JP4931135B2 - リボソームディスプレイ - Google Patents
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Description
しかしながら本方法は、ファージを増幅させる際に大腸菌の形質転換を行うステップが必要である。この過程で、ライブラリーの大きさは大腸菌によって維持しうる範囲に制限される。大腸菌によって増殖できるファージの数には限界があるので、例えば108を超える多様性を持ったライブラリーを増殖させることは困難と考えられている。また、蛋白質への翻訳を大腸菌に依存する限り、宿主である大腸菌に有害な蛋白質の発現効率は著しく低下する。さらに、選択の後に変異を導入する場合、一度遺伝子を取り出し変異を導入した後、再び大腸菌を形質転換する過程を経なければならない。このため、ファージディスプレイは1回の変異と選択のプロセスに1週間程度を必要とする。
(1) 生細胞を用いることによる制限がないため、分子種1013以上という多様性の高いライブラリーを使用することができる。
(2) 生細胞では発現が困難な細胞毒性のある蛋白質でも合成および提示することができる。
(3) 合成、提示もしくは選択する蛋白質(ポリペプチド)に非天然アミノ酸を容易に導入できる。このため、天然アミノ酸だけでは作ることのできない新しい機能分子を創出することができる。
(4) 分子シャペロンなどの外来性因子を添加することによって、提示する蛋白質の高次構造形成を促進し、活性を向上させることができる。
(5) スクリーニングに要する時間が短縮される。例えば、わずか1から2日で変異と選択のプロセスを行うことができる。
〔1〕次の工程を含む標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸の単離方法であって、in vitro翻訳系を構成するリボソームが、独立に精製されたリボソームである単離方法、
(a) in vitro 翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳し、当該mRNAとポリペプチドを含む複合体を形成する工程、
(b) (a)で形成された複合体を標的物質と接触させる工程、および、
(c) 標的物質に結合した複合体を回収し、回収された複合体を構成するmRNAまたはそのcDNAを、標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸として単離する工程。
〔2〕in vitro 翻訳系が、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない〔1〕に記載の方法。
〔3〕in vitro翻訳系が、独立に精製された因子のみからなるin vitro翻訳系である〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕in vitro翻訳系が、開始因子、伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素、およびメチオニルtRNAトランスフォルミラーゼからなる群から選択される、少なくとも1つの成分を含むin vitro翻訳系である〔3〕に記載の方法。
〔5〕in vitro翻訳系を構成するリボソームが、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない精製リボソームである〔1〕から〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕in vitro翻訳系を構成するリボソームが、次の工程によって精製されたリボソームである〔5〕に記載の方法、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で生成する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。
〔7〕細胞が原核生物である〔6〕に記載の方法。
〔8〕細胞が大腸菌である〔7〕に記載の方法。
〔9〕mRNAとポリペプチドを含む複合体を、mRNAがポリペプチドコード配列の3'末端側に終止コドンを含み、かつ解離因子を含まないin vitro翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳する工程によって形成する〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕in vitro翻訳系を構成する翻訳すべきmRNAとリボソームのモル比が、1:5〜1:15である〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕in vitro翻訳系におけるmRNAの濃度が、0.01〜0.5μMである〔10〕に記載の方法。
〔12〕in vitro翻訳系におけるmRNAの濃度が、0.015〜0.1μMである〔11〕に記載の方法。
〔13〕in vitro翻訳系におけるリボソームの濃度が、0.1〜2μMである〔10〕に記載の方法。
〔14〕in vitro翻訳系におけるリボソームの濃度が、0.15〜1μMである〔13〕に記載の方法。
〔15〕ポリペプチドをコードする核酸が、ライブラリーである〔1〕から〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕標的物質が、固相に結合しているか、または固相に捕捉される結合パートナーで標識されている〔1〕から〔15〕のいずれかに記載の方法。
〔17〕in vitro翻訳系のための組成物であって、独立に精製されたリボソームを含む組成物。
〔18〕ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない〔17〕に記載の組成物。
〔19〕独立に精製された因子からなる〔18〕に記載の組成物。
〔20〕独立に精製された因子が、開始因子、伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素、およびメチオニルtRNAトランスフォルミラーゼからなる群から選択される、少なくとも1つの成分を含む〔19〕に記載の組成物。
〔21〕in vitro翻訳系を構成するリボソームが、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない精製リボソームである〔17〕から〔20〕のいずれかに記載の組成物。
〔22〕in vitro翻訳系を構成するリボソームが、次の工程によって精製されたリボソームである〔21〕に記載の組成物、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で生成する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。
〔23〕細胞が原核生物である〔22〕に記載の組成物。
〔24〕細胞が大腸菌である〔23〕に記載の組成物。
〔25〕次の工程を含む精製リボソームの製造方法、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で精製する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。
〔26〕細胞が原核生物である〔25〕に記載の方法。
〔27〕細胞が大腸菌である〔26〕に記載の方法。
リボソームディスプレイを用いて効率的な蛋白質(ポリペプチド)またはペプチドのスクリーニングシステムを構築するには、ヌクレアーゼ活性の影響を受けないin vitro 翻訳系を用いることが望ましい。この点において、本発明者らが開発したPUREシステムは、蛋白質合成に必須の因子のみから再構成されたin vitro 翻訳系であることから理想的なツールといえる。現在実用化されているPUREシステムにおけるヌクレアーゼ活性は、従来の大腸菌S30抽出液を使用したin vitro 翻訳系と比較して実質的に低減していたが、まだ少量のヌクレアーゼ活性が残存していた。しかし本発明者らは、さらなる分析により、残存ヌクレアーゼ活性は、主にリボソーム調製物に由来することを明らかにした。
(a) in vitro 翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳し、当該mRNAとポリペプチドを含む複合体を形成する工程、
(b) (a)で形成された複合体を標的物質と接触させる工程、および、
(c) 標的物質に結合した複合体を回収し、回収された複合体を構成するmRNAまたはそのcDNAを、標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸として単離する工程。
(1)mRNAからポリペプチドに翻訳するin vitro翻訳系
(2)DNAからmRNAに転写し、更にmRNAからポリペプチドに翻訳するin vitro翻訳系
(1)各因子(蛋白質)をコードする遺伝子を単離し、発現ベクターに導入後、適当な宿主細胞に形質転換して発現させ、回収する。
(2)各因子をコードする遺伝子を単離し、in vitro翻訳系で合成し、回収する。
(1)では、はじめに発現制御領域を含む発現ベクターに、該領域の制御により目的とする因子が発現されるように各因子の遺伝子を組み込んだ発現プラスミドを作成する。ベクターを構成する発現制御領域とは、例えば、エンハンサー、プロモーター、およびターミネーターなどを指す。発現ベクターは、薬剤耐性マーカーなどを含むこともできる。次に、この発現プラスミドで宿主細胞を形質転換し、各因子を発現させる。
リボソーム(70S)=大サブユニット(50S)+小サブユニット(30S)
分子量: 約2.5x106 約1.6x106 約0.9x106
50Sサブユニット;
L1〜L34の34種類の蛋白質(リボソーム蛋白質)
23S RNA(約3200ヌクレオチド)
5S RNA(約120ヌクレオチド)
30Sサブユニット;
S1〜S21の21種類の蛋白質(リボソーム蛋白質)
16S RNA(約1540ヌクレオチド)
つまり各サブユニットは、これらの成分からなる複合体として単離されうる。更にリボソームは、各サブユニットの複合体として単離されうる。したがって本発明における独立して精製されたリボソームとは、たとえば原核生物由来のリボソームにおいては、大小のサブユニットからなる70Sリボソームとして精製された複合体、または、それぞれ精製された50Sサブユニットと30Sサブユニットを混合してできた複合体を指す。
リボソーム(80S)=大サブユニット(60S)+小サブユニット(40S)
したがって、本発明におけるin vitro翻訳系を真核細胞由来のリボソームで構成する場合には、80Sリボソームとして精製されたリボソームを利用することができる。
開始因子 (Initiation Factor; IF)、
伸長因子 (Elongation Factor; EF)、
解離因子 (Release Factor; RF)、
アミノアシルtRNA合成酵素、
リボソーム、
アミノ酸、
ヌクレオシド三リン酸、
tRNA、
塩類、
緩衝液、
さらに、大腸菌等の原核細胞由来の反応系である場合は、メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼおよび、10-フォルミル5,6,7,8-テトラヒドロ葉酸(FD)を含む。本発明における好ましいin vitro翻訳系は、解離因子以外の上記成分の全てを含む。
T7 RNAポリメラーゼ
T3 RNAポリメラーゼ
SP6 RNAポリメラーゼ
T7RNAポリメラーゼを使用した場合、例えば、0.01μg/ml-5000μg/ml、好ましくは、0.1μg/ml-1000μg/mlで使用できる。
反応系においてエネルギーを再生するための酵素:
クレアチンキナーゼ;
ミヨキナーゼ;および
ヌクレオシドジフォスフェートキナーゼなど
転写・翻訳で生じる無機ピロリン酸の分解のための酵素:
無機ピロフォスファターゼなど
上記酵素は、例えば、0.01μg/ml-2000μg/ml、好ましくは、0.05μg/ml-500μg/mlで使用できる。
1.2 μM Ribosome、
2.70 μM IF1、
0.40 μM IF2、
1.50 μM IF3、
0.26 μM EF-G、
0.92 μM EF-Tu、
0.66 μM EF-Ts、
0.25 μM RF1、
0.24 μM RF2、
0.17 μM RF3、
0.50 μM RRF、
1900 U/ml AlaRS、
2500 U/ml ArgRS、
20 μg/ml AsnRS、
2500 U/ml AspRS、
630 U/ml CysRS、
1300 U/ml GlnRS、
1900 U/ml GluRS、
5000 U/ml GlyRS、
630 U/ml HisRS、
2500 U/ml IleRS、
3800 U/ml LeuRS、
3800 U/ml LysRS、
6300 U/ml MetRS、
1300 U/ml PheRS、
1300 U/ml ProRS、
1900 U/ml SerRS、
1300 U/ml ThrRS、
630 U/ml TrpRS、
630 U/ml TyrRS、
3100 U/ml ValRS、
10 μg/ml T7 RNA polymerase、
4500 U/ml Methionyl-tRNA transformylase (MTF)、
4.0 μg/ml Creatine kinase(クレアチンキナーゼ)、
3.0 μg/ml Myokinase(ミヨキナーゼ)、
1.1 μg/ml Nucleoside-diphosphate kinase(ヌクレオシドジフォスフェートキナーゼ)、
1.3 μg/ml Pyrophosphatase(ピロホスファターゼ)、
0.3 mM 各アミノ酸、
56 A260/ml tRNA、
50 mM Hepes-KOH, pH 7.6、
100 mM Potassium glutamate(グルタミン酸カリウム)、
13 mM Magnesium acetate(酢酸マグネシウム)、
2 mM Spermidine(スペルミジン)、
1 mM DTT、
2 mM ATP、
2 mM GTP、
1 mM CTP、
1 mM UTP、
20 mM Creatine phosphate(クレアチンリン酸)、
10 μg/ml 10-formyl-5,6,7,8-tetrahydrofolic acid (FD)。
(1)in vitro翻訳系の反応液に鋳型となるmRNAを加えてインキュベートする;
(2)氷冷した緩衝液を加えて翻訳反応を停止させる;そして
(3)ポリペプチドとmRNAを含む複合体を回収する;
in vitro翻訳系を構成する因子類が、結合性パートナーでラベルされている場合には、翻訳反応終了後に、リガンドを有する固相に捕捉することによって反応液から除去することができる。その結果、形成した三者複合体を、in vitro翻訳系を構成するその他の因子類から容易に回収することができる。従って、本発明の酵素・因子キットは、相互に付着し合う関係にある物質の一方でラベルされている蛋白質性成分を捕捉するための吸着体を含むことができる。
(1)開始コドンの上流にSD配列(大腸菌由来のリボソームを使用する場合)
(2)目的遺伝子下流のスペーサーをコードする配列
(3)スペーサーの下流のSecMの部分配列
例えば、in vitro翻訳系として大腸菌由来のリボソームを利用する場合には、通常の蛋白質合成と同様、開始コドンの上流にリボソーム結合配列であるShine-Dalgarno(SD)配列を含むことにより、翻訳反応の効率が上昇する。さらに、リボソームディスプレイでは、目的遺伝子の下流にスペーサーをコードする配列を含む必要がある。スペーサーは、翻訳されたポリペプチドが、リボソームの外側で正確に折り畳まれるための十分な空間を提供することによって、新生ポリペプチドとリボソームとのあいだの立体障害を防止する。ここで、十分な長さのスペーサーがないと、目的のポリペプチドがリボソームの外に完全に出ることができず、リボソームディスプレイによる選択を効率よく行なうことができない。スペーサーは、少なくとも30アミノ酸からなり、好ましくは、50アミノ酸以上の長さからなる。具体的には、ファージのgeneIIIの部分配列などを用いることができる。さらに、mRNA-リボソーム-ポリペプチド三者複合体を安定化するために、大腸菌SecMの翻訳反応伸長停止配列(アミノ酸残基148〜170)をコードする配列をスペーサー配列の下流に配置したmRNAも使用することができる。この翻訳伸長停止配列は、リボソームのペプチドトンネルと堅固に相互作用することが示されており(Nakatogawa et al., Cell (2002) vol.108, p.629-636)、PUREシステムを用いた場合、効率よく翻訳の伸長を停止させることが証明されている(Nakatogawa et al., Mol. Cell (2006) vol.22, p.545-552)。
(1)適当なライブラリーなどから、目的のポリペプチドをコードするDNA領域を、5'UTR配列(プロモーター及びSD配列を含む)を含むプライマーと、スペーサー配列の一部を含むプライマーを使用したPCRで増幅する。
(2)増幅したDNAを、5'UTR部分のプライマーと、スペーサー部分とSecM配列を含むプライマーで再度増幅する。
このように構築したDNAを必要に応じてさらに増幅し、それを鋳型としてRNAポリメラーゼで転写することにより、翻訳反応の鋳型となるmRNAを得ることができる。
(1)抗体産生細胞からmRNAを抽出してcDNAを合成する。
(2)cDNAを鋳型としてVH遺伝子領域およびVL遺伝子領域をそれぞれPCRにより増幅する。
(3)増幅したVH遺伝子領域とVL遺伝子領域をアセンブリPCRにより連結させ、scFvをコードするDNAを調製する。
(4)調製したscFvをコードするDNAをベクターに組み込み、ライブラリーを構築する。
抗体の可変領域のクローニング用プライマーは公知である(Marks et al., J. Mol. Biol. (1991) vol.222, p.581, Welschof et al., J. Immunol. Methods (1995) vol.179, p.203, Campbell et al., Mol. Immunol. (1992) vol.29, p.193)。GSリンカーによってscFvを構築するためには、VH遺伝子領域とVL遺伝子領域を増幅する際にGSリンカーをコードする塩基配列を付加したプライマーを利用すればよい。通常、scFvにおけるVHとVLの組み合わせはランダムである。
(1)固相に固定化した標的物質に複合体を接触させる。もしくは、固相に捕捉される結合パートナーで標識されている標的物質に複合体を接触させ、その後に複合体と結合した標的物質を固相に固定化する。
(2)標的物質に結合しなかった複合体を除去する。例えば、洗浄により除去することができる。
(3)除去されなかった複合体を回収する。
(4)必要に応じ(1)から(3)の操作を複数回繰り返す。
[固相]-[リガンド]-[結合パートナー][標的物質]
His tag とニッケル錯体、コバルト錯体等の金属錯体(Bornhorst and Falke, Methods Enzymol. (2000), vol.326, p.245-254)
thioredoxin とPAO(Alejo et al., J. Biol. Chem. (1997) vol.272, p.9417-9423)
T7-tagとT7-tagに特異的なモノクローナル抗体(Deora et al., J. Bacteriol. (1997) vol.179, p.6355-6359)
FLAGペプチドtag(Sigma)とanti-FLAG抗体(Sigma)(Woodring and Garrison, J. Biol. Chem. (1997) vol.272, 30447-30454)
Staphylococal Protein A (SPA)と抗体(IgG)(Nilsson and Abrahmsen, Methods Enzymol. (1990) vol.185, p.144-161)
Strep-Tag とストレプトアビジン(Skerra and Schmidt, Methods Enzymol. (2000) vol.326, p.271-311)
ビオチンとアビジン(または、ストレプトアビジンあるいはそれらの誘導体)(Alche and Dickinson, Prot. Express. Purif. (1998) vol.12, p.138-143)
(1)180℃、8時間以上加熱する。
(2)以下の工程により滅菌ジエチルピロカーボネート(DEPC)処理水を作成する。DEPCはRNaseの阻害剤であり不活性化剤である。
(a)水に終濃度が0.1%になるようにDEPCを加える。
(b)37℃で12時間放置する。
(c)121℃、20分間のオートクレーブにかける(DEPCの除去のため)。
(3)超純水製造装置に限外ろ過フィルターを設置し、超純水を製造する。
(1) 対象試料およびヌクレアーゼフリーウォーター(ネガティブコントロール)、およびRNase含有試料(ポジティブコントロール)45μlを、キットに添付されている反応液5μlに加える。
(2) 混合液を37℃で1時間インキュベートする。
(3) UVトランスイルミネーター上で、蛍光強度を目で比較する。もしくは、混合液の蛍光強度を、490 nm/520 nmの励起/蛍光波長で測定する。
上記の方法でコントロールと比較してヌクレアーゼ活性を検出できないときに、「ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない」ということができる。混入量の目安としては、1 pmolのリボソームあたり、RNaseA約0.1 pgに相当するRNase活性以下のときに「ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない」ということができる。
(1)mRNAのポリペプチドコード配列の3'末端領域に終止コドンを含む場合、解離因子を含まないin vitro翻訳系を使用する。
(2)mRNAのポリペプチドコード配列の3'末端領域に終止コドンを含まない場合、解離因子を含む、あるいは含まないin vitro翻訳系を使用する。
本発明におけるリボソームディスプレイにおいては、後述するように上記(1)の方法が特に好ましい。すなわち本発明は、mRNAとポリペプチドを含む複合体を、mRNAがポリペプチドコード配列の3'末端領域に終止コドンを含み、かつ解離因子を含まないin vitro翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳する工程によって形成することを含む、標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸の単離方法に関する。
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で生成する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。
(1)塩析後の細胞抽出液(1.5 M硫安を含む)を試料として疎水性基をもつゲル(担体、固定相)を充填したカラムにロードする。
(2)1.2 M硫安を含む緩衝液でカラムを洗浄する。
(3)0.75 M硫安を含む緩衝液によってリボソームを含む画分を溶出する。
当該組成物は、上述の核酸の単離方法に用いることができる。当該組成物は、例えば以下の成分より構成することができる。
開始因子(IF1、IF2、IF3)
伸長因子(EF-G、EF-Tu、EF-Ts)
解離因子(RF1、RF2、RF3、RRF)
アミノアシルtRNA合成酵素
メチオニルtRNAトランスフォルミラーゼ
本発明の組成物には、翻訳や転写に有用な付加的な成分を含むことができる。具体的には、まず翻訳に必要な基質類を含むことができる。またエネルギー再生を目的として各種のキナーゼ類を加えることもできる。更に転写のためには、RNAポリメラーゼを含むことができる。さらに、分子シャペロン類や、ジスルフィドイソメラーゼ類も含むことができる。本発明の組成物をin vitro翻訳系に好適な緩衝液に配合することもできる。緩衝液には、保護剤や塩類を加えることができる。あるいは、本発明のin vitro翻訳用の組成物と、in vitro翻訳系に好適な緩衝液とを組み合わせたキットとして供給することもできる。in vitro翻訳系を構成する因子が、リガンドで補足するための結合パートナーで標識されている場合には、リガンドを有する固相担体をキットに組み合わせることもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
鋳型の構築:卵白リゾチームに対するscFv(scFv-HyHEL10)の遺伝子を、上田宏博士より提供されたプラスミドpCANTAB5E-HyHEL-10(Ueda et al., J. Mol. Catal., B Enzym. (2004) vol.28, p.173-180)から増幅して、発現ベクターpET20b(Novagen製)のSD配列の下流にサブクローニングした。一方、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子をpET17b(Novagen製)にサブクローニングした(Shimizu et al. Nat. Biotechnol. (2001) vol.19 p.751-755)。M13ファージのgeneIIIの部分配列(アミノ酸残基220〜326位)をpCANTAB-5E(GE Healthcare Biosciences製)から増幅した後、scFv-HyHEL10およびDHFRのORFの下流にそれぞれ挿入した。得られたプラスミドを鋳型として、プライマーT7p(aattaatacg actcactata gggagaccac aacggtttcc ctctag(配列番号:1))およびgeneIII-SecMp(agttaaacgt tgaggaccag cacgaatacc ttgagcttga gaaatccaaa caggagtaga aaatttggcg ccggaaacgt caccaatgaa accatcgata gcagc(配列番号:2))を用いてPCRを行なった。ゲル電気泳動によって精製したPCR産物を鋳型として、プライマーT7pおよびSecMp(ctaagttaaa cgttgaggac cagcacgaat acc(配列番号:3))を用い、二段階目のPCRを行なった。このPCR産物をゲル電気泳動によって精製して、その後のin vitro転写のための鋳型として用いた。また、3'末端が異なるSecM(+)、mSecM(+)、mSecM(−)を構築するため、以下のプライマーを用いて、PCRを行った。SecM(+):5'-ctaagttaaa cgttgaggac cagcacgaat acc-3'(配列番号:4)(下線は、amber終止コドンの導入を示す)、mSecM(+):5'-ctaagttaaa cgttgagcac cagcagcaat accttgagct tgag-3'(配列番号:5)(下線は、amber終止コドンならびに、SecM ORFのアミノ酸置換 R163A およびP166Aを示す)、mSecM(−):5'-agttaaacgt tgagcaccag cagcaatacc ttgagcttga g-3'(配列番号:6)(下線は、SecM ORFのアミノ酸置換 R163A および P166Aを示す)。これらのPCR産物は、上記と同様、アガロースゲルからの切り出しにより精製した。mRNAは、CUGA 7 in vitro転写キット(Nippongene製)を用いて、2 pmol以下のDNA鋳型(上記PCR産物)からの転写反応(≦40μL、37℃で2時間)で合成した。合成されたmRNAをISOGEN-LS(Nippongene製)処理、エタノール沈殿で精製し、翻訳実験で用いるために水に溶解した。
リボソームの調製:大腸菌A19株をLB培地において37℃で対数増殖中期まで培養した。細胞を遠心によって回収し、-80℃で保存した。細胞を等量の懸濁緩衝液(10 mM Hepes-KOH、pH 7.6、50 mM KCl、10 mM Mg(OAc)2、7 mMβ-メルカプトエタノール)に懸濁し、フレンチプレスによって7000〜10,000 psiで破砕した。未破砕細胞を20,000 gでの30分間の遠心によって除去した。上清に、硫酸アンモニウムを最終濃度が1.5 Mとなるように加え、析出した分画を20,000 gでの30分間の遠心によって除去した後、上清を0.45μmメンブレンによって濾過した。1000 OD260 unit分の上清を、緩衝液A(20 mM Hepes-KOH、pH 7.6、1.5 M (NH4)2SO4、10 mM Mg(OAc)2、7 mMβ-メルカプトエタノール)であらかじめ平衡化した10 ml HiTrap Butyl FFカラム(GE Healthcare Biosciences製)にローディングした。緩衝液Aを緩衝液B(20 mM Hepes-KOH、pH 7.6、10 mM Mg(OAc)2、7 mMβ-メルカプトエタノール)によって希釈することによって、より低濃度の硫酸アンモニウムを含む緩衝液を調製した。カラムを1.2 Mの硫酸アンモニウムを含む緩衝液で洗浄後、0.75 Mの硫酸アンモニウムを含む緩衝液でリボソーム画分を溶出した。溶出液を、等量のクッション緩衝液(20 mM Hepes-KOH、pH 7.6、30 mM NH4Cl、10 mM Mg(OAc)2、30% ショ糖、7 mMβ-メルカプトエタノール)の上に重層して、Beckman 70Tiローターにおいて36,000 rpmで16時間超遠心した。得られた澄んだ沈殿は70Sリボソームを含み、これをリボソーム緩衝液(20 mM Hepes-KOH、pH 7.6、30 mM KCl、6 mM Mg(OAc)2、7 mMβ-メルカプトエタノール)に溶解して、-80℃で保存した。
PUREシステムを用いたin vitro翻訳:標準的なPUREシステムの反応液(30 μl)は、1 mM酸化型グルタチオン、0.1 mM還元型グルタチオン、1μM蛋白質ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)および0.6 U RNasin(Promega製)を加えた以外は、既報(Ying et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. (2004) vol.320, p.1359-1364)と同様に調製した。なお、この反応液には、解離因子(RF1、RF3、およびRRF)およびジチオスレイトール(DTT)は含んでいない。反応液を37℃で5分間プレインキュベートした後、mRNAを加えて翻訳反応を37℃でさらに20分間行なった。氷冷したWBTH緩衝液(50mM Tris-OAc、pH 7.5、150 mM NaCl、50 mM Mg(OAc)2、0.5% Tween 20、2.5 mg/mlヘパリンナトリウム)120μlを加えて反応を停止させた後、14,000 gで10分間遠心して、不溶性成分を除去した。上清に、WBT(50 mM Tris-OAc、pH 7.5、150 mM NaCl、50 mM Mg(OAc)2、0.5% Tween 20、5% BSA(TakaraBio製)および4% BlockAce(Dainippon Sumitomo Pharma製))50μlを加えた。
in vitro選択:ビオチン化リゾチームを以下のように調製した。卵白リゾチーム(Seikagaku Corporation製)10 mgをPBS 1 mlに溶解し、840 μlの10 mM Ez-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin(PIERCE製)と混合後、室温で30分間インキュベートした。未反応試薬をPBSに対する透析によって除去した。scFv-HyHEL10 mRNAを選択するために、調製したビオチン化リゾチーム(3 pmol)を実施例3の翻訳反応後の上清に加えて、室温で1時間インキュベートした。次に、ストレプトアビジンコーティング磁気ビーズ(M270ストレプトアビジン、DYNAL製)30 μlを加えて、室温で軽く振とうさせながらさらに30分間インキュベートした。ビーズを回収してWBT 1 mlで10回洗浄した。磁気ビーズに溶出緩衝液A(50 mM Tris-OAc、pH 7.5、150 mM NaCl、50 mM EDTA、10 μg/ml出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)全RNA(Sigma製))60 μlを加え、室温で軽く振とうさせながら30分間インキュベートすることによって、複合体をビーズから解離させた。回収したmRNAをISOGEN-LS(Nippongene製)を用いて精製した後、エタノールによって沈殿させ、水に溶解した。DHFR mRNAの特異的選択は、メトトレキセート(MTX)-アガロースビーズ(Sigma製)10 μlおよび溶出緩衝液B(50 mM Tris-OAc、pH 7.5、150 mM NaCl、50 mM Mg(OAc)2、0.03 mMメトトレキセート(Wako製)、10 μg/ml出芽酵母全RNA)を用いたことを除き、scFv-HyHEL10 mRNAの場合と同様に行なった。精製mRNAから、T7pおよびSecMpプライマーを用いて、SuperScript III One-Step RT-PCRシステムおよびプラチナTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen製)によって逆転写およびPCRを行なった。
リアルタイムRT-PCR:リアルタイムRT-PCRは、Smart Cycler IIシステム(Cepheid製)を使用して行なった。図3、表2では、HyHEL10s-F(tgcaaactgg gacggtgatt a(配列番号:7))およびHyHEL10s-R(ctggagactg ggtcagcaca a(配列番号:8))、DHFR-F(ctgacgcata tcgacgcaga a(配列番号:9))およびDHFR-R(ccgctccaga atctcaaagc a(配列番号:10))をプライマーとして用いた。また、図5では、G3Forward1(5'-gctccggttc cggtgatttt ga-3'(配列番号11))およびG3Reverse2(5'-tcagtagcga cagaatcaag tttgcc-3'(配列番号12))をプライマーとして用いた。ExScript RT試薬キット(TakaraBio製)およびSYBRプレミクスEx Taq(TakaraBio製)をそれぞれ、逆転写およびPCRのために用いた。
結果及び考察:(1)in vitro翻訳系に混入するヌクレアーゼ活性を減少させるためのリボソーム調製法の改良:リボソームディスプレイによる効率的な蛋白質またはペプチドのスクリーニング系を構築するためには、ヌクレアーゼ活性を含まないin vitro翻訳系を用いることが望ましい。この点において、PUREシステムは、翻訳に必須の因子のみから再構成されたin vitro翻訳系であることから、理想的なツールであると考えられる(Shimizu et al., Nat. Biotechnol. (2001) vol.19, p.751-755)。実際、本発明者らが最初に開発したPUREシステムに含まれるヌクレアーゼ活性は、従来の大腸菌S30系と比べて大幅に低減していた。しかし、本発明者らは、ヌクレアーゼ活性が少量混入していることを確認し、これらの活性が、主にリボソーム画分に由来することを明らかにした。
結論:本発明は、リボソームディスプレイへのPUREシステムの応用に焦点を当てており、このシステムが、アフィニティ精製によりポリペプチドを選択するための強力なプラットフォームとなりうることを示した。インビトロウイルスまたはmRNAディスプレイ(Nemoto et al., FEBS Lett. (1997) vol.414, p.405-408、Roberts et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1997) vol.94, p.12297-12302、Keefe et al., Nature (2001) vol.410, p.715-718)、CISディスプレイ(Odegrip et al., Proc. Natl.Acad. Sci. USA (2004) vol.101, p.2806-2810)、およびエマルジョンよる単一DNA分子の区画化によって行なうDNAディスプレイ(Doi et al., FEBS Lett. (1999) vol.457, p.227-230、Yonezawa et al., Nucleic Acids Res. (2003) vol.31, e118)のような他のin vitro選択系は、主に大腸菌S30抽出物に基づくin vitro 翻訳系を利用しているが、本発明者らの結果は、これら他のin vitro選択系においてもPUREシステム用いることで選択効率が大幅に上昇する可能性を示唆している。
本発明によるリボソームディスプレイは、新しい抗体医薬の創出や生体高分子相互作用解析のための、実際的で高効率な蛋白質スクリーニングシステムの基盤技術として有用である。さらに本発明によるリボソームは、リボソームディスプレイのみならず、他のin vitro選択系にも利用しうる。これらにより、本発明は、蛋白質進化工学の分野および難治性疾患を処置するための治療効果を有する抗体を含む蛋白質医薬の開発に関する新しい方向を示した。
Claims (28)
- 次の工程を含む標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸の単離方法であって、in vitro翻訳系を構成するリボソームが、独立に精製された、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない精製リボソームである単離方法、
(a) in vitro翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳し、当該mRNAとポリペプチドを含む複合体を形成する工程、
(b) (a)で形成された複合体を標的物質と接触させる工程、および、
(c) 標的物質に結合した複合体を回収し、回収された複合体を構成するmRNAまたはそのcDNAを、標的物質と結合するポリペプチドをコードする核酸として単離する工程。 - リボソーム中のヌクレアーゼ混入量が、1pmolのリボソームあたり、RNaseA 0.1pgに相当するRNase活性以下である、請求項1に記載の方法。
- in vitro翻訳系が、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない請求項1または2に記載の方法。
- in vitro翻訳系が、独立に精製された因子のみからなるin vitro翻訳系である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- in vitro翻訳系が、開始因子、伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素、およびメチオニルtRNAトランスフォルミラーゼからなる群から選択される、少なくとも1つの成分を含むin vitro翻訳系である請求項4に記載の方法。
- in vitro翻訳系を構成するリボソームが、次の工程によって精製されたリボソームである請求項1〜5のいずれかに記載の方法、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で生成する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。 - 細胞が原核生物である請求項6に記載の方法。
- 細胞が大腸菌である請求項7に記載の方法。
- mRNAとポリペプチドを含む複合体を、mRNAがポリペプチドコード配列の3'末端側に終止コドンを含み、かつ解離因子を含まないin vitro翻訳系においてmRNAをポリペプチドに翻訳する工程によって形成する請求項1から8のいずれかに記載の方法。
- in vitro翻訳系を構成する翻訳すべきmRNAとリボソームのモル比が、1:5〜1:15である請求項1から9のいずれかに記載の方法。
- in vitro翻訳系におけるmRNAの濃度が、0.01〜0.5μMである請求項10に記載の方法。
- in vitro翻訳系におけるmRNAの濃度が、0.015〜0.1μMである請求項11に記載の方法。
- in vitro翻訳系におけるリボソームの濃度が、0.1〜2μMである請求項10に記載の方法。
- in vitro翻訳系におけるリボソームの濃度が、0.15〜1μMである請求項13に記載の方法。
- ポリペプチドをコードする核酸が、ライブラリーである請求項1から14のいずれかに記載の方法。
- 標的物質が、固相に結合しているか、または固相に捕捉される結合パートナーで標識されている請求項1から15のいずれかに記載の方法。
- in vitro翻訳系のための組成物であって、独立に精製された、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない精製リボソームを含む組成物。
- リボソーム中のヌクレアーゼ混入量が、1pmolのリボソームあたり、RNaseA 0.1pgに相当するRNase活性以下である、請求項17に記載の組成物。
- ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない請求項17または18に記載の組成物。
- 独立に精製された因子からなる請求項17〜19のいずれかに記載の組成物。
- 独立に精製された因子が、開始因子、伸長因子、解離因子、アミノアシルtRNA合成酵素、およびメチオニルtRNAトランスフォルミラーゼからなる群から選択される、少なくとも1つの成分を含む請求項20に記載の組成物。
- in vitro翻訳系を構成するリボソームが、次の工程によって精製されたリボソームである請求項17〜21のいずれかに記載の組成物、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で生成する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。 - 細胞が原核生物である請求項22に記載の組成物。
- 細胞が大腸菌である請求項23に記載の組成物。
- 次の工程を含む、ヌクレアーゼ活性を実質的に含まない精製リボソームの製造方法、
(a) 細胞を破砕し、粗抽出液を回収する工程、
(b) 回収された粗抽出液の塩析処理で精製する沈殿から上清を分離する工程、
(c) 分離された上清を疎水性相互作用カラムクロマトグラフィーで分画する工程、および
(d) 分画中、リボソームを含む分画から超遠心により、リボソームを沈殿として単離する工程。 - リボソーム中のヌクレアーゼ混入量が、1pmolのリボソームあたり、RNaseA 0.1pgに相当するRNase活性以下である、請求項25に記載の方法。
- 細胞が原核生物である請求項25または26に記載の方法。
- 細胞が大腸菌である請求項27に記載の方法。
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