JP4928159B2 - 鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物の耐震補強方法 - Google Patents

鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物の耐震補強方法 Download PDF

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Description

本発明は鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物の耐震補強方法に関する。
既設の鉄筋コンクリート柱に対する耐震補強方法として、柱の周囲に軸方向鉄筋および帯鉄筋を配置し、コンクリートを打設して一体化させるRC巻き補強、柱の周囲に鋼板を巻き付ける鋼板巻き補強、柱外周に鉄筋を配置して柱の四隅で定着する補強等が行われている。
このような補強方法を、例えば、図16に示すような鉄筋コンクリート柱、地中梁、上層梁からなるラーメン構造体に適用する場合、各柱部材の全長において補強することが原則となっており、施工条件に応じて場所により異なる補強方法を各柱部材に対して採用しているが、耐震性能は各柱部材において同程度にするのが原則となっていた。そのため、柱端部や中間部に支障物がある場合においても、支障物を撤去しつつ柱部材全長に対して耐震補強を行うため、撤去復旧費が増大するとともに、撤去復旧を行えない支障物が柱に近接している時には、支障物の移転準備が整うまで耐震補強を行うことができない。その対策として、本出願人は、柱の端部、或いは中間部の一部を無補強とする補強方法を既に提案している(特許文献1、特許文献2)。
特開2000−120023号公報 特開2005−232821号公報
特許文献1、特許文献2の提案は、柱単体に関しての補強方法について開示しているものの、構造物全体系において耐震性を確保する視点がないため、構造物の中のどの程度の柱に対して無補強区間を設けることができるのか明らかではなかった。
本発明は上記課題を解決しようとするものであり、鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物全体系において効果的に耐震性を確保できるようにすることを目的とする。
そのために本発明は、 補強省略区間を1区間のみ設けてその端部に集中補強鋼材を配置し、補強省略区間の見かけのせん断耐力比(無補強区間長をせん断スパンとする見かけのせん断耐力と部材が曲げ耐力に達する時のせん断力との比)を1より大きくした柱部材を有する構造物の補強方法であって、
全柱部材に補強省略区間を設けない場合の構造物の水平耐力をP0、じん性率をδ0 としたきの構造物全体としてのエルギ吸収能をE0 (=P0×δ0 )とし、前記構造物の所定の柱部材に対して補強省略区間を設けてその柱部材のじん性率をδ2 (<δ0 )とし、補強省略区間を設けない残りの柱部材のじん性率をδ1 (>δ0 )としたときの構造物全体としてのエネルギ吸収能をE1 としたとき、
E1 ≧E0
となるように、前記補強省略区間を設ける柱の本数、もしくは補強省略区間を設けた柱部材を有する構造物の水平耐力を設定することを特徴とする。
また、本発明は、部材の変形性能が完全弾塑性部材であり、各部材のじん性率を10δy としたときの構造物の全エネルギー吸収能と、一部柱部材の補強を省略し、残りの柱部材に対して13δy 以上が確保できる補強をした構造物が等価なエネルギー吸収能になるための条件として、補強省略区間の見かけのせん断耐力比をX、構造物が降伏する時の変位をδy としたとき、補強省略区間を設ける柱部材のじん性率δ2 が、
1.0<X≦1.7のときδ2 ≧3δy
1.7<X≦2.5のときδ2 ≧5δy
2.5<Xのとき δ2 ≧7δy
であることを特徴とする。
本発明は、鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物全体系において効果的に耐震性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本方法の適用対象物は、RCラーメン高架橋、RCラーメン橋台等の不静定構造物である。これは、構造物に大きな変形が生じた時に、補強を省略した柱端が抵抗モーメントを有しないヒンジのように働いても、それ以外の柱端の塑性ヒンジ(部材が正負交番の繰返し変形を受けた場合に安定して耐力を保持し、塑性変形性能を発揮するヒンジ)により地震力に抵抗することが期待できるからである。以下では柱端部の補強鋼材を省略した鉄筋コンクリート(RC)柱試験体に対して、静的正負交番裁荷試験を行い、補強を省略した試験体の耐震性を確認するとともに、補強を省略することで一部の部材端の耐震性が低下した際の構造物の耐震性について検討する。
図1は構造物における補強を一部省略する柱部材と、補強を省略しない柱部材の説明図である。
1は高架橋の一部を示しており、地中梁2から上層梁3に渡って施工されている柱部材のうち、柱部材4は水平支持部材5の上端部から地中梁2までが補強省略区間でそれ以外は補強区間、6は補強を一部省略しない(全区間補強)柱部材、7は柱中間部の補強を一部省略する柱部材で、それ以外の区間が補強区間であり、10は集中補強鋼材である。
図2は補強省略部の説明図であり、図2(a)は地中梁側柱端部、図2(b)は柱中間部がそれぞれ補償省略区間の場合を示している。もちろん、上層梁側柱端部が補償省略区間の場合もあるが、柱部材の補強を一部省略する箇所は1部材で1箇所までとする。
集中補強鋼材は、部材全長を補強すべき柱部材の補強を一部省略して、その前後の補強を集中して配置した鋼材であり、柱端部の補強を省略する場合は、力が加わったときに補強省略区間に損傷を集中させ、柱中間部の補強を省略する場合は、力が加わったときに、補強省略区間で損傷を発生させないようにするためのものである。
補強省略区間は、実際に補強を省略する区間であり、部材端から補強鋼材端までの区間(図2(a))、または補強鋼材端から補強鋼材端までの区間(図2(b))であり、その長さが補強省略区間長で1D(Dは断面高さ)以下である。
無補強区間は、設計上補強を省略すると仮定した区間であり、部材端から集中補強鋼材の重心までの区間(図2(a))、または集中補強鋼材の重心から重心までの区間(図2(b))であり、その長さが無補強区間長である。
次に、試験概要について説明する。
図3は試験体の補強鋼材配置を説明する図である。フーチング20を基礎にして柱21が施工され、補強筋(鋼材)22が所定ピッチで巻回され、その最下段が集中補強鋼材である。図のhは断面高さ、aは断面有効高さ、h1 は補強省略区間、h2 は無補強区間長であり、表1は試験体諸元を示している。
Figure 0004928159
表1において、試験体は、実物のラーメン高架橋柱の約1/2スケールを想定したもの13体(試験体NoA1〜A4、B1〜B4、C1〜C3、D1〜D2)、約1/1スケールのもの2体(試験体NoLB1〜LC1)である。
b×hは試験体の断面寸法(mm)、dは断面有効高さ(mm)、径×本数は軸方向鉄筋の径(mm)と本数の積、径−間隔は補強鋼材の径と配列ピッチ(mm)、h1は補強省略区間の長さ(mm)、h2は無補強区間長(mm)、最下段は補強鋼材のうち最下段の集中補強鋼材を表している。A1〜A4では、最下段が他の補強鋼材と同じD13であるので、集中補強鋼材は設けていないケースに相当する。C1、C2では、無補強区間のフーチング上端部をD13の補強鋼材で補強し、C3では無補強区間のフーチング上端部をD13×2の補強鋼材で補強し、D1、D2では内部鉄筋(帯鉄筋)を設け、LC1では、さらに無補強区間のフーチング上端部をD25、D38で補強した場合である。
試験体への載荷方法は、軸力を一定とした静的正負交番載荷であり、1δy までは荷重制御で載荷し、最外縁の軸方向鉄筋ひずみが材料の試験結果から定まる降伏ひずみに達したときの変位を降伏変位δyexpとした。2δy 以降は、δyexpの整数倍の変位毎に各一回ずつ変位制御で交番載荷した。また、1サイクルの載荷速度は120秒を最速とし、変位が大きくなるにしたがって載荷点での載荷速度の上限値が1mm/secとなるよう載荷速度を変更し、水平荷重が降伏荷重の2割程度になるまで試験を行った。表2は材料及び載荷試験結果を示している。
Figure 0004928159
表2において、柱及びフーチングのコンクリート強度(圧縮強度)をそれぞれfck(N/mm2 )、軸方向鉄筋、一般の補強鋼材および集中補強鋼材の強度(降伏強度)をそれぞれfsy(N/mm2 )とした。降伏荷重Pmy(kN)は降伏したときの水平荷重、降伏変位δy (mm)は降伏が生じたときの変位、最大荷重Pmax (kN)は最大の水平荷重、終局変位δn (mm)は水平荷重が降伏荷重を下回ったときの変位、じん性率μexp はδn /δy である。なお、計算値としてのじん性率μcal は、実験値としての降伏変位が測定上ばらつきが生ずるため、これを回避するため計算で求めた降伏変位δycal(mm)を用いてδn /δycalとして求めたものである。
材料試験の結果より柱コンクリートの圧縮強度は24.0〜38.7N/mm2 であり、軸方向鉄筋の降伏強度は360〜412N/mm2 であった。載荷試験の結果、全ての試験体が曲げ降伏(最外縁の軸方向鉄筋が材料試験により確認した降伏ひずみとなる)に達し、最終的にはせん断破壊、またはせん断破壊と曲げ破壊の境界的な破壊性状であった。また、実験上の変形性能(じん性率)は3.10〜7.93であり、降伏変位の誤差を取り除くため降伏変位を計算式で算定し、この値を基に整理した変形性能(じん性率)は3.12〜8.96であった。
〔試験結果〕
(試験体の損傷状況)
A1〜A4(集中補強無し)については、A4以外は試験終了時にかぶりコンクリートが剥落し、せん断ずれを起こしたのは、フーチング上から最下段の補強鉄筋重心より若干上までの範囲であり、破壊したせん断面も最下段の補強鉄筋の上であった。
一方、B1〜B4、C1〜C3、D1〜D2(集中補強鉄筋あり)については、いずれも試験終了時にかぶりコンクリートが剥落し、せん断ずれを起こしたのは、補強省略区間のみであった。このことから、B1〜B4、C1〜C3、D1〜D2(集中補強鉄筋あり)では、補強省略区間に損傷を集中させることができていることが分かる。
(試験体の荷重変位)
図4はA1〜A4の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。
無補強区間長がA1<A2<A3<A4であり、無補強区間長が大きくなるほど変形性能が低下している。
図5はB1、B2、LB1の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。
B1、B2、LB1の試験体は、いずれも無補強区間長/断面有効高さが0.9程度であり、荷重−変位関係に大きな違いは見られない。
図6はC1〜C3、LC1の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。
無補強区間長/断面有効高さが0.7程度のC1と、1.0程度のC2、C3、LC1を比較すると、C1では荷重低下する変位量が他の3体の2倍程度になり変形性能が大きく、荷重低下後の勾配も比較的緩やかである。
図7はD1、D2の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。
無補強区間長がD1>D2であり、無補強区間長が大きくなるほど、荷重低下する変位量が小さくなり、変形性能が低下している。
以上の実験で、無補強区間長/断面有効高さが0.64〜1.47、見かけのせん断耐力比(無補強区間長をせん断スパンとする見かけのせん断耐力と部材が曲げ耐力に達する時のせん断力との比)が1.3 〜3.3 、軸方向鉄筋比が2.87〜3.58%、断面高さが400mm 〜700mm 、軸圧縮応力度が0.98N/mm2 において、確認された設計の条件、設計方法に関して検討する。
図8は大変形の水平変位を受けた柱部材の鉛直変位を説明する図である。
ここでは無補強区間長/断面有効高さが0.9程度で集中補強鋼材を配置したB1、LB1試験体における水平変位と鉛直変位の関係を表している。図の横軸の水平変位は各試験体の計算上の降伏変位で除した値であり、縦軸の鉛直変位は断面の有効高さで除した値を百分率で表したものである。両試験体とも5〜7δy 程度までは部材長が伸び、その後鉛直変位は徐々に短縮側に移行するが、水平変位が10δy 程度でも鉛直変位は有効高さの6〜8%程度であった。このことから構造物の一部に無補強区間を有する柱部材があっても構造物の崩壊がないことが分かる。
図9は無補強区間長/断面有効高さと部材じん性率の関係を示したものである。
ここでは、載荷試験終了時に観測したせん断破壊線(部材がせん断破壊により急激に耐力を失う際に斜めにずれる線)が無補強区間内において発生した試験体を対象にしたもので、無補強区間長が小さくなるに従って部材じん性率の増加量が大きくなっている。
図10は損傷範囲が無補強区間に制御された試験体についての無補強区間における見かけの耐力比(無補強区間長をせん断スパンとする見かけのせん断耐力と部材が曲げ耐力に達する時のせん断力との比)と部材じん性率との関係を示す図である。
図示するように見かけのせん断耐力比と部材じん性率の関係は正比例しており、例えば、部材じん性率3δy 、5δy 、7δy に対する見かけのせん断耐力比はそれぞれ1.0 、1.7 、2.5 となる。
次に、ラーメン高架橋の柱端部の補強を一部省略することで、大変形時に他の節点に比べ早く耐力を失いヒンジになることを許容した場合、構造物全体系に対してどのような影響を及ぼすかを静的非線形解析により検討する。
ここでの解析例は、
(1)構造形式
構造形式:RCビームスラブ式ラーメン高架橋
径間 :線路方向3径間
接続形式:両張出し形式
基礎形式:1柱1杭基礎(地中梁形式)
検討方向:線路方向
(2)形状一般
全長 :L=28.98m(柱間8.00m)
地中梁天端からスラブ天端:7.0m
杭長 :21.00m
(3)部材諸元
(断面)
上層梁:1,100mm(1,450)×800 mm
(スラブ3,900mm ×250mm )
柱 :800mm ×800mm
地中梁:800mm ×1,200 mm
杭 :φ1,270mm
(材料強度)
コンクリート:fck=24N/mm2
鉄筋 :fsyk =345N/mm2
図11は解析モデルのイメージを示す図である。
30は柱、40は上層梁、50は地中梁、60は杭を示しており、上層梁40に対して矢印のように水平方向に力を加えた場合を想定し、解析ケースは以下の通りとする。なお、a、b、c、d、e、f、g、hは柱端部を示している。
CASEI-1:各柱部材を補強し、無補強区間は設けない基本ケース(ヒンジ設定なし)
CASEI-2:柱下端部eをヒンジに設定(無補強区間とした)
CASEI-3:柱下端部hをヒンジに設定(無補強区間とした)
CASEI-4:柱下端部e、fをヒンジに設定(無補強区間とした)
CASEI-5:柱下端部g、hをヒンジに設定(無補強区間とした)
CASEI-6:柱下端部e、f、g、hをヒンジに設定(無補強区間とした)
図12は、横軸が変位、縦軸が水平耐力であり、各ケースの計算結果を降伏時の水平耐力、降伏変位、N点(終局変位)に達する時の変位を線形化して結んだものである。なお、降伏変位から終局変位に達するまでの水平耐力は一定として単純化している。
図から節点をヒンジに設定することで水平耐力は低下するものの、終局変位に対する影響は小さいことが分かる。
図13はヒンジに設定する節点の比率(ヒンジに設定する部材端の数/柱部材の全部材端数)と構造物の水平耐力(震度換算)の関係を示したものである。
この例では、ヒンジに設定する節点の比率は、CASEI-1が0、CASEI-2,CASEI-3が0.125 、CASEI-4,CASEI-5が0.25、CASEI-6が0.5 である。節点をヒンジに設定する割合に反比例して構造物の水平耐力が低下する傾向を示している。
図14は全ての柱部材を耐震補強した構造物と補強を一部省略した柱部材を有する構造物のエネルギー吸収能の関係を示したものである。
ここでは、部材の変形性能を完全弾塑性部材であると仮定して、各部材の変形性能(じん性率)を10δy としたときの構造物の全エネルギー吸収能と、一部柱部材の補強を省略し、残りの柱部材に対して13δy 以上が確保できる補強をした構造物が等価なエネルギー吸収能になるための条件を計算した。計算上の仮定は、補強を省略した部材は一定の変形性能で水平力を負担しない部材となること、補強可能な部材は鋼板巻き耐震補強方法、柱外周に鉄筋を配置して柱の四隅で定着する補強方法等のように補強後の変形性能が13δy 以上を確保できることが周知である補強方法で補強を行うものとした。
Aは補強を省略せず、1Khy の水平耐力を維持して各部材の変形性能10δy のケースで、この台形の面積が全エネルギー吸収能を示している。Bは3δy において構造物の水平耐力を0.7Khyまで低下させる柱部材が含まれ、残りの柱部材に対する補強によりその後0.7Khyを維持して変形性能が13δy となるケース、Cは5δy において構造物の水平耐力を0.625Khyまで低下させる柱部材が含まれ、残りの柱部材に対する補強によりその後0.625Khyを維持して変形性能が13δy となるケース、Dは7δy において構造物の水平耐力を0.500Khyまで低下させる柱部材が含まれ、残りの柱部材に対する補強によりその後0.500Khyを維持して変形性能が13δy となるケースで、それぞれの占める面積が台形の面積(ケースA)と等しく、全エキルギー吸収能が等価であることを示している。
すなわち、一部の部材端が耐力を失ったあとの残りの水平耐力が、3δy で耐力を失う部材端を含む構造物(ケースB)では70%以上、5δy で耐力を失う部材端を含む構造物(ケースC)では62.5%以上、7δy で耐力を失う部材端を含む構造物(ケースD)では50.0%以上あれば、補強を一部省略しても、残りの柱部材に対する補強により補強後の変形性能が13δy 以上を確保できれば、補強を省略せず部材変形性能を10δy になるように耐震補強を行った構造物と等価或いはそれ以上のエネルギー吸収能となることを示している。
このことから、補強省略区間を設けた柱部材のじん性率が低下しても、これをカバーするように補強省略区間を設けない残りの柱部材のじん性率が充分大きくなるような補強をすれば全柱部材に対して補強を省略しない構造物と同程度またはそれ以上の耐震性能を維持でき、また、このような耐震性能を維持できる範囲で、補強省略区間を設ける柱の本数の設定、或いは補強省略区間を設けた柱部材を有する構造物の水平耐力を設定すればよいことが分かる。
ところで、損傷範囲が無補強区間に制御された試験体のデータから得られた図10に示す無補強区間における見かけの耐力比と部材じん性率との関係から、じん性率3δy 、5δy 、7δy に対する見かけのせん断耐力比はそれぞれ1.0 、1.7 、2.5 である。このことから、補強省略区間の見かけのせん断耐力比をX、構造物が降伏する時の変位をδy としたとき、補強省略区間を設ける柱部材のじん性率δ2 としたとき、
1.0<X≦1.7のときδ2 ≧3δy
1.7<X≦2.5のときδ2 ≧5δy
2.5<Xのとき δ2 ≧7δy
であれはよいことが分かる。
また、3δy (見かけのせん断耐力比1.0 )で耐力を失う部材端を含む構造物は70%までの耐力低下、5δy (見かけのせん断耐力比1.7 )で耐力を失う部材端を含む構造物は62.5%までの耐力低下、7δy (見かけのせん断耐力比2.5 )で耐力を失う部材端を含む構造物は50.0%までの耐力低下であれば、補強を一部省略しても補強後の変形性能が13δy 以上を確保できる補強を行えばよいこととなる。
そこで、見かけのせん断耐力比をX、耐力低減率の制限値をYとしたとき、
1.0 <X≦1.7 ではY=0.700
1.7 <X<2.5 ではY=0.625
2.5 <X ではY=0.500
と設定すればよい。
なお、この関係を1構造物において補強を一部省略する柱の本数の割合(N)に換算すると次のようになる。
1.0 <X≦1.7 ではN≦1/2
1.7 <X<2.5 ではN≦2/3
2.5 <X ではN=1(全ての部材で省略可能)
上記においては、柱端部に補強省略区間を設ける場合を想定し、損傷範囲が補強省略区間に発生するように設定している。しかし、補強省略区間を柱中間に設けてその前後に集中補強鋼材を配置する場合に、損傷範囲が補強省略区間に発生したのでは柱が損壊してしまい耐震性能を維持できなくなる。そこで、補強省略区間を柱中間とする場合には、補強省略区間の見かけのせん断耐力をその柱部材に働くせん断力より大きくし、水平荷重を受けたときの柱部材の損傷を補強省略区間以外に発生させるようにすればよい。その結果、損傷は曲げモーメントが最大にかかる柱部材端に発生することになり、上記の耐震補強方法がそのまま適用できることになる。
図15は集中補強を行う場合の鋼材量の算定について説明する図である。
柱断面の有効高さをd、無補強区間長をせん断スパンaとする設計せん断耐力をVud1 、集中補強鋼材の直上のせん断ひび割れを仮想のせん断スパン(集中補強鋼材が有効に作用する区間でa+0.4d)Vud2 、既設RC柱のせん断補強鋼材を用いない設計せん断耐力Vcd1 (せん断スパン長a)、Vcd2 (せん断スパン長a+0.4d)、集中補強鋼材により受け持たれる設計せん断耐力Vred とすると、
ud1 =Vcd1
ud2 =Vcd2 +Vred
であり、Vud2 /Vud1 となるように集中補強鋼材量を決定する。
本発明によれば構造物全体系において効果的に耐震性を確保できるので産業上の利用価値は大きい。
構造物における補強を一部省略する柱部材と、補強を省略しない柱部材の説明図である。 補強省略部の説明図である。 試験体の補強鋼材配置を説明する図である。 A1〜A4の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。 B1、B2、LB1の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。 C1〜C3、LC1の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。 D1、D2の荷重変位曲線の包絡線を示す図である。 大変形の水平変位を受けた柱部材の鉛直変位を説明する図である。 無補強区間長/断面有効高さと部材じん性率の関係を示す図である。 損傷範囲が無補強区間に制御された試験体についての無補強区間における見かけの耐力比と部材じん性率との関係を示す図である。 解析モデルのイメージを示す図である。 各ケースの計算結果を降伏時の水平耐力、降伏変位、N点(終局変位)に達する時の変位を線形化して結んだ図である。 ヒンジに設定する節点の比率と構造物の水平耐力の関係を示す図である。 全ての柱部材を耐震補強した構造物と補強を一部省略した構造物のエネルギー吸収能の関係を示す図である。 中補強を行う場合の鋼材量の算定について説明する図である。 従来の補強方法を説明する図である。
符号の説明
30…柱、40…上層梁、50…地中梁、60…杭。

Claims (2)

  1. 補強省略区間を1区間のみ設けてその端部に集中補強鋼材を配置し、補強省略区間の見かけのせん断耐力比(無補強区間長をせん断スパンとする見かけのせん断耐力と部材が曲げ耐力に達する時のせん断力との比)を1より大きくした柱部材を有する構造物の補強方法であって、
    全柱部材に補強省略区間を設けない場合の構造物の水平耐力をP0、じん性率をδ0 としたきの構造物全体としてのエルギ吸収能をE0 (=P0×δ0 )とし、前記構造物の所定の柱部材に対して補強省略区間を設けてその柱部材のじん性率をδ2 (<δ0 )とし、補強省略区間を設けない残りの柱部材のじん性率をδ1 (>δ0 )としたときの構造物全体としてのエネルギ吸収能をE1 としたとき、
    E1 ≧E0
    となるように、前記補強省略区間を設ける柱の本数、もしくは補強省略区間を設けた柱部材を有する構造物の水平耐力を設定することを特徴とする鉄筋コンクリート柱部材を有する構造物の耐震補強方法。
  2. 部材の変形性能が完全弾塑性部材であり、各部材のじん性率を10δy としたときの構造物の全エネルギー吸収能と、一部柱部材の補強を省略し、残りの柱部材に対して13δy 以上が確保できる補強をした構造物が等価なエネルギー吸収能になるための条件として、補強省略区間の見かけのせん断耐力比をX、構造物が降伏する時の変位をδy としたとき、補強省略区間を設ける柱部材のじん性率δ2 が、
    1.0<X≦1.7のときδ2 ≧3δy
    1.7<X≦2.5のときδ2 ≧5δy
    2.5<Xのとき δ2 ≧7δy
    であることを特徴とする請求項1記載の耐震補強方法。
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