腸粘膜下組織、肝臓基底膜、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、真皮等が挙げられるが、これらに限定されない。ECM材料のその他の例としては、フィブロネクチン、フィブリン、フィブリノーゲン、コラーゲン、ヒアルロナン、高システイン酸性分泌タンパク質(secreted protein acidic and rich in cysteine)(SPARC)、トロンボスポンジン、テナシン、および細胞接着物質、およびマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
インプラントのECM部分は、最終的には周囲の組織によって、組織、例えば内皮細胞、平滑筋、外膜の細胞の特徴を持った組織によって吸収される。さらには、選択した形態を持つECMスキャフォーディングを発明のステントまたはステントグラフトの選択した場所に効果を発揮する形で付着させ、それによって、引き続いてECM材料を選択した場所の未変性組織の構造に再構築することもできる。例えば、ECMスキャフォールディングを事前に取り出しておいた自然の動脈弁の輪に配置して、動脈弁小葉の構造的特徴を作り出し、それによってインプラントが弁機能を提供するように形作ることもできる。
本発明のステント、グラフト、またはステントグラフトは、圧力、流れ、速度、濁度、およびその他生理学的パラメータ、ならびに例えばグルコースレベル、pH、糖、血液酸素、グルコース、湿気、放射線、化学物質、イオン、酵素、および酸素のような化学種の濃度をモニタリングするためのセンサーを1つ、または複数含むこともできる。センサーは、血栓および塞栓のリスクを最小限にするように設計されなければならない。そのために管腔内、任意点での血流の遅滞または停止は最小限にしなければならない。センサーは外面に直接取り付けても、またはパケット内に含めても、または本発明のステント、グラフト、またはステントグラフトの材料内に収納してもよい。さらにバイオセンサーは、ワイヤレス手段を利用してインプラント部位からの情報を体外の装置に送ることもできる。
ステント、グラフト、ステントグラフトは視覚化物質から作ることも、またはマーキング要素を含めるように形作ることもでき、これが装置の方向を示し、インプラント部位でのステントの適切な位置取りを容易にする。放射線不透過性を付与できる、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、ヨード、ヨージド、酸化チタン、酸化ジルコニウム、金、白金、銀、タンタル、ニオブ、ステンレス鋼のような金属、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の好適材料を用いることができる。ステント全体、またはその任意部分、即ちステントのクラウンは放射線不透過物質で作るか、マークすることができる。
装置作製法
本発明のステントは、多くの方法で作ることができる。ステントを作る一つの方法は、それぞれ図13A〜13Cに示すマンドレル装置320、330、および340のようなマンドレル装置を用いる方法である。各装置は、少なくとも主マンドレル構成要素それぞれ322、332、および342と、その中に複数のピン(未表示)が選択的に配置されているかまたはそこから複数のピンが伸びている選択的に配置された複数のピンホールそれぞれ324,334、および344とを持つ。以下により詳細に説明するように、ステント構造はワイヤーをピンの周りに選択的に巻きつけることによって形作られる。ステントが1又はそれ以上の側枝管腔を持つ場合は、装置340のようなマンドレル装置には主マンドレル342に向かって実質的に横方向に伸びている側部マンドレル346が少なくとも1本与えられており、このとき側部マンドレルの数は形作られるステントの側枝の数に等しいことが好ましい。マンドレル装置は、異なる直径および長さを持つ側枝マンドレルを主マンドレルに取り外し可能に組み入れることができるモジュラーでもよい。側枝マンドレルだけでなく主マンドレルの形態も、所望するステントの形状を形つくるために、任意の好適な形状、サイズ、長さ、直径等を持つことができる。通常は、マンドレルの構成要素は均一な断面を持ったまっすぐの円筒形(図13Aおよび13Cを参照)であるが、縦寸法に沿って直径が変わる円錐形(図13B参照)、円錐台でもよく、円形の断面、湾曲形状等を取ることもできる。
ピンはマンドレル構成要素に永久的固定されていても、またはそれ自体マンドレル構成要素に設けられた穴から取り外すことができ、且つその中に選択的に配置できるものでもよい。より更には、マンドレル装置はピンを選択的に伸縮するように作ることもできる。ピンの数、ならびにそれらの間の距離および間隔を変えて、特別仕様のピンの形状を提供することもできる。この特別仕様化は、限られた数のマンドレル構成要素を用いて様々なサイズ、長さ、セルサイズ等を持つステントの作製を可能にする。例えば、一つの変形では、ピンはマンドレル構成要素の周囲に、例えば列当たり8つあるピン穴のうちの4つがピンで占められるような交互のパターンで配置される。あるいは、それぞれが固有のピン穴パターンを有しており、これが更に固有のステントセルパターンを画定しているマンドレルを選択することもできる。
ステントを作るためには、選択した長さおよび直径を持つ、NITINOLワイヤーの様な形状記憶ワイヤーを準備する。典型的には、ワイヤーの長さは約9〜約12フィート長の範囲であるが、必要であればより長くとも、あるいはより実際的であればより短くともよい。ワイヤーの直径は、典型的には約0.001〜約0.020インチの範囲内である。マンドレル構成要素上の所望の地点または場所に巻ピンを有するマンドレル装置を備えたならば、ワイヤーをピンの周りに選択方向に、選択されたオーバーおよびアンダーラッピングパターン、例えばジグザグパターンで巻きつけて、所望するセルパターンを生じる相互に連結した一連の波状の環を作る。
例示的なワイヤーの巻きパターン350が図14に示されている。ワイヤー352は、主マンドレルの一端から主発して、ステントの主管腔のセルが出来上がるまで主マンドレルの一端から他端に向かってピン354の周りにジグザグパターンで前後しながら巻き付けられる。次に、まだマンドレル装置に付いたままの同じワイヤーを用い、ワイヤーを側枝の全てのセルが出来上がるまで、側枝マンドレルの基部から末端方向に伸びている端部に向かい、再び戻るジグザグ型に巻いて側枝管腔を作る。次にワイヤーを主マンドレルの前後軸とある角度を成す巻路に沿って主マンドレルの周りに巻き、このときワイヤーをあるセル区分356に沿ってワイヤー同士が折り重りあわせる。ステントの任意の管腔を最初に作製し、続いて別の管腔を作製しても、または各種管腔の一部分を断続的に作製するような巻きパターンでもよいことに注意しなければならない。
次に、出来上がったワイヤーステントパターンを持つマンドレル装置を、約480℃〜約520℃の範囲の温度まで、典型的には約490℃まで約20分間加熱するが、この時間は塩浴を用いて短縮できる。熱処理段階の長さは、ワイヤー材料をマルテンサイト相からオーステナイト相にシフトさせるのに要する時間に依存している。次にアセンブリーを空冷または水浴中に入れて30秒以上急冷し、次に風乾させる。ステントが十分乾いたら、マンドレルの外面にあるそれぞれの穴の外にピンを突き出す内部要素を作動して、ピンをマンドレル装置から引き抜くか、またはマンドレルの中空中心内に引き入れる。それからステントをその相互連絡している管腔と一緒にマンドレル装置から外すことができる。あるいはマンドレル構成要素を分離して、管腔の一つ、例えば主ステント管腔を最初に作り、続いて側マンドレルを主マンドレルに取り付けてから側枝管腔を作っても良い。
場合によっては、本体の選択した領域または側枝管腔セルを形成しているワイヤー部分の直径を、エッチングまたは電気研磨して選択的に小さくし、生ずる半径方向力をワイヤーの直径を縮小していないステントのそのワイヤー部分に比べて小さくしてもよい。ステント本体のワイヤーの直径を選択的に小さくする一つの例は、基端部および末端部それぞれに1〜2センチメートルの円周部分を残してそれらの領域の半径方向力を高くしてステントが動かないように固定し、これら半径方向力が高い領域の間にある中央部分のワイヤー断面直径を縮小して、設置中ステントをより伸張しやすくするか、または長尺に沿って運搬シースの中により容易に折り畳めるようにすることである。ワイヤーの断面直径を選択的に小さくする別の例は、直径がより小さい側枝のストラットを作ることである。これは製造中に側枝を酸に選択的に浸漬し、ステントの特定領域の金属量を減らすことで成し得る。側枝の縦方向の剛性および/または側枝構成要素の外向きの半径方向力を優先して低下させる所望の結果を達成する別の方法は、電解研磨を用いることである。織られた硬質ワイヤーステントを電極槽内に入れて、ステント自体を陽極となる形で陽極−陰極ギャップを横切る電圧電位を加えることによって金属イオンを電解液に溶解する。これに代わって、またはこれに続いて、工程を逆にしてステントを陰極とし、側枝またはステントのその他選択領域を同様または別の金属、例えば金もしくは白金のイオン溶液を用いて電気メッキして、選択領域の機械特性を変えるか、または放射線不透過性を高めることができる。電気メッキおおび電解研磨の当業者は、基質への異種材料の結合を高めるために、基質に類似する「ストライク」層を用いる技術が在ることを認めるだろう。一つの例は、続いて金または白金コーティングを基質に結合するために、純ニッケルストライク層をニッケル・チタニウム(NITINOL)基質の最上面に用いるものである。
ステント作製の別の方法は、ステンレス鋼チューブのような薄壁管状部材を切断し、ステントに望まれるパターンでチューブの一部分を取り除き、ステントを形作る金属製チューブの部分は比較的未加工の状態に残すという方法である。ステントはまた、タンタル、ニッケル−チタン、コバルト−クロム、チタン、形状記憶および超弾性合金、ならびに金もしくは白金のような貴金属のようなその他金属合金からも作ることが出来る。
本発明によれば、当業者は各種レーザーの利用;化学エッチング;放電加工;平板をレーザー切断して円筒に巻くといった複数の異なる方法を用いて主体のステントを作製できること;これら全てが、現時点において当技術分野で周知であることを知るだろう。
ステントグラフト360を、ECMのようなグラフト材料362を主題のステント364に付加して作る場合は、グラフト材料をワイヤー形状に取り付ける任意の手段を用いることができる。一つの変形では、グラフト材料は縫合糸366によって取り付けられる。この場合、グラフト材料の一端370はステントの全長に沿ってステントフレームまで縦方向に縫われ、このとき各頂端部には少なくとも1個の結び目368が結ばれてステントにグラフトの一端を固定している。次に、グラフト材料をステント表面の周囲に引き伸ばし、グラフトの反対側の端部372を既に取り付けられている端部370に重ねてステントフレームに別々に縫いつけ、血液が漏出できない漏れのない表面を提供する。グラフト材料はステントの安全基準を満たす範囲で引き伸ばされており、ステントが展開状態にある時にはそれに覆われていない。ステントへのグラフト材料の取り付けが終了した後グラフトを脱水すると、それは、加熱時の熱収縮チューブのようにステントフレームの上に収縮して張り付く。
本発明の運搬・展開システム
次に図2Aおよび2Bを参照すると、そこには本発明の装置をインプラントするための本発明のシステム30が示されている。システム30は、末端カテーテル部分32および基部またはハンドル部分34を含む。カテーテル部分32は、血管またはインプラント部位に至るその他経路の中での配置に合わせて形作られ、且つ装置の一端部からもう一方の端部までガイドワイヤー、プル−ワイヤー、および流体の通路となる、その多くが多機能的である管腔を複数有する各種の細長部材を含む。カテーテル部分32は、その中に中間部材40を引き込む管腔を有する並進可能な外シースを含む。外シース38の基端には中間部分40の末端ハブ52と連結するためのフィッティング50が設けられている。フィッティング50には、外膜38の壁と中間部材40との間の管腔空間を液体密閉し、それによってフィッティングからの血液の漏出を防止する内部弁メカニズムが設けられている。内部材42は、中間部材40の管腔138内に納められ、且つ並進することができ(図6A参照)、且つガイドワイヤー48がその中を通り並進するための本体ガイドワイヤー管腔44を画定している。内部材42は、装置の屈曲している脈管構造内の前方向の並進を容易にする円錐形の末端部46で終わっている。外部部材、中間部材、および内部材のチューブ(ならびに以下に論ずる任意のカテーテル構成要素)は、網状材料が付いている生体適合性強化プラスチックまたは実質的に可撓性であるその他生体適合性材料を含むが、これらに限定されない通常の血管内シースおよびカテーテルの作製に用いられている材料から作ることが出来る。
運搬・展開システム30の基端部分34は、お互いに対し軸方向に並進する基端および遠位ハンドル部分36a、36bを含む。内部材42はハンドルの基端部分36aに、中間部材40はハンドルの遠位部分36bに、2つのハンドル部分が互いに対して軸方向に分離し且つ伸びて、以下さらに詳しく説明する様に運搬システム内に動作可能に装着されたステントの伸長および短縮の大きさを制御するように固定されている。
上記したように本発明のインプラントの運搬・展開は、複数の指定された付属ライン、ストリングス、ワイヤー、またはフィラメントを用いて達成される。インプラントの各自由端を制御し、且つ運搬システムに解除可能に取り付けられている1本のストリング、またはストリングのセットまたは複数のストリングが提供される。2本の分離したストリング、または2セットのストリングを用いて、インプラント可能装置の主管状部分を制御する−1本のストリングまたは1セットのストリングは遠位端を制御するためのものであり、残りは装置の基部端を制御するためのものである。インプラントの各側枝については、さらに1本のストリングまたは1セットのストリングが提供される。各セットのストリングの数は装置の各端部(即ち主要ステント部分の基部端および遠位端、ならびに枝部分の遠位端)に与えられたクラウンまたは接続ポイントの数に相関する。各ストリングは、その両端が装置のハンドルに配置され、且つ制御されるように指定されたクラウンに輪を作り結ばれており、このとき各アタッチメントストリングの一端は運搬・展開システム30に永久的に固定され、他端は解除可能に運搬・展開システム30に取り付けることができる。動作によってシステム30内に負荷が加わるとインプラントの管腔端はシステム30の様々な部分に解除可能に付く。例えばステントの主管腔の遠位端は内部材42に解除可能に付き、ステントの主管腔の遠位端は中間部材40に解除可能に付き、各側枝ステントの遠位は指定された側枝カテーテル150に解除可能に付く(図6A参照)。
各アタッチメントストリングまたはアタッチメントストリングのセットは、指定された制御メカニズムによって制御を受けており、即ち固定し、解除し、張り、引っ張り、締め付けることができる。従って主題のシステムについて描かれた態様に提供される制御メカニズムの数はアタッチメントストリングの数に一致する;しかしながらストリングのセットの制御は、より少ない数の制御メカニズムに統合できる。様々な制御メカニズムが好適な形状を持つことができ、且つシステム30の任意の好適な場所に据え付けることができ、一つの例示的な制御メカニズムの形状および場所が図2Aに示されている。具体的には、各制御メカニズムは、例えばノブ、ダイヤル、スイッチ、またはボタンの形をした一組の制御器を含み、このとき一方の制御器は直線移動に関するもの、即ちインプラント展開時に展開システム30を通してその固定端を利用してストリングを引っ張るためのものであり、他方の制御器はインプラント展開前にストリングの自由端を選択的に解除および固定するためのものである。
制御器70a、70b、および72a、72bが、インプラントの遠位および基端側の管腔端をそれぞれ制御するために、ハンドル部分36aおよび36bにそれぞれ提供されている。インプラントの各側部または側枝管腔に関連する各アタッチメントストリングのセット向けの追加の制御器ペアが、中間部材40に解除可能に装着されたハブに提供されており、このときハブは外シース38の基部端50から遠位ハンドル部36bの遠位端の間に集められ、且つ連続的に配置されている。例えば図1Aの3本の側枝管腔6a、6b、および6cを持つインプラント2を用いる場合は、3つのハブ74、76、および78、および関係する制御器のペアがそれぞれに提供され、このとき最も遠位側の制御器74a、74bのペアは最も遠位側にあるステント枝管腔6a向けのアタッチメントストリングを制御し、制御器76a、76bの二番目または中央のペアは、中央のステント枝管腔6b向けアタッチメントストリングを制御し、制御器78a、78bの最も基端側にあるペアは、最も基端側のステント枝管腔6c向けアタッチメントストリングを制御する。
制御器の各ペアは、ここではノブの形をした固定端部材70a、72a、74a、76a、および78aを含み、これにアタッチメントストリングの端部の一セット、固定セットが永久的に固定されているが、それ自体はそれぞれのハンドル部分またはハブから取り外すことができ、ストリングは手で引き抜くことができる。この制御器はアタッチメントストリングの一定の張りを維持して、脈管構造を通して運搬システムを関節運動させている間、インプラントを運搬システム内に留める。図2Bに最もよく示すように、各ノブは、ノブをハンドルまたはハブからの取り外す前および後に、それらから流体、例えば血液が逆流するのを防止するための止血弁80内に配置されている。制御器の各ペアはまた、図ではダイヤルまたはドライブネジの形をしている解除可能なエンド部材またはクランプ70b、72b、74b、76b、および78bを含んでおり、これを使ってストリングセットの自由端はそれぞれのハンドル部分またはハブに解除可能に固定されている。インプラントの各管腔端が展開できる状態になると、ドライブねじを選択的にゆるめて各ストリングセットの張りを解除できる。当業者は、様々な制御メカニズムの相対位置および配置が、提供を意図する、整然とした、人間工学的に設計されたプロフィールによって変わることを了解するだろう。
次に図2B、3A、および3Bを参照すると、各側枝の制御ハブ74、76、および78には、側枝カテーテルハブ84、86、および88がそれぞれ末端側に配置され結合している(図2Bには、最も基部側に配置されているハブ78および88のみ示す)。各ハブのペアの間には側枝カテーテル150a、150b、150cの基部部分94a、94b、94cがそれぞれ伸びており(図6A参照)、それらは各制御ハブ74、76、および78の後端にある密閉式ポート110a、110b、110c(図2B参照)から遠位端まで中間部材40内の各側枝カテーテル管腔148を通り伸びている(図6A参照)各側枝カテーテル150a、150b、150cの中には側枝ガイドワイヤー管腔152a、152b、153cがある(図6A参照)。ポート110a、110b、110cによって側枝ガイドワイヤー154a、154b、154c(図6A参照)をそれぞれの側枝ガイドワイヤー管腔152に入れて通すことが可能となる。側枝カテーテルおよび側枝ガイドワイヤーの一方または両方は一方に偏らせてもよい。各制御ハブ74、76および78は中間部材40と摺動可能に嵌合する。制御ハブの下側には一部が環状またはその他の形態をしたカフ96があり、ハブは中間部材40から完全に解除できるだけでなくその上を滑動できる。上記のように、側枝ステント管腔はそれぞれ側枝カテーテル150a、150b、150cの末端と、定められたアタッチメントストリングまたはアタッチメントストリングのセットによって解除可能に結合されている。図3Aおよび3Bに示す両形態では、アタッチメントストリングのセットは側枝制御ハブ74、76,78と関連する側枝カテーテルハブ84、86、88との相対位置に関係なく、それぞれの制御ハブ74b、76b、および78bによってそれらが完全に解除されるまで完全に張った状態に保たれている。制御ハブが、図2Aおよび3Bに示すように、遠位またはカテーテルハブに対し接近した位置に在る時は、側枝カテーテル150a、150b、150cの基端部分94a、94b、94cは関連するカテーテルハブの中に完全に収納されており、側枝ステントは部分的に展開した状態に保たれている。部分的展開状態では、側枝ステントは、引き伸ばされた側枝ステントの頂部または接続点に取り外し可能に取り付けられた各側枝カテーテルのストリングまたはストリングセットによって伸ばされた側枝カテーテル94a、94b、94cの各遠位端によって張力が加えられ、伸びた状態に保たれる。各側枝に加わる張力は側枝ステントを通り伝えられ、それによって、その長さを伸ばすと同時に直径は縮小するようになる。これによって、より大きなステント直径を、より直径の小さい側枝血管の中に配置できるようになる。この一部展開状態、即ち側枝ステントの直径が配置対象となる側枝血管より小さい状態は、インプラント周囲の血流を可能にするだけでなく、それによって設置中に下流にある血管および臓器への灌流を可能にする。供給を受ける下流の臓器の虚血を回避するために、作業中も交差する側枝血管に血液が流れ続けるようにすることが好ましい。側枝ステントは、側枝ステントの遠位端のクラウンに解除可能に取り付けられている側枝カテーテルが伸びることで伸張する。側枝ステントの伸張は、次のより小さな、標的とする側枝血管内への設置を可能にする。典型的には、自然、非制約状態の側枝ステントの直径はそれが設置される側枝血管の直径より約5%〜約50%大きい。逆に制御ハブが図2Bおよび3Aに示すように基部にあるか、または引っ込められた位置にあるときには、各側枝ステントは展開または非伸張状態に保持される。
側枝カテーテル150a、150b、150cはそれらの基端94a、94b、94cにおいて、それぞれの側枝カテーテルハブ84、86、88およびカテーテルハブの後端に配置された止血弁92a、92b、92cを通り伸びる。各側枝制御ハブ74、76、78は、止血弁(未表示)に作用するルアーフィッティング110a、110b、110c(図では110cのみ示す)を有している。止血弁は、ガイドワイヤーを密閉式に導入できるY字型アダプターまたはToughy−Borstアダプターでよい。Y字型ルアーアダプターは、カテーテルを体内に挿入する前に、カテーテルを食塩水でフラッシングすることによってガイドワイヤー管腔から空気を除くことができる。手順の次の段階では、側枝動脈を通る血流を可視化するために、この管腔を用いてX線撮影用色素を導入できる。
図4に示すように、基部ハンドル36aの後端に位置する本体ポート76は、中間部材40内の中心管腔138(図6Aおよび6Bを参照)を通り伸びているガイドワイヤー管腔44と流体連絡している。ガイドワイヤー管腔44は、システムの遠位部分32を脈管構造内にある標的のインプラント部位に導くだけでなく、インプラント可能装置の一次管腔の遠位端の配置およびインプラントを容易にするために用いられる一次ガイドワイヤー48を通過および並進するために提供される。本体ポート76は、側枝カテーテル制御ハブについて上述したルアーフィッティング110に類似のルアーフィッティングを持つ。
図4に更に示すように、装置30の遠位カテーテル部分32を、それが中に配置される脈管構造を通して操縦するための、基部ハンドル部分36から遠位方向に下向きに伸びているレバーメカニズム56が提供される。このレバー56は、図9Aに示す別のハンドル態様194の回転式制御ノブ193に置き換えることができる。操縦プルワイヤー、ストリング、またはフィラメント(図示せず)はレバーの基端に固定されており、カテーテル部分32を通り伸び、その遠位端は内部材42のノーズコーン46内で終わり且つ取り付けられている。レバー56はハンドル部分36aの内部に軸回転可能に連結されており、下向き(図4の矢印65aで示す方向)に回転すると、操縦プルワイヤーは弛緩またはゆるんだ状態になる。逆に、レバー56を上向きに回転すると(矢印65bで示される)、操縦プルワイヤーが引かれ、または張られて内部材42の遠位先端を曲げ、それにより装置30の遠位端を曲げる。任意の数の操縦プルワイヤーを用い、選択的に引っ張って装置30の遠位端を選択的に、インプラントシステムの前後軸に対し垂直な複数の方向に関節運動させることができる。典型的には、主題の運搬・展開システムは、少なくとも1つ、多くの場合2〜4つの関節末端点を持つだろう。これらの関節点は、カテーテル末端に複雑な曲がりを創出すために、カテーテル32の末端から1つ以上の距離に存在できる。
次にインプラント可能装置の、主題インプラントシステムの各種カテーテル、管腔、ガイドワイヤー、ポート、およびプルワイヤーに対する相対配置および接合を、図5A〜6C、6A、および6Bに関して説明する。図5A〜5Cは、外シース38の末端118から一部展開したインプラント可能装置120を示している。インプラント可能装置120は、主管状本体122を含み、1本以上の側部管状枝124を含んでよい。本体122のクラウンまたは頂部126の遠位先端および側枝124のクラウンまたは頂部128の末端部には、アタッチメントストリング132を受けるためのアイレットループ130が在ってよい(図5Cにのみ示す)。頂部で終わっているセル構造が提供する窓にアタッチメントストリングまたはストリングを通すことを含む、側枝124の端にアタッチメントワイヤーを輪結びする任意の手段を用いることができる。図5Cに示すように、図2Aのシステム30内に操作可能に装備された時、装置120の主管腔122は外シース38と内部材42の間に縦方向に配置され、且つ中間部材40の遠位端134の遠位側に位置する。
インプラント装置を外シース38内に装着するために、ハンドル制御器は中間部材の遠位端に対して内部材42の遠位先端46を伸ばしてステントを伸張するように設定されている。基部および遠位ハンドル部分36aと36bを図8Dに示すようにお互いから伸ばすと、ステントの主管腔は伸張または張られた状態になる。逆に基部および遠位ハンドル部分36aと36bが、図8Eに示すように伸ばされていないと、ステントの主管腔は伸展していない、または伸張されていない状態にある。内部材42および中間部材40の遠位管腔端は、遠位および基端側のステント主管腔開口部122に解除可能に取り付けられる1本または複数本のストリングの接続点である。上記のように、側枝ステントの遠位管腔端は、側枝カテーテルの遠位端に解除可能に取り付けられる。
図6Aは、図5Cの線A−Aに沿ったインプラントシステム遠位部の断面を示しており、具体的には中間部材40の遠位端の断面図である。この図面は、外部材38、中間部材40、内部材42の中心管腔138内に配置されている内部材42、および先端46を通り遠位方向に伸びている内部材40の中心ガイドワイヤー管腔44内に配置されている主ガイドワイヤー48の間の入れ子関係を示す。
内部材42は、直径が非常に小さい、例えば心臓血管に適用される場合は3〜8フレンチの範囲のカテーテルであり、且つ管腔44のような中心ガイドに加えて、主ステント管腔の遠位端にある接続点にアタッチメントストリングのアラインメントを指示する役割を果たす、中心ガイドワイヤー管腔44の周囲に円周状に配された複数のアタッチメントストリング管腔140を持つ。複数の管腔140は、部材42の遠位部分に設けられ、内部材42の全長に沿って伸びている。管腔140は、運搬システムのハンドル部分にある1又はそれ以上のフラッシュポートと連通しており、それによって食塩水を周囲の血流圧より高い圧力で管腔140内をフラッシュでき、装置管腔を血液が流れるのを防ぐことができる。また、管腔140は、装置を蛍光透視法により視覚化する際に使用する放射線不透性過造影色素の運搬にも用いることができる。管腔140および出口ポート186は、以下記載するようにステントの設置が満足できるフローパターンおよび治療結果をもたらすか確認するための、各種展開段階におけるインプラント内を流れる色素の視覚化を可能にする。
別の態様では、図10A、10B、および10Cに示すようにアタッチメントストリング管腔140は、内部材40の全長の一部分だけに沿って、たとえば遠位方向から基部に向かって数ミリメートルだけ伸びてもよい。この態様は、1本のアタッチメントストリングだけを複数のステント接続点に使用する場合に特に適している。この場合、1本のストリング要素は遠位管腔の一つから出て、ステント接続点の中を通り、別の管腔を遠位方向から基部方向に通過し、その管腔の基部から外に出て別の管腔の中を遠位方向から基部方向に通り、別のステント接続点を通る。この織り交ぜパターンは、周囲の複数の管腔に通された1本のストリングで全てのステント接続点が編まれるまで続けられる。アタッチメントストリング管腔が内部材の全長の一部だけに伸びるこの形状は、中間部材40および側枝カテーテル94a、94b、94cにも用いることができる。このようなストリング管腔形状を用いた中間部材に関しては、中間部材40の基部部分は内部材42を含んだ単一管腔であり、より短い周囲の管腔は側枝カテーテルだけでなく主ステント管腔の基部端向けのアタッチメントワイヤーも含むだろう。この態様および以下論ずる態様から分かるように、任意の編みパターンの組み合わせを用いて、個々のステント端部を、それが取り付けられる各カテーテルに取り付けることができる。
図6Aを再度参照すると、遠位アタッチメントストリング管腔140の数はアタッチメントストリング132の数の2倍であり、ここでは各遠位アタッチメントストリング132に1組の隣接するアタッチメントストリング管腔140a、140bが提供されている。この場合装置120が展開システム内に完全に装着されると、遠位アタッチメントストリング132の第1部分は管腔140a内に在って、遠位アタッチメントストリングの第2もしくは戻り部分は管腔140bの中に在る。
アタッチメントストリング管腔140に加えて1又はそれ以上の操縦プルワイヤー管腔142も存在し、その機能は図4に関係して上記した。典型的には、1または2組の正反対(180°離れた)の操縦プルワイヤーを用いて、運搬システムの遠位端に対抗する直角方向の反りを提供する。使用する操縦プルワイヤーのペアの数が多いほど、運搬システムの関節運動の操縦方向は大きくなる。
内部材42にその中を並進する中心管腔138に加えて、中間部材40は複数の基部アタッチメントストリング管腔のペア146a、146bを含み、このとき管腔146aは管腔146bから外側に放射状に置かれて示されている。装置120の主管腔122の基部クラウン(未表示)に取り付けられているか、またはその中を通っているアタッチメントストリングは管腔146を利用する。基部アタッチメントストリング管腔146の数は、基部アタッチメントストリングの数の2倍であり、各基部アタッチメントストリングについて1組のアタッチメントストリング管腔146a、146bが提供されており、即ち装置120を運搬・展開システム内に完全に装着すると、基部アタッチメントストリングの固定端部は管腔146aの中に在り、基部アタッチメントストリングの遠位もしくは返し部分は管腔146bの中に在る。
アタッチメントストリング管腔146に加えて、中間部材40も複数の管腔148を具備しており、これらも中心管腔138を囲んで円周状に配され、且つ好ましくは基部アタッチメント管腔146のペアの間に入れられており、この場合1つ以上の管腔148を用いて側枝カテーテル150を並進および運搬することができる(図6Aに簡単に示す)。側枝カテーテル150は、側枝ガイドワイヤー154を運搬および並進させるための中心側枝ガイドワイヤー管腔152を具備している。ハンドルフラッシュポート(図示せず)から伸びる追加の管腔148が、運搬システム30から空気を抜くために備えられている。追加の管腔148はまた、薬理物質、幹細胞、およびその他作用物質のような溶液および潜在的治療薬を用いて調製する必要のある組織グラフト被覆物またはその他皮膚空物を脱水できるようにもする。これにより運搬カテーテル内に束縛されるステントグラフトまたはその他装置を乾燥した脱水状態にすることができ、それらは続いて包装、滅菌、および使用時にカテーテルをフラッシングおよび調製して再水和される。使用されていない管腔148は、中間部材に、特に装置の遠位端を複数の関節点で一方向に曲げる場合に、高い可撓性を提供する。
図7A、7B、および7Cは本発明の運搬システムとの使用に好適な側枝カテーテルの様々な可能な態様を示している。図7Aの側枝カテーテル160は、中心管腔162の回りに円周状に配列された中心ガイドワイヤー管腔162および複数のアタッチメントストリングの管腔164を備えている。管腔164は、装置120の側枝管腔124の遠位クラウン128に輪を作るかまたは通されているアタッチメントストリング(図示せず)によって利用されるか、または占有されている(図5A参照)。側枝アタッチメントストリング管腔164の数は側枝アタッチメントストリングの数の2倍であり、側枝アタッチメントストリングそれぞれについて一組のアタッチメントストリング管腔146a、146bが提供されており、換言すれば装置120が完全にインプラントシステム内に装着された時、側枝アタッチメントストリングの基部部分は管腔164aの中に在り、側枝アタッチメントストリングの遠位もしくは戻り部分は管腔164bの中に在る。
図7Bの側枝カテーテル170は、中心管腔174を持つ外部材172およびその中に同心的に配置されている内部材176を備えている。内部材176もまた、側枝ガイドワイヤー(図示せず)を並進および運搬するための中心管腔178を持つ。外部材172は更に複数の側枝アタッチメントストリング管腔180を備えており、そのとき側枝アタッチメントストリング管腔180の数と側枝アタッチメントストリング(図示せず)の数の間には一対一の関係がある。この態様では、側枝アタッチメントストリングの基部部分は外部材172の内直径と内部材176の外直径との間の空間内に在り、ストリングの遠位または戻り部分は、遠位アタッチメントアイレット、クラウン、またはセルの中に輪を作って通された後に外部材172の管腔180を通る。
図7Cに示す側枝カテーテル200の別の態様では、側枝カテーテルは2つの同心的な単一管腔から組み立てることができる。内直径を画定する1本の単一管腔チューブ202と外直径を画定する別の単一管腔チューブ203が、外チューブ202の内直径と内チューブ203の外直径との間の空間201内に納められる側枝アタッチメントに提供される。内チューブの内直径は、図7Cに示すようなアタッチメントストリングから分離している側枝ガイドワイヤー管腔204の中をガイドワイヤー(図示せず)を並進させるのに用いられる。この管腔の形態は中間部材と内部材にも採用できる。
図6Bを参照すると、図5Cの線B−Bに沿って得た、特に内部材42が終わる遠位先端46の基部端を横切る断面図が示されている。遠位先端46は、ガイドワイヤー管腔44の遠位部分だけでなく内部材42の遠位アタッチメントストリング管腔140の遠位管腔部分182も提供しており、そこには複数の遠位管腔部分182が軸方向に並べられており、且つ内部材アタッチメントストリング管腔140と一対一に対応している。このとき各遠位アタッチメントストリング132には、隣接するアタッチメントストリング182a、182bの同じ組み合わせ与えられており、換言すると遠位アタッチメントストリング132の固定端部分は管腔部分182aの中に在って、遠位アタッチメントストリングの解除可能または戻り部分は管腔部分182bの中に在る。図6Cに最もよく示すように、アタッチメントストリング132は、管腔部分182a内を通過した後に指定された基部側方ポート184を通り遠位先端46の外に放射状に出て行く。次にアタッチメントストリングはアイレット130またはクラウンもしくは頂部126の回りに輪を作るかまたは通され、あるいは主管腔122の特に遠位にあるセルに通されて、遠位先端46の指定された側方ポート184を通って戻され、そうしてそれらはそれぞれの管腔部分182およびそれぞれのアタッチメントストリング管腔140に再び入る。このようにして、全てのアタッチメントストリング管腔のペアについて半数の側部ポートが存在しており、換言するとアタッチメントストリング132の数と遠位先端側部ポート184の数との間には一対一の関係が存在している。遠位先端46はまた、インプラントを組み立てる間に運搬システムにストリングを装填し易くする遠位側部ポート186も備えている。
本発明のシステムと共に用いられるカテーテルおよび/またはガイドワイヤーは、1又はそれ以上の小型トランスジューサーをカテーテルまたはガイドワイヤーの先端に装着して電子シグナルを外部画像処理システムに送る血管内超音波(IVUS)画像化能力を備えることもできる。このようなトランスジューサーアレイは回転させて、関連する枝ステントを受ける関連する枝血管もしくはカテーテルが挿入されるその他の空所、血管組織、および/または血管を取り巻いている組織について、取り除く正確な場所を示す動脈管腔の画像を作り出すこともできる。ステントの運搬および展開中の視覚化を容易にすることに加えて、このようなシステムは、通常のx線血管造影では得られない重要な診断(即ちステント設置前)情報、例えば動脈瘤の場所および大きさと提供することによって、診断および治療の効果を高める。血管内超音波(IVUS)画像化カテーテルは一般的には、側枝血管を誤って被覆しないことを保証することを含めた様々な理由から枝を持たないステントを設置する前に、適切なサイズのステントグラフトを選ぶ手順の中で予備的段階として用いられている。ステント運搬カテーテルの先端に画像化能力を組み入れることには、カテーテル交換が省けることによる時間節約の利点もある。アクセス部位でのステント運搬カテーテルとIVUSカテーテルの交換を回避するのに一般的に行われている第2の方法は、別のアクセスポイントを作り別個にIVUSカテーテルを導入する方法である。ステント運搬カテーテルの先端にIVUSトランスジューサーを一体化することによって、画像化カテーテルを鼠径部アクセス部位にて両側性に導入した時に避けられない2回目の血管アクセスによる傷を排除することができる。また、ステントを別のステントの内側に配置すればIVUSカテーテルを用いて第2ステントを第1ステントの管腔内で重複する形で展開させて治療領域のカバー長を確実に広げることもできる。第1ステントを設置し、下流部分が大動脈瘤嚢の中で自由浮動している場合、第1ステント内に設置される第2ステントが第1ステントの管腔から出ないように注意しなければならない。これを怠ると誤って血管を閉塞させ、手順を変更して誤配置された第2ステントを手術によって取り除くことが必要となることもある。
装置のインプラント方法
ここで主題の装置のインプラント手順を、図8A〜8Hについて、図1Aに示すような本体管腔4および3つの側枝管腔6a、6b、および6cを持つ本発明のステントグラフト2を大動脈弓5内に経皮的にインプラントし、インプラントによって本体管腔4は大動脈弓5内に存在し、3つの側枝管腔6a、6bおよび6cは図8Hに示すようにそれぞれ腕頭動脈7a、左総頸動脈7b、および左鎖骨下動脈7c内に存在するようになる大動脈弓への応用を例に説明する。
Seldinger技術を用いて左大腿動脈8から、または腹部大動脈切開を通して動脈ガイドワイヤー48を、図8Aに示すように、遠位先端48aが動脈弁10に達するかまたはこれを通過するまで、脈管構造の中を大動脈弓5まで進める。次に、その中にステントグラフト2が動作可能に装着されている本発明のインプラントシステム30のカテーテル部分32を、経皮的にガイドワイヤー48の上に沿って患者体部中に導入する。
また、ある物質、例えばECMで被覆されているステントグラフトまたはステントは、インプラント手順開始前にグラフトまたは被覆物を元に戻すか水和することが必要となる場合がある。これは、運搬システムカテーテルのガイドワイヤー管腔を、カテーテルを体内に挿入する前に食塩水でフラッシングすることによって達成できる。あるいは、これはシースを被せる前に、体外ですすぎ洗いすることによっても実施できるだろう。
ステントグラフト2がカテーテル部分32の中では負荷がかけられて未展開状態である間、運搬システムのハンドルは引き込み位置、即ち基部ハンドル部分34aおよび遠位ハンドル部分34bが嵌め合わされた状態にある。ハンドルが引き込み位置にある時(図8Bおよび8Dに示す)、内部材42は遠位方向の前進位置に固定され、中間部材40は、基部側に引き込まれた位置に固定されている。中間部材と内部材のこの相対的な軸関係は、ステントグラフト2または少なくともその主管腔4を伸展状態または伸長状態に維持する。主管腔4の遠位クラウンが、更に基部ハンドル部分34aに固定されている内部材42の遠位端に取り付けられおり、且つ主管腔4の基部クラウンが更に遠位ハンドル部分36bに固定されている中間部材40の遠位端に取り付けられている結果、このようになる。
次にカテーテル部分32を必要に応じて操作レバー56を使って操縦し、それにより図4に関係して上記したようにカテーテル32の遠位先端を屈折させて下降動脈内を進め、次に大動脈弓5内に進める。カテーテル部分が適切に回転できるように位置を取り、ステントグラフト2の側枝管腔6a、6b、および6cが、それらが送り込まれる先のそれぞれ動脈7a、7b、および7cと実質的に一列に並ぶことが重要である。そのためにカテーテル32は回転が可能であり、またカテーテル部分32の運搬をさらに容易にするためにx線透視装置の案内を利用してもよい。具体的にはステントグラフト管腔のクラウンにあるx線透視装置マーカー(図示せず)を追跡して、それぞれについて動脈内での最適設置場所を正確に指示することができる。ステント自体が放射線不透過であってもよい。カテーテルの先端もまた放射線不透過であろう。伸張された主ステント本体および側枝ステント本体を標的のインプラント部位に入れられた屈折可能な先端を持つガイドワイヤーによって操縦するように、操縦可能なガイドワイヤーを用いて主カテーテル32および側枝カテーテルを案内できる。
運搬・展開の手順を通してカテーテル部分32の様々な管腔は、流体、例えば食塩水または造影剤で、動脈血の圧力より大きいかまたは実質的に等しい圧力で逆行方向(血流に対し)で連続的にフラッシングできる。これは、起こり得るシステムからの血液の漏れを防止するだけでなく、運搬工程の機能遂行に対する妨害を防ぎ、特にステントストリング管腔を血液のない状態に保ち、そうすることによって管腔内での凝固を排除する。これに加えて、ステントグラフトの各管腔端(即ち主管腔4の基部端および遠位端、ならびに側枝管腔の遠位端)は本発明の運搬・展開システム30によって個別に制御されているため(しかし、いくつかもしくは全てをまとめて制御することもできる)、解剖学的構造内で展開中にステントの相互接続したセルを軸方向に選択的に引き伸ばし、装置周囲の血流を持続することができる。この軸方向の伸長特性によって、小さな直径を持った血管の中により直径の大きな側枝ステントをインプラントすることも可能になる。
ひとたびカテーテル部分32の遠位端が大動脈弓5の中に作動可能に配置されると、フィッティング50(図3A参照)を手で引くことによって外シース38は引っ込められ、内部材42のノーズコーン46の基部端を露出して、図8Cに示すようにステントグラフト2の主もしくは動脈管腔4の遠位部分が下降動脈の中で部分的に展開する。ステントグラフト2が部分的に展開されると、換言すると主動脈管腔4が伸展もしくは張られた状態に維持されると、動脈弁10から出てくる動脈血流は主管腔4の中および周囲を流れる。主管腔4が部分的に展開したこの状態にあるとき、ステントグラフト2は血管壁にまだ係合しておらず、それ故に壁との接触する摩擦抵抗を受けていないために脈管構造内で容易に再配置でき、当然起こりうる内皮細胞への損傷および/または血栓塞栓が回避できることを記すことは重要である。
ステントグラフト4の様々な側枝管腔6a、6b、および6cは、順番に(1度に1つ)または平行して一緒に(同時に)連続的に展開できるが、側枝ステント管腔は最も遠位に配置されたステント管腔(6a)から最も基部にあるステント管腔(6a)に向かって順番に1度に1つずつ展開するのが最も容易である。この展開順番は、ステントグラフト上の外シース38の不必要または反復的な並進を除き、即ち逐次的な、一方向(基部側)の並進のみを必要とする。このことは、グラフト材料の摩滅を最小化する意味で有益であり、ある物質、例えば細胞外マトリックスまたは薬物でコーティングする場合に特に重要である。この展開の順番は更に必要な展開段階を減らし、それによりインプラントに必要な合計時間も短縮する。
ステント管腔6aのような側枝ステント管腔を展開するには、側枝ガイドワイヤー154を各制御ハブの側枝ポート110の中(またはその中に前もって入れておくこともできる)の最遠位の進行位置に挿入して、中間部材40の管腔148内に配置された側枝カテーテル150の管腔152(図6A参照)に入れる。同時に、外シース38を基部方向に徐々に引き込みガイドワイヤー154の遠位端を側枝カテーテル150の中を並進させその遠位端から出し、図8Cに示すように腕頭動脈7aに入れる。次にそれぞれの制御ハブ74を中間部材40にそって遠位方向に並進させ、関連するカテーテルハブ84と完全に嵌合させ、それによって取り付けられたアタッチメントストリングによって側枝ステントセルに加えられる張力を最大にしながら、図8Dに示すように側枝ステント6aを部分的に展開する。本体ステントセルは、近接するハンドルを用いて制御される内部材と中間部材の相対位置を通して遠位方向から基部方向に引っ張られ続けられ、一方側枝ステントは同様に遠位方向に進められた側枝カテーテルによって伸張状態に維持されることに注意する。この手順を側枝ステントの残りの部材、この場合は、図8Dに示すようにそれぞれ左総頸動脈7bおよび左鎖骨下動脈7cの中に運搬される側枝ステント6bおよび6cについて必要なだけ繰り返す。この部分的に展開した状態では、アタッチメントストリングがどれだけ強く、且つどれだけの長さ内部材の出口ポート184に向かって引っ張られたかによって血液は装置の周りならびにインプラントの中を流れる。装置の周りを流れ、装置の管腔を通過しないことが望ましいが、これは主管腔の遠位端のアタッチメントストリングを締めてアタッチメントの長さを最も短くして、それによってステントグラフトの主管腔を遠位先端46または内部材42に接近した状態に保つことで達成される。遠位主ステントとその内部材との接続部の間の距離は、クランプが遠位アタッチメントストリングをロックしている場所を調節および選択することによってストリングクランプ70bにより制御されている遠位アタッチメントストリングの長さにより制御できることを記すことは重要である。この調節は、ステントを運搬している間にin situで実施できる。同様に、基部主ステント端とその中間部材との接続点の間の距離も、クランプが基部アタッチメントストリングをロックする場所を調節および選択することによってストリングクランプ72aにより制御されている基部アタッチメントストリングの長さにより制御できる。この調節は、ステントが運搬あれている間にin situで実施できる。
枝動脈内に部分的に展開した状態の全ての側枝ステントを設置すれば、ステントグラフトを完全に展開することができる。これはシステムのハンドルを拡張位置まで動かすこと、即ち図8Eに示すように、基部ハンドル部分34aおよび遠位ハンドル部分34bを互いに軸方向に離すことによって達成される。この活動は、内部材42を固定された中間部材40に対し基部方向に並進させ、これが次に主管腔4のセルに加わっている張りを緩め、それの結果管腔端は互いに接近する。このようにしてステントが収縮すると、それに応じて主管腔4の直径は増加し、これによって主管腔4は動脈壁に固定される。
側枝カテーテルも同様にして、各制御ハブ74、76、78を対応するカテーテルハブ84、86、88からある距離さらに動かすことによって基部方向に並進させ、これによって側枝ステントのセルに加えられている張りを緩める。こうすると管腔端が短縮し、それに応じて側枝管腔6a、6b、6cの直径が増加する。ステント端とカテーテル端の間の距離は、固定端のノブ70a、72a、74a、76a、78aと解除可能な端部クランプ70b、72b、74b、76b、78bの間を横切るストリングの長さを調節することで制御できることを記すことは重要である。
ひとたびカテーテルハンドルおよび側枝カテーテルを並進させてステントセルの張りを解除し、ステントが直径まで広がり周囲の動脈壁を圧して拡張すると、全血流は装置の遠位端に入り、装置のその他全ての管腔から出て行く。ステントが完全に展開した後、血流はステントグラフトの外側の周りから密閉されていることが好ましい。
ステント自体は図8Eに示すように完全に展開しても、それにはまだアタッチメントストリングのセットによって内部材42、中間部剤40、および各側枝カテーテル150a、150b、150cに取り付けられている。次にステントグラフトの管腔端はそれぞれのカテーテルから外すことができる。ステントグラフトの管腔端は、任意の順番で連続して(1度に1つ)または平行(同時に)して一緒に解除できる。図8Fに示すように、側枝管腔6bおよび6cの管腔端は解除され、同時にそれぞれのアタッチメントストリング190、側枝カテーテル150a、150b、150c、および側枝ガイドワイヤー154も引っ込められている。側枝管腔6aについて描かれているように、各側枝管腔端についてカテーテルの分離は、その各カテーテルハブ74、76、78にある指定された制御クランプ74b、76b、および78bを動かしてストリング190の自由端をカテーテルハブのネジランプから開放し、同時に制御ノブ74a、76a、および78aをハンドルから外し、自由端が図8Fの各ステントのクラウン128から抜けるか、または外れるまでストリング190を引っ張ることによって達成される。ストリング190は、その自由端がクラウンを解除するが、カテーテル部分32の遠位端内に引き入れることができるだけ引くことを必要とする。
図8Gに示すように、主管腔4の遠位および基部端の展開についても同様の手順が行われるが、この場合どちらの端を最初に展開しても、または両方の端を同時に展開してもよい。指定された制御クランプ70b、72bを動かしてストリング192の自由端を同時に解除し、制御ノブ70a、72aをハンドルから取り外し、そうしてストリング192を自由端が各ステントのクラウン126から抜けるか、または外れるまで引く。ストリング192は、その自由端がクラウンを解除するが、カテーテル部分32の遠位端内に引き入れることができるだけ引くことを必要とする。次に図8Hに示すようにステントグラフト2を大動脈弓5内に完全に展開した状態のまま、カテーテル部分32全体を脈管構造から抜く。
次に図11を参照すると、上記手順の部分展開の段階が、図1Eのインプラント210の運搬・展開について示している。具体的には、運搬システムのカテーテル部分38は、主ステント管腔122の遠位部分が動脈根および上行動脈240の中で部分的展開し、且つ側枝管腔214aおよび214bがそれぞれ右および左冠状動脈口220、222の中で部分的に展開した状態で動脈内に配置されている。主ガイドワイヤー218はカテーテル38から伸びて自然動脈弁224の元の位置を横切るが、一方側枝ガイドワイヤー226および228はそれぞれ側枝カテーテル230および232から冠状動脈口220、222の中を伸びている。インプラントの主管腔についてアタッチメントストリングを解除すると、人工動脈弁216は自然環224の中に収まるだろう。側枝管腔214a、214bは互い同士、および主管腔212と同時に、または任意の順番で連続的に展開してもよい。
記載したような手術または血管内の手順では、患者に行う切開は少ないほどよい。もちろん高度な技術を持った外科医または医師による高度に特殊化した装置および用具の使用を必要とすることも多い。このことを考えると、1つ以上の二次切開を作り利用することを含むように上記の単回切開による装置インプラント手順に変更を加え、運搬システム32のカテーテル部分38のインプラント位置での初期運搬を容易にし、その部位でそれを展開してステントグラフトの適切な方向を確保するようにしてもよい。
本発明の2回切開(または多数回切開)の手順は、一次切開、例えば上記のように大腿動脈を切開し、そこから体内の第1血管内、例えば大動脈弓内に上記運搬・展開システムを導入し、且つ第1血管と交差する少なくとも1本の血管、例えば大動脈弓の側枝の一つへのアクセスを提供する場所に第2の切開(またはそれ以上)を行う。次にこの手順について、図12A〜12Fを参照しながら、左大腿動脈8に作られた大動脈弓5にアクセスする一次切開および短頭動脈または橈骨動脈15に作られた、1本以上の大動脈樹の動脈にアクセス単一の二次切開を用いて本発明のステントグラフト2を大動脈弓にインプラントする例で説明する。
第1および第2アクセス切開を−それぞれ左大腿動脈8および左短頭動脈15に作った。Seldinger技術によって、第2または「係留」ガイドワイヤー300を左短頭動脈15を通して腕頭動脈7の中に進める。次にガイドワイヤー300を更に大動脈弓5、下行大動脈11、腹部大動脈13、および左大腿動脈8の中に進め、そこで図12Aに示すように大腿切開を通り体外に出す。次に第2または「係留」カテーテル302をガイドワイヤー300の大腿端300aの上をガイドワイヤーの全長に沿って、カテーテル302が図12Bに示すように上腕切開部の外に出るまで辿らせる。心臓血管適用向けの任意の好適な既製システムを、第2または係留ガイドワイヤーまたはカテーテルとしての使用に応用できる。例示したような二管式の急速交換(RX)カテーテルは、カテーテル302の基部端に配置された第2管腔を持つ。RXカテーテルの優れた点は、それが管腔から出るまでにストリング(またはガイドワイヤー)を押さなければならない距離が、その柔軟な性質故にストリングを押すことが難しいような大きな距離ではなく、比較的短い(ほとんど「プッシュ性」を必要としない)ことである。あるいは図12C’に示すように、カテーテル302のまさに端部のカテーテル壁内に通し穴または目抜き穴を設けてもよい。
次に上記インプラントシステム30には、その中に作動可能に装着されるステントグラフト2が与えられる。この手順では、図12Cに示すように側枝アタッチメントストリング190、または少なくともその1本のストリングを、最も遠位方向に位置する側枝ステント管腔6a(即ち腕頭動脈内7aへのインプラントを目的とする管腔)およびその付属物(1個以上のステントクラウンに付属している)を展開するために、一次またはステント運搬システムカテーテル38の側枝カテーテル150aから伸ばし、次に側枝係留チューブ35を通す。次にストリングに結び目37aを作って、基部方向、カテーテル150aおよびチューブの中に引き戻されるのを防ぐ。次に残ったストリング190の遠位方向の長さを係留カテーテル302の交換管腔304に通す。次に再度ストリングの端に結び目37bを作り、ストリングが交換管腔304から基部方向に抜けないにする。図12C’の第2のカテーテルの態様では、ストリングを主管腔302の中に通し入れて側穴305から外に出す。次に遠位ストリングの端に結び目37bを作る。
次に第2カテーテル302を大腿切開部から二次ガイドワイヤー300の上を、牽引中の側枝カテーテル150aおよび一次または主ガイドワイヤー48を含むステントカテーテル38全体と一緒に、図12Dに示すように上腕切開部からカテーテル302が完全に引き抜かれ、且つ側枝カテーテル150aの遠位端も上腕切開部から出るまで逆向きに進める。そうすると係留ガイドワイヤー300を体から取り除くことができる。この時点で、ストリング190を側枝カテーテル150aの遠位端と二次カテーテル302の反対端との間の位置307で切断し、係留カテーテル302をステント展開システムから解除する。
ストリング190に加えられた張力とその並進によって、ステントグラフト4の側枝6aは、部分的に展開した状態で(即ち露出し伸展した状態)、図12Eに示すように腕頭動脈7a内に引き込まれる。同時にステントガイドワイヤー48は、大動脈弓5を超えて進み、大動脈弁10を横切り、それによってノーズコーン46、従って一部展開した(即ち露出し、伸展または伸張状態の)主ステント管腔4の遠位端を上行動脈内に進める。その間にステントカテーテル38はステントガイドワイヤー48を辿って大動脈弓5内に入る。ステントカテーテル38のそれ以上の前進は、一部展開した側枝内腔6aによって阻止される。上記のように、伸展または伸張状態に保たれた主管腔4(ならびに側枝管腔6a)は様々な利点を提供する:大動脈弁10から出る動脈血流を脳および体部に流すことができる;ステントグラフト2の再配置が可能であり、大動脈壁からの内皮損傷および/または血栓塞栓の確率を非常に小さくできる。
2本以上の側枝管腔6a、6b、6cを持つ、図12Fのようなステントおよびステントグラフトについては、1本の側枝管腔を持つステントのインプラントに関する上記および12A〜12Eに示す手順を、別々の指定された係留ガイドワイヤーおよびカテーテル150a、150b、150cを用いて同時に行う。図12Fに示すように、主ステント管腔4の少なくとも遠位端を上行大動脈内に正確に配置し、且つ一部を展開すると同時に、それぞれの側枝管腔6a、6b、6cをそれぞれ腕頭動脈7a、左総頸動脈7b、および左鎖骨下動脈7cの中で展開する。または、1本以上の側枝管腔を図12A〜12Fに関係して記載したように一部展開し、残りの側枝管腔がある場合にはそれを図8Cおよび8Dに関して上記した様式で展開してもよい。最後に、全ての側枝管腔6a、6b、6cをそれぞれの動脈内で部分的に展開しなが、図8E〜8Hに関して記載した手順段階を実施してステントグラフトの全ての管腔を完全に展開し、運搬システムを体外に取り出す。
本発明のインプラントは、細長部材、即ちストリングによって展開が可能であるものとして記載されているが、主題のインプラントは、その管腔端を拡張可能な単一または複数の部材による展開に合わせて形成されるように形作れることが了解される。例えば、インプラントの(即ち主管腔および側枝管腔の)各端部は、負荷が加わった未展開の状態において、カテーテルに取り付けられた拡張可能なバルーンの周囲に設置することにより、1つ以上の入れ子式カテーテルと連結できる。バルーンは、部分的または完全に拡張した状態でインプラント端部と十分に滑合しており、カテーテル構成要素を操作した時にインプラントの管腔はその全長に沿って選択的に伸展または伸張される。
上記は発明の原理を単に例示しものである。当業者は、ここに明確に記載または示されていないが、発明の原理を包含し、且つその精神および範囲内に含まれる様々な組み合わせを考案することができることを認めるだろう。さらには、ここに引用された全ての例および条件語は、読者が発明者の成した当技術分野の進歩に寄与する発明の原理および概念理解するのを助けることを第一の目的としており、このような具体的に引用された例および条件に限定されないものと解釈しなければならない。さらには、ここに引用した発明の原理、局面および態様、ならびにその具体例に関する既述は全て構造的および機能的なその均等物を包含すると解釈される。更には、このような均等物は現在知られている均等物と今後開発される均等物、即ち構造とは無関係に同一の機能を実行する、開発された任意の要素の両方を含むと解釈される。それ故に本発明の範囲は、ここに示し記載した例示的態様に限定されるものではない。むしろ本発明の範囲および精神は、添付した請求項に包含される。
発明は、添付の図面と一緒に読む時、以下の詳細な説明から最もよく理解される。図面の様々な造形は、慣行に従い寸法通りではないことを強調しておく。むしろ各種造形の寸法は、分かり易くするために自由裁量によって拡大または縮小されている。更に明瞭さを目的として、幾つかの図面では発明の特定の造作が描かれていないこともある。図面の内容は次の通りである:
図1Aは、自然展開状態の本発明のインプラントの一つの態様を示す図である。 図1Bは、自然展開状態の本発明のインプラントの別の態様を示す図である。 図1Cは、側枝の管腔に角度が付いているインプラントの別の態様を示す図である。 図1Dは、図1Cのインプラントの端面図である。 図1Eは、インプラントと効果的に連結した心臓弁を有する発明のインプラントの別の態様を示す図である。 図2Aは、本発明のインプラントを体内の管状組織構造内に運搬し且つ展開するための、本発明のシステムの透視図である。 図2Bは、側枝制御装置およびカテーテルのハブを含む図2Aのシステムの一部の拡大透視図である。 図3Aおよび3Bは、それぞれ開いた状態および閉じた状態の、図2Aおよび2Bのシステムの側枝制御措置およびカテーテルハブの側面図である。 図4は、図2Aのシステムのハンドル部分の側面図である。 図5Aは、本発明のインプラント可能な装置がインプラントシステムから部分的に開いた状態にある、本発明の運搬・展開システムの遠位端の側面図である。 図5Bは、図5Aのシステムおよびインプラント可能装置の上面図である。 図5Cは、図5Bの縦方向断面図である。 図6Aは、図5Cの線A−Aに沿った断面図である。 図6Bは、図5Cの線A−Aに沿った断面図である。 図6Cは、図5Cの運搬・展開システムのカテーテル先端部分の縦方向断面図である。 図7A、7B、および7Cは、本発明の側枝カテーテルについて実行可能な態様の断面図である。 図8A−8Hは、本発明のインプラントシステムを用いて、本発明のステントを運搬するための本発明の方法の様々な段階を示す図である。 図9は、本発明の運搬・展開システムのハンドル部分の別の態様を示す図である。 図10Aは、本発明の運搬・展開システムのカテーテル部分の内部材の態様の側面図である。 図10Bは、図10Aの線B−Bに沿った図10Aの内部材の断面図である。 図10Cは、図10Aの線C−Cに沿った図10Aの内部材の断面図である。 図11は、大動脈根内の図1Eのインプラントの部分的展開を示す図である。 図12A−12Fは、本発明のインプラントシステムを用いた、本発明のステントを運搬するための本発明の別の方法の様々な段階を示す図である。 図13A−13Cは、本発明のステントおよびステントグラフトを作製するための様々な例示的なマンドレルの意匠を示す図である。 図14は、本発明のステントを形作る例示的なワイヤーの巻織りパターンを示す図である。 図15は、本発明のステントのインプラントの様式の一つを示す図である。

Claims (9)

  1. 第1のカテーテルと、
    少なくとも1つの第2のカテーテルと、
    基部端および遠位端を有する主管腔を有する主本体と、前記主管腔に流体的に接続され、前記主管腔から側方に延びている側枝管腔を有する少なくとも1つの側枝本体とを含むステントと
    を備えたステント装着カテーテルアッセンブリーであって、
    前記ステントの少なくとも前記主本体は、前記第1のカテーテルに取り外し可能に結合され、かつ、前記第1のカテーテルから取り外す前に前記主本体を部分的に展開および再配置することを許容するように前記第1のカテーテルから部分的に展開可能であり、
    前記アッセンブリーから前記ステントを展開する際に、前記少なくとも1つの側枝管腔が、前記第2のカテーテルと共に移動可能であり、かつ、前記主管腔の前記基部端および前記遠位端に対して調節可能に再配置されるように選択的に伸張されることが可能であり、かつ、前記主本体が前記第1のカテーテルから部分的に展開される場合において前記主本体とある交差角度でさらに調節可能に配置可能であるように、前記側枝本体が前記第2のカテーテルに結合されている、ステント装着カテーテルアッセンブリー。
  2. 前記ステントの少なくとも一部を被覆するグラフト材料をさらに備えた、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  3. 少なくとも1つの第2カテーテル管腔をさらに備え、
    前記ステントの前記少なくとも1つの側枝管腔は、第2カテーテル管腔内に配置されており、さらに、単一のステント管腔のみが各カテーテル管腔内に配置されている、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  4. 前記第1または第2のカテーテルのうちの少なくとも1つは、関節運動可能な遠位端を有している、請求項3に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  5. 前記カテーテルアッセンブリーが辿ることが可能な少なくとも1つの関節運動ガイドワイヤーをさらに備える、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  6. 前記カテーテルおよび前記ガイドワイヤーのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの血管内超音波トランスジューサーを含む、請求項5に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  7. 前記ステントへの取り外し可能な取り付けに適合した少なくとも1のストリングをさらに備えた、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  8. 複数の織られたワイヤーが、前記ステントの主本体および少なくとも1つの側枝本体を形成している、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
  9. 単一の織られたワイヤーが、前記ステントの主本体および少なくとも1つの側枝本体を形成している、請求項1に記載のステント装着カテーテルアッセンブリー。
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