JP4931293B2 - Pressure vessel seal structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力容器のシール構造に関し、さらに詳しくは、エアゾール製品などのように、周囲の温度変化、あるいは内部ガスの噴出などで内圧が変化する圧力容器におけるシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来のエアゾール製品のシール構造を示している。このシール構造では、金属製の容器本体101の上端に略円錐状の肩部102が形成され、その上端に開口103が形成されている。そして開口103の内縁部に、円柱状の立ち上がり部を外向きにカール成形したビード部104が設けられている。他方、バルブVを保持するマウンティングカップ105は、容器本体101の開口103内に嵌入され、数カ所が外向きにクリンチされる立ち壁106と、ビード部104に被せられる断面逆U字状の被せ部107とを備えている。そして被せ部107とビード部104の間に、ゴム製の薄板環状のガスケット108を介在させてシールしている。このものは、図9aに示すように、クリンチするときにマウンティングカップ105を上から押さえつけ、ガスケット108にいくらか弾性変形させ、その弾発力がシール圧となる。
【0003】
他方、図8の想像線で示すように、容器本体101内に収容し、上端のフランジ109をビード部104に係合させてマウンティングカップ105で一緒に固定する、可撓性ないし可壊性を有する合成樹脂製の内袋110を用いるものも知られている。その場合、内袋110内に原液を充填し、内袋110と容器本体101の隙間に噴射剤を充填する。このものも図9bに示すように、内袋110のフランジ109とガスケット108が、フランジ109が下側になる状態で、一緒にビード部104の凸面と被せ部107の内側の凹面との間に挟着され、シール作用を奏する。
【0004】
また、図10に示すような円筒状の金属板製の容器本体111の首部112に環状溝113を形成し、首部112に合成樹脂製のキャップ(栓体)114を嵌入すると共に環状溝113の内側の凸面113aに係合させ、そのキャップ114にあらかじめ一体化されている金属板製のマウンティングカップ115で容器本体111に固定するタイプのエアゾール製品がある。このようなエアゾール製品においても、内袋110を用いるものがある。これらの場合は、マウンティングカップ115の下端を環状溝113の外側の凹面113bにクリンプして固定し、キャップ114の段部116と環状溝113の内側の凸面113aとの間にOリングなどのガスケット117を介在させる。この場合は段部116と環状溝113の内側の凸面の間に、上下寸法も左右寸法も小さい斜め方向の環状の隙間が形成される。そしてキャップ114を容器本体111に加圧することにより、ガスケット117はその隙間と同形状に変形して密に拘束され、シール作用が得られる。しかしガスケット117はそれ以上弾性変形する余裕がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のエアゾール製品は、通常の使用状態では問題がない。しかし温度変化が大きい場合はエアゾール製品に充填されている内容物、とくに噴射剤の漏洩量が多くなる。これは、マウンティングカップ105、115などの蓋体をガスケット108、117などのシール材を介して容器本体101、111にクリンチした部分(以下、クリンチ部という)が温度変化および(または)内圧変化によってその構造が弾性変形し、シール材と蓋体との間、および/またはシール材と容器本体との間の気密性が低下するためと考えられる。とくに図8の想像線で示した内袋110を備えたエアゾール容器の場合は、容器本体101のビード部104とマウンティングカップ105の被せ部107との間に、シール材108以外に内袋110のフランジ109を挟着しているため、クリンチ部が弾性変形すると気密性が低下しやすい。また、容器胴部の直径が大きい場合、肩部が大きくなる(ビード部と胴部の距離が大きくなる)ため、温度変化および(または)内圧変化によりクリンチ部の弾性変形量が大きくなり、漏洩しやすくなる。
【0006】
前記温度変化および(または)内圧変化によって気密性が低下する原因を検討した結果、クリンチする際、シール材は隙間なく、かつ強く均等に弾性限界近く、または弾性限界を超えるまで圧縮されているため、シール材は弾力性が低下し、ほとんど剛体となっているためであると考えられる(図9a、図9bの右側参照)。さらにゴム製のシール材は、低温状態では結晶化しやすく、クリンチした状態のような、シール材に応力がかかった状態では一層結晶化のための時間が短くなる。その結果、低温時では、シール材の硬度がさらに上昇し、弾力性が低下するため、クリンチ部が弾性変形しても、シール材の形状は変化せず、隙間が生じやすくなっていると考えられる。
【0007】
本発明は温度変化および(または)圧力変化が生じた場合であっても、とくに低温下で保管された場合であっても、エアゾール容器などの圧力容器の漏れをできるだけ少なくしうる圧力容器のシール構造を提供することを技術課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力容器のシール構造は、上端が開口している容器本体と、その容器本体の開口を覆うように容器本体に嵌着される蓋体と、容器本体と蓋体との間に介在されるシール材とからなり、前記容器本体の開口部に上向きに凸に湾曲しているビード部が形成され、前記蓋体に、断面逆U字状に湾曲形成され、ビード部にクリンチされる被せ部が形成され、前記ビード部と被せ部によって保持される前の状態で、シール材のビード部の上面および被せ部の内面と接する部位の断面の輪郭が、湾曲して外に突出し、前記シール材がビード部の上面と被せ部の内面の間に狭着され、前記シール材が保持されているビード部の上面と被せ部の内面との隙間に、シール材の横方向への弾性変形を許す空間が設けられており、前記シール材が、温度変化および/または内圧変化によって容器本体および/または蓋体が弾性変形し、両者の隙間が変化したとき、その変形に追従して弾力的に変形し、シール作用を維持することのできる弾力性および形状を備えていることを特徴としている。
【0009】
このようなシール構造においては、前記容器本体に挿入されると共に、その上端にフランジ部が設けられた内袋を備え、その内袋のフランジ部が前記シール材と蓋体の被せ部との間に狭着されるものが好ましい。また、前記内袋の外周面に環状あるいは不連続の突起を設けているものが好ましい。さらに、前記シール部材の内側半分の上面に、内袋のフランジ部が乗せられているものが好ましい。
【0010】
本発明のシール構造の第2の態様は、上端が開口している容器本体と、その容器本体の開口部に嵌入されるキャップと、そのキャップを容器本体に固定させるために容器本体に嵌着される蓋体と、容器本体とキャップとの間に介在されるシール材とからなり、前記ビード部と被せ部によって保持される前の状態で、シール材のビード部の上面および被せ部の内面と接する部位の断面の輪郭が、湾曲して外に突出し、前記シール材が容器本体とキャップの間に狭着され、前記シール材が保持されている容器本体とキャップの隙間に、シール材の弾性変形を許す空間が設けられており、前記シール材が、温度変化および/または内圧変化によって容器本体および/または蓋体が弾性変形し、両者の隙間が変化したとき、その変形に追従して弾力的に変形し、シール作用を維持することのできる弾力性および形状を備えていることを特徴としている。
【0011】
【作用および発明の効果】
本発明のシール構造の第1の態様においては、温度変化および(または)内圧変化によって容器本体と蓋体の隙間が拡がると、その拡がりに追従してシール材がその方向に膨大する。それによってシール圧が維持され、漏れが生じにくい。逆に隙間が狭くなると、それに追従して弾力的に押圧される。そのためシール作用が一層確実になる。
【0012】
このようなシール構造においてシール材が保持されている容器本体と蓋体の隙間に、シール材の横方向への弾性変形を許す空間が設けられているので、周囲が拘束されているシール材とは異なり、最初にシール圧が与えられたとき(クリンチ時)、シール材が横方向に弾性変形する。そして温度変化および(または)圧力変化により容器本体や蓋体が弾性変形し、シール材との隙間が拡がると、横方向に変形していた形状がもとの形状に戻ろうとする。そのため、隙間の変化が大きい場合でも、シール材の弾性変形が広い範囲で追従することができる。
【0013】
また、シール材の容器本体または蓋体と接する部位の断面の輪郭が、湾曲して外に突出しているので、始めにシール圧を与えたとき、容器本体あるいは蓋体と接する部位が扁平に拡がろうとする。それにより接触面積が拡がり、単位面積当たりの圧力が小さくなる。しかし面積が広いことから、充分なシール作用が確保される。また、容器本体と蓋体とが弾性変形して両者の隙間が拡がると、シール材は元の突出している状態に戻ろうとする。たとえば容器本体がビード部を有する場合は、ビード部と蓋体とが上下方向に変形して隙間が拡がると、加圧力が減少し、シール材は弾力性で元の突出しようとする方向に戻る。それにより接触面積は狭くなるので、全体の圧力が減少しても、単位面積当たりの圧力はほとんど変わらない。そのため適切なシール作用が維持される。またビード部と蓋体とが斜め方向に変形した場合でも、変形に応じてシール材の形状、弾力性が変化し、それに伴いシール可能なシール圧を有する個所が移動して、シール性を保つ。
【0015】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明のシール構造の実施の形態を説明する。図1aおよび図1bは本発明のシール構造の一実施形態を示すクリンチ前およびクリンチ後の要部断面図、図2aおよび図2bはそれぞれそのシール構造におけるクリンチ前およびクリンチ後の要部拡大断面図、図3aは本発明のシール構造の他の実施形態のクリンチによる変形を示す要部拡大断面図、図3bおよび図3cはそれぞれそのシール構造におけるシール作用の説明図、図4a〜dはそれぞれ本発明のシール構造の他の実施形態を示す要部断面図、図5は本発明のシール構造に用いるシール材の他の実施形態を示す断面図、図6および図7はそれぞれ本発明のシール構造のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【0016】
図1aおよび図1bに示すシール構造10は、容器本体11の口部に形成されるビード部12と、マウンティングカップ13に設けられる断面逆U字状の被せ部14と、両者の間に介在されるシール材15とからなる。容器本体11およびマウンティングカップ13は従来のものを使用しうる。この実施形態では、容器本体11はアルミニウムなどの金属板を深絞り成形し、口絞り成形により円錐状の肩部16および円筒部を形成し、円筒部を外向きにカーリング加工してビード部12を成形したものである。なお、胴部と肩部を別個に形成したり、底部を別個に形成するなど、他の方法で成形することもできる。また、ブリキやステンレスなど、他の金属で成形してもよい。
【0017】
マウンティングカップ13は、アルミニウムやブリキ、ステンレスなどの金属板から成形したものであり、中央部にバルブ20を保持するバルブ保持部21を有する有底筒状の形態を呈する。外周壁22の上端は外向きに断面逆U字状に湾曲形成して、前記被せ部14としている。
【0018】
前記シール材15は天然ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソブチレン・イソプレンゴム(IIR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、ポリイソブレンゴム(NR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、アクリロニトリル・イソプレンゴム(NIR)などの合成ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム、軟質の合成樹脂、合成樹脂エラストマーなどの弾性材料から形成された環状の部材であり、この実施形態ではその断面形状に特徴がある。すなわちこの実施形態では、シール材15は断面矩形状の中央部(厚さ方向の中央部)15aと、その上面の中央から上向きに突出する断面台形状の上部15bと、下向きに突出する断面半円状の下部15cとからなる(図2a参照)。この形状は、断面略円形のシール材の内側および外側に突起を設けた形状と見ることもできる。シール材15は被せ部14の内面中央に、接着、粘着あるいは焼き付けなどの手段で保持させる。なお、被せ部14の内面を含むマウンティングカップ13の外周面に、樹脂コートあるいは樹脂フィルムを設ける場合は、それらの樹脂に接着し易い接着剤を用いるのが好ましい。なお、矩形状の中央部15aを、外側あるいは内側に延ばし、クリンチ前に被せ部14内に嵌入して摩擦力で保持させるようにしてもよい(図4b、図4c参照)。
【0019】
上記の容器本体11、マウンティングカップ13およびシール材15は、従来公知の方法で容器本体11内に原液を充填した後、あるいは原液と噴射剤を充填した後、図1bに示すようにマウンティングカップ13を容器本体11の開口部に嵌入し、被せ部14とビード部12との間にシール材15を挟み込み、いくらか上下方向に押圧して弾性変形させた上で、外周壁22を部分的にクリンチ爪で外向きに変形させる。それによりマウンティングカップ13およびシール材15が容器本体11に取り付けられ、図1bのシール構造10が得られる。なお、噴射剤を充填する方法は、マウンティングカップ13とビード部12の隙間から充填するアンダーカップ充填や、原液を充填した後にクリンチを行い、バルブを通じて噴射剤を充填するなど、従来用いられているいずれの方法を採用することもできる。
【0020】
上記のように組み立てられたシール構造10においては、図2bに示すように、シール材15の上部15bの上面が扁平に潰されるように変形した状態で、被せ部14の内面と密接している。すなわちシール材15に加圧力が加わっていない場合は、図2aに示すように断面がほぼ円弧状である。そしてその横側(外側および内側)に空間P1、P2があるため、上下の加圧力が加わるにしたがって、図2bの想像線で示すように空間P1、P2側に弾力的に膨大していく。これはゴムなどの弾性部材の体積自体がほとんど変化せず、形状が変化するためである。そして加圧力が増大するにしたがって、密接している領域が内外に拡がり、接触面積が増大していく。逆に、加圧力が低下すると、密接する領域は狭くなっていく。
【0021】
また、図2aのシール材15の下部15cについても、上部と同様に扁平ないし凹面状に潰されるように変形して、ビード部12の湾曲凸面と密接している。なお下部15cとビード12とは、断面形状でそれぞれ凸面になっており、そのため密接面積は上部15bの場合よりも狭い。しかし単位面積当たりの押圧力、すなわち密接圧力は大きい。この場合も加圧力がない場合はほぼ線接触で、加圧力が加わるにしたがって接触領域が拡がり、加圧力が減少すると、接触領域が狭くなる。
【0022】
他方、図2bに示すように、中央部15aの外縁部N1および内縁部N2については、クリンチ後であってもほとんど潰されていない。そのため、それらの外縁部N1および内縁部N2は、クリンチ後でも未だに弾性変形できる余裕があり、いわば弾力的に被せ部14の内面と密接している。このように図2aの断面形状のシール材15は、その厚さが部位によって異なるため、シール材15の圧縮率が場所によって異なり、弾力性も異なる。それによって、温度変化および(または)圧力変化で容器本体11とマウンティングカップ13の隙間の大きさや形状が変化しても、また、とくに容器として胴部直径が50mm以上の大きなものを用い、前記隙間や形状の変形量が大きい場合であっても、変化に追従して適切な弾力性のシール作用を奏することができる。
【0023】
従来の薄い板状のガスケット(図9aの符号108)では、クリンチすることにより被せ部とビード部の間の断面円弧状の隙間に湾曲しながら密接するので、始めから接触面積が広く、加圧力が変化してもその接触面積は変わらない構造、いわば静的シール構造がとられている。しかし図2a、図2bの場合は上記のように、加圧力の変化に応じて断面形状および接触面積が追従しながら変化する。さらに容器本体11とマウンティングカップ13の隙間が大きくなると、場合によりシール材15が外側に移動し、シール位置自体も変化することがある。そしてこのような、状況に応じてシール作用が変化する、いわば動的なシール構造により、以下のようなすぐれた作用効果が奏される。
【0024】
まず環境温度の上昇などにより、内圧が一時的に上昇したとき、容器本体11およびマウンティングカップ13が弾性変形する。同時にマウンティングカップ13に上向きの力が加わるため、被せ部14とビード部12の隙間が拡がろうとする。それによりシール材15を上下方向の加圧力が減少するが、前述のように横方向に拡がっていた接触部が元の想像線の状態に近づくように弾性変形する(図2bの想像線参照)。そのためシール材15の上部15aと被せ部14の内面の接触面積が減少するだけで、弾力性に基づく接触圧は残されている。また接触面積も狭くなるが、シール作用を奏するには充分な接触面積が維持されている。同様にシール材15の下部15cとビード部12の上面との接触圧力および接触面積も充分に維持されている。そのためシール漏れは生じない。なお、内圧の上昇が元に戻ると、シール材15の上下方向の加圧力が再び元に戻り、シール構造10も図2bの実線の状態に復帰する。
【0025】
他方、長期間の保管により、容器本体11やマウンティングカップ13、あるいはシール材15に永久歪み(リラクセーション)が生じたときは、シール材15の弾発力が減少する。なおシール材15自体のリラクセーションの場合は、取付状態の断面形状がほとんど変わらないが、外力をなくしたときの自然形状自体が変形しているため、弾性による変形代が少なくなっており、そのため弾発力が減少する。しかし前述のように断面形状が円形など、立体的なシール材15を採用することにより、横方向の弾性変形が大きくなり、弾発力が減少しても、シール作用に充分なシール圧が維持される。そのため漏れが生じない。
【0026】
図3aは図2aのシール構造10とほぼ同じであるが、容器本体11とマウンティングカップ13の間に内袋23を挟着している。内袋23は、従来公知のものと実質的に同じであり、図1の想像線で示すように、上端にフランジ24を有し、フランジの下側に首部25および肩部26を介して胴部27が設けられている。内袋23は可撓性あるいは可潰性を有し、通常は合成樹脂製であるが、アルミニウム箔などの金属箔、合成樹脂シートと金属箔とのラミネート、あるいはアルミニウムなどの金属の薄板製であってもよい。さらにこの実施形態では、フランジ24の下面側に図1の場合と同じシール材15が接着などで保持されている。この形態では、内袋23の内部に吐出する内容物を充填し、内袋23と容器本体11との間の空間に、内袋23を収縮させる加圧剤を充填している。加圧剤としては、チッ素や酸素、亜酸化チッ素、炭酸ガス、圧縮空気などの圧縮ガスが用いられている。
【0027】
このシール構造の場合は、マウンティングカップ13の被せ部14と容器本体11のビード部12との間に、内袋23のフランジ24とシール材15とが一緒に挟着される。そして図3aの右側に示すように、クリンチすることにより、シール材15は被せ部14とビード部12の間で上下方向に潰され、横方向に拡がる。
【0028】
図3bの上側は、上記のシール材15の弾性変形の状態を示しており、その下側には、シール材15の圧縮率が位置によって変化していることを示している。この実施形態の場合は、上向きに凸に湾曲しているビード部12および被せ部14の隙間は、幅方向の中央部で広く、外側および内側に行くにしたがって幅が狭くなっている。そのため、図3bの下側のグラフに示すように、幅方向の中央部では圧縮率が最も高く、外縁部N1および内縁部N2に近づくにつれては圧縮率が傾斜線で示すように次第に低くなっている。なおグラフの横軸はシール材の幅方向の位置であり、破線は圧縮率を示している。このような圧縮率の分布は内袋を備えていない図1のシール構造10でもほぼ同じであるが、本実施形態の場合、さらにシール部材15の内側半分の上面に、内袋23のフランジ24が乗っているので、外側半分の圧縮率よりいくらか大きくなっている。逆に、実線で示す弾力性については、強く圧縮されている幅方向の中央部で低く、傾斜線で示すように、外側および内側では次第に高くなっている。
【0029】
このように図3bのシール材15では、位置に応じて圧縮率および弾力性が変化していることから、容器本体11のビード部12とマウンティングカップ13の被せ部14との間にシール材15と内袋23のフランジ24とを挟着し、さらに容器本体11やマウンティングカップ13が周囲の温度の変化などによって変形し、それに伴ってシール材15が変形しても、シール材15は圧縮性や弾力性が部分的に変動しながら、全体としてシール性を維持することができる。
【0030】
たとえば図3cに示すように、容器本体11の内圧が上昇してその肩部16が持ち上がり、それに応じてマウンティングカップ13の被せ部14が上向きにずれると、ビード部12と被せ部14の隙間の形状が、外側では拡がり、内側では狭くなるように変化する。そしてこのように隙間の形状が変化した場合でも、矢印K1、K2で示すように、隙間が狭くなっている部位でシール材15が上下から強く挟着され、シール作用が維持される。逆に、外側では隙間が狭く、内側で拡がる場合でも、上記と同様に、狭い部位でシール材15が上下から強く挟着され、シール作用が維持される。なお、シール材15自体が外側あるいは内側にずれる場合でも、同様にシール作用が維持される。なお、ビード部12と被せ部14の隙間が変形する原因としては、内圧の変化だけでなく、周囲の温度の変化に応じて、容器本体11やマウンティングカップ13が熱膨張または熱収縮することもある。
【0031】
なお、内袋23を有するシール構造の場合でも、単にビード部12と被せ部14が相対的に上下方向に移動して隙間の大きさのみが変わる場合は、図1bおよび2bの場合と実質的に同じように、シール作用が維持される。また、内袋を備えていない図1bおよび図2bの場合でも、ビード部12と被せ部14が相対的に横方向にずれて隙間の形状が変化する場合は、図3cの場合と同様の作用で気密性が維持される。
【0032】
つぎに図4a〜dを参照して、本発明のシール構造の他の実施形態を説明する。図1の実施形態におけるシール材15は、薄い板状の中央部15aと、その上側の断面台形状の上部15bおよび下側の断面半円状の下部15cから構成されているが、図4aに示すシール材15のように断面円形とすることもできる。ただしこの形状では、被せ部14に保持させることができない。そのため、たとえばマウンティングカップ13を上下逆にした状態でシール材15を被せ部14内に入れ、被せ部14の上内面に接着剤や粘着剤で仮着しておくのが好ましい。なお、ビード部12側に仮着させてもよい。さらに焼き付けにより、マウンティングカップ13とシール材15を一体化しておくこともできる。さらに被せ部14の内面側に環状あるいは不連続の突起を設けるなどにより、シール材15を保持する保持部を設けてもよい。このような中央部15aを省略した断面円形のシール材15の場合は、図3bのグラフの左右端の傾斜が急になるが、前述に準じた動的シール作用を奏する。
【0033】
図4bに示すシール材15は、図1のシール材15の外側だけ中央部15aを省略し、内側では中央部15aを長く延ばしている。このものは内側の中央部15aをマウンティングカップ13の被せ部14の外周面14aに弾力的に保持させることができる。なお、中央部15aの内径を被せ部14の外周面の外径よりいくらか小さくしておき、いくらか弾力的に伸ばした状態で、すなわち「たが張り応力(フープストレス)」を与えた状態で、保持させるようにしてもよい。
【0034】
図4cに示すシール材15は図4bの場合とは逆に、外側だけ中央部15aを延ばし、内側では中央部15aを省略している。このものは外側の中央部15aをマウンティングカップ13の被せ部14の内周面14bに弾力的に保持させることができる。図4bおよび図4cの場合は、いずれもシール材15のマウンティングカップ13への取付が容易で、しかも中央部15aによる影響を減少させることができる。
【0035】
図4dに示すシール構造では、内袋23の外周面に環状あるいは不連続の突起23aが設けられており、その突起23aにシール材15を保持させている。このものもシール材15の外側が広く開放されているので、外側では動的シール作用を奏することができる。
【0038】
図5に示すシール材15は、断面が横長の楕円状を呈している。このシール材15は、幅Wを小さくして、被せ部14の内面や外周面と係合しない寸法にする場合は、図4aの断面円形のシール材と実質的に同じ作用効果を奏する。また、幅Wを被せ部14の内面と外周面との間に嵌合させる寸法にする場合は、図1aのシール材15の凹凸を滑らかにした場合に該当する。その場合、横方向に膨大する余裕があるので動的シール作用を奏すると共に、被せ部14に係合させてマウンティングカップ13へ容易に取り付けることができる。
【0041】
図6は図10に示すシール構造に本発明の動的シール構造を適用する場合を示している。このシール構造30における容器本体31の首部32に形成した環状溝33、その首部32に嵌入し、環状溝33の内側の凸面33aに係合させるキャップ(栓体)34、そのキャップ34を容器本体31に固定するためのマウンティングカップ35については、図10に示すシール構造の場合とほぼ同じである。また、マウンティングカップ35の下端を環状溝33の外側の凹面33bに向かって内向きにクリンプして固定する点も同じである。なお、バルブハウジングの上部に形成したフランジを環状溝33の内面側の凸面33aに係合させる場合もある。
【0042】
この実施形態では、シール材37の断面形状の円の直径をいくらか大きくし、キャップ34の外周面で、凸面33aと対応する部位に、シール材37を係合するための環状凹溝38を形成している。さらにその環状凹溝38の上側に外側に向かって斜め上向きに延びるシール面39を形成し、さらに上向きに続くように、径を容器本体31の首部32より小さくした小径部40を設けている。そのため、組み立てた状態では、シール材37の外側および上側に空間P1があり、シール面39と凸面33aとで挟着されたシール材37は、想像線で示すように空間P1の内部に拡がることができる。したがって図2bに基づいて説明したような動的シール作用を奏することができ、一時的に内圧が上昇した場合、あるいは長期間の保管に対しても、充分なシール作用が奏される。
【0043】
図7に示すシール構造42では、キャップ34の外周面に環状溝の凸面33aと係合する段部43を設け、さらにその上部に間隔をあけて斜め内側に延びるシール面39を設け、それに続く小径部40を上向きに延びるように設けている。なおシール面39と小径部40の角部に、前述と同様の環状凹溝38を設けてもよい。そしてシール材37をシール面39との間に挟むように、容器本体31の首部32の上端近辺を斜めにクリンプして係合部44としている。なお、その上側の部分45は円筒状に上向きに延ばしてもよい。
【0044】
このものもシール材37の外側に空間P1があるため、シール材37はその空間P1内に拡がることができる。したがって図6のシール構造の場合と同様に、動的シール作用を奏することができる。なお、この実施形態では、シール材37の下側をキャップ34のシール面39が支持しているため、取り付け時にシール材37を安定して保持させることができる。さらに内圧が上昇してキャップ34に上向きの力が加わると、シール材37が容器本体31の係合部44に押圧され、シール圧が一層高くなる。そのため、動的シール作用に加えて静的シール作用も一層高くなる。
【0045】
図6および図7の実施形態ではいずれも断面円形のシール材37を示しているが、図5のような楕円状の断面形状にすることができる。また、前記実施形態はいずれもエアゾール製品に採用したシール構造を示しているが、本発明のシール構造は、エアゾール製品だけでなく、他の同様な容器本体と蓋体の構造を備えた圧力容器に採用することができる。
【0046】
【実施例】
内部に合成樹脂製の内部容器(内袋)を備えたアルミニウム製の二重エアゾール容器(胴部直径53mm)を用い、前記内部容器に染毛剤用原液を充填し、外部容器の開口部(ビード部)と内部容器の開口部との間の隙間から噴射剤(窒素ガスにて0.8MPaに調整)を充填した。ついで図1に示したシール材(NBR)および内部容器のフランジを介してアルミニウム製のマウンティングカップを外部容器の開口部に押圧しながら、マウンティングカップをクリンチし、バルブを固定した。
【0047】
得られたエアゾール製品を50℃の温浴に2分間保持して、漏れがないことを確認し、試験前の25℃での圧力を測定した。ついで各温度条件下で6カ月間保管し(各温度80本)、保管後のエアゾール製品の25℃での圧力を測定し、圧力降下量を算出した。また比較例として図8に示すシール材(断面矩形)を用い、実施例と同様にエアゾール製品を製造し、圧力降下量を求めた。試験前からの圧力降下量が0.1MPa以上のものを製品不良とし、その製品不良数の算出結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上記試験結果より、本発明品(実施例)においては製品不良のものはなく、実施例はいずれの保存条件下に置いても圧力降下量が少ないことが分かる。一方、従来品(比較例)においては、25℃では幾分製品不良数は少ないものの、高温環境下や温度変化が大きい条件下では圧力降下量が大きいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aおよび図1bは本発明のシール構造の一実施形態を示すクリンチ前およびクリンチ後の要部断面図である。
【図2】 図2aおよび図2bはそれぞれそのシール構造におけるクリンチ前およびクリンチ後の要部拡大断面図である。
【図3】 図3aは本発明のシール構造の他の実施形態のクリンチによる変形を示す要部拡大断面図、図3bおよび図3cはそれぞれそのシール構造におけるシール作用の説明図である。
【図4】 図4a〜dはそれぞれ本発明のシール構造の他の実施形態を示す要部断面図である。
【図5】図5は本発明のシール構造に用いるシール材の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明のシール構造のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【図7】 本発明のシール構造のさらに他の実施形態を示す要部断面図である。
【図8】 従来のシール構造の一例を示す断面図である。
【図9】 図9aはそのシール構造におけるクリンチ前およびクリンチ後の要部拡大断面図、図9bは従来のシール構造の他の例におけるクリンチ前およびクリンチ後の要部拡大断面図である。
【図10】 従来のシール構造のさらに他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 シール構造
11 容器本体
12 ビード部
13 マウンティングカップ
14 被せ部
15 シール材
15a 中央部
15b 上部
15c 下部
16 肩部
17 円筒部
20 バルブ
21 バルブ保持部
22 外周壁
P1、P2 空間
N1 外縁部
N2 内縁部
23 内袋
24 フランジ
25 (内袋の)首部
26 (内袋の)肩部
27 (内袋の)胴部
28 環状の凹部
29a 下部
29b 上部
29c 薄肉部
W 横幅
T 厚さ
14a 外周面
30 シール構造
31 容器本体
32 首部
33 環状溝
34 キャップ
35 マウンティングカップ
33a 凸面
37 シール材
38 環状凹溝
39 シール面
40 小径部
42 シール構造
43 段部
44 係合部
45 上側の部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pressure vessel sealing structure, and more particularly to a sealing structure in a pressure vessel such as an aerosol product in which an internal pressure changes due to a change in ambient temperature or a jet of internal gas.
[0002]
[Prior art]
FIG. 8 shows a conventional aerosol product sealing structure. In this seal structure, a substantially
[0003]
On the other hand, as shown by an imaginary line in FIG. 8, the flexible or fragile property is accommodated in the
[0004]
Further, an
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional aerosol product has no problem in normal use. However, when the temperature change is large, the content of the aerosol product, particularly the amount of leakage of the propellant, increases. This is because the portion of the lid body such as the
[0006]
As a result of investigating the cause of the decrease in airtightness due to the temperature change and / or the internal pressure change, the sealing material is compressed tightly and evenly near the elastic limit or beyond the elastic limit when clinching. This is probably because the sealing material has a reduced elasticity and is almost rigid (see the right side of FIGS. 9a and 9b). Furthermore, the rubber sealing material is easily crystallized at a low temperature, and the time for crystallization is further shortened when the sealing material is stressed, such as a clinched state. As a result, the hardness of the sealing material further increases and the elasticity decreases at low temperatures, so even if the clinch part is elastically deformed, the shape of the sealing material does not change, and it is considered that a gap is likely to occur. It is done.
[0007]
The present invention is a pressure vessel seal that can minimize leakage of a pressure vessel such as an aerosol vessel, even when temperature changes and / or pressure changes occur, especially when stored at low temperatures. Providing a structure is a technical issue.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The pressure vessel seal structure of the present invention includes a container body having an open upper end, a lid fitted to the container body so as to cover the opening of the container body, and interposed between the container body and the lid. A bead portion that is curved upward and convex is formed in the opening of the container body, and the lid body is curved and formed in an inverted U-shaped cross section and is clinched to the bead portion. A cover is formed,In a state before being held by the bead part and the covering part,The contour of the cross section of the portion contacting the upper surface of the bead portion of the sealing material and the inner surface of the covering portion is curved and protrudes outward, and the sealing material is tightly fitted between the upper surface of the bead portion and the inner surface of the covering portion. A space that allows elastic deformation in the lateral direction of the sealing material is provided in a gap between the upper surface of the bead portion where the material is held and the inner surface of the covering portion./AlsoHauchiContainer body by pressure change and/AlsoThe lidWhen the body is elastically deformed and the gap between the two is changed, the body is elastically deformed following the deformation and has a resilience and shape capable of maintaining a sealing action.
[0009]
In such a seal structure,The inner bag is inserted into the container main body and provided with a flange portion at the upper end thereof, and the flange portion of the inner bag is closely attached between the sealing material and the cover portion of the lid.Those are preferred.Moreover, what provided the cyclic | annular or discontinuous protrusion on the outer peripheral surface of the said inner bag is preferable. Furthermore, it is preferable that the flange portion of the inner bag is placed on the upper surface of the inner half of the seal member.
[0010]
The second aspect of the seal structure of the present invention includes a container main body having an open upper end, a cap fitted into the opening of the container main body, and fitted to the container main body in order to fix the cap to the container main body. And a sealing member interposed between the container body and the cap,In a state before being held by the bead part and the covering part,The contour of the cross section of the portion that contacts the upper surface of the bead portion of the sealing material and the inner surface of the covering portion is curved and protrudes outward, the sealing material is tightly fitted between the container body and the cap, and the sealing material is held. A space that allows elastic deformation of the sealing material is provided in a gap between the container body and the cap, and the sealing material/AlsoHauchiContainer body by pressure change and/AlsoThe lidWhen the body is elastically deformed and the gap between the two is changed, the body is elastically deformed following the deformation and has a resilience and shape capable of maintaining a sealing action.
[0011]
[Operation and effect of the invention]
In the first aspect of the seal structure of the present invention, when the gap between the container main body and the lid body expands due to temperature change and / or internal pressure change, the sealing material swells in that direction following the expansion. As a result, the sealing pressure is maintained and leakage is less likely to occur. On the contrary, when the gap is narrowed, it is elastically pressed following that. Therefore, the sealing action is further ensured.
[0012]
In such a sealing structure, a space that allows elastic deformation of the sealing material in the lateral direction is provided in a gap between the container main body and the lid body in which the sealing material is held.SoUnlike the sealing material in which the periphery is constrained, when the sealing pressure is first applied (when clinching), the sealing material elastically deforms in the lateral direction. When the container main body and the lid body are elastically deformed by the temperature change and / or the pressure change and the gap with the sealing material is expanded, the shape deformed in the lateral direction tries to return to the original shape. Therefore, even when the change in the gap is large, the elastic deformation of the sealing material can follow in a wide range.
[0013]
Moreover, the outline of the cross section of the portion of the sealing material that contacts the container body or the lid is curved and protrudes outward.BecauseWhen a sealing pressure is first applied, the portion in contact with the container main body or the lid tends to flatten. This increases the contact area and reduces the pressure per unit area. However, since the area is large, a sufficient sealing action is ensured. Further, when the container body and the lid body are elastically deformed and the gap between the two is widened, the sealing material tends to return to the original protruding state. For example, when the container main body has a bead portion, when the bead portion and the lid body are deformed in the vertical direction and the gap is widened, the applied pressure is reduced, and the sealing material is elastically returned to the original protruding direction. . As a result, the contact area becomes narrow, so even if the overall pressure decreases, the pressure per unit area hardly changes. Therefore, an appropriate sealing action is maintained. Even when the bead portion and the lid body are deformed in an oblique direction, the shape and elasticity of the sealing material change according to the deformation, and the portion having a seal pressure that can be sealed moves accordingly, and the sealing performance is maintained. .
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment of the seal structure of the present invention will be described with reference to the drawings. 1a and 1b are main part sectional views before and after clinching, showing one embodiment of the seal structure of the present invention, and FIGS. 2a and 2b are main part enlarged sectional views before and after clinching in the seal structure, respectively. 3a is an enlarged cross-sectional view of the main part showing deformation by clinch of another embodiment of the seal structure of the present invention, FIGS. 3b and 3c are explanatory views of the seal action in the seal structure, respectively, and FIGS. Sectional drawing of the principal part which shows other embodiment of the seal structure of invention, figure5 is bookSectional drawing which shows other embodiment of the sealing material used for the sealing structure of invention, FIG.6 and FIG.7 is principal part sectional drawing which shows other embodiment of the sealing structure of this invention, respectively.
[0016]
A
[0017]
The mounting
[0018]
The sealing
[0019]
The container
[0020]
In the
[0021]
Also, the
[0022]
On the other hand, as shown in FIG. 2b, the outer edge portion N1 and the inner edge portion N2 of the
[0023]
In the conventional thin plate-like gasket (
[0024]
First, when the internal pressure temporarily rises due to an increase in environmental temperature or the like, the
[0025]
On the other hand, when permanent deformation (relaxation) occurs in the
[0026]
FIG. 3 a is substantially the same as the
[0027]
In the case of this sealing structure, the
[0028]
The upper side of FIG. 3b shows the state of elastic deformation of the sealing
[0029]
As described above, in the sealing
[0030]
For example, as shown in FIG. 3c, when the internal pressure of the
[0031]
Even in the case of the seal structure having the
[0032]
Next, another embodiment of the seal structure of the present invention will be described with reference to FIGS. The sealing
[0033]
In the sealing
[0034]
Contrary to the case of FIG. 4b, the sealing
[0035]
In the seal structure shown in FIG. 4d, an annular or
[0038]
FigureTo 5The illustrated sealing
[0041]
FIG. 6 shows a case where the dynamic seal structure of the present invention is applied to the seal structure shown in FIG. An
[0042]
In this embodiment, the diameter of the circle of the cross-sectional shape of the sealing
[0043]
In the
[0044]
Since this also has a space P1 outside the sealing
[0045]
6 and 7 both show the sealing
[0046]
【Example】
Using an aluminum double aerosol container (body diameter 53 mm) equipped with an internal container (inner bag) made of synthetic resin, the inner container was filled with a hair dye stock solution, and an opening ( The propellant (adjusted to 0.8 MPa with nitrogen gas) was filled from the gap between the bead portion) and the opening of the inner container. Next, the mounting cup was clinch and the valve was fixed while pressing the aluminum mounting cup against the opening of the outer container through the sealing material (NBR) and the flange of the inner container shown in FIG.
[0047]
The obtained aerosol product was kept in a 50 ° C. warm bath for 2 minutes to confirm that there was no leakage, and the pressure at 25 ° C. before the test was measured. Subsequently, it was stored for 6 months under each temperature condition (80 at each temperature), the pressure at 25 ° C. of the aerosol product after storage was measured, and the pressure drop was calculated. Moreover, the sealing material (cross-sectional rectangle) shown in FIG. 8 was used as a comparative example, the aerosol product was manufactured similarly to the Example, and the pressure drop amount was calculated | required. A product having a pressure drop of 0.1 MPa or more from before the test is regarded as a product defect, and the calculation result of the number of product defects is shown in Table 1.
[0048]
[Table 1]
[0049]
From the above test results, it can be seen that none of the products of the present invention (Examples) are defective, and the Examples show a small amount of pressure drop under any storage condition. On the other hand, in the conventional product (comparative example), although the number of product defects is somewhat small at 25 ° C., it can be seen that the amount of pressure drop is large under a high temperature environment or under conditions where temperature change is large.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1a and 1b are cross-sectional views of main parts before and after clinching, showing an embodiment of a seal structure of the present invention.
FIGS. 2a and 2b are enlarged sectional views of main parts before and after clinching in the seal structure, respectively.
FIG. 3a is an enlarged cross-sectional view of a main part showing deformation by clinching of another embodiment of the sealing structure of the present invention, and FIGS. 3b and 3c are explanatory views of the sealing action in the sealing structure, respectively.
FIGS. 4a to 4d are cross-sectional views showing the main part of another embodiment of the seal structure of the present invention.
FIG. 55 is bookIt is sectional drawing which shows other embodiment of the sealing material used for the sealing structure of invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view of an essential part showing still another embodiment of the seal structure of the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view of an essential part showing still another embodiment of the seal structure of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing an example of a conventional seal structure.
9A is an enlarged cross-sectional view of main parts before and after clinching in the seal structure, and FIG. 9B is an enlarged cross-sectional view of main parts before and after clinching in another example of the conventional seal structure.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing still another example of a conventional seal structure.
[Explanation of symbols]
10 Seal structure
11 Container body
12 Beads
13 Mounting cup
14 Covering part
15 Sealing material
15a center
15b upper part
15c bottom
16 Shoulder
17 Cylindrical part
20 valves
21 Valve holder
22 outer wall
P1, P2 space
N1 outer edge
N2 inner edge
23 Inner bag
24 Flange
25 neck (inside bag)
26 Shoulder (inner bag)
27 Body (inside bag)
28 Annular recess
29a bottom
29b upper part
29c Thin part
W width
T thickness
14a outer peripheral surface
30 Seal structure
31 Container body
32 neck
33 annular groove
34 cap
35 mounting cup
33a Convex surface
37 Sealing material
38 Annular groove
39 Seal surface
40 Small diameter part
42 Seal structure
43 steps
44 engaging part
45 Upper part
Claims (5)
その容器本体の開口を覆うように容器本体に嵌着される蓋体と、
容器本体と蓋体との間に介在されるシール材とからなり、
前記容器本体の開口部に上向きに凸に湾曲しているビード部が形成され、
前記蓋体に、断面逆U字状に湾曲形成され、ビード部にクリンチされる被せ部が形成され、
前記ビード部と被せ部によって保持される前の状態で、シール材のビード部の上面および被せ部の内面と接する部位の断面の輪郭が、湾曲して外に突出し、
前記シール材がビード部の上面と被せ部の内面の間に狭着され、
前記シール材が保持されているビード部の上面と被せ部の内面との隙間に、シール材の横方向への弾性変形を許す空間が設けられており、
前記シール材が、温度変化および/または内圧変化によって容器本体および/または蓋体が弾性変形し、両者の隙間が変化したとき、その変形に追従して弾力的に変形し、シール作用を維持することのできる弾力性および形状を備えている圧力容器のシール構造。A container body having an open top;
A lid fitted to the container body so as to cover the opening of the container body;
It consists of a sealing material interposed between the container body and the lid,
A bead portion that is curved upward and convex is formed in the opening of the container body,
The cover body is formed with a curved U-shaped cross section, and a cover portion that is clinched to the bead portion is formed,
In a state before being held by the bead portion and the covering portion, the contour of the cross section of the portion contacting the upper surface of the bead portion and the inner surface of the covering portion of the sealing material is curved and protrudes outside,
The sealing material is tightly attached between the upper surface of the bead portion and the inner surface of the covering portion,
In the gap between the upper surface of the bead portion where the sealing material is held and the inner surface of the covering portion, a space allowing elastic deformation in the lateral direction of the sealing material is provided,
The sealing material is the temperature change and / or the container body and / or by the inner pressure change the lid is elastically deformed, when both of the gap is changed, elastically deformed to follow the deformation, the sealing action A pressure vessel seal structure having elasticity and a shape capable of maintaining the pressure.
その内袋のフランジ部が前記シール材と蓋体の被せ部との間に狭着される請求項1記載のシール構造。The inner bag is inserted into the container body and provided with a flange at the upper end thereof,
The seal structure according to claim 1, wherein a flange portion of the inner bag is tightly attached between the seal material and a cover portion of the lid.
その容器本体の開口部に嵌入されるキャップと、
そのキャップを容器本体に固定させるために容器本体に嵌着される蓋体と、
容器本体とキャップとの間に介在されるシール材とからなり、
前記ビード部と被せ部によって保持される前の状態で、シール材のビード部の上面および被せ部の内面と接する部位の断面の輪郭が、湾曲して外に突出し、
前記シール材が容器本体とキャップの間に狭着され、
前記シール材が保持されている容器本体とキャップの隙間に、シール材の弾性変形を許す空間が設けられており、
前記シール材が、温度変化および/または内圧変化によって容器本体および/または蓋体が弾性変形し、両者の隙間が変化したとき、その変形に追従して弾力的に変形し、シール作用を維持することのできる弾力性および形状を備えている圧力容器のシール構造。A container body having an open top;
A cap fitted into the opening of the container body;
A lid fitted to the container body to fix the cap to the container body;
It consists of a sealing material interposed between the container body and the cap,
In a state before being held by the bead portion and the covering portion, the contour of the cross section of the portion contacting the upper surface of the bead portion and the inner surface of the covering portion of the sealing material is curved and protrudes outside,
The sealing material is tightly fitted between the container body and the cap;
A space allowing elastic deformation of the sealing material is provided in a gap between the container main body and the cap holding the sealing material,
The sealing material is the temperature change and / or the container body and / or by the inner pressure change the lid is elastically deformed, when both of the gap is changed, elastically deformed to follow the deformation, the sealing action A pressure vessel seal structure having elasticity and a shape capable of maintaining the pressure.
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