JP4931351B2 - 3次元定型培地 - Google Patents
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一例として従来のポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の選択培地は、羊血液にペプトンを基礎としてナリジクス酸15mg、バシトラシン10mg、コリスチン硫酸塩10mgによる2次元培地しかなくこのいわゆるBGA培地は、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の発育支持、選択性などもわるく、かつこの培地に生える他の細菌コロニーとの鑑別さえもできていなかった。この培地に血液溶解手段などを採用するなどにより発育支持、選択性、鑑別性が格段に良くなる。さらにカナマイシンなどの抗生剤を、0g/リットルよりおおきく、1g/リットル程度以下、このましくは0.2g程度追加投与するとさらに選択性が格段に良くなる。さらにまた3次元培地手段を使用すると発育もよく、採取部位での活動度の判別もよく、さらに嫌気ジャーなどの特殊な培養手段を使用せずに嫌気培養ができる。定性、定量、同定、鑑別、病原性、活動性などの計測、検査も容易にできるようになる。
請求項1の3次元定型培地は、
微生物や細胞を培養するための3次元定型培地であって、
(a)微生物や細胞を培養するための培養成分、及び
(b)前記培養成分を保持するための培地基材であって、微生物や細胞が事実上進入することのできない素材からなる培地基材、
とを備え、前記培養成分が、前記培地基材どうしの接合により生じる、毛細管現象がおこる程度の間隙である、少なくとも培養空間に保持されていることを特徴とする。
2〔請求項2の手段〕
請求項2の3次元定型培地は、
請求項1の3次元定型培地であって、
採取した採取物を前記培養空間に付与するための深部挿入手段を
備える事を特徴とする。
3〔請求項3の手段〕
請求項3の3次元定型培地は、
請求項1または請求項の2いづれかにおける3次元定型培地であって、
前記培地基材における酸化還元電位一定の位置に前記培養空間を設定し、その培養空間を酸化還元電位一定とすることを特徴とする。
4〔請求項4の手段〕
請求項4の3次元定型培地は、
請求項1から請求項の3のいづれかにおける3次元定型培地であって、
異なる酸化還元電位を有する複数の培養空間を備えることを特徴する。
5〔請求項5の手段〕
請求項5の3次元定型培地は、
請求項1から請求項4のいづれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材を寒天、ガラス、プラスチック、セラミックス、ポリエチレングリコール、ワセリン、グリセリンのいづれかまたはその組み合わせとする事を特徴とする。
6〔請求項6の手段〕
請求項6の3次元定型培地は、
請求項1から請求項5のいずれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材の少なくとも一つの成分として、1リットル中に0gより大きく、20g/リットル程度以下の寒天を含むことを特徴とする。
7〔請求項7の手段〕
請求項7の3次元定型培地は、
請求項1から請求項6のいづれかの3次元定型培地であって、
1リットル中に2.6%の溶血液を含むことを特徴とする。
8〔請求項8の手段〕
請求項8の3次元定型培地は、
請求項1から請求項7のいずれかの3次元定型培地であって、
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)などの糖代謝不能菌を選択的に発育させるために、前記培養成分が、糖無添加を特徴とする。
9〔請求項9の手段〕
請求項9の3次元定型培地は、
請求項1から請求項8のいずれかの3次元定型培地であって、
培地から発生したガスを計測し微生物または細胞を検査するためのガス計測手段を備える事を特徴とする。
請求項1の3次元定型培地は、
微生物や細胞を培養するための3次元定型培地であって、
(a)微生物や細胞を培養するための培養成分、及び
(b)前記培養成分を保持するための培地基材であって、微生物や細胞が事実上進入することのできない素材からなる培地基材、
とを備え、前記培養成分が、前記培地基材どうしの接合により生じる、毛細管現象がおこる程度の間隙である、少なくとも培養空間に保持されていることを特徴とする
ので、
超高速培養、定性、定量、同定、鑑別、病原性、活動性などの計測、検査を良好に行える。
2〔請求項2の作用および効果〕
請求項2の3次元定型培地は、
請求項1の3次元定型培地であって、
採取した採取物を前記培養空間に付与するための深部挿入手段を
備える事を特徴とするので、
培地基材である3次元培地成分供給手段にペーパーポイントなどの採取手段が擦れずに挿入ができるので、深部へ採取した微生物をおくれる。
3〔請求項3の作用および効果〕
請求項3の3次元定型培地は、
請求項1または請求項の2いづれかにおける3次元定型培地であって、
前記培地基材における酸化還元電位一定の位置に前記培養空間を設定し、その培養空間を酸化還元電位一定とすることを特徴とするので、
好気性から偏性嫌気性までの様々な酸化還元電位要求度の微生物や細胞を選択培養できる。
4〔請求項4の作用および効果〕
請求項4の3次元定型培地は、
請求項1から請求項の3のいづれかにおける3次元定型培地であって、
異なる酸化還元電位を有する複数の培養空間を備えることを特徴するので、
好気性から偏性嫌気性までの様々な酸化還元電位要求度の微生物や細胞を連続または断続的に選択培養できる。
5〔請求項5の作用および効果〕
請求項5の3次元定型培地は、
請求項1から請求項4のいづれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材を寒天、ガラス、プラスチック、セラミックス、ポリエチレングリコール、ワセリン、グリセリンのいづれかまたはその組み合わせとする事を特徴とするので、
個々の基材の材質の選択により微生物や細胞の培養特性に最適化する事ができる。
6〔請求項6の作用および効果〕
請求項6の3次元定型培地は、
請求項1から請求項5のいずれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材の少なくとも一つの成分として、1リットル中に0gより大きく、20g/リットル程度以下の寒天を含むことを特徴とするので、
3次元定型培地を良好に形成可能となる。また2g/リットル程度程度にては発育支持が最も良好となり、さらにまた3g/リットル程度以上ではターゲット微生物に合わせて、その添加量毎に最適値があり、良好な3次元定型培地を形成できる。
さらに
寒天にしみこんでいる培地成分から培養成分を供給できるので、培養空間の培養成分を持続的に維持、補給できる。また、寒天へは、微生物の進入が非常に困難または、不可能なので3次元定型培地としての基材として非常に有効である。
7〔請求項7の作用および効果〕
請求項7の3次元定型培地は、
請求項1から請求項6のいづれかの3次元定型培地であって、
1リットル中に2.6%の溶血液を含むことを特徴とするので、
血液利用微生物の発育が特に良好となり、また黒色色素産生菌の鑑別が良好となる。
特に
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)やプレボテラインターメディア(Prevotella intermedia)などの黒色色素産生菌の発育、鑑別が良い。
8〔請求項8の作用および効果〕
請求項8の3次元定型培地は、
請求項1から請求項7のいずれかの3次元定型培地であって、
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)などの糖代謝不能菌を選択的に発育させるために、前記培養成分が、糖無添加を特徴とするので、
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)などの糖代謝不能菌の選択発育が良い。
9〔請求項9の作用および効果〕
請求項9の3次元定型培地は、
請求項1から請求項8のいずれかの3次元定型培地であって、
培地から発生したガスを計測し微生物または細胞を検査するためのガス計測手段を備える事を特徴とするので、
さらなる超高速培養ができ、さらに定性、定量、同定、鑑別、病原性、活動性などの計測性がさらに向上する。
生体、特に口腔内よりの微生物などの培養、増菌、定性、定量、同定、鑑別、病原性、活動性のいづれかまたはその組み合わせを計測、検査する事を実施の形態とする。
本発明の処方は、特にことわりなければ1リットル(1l、/lまたは1000ml)中の量である。
一例としてポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)をターゲット菌とし、その菌の培地基礎処方として栄研化学の糖無添加(ブドウ糖、可溶性でんぷん無添加)ABCM処方の試薬(培地)を使用する。糖を要求する微生物に対しては要求する糖をいれたり、糖添加のものを使用する。(栄研マニュアルに組成が記載されている。)また各種微生物に対して要求される組成を使用すればよい。ここでは一例としてポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)をターゲット菌にしたために糖無添加とした。(糖無添加によりポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の選択性が格段にあがる。)
植物エキス 2g
酵母エキス 5g
肉エキス 3g
ペプトン 10g
とりペプトン 10gから/または15g
ソイペプトン 3g
塩化ナトリウム 2g
L−システイン塩酸塩 0.3g
チオグリコール酸ナトリウム 0.3g
ヘミン 10mg
ビタミンK1 10mg
K2HPO4 2.5g
などを使用する。
これに必要に応じて馬、羊、ウサギなどの血液、溶血液を添加し使用する。
発育支持が高く、発育程度、採取部位での微生物濃度などの観察ができる。おおまかに酸化還元程度による微生物発育程度もわかる。図のごとく中心部などにペーパーポイントなどの微生物採取手段を挿入する。ここで図2aは、上から見ると直線型の3次元定型培地 の培養空間 1 で図では中心に採取手段であるペーパーポイントを挿入している。そしてこの部分を中心に左右に菌のコロニー(濁りなど)が広がってゆく。左右の平均や代表値をとって統計学的精度を上げても良いし、また採取手段であるペーパーポイントを端に挿入させて観察面を大きくし大量の微生物培養にしても良い。
図2bは、上からみると十字形に3次元定型培地の培養空間 1 を形成したものであり、面を4面とっているので、4面の平均や代表値をとって統計学的精度を上げても良い。さらに図2a、図2bの3次元定型培地の培養空間 1 は、採取手段であるペーパーポイントを挿入した反対側に走化因子や栄養因子を挿入して走化因子性を観察しても良い。これは、下記の培地にも適用しても良い。
発育支持が高く、発育程度、採取部位での微生物濃度などの観察ができる。おおまかに酸化還元程度による微生物発育程度もわかる。
図3aにおいては、ペーパーポイントなどをポイント的に挿入した場合、その部分からコロニー形成が始まり横に、すなわち円の溝に沿ってコロニーが順次形成されるので、微生物の発育程度や採取部位の微生物濃度、さらには酸化還元電位による微生物の簡易同定などが見られる。さらに両横の発育は平均をとるなどして発育程度の統計学的精度をあげることができる。ここで円形に溝(3次元定型培地の培養空間 1 )が形成されているので、面積を大きくとれる。
図3bは、微生物の増菌、保存に好適である。
発育支持が高く、発育程度、採取部位での微生物濃度などの観察ができる。おおまかに酸化還元程度による微生物発育程度もわかる。円形の溝にペーパーポイントを挿入するので、培地基材にペーパーポイントが擦れずに挿入ができるので、深部へ採取
した微生物をおくれる。これは、ペーパーポイントなどの採取手段を深部に送る深部挿入手段であり、上記あるいは下記培地と組み合わせて使用しても良い。ここでは、一例として図2のものとの併用例を図示した。
特定の酸化還元電位の3次元定型培地の培養空間に特定の微生物が発育するので、鑑別ができる。
図5aは、採取微生物の最適酸化還元電位を3次元定型培地の培養空間である溝あるいは切れ込みの底面に設定してあるもので、内部の円柱の溝が、その底面にて外部の円筒状の溝に接続されており、前記設定されている酸化還元電位の微生物が多量に外部の溝に供給される酸化還元電位フィルターとなるものである。
図5bは、中心の円柱上の3次元定型培地の培養空間が、1つ以上の所定の酸化還元電位に設定されてる横方向円形の3次元定型培地の培養空間に接続されており、特定の酸化還元電位の微生物が特定の横方向3次元定型培地の培養空間に発育するので、特定の微生物の発育(分離培養、選択)など、あるいは特定の微生物の鑑別に役立つことができる。
組成の一例として寒天を3g/リットルとしたが0〜2g/リットルでも良い。この場合発育支持があがる場合が多い。とくに発育支持能において好適には寒天2g/リットル程度である。また量を15g程度にしたり、さらに多く20g程度にしたりして発育を制御しても良い。などである。
口腔内の歯周ポケットの入り口付近の歯垢を綿球などで除去し、ペーパーポイントを歯周ポケットに挿入する。そしてそのポイントを前記3次元定型培地の溝などの3次元定型培 地の培養空間 1 に挿入させる。(図2、図3、図4、図5、図6など)ここで、ポイントなどの挿入深度は、術者の自由であるが、一定の値を保持するほうが誤差がすくない。
ここで培養時間は、結果が観察されればどのような時間でもよいのはいうまでもない。
液体培地では微生物が希釈されてしまい発育支持が低下するのが大きな問題のひとつであり、このことは液体培地における発育量の閾値を形成してしまうなどの欠点を生じる原因となっている。また2次元培地においては、平面上なので発育がわるい。すなわちシャーレに入ったプレート型の2次元培地では、栄養などの培地成分の供給が2次元的なので発育が悪く3次元定型培地には到底及ばない。さらに2次元培地では栄養供給などが界面の性状によってさらに栄養供給が乏しくなるのが大きな問題のひとつである。しかし
ここで、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)などのガス発生菌は、3次元定型培地の培養空間が狭い場合などに、その発生ガスが気泡(バブル)となって見える場合があり、発育度、活動度の目安となる。また溶血液などを投与した3次元 定型培地の培養空間などでは、その気泡(バブル)が黒くなるバブルブラックが見える場合がある。このときは、ガス発生と黒色化という2つの鑑別における指標となる。さらに3次元定型培地の培養空間に選択性の成分が存在する場合には、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)とほぼ同定ができる。またバブルやバブルブラックは、比較的初期に見られるので迅速同定ともいえる。 このバブルは、いずれの型の3 次元定型培地で使用してもよい。
本3次元定型培地の3次元定型培地の培養空間に生じる色調、濁度、電磁波(光線)透過度の変化で定性計測ができる。
色調、濁度、電磁波(光線)透過度の変化の大小などで定量ができる。一例としてポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)を投与すると白濁(血液なしの時)するが、2日などの時間設定をして観察すると白濁範囲の違いにて定量ができることがわかる。もちろん既知の検量線手段などを定量化手段を使用しても良い。また出願日16年2月6日出願の特願2004−031432 ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)試薬の記載内容を併用あるいは使用してもよい。また別の一例として特願2002―137841健康計測診査装置の各手段のいづれかを使用して定量化を行っても良い。
3次元定型培地に鑑別手段を投与すれば、それに対し反応するコロニーは、高確率で同定ができる。この時鑑別手段を3次元定型培地の3次元定型培地の培養空間に培養時に挿入すれば、効率の良い鑑別となる。また具体的な一例として鑑別手段に透明度の悪い物質(一例として血液、溶血液など)を使用しても容易に視認が可能となるのも3次元定型培地の特徴である。さらにこの場合3次元定型培地の培地基材としての寒天などを鑑別手段がさらに浸透しにくい物質に変えても良い。一例として寒天濃度をあげたり、3次元定型培 地の培養空間の溝の表面のみが多孔質となったガラスを使用するなどである。
さらに別の鑑別手段として3次元定型培地の培養空間の溝表面にピッティングが容易に観察できる。これは他の菌との鑑別に役立つ。
一例として、所定の時間に前記白濁(濁度など)が多くなればなるほど病原性も高い、またコロニーや濁度の形成速度が大なら病原性も大とするなどで病原性がわかる。
本試薬に生える微生物の、3次元定型培地の培養空間における範囲の広さなどあるいは、発育速度が活動性の値と比例するので、採取部位での微生物の活動度がわかる。
第2実施例は、血液溶解手段を備えた3次元定型培地の開示である。
血液溶解手段がスタフィロコッカスオーレウス(Staphylococcus aureus)など溶血微生物の血液溶解手段であることを特徴とする。具体的な一例には、スタフィロコッカスオーレウス(Staphylococcus aureus)を培養し、その培養液を1μm未満のろ過フィルター(望ましくは0.1μm未満)を使用し、細菌以外の成分を抽出し、その抽出物を培地に血液溶解手段として混入する。
血液溶解手段がクッパー細胞など細胞由来の血液溶解手段であることを特徴とする。具体的な一例には、前記クッパー細胞を細胞培養しその培養液を1μm未満のろ過フィルター(望ましくは0.1μm未満)を使用し、細胞以外の成分を抽出し、その抽出物を培地に血液溶解手段として混入する。ここで、クッパー細胞自身を粉砕して濾過物を使用したり、クッパー細胞自身を培地に混入してもよい。
また血液溶解手段の添加量は、溶血させる血液など培地成分によって変化させて所定量を求めて使用する。さらにミスラー法や、臨床での使用にて所定量を決定しても良い。
これらの血液溶解手段を微生物採取時に前記血液溶解手段を培地に混入、塗布、投与して微生物の投与を行う。
黒色色素産生菌をはじめとして血液利用菌などは、溶血液の質により発育、コロニーの大きさ、発色などに大きな差が生じる。ここで溶血液を還元雰囲気、無酸素雰囲気などにて製造すれば良質の溶血液が得られ、それを還元雰囲気、無酸素雰囲気などにて培地に混合させ製造すればさらに良い溶血液添加培地ができあがるが、その施設は非常に大がかりで、高価なものとなり非現実的である。
ここでポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)は、よわい溶血性があるが、他の溶血菌、特に強く溶血菌であるベータ溶血(β溶血)菌の溶血を利用できる場合がある。ここでいう共生とは、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)が、この溶血を利用できる場合、この溶血菌を共生菌とし、利用できない場合の菌を拮抗菌とする。
ここで、黒色化は、識別、鑑別、同定に大きな情報を与えるものである。
さらに望ましくは、0.1g〜0.2gカナマイシンを添加が好適である。さらにさらにのぞましくはカナマイシン0.2g添加がさらにやや好適である。
ここで、Na(ナトリウム)、K(カリウム)の比により最適な発育支持をえられるので、培地は、最終的にK2HPO4,KH2PO4,KCl,NaClなどにより最適Na(ナトリウム)、K(カリウム)の比に調整する。
さらに具体的な一例には
KCl 0.5g
KCl 0.5g+ 1N KOH 4.0ml
KCl 0.5g+ 1N KOH 11.5ml
1N KOH 4.0ml
K2HPO4 2.5g
KH2PO4
NaH2PO4
Na2HPO4
などを混入してNa(ナトリウム)、K(カリウム)の比を最適比率にする。
この培地組成では、Na(ナトリウム)がこれ以上多くなると急激に発育が悪化したので、KH2PO4、NaH2PO4、Na2HPO4は、少量でも添加しないほうがよかったので量の記載を省略した。ここでK2HPO4、KH2PO4、NaH2PO4、Na2HPO4は、Na(ナトリウム)、K(カリウム)の比を最適にするのに好適な化合物である。
図7に示されるガス計測手段 4 に、赤外線を通過させ、その吸収度を計測し、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の定性、定量計測としても良い。
さらにまたビームの基準強度を基準として前記吸収ピークの吸収値を表示してもよい。(無計測時のビーム強度を基準としても良い。)
一例として、
Aその値が1.0程度ならリスク大と表示する相対リスク表示手段や、
B2361cm−1の吸収が大きければリスク大と表示する特定リスク表示手段や、
AとBの値を加減乗除した各値を採用する複合リスク表示手段などを採用してもよい。
もちろんこれらの値を、他の機器に供給するためにUSB、1394、またはその他の規格インターフェィスに出力する出力手段を設けても良い。
ガス計測手段 4 を使用すれば、迅速に微生物を計測できる。また感染に対しても安全で、廃棄も容易であり安全である。また悪臭がしないので検査、廃棄者に迷惑をかけない。
ここで、ガス計測手段 4 は、他の微生物に適用してもよい。
閉鎖手段 3 は、図8のごとくペーパーポイントの先を挿入手段に挿入し、先の部分のみ培地の所定の場所に位置させる固定手段を採用してもよい。
また培地基材 2 の構成成分を生体の類似構造で作成することによる病態をシミュレートできる。一例としてエナメル、象牙、歯髄などを培地基材 2 として構成し、う蝕の進行状況をみるなどである。
トリプシン活性(酵素)判定試薬は通常従来は直接歯肉溝浸出液からペーパーポイントでサンプルした資料を、試薬に浸漬して反応をみていたため、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、トレポネーマ、ある種のキャプノサイトファーガなどに反応したり、また唾液や歯肉溝浸出液中の反応因子に反応するために多量の試薬を要していた。しかし前記ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)選択培地(この場合3次元定型培地がよいが、2次元培地でも可能である。)で選択予備培養したものを、図10のコントロール付容器で反応を観察することにより極微量のトリプシン試薬で反応がみれ、かつポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)のみの同定となる。またトリプシン活性(酵素)判定試薬と顕微鏡を使用してポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の簡易同定をしても良い。すなわち顕微鏡でトレポネーマを観察し、その観察量の分酵素反応量から差し引いた分がポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)の量となるなどである。 さらにある種のキャプノサイトファーガを顕微鏡観察で差し引いてさらに精度をあげてもよい。
β溶血
Streptococcus pyogenesなどの A群
Streptococcus agalactiaeなどの B群
C群溶血性レンサ球菌 Str. equi など
G群溶血性レンサ球菌
F群溶血性レンサ球菌
Staphylococcus aureus subsp. aureus
Enterococcus 様
Enterococcus faecalis β,γなど
Escherichia coli
Pseudomonas aeruginosa
Listeria monocytogenes
Bacillus subtillis
Bacillus cereus
Aeromonas hydrophilia subsp. hyfrophilia
Kingella kingae
Clostridium perfringens
Clostridium sordellii
Bordetella pertussis
Gardnerella vaginalis
Str. pneumoniae 群外
Str. sanguis H
Str. bovis D
Str. salivarius group K
Enterococcus faecium α、γなど
Str. mutans group 群外
Str. salivarius group K
Str. bovis D
Str. milleri group 群外
Str. sanguinis group H
Str. mitis 群外
Haemophilus para haemolyticus
Haemophilus para phro haemolyticus
Haemophilus ducreyi
などからの抽出物でも良いし、またDNA合成でも良いなど所定の溶血が得られればよい。
還元(雰囲気)手段を備える還元凍結融解手段を採用してもよいし、真空凍結融解手段などを使用してもよい。
還元手段が水素、硫化水素などのガス、ビタミンEなどの分子でもよい。
一例としては、StMutannsを本3次元定型培で培養し、蔗糖の分解程度を赤外分光分析にて観察すれば、StMutannsの活動性が判明するなどである。このときの培地成分は、一例として既知のMSBブロスを使用する。またα13グルカンの特徴的ピークである1038cm−1を見ても良いし、さらに内部基準として1080cm−1との比をみてもよい。
またインプラントなどはスタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)などが繁殖する場合がある。スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)は、ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)と混合培養するとポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)を圧倒する。このことからインプラントが歯周病にならなく良い結果、すなわち視認や、レントゲン、または患者の使用感などを得ていても培養検査の結果スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)が多量に検出されれば、スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)の生体への病原性を考えておかないといけないので、培養法は重要であり、他の計測と併用使用をさらに進めても良いなどである。
2 培地基材
3 閉鎖手段
4 ガス計測手段
Claims (9)
- 微生物や細胞を培養するための3次元定型培地であって、
(a)微生物や細胞を培養するための培養成分、及び
(b)前記培養成分を保持するための培地基材であって、微生物や細胞が事実上進入することのできない素材からなる培地基材、
とを備え、前記培養成分が、前記培地基材どうしの接合により生じる、毛細管現象がおこる程度の間隙である、少なくとも培養空間に保持されていることを特徴とする、3次元定型培地。
- 請求項1の3次元定型培地であって、
採取した採取物を前記培養空間に付与するための深部挿入手段を
備える事を特徴とする3次元定型培地。
- 請求項1または請求項2のいづれかにおける3次元定型培地であって、
前記培地基材における酸化還元電位一定の位置に前記培養空間を設定し、その培養空間を酸化還元電位一定とすることを特徴とする3次元定型培地。
- 請求項1から請求項3のいづれかにおける3次元定型培地であって、
異なる酸化還元電位を有する複数の培養空間を備えることを特徴する3次元定型培地。
- 請求項1から請求項4のいづれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材を寒天、ガラス、プラスチック、セラミックス、ポリエチレングリコール、ワセリン、グリセリンのいづれかまたはその組み合わせとする事を特徴とする3次元定型培地。
- 請求項1から請求項5のいずれかの3次元定型培地であって、
前記培地基材の少なくとも一つの成分として、1リットル中に0gより大きく、20g/リットル程度以下の寒天を含むことを特徴とする3次元定型培地。
- 請求項1から請求項6のいづれかの3次元定型培地であって、
1リットル中に2.6%の溶血液を含むことを特徴とする3次元定型培地。 - 請求項1から請求項7のいずれかの3次元定型培地であって、
ポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)などの糖代謝不能菌を選択的に発育させるために、前記培養成分が、糖無添加を特徴とする3次元定型培地。 - 請求項1から請求項8のいずれかの3次元定型培地であって、
培地から発生したガスを計測し微生物または細胞を検査するためのガス計測手段を備える事を特徴とする3次元定型培地。
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